JP2020162948A - バルーンカテーテル及びバルーンカテーテルシステム - Google Patents

バルーンカテーテル及びバルーンカテーテルシステム Download PDF

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Tsunenari Iwakawa
恒成 岩川
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Abstract

【課題】バルーン内部の充填液を撹拌及び過熱するために必要な装置が不要になり、かつ、バルーン表面自体を均一に発熱させることができるバルーンカテーテルを提供する。【解決手段】バルーンカテーテル101は、非金属導電性材料とイオン性化合物を含む導電層100を有する単層バルーン102と、バルーンを先端に有するカテーテルシャフトと、導電層に電流を通電するためのリード線105Nとを備え、非金属導電性材料の抵抗値がリード線の抵抗値よりも高く、かつ、導電層のシート抵抗が1〜1000Ω/□である。【選択図】図1

Description

本発明は、バルーンカテーテル及びバルーンカテーテルシステムに関する。
アブレーション治療は、心腔内にアブレーションカテーテルを挿入し、心筋組織を焼灼することで不整脈を治療する方法である。この治療に用いるため、カテーテルの遠位側に取り付けられたバルーンを加熱して心筋組織を焼灼する、バルーン付きアブレーションカテーテルが知られている。
特許文献1には、伸張可能かつ柔軟なバルーンの内部にコイル電極を配置し、体表面から流れる高周波電流がコイル電極に集中することによって、バルーン内に充填された液体を抵抗により加熱し、上記バルーン内の加熱液体を振動付与装置による吸引と吐出の繰り返しにより撹拌することで、バルーン表面を60℃程度に均一に加熱する方法が記載されている。
特許文献2には、拡張可能であるが柔軟性に乏しいために伸張することが出来ないバルーンの表面にフレキシブル回路からなる電極を有するバルーンカテーテルが示され、このバルーン表面の電極に通電することで電極を加熱し、対象部位を焼灼する方法が記載されている。
特許文献3には、バルーンは持たないが、カーボンナノチューブを塗布した透明な先端電極と光ファイバーを設けたカテーテルにより、焼灼部位を視認しつつ焼灼可能な技術が報告されている。
特許第5853426号 特開2018−83080号 特許第5306722号
特許文献1に記載の方法は、バルーン内部で加熱された充填液を撹拌することで充填液の温度を均一にしている。そのため、カテーテルシャフト内に撹拌流路を確保する必要があり、また撹拌装置を必要とする。さらに、バルーンを拡張するサイズや、バルーンを血管に押しつけることによる形状変化次第では、バルーン内部の充填液が目的の温度に到達しない場合や、バルーンの表面温度が均一にならない場合があった。
特許文献2に記載の方法では、バルーン表面にフレキシブル回路からなる電極を備えているが、フレキシブル回路が硬性のため、バルーンの柔軟性及び伸張性が損なわれ、心筋組織にフィットするようバルーンを変化させることが困難であった。加えて、高周波を通電し発熱する電極は、バルーンの全周を網羅しておらず、焼灼が終わった部位と未処理の部位の判別も困難であることから、血管の周方向全体を均一に焼灼することは難しい。
特許文献3に記載の方法は、一度に焼灼できる面積に制限があり、手術に長時間を要して患者への負担が大きいことが知られている。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであって、バルーン内部の充填液を撹拌及び過熱するために必要な装置が不要になり、かつ、バルーン表面自体を均一に発熱させることができるバルーンカテーテルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の(1)〜(3)の発明を見出した。
(1) 非金属導電性材料とイオン性化合物を含む導電層を有するバルーンと、上記バルーンを先端に有するカテーテルシャフトと、上記導電層に電流を通電するためのリード線と、を備え、上記非金属導電性材料の抵抗値が上記リード線の抵抗値よりも高く、かつ、上記導電層のシート抵抗が1〜1000Ω/□である、バルーンカテーテル。
(2) 上記バルーンは、温度センサ、電位センサ、変形センサ及び接触センサからなる群から選択される少なくとも1つのセンサを備える、上記(1)記載のバルーンカテーテル。
(3) 上記(2)記載のバルーンカテーテル及び温度センサと、上記リード線に電力を供給する電力供給装置と、を有し、上記電力供給装置は、上記温度センサから得られた測定値に基づいて、上記リード線への電流量を制御する、バルーンカテーテルシステム。
本発明のバルーンカテーテルによれば、バルーンの表面自体を発熱させることができるため、バルーンの表面全体をより確実に均一に加熱することができる。
第一の実施形態に係るバルーンカテーテルの概略図である。 第一の実施形態に係るバルーン近傍の外観を示す概略図である。 第一の実施形態に係るバルーン表面を拡大した概略図である。 第一の実施形態に係るバルーン遠位側の配線方法を示した概略図である。 第一の実施形態に係るバルーン近位側の配線方法を示した概略図である。 第一の実施形態に係るバルーン近位側の配線方法の変形例を示した概略図である。 第一の実施形態の変形例を示した概略図である。 第一の実施形態の変形例に係るバルーン表面を拡大した概略図である。 第一の実施形態の変形例に係るバルーン遠位側の配線方法を示した概略図である。 第一の実施形態の変形例に係るバルーン近位側の配線方法を示した概略図である。 第一の実施形態の変形例に係るバルーン近位側の配線方法の変形例を示した概略図である。 第二の実施形態に係るバルーンカテーテルの概略図である。 第二の実施形態に係るバルーン近傍の外観を示す概略図である。 第二の実施形態に係るバルーン表面を拡大した概略図である。 第二の実施形態に係るバルーン遠位側の配線方法を示した概略図である。 第二の実施形態に係るバルーン近位側の配線方法を示した概略図である。 第二の実施形態に係るバルーン近位側の配線方法の変形例を示した概略図である。 第二の実施形態の変形例を示した概略図である。 第二の実施形態の変形例に係るバルーン表面を拡大した概略図である。 第二の実施形態の変形例に係るバルーン遠位側の配線方法を示した概略図である。 第二の実施形態の変形例に係るバルーン近位側の配線方法を示した概略図である。 第二の実施形態の変形例に係るバルーン近位側の配線方法の変形例を示した概略図である。 比較例1に係るバルーンカテーテルの概略図である。 バルーンカテーテルによるバルーン近傍の加熱温度を測定するための評価系を示した概略図である。 バルーンを押し当てる部分の形状が半球状である肺静脈モデルにバルーンを押し当てる評価系を示した概略図である。 バルーンを押し当てる部分の形状が上下肺静脈間領域(カリーナ部)を模した形状を有する肺静脈モデルにバルーンを押し当てる評価系を示した概略図である。
本発明のバルーンカテーテルは、非金属導電性材料とイオン性化合物を含む導電層を有するバルーンと、上記バルーンを先端に有するカテーテルシャフトと、上記導電層に電流を通電するためのリード線と、を備え、上記非金属導電性材料の抵抗値が上記リード線の抵抗値よりも高く、かつ、上記導電層のシート抵抗が1〜1000Ω/□であることを特徴とする。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。なお、図面の比率は説明のものとは必ずしも一致しない。
本発明の第一実施形態に係るバルーンカテーテル101を、図1〜11を用いて説明する。
図1に示すように、バルーンカテーテル101は、非金属導電性材料とイオン性化合物を含む導電層100を表面に有し、膨張及び収縮可能な単層構造からなる単層バルーン102と、互いにスライド可能な外筒シャフト108と内筒シャフト107からなる二重管シャフトと、導電層100に電流を通電するための遠位側電力供給リード線105L、近位側電力供給リード線105Nと、上記バルーン上に配置された表面センサ109a、109bと、表面センサに接続された表面温度センサリード線110a、110bと、を有し、非金属導電性材料とイオン性化合物を含む導電層100に通電することで、非金属導電性材料が発熱することが可能となっている。導電層100は、単層バルーン102の外表面又は内表面のどちらかの面に形成されていれば良く、外表面及び内表面の両方に形成されていてもよい。
図3にバルーン表面を拡大した概略図を示す。バルーンカテーテル101では、単層バルーン102の内表面に導電層100を形成している。図2にバルーン近傍の外観を示す。図2で示すように、導電層100に電力を供給するための遠位側電力供給リード線105L及び近位側電力供給リード線105Nがあり、遠位側電力供給リード線105Lの遠位端は、単層バルーン102の遠位側に配置し、近位側電力供給リード線105Nの遠位端は、単層バルーン102の近位側に配置している。
図4及び図5に示すように、遠位側電力供給リード線105Lの遠位端と近位側電力供給リード線105Nの遠位端は、導電層100に接触している。遠位側電力供給リード線105L及び近位側電力供給リード線105Nは、導電層100に直接接触していることが好ましい。
