JP2020163467A - アルミニウム材のスポット溶接方法 - Google Patents

アルミニウム材のスポット溶接方法 Download PDF

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Abstract

【課題】目標とする径及び真円度のナゲットを安定的に形成し、高い継手強度で高品質に溶接することが可能なアルミニウム材のスポット溶接方法及びアルミニウム材を提供する。【解決手段】第1アルミニウム板21における溶接予定位置に、第2アルミニウム板23側への重ね合わせ方向へ膨出する平面視円形状のエンボスEを形成する加工工程と、エンボスEの膨出側を第2アルミニウム板23へ向けて溶接予定位置同士を重ね合わせ、溶接予定位置を一対の電極13,15間に配置させる配置工程と、互いに重ね合わせたアルミニウム板21,23を電極13,15で挟み込んで加圧することで、エンボスEの周縁部Esを残して中心側を押し込む加圧工程と、電極13,15による加圧を継続させながら電極13,15間に通電を行う通電工程と、を含み、電極13,15として、エンボスEの膨出部の根元部Enの径φnよりも大きい先端径φdを有する電極13,15を用いる。【選択図】図5

Description

本発明は、アルミニウム材のスポット溶接方法及びアルミニウム材に関する。
重ね合わせたアルミニウム材を一対の電極でスポット溶接する方法として、電極間に第1加圧力を印加した後に溶接本通電を行い、その後、第2加圧力を印加するとともに、後熱電流を通電する方法がある(例えば、特許文献1参照)。また、アルミニウム板をスポット溶接するにあたって、ナゲットの形成後に高加圧を開放することなく溶接電流の30%〜50%のテンパ電流を2サイクル〜5サイクル通電する方法がある(例えば、特許文献2参照)。
さらに、自動車等の車両の構造体を接合する場合に、接着剤を併用してスポット溶接又は抵抗溶接を行うウエルドボンド法が検討されている。このウエルドボンド法では、接合部材に突起を設け、溶接個所の接着剤を除去し、接着剤による溶接への影響を抑える技術が知られている(例えば、特許文献3、4参照)。
特許第3862640号公報 特開平5−383号公報 特開2014−57978号公報 特開平5−285669号公報
ところで、アルミニウム材を重ね合わせてスポット溶接した溶接部における継手強度は、溶接により形成されるナゲットの径や形状に影響される。このため、スポット溶接する場合、溶接によって形成されるナゲットを安定した大きさ及び形状に形成することが要求される。
特許文献1,2に記載の溶接技術では、大きな径のナゲットを形成して高い継手強度を得ることが可能である。しかし、ナゲット径を増加させると、ナゲット厚も同時に増加し、溶接条件によってはナゲットが電極の先端部に接するほどの大きさに成長し、溶接個所の継手強度の低下をまねくおそれがある。また、ナゲット厚が増加して電極の先端部に溶融アルミニウムが付着すると、電極の表面に金属間化合物が形成されて電極の先端形状が変化してしまう。この場合、先端形状が変化した電極をドレッシングして整える必要があるが、ドレッシングの頻度が多くなることで、溶接作業が滞って生産性が低下する。
また、特許文献3,4に記載の技術のように、接着剤を併用して溶接する場合、突起を形成して溶接個所から接着剤を除去しても、ナゲットの真円度が低下してしまい、特に面方向における継手強度にばらつきが生じるおそれがある。
そこで本発明は、目標とする径及び真円度のナゲットを安定的に形成し、高い継手強度で高品質に溶接することが可能なアルミニウム材のスポット溶接方法及びアルミニウム材を提供することを目的とする。
本発明は下記の構成からなる。
(1) 複数のアルミニウム材を重ねてスポット溶接するアルミニウム材のスポット溶接方法であって、
少なくとも一枚の前記アルミニウム材における溶接予定位置に、他の前記アルミニウム材側への重ね合わせ方向へ膨出する平面視円形状のエンボスを形成する加工工程と、
前記エンボスの膨出側を他の前記アルミニウム材へ向けて前記アルミニウム材の溶接予定位置同士を重ね合わせ、前記溶接予定位置を一対の電極間に配置させる配置工程と、
互いに重ね合わせた前記アルミニウム材を前記電極で挟み込んで加圧することで、前記エンボスの周縁部を残して中心側を押し込む加圧工程と、
