以下、発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図44は本発明をパチンコ機である遊技機1に採用した第1の実施形態を例示している。この遊技機1は、図1〜図5に示すように、外枠2と、この外枠2の前側に配置された前枠3とを備え、その前枠3の前側に前扉4が開閉自在に配置されている。外枠2と前枠3とにより遊技機本体2,3が構成されている。なお、遊技機本体2,3は外枠2、前枠3以外のものにより構成してもよい。
前枠3は第1ヒンジ手段6を介して外枠2に開閉自在及び着脱自在に枢着され、また前扉4は第2ヒンジ手段7を介して前枠3に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、これら前枠3及び前扉4はヒンジ手段6,7と反対側の施錠手段8によって外枠2、前枠3に対して夫々閉状態で施錠可能となっている。
外枠2は、左右一対の縦枠材9と、この左右の縦枠材9の上端間を左右に連結する上横枠材10と、左右の縦枠材9の下端間を左右に連結する下横枠材11と、下横枠材11の前側に配置され且つ左右の縦枠材9を連結する飾り部材12とにより矩形状に形成されている。
前枠3には上部側に遊技盤装着部13と裏保護部14とが前後一体に設けられ、遊技盤装着部13の下側に下部装着部15が一体に設けられている。遊技盤装着部13には遊技盤16が前側から着脱自在に装着されている。裏保護部14は遊技盤16の裏側に配置された裏側機構17を外周側から保護するもので、左右両側に上下方向に配置され且つ遊技盤装着部13から裏側に屈曲する左右一対の側壁部18と、遊技盤装着部13から裏側に屈曲し且つ左右の側壁部18の上側を左右方向に連結する上壁部19とを一体に備えている。
裏保護部14の左右の側壁部18の内、第1ヒンジ手段6と反対側の側壁部18aは、図6、図7に示すように、第1ヒンジ手段6側の側壁部18bよりも後方への突出量が小さく、その後端側の取り付け部20aに上下方向に複数の第3ヒンジ手段21を介して裏カバー22の一端側が開閉及び着脱自在に装着されている。
また裏保護部14の第1ヒンジ手段6側の側壁部18bは、反対側の側壁部18aよりも後方への突出量が大きくなっており、この側壁部18bの後端に、その後端から内側に屈曲する取り付け部20bがあり、この取り付け部20bに後述の払い出し手段23等が装着され、また払い出し手段23よりも内側に裏カバー22が当接して上下一対のラッチ手段(止め具)24により着脱自在に止められている。
なお、裏保護部14の左右の側壁部18は勿論のこと、この左右の側壁部18と、その上端側を左右に連結する上壁部19は、裏側への突出量(屈曲量)を略同じにしてもよい。ラッチ手段24は上下方向の中間に1個配置してもよいし、裏カバー22の外周に3個以上配置してもよい。
下部装着部15には、遊技盤16側へと遊技球を1個ずつ発射するための発射手段25等が前側に装着され、また裏保護部14の左右の側壁部18の下端間に基板取り付け台34が装着されている。
遊技盤16には、図1に示すように、発射手段25によって発射された遊技球を遊技領域26の上部側へと案内するガイドレール27が環状に装着されている。また遊技領域26の中央部には、液晶表示手段(画像表示手段)28と、液晶表示手段28の前側に対応するセンターケース29とが配置されている。センターケース29は遊技盤16に前側から着脱自在に装着され、また液晶表示手段28は遊技盤16に裏側から着脱自在に装着されている。遊技盤16の遊技領域26にはセンターケース29の周辺に普通図柄始動手段30、特別図柄始動手段31、可変入賞手段32、普通入賞手段33等の各種遊技部品が配置されている。
センターケース29には、液晶表示手段28の表示画面に対応する表示窓29aが設けられ、その表示窓29aの外周側の前面に普通図柄表示手段35、特別図柄表示手段36、普通保留個数表示手段37等が設けられている。液晶表示手段28は、特別保留個数表示手段38、演出図柄表示手段39、第1操作誘導表示手段40、第2操作誘導表示手段41等を構成している。
普通図柄表示手段35は普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されている。2個の発光体は普通図柄始動手段30が遊技球を検出することを条件に所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段30による遊技球の検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合に当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合に外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、夫々点滅が終了するようになっている。
特別図柄始動手段31は、特別図柄表示手段36による図柄変動を開始させるためのもので、上始動入賞手段31aと下始動入賞手段31bとを上下に備えている。上始動入賞手段31aは非開閉式である。下始動入賞手段31bは、遊技球が入球不可能(又は入球困難)な閉状態と入球可能(又は入球容易)な開状態とに切り換え可能な開閉式であり、普通図柄表示手段35の変動後の停止図柄が当たり態様(普通利益態様)となって普通利益状態が発生したときに、閉状態から開状態へと所定時間開放するようになっている。
特別図柄表示手段36は、1個又は複数個、例えば3個の特別図柄を変動表示可能なセグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段31の上始動入賞手段31a又は下始動入賞手段31bに遊技球が入賞することを条件に特別図柄を所定時間変動表示して、始動入賞手段31a,31bへの入賞時に取得された大当たり判定乱数値(特定態様判定乱数値)が予め定められた大当たり判定値(特定態様判定値)と一致する場合には特別図柄が所定の大当たり態様(特定態様)で、それ以外の場合には外れ態様(非特定態様)で停止するようになっている。
普通保留個数表示手段37は、普通図柄表示手段35の変動表示中又は後述の普通利益状態中に普通図柄始動手段30が遊技球を検出した場合に、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として記憶されるため、上限保留個数と同数の発光体の発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数という)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
演出図柄表示手段39は、特別図柄表示手段36による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄39a〜39cを変動表示するもので、1個又は複数個(例えば左右方向に3個)の演出図柄39a〜39cを各種の演出画像と共に液晶表示手段28の表示画面に変動表示可能に構成されている。
演出図柄表示手段39の演出図柄39a〜39cは、特別図柄始動手段31の始動入賞手段31a,31bの何れかに遊技球が入賞した場合に、特別図柄の変動開始と同時に複数種類の変動パターンの何れかに従って変動を開始し、所定時間変動した後に左、右、中等の順序で順次停止しながら、特別図柄の変動停止と同時に最終的に停止するようになっている。なお、演出図柄39a〜39cは、特別図柄が大当たり態様で停止する場合には大当たり演出態様で変動を停止し、特別図柄が外れ態様で停止する場合には外れ演出態様で変動を停止する。
特別保留個数表示手段38は、特別図柄の変動表示中又は特別利益状態中に特別図柄始動手段31に遊技球が入賞した場合に、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等が夫々所定の上限保留個数(例えば各4個)を限度として記憶されるため、大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、特別保留個数という)を表示して、その時点での特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
第1操作誘導表示手段40は、第1操作演出が可能になった場合に演出有効期間中であることを示す第1操作誘導画像40aを表示して、遊技者に対して後述の第1操作演出手段46の操作を促すようになっている。第2操作誘導表示手段41は、第2操作演出が可能になった場合に演出有効期間中であることを示す第2操作誘導画像41aを表示して、遊技者に対して後述の第2操作演出手段47の操作を促すようになっている。
なお、各操作誘導画像40a,41aは、変動後の特別図柄が大当たり態様となる確率の高い檄熱スーパーリーチパターン等を抽選する等、所定の操作演出条件が成立した場合に、その特別図柄の変動開始から変動終了までの適時に表示されており、この操作誘導画像40a,41aの表示中に操作演出手段46,47を操作したときに、液晶表示手段28に特定の第1操作誘導画像40a、第2操作誘導画像41aを表示する等により、遊技者に対して大当たり態様の出現を演出するようになっている。
可変入賞手段32は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板32aを備えた開閉式であって、特別図柄表示手段36の変動後の特別図柄が所定の大当たり態様となって特別利益状態が発生したときに、開閉板32aが所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
前枠3の上壁部19の裏側には、払い出し用の遊技球を貯留する球タンク48と、この球タンク48内の遊技球を案内する案内レール49と、外部信号取り出し用の外部接続端子群50とが裏保護部14の上壁部19の上側に配置されている。
球タンク48と案内レール49は、裏保護部14の上壁部19の上側に近接して左右方向に設けられ、また案内レール49は外部接続端子群50側と干渉しないように裏保護部14の上壁部19の後端よりも後方に突出して配置されている。球タンク48、案内レール49の底面側は、遊技球の流れを阻害しないように傾斜状になっている。
図6〜図9に示すように、球タンク48の後端は裏保護部14の上壁部19の後端よりも前側にあり、また案内レール49の後端は裏保護部14の上壁部19の後端よりも後方に突出しており、裏カバー22の上側に重なっている。外部接続端子群50は、左右方向に多数の外部接続端子50aを有し、案内レール49の前上側に設けられている。
図6、図7に示すように、裏保護部14の第1ヒンジ手段6側の側壁部18bは後方への突出量が大であり、その後端から左右方向の内側へと屈曲する取り付け部20bには、遊技球を払い出す払い出し手段23と、案内レール49からの遊技球を払い出し手段23に供給する球供給通路51と、払い出し手段23から払い出された遊技球を後述の上皿52へと案内する球案内通路54とが上下方向に一列状に設けられている。
前扉4は前枠3の前面側に対応する矩形状であって、上部側に遊技領域26を視認可能な視認窓53が設けられている。この前扉4は、図10に示すように、矩形状の扉枠55と、この扉枠55の前面に装着された下部ユニット56、第1上部ユニット57及び第2上部ユニット58とを備えている。下部ユニット56は視認窓53の下側で扉枠55の前面に配置され、また第1上部ユニット57は視認窓53の第1ヒンジ手段6側に上下方向に配置されている。第2上部ユニット58は視認窓53の上側の左右方向と、視認窓53の第1ヒンジ手段6と反対側の上下方向とに跨がって、正面視L字状に扉枠55の前面に着脱自在に配置されている。なお、前扉4には視認窓53の上下、左右に対応して上部スピーカ59、下部スピーカ60が設けられている。
下部ユニット56及び第1上部ユニット57は、遊技機1の複数機種に略共通するものであるのに対して、第2上部ユニット58は当該機種に固有のものであり、この固有の第2上部ユニット58を共通の下部ユニット56及び第1上部ユニット57と組み合わせることにより、当該機種の遊技機1の前面側が構成されている。
従って、第2上部ユニット58が複数種類あれば、その第2上部ユニット58の何れかを適宜選択して装着することにより、外枠2、前枠3及び扉枠55等を共通に使用しながら、異なる種類の遊技機1を容易に製作することが可能である。なお、第1上部ユニット57を交換可能にしてもよい。
視認窓53は扉枠55の裏側に着脱自在に装着されたガラスユニット(図示省略)により塞がれている。ガラスユニットは、遊技領域26を透視可能な前後二枚のガラス板と、この前後2枚のガラス板の外側を保持する保持枠とを備え、前扉4の裏側に着脱自在に固定されている。
下部ユニット56は左右中央部側が前側に突出する平面視略三角形状であって、この下部ユニット56には、第1操作演出用の第1操作演出手段46と、発射手段25による発射用の遊技球を貯留する上皿52と、余剰球を貯留する下皿(余剰球貯留部)61と、これらの外周側を覆う下部カバー62とが設けられ、また第1操作演出手段46に対して上皿52及び下皿61と反対側に発射操作用の発射ハンドル63が設けられている。
第1操作演出手段46は第1操作演出を実行させる際に操作するものであって、図11〜図13に示すように、遊技者が下方へと押圧操作可能な上下動式の操作ボタン64と、操作ボタン64の内部に設けられた回転発光手段67と、操作ボタン64の操作を検出可能な近接式等の第1検出スイッチ65と、操作ボタン64を振動させる振動手段66とを有し、下部ユニット56の前側の左右中央部に上下方向に配置されている。
この第1操作演出手段46は第1操作誘導表示手段40に第1操作誘導画像40aが表示された場合に、その第1操作誘導画像40aの表示中に遊技者が操作ボタン64を押圧操作することが可能である。そして、操作ボタン64を押圧操作して第1検出スイッチ65がオンしたときに、液晶表示手段28が第1操作演出画像(図示省略)を表示する等により所定の第1操作演出を実行して、遊技者の遊技に対する興趣を喚起するようになっている。
操作ボタン64は内部の回転発光手段67を覆う操作カバー体を構成するものであって、透明又は半透明の樹脂製であり、円筒状の胴部68と、この胴部68の上端側に段部69を介して同心円筒状に形成された球面状の操作部(操作頂部)70とを一体に有し、胴部68が下側の昇降板71に固定されている。昇降板71は固定台72上にガイド棒76を介して昇降自在に設けられ、ガイド棒76に套嵌されたコイルバネ等のバネ77により上向きに付勢されている。
固定台72は前扉4内の扉枠55から前側に突出する固定部材78上に取り付けられている。操作ボタン64は操作部70が下部カバー62から上側に突出しており、その操作部70の後部側が下部カバー62側の後部カバー79により覆われている。下部カバー62には、胴部68の前側にU字状の切り欠き部80が設けられ、その切り欠き部80に、胴部68を前側から覆う透明な樹脂製の前部カバー81が設けられている。
回転発光手段67は操作ボタン64内に設けられており、操作ボタン64が操作可能になってから遊技者が操作ボタン64を操作するまでの操作可能期間中、操作ボタン64の操作後の第1操作演出中等の所要時期になれば、この回転発光手段67が回転発光して操作ボタン64を内部から照明するようになっている。
回転発光手段67は、上面に複数のLED82が装着された固定式のLED基板83と、回転方向に透明部84aと赤色部84bとを有し且つLED基板83の外周に回転自在に設けられた球面体84とを備え、LED82の発光時に球面体84が回転することにより、球面体84の回転に同期して、透明部84aと赤色部84bとを介して操作ボタン64を内側から白色系と赤色系とに交互に発光させる。透明部84a、赤色部84bは内部が視認し難くなるように乱反射式の凹凸状になっている。
球面体84は左右両側に配置された円筒状の回転軸85を介して固定台72上の支持部86により回転自在に支持され、回転駆動モータ87の駆動によりギヤ列88等を介して回転軸85廻りに回転する。LED基板83は左右の回転軸85内に挿通された固定軸89を介して固定台72の支持部86に固定されている。
操作ボタン64の胴部68には、回転軸85を挿通するための切り欠き部68aが下端側から操作部70側へと上向きに凹入して逆U字状に設けられている。そのため操作ボタン64を下方に押圧操作した場合にも、回転発光手段67は上下動しない。下部カバー62、後部カバー79は遮光性を有する樹脂製である。操作ボタン64の操作部70及び胴部68と、前部カバー81は光透過性を有し、回転発光手段67を前側から透視可能である。
操作ボタン64には、図14に示すように、胴部68の後部側の外周面に成型時の樹脂流し込み部跡90があり、胴部68の下端面と、段部69の下面とに成型時の押し出し部跡91a,91bがある。樹脂流し込み部跡90は、成型時に金型側の樹脂流し込み部からキャビティ内に溶融樹脂を流し込んだ跡であり、胴部68の後部側で胴部68の上下方向の略中央部、その他の中間部位置に配置されている。
ここで、「樹脂流し込み部」について簡単に説明する。なお、これまでの説明とこれ以降の説明の中で度々「樹脂流し込み部」という名称が登場するが、これに代えて、当業者間で普遍的に用いられている「ゲート」という名称を用いても(置換しても)よい。さらに、金型の種類(2プレート金型、3プレート金型)によってランナー方式(コールドランナー、ホットランナー)が異なるが、これらに合わせて樹脂を流し込む方法もいくつかに分かれるため、「ゲート」の名称を以下の通り、より細分化してもよい。
(1)ダイレクトゲート(2プレート金型)
長所として、「ゲートによる圧力損失が少ない」、「構造が単純で安価・壊れにくい」ことが挙げられる。一方、短所として、「後工程でゲートカットが必要」、「ゲートカット跡が大きい」、「多数個取りができない」、「多点化ができない」ことが挙げられる。
(2)サイドゲート(2プレート金型)
長所として、「ゲートによる圧力損失が比較的少ない」、「構造が単純で安価・壊れにくい」ことが挙げられる。一方、短所として、「後工程でゲートカットが必要」、「ゲート跡が残る」ということが挙げられる。
(3)サブマリンゲート(2プレート金型)
長所として、「後工程でゲートカットが不要」であることが挙げられる。一方、短所として、「側面にしか設置できない」、「ゲート跡は凸とならないが汚い」ことが挙げられる。
(4)ピンゲート(3プレート金型)
長所として、「後工程でゲートカットが不要」、「ゲート跡が小さく目立ちにくい」、「多点化・多数個取りが容易」、「均等な圧力分布が得られやすい」ことが挙げられる。一方、短所として、「ランナーが長いため材料使用量が多い」、「金型サイズが大きい」、「構造が複雑・高価」であることが挙げられる。
押し出し部跡91a,91bは、型抜き時に成型品に押し出しピン等の押し出し部が当接した跡であり、胴部68の下端面と段部69の下面とに周方向に所定間隔をおいて複数配置されている。段部69の下面の押し出し部跡91bは円形状であり、胴部68の下端面の押し出し部跡91aは、段部69側の押し出し部跡91bよりも小さい半円形状である。従って、成型時には操作ボタン64の各押し出し位置の条件に応じて、大きさの異なる二種類の押し出し部が使用されている。
ここで、「押し出し部跡」について簡単に説明する。なお、これまでの説明とこれ以降の説明の中で度々「押し出し部跡」という名称が登場するが、これに代えて、当業者間で普遍的に用いられている「押し出しピン跡、エジェクタ(Ejector)ピン跡」という名称を用いても(置換しても)よい。また、この場合、「押し出し手段」に相当するものが「押し出しピン(押出ピンも同義)、エジェクタピン」ということになる。
操作ボタン64の樹脂成型に際しては、図15に示すように、樹脂流し込み部跡90に対応する樹脂流し込み部から、固定金型と可動金型との間のキャビティ内へと90a矢示方向に溶融樹脂を流し込んで所定の操作ボタン形状に成型する。樹脂流し込み部跡90は胴部68の上下方向の略中央部にあり、この樹脂流し込み部跡90に対応する樹脂流し込み部から径方向(90a矢示方向)に溶融樹脂を流し込む。そのため成型時にキャビティ内の全体に略均一に溶融樹脂を流し込むことが可能であり、また溶融樹脂の合流によるウエルドラインの発生を防止することができる。
ここで、「ウエルドライン」について簡単に説明する。成型品に中空部などを形成するために、ピンやコアなどを設けてしまうと、その部分においては樹脂の分流が起きてしまい、その部分を回り込んだときに再び合流するために細い線(ライン)が発生してしまう。この「樹脂成形において、金型内で溶融樹脂の流れが合流して融着した部分に発生する細い線」こそがウエルドラインであるが、ウェルドライン、ウェールドラインなどと表記されることもある。
なお、これまでの説明とこれ以降の説明の中で度々「ウエルドライン」という名称が登場するが、これに代えて、「(樹脂成型時における)樹脂合流部に発生し得るライン」または「樹脂合流線、樹脂合流ライン」などと表現してもよい。以下にウエルドラインができるまでの過程を示す。
樹脂流し込み部から径方向の90a矢示方向に流し込まれた溶融樹脂は、図15に示すように、樹脂流し込み部から胴部68の裏側全域のキャビティ内で左右方向(90b矢示方向,90c矢示方向)及び上下方向(90d矢示方向,90e矢示方向)へと略均一に放射状に流動する。例えば、溶融樹脂は樹脂流し込み部から胴部68のキャビティ内を左右方向(90b矢示方向,90c矢示方向)に流動すると共に、樹脂流し込み部から胴部68のキャビティ内を上下方向(90d矢示方向,90e矢示方向)へと流動する。
しかし、左右方向(90b矢示方向,90c矢示方向)に流動する溶融樹脂は、その前側にある左右の切り欠き部(流動阻害部)68aまで達すれば、この切り欠き部68aにより前側への流動を阻害されるので、この切り欠き部68aを越えて溶融樹脂が左右両側から胴部68の前側へと流動することはない。一方、上方向(90d矢示方向)へと流動する溶融樹脂は、キャビティの左右の切り欠き部68a間の操作部70の頂部側を経て胴部68の前側へと連通状態にあるので、その左右の切り欠き部68a間の操作部70の頂部側を経て胴部68の前側へと流動する。
キャビティ内の溶融樹脂が硬化すれば、その後に型開きを行い、可動金型側の押し出し部により成型品を押し出して可動金型から取り外す。押し出し部跡91a,91bは操作ボタン64の胴部68の下端面と段部69の下面とに周方向に複数配置されており、その押し出し部跡91a,91bに対応する各押し出し部の押し出し動作により押し出すため、操作ボタン64の成型品を可動金型から容易に取り外すことができる。
その後、ランナー等を工具で切り取れば、所定の操作ボタン64を得ることができるが、その操作ボタン64には、胴部68の外周には樹脂流し込み部に応じた形状の樹脂流し込み部跡90が残り、また胴部68の下端面と段部69の下面とに凹入状の押し出し部跡91a,91bが残る。
このようにして操作ボタン64を射出成型すれば、操作ボタン64用のキャビティ内において、二手に別れた溶融樹脂が合流することはなく、ウエルドラインの発生を防止することができる。そのため操作ボタン64の強度が向上し、遊技中の遊技者が操作ボタン64を頻繁に殴打又は押圧する場合でも、その衝撃に対して十分に抗するだけの強度を確保することができる。
しかも、樹脂流し込み部に応じた形状の樹脂流し込み部跡90が残るが、樹脂流し込み部跡90が一箇所であり、しかも胴部68の後部であるため、ウエルドラインが発生しないことと相俟って、操作ボタン64の美観が向上する。更に胴部68の下端面と段部69の下面とに凹入状の押し出し部跡91a,91bが残るが、操作ボタン64の形状、構造に応じて段部69側の押し出し部跡91bが大であり、胴部68の下端側の押し出し部跡91aが小であるため、操作ボタン64の部位に応じた押し出し部を配置することができる。
第1上部ユニット57は、上下方向に長い前面側の側部カバー93と、この側部カバー93の裏側に配置されたLED式の発光演出手段(図示省略)を備え、所定の演出時に発光演出手段からの光により側部カバー93の所定部位が発光するようになっている。
第2上部ユニット58は、図10に示すように、視認窓53の上側から右側に跨がって正面視L字状に形成された板金製の補強枠94と、視認窓53の上側で補強枠94の前面に装着された左右方向の横本体部95と、視認窓53の右側で補強枠94の前面に装着された上下方向の縦本体部96と、横本体部95の中央部に前後方向に移動可能に配置された可動演出手段97と、縦本体部96の上下略中央部に配置された第2操作演出手段47とを備え、係合手段98、締結手段99等の装着手段を介して扉枠55の前面に着脱可能に装着されている。
第2上部ユニット58は、係合手段98、締結手段99を介して前扉4の扉枠55の前面側に着脱可能に装着されている。係合手段98、締結手段99は、L字状の補強枠94の両端部と、その中間部との複数箇所に分散して配置されている。各係合手段98は、図16に示すように、補強枠94から裏側に突出する係合フック100を備え、その係合フック100を扉枠55の通孔101に挿入して扉枠55の被係合部102に上側から係脱自在に係合するようになっている。また複数の係合手段98の内、その一つの係合手段98には、この係合手段98を係合状態で離脱不能に締め付けるためのクランプ手段103が設けられている。
