JP2020113799A - 発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】厚さがより低減された直下型の発光装置を提供する。【解決手段】発光装置は、基板10と、基板上に位置する複数の光源20と、複数の光源の上方に位置する光拡散板70と、複数の光源および光拡散板の間に少なくとも位置し、複数の光源からの光の少なくとも一部を吸収して複数の光源からの光とは異なる波長の光を発する波長変換層30Aと、波長変換層の光拡散板側の表面上に設けられ、それぞれが複数の光源の上面の少なくとも一部の上方に位置する複数の散乱反射部50とを備える。【選択図】図1

Description

本開示は、発光装置に関する。
液晶表示装置等に用いられるバックライトとして、直下型の発光装置が知られている(例えば下記の特許文献1)。直下型の発光装置は、一般に、複数の半導体発光素子が2次元に配列された構造を有し、導光板の側面から光を入射させるエッジ型の発光装置と比較して高コントラスト比を得やすい。
特開2016−046262号公報 特開2012−064476号公報
表示装置の分野においては、コントラスト比の向上のほか、厚さの低減の要求がある。
本開示の発光装置は、基板と、前記基板上に位置する複数の光源と、前記複数の光源の上方に位置する光拡散板と、前記複数の光源および前記光拡散板の間に少なくとも位置し、前記複数の光源からの光の少なくとも一部を吸収して前記複数の光源からの光とは異なる波長の光を発する波長変換層と、前記波長変換層の前記光拡散板側の表面上に設けられ、それぞれが前記複数の光源の上面の少なくとも一部の上方に位置する複数の散乱反射部とを備える。
本開示の実施形態によれば、厚さがより小さくされた直下型の発光装置が提供される。
本開示の第1の実施形態による発光装置の模式的な断面図である。 図1の一部を拡大して示す模式的な断面図である。 導体配線層12中の配線パターンの一例を示す図である。 光源20から出射する光の配光特性の一例を示す図である。 散乱反射部50と光源20の上面との間の位置関係の例を模式的に示す上面図である。 散乱反射部の他の例を示す上面図である。 図6Aに示す散乱反射部50’の構造の詳細を模式的に示す上面図である。 散乱反射部50’の構造の他の例を示す模式的な断面図である。 本開示の第2の実施形態による発光装置の模式的な断面図である。 本開示の他の実施形態による発光装置の模式的な断面図である。 図8に示す発光空間17のうちの1つとその周辺とを拡大して模式的に示す模式的な断面図である。 区分部材15および光源20をz方向に沿って見たときの上面図である。 本開示のさらに他の実施形態による発光装置の模式的な断面図である。
以下、図面を参照しながら、本開示の発光装置の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態は、例示であり、本開示の発光装置は、以下の実施形態に限られない。以下の説明では、特定の方向または位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」およびそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。それらの用語は、参照した図面における相対的な方向または位置を分かり易く示すために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向または位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。また、図面が示す構成要素の大きさおよび位置関係等は、分かり易さのため、誇張されている場合があり、実際の発光装置における大きさ、あるいは、実際の発光装置における構成要素間の大小関係を厳密に反映していない場合がある。なお、図面が過度に複雑となることを避けるため、模式的な断面図等において一部の要素の図示を省略することがある。
(第1の実施形態)
図1は、本開示の第1の実施形態による発光装置の断面を模式的に示す。参考のために、図1には、互いに直交するx方向、y方向およびz方向を示す矢印が描かれている。本開示の他の図面においてもこれらの矢印を示すことがある。図1に示す発光装置100Aは、基板10と、複数の光源20と、波長変換層30Aと、散乱反射部50と、光拡散板70とを有する。発光装置100Aは、例えば、液晶表示装置等のバックライトとして利用される。以下、各構成要素を詳細に説明する。
[基板10]
基板10は、上面10aおよび下面10bを有する。複数の光源20は、基板10の上面10a上に位置する。
基板10の材料としては、例えば、セラミックスおよび樹脂を用いることができる。低コストおよび成形容易性の点から、樹脂を基板10の材料として選択してもよい。樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BTレジン)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等を挙げることができる。基板10は、リジット基板であってもよいし、ロール・ツー・ロール方式で製造可能なフレキシブル基板であってもよい。基板10の厚さは、適宜選択することができる。リジット基板は、湾曲可能な薄型リジット基板であってもよい。
また、耐熱性および耐光性に優れるという観点から、セラミックスを基板10の材料として選択してもよい。セラミックスとしては、例えば、アルミナ、ムライト、フォルステライト、ガラスセラミックス、窒化物系(例えば、AlN)、炭化物系(例えば、SiC)、LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)等が挙げられる。
基板10は、複合材料によって形成されていてもよく、例えば、上述した樹脂に、ガラス繊維、SiO2、TiO2、Al23等の無機フィラーを混合してもよい。これにより、基板10の機械的強度の向上、熱膨張率の低減、光反射率の向上等を図ることができる。例えば、ガラス繊維強化樹脂(ガラスエポキシ樹脂)等を基板10の材料として用いてもよい。
基板10は、その上面10aに、光源20への給電のための導体配線層を有する配線基板であり得る。基板10は、少なくとも上面10aが電気的絶縁性を有していればよく、例えば、基板10として、表面に絶縁層が設けられた金属板を用いることも可能である。基板10は、積層構造を有していてもよい。
[導体配線層12]
図2は、図1の一部を拡大して模式的に示す。図2に例示する構成において、発光装置100Aは、基板10の上面10aに設けられた導体配線層12を有する。導体配線層12は、各光源20に外部から電力を供給する配線パターンを有する。ここでは、各光源20は、後述する接合部材26によって正極および負極が導体配線層12に接続されることにより、導体配線層12に電気的に接続され、かつ、固定されている。
