JP2020163337A - スクラバ装置、及びスクラバ装置を搭載した船舶 - Google Patents
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Abstract
Description
図22は燃料油の硫黄分濃度の上限値に関する規制の強化年表である。船舶関係においては、2020年の燃料油硫黄分濃度規制(SOx規制)に伴い、低硫黄燃料の使用、又はスクラバ装置が多くの船舶に搭載される見込みである。
充填塔式の場合は充填材が目詰まりを起こす場合がある。また、複数の経路に液体噴射手段が必要であり大量に液体を流すところ小型化が困難である。対向流式の場合は小型化が可能であるが、圧力損失が大きく燃焼機関に逆圧がかかるおそれがある。
また、特許文献2には、酸性廃液を生成させる海水利用設備用水中の海洋生物殺菌方法において、燃焼排ガスを海水と気液接触反応させて酸性廃液を生成させる手段として、ガス拡散電極を備えた気液接触部を有するスクラバからなる燃焼排ガス浄化処理装置を用い、気液接触部に海水と燃焼排ガスを供給することにより気液接触反応させて排ガス浄化処理を行うことが開示されている。
そこで本発明は、燃焼機関からの排ガスを処理する能力を十分にもち、かつ小型であるスクラバ装置、及びスクラバ装置を搭載した船舶を提供することを目的とする。
請求項1に記載の本発明によれば、第1排ガス経路と第2排ガス経路の接続部に液体回収手段を設けているため噴射した液体が回収しやすく、処理用の液体を排ガスの流れと並行に噴射するため、燃焼機関に逆圧がかかって燃焼に支障を来たすことがなく、高い排ガス処理能力を有する小型のスクラバ装置とすることができる。また、処理用の液体を第1排ガス経路のみにおいて噴射することにより、液体の噴射量が少なくてすみ、スクラバ装置の簡素化も図れる。
請求項2に記載の本発明によれば、液・ガス比を確保し、排ガス処理の規制値をより確実にクリアすることができる。
請求項3に記載の本発明によれば、適正な液・ガス比を保ち、より適切に排ガスの処理を行うことができる。
請求項4に記載の本発明によれば、負荷に応じて適正な液量を確保し、より適切に排ガスの処理を行うことができる。
請求項5に記載の本発明によれば、液体噴射手段の使用個数を選択して、より簡便かつ適切に液体の流量を変更することができる。
請求項6に記載の本発明によれば、高い排ガス処理能力を維持しながら液体の噴射量を低く抑えて、消費エネルギーを節約することができる。
請求項7に記載の本発明によれば、噴射した液体が第1排ガス経路の下壁面と接しにくくなり、排ガス全体に行き渡りより少ない流量で排ガス処理性能を高めることができる。
請求項8に記載の本発明によれば、液体回収手段の液体が液体噴射手段側に逆流することを防止しつつ、液体回収手段における液体の回収を容易にすることができる。
請求項9に記載の本発明によれば、より一層効果的に排ガスの処理と、例えばスクラバ装置が揺動しても液体回収手段の液体の逆流防止を行うことができる。
請求項10に記載の本発明によれば、噴射された液体を効果的に回収することができる。
請求項11に記載の本発明によれば、液体回収手段で回収しきれなかった液体のミストや噴射された液体により生じたミスト等の飛沫がスクラバ装置の外部に放出されることを防止できる。
請求項12に記載の本発明によれば、排ガスの中に含まれるSOx(硫黄酸化物)の削減を行うことができる。
請求項13に記載の本発明によれば、清水や工業用水の場合と比べて脱硫性能を高め、安価に提供することができる。
請求項14に記載の本発明によれば、船舶を燃料油硫黄分濃度規制(SOx規制)や排ガス規制等に対応させることができ、例えば、ブラックカーボンの除去を行なうこともできる。
請求項15に記載の本発明によれば、海域ごとの排ガス規制に応じてスクラバ装置の効率的な運用を行うことができる。
ディーゼルエンジン等の燃焼機関100からの排気ガスは、選択触媒還元脱硝装置(SCR)200を通って、又は選択触媒還元脱硝装置(SCR)200をバイパスしてスクラバ装置1に流入する。
