JP2020165847A - 食品の品質判定方法、及び、食品品質判定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】食品の品質劣化などの判定の精度を高める。【解決手段】判定対象と同種の食品について、既知である品質の状態がラベルとして付加されている複数の教師サンプルを、同一の分析条件で以てクロマトグラフ質量分析装置により測定する教師サンプル測定工程(S1、S2)と、その測定結果である抽出イオンクロマトグラムにおいて観測されるピークの大きさに関する指標値を、前記複数の教師サンプル毎に取得するとともに、該複数の教師サンプルに共通する保持時間毎のピークの指標値を抽出する教師サンプルデータ収集工程(S3、S4)と、ラベル付けされた複数の教師サンプルそれぞれの、該複数の教師サンプルに共通する保持時間毎のピークの指標値を教師データとして、教師有り学習を実行して判別モデルを作成する判別モデル作成工程と(S5−S7)、を有し、未知サンプルに対する測定データその判別モデルによる判別器に適用して品質の判別結果を得る。【選択図】図3
Description
本発明は、食品(飲料品を含む)の品質を判定する方法、及び、そのための装置に関する。本発明は特に、食品の劣化や鮮度低下などを判別するのに有効である。
食品の生産、加工、流通等の各過程においては高いレベルの品質管理が求められており、近年、その要請は一層高まっている。
従来、食品の製造や加工の現場での品質の劣化の評価は、色、臭い、味などの人間の主観的な評価に基づくものが一般的であった。これに対し、より客観的で且つ効率的な評価を行うために分析装置を用いた品質評価が試みられている。例えば特許文献1には、魚肉が腐敗する際に発生する不揮発性生体アミン類を液体クロマトグラフィ法やイオン選択性電極法で定量分析することで、魚肉の鮮度評価が可能であることが記載されている。
従来、食品の製造や加工の現場での品質の劣化の評価は、色、臭い、味などの人間の主観的な評価に基づくものが一般的であった。これに対し、より客観的で且つ効率的な評価を行うために分析装置を用いた品質評価が試みられている。例えば特許文献1には、魚肉が腐敗する際に発生する不揮発性生体アミン類を液体クロマトグラフィ法やイオン選択性電極法で定量分析することで、魚肉の鮮度評価が可能であることが記載されている。
従来の分析装置を用いた食品品質評価方法は、このように、対象の食品に含まれる単一又は特定の種類の指標物質の濃度を分析した結果に基づいて行われるのが一般的であった。しかしながら、こうした方法では、多様な成分で構成される食品の品質の変化を十分に捉えることができない場合がある。また、植物や動物に由来する食品では同じ食品であっても成分の含有量を同一に揃えることは難しいことが多いため、食品の劣化の進行度合いが低いときには誤判定が生じたり見逃しが生じたりし易いという問題がある。
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、多くの成分を含む食品の品質の変化を、客観的に且つ的確に評価することができる食品の品質判定方法及び装置を提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様による食品の品質判定方法は、判定対象である食品由来のサンプルをクロマトグラフ質量分析装置により測定した結果に基づいて、該食品の品質を判定する方法であって、
判定対象と同種の食品について、既知である品質の状態がラベルとして付加されている複数の教師サンプルを、同一の分析条件で以てクロマトグラフ質量分析装置により測定する教師サンプル測定工程と、
前記教師サンプル測定工程による測定結果である抽出イオンクロマトグラムにおいて観測されるピークの大きさに関する指標値を、前記複数の教師サンプル毎に取得するとともに、該複数の教師サンプルに共通する保持時間毎のピークの指標値を抽出する教師サンプルデータ収集工程と、
前記教師サンプルデータ収集工程で取得された、ラベル付けされた複数の教師サンプルそれぞれの、該複数の教師サンプルに共通する保持時間毎のピークの指標値を教師データとして、教師有り学習を実行して判別モデルを作成する判別モデル作成工程と、
判定対象である食品由来のサンプルを、前記分析条件で以てクロマトグラフ質量分析装置により測定する未知サンプル測定工程と、
前記未知サンプル測定工程による測定結果である抽出イオンクロマトグラムにおいて観測される、前記複数の教師サンプルに共通する保持時間毎のピーク指標値を取得する未知サンプルデータ収集工程と、
前記未知サンプルデータ収集工程で取得されたピーク指標値のデータを前記判別モデルによる判別器に入力して品質の判別結果を得る判別実行工程と、
を有するものである。
判定対象と同種の食品について、既知である品質の状態がラベルとして付加されている複数の教師サンプルを、同一の分析条件で以てクロマトグラフ質量分析装置により測定する教師サンプル測定工程と、
前記教師サンプル測定工程による測定結果である抽出イオンクロマトグラムにおいて観測されるピークの大きさに関する指標値を、前記複数の教師サンプル毎に取得するとともに、該複数の教師サンプルに共通する保持時間毎のピークの指標値を抽出する教師サンプルデータ収集工程と、
前記教師サンプルデータ収集工程で取得された、ラベル付けされた複数の教師サンプルそれぞれの、該複数の教師サンプルに共通する保持時間毎のピークの指標値を教師データとして、教師有り学習を実行して判別モデルを作成する判別モデル作成工程と、
判定対象である食品由来のサンプルを、前記分析条件で以てクロマトグラフ質量分析装置により測定する未知サンプル測定工程と、