このクランプ手段103は、扉枠55の取り付け部104に枢軸105により回動自在に枢着されたクランプレバー106と、クランプレバー106の中間に連結軸107により連結され且つ係合フック100に上側から係脱自在に係合可能に設けられたクランプ具108とを有し、そのクランプ具108を係合フック100に係合した状態で、クランプレバー106を枢軸105廻りに下方に回動させて、連結軸107がクランプ具108の係合フック100に対する係合位置と枢軸105とを結ぶ延長線を扉枠55側に超えるまでクランプレバー106を枢軸105廻りに回動させたときに、係合手段98を離脱不能に締め付けるようになっている。なお、クランプ手段103は、クランプレバー106を枢軸105廻りに逆方向に回動させたときに、係合手段98の締め付けを解除する。
締結手段99は、図17に示すように、扉枠55の裏側の取り付け部113から扉枠55に挿通された締結ネジ110を備え、締結ネジ110の摘まみ部111を操作してその先端側を補強枠94側のネジ孔112に螺合することにより、この締結ネジ110により補強枠94を扉枠55側に締め付けるようになっている。なお、扉枠55の前面には、樹脂製の扉板が装着されている。
第2上部ユニット58を扉枠55に取り付ける場合には、先ず扉枠55の前側に第2上部ユニット58を配置して、各係合手段98の係合フック100を扉枠55の被係合部102に係合する。次に扉枠55の裏側で何れかの係合手段98に対応するクランプ手段103により、その係合フック100をクランプして係合手段98を離脱不能に締め付ける。最後に扉枠55の裏側から締結手段99の締結ネジ110を操作して、第2上部ユニット58の補強枠94を扉枠55側に締結する。なお、第2上部ユニット58を取り外す場合は、逆の手順により行う。
なお、横本体部95、縦本体部96は補強枠94から前側に突出して設けられており、その内部にはLED式等の発光演出手段が組み込まれている。
可動演出手段97は、「蝶」の頭部と前翅とを模して構成され且つ前向きに配置された可動演出体114と、この可動演出体114を裏側から支持し且つ可動演出体114を原点位置114Aと前進位置114Bとの間で前後方向に移動可能に駆動する演出体駆動手段115と、可動演出体114を振動させる振動手段(図示省略)とを備えている。
この可動演出手段97は、通常時には可動演出体114が原点位置114Aにあり、また第2操作演出時には、可動演出体114が原点位置114Aと前進位置114Bとの間で1回又は複数回前進し後退する移動演出動作と、可動演出体114が原点位置114A及び/又は前進位置114Bで前後に振動する振動演出動作との複数の演出動作との内、その何れかを選択的に行うようになっている。なお、可動演出体114は前進位置114Bで所定時間停止して、その後に原点位置114Aに復帰するようにしてもよい。
可動演出手段97は、図18に示すように横本体部95の上面から上側に突出する突出位置114Cと、図19に示すように前枠3の前後方向の投影領域内に収まる格納位置114Dとの間で前後方向の回動軸(図示省略)廻りに回動可能である。なお、可動演出手段97は、ロック手段(図示省略)により突出位置114Cと格納位置114Dとの各位置でロック可能である。
このように可動演出手段97を突出位置114Cと格納位置114Dとの間で姿勢変更可能に設けることにより、遊技機1を梱包ケースに収納して梱包する際には、可動演出手段97を格納位置114Dにコンパクトに格納することが可能であり、また遊技ホールの島設備に設置した後は、可動演出手段97を突出位置114Cに突出させた状態で使用することが可能である。
第2操作演出手段47は第2操作演出を実行させる際に操作するものであって、図1、図2に示すように、その前端に配置され且つ原点位置118Aのときに前側から後方へと押圧操作可能な操作部118と、この操作部118を裏側から支持し且つ操作部118を原点位置118Aと前進位置118Bとの間で前後方向に移動可能に駆動する操作部駆動手段119と、原点位置118Aでの操作部118の押圧操作を検出する第2検出スイッチ(図示省略)とを備えている。操作部駆動手段119には、原点位置118A側の操作部118を後方に押圧操作可能な所定の遊びがあり、操作部118はその遊びの範囲内で付勢手段により原点位置118Aへと前向きに付勢されている。
この第2操作演出手段47は、操作部118が原点位置118Aと前進位置118Bとの間で前後に移動する移動動作と、原点位置118A側で操作部118を押圧する押圧動作との二つの動作が可能であり、例えば第2操作誘導表示手段41に第2操作誘導画像41aが表示された場合に、その第2操作誘導画像41aの表示期間中に遊技者が第2操作演出手段47の操作部118を押圧操作すれば、可動演出手段97が原点位置118Aと前進位置118Bとの間で前後に移動する演出動作を行うと共に、その可動演出に同期して液晶表示手段28に第2操作演出画像(図示省略)が表示される等により、所定の第2操作演出が実行されるようになっている。
前扉4には、図1、図2、図10に示すように、所要箇所に第1〜第5注意喚起表示手段120〜124が設けられている。第1注意喚起表示手段120は可動演出手段97の組み立てに関する注意事項を遊技機設置者に対して表示するものであり、第2上部ユニット58の横本体部95の上面で可動演出手段97の近傍に設けられている。第2注意喚起表示手段121は第2上部ユニット58の組み立てに関する注意事項を遊技機設置者に対して直接又は間接的に表示するもので、第2上部ユニット58の縦本体部96の右側面の上部側に設けられている。
第3注意喚起表示手段122は可動演出手段97の動作に関する注意事項を遊技者に対して直接又は間接的に表示するもので、第2上部ユニット58の縦本体部96の前側面で可動演出手段97の下側近傍に設けられている。第4注意喚起表示手段123は第2操作演出手段47の動作に関する注意事項を遊技者に対して直接又は間接的に表示するもので、第2操作演出手段47の下側近傍に設けられている。第5注意喚起表示手段124は第1操作演出手段46の動作に関する注意事項を遊技者に対して注意事項を直接又は間接的に表示するもので、下部カバー62の前面又は上面で第1操作演出手段46の近傍に設けられている。
第1注意喚起表示手段120は、可動演出手段97の可動演出体114を突出状態に組み立てる組み立て作業に関し、複数の作業工程がある場合に、重要性の低い作業に関する一部の注意事項を除き、重要性の高い主要な作業工程の注意事項を表示して注意を喚起する。例えば、遊技機1の島設備への設置に際しては、遊技機1の梱包を島設備に取り付けた後に、格納位置114Dでのロック手段による可動演出体114のロックを解除し、可動演出体114を前後軸廻りに格納位置114Dから突出位置114Cへと回動させて、その突出位置114Cで可動演出体114を再度回動不能にロック手段によりロックする各組み立て作業が必要である。
そこで、第1注意喚起表示手段120は、「1.格納位置の可動演出体のロックを解除。2.可動演出体を突出位置へと回転。3.可動演出体を突出位置にロック。」等のように、複数の作業工程を経て可動演出体114を突出位置114Cにセットする必要がある場合に、自明な作業工程等の重要性の低い作業に関する一部の注意事項を除き、可動演出体114を安全にセットする上で注意すべき重要な作業に関する注意事項を表示して、その表示事項により作業者に対して注意を喚起する。
このように可動演出手段97の近傍に配置された第1注意喚起表示手段120により、可動演出体114を突出状態に組み立てる際の重要な組み立て作業工程を明示的に表示しておけば、作業者は可動演出体114を組み立てる上で、どの作業工程に注意を払うべきか否か容易に把握することができ、また第1注意喚起表示手段120の注意事項に沿って作業を進めることにより、安全且つ能率的に可動演出体114を突出状態にセットすることができる。
更に第1注意喚起表示手段120には、自明な作業工程等の重要性の低い作業に関する注意事項を除いて、可動演出体114を安全にセットする上で重要な作業に関する注意事項を表示しているので、全ての事項を細かく網羅する場合に比較して、第1注意喚起表示手段120の限られた表示面積の中に必要不可欠な注意事項を判り易く表示することができる。その結果、作業者の作業上のミスの発生も極力防止することが可能である。また第1注意喚起表示手段120を大きくする必要がないので、それによって遊技機1全体の美観を損なうようなこともない。
しかも可動演出体114が第2上部ユニット58に設けられており、その第2上部ユニット58が扉枠55に対して着脱可能であることから、第1注意喚起表示手段120も可動演出体114と同じく第2上部ユニット58に設けることにより、第2上部ユニット58を窓枠から取り外した状態でも、可動演出体114と第1注意喚起表示手段120とが別々になるようなことがなく、第1注意喚起表示手段120の可動演出体114に関する表示を何時でも容易に確認することができ、管理が容易になる利点がある。
第2注意喚起表示手段121は、第2上部ユニット58を扉枠55に装着する際の装着作業に関する注意事項を表示する。第2上部ユニット58を扉枠55に取り付ける場合には、扉枠55の前側に第2上部ユニット58を配置して、その各係合手段98の係合フック100を扉枠55の被係合部102に係合した後、扉枠55の裏側で何れかの係合手段98に対応するクランプ手段103により、その係合フック100をクランプして係合手段98を離脱不能に締め付け、最後に扉枠55の裏側から締結手段99の締結ネジ110を操作して、第2上部ユニット58の補強板を扉枠55側に締結する。
そこで、第2注意喚起表示手段121は、「1.係合手段を扉枠に係合。2.クランプ手段で係合手段をクランプ。3.締結ネジにより第2上部ユニットを扉枠側に締結。」等のように、複数の作業工程を経て第2上部ユニット58を扉枠55の前側に装着する必要がある場合に、自明な作業工程等の重要性の低い作業に関する一部の注意事項を除き、第2上部ユニット58を安全に装着する上で注意すべき重要な作業に関する注意事項を表示して、その表示事項により作業者に対して注意を喚起する。そのため第1注意喚起表示手段120と同様の効果を得ることができる。
第3注意喚起表示手段122は、第2上部ユニット58の横本体部95の前側面で可動演出手段97の下側近傍に設けられている。可動演出手段97の可動演出体114は原点位置114Aと前進位置114Bとの間で前後に移動するため、可動演出体114が前進位置114Bに位置するときに遊技中の遊技者が立ち上がれば、前進位置114Bの可動演出体114で頭を打つ惧れがある。そのため第3注意喚起表示手段122には、「頭上注意!」等の注意喚起表示と共に、可動演出体114の前後移動、又は前進位置114Bの可動演出体114に対する注意事項が文字、図等により表示されており、その表示により遊技者の注意を喚起するようになっている。
第4注意喚起表示手段123は、第2上部ユニット58の縦本体部96の前側面で第2操作演出手段47の下側近傍に設けられている。第2操作演出手段47の操作部118は、原点位置118Aと前進位置118Bとの間で前後に移動するため、その操作部118を操作する際に縦本体部96の前面との間で手指を挟み込む惧れがある。そのため第4注意喚起表示手段123には、「指挟み込み注意!」等の注意喚起表示と共に、手指の挟み込みについての注意事項が文字、図等により表示されており、第2操作演出手段47の周辺近傍に貼付されている。
なお、第2操作演出手段47の操作部118が前進位置118Bに位置するときに、遊技者の身体、腕等が操作部118に接触する惧れがある場合には、第4注意喚起表示手段123に異なる注意事項を表示してもよい。操作部118に関する異なる注意事項は、単独又は別々の何れで表示してもよい。
第5注意喚起表示手段124は、第1操作演出手段46の近傍で下部カバー62に設けられている。例えば第1操作演出手段46は、操作ボタン64の押圧による上下動作の第1動作、回転発光手段67による回転発光動作の第2動作、振動手段66による振動動作の第3動作の三つの動作が可能である。このような場合に第5注意喚起表示手段124には、第1操作演出手段46の動作に関する注意事項を直接又は間接的に表示して遊技者の注意を喚起するが、三つの動作の内、第2動作、第3動作のように遊技者に対する注意喚起度合いの低い動作については表示せずに、遊技者に対する注意喚起度合いの高い第1動作の注意喚起情報を表示するようになっている。
第1操作演出手段46が第1〜第3動作の複数の動作を行う場合に、第5注意喚起表示手段124に各動作毎の注意喚起情報を全て表示すれば、注意喚起情報の表示による注意喚起効果の実効性が却って低下する。即ち、遊技機本体2,3の前面の下部カバー62に第5注意喚起表示手段124を設けるとしても、その配置領域にもスペース的な制限があり、無制限に大きく確保することはできない。そのため第1〜第3動作を行う第1操作演出手段46の各動作毎の注意喚起情報を全て表示すれば、各注意喚起情報の表示が小さくなり過ぎて遊技者が確認し辛くなり、注意喚起情報の表示による注意喚起効果が却って低下する。しかし、第5注意喚起表示手段124により、遊技者に対する注意喚起度合いの高い第1動作の注意喚起情報を表示すれば、遊技者はその注意喚起情報を的確に把握することができる。
遊技者に対する注意喚起度合いの高低は、第1〜第3動作を操作ボタン64の移動量の大小で捉えてもよい。例えば、上下動作の第1動作は操作ボタン64の移動量が大であり、回転発光動作の第2動作は操作ボタン64の移動がなく、振動手段66による振動動作の第3動作は操作ボタン64の移動量が小である場合には、前述と同様に、操作ボタン64の移動量が大きい第1動作に関する注意喚起情報を第5注意喚起表示手段124により表示することになる。
第1操作演出手段46の操作ボタン64は樹脂製であって、大きな衝撃力を加えれば破損する惧れがあるため、第5注意喚起表示手段124には、「操作ボタン破損注意!」等の注意喚起表示と共に、操作ボタン64の破損についての注意事項を文字、図等により表示してもよい。この場合には、操作ボタン64の破損に関する注意事項が遊技者に対する注意喚起度合いの高い注意喚起情報と云うことができる。
なお、可動演出手段97においても、可動演出体114が原点位置114Aと前進位置114Bとの間で移動する第1動作と、可動演出体114が原点位置114A及び/又は前進位置114Bで振動する第2動作の二つの動作を行うので、第3注意喚起表示手段122により注意喚起情報を表示する場合には、移動量の小さい第2動作は表示せずに、移動量の大きい第1動作について注意喚起情報を表示するようにしてもよい。
第4注意喚起表示手段123により第2操作演出手段47に関する注意喚起情報を表示する場合にも、同様に構成してもよい。
なお、注意喚起表示手段120〜124は、注意事項を印刷した表示シートにより構成し、その表示シートを所定箇所に粘着、接着等により貼付するのが一般的であるが、表示シートに代えて注意喚起表示、その他の注意喚起情報を印刷、刻印等で表示してもよい。また第3〜第5注意喚起表示手段122〜124に表示される注意喚起情報としては、安全上の注意事項、対象箇所の動作上又は操作上の特徴的事項に関する注意を促すものであればよい。
ここで、遊技者又は遊技機設置者に対する注意喚起情報の開示について説明する。
<1.遊技者に対する注意喚起>
<1−1>同一可動体において複数動作がある場合
例えば、可動演出手段97において、その演出動作として、可動演出体114が手前方向に飛び出る動作(第1動作)と、可動演出体114の前面側の発光部が発光する発光動作(第2動作)との二つがある場合について考察する。可動演出体114の第1動作が有する潜在的リスクとしては、第1動作の存在を知らない遊技者が可動演出体114上に財布、タバコ等の小物を置く、又は遊技機の上方に配置された島設備側のデータ表示器を見ようと手を伸ばす、等の行為を行っていた場合に、小物が可動演出体114から落下したり、手が可動演出体114に当たったりすることが考えられる。
また発光部の第2動作が有する潜在的リスクとしては、第2動作の存在を知らない遊技者が可動演出手段97の発光部を凝視しているタイミングで激しい発光が行われた場合に目を傷めるリスクがある。しかしながら、遊技機において所定箇所が発光することは遊技者に広く知られており、可動演出手段97が光ることはある程度想定の範囲内であると言える。
従って、可動演出手段97の演出動作に関する注意喚起を行うに当たっては、「可動(少なくとも一部の位置が変わる)」と、「発光(少なくとも一部の色が変わる、又は消灯状態から点灯状態に変わる、又は低輝度発光状態から高輝度発光状態に変わる)」とでは、「可動」を知らなかった場合の方が潜在的リスクが大きいと言えるため、第1注意喚起表示手段120で注意喚起を行う優先順位(「注意喚起度合い」)は、「可動」の方が「発光」よりも高い。
そこで、第1注意喚起表示手段120は、少なくとも優先順位の高い第1動作の「可動」に関する注意事項を主として大きく表示し、また優先順位の低い第2動作の「発光」に関する注意事項は省略するか、又は小さく表示する。
<1−2>同一種別の動作を複数行う可動体がある場合
1−1で示したように、「発光」よりも「可動」の方が潜在的リスクが高いと言えるが、同一種別の動作(発光、可動)であっても、その動作量(動作程度)に差又は違いがある場合も考えられる。
例えば、動作種別が「発光」の場合においても、消灯状態から点灯状態になる場合と、低輝度発光状態から高輝度発光状態になる場合では、前者の方が目に与える負担が大きく、また高輝度高速点滅の場合と、点灯(非点滅)又は低輝度低速点滅(グラデーション発光)の場合では、前者の方が目に与える負担が大きい等、遊技者が受ける負担に大きな違いがある。
更に動作種別が「可動」の場合においても、動作量が大きい(例えば20cm移動する)場合と、動作量が小さい(例えば5cm移動する)場合では、前者の方が手や頭等をぶつける危険性が高くなり、また可動体が飛び出す場合と、可動体が振動する場合では、前者の方が手や頭をぶつける危険性が高くなる。
従って、注意喚起表示手段により遊技者に対して注意喚起を行うに当たっても、同一の可動体が同一種別の動作において複数の動作態様を有している場合、目に与える負担が大きい動作態様、又は、手や頭をぶつける危険性が高い動作態様(ケガをする可能性があるもの)は、他の動作態様に比較して注意喚起の優先順位が高い。そのため注意喚起表示手段での注意喚起に際しては、優先順位の高い動作態様に関する注意喚起を優先的に表示して、優先順位の低い動作態様は省略するか、又は副次的に小さく表示する。
<1−3>同一種別の動作を行う可動体が複数ある場合
1−2では、1つの可動体において同一種別の動作態様が複数ある場合について説明したが、ここでは、同一種別の動作を行う可動体(又は演出体)が複数ある場合について説明する。
例えば、動作種別が「発光」である場合、略同一の発光動作(高速点滅、高輝度点灯、消灯状態から発光状態に変化等)を2以上の可動体が行う場合があるとして、遊技者の目線から近い位置にある可動体(例えば、第2操作演出手段47のように遊技機枠の側面前面側に備えられている可動体)と、遊技者の目線から遠い位置にある可動体(例えば、可動演出手段97のように遊技機枠上部に備えられている可動体、若しくは第1操作演出手段46のように遊技機枠下部に備えられている可動体)とでは、前者の方が目に与える負担が大きい。
また、動作種別が「可動」である場合、略同一の可動動作(移動、回転、振動)を2以上の可動体が行う場合があるとして、前後方向に移動する可動体(例えば、第2操作演出手段47)と、上下方向に移動する可動体(例えば、第1操作演出手段46)とでは、前者の方が頭をぶつける危険性は高い(ともに可動を認識していなかった場合の比較)。回転や振動も同様に、可動体自身の大きさや可動体の周囲の構造物(平らであるか凹凸があるか等)との関係性によって、手を挟んだり頭をぶつけたりする危険性の大小を定義することが可能である。
従って、同一種別の動作が複数の可動体によって行われる場合であっても、その中で遊技者に与える負担が大きいものは、注意喚起表示手段により注意喚起を行うときの優先順位は高い。そのため優先順位の高い演出動作は優先的に表示し、優先順位の低い演出動作は省略又は副次的に表示する。
<2.遊技機設置者に対する注意喚起>
遊技機設置者に対する注意喚起度合いは、先に述べた遊技者に対するそれとは異なる。遊技機を設置する場合、当然ながら電源は入っておらず、前述した「発光」や「可動」といった動作は行われない。なお、設置後に動作確認のため電源を投入することもあるが、ここでは電源非投入時を想定して説明する。
<2−1.1の部材を組み立てる場合>
遊技機枠等に対して1部材を組み立てる場合には、原則的には組み立て順序の注意喚起は不要であり、「指挟み込み注意!」のように遊技機設置者の作業時の怪我に対する注意喚起が優先的となる。
なお、1部材の組み立てにおいても、上(又は下)に移動させた後に、その位置から左(又は右)に移動させて固定する等の複数の工程を経て組み立てる場合には、組み立て順序に関する注意事項を優先し、作業時の怪我に対する注意事項を副次的にしてもよい。
<2−2.2以上の部材を所定順序で組み立てる場合>
遊技機枠等に対して2以上の部材を所定順序で組み立てる場合には、逆に「指挟み込み注意」等の注意喚起に対する優先順位は低くなり、「組み立て順序注意!」のように各部材の組み立て順序の注意喚起の優先順位が高くなる。そのため組み立て順序の注意事項を優先的に表示し、「指挟み込み注意」等の注意事項を副次的に表示する。
<3.遊技者に対する注意喚起表示手段と遊技機設置者に対する注意喚起表示手段>
<3−1.注意喚起表示手段の数の違い>
遊技者に対する注意喚起表示手段の数を、遊技機設置者に対する注意喚起表示手段の数より多くする。その理由は、遊技機設置者は「取扱説明書」において注意点を記載しているため、遊技機に配置する注意喚起表示手段は必要最低限に抑えられるのに対し、遊技者に対しては遊技機上でしか注意喚起する場がないため、必要となる注意喚起表示手段の数が多くなるからである。また、別の理由としては、極力美観を損ねないように1個の注意喚起表示手段を小さくするために、1個の注意喚起表示手段に対して1種類(1動作)の注意喚起しか行わないためでもある。
<3−2.注意喚起表示手段の位置の違い>
遊技者に対する注意喚起表示手段は遊技機正面側、遊技機設置者に対する注意喚起表示手段は遊技機側面(上、左右等)に配置する。さらに、遊技機設置者に対する注意喚起表示手段は、扉開放時にのみ視認可能となる位置に表示するようにしてもよい。
<3−3.注意喚起表示手段の大きさの違い>
遊技者に対する注意喚起表示手段は注意喚起力を有しつつも美観も損ねないようにし、遊技機設置者に対する注意喚起表示手段は美観よりも注意喚起力を重視する。また、遊技機設置者に対する注意喚起表示手段は、遊技者から見えない(又は見えにくい)位置にあるということもあって、1つの注意喚起表示手段に、異なる2以上の注意喚起対象に関する複数の注意喚起事項を表示してもよいし、1の注意喚起対象に対する複数の注意喚起事項を表示してもよい。例えば、「指挟み込み注意」という表示と「組み立て順序注意」という表示を1の印刷物等の注意喚起表示手段で行う等である。
<3−4.注意喚起表示の表示方法の違い>
遊技者に対する注意喚起表示手段は、遊技者に見える位置ということもあり、例えば簡単にはがれるタイプのシール等で表示した場合には、故意又は過失によってはがれてしまうおそれがある。従って、より粘着力の高いシールを採用したり、手で触れることのできないように表面をコーティングしたり、その他種々の対策が考えられる。
一方、遊技機設置者に対する注意喚起表示手段は、基本的に遊技機設置者しか見ないことと、一度設置してしまえばその後組み立て直すという作業はそれほど頻繁に発生するものではないため、少なくとも過失によりはがれてしまう可能性は低い。従って、遊技者に対する注意喚起表示手段と比較して粘着性がそれほど高くない一般的なシール等を採用することでコスト低減の効果が期待できる。
なお、その他の対策案として、遊技者に対する注意喚起表示手段は周囲を凸部で覆う(四辺すべてでなくてもよい)か、もしくは注意喚起表示手段の注意喚起表示領域だけ周囲より一段下がった凹部にする等してはがれ対策を施すことも考えられる。この場合も、遊技機設置者に対する注意喚起表示は同様の対策を施さない等、注意喚起対象者によって差別化することにより、コスト低減の効果が期待できる。
なお、上述したように注意喚起対象者によって対策方法を分けても良いし、注意喚起内容によって対策方法を分けてもよい(例えば、可動に対する注意喚起表示手段には対策を施し、発光に対する注意喚起表示手段には対策を施さない等)し、注意喚起場所によって対策方法を分ける(例えば、枠に表示する注意喚起表示手段には対策を施し、盤面に表示する注意喚起表示手段には対策を施さない等)ようにしてもよい。
なお、前扉4は、視認窓53及びガラスユニット等を備えた上部側のガラス扉と、操作演出手段、上皿52、下皿61及び発射ハンドル63等を備えた下部側の開閉扉とに二分割して、そのガラス扉と開閉扉とが別々に略同一軸心上の第2ヒンジ手段7廻りに開閉するように構成することも可能である。
遊技盤16の裏側には、図9に示すように、裏取り付け台127と集球ケース128とが上下に装着されている。裏取り付け台127には、センターケース29の表示窓29aの後方に対向して配置された液晶表示手段28と、遊技盤16と液晶表示手段28との間に配置された可動演出手段(図示省略)とが取り付けられている。また裏取り付け台127は下部側にカバー部127aを有し、そのカバー部127aにより、特別図柄始動手段31、可変入賞手段32、普通入賞手段33等の遊技盤16から裏側へと突出する突出部(図示省略)を裏側から覆うようになっている。
