以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態は、例示であり、本開示による発光装置は、以下の実施形態に限られない。例えば、以下の実施形態で示される数値、形状、材料、ステップ、そのステップの順序などは、あくまでも一例であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の改変が可能である。
図面が示す構成要素の寸法、形状等は、わかり易さのために誇張されている場合があり、実際の発光装置における寸法、形状および構成要素間の大小関係を反映していない場合がある。また、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示を省略することがある。
以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。以下の説明では、特定の方向または位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」およびそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向または位置をわかり易さのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向または位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品、製造装置等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本開示において「平行」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面等が0°から±5°程度の範囲にある場合を含む。また、本開示において「垂直」または「直交」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面等が90°から±5°程度の範囲にある場合を含む。
図1および図2は、本開示の実施形態による発光装置を模式的に示す。参考のために、図1および図2には、互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印が描かれている。本開示の他の図面においてもこれらの矢印を示すことがある。図1は、本開示の実施形態による発光装置を上面側から見た外観を模式的に示しており、図2は、図1に示す発光装置を図のZX面に平行に切断したときの断面を模式的に示す。図2に示す断面は、図1のII−II断面に相当する。
図1および図2に示す発光装置100Aは、概略的には、発光素子110Aと、発光素子110Aを支持する基板150とを有する。図2に示すように、基板150は、上面150aおよび上面150aとは反対側に位置する下面150bを有し、上面150a側に配線層153Aを有している。基板150は、さらに、配線層153Aの一部を覆う第1反射部材154を有する。ここでは、第1反射部材154は、概ね層状を有しており、その一部に開口154zが設けられている。基板150の配線層153Aの一部は、第1反射部材154の開口154zの内側において露出されている。
図1に示すように、発光素子110Aは、上面視において第1反射部材154の開口154zの内側に配置され、基板150上に実装される。発光素子110Aは、ハンダ等の接合部材を介して、基板150の配線層153Aに電気的に接続される。なお、この例では、発光素子110Aの全体は、透光部材160の凹部160r内に配置されることによって、透光部材160によって覆われている。
図1に例示する構成において、配線層153Aは、第1配線部31、第2配線部32および第3配線部33を含むランドパターンを有する。第1配線部31は、その一部に第1ランドL1を有する。ここで、本明細書における「ランド」とは、配線層のうち線状の配線と比較して比較的大きな面積を有する島状の構造を指す。配線層153Aの第2配線部32は、第2ランドL2、第3ランドL3および接続部30を有し、第3配線部33は、第4ランドL4を有する。図1に模式的に示すように、第1ランドL1、第2ランドL2、第3ランドL3および第4ランドL4の一部は、第1反射部材154の開口154zにおいて露出されている。後述するように、第1ランドL1、第2ランドL2、第3ランドL3および第4ランドL4には、発光素子110Aの電極が接続される。
図1に模式的に示すように、第1配線部31と第2配線部32との間には、ギャップG12が設けられており、第1配線部31の第1ランドL1および第2配線部32の第2ランドL2は、このギャップG12によって空間的に分離されることにより電気的に分離されている。同様に、第2配線部32と第3配線部33との間には、ギャップG23が設けられており、これらの間は電気的に分離されている。また、第3配線部33と第1配線部31との間にギャップG31が設けられることにより、第3配線部33および第1配線部31の間も電気的に分離されている。ギャップG12の一部、ギャップG23の一部およびギャップG31の一部は、第1反射部材154の開口154zの内側にも現れている。
図1に示すように、第2配線部32にもスリット状のギャップG20が設けられている。ギャップG20の形成により、第2配線部32の第2ランドL2および第3ランドL3のうち、第1反射部材154の開口154zから露出された部分は、空間的に分離されている。ただし、第2ランドL2および第3ランドL3は、第2配線部32の接続部30を介して互いに電気的に接続された状態にあり、等電位である。
図1に示すように、配線層153Aの第1ランドL1、第2ランドL2、第3ランドL3および第4ランドL4のうち、互いに隣接する2つのランドにおいて、隣接する2つのランド間のギャップG12、G20、G23およびG31の幅、つまり、隣接する2つのランド間の距離は、発光素子110Aに近い側よりも遠い側の方が大きくてもよい。具体的には、第1反射部材154に覆われた領域における隣接する2つのランド間の距離GL2は、第1反射部材154の開口154z内における隣接する2つのランド間の距離GL1よりも大きい。図1に示す形態では、第1反射部材154の開口154z内では、隣接する2つのランド間の距離GL1は、発光素子110Aからの距離にかかわらず同じである。第1反射部材154の開口154z内では、隣接する2つのランド間の領域、つまり、ギャップG12、G20、G23およびG31は、第1反射部材154で覆われておらず、基板150の上面150aが露出している。
本開示の実施形態において、発光装置中の発光素子は、それぞれが電気的に独立した複数の半導体発光構造を有する。例えば、図2に示す発光素子110Aは、共通の透光基板10上に形成された第1半導体発光構造111と、第2半導体発光構造112とを含んでいる。後に図面を参照して詳しく説明するように、第1半導体発光構造および第2半導体発光構造は、それぞれが、n型半導体層およびp型半導体層に挟まれた活性層を有し、所定の電流の供給を受けることにより光を発する発光構造である。以下では、簡単のために、第1半導体発光構造111および第2半導体発光構造112をそれぞれ「第1発光セル111」および「第2発光セル112」と呼ぶ。
第1発光セル111および第2発光セル112のそれぞれは、基板150の配線層153Aと対向する側に、正側および負側の電極を有する。後に図面を参照して詳しく説明するように、第1発光セル111は、互いに極性の異なる第1電極(例えばn側電極)および第2電極(例えばp側電極)を有し、第2発光セル112も、互いに極性の異なる第1電極(例えばn側電極)および第2電極(例えばp側電極)を有する。第1発光セル111の第1電極および第2電極は、配線層153Aの第1ランドL1および第2ランドL2にそれぞれ電気的に接続され、第2発光セル112の第1電極および第2電極は、配線層153Aの第3ランドL3および第4ランドL4にそれぞれ電気的に接続される。