前記未知サンプル測定工程による測定結果である抽出イオンクロマトグラムにおいて観測される、前記複数の教師サンプルに共通する保持時間毎のピーク指標値を取得する未知サンプルデータ収集工程と、
前記未知サンプルデータ収集工程で取得されたピーク指標値のデータを前記判別モデルによる判別器に入力して品質の判別結果を得る判別実行工程と、
を有するものである。
また上記課題を解決するためになされた本発明の一態様による食品品質判定装置は、クロマトグラフ質量分析装置を含み、上記態様の品質判定方法を用いて食品の品質を判定する装置であって、
前記教師サンプル測定工程、前記教師サンプルデータ収集工程、及び、前記判別モデル作成工程により作成された判別モデルを構成する情報を記憶しておくモデル記憶部と、
所定の分析条件で以て判定対象である食品由来のサンプルを測定するように、前記クロマトグラフ質量分析装置を動作させる分析制御部と、
前記分析制御部の制御の下で得られた測定結果である抽出イオンクロマトグラムにおいて観測される、前記複数の教師サンプルに共通する保持時間毎のピーク指標値を取得する未知サンプルデータ収集部と、
前記未知サンプルデータ収集部で取得されたピーク指標値のデータに対し、前記モデル記憶部に記憶されている判別モデルに基づく判別処理を実施して、前記未知サンプルの品質の判別結果を得る判別実行部と、
を備えるものである。
前記教師サンプル測定工程、前記教師サンプルデータ収集工程、及び、前記判別モデル作成工程により作成された判別モデルを構成する情報を記憶しておくモデル記憶部と、
所定の分析条件で以て判定対象である食品由来のサンプルを測定するように、前記クロマトグラフ質量分析装置を動作させる分析制御部と、
前記分析制御部の制御の下で得られた測定結果である抽出イオンクロマトグラムにおいて観測される、前記複数の教師サンプルに共通する保持時間毎のピーク指標値を取得する未知サンプルデータ収集部と、
前記未知サンプルデータ収集部で取得されたピーク指標値のデータに対し、前記モデル記憶部に記憶されている判別モデルに基づく判別処理を実施して、前記未知サンプルの品質の判別結果を得る判別実行部と、
を備えるものである。
ここでいう「教師有り学習」の「学習」とは広義の機械学習である。一般に、「機械学習」には多変量解析を含まない場合もあるが、ここでは、機械学習は多変量解析を含むものとする。したがって、ここでは、機械学習の代表的な手法である、サポートベクタマシン(SVM=Support Vector Machine)、ニューラルネットワーク(Neural Network)、ランダムフォレスト(Random Forest)などのほか、判別/回帰のための多変量解析の代表的な手法として知られている、ロジスティック回帰、部分的最小二乗法(PLS=Partial Least Squares)、直交部分的最小二乗法(OPLS−DA=Orthogonal Partial Least Square-Discriminant Analysis)、k−近傍法なども機械学習に含むものとする。
本発明の一態様による食品の品質判定方法及び装置では、品質が異なるサンプルに共通に含まれる多種多様な成分の含有量を説明変数とする機械学習によって、品質を評価する判別器(判別モデル)が構築される。したがって、本発明の一態様による食品の品質判定方法及び装置によれば、多くの成分を含む食品の品質の変化、具体的には品質の劣化や鮮度の低下などを、客観的に且つ高い精度で以て評価することができる。
本発明の一実施形態である食品品質評価装置、及び該装置を用いた食品の品質評価方法を、添付図面を参照して説明する。
[本実施形態の装置の構成]
図1は、本実施形態の食品品質評価装置の概略ブロック構成図である。
図1に示すように、この食品品質評価装置は、試料前処理部1、ガスクロマトグラフ質量分析部(GC−MS)2、データ解析部3、及び、表示部4、を含む。ガスクロマトグラフ質量分析部2の質量分析部は電子イオン化(EI)法によるイオン源を搭載したものである。
図1は、本実施形態の食品品質評価装置の概略ブロック構成図である。
図1に示すように、この食品品質評価装置は、試料前処理部1、ガスクロマトグラフ質量分析部(GC−MS)2、データ解析部3、及び、表示部4、を含む。ガスクロマトグラフ質量分析部2の質量分析部は電子イオン化(EI)法によるイオン源を搭載したものである。
データ解析部3は、機能ブロックとして、データ格納部31、クロマトグラム作成部32、ピーク抽出部33、ピーク選択部34、データマトリクス作成部35、判別処理部36、モデル記憶部37、表示処理部38、を含む。モデル記憶部37には、本装置には含まれない機械学習実行部5において教師データに基づく学習によって作成された学習済みの判別モデルを構成する情報が格納される。
一般に、データ解析部3の実体はパーソナルコンピュータ又はより高性能なワークステーションと呼ばれるコンピュータであり、該コンピュータに予めインストールされたデータ解析用ソフトウェアを該コンピュータ上で動作させることで上記各機能ブロックの機能が実現されるものとすることができる。
また、機械学習実行部5を本装置に含む構成とすることも可能である。但し、通常、判別モデルを作成するための機械学習の計算量は、既存の判別モデルを用いた判別処理のための計算量に比べて格段に多い。そのため、機械学習実行部5を本装置に含むようにするには、より性能の高いコンピュータを用いる必要がある。
[判別器(判別モデル)の作成方法]
