JP2020162963A - 矯正用締め付けベルト及びその締め付け方法 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、骨盤の歪みをとるものとして骨盤矯正という言葉が知られている。骨盤の歪みとは骨盤が全体的に左右に傾いたり、前後に傾いたりすることを指して使用されるが、骨盤の歪みがあると、骨盤の機能に悪影響を与えるほか、腰痛の原因にもなると言われている。骨盤の機能としては、骨盤が背骨から頭蓋骨を支持していて、上体を支えていること、股関節と繋がっており、歩行の際に股関節の手助けをしていること、椅子や床に座る際に、支点となり体を支えること、内臓系が骨盤内に収まっているため、受け皿の役割をしていること、女性の妊娠時に、胎児を包む子宮の置き場所になることなどの重要な機能を有する。
特許文献2は、「(特許請求の範囲)(請求項1) 本発明は仙腸関節から腹部を覆う着脱自在な腰用ベルトで、其々、両端に係止手段を設ける外側の基本ベルト1と、背側中央部で基本ベルトに縫着された内側の調節ベルト2から構成された骨盤調整装具である。非特異的腰痛(画像診断上、原因が特定しきれない腰痛で、腰痛全体の85%を占める)の要因のひとつである仙腸関節包内運動の機能障害(生理的な適合、及び、可動性の欠如)の調整(施術)機能を有する。(請求項2) 基本ベルト1は伸縮素材でできており、両側部に貫通孔3を有する。調節ベルト2は背側中央部分が基本ベルト1より伸縮率の高い素材でできており、両端は其々基本ベルト1の貫通孔3を通って表側に露出し、面ファスナー4で基本ベルト1の表面に係止する。」が開示されている。
特許文献3は、関節包内矯正具100は、仙骨および腸骨の周囲を包囲する第1コルセット10と、第2コルセット20と、第3コルセット30と、第1コルセットに設けられ、仙腸関節を押圧して弾性変形する中空の球面体により形成された圧迫体Pを収納するための袋部50とを備えている。袋部50は、伸縮性を有し、圧迫体を挟持する部材により形成され、圧迫体Pを横並びに収納するように一対形成されている。袋部50に収納された圧迫体Pが、仙腸関節を押圧するときに、圧迫体Pが仙骨と上後腸骨棘とによりできる凹部に支持される。」が開示されている。
しかしながら、身体の姿勢の矯正には、一般に腰ベルトなどの締め付けよりも強い力が必要になることが多く、特にその締め付け方向を異ならせる方向に作用させるためには(例えば1番目のベルトの締め付け方向とは逆方向への力を働かせるには)、その方向に相当に強い力が必要になるが、上記特許文献1〜3は、このような強い力を発揮させることができるものではなかった。以下、骨盤矯正を例にこれを説明する。
骨盤矯正としては、骨盤を押したり引いたりするだけのものから、腰辺りを捻るような矯正方法や、骨盤に直接刺激するものではなく、骨盤を構成する仙腸関節という部分を取り巻くように存在する関節包にアプローチして、仙腸関節からでる痛みの原因を取り除くものや、仙腸関節に対して剪断力(縦方向の力)を加えるものなどが知られている。なお、骨盤は、腸骨・坐骨・恥骨と呼ばれる三つの骨が合わさって寛骨(かんこつ)という骨をつくっており(図11参照)、それと仙骨(せんこつ)という骨が存在するところ、寛骨と仙骨を合わせて骨盤と呼ばれている。
しかしながら、上記いずれも、腰部の締め付けに使用されるもので、姿勢の矯正(背筋を伸ばす)には十分なものではなく、締め付け方向も一方方向のみであるか、締め付け方向とは異なる方向(例えば逆方向に)強い矯正のための力を作用させることはできなかった。
なお、上記特許文献1と2は、本願発明とは、外側引っ張り部材の引っ張る締め付け方向が逆であり、上記特許文献3は、基本ベルト1と調節ベルト2の締め付け方向が同じである。