図4に示すように、遠位側電力供給リード線105Lは、バルーン内の内筒シャフト107に沿ってバルーン内遠位端部に到達し、バルーン遠位部の内面に形成された導電層100に固定される。図5に示すように、近位側電力供給リード線105Nは、外筒シャフト108のルーメンからバルーン内に配線され、バルーン内で近位方向に折り返し、外筒シャフト108の外表面と単層バルーン102の間に配線することができる。また、図6に示すように、近位側電力供給リード線105Nは、外筒シャフト108のルーメンに配線され、外筒シャフト108に開けた穴から外筒シャフト108の外表面と単層バルーン102の間に配線することもできる。遠位側電力供給リード線105L及び近位側電力供給リード線105Nは、単層バルーン102と導電層100の間に設置することが好ましい。
遠位側電力供給リード線105L及び近位側電力供給リード線105Nは、導電層100との接触面積を増やすため、リード線の遠位端に導電性の高い銅などの金属箔を溶接あるいははんだによって固定することができる。また、別の方法として、リード線の遠位端の断面形状を、楕円もしくは長方形にし、長軸面を導電層100に接触させることで、接触面積を増やすことができる。遠位側電力供給リード線105L及び近位側電力供給リード線105Nと導電層100の固定は、粘着性の高いテープや熱溶着あるいは圧着による方法が好ましい。遠位側電力供給リード線105L及び近位側電力供給リード線105Nと導電層100を接着剤によって固定する場合、遠位側電力供給リード線105Lと導電層100及び近位側電力供給リード線105Nと導電層100の間に接着剤が入り込むことが考えられ、電力供給が困難になる恐れがあるため、好ましくない。遠位側電力供給リード線105Lの近位端及び近位側電力供給リード線105Nの近位端は、バルーンカテーテル101の外部に設置される電力供給装置112に接続される。
単層バルーン102の先端は内筒シャフト7に、単層バルーン102の後端は外筒シャフト8に、後述の方法でそれぞれ固定される。
図2に示すように、カテーテル長軸方向にみて、バルーン先端からバルーン後端方向に1/3付近のバルーン表面上円周方向に表面温度センサ109を2つ設置している。表面温度センサ109は、単層バルーン102の外表面又は内表面の少なくてもどちらかの面に設置されていればよく、外表面及び内表面の両方に形成されていてもよい。表面温度センサ109をバルーン表面上円周方向に180度の角度で相対して2つ設置した場合、一方を表面温度センサ109a、他方を表面温度センサ109bとする。表面温度センサ109a、109bに接続した表面温度センサリード線110a、110bと遠位側電力供給リード線105Lは、バルーン先端からバルーン内の内筒シャフト107に沿って近位方向に配線し、外筒シャフト108のルーメン内でも内筒シャフト107に沿って延伸させた。また、図4に示すように、表面温度センサリード線110は、バルーン内の内筒シャフト107に沿ってバルーン内遠位端部に到達し、バルーン内面に沿うように延伸させた。表面温度センサ109を単層バルーン102の外表面に固定する場合は、図9に示すように、表面温度センサリード線110は、単層バルーン102と内筒シャフト107の間を遠位方向に延伸させ、単層バルーン102の外部で近位方向に折り返した後、単層バルーン102の外表面に沿うように延伸させることができる。
なお、表面温度センサ109を3つ以上配置する場合も、表面温度センサリード線110aの配線方法と同様である。単層バルーン102近位側に配線された近位側電力供給リード線105Nは、外筒シャフト108のルーメン内で内筒シャフト107に沿って他のリード線とともに延伸させた。外筒シャフト108と内筒シャフト107の近位端にはハンドル111が接続される。表面温度センサ110a、110bと遠位側電力供給リード線105L及び近位側電力供給リード線105Nはハンドル111の内部を通り、ハンドル後端から延伸され、電力供給装置112に接続するコネクター113に固定される。また外筒シャフト108と内筒シャフト107との間の空間、すなわちルーメンは、バルーンの内部に連通し、ハンドル111から延伸してルーメンに流体を注入・吸引可能な延長チューブ114に連通する。延長チューブ114に流体を注入・吸引することにより、単層バルーン102を膨張・収縮させることが可能となる。
第一実施形態の変形例を図7に示す。導電層100と表面温度センサ109を、単層バルーン102の外表面に配置することができる。図8にバルーン表面を拡大した概略図を示す。単層バルーン102の外表面に導電層100を形成しており、導電層100の外表面に表面温度センサ109を固定している。図9に示すように、表面温度センサリード線110は、単層バルーン102と内筒シャフト107の間を遠位方向に延伸させ、単層バルーン102の外部で近位方向に折り返した後、単層バルーン102の外表面に沿うように延伸させる。また、図9に示すように、遠位側電力供給リード線105Lは、バルーン内の内筒シャフト107に沿ってバルーン内遠位端部に到達し、単層バルーン102と内筒シャフト107の間を遠位方向に延伸させ、単層バルーン102の外部で近位方向に折り返した後、単層バルーン102の外表面に形成された導電層100に固定される。図10に示すように、近位側電力供給リード線105Nは、外筒シャフト108のルーメンを通り、バルーン内に配線され、バルーン内で近位方向に折り返し、外筒シャフト108の外表面と単層バルーン102の間を近位方向に延伸させ、単層バルーン102の外部に出た後、遠位方向に折り返し、単層バルーン102の外表面に形成された導電層100に固定する。また、図11に示すように、近位側電力供給リード線105Nは、外筒シャフト108のルーメンに配線され、外筒シャフト108に開けた穴から外筒シャフト108の外表面に沿って、単層バルーン102の外表面に形成された導電層100に固定することもできる。
単層バルーン102の形状は、血管にフィットできる形状であれば限定されないが、例えば、左心房の肺静脈接合部に適合する形状として、直径15mm〜40mmの球形が好ましい。球形以外には最大直径が15mm〜40mmとなる洋梨形状が挙げられる。単層バルーン102の膜厚としては、5μm〜100μmが好ましく、10μm〜50μmがより好ましい。
単層バルーン102の材料は、抗血栓性に優れた伸縮性のある材料であるが限定されないが、そのような材料の一例としてポリウレタン系ポリマーがある。例えば、熱可塑性ポリエーテルウレタン、ポリエーテルポリウレタンウレア、フッ素ポリエーテルウレタンウレア、ポリエーテルポリウレタンウレアポリマー又はポリエーテルポリウレタンウレアアミドが挙げられる。
二重管シャフトでは、内筒シャフト107の遠位部と単層バルーン102の遠位部が互いに固定され、外筒シャフト108の先端と単層バルーン102の近位部が互いに固定され、センサリード線は、内筒シャフト107の遠位部から単層バルーン102の遠位部の固定部を通してバルーン上に挿入され、表面センサ109は単層バルーン102に対し固定され、かつ、センサリード線110がバルーン上に固定されていない。
外筒シャフト108及び内筒シャフト107の長さは、500mm〜1700mmが好ましく、600mm〜1200mmがより好ましい。また、外筒シャフト108及び内筒シャフト107の材料としては、抗血栓性に優れる可撓性材料が好ましく、フッ素ポリマー、ポリアミドポリマー、ポリウレタンポリマー又はポリイミドポリマー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。外筒シャフト108の外径は、3.0〜4.0mmが好ましく、内径は2.5mm〜3.5mmが好ましい。内筒シャフト107の外径は、外筒シャフト108の内径に挿入可能な径であればどのような径でもよいが、1.4mm〜1.7mmが好ましく、内径は、1.1mm〜1.3mmが好ましい。
上記単層バルーン102を、外筒シャフト108又は内筒シャフト107に固定する方法としては、接着剤による接着又は熱溶着が好ましい。ここで図1に示されるように、単層バルーン102の遠位部が内筒シャフト107の長軸方向における遠位部に固定され、単層バルーン102の近位部が外筒シャフト108の長軸方向における遠位部に固定されれば、内筒シャフト107と外筒シャフト108のスライドによって単層バルーン102の長軸方向の長さを調節可能となる。これにより、治療部位に適したバルーン形状を実現でき、かつ体内への挿入時にバルーン直径方向の嵩ばりを低減できるため、患者への侵襲性を低減できる。
電力供給装置112に測定信号を供給する表面温度センサリード線110a、110bは、単層バルーン102の遠位部からバルーン表面上に設置され、その遠位部分に表面温度センサ109a、109bが形成される。表面温度センサリード線110a、110bは、単層バルーン102の表面上に拘束されない様に設置されるため、単層バルーン102の膨張収縮や外筒シャフト108と内筒シャフト107のスライド操作による単層バルーン102の伸張等に起因する断線やリークを低減できる。さらに、表面温度センサリード線110a、110bは、内筒シャフト107上に配線され、外筒シャフト108のルーメン内で内筒シャフト107に沿って延伸される。
表面温度センサ109a、109bは、単層バルーン102の遠位部から最大径部までの任意の位置にポリマーで埋設固定されるが、たとえば、単層バルーン102をカテーテル長軸方向にみて、遠位部からおよそ近位側に1/3の位置で円周方向に180度の位置で固定されることが好ましい。
本発明の第二の実施形態に係るバルーンカテーテル201を、図12〜22を用いて説明する。なお、第一の実施形態と同一の点については説明を省略する。