上述したように、本装置で未知サンプルの品質を評価するには、機械学習実行部5において教師データに基づく機械学習を実行して判別モデルを作成し、該モデルを表現するための情報をモデル記憶部37に保存しておく必要がある。図3に示すフローチャートを参照して、判別モデルを作成する際の作業及び処理について説明する。ここでは一例として、要冷蔵である食品について、保管状態が適切で品質が劣化していない状態(以下、「品質良」という)と逆に保管状態が不適切で品質が低下している状態(以下「品質低」という)との判定を行うものとする。
上述したように、本装置で未知サンプルの品質を評価するには、機械学習実行部5において教師データに基づく機械学習を実行して判別モデルを作成し、該モデルを表現するための情報をモデル記憶部37に保存しておく必要がある。図3に示すフローチャートを参照して、判別モデルを作成する際の作業及び処理について説明する。ここでは一例として、要冷蔵である食品について、保管状態が適切で品質が劣化していない状態(以下、「品質良」という)と逆に保管状態が不適切で品質が低下している状態(以下「品質低」という)との判定を行うものとする。
なお、以下の説明では、説明を分かり易くするために、図1に示した構成要素を用いて判別モデルを作成するための一連の作業を行うものとしているが、機械学習実行部5が本実施形態の食品品質評価装置に含まれない場合には、判別モデルを作成するための一連の作業に使用されるのは本実施形態の食品品質評価装置ではなく、本実施形態の食品品質評価装置と実質的に同等の構成要素を有する別の装置である。
まず、教師用サンプルとして、品質が「品質良」又は「品質低」のいずれであるのかが判明している食品サンプルを、「品質良」と「品質低」とについてそれぞれ複数用意する。一般的には、教師用サンプルの数は多いほうがよいが、用意可能なサンプルの数には限界がある。また、教師用サンプルの数を或る程度以上に増やしても、その増加ほど判別精度が向上するというわけではない。したがって、要求される判別精度に応じてサンプルの数を調整するとよい。
上記複数の教師用サンプルについてそれぞれ試料前処理部1で所定の前処理を実施したうえで、GC−MS部2で分析を実行する(ステップS1)。GC−MS部2の質量分析部では所定の質量電荷比範囲に亘るスキャン測定を繰り返し実施し、スキャン測定毎にマススペクトルデータを収集する。このGC/MS分析によって、教師用サンプル毎に、時間及び質量電荷比という二つのパラメータに対する信号強度を示すデータが得られ、データ格納部31に格納される。
次に、クロマトグラム作成部32は、教師用サンプル毎に、上述したデータに基づいて質量電荷比毎のクロマトグラム、つまりは抽出イオンクロマトグラム(慣用的に「マスクロマトグラム」ともいう)を作成する(ステップS2)。ピーク抽出部33は、教師用サンプル毎に、サンプルに含まれる各成分に対応すると推測されるクロマトグラムピーク(以下、単に「ピーク」という)を抽出し、そのピークの面積値を算出する(ステップS3)。
上記ステップS3の処理は、具体的には次のように行うことができる。
まず、一つの教師用サンプルについて、質量電荷比が互いに異なる各抽出イオンクロマトグラムにおいてそれぞれ、所定のピーク検出アルゴリズムに従ってピークを検出する。そして、質量電荷比が異なる複数の抽出イオンクロマトグラムにおいて同じ時間にピークトップを有するピークが存在する場合には、それらピークは同じ成分由来のピークであるとみなし、信号強度が高いほうのピークを選択し、信号強度が低いほうのピークを削除する。選択されたピークは或る一つの成分の定量イオンのピークであると捉えることができる。こうした処理を検出された全てのピークについて実施することで、成分毎にそれぞれ一つのピークを得ることができる。
まず、一つの教師用サンプルについて、質量電荷比が互いに異なる各抽出イオンクロマトグラムにおいてそれぞれ、所定のピーク検出アルゴリズムに従ってピークを検出する。そして、質量電荷比が異なる複数の抽出イオンクロマトグラムにおいて同じ時間にピークトップを有するピークが存在する場合には、それらピークは同じ成分由来のピークであるとみなし、信号強度が高いほうのピークを選択し、信号強度が低いほうのピークを削除する。選択されたピークは或る一つの成分の定量イオンのピークであると捉えることができる。こうした処理を検出された全てのピークについて実施することで、成分毎にそれぞれ一つのピークを得ることができる。
図2は、このピーク抽出処理の概略的な説明図である。この例では、保持時間t1にピークトップを有するピークが複数存在するが、m/z=M2におけるピークが信号強度が最も大きい。したがって、RT=t1、m/z=M2であるピークを選択し、RT=t1、m/z=M1であるピーク及びRT=t1、m/z=M3であるピークは削除する。これにより、RT=t1であるピークは一つのみが抽出される。
そして、同様の処理を、全ての教師用サンプルに対応する複数の抽出イオンクロマトグラムに対し実行することで、教師用サンプル毎に、サンプルに含まれる各成分に対応するピークを一つずつ抽出する。
そして、同様の処理を、全ての教師用サンプルに対応する複数の抽出イオンクロマトグラムに対し実行することで、教師用サンプル毎に、サンプルに含まれる各成分に対応するピークを一つずつ抽出する。
ピーク選択部34は、ステップS3で抽出された、全ての教師用サンプルに対応するピークの情報を比較し、全ての教師用サンプルに共通に現れていない、換言すれば、一つでも欠損している(つまりは検出されていない)保持時間に対応するピークを削除する(ステップS4)。こうして削除されずに残った、つまりは選択されたピークの面積値は、全ての教師用サンプルについてゼロでない有意な値である。このステップS4の処理は、全ての教師サンプルに必ず含まれる成分についての濃度の情報のみを選択することを意味している。