導体配線層12の材料は、基板10の材料および製造方法等に応じて適宜選択することができる。基板10の材料として例えばセラミックスを用いる場合には、導体配線層12の材料として、基板10のセラミックスと同時焼成が可能な高融点金属を用い得る。例えば、タングステン、モリブデン等の高融点金属によって導体配線層12を形成することができる。基板10の材料として例えばガラスエポキシ樹脂を用いる場合であれば、導体配線層12の材料として、加工し易い材料を選択すると有益である。例えば、メッキ、スパッタリング、蒸着、プレスによる貼り付けによって形成された、銅、ニッケル等の金属層を導体配線層12として用いることができる。導体配線層12の形成方法として、印刷、フォトリソグラフィー等を適用すれば、所定の配線パターンを有する金属層を比較的容易に形成可能である。
導体配線層12は、複数の配線パターンを含み得る。各配線パターンは、光源20を駆動するドライバに接続され得る。例えば、各配線パターンは、複数の光源20のうちの1つとドライバとを電気的に接続する。各配線パターンのそれぞれが、2以上の光源20を直列に接続してもよい。ドライバは、基板10とは別個の基板上に配置されて導体配線層12に電気的に接続されてもよいし、基板10上に配置されて導体配線層12に電気的に接続されてもよい。2以上の光源20を直列に接続する配線パターンを含む導体配線層12にドライバを接続することにより、複数の光源20を1個単位で、または、複数個の光源20が含まれるセグメントの単位で駆動させ、発光装置100Aをローカルディミング動作させることができる。
図3は、導体配線層12中の配線パターンの一例を示す。図3に例示する構成において、導体配線層12は、それぞれがn*m個の光源20に接続された複数の配線パターン12pを有している(「*」は、乗算を表す。)。各配線パターン12pは、n個の光源20を直列に接続し、かつ、直列に接続された光源20のm個の群を並列に接続している。これらの配線パターン12pは、ドライバ29に接続され、n*m個の光源20を含む領域DMを単位として駆動される。すなわち、このような回路構成のもとでは、n*m個の光源20を含む領域DMを単位とするローカルディミング動作が可能である。
導体配線層12の配線の形態は、特定の形態に限定されない。ドライバによる導体配線層12を介した光源20の駆動方式は、パッシブマトリクス方式であってもよいし、アクティブマトリクス方式であってもよい。
導体配線層12は、多層構造を有していてもよい。例えば導体配線層12は、上述した方法で形成された高融点金属のパターンと、このパターン上にメッキ、スパッタリング、蒸着等によって形成された、ニッケル、金、銀等の他の金属を含む層とを有していてもよい。
[金属層14]
図2に示すように、基板10の下面10bに金属層14を設けてもよい。金属層14は、例えば、下面10bの全体に設けられ、基板10の放熱性を向上させる。金属層14は、配線等を有していてもよく、例えば、光源20を駆動するための駆動回路の回路パター
ンを含み得る。駆動回路を構成する部品(例えば上述のドライバ)が金属層14の回路パターン上に実装されていてもよい。この場合、金属層14は、基板10内に設けられたビア導体等によって導体配線層12に電気的に接続される。
[光源20]
複数の光源20は、基板10の上面10a側に配置および支持される。各光源20は、上面22aを有する発光素子22を少なくとも含む。発光素子22としては、半導体レーザ、発光ダイオード等、公知の半導体発光素子を利用することができる。本実施形態においては、発光素子22として発光ダイオードを例示する。
発光素子22は、例えば、透光性の基板と、基板の上に積層された半導体積層構造を有する。半導体積層構造は、活性層と、活性層を挟むn型半導体層およびp型半導体層とを含み、n型半導体層およびp型半導体層にn側電極およびp側電極がそれぞれ電気的に接続される。本実施形態では、n側電極およびp側電極は、上面22aと反対側の面に位置する。n側電極およびp側電極は、接合部材26によって、基板10の上面10aに設けられた導体配線層12に電気的に接続され、かつ、固定される。つまり、ここでは、光源20は、フリップチップボンディングにより基板10に実装されている。n側電極およびp側電極は、この例のように同一面側に配置されていてもよいし、それぞれが異なる面に配置されてもよい。発光素子22は、ベアチップであってもよいし、側面側にリフレクタを有するパッケージを備えていてもよい。また、発光素子22は、上面22aから出射する光の出射角度の範囲を広くするためのレンズ等を有していてもよい。
図2において模式的に示すように、光源20は、発光素子22の上面22aに光反射層24を有していてもよい。図2に示す例のように発光素子22の上面22aの全体を覆う光反射層24を設けた場合、光は、発光素子22の側面から取り出される。発光素子22の上面22aに光反射層24を設けることにより、発光素子22の上方向(ここではz方向)への光が光反射層24で反射され、発光素子22の直上の光量が抑制される。結果としてバットウイング型の配光特性を実現し得る。このような構成によれば、バットウイング型の配光特性を付与するためのレンズ等を省略できるので、光源20の厚さを小さくすることに有利である。光反射層24は、例えば誘電体多層膜である。光反射層24は、金属膜であってもよい。
図4は、光源20から出射する光の配光特性の一例を示す。光源20は、バットウイング型の配光特性を有し得る。光源20がバットウイング型の配光特性を有すると、光源20の直上の光量を抑制して、各々の光源の配光を広げることができ、輝度むらを低減することができる。バットウイング型の配光特性とは、広義には、光源20の上面に垂直な光軸Lを0°として、0°よりも配光角(図2のφ)の絶対値が大きい角度において発光強度が高い発光強度分布で定義される。特に、狭義では、45°〜90°付近において、発光強度が最も高くなる発光強度分布で定義される。つまり、バットウイング型の配光特性では、中心部が外周部よりも暗い。
発光素子22としては、任意の波長の光を出射する素子を選択することができる。例えば、青色、緑色の光を出射する素子として、窒化物系半導体(InxAlyGa1-x-yN、
0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を用いた発光素子を用いることができる。また、赤色の光を出射する素子として、GaAlAs、AlInGaP、GaAsP、GaP等の半導体を含む発光素子を用いることができる。さらに、これら以外の材料からなる半導体発光素子を用いることもできる。半導体積層構造における半導体層の材料およびその混晶比によって発光波長を種々選択することができる。用いる発光素子の組成、発光色、大きさ、個数等は、目的に応じて適宜選択すればよい。ここでは、発光素子22として青色光を出射する素子を用い、光源20として、青色光を出射する光源を例示する。ただし、これは説
