JP2020169806A - エネルギー変換素子およびこれを用いた温度調節装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】騒音、振動が発生しない単純な構造を有する、運動エネルギーから温度差エネルギーへのエネルギー変換素子を提供する。また前記エネルギー変換素子を用いて温度調節装置を構築する。【解決手段】回転する円盤状の磁気作業物質と、これに磁場を印加する部分とを磁性流体を用いて熱的に接合し、磁場により発熱した熱量を永久磁石部分に誘導する。さらに冷間状態部分も磁性流体により低温出力端子に熱的に接続する。これにより円盤状磁気作業物質の回転により高温部分と低温部分を取り出すことができる。前記素子を直列接続することにより高温と低温の温度差を必要に応じて増加させることが可能となる。前記エネルギー変換素子集合体により温度調節装置を構築できる。【選択図】図1
Description
本開示は、運動エネルギーから温度差エネルギーへ変換するエネルギー変換素子構造及び構成材料及びこれを用いた温度調節装置に関する。
室温よりも低い低温を生み出す手法として、気体の冷媒を圧縮しこれを蒸発させる際に低温を生じさせる蒸気圧縮冷凍機が知られており冷蔵庫、エアコン等に広く普及している。また冷媒を気化させる手法として、吸収力の高い液体に別の冷媒を吸収させる際に生じる低圧を用いる吸収式冷凍機も知られている。
さらに、電気エネルギーから直接的に温度差エネルギーを生じさせるペルチェ素子も開発され実用化されている。
また、磁場を印加すると発熱し、磁場を除去すると吸熱する磁気作業物質を用いた磁気冷凍機が研究開発されている。これまで研究開発されてきた磁気冷凍方式とは、磁性体の磁気熱量効果を熱交換流体によって伝搬し、所定の冷凍サイクルを駆動することによって冷凍温度幅や冷凍能力を得る方法である。これは一般的にAMR(Active Magnetic Regenerator)冷凍法と呼ばれ、室温付近での磁気冷凍において有効な手法であると認識されている(特許5060602参照)。
さらに、電気エネルギーから直接的に温度差エネルギーを生じさせるペルチェ素子も開発され実用化されている。
また、磁場を印加すると発熱し、磁場を除去すると吸熱する磁気作業物質を用いた磁気冷凍機が研究開発されている。これまで研究開発されてきた磁気冷凍方式とは、磁性体の磁気熱量効果を熱交換流体によって伝搬し、所定の冷凍サイクルを駆動することによって冷凍温度幅や冷凍能力を得る方法である。これは一般的にAMR(Active Magnetic Regenerator)冷凍法と呼ばれ、室温付近での磁気冷凍において有効な手法であると認識されている(特許5060602参照)。
フロンレスを実現する磁気冷凍技術ー東芝、東芝レビュー62巻9号(2007年9月),https://www.toshiba.co.jp/tech/review/2007/09/62_09pdf/rd01.pdf
前記冷却手法はいずれも電気エネルギー、運動エネルギー等を温度差のエネルギーに変換し低温部分と高温部分を生じさせる手法である。電気エネルギーから温度差エネルギーへの変換に関してはペルチェ素子によりシンプルに変換可能であるが、運動エネルギーから温度差のエネルギーに関しては複雑な構造が必要とされる。すなわち騒音振動を伴うガスの圧縮、気化、あるいは磁気冷凍においては磁場の印加と同期して冷媒の移動を行うAMR装置が必要となっていた。AMR装置においては磁場の印加に同期した冷媒調整等騒音振動を伴う複雑な機構が必要とされる。
本発明は運動エネルギーから温度差エネルギーへ変換する手法において、磁気冷凍AMR等のような弁の開閉を含む複雑な動作を伴うことなく直接にエネルギー変換を行い、素子に運動エネルギーを入力することで騒音振動を伴うことなく直接的に温度差エネルギーを出力させることを目的とする。