次いでデータマトリクス作成部35は、ステップS4で選択されたピークについてサンプルの情報を縦方向、保持時間を横方向にとり、ピーク面積値を要素とするデータマトリクスを作成する(ステップS5)。図4はデータマトリクスの一例である。図中、ラベルは、「品質良」又は「品質低」を示す二値データである。例えば、教師サンプルの総数が100であればデータマトリクスは100行であり、ステップS4で選択されたピークの総数が100であればデータマトリクスは100列(ラベルは除く)である。
上述したようにステップS4において、全教師用サンプル中で一つでも欠損している保持時間に対応するピークは削除されているため、このデータマトリクス中の全ての要素はゼロでない正値である。仮にステップS4における処理を行わないとすると、データマトリクスを作成する際に欠損する要素が発生し、その要素をゼロとしたり、或いは、何らかのアルゴリズムに従って求めた補間値で埋めたりする処理が必要になるが、その処理が適切でないと判別精度が低下することになる。これに対し、本実施形態ではステップS4の処理を行うことで欠損した要素を埋める処理が不要になるうえに、機械学習に供するデータの量を減らして機械学習の際の計算量を抑えることができる。
機械学習実行部5は、上述のように作成されたデータマトリクスを教師データとして、所定の機械学習の手法による判別モデルを作成する(ステップS6)。ここで使用可能な機械学習の手法は、教師有り学習であって、入力されたデータに対しラベルのいずれに属するかを判別可能な回帰又は判別の手法であればよい。したがって、一例としては、サポートベクタマシン、ニューラルネットワーク、ランダムフォレストなどの代表的な機械学習の手法のほか、ロジスティック回帰、直交部分的最小二乗法、k−近傍法などの多変量解析の手法でもよい。
こうして教師データに基づく学習済みの判別モデルが作成されたならば、その判別モデルを表現するデータを、本実施形態の食品品質評価装置におけるモデル記憶部37に保存すればよい(ステップS7)。
以上のようにして、本実施形態の食品品質評価装置における食品モデル記憶部37に保存する、学習済みの判別モデルを表現するデータを得ることができる。
以上のようにして、本実施形態の食品品質評価装置における食品モデル記憶部37に保存する、学習済みの判別モデルを表現するデータを得ることができる。
[未知サンプルの品質の判定]
次に、本実施形態の食品品質評価装置を用いて、未知サンプルの品質を判定する際の処理動作を説明する。
品質の良否を判定したい対象である未知サンプルについて試料前処理部1で所定の前処理を実施したうえで、GC−MS部2で分析を実行する。GC−MS部2の質量分析部では所定の質量電荷比範囲に亘るスキャン測定を繰り返し実施し、スキャン測定毎にマススペクトルデータを収集する。このGC/MS分析によって、時間及び質量電荷比という二つのパラメータに対する信号強度を示すデータがデータ格納部31に格納される。
次に、本実施形態の食品品質評価装置を用いて、未知サンプルの品質を判定する際の処理動作を説明する。
品質の良否を判定したい対象である未知サンプルについて試料前処理部1で所定の前処理を実施したうえで、GC−MS部2で分析を実行する。GC−MS部2の質量分析部では所定の質量電荷比範囲に亘るスキャン測定を繰り返し実施し、スキャン測定毎にマススペクトルデータを収集する。このGC/MS分析によって、時間及び質量電荷比という二つのパラメータに対する信号強度を示すデータがデータ格納部31に格納される。
クロマトグラム作成部32は、データ格納部31に格納されたデータに基づいて抽出イオンクロマトグラムを作成し、ピーク抽出部33は、当該サンプルに含まれる各成分に対応すると推測されるピークを抽出してピーク面積値を算出する。これは、図2に示したステップS3と同様の処理を実施すればよい。ピーク選択部34は、抽出されたピークの中で、判別モデルの作成時に利用されたデータマトリクスに含まれない、つまりは図2のステップS4で削除された保持時間に対応するピークを削除する。
そして、残ったピークの情報、つまりは各保持時間におけるピーク面積値を要素とする1次元のデータマトリクスつまりはベクトルを、入力データとして、モデル記憶部37に格納されている判別モデルによる判別器に入力する。判別処理部36は入力データに基づく判別処理を実行し、「品質良」又は「品質低」のいずれかのラベルを判別結果として出力する。表示処理部38はこの判別結果を表示部4に出力し、ユーザーに提供する。
以上のようにして、本実施形態の食品品質判定装置では、未知サンプルの品質の良否の判別結果を得ることができる。良否判定に使用される判別モデルは、1種類又は少数の種類の特定の成分ではなく、教師用サンプルに含まれる多種類の成分の濃度情報を学習した結果、得られたものであるから、高い精度での判別が可能である。また、通常、未知サンプルに偶発的に混入した夾雑物についてのピーク情報は品質の判別処理に際に利用されないので、そうした夾雑物の影響を受けることなく精度の高い判別が可能である。
[実験例]
以下に、上述した食品品質判定方法についての一実験例を説明する。
<サンプル>
品質判別の対象であるサンプルは牛肉であり、適切に冷蔵保存され品質が良好に保たれているもの(以下「4℃サンプル」という)と、40℃の環境に3時間曝露され品質の劣化が進んだもの(以下「40℃サンプル」という)の2種類を用意した。それら2種類のサンプルを測定用のバイアルに採取したものを、同数(58個)ずつ準備した。
