JP2020165424A - 磁性部品および磁性部品を有するインジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、一体的な磁気部品を有するインジェクタに関する。【解決手段】本発明によるインジェクタ100の磁気部品は、少なくとも2つの異なる材料から、一体的な部品として製造される。インジェクタ100を構成する一体的な磁気部品は、MIM(金属出成型)プロセスを用いて製造され、磁性部品1は、磁性Fe−Co化合物から製造された磁性領域2と、非磁性領域(3,4)とを有する。【選択図】図2
Description
本発明は、流体を計量するためのインジェクタの一体的な磁気部品、特に、燃料インジェクタ、磁気アクチュエータ、およびそのような一体的な磁気部品を有するインジェクタに関する。
例えば、様々な構成のインジェクタの弁を操作するための磁気アクチュエータは、従来技術から知られている。磁気コイルを励磁する場合に、磁気アーマチャおよび弁ニードルに良好な力作用を加えるために、磁気回路内で磁束を意図的に絞る。この場合、異なる幾何学的形状を有する磁気部品が使用される。より高い噴射圧力を有する将来的なインジェクタには、改善した磁気特性を有する新しい材料が必要不可欠となる。しかし、改善した磁気特性を有するこのような材料は、これまでに使用されていた材料よりも高価である。したがって、その新しい材料を、機械加工プロセスによって製造することは経済的ではない。このような材料の機械加工は、これまでに使用されたフェライト材料と比較して明らかに困難である。
請求項1の特徴を有するインジェクタの本発明による一体的な磁気部品は、磁気部品の製造が比較的簡単で安価であるという利点を有する。特に、一体的な磁気部品の一部は、改善した磁気特性を有する高価な材料から製造することができる。一体的な磁気部品は、MIM(金属射出成形)プロセスを用いて2つの構成要素から製造することができる。本発明によれば、一体的な磁気部品は、磁性Fe−Co化合物から製造された磁性領域と、そして非磁性領域とを含む。したがって、本発明による磁気部品は、少なくとも2つの異なる材料から製造し、それにもかかわらず、一体的な部品である。
従属請求項は、本発明の好ましい構成を示す。
磁気部品は、特に好ましくはクロムフリーである。特に、磁性Fe−Co化合物はクロムを有さない。
さらに好ましくは、Fe−Co化合物は49重量%のCoを含む。Fe−Co化合物は、好ましくはFe−Co49である。特に好ましくは、Fe−Co化合物は、49重量%のCoおよび49重量%のFeおよび2重量%の添加剤、例えばバナジウムまたはネオジムを含む。
本発明の好ましい実施形態によれば、磁気部品は管状の部品、特に磁気駆動装置の内側極である。
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、一体的な磁気部品の非磁性領域は、オーステナイト材料またはフェライト材料から製造している。
好ましくは、磁気部品は磁気駆動装置の内側極であり、磁性領域は管状領域であり、非磁性領域も管状領域である。好ましくは、管状の非磁性領域は、管状の非磁性領域が半径方向に外側で磁性領域を少なくとも部分的に取り囲むように、管状の磁性領域に配置している。
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、磁気部品は磁気駆動装置の内側極であり、好ましくは両方とも管状である第1および第2の非磁性領域を含む。好ましくは、第1の管状領域は、磁性部品の第1の端部の磁性領域の外周に配置し、第2の管状領域は、第2の端部で少なくとも部分的に磁性領域の内周に配置する。このように非磁性材料からなる磁気部品の第2の端部は第2の管状領域によって形成している。
さらに、本発明は、本発明による一体的な磁気部品を備え、好ましくは内側極として構成した磁気アクチュエータに関する。
さらに、本発明は、特に磁気アクチュエータの一部として本発明による一体的な磁気部品を備えるインジェクタ、特に燃料インジェクタに関する。
さらに好ましくは、インジェクタは一体的なインジェクタハウジングを備え、このインジェクタハウジングは単一の安価な材料から製造し、本発明による磁気部品に直接に結合している。
インジェクタは、好ましくは、液体を計量するための燃料インジェクタまたは水インジェクタまたは尿素インジェクタである。
添付の図面を参照して、以下に本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図1および図2を参照して、一体的な磁気部品1を有するインジェクタ100を以下に詳細に説明する。
この例示的な実施形態では、インジェクタ100は燃料インジェクタである。インジェクタ100は磁気インジェクタであり、図2から詳細に見ることができる磁気アクチュエータ10を含む。
磁気アクチュエータ10は、弁ニードル7を配置したアーマチャ5を有している。さらに、磁気アクチュエータ10は内側極1とコイル8とを備えている。アーマチャ5と内側極1との間にはアーマチュア間隙9を設けている。コイル8を励磁した場合には、アーマチャ5は既知のように内側極1に対して引っ張られ、インジェクタが開く。リセットは、例えば、ばね要素(図示しない)を介して行う。
本発明によれば、この例示的実施形態では、内側極1は一体的な磁気部品1として構成しており、この例示的実施形態では2つの異なる材料から製造している。