前記電極による加圧を継続させながら前記電極間に通電を行う通電工程と、
を含み、
前記電極として、前記エンボスの膨出部根元側の径よりも大きい先端径を有する電極を用いるアルミニウム材のスポット溶接方法。
(2) スポット溶接部にエンボス成形が施されたアルミニウム材であって、前記エンボスの周縁部のビッカース硬度Hs、エンボスの頂部のビッカース硬度Htおよび母材のビッカース硬度Hbが、Hs>Ht≧Hbの関係を満たすアルミニウム材。
本発明によれば、目標とする径及び真円度のナゲットを安定的に形成し、高い継手強度で高品質に溶接することができる。
アルミニウム材を溶接するスポット溶接機の概略構成図である。 溶接電流及び加圧力の付与のタイミングを示すタイミングチャートである。 (A)〜(C)は、加工工程及び配置工程の様子を模式的に示す工程説明図である。 図3(A)におけるI方向から見た平面図である。 配置工程の様子を模式的に示す工程説明図である。 加圧工程の様子を模式的に示す工程説明図である。 加圧工程の様子を模式的に示す工程説明図である。 加圧工程の様子を模式的に示す工程説明図である。 図8におけるIX−IX線の断面矢視図である。 通電工程の様子を模式的に示す工程説明図である。 通電工程の様子を模式的に示す工程説明図である。 ナゲットの真円度を説明するナゲットの概略平面図である。 ナゲットにおけるアルミニウム板への溶融アルミニウムの溶け込み率を説明するアルミニウム溶接継手の断面図である。 フラット形の電極を用いる例を模式的に示す概略側面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<スポット溶接機>
図1はアルミニウム材を溶接するスポット溶接機の要部を示す概略構成図である。
スポット溶接機11は、一対の電極13,15と、一対の電極13,15に接続された溶接トランス部17と、溶接トランス部17に電源部18からの溶接電力を供給する制御部19と、一対の電極13,15を軸方向に移動させる電極駆動部20とを備える。制御部19は、電流値、通電時間、電極の加圧力、通電タイミング、加圧タイミング等を統合的に制御する。
スポット溶接機11は、一対の電極13,15の間に、アルミニウム材である第1アルミニウム板21と第2アルミニウム板23との少なくとも2枚の板材を重ね合わせて挟み込む。そして、電極駆動部20による電極13,15の駆動によって、第1アルミニウム板21と第2アルミニウム板23とを板厚方向に加圧する。この加圧状態で電極13,15間に通電する。これにより、電極13,15に挟まれた第1アルミニウム板21と第2アルミニウム板23との間にナゲットNが形成され、第1アルミニウム板21と第2アルミニウム板23が一体化されたアルミニウム溶接継手(接合体)27が得られる。
上記例では2枚のアルミニウム板を接合してアルミニウム材の溶接継手27を得ているが、本発明は2枚のアルミニウム板を接合する場合に限らず、3枚以上のアルミニウム板を接合する場合にも好適に用いられる。
一対の電極13,15は、曲面からなる端面を有するR形又はDR形の電極である。また、一対の電極13,15は、それぞれの内部に冷却部を備える。冷却部の冷却方式は特に限定されないが、図示例の構成では、電極13,15のそれぞれに形成された凹部31に冷却用パイプ33が配置され、冷却用パイプ33から水等の冷却媒体が供給されることで、電極13,15が冷却される。
<アルミニウム材>
第1アルミニウム板21及び第2アルミニウム板23は、熱処理系のアルミニウム合金、具体的には、6000系のアルミニウム合金である。第1アルミニウム板21と第2アルミニウム板23(さらに他のアルミニウム板を用いる場合はそのアルミニウム板を含む)の板厚は、例えば自動車の骨格部材等の構造部材の用途では、0.5mm以上が好ましく、2.0mm以上がより好ましい。各アルミニウム板の板厚は等しくてもよく、いずれか一方が他方より厚くてもよい。また、アルミニウム材の形態は、上記したアルミニウム板(圧延板)に限らず、押出材や鍛造材、鋳造材であってもよい。
以下、第1アルミニウム板21と第2アルミニウム板23の2枚のアルミニウム板を接合する態様を説明するが、本発明はこの態様に限定されるものではない。
<溶接条件>
図2は溶接電流と加圧力の波形の一例を示すタイミングチャートである。
