JP2020167228A - 結晶太陽電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】TOPCon構造の結晶太陽電池において裏面電極型のp,n層をイオン注入法で形成する際に、注入後に行われるアニール時の外方拡散の抑制と、p、n層の汚染防止とを図ることが可能な、結晶太陽電池の製造方法を提供する。【解決手段】本発明は、結晶基板として単結晶又は多結晶シリコンからなる平板状の基体を用いる。前記基体の裏面にSi酸化膜からなる第一層を形成(A1工程)。前記第一層を覆うようにi型のアモルファスSi膜からなる第二層を形成(A2工程)。前記第二層の表層部に対して、p型のイオンを注入し、p型の半導体領域を局所的に形成(A3工程)。前記第二層の表層部に対して、n型のイオンを注入し、前記p型の半導体領域と重ならない位置に、n型の半導体領域を局所的に形成(A4工程)。前記第二層を覆うようにキャップ膜からなる第三層を形成(A5工程)。前記A5工程の後にアニール処理を行う(A6工程)、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、結晶太陽電池の製造方法に係る。より詳細には、結晶太陽電池の裏面電極としてp,n層をイオン注入法で形成する際に、注入後に行われるアニール時の外方拡散の抑制と、p、n層の汚染防止とを図ることが可能な、結晶太陽電池の製造方法に関する。
自然エネルギーの有効利用の観点から、近年、太陽電池はますます広く一般的に利用されつつある。太陽電池を構成する材料としては、これまで主に、結晶シリコン(Si)が用いられてきた。
近年、結晶Si太陽電池の技術分野では、TOPCon(Tunnel oxide passivated contacts)構造を用いた高効率化セルを作製することが注目されている。TOPCon構造は、基本的にはキャリアのトンネル効果を利用したものである。これをヘテロ(Hetero)セルに適用した場合には、接合部であるi型アモルファスSi層(i-a-Si層)を、厚さが2nm弱の酸化シリコン(SiOx)膜で置き換えて、900℃程度で高温アニール処理を行うことにより、アモルファスSi領域をポリ化する(ポリシリコンに変化させる)構造である。
この応用範囲は、裏面パッシベーション(Passivated Emitter and Rear Cell:PERC)型太陽電池から、様々な結晶Si太陽電池への応用技術として研究開発が進められている。
具体的にはドイツ国のFraunHofer研究所が、TOPConを用いて25.7%の変換効率を達成している(非特許文献1)。また、ドイツ国のISFH研究所が、BC(back contact:裏面電極)構造でTOPConを用いて26.1%の変換効率を達成している(非特許文献2)。
TOPCon構造で裏面電極型のp層やn層を形成する際にイオン注入法を用いる場合、注入後に高温アニール処理を行うと、外方散乱が発生する問題やp、n層の表面が汚染される問題が生じる虞があった。
"N-Type Si solar cells with passivating electron contact: Identifying sources for efficiency limitations by wafer thickness and resistivity variation", Solar Energy Materials and Solar Cells Volume 173, December 2017, Pages 96-105 "Laser contact openings for local poly-Si-metal contacts enabling 26.1%-efficient POLO-IBC solar cells", Solar Energy Materials and Solar Cells Volume 186, November 2018, Pages 184-193
本発明は、以上のような点を考慮してなされたものであり、結晶太陽電池の裏面電極としてp、n領域をイオン注入法で形成した際に、注入後に行われるアニール時の外方拡散の発生を抑制するとともに、p、n領域の汚染防止を図ることが可能な、結晶太陽電池の製造方法に関する。
本発明の請求項1に係る結晶太陽電池の製造方法は、光を受光する受光面と該受光面と対向する裏面との間で光電変換機能を発現する結晶基板を具備する結晶太陽電池の製造方法であって、前記結晶基板として、単結晶又は多結晶シリコンからなる平板状の基体を用い、前記基体の裏面にSi酸化膜からなる第一層を形成するA1工程と、前記第一層の全域を覆うようにi型のアモルファスSi膜からなる第二層を形成するA2工程と、前記第二層の表層部に対して、p型のイオンを注入し、p型の半導体領域を局所的に形成するA3工程と、前記第二層の表層部に対して、n型のイオンを注入し、前記p型の半導体領域と重ならない位置に、n型の半導体領域を局所的に形成するA4工程と、前記第二層の全域を覆うようにキャップ膜からなる第三層を形成するA5工程と、前記A5工程の後にアニール処理を行うA6工程と、を有することを特徴とする。