図2からわかるように、内側極1として働く磁気部品1は、磁性領域2、第1の非磁性領域3、および第2の非磁性領域4を含む。磁性領域2は、クロムを含まないFe−Co化合物からなる材料から製造している。第1非磁性領域3および第2非磁性領域4の材料は、好ましくは同じであり、好ましくはオーステナイト材料である。
磁気部品1は、MIMプロセスによって製造する一体的な部品である。これにより、必要な領域のみを高価な磁性材料から製造し、他の領域はより安価な材料から製造することが可能になる。
図2からわかるように、磁性領域2は管状部品として設けている。さらに、第1磁性領域3および第2磁性領域4も管状部品として設けている。第1磁性領域3は、磁性部品1の第1の端部で磁性領域2の外周に配置している。第2磁性領域4は磁性部品の第2の端部に配置し、部分的に磁性領域2の内側領域に位置決めしている。第2磁性領域4の残りの部分は露出している。
このように、本発明によれば、磁性領域2に用いる材料を最小限に抑えた一体的な磁気部品1を製造することができる。これにより、磁気部品のコストを大幅に低減することができ、さらに、より良好な磁気特性を備えた高品質の磁性材料を使用することができる。磁気部品1は、好ましくは、MIM技術によって製造し、高い精度が達成でき、したがって通常では磁性領域2の機械加工による後処理を省略することができる。必要に応じて、第1および第2の非磁性領域3、4を機械加工することができるが、これは、第1および第2の非磁性領域3の材料コストがそれほど高くないのでコストの観点から重要ではない。
さらに、インジェクタケーシング6を一体的な部品として設けている。図2に示すように、インジェクタケーシング6は第1磁性領域3に結合している。この場合、インジェクタケーシング6と磁性領域2との間に直接的な接触はなく、したがってインジェクタケーシング6と磁気部品1とを結合する場合に、磁性領域2の損傷、例えば熱損傷を防止することができる。
したがって、本発明による一体的な磁気部品は、より高品質の磁性材料を使用することにより、より良好な性能を有し、したがって、インジェクタは、より高い噴射圧に対しても、特に燃料インジェクタとして適している。
図3は、本発明の第2の好ましい実施形態によるインジェクタ100を示す。同一または機能的に同一の部分は同一の参照符号によって示す。第1実施形態とは対照的に、第2実施形態では、磁性領域2と第2非磁性領域4との間の幾何学形状を変更している。この場合、第2非磁性領域4も磁性部品1の第2の端部で磁性領域2の外周に部分的に配置している。このようにして、特に、一体的な磁性部品1の取付け寸法を小さくすることができる。
図4は、本発明の第3の好ましい例示的な実施形態による、磁気部品1を有するインジェクタ100を示す。同一または機能的に同一の部分は上記実施形態と同じ参照番号によって再び示す。
図4からわかるように、第3実施形態では、磁性領域2と第2非磁性領域4との間の結合部の構成が異なっている。第2非磁性領域4は、磁性領域2に形成した対応する溝に挿入する周方向のカラー40を備えている。このようにして、磁性領域2と第2非磁性領域4との間に、特に確実な結合を実現する。
Claims (12)
- インジェクタの一体的な磁気部品であって、
該磁気部品が、磁性Fe−Co化合物から製造した磁性領域(2)と、非磁性領域(3,4)とを有する、インジェクタの一体的な磁気部品。 - 請求項1に記載の磁気部品において、
前記磁性領域(2)がクロムフリーである、磁気部品。 - 請求項1または2に記載の磁性部品において、
前記FeCo化合物が49重量%のCoを含む、磁気部品。 - 請求項1から3までのいずれか1項に記載の磁気部品において、
前記磁気部品(1)が、実質的に管状部品であり、特に、磁気駆動装置の内側極(1)である、磁気部品。 - 請求項1から4までのいずれか1項に記載の磁気部品において、
前記非磁性領域(3、4)を、オーステナイト材料またはフェライト材料から製造する、磁気部品。 - 請求項1から5までのいずれかに記載の磁気部品において、
磁性領域(2)が管状領域であり、非磁性領域(3、4)も管状領域である、磁気部品。 - 請求項6に記載の磁気部品において、
前記非磁性領域(3、4)が、前記磁性領域(2)を少なくとも部分的に半径方向外側で取り囲む管状領域である、磁気部品。 - 請求項6または7に記載の磁気部品において、
前記非磁性領域(3、4)が、第1の非磁性領域(3)と第2の非磁性領域(4)とを備え、前記第1および第2の非磁性領域(3、4)が管状である、磁気部品。 - 請求項8に記載の磁気部品において、
管状の第1の前記非磁性領域(3)を、前記磁性部品(1)の第1の端部で前記磁性領域(2)の外周に配置し、管状の第2の前記非磁性領域(4)を、前記磁性部品(1)の第2の端部で少なくとも部分的に磁性領域(2)の内周に配置した、磁気部品。 - 請求項1から9までのいずれか1項に記載の一体的な磁気部品(1)を含む磁気アクチュエータ。
- 請求項10に記載の磁気アクチュエータ(10)および/または請求項1から9までのいずれか1項に記載の一体的な磁気部品(1)を含むインジェクタ、特に燃料インジェクタ。
- 請求項11に記載のインジェクタにおいて、
前記磁気部品(1)に直接に結合されたインジェクタケーシング(6)を備える、インジェクタ。
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