図2に示すように、制御部19によって、電極13,15による加圧開始から加圧終了までの加圧時間tpの間に電極13,15の間に溶接電流Iwを通電する。この電極13,15の間に通電する溶接電流Iwは、単一のパルス電流とする。溶接電流Iwは、電極13,15による加圧開始から時間ta後に通電が開始され、時間tiの間、通電が維持される。そして、電極13,15による加圧は、溶接電流Iwの通電終了後、時間tb後に停止する。
溶接電流Iwは、15〜30kAであり、溶接電流Iwの通電時間tiは、100〜500msである。また、電極13,15による加圧力は、2〜4kNである。例えば、加圧開始から通電開始までの時間taは600ms、通電終了から加圧終了までの時間tbは400msとすることができる。
<溶接手順>
(加工工程)
図3の(A)及び図4に示すように、第1アルミニウム板21に対してエンボス加工を施す。具体的には、プレス加工等により、第1アルミニウム板21における溶接予定位置に、第2アルミニウム板23側への重ね合わせ方向へ膨出する平面視円形状のエンボスEを形成する。このように、エンボスEを形成すると、第1アルミニウム板21では、エンボスEの周縁部Esが加工硬化によって他の部分よりも硬くなる。
ここで、エンボスEの外径φは、3√t〜7√tmm(tは板厚)、第1アルミニウム板21の第2アルミニウム板23側の面からエンボスEの頂部Etまでのエンボス高さhはt/2mm以下が好ましく、エンボスEの突出側の曲率半径rは電極13,15の先端の曲率半径よりも小さくなるのが好ましい。また、エンボスEは、膨出部の根元部Enの径φnが、電極13,15の先端径φdよりも小さくなるように形成する。換言すると、溶接に用いる電極13,15としては、エンボスEの根元部Enの径φnよりも大きい先端径φdを有する電極を用いる(図5参照)。
(接着剤塗布工程)
図3の(B)に示すように、第2アルミニウム板23の第1アルミニウム板21との対向面における溶接予定位置に、接着剤35を塗布する。この接着剤35としては、例えばエポキシ樹脂が好適に用いられる。なお、接着剤35は、第1アルミニウム板21の第2アルミニウム板23との対向面における溶接予定位置に塗布してもよく、第1アルミニウム板21及び第2アルミニウム板23の互いの対向面における溶接予定位置に塗布してもよい。
(配置工程)
図3(C)に示すように、第1アルミニウム板21のエンボスEの突出側を第2アルミニウム板23に向け、第1アルミニウム板21と第2アルミニウム板23とを互いに重ね合わせる。次に、図5に示すように、互いに重ね合わせた第1アルミニウム板21と第2アルミニウム板23を一対の電極13,15の間に配置させ、第1アルミニウム板21及び第2アルミニウム板23の溶接予定位置を電極13,15による加圧通電位置に配置させる。
(加圧工程)
次に、電極駆動部20によって、第1アルミニウム板21と第2アルミニウム板23とを電極13,15で挟み込んで板厚方向に加圧する。このときの電極13,15による加圧力は、2〜4kNとするのが好ましい。
図6に示すように、第1アルミニウム板21と第2アルミニウム板23とが加圧されると、まず、第1アルミニウム板21のエンボスEの頂部Etが第2アルミニウム板23の表面に押し付けられる。これにより、エンボスEは、その頂部Etが突出方向と逆方向へ押し込まれる。また、エンボスEの頂部Etが押し込まれるとともに、第2アルミニウム板23の表面に塗布された接着剤35がエンボスEの外周側へ押し出される。
図7に示すように、第1アルミニウム板21と第2アルミニウム板23との加圧がさらに進行すると、エンボスEの頂部Etがさらに押し込まれることで、第2アルミニウム板23の表面に対するエンボスEの接触面積が径方向に増加する。これにより、第2アルミニウム板23の表面に塗布された接着剤35がエンボスEの外周側へさらに押し出される。
図8に示すように、第1アルミニウム板21と第2アルミニウム板23との加圧がさらに進行すると、エンボスEは、加工硬化によって硬くなった周縁部Esを支点として頂部Etを含む中心側が、突出方向と逆方向へ押し込まれる。これにより、図8、図9に示すように、エンボスEは、中心側が凹んで周縁部Esだけが第2アルミニウム板23側へ僅かに環状に突出された状態となり、この環状に突出したエンボスEの周縁部Esが第2アルミニウム板23に当接した状態となる。この状態では、第2アルミニウム板23の表面に対してエンボスEの中心側に僅かに隙間Gが形成される。また、接着剤35は、エンボスEの外周側に押し出されているため、第2アルミニウム板23とエンボスEの中心側との間の隙間Gには接着剤35が存在しない空間となる。