以下に、上述した食品品質判定方法についての一実験例を説明する。
<サンプル>
品質判別の対象であるサンプルは牛肉であり、適切に冷蔵保存され品質が良好に保たれているもの(以下「4℃サンプル」という)と、40℃の環境に3時間曝露され品質の劣化が進んだもの(以下「40℃サンプル」という)の2種類を用意した。それら2種類のサンプルを測定用のバイアルに採取したものを、同数(58個)ずつ準備した。
<試料の前処理及び分析>
牛肉の揮発成分を分析するために、試料前処理として、固相マイクロ抽出(SPME:Solid Phase Microextraction)注入法を用いた。具体的には、サンプルの切断片が収容されたバイアルを200℃、15分の条件で加熱し、発生するガスをSPMEで捕集してGC−MSに導入した。実験では、自動でSPMEによる成分の捕集及び脱着が可能である島津製作所製の多機能オートサンプラシステムACC−6000を使用した。SPMEの条件は表1に示した通りである。
牛肉の揮発成分を分析するために、試料前処理として、固相マイクロ抽出(SPME:Solid Phase Microextraction)注入法を用いた。具体的には、サンプルの切断片が収容されたバイアルを200℃、15分の条件で加熱し、発生するガスをSPMEで捕集してGC−MSに導入した。実験では、自動でSPMEによる成分の捕集及び脱着が可能である島津製作所製の多機能オートサンプラシステムACC−6000を使用した。SPMEの条件は表1に示した通りである。
<データ解析>
GC/MS分析により116個のサンプル毎に収集された、時間、質量電荷比、及び信号強度という3次元データに対し、質量分析データ用解析ソフトウェアであるMZmine 2(Ver. 2.32)を用いて、各抽出イオンクロマトグラムからピークを抽出した。ここで抽出したピークは上述したように、成分毎にマススペクトル上での信号強度が最大となる、定量イオンの質量電荷比における抽出イオンクロマトグラム上のピークである。そして、ピーク毎にピーク面積を算出した。この処理を全てのサンプルについて実行したところ、全部で9318個のピークが抽出された。そのピーク全体の中で、全てのサンプル中で一つでも対応するピークが存在しない、つまりは検出されていないピークを削除した。その結果、ピークの数は200個となり、その200個のピークの面積値を用いてデータマトリクスを作成した。
GC/MS分析により116個のサンプル毎に収集された、時間、質量電荷比、及び信号強度という3次元データに対し、質量分析データ用解析ソフトウェアであるMZmine 2(Ver. 2.32)を用いて、各抽出イオンクロマトグラムからピークを抽出した。ここで抽出したピークは上述したように、成分毎にマススペクトル上での信号強度が最大となる、定量イオンの質量電荷比における抽出イオンクロマトグラム上のピークである。そして、ピーク毎にピーク面積を算出した。この処理を全てのサンプルについて実行したところ、全部で9318個のピークが抽出された。そのピーク全体の中で、全てのサンプル中で一つでも対応するピークが存在しない、つまりは検出されていないピークを削除した。その結果、ピークの数は200個となり、その200個のピークの面積値を用いてデータマトリクスを作成した。
実験では、116個のサンプルを、92個のサンプルを含む学習用セットと、他の24個のサンプルを含むテスト用セットとにランダムに分割した。但し、学習用セット、テスト用セットともに、含まれる「4℃サンプル」と「40℃サンプル」とが同数になるようにした。そして、学習用セットに含まれる上記92個のサンプルに対応するデータ、つまりは200ピーク×92サンプルのデータマトリクスを入力データとした機械学習によって判別モデルを生成した。そして、その学習済みの判別モデルに基づく判別器を用いて、テスト用セットに含まれる24個のサンプルが「4℃サンプル」と「40℃サンプル」のいずれであるのかの判別を試み、その結果が正解であるか否かを評価した。
判別手法のアルゴリズムとしては、サポートベクタマシン、ロジスティック回帰、直交部分的最小二乗回帰(OPLS−DA)、ランダムフォレスト、k−近傍法、ニューラルネットワークの6種類を使用した。各アルゴリズムの具体的な実装手法及び評価結果は次の通りである。
[1]サポートベクタマシン(SVM)
SVMは、オープンソースで公開されているPython 3.6上の機械学習ライブラリであるscikit-learn(Ver.0.19.1)を用いて実装した。カーネル(関数)には最も一般的であるRBFカーネル(Gaussian カーネル)を用い、ハイパーパラメータであるコストパラメータCとRBFカーネルのパラメータgammaはグリッド検索により最適化した。
SVMを用いたときの判別器の評価結果を表3に示す。なお、以下の表中では「4℃サンプル」をPositive、「40℃サンプル」をNegativeと記載している。SVMを用いたときの判別器の判別精度は95.8%と、今回の結果の中では最も高かった。
SVMは、オープンソースで公開されているPython 3.6上の機械学習ライブラリであるscikit-learn(Ver.0.19.1)を用いて実装した。カーネル(関数)には最も一般的であるRBFカーネル(Gaussian カーネル)を用い、ハイパーパラメータであるコストパラメータCとRBFカーネルのパラメータgammaはグリッド検索により最適化した。
SVMを用いたときの判別器の評価結果を表3に示す。なお、以下の表中では「4℃サンプル」をPositive、「40℃サンプル」をNegativeと記載している。SVMを用いたときの判別器の判別精度は95.8%と、今回の結果の中では最も高かった。