ここでは、第2ランドL2および第3ランドL3は、第2配線部32の一部である。したがって、第1発光セル111の第2電極が第2ランドL2に接続され、第2発光セル112の第1電極が第3ランドL3に接続される結果、第1発光セル111および第2発光セル112は、配線層153Aを介して電気的に直列に(あるいは並列に)接続される。
図2に示す発光素子110Aのように、電流の供給によりそれぞれを独立して発光させることが可能な複数の発光セルを単一の発光素子中に配置するような構成に対して、電圧降下の測定等を通して、各発光セルについて、リーク電流等の不具合を検査できると有益である。しかしながら、発光素子が、それぞれを独立して稼働可能な複数の発光セルを有する場合、一旦基板上に実装されてしまうと、発光素子中の複数の発光セルが基板の配線層を介して互いに電気的に接続されることになる。そのため、例えば、複数の発光セルが基板の配線層を介して電気的に直列に接続されている場合、複数の発光セル全体での電圧降下を測定することはできても、各発光セルについての電圧降下を測定することができない。つまり、例えば逆バイアスの印加によってリークを検出しようとした場合、複数の発光セルのうちの1つにリークが生じていたとしても、他の発光セルによって電流が遮断される結果、リークを検出できないことがあり得る。また、測定値に対する規格は、一般に測定の精度および発光セルの個体差(電気的特性のばらつき)を考慮して設定されるので、複数の発光セル全体での電圧降下を測定することによっては、微小なリークを有する発光セルを特定してその発光セルの不具合を検知できない可能性がある。
これに対し、本開示の実施形態では、例えば、基板150の配線層153Aに設けられた第1ランドL1、第2ランドL2、第3ランドL3および第4ランドL4に、それぞれ、第1発光セル111の第1電極、第1発光セル111の第2電極、第2発光セル112の第1電極および第2発光セル112の第2電極が接続される。ここで、第2ランドL2および第3ランドL3は、共通の第2配線部の一部である。したがって、配線層153Aを介して第1発光セル111および第2発光セル112を例えば電気的に直列に接続することができる。このような構成においては、配線層153Aの第1ランドL1と第2ランドL2との間の電圧降下等を測定することにより、第1発光セル111におけるリーク電流の有無を調べることが可能である。また、配線層の第3ランドL3(あるいは第2ランドL2)と第4ランドL4との間の電圧降下等を測定すれば、第2発光セル112におけるリーク電流の有無を調べることが可能である。すなわち、配線層153Aを介して互いに電気的に接続された状態でありながら、第1発光セル111におけるリーク電流の有無と、第2発光セル112におけるリーク電流の有無とを個別に検証することができる。
すなわち、本開示の実施形態によれば、例えば直列に接続された状態の第1発光セル111および第2発光セル112のそれぞれについての電圧降下等を比較的に容易に測定できる。したがって、基板の配線層を介して電気的に接続された状態の複数の発光セルのそれぞれについて、リーク電流等の不具合の発生を検出することが可能になる。個々の発光セルに対する電気的特性の検査を可能にすることは、歩留まりの向上および発光装置の信頼性の向上に貢献する。
以下、図面を参照しながら、発光装置100Aの各構成要素を詳細に説明する。
[発光素子110A]
図3は、図1および図2に示す発光素子110Aを示す。図4は、発光素子110Aを図のYZ面に平行に切断したときの断面を模式的に示す。図4に示す断面は、図3のIV−IV断面に相当する。
本開示の実施形態による発光装置中の発光素子は、それぞれが電気的に独立した複数の半導体発光構造を有する。図3に例示する構成において、発光素子110Aは、透光基板10と、第1発光セル111(第1半導体発光構造111)および第2発光セル112(第2半導体発光構造112)とを含む。透光基板10は、発光素子110Aの上面を構成する上面10aと、上面10aとは反対側に位置する下面10bとを有する。図4に模式的に示すように、第1発光セル111は、透光基板10の下面10b上に形成されており、同様に、第2発光セル112も透光基板10の下面10b上に位置する。図3を参照すれば理解されるように、第1発光セル111および第2発光セル112は、透光基板10の下面10b上において空間的に分離されており、したがって、電気的にも独立している。
第1発光セル111および第2発光セル112のそれぞれは、LED(Light Emitting Diode)等の公知の半導体発光素子と同様の構造を有し得る。ここでは、第1発光セル111および第2発光セル112のそれぞれは、透光基板10の側から順にn型半導体層、活性層およびp型半導体層が積層された構造をその一部に含む。ここで、本開示の典型的な実施形態において、透光基板10上の複数の半導体発光構造の基本的な構成は、典型的には、これらの間で共通である。したがって、以下では、第1発光セル111および第2発光セル112のうち第1発光セル111に注目して、その構成の詳細を説明し、第2発光セル112の構成の詳細の説明を省略する。
第1発光セル111は、透光基板10の下面10b上のn型半導体層11nと、n型半導体層11nの一部の領域上に形成された活性層11eおよびp型半導体層11pを有する。換言すれば、第1発光セル111のn型半導体層11nは、その上面の一部に、活性層11eおよびp型半導体層11pのいずれにも覆われていない領域Rnを有する。上述したように、第1発光セル111および第2発光セル112は、透光基板10上において分離して配置されることにより、これらの間で電気的に分離されている。つまり、発光素子110A内において、第1発光セル111および第2発光セル112は、互いに電気的に独立した発光構造である。例えば、第1発光セル111と第2発光セル112との間には、透光基板10の下面10bが露出された、5μm程度の幅を有するギャップが形成される。
第1発光セル111の活性層および第2発光セル112の活性層から発生される光のピーク波長は、例えば360nm以上650nm以下の範囲にある。これら発光セルは、紫外〜可視域の発光が可能な窒化物半導体(InxAlyGa1−x−yN、0≦x、0≦y、x+y≦1)を含み得る。なお、上面視において、複数の発光セル(ここでは第1発光セル111および第2発光セル112)の間で活性層の形状および面積が共通であると、複数の発光セルの間に極端な輝度差が生じにくく、したがって輝度むらの抑制に有利である。
透光基板10は、第1発光セル111および第2発光セル112を支持する。透光基板10は、第1発光セル111および第2発光セル112の半導体積層構造の形成において半導体層をエピタキシャル成長させるための、サファイア基板および窒化ガリウム基板に代表される絶縁性の基板であり得る。本明細書における「透光」および「透光性」の用語は、入射した光に対して拡散性を示すことをも包含するように解釈され、「透明」であることに限定されない。図4に模式的に示すように、透光基板10の下面10bに微細な凹凸パターンを設けることにより、発光セルからの光取出し効率を向上させ得る。凹凸パターンは、例えば複数の微細な凸部から構成される。凹凸パターンを構成する凸部は、例えば5nm程度以上の高さを有し得る。
透光基板10の上面視における典型的な形状は、正方形等の矩形状である。透光基板10の矩形状の一辺の長さは、例えば300μm以上3mm以下程度の範囲であり、好ましくは、500μm以上1.5mm以下の範囲である。図1および図3では、透光基板10の矩形状の一辺は、図のX方向またはY方向に平行である。