液晶表示手段28は保護ケース129に収容され、裏取り付け台127の裏側の液晶装着部130に着脱自在に固定されている。集球ケース128は特別図柄始動手段31、可変入賞手段32、普通入賞手段33等に入賞して遊技盤16の裏側に誘導された遊技球を集めるためのもので、図9に示すように、後壁部128aの上部側が裏取り付け台127のカバー部127aの裏側に重なって配置されている。この集球ケース128には遊技球を下側へと排出する排出口128bが設けられ、その排出口128bから排出通路131を経て機外へと遊技球を排出するようになっている。排出通路131は基板取り付け台34の前側に上下方向に設けられている。
遊技盤16の裏側には、図3、図9、図20、図21に示すように、液晶表示手段28の裏側に対応して、演出基板133を収容する演出基板ケース134と、液晶基板135を収容する液晶基板ケース136とが左右に並べて配置され、その下側の集球ケース128の裏側に、主基板137を収容する主基板ケース138が配置されている。演出基板ケース134、液晶基板ケース136は、裏取り付け台127と集球ケース128とに跨がってその裏側に取り付けられ、主基板ケース138は集球ケース128の裏側に取り付けられている。
前枠3の下部装着部15の裏側には、図3、図9、図20、図21に示すように、排出通路131を備えた基板取り付け台34が固定され、その基板取り付け台34の裏側に、電源基板140を収容する電源基板ケース141と、払い出し基板142を収容する払い出し基板ケース143とが前後に重ねて配置されている。
各基板ケース134,136,138,141,143は透明な樹脂製であって、その内部の基板133,135,137,140,142を裏側から透視により視認可能である。また基板ケース134,136,138,143は透明な樹脂製の裏カバー22に保護されており、その裏カバー22の裏側からも透視により基板133,135,137,142を視認できるようになっている。
裏カバー22は無色透明又は着色透明な合成樹脂製であって、図3、図8、図9、図22に示すように、前枠3の裏保護部14から後方に突出する演出基板ケース134、液晶基板ケース136、主基板ケース138、電源基板ケース141及び払い出し基板ケース143等の裏部品を裏側から覆う平坦状の背面部144と、この背面部144の外周縁に沿って前側に屈曲状に形成され且つ演出基板ケース134、液晶基板ケース136、主基板ケース138等の裏部品を外周側から保護する周縁部145とを一体に備えている。これは、それ自体の剛性を確保し、また各基板ケース134,136,138,141,143等の裏部品に対するセキュリティを確保するためである。この裏カバー22は、前枠3の裏保護部14の裏側に第3ヒンジ手段21とラッチ手段24とにより開閉及び着脱可能に装着されている。なお、第3ヒンジ手段21、ラッチ手段24は上下方向に複数設けられている。
裏カバー22は、背面部144の外周縁に周縁部145を一体に備えることにより所定の剛性を確保している。周縁部145は、左右両側の屈曲部145a,145b、上下両側の屈曲部145c,145dとを備え、その屈曲部145a,145b,145c,145dの前側への屈曲長さは、裏保護部14等の相手側部材との相対的な関係により決まるものであり、前端側が裏保護部14等に当接又は近接するように裏保護部14等に応じて部分的に屈曲長さが異なっている。
例えば、裏カバー22の周縁部145の左右の屈曲部145a,145bは、裏保護部14の一端側の取り付け部20aと他端側の取り付け部20bとの後方向への突出量の大小に応じて、裏保護部14の一端側の取り付け部20aに対応する一端側の屈曲部145aの前側への屈曲長さが長く、裏保護部14の他端側の取り付け部20bに対応する他端側の屈曲部145bの前側への屈曲長さが短くなっている。
裏カバー22の周縁部145は、図3に示すように、左右の屈曲部145a,145bの他に上下の屈曲部145c,145dがあり、その上側の屈曲部145cは球タンク48、案内レール49の底面側と略平行に傾斜しており、裏保護部14の上壁部19の後端に当接している。なお、裏保護部14の上壁部19は、裏カバー22の上側の屈曲部145cが当接する後端側が傾斜状になっている。
裏カバー22の下側の屈曲部145dは略水平状であって、裏カバー22の所定の剛性dを確保できる程度に前側に突出している。この下側の屈曲部145dと基板取り付け台34との間には外気導入部146が形成されており、この外気導入部146から外気を導入して裏カバー22内を上昇させることにより、後述の発熱性の電子部品からの熱を放熱するようになっている。なお、裏カバー22の下側の屈曲部145dは略水平状である必要はない。
裏カバー22は、図6、図7に示すように、裏保護部14の裏側に当接又は近接して主基板ケース138等を裏側から覆う閉状態と、主基板ケース138等の裏側を開放する開状態とに第3ヒンジ手段21廻りに開閉自在である。また裏カバー22は開状態で第3ヒンジ手段21を上下に着脱することにより前枠3に対して着脱可能であり、裏カバー22側と前枠3側との間には、裏カバー22の着脱を規制する規制手段149が設けられている。
規制手段149は、図6、図7に示すように、裏カバー22を第3ヒンジ手段21廻りに閉位置22Aから開放した際に、その裏カバー22の開放角度が所定角度α1未満の場合には裏カバー22を着脱不能に規制し、裏カバー22が所定角度α1以上に開放して着脱位置22Bに位置したときに裏カバー22の規制を解除して、第3ヒンジ手段21を上下に分離して裏カバー22を遊技機本体2,3から取り外し得るようにしている。
この規制手段149は、図23〜図26に示すように、裏カバー22の上側の屈曲部145cと、この裏カバー22の上側近傍に配置され且つ裏カバー22よりも後方に突出する案内レール49とにより構成されている。そして、裏カバー22が所定角度α1未満の場合には、裏カバー22の屈曲部145cが案内レール49の下側にあって裏カバー22を着脱不能に規制し、また裏カバー22が所定角度α1以上に開放して着脱位置22Bに位置したときに裏カバー22の屈曲部145cが案内レール49から後方に退避して裏カバー22の規制を解除するようになっている。
裏カバー22は平坦状の背面部144と、この背面部144の外周から前側に屈曲する周縁部145とを一体に備えた構造であって、背面部144で単に基板ケース134,136,138,141,143等の裏部品を裏側から覆うだけでなく、背面部144の外周から前側に屈曲する周縁部145によって基板ケース134等の裏部品を外周側から保護してセキュリティを確保するようになっている。
そのため裏カバー22が所定角度α1以上に開放して着脱位置22Bに位置したときには、裏カバー22の周縁部145の上部側が、案内レール49から後方に外れる位置まで退避すると共に、裏カバー22の周縁部145の下部側が、基板ケース134等の裏部品から後方に外れる位置まで退避しており、裏カバー22を上側へと移動させても周縁部145が裏機構と干渉しないようになっている。
従って、裏カバー22を取り外す場合には、ラッチ手段24を解除した後、裏カバー22の上側の屈曲部145cが案内レール49から後方に外れる位置まで、裏カバー22を第3ヒンジ手段21廻りに後方へと所定角度α1以上に開放し、その状態で裏カバー22を持ち上げて各第3ヒンジ手段21を上下に分離して抜き取ればよい。
何故ならば、裏カバー22を第3ヒンジ手段21廻りに開放しても、裏カバー22が所定角度α1未満の場合には、裏カバー22を持ち上げても案内レール49の下側にあり、裏カバー22の上側の屈曲部145cが案内レール49の下面側に当接して、規制手段149が裏カバー22の取り外しを規制するため、第3ヒンジ手段21が上下に分離するまで裏カバー22を持ち上げることができない。
裏カバー22を所定角度α1以上に開放して着脱位置22Bから後方側に位置すれば、裏カバー22が案内レール49の後端から後方に外れて、裏カバー22を持ち上げても案内レール49の下側に当たらなくなり、裏カバー22に対する規制手段149の規制を解除できるので、裏カバー22を取り外すことができる。なお、裏カバー22を装着する場合には逆に行う。
このように裏カバー22の開放角度が所定角度α1未満の状態では、規制手段149で裏カバー22の取り外しを規制しておき、裏カバー22を所定角度α1以上開放したときに、規制手段149が裏カバー22の規制を解除して裏カバー22を取り外し可能にする。これによって裏カバー22を取り外す際に、その周縁部145の演出基板ケース134、液晶基板ケース136、払い出し基板ケース143等の裏部品に対する干渉を防止することができる。また規制手段149として、案内レール49を利用しているため、専用の規制手段を設ける場合に比較して構造的に簡素化することができる。
なお、遊技ホールの島設備150に遊技機1を装着した状態において、主基板ケース138等の裏側機構17の保守・点検等を行う際には、図26−1に示すように、前枠3を第1ヒンジ手段6廻りに開放し、その状態で裏カバー22を第3ヒンジ手段21廻りに開放して前枠3の裏側に回り込む必要がある。
この場合、図21に示すように、前枠3を支持する第1ヒンジ手段6と、裏カバー22を支持する第3ヒンジ手段21とが反対側にあれば、裏側機構17の手前側に裏カバー22があるため、この裏カバー22と島設備150との間に作業員が入り込んで保守・点検等の作業を行うことになる。これは、不正工作者が主基板ケース138を取り外して不正工作を行う場合にも同様であり、不正工作者は点検時と同様に開放状態にある裏カバー22と島設備150との間に入り込む必要がある。そのため裏カバー22を開放すれば非常に目立ち易くなるため、主基板137に対する不正工作等のように、裏カバー22を開放して行う不正工作を未然に防止できる利点がある。
裏カバー22の他端側の屈曲部145bは、その上下両端側の当接部152に配置されたラッチ手段24により裏保護部14の側壁部18の取り付け部20bに固定されている。ラッチ手段24は押し引き式であって、図27、図28に示すように、裏カバー22の屈曲部145bの当接部152に配置され且つ裏保護部14の取り付け部20bの取り付け孔153に内周側から係脱自在に係合する係合体154と、係合体154に押し引き操作可能に挿入された操作体155とを備えている。
係合体154は、当接部152の通孔156に挿通された胴部157と、胴部157の後端側に形成され且つ当接部152の裏面に当接する鍔部158と、胴部157の前端側に取り付け孔153に対して拡縮可能に設けられ且つ拡大したときに外周面が取り付け孔153の前部側に係合する周方向に複数の係合爪159とを有する。
操作体155は、係合体154の胴部157及び鍔部158に挿通された操作軸部160と、操作軸部160の後端側に設けられ且つ鍔部158の裏面に当接可能な押し引き用の操作部161と、操作軸部160の前端に設けられ且つ操作部161を押し込み位置161Aまで押し込んだときに係合爪159を外側へと拡大させ、操作部161を引き出し位置161Bまで引き出したときに係合爪159を内側へと縮小させる拡縮部162とを有する。なお、操作体155は係合体154から脱落しないようになっている。
このラッチ手段24は、図27に示すように、操作体155を押し込み位置161Aまで押し込んだときに、その操作部161の後端が裏カバー22の背面部144の裏面よりも前側に位置し、また操作体155を引き出し位置161Bまで引き出したときに、その操作部161の後端が裏カバー22の背面部144の裏面と略同高さか、又は背面部144の裏面よりも若干低い程度である。
裏カバー22の屈曲部145bをラッチ手段24により裏保護部14の取り付け部20bに固定する場合には、次のように行う。ラッチ手段24の操作体155を引き出し位置161Bまで引き出しておけば、係合爪159を取り付け部20bの取り付け孔153に挿入する際に、その係合爪159が取り付け孔153の内周に押圧されて収縮するので、係合体154の係合爪159が取り付け孔153へと挿入されて行く。これによって裏カバー22の屈曲部145bをラッチ手段24により裏保護部14の取り付け部20bに固定することができる。
係合爪159が取り付け部20bの取り付け孔153に刺されば、裏カバー22の当接部152が取り付け部20bの裏面に当接するので、操作体155の操作部161を押し込み位置161Aへと前側に押し込む。このとき操作体155の拡縮部162が係合爪159を外側へと拡大させるため、図27に実線で示すように、係合爪159の外周側が取り付け部20bの取り付け孔153の内周に圧接して、係合体154が裏カバー22の屈曲部145bと裏保護部14の取り付け部20bとを前後に結合する。これによってラッチ手段24により裏カバー22の屈曲部145bを裏保護部14の取り付け部20bに固定することができる。
操作体155を押し込み位置161Aまで押し込めば、その操作部161の後端が裏カバー22の背面部144の裏面よりも前側にあり、裏カバー22の背面部144に対して操作部161の後端が凹状態にあるので、ラッチ手段24が他のものの邪魔になるようなことはない。
裏カバー22の開閉等に際しては、先ずラッチ手段24による固定を解除する。その場合には、操作体155の操作部161を手指により把持し、操作体155を引き出し位置161Bまで引き出す。すると操作体155の拡縮部162が係合爪159から外れるので、裏カバー22の屈曲部145b側を後方に引けば、係合爪159が取り付け部20bの取り付け孔153から外れて、ラッチ手段24による演出基板ケース134の固定を解除することができる。
即ち、操作体155を引き出し位置161Bまで引き出せば、拡縮部162が係合爪159から外れるため、係合爪159がそれ自体の弾性力又は係合爪159と胴部157との結合部分の弾性力により内側に収縮するか、又は係合爪159が内側へと弾性変形可能になる。従って、次に操作部161を更に後方へと引っ張れば、図28に示すように、係合体154の係合爪159が取り付け部20bの取り付け孔153から後方に抜けるので、ラッチ手段24による固定を解除することができる。
ラッチ手段24の操作体155を引き出し位置161Bまで後方へと引き出した状態では、操作体155の操作部161の後端が裏カバー22の背面部144の裏面と略同高さか、又は背面部144の裏面よりも若干低い程度であるため、操作部161が裏カバー22の背面部144の裏面から突出するものに比較して、その操作部161が邪魔になるようなことはない。
第3ヒンジ手段21は上下方向に複数の3個設けられており、図29〜図34に示すように、裏カバー22の一端側の屈曲部145a側と一体に設けられたヒンジ軸147と、支持部材である裏保護部14の一端側の側壁部18aと一体に設けられ且つヒンジ軸147を受けるヒンジ軸受148とを備え、ヒンジ軸147が上下方向に縦軸心上に位置するように所定の間隔を置いて上下方向に複数配置されている。
ヒンジ軸147は外周面が略円筒面状であって、裏カバー22の他の部分の板厚よりも十分に大径であり、支持基部165の下側に下向きに突出している。このヒンジ軸147には、下端側にテーパー状の挿入用頭部166が設けられると共に、その挿入用頭部166と支持基部165との間に横断面略U字状に凹部167が設けられている。凹部167はヒンジ軸147の前面側から径方向に凹入しており、挿入用頭部166と支持基部165との間に上下の軸方向に長く形成されている。
従って、ヒンジ軸147は長径部分147Aと短径部分147Bとが略直角方向に配置された長円状であり、短径部分147Bの一端側に凹部167の開放端が位置する形状になっている。なお、ヒンジ軸147はその凹部167が前側に開放している。
支持基部165は、屈曲部145aの前端側に一体に設けられており、屈曲部145aから外側に突出する基部壁165aと、この基部壁165aから外側に突出する上下一対の半円状の支持壁165bと、基部壁165aに対して略直角に配置され且つ上下の支持壁165b間を上下方向に連結する連結壁165cとを有する。
ヒンジ軸受148は、側壁部18aの後端から内側に屈曲する支持基部169と、この支持基部169の裏側に一体に形成され且つヒンジ軸147を保持する保持部170とを有する。保持部170はヒンジ軸147を軸心廻りに回動自在に保持すると共に、ヒンジ軸147側の支持基部165を下側から支持するようになっている。支持基部165には、保持部170の上下幅と左右内幅に対応する成型用開口168が設けられている。
上下3個の第3ヒンジ手段21の内、上側の2個の第3ヒンジ手段21のヒンジ軸受148には、図30〜図31に示すように、保持部170が略平面視U字状に形成されている。この保持部170はヒンジ軸147を軸心廻りに回動自在に保持し且つ軸方向に挿脱自在に保持可能である。
下側の1個の第3ヒンジ手段21のヒンジ軸受148には、図33、図34に示すように、保持部170が支持基部169から後方に突出し且つ内外方向に弾性変形可能な一対の保持部材171により構成されており、その保持部材171の後端側にヒンジ軸147用の挿脱用切り欠き部172が形成されている。一対の保持部材171は、ヒンジ軸147を軸心廻りに回動自在に保持し且つ軸方向に挿脱自在に保持可能であり、また保持部材171の弾性変形により挿脱用切り欠き部172から前後方向にヒンジ軸147を挿脱することも可能である。
裏カバー22を第3ヒンジ手段21を介して裏保護部14に装着する場合には、各第3ヒンジ手段21のヒンジ軸147の軸心をヒンジ軸受148の保持部170に合わせた後、裏カバー22を押し下げて各ヒンジ軸147を挿入用頭部166側から保持部170内に挿入して行けばよい。
裏カバー22の寸法が上下方向に長くなれば、3個の第3ヒンジ手段21の全てのヒンジ軸147の軸心を同時にヒンジ軸受148の保持部170に合わせるのが難しいことがある。このような場合には、図29に示すように例えば上側の2個の第3ヒンジ手段21のヒンジ軸147を2個のヒンジ軸受148の保持部170に合わせて挿入し、下側の1個の第3ヒンジ手段21のヒンジ軸147をヒンジ軸受148の挿脱用切り欠き部172の後側に当接させる。
そして、上側の2個の第3ヒンジ手段21のヒンジ軸147を2個のヒンジ軸受148に挿入した後、ヒンジ軸受148の挿脱用切り欠き部172の後側に当接状態にあるヒンジ軸147を裏側から147a矢示方向に押圧して、一対の保持部材171の弾性変形により、下側の第3ヒンジ手段21のヒンジ軸受148の保持部170内に挿入すればよい。
この場合には、3個の第3ヒンジ手段21のヒンジ軸147の全てを同時に3個のヒンジ軸受148に合わせる必要がなく、第3ヒンジ手段21を介して前枠3側に装着することができ、また3個のヒンジ軸147の全てが3個のヒンジ軸受148に同時に一致する程度まで裏カバー22側の剛性を高める必要もない。
ヒンジ軸147は裏カバー22側に一体成型しているが、その前側から径方向に凹入する凹部167があり、ヒンジ軸147自体が横断面略U字状になっているので、ヒンジ軸147の肉厚を薄く構成できる。従って、ヒンジ軸147の直径を充分に確保した場合でも、その肉厚を裏カバー22の板厚程度に抑えることが可能であり、射出成型時のヒンジ軸147側の溶融樹脂の硬化速度が遅くなって成型歪みが生じるようなことを防止することができる。
また裏カバー22の金型成型時には、裏カバー22が可動金型側に残り、それを可動金型側の押し出し部により前側から押し出すことになるが、凹部167が前側から後側に凹入するため、通常の裏カバー22の射出成型と同様にヒンジ軸147を成型することができる。
図3に示すように、取り付け部20aの裏側には払い出し手段23、球供給通路51、球案内通路54が上下方向に一列状に配置されているため、裏カバー22の背面視右側の屈曲部145bは、払い出し手段23等と干渉しないように、払い出し手段23の左右方向の内側に配置されている。
そのため遊技機本体2,3の背面視右側縁から裏カバー22の背面視右側縁までの寸法L1は、遊技機本体2,3の背面視左側縁から裏カバー22の背面視左側縁(又はヒンジ手段)までの寸法L2よりも大になっている。その結果、裏カバー22の左右方向の中心を通る上下方向の中心線CL1は、遊技機本体2,3の左右方向の中心を通る上下方向の中心線CL2よりも背面視左側にある第3ヒンジ手段21側に偏位している。因みに、その偏位量はL1−L2/2程度である。
基板取り付け台34は、裏保護部14の左右の側壁部18a,18bの下端間を塞ぐように下部装着部15の裏側に装着されており、この基板取り付け台34には、集球ケース128の排出口128bからの遊技球を外部に排出する排出通路131が設けられている。
主基板137は遊技盤16側の遊技動作を制御するもので、左右方向に長い横長状に構成され、主基板ケース138に収容されている。演出基板133は主基板137からの信号に基づいて遊技機1全体の演出を制御するもので、演出基板ケース134に収容されている。液晶基板135は、演出基板133からの信号に基づいて液晶表示手段28を制御するもので、液晶基板ケース136に収容されている。払い出し基板142は主基板137からの遊技球の払い出し信号に基づいて払い出し手段23を制御するもので、払い出し基板ケース143に収容されている。電源基板140は各部に電源を供給するもので、電源基板ケース141に収容されている。
なお、演出基板133、液晶基板135は主基板137に対して副基板を構成し、演出基板ケース134、液晶基板ケース136は主基板ケース138(第1基板ケース)に対して副基板ケース(第2基板ケース)を構成する。
主基板137は図20、図35に示すように左右方向に長い横長状であり、この主基板137の裏面には、集積回路装置174、確率設定変更モード用の操作手段176、入出力用の複数のコネクタ177等の各種電子部品が夫々装着され、また下辺近傍には基板管理番号等の基板管理情報を表示する基板管理情報表示部178が設けられている。なお、基板管理情報表示部178には、基板管理番号を直接表記する他に二次元コード、機種名、基板名等の必要な情報を併記してもよい。
主基板137には複数の集積回路装置174が分散して配置されており、その少なくとも一部の集積回路装置174には、その識別用の二次元コード、素子名等の部品情報が印刷された部品情報表示部179が設けられている。
コネクタ177は主基板137の上部に横一列状に配置されている。操作手段176は主基板137の隅部等の比較的操作し易い位置に配置されている。この操作手段176は変動後の特別図柄が大当たり態様となる大当たり確率設定の変更用であって、裏カバー22側から専用の操作キーを挿入して主基板ケース138の裏側からオン・オフ操作可能である。
主基板137側には操作手段176とは別に、変動後の特別図柄が大当たり態様となる大当たり確率を設定可能な確率設定手段(図示省略)が設けられている。そして、確率設定の変更に際しては、裏カバー22の裏側から操作キーを挿入して主基板ケース138の操作手段176をオンしてから電源を投入し、次いで遊技情報クリア手段等の所要手段を操作することにより、確率設定手段の大当たり確率の設定値を段階的に変更可能であり、また操作キーを抜いて操作手段をオフしたときに、その設定値が確定するようになっている。
主基板ケース138は、図20、図35に示すように、前側開口状に形成された裏側の第1ケース体180と、主基板137の前側で第1ケース体180の開口側を塞ぐ偏平状の第2ケース体181とを開閉自在に備え、左右方向の一端側には、開封時に開封痕が残るように封止可能な封止手段182が設けられている。第1ケース体180、第2ケース体181は、内部の集積回路装置174等の電子部品を透視可能に透明な樹脂材料により射出成型された樹脂製の成型品である。
主基板ケース138は最大3回まで開封・封止が可能であるため、封止手段182はその開封・封止回数に併せて上下方向に4個設けられている。この4個の封止手段182の内、その1個の封止手段182は最初の主基板ケース138の封止時に使用し、他の3個の封止手段182は開封後の主基板ケース138を閉じる毎に使用して封止する。
第1ケース体180の操作手段176側及びコネクタ177側は、主基板137の裏側に当接又は近接しており、その部分に操作手段176側及びコネクタ177側が後方に突出する操作孔、コネクタ孔が設けられている。第1ケース体180には、後方に突出する後壁部180aが主基板137と相対向して設けられており、この後壁部180aに、主基板ケース138内の熱を外部に放熱する多数の放熱孔183と、主基板ケース138の開封時の開封履歴を記入する第1開封履歴表記手段184とが設けられている。
放熱孔183は主基板ケース138内の電子部品から発生した熱を外部に放熱するためのもので、第1ケース体180の後壁部180aの略中央の形成領域185内に縦横に多数配置されている。放熱孔183の形成領域185は、主基板137側の主要な基板管理情報表示部178、集積回路装置174の部品情報表示部179、第1ケース体180の第1開封履歴表記手段184との中間部分に設ける等、主基板137側の基板管理情報表示部178及び部品情報表示部179を含む特定部位の視認性を阻害せず、第1開封履歴表記手段184による放熱孔183の放熱性を阻害しない位置に設けられている。
第1開封履歴表記手段184は、主基板ケース138の開封時の履歴を記入するためのものであり、放熱孔183の放熱性を阻害しないように、その放熱孔183の形成領域185に対して封止手段182と反対側に離れた無孔領域187の裏面側に貼付されている。