第二の実施形態に係るバルーンカテーテルの概略図を図12に示す。第二の実施形態では、第一の実施形態で用いた単層バルーン102に代わって2層構造を有する二層バルーン202を用いる点で異なる。具体的には、バルーンカテーテル201の遠位部に、内層203及び内層203の外表面を覆う外層204からなり、膨張及び収縮可能な二層バルーン202を備える。導電層100は、外層204の内表面あるいは外表面、内層203の内表面あるいは外表面のいずれにも形成可能である。しかし、摩擦などの物理的な要因から導電層を保護することを考慮すると、導電層100は、外層204の内表面又は内層203の外表面に形成されていることが好ましい。
図14及び図19に示すように表面温度センサ109は、内層203と外層204の層間に設置されることが望ましいが、内層203と外層204の少なくても一部に設置されていればよく、外表面及び内表面の両方に形成されていてもよい。
まず、図14に、外層204の内表面に導電層100が形成された形態を示す。外層204の内表面に導電層100が形成され、内層203と外層204の間に表面温度センサ109を配置している。また、図15、図16、図17に示すように、遠位側電力供給リード線105Lの遠位端と近位側電力供給リード線105Nの遠位端は、内層203と外層204の間に挟まれ、かつ、導電層100に接触している。二層バルーン202の先端は内筒シャフト107に、二層バルーン202の後端は外筒シャフト108に、後述の方法でそれぞれ固定される。遠位側電力供給リード線105Lの近位端及び近位側電力供給リード線105Nの近位端は、バルーンカテーテル201の外部に設置される電力供給装置112に接続される。
図15に示すように、遠位側電力供給リード線105Lは、バルーン内の内筒シャフト107に沿ってバルーン内遠位端部に到達し、内層203と内筒シャフト107の間を遠位方向に延伸させ、内層203の外部で近位方向に折り返した後、外層204と内層203の間を延伸させ、外層204の内表面に形成された導電層100に固定される。温度センサリード線110についても、遠位側電力供給リード線105Lと同様の方法で配線される。図16に示すように、近位側電力供給リード線105Nは、外筒シャフト108のルーメンに配線され、外筒シャフト108に開けた穴から外筒シャフト108の外表面を延伸させた、外層204と内層203の間を延伸させた後、外層204の内表面に形成された導電層100に固定される。また、図17に示すように、近位側電力供給リード線105Nは、外筒シャフト108のルーメンに配線され、バルーン内で近位方向に折り返し、内層203と外筒シャフト108の間を近位方向に延伸させた後、内層203の外部で遠位方向に折り返し、外層204と内層203の間を延伸させた後、外層204の内表面に形成された導電層100に固定することもできる。
外層204と内層203は、摺動可能に密着していることが好ましく、外層204と内層203の層間に、例えば、潤滑剤としての液体を封入してもよい。
電力供給装置112に測定信号を供給する表面温度センサリード線110a、110bは、二層バルーン202の遠位部から内層203と外層204の間に導入され、その遠位部分に表面温度センサ109a、109bが形成される。表面温度センサリード線110a、110bの他端は内筒シャフト107上に配線され、外筒シャフト108のルーメン内で内筒シャフト107に沿って延伸させる。表面温度センサリード線110a、110bは、互いに摺動可能な内層203と外層204の間で拘束されない様に設置されるため、二層バルーン202の膨張収縮や外筒シャフト108と内筒シャフト107のスライド操作による二層バルーン202の伸張等に起因する断線やリークを低減できる。
第二実施形態の変形例を、図18及び図19に示す。内層203の外表面に導電層100が形成され、内層203と外層204の間に表面温度センサ109を配置している。図20〜22に、遠位側電力供給リード線105L及び近位側電力供給リード線105N、温度センサリード線110の配線方法を示しているが、これらの配線方法は、導電層100が内層203の外表面に形成されている点を除いては、図15〜17に示した方法と同じである。
以下に第一実施形態と第二実施形態に係るバルーンカテーテルに共通する事項を示す。
共通する事項として、最初に導電層の構造について詳述する。
単層バルーン102及び二層バルーン202の表面は、導電層100を有している。また、導電層100は、発熱体である非金属導電性材料15と、単層バルーン102及び二層バルーン202の表面に非金属導電性材料15を定着させるためのイオン性化合物層(アニオン性化合物14及び/又はカチオン性化合物14)からなる。
非金属導電性材料15とイオン性化合物層は、静電的吸着又は物理的吸着で相互に固定されている。静電的吸着の場合であれば、イオン性化合物層が非金属導電性材料15の表面電荷とは反対の電荷を有することで、非金属導電性材料15とイオン性化合物層が相互に固定される。物理的吸着の場合であれば、イオン性化合物層が二次元的又は三次元的広がりの分子構造を有し、分子構造の内部に非金属導電性材料15が物理的に潜り込むことで、非金属導電性材料15とイオン性化合物層が相互に固定される。
イオン性化合物層は、単層バルーン102又は二層バルーン202の表面に対し複数の層を有していてもよく、少なくとも1層存在すればよい。イオン性化合物層は、単層バルーン102又は二層バルーン202の表面に対しどのように固定してもよいが、単層バルーン102又は二層バルーン202の表面の官能基との静電的吸着が好ましい。
静電的吸着による非金属導電性材料15の固定方法の例を以下に示す。一例として、バルーンの表面電荷がカチオン性、かつ、非金属導電性材料15が、カチオン性のバルーンの表面に対して、順にアニオン性化合物13、カチオン性化合物14、非金属導電性材料15を積層すると、ことが好ましい。
アニオン性化合物13としてポリアクリル酸、カチオン性化合物14としてポリエチレンイミン、非金属導電性材料15にカーボンナノチューブを用いることができる。バルーンをポリアクリル酸水溶液に接触させ静置することで、バルーン表面にポリアクリル酸を静電的に吸着させる。バルーン表面を水で洗浄後、バルーンをポリエチレンイミン水溶液に接触させ静置することで、ポリアクリル酸にポリエチレンイミンを静電的に吸着させる。さらに、バルーンをカーボンナノチューブ水溶液に接触させ静置することで、ポリエチレンイミン層の内部にカーボンナノチューブが物理的に潜りこみ固定される。その後、乾燥させることで、カーボンナノチューブをバルーン表面に定着させる。バルーン表面の導電層100の厚みを増すため、カーボンナノチューブ水溶液への接触から乾燥までの工程を1回以上繰り返すことが好ましく、2〜10回繰り返すことがより好ましく、3〜5回がさらに好ましい。
バルーン表面の導電層100の厚みを増すためには、ポリエチレンイミンの数平均分子量は、300以上が好ましく、10000以上がより好ましく、30000以上がさらに好ましい。ポリエチレンイミンは完全な線状高分子ではなく、1級、2級、3級アミンを含む分岐構造を有するポリマーであるため、分子量が大きいほど、カーボンナノチューブが物理的に潜りこむポリエチレンイミン層が厚くなる。これにより、イオン性化合物→カーボンナノチューブ→イオン性化合物→カーボンナノチューブというように、イオン性化合物とカーボンナノチューブをバルーンに繰り返し何度も接触させることなく、カーボンナノチューブ層の厚みを増すことが可能である。
さらに、カーボンナノチューブからなる非金属導電性材料15の層の厚みを増すため、カーボンナノチューブを接触させた後、ポリエチレンイミン層の上に、さらにアニオン性ポリマーの層を形成し、さらにその上のポリエチレンイミン層を形成して、カーボンナノチューブを固定することが可能である。
また、アニオン性化合物13又はカチオン性化合物14の分子量を変えることで、導電層100の厚さを変えてもよい。アニオン性化合物13は、80〜150000の重量平均分子量を有することが好ましい。より好ましくは、分子量5000〜100000であり、さらに好ましくは、75000〜100000である。アニオン性化合物13の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー法(水系溶媒)で測定されるポリエチレングリコール換算の重量平均分子量である。
導電層100の種々の特性、たとえば厚さを変えるために、カチオン性化合物14の分子量を変えることができる。具体的には、分子量を増すと、一般に導電層100の厚さは増す。しかし、分子量が大きすぎる場合、粘度増大により取り扱い難さが増す可能性がある。そのため、上記カチオン性化合物14は、80〜150000の重量平均分子量を有することが好ましい。カチオン性化合物14の重量平均分子量は、5000〜100000がより好ましく、75000〜100000がさらに好ましい。カチオン性化合物14の分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー法(水系溶媒)で測定されるポリエチレングリコール換算の重量平均分子量である。
アニオン性化合物13、カチオン性化合物14及び非金属導電性材料15のコーティングの方法は限定されないが、例えば、WO99/35520号、WO01/57118号又は米国特許公報第2001−0045676号に記載されているような多数の方法で達成することができる。
アニオン性化合物13及びカチオン性化合物14のバルーン表面へのコーティングの具体的な方法は、バルーンの材質とコーティングに用いるアニオン性化合物13、カチオン性化合物14の原材料によって異なる。