[2]ロジスティック回帰
ロジスティック回帰は、サポートベクタマシンと同様に、Python 3.6上のscikit-learn(Ver.0.19.1)を用いて実装し、コストパラメータCのみグリッド検索により最適化した。
ロジスティック回帰を用いたときの判別器の評価結果を表4に示す。このときの判別器の判別精度は79.1%であった。
ロジスティック回帰は、サポートベクタマシンと同様に、Python 3.6上のscikit-learn(Ver.0.19.1)を用いて実装し、コストパラメータCのみグリッド検索により最適化した。
ロジスティック回帰を用いたときの判別器の評価結果を表4に示す。このときの判別器の判別精度は79.1%であった。
[3]直交部分的最小二乗回帰(OPLS−DA)
OPLS−DAは、スウェーデン国ウメトリックス(Umetrics)社製の多変量解析ソフトウェアであるSIMCA 14を用いて実装した。データはオートスケーリングにより正規化し、コンポーネント数はQ2値が最大となる数を選択した。また、コストパラメータCのみグリッド検索により最適化した。
OPLS−DAを用いたときの判別器の評価結果を表5に示す。このときの判別器の判別精度は83.3%であった。
OPLS−DAは、スウェーデン国ウメトリックス(Umetrics)社製の多変量解析ソフトウェアであるSIMCA 14を用いて実装した。データはオートスケーリングにより正規化し、コンポーネント数はQ2値が最大となる数を選択した。また、コストパラメータCのみグリッド検索により最適化した。
OPLS−DAを用いたときの判別器の評価結果を表5に示す。このときの判別器の判別精度は83.3%であった。
[4]ランダムフォレスト
ランダムフォレストは、Python 3.6上のscikit-learn(Ver.0.19.1)の「RandamForestClassifier」を用いて実装し、ハイパーパラメータである「n_estimators」、「max_features」、「max_depth」、及び「min_samples_leaf」をグリッド検索により最適化した。
ランダムフォレストを用いたときの判別器の評価結果を表6に示す。このときの判別器の判別精度は70.8%であった。
ランダムフォレストは、Python 3.6上のscikit-learn(Ver.0.19.1)の「RandamForestClassifier」を用いて実装し、ハイパーパラメータである「n_estimators」、「max_features」、「max_depth」、及び「min_samples_leaf」をグリッド検索により最適化した。
ランダムフォレストを用いたときの判別器の評価結果を表6に示す。このときの判別器の判別精度は70.8%であった。
[5]k−近傍法
k−近傍法は、Python 3.6上のscikit-learn(Ver.0.19.1)の「KNeighborsClassifier」を用いて実装し、ハイパーパラメータである「n_neighbors」、「p」、「wight」、及び「leaf_size」をグリッド検索により最適化した。
k−近傍法を用いたときの判別器の評価結果を表7に示す。このときの判別器の判別精度は70.8%であった。
k−近傍法は、Python 3.6上のscikit-learn(Ver.0.19.1)の「KNeighborsClassifier」を用いて実装し、ハイパーパラメータである「n_neighbors」、「p」、「wight」、及び「leaf_size」をグリッド検索により最適化した。
k−近傍法を用いたときの判別器の評価結果を表7に示す。このときの判別器の判別精度は70.8%であった。
[6]ニューラルネットワーク]
ニューラルネットワークは、Python 3.6上のTensorflow(Ver.1.7)を用いて実装し、識別にはデフォルト関数である「DNNRegressor」を使用した。ハイパーパラメータである「learning_rate」、「steps」、「hidden_units」、及び「batch_size」については値を適宜選択したが、必ずしも最適化されているものではない。
ニューラルネットワークを用いたときの判別器の評価結果を表8に示す。このときの判別器の判別精度は79.1%であった。ニューラルネットワークを適用するには、今回の実験に用いたデータでは少しサイズが小さすぎると想定されたが、判別精度は比較的良好であった。例えば教師とするサンプル数を増やすこと、或いは、ハイパーパラメータをさらに調整することで、判別精度の向上が可能であると予測できる。
ニューラルネットワークは、Python 3.6上のTensorflow(Ver.1.7)を用いて実装し、識別にはデフォルト関数である「DNNRegressor」を使用した。ハイパーパラメータである「learning_rate」、「steps」、「hidden_units」、及び「batch_size」については値を適宜選択したが、必ずしも最適化されているものではない。
ニューラルネットワークを用いたときの判別器の評価結果を表8に示す。このときの判別器の判別精度は79.1%であった。ニューラルネットワークを適用するには、今回の実験に用いたデータでは少しサイズが小さすぎると想定されたが、判別精度は比較的良好であった。例えば教師とするサンプル数を増やすこと、或いは、ハイパーパラメータをさらに調整することで、判別精度の向上が可能であると予測できる。