本発明の請求項2に係る結晶太陽電池の製造方法は、請求項1において、前記A3工程はp型のイオンを注入する開口部を有するマスクMA1を、前記A4工程はn型のイオンを注入する開口部を有するマスクMA2を各々用い、前記p型の半導体領域と前記n型の半導体領域との間に、所定の離間領域が形成されるように、前記マスクMA1の開口部に対する前記マスクMA2の開口部の位置を制御する、ことを特徴とする。
本発明の請求項3に係る結晶太陽電池の製造方法は、光を受光する受光面と該受光面と対向する裏面との間で光電変換機能を発現する結晶基板を具備する結晶太陽電池の製造方法であって、
前記結晶基板として、単結晶又は多結晶シリコンからなる平板状の基体を用い、前記基体の裏面にSi酸化膜からなる第一層を形成するB1工程と、
前記第一層の全域を覆うようにi型のアモルファスSi膜からなる第二層を形成するB2工程と、前記第二層の全域を覆うようにキャップ膜からなる第三層を形成するB3工程と、前記第三層を介して前記第二層の表層部に対して、p型のイオンを注入し、p型の半導体領域を局所的に形成するB4工程と、前記第三層を介して前記第二層の表層部に対して、n型のイオンを注入し、前記p型の半導体領域と重ならない位置に、n型の半導体領域を局所的に形成するB5工程と、前記B5工程の後にアニール処理を行うB6工程と、を有することを特徴とする。
本発明の請求項4に係る結晶太陽電池の製造方法は、請求項3において、前記B4工程はp型のイオンを注入する開口部を有するマスクMB1を、前記B5工程はn型のイオンを注入する開口部を有するマスクMB2を各々用い、前記p型の半導体領域と前記n型の半導体領域との間に、所定の離間領域が形成されるように、前記マスクMB1の開口部に対する前記マスクMB2の開口部の位置を制御する、ことを特徴とする。
請求項1に係る結晶太陽電池の製造方法(以下、第一製法とも呼称する)では、i型のアモルファスSi膜(第二層)を形成し、この第二層の表層部に対してp型イオンとn型イオンを注入してp型の半導体領域(以下、p領域とも呼称する)とn型の半導体領域(以下、n領域とも呼称する)を局所的に、かつ、互いに離間させて形成する。次いで、p領域とn領域を覆うようにキャップ膜(第三層)を形成した後、アニール処理を行う。すなわち、第一製法は、第二層の表層部にp型イオンとn型イオンを注入した後、キャップ層を形成する。これにより、第一製法におけるp領域とn領域は、第二層の表層部において所望の離間距離をもって配置され、かつ、キャップ膜(第三層)で封止された状態に構成される。
ゆえに、第一製法によれば、注入後に行われるアニール時の外方拡散の発生が抑制されるとともに、p領域とn領域の汚染防止を図ることができる。
請求項3に係る結晶太陽電池の製造方法(以下、第二製法とも呼称する)では、i型のアモルファスSi膜(第二層)を形成した後、この第二層を覆うようにキャップ膜(第三層)を形成する。次いで、第三層を介して前記第二層の表層部に対して、p型イオンとn型イオンを注入してp型の半導体領域(以下、p領域とも呼称する)とn型の半導体領域(以下、n領域とも呼称する)を局所的に、かつ、互いに離間させて形成する。次いで、アニール処理を行う。すなわち、第二製法は、キャップ層を形成した後、第二層の表層部にp型イオンとn型イオンを注入する。これにより、第二製法におけるp領域とn領域は、第二層の表層部において所望の離間距離をもって配置され、かつ、キャップ膜(第三層)で封止された状態に構成される。
ゆえに、第二製法によれば、注入後に行われるアニール時の外方拡散の発生が抑制されるとともに、p領域とn領域の汚染防止を図ることができる。
したがって、本発明(第一製法、第二製法)は何れも、結晶太陽電池の裏面電極としてp、n領域をイオン注入法で形成した際に、注入後に行われるアニール時の外方拡散の発生を抑制するとともに、p、n領域の汚染防止を図ることが可能な、結晶太陽電池の製造方法をもたらす。従って、本発明は、大面積にわたって均一な発電効率を実現できる結晶太陽電池の提供に貢献する。
本発明の第一製法に係る結晶太陽電池の製造工程を示すフロー図。 図1のフロー図に対応する工程を示す模式断面図。 図2Aの次工程を示す模式断面図。 図2Bの次工程を示す模式断面図。 図2Cの次工程を示す模式断面図。 図2Dの次工程を示す模式断面図。 図2Eの次工程を示す模式断面図。 図2Fの次工程を示す模式断面図。 本発明の第二製法に係る結晶太陽電池の製造工程を示すフロー図。 図3のフロー図に対応する工程を示す模式断面図。 図3Aの次工程を示す模式断面図。 図3Bの次工程を示す模式断面図。 図3Cの次工程を示す模式断面図。 図3Dの次工程を示す模式断面図。 図3Eの次工程を示す模式断面図。 図3Fの次工程を示す模式断面図。 実験例1〜4の各試料におけるB濃度のプロファイルを示すグラフ。 実験例1〜4の各試料におけるシート抵抗を示すグラフ。 アモルファスSi膜などの形成に用いる成膜装置の模式断面図。 イオン注入装置の模式断面図。 アニール処理装置の模式断面図。 従来の結晶太陽電池の製造工程を示すフロー図。 図10のフロー図に対応する工程を示す模式断面図。 図10Aの次工程を示す模式断面図。 図10Bの次工程を示す模式断面図。 図10Cの次工程を示す模式断面図。 図10Dの次工程を示す模式断面図。 図10Eの次工程を示す模式断面図。