ここで、エンボスEの周縁部Esのビッカース硬度をHs、エンボスEの頂部Etのビッカース硬度をHt、第1アルミニウム板21自体の硬度である母材のビッカース硬度をHbとする。すると、これらの硬度が、Hs>Ht≧Hbの関係を満たす場合は、エンボスEの周縁部EsとエンボスEの頂部Etの剛性向上により、エンボスEが潰れにくくなる。このため、第1アルミニウム板21と第2アルミニウム板23とを加圧した際に、接着剤35をより良好に外周側へ排除することができる。更に接着剤35の排除が終了した後は、エンボスEの頂部Etの剛性が周縁部Esより低いため、上記で説明したように、中心側が凹んで周縁部Esだけが第2アルミニウム板23側へ僅かに環状に突出された状態となり、エンボスEの中心側に僅かに隙間Gが形成される。しかも、周縁部Esのビッカース硬度Hsと頂部Etのビッカース硬度Htとの差|Hs−Ht|が10以内である場合は、より接着剤35の排除と隙間Gの形成がしやすくなり、結果として後述の通電工程後に、高い接合強度のスポット溶接体であるアルミニウム溶接継手27を得ることができる。
また、図5に示したように、溶接に用いる電極13,15として、エンボスEの膨出部の根元部Enの径φnよりも大きい先端径φdを有する電極を用いている。これにより、上記の加圧工程では、エンボスEの根元部Enに電極13を均等に当てて加圧していくこととなり、エンボスEを均一に押し潰すことができる。
(通電工程)
この状態で加圧状態を維持しながら、溶接トランス部17から電極13,15間に溶接電流Iwを通電する。すると、図10に示すように、第1アルミニウム板21及び第2アルミニウム板23は、その電極13,15間の溶接予定位置において溶融が始まる。このとき、第2アルミニウム板23の表面にエンボスEの周縁部Esが押し付けられ、エンボスEの中心側に隙間Gが形成されているので、溶接予定位置における溶融は、エンボスEの周縁部Esから開始されて中心へ向かって進行する。これにより、通電によって生じた溶融アルミニウムがエンボスEの外周側へ流れ出ることなく、隙間Gが溶融アルミニウムで満たされる。
設定した通電時間の通電が行われると、図11に示すように、第1アルミニウム板21及び第2アルミニウム板23の溶接予定位置にナゲットNが形成され、第1アルミニウム板21と第2アルミニウム板23とが一体化されたアルミニウム溶接継手27が形成される。そして、通電終了後に電極13,15を離間させ、第1アルミニウム板21と第2アルミニウム板23とが一体化されたアルミニウム溶接継手27をスポット溶接機11から取り出す。
上記の工程により、第1アルミニウム板21と第2アルミニウム板23とがスポット溶接で一体化されたアルミニウム溶接継手27が得られる。
以上、説明したように、本実施形態に係るアルミニウム材のスポット溶接方法によれば、第1アルミニウム板21における溶接予定位置に、第2アルミニウム板23側への重ね合わせ方向へ膨出する平面視円形状のエンボスEを予め形成する。このようにして形成したエンボスEは、その周縁部Esが加工硬化する。そして、エンボスEの膨出側をアルミニウム板23へ向けて溶接予定位置同士を重ね合わせ、互いに重ね合わせたアルミニウム板21,23を電極13,15で挟み込んで加圧する。これにより、エンボスEの加工硬化させた周縁部Esを残して、エンボスEの中心側を押し込んで凹ませ、加圧を継続させながら電極13,15間に通電を行う。すると、アルミニウム板21,23は、電極13,15間の溶接予定位置において溶融が始まる。
このとき、アルミニウム板23の表面にエンボスEの周縁部Esが押し付けられ、エンボスEの中心側に隙間Gが形成されているので、溶接予定位置における溶融を、エンボスEの周縁部Esから開始させてエンボスEの中心へ向かって進行させることができる。これにより、通電によって生じた溶融アルミニウムをエンボスEの外周側へ流出させることなく、隙間Gを溶融アルミニウムで満たしてナゲットNを形成することができる。よって、真円度が高く、しかも、母材であるアルミニウム板21,23への溶け込み率に優れたナゲットNを形成して、アルミニウム板21,23同士が良好に接合された高品質なアルミニウム溶接継手27を得ることができる。