一例として、バルーンの材質にポリウレタンを使う場合、アニオン性化合物13にポリアクリル酸を用いる場合は、ポリアクリル酸の濃度は0.1〜10%水溶液が好ましく、0.1〜1%水溶液がさらに好ましい。また、同様にカチオン性化合物14にポリエチレイミンを用いる場合には、ポリエチレイミンの濃度は0.1〜10%水溶液が好ましく、0.1〜1%水溶液がさらに好ましい。コーティングに用いるバルーンに対してコーティングに用いる原材料を接触して処理時間は、コーティング液の濃度や処理温度によって左右されるが、およそ1〜180分が好ましく、5〜60分がより好ましい。また、処理温度は、30〜60℃が好ましい。
非金属導電性材料15は、水又は有機溶媒で希釈し、バルーンと接触させることが好ましい。導電層100への通電を可能にするため、非金属導電性材料15はパーコレーションを形成する必要があり、非金属導電性材料15の濃度及び接触時間が重要である。非金属導電性材料15の濃度は、0.1〜10%が好ましく、1〜3%がより好ましい。バルーンへの接触処理時間は、濃度や処理温度によって左右されるが、およそ5〜120分が好ましく、10〜60分がより好ましい。さらに、バルーンに接触した非金属導電性材料15を乾燥させて、水又は有機溶媒を揮発させることでバルーン表面に非金属導電性材料15を定着させる。非金属導電性材料15は、バルーン表面への接触処理を2回以上繰り返してもよく、接触処理を繰り返す度に乾燥させることが好ましい。これにより、シート抵抗が1Ω/□〜1000Ω/□の導電層100を形成できる。ここで、シート抵抗(Ω/□)とは、シート構造の表面形状が正方形の時の対向する2辺間の抵抗を指す。導電層100のシート抵抗は、接触式4探針法による測定で1Ω/□〜1000Ω/□が好ましく、10Ω/□〜600Ω/□がより好ましく、20Ω/□〜200Ω/□がさらにより好ましい。
上記コーティング方法等を用いて、バルーンの表面に非金属導電性材料15を含む層と、アニオン性化合物13又はカチオン性化合物14を含む層が積層されている。これらの非金属導電性材料15を含む層と、アニオン性化合物13又はカチオン性化合物14を含む層から導電層100が形成されている。導電層内では、アニオン性化合物13、カチオン性化合物14及び非金属導電性材料15のうち、それぞれが相互に架橋を形成していてもよい。導電層100を形成している、アニオン性化合物13、カチオン性化合物14及び非金属導電性材料15の原材料については後述する。
次に、導電層100を形成しているアニオン性化合物13、カチオン性化合物14及び非金属導電性材料15の原材料について詳述する。
アニオン性化合物13は、アニオン性モノマー、アニオン性オリゴマー又はアニオン性ポリマーのいずれの形態でもよいが、コーティングの効率性を考慮するとアニオン性ポリマーが好適である。
アニオン性モノマーとしては、アニオン性を呈するアミノ酸である。アニオン性を呈するアミノ酸としては、アスパラギン酸、グルタミン酸が好適であるが、これに限定されるものではない。なかでも、グルタミン酸はカルボキシル基を2個有するため、互いに反対の電荷を有する二種類以上の化合物を1層ずつ交互に層を形成するLbL法によってコーティングする場合、コーティングの効率性が高く好適である。
アニオン性オリゴマーとしては、上記アニオン性モノマーが2〜100重合した化合物が好適であるが、これに限定されるものではない。
アニオン性ポリマーとしては、上記アニオン性モノマーが101以上重合した化合物、及びアニオン性を有する複数の基をポリマー鎖に沿って有するホモポリマー又は共重合ポリマーを好適に用いることができる。上記アニオン性モノマーが101以上重合した化合物としては、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸が好適であるが、これに限定されるものではない。アニオン性を有する基としては、カルボキシル基、スルホン酸基及びこれらの塩が好適であり、カルボキシル基及びその塩が最も好適である。アニオン性ポリマーの好適な例は、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリ(ビニル安息香酸)、ポリ(チオフェン−3−酢酸)、ポリ(4−スチレンスルホン酸)、ポリビニルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、及びこれらの塩等である。以上はホモポリマーの例であるが、これらの共重合体(すなわち上記アニオン性ポリマーを構成するアニオン性モノマーどうしの共重合体、又はアニオン性モノマーと他のモノマーの共重合体)も好適に用いることができる。
アニオン性ポリマーが共重合体である場合、該共重合体を構成するアニオン性モノマーとしては、重合性の高さという点でアリル基、ビニル基及び(メタ)アクリロイル基を有するモノマーが好ましく、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーが特に好ましい。該共重合体を構成するアニオン性モノマーとして好適なものを例示すれば、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びこれらの塩である。これらの中で、(メタ)アクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びこれらの塩がより好ましく、特に好ましいのは(メタ)アクリル酸及びその塩である。
また、アニオン性ポリマーは、アニオン性を有する基以外に、アミド基又は水酸基から選ばれた基を有するポリマーであってもよい。アニオン性ポリマーがアミド基を有する場合、濡れ性のみならず易滑性のある表面を形成するために好ましい。
アミド基を有するアニオン性ポリマーの例としては、カルボキシル基を有するポリアミド類、アニオン性モノマーとアミド基を有するモノマーの共重合体等を挙げることができる。
水酸基を有するアニオン性ポリマーの例としては、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、カルボキシメチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース等のアニオン性基を有する多糖類、アニオン性モノマーとアミド基を有するモノマーの共重合体等を挙げることができる。
アミド基を有するモノマーとしては、重合の容易さの点で(メタ)アクリルアミド基を有するモノマー及びN−ビニルカルボン酸アミド(環状のものを含む)が好ましい。かかるモノマーの好適な例としては、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルアセトアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン、及びアクリルアミドを挙げることができる。これら中でも易滑性の点で好ましいのは、N−ビニル−2−ピロリドン及びN,N−ジメチルアクリルアミドであり、N,N−ジメチルアクリルアミドが特に好ましい。
水酸基を有するモノマーとしては、重合の容易さの点で(メタ)アクリロイル基を有するモノマーが好ましく、(メタ)アクリル酸エステルモノマーはより好ましい。具体的には、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、グリセロール(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、ヒドロキシスチレン、ビニルアルコール(前駆体としてカルボン酸ビニルエステル)を挙げることができる。水酸基を有するモノマーとしては、重合の容易さの点で(メタ)アクリロイル基を有するモノマーが好ましく、(メタ)アクリル酸エステルモノマーはより好ましい。これらの中で、涙液に対する防汚性の点で好ましいのは、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及びグリセロール(メタ)アクリレートであり、中でもヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
アニオン性モノマーとアミド基を有するモノマーの共重合体として好ましい具体例は、(メタ)アクリル酸/N−ビニル−2−ピロリドン共重合体、(メタ)アクリル酸/N,N−ジメチルアクリルアミド共重合体、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸/N−ビニル−2−ピロリドン共重合体及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸/N,N−ジメチルアクリルアミド共重合体である。最も好ましくは(メタ)アクリル酸/N,N−ジメチルアクリルアミド共重合体である。
アニオン性モノマーと水酸基アミド基を有するモノマーの共重合体として好ましい具体例は、(メタ)アクリル酸/ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/グリセロール(メタ)アクリレート共重合体、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸/ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸/グリセロール(メタ)アクリレート共重合体である。最も好ましくは(メタ)アクリル酸/ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体である。
上記アニオン性モノマーと他のモノマーの共重合体を用いる場合、その共重合比率は[アニオン性モノマーのモル数]/[他のモノマーのモル数]が、1/99〜99/1が好ましく、2/98〜90/10がより好ましく、10/90〜80/20がさらに好ましい。