以下、好適な実施形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。第一実施形態は、イオン注入した第二層を第三層で被覆した後、アニール処理を行う方法である。第二実施形態は、第二層を第三層で被覆し、第三層を通して第二層にイオン注入した後、アニール処理を行う方法である。
<第一実施形態>
図1は、第一実施形態(第一製法)に係る結晶太陽電池の製造工程を示すフロー図である。図2A〜図2Gは、図1のフロー図に対応する工程を順に示す模式断面図である。
以下では、第一製法を用いて、TOPCon型結晶太陽電池を作製する方法について述べる。
第一実施形態では、結晶基板11として、光を受光する受光面と該受光面と対向する裏面との間で光電変換機能を発現する第一導電型(たとえばn型半導体)の結晶基板11を用いる。結晶基板としては、単結晶又は多結晶シリコンからなる平板状の基体10が好適である。結晶基板11において、光を受光する受光面11aには、微視的なスケールの凹凸構造であるテクスチャー形状を有するものが好適に用いられる。これにより、結晶基板内に入射した光の閉じ込め効果が期待できる[A0工程/図2A]。
なお、図2Aに示した基体の裏面11bは、平坦であるように示しているが、表面をなす受光面11aと同様に、微視的なスケールのテクスチャー形状を有するものとしても構わない。
次に、基体(結晶基板11)の裏面にSi酸化膜からなる第一層12を形成する[A1工程/図2B]。第一層12は、基体(結晶基板11)の裏面の全域を覆うように設けられる。第一層12の厚さは1nm〜2nmの範囲が好ましい。第一層12の形成には、後述するCVD装置が用いられる。
次に、第一層12の全域を覆うようにi型のアモルファスSi膜からなる第二層13を形成する[A2工程/図2C]。第二層13は、第一層12の表面(図2Cでは下面)の全域を覆うように設けられる。第二層13の厚さは5nm〜150nmの範囲が好ましい。第二層13の形成には、後述するCVD装置が用いられる。
次に、第二層13の表層部に対して、p型のイオン(ボロン)を注入する。これにより、第二層13の表層部に、p型の半導体領域(p領域)を局所的に形成する[A3工程/図2D]。図2Dにおいて、実線の矢印DA1はp型のイオンを注入する方向を表している。
p領域の局所的な面形状は、イオン注入する際に用いるマスクMA1の開口部MA1opの形状により決まる。p領域どうしの間隔は、マスクMA1における開口部MA1opどうしの間隔による。
次に、第二層13の表層部に対して、n型のイオン(リン)を注入する。これにより、p型の半導体領域(p領域)14と重ならない位置にある、第二層13の表層部に、n型の半導体領域(n領域)15を局所的に形成する[A4工程/図2E、図2F]。図2Eにおいて、実線の矢印DA2はn型のイオンを注入する方向を表している。
n領域の局所的な面形状は、イオン注入する際に用いるマスクMA2の開口部MA2opの形状により決まる。n領域どうしの間隔は、マスクMA2における開口部MA2opどうしの間隔による。
p領域14と重ならない位置に、n領域15を局所的に形成したことにより、特定のp領域14とその近傍に位置するn領域15との間には、所望の離間部(離間領域)SP1が配される。離間部SP1は、第二層13の表層部であり、n型のイオンもp型のイオンも注入されていない領域である。換言すると、p領域14とn領域15は何れも、第二層13の表層部において離間部SP1を挟んで互いに孤立した状態にある。
次に、第二層13の全域を覆うようにキャップ膜からなる第三層16を形成する[A5工程/図2F]。これにより、イオン注入された第二層13の表面は全域に亘り、第三層によって封止された状態となる。第三層16の厚さは10nm〜1μmの範囲が好ましい。第三層16の形成には、後述するCVD装置が用いられる。
最後に、第三層16によって被覆された状態ある、イオン注入後の第二層13に対して高温アニール処理を行う[A6工程/図2G]。図2Gにおいて、点線の矢印ANA1はアニール時に加熱する方向を表している。
第一実施形態(第一製法)では、まず、イオン注入されたp領域とn領域が、第二層の表層部において所望の離間部(離間領域)SP1をもって配されるように形成される。次いで、p領域とn領域が形成された第二層をキャップ膜(第三層)で覆う。これにより、p領域とn領域はキャップ膜により封止された状態で、アニール処理が行われる。ゆえに、第一製法によれば、注入後に行われるアニール時の外方拡散の発生が抑制されるとともに、p領域とn領域の汚染防止を図ることができる。