スクラバ装置1は、燃焼機関100からの排ガスを処理する。図2においては排ガスの流れ方向を矢印で示している。スクラバ装置1は、排ガスの流れる第1排ガス経路10と、第1排ガス経路10の排ガスに対して処理用の液体を排ガスの流れと並行に噴射する液体噴射手段20と、第1排ガス経路に接続された第2排ガス経路30と、第1排ガス経路10と第2排ガス経路30の接続部に設けた液体を回収する液体回収手段40とを備える。スクラバ装置1において、排ガス処理用の液体は、第1排ガス経路10のみにおいて噴射される。
第1排ガス経路10と第2排ガス経路30の接続部に液体回収手段40を設けているため噴射した液体が回収しやすく、処理用の液体を排ガスの流れと並行に噴射するため、燃焼機関100に逆圧がかかって燃焼に支障を来たすことがなく、高い排ガス処理能力を有する小型のスクラバ装置1とすることができる。
また、排ガス処理用の液体を排ガス流れと並行に第1排ガス経路10のみにおいて噴射することで、液体の噴射量が少なくてすみ、スクラバ装置1の簡素化も図れる。
また、スクラバ装置1は、燃焼機関100からの排ガスの中に含まれるSOx(硫黄酸化物)の削減を行うことができる。
図2に示すように、第1の液体噴射手段20Aの噴射ノズルの噴射口を第1排ガス経路10の内径の中心点Cよりも上側の位置に配置し、第2の液体噴射手段20Bの噴射ノズルの噴射口を第1排ガス経路10の内径の中心点Cに配置し、第3の液体噴射手段20Cの噴射ノズルの噴射口を第1排ガス経路10の内径の中心点Cよりも下側の位置に配置している。第1排ガス経路10の内径の中心点Cよりも上側の位置から液体を噴射することで、噴射した液体が第1排ガス経路10の内径の中心点Cよりも下側の位置から液体を噴射する場合と比べて第1排ガス経路10の下壁面と接しにくくなり、排ガス全体に行き渡りより少ない流量で排ガス処理性能を高めることができる。
噴射される液体の流量が排ガスの流量に応じて変更されることで、適正な液・ガス比を保ち、より適切に排ガスの処理を行うことができる。
また、液体流量変更手段50は、燃焼機関100の負荷に応じて、噴射される液体の流量を変更することもできる。燃焼機関100の負荷は回転検出器等のセンサ情報から判断する。これにより、負荷に応じて適正な液量を確保し、より適切に排ガスの処理を行うことができる。
また、本実施形態のように液体噴射手段20を複数個設けた場合には、液体流量変更手段50は、液体噴射手段20の使用個数を選択することにより、液体の流量の変更を行うことができる。これにより、液体噴射手段20の使用個数を選択して、より簡便かつ適切に液体の流量を変更することができる。
さらに、第2排ガス経路30は略鉛直方向に起立するように設けられ、第1排ガス経路10は第2排ガス経路30に対して斜めに接続されている。これにより、より一層効果的に排ガスの処理と、例えばスクラバ装置1が揺動しても液体回収手段40の液体の逆流防止を行うことができる。
なお、図2において、第1排ガス経路10は第2排ガス経路30に対して約45度に斜めに接続されているが、船舶に適用する場合、他の構造物とのスペースの取り合いからこれ以下の角度であることが望ましい。
本実施形態では、第1排ガス経路10と第2排ガス経路30の接続部を装置下面から所定距離上方に設けることで、接続部と装置下面との間を気液セパレータ41としている。気液セパレータ41に溜まった液体は、装置下面に接続されているドレイン配管42を介してドレインタンク(図示無し)に送出される。
また、スクラバ装置1を船舶に搭載した場合は、スクラバ装置1の作動を海域ごとに異なる船舶からの排ガス規制に応じて制御することで、海域ごとの排ガス規制に応じてスクラバ装置1の効率的な運用を行うことができる。
図4は本発明の他の実施形態によるスクラバ装置の概要図である。
本実施形態によるスクラバ装置1は、第1排ガス経路10において液体噴射手段20を上流側と下流側の2段に設け、2段の液体噴射手段20のうちの上流側に位置する液体噴射手段20から噴射する液体の噴射圧を下流側に位置する液体噴射手段20から噴射する液体の噴射圧よりも低くしている。
液体噴射手段20を多段に設けることで、より一層効果的に排ガスの処理を行うことができる。また、上流側の液体噴射手段20からの液体の噴射は排ガス温度の低下を主目的とすることができるため、高い排ガス処理能力を維持しながら液体の噴射量を低く抑えて消費エネルギーを節約することができる。
