JP2020169131A - マイコプラズマ殺菌剤 - Google Patents

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Eriko Watanabe
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Abstract

【課題】本発明は、細菌を殺菌、消毒、抗菌するための、組成物、組み合わせ物、およびキットを提供する。特に、本発明は、マイコプラズマを殺菌、消毒、抗菌するための、組成物、組み合わせ物、およびキットを提供する。【解決手段】(a)ゼオライト;および、(b)ゼオライトではないキレート剤を含む本発明の組成物、組み合わせ物、およびキットは、細菌に対する優れた殺菌、消毒、および抗菌作用を示す。好ましくは、本発明のゼオライトは、金属(例えば、亜鉛)を含む。【選択図】 なし

Description

本発明は、マイコプラズマを殺菌、消毒、抗菌するための、組成物、組み合わせ物、およびキットに関する。
マイコプラズマ(Mycoplasma)は、細菌の一属であり、真核生物を宿主とする寄生生物で、細胞壁を持たず細胞やゲノムが約55万〜140万塩基対程度と非常に小さいという特徴を持つ。マイコプラズマの細胞サイズは、約200〜300nmであり、TCA回路、脂質合成系、アミノ酸合成経路を欠損しており、大半が合成培地で増殖できず、たいていの場合はステロールやアミノ酸、脂質、核酸など多くの成長因子を必要とする。天然では特定の真核生物(主に脊椎動物)細胞に付着して寄生する。培養細胞と共存することが多い。マイコプラズマはしばしばヒトにおいて非定型肺炎を引き起こす。
マイコプラズマが原因となるウシの疾患としては、例えば、マイコプラズマ性肺炎、マイコプラズマ性中耳炎、および、マイコプラズマ性乳房炎が挙げられる。
マイコプラズマ性乳房炎は近年増えてきている乳房炎である。しかし、一般的な細菌検査では検出できないので、発育菌なしとして処理される場合が多い。その一方で、マイコプラズマ性乳房炎は、一部のマイコプラズマを除き治療できないと考えられていた。むしろ従来は、治療作業がマイコプラズマを広げる原因となり得ると考えられており、マイコプラズマ陽性牛(特にM.Bovis)は、即座に淘汰しなければならないと考えられていた。下手な治療法とその搾乳作業が伝染を広める結果になり得るからである(非特許文献1)。
北海道デーリィマネージメントサービス(有)、「マイコプラズマ性疾患の衛生管理」、[on line]、2017年3月23日作成、[平成31年3月31日検索]、インターネット<http://e-doto.com/hdms/pdf/management04.pdf>
本発明は、マイコプラズマを殺菌、消毒、抗菌するための手段を提供することを課題とする。
発明者らは、ゼオライトとキレート剤(または有機酸)を組み合わせることによって、マイコプラズマを殺菌、消毒、抗菌するための優れた手段が提供できることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
以下:
(a)ゼオライト;および、
(b)ゼオライトではないキレート剤;
を含む、細菌を殺菌、消毒、または抗菌するための組成物。
(項目2)
前記細菌がマイコプラズマである、項目1に記載の組成物。
(項目3)
前記ゼオライトが、亜鉛、鉄、アルミニウムおよび銅からなる群から選択される金属を含む、項目1に記載の組成物。
(項目4)
前記ゼオライトが亜鉛を含む、項目1に記載の組成物。
(項目5)
前記ゼオライト中の前記亜鉛の含量が、0.01%〜10%である、項目4に記載の組成物。
(項目6)
前記ゼオライトが構造コードFAUを有する、項目1に記載の組成物。
(項目7)
前記ゼオライトが、フォージャサイト、モンモリロナイト、およびモルデナイトからなる群から選択される、項目1に記載の組成物。
(項目8)
前記キレート剤が、クエン酸、EDTA、ギ酸、シュウ酸、リンゴ酸、および、グルコン酸からなる群から選択される、項目1に記載の組成物。
(項目9)
前記キレート剤が、クエン酸である、項目1に記載の組成物。
(項目10)
以下:
(a)ゼオライト;および、
(b)ゼオライトではないキレート剤;
を含む、細菌を殺菌、消毒、または抗菌するための組み合わせ物。
(項目11)
以下:
(a)ゼオライト;および、
(b)ゼオライトではないキレート剤;
を含む、細菌を殺菌、消毒、または抗菌するためのキット。
(項目12)
前記細菌がマイコプラズマである、項目10に記載の組み合わせ物または項目11に記載のキット。
(項目13)
前記ゼオライトが、亜鉛、鉄、アルミニウムおよび銅からなる群から選択される金属を含む、項目10に記載の組み合わせ物または項目11に記載のキット。
(項目14)
前記ゼオライトが亜鉛を含む、項目10に記載の組み合わせ物または項目11に記載のキット。
(項目15)
前記ゼオライトが構造コードFAUを有する、項目10に記載の組み合わせ物または項目11に記載のキット。
(項目16)
前記ゼオライトが、フォージャサイト、モンモリロナイト、およびモルデナイトからなる群から選択される、項目10に記載の組み合わせ物または項目11に記載のキット。
(項目17)
前記キレート剤が、クエン酸、EDTA、ギ酸、シュウ酸、リンゴ酸、および、グルコン酸からなる群から選択される、項目10に記載の組み合わせ物または項目11に記載のキット。
(項目18)
前記キレート剤が、クエン酸である、項目10に記載の組み合わせ物または項目11に記載のキット。
(項目19)
項目1〜9のいずれか一項に記載の組成物、項目10または12〜18のいずれか一項に記載の組み合わせ物、あるいは、項目11〜18のいずれか一項に記載のキットを用いる、マイコプラズマを殺菌、消毒、または抗菌する方法。
本発明は、細菌、例えば、マイコプラズマを殺菌、消毒、抗菌するための手段を提供する。
図1は、特開2004−300005に記載される人工ゼオライト製造装置である。 図2は、マイコプラズマに対する本発明の殺菌組成物の効力を示す結果である。縦軸は、マイコプラズマの相対量を示す。
本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
(用語の定義)
「マイコプラズマ」とは、マイコプラズマ属(Mycoplasma)の属する細菌をいう。
「殺菌」とは、標的となる微生物集団の少なくとも一部、好ましくは全部を死滅させる作用をいう。
「消毒」とは、目的の領域(例えば、ウシの乳腺の表面)に存在する標的となる微生物集団の少なくとも一部、好ましくは全部について、殺菌させる作用、または、病原性もしくは感染性を消失させる作用をいう。
「抗菌」とは、標的となる微生物集団の増殖を防ぐ作用をいう。
「ゼオライト」とは、一般に
(M,MII 1/2(AlSi2(m+n))・xHO,(n≧m)
:Li,Na,K,など、MII:Ca2+,Mg2+,Ba2+など
の組成で示され、陽イオンがアルミノケイ酸塩の骨格の負電荷を補償する。構造の基本的な単位はSiOあるいはAlOの四面体構造(あわせてTO四面体)であり、これらが3次元方向に無限に連なり、結晶を形成する。ゼオライトには、人工ゼオライトと天然ゼオライトが存在する。ゼオライトの骨格構造は、国際ゼオライト学会によりデータベース化されており、アルファベット大文字3個からなる構造コードが与えられている(http://www.iza-structure.org/databases/)。この構造コードは骨格の幾何構造のみを指定するものであり、組成や格子定数が異なっても幾何構造が等しければ同じ構造コードに含まれる。本発明の使用に好ましいゼオライトの構造コードは、FAUである。本発明において使用するのに好ましいゼオライトは、キレート剤と混合した場合に完全に水性溶液中に溶解する性質を有するゼオライトである。本発明において特に好ましいゼオライトは、フォージャサイト、モンモリロナイト、およびモルデナイトである。好ましくは、本発明のゼオライトは、2価の金属(例えば、亜鉛)を含む。本発明において使用するゼオライトは、好ましくは0.01%(重量/重量%)以上の2価の金属(例えば、亜鉛)、より好ましくは0.05%(重量/重量%)以上の2価の金属(例えば、亜鉛)、さらにより好ましくは0.1%(重量/重量%)以上の2価の金属(例えば、亜鉛)を含む。さらに、本発明のゼオライトは、2価の金属として、亜鉛の代わりに、あるいは、亜鉛に加えて、鉄、アルミニウムおよび/または銅を含んでもよい。