第一実施形態(第一製法)では、上述した所望の離間部(離間領域)SP1を設けるためには、A3工程はp型のイオンを注入する開口部を有するマスクMA1を、A4工程はn型のイオンを注入する開口部を有するマスクMA2を各々用いる。その際、p型の半導体領域(p領域)とn型の半導体領域(n領域)との間に、所定の離間部(離間領域)SP1が形成されるように、マスクMA1の開口部に対するマスクMA2の開口部の位置を制御する必要がある。これにより、所望の離間部(離間領域)SP1を、基体の裏面の全域に亘って位置精度よく形成することが可能となる。
<第二実施形態>
図3は、第二実施形態(第二製法)に係る結晶太陽電池の製造工程を示すフロー図である。図4A〜図4Gは、図3のフロー図に対応する工程を順に示す模式断面図である。
以下では、第二製法を用いて、TOPCon型結晶太陽電池を作製する方法について述べる。
第二実施形態では、第一実施形態と同様に、結晶基板21として、光を受光する受光面と該受光面と対向する裏面との間で光電変換機能を発現する第一導電型(たとえばn型半導体)の結晶基板21を用いる。結晶基板としては、単結晶又は多結晶シリコンからなる平板状の基体20が好適である。結晶基板21において、光を受光する受光面21aには、微視的なスケールの凹凸構造であるテクスチャー形状を有するものが好適に用いられる。これにより、結晶基板内に入射した光の閉じ込め効果が期待できる[B0工程/図4A]。
なお、図4Aに示した基体の裏面21bは、平坦であるように示しているが、表面をなす受光面21aと同様に、微視的なスケールのテクスチャー形状を有するものとしても構わない。
次に、基体(結晶基板21)の裏面にSi酸化膜からなる第一層22を形成する[B1工程/図4B]。第一層22は、基体(結晶基板21)の裏面の全域を覆うように設けられる。第一層22の厚さは1nm〜2nmの範囲が好ましい。第一層22の形成には、後述するCVD装置が用いられる。
次に、第一層22の全域を覆うようにi型のアモルファスSi膜からなる第二層23を形成する[B2工程/図4C]。第二層23は、第一層22の表面(図4Cでは下面)の全域を覆うように設けられる。第二層23の厚さは5nm〜150nmの範囲が好ましい。第二層23の形成には、後述するCVD装置が用いられる。
次に、第二層23の全域を覆うようにキャップ膜からなる第三層26を形成する[B3工程/図4D]。これにより、第二層13の表面は全域に亘り、第三層によって封止された状態となる。第三層26の厚さは10nm〜1μmの範囲が好ましい。第三層26の形成には、後述するCVD装置が用いられる。
次に、第三層26を介して、第二層23の表層部に対して、p型のイオン(ボロン)を注入する。これにより、第二層23の表層部に、p型の半導体領域(p領域)を局所的に形成する[B4工程/図4E]。図4Eにおいて、実線の矢印DA1はp型のイオンを注入する方向を表している。
p領域の局所的な面形状は、イオン注入する際に用いるマスクMB1の開口部MB1opの形状により決まる。p領域どうしの間隔は、マスクMA1における開口部MB1opどうしの間隔による。
次に、第三層26を介して、第二層23の表層部に対して、n型のイオン(リン)を注入する。これにより、p型の半導体領域(p領域)24と重ならない位置にある、第二層23の表層部に、n型の半導体領域(n領域)25を局所的に形成する[B5工程/図4F、図4G]。図4Fにおいて、実線の矢印DA2はn型のイオンを注入する方向を表している。
n領域の局所的な面形状は、イオン注入する際に用いるマスクMB2の開口部MB2opの形状により決まる。n領域どうしの間隔は、マスクMB2における開口部MB2opどうしの間隔による。
p領域24と重ならない位置に、n領域25を局所的に形成したことにより、特定のp領域24とその近傍に位置するn領域25との間には、所望の離間部SP1が配される。離間部SP1は、第二層23の表層部であり、n型のイオンもp型のイオンも注入されていない領域である。換言すると、p領域24とn領域25は何れも、第二層23の表層部において離間部SP1を挟んで互いに孤立した状態にある。
最後に、第三層26によって被覆された状態ある、イオン注入後の第二層23に対して高温アニール処理を行う[B6工程/図4G]。図4Gにおいて、点線の矢印ANB1はアニール時に加熱する方向を表している。
上述した第二実施形態(第二製法)では、まず、イオン注入する前の第二層の表層部を全域に覆うようにキャップ膜(第三層)が形成される。次いで、第三層26を介して、イオン注入されたp領域とn領域が、第二層の表層部に形成される。これにより、p領域とn領域はキャップ膜により封止された状態で、アニール処理が行われる。ゆえに、第二製法によれば、注入後に行われるアニール時の外方拡散の発生が抑制されるとともに、p領域とn領域の汚染防止を図ることができる。
第二実施形態(第二製法)では、上述した所望の離間部(離間領域)SP1を設けるためには、B4工程はp型のイオンを注入する開口部を有するマスクMB1を、B5工程はn型のイオンを注入する開口部を有するマスクMB2を各々用いる。その際、p型の半導体領域(p領域)とn型の半導体領域(n領域)との間に、所定の離間部(離間領域)SP1が形成されるように、マスクMB1の開口部に対するマスクMB2の開口部の位置を制御する必要がある。これにより、所望の離間部(離間領域)SP1を、基体の裏面の全域に亘って位置精度よく形成することが可能となる。