なお、液体噴射手段20を3段以上設けることもできる。
図5は本発明の更に他の実施形態によるスクラバ装置の概要図である。
図5(a)は、第1排ガス経路10を第2排ガス経路30に対して垂直に設けたものである。
図5(b)は、第1排ガス経路10を第2排ガス経路30と平行に設けたものである。この場合は、接続部に設けられている液体回収手段40に溜まった液体が液体噴射手段20側に逆流することをより一層防止できる。
図6は本発明の更に他の実施形態によるスクラバ装置の概要図である。
本実施形態では、液体回収手段40に、第1排ガス経路10の出口と向かい合わせに配置した多孔材から成る分離部43(気液セパレータ)を設けたものである。これにより、第1排ガス経路10に噴射された液体をより確実に捕捉し排ガスと分離することができる。
図6において、第1排ガス経路10は第2排ガス経路30に対して約10度に斜めに接続されている。これは、実際の船舶の他の構造物とのスペースの取り合いから定めたものであり、これ以下の角度になると、船舶が揺動した場合に液体が逆流する場合があるため、接続角度は10度以上であることが好ましく、15度以上であることがより好ましい。但し、第1排ガス経路10に逆流防止手段を備えた場合は、この限りではない。
図7は試験装置の構成図である。また、図8は試験装置におけるスクラバ装置の一部の外観写真である。
試験装置は、SO2計及びCO2計71、排ガス出口温度計測器72、排ガス経路温度計測器73、O2計74、排ガス入口温度計測器75、ブースターポンプ76、サンプル採取口77、循環タンク78、濁度計79、PAH計80、pH計81、スクラバ水温度計測器82、pH制御器83、循環ポンプ84、循環水冷却器85を備える。
スクラバ装置1では、排ガス中にSO2を吸収するための液体(洗浄水)を噴射する。なお、第2排ガス経路30には、下方に向けて処理用の液体を噴射する第2の液体噴射手段86が設けられているが、本試験では使用していない。
スクラバ装置1をクローズループで運転する場合、噴射された液体は、下部の循環水出口より循環水タンク78に貯められ、再び排ガス処理用の液体として排ガス中に噴射される。循環水タンク78内では、pHを7に保つように、25%濃度の水酸化ナトリウムが自動で注入される。
また、試験においては、燃料として硫黄分濃度約2.2%のC重油(当初は硫黄分濃度2.24%、以降は燃料補給のため硫黄分濃度2.16%)を使用した。
(I)同口径の噴射ノズルを有する2つの液体噴射手段20を用いたスクラバ装置1によるブラックカーボンの計測
予備試験として、ミストキャッチャー60の下流において、同口径の噴射ノズルを有する2つの液体噴射手段20を用いたスクラバ装置1によるブラックカーボン処理能力を実機により計測する。
(II)口径が異なる噴射ノズルを有する3つの液体噴射手段20を用いたスクラバ装置1による液体噴射の影響を調べる試験
図3に示す液体噴射の状態を変化させることができる液体噴射手段20を用いて、噴射ノズル及び液体流量を変化させてブラックカーボン処理能力を計測する。液体噴射の影響を調べるため、ブラックカーボンの計測位置は噴射ノズルから0.9m離れた配管とした(図8参照)。
これより、エンジン負荷率25〜100%の範囲において、ブラックカーボン削減率は60〜80%程度であることがわかる。
本試験は、同口径の噴射ノズルを有する2つの液体噴射手段20を用いたスクラバ装置1を用いて実施しており、同じ型式の2本の噴射ノズルが取り付けられた状態で、使用する噴射ノズルの本数を変えて計測している。これより、脱硫性能は液体流量だけではなく、液体噴射の状態の影響を強く受けていることがわかる。なお、図12に示す破線は規制値(SO2/CO2=21.7以下で0.5%S相当)を表している。
1)同口径の噴射ノズルを有する2つの液体噴射手段20を用いたスクラバ装置1によるブラックカーボン処理能力の実機試験を行い、エンジン負荷率25〜100%の範囲において、ブラックカーボン削減率は60〜80%程度であることを確認した。