上述の課題を解決するために、第1の開示は、回転あるいは往復運動をする磁気作業物質と、前記磁気作業物質に磁場を印加するための永久磁石を含む磁場印加部との間に液体または微粒子が分散された液体を充填し、永久磁石による磁場印加により発熱した熱量を磁場印加部に熱伝導することで高温側の熱の出力を磁場印加部を通して行うエネルギー変換素子の構造である。
第2の開示は磁気作業物質と磁場印加部との間に充填する液体または微粒子が分散された液体に磁性流体を用いて、回転あるいは往復運動する磁気作業物質と磁場印加部を継続的に熱伝導させる第1の開示のエネルギー変換素子の構造である。
第3の開示は低温側の出力端子において、回転あるいは往復運動する磁気作業物質と低温出力端子との間に液体または微粒子が分散された液体を充填することで連続的に低温を得ることができる第1,2の開示のエネルギー変換素子の構造である。
第4の開示は低温側の出力端子において、磁性流体を保持できるが磁気作業物質を発熱させない0.01Tから0.1T程度の弱い磁場となる永久磁石を含む磁場印加部を設置し、さらに磁気作業物質と前記磁場印加部の間に磁性流体を充填することで連続的に低温を得ることができるエネルギー変換素子の構造である。
第5の開示は前記エネルギー変換素子の低温出力端子と別個体の同様なエネルギー変換素子の高温出力端子を熱伝導性良く接続することで直列接続として、温度差を増加させるエネルギー変換素子の接続手法である。
第6の開示は前記エネルギー変換素子積層集合体において、磁気作業物質の組成を動作温度条件に伴い変化させることを特徴とするエネルギー変換素子の構成である。
第7の開示は前記エネルギー変換素子集合体を冷却部あるいは加熱部に用いることを特徴とする温度調節装置の構成である。
本開示によれば、騒音振動を伴うことなく複雑な弁の開閉無しに単純に運動エネルギーを温度差エネルギーへ変換することができる。さらに前記エネルギー変換素子を用いて加熱あるいは冷却装置を得ることができる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果またはそれらとは異質な効果であってもよい。
本開示の実施形態について以下の順序で説明する。
1 第1-4の実施形態
2 第5、6の実施形態
1 第1-4の実施形態
2 第5、6の実施形態
<1 第1-4の実施形態>
「磁気作業物質」
従来磁気冷凍技術として研究開発されているAMR装置においては、粒子状の磁気作業物質を用いてこの間隙に冷媒を往復させているが、本開示においては回転する軸に取り付けられた円盤状の磁気作業物質を用いる。回転軸により回転する円盤状の磁気作業物質を挟み込むようにして、磁気作業物質を発熱させる強力な磁場を有する高温出力端子と、磁場を印加しないかあるいは磁気作業物質を発熱させない弱い磁場を有する低温出力端子を設置する。
磁気作業物質にはGd(ガドリニウム)系合金、Mn(マンガン)系合金、La(ランタン)系合金、ホウ素化合物等を用いることができる。
「磁気作業物質」
従来磁気冷凍技術として研究開発されているAMR装置においては、粒子状の磁気作業物質を用いてこの間隙に冷媒を往復させているが、本開示においては回転する軸に取り付けられた円盤状の磁気作業物質を用いる。回転軸により回転する円盤状の磁気作業物質を挟み込むようにして、磁気作業物質を発熱させる強力な磁場を有する高温出力端子と、磁場を印加しないかあるいは磁気作業物質を発熱させない弱い磁場を有する低温出力端子を設置する。
磁気作業物質にはGd(ガドリニウム)系合金、Mn(マンガン)系合金、La(ランタン)系合金、ホウ素化合物等を用いることができる。
「高温出力端子」