本発明は、身体に巻回される帯状ベルトと、帯状ベルトの外側に配される外側引っ張り部材とを備え、身体から突出するように位置する骨の箇所に帯状ベルトを身体に締め付けた後、外側引っ張り部材を帯状ベルトの外側から前記骨の位置に引っ掛けるように装着させて外側引っ張り部材を引っ張る。
また、本発明は、身体に巻回される帯状ベルトと、帯状ベルトの外側に配される一対の外側引っ張り部材とを備え、身体から突出するように位置する骨の箇所に帯状ベルトを身体に締め付けた後、一対の外側引っ張り部材を帯状ベルトの外側から前記骨の位置に引っ掛けるように装着させて一対の外側引っ張り部材を引っ張ることを特徴とする。
ここで、「身体から突出するように位置する骨」とは、骨盤を構成する腸骨(腸骨棘)、手や足の踝(くるぶし)、左右の肩の骨、左右の肘や膝などの骨をいう。
本発明によれば、身体から突出するように位置する骨の箇所に外側引っ張り部材を位置合わせして帯状ベルトを身体に締め付けた後、外側引っ張り部材を把持して引っ張ることにより、外側引っ張り部材を強い力を発揮させて引っ張ることができる。したがって、本発明によれば、帯状ベルト(第1の腰用ベルト等)とは異なる方向に引っ張り力を作用させる場合でも、その締め付けよりも大きな力を作用させて姿勢矯正(骨盤矯正等)ができるようになる。
本発明によれば、骨盤矯正に利用する場合、身体から突出するように位置する骨(腸骨)に、帯状ベルトの内側に配される内側位置合わせ部材を位置させることができるので、帯状ベルトの外側に配される外側引っ張り部材の装着に際して対応させて装着することで(内側位置合わせ部材に対して外側引っ掛け部材が引っ掛るように対応させることで)、外側引っ張り部材を引っ張り易くすることができる。
本発明によれば、前記外側引っ張り部材の把持部を手で把持して引っ張り動作をした後に前記帯状ベルトに係止する係止手段を備えることにより、上記引っ張り力を維持したまま外側引っ張り部材を帯状ベルトに対して装着させることができる。
本発明によれば、前記内側位置合わせ部材と前記外側引っ張り部材とが直接連結させることができるので(帯状ベルトを介さずに)、外側引っ張り部材により強い力で引っ張ることができるようになる。
内側位置合わせ部材3は、腰部側面左右の腸骨部Tに配置するものであり、外側引っ張り部材4による腸骨部Tへの引っ掛ける際の位置決め部材になる。
外側引っ張り部材4と前記内側位置合わせ部材3は、対応する半円形状部が設けられており、ここでは外側引っ張り部材4により帯状ベルト2を介して押し込むようにすると、内側位置合わせ部材3を当てがう(当て合う)と加圧により凹むようになり(腸骨部Tを囲みながら窪むようになる)、引っ掛る。したがって、外側引っ張り部材4による引っ張り力が腸骨Tに位置合わせした内側位置合わせ部材3を介して得られる。内側位置合わせ部材3には、手で把持する把持部4bを備え、これを用いて手で引っ張ることができる。帯状ベルト2の表裏面には、面ファスナーの雄部材が設けられ、位置合わせ下内側位置合わせ部材3や引っ張り動作を行う外側引っ張り部材4による引っ張り動作をした状態で帯状ベルト2の所定箇所に面ファスナーを介して係止できる。
本実施の形態では、内側位置合わせ部材3は円環状であり、外側引っ張り部材4は半円形状に形成されて、外側引っ張り部材4の半円形状の部分4aが内側位置合わせ部材3のそれよりも大きく形成されており、外側引っ張り部材4が内側位置合わせ部材3に外側から引っ掛ける構造になっている。外側引っ張り部材4の柔らかさは、内側位置合わせ部材3の方が柔らかく、外側引っ張り部材4の力が内側位置合わせ部材3を変形させて、これにより腸骨の位置に引っ掛りやすくなる。
図4に示すように、内側位置合わせ部材3が緩衝材になって外側引っ張り部材4からの骨Tに引っ掛けときに緩衝材3が働いて引っ掛けられる。
また、内側位置合わせ部材3と外側引っ張り部材4とは嵌合する形状になっているものでも良い(図5(a)(b))。この場合、金属や硬質プラスチック等の硬質素材を使用したものでも良く、これにより布地からなる帯状ベルト2を介してもその内側にも突出して身体から突出するように位置する骨T(Ta)の箇所に引っ掛けるようにすることができる。