上記共重合体のアニオン性ポリマーを製造する方法としては、公知の方法を使用することができる。例えば、上記した所定の割合で、溶媒中にモノマーを配合し、重合開始剤を添加後、不活性媒体の存在下、還流しながら所定温度で重合反応を行う。反応により得られた反応物は、溶媒に浸漬して、未反応のモノマー成分を除去した後、洗浄、乾燥して重合体を得る。該方法で、ホモポリマー又は2元以上のコポリマーを製造することができる。
カチオン性化合物14は、カチオン性モノマー、カチオン性オリゴマー、カチオン性ポリマーのいずれの形態でもよいが、コーティングの効率性を考慮するとカチオン性ポリマーが好適である。
カチオン性モノマーとしては、カチオン性を呈するアミノ酸である。カチオン性を呈するアミノ酸としては、リシン、アルギニン、ヒスチジンが好適であるが、これに限定されるものではない。
カチオン性オリゴマーとしては、上記カチオン性モノマーが2〜100重合した化合物が好適であるが、これに限定されるものではない。
カチオン性ポリマーとしては、上記カチオン性モノマーが101以上重合した化合物、及びカチオン性を有する複数の基をポリマー鎖に沿って有するホモポリマー又は共重合ポリマーを好適に用いることができる。上記カチオン性モノマーが101以上重合した化合物としては、ポリリシン、ポリアルギニン、ポリヒスチジンが好適であるが、これに限定されるものではない。カチオン性を有する基としてはアミノ基及びその塩が好適である。カチオン性ポリマーの好適な例は、ポリ(アリルアミン)、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(ビニルベンジルトリメチルアミン)、ポリアニリン、ポリ(アミノスチレン)、ポリ(N,N−ジアルキルアミノエチルメタクリレート)等のアミノ基含有(メタ)アクリレート重合体、ポリ(N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド)等のアミノ基含有(メタ)アクリルアミド重合体及びこれらの塩等である。以上はホモポリマーの例であるが、これらの共重合体(すなわち上記カチオン性ポリマーを構成するカチオン性モノマーどうしの共重合体、又はカチオン性モノマーと他のモノマーの共重合体)も好適に用いることができる。
カチオン性ポリマーが共重合体である場合、該共重合体を構成するカチオン性モノマーとしては、重合性の高さという点でアリル基、ビニル基及び(メタ)アクリロイル基を有するモノマーが好ましく、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーが特に好ましい。該共重合体を構成するカチオン性モノマーとして好適なものを例示すれば、アリルアミン、ビニルアミン(前駆体としてN−ビニルカルボン酸アミド)、ビニルベンジルトリメチルアミン、アミノ基含有スチレン、アミノ基含有(メタ)アクリレート、アミノ基含有(メタ)アクリルアミド及びこれらの塩である。これらの中でも重合性の高さからアミノ基含有(メタ)アクリレート、アミノ基含有(メタ)アクリルアミド及びこれらの塩がより好ましく、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド及びこれらの塩が特に好ましい。
カチオン性ポリマーは、第四級アンモニウム構造を有するポリマーであってもよい。第四級アンモニウム構造を有するポリマー化合物は、カテーテルのコーティングに使用されると、カテーテルに抗微生物性を付与することができる。
また、カチオン性ポリマーは、カチオン性を有する基以外に、アミド基又は水酸基から選ばれた基を有するポリマーであってもよい。カチオン性ポリマーがアミド基を有する場合、濡れ性のみならず易滑性のある表面を形成するために好ましい。
アミド基を有するカチオン性ポリマーの例としては、アミノ基を有するポリアミド類、部分加水分解キトサン、カチオン性モノマーとアミド基を有するモノマーの共重合体等を挙げることができる。
水酸基を有するカチオン性ポリマーの例としては、キチン等のアミノ多糖類又はカチオン性モノマーと水酸基を有するモノマーの共重合体等を挙げることができる。
カチオン性モノマーとアミド基を有するモノマーの共重合体として好ましい具体例は、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート/N−ビニル−2−ピロリドン共重合体、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート/N,N−ジメチルアクリルアミド共重合体、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド/N−ビニル−2−ピロリドン共重合体及びN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド/N,N−ジメチルアクリルアミド共重合体である。最も好ましくはN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド/N,N−ジメチルアクリルアミド共重合体である。
カチオン性モノマーと水酸基を有するモノマーの共重合体として好ましい具体例は、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート/ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート/グリセロール(メタ)アクリレート共重合体、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド/ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド/グリセロール(メタ)アクリレート共重合体である。最も好ましくはN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート/ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体である。
上記カチオン性モノマーと他のモノマーの共重合体を用いる場合、その共重合比率は[カチオン性モノマーのモル数]/[他のモノマーのモル数]が、1/99〜99/1が好ましく、2/98〜90/10がより好ましく、10/90〜80/20がさらに好ましい。
上記共重合体のカチオン性ポリマーを製造する方法としては、公知の方法を使用することができる。例えば、上記した所定の割合で、溶媒中にモノマーを配合し、重合開始剤を添加後、不活性媒体の存在下、還流しながら所定温度で重合反応を行う。反応により得られた反応物は、溶媒に浸漬して、未反応のモノマー成分を除去した後、洗浄、乾燥して重合体を得る。該方法で、ホモポリマー又は2元以上のコポリマーを製造することができる。
非金属導電性材料15は、通電によって抵抗により発熱する材料であれば特に限定されないが、例えばカーボンナノチューブ、カーボンブラック、グラファイトインジウム−スズ系酸化物、スズ−アンチモン系酸化物、酸化チタン、ポリスチレンスルホン酸(PSS)を添加したポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、オリゴチオフェン系化合物、ポリチオフェン系化合物、ポリピロール系化合物、ポリアニリン系化合物、導電性ポリアセチレンが挙げられる。通電によって発熱するには非金属導電性材料15の抵抗値が、非金属導電性材料15に接続するリード線の抵抗値の2〜1000000倍高いことが好ましく、さらに好ましくは、5〜10000倍高いことである。ただし、電力を加える電源装置の仕様や、リード線の耐電圧、バルーン及び非金属導電性材料15の耐電圧によって変わるため、上記範囲に限定されるものではない。
最後に、バルーンカテーテルバルーンが有する電力供給リード線、表面温度センサ、表面温度センサリード線、ハンドル、電力供給装置及びコネクターについて詳述する。
電力供給リード線105L、105Nの直径は、0.1mm〜1mmが好ましく、0.1mm〜0.4mmがより好ましい。電力供給用リード線105L、105Nの材料としては、例えば、銅、銀、金、白金及びタングステン並びにこれらの合金等の高導電率金属が挙げられる。短絡を防止するために、導電層100に接する部分を除き、フッ素ポリマー等の電気絶縁性の保護被覆が施されていることが好ましい。
表面温度センサ109a、109bは、熱電対やサーミスタが使用できる。嵩ばりを低減するため、表面温度センサ109a、109bの厚さは、0.1mm〜0.5mmが好ましく、0.1mm〜0.3mmがより好ましい。嵩ばりを低減するため、表面温度センサ109a、109bの表面積は、0.02mm〜0.4mmが好ましく、0.02mm〜0.2mmがより好ましい。
また、表面温度センサリード線110a及び110bの直径は、0.05mm〜0.5mmが好ましく、0.05mm〜0.3mmがより好ましい。表面温度センサリード線110a、110bの材料としては、例えば、銅やコンスタンタンが挙げられ、それぞれ短絡を防止するために、フッ素ポリマーやエナメル等の電気絶縁性保護被覆が施されていることが好ましい。
表面温度センサ109a及び、109bを埋設固定するためのポリマーは、特に限定されないが、例えば、バルーンと同等のポリウレタン系の高分子材料を用いる事ができる。表面温度センサ109a、109bを埋設することにより当該部分でのインピーダンスが増加し、バルーン上の導電層1004を流れる電流による影響を低減できる。また、該温度センサ109a、109bへの電流の影響を更に低減させるには、より誘電率の小さい材料を用いればよい。