「キレート剤」とは、溶液中で金属イオンと結合する非金属のリガンドで、リガンド分子内の複数の配位原子で1つの金属イオンと結合し、その金属イオンの活性を低下させる分子をいう。本発明において使用する場合、キレート剤は、ゼオライト以外のキレート剤をいう。キレート剤としては、例えば、クエン酸、EDTA、ギ酸、シュウ酸、リンゴ酸、および、グルコン酸が挙げられるがこれらに限定されない。
「有機酸」とは、有機化合物の酸の総称である。本発明において使用する場合、有機酸としては、例えば、クエン酸、ギ酸、シュウ酸、リンゴ酸、および、グルコン酸が挙げられるがこれらに限定されない。
(好ましい実施形態)
以下に好ましい実施形態の説明を記載するが、この実施形態は本発明の例示であり、本発明の範囲はそのような好ましい実施形態に限定されないことが理解されるべきである。当業者はまた、以下のような好ましい実施例を参考にして、本発明の範囲内にある改変、変更などを容易に行うことができることが理解されるべきである。これらの実施形態について、当業者は適宜、任意の実施形態を組み合わせ得る。
(人工ゼオライトの製造)
人工ゼオライトの製造法は、例えば、特開2004−300005に記載されるように周知である。人工ゼオライトは例えば、石炭灰と水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液からなるスラリーを一次加熱処理した後、アルミン酸ナトリウムを該スラリーに添加し、二次加熱処理することで人工ゼオライトを製造する。前記アルミン酸ナトリウムは、非晶質のアルミナ系原料を水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液に混合・撹拌した上で加熱処理することにより製造することができる。
例えば、特開2004−300005に記載されるように図1を参照して説明すると、以下のとおりである:
・一次処理槽(1)、副原料処理槽(2)及び二次処理槽(3)はボイラー(4)で加熱でき、またモーター(M)駆動で攪拌することができる。各処理槽はオートクレーブ或いは煮沸槽のどちらでも構わないが、オートクレーブの方が煮沸槽よりも反応処理時間を短くすることができる。実施例では一次処理槽(1)と二次処理槽(3)はオートクレーブを使用し、副原料処理槽(2)は煮沸槽を使用した。
・一次処理槽(1)に石炭灰と水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液を加え、一次加熱処理を施す。また、ここで添加するアルカリは公知のアルカリ源が使用できるが、経済的には水酸化ナトリウム(所謂苛性ソーダ)が適している。石炭灰と水酸化ナトリウム水溶液の基本的な配合割合は次の通りである。
石炭灰:2モルNaOH水溶液=100kg:300L
・水酸化ナトリウム水溶液の濃度及び固液比については、石炭灰の成分の違いにより適宜調節する必要がある。
・次に副原料処理槽(2)に水酸化アルミニウム・スラッジと水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液を加え、攪拌しながら加熱する。主原料に対する副原料の目安となる配合割合は次の通りである。
水酸化アルミニウム・スラッジ:4モルNaOH水溶液=20kg:70L
・上記の水酸化アルミニウム・スラッジ量は乾物重量であり、実際の使用の際は、含水率やその他の含有物質等を調べ、配合割合を適宜調節する必要がある。また、水酸化ナトリウムの濃度及び固液比についても、一次加熱処理で溶出するケイ素分を測定し、その量に応じて適宜調節する必要がある。
・一次処理槽(1)及び副原料処理槽(2)で処理した後、それぞれを二次処理槽(3)に移し、二次加熱処理を施す。二次加熱処理後は脱水機(5)で固液分離をする。
(人工ゼオライトへの亜鉛の添加)
上記のゼオライトはナトリウム型になっているので、最初にゼオライトの水でスラリーを調製する。このスラリーに塩酸を添加しpHを1〜2に調整し、ゼオライトの重量に対し10%になるように塩化亜鉛または亜鉛粉末を添加する。放置後ゼオライトを沈殿させて回収し、再度スラリーを調製し水酸化ナトリウムでpHを7〜8に調整後、ゼオライトを水洗し、乾燥することによって作製する。