明の便宜のための例示に過ぎない。複数の光源20に、他の色の光を出射する光源が含まれていてもよいことは言うまでもない。例えば、赤、青、緑の光をそれぞれ出射する3種の光源が基板10上に配列されていてももちろんかまわない。例えば、青色光を出射する光源と、他の色を出射する光源とを基板10上に配列すれば、発光装置100Aから出射する光の演色性を向上させることが可能である。
[接合部材26]
接合部材26(図2参照)は、発光素子22を導体配線層12に固定する。ここでは、接合部材26は、発光素子22を導体配線層12に電気的に接続する機能も有する。接合部材26は、Au含有合金、Ag含有合金、Pd含有合金、In含有合金、Pb−Pd含有合金、Au−Ga含有合金、Au−Sn含有合金、Sn含有合金、Sn−Cu含有合金、Sn−Cu−Ag含有合金、Au−Ge含有合金、Au−Si含有合金、Al含有合金、Cu−In含有合金、または、金属およびフラックスの混合物等である。なお、p側電極およびn側電極と、導体配線層12とをワイヤ等によって電気的に接続する場合には、接合部材26は、発光素子22の、p側電極およびn側電極以外の領域を基板10の上面10aに固定できればよく、発光素子22と導体配線層12とを互いに電気的に接続しなくてもよい。
接合部材26としては、液状、ペースト状または固体状(シート状、ブロック状、粉末状、ワイヤ状)の部材を用いることができ、発光素子の組成、基板の形状等に応じて適切な部材を適宜選択すればよい。接合部材26は、単一の部材で構成されていてもよいし、数種の部材を組み合わせて接合部材26として用いてもよい。
再び図1を参照する。複数の光源20は、基板10の上面10aにおいて2次元の配列を有する。図1に示すように、ここでは、複数の光源20が、x方向に沿って並んでいる。図1ではzx断面が示されているので図面上には現れていないが、光源20は、y方向に沿っても配置されている。つまり、ここでは、複数の光源20は、直交する2方向、つまり、x方向およびy方向に沿って2次元に配列されている。発光装置100Aは、例えば数千個以上の光源20を基板10上に有し得る。もちろん、この例に限定されず、複数の光源20は、任意の配列を有し得る。
光源20の配置ピッチPは、互いに隣接する2つの光源20の中心間の距離(光軸L間の距離といってもよい。)であり、その大きさは、例えば0.1mm以上5mm未満であり得る。配置ピッチPの大きさは、発光装置100Aの用途、発光素子22のサイズ、後述する散乱反射部50の構成、および、基板10の上面10aから散乱反射部50までの距離H等に応じて適宜変更し得る。配置ピッチPは、0.2mm以上2mm未満の範囲であり得る。あるいは、2mm以上4mm未満の範囲であり得る。x方向に沿った光源20の配列は、等間隔であってもよいし、不等間隔であってもよい。例えば、中央から周辺に向かって間隔が広くなるように光源20が配列されていてもよい。x方向に沿った光源20の配置ピッチPと、y方向に沿った光源20の配置ピッチPは、共通であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
[波長変換層30A]
波長変換層30Aは、光源20から出射される光の少なくとも一部を吸収して光源20からの出射光の波長とは異なる波長の光を発する。波長変換層30Aは、例えば蛍光体、着色剤等の波長変換部材を含み、光源20からの青色光の一部を吸収して黄色光を発する。あるいは、波長変換層30Aは、光源20からの青色光の一部を吸収して緑色光および赤色光を発してもよい。
図1において模式的に示すように、波長変換層30Aは、複数の光源20と、後述する
光拡散板70との間に少なくとも位置し、本実施形態では、波長変換層30Aは、各光源20の上面だけでなく、側面をも含む全体を覆っている。換言すれば、ここでは、互いに隣接する2つの光源20間にも波長変換層30Aの一部が位置している。
上述したように、基板10上の光源20の配列は、5mm未満の狭ピッチであり得る。配置ピッチPが5mm未満程度の狭ピッチであるので、各光源20に投入する電力を低減しながらも光拡散板70の上面70a側においてバックライトとして十分な輝度を確保し得る。配置ピッチPの低減によって各光源20に投入する電力を低減可能であるので、波長変換層30Aが光源20の全体を覆うような形態であっても、各光源20の発する熱による波長変換部材の劣化を抑制し得る。本開示の実施形態において、波長変換部材が熱または光強度に対して高い耐性を有することは必須ではない。
波長変換層30Aは、光源20の配置された基板10上に、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂またはこれらを混合した樹脂に波長変換部材が分散された材料を付与し、硬化させることによって形成することができる。耐光性および成形容易性の観点からは、波長変換部材を分散させる材料としてシリコーン樹脂を選択すると有益である。波長変換層30Aを形成するための材料は、光拡散部材等をさらに含んでいてもよい。波長変換部材を分散させる材料の粘度を調整するほかに、光拡散部材等の添加により、波長変換層30Aを形成するための材料の粘度を調整することも可能である。
波長変換層30Aは、例えば、青色光を黄色光に変換する波長変換部材を含む。この場合、光源20からの青色光の一部が波長変換層30Aに吸収され、波長変換層30Aから黄色光が発せられる。光源20からの青色光と、波長変換層30Aからの黄色光とが混合されることによって白色光が得られる。波長変換層30Aが、青色光を緑色光に変換する波長変換部材と、青色光を赤色光に変換する波長変換部材とを含んでいてもよい。この場合、青色光と緑色光と赤色光との組み合わせによって白色光が得られる。
青色光を黄色光に変換する波長変換部材としては、YAG系蛍光体が挙げられる。青色光を緑色光に変換する波長変換部材としては、βサイアロン蛍光体が挙げられ、青色光を赤色光に変換する波長変換部材としては、KSF系蛍光体等のフッ化物系蛍光体およびCASN等の窒化物系蛍光体が挙げられる。波長変換層30Aが、波長変換部材としてβサイアロン蛍光体とKSF系蛍光体等のフッ化物系蛍光体とを含むことにより、発光装置100Aの色再現範囲を広げることができる。蛍光体として、量子ドット蛍光体を用いてもよい。波長変換層30Aが波長変換部材を含む場合、発光素子22が、波長変換部材を効率良く励起できる短波長の光を出射することが可能な窒化物半導体(InxAlyGa1-x-yN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を含んでいると有益である。