バルーンの表面温度は上記の表面温度センサ109a、109bで測定し、そのデータが表面温度センサリード線110a、110bを介して電力供給装置112に伝えられることで、電力供給装置112は、導電層100に供給する出力を調整し、一定のバルーン表面温度を保つよう制御する。これにより、バルーンの直径の変化に伴い導電層100の厚みが変化し、それにより導電層100の抵抗が変化したとしても、電力供給装置112から導電層100に供給する出力をコントロールすることで、一定のバルーン表面温度に維持することができる。さらに、目的に応じて、焼灼対象部位の電位、バルーンの変形又は血管への接触等の情報を得るためのセンサを追加することで、用途の広がりや精度の向上を図ることができる。
ハンドル111は、操作者が手で把持、操作しやすいデザインであればよい。また、ハンドル111に用いられる素材は、どのような素材でもよいが、耐薬品性の高い材料として、ポリカーボネート又はABS樹脂を用いることが好ましい。
電力供給装置112が導電層100に供給する出力は、直流でも交流でもよいが、体内に挿入するデバイスであることを加味すると、人体が感電しない100kHz以上であることが好ましい。また、周波数の上限値に関しては、ケーブルの取り回しや、他電子デバイス等への影響を考慮すると、50MHz以下であることが好ましく、5MHz以下であることがさらに好ましい。ただし、周波数の上限値に関しては、装置の耐ノイズ性能や、ケーブル構造、及び、周囲の環境に影響するため、上述の範囲である必要がないことは容易に想定できる。
コネクター113は、誤接続が防止できる防水性の高いデザインであればよい。また、コネクター113に用いられる素材は、どのような素材でもよいが、耐薬品性の高い材料、たとえば、ポリカーボネート又はABS樹脂を用いることが好ましい。
コネクター113は、その内部に高伝導率金属ピンを備える。遠位側電力供給リード線105Lと、近位側電力供給リード線105N、及び表面温度センサ110a、110bの近位端は、高伝導率金属ピンに接続される。高伝導率金属ピンの材料としては、例えば、銅、銀、金、白金及びタングステン並びにこれらの合金が挙げられる。また、高伝導率金属ピンの外部は電気絶縁性かつ耐薬品性材料で保護されているが、その材料としては、例えば、ポリスルフォン、ポリウレタン、ポリプロピレン又はポリ塩化ビニルが挙げられる。
以下、本発明のバルーンカテーテルの具体的な実施例を説明する。実施例1〜4は図1〜図5、実施例5は図1及び図7〜10、実施例6は図12〜16、実施例7は図12及び図18〜21と、それぞれの実施例は該当する図と対応している。なお、「長さ」というときには、長軸方向における長さを表すものとする。
(実施例1)
ポリウレタン製のチューブを用い、ブロー成形によって、直径30mm、厚み15μmのポリウレタン製の単層バルーン102を作製した。単層バルーン102の両端にはチューブ状の構造が残っている。単層バルーン102の一端に付いているチューブに栓をし、他端のチューブにさらに管を接続した。この管を介して、単層バルーン102の内部にポリアクリル酸水溶液を充填して1時間静置した。これにより、単層バルーン102の内表面にポリアクリル酸を吸着させた。その後、RO水で単層バルーン102の内部を洗浄し、これを3回繰り返すことで、単層バルーン102の内表面に吸着出来なかった余分なポリアクリル酸を除去した。次に、単層バルーン102の内部にポリエチレンイミン水溶液を充填して30分間静置した。これにより、ポリアクリル酸にポリエチレンイミンを静電吸着させた。その後、RO水で単層バルーン102の内部を洗浄し、これを3回繰り返すことで、ポリアクリル酸に吸着出来なかった余分なポリエチレンイミンを除去した。次に、単層バルーン102の内部にカーボンナノチューブ水溶液を充填し、3時間静置した。これにより、ポリエチレンイミンにカーボンナノチューブが静電吸着又はポリエチレンイミンの分子構造に絡みつくよう固定された。その後、RO水で単層バルーン102の内部を洗浄し、これを3回繰り返した後、乾燥させてカーボンナノチューブを定着させた。カーボンナノチューブ水溶液の充填から乾燥までの工程を3回繰り返すことで、単層バルーン102の内表面に導電層100を形成した。各溶液の濃度は1%水溶液とした。定着は乾燥エアーを吹きつけ、目視にて乾燥を確認した。導電層100のシート抵抗を、接触式4探針法で測定可能なデジタル・マルチメータ(岩崎通信機株式会社製)によって測定したところ、およそ100Ω/□を示し、同時に通電可能であることを確認した。
外径3.6mm、内径3.0mm、全長1000mmのポリウレタン製チューブを成形し、外筒シャフト108とした。また、外径1.6mm、内径1.2mm、全長1100mmのポリアミド製チューブを成形し、内筒シャフト107とした。外筒シャフト108のルーメンに内筒シャフト107をスライド可能なように挿通して二重管シャフトとし、それらの後端にポリカーボネート製のハンドル111を接続した。ハンドル111は、外筒シャフト108に接続した前側ハンドル111fと内筒シャフト107に接続した後側ハンドル111rから構成されている。前側ハンドル111fと後側ハンドル111rのスライド操作によって内筒シャフト107が外筒シャフト108の内部をスライドし、それによって、単層バルーン102の形状を変形できる。
パーフルオロアルコキシアルカン製の電気絶縁性の被覆が施された直径0.26mm、長さ1600mmの2本の銅線を、遠位側電力供給リード線105L及び近位側電力供給リード線105Nとした。また、ポリテトラフルオロエチレン製の電気絶縁性の被覆が施された直径0.10mm、長さ1600mmの銅線とポリテトラフルオロエチレン製の電気絶縁性の保護被覆が施された直径0.10mm、長さ1600mmのコンスタンタン線の2本の金属線に電気絶縁性の被膜が施された線を纏めた上でさらに被覆を行い、銅線とコンスタンタン線を内部に有する、厚さ0.1mm、幅0.2mm、長さ1600mmの表面温度センサリード線110を作成した。この表面温度センサリード線110内の銅線とコンスタンタン線の遠位部のみを互いに溶接してT型熱電対を形成させることで、表面温度センサリード線110の先端に厚さ0.1mm、表面積0.05mm2の表面温度センサ109を作成した。このように作成した表面温度センサリード線110を2本用意し、それぞれを表面温度センサリード線110a、110b、表面温度センサ109a、109bとした。
近位側電力供給リード線105Nは、外筒シャフト108のルーメン内で内筒シャフト107に沿わせて配置した。近位側電力供給リード線105Nは、先端の保護被覆を剥いて銅線を露出させた。近位側電力供給リード線105Nは、外筒シャフト108の外で近位方向に折り返し、単層バルーン102の近位部に沿わせ、単層バルーン102の内表面に形成した導電層100に銅線が接触するように固定した。固定には粘着性の高いテープを用いた。その後、単層バルーン102、外筒シャフト108を熱溶着固定した。
表面温度センサリード線110a、110bは、単層バルーン102の内部で内筒シャフト107に沿わせるように配線した。表面温度センサリード線110a、110bの先端に構成した表面温度センサ109a、109bを、単層バルーン102の内表面に形成した導電層100に接触するようにし、かつ単層バルーン102の先端から1/3ほど近位側の位置で上下2箇所に相対するように固定した。固定には粘着性の高いテープを用いた。
遠位側電力供給リード線105Lは、表面温度センサリード線110a、110bと共にバルーン102の内部で内筒シャフト107に沿わせるように配線した。遠位側電力供給リード線105Lは、先端の樹脂被覆を剥いて、銅線を露出させた。遠位側電力供給リード線105Lの先端は、単層バルーン102の内表面に形成した導電層100に接触するように固定した。固定には粘着性の高いテープを用いた。その後、単層バルーン102、内筒シャフト107を熱溶着固定した。
遠位側電力供給リード線105L、近位側電力供給リード線105N及び表面温度センサリード線110a、110bは、外筒シャフト108の内部で内筒シャフト107に沿わせるように配線した。各線の近位部はハンドル111の内部を挿通させ、いずれもコネクター113が有する高伝導率金属ピンに接続した。
前側ハンドル111fが有する分岐部に、延長チューブ114を取り付け、本発明における実施例1のバルーンカテーテル(以下、「実施例1」)を完成した。
(実施例2)
単層バルーン102をカーボンナノチューブ水溶液に浸漬し、乾燥させるまでの工程を1回繰り返した以外は、実施例1と同じである。導電層100のシート抵抗は、およそ1000Ω/□を示した。
(実施例3)
単層バルーン102をカーボンナノチューブ水溶液に浸漬し、乾燥させるまでの工程を2回繰り返した以外は、実施例1と同じである。導電層100のシート抵抗は、およそ500Ω/□を示した。
(実施例4)
単層バルーン102をカーボンナノチューブ水溶液に浸漬し、乾燥させるまでの工程を5回繰り返した以外は、実施例1と同じである。導電層100のシート抵抗は、およそ1Ω/□を示した。
(実施例5)