あるいは、山本ら(日本食品化学学会誌、Vol.9(3)、114−119(2002))に記載されるように、ゼオライトを金属イオン溶液に浸漬・イオン交換することによっても、ゼオライトに金属を添加することは可能である。具体的には、以下のとおりである。まず、イオン交換のためのイオン交換溶液を調製する。その調製においては、水溶液中の金属イオンがすべてイオン交換によってゼオライトに吸着されると仮定して、各金属硝酸塩を蒸留水200mlに必要金属イオン量に相当する量を溶解させる。イオン交換反応については、A型ゼオライトを例として示すと、ゼオライト100gを300mlの蒸留水に投入して室温にて約1.5時間撹拌して充分に分散させ、それにそれぞれの濃度に調製した金属硝酸塩水溶液全量を添加して、15時間撹拌(300rpm)を行う。この操作の後、ろ過し、Agの場合はろ液が1.65g/L、NaCl水溶液滴下で白濁がなくなるまで蒸留水で洗浄する。Zn、Cuの場合は、ろ液が7.49g/L NaS・9HO水溶液滴下で白濁あるいは褐濁しなくなるまで同様に洗浄する。得られた試料は110℃、15時間乾燥を行う。Ag−Y、Ag−天然の試料調製も同様の方法で行うことができる。
(ゼオライトの選択)
本発明において使用するゼオライトは特に限定されないが、本発明での使用に好ましいゼオライトの構造コードは、FAUである。本発明において使用するのに好ましいゼオライトは、キレート剤と混合した場合に完全に水性溶液中に溶解する性質を有するゼオライトである。本発明において特に好ましいゼオライトとしては、例えば、フォージャサイト、モンモリロナイト、およびモルデナイトが挙げられるがこれらに限定されない。
好ましくは、本発明のゼオライトは、亜鉛を含む。本発明において使用するゼオライトとしては、好ましくは金属を含むゼオライト、より好ましくは亜鉛を含むゼオライトを選択する。本発明において使用するゼオライトは、好ましくは0.01%(重量/重量%)以上の2価の金属(例えば、亜鉛)、より好ましくは0.05%(重量/重量%)以上の2価の金属(例えば、亜鉛)、さらにより好ましくは0.1%(重量/重量%)以上、0.2%(重量/重量%)以上、0.3%(重量/重量%)以上、0.34%(重量/重量%)以上、0.4%(重量/重量%)以上、または、0.5%(重量/重量%)以上の2価の金属(例えば、亜鉛)を含む。好ましくは、2価の金属(例えば、亜鉛)を添加する上限は10%(重量/重量)である。本発明のゼオライトは、2価の金属として、亜鉛の代わりに、あるいは、亜鉛に加えて、鉄、アルミニウムおよび/または銅を含んでもよい。
本発明において使用するゼオライトとしては、例えば、沖縄産ゼオライトを使用することができる。沖縄産ゼオライトには2種類有り、火力発電所からでる石炭灰にケイ酸アルミニウムを添加してつくったゼオライトと,沖縄原産で山から採掘したゼオライトとがある。これら天然の沖縄産ゼオライトは、亜鉛を含んでいる(自然界においてこれらゼオライトは亜鉛を吸着している)。
(本発明の組成物)
ゼオライト、および、ゼオライトではないキレート剤を含む、細菌を殺菌、消毒、または抗菌するための本発明の組成物は、好ましくは、ゼオライト1に対してキレート剤2以上を水性溶液中に添加し、ゼオライトを溶解させて製造する。ゼオライトは完全に溶解することが好ましいが、一部溶解せずに固形のまま残っていても、本発明の組成物として利用することができる。好ましくは、水100mlに対してゼオライト2gとキレート剤4gを添加してゼオライトを水溶液中で溶解する。本発明の水溶液は、好ましくは用事調製される。
この原液を直接マイコプラズマのような細菌を殺菌、消毒、または抗菌するために使用することができる。本発明の組成物を空中から散布する場合には、原液を10倍〜20倍希釈して使用することができる。また、手洗いや動物の表皮の殺菌、消毒、抗菌の場合には、原液を20倍〜40倍希釈して使用することができる。細胞培養培地または細胞懸濁液または冷凍細胞ストックにおいてマイコプラズマのような細菌を殺菌、消毒、または、抗菌するためには、これらの溶液に本発明の組成物を適量添加してもよい。本発明の組成物は、無菌的に製造することが可能であるため、多くの用途における殺菌剤、消毒剤、または抗菌剤として利用可能である。
本発明の組成物は、時間の経過とともにゼオライトが析出する可能性があることから、用事調製することが好ましい。例えば、本願発明において、ゼオライト、および、ゼオライトではないキレート剤のそれぞれを混合することなく含むキットが提供され、細菌の殺菌、消毒または抗菌のために使用する直前に、ゼオライトおよびゼオライトではないキレート剤を混合して組成物を調製してもよい。
本発明の組成物の製造においては、キレート剤の代わりに、有機酸を使用してもよい。