この第1開封履歴表記手段184は、主基板ケース138内を透視可能な透明シートに粘着剤を塗布した開封履歴表記シール188により構成されており、その粘着剤を介して第1ケース体180の裏面に貼着されている。裏カバー22の裏側には、裏カバー22を開放することなく第1開封履歴表記手段184側を裏側から直接視認できるように、開口状の視認窓53が第1開封履歴表記手段184と前後に相対向して設けられている。
第1開封履歴表記手段184には、主基板137の管理番号等の管理情報を表記する管理情報表記部190と、主基板ケース138の正規の開封履歴を表記する複数の開封履歴表記部191とが所定の間隔をおいて設けられている。この実施形態では、封止手段182が4個あり、当初封止状態にある1個の封止手段182を除く最大3回まで開封・封止が可能であるため、その3回の開封・封止の履歴を表記可能に3個の開封履歴表記部191が設けられている。
管理情報表記部190には、主基板137の管理番号と、それを示す二次元コードとが表記されている。また各開封履歴表記部191は、開封者名を表記可能な開封者表記部191aと、開封時の年月日等の開封時期を表記可能な開封時期表記部191bとを所定の間隔をおいて左右方向に一列状に備え、その開封履歴表記部191が管理情報表記部190の下側に所定の間隔を置いて3個設けられている。
管理情報表記部190と開封履歴表記部191との隙間部分、開封履歴表記部191相互間の隙間部分、開封履歴表記部191の開封者表記部191aと開封時期表記部191b間の隙間部分は、透明な開封履歴表記シール188を介して主基板137側を透視可能にしてもよい。主基板137には集積回路装置174等の制御素子を含む電子部品の内、その視認性の要求度の高い部分(特定部分)はその隙間部分に対応するように配置してもよい。
なお、管理情報表記部190、開封履歴表記部191は、開封履歴表記シール188上に不透明なインク、塗料等を印刷、その他を塗工して形成された不透明部により構成されている。管理情報表記部190、開封履歴表記部191は、開封履歴表記シール188を使用せずに第1ケース体180に直接設けてもよい。
第1ケース体180には、その裏面側に樹脂流し込み部跡192が設けられ、前面側に押し出し部跡(図示省略)が設けられている。なお、樹脂流し込み部跡192は、図35では容易に識別できるように網かけ状に記載しているが、他の樹脂流し込み部跡でも同様である。
樹脂流し込み部跡192は第1ケース体180の成型時に成型金型のキャビティに溶融樹脂を流し込んだ樹脂流し込み部の跡であり、押し出し部跡は成型後の第1ケース体180を金型から押し出す際の押し出し部の当接跡である。この樹脂流し込み部跡192と押し出し部跡とにより、第1ケース体180の成型時に使用された樹脂成型部跡が構成されている。
樹脂成型部は、演出基板ケース134、液晶基板ケース136、電源基板ケース141、払い出し基板ケース143、裏カバー22等においても同様である。
主基板ケース138の第1ケース体180は、その放熱孔183、樹脂流し込み部跡192及び押し出し部を含む樹脂成型部跡、更にはウエルドライン192a,192bが、主基板137側の基板管理情報表示部178、集積回路装置174上の部品情報表示部179等の特定部位の何れとも重ならないようになっている。これは、主基板ケース138内の主基板137側の特定部位に対する視認性を確保するためである。
第1ケース体180の樹脂流し込み部跡192は、主基板137側の特定部位に対応してウエルドライン192a,192bが発生しないように、主基板137側の特定部位から外れた位置に2個設けられている。即ち、第1ケース体180の後壁部180aには、放熱孔183の形成領域185を通る一方の対角線180Lの両端側近傍に位置する無孔領域193に、この第1ケース体180の成型時に供した二つの樹脂流し込み部跡192がある。
この各樹脂流し込み部跡192は、放熱孔183の形成領域185を所定の間隔を置いて挟むように対角線180Lの両側に位置しており、第1ケース体180は、この樹脂流し込み部跡192に対応する二つの樹脂流し込み部から成型金型のキャビティ内に溶融樹脂を流し込んで成型されている。
樹脂流し込み部跡192に対応する二つの樹脂流し込み部から溶融樹脂を流し込んで第1ケース体180を成型する場合に、後壁部180aには各樹脂流し込み部跡192に近い側の略半分の放熱孔183の下流側に、その樹脂流し込み部から流し込んだ溶融樹脂の合流によるウエルドライン192aができ、また二つの樹脂流し込み部間の略中央部分に、二つの樹脂流し込み部からの溶融樹脂の合流によるウエルドライン192bが複数の放熱孔183間を繋ぐようにできる。
前者のウエルドライン192aは各放熱孔183の下流側に短くできるが、後者のウエルドライン192bは樹脂流し込み部間に対応して対角線180Lと交差する方向の複数の放熱孔183を繋ぐように長くできるか、又は二つの樹脂流し込み部間から対角線180Lと交差する方向に離れた位置に長くできる。
このようなウエルドライン192a,192bは、第1ケース体180の後壁部180aの引張強度の極端な低下を招く原因になると共に、後壁部180aを介して主基板ケース138内の主基板137側の集積回路装置174に付された部品情報表示部179、主基板137に表示された基板管理情報表示部178等の視認要求度の高い特定部位を透視する場合にその視認性の阻害要因となる。そのため各集積回路装置174は勿論のこと、集積回路装置174の部品情報表示部179、基板管理情報表示部178等の特定部位は、ウエルドライン192a,192bの発生領域から離れた位置に配置されている。
即ち、主基板ケース138の各放熱孔183の形成領域185及びウエルドライン192a,192bの発生領域と、主基板137上の各集積回路装置174及び基板管理情報表示部178との関係を見れば、各集積回路装置174、基板管理情報表示部178は、ウエルドライン192a,192bの発生領域は勿論のこと、放熱孔183の形成領域185からも離れた位置に配置されており、しかも、主基板ケース138の各樹脂流し込み部跡192からも離れた位置に配置されている。そのため主基板ケース138では、集積回路装置174、部品情報表示部179、基板管理情報表示部178等の特定部位に対する視認性を十分に確保することができる。
演出基板133は図20、図36に示すように上下方向に長い矩形状であり、この演出基板133の裏面には、複数の集積回路装置195、音量調整手段196、コネクタ197,198等の電子部品が適宜分散して装着されている。複数の集積回路装置195の内、その少なくとも一部の集積回路装置195には、部品情報表示部199が設けられている。また演出基板133には基板管理情報表示部200が設けられている。
部品情報表示部199は、その集積回路装置195の部品情報を表示するためのもので、印刷により直接表示するか、部品情報が印刷されたシールを貼付するようになっている。基板管理情報表示部200には、演出基板133の基板管理番号等の基板管理情報を印刷により直接表示するか、基板管理情報が印刷されたシールを貼付するようになっている。なお、基板管理情報表示部200には、演出基板133の基板管理番号の他に二次元コード、機種名、基板名等の必要な情報を併記してもよい。
演出基板ケース134は、図20、図36に示すように、前側開口状に形成された裏側の第1ケース体201と、偏平状に形成された前側の第2ケース体202とを開閉自在に備え、第2ケース体202の裏側に演出基板133が配置され、その演出基板133の電子部品等を第1ケース体201で裏側から覆うようになっている。第1ケース体201、第2ケース体202は、演出基板133側の集積回路装置195、部品情報表示部199、基板管理情報表示部200等を外部から透視可能に透明樹脂による成型品が使用されている。
第1ケース体201のコネクタ197,198側は、演出基板133の裏側に当接又は近接しており、その部分にコネクタ197,198が後方に突出するコネクタ孔が設けられている。第1ケース体201には、後方に突出する後壁部201aが演出基板133と相対向して設けられており、この後壁部201aに、音量調整手段196用の操作孔203と、演出基板ケース134内の熱を外部に放熱する多数の放熱孔204とが設けられている。
音量調整手段196は回動操作式の操作軸196aを有し、また操作孔203は後壁部201aから一体に演出基板133側に凹入する凹入部205の底部に形成され、裏カバー22を開放した状態において、その操作孔203からドライバ等の工具を挿入して操作軸196aを回動操作することにより音量を調整可能である。
放熱孔204は演出基板ケース134内の電子部品から発生した熱を外部に放熱するためのもので、第1ケース体201の後壁部201aの形成領域206内に縦横に多数配置されている。放熱孔204の形成領域206は演出基板133側の部品情報表示部199、基板管理情報表示部200等の特定部位の視認性を害さずに放熱性を確保できるように広域に設けられており、この形成領域206内には多数の放熱孔204が縦横に配置されている。
第1ケース体201の後壁部201aには、演出基板133側の部品情報表示部199、基板管理情報表示部200等の特定部位にウエルドライン208a,208bが発生しないように、演出基板133側の特定部位から外れた位置で且つ放熱孔204の形成領域206を取り囲む位置に複数、例えば3個の樹脂流し込み部跡207がある。
従って、第1ケース体201の成型時には、この樹脂流し込み部跡207に対応する3箇所の樹脂流し込み部から成型金型のキャビティ内に溶融樹脂を流し込んで行う射出成型により成型されている。
このような3個の樹脂流し込み部から溶融樹脂を流し込んで成型した場合、各樹脂流し込み部に近い側に位置する放熱孔204側では、その放熱孔204の下流に短いウエルドライン208aができる。一方、3個の樹脂流し込み部相互間でも、隣り合う樹脂流し込み部相互間の中間部分に、両樹脂流し込み部を結ぶ方向と交差する方向の複数の放熱孔204を繋ぐように比較的長いウエルドライン208bができる。これは主基板ケース138の場合と同様である。
このように第1ケース体201の後壁部201aにウエルドライン208a,208bが発生しても、このウエルドライン208a,208bは演出基板133側の特定部位から外れた位置にあるので、そのウエルドライン208a,208bによって演出基板133側の特定部位の視認性が低下するようなことはない。
なお、この実施形態では、放熱孔204の形成領域206内に集積回路装置195があるが、放熱孔204は集積回路装置195と重ならないように設けてもよい。また一部の樹脂流し込み部跡207が一部の集積回路装置195と重なっているが、樹脂流し込み部跡207は集積回路装置195と重ならないようにしてもよい。
液晶基板135は図20、図37に示すように演出基板133と同様に上下方向に長い矩形状であり、この液晶基板135の裏面には、複数の集積回路装置210、コネクタ211等の電子部品が適宜分散して装着されている。複数の集積回路装置210の内、その少なくとも一部の集積回路装置210には、部品情報表示部212が設けられている。また液晶基板135には基板管理情報表示部213が設けられている。
部品情報表示部212は、その集積回路装置210の部品情報を表示するためのもので、印刷により直接表示するか、部品情報が印刷されたシールを貼付するようになっている。基板管理情報表示部213には、液晶基板135の基板管理番号等の基板管理情報が印刷により表示されている。なお、基板管理情報は印刷以外で表示してもよい。また基板管理情報表示部213には、液晶基板135の基板管理番号の他に二次元コード、機種名、基板名等の必要な情報を併記してもよい。
液晶基板ケース136は、演出基板ケース134と同様に、前側開口状に形成された裏側の第1ケース体218と、偏平状に形成された前側の第2ケース体219とを備え、第2ケース体219の裏側に液晶基板135が固定され、その液晶基板135の電子部品等を第1ケース体218で裏側から覆うようになっている。第1ケース体218、第2ケース体219は、液晶基板135側の集積回路装置210の部品情報表示部212、基板管理情報表示部213等の特定部位を外部から透視可能に透明な樹脂材料により射出成型された成型品が使用されている。
第1ケース体218のコネクタ211側は、液晶基板135の裏側に当接又は近接しており、その部分にコネクタ211が後方に突出するコネクタ孔が設けられている。第1ケース体218には、後方に突出する後壁部218aが液晶基板135と相対向して設けられており、この後壁部218aに、液晶基板ケース136内の熱を外部に放熱する多数の放熱孔214が設けられている。
放熱孔214は液晶基板ケース136内の電子部品から発生した熱を外部に放熱するためのもので、第1ケース体218の後壁部218aの形成領域215内に縦横に多数配置されている。放熱孔214の形成領域215は液晶基板135側の集積回路装置210の部品情報表示部212、基板管理情報表示部213等の特定部位の視認性を害さずに放熱性を確保できるように広域に設けられており、この形成領域215内には多数の放熱孔214が縦横に配置されている。
第1ケース体218の後壁部218aには、液晶基板135側の部品情報表示部212、基板管理情報表示部213等の特定部位にウエルドライン216a,216bが発生しないように、その特定部位から外れた位置で且つ放熱孔214の形成領域215を取り囲む位置に複数、例えば3個の樹脂流し込み部跡217がある。
従って、第1ケース体218の成型時には、各樹脂流し込み部跡217に対応する3箇所の樹脂流し込み部から成型金型のキャビティ内に溶融樹脂を流し込んで行う射出成型により成型されている。
3個の樹脂流し込み部から溶融樹脂を流し込んで成型した場合、各樹脂流し込み部に近い側に位置する放熱孔214側では、その放熱孔214の下流に短いウエルドライン216aができる。一方、3個の樹脂流し込み部相互間でも、隣り合う樹脂流し込み部相互間の中間部分に、両樹脂流し込み部を結ぶ方向と交差する方向の複数の放熱孔214を繋ぐように比較的長いウエルドライン216bができる。これは主基板ケース138の場合と同様である。
このように第1ケース体218の後壁部218aにウエルドライン216a,216bが発生しても、このウエルドライン216a,216bは液晶基板135側の特定部位から外れた位置にあるので、そのウエルドライン216a,216bによって液晶基板135側の特定部位の視認性が低下するようなことはない。
なお、この実施形態では、放熱孔214の形成領域215内に一部の集積回路装置210があるが、放熱孔214は各集積回路装置210と重ならないように設けてもよい。また樹脂流し込み部跡217は集積回路装置210と重なっているが、集積回路装置210と重ならないことが望ましい。
主基板ケース138が収容する主基板137と、演出基板ケース134が収容する演出基板133、液晶基板ケース136が収容する液晶基板135等の副基板との遊技機1における重要性を対比した場合、遊技機1自体の遊技内容を決定付ける主基板137(第1基板)の重要性は、単なる演出動作の制御を司る演出基板133、液晶基板135等の副基板(第2基板)に比較して遥かに大である。そのため主基板137を収容する主基板ケース138(第1基板ケース)は、演出基板133を収容する演出基板ケース134(第2基板ケース)等に比較して高い強度が要求されると同時に、内部の特定部位に対する高い視認性が要求されている。
一方、主基板ケース138、演出基板ケース134等を樹脂成型するに際して、樹脂流し込み部の数が増えれば、各基板ケース138,134の成型に要するサイクルタイムを短縮できて能率的に製造できる利点がある反面、樹脂流し込み部跡192,207の数が増加して内部の視認性が低下する問題がある。また樹脂流し込み部跡192,207の数が増加すれば、樹脂流し込み部相互間にできるウエルドライン192a,192b,208a,208bの数も増加するため、そのウエルドライン192a,192b,208a,208bの増加によって、基板ケース138,134の内部の視認性が低下すると同時に、基板ケース138,134自体の強度も低下することとなる。
そこで、主基板ケース138と、演出基板ケース134等の副基板ケースとの合成樹脂部分の体積が略同じか、主基板ケース138の体積が副基板ケースよりも大又は小の如何に拘わらず、次のようにする。例えば、主基板ケース138の第1ケース体180の樹脂流し込み部跡(又は樹脂流し込み部)192の数をN2(N2≧1)個とし、演出基板ケース134の第1ケース体201等の副基板ケース側の樹脂流し込み部跡(又は樹脂流し込み部)207の数をN2+n2(n2≧0)個とする。これによって主基板ケース138側の強度及び視認性を演出基板ケース134側に比較して向上させることができる。
因みに、この実施形態では、主基板ケース138の第1ケース体180の樹脂流し込み部跡192の数N2を2個とし、演出基板ケース134の第1ケース体201の樹脂流し込み部跡207の数N2+n2の3個よりも1個少なくしている。
なお、主基板ケース138、演出基板ケース134の第2ケース体181,202側は共に偏平状であり、また基板133,137自体の裏面側に対応するため、樹脂流し込み部跡(又は樹脂流し込み部)は同数にしてもよいが、第1ケース体180,201側の樹脂流し込み部跡(又は樹脂流し込み部)と同様にしてもよい。
電源基板140は左右方向に長い横長矩形状であって、この電源基板140の裏側には、図21に示すように電界コンデンサ230、コネクタ等の電子部品が装着されている。電源基板140はコネクタ、ハーネスを介して主基板137、演出基板133、液晶基板135、払い出し基板142、その他の各部に電力を供給するようになっている。
電源基板ケース141は電源基板140を収容するように左右方向に長い横長状であって、図21に示すように、前側開口状に形成された裏側の第1ケース体231と、偏平状に形成された前側の第2ケース体232とを開閉自在に備え、第1ケース体231の開口側に電源基板140が収容され、その電源基板140を第2ケース体232で前側から押えるようになっている。
第1ケース体231には、電源基板140と対向する後壁部231aの背面側と、その上下両隅部とに左右方向に複数の放熱孔233が形成されており、第1ケース体231の下側の放熱孔233から外気を導入して電源基板140の電子部品を冷却し、その熱気を帯びた空気を第1ケース体231の上側の放熱孔233から外部へと排出するようになっている。
なお、電源基板ケース141の第1ケース体231、第2ケース体232を成型する際にも、主基板ケース138の第1ケース体180等と同様に成型する。
払い出し基板142は左右長さが電源基板140よりも若干短く、上下幅が電源基板140よりも若干大の長い横長矩形状である。この払い出し基板142の裏側には、図21、図38に示すように、複数の集積回路装置235、遊技情報クリア手段236、払い出しエラー表示手段237、コネクタ238等の電子部品が装着され、また基板管理番号等の基板管理情報を表示する基板管理情報表示部239が設けられている。
複数の集積回路装置235の内、少なくとも一部の集積回路装置235には、二次元コード、素子名等の管理情報を印刷した部品情報表示部240が設けられている。遊技情報クリア手段236は、押しボタン式の操作部236aを有するRAMクリアスイッチにより構成され、払い出し基板142の操作し易い位置に配置されている。この遊技情報クリア手段236は、本来的には操作部236aを押圧したときに、主基板137側の遊技情報記憶手段(図示省略)を構成するRAMに記憶された遊技情報をクリアするためのものであるが、大当たり確率の設定値を段階的に変更する際の変更用にも兼用するようになっている。
払い出しエラー表示手段237は、払い出し手段23側のエラーの発生状況を表示するためのものであって、7セグメント表示素子等により構成され、払い出し基板142の見易い位置に配置されており、払い出し手段23に発生したエラーの種類を1〜5までの数字等の識別情報により発光表示するようになっている。
払い出し基板ケース143は、図21、図38に示すように、前側開口状に形成された裏側の第1ケース体241と、偏平状に形成された前側の第2ケース体242とを開閉自在に備え、第2ケース体242の裏側に払い出し基板142が配置されており、その払い出し基板142の電子部品等を第1ケース体241で裏側から覆うようになっている。第1ケース体241、第2ケース体242は、払い出し基板142側の集積回路装置235の部品情報表示部240、払い出しエラー表示手段237、基板管理情報表示部239等を外部から透視可能に透明樹脂による成型品が使用されている。
第1ケース体241のコネクタ238側と遊技情報クリア手段236側は、払い出し基板142の裏側に当接又は近接しており、その部分にコネクタ238、遊技情報クリア手段236が後方に突出するための通孔が設けられている。第1ケース体241には、後方に膨らむ後壁部241aが払い出し基板142と相対向して設けられており、この後壁部241aに、払い出し基板ケース143内の熱を外部に放熱する多数の放熱孔243と、払い出し手段23のエラー情報を表示するエラー情報表示手段245と、払い出し基板ケース143の開封履歴を表記する開封履歴表記手段246とが設けられている。
払い出し基板ケース143は最大2回まで開封・封止が可能であるため、この払い出し基板ケース143の左右一端側には、開封時に開封痕が残るように封止可能な封止手段247が上下方向に3個設けられている。この3個の封止手段247の内、その1個の封止手段247は最初の払い出し基板ケース143の封止時に使用し、他の2個の封止手段247は開封後の払い出し基板ケース143を閉じる毎に使用して封止する。
放熱孔243は払い出し基板ケース143内の電子部品から発生した熱を外部に放熱するためのもので、第1ケース体241の後壁部241aの形成領域244内に縦横に多数配置されている。放熱孔243の形成領域244は払い出し基板142側の部品情報表示部240、基板管理情報表示部239等の特定部位の視認性を害さずに放熱性を確保できるように広域に設けられており、この形成領域244内には多数の放熱孔243が縦横に配置されている。
開封履歴表記手段246は、払い出し基板ケース143内を透視可能な透明シートに粘着剤を塗布した開封履歴表記シール248により構成されており、放熱孔243の形成領域244の下側の無孔領域250に貼着されている。開封履歴表記シール248には、払い出し基板ケース143の正規の開封履歴を表記する上下2個の開封履歴表記部249が設けられている。
開封履歴表記部249は、開封者名を表記可能な開封者表記部249aと、開封時の年月日を表記可能な開封時期表記部249bとを所定の間隔をおいて左右方向に一列状に備えており、払い出し基板ケース143を開封後に封止する都度、開封者表記部249aに開封者名を、開封時期表記部249bに開封時の年月日を夫々表記するようになっている。
なお、開封履歴表記手段246は、不透明なインク、塗料等を印刷、その他により塗工して形成された不透明部により構成されている。基板管理情報表示部239、開封履歴表記部249は、貼付シールを使用せずに第1ケース体241に直接設けてもよい。
エラー情報表示手段245は放熱孔243の形成領域244から離れた無孔領域250の裏面側に設けられており、このエラー情報表示手段245には、「1.払い出し停止中」「2.満杯エラー」「3.球切れエラー」「4.払い出しエラー」「5.球詰まりエラー」等のように、エラーの種類別にエラー事項245aが表示されている。
第1ケース体241の後壁部241aには、払い出し基板142側の部品情報表示部240、基板管理情報表示部239等の特定部位が、更には第1ケース体241側のエラー情報表示手段245及び開封履歴表記手段246が夫々ウエルドライン251a,251bと重ならないように、払い出し基板142側の特定部位、払い出し基板ケース143側のエラー情報表示手段245及び開封履歴表記部249から外れた位置で、且つ放熱孔243の形成領域244を取り囲む位置に複数、例えば3個の樹脂流し込み部跡252がある。従って、第1ケース体241の成型時には、この樹脂流し込み部跡252に対応する3箇所の樹脂流し込み部から成型金型のキャビティ内に溶融樹脂を流し込んで行う射出成型により成型されている。なお、この樹脂流し込み部跡252の数はN2+n2個である。
このような3個の樹脂流し込み部から溶融樹脂を流し込んで第1ケース体241を成型した場合にも、演出基板ケース134の場合と同様に、各樹脂流し込み部に近い側に位置する放熱孔243側では、その放熱孔243の下流に短いウエルドライン251aができる。また3個の樹脂流し込み部相互間でも、隣り合う樹脂流し込み部相互間の中間部分に、両樹脂流し込み部を結ぶ方向と交差する方向に比較的長いウエルドライン251bができるか、両樹脂流し込み部を結ぶ方向と交差する方向の複数の放熱孔243を繋ぐように比較的長いウエルドライン251bができる。
このように第1ケース体241の後壁部241aにはウエルドライン251a,251bが発生しても、このウエルドライン251a,251bは払い出し基板142側の特定部位から外れた位置にあるので、そのウエルドライン251a,251bによって払い出し基板142側の特定部位の視認性が低下するようなことはない。
なお、一部の集積回路装置235が放熱孔243の形成領域244、エラー情報表示手段245に対応するが、集積回路装置235は放熱孔243、エラー情報表示手段245と重ならないように設けてもよい。また樹脂流し込み部跡252は集積回路装置235、エラー情報表示手段245と重ならないことが望ましい。