ポリウレタン製のチューブを用い、ブロー成形によって、直径30mm、厚み15μmのポリウレタン製の単層バルーン102を作製した。単層バルーン102の両端にはチューブ状の構造が残っている。単層バルーン102の一端に付いているチューブに栓をし、他端のチューブにさらに管を接続した。この管を介して、RO水を注入して単層バルーン102を拡張し、管に栓をした。単層バルーン102をポリアクリル酸水溶液に浸漬し、1時間静置した。これにより、単層バルーン102の外表面にポリアクリル酸を吸着させた。その後、RO水で単層バルーン102の外表面を洗浄し、これを3回繰り返すことで、単層バルーン102の外表面に吸着出来なかった余分なポリアクリル酸を除去した。次に、単層バルーン102をポリエチレンイミン水溶液に浸漬し、30分間静置した。これにより、ポリアクリル酸にポリエチレンイミンを静電吸着させた。その後、RO水で単層バルーン102の外表面を洗浄し、これを3回繰り返すことで、ポリアクリル酸に吸着出来なかった余分なポリエチレンイミンを除去した。次に、単層バルーン102をカーボンナノチューブ水溶液に浸漬し、3時間静置した。これにより、ポリエチレンイミンにカーボンナノチューブが静電吸着又はポリエチレンイミンの分子構造に絡みつくよう固定された。その後、RO水で単層バルーン102の外表面を洗浄し、これを3回繰り返した後、乾燥させてカーボンナノチューブを定着させた。カーボンナノチューブ水溶液への浸漬から乾燥までの工程を3回繰り返すことで、単層バルーン102の外表面に導電層100を形成した。各溶液の濃度は1%水溶液とした。定着は乾燥エアーを吹きつけ、目視にて乾燥を確認した。導電層100のシート抵抗は、およそ100Ω/□を示し、同時に通電可能であることを確認した。
外筒シャフト108、内筒シャフト107、遠位側電力供給リード線105L、近位側電力供給リード線105N、表面温度センサリード線110a、110b、表面温度センサ109a、109b及びハンドル111の構造は実施例1と同様に作成した。
近位側電力供給リード線105Nは、外筒シャフト108のルーメンを通り、バルーン内に延伸した後、先端の保護被覆を剥いて銅線を露出させた。その後、バルーン内で近位方向に折り返し、外筒シャフト108の外表面と単層バルーン102の間を近位方向に延伸させ、単層バルーン102の外部に出た後、遠位方向に折り返し、単層バルーン102の外表面に形成された導電層100に固定した。固定には、粘着性の高いテープを用いた。その後、単層バルーン102、外筒シャフト108を熱溶着固定した。
遠位側電力供給リード線105Lは、表面温度センサリード線110a、110bと共に内筒シャフト107に沿わせるように配線した。遠位側電力供給リード線105Lは、内筒シャフト107と単層バルーン102の間を遠位方向に延伸させ、単層バルーン102の外部で近位方向に折り返し、先端の樹脂被覆を剥いて、銅線を露出させた。その後、遠位側電力供給リード線105L先端の銅線を、単層バルーン102の外表面に形成した導電層100に接触するように固定した。固定には粘着性の高いテープを用いた。その後、単層バルーン102、内筒シャフト107を熱溶着固定した。
表面温度センサリード線110a、110bは、内筒シャフト107と単層バルーン102の間を遠位方向に延伸させ、単層バルーン102の外部で近位方向に折り返し、単層バルーン102の外表面を延伸させた。表面温度センサリード線110a、110bの先端に構成した表面温度センサ109a、109bは、単層バルーン102の外表面に形成した導電層100に接触するようにし、かつ単層バルーン102の先端から1/3近位側の位置で上下2箇所に相対するように固定した。固定には粘着性の高いテープを用いた。その後、遠位側電力供給リード線105Lの配線が完了した後、単層バルーン102、内筒シャフト107を熱溶着固定した。
以降の工程は、実施例1と同様に行い、本発明における実施例5のバルーンカテーテル(以下、「実施例5」)を完成した。
(実施例6)
ポリウレタン製のチューブを用い、ブロー成形によって、直径29mm、厚み15μmのポリウレタン製バルーンの内層203及び直径30mm、厚み15μmのポリウレタン製バルーンの外層204を作製した。内層203及び外層204の両端にはチューブ状の構造が残っている。外層204の一端に付いているチューブに栓をし、他端のチューブにさらに管を接続した。この管を介して外層204の内表面に、実施例1に記載した方法で、導電層100を形成した。空気を抜いた外層204を内層203の内部に挿入し、再度エアーを注入して形状を整えることで、外層204の内表面に導電層100を有する、2層構造の二層バルーン202を作製した。導電層100のシート抵抗はおよそ100Ω/□を示し、同時に通電可能であることを確認した。
外筒シャフト108、内筒シャフト107、遠位側電力供給リード線105L及び近位側電力供給リード線105N、表面温度センサリード線110a、110b、表面温度センサ109a、109b及びハンドル111の構造は実施例1と同様に作成した。
近位側電力供給リード線105Nは、外筒シャフト108のルーメン内で内筒シャフト107に沿わせて配置した。近位側電力供給リード線105Nは、外筒シャフト108の先端から3mmの位置に開けた小孔から引き出し、先端の保護被覆を剥いて銅線を露出させた。近位側電力供給リード線105Nは、二層バルーン202の近位部に位置する内層203と外層204の間に挿入し、外層204の内表面に形成した導電層100に銅線が接触するように挟み込んだ。導電層100に接触させた銅線は、粘着性の高いテープで固定した。その後、内層203、外層204及び外筒シャフト108を熱溶着固定した。その際、外筒シャフト108の先端から3mmの位置に開けた小孔は、熱溶着によって塞がれた。
遠位側電力供給リード線105Lは、表面温度センサリード線110a、110bと共に内筒シャフト107に沿わせるように配線した。遠位側電力供給リード線105Lは、内層203と内筒シャフト107の間を遠位方向に延伸させ、内層203の外部で近位方向に折り返した後、先端の樹脂被覆を剥いて、銅線を露出させた。その後、遠位側電力供給リード線105Lは、外層204と内層203の間を延伸させ、遠位側電力供給リード線105Lの先端を、二層バルーン202の遠位部に位置する内層203と外層204の間に挿入し、外層204の内表面に形成した導電層100に銅線が接触するように挟み込んだ。導電層100に接触させた銅線は、粘着性の高いテープで固定した。その後、内層203、外層204、内筒シャフト107を熱溶着固定した。
表面温度センサリード線110a、110bについても、遠位側電力供給リード線105Lと同様の方法で配線した。表面温度センサリード線110a、110bは、二層バルーン202の遠位側かつ内層203と外層204の間に、上下180度の位置に相対するようにそれぞれ挿入した。表面温度センサリード線110a、110bの先端に構成した表面温度センサ109a、109bは、外層204の内表面に形成した導電層100に接触するようにし、かつ二層バルーン202の先端から1/3ほど近位側の位置で上下2箇所に相対するよう、内層203と外層204の間に粘着性の高いテープで固定した。
以降の工程は実施例1と同様に行い、本発明における実施例6のバルーンカテーテル(以下、「実施例6」)を完成した。
(実施例7)
ポリウレタン製のチューブを用い、ブロー成形によって、直径29mm、厚み15μmのポリウレタン製のバルーン内層203及び直径30mm、厚み15μmのポリウレタン製のバルーン外層204を作製した。内層203及び外層204の両端にはチューブ状の構造が残っている。内層203の一端に付いているチューブに栓をし、他端のチューブにさらに管を接続した。この管を介して、RO水を注入して内層203を拡張し、管に栓をした。以降は実施例5と同様に処理を実施し、内層203の外表面に導電層100を形成した。空気を抜いた内層203を外層204の内部に挿入し、再度エアーを注入して形状を整えることで、内層203の外表面に導電層100を有する、二層バルーン202を作製した。導電層100のシート抵抗は、およそ100Ω/□を示し、同時に通電可能であることを確認した。
外筒シャフト108、内筒シャフト107、遠位側電力供給リード線105L、近位側電力供給リード線105N、表面温度センサリード線110a、110b、表面温度センサ109a、109b及びハンドル111の構造は、実施例1と同様に作成した。
以降の工程は実施例6と同様に実施し、本発明における実施例7のバルーンカテーテル(以下、「実施例7」)を完成した。
(比較例)
比較例として、図23に示すような、従来技術に記載のバルーンカテーテル701を作成した。具体的には、ポリウレタン製のチューブを引き延ばしながらそのルーメンにエアーを注入するブロー成形によって、直径30mm、厚み20μmのポリウレタン製の単層バルーン702を製作した。
外筒シャフト108、内筒シャフト107及びハンドル111の構造は、実施例1と同様に作成した。
パーフルオロアルコキシアルカン製の電気絶縁性の被膜が施された直径0.26mm、長さ1700mmの銅線を高周波電力供給リード線718とし、ポリテトラフルオロエチレン製の電気絶縁性の被膜が施された直径0.13mm、長さ1500mmのコンスタンタン線を電極温度センサリード線719とした。
高周波電力供給リード線718に施された電気絶縁性の皮膜を200mm、及び電極温度センサリード線719に施された電気絶縁性の被膜を20mm剥ぎ、内筒シャフト107の先端から25mmの位置を開始点として、高周波電力供給リード線718と内筒シャフト107の間に電極温度センサリード線719を挟みながら高周波電力供給リード線718を内筒シャフト107にコイル状に巻きつけた。この際、高周波電力供給リード線718のコイル状になった部分が高周波通電用電極720を形成するとともに、コイル状に巻き付ける部分の始点において、高周波電力供給リード線718及び電極温度センサリード線719の電気絶縁性の被膜が剥がされた部分同士が接触することで電極温度センサ721であるT型熱電対が形成された。結果として、長さ13mmのコイル状の高周波通電用電極720、及び電極温度センサ721が内筒シャフト107上に形成された。電極温度センサ721が形成された部分では、高周波電力供給リード線718と表面温度センサリード線719同士を溶接して固定した。
ズレ防止のため、高周波通電用電極720の先端及び後端は、内筒シャフト107上にポリウレタン製チューブを熱溶着で固定した。