理論に拘束されることは望まないが、本発明の組成物は、金属イオンの作用によって菌体内のDNaseを活性化しDNAを分解して細菌(例えば、マイコプラズマ)の再生力をなくすと考えられる。
本明細書において引用された、科学文献、特許、特許出願などの参考文献は、その全体が、各々具体的に記載されたのと同じ程度に本明細書において参考として援用される。
以上、本発明を、理解の容易のために好ましい実施形態を示して説明してきた。以下に、実施例に基づいて本発明を説明するが、上述の説明および以下の実施例は、例示の目的のみに提供され、本発明を限定する目的で提供するものではない。したがって、本発明の範囲は、本明細書に具体的に記載された実施形態にも実施例にも限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
(実施例1:殺菌組成物の調製)
本実施例で使用する殺菌組成物を調製した。100mlの水に沖縄産モルデナイト(フォージャサイト Ca型:RFUA−Y)2gとクエン酸4gを添加し、よく撹拌して完全に溶解した。この組成物をマイコプラズマ殺菌組成物として使用した。この組成物を以下の実施例では、「A剤原液」と呼ぶ。
(実施例2:殺菌組成物の効力)
1.0mlの菌の浮遊液中のE.coli(NERC3972)(菌数:6.3×10)に対して、A剤原液0.1mlを添加し、37℃で18時間接触させた後に菌数を測定したところ5×10に減少し、24時間接触させた後に菌数を測定したところE.coliは検出できなかった。この結果は、本発明の殺菌組成物の優れた効果を実証する。比較対象として、構造の異なるゼオライトA(A型ゼオライト、構造コードLTA)を用い同様の実験を行ったところ、37℃で18時間接触させた後の菌数は2.2×10であり、24時間接触させた後の菌数は2.3×10であり、優れた殺菌作用は観察されなかった。
さらに、A剤原液を用いた同様の実験をStaphylococcus aureusに対して行ったところ、初発菌数2.6×10の菌数が室温で18時間接触させた後には3.0×10に減少しており、本発明の殺菌組成物は、Staphylococcus aureusに対しても優れた殺菌作用を示した。
(実施例3:マイコプラズマに対する殺菌組成物の効力)
マイコプラズマに対する本発明の殺菌組成物の効力を試験した。実施例1で調製したA剤原液とマイコプラズマ増菌液などを以下の表1のとおりに混合した。表1の試料番号「1」〜「13」の結果は、図2において「bovis−1」〜「bovis−13」として示される。
増菌培地として、「シカジーニアス(R)牛マイコプラズマプラスキットシリーズ」(関東化学株式会社、東京)に添付のマイコプラズマ用液体培地(NK培地)を用いた。使用したマイコプラズマは、原液濃度1.5×10CFU/mlのATCC寄託番号ATCC PG45の菌株である。
コントロールとして、ATCC原液(図2の「bovis−ATCC原液」)、ならびに、ATCC原液を10倍希釈したサンプル(図2の「bovis−10−1」)、ATCC原液を100倍希釈したサンプル(図2の「bovis−10−2」)、ATCC原液を10倍希釈したサンプル(図2の「bovis−10−3」)、ATCC原液を10倍希釈したサンプル(図2の「bovis−10−4」)、ATCC原液を10倍希釈したサンプル(図2の「bovis−10−5」)、ATCC原液を10倍希釈したサンプル(図2の「bovis−10−6」)、ATCC原液を10倍希釈したサンプル(図2の「bovis−10−7」)、および、ATCC原液を10倍希釈したサンプル(図2の「bovis−10−8」)を使用した。
A剤と各サンプルを23℃で接触させ、12時間後および24時間後に、各々の試験管より反応液を200μlずつサンプリングし、各々のサンプル液を滅菌水にて8倍希釈し「シカジーニアス(R)牛マイコプラズマプラスキットシリーズ」(関東化学株式会社、東京)を用いて定量PCRを行った。PCR反応溶液とPCR反応条件は、以下のとおりである。
(1)PCR反応溶液
10×Additive buffer 1μl
ボビスプライマーMIX 5μl
2× buffer 10μl
Takara−Mighty Amp ver.3 0.4μl
SYBER Green 1μl
サンプル(8倍希釈) 5μl
Total 22.4μl