また、内側位置合わせ部材3と外側引っ張り部材4としては、衝撃吸収力の高い素材を用いることにより、転倒時における腸骨Tや尾てい骨等の骨折や怪我を予防することもできる。衝撃吸収力の高い素材としても、上記スチレン系エラストマーの低反発軟質発泡体やEVA発泡樹脂が適している。
また、着用時の暑さや蒸れを軽減するために、左右腸骨部Tと腰椎部に配置する内側位置合わせ部材3と外側引っ張り部材4は、通気等のための穴を開けてもよい。その他、ダブルラッセル生地等の立体構造布帛を用いれば、さらに高い通気性を持たせることができる。
そして、内側位置合わせ部材3の位置を確認して、外側引っ張り部材4をその外側から内側位置合わせ部材3に引っ掛けるようにして(覆うようにして)、把持部4bを把持して引っ張ることにより(図4中符号Fが引っ張り方向)、使用者の骨(腸骨)Tの位置に引っ掛けた外側引っ張り部材を引っ張る。すなわち、左右の腸骨Tを開くように、腰部に向かって引っ張る。その力は大きなものが必要になるところ、帯状ベルト(腰用ベルト等)2の締め付け方向とは異なる方向に引っ張り力を作用させる場合でも、その締め付けよりも大きな力を作用させて姿勢矯正(骨盤矯正等)ができるようになる。その力をそのまま維持するときは、外側引っ張り部材4の引っ掛け部3aを介して帯状ベルト2に係止する。
本実施の形態では、外側引っ張り部材4による引っ張り方向は、帯状ベルト2による締め付け方向と逆方向であるために、外側引っ張り部材4による引っ張り力を得るためには、大きな力が必要になるが、本実施の形態によれば、身体から突出するように位置する骨Tの箇所に外側引っ張り部材4を帯状ベルト2の外側から引っ掛けるように装着させて引っ張るので、骨Tを利用して強い引っ張り力を得ることができる。なお、後ろから、補助者に引っ張ってもらって姿勢矯正してもらうことでも良いが、使用者一人でも姿勢矯正が可能である。
本実施の形態は、図6ないし8に示すように、前記外側引っ張り部材4と内側位置合わせ部材3とは連結された構造の引っ張り用の部材14であり、その連結部14cが帯状ベルト2に形成された溝(穴)2eを介して連結されている。すなわち、前記外側引っ張り部材4が帯状ベルト2に形成された溝2eを介して内側の肌に接する側にまで及ぶように連結されている。上記溝2eは複数形成して、前記連結部14cをこれら複数個所で通過させても良い。したがって、本実施の形態の引っ張り用の部材14を内側位置合わせ部材14の位置を確認してその外側から内側位置合わせ部材14に引っ掛けるようにしてから、把持部14bを把持して引っ張ることにより、帯状ベルト(腰用ベルト)2とは異なる方向(反対方向)Fに引っ張り力を作用させる場合でも、その締め付けよりも大きな力を作用させて姿勢矯正(背筋を伸ばす矯正等)ができるようになる。なお、本実施形態の引っ張り用の部材14においても、円形状等で形成される穴14aより、突出した骨(腸骨棘)Taに引っ掛けやすくなる。
足の踝の位置で使用することも可能である。図9は、手の踝(くるぶし)を利用してテーピングやバンテージなどの機能を併せ持つ矯正用締め付けベルトとして使用する例である。この場合も、帯状ベルト(包帯やテープ等)2を手首から腕に巻き付けた後、これらと違う方向に身体矯正したい場合において、外側引っ張り部材4を手の踝に帯状ベルト2を介して引っ掛けるようにして引き出して、所定方向Fへの引っ張り力を得る。なお、いわゆる手の踝は、茎状突起(けいじょうとっき)というが、さらに詳しくは、親指側にある突起は、橈骨茎状突起(とうこつけいじょうとっき)といい、小指側にある突起は、尺骨茎状突起(しゃっこつけいじょうとっき)と呼ばれているが、第1の実施の形態と同じようにして、身体から突出するように位置する骨の箇所に引っ掛けてひっぱることができる。また、左右の肘や膝などの骨を利用して同じようにこれらの骨Tを利用して外側引っ張り部材により強い引っ張り力を得ることができる。