回転軸に取り付けられ、回転する円盤状の磁気作業物質を挟み込む形で磁気作業物質を発熱させるのに必要な永久磁石を含む磁場印加部を設置して磁場を印加する。磁気作業物質と磁場印加部との間に液体または微粒子が分散された液体を導入する。前記液体または微粒子が分散された液体には磁性流体を使用することができる。磁気作業物質が回転しても磁性流体は磁場に引き寄せられ磁場印加部に留まる。ここで磁場印加により磁気作業物質の磁化方向が揃うため磁気作業物質が発熱する。この発熱は液体または微粒子が分散された液体を通して磁場印加部へ熱伝導され、磁場印加部自体が高温出力端子となり、磁場印加部から高温熱量を取り出すことができる。
回転軸に取り付けられ、回転する円盤状の磁気作業物質を挟み込む形で磁気作業物質を発熱させるのに必要な永久磁石を含む磁場印加部を設置して磁場を印加する。磁気作業物質と磁場印加部との間に液体または微粒子が分散された液体を導入する。前記液体または微粒子が分散された液体には磁性流体を使用することができる。磁気作業物質が回転しても磁性流体は磁場に引き寄せられ磁場印加部に留まる。ここで磁場印加により磁気作業物質の磁化方向が揃うため磁気作業物質が発熱する。この発熱は液体または微粒子が分散された液体を通して磁場印加部へ熱伝導され、磁場印加部自体が高温出力端子となり、磁場印加部から高温熱量を取り出すことができる。
「低温出力端子」
強力な磁場から出た磁気作業物質は磁化の方向がランダムになることから冷却される。この際の低温状態を外部に熱伝達するため、低温出力端子を設置する。低温出力端子は磁場を印加しないか、あるいは磁気作業物質を発熱させない弱い磁場を磁気作業物質を挟むギャップ間に有する。磁気作業物質と低温出力端子は液体または微粒子が分散された液体により熱伝導される。回転軸に取り付けられ、回転する円盤状の磁気作業物質を挟み込む形で0.03T程度の弱い磁場となるように永久磁石を設置する。磁気作業物質と弱い磁石との間に磁性流体を導入する。磁気作業物質が回転しても磁性流体は磁場に引き寄せられ磁石部分に留まる。磁性流体に用いられるマグネタイト磁性紛は0.03T程度であっても強力に磁石に吸い寄せられ、磁気作業物質が回転しても磁石部分にとどまる。一方0.03T程度の磁場では磁気作業物質の磁化方向は十分には揃わず、磁気作業物質に十分な発熱は生じることなく低温状態が保持される。この低温度は磁性流体を通して磁石へ伝導され、磁石部分自体が低温出力端子となり、磁石部分を通して他の物質を冷却することができる。
高温出力端子と低温出力端子にそれぞれ充填された磁性流体はそれぞれの磁石により引き付けられお互いに交じり合うことなくそれぞれ高温状態と低温状態を維持できる。
強力な磁場から出た磁気作業物質は磁化の方向がランダムになることから冷却される。この際の低温状態を外部に熱伝達するため、低温出力端子を設置する。低温出力端子は磁場を印加しないか、あるいは磁気作業物質を発熱させない弱い磁場を磁気作業物質を挟むギャップ間に有する。磁気作業物質と低温出力端子は液体または微粒子が分散された液体により熱伝導される。回転軸に取り付けられ、回転する円盤状の磁気作業物質を挟み込む形で0.03T程度の弱い磁場となるように永久磁石を設置する。磁気作業物質と弱い磁石との間に磁性流体を導入する。磁気作業物質が回転しても磁性流体は磁場に引き寄せられ磁石部分に留まる。磁性流体に用いられるマグネタイト磁性紛は0.03T程度であっても強力に磁石に吸い寄せられ、磁気作業物質が回転しても磁石部分にとどまる。一方0.03T程度の磁場では磁気作業物質の磁化方向は十分には揃わず、磁気作業物質に十分な発熱は生じることなく低温状態が保持される。この低温度は磁性流体を通して磁石へ伝導され、磁石部分自体が低温出力端子となり、磁石部分を通して他の物質を冷却することができる。
高温出力端子と低温出力端子にそれぞれ充填された磁性流体はそれぞれの磁石により引き付けられお互いに交じり合うことなくそれぞれ高温状態と低温状態を維持できる。