2)ブラックカーボン処理能力は液体噴射の状態の影響を強く受け、液体流量に適した適切な噴射ノズルを用いることによって、少量の液体であっても高いブラックカーボン削減率が得られることを確認した。
3)噴射ノズルから0.9m離れた位置で、ブラックカーボン削減率は最大55%程度であることを確認した。
以上のことから、スクラバ装置1は、SOx削減だけでなく、ブラックカーボン削減の効果があることを確認した。
以下の(I)〜(III)の実機試験を実施した。
(I)排ガス計測位置を変化させたときの排ガス性状の計測
同口径の噴射ノズルを有する2つの液体噴射手段20を用いたスクラバ装置1において、噴射ノズルから計測位置までの距離を0.3〜1.5mの範囲で変化させたときの排ガス性状を計測する(図8参照)。
(II)海水使用時の脱硫性能
オープンループスクラバによる使用を想定した海水使用時の排ガス性状を計測する。排ガス性状の計測位置は、噴射ノズルから計測位置までの距離を0.9mとする。
(III)口径が異なる噴射ノズルを有する3つの液体噴射手段20を用いたスクラバ装置1による試験
3つの液体噴射手段20の各噴射ノズルから計測位置までの距離を0.9mとし、エンジン負荷率及び液体流量を変化させて排ガス性状を計測する。さらに、同口径の噴射ノズルを有する2つの液体噴射手段20を用いたスクラバ装置1の試験結果と比較する。
図14は、エンジン負荷率を50%とした状態で、液体流量を変化させ、液体(清水、海水)の影響を調べた結果である。これより、清水よりも海水の方が高い脱硫性能が得られていることがわかる。
図16(a)はエンジン負荷率を25%としたときの結果であり、同口径の噴射ノズルを有する2つの液体噴射手段20を用いたスクラバ装置1においては、規制値をクリアするために70L/min程度の液体流量が必要であったのに対して、噴射ノズルNo.1(最も小さいノズル)を使うことにより15L/min程度の液体流量で十分な脱硫性能が得られていることがわかる。
図16(b)はエンジン負荷率を50%としたときの結果であり、噴射ノズルNo.1又はNo.2を使うことにより、同口径の噴射ノズルを有する2つの液体噴射手段20を用いたスクラバ装置1の液体流量と比べて1/3程度での液体流量で十分な脱硫性能が得られていることがわかる。
図16(c)及び(d)はそれぞれエンジン負荷率を75%、100%としたときの結果であり、噴射ノズルNo.3(最も大きいノズル)又は複数の噴射ノズルの組み合わせによってSOx規制をクリアするための脱硫性能が得られていることがわかる。
図19(a)は液・ガス比に対するSO2/CO2を示す図、図19(b)は液・ガス比に対するSO2濃度を示す図である。なお、図19(a)に示す破線は規制値を示している。
図19より、スクラバ装置1は液体噴射手段20の適切な選定が重要であることがわかる。
また、図19(a)より、燃料の硫黄分濃度にもよるが、液・ガス比を確保し、排ガス処理の規制値をクリアするためには、液体噴射手段20から噴射する液体の流量と第1排ガス経路10を流れる排ガスの流量の比である液・ガス比を4L/Nm3以上とすることが好ましく、液・ガス比を6L/Nm3以上とすることが更に好ましいといえる。また、液体の噴射量の節約やポンプ能力を過大にしない観点から、液・ガス比を14L/Nm3以下とすることが好ましく、12L/Nm3以下がより好ましく、10L/Nm3以下が更に好ましい。
図20(a)はエンジン負荷率による液体流量に対するSO2/CO2を示す図、図20(b)はエンジン負荷率による液・ガス比に対するSO2/CO2を示す図である。なお、図20に示す破線は規制値を示している。
図20は排ガス流量(流速)の影響を調べるため、エンジン負荷率を変化させた状態で脱硫性能を計測したものである。負荷率100%の状態であっても、液・ガス比6.7[L/Nm3]程度で規制値をクリアしていることがわかる。
図21(a)は液・ガス比に対するSO2濃度を示す図、図21(b)は液・ガス比に対するCO2濃度を示す図、図21(c)は負荷率に対する排ガス流量と温度を示す図である。
これらのデータに基づくことで、適切なスクラバ装置1を開発することができる。
10 第1排ガス経路
20 液体噴射手段