本発明の作用・効果を確かめるため、以下に説明する実験例1〜4により試料1〜4を作製した。図5は実験例1〜4の各試料におけるB濃度のプロファイルを示すグラフであり、図6は実験例1〜4の各試料におけるシート抵抗を示すグラフである。
<実験例1>
実験例1では、第一実施形態(第一製法)に基づき、図2Gに示す構成の試料1を作製した。基体11はn型のシリコン基板であり、基体11の受光面11aには、平均粗さが3〜5nmの範囲にあるテクスチャー形状を設けたものを用いた。
基体11の裏面11bの全域を覆うように、厚さが1〜2nmのSi酸化膜(SiOx)からなる第一層12を形成した。次に、第一層12の全域を覆うように、厚さが約100nmのi型のアモルファスSi膜からなる第二層13を形成した。
次に、第二層13の表層部に、B(ボロン)イオンを注入してp領域を、P(リン)イオンを注入してn領域を、各々形成した。p領域とn領域との間には、幅が100nmの離間部(離間領域)SP1を設けた。実験例1におけるBイオンの注入エネルギー(条件Low)は、5[keV]とした。
次いで、第二層13の全域を覆うように、Si酸化膜(SiOx)からなるキャップ膜(第三層)を形成した。
最後に、高温アニール処理(900[℃]、60[min])を行った。
その結果、図5および図6に示すように、実験例1により作製した試料1では、アニール後のp領域の表面近傍(表面〜深さ20nm付近)におけるボロン濃度は1E+21〜1E+20[atoms/cm]の範囲内であり、深さ方向においてボロン濃度が急減するプロファイルであった(図5に点線で示すプロファイル)。試料1におけるアニール後のシート抵抗は62[Ω/□]程度であり、低抵抗であること確認された。
<実験例2>
実験例2では、第一実施形態(第一製法)に基づき、図2Gに示す構成の試料2を作製した。実験例2は、実験例1に対して、Bイオンの注入エネルギーのみ変更した。実験例2におけるBイオンの注入エネルギー(条件High)は、10[keV]とした。他の条件については、実験例2は実験例1と同一とした。
その結果、図5および図6に示すように、実験例2により作製した試料2では、アニール後のp領域の表面近傍(表面〜深さ20nm付近)におけるボロン濃度は、3E+20〜1E+20[atoms/cm]の範囲内であり、深さ方向においてボロン濃度が安定したプロファイルであった(図5に実線で示すプロファイル)。試料2におけるアニール後のシート抵抗は、55[Ω/□]程度であり、試料1に比べて更に10%ほど低いこと確認された。
<実験例3>
実験例3では、実験例1の試料1から、第二層23の全域を覆うキャップ膜からなる第三層26を省略した構成の試料3を作製した。他の条件については、実験例3は実験例1と同一とした。すなわち、実験例3では、キャップ膜を設けず、Bイオンの注入エネルギー(条件Low)は、5[keV]とした。
その結果、図5および図6に示すように、実験例3により作製した試料3では、アニール後のp領域の表面近傍(表面〜深さ20nm付近)におけるボロン濃度は、2E+19〜3E+19[atoms/cm]の範囲内であり、深さ方向においてボロン濃度が一時的に増加するプロファイルであった(図5に二点鎖線で示すプロファイル)。試料3におけるアニール後のシート抵抗は、113[Ω/□]程度であり、試料1に比べてシート抵抗がほぼ倍増していることが確認された。
<実験例4>
実験例4では、実験例2の試料2から、第二層23の全域を覆うキャップ膜からなる第三層26を省略した構成の試料4を作製した。他の条件については、実験例4は実験例2と同一とした。すなわち、実験例4では、キャップ膜を設けず、Bイオンの注入エネルギー(条件High)は、10[keV]とした。
その結果、図5および図6に示すように、実験例4により作製した試料4では、アニール後のp領域の表面近傍(表面〜深さ20nm付近)におけるボロン濃度は、5E+19〜6.5E+19[atoms/cm]の範囲内であり、深さ方向においてボロン濃度が一時的に増加するプロファイルであった(図5に一点鎖線で示すプロファイル)。試料4におけるアニール後のシート抵抗は、105[Ω/□]程度であり、試料2に比べてシート抵抗がほぼ倍増していることが確認された。
実験例1〜4におけるボロン濃度およびシート抵抗の評価結果より、イオン注入の対象である第二層23の全域を覆うようにキャップ膜からなる第三層を採用した本発明は、結晶太陽電池の裏面電極としてp、n領域をイオン注入法で形成した際に、注入後に行われるアニール時の外方拡散の発生を抑制するとともに、p、n領域の汚染防止を図ることが可能な、結晶太陽電池の製造方法をもたらすことが明らかとなった。
<比較例>
図10は、従来の結晶太陽電池の製造工程を示すフロー図である。図11A〜図11Gは、図10のフロー図に対応する工程を順に示す模式断面図である。
以下では、上述した本発明に係る第一製法および第二製法と比較するために、TOPCon−BC(Back contact)型結晶太陽電池を作製する従来の方法について述べる。