[散乱反射部50]
発光装置100Aは、波長変換層30Aの光拡散板70側に複数の散乱反射部50を有する。ここでは、複数の散乱反射部50は、波長変換層30Aの上面30a上に配置されており、複数の散乱反射部50のそれぞれは、光源20の上面(ここでは光反射層24の表面24a)の少なくとも一部の上方に位置する。各散乱反射部50の少なくとも一部は、例えば、光源20の光軸L上に位置する。ここでは、散乱反射部50は、複数の光源20に対応して波長変換層30A上の複数の箇所に配置されており、入射する光を散乱反射させる。
図5は、発光装置100Aの上面視における、散乱反射部50と光源20の上面との間の位置関係の例を示す。散乱反射部50は、例えば、各光源20に対応して複数箇所に設けられ、この例では、各散乱反射部50は、各光源20の上面の上方に位置している。
例えば、散乱反射部50は、上面視において、散乱反射部50の中央に位置する第1領域R1と、第1領域R1よりも外側に位置する部分を含む第2領域R2とに位置する。光源20から出射する光は、一般に、光軸L上において発光強度が高く、各光源20の光軸Lを0°として、0°よりも配光角の絶対値が大きい角度では、相対的に発光強度が低くなる。このため、散乱反射部50を設け、光源20の直上に向かう光を散乱反射させることにより、基板10の上面10aから散乱反射部50までの距離Hを低減しながらも、光拡散板70の上面70aにおける輝度むらを抑制し得る。ここでは、距離Hは、基板10の上面10aから波長変換層30Aの上面30aまでの距離に等しく、例えば1mm以下の大きさであり得る。ただし、この値は、あくまでも例示である。距離Hは、発光装置100Aの用途、光源の配置ピッチPおよび散乱反射部50の構成等に応じて他の値をとり得る。例えばタブレット型コンピュータの表示装置の用途では、距離Hは、例えば、0.5mm以上1.2mm以下の範囲、好ましくは、0.8mm以上1mm以下の範囲である。ラップトップ型コンピュータの表示装置の用途では、距離Hは、例えば、0.5mm以上1.5mm以下の範囲、好ましくは、0.8mm以上1.2mm以下の範囲である。スマートフォン等の表示装置の用途では、距離Hは、例えば、0.3mm以上0.8mm以下の範囲、好ましくは、0.4mm以上0.6mm以下の範囲である。配置ピッチPに対する距離Hの比(H/P)は、例えば、0.1以上0.5以下の範囲であり、好ましくは、0.2以上0.3以下の範囲である。
図5では、散乱反射部50は、上面視において、各光源20の光軸を中心とする円形を有しているが、散乱反射部50の形状は円に限られない。光源20の配光特性に応じて、より光が均一に散乱し得るように、楕円、矩形等、散乱反射部50の形状を適宜に決定し得る。また、この例では、複数の散乱反射部50が分離して配置されているが、互いに隣接する散乱反射部50の間で一部が共有されていてもよい。あるいは、複数の散乱反射部50が近接して配置されることにより、複数の散乱反射部50を含む散乱反射層が波長変換層30Aの上面30aの全体に形成されていてもよい。光源20がバットウイング型の配光特性を有する等の理由により、光源20の光軸上での発光強度が光軸の周囲よりも弱くなっている場合には、散乱反射部50は、例えば、上面視において、リング形状を有していてもよい。散乱反射部50は、各光源20の上面の少なくとも一部の上方に位置していればよい。
散乱反射部50は、光源20から出射される光(ここでは青色光)を散乱反射可能な材料から形成されたパターンであり得る。散乱反射部50は、例えば、蒸着法、印刷法、フォトリソグラフィ等によって形成された金属のパターンである。あるいは、散乱反射部50は、樹脂と、樹脂に分散した反射材の粒子とを含む材料から形成されたパターンであってもよい。樹脂に分散させる粒子としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、二酸化ジルコニウム、二酸化ケイ素等の酸化物の粒子を用いることができる。酸化物の粒子の平均粒子径は、例えば0.05μm以上30μm以下程度である。反射材の粒子を分散させる樹脂としてアクリレートまたはエポキシ等を主成分とした光硬化性樹脂を用いれば、反射材を含む硬化前の樹脂を波長変換層30Aの上面30aに付与した後、例えば紫外線を照射することによって散乱反射部50を形成することができる。光源20からの出射光で樹脂を光硬化させてもよい。反射材の粒子が分散した未硬化の樹脂は、例えば印刷法、インクジェット法によって波長変換層30Aの上面30aに直接に付与することができる。
散乱反射部50における光を散乱させる反射材の粒子は、均一に分布していてもよいし、光源20の配光角の絶対値が小さい領域において、配光角の絶対値が大きい領域よりも高密度で配置されていてもよい。図6Aに示す散乱反射部50’は、第1部分50aおよび第2部分50bを含む。第1部分50aおよび第2部分50bは、それぞれ、上述の第1領域R1および第2領域R2(図5参照)に配置され得る。例えば、第1部分50aおよび第2部分50bは、それぞれ、光源20の直上および第1部分の周囲に位置し得る。
上面視において、第1領域R1は、その大きさが光源20と同等か光源20よりも大きく形成することができる。
第1部分50aにおける反射材の粒子の密度は、第2部分50bにおける反射材の粒子の密度よりも大きい。ここで粒子の密度とは、例えば、上面視における平面、つまり、xy平面における単位面積当たりの粒子の個数で示される数密度で表される。散乱反射部50’のように、反射材の粒子の密度が相対的に高い第1部分50aをより照度の高い領域に配置することにより、発光装置の発光面における光の均一性をより効果的に高めることができる。
散乱反射部50’は、例えば、印刷法またはインクジェット法によって、図6Bに示すように、反射材の粒子が分散した未硬化の樹脂による微小領域50cを第1部分50aにおいて密に配置し、第2部分50bにおいて、第1部分50aよりも低い密度で配置することにより形成することができる。あるいは、図6Cに示すように、第1部分50aおよび第2部分50bに、反射材の粒子が分散した未硬化の樹脂による第1の層50dを形成し、第1部分50aにのみ第1の層50d上に第2の層50eを形成してもよい。図6Bまたは図6Cに示す構造を備える散乱反射部50’は、xy平面における、散乱反射部50’における反射材の粒子の密度が上述した関係を満たしている。ただし、光源20が、発光素子22の上面22aの全体を覆う光反射層24を有する場合、基板10の上面10aから散乱反射部50までの距離Hがある程度まで小さくなると、配光角が0°付近の領域が暗くなることがある。このような場合には、第1部分50aにおける反射材の粒子の密度を第2部分50bにおける反射材の粒子の密度よりも大きくすることは必須ではない。