単層バルーン702を、内筒シャフト107の遠位側から挿入し、単層バルーン702の近位部と外筒シャフト108の遠位部とを熱溶着で固定した。また、二層バルーン702の遠位部を内筒シャフト107の先端に熱溶着で固定した。
高周波電力供給リード線718及び温度センサリード線719を外筒シャフト108と内筒シャフト107との間のルーメンと、後側ハンドル111rを介して、いずれもコネクター113が有する高伝導率金属ピンに接続した。前側ハンドル111fが有する分岐部に、延長チューブ114を取り付け、従来技術によるバルーンカテーテル(以下、「比較例1」)を作成した。
以下、実施例1〜7及び比較例1を用いた評価方法を、図24を用いて示す。
恒温水槽30で37℃に加温した約50Lの生理食塩水にアクリル系ポリマーで疑似的に再現した肺静脈モデル27を浸漬した。撹拌機26により、恒温水槽30内の生理食塩水の一部を間接的にシリコン製のチューブで取り出し、肺静脈モデル15の疑似血管側に導くことで、液体流れを発生させ、擬似的に血流がある状態を再現した。心拍出量を5L/分とし、肺静脈1本あたりの血流を1.3L/分とした。
バルーンカテーテルを体内に挿入する際に一般的に用いられる止血弁付きイントロデューサシース18(内径4.2mm、外径5.8mm)のシャフト部分を恒温水槽30に浸漬するように配置し、イントロデューサシース18の内部を恒温水槽30の生理食塩水で満たした。
外筒シャフトのルーメン内で内筒シャフトをスライドさせて、バルーンを長手方向に伸張するよう変形させ、イントロデューサシース18内にバルーンを挿入した。バルーン及び外筒シャフトを恒温水槽30内まで導いたのち、バルーンの伸張状態を解除した。
シリンジ22を用いてバルーンカテーテル内に生理食塩水で希釈した希釈造影剤を注入・吸引して空気抜きをした。バルーンに約15mlの希釈造影剤を入れ、内筒シャフト及び外筒シャフトの操作と希釈造影剤の量を調整することで、バルーンの直径を26mmにした。
バルーンを、アクリル系ポリマー製の肺静脈モデル27に挿入し、肺静脈モデル27に挿入した温度センサ28が、バルーン表面に接触するよう設置した。
実施例1〜7は、コネクター113を電力供給装置112に接続した。また、比較例1においては、コネクター113を電力供給装置112に接続するとともに、高周波電流を通電するための対極板24を水槽の中に浸漬させ、対極板24のコードを電力供給装置112に接続した。さらに比較例1は、延長チューブ114を介して、外部に設置された振動付与装置25に接続した。各バルーンカテーテルの内筒シャフト107には、ガイドワイヤー23を挿通させた。
実施例1〜7では、表面温度センサ109から得られた温度の測定値に基づいて、電力供給装置112がリード線への電流量を制御し、バルーン表面が操作者により設定された温度になるように、する。また、比較例1では、電極温度センサ721からの得られた温度の測定値に基づいて、電力供給装置112がリード線への電流量を制御し、電極温度センサ721が予め設定された温度になるまで電流量を増減させる。
比較例1において、周波数1.8MHzの高周波は、対極板24と高周波通電用電極720の間で通電可能であり、高周波通電用電極720の近傍で電流密度が高くなって生理食塩水でジュール熱が発生する。また、高周波発生装置を作動させて、高周波電力(周波数1.8MHz、最大電力150W、設定温度70℃)を通電させることで、高周波通電用電極4を加熱するとともに、振動付与装置25によりバルーンの内部の生理食塩水に振動を付与することで、バルーン内の生理食塩水を加熱・撹拌した。
肺静脈モデル27に挿入した温度センサ28で測定した温度、表面温度センサで測定した温度及び電極温度センサで測定した温度が全て安定した時点の温度を記録した。
(測定例1:バルーンの直径が表面温度に及ぼす影響)
肺静脈モデル27について、血管径が異なる肺静脈モデルを複数準備した。具体的には、血管径26mm、30mm、33mmの3種類を作成した。バルーンのサイズを血管径が異なる肺静脈モデルのそれぞれの血管径に密着するように、希釈造影剤を注入してバルーンの直径を調整した。
実施例1〜7に対して高周波電流(周波数1.8MHz、最大電力150W、設定温度64℃)を通電し、設定温度を64℃とした。比較例1は、高周波電流(周波数1.8MHz、最大電力150W、設定温度70℃)を通電した。比較例1では、バルーン径が26mmの場合、設定温度を70℃にするとバルーン表面温度が64℃となることが分かっている。バルーンの表面温度及び表面温度のバラツキを調べた結果を表1に示す。
比較例1の表面温度は、バルーンの直径が26mmから33mmへと大きくなるにつれ、バルーンの直径の影響を受けて、表面温度が64℃から59℃に下がる傾向にあった。それに対し、本発明における実施例1から実施例7は、バルーンの直径に関係なく、64℃付近を維持することができた。実施例1、実施例6、実施例7はバルーンの膜の内側に導電層があるため、設定温度よりもバルーン表面温度が僅かに低くなったのに対し、実施例4は、バルーン最外表面に導電層があるため、設定温度とバルーン表面温度が一致した。実施例2、実施例3及び実施例4は、導電層の厚みが薄いことが影響し、電流、電圧は異なったが、出力は他の実施例と同じであった。
従来技術である比較例1が、中心電極により加熱し、中心電極に近接した温度センサでバルーン中心の温度を測定・制御する手法をとっているため、バルーンサイズの影響を受け易い傾向が見られた。この場合、術者は経験に基づく表面温度の推定をしつつ、施術する必要がある。一方、本発明の実施例は、バルーン表面に設けた導電層を加熱し、同じくバルーン表面に設置した温度センサで測定し、出力を制御することで、より直接的にバルーン表面温度を制御可能であり、特別な撹拌手段を用いなくてもバルーン全体をバラツキなく加熱できることがわかった。
(測定例2:バルーンの形状がバルーン表面温度に及ぼす影響)
図25に示すバルーンを押し当てる部分30の形状が半球状である肺静脈モデル27に対し、図26に示すバルーンを押し当てる部分30の形状が上下肺静脈間領域(カリーナ部)を模した形状を有する肺静脈モデル29を準備した。肺静脈モデル27及び肺静脈モデル29のそれぞれに対し、バルーンを押し付け、バルーンの形状が歪んだ状態を作り、バルーンの直径が26mmとなる液量と同じ液量をバルーン内に注入した時の各温度を計測した。計測の方法は、測定例1と同様である。各々の状態での温度測定結果を表2に示す。
表2に示すように、実施例1〜7は、バルーンの形状に係わらず、温度センサの表示温度及びバルーン表面温度ともに、64℃付近で安定した結果が得られた。一方、比較例1は、コイル電極温度に変化は見られないが、バルーン表面温度はバルーンの形状に影響を受け、歪みがある場合にはおよそ3℃の温度低下と4℃のバラツキが見られた。
焼灼温度は、血管組織の過度な焼灼や、血栓の発生リスクを考慮して、高くても70℃までにする必要がある。特に食道に近接しており、様々な形状を有する肺静脈では、慎重な焼灼温度の制御が望まれる。目的の焼灼温度を、術者の経験に頼ることなく維持・制御できる、バルーン表面での加熱と温度制御の有用性が改めて示された。
本発明のバルーンカテーテルは、医療分野において、心房細動等の不整脈、子宮内膜症、がん細胞、高血圧又は花粉症等の治療を行うために用いることができる。
101、201、701・・・バルーンカテーテル、102、702・・・単層バルーン、202・・・二層バルーン(203・・・内層、204・・・外層)、100・・・導電層100(13・・・アニオン性化合物、14・・・カチオン性化合物、15・・・非金属導電性材料)、105L・・・遠位側電力供給電力供給リード線、105N・・・近位側電力供給リード線、107・・・内筒シャフト、108・・・外筒シャフト、109・・・表面温度センサ、110・・・表面温度センサリード線、111・・・ハンドル(111f・・・前側ハンドル、111r・・・後側ハンドル)、112・・・電力供給装置、113・・・コネクター、114・・・延長チューブ、18・・・イントロデューサシース、718・・・高周波電力供給リード線、719・・・電極温度センサリード線、720・・・高周波通電用電極、721・・・電極温度センサ、22・・・シリンジ、23・・・ガイドワイヤー、24・・・対極板、25・・・振動付与装置、26・・・攪拌機、27・・・肺静脈モデル、28・・・焼灼温度センサ、29・・・熱電対データロガー、30・・・水槽

Claims (3)

  1. 非金属導電性材料とイオン性化合物を含む導電層を有するバルーンと、
    前記バルーンを先端に有するカテーテルシャフトと、
    前記導電層に電流を通電するためのリード線と、
    を備え、
    前記非金属導電性材料の抵抗値が前記リード線の抵抗値よりも高く、かつ、前記導電層のシート抵抗が1〜1000Ω/□である、
    バルーンカテーテル。
  2. 前記バルーンは、温度センサ、電位センサ、変形センサ及び接触センサからなる群から選択される少なくとも1つのセンサを備える、請求項1記載のバルーンカテーテル。
  3. 請求項2記載のバルーンカテーテル及び温度センサと、
    前記リード線に電力を供給する電力供給装置と、
    を有し、
    前記電力供給装置は、前記温度センサから得られた測定値に基づいて、前記リード線への電流量を制御する、バルーンカテーテルシステム。
JP2019067553A 2019-03-29 2019-03-29 バルーンカテーテル及びバルーンカテーテルシステム Pending JP2020162948A (ja)

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