透光基板10上の各発光セルは、さらに、1以上の絶縁層および電極を含む。例えば、第1発光セル111は、図4に示すように、n型半導体層11n、活性層11eおよびp型半導体層11pの積層構造を覆う第1絶縁膜13と、第1絶縁膜13上に位置するn側内部電極15nおよびp側内部電極15pと、n側内部電極15nおよびp側内部電極15pを覆う第2絶縁膜24と、第2絶縁膜24上に位置するn側外部電極21nおよびp側外部電極21pとをさらに有する。
第1絶縁膜13は、Si、Ti、Zr、Nb、Ta、AlおよびHfからなる群から選ばれる1種以上含有する酸化物または窒化物から形成され、第1発光セル111および第2発光セル112を連続して覆う。特に、SiO2は、可視光に対して高い透過性および低い屈折率が得られるので第1絶縁膜13の材料として適当である。例えば、SiO2およびNb2O5が繰り返し積層された多層膜を第1絶縁膜13に適用できる。
第1絶縁膜13には、複数の第1貫通孔13tが設けられており、後述のn側内部電極15nおよびp側内部電極15pは、これら第1貫通孔13tを介してn型半導体層11nおよびp型半導体層11pにそれぞれ電気的に接続される。ここでは、第1絶縁膜13のうち第1発光セル111に重なる部分に、15個の第1貫通孔13tが形成されている。第1貫通孔13tは、第1発光セル111のn型半導体層11nの領域Rn上にも配置され得る。もちろん、第1貫通孔13tの数および配置、ならびに、それぞれの形状は、図3に示す例に限定されず、任意に設定可能である。
n側内部電極15nおよびp側内部電極15pは、第1絶縁膜13上に位置し、それぞれ、n型半導体層11nおよびp型半導体層11pに電気的に接続された電極である。n側内部電極15nおよびp側内部電極15pは、Al、Ag、Al合金およびAg合金等の、高い光反射性および導電性を示す金属または合金から形成される。これらの材料のうち、AlおよびAl合金は、高い光反射性を有し、かつAgと比較してマイグレーションを起こしにくいのでn側内部電極15nおよびp側内部電極15pの材料に好適である。n側内部電極15nおよびp側内部電極15pとして、Ti、RhおよびTiを順に堆積した積層膜を用いてもよい。
なお、p型半導体層11p上に、光反射性電極が設けられることもある。この場合、p側内部電極15pは、p型半導体層11p上の光反射性電極を介してp型半導体層11pに電気的に接続される。光反射性電極は、p型半導体層11pの上面のほぼ全体を覆う形状を有し得る。光反射性電極の材料としては、n側内部電極15nおよびp側内部電極15pの材料と同様の材料を用い得る。p型半導体層11pとp側内部電極15pとの間に光反射性電極を介在させることにより、p型半導体層11pのより広い領域に電流を流すことが可能になる。また、透光基板10とは反対側に向かう光を光反射性電極によって反射させることができ、光の取出し効率の向上が期待できる。光反射性電極をSiN層またはSiO2層で覆うと、これらの層が光反射性電極の材料のマイグレーションを抑制するバリア層として機能するので有益である。
p型半導体層11p上に光反射性電極が配置される場合、光反射性電極にも1以上の貫通孔が設けられる。光反射性電極の貫通孔は、第1絶縁膜13の第1貫通孔13tのうちn型半導体層11nの領域Rn上にある1以上の第1貫通孔と重なる位置に設けられる。n側内部電極15nは、光反射性電極のこれら貫通孔と、第1絶縁膜13の第1貫通孔13tのうちn型半導体層11nの領域Rn上にある1以上の第1貫通孔とを介してn型半導体層11nに電気的に接続される。
第2絶縁膜24は、第1絶縁膜13、n側内部電極15nおよびp側内部電極15pを連続して覆う。第2絶縁膜24は、n側内部電極15nと重なる位置に第2貫通孔24tnを有し、後述するn側外部電極21nは、第2貫通孔24tnを介してn側内部電極15nに電気的に接続される。さらに、第2絶縁膜24には、p側内部電極15pと重なる位置に第3貫通孔24tpが設けられており、後述のp側外部電極21pは、第3貫通孔24tpを介してp側内部電極15pに電気的に接続される。この例では、第1発光セル111および第2発光セル112のそれぞれについて1つの第2貫通孔24tnおよび第3貫通孔24tpが設けられている。もちろん、第2貫通孔24tnおよび第3貫通孔24tpのそれぞれの数、配置および形状は、図3に示す例に限定されず、任意に設定可能である。
第2絶縁膜24の材料には、SiO2等、第1絶縁膜13の材料と共通の材料を用いることができる。第2絶縁膜24の材料は、第1絶縁膜13の材料と共通であってもよいし、異なっていてもよい。発光セルを構成する材料および透光基板10の材料よりも低い屈折率を示し、かつ、これらの材料との間の屈折率差の大きな材料を第2絶縁膜24および/または第1絶縁膜13の材料として採用することにより、透光基板10とは反対側からの光の漏れが抑制され、光の取出し効率向上の効果が期待できる。
図4に模式的に示すように、n側外部電極21nは、第2絶縁膜24上に位置し、第2絶縁膜24の第2貫通孔24tnを介してn側内部電極15nに電気的に接続される。同様に、p側外部電極21pは、第2絶縁膜24上に位置し、第2絶縁膜24の第3貫通孔24tpを介してp側内部電極15pに電気的に接続される。すなわち、n側外部電極21nは、第1発光セル111のn型半導体層11nとの間に電気的接続を有し、p側外部電極21pは、第1発光セル111のp型半導体層11pとの間に電気的接続を有する。すなわち、n側外部電極21nおよびp側外部電極21pは、第1発光セル111中の半導体層に所定の電流を供給するためのパッド電極としての機能を有する。
図3に示すように、第2発光セル112も、発光素子110Aの上面すなわち透光基板10の上面10aとは反対側に、第2発光セル112のn型半導体層に電気的に接続されたn側外部電極22nと、第2発光セル112のp型半導体層に電気的に接続されたp側外部電極22pとを有している。つまり、発光素子110Aは、電源等に接続されることにより独立して駆動可能に構成された第1発光セル111および第2発光セル112を有している。
第1発光セル111のn側外部電極21nおよびp側外部電極21p、ならびに、第2発光セル112のn側外部電極22nおよびp側外部電極22pは、例えばメッキにより形成され、シード層としての第1層と、第1層上の第2層とを含む2層以上の積層構造を有し得る。第1層の材料としては、Al、Ag、Al合金およびAg合金等の、高い光反射性および導電性を示す金属または合金を用いることができる。第2層の材料の典型例は、Cu、AuおよびNiである。n側外部電極21n、p側外部電極21p、n側外部電極22nおよびp側外部電極22pとして、透光基板10側からTi、NiおよびAlを順に堆積した積層膜を用いてもよい。
第1発光セル111のn側外部電極21nの下面およびp側外部電極21pの下面、ならびに、第2発光セル112のn側外部電極22nの下面およびp側外部電極22pの下面は、透光基板10の下面10bを基準として概ね同じ高さに位置する。n側外部電極21n、p側外部電極21p、n側外部電極22nおよびp側外部電極22pのそれぞれは、上面視において150μm□〜200μm□程度の寸法を有し得る。これらのパッド電極の最表層がAu層であると、基板150の配線層153Aとの間の接合への共晶接合の適用に有利である。n側外部電極21n、p側外部電極21p、n側外部電極22nおよびp側外部電極22pを、第1絶縁膜13に設けられた第1貫通孔13tと重ならない位置に配置および形状とすることにより、共晶接合時の熱応力に起因する、第1絶縁膜13または第2絶縁膜24へのクラックの発生を抑制し得る。