上述したように、判別手法のアルゴリズムの違いによって判別精度に差異はあるものの、上述した品質判定方法により、食品の品質をかなり良好に判別可能であることが確認できた。特に、上記実験のようにサンプル数が比較的少ない状況の下においてもSVMを利用した判別器は特に高い精度を示し、食品の劣化の自動判定等に有効であることが確認できた。
なお、上記実施形態は本発明の一例であって、本発明の趣旨の範囲で適宜修正、変更、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
[種々の態様]
上述した例示的な実施形態が以下の態様の具体例であることは、当業者には明らかである。
上述した例示的な実施形態が以下の態様の具体例であることは、当業者には明らかである。
本発明の第1の態様に係る食品の品質判定方法は、判定対象である食品由来のサンプルをクロマトグラフ質量分析装置により測定した結果に基づいて、該食品の品質を判定する方法であって、
判定対象と同種の食品について、既知である品質の状態がラベルとして付加されている複数の教師サンプルを、同一の分析条件で以てクロマトグラフ質量分析装置により測定する教師サンプル測定工程と、
前記教師サンプル測定工程による測定結果である抽出イオンクロマトグラムにおいて観測されるピークの大きさに関する指標値を、前記複数の教師サンプル毎に取得するとともに、該複数の教師サンプルに共通する保持時間毎のピークの指標値を抽出する教師サンプルデータ収集工程と、
前記教師サンプルデータ収集工程で取得された、ラベル付けされた複数の教師サンプルそれぞれの、該複数の教師サンプルに共通する保持時間毎のピークの指標値を教師データとして、教師有り学習を実行して判別モデルを作成する判別モデル作成工程と、
判定対象である食品由来のサンプルを、前記分析条件で以てクロマトグラフ質量分析装置により測定する未知サンプル測定工程と、
前記未知サンプル測定工程による測定結果である抽出イオンクロマトグラムにおいて観測される、前記複数の教師サンプルに共通する保持時間毎のピーク指標値を取得する未知サンプルデータ収集工程と、
前記未知サンプルデータ収集工程で取得されたピーク指標値のデータを前記判別モデルによる判別器に入力して品質の判別結果を得る判別実行工程と、
を有するものである。
判定対象と同種の食品について、既知である品質の状態がラベルとして付加されている複数の教師サンプルを、同一の分析条件で以てクロマトグラフ質量分析装置により測定する教師サンプル測定工程と、
前記教師サンプル測定工程による測定結果である抽出イオンクロマトグラムにおいて観測されるピークの大きさに関する指標値を、前記複数の教師サンプル毎に取得するとともに、該複数の教師サンプルに共通する保持時間毎のピークの指標値を抽出する教師サンプルデータ収集工程と、
前記教師サンプルデータ収集工程で取得された、ラベル付けされた複数の教師サンプルそれぞれの、該複数の教師サンプルに共通する保持時間毎のピークの指標値を教師データとして、教師有り学習を実行して判別モデルを作成する判別モデル作成工程と、
判定対象である食品由来のサンプルを、前記分析条件で以てクロマトグラフ質量分析装置により測定する未知サンプル測定工程と、
前記未知サンプル測定工程による測定結果である抽出イオンクロマトグラムにおいて観測される、前記複数の教師サンプルに共通する保持時間毎のピーク指標値を取得する未知サンプルデータ収集工程と、
前記未知サンプルデータ収集工程で取得されたピーク指標値のデータを前記判別モデルによる判別器に入力して品質の判別結果を得る判別実行工程と、
を有するものである。
また本発明の第1の態様による食品品質判定装置は、クロマトグラフ質量分析装置を含み、上記第1の態様の品質判定方法を用いて食品の品質を判定する装置であって、
前記教師サンプル測定工程、前記教師サンプルデータ収集工程、及び、前記判別モデル作成工程により作成された判別モデルを構成する情報を記憶しておくモデル記憶部と、
所定の分析条件で以て判定対象である食品由来のサンプルを測定するように、前記クロマトグラフ質量分析装置を動作させる分析制御部と、
前記分析制御部の制御の下で得られた測定結果である抽出イオンクロマトグラムにおいて観測される、前記複数の教師サンプルに共通する保持時間毎のピーク指標値を取得する未知サンプルデータ収集部と、
前記未知サンプルデータ収集部で取得されたピーク指標値のデータに対し、前記モデル記憶部に記憶されている判別モデルに基づく判別処理を実施して、前記未知サンプルの品質の判別結果を得る判別実行部と、
を備えるものである。
前記教師サンプル測定工程、前記教師サンプルデータ収集工程、及び、前記判別モデル作成工程により作成された判別モデルを構成する情報を記憶しておくモデル記憶部と、
所定の分析条件で以て判定対象である食品由来のサンプルを測定するように、前記クロマトグラフ質量分析装置を動作させる分析制御部と、
前記分析制御部の制御の下で得られた測定結果である抽出イオンクロマトグラムにおいて観測される、前記複数の教師サンプルに共通する保持時間毎のピーク指標値を取得する未知サンプルデータ収集部と、
前記未知サンプルデータ収集部で取得されたピーク指標値のデータに対し、前記モデル記憶部に記憶されている判別モデルに基づく判別処理を実施して、前記未知サンプルの品質の判別結果を得る判別実行部と、
を備えるものである。
ここで、「ピークの大きさに関する指標値」はクロマトグラム上でのピークの高さ値又はピークの面積値とすることができる。また、「複数の教師サンプルに共通する保持時間毎のピーク」とは、全ての教師サンプルに共通して同じ保持時間に現れるクロマトグラム上のピークのことであり、教師サンプル毎に、同じ保持時間で異なる質量電荷比の抽出イオンクロマトグラムに現れるピークはそれぞれいずれか一つを用いればよい。この一つとは、好ましくは、信号強度が最も大きい、定量イオンの抽出イオンクロマトグラム上のピークとするのがよい。