また、ナゲットNが厚くなりすぎて表面に露出するのを抑制できるので、電極13,15の表面に溶融アルミニウムが付着することがない。したがって、電極13,15のドレッシングを頻繁に実施する必要がなくなり、生産効率を向上できる。
また、エンボスEの周縁部Esのビッカース硬度Hs、エンボスEの頂部Etのビッカース硬度Htおよび母材であるアルミニウム材21自体のビッカース硬度Hbが、Hs>Ht≧Hbの関係を満たしている。これにより、エンボスEの周縁部EsとエンボスEの頂部Etの剛性向上により、エンボスEが潰れにくくなり、加圧時に接着剤35を外周側へ良好に排除させ、溶接時における接着剤35の影響を抑えることができる。
特に、エンボスEの周縁部Esのビッカース硬度HsとエンボスEの頂部Etのビッカース硬度Htとの差|Hs−Ht|が10以内であれば、エンボスEの周縁部EsとエンボスEの頂部Etの剛性をバランスよく向上させ、加圧時に接着剤35をより良好に排除させることができる。
なお、図12に示すように、ナゲットNの真円度は、平面視においてナゲットNの長径d1と短径d2との差の絶対値|d1−d2|であり、0に近いほど真円度が高くなる。また、図13に示すように、ナゲットNの溶け込み率は、断面視において、溶接個所の厚みαとナゲットNの厚みβとの比β/αで表され、0.3〜0.7が好適である。
また、本実施形態では、電極13,15として曲面からなる端面を有するR形又はDR形の電極を用いている。電極13,15の先端面は曲面であるので、フラット形先端形状の電極に比べて電極13,15の角度のバラツキや電極の片当たり(不均一な接触)による影響が抑えられ、アルミニウム板21,23に対して安定した加圧ができる。これにより、真円度の高いナゲットNを形成して高品質な溶接を行うことができる。
また、本実施形態では、配置工程前に、第2アルミニウム板23における第1アルミニウム板21との対向面の溶接予定位置に接着剤35を塗布する。これにより、ナゲットNを形成した溶接箇所の周囲において、アルミニウム板21,23同士を接着剤35で接着することができ、スポット溶接による接合箇所の接合と、接着剤35による接着とが組み合わされて、より強固な接合ができ、特に耐剥離性を高めてアルミニウム溶接継手27の面剛性を向上させることができる。しかも、第1アルミニウム板21にエンボスEを形成していることで、重ね合わせたアルミニウム板21,23を電極13,15で加圧した際に、接着剤35を溶接予定位置の外周側へ押し出すことができる。したがって、アルミニウム板21,23同士の溶接個所における接着剤35による影響を抑制でき、良好にスポット溶接が施される。しかも、接着剤35によっても接合された、高強度なアルミニウム溶接継手27を得ることができる。
上記実施形態では、曲面からなる端面を有するR形又はDR形の電極13,15を用いたが、図14に示すように、電極13,15としては、電極先端面が平面からなり、電極の先端径φdがエンボスの膨出部の根元部の径φnよりも大きいF形等の電極を用いてもよい。電極13,15として、平面からなる端面を有するF形の電極を用いれば、電極13,15の先端面が平面であるので、エンボスEを形成した溶接予定位置の全体をバランスよく加圧できる。これにより、真円度の高いナゲットNを形成して高品質な溶接を行うことができる。
また、上記実施形態では、アルミニウム板23におけるアルミニウム板21との対向面に接着剤35を塗布したが、本発明は接着剤35を用いずに溶接する場合にも適用可能である。
2枚のアルミニウム板をスポット溶接して接合体を形成する際に、一方のアルミニウム板に異なる高さのエンボスを形成しておき、作製した接合体に形成されたナゲットの状態を評価した。具体的には、溶接後のナゲットについて、ナゲット径、真円度、溶け込み率、溶け込み深さ、溶接部厚み、破断径を測定して評価した。なお、接着剤を塗布しない場合(試験例1)及び接着剤を塗布した場合(試験例2)でそれぞれ評価した。
<実験条件>
(アルミニウム材)
材質:A6022
板厚t:1.0mm
(電極)
種別:クロム銅(CrCu)R形電極
先端曲率半径:100mm
電極直径(元径):19mm
電極間加圧力:2.7kN
溶接電流:22kA
<実験結果>
(試験例1)