主基板137、演出基板133、液晶基板135、払い出し基板142等は、図39に示すように接続されている。主基板137のコネクタ177aは、複数本又は多数本のハーネス255を介して演出基板133のコネクタ197aに接続されている。また主基板137のコネクタ177bは、ハーネス256を介して払い出し基板142のコネクタ238aに接続されている。更に主基板137のコネクタ177cは、ハーネス257、中継基板(図示省略)等を介して遊技盤16側の可変入賞手段32等の遊技部品に接続されている。
演出基板133のコネクタ197bは、複数本又は多数本のハーネス258を介して液晶基板135のコネクタ211aに接続され、また演出基板133のコネクタ198aは、ハーネス259を介して可動演出手段97等に接続されている。液晶基板135のコネクタ211bは、ハーネス260を介して液晶表示手段28に接続されている。払い出し基板142のコネクタ238aは、ハーネス261を介して払い出し手段23に接続されている。
裏カバー22の背面部144側には、図3、図4、図20、図21、図40〜42に示すように、裏カバー22内の熱を放熱するための多数の放熱孔264と、確率設定用の操作手段176に対応する操作孔265と、遊技情報クリア手段236に対応する操作孔266と、開封履歴表記手段184に対応する視認窓267と、エラー情報表示手段245に対応する視認窓268と、開封履歴表記手段246に対応する視認窓269とが設けられている。
操作孔265,266は背面部144から前側に突出する筒部265a,266aを有し、操作手段176、遊技情報クリア手段236を操作する際には、裏カバー22を閉じた状態のままで裏カバー22の裏側から操作孔265,266の筒部265a,266a内に指先その他のものを挿入して、操作手段176、遊技情報クリア手段236を押圧する等の操作を行う。
開封履歴表記手段184,246用の視認窓267,269は、裏カバー22の背面部144の基板ケース138,143に対応して形成されており、裏カバー22を閉じた状態のままで裏カバー22の裏側から開封履歴表記手段184,246の開封履歴表記部191,249の表記情報を容易に判読できるようになっている。そのため開封履歴表記手段184,246の表記情報を確認する都度、裏カバー22を開閉する必要がない。
なお、裏カバー22が透明樹脂の成型品であるため、裏カバー22の背面部144を介して管理情報表記部178,239、部品情報表示部179,240の表記情報を確認することも可能であり、必ずしも管理情報表記部178,239、部品情報表示部179,240に対応して開口状の視認窓を設ける必要はない。
裏カバー22の背面部144は、裏カバー22を閉じた状態のままでその裏側から払い出しエラー表示手段237に表示されるエラー情報を確認可能である。また裏カバー22の背面部144には、エラー情報表示手段245に対応して視認窓268が開口状に設けられており、この視認窓268からエラー情報表示手段245の表示情報を視認可能である。
払い出し手段23による遊技球の払い出しに関連して何らかのエラーが発生した場合、払い出しエラー表示手段237がそのエラー情報を表示する。そのため裏カバー22の裏側から払い出し基板ケース143内の払い出しエラー表示手段237のエラー情報を見れば、払い出し手段23のエラーの発生箇所を容易に確認することができる。
また払い出しエラー表示手段237のエラー情報の表示だけでは、エラーの発生箇所を判断できない場合には、視認窓268を通してエラー情報表示手段245の表示情報と照合すれば、エラーの発生箇所を容易に確認することができる。
放熱孔264は裏カバー22の背面部144の上側部分22Uに集中的に設けられている。裏カバー22の背面部144は、演出基板ケース134及び液晶基板ケース136に対応する上側部分22Uと、主基板ケース138、電源基板ケース141及び払い出し基板ケース143に対応する下側部分22Dとに略二分することができる。そこで、上側部分22Uと下側部分22Dとに分けて放熱孔264の分布状況を対比した場合、放熱孔264はその上側部分22Uの略全域に略均等に分散して配置されており、下側部分22Dには設けられていない。各放熱孔264は左右方向に長い長孔状であり、左右方向及び上下方向に隣り合う放熱孔264相互間に所定の間隔をおいて配置されている。
なお、裏カバー22の放熱孔264は、音量調整手段196の操作軸196aの近傍に対応しては配置されておらず、放熱孔264からドライバ等の工具を挿入して音量調整手段196の操作軸196aを操作することはできない。そのため操作手段176、遊技情報クリア手段236は裏カバー22を開放せずに閉じたままの状態で、裏カバー22の裏側から操作できるが、音量調整手段196は裏カバー22を開放しない限り操作できない。これは、操作手段176、遊技情報クリア手段236の操作に比較して音量調整手段196を操作する頻度が少ないためである。
このように裏カバー22の背面部144に放熱孔264を設けるに当たって、その上側部分22Uの全域に略均等に放熱孔264を配置することにより、裏カバー22内の上部側で滞留しやすい高温の空気を放熱孔264を介して外部に排出することができる。そのため裏カバー22に空気の対流が生じ、裏カバー22の下端側の外気導入部146から外部の冷気を導入し、上部の放熱孔264から高温の熱気を排出できるので、裏カバー22の放熱孔264を経て効率的に放熱することができる。
また裏カバー22の背面部144の内、主基板ケース138及び払い出し基板ケース143に対応する下側部分22Dは、操作孔265,266、視認窓267〜269が設けられる程度であって、下側部分22Dの略全域には放熱孔264、その他の開口が設けられていないので、裏カバー22の裏側から主基板ケース138、払い出し基板ケース143を経てその内部の主基板137、払い出し基板142の状況を容易に視認することができ、主基板137、払い出し基板142の特定部位に対する視認性の低下を防止することができる。
しかも、裏カバー22の背面部144の下側部分22Dは、操作孔265,266、視認窓267〜269以外に開口等のない無孔状態であるため、背面部144の下側部分22Dに開口がある場合に比較して、裏カバー22内の下部側での空気の上昇流を促進できる。そのため裏カバー22内での空気の対流を更に促進することができる。
放熱孔264は左右方向に長い長孔状であるため、丸孔状の場合に比較して1個当たりの放熱孔264の開口面積を大きくすることが可能であり、放熱孔264の数を少なくすることができる。
また主基板137のコネクタ177aと演出基板133のコネクタ197aとのように上下に近接するコネクタ177a,197a間を、所定の余裕分を持たせた状態で裏側へとU字状に湾曲するハーネス255により上下に接続する場合には、この上下方向のハーネス255が裏カバー22の背面部144の内側に接触又は圧接することがある。
このような場合でも、放熱孔264を左右方向の長孔状に構成することにより、上下方向のハーネス255に対して放熱孔264が左右方向となるため、ハーネス255の一部が放熱孔264から裏カバー22の裏側に出るようなことがない。
また演出基板133のコネクタ197bと液晶基板135のコネクタ211aとを接続するハーネス258は左右方向に配置されるが、両コネクタ197b,211aの左右方向の間隔がコネクタ177a,197aの上下方向の間隔に比較して充分に大であるため、ハーネス258の左右方向の長さが長くなり、しかもコネクタ177a,197a間のハーネス255に比較して極端に湾曲又は屈曲させる必要もないので、放熱孔264が極端に長くならない限り、ハーネス258が放熱孔264から裏カバー22の裏側に突出するようなことはない。
裏カバー22の背面部144には、図3、図41、図42に示すように、各基板133,137の特定部位から外れた位置に複数の樹脂流し込み部跡280と押し出し部跡281とがある。この樹脂流し込み部跡280は、裏カバー22の成型時に成型金型のキャビティ内に溶融樹脂を流し込んだ樹脂流し込み部の痕跡を示すものであり、成型金型のキャビティの全域に所定時間内に略均等に溶融樹脂を流し込み得るように分散して配置されている。
多数の放熱孔264が配置された上側部分22Uでは、金型の多数の放熱孔成型部が溶融樹脂に対する流動阻害部として作用するため、溶融樹脂がキャビティ内を流動するときの流動抵抗が大であり、その流動抵抗に抗して樹脂流し込み部から溶融樹脂を流し込む必要がある。そのため裏カバー22の成型時には、上側部分22Uに多くの樹脂流し込み部があり、その結果、裏カバー22の上側部分22Uに多くの樹脂流し込み部跡280がある。この樹脂流し込み部跡280は、放熱孔264の形成領域282の中間部分から周辺部分にかけて複数、例えばN3個設けられている。
裏カバー22の上側部分22Uには多数の放熱孔264があり、金型の多数の放熱孔成型部と放熱孔264との間に押し出し抵抗が生じ、また周縁部145で押し出し抵抗が生じるため、樹脂流し込み部跡280の数よりも遥かに多くの押し出し部跡281a,281bが設けられている。
図43、図44に示すように、樹脂流し込み部跡280は裏カバー22の背面部144の外側に配置されている。一方、押し出し部跡281aは円形状であって、裏カバー22の背面部144の前面側に配置され、押し出し部跡281bは半円状であって、周縁部145の前端に配置されている。
また操作孔265,266、視認窓267〜269がある程度で無孔状態に近い下側部分22Dは、キャビティ内を溶融樹脂が流動するときの流動抵抗が上側部分22Uに比較して小であり、キャビティ内での溶融樹脂の巡りが速いので、上側部分22Uに比較して樹脂流し込み部跡280の数も少なくなっている。
しかも、下側部分22Dでは、樹脂流し込み部跡280、成型時に発生するウエルドライン283によって、主基板137及び払い出し基板142の特定部位の視認性を損なわないように、主基板ケース138、払い出し基板ケース143の外周近傍に、比較的少ない数の樹脂流し込み部跡280がある。
即ち、裏カバー22の下側部分22Dの樹脂流し込み部跡280の数はN3−n3(N3>n3≧1)個であって、主基板ケース138の上側近傍に位置する上側部分22U側の2個の樹脂流し込み部跡280を含めても、主基板ケース138と払い出し基板ケース143との間の1個と、払い出し基板ケース143の外方位置の1個との4個程度と少なくなっている。
なお、裏カバー22の下側部分22Dの樹脂流し込み部跡280等の樹脂成型部及びウエルドライン283と、主基板ケース138、払い出しケース143の樹脂流し込み部跡192,252等の樹脂成型部及びウエルドライン192a,192b,251a,251bは、両者が互いに前後に重なることがあっても、主基板137及び払い出し基板142の特定部位に対しては共に重ならないようになっている。
裏カバー22全体を中心線CL1を境界として、第1ヒンジ手段6側のヒンジ側部分22Lと、第1ヒンジ手段6と反対側の反ヒンジ側部分22Rとに分けて、両者の樹脂流し込み部跡280の数NXを比較した場合、体積の大きい反ヒンジ側部分22Rの樹脂流し込み部280の数NRは、体積の小さいヒンジ側部分22Lの樹脂流し込み部280の数NLよりも大である。
これは、裏カバー22の周縁部145の内、屈曲部145aの前側への屈曲長さが屈曲部145bの前側への屈曲長さよりも長くなっており、裏カバー22の反ヒンジ側部分22Rの体積がヒンジ側部分22Lの体積よりも大であるからである。これによって裏カバー22の成型時に、金型の反ヒンジ側部分22Rのキャビティと、ヒンジ側部分22Lのキャビティとに対して溶融樹脂を短時間で略均等に流し込むことができる。
因みに、裏カバー22の反ヒンジ側部分22Rの樹脂流し込み部跡280の数NLは4個であり、ヒンジ側部分22Lの樹脂流し込み部跡280の数NRは3個である。樹脂流し込み部跡280の数NL=4個、NR=3個は単なる例示に過ぎない。
反ヒンジ側部分22Rの樹脂流し込み部跡280は、屈曲部145cの近傍と背面部144の中央側とに分散して上下方向に5個配置されている。またヒンジ側部分22Lの樹脂流し込み部跡280は、屈曲部145b,145c,145dの近傍の背面部144に上下方向に分散して配置されている。そのため外周部145側からその近傍の背面部144側のキャビティに対する溶融樹脂の巡りをよくすることができる。
ヒンジ側部分22Lの樹脂流し込み部跡280は、屈曲部145b,145c,145dの近傍にあるが、背面部144の左右方向の中央側に樹脂流し込み部跡280があるのみであって、ヒンジ側部分22Lの左右中央側には樹脂流し込み部跡280がない。これは背面部144の中央部分のキャビティの溶融樹脂の巡りがよいからである。
裏カバー22の背面部144には、樹脂流し込み部跡280に対応する樹脂流し込み部から溶融樹脂を流し込んだ場合にも、各基板133,135,137,142側の集積回路装置174,195,210,235の部品情報表示部179,199,212,240、基板管理情報表示部178,200,213,239等の特定部位に対応してウエルドライン283が発生しないように、各基板133,135,137,142側の特定部位から外れた位置に樹脂流し込み部跡192,207,217,252がある。
裏カバー22の射出成型時には、各樹脂流し込み部跡280に対応する樹脂流し込み部から成型金型のキャビティ内に溶融樹脂を流し込んで成型する。この場合、放熱孔264等の開口側では、各樹脂流し込み部に近い側の各放熱孔264の下流側に、その樹脂流し込み部から流し込んだ溶融樹脂の合流による短いウエルドライン(図示省略)ができ、また隣り合う二つの樹脂流し込み部間の中間部分に、その二つの樹脂流し込み部からの溶融樹脂の合流による長いウエルドライン283が複数の放熱孔264間を繋ぐようにできる。
この樹脂流し込み部跡280は、放熱孔264の形成領域282を所定の間隔を置いて挟むように位置しており、裏カバー22の成型時には、この樹脂流し込み部跡280に対応する二つの樹脂流し込み部から成型金型のキャビティ内に溶融樹脂を流し込んで成型されている。
樹脂流し込み部跡280に対応する二つの樹脂流し込み部から溶融樹脂を流し込んで裏カバー22を成型する場合に、背面部144には各樹脂流し込み部に近い側の略半分の放熱孔264の下流側に、その樹脂流し込み部から流し込んだ溶融樹脂の合流によるウエルドライン(図示省略)ができ、また二つの樹脂流し込み部間の略中央部分に、二つの樹脂流し込み部からの溶融樹脂の合流によるウエルドライン283が複数の放熱孔264間を繋ぐようにできる。
前者のウエルドラインは各放熱孔264の下流側に短くできるが、後者のウエルドライン283は樹脂流し込み部間に対応して対角線方向と交差する方向の複数の放熱孔264を繋ぐように長くできるか、又は二つの樹脂流し込み部間から対角線方向と交差する方向に離れた位置に長くできる。
このようなウエルドライン283は、裏カバー22の背面部144の引張強度の極端な低下を招く原因になると共に、裏カバー22の裏側からその背面部144を介して各基板133,135,137,142側の特定部位を視認する場合の視認性の阻害要因となる。しかし、樹脂流し込み部の配置位置を考慮することによって、裏カバー22の背面部144に発生するウエルドライン283が各基板133,135,137,142側の特定部位と重ならないようにすることが可能であり、そのウエルドライン283によって視認性が阻害されるようなこともない。
例えば、裏カバー22の各樹脂流し込み部跡280、各ウエルドライン283の位置関係を見ると、背面部144の上側部分22Uは図41に示す通りであり、背面部144の下側部分22Dは図42に示す通りである。
即ち、背面部144の上側部分22U側では、図41に示すように、樹脂流し込み部跡aと樹脂流し込み部跡bとの間にウエルドラインcが、樹脂流し込み部跡aと樹脂流し込み部跡dとの間にウエルドラインeが、樹脂流し込み部跡bと樹脂流し込み部跡dとの間にウエルドラインfが、樹脂流し込み部跡dと樹脂流し込み部跡gとの間にウエルドラインhが、樹脂流し込み部跡aと樹脂流し込み部跡gとの間にウエルドラインsが、樹脂流し込み部跡dと樹脂流し込み部跡iとの間にウエルドラインjが、樹脂流し込み部跡bと樹脂流し込み部跡iとの間にウエルドラインkが夫々発生する。
上側部分22U側の各ウエルドライン283は演出基板133及び液晶基板135の部品情報表示部199,212、基板管理情報表示部200,213等の特定部位から外れた位置に発生している。従って、基板ケース134,136の後壁部201a,218a側の樹脂流し込み部跡207,217及びウエルドライン208b,216bが演出基板133及び液晶基板135の部品情報表示部199,212、基板管理情報表示部200,213等の特定部位から外れていることと相俟って、ウエルドライン283の背面部144に多数の放熱孔264があるものの、そのウエルドライン283等により特定部位の視認性が阻害されることはない。
背面部144の下側部分22Dでは、図42に示すように、樹脂流し込み部跡gと樹脂流し込み部跡lとの間にウエルドラインmが、樹脂流し込み部跡dと樹脂流し込み部跡lとの間にウエルドラインnが、樹脂流し込み部跡iと樹脂流し込み部跡lとの間にウエルドラインoが、樹脂流し込み部跡iと樹脂流し込み部跡pとの間にウエルドラインqが、樹脂流し込み部跡lと樹脂流し込み部跡pとの間にウエルドラインrが夫々発生する。
下側部分22Dの各ウエルドライン283は、主基板137及び払い出し基板142の部品情報表示部179,240、基板管理情報表示部178,239等の特定部位から外れた位置に発生している。従って、基板ケース138,143の後壁部180a,241a側の樹脂流し込み部280跡及びウエルドライン283が主基板137及び払い出し基板142の部品情報表示部179,240、基板管理情報表示部178,239等の特定部位から外れていることと相俟って、ウエルドライン等により特定部位の視認性が阻害されることはない。また裏カバー22の背面部144には、主基板ケース138、払い出し基板ケース143に対応して放熱孔等がないので、多数の放熱孔204,214がある演出基板133側及び液晶基板135側に比較して視認性が更に向上する。
裏カバー22の射出成型時には、突出状の可動金型と凹入状の固定金型との間のキャビティに溶融樹脂を流し込んで成型をする。樹脂の硬化後に可動金型を固定金型から離す型開きを行い、可動金型側に残る裏カバー22用の成型品を可動金型側の押し出しピン等の押し出し部により押し出す。
押し出し部跡281a,281bは、型抜き時に成型品に押し出し部を当接させた跡であって、可動金型には裏カバー22の各部の押し出し抵抗を考慮して背面部144及び周縁部145に対応するように多数の押し出し部が設けられており、裏カバー22の背面部144及び周縁部145には多数の押し出し部跡281a,281bが残っている。
裏カバー22の背面部144の押し出し部跡281aは丸形状であり、周縁部145の押し出し部跡281bは半円状であって、対象部位の条件に応じてその形状が異なっている。裏カバー22の背面部144の上部側には、放熱孔264の形成領域282の全域に略均等に分散するように放熱孔264間に多数の押し出し部跡281aが配置されている。また裏カバー22の背面部144の下部側には、主基板ケース138の周辺部分、払い出し基板ケース143の周辺部分に対応して配置されている。なお、払い出し基板ケース143側では、払い出し基板142のエラー表示部用の視認窓268の四隅等の周辺部分に押し出し部跡281aが配置されている。
従って、裏カバー22の背面部144の上側部分22Uは、多数の放熱孔264があり構造的に複雑で押し出し抵抗が大であるにも拘らず、放熱孔264の形成領域282の略全域に多数の押し出し部跡281aがあるため、各押し出し部跡281aに対応する押し出し部により、裏カバー22の押し出し抵抗に対して充分に抗することができる。
一方、裏カバー22の背面部144の下側部分22Dは、放熱孔264等もなく上部側に比較して平面的な広がりがあって押し出し抵抗が小さいため、押し出し部跡281a,281bの数が上部側よりも少なくなっている。また裏カバー22の下側部分22Dでは、主基板137、払い出し基板142に対する視認性の確保が重要であるため、押し出し部跡281a,281bの主基板137、払い出し基板142に対する重なりを極力少なくすると共に、少ない数の押し出し部跡281a,281bが主基板ケース138、払い出し基板ケース143の周辺部分に配置されている。従って、裏カバー22の主基板137、払い出し基板142に対する視認性を阻害することもなく、裏カバー22の下側部分22Dを金型から容易に押し出すことができる。
裏カバー22の周縁部145の押し出し部跡281bは、周縁部145の前端面にその長手方向に沿って所定間隔を置いて配置されている。従って、裏カバー22の型抜き時には、押し出し部により周縁部145の前端面を押し出し方向に押圧するため、周縁部145を可動金型から確実に抜き取ることができる。
この種の遊技機1では、主基板ケース138、払い出し基板ケース143等の成型品は、金型の樹脂流し込み部からキャビティ内に溶融樹脂を流し込んで成型する射出成型法により製造されている。そのため樹脂流し込み部の数が増えれば、キャビティに対する溶融樹脂の流し込みを迅速に行うことが可能であり、成型品の成型時のサイクルタイムを短縮でき、能率的に製造できる利点がある。
しかし、成型後の成型品には、樹脂流し込み部の数が増えれば、その樹脂流し込み部の数分の樹脂流し込み部跡192,252ができ、またウエルドライン192a,192b,251a,251bが発生する。そして、この樹脂流し込み部跡192,252、ウエルドライン192a,192b,251a,251bが基板ケース138,143内の基板137,142に表示された基板管理情報表示部178,239等の重要な特定部位に対応する場合には、その特定部位に対する視認性が低下し、また特定部位に対応するか否かに関係なく、基板ケース138,143の機械的強度が低下する大きな原因となる。
即ち、樹脂成型において、射出成型は複雑な形状の成型品を一工程で大量生産できる成型法であり、その成型工程は溶融、移送、冷却、固化のプロセスを辿る。樹脂流し込み部跡192,252は金型のキャビティ内に溶融樹脂を流し込んだ樹脂流し込み部の跡であり、その樹脂流し込み部跡192,252では、光の乱反射により内部の特定部位に対する視認性が低下する問題がある。
またウエルドライン192a,192b,251a,251bは、樹脂流し込み部からキャビティ内に溶融樹脂を流し込む場合、孔、開口を有する成型品を成型する場合に起こる現象であり、キャビティ内で二手に別れた溶融樹脂が再度合流する際に、その合流箇所の溶融樹脂の表面が若干低下し硬化していることからライン状に発生する。そして、基板ケース138,143の場合には、ウエルドライン192a,192b,251a,251bの発生箇所では、光の乱反射により内部の特定部位に対する視認性が低下し、また引張衝撃強さが極端に低下する等の機械的強度の低下を引き起こす原因となる。
そのためキャビティ内における溶融樹脂の流動経路をシュミレーションしてウエルドラインの発生位置を予測したり、ウエルドラインの発生箇所を補強したりする等、従来からも様々なウエルドライン対策が様々に講じられてきたが、このウエルドラインの問題を解消することはコスト、その他の理由により困難であり、家電製品、その他の各種製品の成型品において共通する重要な課題の一つである。
遊技機1においても、遊技機本体2,3の前側の遊技者の手に触れるところに配置されるもの(例えば操作ボタン64等)であったり、遊技機本体2,3の裏側の遊技者の手に触れないところに配置されるもの(例えば主基板ケース138、演出基板ケース134、裏カバー22等)であったりと、様々な成型品が用いられている。
各種の基板ケース138,143は、各基板137,142に対する不正行為を予防し、また不正行為があった場合にその発見を容易にする等の不正行為の防止対策として、内部の基板137,142の特定部位の状況を容易に確認できるように構成されているが、樹脂流し込み部跡192,252、ウエルドライン192a,192b,251a,251bは基板ケース138,143の内部の視認性の低下を招き、またウエルドライン192a,192b,251a,251bは基板ケース138,143の機械的強度の低下を招く問題がある。
同じ遊技機1に使用される基板でも、主基板137は遊技全体の結果に与える影響が非常に大であることから、集積回路装置174が不正に交換する等の不正対象として狙われ易いため、その主基板137を収容する主基板ケース138には、他の副基板を収容する副基板ケースとは違って遥かに高い視認性と機械的強度とが要求されることになる。
また溶融樹脂のキャビティ内での流動経路をシュミレーションした上でウエルドラインの発生位置をある程度特定できたとしても、基板ケース138,143と裏カバー22等のように別々に成型された成型品が重なって配置される場合には、その一方の成型品のウエルドライン192a,192b,251a,251bが、基板の特定部位から外れたとしても、他方の成型品のウエルドライン192a,192b,251a,251bがその特定部位に重なっていれば、結果的に特定部位の視認性は確保できているとは云えないことになる。