<2 第5,6の実施形態>
「積層」
前記エネルギー変換素子は非常に単純な形態を採るが、従来研究されてきたAMR装置と比較して生じる温度差が少ない。ここで素子を直列に接続することで温度差を拡大することができる。
同一軸に接続された別個体の円盤状磁気作業物質に対してそれぞれ高温出力端子と低温出力端子を設置する。別個体の素子の低温出力端子と高温出力端子とを熱伝導性良く接続することにより前記低温出力端子と高温出力端子は同じ温度となる。このため接続されなかった側の出力端子間では温度差がさらに拡大する。ここでは2段接続の例を示したが、所望の温度差を得るために必要に応じて同様に積層数を増すことができる。
この際、積層された各素子に用いる磁気作業物質は同一である必要は無い。最適動作温度の異なる磁気作業物質を各素子の動作温度に従い配置し、より温度差の拡大を図ることができる。
「積層」
前記エネルギー変換素子は非常に単純な形態を採るが、従来研究されてきたAMR装置と比較して生じる温度差が少ない。ここで素子を直列に接続することで温度差を拡大することができる。
同一軸に接続された別個体の円盤状磁気作業物質に対してそれぞれ高温出力端子と低温出力端子を設置する。別個体の素子の低温出力端子と高温出力端子とを熱伝導性良く接続することにより前記低温出力端子と高温出力端子は同じ温度となる。このため接続されなかった側の出力端子間では温度差がさらに拡大する。ここでは2段接続の例を示したが、所望の温度差を得るために必要に応じて同様に積層数を増すことができる。
この際、積層された各素子に用いる磁気作業物質は同一である必要は無い。最適動作温度の異なる磁気作業物質を各素子の動作温度に従い配置し、より温度差の拡大を図ることができる。
「短冊型」
これまでは円盤状磁気作業物質を回転させる手法について開示したが、磁気作業物質を短冊型としてこれを往復運動させることもできる。短冊型磁気作業物質を挟むように、磁気作業物質を発熱させる高い磁場を有する高温出力端子と磁気作業物質を発熱させない低い磁場を有する低温出力端子をお互いが接し無い様に並べる。磁気作業物質とそれぞれ高温出力端子、低温出力端子の間には磁性流体を充填する。磁気作業物質を往復運動させる。磁気作業物質は高い磁場を有する高温出力端子に入った部分が発熱し、磁性流体により高温出力端子へ発熱が熱伝導され、高温出力端子が加熱される。高温出力端子から出た磁気作業物質は磁化の方向がばらつくため吸熱が生じ冷却される。この冷却状態は磁性流体により低温出力端子に伝導され、低温出力端子が冷却させる。こうして高温部分と低温部分が得られる。
短冊型においても積層構造を用いて前記同様に温度差を拡大することができる。
これまでは円盤状磁気作業物質を回転させる手法について開示したが、磁気作業物質を短冊型としてこれを往復運動させることもできる。短冊型磁気作業物質を挟むように、磁気作業物質を発熱させる高い磁場を有する高温出力端子と磁気作業物質を発熱させない低い磁場を有する低温出力端子をお互いが接し無い様に並べる。磁気作業物質とそれぞれ高温出力端子、低温出力端子の間には磁性流体を充填する。磁気作業物質を往復運動させる。磁気作業物質は高い磁場を有する高温出力端子に入った部分が発熱し、磁性流体により高温出力端子へ発熱が熱伝導され、高温出力端子が加熱される。高温出力端子から出た磁気作業物質は磁化の方向がばらつくため吸熱が生じ冷却される。この冷却状態は磁性流体により低温出力端子に伝導され、低温出力端子が冷却させる。こうして高温部分と低温部分が得られる。
短冊型においても積層構造を用いて前記同様に温度差を拡大することができる。
以下、実施例により本開示を具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