一枚のアルミニウム板に高さの異なるエンボスを形成し、接着剤を塗布せずに溶接した場合の測定結果を表1に示す。評価結果の○は、ナゲットの|d1−d2|値が全て1の場合、△は|d1−d2|値が1以上のものが1個の場合を表す。
Figure 2020163467
接着剤を塗布せずに溶接した試験例1では、エンボスの高さが異なる試験例1−1〜1−4のいずれにおいてもナゲットは適度な溶け込み率となり、また、高い真円度が得られ、良好な評価(〇)が得られた。
(試験例2)
一枚のアルミニウム板に高さの異なるエンボスを形成し、接着剤を塗布して溶接した場合の測定結果を表2の試験例2−1〜2−4に示す。また、比較例として平板に接着剤を塗布して溶接した場合の測定結果を試験例2−5に示す。表2には、試験例2−1〜2−4において、エンボスの周縁部のビッカース硬度Hs、エンボスの頂部のビッカース硬度Ht、母材であるアルミニウム材のビッカース硬度Hbの測定値、及びエンボスの周縁部のビッカース硬度Hsとエンボスの頂部のビッカース硬度Htとの差|Hs−Ht|を表記した。また、表2には、試験例2−5において、母材であるアルミニウム材のビッカース硬度Hbの測定値を表記した。なお、各硬度Hs,Ht,Hbの測定荷重は100kgとし、それぞれ図3の(A)に示す測定位置Ps,Pt,Pbで測定した。
Figure 2020163467
接着剤を塗布して溶接した試験例2では、エンボスの高さが異なる試験例2−1〜2−4のいずれにおいてもナゲットは適度な溶け込み率であった。また、試験例2−1及び試験例2−2では、高い真円度でナゲットが形成され、溶接部においてチリや割れが発生しなかったため良好な評価(〇)となっており、試験例2−2は最も大きな破断径となっていた。また、試験例2−3及び試験例2−4では、ナゲットの真円度が少し低下して、許容範囲内であるものの若干チリが発生したため評価(△)となった。これは接着剤を塗布して溶接する場合、エンボスの高さが高いことで加圧時にアルミニウム板のバランスが崩れるためであると思われる。また、試験例2−1〜2−4では、いずれもエンボスの周縁部のビッカース硬度Hs、エンボスの頂部のビッカース硬度Htおよび母材のビッカース硬度Hbが、Hs>Ht≧Hbの関係を満たしていることから、エンボスの周縁部とエンボスの頂部の剛性向上により、エンボスが潰れにくくなり、加圧時に接着剤が外周側へ良好に排除されてチリが抑えられたと考えられる。なお、平板である試験例2−5はナゲットの真円度が最も悪く、更に溶接部においてチリと割れが発生したため評価(×)となった。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 複数のアルミニウム材を重ねてスポット溶接するアルミニウム材のスポット溶接方法であって、
少なくとも一枚の前記アルミニウム材における溶接予定位置に、他の前記アルミニウム材側への重ね合わせ方向へ膨出する平面視円形状のエンボスを形成する加工工程と、
前記エンボスの膨出側を他の前記アルミニウム材へ向けて前記アルミニウム材の溶接予定位置同士を重ね合わせ、前記溶接予定位置を一対の電極間に配置させる配置工程と、
互いに重ね合わせた前記アルミニウム材を前記電極で挟み込んで加圧することで、前記エンボスの周縁部を残して中心側を押し込む加圧工程と、
前記電極による加圧を継続させながら前記電極間に通電を行う通電工程と、
を含み、
前記電極として、前記エンボスの膨出部根元側の径よりも大きい先端径を有する電極を用いるアルミニウム材のスポット溶接方法。
このアルミニウム材のスポット溶接方法によれば、少なくとも一枚のアルミニウム材における溶接予定位置に、他のアルミニウム材側への重ね合わせ方向へ膨出する平面視円形状のエンボスを予め形成する。このようにして形成したエンボスは、電極によって均一に押し潰され、その周縁部が加工硬化する。このエンボスの膨出側を他のアルミニウム材へ向けてアルミニウム材の溶接予定位置同士を重ね合わせ、互いに重ね合わせたアルミニウム材を電極で挟み込んで加圧する。そして、エンボスの加工硬化させた周縁部を残して中心側を押し込んで凹ませ、加圧を継続させながら電極間に通電を行う。すると、アルミニウム材は、電極間の溶接予定位置において溶融が始まる。このとき、他のアルミニウム材の表面にエンボスの周縁部が押し付けられ、エンボスの中心側に隙間が形成されているので、溶接予定位置における溶融を、エンボスの周縁部から開始させてエンボスの中心へ向かって進行させることができる。また、通電によって生じた溶融アルミニウムをエンボスの外周側へ流出させることなく、隙間を溶融アルミニウムで満たしてナゲットを形成することができる。これにより、真円度が高く、しかも、母材であるアルミニウム材への溶け込み率に優れたナゲットを形成してアルミニウム材同士が良好に接合された高品質な接合体を得ることができる。また、ナゲットが厚くなりすぎて表面に露出するのを抑制できるので、電極の表面に溶融アルミニウムが付着せず、電極のドレッシングを頻繁に実施する必要がなくなり、生産効率が向上する。