なお、成型品には、成型時の樹脂成型跡として、樹脂流し込み部跡192,252の他に押し出し部跡があるが、その押し出し部跡も視認性が低下する一因となる。即ち、特定部位に対する視認性の確保の点からは、押し出し部により成型品を可動金型から押し出す際に、その押し出し部に対応してできる押し出し部跡281a,281bも、樹脂流し込み部跡192,252等と同様である。
そこで、遊技機1に使用する各種の樹脂部品を製作する際には、各樹脂部品に最適な要件を考慮しながら成型する。例えば、遊技者が接触可能な第1樹脂部材(カバー体)である操作ボタン64と、遊技者が接触不能な第2樹脂部品である裏カバー22との対比においては、操作ボタン64の成型時の樹脂流し込み部跡90の数をN1(N1≧1)個とし、裏カバー22の成型時の樹脂流し込み部跡280の数をN1+n1(n1≧1)個とする。因みに操作ボタン64の樹脂流し込み部跡90の数は1個であり、裏カバー22の樹脂流し込み部跡280の数は5〜10個程度、例えば7個としている。
操作ボタン64の場合には、1個の樹脂流し込み部跡90に対応する1個の樹脂流し込み部から溶融樹脂を流し込んで成型することにより、ウエルドラインの発生を防止することができ、また樹脂流し込み部跡90の数が少なくなるため、溶融樹脂の流し込みに時間を要し成型能率が低下して製造コストが高くなるものの、成型後の操作ボタン64の美観、強度が向上する利点がある。
一方、裏カバー22の場合の樹脂流し込み部跡280の数は7個と操作ボタン64に比べて多くなっており、成型時にはその樹脂流し込み部跡280に対応する7個の樹脂流し込み部から溶融樹脂を流し込むため、キャビティへの溶融樹脂の流し込みが容易になり成型能率が向上して製造コストを低減できる。
また樹脂流し込み部跡280が多く、しかもウエルドライン283の発生等により、成型後の裏カバー22の美観、強度が低下するが、裏カバー22は遊技機本体2,3の裏側で主基板ケース138の裏側から保護するものであり、遊技者が接触することがないので、多少の美観、強度の低下が特に問題となることはない。
従って、遊技者が接触可能な操作ボタン64と、遊技者が接触不能な裏カバー22等のように、その樹脂部材が遊技機本体2,3に対してどの部分に配置されるかを考慮して樹脂流し込み部の数を決定し、美観、強度及び成型能率のバランスを取る必要がある。
なお、操作ボタン64は、溶融樹脂の流動阻害部が設けられた胴部68と、胴部68の上端側に連続状に形成された操作部70とを備え、胴部68の流動阻害部のない裏側に樹脂流し込み部跡90を配置している。流動阻害部は、胴部68の径方向に相対向して左右に2個配置され、且つ胴部68の端縁から操作部70側へと凹入する一対の切り欠き部68aにより構成されている。
遊技機1に採用される基板ケースには、例えば遊技動作制御用の主基板137を収容する主基板ケース(第1基板ケース)138と、主基板137とは別の演出動作制御用の演出基板133を収容する演出基板ケース(第2基板ケース)134とがある。この主基板ケース138と演出基板ケース134とを例に、その樹脂流し込み部跡192,207の数を考察する。
主基板ケース138の第1ケース体180には、図35に示すように樹脂流し込み部跡192があり、また演出基板ケース134の第1ケース体201には、図36に示すように樹脂流し込み部跡207がある。主基板ケース138の樹脂流し込み部跡192の数をN2(N2≧1)個(例えば2個)とすると、これに対して演出基板ケース134の樹脂流し込み部跡207の数はN2+n2(n2≧0)個(例えば3個)である。従って、主基板ケース138と演出基板ケース134との樹脂流し込み部跡192,207の数は同数か、又は演出基板ケース134の樹脂流し込み部跡207の数が主基板ケース138の樹脂流し込み部跡192の数よりはn2(n2≧1)個多くなっている。
主基板ケース138、演出基板ケース134を射出成型法により金型成型する場合、樹脂流し込み部跡192,207、ウエルドライン192a,192b,208a,208bは基板ケース134,138の内部の視認性の低下を招き、またウエルドライン192a,192b,208a,208bは基板ケース134,138の機械的強度の低下を招く問題がある。しかし、同じ遊技機1に使用される基板でも、主基板137は遊技全体の結果に与える影響が非常に大であることから、演出基板133に比較して、集積回路装置174を不正に交換する等の不正対象として狙われ易く、主基板137を収容する主基板ケース138には、演出基板133を収容する演出基板ケース134とは違って遥かに高い視認性と機械的強度とが要求されることになる。
そこで、主基板ケース138の成形時の樹脂流し込み部跡192の数を、演出基板ケース134の成形時の樹脂流し込み部跡207の数N2+n2(n2≧0)個よりも少ないN2(N2≧1)個、例えば2個とすることにより、主基板ケース138側の視認性、機械的強度の低下を防止することができる。また演出基板ケース134の成形時の樹脂流し込み部跡207の数をN2+n2(n2≧0)とすることにより、演出基板ケース134、液晶基板ケース136側の視認性、機械的強度が多少低下するものの、キャビティへの溶融樹脂の流し込みが容易になり成型能率が向上して製造コストを低減できる。
なお、主基板ケース138の樹脂流し込み部跡192と、演出基板ケース134の樹脂流し込み部跡207との他、主基板ケース138の樹脂流し込み部跡192と、液晶基板ケース136の樹脂流し込み部跡217との関係についても同様に実施可能である。
主基板ケース138と演出基板ケース134と液晶基板ケース136との裏面の前後方向の相対位置をみた場合、演出基板ケース134と液晶基板ケース136との裏面は略同一位置にあり、主基板ケース138の裏面は演出基板ケース134等よりも後方に突出している。即ち、主基板ケース138の後壁部180aの裏面は、演出基板ケース134、液晶基板ケース136の後壁部201aの裏面よりも裏側に突出している。
そのため各基板ケース134,136,138に対応する裏カバー22の背面部144が略平坦状である限り、主基板ケース138の裏面と裏カバー22の背面部144との間隔が、演出基板ケース134、液晶基板ケース136の裏面と裏カバー22の背面部144との間隔よりも小さくなる。
このようにすれば、裏カバー22の背面部144を介して各基板ケース134,136,138側を見た場合にも、主基板ケース138の内部に対する視認性が、演出基板ケース134、液晶基板ケース136の内部に対する視認性に比較して向上する。なお、主基板ケース138、演出基板ケース134、液晶基板ケース136の後方への突出量は略同じにしてもよい。
主基板ケース138、演出基板ケース134、液晶基板ケース136を保護する樹脂製の裏カバー22において、図40に示すように、裏カバー22の下側部分22Dにおける主基板ケース138と重なる領域を第1領域とし、裏カバー22の上側部分22Uにおける演出基板ケース134、液晶基板ケース136と重なる領域を第2領域とした場合に、その第1領域における樹脂流し込み部跡280の数をN3(N3≧1)個(例えば2個)とし、第2領域における樹脂流し込み部跡280の数をN3+n3(n3≧1)個(例えば5個)とすることが望ましい。なお、裏カバー22の第1領域と第2領域は、面積、体積が略同程度であることが望ましい。
このようにすれば、主基板ケース138から下側の部分と重なる第1領域では、裏カバー22を介しての視認性が向上し、また演出基板ケース134、液晶基板ケース136と重なる第2領域に多数の放熱孔264を配置するような場合でも、その放熱孔264の成型部によりキャビティ内での溶融樹脂の流動が極端に悪くなり裏カバー22の成型能率が低下するようなことはない。
裏カバー22を成型する場合には、裏カバー22の背面部144の第1押し出し部跡281aに対応して複数の第1押し出し部が配置され、裏カバー22の周縁部145の第2押し出し部跡281bに対応して複数の第2押し出し部が配置された可動金型を使用する。そして、成型後の裏カバー22を押し出す際には、可動金型側の第1押し出し部、第2押し出し部を裏カバー22の背面部144、周縁部145に夫々当接させた状態で、各押し出し部を押し出し方向に同一ストロークで同時に移動させて樹脂部品を押し出す。そのため成型後の裏カバー22には、各押し出し部に対応する複数箇所に第1押し出し部跡281a、第2押し出し部跡281bが残ることになる。
この場合、図40に示すように、第1押し出し部の当接面積を確保し易い背面部144の第1押し出し部跡281aは面積の大きい円形状とし、第2押し出し部の当接面積を確保し易い周縁部145の第2押し出し部跡281bは面積の小さい半円形状としており、第1押し出し部跡281aと第2押し出し部跡281bの形状、大きさが異なるため、裏カバー22の各部に適した形状、大きさの押し出し部により裏カバー22を押し出すことができる。
また裏カバー22の表面領域を、複数の放熱孔264が配置された放熱領域264Aと、放熱領域264A以外の非放熱領域264Bとに分けた場合には、放熱領域264Aと非放熱領域264Bとでは裏カバー22の可動金型に対する密着度が大きく異なるため、その裏カバー22の可動金型に対する密着度の違いに応じて、密着度の小さい非放熱領域264Bの押し出し部跡281a,281bの数をN5(N5≧1)個とし、密着度の大きい放熱領域264Aの押し出し部跡281a,281bの数をN5+n5(n5≧1)個とする。
例えば、裏カバー22の放熱領域264Aでは、背面部144の放熱孔264間にN5+n5(n5≧1)個の押し出し部跡281a,281bが略均等に分散して配置されているため、放熱孔264の成型部により大きな押し出し抵抗が発生するが、その押し出し抵抗に抗して裏カバー22の放熱領域264A側を押し出すことができる。
一方、非放熱領域264Bの押し出し部跡281a,281bの数がN5(N5≧1)個と放熱領域264A側の押し出し部跡281a,281bの数よりも少なくなっているが、非放熱領域264Bの背面部144は開口部がある程度であって、その殆どが平坦状であり押し出し抵抗が小さいため、主基板ケース138に対する視認性も向上する。
裏カバー22は、演出基板ケース134、液晶基板ケース136等の裏部材を裏側から保護する背面部144と、背面部144の外周から前側に屈曲して裏部材を外側から保護する周縁部145とを備えている。このような裏カバー22を成型する場合にも、他の裏部品等と同様に樹脂流し込み部からキャビティ内に溶融樹脂を流し込んで成型する。
裏カバー22は遊技機本体2,3側の左右の取り付け部20a,20bに取り付けているが、裏部材、その他の周辺部材との相対的関係から取り付け部20a,20bの前後位置が左右で異なる等の理由から、裏カバー22自体も左右非対称の構造となる場合が多い。そのため裏カバー22用の成型金型に樹脂流し込み部を配置するに当たっては、周縁部145の左右の屈曲部145a,145bの屈曲長さの大小に伴う左右の体積比を考慮して、キャビティ全体に対する溶融樹脂の巡りが略均一になるように樹脂流し込み部を配置する。
即ち、裏カバー22の表面領域をみた場合、図40に示すように、裏カバー22の背面部144の左右方向の略中央部分、例えば中心線CL1を基準にして、体積の大きい第1領域(反ヒンジ側部分22R)と、第1領域よりも体積の小さい第2領域(ヒンジ側部分22L)とに分けた場合に、第2領域における成型時の樹脂流し込み部跡280の数をN6(N6≧1)個とし、第1領域における成型時の樹脂流し込み部跡280の数をN6+n6(n6≧1)個とする。
このように第1領域と第2領域との体積比を考慮して樹脂流し込み部跡280の数を割り振ることにより、キャビティ全体に対する溶融樹脂の巡りが略均一になるため、裏カバー22を金型成型するに際しての成型能率が向上すると共に、裏カバー22の一部強度の極端な低下を防止することができる。
なお、樹脂流し込み部跡280は、裏カバー22の背面部144と屈曲部145a,145bとの両方に配置してもよいが、背面部144に配置することが望ましい。背面部144の左右両側に屈曲部145a,145bを備えた裏カバー22の場合には、一般的に第1領域の屈曲部145aは、第2領域の屈曲部145bよりも突出長さが大であるが、突出長さの長短以外の要因で体積の大小が生じる場合でも同様である。裏カバー22は第3ヒンジ手段21により屈曲部145a,145bの一方を遊技機本体2,3に開閉自在に取り付け、裏カバー22を閉じた状態で屈曲部145a,145bの他方をラッチ手段24により遊技機本体2,3に止める。
電子部品174が装着され且つ部品情報表示部179等の特定部位を有する基板(第1部材)137と、この基板137側の特定部位を視認可能に基板137を保護する樹脂製の基板ケース(第2部材)138とを備え、基板ケース138の基板137に対応する領域に放熱孔183等の通孔を備えた遊技機1において、基板137の特定部位の視認性を確保する上からは、その特定部位は通孔、ウエルドライン192a,192b、樹脂流し込み部跡192、押し出し部跡と重ならない位置に配置する必要がある。
また電子部品174が装着された基板137を収容する基板ケース138と、この基板ケース138を保護する裏カバー(第2部材)22とにおいて、その基板ケース138に複数の放熱孔(通孔)183がある場合にも同様である。
基板ケース138、裏カバー22に小さい通孔、ウエルドライン192a,192b、樹脂流し込み部跡192、押し出し部跡等があれば、その部分で光が乱反射するため、特定部位に対する視認性が低下する。また放熱孔183等の通孔があれば、基板ケース138、裏カバー22の成型時に放熱孔183の下流側にウエルドライン192aが発生するため、そのウエルドライン192aによって特定部位が見難くなり視認性が低下する。従って、基板137側の特定部位の視認性を確保する上からは、その特定部位は基板ケース138、裏カバー22の通孔、ウエルドライン192a,192b、樹脂流し込み部跡192、押し出し部跡と重ならない位置に配置することが望ましい。
基板137を収容する基板ケース138を含む裏部材と、この裏部材側を視認可能に保護する樹脂製の裏カバー22とを備える場合、特定部位の視認性を確保する上からは、裏カバー22の成型時に供された樹脂成型部跡は、特定部位と重ならない位置に配置する必要がある。例えば、遊技動作を制御するための主基板137を収容する第1基板ケース138と、この第1基板ケース138と重なる裏カバー22との関係において、裏カバー22の樹脂成型部跡は、第1基板ケース138と重ならない位置に配置することが望ましい。成型時の樹脂成型部跡には、樹脂流し込み部跡192、押し出し部跡がある。
主基板137を収容する第1基板ケース138を含む裏部材と、この裏部材を視認可能に覆う樹脂製の裏カバー22とを備え、主基板137に基板管理情報表示部178を設ける場合に、基板管理情報表示部178の視認性を確保する上からは、裏カバー22の成型時の樹脂成型部跡は、基板管理情報表示部178と重ならない位置に配置する必要がある。
その裏カバー22が第1基板ケース138と重なる場合でも、裏カバー22の樹脂成型部跡が基板管理情報表示部178と重ならない位置に配置する。裏カバー22に基板管理情報表示部178の視認用の開口部を備えてもよい。
図45〜図47は本発明の第2の実施形態を例示する。第3ヒンジ手段21は、裏カバー22の屈曲部側と一体に設けられたヒンジ軸147と、前枠3側の裏保護部14の側壁部18と一体に設けられ且つヒンジ軸147を上側に挿脱自在に受けるヒンジ軸受148とを備えている。
ヒンジ軸147は外周面が全体として略円形状であって、下端の挿入用頭部166と上端側の支持基部165との中間側に、挿入用頭部166と略同径の円形状に形勢された補強部286が設けられ、その挿入用頭部166と補強部286との間、補強部286と支持基部165との間に横断面略U字状に凹部167が設けられている。凹部167は第1の実施形態と同様にヒンジ軸147の前面側から径方向に凹入しており、上下両側の補強部286側へと上下の軸方向に長く形成されている。
ヒンジ軸受148は、ヒンジ軸147の補強部286側に保持する平面視略U字状の外周保持部287と、この外周保持部287の上下両側に設けられ且つヒンジ軸147の前側に配置された円弧状の前保持部288とを備え、その外周保持部287と前保持部288とが協働してヒンジ軸147を回転自在に保持している。なお、外周保持部287がヒンジ軸147の保持に十分な筒状であれば、前保持部288は不要である。ヒンジ軸受148の段部289でヒンジ軸147側の支持基部165を受けている。他の構成は第1の実施形態と同様である。
このようにヒンジ軸147に凹部167を設けて成型歪みの解消を図る場合にも、下端側の挿入用頭部166の他に、中間側に上下方向に1個以上の補強部286を設けることによって、ヒンジ軸147の外周を実質的に円形状に構成することができる。従って、略真円状又は略真円状と同一視できるヒンジ軸147においても、凹部167を設けて成型歪みを吸収することが可能である。
図48〜図50は本発明の第3の実施形態を例示する。第3ヒンジ手段21は、裏カバー22の屈曲部145a側と一体に設けられたヒンジ軸147と、前枠3側の裏保護部14の側壁部18aと一体に設けられ且つヒンジ軸147を上側に挿脱自在に受けるヒンジ軸受148とを備え、またヒンジ軸147とヒンジ軸受148との間に、裏カバー22用の規制手段149が設けられている。
ヒンジ軸147は支持基部165から下方に突出しており、下端側の挿入用頭部166と、この挿入用頭部166と支持基部165との間の補強部286を除く部分が横断面十字状に形成され、その挿入用頭部166と補強部286との間、補強部286と支持基部165との間に上下方向の凹部167が設けられている。
従って、このヒンジ軸147は、挿入用頭部166と補強部286とを含む外周面の全体が略円形状になっており、補強部286の上下両側に、周方向に4個の凹部167が上下方向に形成されている。
ヒンジ軸受148は、裏保護部14の側壁部18aの支持基部169から後方に突出する左右一対の保持部材290を有し、その左右の保持部材290間でヒンジ軸147を回動及び挿脱自在に保持するようになっている。
規制手段149は、ヒンジ軸受148側の一方の保持部材290の下面に形成された規制部291と、この規制部291の下側でヒンジ軸147から径方向に突出する規制突部292と、左右の保持部材290の後端部間に規制突部292が上下に通過可能に形成された切り欠き状の解除部293とを備えている。
従って、この規制手段149は、裏カバー22が閉状態から着脱位置22Bに開放するまではヒンジ軸受148の下側の規制部291で規制突部292の上方への移動を規制し、また裏カバー22を着脱位置22Bまで所定角度開放したときに規制部291による規制突部292の規制を解除して、規制突部292が左右の保持部材290間の解除部293に対応してその解除部293を上側へと通過するようになっている。
このようにヒンジ軸147に凹部167を設けて成型歪みを吸収する場合、ヒンジ軸147を横断面十字状に形成して周方向に複数の凹部167を設けることも可能である。またヒンジ軸147の中間に補強部286を設けると共に、その補強部286以外の外周形状を略真円状又は略真円状と同一視可能な形状にすることも可能である。
またヒンジ軸147に規制突部292を設け、ヒンジ軸受148に規制部291、解除部293を設けることにより、規制手段149を第3ヒンジ手段21に組み込むことができる。この規制手段149では、裏カバー22が所定角度開放するまでは、ヒンジ軸受148の規制部291がヒンジ軸147の規制突部292の上昇を規制しており、ヒンジ軸147をヒンジ軸受148から上側へと抜いて裏カバー22を取り外すことはできない。しかし、裏カバー22を所定角度開放すれば、ヒンジ軸147の規制突部292がヒンジ軸受148の解除部293に対応して、規制突部292が解除部293を通過可能になるため、裏カバー22を取り外すことができる。裏カバー22を取り付ける場合には、逆の順序で行えばよい。
図51〜図56は本発明の第4の実施形態を例示する。第3ヒンジ手段21は、図51〜図54に示すように、裏カバー22の屈曲部145a側と一体に設けられたヒンジ軸147と、前枠3側の裏保護部14の側壁部18aと一体に設けられ且つヒンジ軸147を上側に挿脱自在に受けるヒンジ軸受148とを備えている。
また上下方向に複数の各第3ヒンジ手段21には、そのヒンジ軸147とヒンジ軸受148との間に、閉位置22Aに近い第1規制範囲294Aで裏カバー22の取り外しを規制する第1規制手段294と、閉位置22Aから遠い第2規制範囲295Aで裏カバー22の取り外しを規制する第2規制手段295とを備えている。なお、第1規制手段294、第2規制手段295は、上下方向に複数の第3ヒンジ手段21の内、その少なくとも1個の第3ヒンジ手段21にあれば十分である。
ヒンジ軸147は第2の実施形態と同様に、下端側の挿入用頭部166と、この挿入用頭部166と支持基部165の間に上下方向に形成された凹部167とを備えている。ヒンジ軸受148は、ヒンジ軸147を前側から受ける第1受け部296aと、この第1受け部296a間に設けられ且つヒンジ軸147を後側から受ける第2受け部296bとを備えている。
第1規制手段294は、支持基部165の上側に設けられた規制部291と、この規制部291の上側でヒンジ軸受148側に設けられた規制突部292とを備え、裏カバー22が閉位置22Aから第1位置22aまでの第1規制範囲294A内では規制突部292が規制部291の上昇を規制し、裏カバー22が第1規制範囲294A以上に開放したときに規制突部292が規制部291から外れてその規制を解除するようになっている。そのため第1規制範囲294A内での裏カバー22の開放時には、第1規制手段294の規制により、裏カバー22は取り外し不能であるため、裏カバー22を取り外す場合には、裏カバー22を第1規制範囲294A以上開放する必要がある。
第1規制手段294による規制解除後であっても、その第1位置22a近傍の第2位置22bから第3位置22cまでの第2規制範囲295Aでは、第2規制手段295のヒンジ軸147の長径部分147Aが、ヒンジ軸受148の第1受け部296a及び第2受け部296bに接触して、ヒンジ軸147とヒンジ軸受148との間の上下方向の相対摺動を規制するため、第2規制手段295の規制作用により、裏カバー22のヒンジ軸147廻りの不安定な回動、ヒンジ軸147の抜けによる裏カバー22の不測の脱落を防止することができる。
即ち、裏カバー22が第2規制範囲295Aにある場合には、ヒンジ軸147の長径部分147Aは、図55に示すように、ヒンジ軸受148の第1受け部296aと第2受け部296bとの最小間隔296Aと略同じか、最小間隔296Aよりも若干大である。従って、裏カバー22を第2規制範囲295Aまでに開放した場合には、ヒンジ軸147の長径部分147Aの両端の摺動部がヒンジ軸受148の第1受け部296aと第2受け部296bとの被摺動部に当接して、その摩擦抵抗に抗しながらヒンジ軸147とヒンジ軸受148とがヒンジ軸147廻りに相対的に摺動するので、ヒンジ軸147とヒンジ軸受148との上下方向の相対摺動を規制することになる。
なお、ヒンジ軸147の短径部分147Bはヒンジ軸受148の最小間隔296Aよりも小径であり、裏カバー22を第1規制範囲294Aから第2規制範囲295Aへと開放して、ヒンジ軸147の短径部分147Bがヒンジ軸受148の最小間隔296Aに対応する位置において、ヒンジ軸147をヒンジ軸受148に対して上下方向に挿脱して裏カバー22の着脱を行う。
第2規制手段295は、第2規制範囲295Aではヒンジ軸147とヒンジ軸受148とが締まり、第2規制範囲295A外ではヒンジ軸147とヒンジ軸受148とが弛んで遊びができるようになっている。従って、第3ヒンジ手段21は、第2規制範囲295Aとそれ以外では締まり具合が異なり、裏カバー22が第2規制範囲295Aにあるときには、裏カバー22を無理に外そうとしも、第3ヒンジ手段21が外れないようなっている。
従って、裏カバー22が図56の第2規制範囲295Aまで開放した状態でメンテナンス等を行う場合に、その裏カバー22の先端側に接触するようなことがあっても、第2規制手段295によりヒンジ軸147とヒンジ軸受148との摩擦抵抗が大となっているので、ヒンジ軸147がヒンジ軸受148から抜けて裏カバー22が不測に脱落するようなことを未然に防止することができる。
また裏カバー22を第1規制範囲294Aから第2規制範囲295Aへと開放した状態では、第2規制手段295によりヒンジ軸147とヒンジ軸受148との摩擦抵抗が大となり、その摩擦抵抗に抗してヒンジ軸147とヒンジ軸受148とが軸心廻りに相対摺動するので、開放状態の裏カバー22が第3ヒンジ手段21廻りに不安定に回動するようなことも防止できる。
裏カバーを装着する場合には、裏カバー22が第1規制範囲294A、第2規制範囲295Aから離れた開放位置でヒンジ軸147をヒンジ軸受148に挿入すればよい。この開放位置では、ヒンジ軸147の短径部分147Bがヒンジ軸受148の最小間隔296Aに対応するため、ヒンジ軸147をヒンジ軸受148に対して容易に挿入することができる。
またヒンジ軸146をヒンジ軸受148に挿入した後、裏カバー22を閉位置22Aへと回動させて行けば、第2規制手段295によりヒンジ軸147の長径部分147Aの摺動部がヒンジ軸受148の最小間隔296Aの被摺動部に対応して両者間の摩擦抵抗に抗しながら回動する。これによって裏カバー22が第2規制範囲295A内を第3ヒンジ手段21廻りに閉位置22Aへと回動する際には、ヒンジ軸147とヒンジ軸受148との間の遊びによる裏カバー22の上下方向のガタツキを防止することができる。