本実施例について以下の順序で説明する。
i エネルギー変換素子単体
ii エネルギー変換素子積層集合体
iii エネルギー変換素子積層集合体を用いた温度調節装置
i エネルギー変換素子単体
ii エネルギー変換素子積層集合体
iii エネルギー変換素子積層集合体を用いた温度調節装置
〈i エネルギー変換素子単体での実施例〉
径5mm、長さ50mmのステンレス製軸を用意した。前記軸中央に穴あき円盤状厚さ1.5mm、直径40mmの磁気作業物質Gd(ガドリニウム)を設置し、軸に固定した。軸回転により円盤状磁気作業物質も回転する。
径5mm、長さ50mmのステンレス製軸を用意した。前記軸中央に穴あき円盤状厚さ1.5mm、直径40mmの磁気作業物質Gd(ガドリニウム)を設置し、軸に固定した。軸回転により円盤状磁気作業物質も回転する。
磁気作業物質に磁場を印加するため、円盤状磁気作業物質を挟み込むようにヨーク付きの永久磁石を設置した。永久磁石にはNdFeB系マグネットを用いてギャップ間隔は4.0mmとした。ギャップ間の磁束は0.9Tとした。磁気作業物質と永久磁石の間にマグネタイト磁性紛からなる磁性流体を充填し、高温出力端子とした。
高温出力端子の円周反対側に低温出力端子を設置するため、円盤状磁気作業物質を挟み込むようにヨーク付きの永久磁石を設置した。永久磁石にはSr-Ferrite系マグネットを用いてギャップ間隔は4.0mmとした。ギャップ間の磁束は0.03Tとした。磁気作業物質と永久磁石の間にマグネタイト磁性紛からなる磁性流体にを充填し、低温出力端子とした(図1,2)。
室温及び素子構成材料はすべて初期は23.0℃とした。軸の回転により軸に固定された円盤状の磁気作業物質を回転させた。回転数は5rpmとした。磁気作業物質の回転によっても磁性流体はそれぞれ高温出力端子、低温出力端子によって固定され移動しないことを確認した。軸の回転を始めて3分後に温度を測定したところ高温出力端子では23.9℃、低温出力端子では22.1℃と観察された。軸の回転という運動エネルギーが温度差のエネルギーへ直接的に変換されることが判明した。
ここでは円盤状の磁気作業物質回転の例を開示したが、短冊状の磁気作業物質を往復運動させて場合も同様の結果が得られた(図5,6)。
ここでは円盤状の磁気作業物質回転の例を開示したが、短冊状の磁気作業物質を往復運動させて場合も同様の結果が得られた(図5,6)。
〈ii エネルギー変換素子積層集合体〉
前記に示したエネルギー変換素子の同軸上に別個体のエネルギー変換素子を設置した。この際一方のエネルギー変換素子の高温出力端子がもう一方の低温出力端子と熱伝導性良く接続するように伝熱性材料を介して密着固定するように設置しエネルギー変換素子積層集合体とした(図3)。これと対になる出力端子の接合部分では断熱性の材料を配し、熱が伝わり難くした。
室温及び素子初期温度を23.0℃とし、軸を5rpmで回転させ、5分後にエネルギー変換素子積層集合体の両端の高温出力端子、低温出力端子の温度を測定した。ここで両端の高温出力端子、低温出力端子の温度はそれぞれ24.8℃、21.2℃であり、単体での温度差より増加させることが出来た。
同様にして積層構造を3段、4段とした場合それぞれ温度差が拡大することを確認した。4段とした場合、同一の磁気作業物質Gdすなわち純Gd1.00を用いて室温及び素子初期温度を23.0℃とし、軸を5rpmで回転させ、5分後にエネルギー変換素子積層集合体の両端の高温出力端子、低温出力端子の温度を測定した。ここで両端の高温出力端子、低温出力端子の温度はそれぞれ26.4℃、19.6℃であった。