(2) 前記エンボスを形成する加工工程において、
前記エンボスの周縁部のビッカース硬度Hs、前記エンボスの頂部のビッカース硬度Htおよび前記アルミニウム材のビッカース硬度HbがHs>Ht≧Hbの関係を満たす前記エンボスを設ける請求項1に記載のアルミニウム材のスポット溶接方法。
このアルミニウム材のスポット溶接方法によれば、エンボスの周縁部のビッカース硬度Hs、エンボスの頂部のビッカース硬度Htおよび母材のビッカース硬度Hbが、Hs>Ht≧Hbの関係を満たしている。これにより、エンボスの周縁部とエンボスの頂部の剛性向上により、エンボスが潰れにくくなり、加圧時に接着剤を外周側へ良好に排除させ、溶接時における接着剤の影響を抑えることができる。
(3) 前記エンボスの周縁部のビッカース硬度Hsと前記エンボスの頂部のビッカース硬度Htとの差|Hs−Ht|が10以内である請求項1または請求項2に記載のアルミニウム材のスポット溶接方法。
このアルミニウム材のスポット溶接方法によれば、エンボスの周縁部とエンボスの頂部の剛性をバランスよく向上させることにより、加圧時に接着剤をより良好に排除させることができる。
(4) 前記電極として曲面からなる端面を有するR形又はDR形の電極を用いる(1)〜(3)のいずれか一つに記載のアルミニウム材のスポット溶接方法。
このアルミニウム材のスポット溶接方法によれば、電極の先端面が曲面であるので、電極の角度のバラツキによる影響を抑え、アルミニウム材に対して安定した加圧ができる。これにより、真円度の高いナゲットを形成して高品質な溶接を行うことができる。
(5) 前記電極として、平面からなる端面を有するF形の電極を用いる(1)〜(3)のいずれか一つに記載のアルミニウム材のスポット溶接方法。
このアルミニウム材のスポット溶接方法によれば、電極の先端面が平面であるので、エンボスを形成した溶接予定位置の全体をバランスよく加圧できる。これにより、真円度の高いナゲットを形成して高品質な溶接を行うことができる。
(6) 前記配置工程前に、前記アルミニウム材の対向面における前記溶接予定位置の少なくとも一方に接着剤を塗布する接着剤塗布工程を行う(1)〜(5)のいずれか一つに記載のアルミニウム材のスポット溶接方法。
このアルミニウム材のスポット溶接方法によれば、ナゲットを形成した溶接箇所の周囲において、アルミニウム材同士を接着剤で接着することができ。また、スポット溶接による接合箇所を接着剤により強固に接合でき、特に耐剥離性を高めて接合体の面剛性を向上させることができる。しかも、アルミニウム材にエンボスを形成していることで、重ね合わせたアルミニウム材を電極で加圧した際に、接着剤が溶接予定位置の外周側へ押し出される。したがって、アルミニウム材同士の溶接個所における接着剤による影響を抑制でき、良好にスポット溶接を施すことができる。これにより、接着剤で接着された高強度な接合体を得ることができる。
(7) スポット溶接部にエンボス成形が施されたアルミニウム材であって、前記エンボスの周縁部のビッカース硬度Hs、エンボスの頂部のビッカース硬度Htおよび母材のビッカース硬度Hbが、Hs>Ht≧Hbの関係を満たすアルミニウム材。
このアルミニウム材によれば、エンボスの周縁部のビッカース硬度Hs、エンボスの頂部のビッカース硬度Htおよび母材のビッカース硬度Hbが、Hs>Ht≧Hbの関係を満たしている。これにより、このアルミニウム材と平板からなるアルミニウム材とを加圧してスポット溶接する際に、エンボスの周縁部とエンボスの頂部の剛性向上により、エンボスが潰れにくくなり、加圧時に接着剤を外周側へ良好に排除させ、溶接時における接着剤の影響を抑えることができる。
(8) 前記エンボスの周縁部のビッカース硬度Hsと前記エンボスの頂部のビッカース硬度Htとの差|Hs−Ht|が10以内である(7)に記載のアルミニウム材。