30 第2排ガス経路
40 液体回収手段
41、43 気液セパレータ
50 液体流量変更手段
60 ミストキャッチャー
100 燃焼機関
C 中心点
Claims (15)
- 燃焼機関からの排ガスを処理するスクラバ装置であって、前記排ガスの流れる第1排ガス経路と、前記第1排ガス経路の前記排ガスに対して処理用の液体を前記排ガスの流れと並行に噴射する液体噴射手段と、前記第1排ガス経路に接続された第2排ガス経路と、前記第1排ガス経路と前記第2排ガス経路の接続部に設けた前記液体を回収する液体回収手段とを備え、処理用の前記液体を前記第1排ガス経路のみにおいて噴射することを特徴とするスクラバ装置。
- 前記液体噴射手段から噴射する前記液体の流量と前記第1排ガス経路を流れる前記排ガスの流量の比である液・ガス比を4L/Nm3以上とすることを特徴とする請求項1に記載のスクラバ装置。
- 前記液体噴射手段から噴射される前記液体の流量を前記排ガスの流量に応じて変更する液体流量変更手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスクラバ装置。
- 前記液体流量変更手段は、前記燃焼機関の負荷に応じて噴射される前記液体の流量を変更することを特徴とする請求項3に記載のスクラバ装置。
- 前記液体噴射手段を複数個設け、前記液体流量変更手段は、前記複数個の前記液体噴射手段の使用個数を選択することにより、前記変更を行うことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のスクラバ装置。
- 前記第1排ガス経路に前記液体噴射手段を複数段設け、前記複数段の前記液体噴射手段のうちの上流側に位置する前記液体噴射手段から噴射する前記液体の噴射圧を下流側に位置する前記液体噴射手段から噴射する前記液体の噴射圧よりも低くしたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のスクラバ装置。
- 前記液体噴射手段は、前記第1排ガス経路の内径の中心点よりも上側の位置から前記液体を噴射することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のスクラバ装置。
- 前記第1排ガス経路は下方に向かい、前記第2排ガス経路は上方に向かうように構成したことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のスクラバ装置。
- 前記第2排ガス経路は略鉛直方向に設けられ、前記第1排ガス経路は斜めに前記第2排ガス経路に接続されることを特徴とする請求項8に記載のスクラバ装置。
- 前記液体回収手段に、前記第1排ガス経路に噴射された前記液体を捕捉し前記排ガスと分離する気液セパレータを備えたことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のスクラバ装置。
- 前記第2排ガス経路に、前記液体回収手段で回収ができなかった前記液体の飛沫を回収するミストキャッチャーを備えたことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のスクラバ装置。
- 前記燃焼機関からの前記排ガスの中に含まれる硫黄酸化物を処理することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のスクラバ装置。
- 前記液体として海水を用いることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のスクラバ装置。
- 請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のスクラバ装置を船舶に搭載し、前記燃焼機関としてのディーゼルエンジンからの前記排ガスを処理することを特徴とするスクラバ装置を搭載した船舶。
- 前記スクラバ装置の作動を海域ごとに異なる前記船舶からの排ガス規制に応じて制御することを特徴とする請求項14に記載のスクラバ装置を搭載した船舶。
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