比較例では、上述した第一実施形態(第一製法)および第二実施形態(第二製法)と同様に、結晶基板51として、光を受光する受光面と該受光面と対向する裏面との間で光電変換機能を発現する第一導電型(たとえばn型半導体)の結晶基板を用いる。結晶基板としては、単結晶シリコンからなる平板状の基体50が好適である。結晶基板51において、光を受光する受光面51aには、微視的なスケールの凹凸構造であるテクスチャー形状を有するものが好適に用いられる。これにより、結晶基板内に入射した光の閉じ込め効果が期待できる[Z0工程/図11A]。
なお、図11Aに示した基体50の裏面51bは、平坦であるように示しているが、表面をなす受光面51aと同様に、微視的なスケールのテクスチャー形状を有するものとしても構わない。
次に、基体(結晶基板51)の裏面にSi酸化膜からなる第一層52を形成する[Z1工程/図11B]。第一層52は、基体(結晶基板51)の裏面の全域を覆うように設けられる。第一層52の厚さは1nm〜2nmの範囲が好ましい。第一層52の形成には、後述するCVD装置が用いられる。
次に、第一層52の全域を覆うようにi型のアモルファスSi膜からなる第二層53を形成する[Z2工程/図11C]。第二層53は、第一層52の表面(図11Cでは下面)の全域を覆うように設けられる。第二層53の厚さは5nm〜150nmの範囲が好ましい。第二層53の形成には、後述するCVD装置が用いられる。
次に、第二層53の表層部に対して、p型のイオン(ボロン)を注入する。これにより、第二層53の表層部に、p型の半導体領域(p領域)を局所的に形成する[Z3工程/図11D]。図11Dにおいて、実線の矢印DZ1はp型のイオンを注入する方向を表している。
p領域の局所的な面形状は、イオン注入する際に用いるマスクMZ1の開口部MZ1opの形状により決まる。p領域どうしの間隔は、マスクMZ1における開口部MZ1opどうしの間隔による。
次に、第二層53の表層部に対して、n型のイオン(リン)を注入する。これにより、p型の半導体領域(p領域)54と外縁部が接しないように、第二層53の表層部に、n型の半導体領域(n領域)55を局所的に形成する[Z4工程/図11E、図11F]。図11Eにおいて、実線の矢印DZ2はn型のイオンを注入する方向を表している。
n領域の局所的な面形状は、イオン注入する際に用いるマスクMZ2の開口部MZ2opの形状により決まる。n領域どうしの間隔は、マスクMZ2における開口部MZ2opどうしの間隔による。
p領域54と外縁部が接しないように、n領域55を局所的に形成したことにより、特定のp領域54とその近傍に位置するn領域55との間には、離間部(離間領域)が存在し、p領域54の外縁部とn領域55の外縁部とが接した境界KZが配される。
最後に、第二層の表層部にp領域に加えてn領域が形成された状態にある、イオン注入後の第二層53に対して高温アニール処理を行う[Z5工程/図11F]。図11Fにおいて、点線の矢印ANZ2はアニール時に加熱する方向を表している。
比較例の場合、イオン注入されたp領域は、n領域を形成した後に行われるアニール処理時に影響を受ける。これにより、p領域54の外縁部とn領域55の外縁部とが接しない境界KZでは、p領域54とn領域55の間で相互に基板表層でリーク電流が発生する。このため、境界KZの表層では、p領域54とn領域55の境界がぼやけた状態となる。さらに、比較例の試料では、試料1や試料2に比べてシート抵抗が大幅に増加する課題があった。
また、比較例の場合、p領域54とn領域55が形成された第二層の表層部は、露呈された状態で、アニール処理が行われる。ゆえに、比較例の試料では、注入後に行われるアニール時に外方拡散が発生し、p領域とn領域の汚染が生じやすい、という課題もあった。
これに対して、本発明に係る結晶太陽電池の製造方法(第一製法、第二製法)によれば、上述した比較例において発生する2つの課題が解消される。
<成膜装置>
図7は、本発明を実施するにあたり、アモルファスSi膜などの形成に用いる成膜装置の一例を示す模式断面図である。この成膜装置は、CVD法を用いて薄膜を形成する製造装置(以下では、CVD装置とも呼ぶ)700である。
上述した実施形態等において図10のCVD装置700を用いる場合は、各プロセス室を順に通過することにより、Si酸化膜からなる第一層12や、i型のアモルファスSi膜からなる第二層13を、基体の裏面側に作製する。なお、キャップ膜からなる第三層16も同様に、図10のCVD装置700で作製することができる。
図10において、基体101(たとえば図2Aの基体10に相当)が位置Cを通過する際に第一層を、基体101が位置Eを通過する際に第二層を、基体101が位置Fを通過する際に第三層を、それぞれ形成する。
CVD装置700により、Si酸化膜からなる第一層12や、i型のアモルファスSi膜からなる第二層13、キャップ膜からなる第三層16が、それぞれ形成された基体は、成膜出口室(EX)758に移動された後、搬送室(T)759を経て、取出室(UL)760に移動され、取出室の内部を大気圧とすることにより、CVD装置の外部へ搬出される。