[光拡散板70]
図1を参照する。発光装置100Aは、複数の光源20の上方に位置する光拡散板70を有する。この例では、光源20を覆う波長変換層30A上に透光層60が形成されており、透光層60上に光拡散板70が配置されている。透光層60は、例えば、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、トリメチルペンテン樹脂もしくはポリノルボルネン樹脂、または、これらの樹脂の2種以上を含む樹脂の層である。散乱反射部50を覆うように透光層60を形成することにより、平坦面が得られる。平坦面の形成は、複数の光源20の上方への光拡散板70の配置を容易にする。
光拡散板70は、上面70aおよび下面70bを有し、下面70bを光源20に向けて透光層60上に配置されている。発光装置100Aを例えば液晶表示装置のバックライトとして用いる場合であれば、光拡散板70の上面70a側に液晶パネルが配置される。
光拡散板70は、入射する光を拡散させて透過する。光拡散板70は、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂等、可視光に対して光吸収の少ない材料から構成される。光を拡散させる構造は、光拡散板70の表面に凹凸を設けたり、光拡散板70中に屈折率の異なる材料を分散させたりすることによって、光拡散板70に設けられる。光拡散板70としては、光拡散シート、ディフューザーフィルム等の名称で市販されている部材を利用することができる。光拡散板70の下面70b側に透光性接着剤を付与し、透光性接着剤の層を波長変換層30Aの上面30aに向けて蛍光体シートを波長変換層30Aに貼りつけることにより、透光性接着剤の層に散乱反射部50を埋め込むことができる。この状態で透光性接着剤を硬化させることにより、図1に示すような、波長変換層30A上に透光層60および光拡散板70が積層された構造を得ることもできる。
光拡散板70とともに、バックライト用に市販されている他の光学部材を用いてもよい。発光装置100Aが、例えば、プリズムアレイ層、反射型偏光層等をさらに有していてもよい。プリズムアレイ層は、所定の方向に延びる複数のプリズムが配列された形状を有し、種々の方向から入射する光を、発光装置100Aに対向する表示パネル(例えば液晶パネル)へ向かう方向(ここではzの正方向)に屈折させる。例えば光拡散板70の上面70a側にプリズムアレイ層を配置することより、発光装置100Aを正面(z方向)から見た場合の輝度を高めることができる。反射型偏光層は、例えばプリズムアレイ層よりも光拡散板70から離れた位置に配置され、液晶パネル等の表示パネルのバックライト側に取り付けられた偏光板の透過軸に一致する偏光方向の光を選択的に透過させ、透過軸に垂直な方向の偏光を基板10側に向けて反射させる。反射型偏光層からの戻り光の一部は、プリズムアレイ層、光拡散板70または波長変換層30Aで再度反射される。このとき、偏光方向が変化し、偏光方向が液晶パネルの偏光板の透過軸に平行な成分が反射型偏光層を通過して液晶パネルに入射する。このように、反射型偏光層を設けることにより、発光装置100Aから出射する光の偏光方向を揃え、表示パネルの輝度向上に有効な偏光を高効率で出射させることができる。
発光装置100Aは、複数の光源20が配置された基板10上に波長変換層30A、散乱反射部50、透光層60を順次形成し、透光層60上に光拡散板70を配置することによって作製することができる。散乱反射部50は、印刷法等によって波長変換層30Aの上面30a上に直接に形成することができる。なお、上述のプリズムアレイ層、反射型偏光層および光拡散板70は、z方向に沿って間隔をあけて配置されてもよいし、これらの層の少なくとも1つの界面が、互いに接触していてもよい。ただし、発光装置100Aの厚さを低減する観点からは、互いに隣接する2つの光学部材が接している方が有利である。
(発光装置100Aの動作、効果)
発光装置100Aを面光源として利用する場合、発光装置100Aからの出射面である光拡散板70の上面70aにおける輝度むらおよび色むらが小さいことが求められる。また、表示装置に対しては、一般に、意匠、美観、あるいは、機能的な観点から、厚さの低減の要求がある。このため、発光装置100Aをバックライトとして使用する場合、発光装置100Aの厚さ(高さ)が小さいと有益である。しかしながら、直下型の発光装置において発光素子と光拡散板との間の距離を単純に小さくすると、発光素子から光拡散板に直接に入射する光が増加し、一般に、光拡散板の上面における輝度むらが増大する。
図1等を参照しながら説明したように、上述の実施形態では、複数の光源20が基板10の上面10a側に密に実装され、それらの光源20の集合の全体を覆うように波長変換層30Aが基板10上に形成される。したがって、例えば樹脂と、樹脂に分散された蛍光体とを含む材料によって個別に封止された複数の発光素子を基板10上に配置する場合と比較して光源20の配置ピッチPを低減することができる。例えば、光源20の配置ピッチPを数mm程度まで低減することが可能である。光源20の配置ピッチPの低減により、光拡散板70の上面70aにおける輝度むらが抑制されるので、個別に封止された複数の発光素子を基板10上に配置する場合と比較して発光装置の厚さを低減し得る。上述したように、複数の光源20の密な配置は、十分な輝度を確保しながら、各光源20に投入する電力の低減を可能にする。このため、十分な輝度を確保しながら、波長変換層30Aに対する光源20の発熱の影響を抑制することが可能である。また、複数の光源20の全体を覆う波長変換層30Aが波長変換および発光素子22の保護の機能を発揮するので、複数の発光素子を個別に封止し、それらの上方に支持体によって波長変換層を固定する必要がなく、本開示の実施形態は、発光装置の厚さの低減に有利である。
波長変換層30Aの上面30a上には、散乱反射部50が設けられる。例えば樹脂およ
び樹脂に分散している粒子を含む散乱反射部50を波長変換層30Aの上面30a上に設けることにより、波長変換層30Aからの光を散乱反射部50中の粒子によって散乱反射させることができる。また、波長変換層30Aの上面30a上に直接に散乱反射部50を形成できるので、基板10上の光源20と、散乱反射部50との間のアラインメントずれを低減して、光源20の上面の少なくとも一部の上方に散乱反射部50をより確実に配置し得る。