さらに、ここで使用している4枚の円盤状磁気作業物質の内、高温部の2枚を純Gd1.00とし、低温部の2枚を組成Gd0.98Y0.02の磁気作業物質として同様に軸を5rpmで回転させ、5分後にエネルギー変換素子積層集合体の両端の高温出力端子、低温出力端子の温度を測定した。ここで両端の高温出力端子、低温出力端子の温度はそれぞれ26.4℃、19.4℃であった。4枚ともにGd0.98Y0.02とした場合は4枚ともに純Gdの場合と同様の結果となり、異なる組成の磁気作業物質を用いた場合には低温部と高温部の温度差を広げられる場合があることが判明した。
前記に示したエネルギー変換素子の同軸上に別個体のエネルギー変換素子を設置した。この際一方のエネルギー変換素子の高温出力端子がもう一方の低温出力端子と熱伝導性良く接続するように伝熱性材料を介して密着固定するように設置しエネルギー変換素子積層集合体とした(図3)。これと対になる出力端子の接合部分では断熱性の材料を配し、熱が伝わり難くした。
室温及び素子初期温度を23.0℃とし、軸を5rpmで回転させ、5分後にエネルギー変換素子積層集合体の両端の高温出力端子、低温出力端子の温度を測定した。ここで両端の高温出力端子、低温出力端子の温度はそれぞれ24.8℃、21.2℃であり、単体での温度差より増加させることが出来た。
同様にして積層構造を3段、4段とした場合それぞれ温度差が拡大することを確認した。4段とした場合、同一の磁気作業物質Gdすなわち純Gd1.00を用いて室温及び素子初期温度を23.0℃とし、軸を5rpmで回転させ、5分後にエネルギー変換素子積層集合体の両端の高温出力端子、低温出力端子の温度を測定した。ここで両端の高温出力端子、低温出力端子の温度はそれぞれ26.4℃、19.6℃であった。
さらに、ここで使用している4枚の円盤状磁気作業物質の内、高温部の2枚を純Gd1.00とし、低温部の2枚を組成Gd0.98Y0.02の磁気作業物質として同様に軸を5rpmで回転させ、5分後にエネルギー変換素子積層集合体の両端の高温出力端子、低温出力端子の温度を測定した。ここで両端の高温出力端子、低温出力端子の温度はそれぞれ26.4℃、19.4℃であった。4枚ともにGd0.98Y0.02とした場合は4枚ともに純Gdの場合と同様の結果となり、異なる組成の磁気作業物質を用いた場合には低温部と高温部の温度差を広げられる場合があることが判明した。
これまで1枚の円盤状磁気作業物質に対して1対の高温出力端子および低温出力端子の例を示したが、1枚の円盤状磁気作業物質に対して複数対の高温出力端子および低温出力端子を設置することも可能である。また低温出力端子、および高温出力端子は角形の形状を示したが、それぞれ円盤状磁気作業物質の形状に沿った扇形、円弧状にしても良い。
〈iii エネルギー変換素子積層集合体を用いた温度調節装置〉
〈ii エネルギー変換素子積層集合体〉で示した2段のエネルギー変換素子積層集合体を用いて冷却装置を構築した。高温出力端子に冷却水を接続し、高温出力端子が室温(23.0℃)となるように設定した。軸を5rpmで回転させ、5分後にエネルギー変換素子積層集合体の低温出力端子の温度を測定した。ここで低温出力端子の温度は19.5℃となっており、冷却装置が可能となった。エネルギー変換素子積層数を増加させることによりさらに低温化が可能であった。
同様にして低温出力端子の温度を室温(23.0℃)となるように設定することで高温出力端子の温度を26.5℃とすることができた。加熱及び冷却が可能な温度調節装置を構成することが出来た。
〈ii エネルギー変換素子積層集合体〉で示した2段のエネルギー変換素子積層集合体を用いて冷却装置を構築した。高温出力端子に冷却水を接続し、高温出力端子が室温(23.0℃)となるように設定した。軸を5rpmで回転させ、5分後にエネルギー変換素子積層集合体の低温出力端子の温度を測定した。ここで低温出力端子の温度は19.5℃となっており、冷却装置が可能となった。エネルギー変換素子積層数を増加させることによりさらに低温化が可能であった。