従って、第2規制範囲295Aから第1規制範囲294Aを経て閉位置22Aへと裏カバー22を回動させるとは云え、第2規制手段295がない場合に比較して、裏カバー22が閉位置22Aに到達したときには、ラッチ手段24を取り付け孔153又はその近傍に位置させることが可能である。そのため比較的に剛性に欠けるような裏カバー22であっても、そのラッチ手段24を取り付け孔153に容易に合わせることができる。
なお、第1規制手段294を省略して、第2規制手段295が規制機能を発揮する第2規制範囲295Aを閉位置22A又はその近傍まで設けることも可能である。この場合には、第2規制手段295が閉位置22A又はその近傍まで機能して第3ヒンジ手段21のガタツキを規制できるので、ラッチ手段24の取り付け孔153に対する位置合わせが更に容易になる。
なお、ヒンジ軸147の長径部分147Aは、ヒンジ軸受148の間隔296Aと略同じ程度でもよいし、間隔296Aよりも若干大又は小でもよい。ヒンジ軸147の長径部分147Aが間隔296Aよりも若干大の場合、ヒンジ軸147及び/又はヒンジ軸受148を締まり方向に弾性変形可能に構成してもよい。第1規制範囲294Aと第2規制範囲295Aは一部が重なってもよいし、第1規制範囲294Aと第2規制範囲295Aとの間に多少の隙間があってもよい。
例えば、ヒンジ軸147は成型歪みを吸収する意図から凹部167によって横断面U字状になっているため、その横断面U字状のヒンジ軸147の肉厚を適宜調整することによって、横断面U字状の開放端側に適当な弾性力を持たせることができる。またヒンジ軸受148のU字状の第2受け部296bの肉厚を適宜調整することによって、ヒンジ軸受148に前後方向に適当な弾性力を持たせることができる。
図57〜図61は本発明の第5の実施形態を例示する。上下方向に複数の第3ヒンジ手段21は、図57〜図60に示すように、裏カバー22側に設けられ且つ上下両端側の支持基部165により両持ち状に支持されたヒンジ軸147と、前枠3の裏保護部14側に設けられ且つヒンジ軸147をその径方向に着脱自在に受けるヒンジ軸受148とを備えている。
ヒンジ軸147は、図61に示すように上下の支持基部165間に凹部167を備えており、長径部分147Aと短径部分147Bとが直角方向に形成された横断面U字状の長円状である。またヒンジ軸147の中間部分には、凹部167を横切る方向に案内兼用の補強部286が設けられている。
ヒンジ軸受148は、前枠3の裏保護部14側から後方に突出する左右一対の軸受突部297と、この軸受突部297の上下両端を左右に連結する上下一対の連結部298とを有し、上下の連結部298にヒンジ軸147を前側から保持する第1受け部298aが、左右の軸受突部297にヒンジ軸147を左右から保持する第2受け部298bが夫々設けられ、また左右の軸受突部297の後端部間に、ヒンジ軸147を前後方向に挿脱可能な挿脱部299が設けられている。
左右の軸受突部297の後端部間の間隔297A、即ち挿脱部299の左右幅は、ヒンジ軸147の短径部分147Bの寸法よりも若干小であり、左右の軸受突部297の後端部の一方又は両方が左右方向の外側に弾性変形することにより、ヒンジ軸147の短径部分147Bが挿脱部299を前後に通過可能である。
なお、挿脱部299はヒンジ軸147の短径部分147Bの寸法と同じでもよい。軸受突部297の上下幅は支持基部165間の間隔よりも若干小さく、この軸受突部297とその上下の支持基部165との間で第3ヒンジ手段21の相対上下動を規制するようになっている。
このような構成の第3ヒンジ手段21では、裏カバー22を第3ヒンジ手段21を介して取り付ける場合には、図61に示すようにヒンジ軸147の短径部分147Bをヒンジ軸受148の挿脱部299に対応させた後、その状態でヒンジ軸147側を前枠3側へと押圧する。するとヒンジ軸147の短径部分147Bがヒンジ軸受148の左右の軸受突部297の後端部を外側へと弾性変形させるので、左右の軸受突部297の後端部間の間隔が広がり短径部分147Bが挿脱部299を通過して左右の軸受突部297間に入り、この左右の軸受突部297によりヒンジ軸147が回転自在に保持される。
ヒンジ軸147には成型歪みを防止するために凹部167を形成しており、ヒンジ軸147の横断面形状が略U字状になっているが、その凹部167の中間に補強部286があるため、ヒンジ軸147の短径部分147Bが左右の軸受突部297の後端部間を通過する場合にも、凹部167の開放端側に対応する後端部が凹部167内に引っ掛かるようなことがなく、ヒンジ軸147の短径部分147Bが左右の軸受突部297の後端部間を速やかに通過することができる。
ヒンジ軸147の短径部分147Bが挿脱部299を通過して左右の軸受突部297間に入った後、裏カバー22をヒンジ軸147廻りに回動させると、ヒンジ軸147の長径部分147Aが左右の軸受突部297間に対応するので、ヒンジ軸147がヒンジ軸受148から脱落するようなことはない。
特にヒンジ軸147は凹部167により横断面略U字状になっているが、その凹部167の中間に補強部286があるため、ヒンジ軸147の長径部分147A側に圧縮方向の外力が加わるようなことがあっても、その補強部286に対応するヒンジ軸147の長径部分147Aが圧縮方向に弾性変形するようなことはない。そのためヒンジ軸147に凹部167があるにも拘わらず、ヒンジ軸147がヒンジ軸受148から不測に脱落するようなことはない。
裏カバー22を取り外す場合には、裏カバー22を後方へと開放してヒンジ軸147の短径部分147Bをヒンジ軸受148の挿脱部299に合わせ、その状態で裏カバー22を後方へと引っ張れば、左右の軸受突部297が外側へと弾性変形して、ヒンジ軸147がヒンジ軸受148から外れるので、裏カバー22を容易に取り外すことができる。
このようにヒンジ軸147の上下両側を支持基部165で両持ち状に支持することも可能である。裏カバー22を遊技機本体2,3に取り付ける場合、上下方向に複数の第3ヒンジ手段21を配置するが、その複数の第3ヒンジ手段21に第5の実施形態に例示のものを用いてもよいし、第1の実施形態に例示するように、1個以外の第3ヒンジ手段21は上側から挿脱する形式のものでもよい。
なお、ヒンジ軸147に凹部167を設けて、ヒンジ軸147の大径化を図りつつ成型歪みを防止する場合、一般的には凹部167は周方向に1個配置するのが適当であるが、周方向に複数個配置することも可能である。またヒンジ軸147に凹部167を設けた場合、ヒンジ軸147は長径部分147Aと短径部分147Bとを有する略長円状となるのが一般的にであるが、略楕円形状にしてもよいし、略真円状に構成してもよい。更にヒンジ軸147に長径部分147Aと短径部分147Bとを設ける場合、そのヒンジ軸147の外周形状は、略長円状、略楕円状、略真円状の他、丸みを帯びた三角形状、長方形状等でもよい。
裏カバー22が所定角度の第1角度開放するまでその取り外しを規制する第1規制手段294と、第1規制手段294による規制の解除状態でも、第1角度から第2角度の範囲内では裏カバー22の不測の脱落を規制する第2規制手段295とが設けられている。
ヒンジ軸147は第1の実施形態と同様に挿入用頭部166と支持基部165との間に凹部167を備えており、長径部分147Aと短径部分147Bとが直角方向に形成された横断面U字状の長円状である。ヒンジ軸受148は、ヒンジ軸147を前側から受ける上下一対の第1受け部296aと、この第1受け部296a間に設けられ且つヒンジ軸147を後側から受ける第2受け部296bとを備え、これら第1受け部296aと第2受け部296bとによって、ヒンジ軸147の全周を回動及び挿脱自在に支持するようになっている。
第1規制手段294は、支持基部165の上側に設けられた規制部291と、この規制部291の上側でヒンジ軸受148側に設けられた規制突部292とを備え、裏カバー22が閉状態から所定角度の第1角度まで開放する範囲内では規制突部292が規制部291の上昇を規制し、裏カバー22が第1角度以上に開放したときに規制突部292が規制部291から外れてその規制を解除するようになっている。従って、裏カバー22を第1角度以上に開放するまでは、第1規制手段294の規制により、裏カバー22は取り外し不能であるため、裏カバー22を取り外す場合には、裏カバー22を第1角度以上開放する必要がある。
図62は本発明の第6の実施形態を例示する。この実施形態では、裏カバー22は、主基板ケース138(第1基板ケース)及びその下側に配置された払い出し基板ケース143、電源基板ケース141とは重ならず、主基板ケース138の上側に左右に配置された演出基板ケース134(第2基板ケース)、液晶基板ケース136(第2基板ケース)等の裏部材と重なって保護するようになっている。
このような裏カバー22においても、その成型時の樹脂成型部跡である樹脂流し込み部跡280、押し出し部跡281ができる。しかし、裏カバー22が主基板ケース138、払い出し基板ケース143に重ならない場合には、主基板ケース138内の主基板137、払い出し基板ケース143内の払い出し基板142に視認対象となる特定部位があっても、その特定部位に対して主基板ケース138、払い出し基板ケース143の樹脂流し込み部跡280、押し出し部跡281が重ならないようにすればよい。
一方、裏カバー22が演出基板ケース134、液晶基板ケース136と重なる場合に、その演出基板ケース134内の演出基板133、液晶基板ケース136内の液晶基板135に、外部からの視認性が要求される基板管理番号、その他の特定部位があれば、その特定部位と重ならない位置に樹脂成型部跡である樹脂流し込み部跡280、押し出し部跡281を配置する必要がある。
裏カバー22の背面部144には、その上部側が複数の放熱孔264を有する放熱領域264Aとなっており、この放熱領域264Aの下側が平坦な無孔状の非放熱領域264Bとなっている。演出基板ケース134内の演出基板133、液晶基板ケース136内の液晶基板135には、裏カバー22の非放熱領域264Bに対応する部分に基板管理番号等の特定部位が配置されている。
裏カバー22の樹脂流し込み部跡280、押し出し部跡281は背面部144に分散して配置されている。放熱領域264A側には、各放熱孔264間に位置するように多数の樹脂流し込み部跡280、押し出し部跡281が分散して配置されている。非放熱領域264B側には、放熱領域264A側よりも少ない数の樹脂流し込み部跡280、押し出し部跡281が配置されており、しかもその樹脂流し込み部跡280、押し出し部跡281の位置は、非放熱領域264Bの周辺部分に配置される等、少なくとも主基板137側の部品情報表示部179等の特定部位と重ならない位置に配置されている。
主基板ケース138の樹脂流し込み部跡192の数はN2(N2≧1)個、例えば1個又は2個であり、裏カバー22の成型時の樹脂流し込み部跡90の数はN2+n4(n4≧1)個、例えば4〜6個程度である。勿論、主基板ケース138の樹脂流し込み部跡192は、主基板ケース138の周辺部分に配置する等、主基板137の特定部位と重ならないように配置する。
なお、主基板ケース138の樹脂流し込み部跡192の数をN2(N2≧1)個とした場合、演出基板ケース134及び/又は液晶基板ケース136側の樹脂流し込み部跡207,217の数はN2+n2(n2≧0)個程度が望ましい。
このようにすれば、演出基板ケース134内の演出基板133側に特定部位があり、液晶基板ケース136内の液晶基板135側に特定部位がある場合にも、裏カバー22を介しての特定部位の視認性を確保することができる。
また主基板ケース138は裏カバー22から外れており、裏カバー22による主基板ケース138の保護はないが、主基板ケース138の樹脂流し込み部跡192の数がN2(N2≧1)個であり、裏カバー22の樹脂流し込み部跡90の数N2+n4(n4≧1)個よりも少ないので、ウエルドラインの発生数も裏カバー22に比較して少なくなり、主基板ケース138の強度を確保することができる。
図63は本発明の第7の実施形態を例示する。この実施形態の裏カバー22側と前枠3側との間には、図63に示すように第1規制手段294、第2規制手段295が設けられている。
第1規制手段294は、裏カバー22が閉位置22Aと第1位置22aとの間の閉位置22A側の近傍にある場合に裏カバー22の取り外しを規制するものであり、裏カバー22と、この裏カバー22の上側近傍に配置され且つ裏カバー22よりも後方に突出する案内レール49により構成され、裏カバー22が第1位置22aを超えて開放したときに規制を解除するようになっている。
第2規制手段295は、裏カバー22が閉位置22Aと第2位置22bとの間にある場合に、その裏カバー22の取り外しを規制するものであり、裏カバー22側に設けられた規制突部292と、この規制突部292の下側でヒンジ軸147側に設けられた支持基部165とにより構成され、裏カバー22が第2位置22bを越えて開放したときに規制を解除するようになっている。
裏カバー22を取り外す場合には、ラッチ手段24を解除して裏カバー22を第3ヒンジ手段21廻りに後方へと第2位置22bを越えるまで開放し、その開放状態で裏カバー22を持ち上げて第3ヒンジ手段21のヒンジ軸147をヒンジ軸受148から抜き取ればよい。
しかし、裏カバー22を開放しても、裏カバー22が第1位置22aよりも閉位置22A側にある場合には、裏カバー22を持ち上げても、裏カバー22の上側に第1規制手段294の案内レール49があり、また第3ヒンジ手段21側に第2規制手段295があるため、第3ヒンジ手段21のヒンジ軸147がヒンジ軸受148から離脱するまで裏カバー22を持ち上げることができない。
裏カバー22が第1位置22aよりも閉位置22A側にある間は、第1規制手段294と第2規制手段295とが協働して裏カバー22の取り外しを規制するため、何れか一方のみで規制する場合に比較して第1規制手段294及び第2規制手段295の個々の負担を軽減することができる。
裏カバー22を第1位置22aを越えて開放すれば、第1規制手段294の案内レール49から裏カバー22が外れるため、第1規制手段294による裏カバー22の規制は解除されるが、裏カバー22が第2位置22bを越えるまでは、第2規制手段295が裏カバー22の取り外しを規制する。第2位置22bを越えるまで開放すれば、第2規制手段295による裏カバー22の規制は解除されるので、裏カバー22を上側へと持ち上げることが可能となり、第3ヒンジ手段21のヒンジ軸147をヒンジ軸受148から抜き取って裏カバー22を取り外すことができる。
図64〜図67は本発明の第8の実施形態を例示する。この第8の実施形態では、図64、図65に示すように、前枠3を外枠2に対して枢着する第1ヒンジ手段6と、裏カバー22を前枠3に対して枢着する第3ヒンジ手段21とが左右方向の同一側に配置されている。
このように第1ヒンジ手段6と第3ヒンジ手段21とを左右方向の同一側に配置した場合には、遊技機1を遊技ホールの島設備150側に装着した状態において、前枠3を第1ヒンジ手段6廻りに開放し、その後裏カバー22を第3ヒンジ手段21廻りに開放した場合に、裏カバー22が図65に示すように外枠2に接近すべく開放する。そのため遊技機1の裏側が島設備150間の通路側に大きく開放することになり、保守点検等の作業を容易に行うことができる。
前枠3の裏側の裏保護部14は、側壁部18a,18bの後端に略同高さの取り付け部20a,20bを左右に備えており、その第1ヒンジ手段6側の取り付け部20bには、延長取り付け部300に払い出し手段23、球供給通路51等が設けられると共に、裏カバー22が上下一対の第3ヒンジ手段21を介して開閉自在に枢着され、また第1ヒンジ手段6と反対側の取り付け部20aには、ラッチ手段24を介して裏カバー22が止められている。
裏カバー22は、図66、図67に示すように、演出基板ケース134、液晶基板ケース136、主基板ケース138等の裏部品を裏側から保護する背面部144と、この背面部144の外周から前側に屈曲状に形成され且つ演出基板ケース134、主基板ケース138等の裏部品を外周側から保護する周縁部145とを有する。
裏カバー22の周縁部145の内、その第1ヒンジ手段6と反対側の屈曲部145aは、第1ヒンジ手段6側の屈曲部145bに比較して前側への屈曲長さが大であり、ラッチ手段24による固定時にその屈曲部145aの前端が取り付け部20aに当接するようになっている。
また裏カバー22の背面部144の内、演出基板ケース134、液晶基板ケース136に対応する上部側は、複数の放熱孔264を有する放熱領域264Aとなっており、主基板ケース138に対応する下部側は平坦な無孔状の非放熱領域264Bとなっている。放熱領域264A側には、各放熱孔264間に位置するように複数の樹脂流し込み部跡280、押し出し部跡281が分散して配置されている。また非放熱領域264B側には、放熱領域264A側よりも少ない数の樹脂流し込み部跡280、押し出し部跡281が配置され、しかもその樹脂流し込み部跡280、押し出し部跡281の位置は、非放熱領域264Bの周辺部分に配置される等、少なくとも主基板137の開封履歴表記手段184等の特定部位と重ならない位置に配置されている。
裏カバー22の樹脂流し込み部跡280は、非放熱領域264Bの近傍側を含む放熱領域264Aの数が3〜5個程度であり、また放熱領域264Aの近傍側を含む非放熱領域264Bの数が1〜2個程度である。そして、裏カバー22を略左右中央の中心線を基準に第3ヒンジ手段21側の第1領域22Dと反対側の第2領域22Uとの樹脂流し込み部跡の分布を見た場合、成型金型の裏カバー22用のキャビティ内での溶融樹脂の巡りを略均一にするために、屈曲部145aの屈曲長さが長く体積の大きい第2領域22U側の樹脂流し込み部跡280の数が、屈曲部145bの屈曲長さが短く体積の小さい第2領域22U側の樹脂流し込み部跡280の数よりも多くなっている。
また主基板137の集積回路装置174の部品情報表示部179を特定部位とした場合、裏カバー22の非放熱領域264B側の上下に隣り合う樹脂流し込み部跡280間に発生するウエルドライン283は、特定部位と重ならない位置に配置されている。勿論、主基板ケース138の隣り合う樹脂流し込み部跡192間に発生するウエルドライン192bも、特定部位と重ならない位置に配置されている。
裏カバー22の背面部144側の押し出し部跡281aは略同じ大きさの円形状であり、背面部144側の放熱領域264Aには、各放熱孔264間に均等に複数の押し出し部跡281aが分布して配置され、また背面部144側の非放熱領域264B側には、放熱領域264A側よりも少ない数の押し出し部跡281aが主基板ケース138の周辺部分に配置されている。裏カバー22の周縁部145の前端にも押し出し部跡281b,281cが配置されているが、屈曲長さの短い屈曲部145b側の押し出し部跡281bは半円状であり、屈曲長さの長い屈曲部145a側の押し出し部跡281cは屈曲部145aに沿う長方形状である。
以上、本発明の各実施形態について詳述したが、本発明は各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨が逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。実施形態ではパチンコ機について例示しているが、パチンコ機の他、弾球遊技機、アレンジボール機等の遊技機1においても同様に実施可能である。
遊技機本体2,3の裏面側に配置された複数の裏部材と、複数の裏部材のうち少なくとも何れかの裏部材を保護する裏カバー22とを備え、裏カバー22を、所定角度内で開閉可能とし、更に着脱可能とした遊技機1において、裏カバー22の開放角度が所定角度未満の場合に裏カバー22の取り外しを規制する規制手段149,294,295を備え、裏カバー22は規制手段149による規制解除後に取り外し可能にしてもよい。
その場合、裏カバー22を開閉・着脱可能に支持するヒンジ手段21を備え、規制手段149,294,295を、ヒンジ手段21の近傍に配置及び/又はヒンジ手段21に備えてもよい。また裏カバー22の上側に、遊技球を貯留する球タンク48と、この球タンク48からの遊技球を払い出し手段23へと案内する案内レール49とを備え、規制手段149は、球タンク48及び/又は案内レール49により構成してもよい。
遊技機本体2,3の裏面側に配置された複数の裏部材と、複数の裏部材のうち少なくとも何れかの裏部材を保護する裏カバー22とを備え、裏カバー22は樹脂製のヒンジ軸147を有し、ヒンジ軸147を遊技機本体2,3側のヒンジ軸受148に挿入することで裏カバー22を開閉可能とした遊技機1において、ヒンジ軸147は、このヒンジ軸147の径方向に凹入する凹部167を備えたものでもよい。
その場合、凹部167は、ヒンジ軸147の軸方向に長くしてもよい。ヒンジ軸147は、凹部167を横断する方向の断面形状が略U字状であってもよい。またヒンジ軸147は、長径部分147Aと短径部分147Bとを有する長円形、楕円形等であり、ヒンジ軸147をヒンジ軸受148に挿入して第1角度から第2角度へと回転した場合、第1角度では長径部分147Aの少なくとも一方がヒンジ軸受148の内壁に当接せず、第2角度では長径部分147Aがヒンジ軸受148の内壁に当接するようにしてもよい。
ヒンジ軸147は、該ヒンジ軸147の軸方向の一端側で裏カバー22と一体の方持ち状であり、ヒンジ軸147の他端側には、凹部167を塞ぐ挿入用頭部(差込み端部)166を備えたものでもよい。ヒンジ軸147は、ヒンジ軸147の軸方向の両端側で裏カバー22と一体の両持ち状であってもよい。
遊技者が接触可能な第1樹脂部材と、遊技者が接触不能な第2樹脂部材とを備えた遊技機1において、第1樹脂部材の成型時の樹脂流し込み部跡の数をN1(N1≧1)個とし、第2樹脂部材の成型時の樹脂流し込み部跡の数をN1+n1(n1≧1)個としてもよい。
その場合、第1樹脂部材は、遊技者が操作可能な操作手段におけるカバー体であり、第2樹脂部材は、遊技機本体2,3の裏面側に配置された裏部材を保護する裏カバー22であってもよい。裏カバー22は、溶融樹脂の流動阻害部が設けられた胴部68と、胴部68の上端側に連続状に形成された操作頂部とを備え、胴部68の流動阻害部のない側に樹脂流し込み部跡を配置してもよい。また流動阻害部は、胴部68の径方向に相対向して配置され、且つ胴部68の端縁から操作頂部側へと凹入する一対の切り欠き部68aであってもよい。
なお、遊技者が接触可能な第1樹脂部材の具体例として、操作手段のカバー体を挙げたが、これに限らない。例えば、上皿52と下皿61の外周側を覆う下部カバー62や、可動演出手段97における樹脂部などを第1樹脂部材に該当するものとしてもよい。
ただし、遊技者が接触可能な樹脂部すべてを第1樹脂部材とすることは、その費用対効果の観念上ふさわしくない。そこで、遊技機が接触可能な樹脂部の中でも、樹脂流し込み部をN1個とするか、それともN1+n1個もしくはそれ以上とするかに分けてもよい。例えば、(i)ハンドルや操作手段等の激しく接触される(引っ張られたり強打されたりする)おそれのある樹脂部、(ii)上皿や下皿等の遊技する過程で接触してもおかしくない(接触が想定される)樹脂部、(iii)遊技機枠に設けられた可動演出手段等の接触は想定されていないが意図的に破壊されると遊技に支障をきたす樹脂部、(iv)それ以外の樹脂部、といったように「接触可能性」や「破壊された場合の影響力」等を考慮して、その可能性や影響力が大きいと判断したものについてはN1個、そうではないと判断したものについてはN1+n1個もしくはそれ以上としてもよい。
組み合わせを例示すると、上記(i)のみをN1個とする、上記(i)と(ii)をN1個とする、上記(i)と(ii)と(iii)をN1個とする、上記(i)と(iii)をN1個とする、上記(iii)のみをN1個とすることなどが考えられる。
また、別の視点から破損可能性を考慮することも考えられる。すなわち、遊技機が破損するおそれがあるのは、遊技者による接触に起因する場合だけではなく、店員の動作に起因する場合もあるということである。もちろん、意図的に破壊、破損させようとすることはないが、組み立て時、設置時、営業時間内や営業時間外のメンテナンス時など、様々なタイミングで過失的に破損させてしまう場合がある。
したがって、店員側の過失による破損可能性の大小を基準として、可能性の高いものについては第1樹脂部材に該当するものとしてもよい。例えば、設置時における「遊技機の転倒」を前提として破損の大小を考えた場合、遊技機裏面側が傷つく分には遊技者からは視認不能であるため、機能に一切影響がなく、単なる美観を損ねる程度の破損(擦り傷等)であれば特に問題はない。
しかし、遊技機前面側が傷つくと、たとえ機能に一切影響がなかったとしても、遊技者に対して良い印象は与えない。したがって、遊技機前面側に転倒した場合、その凹凸関係によって最初に接地する箇所(例えば上皿ユニット、ハンドル等)についてはより高い強度が求められる。そのような箇所における樹脂部を第1樹脂部材としてもよい。
なお、これに限らず、メンテナンス時における「扉開放時の接触」を前提とするのであれば、隣の台と最初に接触する可能性のある部分(例えば左端部または右端部、もしくは突出量の大きい部分など)を第1樹脂部材に該当するものとしてもよい。
遊技機本体2,3の裏側に、遊技動作を制御する主基板137を収容する樹脂製の第1基板ケース138と、主基板137とは異なる基板を収容する樹脂製の第2基板ケース134とを少なくとも備えた遊技機1において、第1基板ケース138の成形時の樹脂流し込み部跡192の数をN2(N2≧1)個とし、第2基板ケース134の成形時の樹脂流し込み部跡207の数をN2+n2(n2≧0)個としてもよい。