光源20は点光源であり、光源20から出射する光が照らす面の照度は、距離の2乗に反比例する。このため、透光層60に入射する光の照度は、上面視における、光源20の直上近傍の第1領域R1のほうが第1領域R1の周囲に位置する第2領域R2(図5参照)よりも高い。これは、第1領域R1における、光源20と波長変換層30Aの上面30aとの間の距離の方が、第2領域R2における、光源20と波長変換層30Aの上面30aとの間の距離よりも短いからである。各々の少なくとも一部が光源20の光軸L上に位置するように、複数の散乱反射部50を複数の光源20に対応して波長変換層30A上の複数の箇所に配置することにより、例えば光源20の直上およびその付近の光を散乱反射させることができる。このため、光源20の光軸L近傍の光束密度の高い光を選択的に拡散させ、輝度むらをより低減することができる。
光源20がバットウイング型の配光特性を有していてもよい。光源20がバットウイング型の配光特性を有することにより、第1領域R1における照度を低減することができるので、発光装置100Aからの出射面である光拡散板70の上面70aにおける輝度むらを抑制することができる。特に、光源20が、水平な方向に対して仰角20°未満の光量が全体の光量の30%以上である配光特性を有することにより、より一層輝度むらを抑制することができる。光源20がバットウイング型の配光特性を有する場合には、散乱反射部のうち、第2領域R2に位置する第2部分50bにおける反射率を、第1領域R1に位置する第1部分50aにおける反射率よりも高くしてもよい。
本開示の実施形態によれば、波長変換層30A上に散乱反射部50が形成されるので、輝度むらを抑制しながら、基板10の上面10aから散乱反射部50までの距離Hを1mm程度にまで低減し得る。すなわち、本開示の実施形態によれば、厚さがより低減された直下型の発光装置が提供される。本開示の実施形態は、例えば、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、スマートウォッチ等に用いられる表示装置のように、厚さの低減の要求が厳しいモバイル機器の表示装置のバックライトに特に有利に適用できる。
なお、図1に例示する構成では、波長変換層30Aが、各光源20の側面を覆う部分を含んでいる。このような構成によれば、発光素子22の上面から出射される光だけでなく、側面から出射される光も有効に利用し得る。
基板10上に、それぞれが、2以上の光源20を直列に接続する複数の配線パターンを含む導体配線層12を形成してもよい。配線パターンにドライバを接続することにより、複数の光源20を、1個単位、または、複数個のセグメントの単位で駆動させ、発光装置100Aをローカルディミング動作させることができる。
(第2の実施形態)
図7は、本開示の第2の実施形態による発光装置の断面を模式的に示す。図7に示す発光装置100Bは、図1等を参照して説明した発光装置100Aの波長変換層30Aに代えて、複数の光源20の側面を覆う保護層40と、保護層40上の波長変換層30Bとを有する。以下、保護層40および波長変換層30Bの詳細を説明する。
[保護層40]
保護層40は、光源20の少なくとも側面を覆う層であり、ここでは、透明樹脂層である。ここでは、保護層40の上面40aは、光源20の上面20a(例えば発光素子22の上面22a、あるいは光反射層24の表面24a)に整合している。保護層40は、光源20の配置された基板10上に、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂またはこれらを混合した樹脂を付与し、硬化させることによって形成することができる。透光性の樹脂材料の硬化後に、樹脂材料の硬化によって得られた樹脂層を基板10とは反対側から研削することにより、上面40aにおいて光源20の上面20aが露出された保護層40を形成することができる。
[波長変換層30B]
図7に例示する構成において、波長変換層30Bは、シート形状(または層形状)を有し、保護層40上に位置する。図7に示すように、波長変換層30Bは、その下面30bが光源20の上面20aに接するようにして保護層40上に配置される。
上述したように、本開示の実施形態によれば、光源20を狭ピッチで配列することが可能であり、したがって各光源20に投入する電力を低減しながら十分な輝度を確保し得る。光源20に投入する電力を低減することによって光源20から発せられる熱を低減でき、熱に起因する波長変換部材の劣化が抑制される。したがって、図7に示すような、波長変換層30Bが光源20の上面20aに接する構成を採用することが可能である。
波長変換層30Bは、上述の波長変換層30Aと同様に、光源20から出射する光の少なくとも一部を吸収して光源20からの出射光の波長とは異なる波長の光を発する。波長変換層30Bは、上述の波長変換層30Aを形成するための材料を用いて形成することができる。例えば、波長変換層30Bを形成するための材料として、蛍光体等の波長変換部材が分散された樹脂材料を用いることができる。波長変換層30Bは、例えば、波長変換層30Bを形成するための材料を保護層40の上面40aおよび光源20の上面20aに付与することによって保護層40上に直接に形成することが可能である。あるいは、保護層40の形成された基板10とは別途に、蛍光体等の波長変換部材が分散された樹脂材料中の樹脂をBステージの状態とした蛍光体シートを準備し、そのシートを保護層40上に配置することによって波長変換層30Bを形成することも可能である。波長変換部材を含むシート(例えば蛍光体シート)を基板10とは別途に準備する場合、波長変換部材を分散させる材料として、樹脂に代えて、例えば、ガラス、アルミナ等を含有するセラミックスを用いることも可能である。
第2の実施形態においても、波長変換層(ここでは波長変換層30B)の上面30a上に散乱反射部50が配置されている。波長変換層30B上に散乱反射部50を設けることにより、第1の実施形態と同様に、輝度むら低減の効果が得られる。図7に例示する構造は、例えば、波長変換部材を含むシートの一方の表面に、樹脂と、樹脂に分散した反射材の粒子とを含む材料から形成されたパターンおよび/または金属のパターンを例えば印刷法によって形成し、パターンが形成されたシートを保護層40上に配置することによって得られる。ただし、パターンが形成されたシートを保護層40上に配置した場合、光源20を覆う波長変換層30A上に直接に散乱反射部50を形成可能な第1の実施形態と比較して、基板10上の光源20と、波長変換層30B上の散乱反射部50との間にアラインメントずれが生じる可能性がある。しかしながら、第2の実施形態では、特許文献2に記載されているような、一方の主面上に反射層のパターンを有するシート状の蛍光体層をLEDチップの上面から離して配置する構成とは異なり、光源20の上面20aに近接して波長変換層30Bを配置できる。したがって、アラインメントずれの低減の点で従来の構成よりも有利といえる。なお、波長変換層30Bを形成するための材料を保護層40の上面40aおよび光源20の上面20aに付与することによって保護層40上に波長変換層30Bを形成し、その後、波長変換層30B上に散乱反射部50を形成すれば、第1の実