同様にして低温出力端子の温度を室温(23.0℃)となるように設定することで高温出力端子の温度を26.5℃とすることができた。加熱及び冷却が可能な温度調節装置を構成することが出来た。
運動エネルギーを直接的に温度差エネルギーへ変換できるため、さらに気体の圧縮、弁の開閉等複雑な構造が不要であるために高信頼性、低騒音、低振動で加熱冷却システムが構築可能である。高温出力端子から冷媒等を通して放熱用ラジエターへ接続し、また低温出力端子から冷媒等を通して必要とされる冷却システムへ接続できる。同様にして加熱システム構築も可能である。このため運動エネルギーを発生する自動車等各種輸送機器、水車、風車等自然エネルギー変換装置から直接的に高温、低温を発生させる冷蔵庫、エアコン等各種加熱あるいは冷却システムに応用可能である。
1 円盤状磁気作業物質
1-b 円盤状磁気作業物質(1と異なる組成)
2 磁性流体
3 NdFeCo系永久磁石
4 鉄系磁気ヨーク材料
5 Srフェライト系永久磁石
6 磁気作業物質設置用ハブ
7 高温出力端子
8 低温出力端子
9 回転軸
10 伝熱性材料
11 断熱性材料
12 積層状態高温出力端子
13 積層状態低温出力端子
14 短冊状磁気作業物質
1-b 円盤状磁気作業物質(1と異なる組成)
2 磁性流体
3 NdFeCo系永久磁石
4 鉄系磁気ヨーク材料
5 Srフェライト系永久磁石
6 磁気作業物質設置用ハブ
7 高温出力端子
8 低温出力端子
9 回転軸
10 伝熱性材料
11 断熱性材料
12 積層状態高温出力端子
13 積層状態低温出力端子
14 短冊状磁気作業物質
Claims (7)
- 回転あるいは往復運動をすることが可能で磁場の印加により発熱する磁気作業物質と、前記磁気作業物質に磁場を印加するための永久磁石を含む磁場印加部を備え、かつ前記磁気作業物質と前記磁場印加部の間に液体または微粒子が分散された液体を充填し、磁場印加により発熱した熱量を磁場印加部に熱伝導することで磁場印加により発熱した熱量の出力を磁場印加部を通して行うことを特徴とするエネルギー変換素子。
- 磁場印加部と磁気作業物質との間に充填する液体または微粒子が分散された液体は、磁性微粒子を含む磁性流体であることを特徴とする〈請求項1〉記載のエネルギー変換素子。
- 回転あるいは往復運動をすることが可能で磁場の印加により発熱する磁気作業物質と、前記磁気作業物質を発熱させる為の磁場を印加するための永久磁石を含む磁場印加部を備え、かつ前記磁気作業物質が冷間状態である際に、前記磁気作業物質との間に充填された液体または微粒子が分散された液体により熱伝達を行う低温出力端子を備えることを特徴とする〈請求項1、2〉記載のエネルギー変換素子。
- 回転あるいは往復運動をすることが可能で磁場の印加により発熱する磁気作業物質と、前記磁気作業物質を発熱させる為の磁場を印加するための永久磁石を含む磁場印加部を備え、かつ前記磁気作業物質が冷間状態である際に、前記磁気作業物質との間に充填された磁性流体により熱伝達を行う低温出力端子を備えることを特徴とするエネルギー変換素子。
- 〈請求項1−4〉記載の複数のエネルギー変換素子をそれぞれ、低温部分と別個体の高温部分を直接あるいは伝熱性材料により熱的に接続し直列接続とすることで、加熱、冷却の温度幅を増加させることを特徴とするエネルギー変換素子集合体。
- 〈請求項5〉記載のエネルギー変換素子集合体において、磁気作業物質の組成が各素子間で均一ではないことを特徴とするエネルギー変換素子集合体。
- 〈請求項1-6〉記載のエネルギー変換素子及びエネルギー変換素子集合体を用いることを特徴とする温度調節装置。
Applications Claiming Priority (2)
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