なお、この例では、第2発光セル112は、上面視において第1発光セル111を発光素子110Aの中心に関して180°回転させた構造と同様の構成を有している。したがって、図3に示す例では、第1発光セル111のp側外部電極21pと第2発光セル112のn側外部電極22nとが図3の紙面において左右に並び、第1発光セル111のn側外部電極21nと第2発光セル112のp側外部電極22pとが図3の紙面において左右に並んでいる。
[基板150]
再び図1および図2を参照する。基板150は、発光素子110Aの透光基板10とは反対側に位置し、発光素子110Aを支持する。基板150は、樹脂またはセラミックス等の絶縁材料から形成され、発光素子110A側の上面150a上に、配線層153Aと、配線層153Aの一部を覆う第1反射部材154とを有する。基板150のうち、配線層153Aおよび第1反射部材154を除く本体部の材料の例は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BTレジン)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンナフタレート(PEN)等の樹脂、ならびに、アルミナ、ムライト、フォルステライト、ガラスセラミックス、窒化物系(例えば、AlN)、炭化物系(例えば、SiC)およびLTCC(Low Temperature Co−fired Ceramics)等のセラミックスである。基板150の本体部は、複合材料から形成されていてもよく、例えば、上述した樹脂に、ガラス繊維、SiO2、TiO2、Al2O3等の無機フィラーを混合してもよい。
配線層153Aは、基板150の本体部と、第1反射部材154との間に位置し、外部の駆動回路等に接続されることにより、基板150上の発光素子110Aに所定の電流を供給する機能を有する。配線層153Aは、メッキ、スパッタリング、蒸着、プレスによる貼り付け等によって形成された、Cu、Ni等の金属層であり得る。基板150の本体部の材料として例えばセラミックスを用いる場合には、配線層153Aの材料として、基板150の本体部のセラミックスと同時焼成が可能な、W、Mo等の高融点金属を適用することも可能である。配線層153Aは、多層構造を有していてもよい。例えば配線層153Aは、上述した方法で形成された高融点金属のパターンと、このパターン上にメッキ、スパッタリング、蒸着等によって形成された、Ni、Au、Ag等の他の金属を含む層とを有していてもよい。
上述したように、配線層153Aは、第1配線部31、第2配線部32および第3配線部33を有する。第1配線部31は、第1ランドL1を有し、第2配線部32は、接続部30を介して互いに電気的に接続された第2ランドL2および第3ランドを有する。また、第3配線部33は、第4ランドL4を有する。図3を参照しながら説明した第1発光セル111のn側外部電極21nは、第1配線部31の第1ランドL1に接続される。他方、第1発光セル111のp側外部電極21pは、第2配線部32の第2ランドL2に接続される。図3に示す第2発光セル112のn側外部電極22nおよびp側外部電極22pは、第2配線部32の第3ランドL3および第3配線部33の第4ランドL4にそれぞれ接続される。図1は、基板150上に発光素子110Aが実装された状態を示している。n側外部電極21nと第1ランドL1との間、p側外部電極21pと第2ランドL2との間、n側外部電極22nと第3ランドL3との間、および、p側外部電極22pと第4ランドL4との間の接続には、Au−Sn系ハンダ、Ag−Sn系ハンダ等の接合部材を用いることができる。
図5は、基板150上に実装された発光素子110Aを含む発光装置100Aの等価回路を示す。図5に示すように、第1発光セル111のp側外部電極21pが第2配線部32の第2ランドL2に接続され、第2発光セル112のn側外部電極22nが第2配線部32の第3ランドL3に接続されることにより、発光素子110A中において電気的に独立した第1発光セル111および第2発光セル112は、配線層153Aの第2配線部32を介して電気的に直列に接続された状態となる。
ここで、図1を参照すると、第1ランドL1、第2ランドL2、第3ランドL3および第4ランドL4のそれぞれの一部は、絶縁性の第1反射部材154の開口154zの内側において露出されている。したがって、これらのランドのうちから適当な2つを選んで例えば通電することにより、第1発光セル111および第2発光セル112の一方について、逆電圧印加時の(または順電圧印加時の)電圧降下を測定することができる。すなわち、第1発光セル111および第2発光セル112を直列接続としながらも、第1発光セル111および第2発光セル112のそれぞれについて、リーク電流等の不具合を検査することが可能である。
なお、第1発光セル111のn側外部電極21nおよびp側外部電極21pの間隔、ならびに、第2発光セル112のn側外部電極22nおよびp側外部電極22pの間隔は、せいぜい、数百μm程度である。他方、本開示の実施形態によれば、発光素子110Aが既に基板150上に実装された状態であるので、各発光セルに設けられた正極および負極の面積と比較して、第1ランドL1、第2ランドL2、第3ランドL3および第4ランドL4から適当な2つを選択して測定用のプローブ等を接触させることができるので、電圧降下等の測定を行いやすい。また、第1ランドL1、第2ランドL2、第3ランドL3および第4ランドL4のうち第1反射部材154の開口154zから露出され、かつ発光素子110Aに重ならない領域の面積を大きくとることができるので、第1ランドL1、第2ランドL2、第3ランドL3および第4ランドL4に測定用のプローブ等を接触させやすく、リーク電流等の不具合を検査が容易になる。
第1反射部材154は、例えば光反射性のフィラーが分散された樹脂材料から形成され、発光素子110Aの発光ピーク波長の光に対して60%以上の反射率を示す。また、第1反射部材154は、配線層153A上での接合部材の過剰な拡がりを抑制するソルダーレジストとしての機能も有し得る。第1反射部材154の、発光素子の発光ピーク波長における反射率が70%以上であるとより有益であり、80%以上であるとさらに有益である。
図1に示す例では、配線層153Aの大部分を第1反射部材154が覆っている。したがって、発光素子110Aから出射された光のうち基板150に向かう光を第1反射部材154によって基板150とは反対側に効率的に反射させることができる。この例では、第1反射部材154の開口154zは、上面視において発光素子110Aの中心に関して対称な八角形状を有しており、配線層153Aの第1ランドL1、第2ランドL2、第3ランドL3および第4ランドL4のうち第1反射部材154の開口154zにおいて露出された部分は、発光素子110Aの中心に関して4回回転対称の配置を有している。
第1反射部材154と比較して光を吸収しやすい配線層153Aのランドの配置を、発光素子110Aの中心に関して回転対称性(ここでは4回回転対称)を有する配置とすることにより、配線層153Aによる光吸収に関する異方性を小さくできる。すなわち、図のXY面内に関する配光の偏りを抑制して、より均一な配光を実現し得る。特に、この例では、第2配線部32の第2ランドL2と第3ランドL3との間にもスリット状のギャップG20を設け、さらに、このギャップG20が第1反射部材154の開口154zの内側に現れるようにしている。また、第2配線部32の第2ランドL2と第3ランドL3とを互いに接続する接続部30の全体を第1反射部材154で覆っている。このような構成によれば、配線層153Aのうち第1反射部材154の開口154zから露出された複数の部分の形状および配置に対称性を持たせやすい。また、第1反射部材154の開口154zの内側においてギャップG12、G20、G23およびG31が対称に四方に延びているので、接合部材の多寡に起因して生じ得る発光素子110Aの傾きを回避しやすいという利点も得られる。第1反射部材154の開口154zの形状は、図1に示すような八角形状に限定されず、円形状、四角形状等であってもよい。