(2)PCR反応条件
98℃ 2分、
40サイクル(98℃ 10秒、66℃ 15秒、68℃ 30秒)
1サイクル(95℃ 15秒、60℃ 30秒、95℃ 15秒)。
PCRの結果を参考にして、各々のサンプル液の菌濃度を予測し、コロニーカウントしやすい希釈倍率を試験管ごとに算出し、反応液100μlマイコプラズマ用寒天培地に塗布し、37℃、COふ卵器にて培養し、10日後に生菌数を確認するため、コロニーカウントしCFU/mlを算出した。結果を図2に示した。
図2に示されるように、本発明の殺菌組成物は、マイコプラズマに対する優れた殺菌作用を示した。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明は、細菌、特にマイコプラズマに対する優れた殺菌、消毒、抗菌を有する組成物、組み合わせ物、およびキットを提供する。

Claims (19)

  1. 以下:
    (a)ゼオライト;および、
    (b)ゼオライトではないキレート剤;
    を含む、細菌を殺菌、消毒、または抗菌するための組成物。
  2. 前記細菌がマイコプラズマである、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記ゼオライトが、亜鉛、鉄、アルミニウムおよび銅からなる群から選択される金属を含む、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記ゼオライトが亜鉛を含む、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記ゼオライト中の前記亜鉛の含量が、0.01%〜10%である、請求項4に記載の組成物。
  6. 前記ゼオライトが構造コードFAUを有する、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記ゼオライトが、フォージャサイト、モンモリロナイト、およびモルデナイトからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  8. 前記キレート剤が、クエン酸、EDTA、ギ酸、シュウ酸、リンゴ酸、および、グルコン酸からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  9. 前記キレート剤が、クエン酸である、請求項1に記載の組成物。
  10. 以下:
    (a)ゼオライト;および、
    (b)ゼオライトではないキレート剤;
    を含む、細菌を殺菌、消毒、または抗菌するための組み合わせ物。
  11. 以下:
    (a)ゼオライト;および、
    (b)ゼオライトではないキレート剤;
    を含む、細菌を殺菌、消毒、または抗菌するためのキット。
  12. 前記細菌がマイコプラズマである、請求項10に記載の組み合わせ物または請求項11に記載のキット。
  13. 前記ゼオライトが、亜鉛、鉄、アルミニウムおよび銅からなる群から選択される金属を含む、請求項10に記載の組み合わせ物または請求項11に記載のキット。
  14. 前記ゼオライトが亜鉛を含む、請求項10に記載の組み合わせ物または請求項11に記載のキット。
  15. 前記ゼオライトが構造コードFAUを有する、請求項10に記載の組み合わせ物または請求項11に記載のキット。
  16. 前記ゼオライトが、フォージャサイト、モンモリロナイト、およびモルデナイトからなる群から選択される、請求項10に記載の組み合わせ物または請求項11に記載のキット。
  17. 前記キレート剤が、クエン酸、EDTA、ギ酸、シュウ酸、リンゴ酸、および、グルコン酸からなる群から選択される、請求項10に記載の組み合わせ物または請求項11に記載のキット。
  18. 前記キレート剤が、クエン酸である、請求項10に記載の組み合わせ物または請求項11に記載のキット。
  19. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物、請求項10または12〜18のいずれか一項に記載の組み合わせ物、あるいは、請求項11〜18のいずれか一項に記載のキットを用いる、マイコプラズマを殺菌、消毒、または抗菌する方法。
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