このアルミニウム材によれば、エンボスの周縁部とエンボスの頂部の剛性がバランスよく向上されているので、このアルミニウム材と平板からなるアルミニウム材とを加圧してスポット溶接する際に、加圧時に接着剤をより良好に排除させることができる。
13,15 電極
21 第1アルミニウム板(アルミニウム材)
23 第2アルミニウム板(アルミニウム材)
35 接着剤
E エンボス
En 根元部
Es 周縁部
φd 先端径
φn 根元部の径
本発明は、アルミニウム材のスポット溶接方法に関する。
そこで本発明は、目標とする径及び真円度のナゲットを安定的に形成し、高い継手強度で高品質に溶接することが可能なアルミニウム材のスポット溶接方法を提供することを目的とする。
本発明は下記の構成からなる。
数のアルミニウム材を重ねてスポット溶接するアルミニウム材のスポット溶接方法であって、
少なくとも一枚の前記アルミニウム材における溶接予定位置に、他の前記アルミニウム材側への重ね合わせ方向へ膨出する平面視円形状のエンボスを形成する加工工程と、
前記エンボスの膨出側を他の前記アルミニウム材へ向けて前記アルミニウム材の溶接予定位置同士を重ね合わせ、前記溶接予定位置を一対の電極間に配置させる配置工程と、
互いに重ね合わせた前記アルミニウム材を前記電極で挟み込んで加圧することで、前記エンボスの周縁部を残して中心側を押し込む加圧工程と、
前記電極による加圧を継続させながら前記電極間に通電を行う通電工程と、
を含み、
前記電極として、前記加圧工程において、前記エンボスの膨出部根元側に当接するように、前記膨出部根元側の径よりも大きい先端径を有する電極を用いるアルミニウム材のスポット溶接方法。

Claims (8)

  1. 複数のアルミニウム材を重ねてスポット溶接するアルミニウム材のスポット溶接方法であって、
    少なくとも一枚の前記アルミニウム材における溶接予定位置に、他の前記アルミニウム材側への重ね合わせ方向へ膨出する平面視円形状のエンボスを形成する加工工程と、
    前記エンボスの膨出側を他の前記アルミニウム材へ向けて前記アルミニウム材の溶接予定位置同士を重ね合わせ、前記溶接予定位置を一対の電極間に配置させる配置工程と、
    互いに重ね合わせた前記アルミニウム材を前記電極で挟み込んで加圧することで、前記エンボスの周縁部を残して中心側を押し込む加圧工程と、
    前記電極による加圧を継続させながら前記電極間に通電を行う通電工程と、
    を含み、
    前記電極として、前記エンボスの膨出部根元側の径よりも大きい先端径を有する電極を用いる
    ことを特徴とするアルミニウム材のスポット溶接方法。
  2. 前記エンボスを形成する加工工程において、
    前記エンボスの周縁部のビッカース硬度Hs、前記エンボスの頂部のビッカース硬度Htおよび前記アルミニウム材のビッカース硬度HbがHs>Ht≧Hbの関係を満たす前記エンボスを設ける請求項1に記載のアルミニウム材のスポット溶接方法。
  3. 前記エンボスの周縁部のビッカース硬度Hsと前記エンボスの頂部のビッカース硬度Htとの差|Hs−Ht|が10以内である請求項1または請求項2に記載のアルミニウム材のスポット溶接方法。
  4. 前記電極として曲面からなる端面を有するR形又はDR形の電極を用いる請求項1〜3のいずれか一項に記載のアルミニウム材のスポット溶接方法。
  5. 前記電極として、平面からなる端面を有するF形の電極を用いる請求項1〜3のいずれか一項に記載のアルミニウム材のスポット溶接方法。
  6. 前記配置工程前に、前記アルミニウム材の対向面における前記溶接予定位置の少なくとも一方に接着剤を塗布する接着剤塗布工程を行う請求項1〜5のいずれか一項に記載のアルミニウム材のスポット溶接方法。
  7. スポット溶接部にエンボス成形が施されたアルミニウム材であって、前記エンボスの周縁部のビッカース硬度Hs、エンボスの頂部のビッカース硬度Htおよび母材のビッカース硬度Hbが、Hs>Ht≧Hbの関係を満たすアルミニウム材。
  8. 前記エンボスの周縁部のビッカース硬度Hsと前記エンボスの頂部のビッカース硬度Htとの差|Hs−Ht|が10以内である請求項7に記載のアルミニウム材。
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