第1反射部材154を形成するための樹脂材料の母材としては、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド(PPA)等を用い得る。光反射性のフィラーとしては、金属の粒子、または、光反射性のフィラーを分散させる母材よりも高い屈折率を有する無機材料もしくは有機材料の粒子を用いることができる。光反射性のフィラーの例は、二酸化チタン、酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライト、酸化ニオブ、硫酸バリウムの粒子、または、酸化イットリウムおよび酸化ガドリニウム等の各種希土類酸化物の粒子等である。第1反射部材154が白色を有すると有益である。
[透光部材160]
図1および図2に例示する構成において、発光装置100Aは、発光素子110Aの全体および第1反射部材154の一部を覆う透光部材160を有する。透光部材160は、外力、埃、水分等から発光素子110Aを保護するとともに、発光素子110Aから出射された光の配光を調整するレンズとして機能し得る。
図2に示す例では、透光部材160は、発光素子110Aの直上にある部分に窪みを有している。したがって、この例では、透光部材160のうち最も高い部分(基板150の上面150aから最も遠い部分といってもよい)である頂部160tは、上面視において発光素子110Aを中心とする円環状である。このような透光部材160の形状によれば、発光素子110Aの直上の輝度が極端に高くなることを抑制しやすい。
透光部材160は基板150側に凹部160rを有しており、凹部160r内に発光素子110Aが配置されている。凹部160rは例えば、凹部の開口(台形としては底面)よりも底部(台形としては上面)が小さい円錐台形状を有しており、凹部160rの底部に発光素子110Aの出射面が対向するように配置される。凹部160rの形状は、円錐台に限られず、凹部の開口および底部が四角形である角錐台等であってもよい。図1に示す例では、透光部材160は、基板150に支持されている。
透光部材160の材料としては、透明な樹脂等を母材として含む樹脂材料を用いることができる。透光部材160の母材の典型例は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂である。透光部材160の母材として、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂もしくはポリノルボルネン樹脂、または、これらの2種以上を含む材料を用いてもよい。透光部材160の材料に母材とは屈折率の異なる材料を分散させることにより、透光部材160に光拡散の機能を付与してもよい。例えば、透光部材160の母材に、二酸化チタン、酸化ケイ素等の粒子を分散させてもよい。あるいは、透光部材160の母材に蛍光体の粒子等を分散させて波長変換の機能を付与してもよい。
図2に例示する構成では、発光素子110Aと基板150の上面150aとの間に、アンダーフィル162が配置されている。アンダーフィル162は、発光素子110Aの側面を覆うように、透光部材160の凹部160r内に配置されていてもよい。基板150上への発光素子110Aの実装後にアンダーフィル162を形成してから透光部材160を形成してもよい。ここで、アンダーフィル162が、透光部材160よりも低い屈折率を有することが有益である。アンダーフィル162と透光部材160とが屈折率に関してこのような関係を有していると、発光素子110Aの側面から出射された光がアンダーフィル162および透光部材160の界面で屈折される結果、発光素子110Aの側面から出射された光を基板150の法線方向に対して傾斜した方向に光を取り出すことが可能になる。また、アンダーフィル162の材料と比較して、より高いチキソトロピー性の材料で透光部材160を形成することにより、発光素子110Aの側面をアンダーフィル162で被覆することが容易になるとともに、所望の外形を有する透光部材160を精度よく形成することが可能になる。このような材料の組み合わせとして、ジメチルシリコーンからアンダーフィル162を形成し、フェニルシリコーンから透光部材160を形成することが例示できる。
(変形例)
図6は、本開示の実施形態による発光装置の変形例を示す。図2に示す発光装置100Aと比較して、図6に示す発光装置100Bは、発光素子110Aに代えて発光素子110Bを有する。第1発光セル111および第2発光セル112を有する点は、発光素子110Aおよび発光素子110Bの間で共通である。
図6に示す例において、発光素子110Bは、透光基板10の上面10a上に反射層40を有する。反射層40は、例えば金属膜または誘電体多層膜である。誘電体多層膜の材料の例は、Si、Ti、Zr、Nb、Ta、AlおよびHfからなる群から選ばれる1種以上を含有する酸化物または窒化物であり、例えば、SiO2およびNb2O5が繰り返し積層された多層膜を反射層40として用いることができる。発光素子110Bの上面側に反射層40を設けることにより、透光基板10の上面10aからの光の出射が抑制される結果、バットウィング型の配光特性を得やすくなる。ここで、バットウィング型の配光特性とは、光軸を0°として、0°よりも配光角の絶対値が大きい角度において発光強度が高い発光強度分布で定義される配光特性を指す。発光素子110Bの上面側への反射層40の配置は、発光装置100Bの厚さの低減に貢献する。
図7は、本開示の実施形態による発光装置の他の変形例を示す。図2に示す発光装置100Aと比較して、図7に示す発光装置100Cは、発光素子110Aに代えて発光素子110Cを有する。第1発光セル111および第2発光セル112を有する点は、発光素子110Aおよび発光素子110Cの間で共通である。発光素子110Cは、第1発光セル111および第2発光セル112と、第1発光セル111および第2発光セル112上に配置された透光基板10と、透光基板10上に位置する波長変換部材51と、波長変換部材51上に位置する拡散部材52とを含む。波長変換部材51は、接合部材53を介して波長変換部材51に接合され、波長変換部材51は拡散部材52に接合されている。
波長変換部材51は、第1発光セル111および第2発光セル112から出射された光の少なくとも一部を吸収し、第1発光セル111および第2発光セル112からの光の波長とは異なる波長の光を発する。例えば、波長変換部材51は、第1発光セル111および第2発光セル112から青色光の一部を波長変換して黄色光を発する。このような構成によれば、波長変換部材51を通過した青色光と、波長変換部材51から発せられた黄色光との混色によって、白色光が得られる。
波長変換部材51は、典型的には、樹脂中に蛍光体の粒子が分散された部材である。蛍光体等の粒子を分散させる樹脂としては、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂もしくはフッ素樹脂、または、これらの樹脂の2種以上を含む樹脂を用いることができる。波長変換部材51の材料に母材とは屈折率の異なる材料を分散させることにより、波長変換部材51に光拡散の機能を付与してもよい。例えば、波長変換部材51の母材に、二酸化チタン、酸化ケイ素等の粒子を分散させてもよい。
蛍光体には、公知の材料を適用することができる。蛍光体の例は、YAG系蛍光体、KSF系蛍光体等のフッ化物系蛍光体およびCASN等の窒化物系蛍光体、βサイアロン蛍光体等である。YAG系蛍光体は、青色光を黄色光に変換する波長変換物質の例であり、KSF系蛍光体およびCASNは、青色光を赤色光に変換する波長変換物質の例であり、βサイアロン蛍光体は、青色光を緑色光に変換する波長変換物質の例である。蛍光体は、量子ドット蛍光体であってもよい。