<イオン注入装置>
図8は、本発明を実施するにあたり、イオン注入を行うために用いるイオン注入装置の一例を示す模式断面図である。このイオン注入装置1200は、上述したp領域やn領域を形成するために用いる。
イオン注入装置1200は、真空槽1201と、永久磁石1205、RF導入コイル1206、RF導入窓(石英)1212を用いたICP放電によるプラズマ発生手段と、真空排気手段(不図示)とを備えている。
真空槽1201の内部は、複数の開口を有する(たとえば、メッシュ状の)電極1208、1209により、プラズマ発生室とプラズマ処理室とに分離されている。プラズマ処理室に被処理体である基板(たとえば図2Cに示す基板11の裏面に第一層12と第二層13が積層されたものに相当)1203を支持する基板支持台1204が配されている。なお、電極1208は、浮遊電位とされており、プラズマ1207の電位を安定させる機能を有する。また、電極1209は、負電位を印加され、プラズマ1207から正イオンを引き出す機能を有する。
真空層1201内を減圧し、プラズマ発生室に、基板1203に注入する不純物原子を含んだガスを導入する。そして、プラズマ発生手段を用いてプラズマ1207を励起させることにより、不純物原子をイオン化させ、電極1208、1209を経由して引き出されたp型あるいはn型のイオンを、基板1203に注入させることができる。
ここで、p型イオンの注入量やn型イオンの注入量は、予め計測されたアニール処理後のp領域のシート抵抗やn領域のシート抵抗と、TOPCon型結晶太陽電池の光電変換効率との関係から、太陽電池を製造する上での最適値として決定される。ただし、n領域におけるn型イオンの濃度は、少なくとも基板101におけるn型イオンの濃度より高く設定されているものとする。
なお、上述したp型イオンの注入やn型イオンの注入を行う際に、不純物原子を含んだガス(たとえば、BFなど)に水素を添加したプロセスガスを用い、前記アモルファスSi層に対して水素がイオン注入されるように条件設定してもよい。イオン注入時に水素も一緒にイオン注入することにより、アモルファスSi層の構造欠陥が修復され、キャリアの再結合の抑制効果が向上し、p領域やn領域まで到達する電子やホールの総量が増加するため、発電効率の向上を図ることができる。
アモルファスSi層に対して効果的に水素を注入する手法として、非質量分離型イオン注入の採用が挙げられる。n型イオン、p型イオン[たとえば、P(リン)イオン、B(ボロン)イオン]のみを分離して注入する質量分離型イオン注入とは異なり、非質量分離型イオン注入では、不純物原子を含んだガスとしてPH、BH等の水素を含むガスを用いる。これにより、非質量分離型イオン注入においては、前述のように水素を添加したプロセスガスを用いなくとも、基板に対して、n型イオン、p型イオンと同時に、水素も注入することが可能となる。
さらに、非質量分離型イオン注入では、イオンを分離する機構が不要であるため、装置構造としてフットプリントが小さくなるというメリットもある。
このように、プロセスガスに水素を添加したり、非質量分離型イオン注入を選択したりすることによって、n型イオン、p型イオンと同時にアモルファスSi層に注入された水素は、アモルファスSi層の深さ方向において濃度分布を持つことになる。
<アニール処理装置>
図9は、本発明を実施するにあたり、アニール処理を行うために用いるアニール処理装置の一例を示す模式断面図である。このアニール処理装置は、上述したp領域やn領域を熱処理するために用いる。
本発明の第一実施形態(第一製法)におけるアニール処理[A6工程/図2G]は、たとえば、図9に示すアニール処理装置1300を用いて行う。図9のアニール装置1300は、縦型加熱炉を採用し、バッチ式で、1カセットに1枚の基板(p型およびn型イオン注入工程後の基板)がセットされ、このカセットを複数枚、同時に熱処理することが可能とされている。
図9のアニール装置1300は、加熱室1310と前室1320から構成されており、加熱室1310の内部空間1312と前室1320の内部空間1322は、仕切弁1314によって遮断可能とされている。
前室1320の内部空間1322において、表裏が露呈した状態となるように基板の外周部を保持したカセット1301を複数枚、多段に重ねてなるカセットラック1303を、カセットベース1302上に配置する。
加熱室1310の内部空間1312を大気開放した状態で仕切弁1314を開けて、この状態にあるカセットベース1302を、前室1320の内部空間1322から加熱室1310の内部空間1312へ、不図示の移動手段により上昇させる(上向き矢印)。 その後、仕切弁1314を閉じ、排気手段(P)1315を用いて、加熱室1310の内部空間1312を減圧雰囲気とする。なお、加熱室1310の内部空間1312を減圧雰囲気とはせず、そのまま後述のアニールガスを導入し、大気圧アニールを行ってもよい。