施形態と同様に、アラインメントずれの発生を抑制することが可能である。
(変形例)
図8は、本開示の他の実施形態による発光装置の断面を模式的に示す。図8に示す発光装置100Cは、図7を参照して説明した発光装置100Bと比較して、基板10と波長変換層30Bとの間に位置する区分部材15をさらに有する。以下、区分部材15の詳細を説明する。
[区分部材15]
区分部材15は、底部15bと、y方向に延びる壁部15ayとを有する。図8に示すように、壁部15ayは、x方向に隣接する2つの光源20の間に位置する。また、図8には現れていないが、区分部材15は、y方向に隣接する2つの光源20の間に、x方向に延びる壁部(壁部15ax、後述する図10参照)を有する。底部15bと、x方向において対向する2つの壁部15ayと、y方向において対向する2つの壁部15ax(図8において不図示)によって、開口17hを有する発光空間17が形成される。図8に例示する構成において、各光源20は、発光空間17内に位置している。光源20の上方には、発光空間17の開口17hを覆うように波長変換層30Bが配置される。
図9は、図8に示す発光空間17のうちの1つとその周辺とを拡大して模式的に示す。y方向に延びる壁部15ayは、y方向に延びる一対の傾斜面15tを含む。図9に示すように、一対の傾斜面15tは、zx断面において発光空間17の開口17hに面している。壁部15ayは、頂部15cを有し、この例では、壁部15ayの頂部15cが波長変換層30Bの下面30bに接している。x方向に延びる壁部15ax(図8において不図示)も同様に、x方向に延びる一対の傾斜面15sを含み、一対の傾斜面15sも、yz断面(不図示)において、発光空間17の開口17hに面する。壁部15ax(不図示)も壁部15ayと同様に頂部15cを有し、この例では、壁部15axの頂部15cも波長変換層30Bの下面30bに接している。なお、壁部15ayの頂部15cまたは壁部15axの頂部15cが波長変換層に接することは必須ではない。ただし、壁部15ayおよび壁部15axの頂部15cが波長変換層に接していると、1つの発光空間17内の光源20から出射した光の、隣接する発光空間17への入射を抑制し得る。
区分部材15は、例えば、反射材を含有する樹脂等から形成され、光反射性を有する。区分部材15は、壁部15axの傾斜面15sおよび壁部15ayの傾斜面15tで、光源20から出射する光を発光空間17の開口17hに向けて反射させる。また、底部15bに入射する光も発光空間17の開口17h側へ反射させる。基板10上において複数の光源20のそれぞれを取り囲む区分部材15を設けることにより、光源20から出射される光を効率よく波長変換層(ここでは波長変換層30B)へ入射させることができ、光拡散板70の上面70a(例えば図8参照)における輝度を向上させ得る。
図9に示すように、底部15bの中央には貫通孔15eが設けられ、貫通孔15e内に光源20が位置する。貫通孔15eの形状および大きさに特に制限はなく、光源20が内部に位置し得る形状および大きさであればよい。区分部材15の底部15bでの反射を利用する観点から、貫通孔15eの外縁が光源20の近傍に位置していると有益である。つまり、上面視において貫通孔15eと光源20との間に生じる間隙が狭いと光の利用効率を向上させ得るので有益である。
上述したように、区分部材15は、光反射性を有する。例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の酸化物粒子からなる反射材を含有する樹脂を用いて区分部材15を形成してもよいし、反射材を含有しない樹脂を用いて成形した後、表面に反射材を設けてもよい。区分部材15の光源20からの出射光に対する反射率は、例えば、70%以
上である。
区分部材15は、金型を用いた成形、または、光造形によって形成することができる。金型を用いた成形方法としては、射出成形、押出成形、圧縮成形、真空成形、圧空成形、プレス成形等の成形方法を適用することができる。例えば、PET等で形成された反射シートに真空成形と適用することによって、底部15bと、壁部15axおよび15ayとが一体的に形成された形状を得ることができる。反射シートの厚さは、例えば100〜500μmである。
この例では、導体配線層12上に絶縁部材16が設けられており、区分部材15の底部15bの下面が、後述する絶縁部材16の上面16aに固定されている。なお、絶縁部材16と、壁部15ayの2つの傾斜面15t(あるいは壁部15axの2つの傾斜面15s)とに囲まれた部分は、中空であってもよいし、樹脂等によって埋められていてもよい。例えば、絶縁部材16と、壁部15ayの2つの傾斜面15tとに囲まれた部分が、区分部材15を形成するための材料で埋められていてもよい。
図10は、区分部材15および光源20をz方向に沿って見たときの上面図である。図10では、3行3列に配列された9つの発光空間17が示されている。図示するように、各光源20は、x方向に延びる2つの壁部15axと、y方向に延びる2つの壁部15ayとによって囲まれている。この例では、光源20のx方向の配置ピッチPxおよびy方向の配置ピッチPyは、互いに等しい。したがって、ここでは、底部15bの外形は、正方形である。
上述したように、壁部15axは、x方向に延びる一対の傾斜面15sを含み、壁部15ayは、y方向に延びる一対の傾斜面15tを含む。一対の傾斜面15sのそれぞれは、x方向に延びる2つの辺の一方で互いに接続されており、頂部15cが構成されている。x方向に延びる2つの辺の他方は、底部15bに接続している。同様に、一対の傾斜面15tのそれぞれは、y方向に延びる2つの辺の一方で互いに接続されており、頂部15cが構成されている。y方向に延びる2つの辺の他方は、底部15bに接続している。底部15bは、2つの壁部15axおよび2つの壁部15ayによって囲まれた領域15rに位置する。
区分部材15によって区画される発光空間17は、複数の光源20をそれぞれ独立して駆動させた場合における、発光領域の最小単位である。したがって、複数の光源20を独立して駆動する場合、発光空間17は、面発光装置として発光装置100Cを光拡散板70の上面70a側から見たときの、ローカルディミングの最小単位となり、複数の光源20を独立して駆動すれば、最小単位でローカルディミング駆動が可能な発光装置が実現する。隣接する複数の光源20を同時に駆動し、ON/OFFのタイミングを同期させるように駆動すれば、より大きな単位でのローカルディミングによる駆動が可能となる。
[絶縁部材16]
上述したように、この例では、区分部材15と導体配線層12との間に絶縁部材16が介在している。絶縁部材16には、貫通孔16eが設けられており、図10に示すように、各領域15rの光源20は、貫通孔16e内に位置する。