上述した「複数の教師サンプルに共通する保持時間毎のピーク」は複数の教師サンプルに共通に含まれる成分由来のピークであると推定することができる。したがって、第1の態様の食品の品質判定方法及び食品品質判定装置では、品質が異なる複数のサンプルの一部にしか含まれない成分の影響を除き、その品質が異なる複数のサンプルに共通に含まれる多種多様な成分の含有量を説明変数とする機械学習によって、品質を評価する判別器(判別モデル)が構築される。そのため、第1の態様による食品の品質判定方法及び装置によれば、多くの成分を含む食品の品質の変化、具体的には品質の劣化や鮮度の低下などを、客観的に且つ高い精度で以て評価することができる。
本発明の第2の態様は、上記第1の態様の食品の品質判定方法及び食品品質判定装置において、前記機械学習のアルゴリズムはサポートベクタマシンであるものとすることができる。
本発明では、判別のためのアルゴリズムとして、サポートベクタマシン、ニューラルネットワーク、ランダムフォレスト、ロジスティック回帰、部分的最小二乗法、直交部分的最小二乗法、k−近傍法などのうちの一つを用いることができるが、特に、サポートベクタマシンは、教師サンプルの数が少ない場合であっても高い判別能力を実現するうえで有効である。
本発明の第3の態様は、上記第1又は第2の態様の食品の品質判定方法及び食品品質判定装置において、前記クロマトグラフ質量分析装置は電子イオン源を用いたガスクロマトグラフ質量分析装置であるものとすることができる。
電子イオン源では、試料成分をイオン化する際にフラグメントが生じ易いため、一般に、質量が同じ又はごく近い、異なる複数の成分も、質量電荷比が異なるフラグメントイオンとして個々に検出される。それにより、別々のサンプルに含まれる異なる成分を同じ成分であると誤って処理するリスクを下げることができ、判別モデルの精度を高めることができる。
1…試料前処理部
2…ガスクロマトグラフ質量分析部(GC−MS)
3…データ解析部
31…データ格納部
32…クロマトグラム作成部
33…ピーク抽出部
34…ピーク選択部
35…データマトリクス作成部
36…判別処理部
37…モデル記憶部
38…表示処理部
4…表示部
5…機械学習実行部
2…ガスクロマトグラフ質量分析部(GC−MS)
3…データ解析部
31…データ格納部
32…クロマトグラム作成部
33…ピーク抽出部
34…ピーク選択部
35…データマトリクス作成部
36…判別処理部
37…モデル記憶部
38…表示処理部
4…表示部
5…機械学習実行部
Claims (4)
- 判定対象である食品由来のサンプルをクロマトグラフ質量分析装置により測定した結果に基づいて、該食品の品質を判定する方法であって、
判定対象と同種の食品について、既知である品質の状態がラベルとして付加されている複数の教師サンプルを、同一の分析条件で以てクロマトグラフ質量分析装置により測定する教師サンプル測定工程と、
前記教師サンプル測定工程による測定結果である抽出イオンクロマトグラムにおいて観測されるピークの大きさに関する指標値を、前記複数の教師サンプル毎に取得するとともに、該複数の教師サンプルに共通する保持時間毎のピークの指標値を抽出する教師サンプルデータ収集工程と、
前記教師サンプルデータ収集工程で取得された、ラベル付けされた複数の教師サンプルそれぞれの、該複数の教師サンプルに共通する保持時間毎のピークの指標値を教師データとして、教師有り学習を実行して判別モデルを作成する判別モデル作成工程と、
判定対象である食品由来のサンプルを、前記分析条件で以てクロマトグラフ質量分析装置により測定する未知サンプル測定工程と、
前記未知サンプル測定工程による測定結果である抽出イオンクロマトグラムにおいて観測される、前記複数の教師サンプルに共通する保持時間毎のピーク指標値を取得する未知サンプルデータ収集工程と、
前記未知サンプルデータ収集工程で取得されたピーク指標値のデータを前記判別モデルによる判別器に入力して品質の判別結果を得る判別実行工程と、
を有することを特徴とする食品の品質判定方法。 - 前記機械学習のアルゴリズムはサポートベクタマシンである、請求項1に記載の食品の品質判定方法。
- 前記クロマトグラフ質量分析装置は電子イオン源を用いたガスクロマトグラフ質量分析装置である、請求項1又は2に記載の食品の品質判別方法。
- クロマトグラフ質量分析装置を含み、請求項1〜3のいずれか1項に記載の食品の品質判定方法を用いて食品の品質を判定する装置であって、
前記教師サンプル測定工程、前記教師サンプルデータ収集工程、及び、前記判別モデル作成工程により作成された判別モデルを構成する情報を記憶しておくモデル記憶部と、
所定の分析条件で以て判定対象である食品由来のサンプルを測定するように、前記クロマトグラフ質量分析装置を動作させる分析制御部と、
前記分析制御部の制御の下で得られた測定結果である抽出イオンクロマトグラムにおいて観測される、前記複数の教師サンプルに共通する保持時間毎のピーク指標値を取得する未知サンプルデータ収集部と、
前記未知サンプルデータ収集部で取得されたピーク指標値のデータに対し、前記モデル記憶部に記憶されている判別モデルに基づく判別処理を実施して、前記未知サンプルの品質の判別結果を得る判別実行部と、
を備える、食品品質判定装置。
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