接合部材53の材料としては、透明な樹脂材料を母材として含む樹脂組成物を用いることができる。接合部材53の母材の典型例は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂である。接合部材23の母材として、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂もしくはポリノルボルネン樹脂、または、これらの2種以上を含む材料を用いてもよい。接合部材53は、例えば母材とは異なる屈折率を有する材料が分散させられることにより、光拡散機能を有していてもよい。
拡散部材52は、波長変換部材51から入射する光を拡散させて透過する。拡散部材52は、たとえば、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂等、可視光に対して光吸収の少ない材料によって構成されている。光を拡散させる構造は、拡散部材52の表面に凹凸を設けたり、拡散部材52中に屈折率の異なる材料を分散させたりすることによって、拡散部材52に設けられている。拡散部材52は、光拡散シート、ディフューザーフィルム等の名称で市販されているものを利用してもよい。
発光素子110Cは、第1発光セル111、第2発光セル112、透光基板10、波長変換部材51および拡散部材52の側面を覆う光反射性部材54をさらに備えていることが好ましい。この場合、光反射性部材54の上面54aにおいて、拡散部材52が露出し、第1発光セル111、第2発光セル112の電極55が、光反射性部材54の下面54bにおいて露出していることが好ましい。また、この場合、光反射性部材54の下面54bに、電極55を覆う実装用の電極56が設けられていることが好ましい。下面54bは、第1発光セル111、第2発光セル112の電極55よりも大きいため、電極56の面積を大きくとることができる。このため、発光装置100Cを基板150に実装する際、半田などの接合部材が接触する面積を広くすることができるため、実装が容易になり、かつ、接合強度を高めることができる。このような構造の発光素子110Cは、ダイレクトマウンタブルチップともよばれる。
発光素子110Cは、透光部材160の凹部160rに配置される。具体的には、光反射性部材54の上面54aが凹部160rの底部と対向するように透光性の接合部材58などで透光部材160と接合されている。接合部材58は、フィレット状に透光部材160の側面の一部を覆っていてもよい。発光素子110Cの高さは、凹部160rの深さよりも大きい。このため、透光部材160は、発光素子110Cに支持されており、透光部材160の下面160bは基板150や、基板150に配置された第1反射部材154とは接しておらず、離間している。発光装置100Cは、発光素子110Cを作製した後、透光部材160の凹部160rに接合部材などによって、接合させることによって、製造することができる。このような構造によれば、例えば、発光装置100Cを作製した段階で、発光素子110Cと透光部材160との光軸がずれているものは、規格を満たしていないとして除外することができる。よって、基板150に発光装置100Cを実装した場合、発光素子110Cと透光部材160との位置合わせが不要であり、基板150に発光素子110Cと透光部材160と配置する場合に比べて、許容範囲を超えた位置合わせ誤差による不良品の発生を抑制することができる。
図8は、本開示の実施形態による発光装置の他の変形例を示す。図1に示す発光装置100Aと比較して、図8に示す発光装置100Dは、発光素子110Aおよび配線層153Aに代えて発光素子110Dおよび配線層153Bを有する。
発光装置100Dの発光素子110Dは、第1発光セル111および第2発光セル112に加えて、第3半導体発光構造である第3発光セル113を有する。第3発光セル113は、第1発光セル111とほぼ同様の構造を有する。例えば、第3発光セル113は、第1発光セル111と同様に透光基板10の下面10b側に位置する。また、第3発光セル113は、透光基板10とは反対側に、第3発光セル113のn型半導体層に電気的に接続されたn側外部電極23n(第1電極)と、第3発光セル113のp型半導体層に電気的に接続されたp側外部電極23p(第2電極)とを有する。
図8に例示する構成において、配線層153Bは、第1ランドL1を含む第1配線部31と、第2ランドL2および第3ランドL3を含む第2配線部32と、第4ランドL4を含む第3配線部33とを有する。ここで、配線層153Bの第3配線部33は、接続部39および第5ランドL5をさらに含み、第5ランドL5は、接続部39を介して第4ランドL4に電気的に接続されている。さらに、配線層153Bは、第1配線部31、第2配線部32および第3配線部33に加えて、第6ランドL6をその一部に含む第4配線部34を有する。図8に示すように、第3配線部33の第5ランドL5の一部および第4配線部34の第6ランドL6の一部は、他のランドの一部と同様に、第1反射部材154の開口154zの内側において露出されている。他方、第3配線部33の接続部39の全体は、第1反射部材154の下層に位置し、したがって第1反射部材154によって覆われる。
発光装置100Dにおいても、第1発光セル111の第1電極(例えばn側外部電極21n)が開口154zの内側において第1配線部31の第1ランドL1に接続され、第2電極(例えばp側外部電極21p)が開口154zの内側において第2配線部32の第2ランドL2に接続される点は、これまでに説明した各例と同様である。また、第2発光セル112の第1電極(例えばn側外部電極22n)が開口154zの内側において第2配線部32の第3ランドL3に接続され、第2電極(例えばp側外部電極22p)が開口154zの内側において第3配線部33の第4ランドL4に接続される点も、これまでに説明した各例と同様である。
この例では、第3発光セル113の第1電極としてのn側外部電極23nが、第3配線部33の第5ランドL5のうち開口154zの内側において露出された部分に接続される。また、第3発光セル113の第2電極としてのp側外部電極23pが、第4配線部34の第6ランドL6のうち開口154zの内側において露出された部分に接続される。上述したように、接続部39を介して第4ランドL4および第5ランドL5が互いに電気的に接続されているので、結果として、発光素子110C中の第1発光セル111、第2発光セル112および第3発光セル113が配線層153Bを介して電気的に直列に接続される。
上述の各例と同様に、この例においても、発光素子110C中の各発光セルの電極のそれぞれは、配線層153Bの対応するランドに接続されており、かつ、配線層153Bの各ランドの一部が、第1反射部材154の開口154zの内側において露出されている。したがって、例えば第3配線部33の第5ランドL5と、第4配線部34の第6ランドL6とを選んでこれらにプローブを接触させれば、発光素子110C中の複数の発光セルのうち第3発光セル113の電気的特性を選択的に測定できる。第1配線部31の第1ランドL1と、第2配線部32の第2ランドL2とを選べば第1発光セル111の電気的特性を測定できる点、および、第2配線部32の第3ランドL3と、第3配線部33の第4ランドL4とを選べば第2発光セル112の電気的特性を測定できる点は、上述した各例と同様である。
すなわち、図8に例示する構成によれば、発光素子110Dに含まれる第1発光セル111、第2発光セル112および第3発光セル113を電気的に直列に接続した状態としながらも、これらのそれぞれについての電気的特性を個別に測定することができる。したがって、第1発光セル111、第2発光セル112および第3発光セル113のそれぞれについて、リーク電流等の不具合の有無を発光セルの単位で検出することが可能である。