次いで、加熱室1310の内部空間1312に、アニールガスを導入し、管理された雰囲気下で、所定の温度プロファイルにより、大気圧アニール処理を行う。ここで、導入するガスは窒素ガスであり、これに水素ガスを添加して用いてもよい。このように、アニールガスに水素を添加することで、i型a−Si層に注入された水素が、加熱により基板から離脱することを補うことが可能となる。一例としては、窒素ガスに対し3%水素を添加したアニールガスを利用する。
基板温度を所定の温度以下とした後、上記ガスの導入を停止し、加熱室1310の内部空間1312を大気開口した状態として仕切弁1314を開ける。その後、カセットベース1302を、加熱室1310の内部空間1312から前室1320の内部空間1322へ、不図示の移動手段により下降させる(下向き矢印)。
以上の手順により、本発明のアニール処理は行われる。その際、アニール処理の条件は、基板内部における、n型イオン及びp型イオンの拡散係数に応じた最適な条件として決定される。たとえば、アニール処理の温度は、600℃以上であることが望ましい。
本発明に係る結晶太陽電池の製造方法(第一製法、第二製法)は、結晶太陽電池の裏面電極としてp、n領域をイオン注入法で形成した際に、注入後に行われるアニール時の外方拡散の発生を抑制するとともに、p、n領域の汚染防止を図る場合に、広く適用することができる。特に、本発明はTOPCon構造の結晶太陽電池に好適である。
MA1 マスク、MA1op 開口部、MB1 マスク、MB1op 開口部、DA1 p型のイオンを注入する方向、MA2 マスク、MA2op 開口部、MB2 マスク、MB2op 開口部、DA2 n型のイオンを注入する方向、SP1 離間部(離間領域)、ANA1 アニール時に加熱する方向、ANB1 アニール時に加熱する方向、10 基体、11 結晶基板、11a 受光面、11b 裏面、12 第一層、13 第二層、14 p型の半導体領域(p領域)、15 n型の半導体領域(n領域)、16 第三層、20 基体、21 結晶基板、21a 受光面、21b 裏面、22 第一層、23 第二層、24 p型の半導体領域(p領域)、25 n型の半導体領域(n領域)、26 第三層。

Claims (4)

  1. 光を受光する受光面と該受光面と対向する裏面との間で光電変換機能を発現する結晶基板を具備する結晶太陽電池の製造方法であって、
    前記結晶基板として、単結晶又は多結晶シリコンからなる平板状の基体を用い、前記基体の裏面にSi酸化膜からなる第一層を形成するA1工程と、
    前記第一層の全域を覆うようにi型のアモルファスSi膜からなる第二層を形成するA2工程と、
    前記第二層の表層部に対して、p型のイオンを注入し、p型の半導体領域を局所的に形成するA3工程と、
    前記第二層の表層部に対して、n型のイオンを注入し、前記p型の半導体領域と重ならない位置に、n型の半導体領域を局所的に形成するA4工程と、
    前記第二層の全域を覆うようにキャップ膜からなる第三層を形成するA5工程と、
    前記A5工程の後にアニール処理を行うA6工程と、
    を有することを特徴とする結晶太陽電池の製造方法。
  2. 前記A3工程はp型のイオンを注入する開口部を有するマスクMA1を、前記A4工程はn型のイオンを注入する開口部を有するマスクMA2を各々用い、
    前記p型の半導体領域と前記n型の半導体領域との間に、所定の離間領域が形成されるように、前記マスクMA1の開口部に対する前記マスクMA2の開口部の位置を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の結晶太陽電池の製造方法。
  3. 光を受光する受光面と該受光面と対向する裏面との間で光電変換機能を発現する結晶基板を具備する結晶太陽電池の製造方法であって、
    前記結晶基板として、単結晶又は多結晶シリコンからなる平板状の基体を用い、前記基体の裏面にSi酸化膜からなる第一層を形成するB1工程と、
    前記第一層の全域を覆うようにi型のアモルファスSi膜からなる第二層を形成するB2工程と、
    前記第二層の全域を覆うようにキャップ膜からなる第三層を形成するB3工程と、
    前記第三層を介して前記第二層の表層部に対して、p型のイオンを注入し、p型の半導体領域を局所的に形成するB4工程と、
    前記第三層を介して前記第二層の表層部に対して、n型のイオンを注入し、前記p型の半導体領域と重ならない位置に、n型の半導体領域を局所的に形成するB5工程と、
    前記B5工程の後にアニール処理を行うB6工程と、
    を有することを特徴とする結晶太陽電池の製造方法。
  4. 前記B4工程はp型のイオンを注入する開口部を有するマスクMB1を、前記B5工程はn型のイオンを注入する開口部を有するマスクMB2を各々用い、
    前記p型の半導体領域と前記n型の半導体領域との間に、所定の離間領域が形成されるように、前記マスクMB1の開口部に対する前記マスクMB2の開口部の位置を制御する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の結晶太陽電池の製造方法。
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