前記内側位置合わせ部材3と前記外側引っ張り部材4の材質や形状も、所望の曲げ硬さと厚み及び弾力性がある部材であれば良く、種々のものが使用できるが、これら前記内側位置合わせ部材3と前記外側引っ張り部材4とは、同じものを使用することも可能である(前記外側引っ掛け部材3を前記内側引っ張り部材と使用したり、反対に、前記内側位置合わせ部材3を前記外側引っ張り部材として使用することも可能である。)。この場合、前記内側位置合わせ部材3を使用して、身体から突出するように位置する骨の箇所に前記内側位置合わせ部材3を引っ掛けてから、所定方向に引っ張ってから、帯状ベルトの所定位置に軽視させることもできる。そして、これら外側引っ張り部材と内側位置合わせ部材の引っ張り方向も、前記実施形態の方向Fとは逆方向に引っ張ることも可能である。
1a 重ね合わせ部(先端部)、1m 面ファスナー、
2 帯状ベルト、2e 溝(穴)、
3 内側引っ張り部材、 3a 引っ掛け部、
4,14 外側位置合わせ部材(引っ張り用の部材)、
4a 引っ掛け部、4b 把持部、
4c 連結部、 4m 係止部(面ファスナ)、
4z,14z 引っ掛け部(穴)、
F 引っ張り方向、
T 腸骨、Ta 腸骨棘、Tb 腸骨陵
Claims (7)
- 身体に巻回される帯状ベルトと、帯状ベルトの外側に配される外側引っ張り部材とを備え、身体から突出するように位置する骨の箇所に帯状ベルトを身体に締め付けた後、外側引っ張り部材を帯状ベルトの外側から前記骨の位置に引っ掛けるように装着させて外側引っ張り部材を引っ張ることを特徴とする矯正用締め付けベルト。
- 身体に巻回される帯状ベルトと、帯状ベルトの外側に配される一対の外側引っ張り部材とを備え、身体から突出するように位置する骨の箇所に帯状ベルトを身体に締め付けた後、一対の外側引っ張り部材を帯状ベルトの外側から前記骨の位置に引っ掛けるように装着させて一対の外側引っ張り部材を引っ張ることを特徴とする矯正用締め付けベルト。
- 帯状ベルトの内側に着脱自在に配される内側位置合わせ部材を備え、内側位置合わせ部材を身体から突出するように位置する骨の箇所に位置合わせして、前記外側引っ張り部材による引っ掛け動作が働くように対応する位置決めに使用されることを特徴とする請求項1又は2記載の矯正用締め付けベルト。
- 前記外側引っ張り部材及び/又は前記内側位置合わせ部材は、手で把持する把持部を備えるとともに、前記外側引っ張り部材による引っ張り動作をした後に前記帯状ベルトに係止する係止手段を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の矯正用締め付けベルト。
- 前記帯状ベルトに、前記内側位置合わせ部材と前記外側引っ張り部材とを連結する開口、及び/又は、連結部材が配されている請求項1ないし4のいずれか1項記載の矯正用締め付けベルト。
- 身体に巻回される帯状ベルトと、帯状ベルトの外側に配される外側引っ張り部材とを備え、身体から突出するように位置する骨の箇所に帯状ベルトを身体に締め付けた後、外側引っ張り部材を帯状ベルトの外側から前記骨の位置に引っ掛けるように装着させて外側引っ張り部材を前記帯状ベルトの締め付け方向とは反対方向に引っ張ることを特徴とする矯正用締め付けベルトの締め付け方法。
- 帯状ベルトの内側に着脱自在に配される内側位置合わせ部材を備え、内側位置合わせ部材を身体から突出するように位置する骨の箇所に位置合わせして、前記外側引っ張り部材による引っ掛け動作が働くように対応する位置決めに使用されることを特徴とする請求項6記載の矯正用締め付けベルトの締め付け方法。
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