発光素子に含まれる複数の電極の配置および配線層のランドパターンは、図1および図8に示す例に限定されず、適宜に変更できる。図9は、本開示の実施形態による発光装置のさらに他の変形例を示す。図9に示す発光装置100Eと、図8を参照して説明した発光装置100Dとの間の主な相違点は、発光装置100Eが、発光素子110Dおよび配線層153Bに代えて発光素子110Eおよび配線層153Cを有する点である。
図8に示す発光素子110Dと同様に、発光装置100E中の発光素子110Eは、それぞれが第1電極および第2電極を有する第1発光セル111、第2発光セル112および第3発光セル113を含む。ただし、発光素子110E中の第1発光セル111、第2発光セル112および第3発光セル113の配置は、図8に示す発光素子110Dにおける配置とは異なる。
図9に例示する構成において、各発光セルの電極と配線層のランドとの間の接続は、図8を参照して説明した例と同様である。すなわち、第1発光セル111の第1電極(例えばn側外部電極21n)および第2電極(例えばp側外部電極21p)は、それぞれ、第1配線部31の第1ランドL1および第2配線部32の第2ランドL2に接続される。第2発光セル112の第1電極(例えばn側外部電極22n)および第2電極(例えばp側外部電極22p)は、それぞれ、第2配線部32の第3ランドL3および第3配線部33の第4ランドL4に接続される。第3発光セル113の第1電極(ここではn側外部電極23n)および第2電極(ここではp側外部電極23p)は、それぞれ、第3配線部33の第5ランドL5および第4配線部34の第6ランドL6に接続される。
このように、発光セル中の複数の発光セルに含まれる電極の配置に応じた形状の配線層を基板150に設けておくことにより、発光セル中に含まれる発光セルの数が3以上であっても、これらの発光セルを直列に接続しながら、各発光セルに関する不具合の有無の検査を可能とできる。さらに、図8に示す例および図9に示す例では、第3配線部33の第4ランドL4および第5ランドL5がのうち第1反射部材154の開口154zにおいて露出された部分は、空間的に分離されている。このようなランドパターンによれば、一般に第1反射部材154と比較して発光素子からの光を吸収しやすい材料から形成される配線層153Cの、開口154zの内側での面積の偏りを抑制することができる。したがって、XY面内に関する配光の均一性を向上させ得る。なお、発光素子110Dおよび図8を参照して説明した発光素子110Dは、上述の発光素子110Bと同様に、その上面側に(例えば透光基板10の上面10a上に)反射層40を有していてもよい。
図10は、本開示の実施形態による発光装置のさらに他の変形例を示す。図10に示す発光装置100Fは、図1等に示す発光装置100Aと比較して、配線層153Aの隣接する2つのランドに設けられるギャップの形状が異なっている。具体的には、配線層153Aの第1ランドL1、第2ランドL2、第3ランドL3および第4ランドL4のうちの互いに隣接する2つのランドにおいて、上面視における第1反射部材154の開口154z内であって、かつ、発光素子110Aの外側の領域に位置する隣接する2つのランド間の距離GL4は、発光素子110Aの下方の領域に位置する隣接する2つのランド間の距離GL3よりも大きい。図10の例では、4つのギャップG12、G20、G23およびG31のいずれにおいても上記構造が設けられているが、この例に限らず、少なくとも1つのギャップ、つまり、少なくとも1つの隣接する2つのランド間において、上述した構造が設けられていればよい。
基板150が白色材料などで構成され、配線層153AがCu等で構成される場合、基板150の上面150aの反射率は、配線層153Aである第1ランドL1、第2ランドL2、第3ランドL3および第4ランドL4の表面の反射率よりも大きい。このため、発光装置100Eが上述した構造を有することによって、第1反射部材154の開口154z内において、基板150の上面150aが露出している領域を大きくすることができ、発光素子110Aから基板150側に向かう光をより効率よく上方に反射させ、光の取り出し効率を高めることができる。また、発光素子110Aの下方の領域では、隣接する2つのランド間の距離GL3は相対的に小さくすることができるため、発光素子110Aの電極の間隔が小さくても、インターポーザ等を介さずに発光素子110Aを配線層153Aに接続することが可能である。
図10に示すように、隣接する2つのランド間のギャップG12、G20、G23およびG31において、距離GL3の領域と、距離GL4の領域との境界近傍に、角を丸めた曲部GRを設けてもよい。上面視において、曲部GRは、ランド側に凸である。ギャップG12、G20、G23およびG31が曲部GRを有することによって、発光素子110Aを4つのランドに接続する際、過剰な半田などが、距離GL3の領域と、距離GL4の領域との境界近傍において、配線層153Aから溢れるのを抑制し、円滑に配線層153Aに広げることができる。
図11は、本開示の実施形態による発光装置のさらに他の変形例を示す。図11に示す発光装置100Gは、発光装置100Eと同様、図1等に示す発光装置100Aと比較して、配線層153Aの隣接する2つのランドに設けられるギャップの形状が異なっている。発光装置100Fでは、上面視における第1反射部材154の開口154z内であって、かつ、発光素子110Aの外側の領域における互いに隣接する2つのランド間の距離が、発光素子に近い側よりも遠い側の方が段階的または連続的に大きくなっている。図11に示すように、距離GL5の位置は、距離GL4の位置よりも発光素子110Aよりも遠く、距離GL5は距離GL4よりも大きい。発光素子110Aの下方の領域における距離GL3と比較すると、GL4およびGL5はGL3よりもそれぞれ大きい。図11に示す例では、第1反射部材154の開口154z内であって、かつ、発光素子110Aの外側の領域において、互いに隣接する2つのランド間の距離は、発光素子110Aから遠ざかるに連れて連続的に大きくなっている。しかし、隣接する2つのランド間の距離は、発光素子110Aから遠ざかるに連れて段階的に大きくなっていてもよい。
図12は、本開示の実施形態による発光装置のさらに他の変形例を示す。図12に示す発光装置100Hは、図11に示す発光装置100Gと同様、図1等に示す発光装置100Aと比較して、配線層153Aの隣接する2つのランドに設けられるギャップの形状が異なっている。発光装置100Hでは、上面視において、第1反射部材154の開口154zの外側であって開口154zに隣接する領域R1において、2つのランド間の距離が、第1反射部材154の開口154z内よりも大きくなっている。また、領域R1よりも発光素子110Aから離れた領域R2では、2つのランド間の距離が、領域R1よりも小さくなっている。
図12に示すように、第1反射部材154の開口154z内、領域R1および領域R2における2つのランド間の距離を、それぞれGL5、GL6およびGL7とした場合、GL5<GL6であり、GL6>GL7である。領域R1においては、2つのランド間の距離GL6は、発光素子110Aから遠ざかるにつれて、段階的または、連続的に大きくなっていてもよい。あるいは、2つのランド間の距離GL6は、GL5<GL6を満たしている限り領域R1において一定であってもよい。
GL5<GL6を満たすことによって、領域R1に位置する第1反射部材154の下では、相対的ランドよりも露出した基板150の表面の面積が大きくなる。このため、配線層153Aを構成する材料よりも基板150を構成のほうが、反射率が高い場合、領域R1に位置する第1反射部材154での発光素子110Aからの光の吸収を抑制することができる。また、GL6>GL7を満たすことによって、ランドの面積が大きなる。このため領域R2における放熱性を向上させることができる。