再び図9を参照する。絶縁部材16は、導体配線層12のうち、光源20および他の素子等に電気的に接続される領域以外の領域を覆う。絶縁部材16は、導体配線層12のうち、光源20および他の素子等が配置されない領域に絶縁性を付与するレジストとして機能する。
絶縁部材16は、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、オキセタン樹脂、シリコーン樹脂、変成シリコーン樹脂等の樹脂材料を用いて形成することができる。酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の酸化物粒子からなる反射材を樹脂材料に分散させた材料から絶縁部材16を形成してもよい。このような材料を用いて、光反射性を有する絶縁部材16を導体配線層12上に設けることにより、光源20からの光を基板10の上面10a側において反射させ、基板10側での光の漏れおよび吸収を防いで、発光装置100Cの光取り出し効率を向上させることが可能である。光源20からの出射光に対する絶縁部材16の反射率は、例えば、70%以上である。
光反射性を有する絶縁部材16に入射した光を光源20の上方に向けて反射させて光の利用効率を高める観点からは、上面視において、貫通孔16eの外縁と光源20との間に生じる間隙が狭い方が有利である。ただし、貫通孔16eの外縁と光源20との間に生じる間隙を小さくすると、光源20の直上に向けて反射される光の割合が増加し、輝度むらが発生しやすくなる。本開示の実施形態では、波長変換層(ここでは波長変換層30B)上に、光源20の上面の少なくとも一部の上方に位置する散乱反射部50が設けられている。したがって、光源20の直上およびその付近の光を散乱反射部50によって散乱反射させることができ、貫通孔16eと光源20との間に生じる間隙を小さくした場合であっても、光源20の直上における輝度を低減して輝度むらを抑制することが可能である。
絶縁部材16の上面16aには、例えば接着部材によって区分部材15が固定される。接着部材は、両面テープであってもよいし、ホットメルト型の接着シートであってもよいし、熱硬化樹脂または熱可塑樹脂の接着液であってもよい。接着部材が高い難燃性を有すると有益である。貫通孔15eの周囲に接着部材を配置することにより、絶縁部材16と区分部材15との間に光源20からの出射光が入射することを抑制し得る。例えば、貫通孔15eの外縁に沿ってリング状に接着部材を配置してもよい。区分部材15の固定は、接着部材による固定に限定されず、ネジ、ピン等他の結合部材によって区分部材15を絶縁部材16に固定してもよい。
なお、この例では、壁部15ayおよび15axで規定される発光空間17に保護層40の材料が充填されている。絶縁部材16の上面16aに区分部材15を固定し、区分部材15側から保護層40の材料を付与して保護層40の材料を硬化させた後、硬化後の材料を壁部15ayおよび15axの頂部15cの位置まで研削することにより、光源20の側面を覆う保護層40を形成することができる。その後、保護層40上に波長変換層30Bおよび散乱反射部50を順次に形成するか、あるいは、一方の主面上に散乱反射部50が設けられた、波長変換部材が分散されたシートを保護層40上に配置することにより、図9に示すような構造が得られる。
あるいは、発光空間17を、樹脂に波長変換部材が分散された材料で充填してもよい。図11に示す発光装置100Dは、上面30aに散乱反射部50が配置された波長変換層30Dが複数の光源20を覆う点で、図1を参照して説明した発光装置100Aと共通する。ただし、発光装置100Dは、区分部材15を有し、波長変換層30Dが区分部材15を覆っている。このような構成によっても、光拡散板70の上面70aにおける輝度を向上させ得る。基板10の上面10aから頂部15cまでの距離(頂部15cの高さ)は、基板10の上面10aから散乱反射部50までの距離H等に応じて適宜調整すればよい。頂部15cが波長変換層30Dから露出していてもよい。
本開示の実施形態による発光装置は、ローカルディミング制御が可能な面発光装置として利用することが可能であり、例えば、液晶表示装置のバックライト、各種照明用光源、
車載用光源等に好適に用いることができる。本開示の実施形態による発光装置は、厚さを低減しながらも輝度むらを抑制し得るので、厚さ低減の要求が厳しいモバイル機器の表示装置用のバックライトに特に有利に適用することができる。
10 基板
12 導体配線層
12p 配線パターン
14 金属層
15 区分部材
15ax、15ay 壁部
15b 底部
15c 頂部
15e 貫通孔
16 絶縁部材
17 発光空間
20 光源
22 発光素子
24 光反射層
26 接合部材
30A、30B 波長変換層
30a 上面
30b 下面
40 保護層
50、50’ 散乱反射部
60 透光層
70 光拡散板
100A〜100D 発光装置

Claims (9)

  1. 基板と、
    前記基板上に位置する複数の光源と、
    前記複数の光源の上方に位置する光拡散板と、
    前記複数の光源および前記光拡散板の間に少なくとも位置し、前記複数の光源からの光の少なくとも一部を吸収して前記複数の光源からの光とは異なる波長の光を発する波長変換層と、
    前記波長変換層の前記光拡散板側の表面上に設けられ、それぞれが前記複数の光源の上面の少なくとも一部の上方に位置する複数の散乱反射部と
    を備える発光装置。
  2. 前記波長変換層は、各光源の側面を覆う部分を有する、請求項1に記載の発光装置。
  3. 各光源の少なくとも側面を覆う保護層をさらに備え、
    前記波長変換層は、前記保護層上に位置する、請求項1に記載の発光装置。
  4. それぞれが1以上の光源に接続された複数の配線パターンを含む導体配線層をさらに備える、請求項1から3のいずれかに記載の発光装置。
  5. 前記複数の光源は、0.1mm以上5mm未満の配置ピッチを有する、請求項1から4のいずれかに記載の発光装置。
  6. 前記複数の光源が位置する前記基板の表面から前記複数の散乱反射部までの距離は、1.5mm以下である、請求項1から5のいずれかに記載の発光装置。
  7. 前記光源の配置ピッチに対する、前記基板の表面から前記複数の散乱反射部までの距離の比は、0.1以上0.5以下である、請求項1から6のいずれかに記載の発光装置。
  8. 前記複数の散乱反射部は、樹脂および前記樹脂に分散している粒子を含む請求項1から7のいずれかに記載の発光装置。
  9. 頂部を有する壁部で形成される複数の領域を有し、前記基板上において前記複数の光源のそれぞれを取り囲む区分部材をさらに備える、請求項1から8のいずれかに記載の発光装置。
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