図13は、本開示の実施形態による発光装置のさらに他の変形例を示す。図13に示す発光装置100Iは、発光素子110Aおよび基板150に加えて、複数の傾斜面174sを含む第2反射部材170を有する。すなわち、発光装置100Iは、概略的には、図1等を参照して説明した発光装置100Aにさらに第2反射部材170が付加された構成を有する。
図13に模式的に示すように、第2反射部材170は、配線層153Aおよび第1反射部材154の上方に位置する。ここでは、第2反射部材170は、基板150の上面150a側において第1反射部材154を覆う層状の基部172と、基部172から基板150とは反対側に向けて立ち上がる壁部174とを有する。図13に例示する構成において、壁部174は、図のY方向またはX方向に延びる三角柱状の構造であり、基部172に対して傾斜した傾斜面174sを含む。第2反射部材170の基部172には、開口172zが設けられており、発光素子110Aおよび発光素子110Aを覆う透光部材160は、上面視においてこの開口172zの内側に位置する。なお、壁部174は、図示するような中空の構造であってもよいし、中実の構造であってもよい。
第2反射部材170は、典型的には、ポリカーボネート(PC)、PET、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)等の透光性の樹脂から形成される。第2反射部材170は、樹脂等の母材に、母材とは異なる屈折率を有する材料が分散させられることによって光拡散機能が付与されていてもよい。第2反射部材170の形成には、射出成形、押出成形、圧縮成形、真空成形、圧空成形、プレス成形等の、金型を用いた成形、あるいは、光造形等を適用できる。例えば、PET等から形成された透光シートに真空成形を適用することによって、基部172と、複数の傾斜面174sを有する壁部174とが一体的に形成された形状を得ることができる。透光シートの厚さは、例えば100μm以上500μm以下の範囲である。
壁部174の傾斜面174sは、例えば上面視において発光素子110Aの四方を囲むように配置され、発光素子110Aからの光を上方へ向けて反射させる反射面として機能する。基板150の上方に第2反射部材170を配置することにより、より大きな領域で均一な光を得ることができ、例えば、高輝度かつ輝度ムラの低減された面発光光源を提供することが可能になる。
図14は、図13に示す発光装置の二次元配列を有する集積型発光装置の例を示す。図14に示す集積型発光装置200Aは、それぞれが図13に示す構造と同様の構造を有する16個の単位の配列を含んでおり、これらの単位は、図のXY面内に4行4列の行列状に配置されている。図示するように、複数の傾斜面174sは、図のX方向またはY方向に延び、各発光素子110Aは、複数の傾斜面174sのうち4つの傾斜面によって取り囲まれている。
集積型発光装置200Aは、4行4列に配列された複数の発光領域を含む面発光光源であり、例えば、液晶表示装置のバックライトとして有用である。図13および図14に示すように各発光素子110Aを複数の傾斜面174sで取り囲む構成によれば、各発光領域における輝度ムラ、ひいては、発光領域の群の単位での輝度ムラを抑制し得る。なお、発光素子110Aに代えて、発光素子110B、110Cまたは110Dに第2反射部材170を組み合わせても同様の効果が得られることは、言うまでもない。
集積型発光装置の他の例を示す。図15は、集積型発光装置200Bのうちの1つの発光装置100Jを示す断面図である。集積型発光装置200Bは、2次元に配置された複数の発光装置100Jを備える。発光装置100Jは、光学積層体180を備えている点で、図13に示す発光装置100Iと異なる。光学積層体180は、例えば、ハーフミラー181と、拡散板182と、少なくとも1つのプリズムシート183とを含む。図15に示す例では、光学積層体180はプリズムシート184と、偏向シート185とをさらに含む。光学積層体180は、発光素子110Aが支持された基板150側に位置していることが好ましく、プリズムシート183は出射面側に位置していることが好ましい。拡散板182は、ハーフミラー181とプリズムシート183と間に位置していることが好ましい。
ハーフミラー181は、基板150側から入射する光の一部を透過させ、一部を基板150側へ反射する。図16は、ハーフミラー181の模式的な平面図を示す。ハーフミラー181は、主面に設けられた複数の穴181h、181gを含む。本実施形態では、穴181h、181gは一方の主面から他方の主面に達する物理的な貫通穴であり、穴181h、181gの領域では、ハーフミラー181は実質的に光を反射せず、透過させる。このため、穴181h、181gの大きさ、数、および位置によって、ハーフミラー181の光透過特性および反射特性に2次元の分布を設けることができ、基板150側から入射する光を、輝度むらおよび色むらを抑制して、拡散板182へ出射させることができる。ハーフミラー181を透光基板と、基板に支持された誘電体多層膜とによって構成する場合には、基板には穴を設けず、穴181h、181gの領域に誘電体多層膜を設けないことによって、同様の光学特性を実現してもよい。
図16に示す例では、穴181hは穴181gよりも大きく、発光素子110Aの四方を囲む壁部174の上方に配置されている。穴181gは、発光素子110Aの中心に対して同心円状に配置されている。また、穴181gは、壁部174が囲む四角形の領域の角にも配置されている。壁部174の上方に、大きい直径の穴181hを配置することによって、壁部174の境界において、隣接する発光素子の区画へ光を漏れさせ、壁部174による区画の境界において見切りを低下させている。
拡散板182は、ハーフミラー181を透過した光の進行方向を拡散させ、輝度むらおよび色むらを低減させる。プリズムシート183、184は、入射する光の進行方向を屈折に変え正面方向に出射させる。プリズムシート183、184は、互いにプリズムが直交するように配置することによって、より正面方向に光を向けて出射させ、正面方向における輝度を高める。偏向シート185は、例えば、入射する光のうちS波反射し、P波を透過させることによって、出射する光の偏向方向を揃え、発光装置100Fから出射する光の特定の偏波面での輝度を高める。特に、液晶パネルのバックライトとして集積型発光装置200Bを用いる場合に有効である。
集積型発光装置のさらに他の例を示す。図17は、集積型発光装置200Cのうちの1つの発光装置100Kを示す断面図である。集積型発光装置200Cは、2次元に配置された複数の発光装置100Kを備える。発光装置100Kは、発光装置100Cを備えている点で、図15に示す発光装置100Jと異なる。集積型発光装置200Cによれば、発光装置100Kが、透光部材160と、発光素子110Cを含む発光装置100Cを備えているため、基板150に発光装置100Cを実装した場合、発光素子110Cと透光部材160との位置合わせが不要である。よって、基板150に発光素子110Aと透光部材160と配置する場合に比べて、許容範囲を超えた位置合わせ誤差による不良品の発生を抑制することができる。特に、集積型発光装置200Cは、複数の発光装置100Kを備えるため、製造歩留まりの向上に効果的である。
集積型発光装置200A、200Bは、基板150に配置された複数の複数の発光素子110Aを含む。このため、個々の発光素子110Aのリーク電流等を、基板150に実装した状態で検査することが可能であり、製造した集積型発光装置200A、200Bの性能の確認、リペアなどを行うことによって、集積型発光装置200A、200Bの生産性の向上に役立てることが可能である。