その場合、第1基板ケース138の後壁部(裏面部)180aは、第2基板ケース134の後壁部(裏面部)201aよりも裏側に突出することが望ましい。少なくとも第1基板ケース138及び第2基板ケース134を保護する樹脂製の裏カバー22を備え、裏カバー22における第1基板ケース138と重なる領域を第1領域とし、裏カバー22における第2基板ケース134と重なる領域を第2領域とした場合、第1領域における樹脂流し込み部跡280の数をN3(N3≧1)個とし、第2領域における樹脂流し込み部跡280の数をN3+n3(n3≧1)個としてもよい。
第2基板ケース134を保護し且つ第1基板ケース138を保護しない樹脂製の裏カバー22を備え、第1基板ケース138の樹脂流し込み部跡192の数をN4(N4≧1)個とし、裏カバー22の成型時の樹脂流し込み部跡280の数をN4+n4(n4≧1)個としてもよい。
少なくとも第1樹脂部品を含む複数の樹脂部品を備えた遊技機1において、第1樹脂部品における第1位置に配置された成型時の第1押し出し部跡281a,281bと、第1樹脂部品における第2位置に配置された成形時の第2押し出し部跡281a,281bとが、互いに異なる大きさとなるように構成することもある。
その場合、第1樹脂部品は、裏部材を保護する樹脂製の裏カバー22であり、裏カバー22の表面領域を、複数の放熱孔264が配置された放熱領域264Aと、放熱領域264A以外の非放熱領域264Bとに分けた場合、非放熱領域264Bにおける押し出し部跡281a,281bの数をN5(N5≧1)個とし、放熱領域264Aにおける押し出し部跡281a,281bの数をN5+n5(n5≧1)個としてもよい。また裏カバー22は、裏部材を裏側から保護する背面部144と、背面部144の外周から前側に屈曲する屈曲部145a,145bとを備え、押し出し部跡281a,281bは、背面部144側と屈曲部145a,145b側とで大きさが異なってもよい。
裏部材を保護する樹脂製の裏カバー22を備えた遊技機1において、裏カバー22の表面領域を、左右方向の略中央部分を基準にして、体積の大きい第1領域と、第1領域よりも体積の小さい第2領域とに分けた場合、第2領域における成型時の樹脂流し込み部跡280の数をN6(N6≧1)個とし、第1領域における成型時の樹脂流し込み部跡280の数をN6+n6(n6≧1)個としてもよい。
その場合、裏カバー22は、裏部材を裏側から覆う背面部144と、背面部144の外周から前側に屈曲する屈曲部145a,145bとを備え、背面部144に樹脂流し込み部跡280を配置してもよい。裏カバー22は背面部144の左右両側の屈曲部145a又は145bを備えた場合、その第1領域の屈曲部145a又は145bは、第2領域の屈曲部145b又は145aよりも屈曲長さが大となるようにしてもよい。また裏カバー22は、第1領域と第2領域との一方の屈曲部145a,145bを遊技機本体2,3に開閉自在に取り付けるヒンジ手段21と、第1領域と第2領域との他方の屈曲部145a,145bを裏カバー22の閉状態で遊技機本体2,3に止める止め具(ラッチ手段)24とを備えてもよい。
第1部材137と、第1部材137の特定部位を視認可能に第1部材137を保護する樹脂製の第2部材138とを備え、第2部材138は、第1部材137に対応する対応領域に通孔183を備えた遊技機1において、第1部材137側の特定部位は、第2部材138の通孔183及びウエルドライン192a,192bと重ならない位置に配置してもよい。また第1部材は、電子部品が装着された基板137であり、第2部材は、基板137を収容する基板ケース138であり、基板ケース138は、通孔である複数の放熱孔183を有するものでもよい。第1部材は、電子部品が装着された基板137を収容する基板ケース138であり、第2部材は、基板ケース138を保護する裏カバー22であり、裏カバー22は、通孔である複数の放熱孔264を有するものでもよい。特定部位は、基板側の情報表示部であってもよい。
基板137を収容する基板ケース138を含む裏部材と、裏部材側を視認可能に保護する樹脂製の裏カバー22とを備えた遊技機1において、裏カバー22は、基板ケース138側の特定部位と重ならない位置に、該裏カバー22の樹脂成型時に供された樹脂成型部跡を配置してもよい。
その場合、基板は、遊技動作を制御するための主基板137であり、基板ケースは、主基板137を収容する第1基板ケース138であってもよい。裏カバー22は、第1基板ケース138と重なり、樹脂成型部跡は、第1基板ケース138と重ならない位置に配置してもよい。裏カバー22は、第1基板ケース138と重ならず、第1基板ケース138以外の裏部材を保護するものでもよい。樹脂成型部跡は、成型時の樹脂流し込み部跡192,280であるか、又は成型時の押し出し部跡281a,281bである。
主基板137を収容する第1基板ケース138を含む裏部材と、裏部材を視認可能に覆う樹脂製の裏カバー22とを備え、主基板137に基板管理情報表示部178を設けた遊技機1において、裏カバー22は、裏カバー22の成型時に供した樹脂成型部跡を基板管理情報表示部178と重ならない位置に備えたものでもよい。
その場合、裏カバー22は、第1基板ケース138と重なり、樹脂成型部跡は、基板管理情報表示部178と重ならない位置に配置してもよい。裏カバー22は、基板管理情報表示部178の視認用の開口部を備えてもよい。第1基板ケース138は、裏カバー22と重ならない位置に配置し、裏カバー22は、第1基板ケース138以外の裏部材を覆うようにしてもよい。樹脂成型部跡は、樹脂流し込み部跡192,280及び/又は押し出し部跡281a,281bである。
複数の動作を実行可能な可動手段46,47,97と、可動手段46,47,97の動作の注意喚起情報を直接的又は間接的に表示する注意喚起情報表示手段122,123,124とを備えた遊技機1において、注意喚起情報表示手段122,123,124は、複数の動作のうち遊技者に対する注意喚起度合いの低い動作については表示せずに、遊技者に対する注意喚起度合いの高い動作の注意喚起情報を表示してもよい。
その場合、注意喚起情報は、複数の動作のうち可動手段の動き量の大きい動作に関するものであってもよい。注意喚起情報表示手段122,123,124は、貼着式の表示シールであってもよい。可動手段46,47,97は、遊技者が接触可能に遊技機本体2,3の前面にあり、注意喚起情報表示手段122,123,124は、可動手段46,47,97の近傍に位置するようにしてもよい。
なお、樹脂部品の成型に際しては、各部品に要求される条件に応じて適切な樹脂材料を使用する必要がある。耐熱性が要求される樹脂部品には耐熱性に優れた樹脂材料を、透明性が要求される樹脂部品には透明性に優れた樹脂材料を、耐衝撃性が要求される樹脂部品には耐衝撃性に優れた樹脂材料を夫々使用する。逆に耐熱性、耐衝撃性の比較的低い樹脂部品には、それに応じた優れた樹脂材料を使用する。例えば裏カバー22にはABSが適当であり、また基板ケース134,136,138,141,143にはPCが適当である。
裏カバー22の近傍に周辺部材がある場合等,周辺条件に応じて裏カバー22は、その少なくとも一部が周辺部材に沿う形状であることが望ましい。例えば、裏カバー22の屈曲部の前端縁は,その前側の周辺部材に沿う形状に前後方向に凹凸状に加工されている。また裏カバー22の屈曲部の上側に球タンク48、案内レール49等が近接する場合には、屈曲部の上側壁は球タンク48、案内レール49の底面に沿うように上下方向に傾斜状又は凹凸状に加工されている。
第3ヒンジ手段21は上下方向に2個以上の複数あればよいが、複数の第3ヒンジ手段21は同一種類でもよいし、異なる種類でもよい。第3ヒンジ手段21のヒンジ軸147は、真円状でもよいし、長円状又はそれに近い形状でもよい。規制手段149はその機能を損なわない範囲内で種々の変更が可能である。
ヒンジ軸147に凹部を設ける場合に、その凹部は裏カバー22が閉状態のときにヒンジ軸147の前側に位置するように配置する等、人目に触れにくい箇所に配置することが望ましい。また裏カバー22が着脱不能又は困難な状態にある場合にはその凹部を視認できず、裏カバー22を所定角度まで開放して着脱可能な状態になれば凹部を視認できるように構成してもよい。
ガイドレール27の内レールを射出成型により成型する場合には、内レールの長さが長い場合、又は内レールに他部品の一部が一体に設けられる場合には、内レールの長手方向の複数箇所に樹脂流し込み部を設けるが、ウエルドラインの発生を防止する点からは、内レールの樹脂流し込み部の数は1個とすることが望ましい。
裏カバー22に放熱孔を設ける場合、その放熱孔は放熱量に見合うものであれば、その形状、数は問題ではないが、一般的には長孔状に構成されることが多い。この場合、裏カバー22の内側に配置されるハーネスが放熱孔に引っ掛かったり、ハーネスの一部が放熱孔から後方に突出したりしないようにすることが望ましい。
例えば、放熱孔の内側近傍に裏カバー22へと小半径で大きく湾曲するハーネスがあり、そのハーネスの湾曲部分が裏カバー22に近接又は接触するような場合には、ハーネスの湾曲部分が左右方向のときにはその左右方向に対して放熱孔を上下方向に配置し、またハーネスの湾曲部分が上下方向のときにはその上下方向に対して放熱孔を左右方向に配置する等、放熱孔の長手方向とハーネスの湾曲部分の方向とが交差するように構成することが望ましい。
裏カバー22を放熱孔の配置領域と非配置領域とに分けた場合、樹脂流し込み部は非配置領域、又はその近傍に設けることが望ましい。裏カバー22を放熱孔の配置領域と非配置領域とに分けた場合、押し出し部の数は配置領域の方を多くすることが望ましい。裏カバー22を上部と下部とに分けた場合、上部側の押し出し部の数は周辺部分よりも中央部分に多く配置し、下部側の押し出し部の数は中央部分よりも周辺部分に多く配置する。
裏カバー22の最上部の第3ヒンジ手段21と最下部の第3ヒンジ手段21との距離は、裏カバー22を前枠3側に固定する最上部のラッチ手段24と最下部のラッチ手段24との距離は異なる。例えば、前者の距離が後者の距離よりも大又は小である。
<背景技術と課題その1>
パチンコ機等の遊技機は、特開2016−144506号公報に示すように、遊技機本体に遊技盤を備え、この遊技盤の遊技領域の中央部に、画像表示手段を構成する液晶表示手段が、その周辺に入賞手段、可動演出手段等の遊技部品が夫々配置されている。遊技盤の裏側には、各種演出制御用の演出基板を収容する演出基板ケースと、液晶表示手段の制御用の液晶基板を収容する液晶基板ケースとが左右に配置され、その下側に遊技制御用の主基板を収容する主基板ケースが配置されている。
遊技機本体の前側には、遊技盤の下側の上皿ユニットに、操作ボタンを含む操作手段を備え、遊技中に所定条件を充足したときに操作ボタンを操作すれば、液晶表示手段に所定の操作演出画像が表示されるようになっている。遊技機本体の裏側には、左右方向の一側に払い出し手段が上下方向に配置され、上部側に、遊技球を貯留する球タンクと、この球タンク内の遊技球を払い出し手段へと案内する案内レールとが左右方向に配置されている。
また遊技機本体の裏側には、左右方向の一側に払い出し手段が上下方向に配置され、上部側に、遊技球を貯留する球タンクと、この球タンク内の遊技球を払い出し手段へと案内する案内レールとが左右方向に配置されている。また遊技機本体の裏側には、電源供給用の電源基板を収容する電源基板ケースと、遊技球の払い出し制御用の払い出し基板を収容する払い出し基板ケースとが主基板ケースの下側で前後に配置されている。更に遊技機本体の裏側には、演出基板ケース及び液晶基板ケースの全体と、主基板ケースの上部側等を裏側から保護する裏カバーがヒンジ手段を介して着脱・開閉可能に設けられている。
この種の遊技機では、演出基板ケース、液晶基板ケース、主基板ケース、その他の裏部材側を点検する際の利便性を考慮して、裏カバーをヒンジ手段廻りに開閉可能にする一方、必要に応じて裏カバー全体を取り外すようにしている。しかし、近年の遊技機の裏部材は、その前側の遊技盤、液晶表示手段等の拡大化、更には可動演出手段の配置等に伴って、裏側に大きく突出して配置せざるを得ない状況にある。そのため立体的とも言える裏部材を裏カバーにより保護する場合には、単に裏部材を背面側から平面的に保護するのみでは十分とは言えず、裏部材の側面側をも保護する必要がある。
このような状況下において裏カバーを取り外す際には、裏カバー内の裏部材との干渉を避けることが不可欠であり、裏カバーをヒンジ手段廻りに所定角度開放してから、ヒンジ手段のヒンジ軸を上方に抜き取って裏カバーを取り外す必要がある。従って、このような状況下の裏カバーにおいては、裏カバーの着脱時に裏部材との干渉を防止できる遊技機を提供することをが望まれる。
<背景技術と課題その2>
また、この種の遊技機では、遊技機本体及び裏カバーを共に樹脂製とする場合、そのヒンジ手段を構成するヒンジ軸と、このヒンジ軸廻りに回転可能で上下方向に挿脱自在に支持するヒンジ軸受との内、そのヒンジ軸を開閉部材である裏カバーに、ヒンジ軸受を支持部材である遊技機本体に夫々一体に射出成型することが考えられる。
このように裏カバーにヒンジ軸を一体に成型する場合に、ヒンジ軸の十分な強度を確保するためには、そのヒンジ軸の直径を裏カバー側の板厚よりも大にする必要がある。しかし、ヒンジ軸を直円筒面状の中実構造とし、その直径を裏カバー側の板厚よりも大にすれば、ヒンジ軸の中実部分の溶融樹脂の体積が他の部分の体積よりも大であるため、ヒンジ軸側の中心部分の溶融樹脂の冷却速度が他の部分よりも遅くなり、冷却後のヒンジ軸にヒケと云われる成型歪み(収縮歪み)が発生して変形し、裏カバーの開閉に支障を来たす恐れがある。
ヒンジ軸の直径を裏カバー側の板厚と同程度にすれば、溶融樹脂の冷却時の成型歪み(収縮歪み)の問題は解消できるが、ヒンジ軸自体の強度が低下して裏カバーの開閉には耐えられなくなる問題がある。
またヒンジ軸をヒンジ軸受に挿入した状態において、裏カバーを取り外し不能な範囲では、ヒンジ軸とヒンジ軸受との摩擦抵抗が小さく裏カバーを軽快に開閉でき、しかも裏カバーが取り外し可能な所定角度まで開放した場合には、ヒンジ軸とヒンジ軸受との摩擦抵抗が増加して、裏カバーを取り外し可能ではあるものの、裏カバーの取り外しを意図しないときに、ヒンジ軸がヒンジ軸受から不用意に抜け出さないようにすることが考えられる。
このような場合には、ヒンジ軸の断面形状を略楕円形にする必要がある。しかし、ヒンジ軸の断面形状を略楕円形にする場合には、ヒンジ軸及び/又はヒンジ軸受の摩耗を極力少なくし、また所定の摩擦抵抗を確保しつつもヒンジ軸受に対するヒンジ軸の挿脱を容易にするためには、ヒンジ軸を長径方向に弾性変形可能にする必要がある。
従って、このような構成の遊技機においては、ヒンジ軸の強度を確保しながら成型歪みの発生を防止できるようにすることが望まれる。
<背景技術と課題その3>
遊技機には操作ボタン、裏カバー等のように、射出成型により金型成型された多くの樹脂部材が配置されている。一方、樹脂部材の成型においては、金型内のキャビティに溶融樹脂を流し込む樹脂流し込み部の数の大小が、成型後の樹脂部材の美観、強度、成型能率に大きく影響する。即ち、金型の樹脂流し込み部の数を少なくすれば、ウエルドライン、樹脂流し込み部跡が少なくなるため、成型後の樹脂部材の美観、強度が向上するが、キャビティへの溶融樹脂の流し込みに時間を要し成型能率が低下するため、製造コストが高くなる。
また逆に樹脂流し込み部の数を多くすれば、ウエルドライン、樹脂流し込み部跡が多くなるため、成型後の樹脂部材の美観、強度が低下するが、キャビティへの溶融樹脂の流し込みが容易になり成型能率が向上して製造コストを低減できる。
そのため遊技者が接触可能な第1樹脂部材、遊技者が接触不能な第2樹脂部材のように、樹脂部材が遊技機のどの部分に配置されるかを考慮して樹脂流し込み部の数を決定し、美観、強度及び成型能率のバランスを取る必要がある。
従って、この種の遊技機では、第1樹脂部材と第2樹脂部材とに応じて夫々に要求される美観、強度及び成型能率の好適なバランスを確保できるようにすることが望まれている。
<背景技術と課題その4>
遊技機の裏側には、主基板を収容する主基板ケースである第1基板ケースと、主基板以外の演出基板を収容する演出基板ケース、液晶基板を収容する液晶基板ケース等である第2基板ケースが配置されている。この各基板ケースには、内部の基板の状況を視認可能な透明な樹脂製のものが採用されている。
これらの基板ケースは射出成型法により金型成型されるが、樹脂流し込み部跡、ウエルドラインは基板ケースの内部の視認性の低下を招き、またウエルドラインは基板ケースの機械的強度の低下を招く問題がある。
また同じ遊技機に使用される基板でも、主基板は遊技全体の結果に与える影響が非常に大であることから、集積回路装置を不正に交換する等の不正対象として狙われ易いため、その主基板を収容する第1基板ケースには、他の副基板を収容する第2基板ケースとは違って遥かに高い視認性と機械的強度とが要求されることになる。
従って、このような遊技機では、第1基板ケースの視認性を良好にできるようにすることが望まれている。
<背景技術と課題その5>
この種の遊技機では、各基板ケース、裏カバー、その他に多数の樹脂部品が採用されている。これらの樹脂部品を製造する際には、固定金型と可動金型との間のキャビティ内に樹脂流し込み部から高圧で溶融樹脂を流し込んで成型した後に、可動金型を後退させて型開きを行い、次いで可動金型側の複数の押し出し部により樹脂部品を押し出して取り外す射出成型法が採用されている。
樹脂部品を押し出す際には、可動金型側の複数の押し出し部が樹脂部品の各箇所に当接した状態で、押し出し方向に同一ストロークで同時に移動して樹脂部品を押し出す。そのため成型後の樹脂部品には、各押し出し部に対応する複数箇所に複数の押し出し部跡が残ることになる。
基板ケース、裏カバー等の樹脂部品は凹凸構造を有し、その凹凸構造部には、可動金型から外れ易くすべくその凹凸量に応じた抜き勾配がある。しかし、単一の樹脂部品でも、凹凸構造が多く形状的に複雑な部分と、凹凸構造が少なく形状的に単純な部分とでは、樹脂部品の可動金型に対する密着度に大きな違いがあり、樹脂部品の対象部位毎に、その部位に最適な大きさの押し出し部を最適位置に配置する必要がある。
従って、このような遊技機では、樹脂部品の各位置に適した大きさの押し出し部を配置できるようにすることが望まれている。
<背景技術と課題その6>
この種の遊技機では、演出基板ケース、裏カバー等の多数の樹脂製の成型品が採用されている。このような成型品を製造する際には、固定金型側の複数の樹脂流し込み部から固定金型と可動金型との間のキャビティ内に高圧で溶融樹脂を流し込んで所定形状に成型する射出成型法が採用されている。
演出基板ケース、主基板ケース等の基板ケースは、内部の基板側の基板管理情報表示部等の特定部位を視認可能に無色透明の樹脂製とし、また裏カバーは前側の演出基板ケース、主基板ケース等を視認でき、しかも各基板ケース内の基板管理情報表示部等の特定部位を視認できるように無色透明又は着色透明の樹脂製としている。一方、基板の電子部品には、発熱量の大きい発熱性部品があるため、その熱を効率的に放熱するために、基板ケース、裏カバーには所要箇所に多数の放熱孔が設けられている。
しかし、基板ケース、裏カバーに樹脂流し込み部跡、放熱孔等があれば、その部分で光が乱反射するため、特定部位に対する視認性が低下する。また放熱孔等の通孔があれば、基板ケース、裏カバーの成型時に放熱孔の下流側にウエルドラインが発生するため、多数の放熱孔が形成された放熱領域に対応して基板側の基板管理情報表示部が配置されるような場合には、放熱孔の下流側にできるウエルドライン等によって表示情報が見難くなり、表示情報の視認性が低下する欠点がある。
従って、このような遊技機では、第2部材を通して第1部材側の特定部位を視認する場合の視認性の低下を防止できるようにすることが望まれている。
<背景技術と課題その7>
この種の遊技機では、演出基板ケース、裏カバー等の多数の樹脂製の成型品が採用されている。このような成型品を製造する際には、固定金型側の複数の樹脂流し込み部から固定金型と可動金型との間のキャビティ内に高圧で溶融樹脂を流し込んで所定形状に成型する射出成型法が採用されている。
演出基板ケース、主基板ケース等の基板ケースは、内部の基板側の基板管理情報表示部等の特定部位を視認可能に無色透明の樹脂製とし、また裏カバーは前側の演出基板ケース、主基板ケース等を視認でき、しかも各基板ケース内の基板管理情報表示部等の特定部位を視認できるように無色透明又は着色透明の樹脂製としている。一方、基板の電子部品には、発熱量の大きい発熱性部品があるため、その熱を効率的に放熱するために、基板ケース、裏カバーには所要箇所に多数の放熱孔が設けられている。
しかし、基板ケース、裏カバーに樹脂流し込み部跡、放熱孔等があれば、その部分で光が乱反射するため、特定部位に対する視認性が低下する。また放熱孔等の通孔があれば、基板ケース、裏カバーの成型時に放熱孔の下流側にウエルドラインが発生するため、多数の放熱孔が形成された放熱領域に対応して基板側の基板管理情報表示部が配置されるような場合には、放熱孔の下流側にできるウエルドライン等によって表示情報が見難くなり、表示情報の視認性が低下する欠点がある。
従って、このような遊技機では、第2部材を通して第1部材側の特定部位を視認する場合の視認性の低下を防止できるようにすることが望まれている。
<背景技術と課題その8>
この種の遊技機では、演出基板ケース、裏カバー等の多数の樹脂製の成型品が採用されている。このような成型品を製造する際には、固定金型と可動金型との間のキャビティ内に高圧で溶融樹脂を流し込んで成型する射出成型法が採用されている。
演出基板ケース、主基板ケース等の基板ケースは、基板の基板管理情報表示部の表示情報を外側から視認可能に無色透明の樹脂製とし、また裏カバーは基板ケース側の表示情報、基板側の表示情報を裏側から視認可能に無色透明又は着色透明の樹脂製としている。
これらの基板ケース、裏カバーを樹脂成型する際には、固定金型側の樹脂流し込み部からキャビティ内に高圧で溶融樹脂を流し込んで成型した後に、可動金型を後退させて型開きを行い、次いで可動金型側の押し出し部により樹脂部品を押し出して取り外す。そのため基板ケース、裏カバーには、その成型時に供した樹脂流し込み部跡、押し出し部跡等の樹脂成型部跡が残ることになる。
しかし、この樹脂成型部跡の多くが凹凸状になっているため、その樹脂成型部跡が基板、基板ケースの情報表示部等の特定部位と重なれば、樹脂成型部跡で光が乱反射するため、その樹脂成型部跡が障害となって裏カバーの裏側からの表示情報等の視認性が低下する。
また基板ケース、裏カバー等に放熱孔があれば、基板ケース、裏カバーの成型時に放熱孔の下流側にウエルドラインが発生するため、多数の放熱孔が形成された放熱領域に対応して基板側の基板管理情報表示部が配置される場合には、放熱孔の下流側にできるウエルドラインが障害となって表示情報の視認性が低下する欠点がある。
従って、このような遊技機では、裏部材を保護する裏カバーの裏側から裏部材の主要部を視認する場合の視認性の低下を防止できるようにすることが望まれている。
<背景技術と課題その9>
この種の遊技機では、演出基板ケース、裏カバー等の多数の樹脂製の成型品が採用されている。このような成型品を製造する際には、固定金型側の複数の樹脂流し込み部から固定金型と可動金型との間のキャビティ内に高圧で溶融樹脂を流し込んで所定形状に成型する射出成型法が採用されている。
演出基板ケース、主基板ケース等の基板ケースは、基板の基板管理情報表示部の表示情報を外側から視認可能に無色透明の樹脂製とし、また裏カバーは基板ケースの表示情報又は基板の表示情報を裏側から視認可能に無色透明又は着色透明の樹脂製としている。
これらの基板ケース、裏カバーを樹脂成型する際には、固定金型と可動金型との間の成型空間に高圧で溶融樹脂を流し込んで成型した後に、可動金型を後退させて型開きを行い、次いで可動金型側の押し出し部により樹脂部品を押し出して取り外す。そのため基板ケース、裏カバーには、その成型時に供した樹脂流し込み部跡、押し出し部跡等の樹脂成型部跡が残ることになる。
しかし、この樹脂成型部跡の多くが凹凸状になっているため、その樹脂成型部跡が基板、基板ケースの表示情報等の主要部と重なれば、樹脂成型部跡で光が乱反射するため、その樹脂成型部跡が障害となって裏カバーの裏側からの表示情報等の主要部の視認性が低下する。
また基板ケース、裏カバー等に放熱孔があれば、基板ケース、裏カバーの成型時に放熱孔の下流側にウエルドラインが発生するため、多数の放熱孔が形成された放熱領域に対応して基板側の基板管理情報表示部が配置される場合には、放熱孔の下流側にできるウエルドライン等によって表示情報が見難くなり、表示情報の視認性が低下する欠点がある。
従って、このような遊技機では、裏カバーを介して主基板ケース内の主基板の基板管理情報表示部を視認できるようにする。ことが望ましい。
<背景技術と課題その10>
パチンコ機等の遊技機には、遊技領域の中央部に画像表示手段が配置され、その周辺に入賞手段等の遊技部品が夫々配置された遊技盤を遊技機本体内に備え、その遊技領域内に遊技球を打ち込んで所定の遊技を行うと共に、遊技機本体の前面に可動演出手段を備え、遊技盤側での遊技中に特定の遊技状態になることを条件に、可動演出手段が後退位置から前進位置へと前進し、その後に可動演出手段が後退位置へと戻る演出動作を行うようにしたものがある(特開2018−130192号公報)。
遊技機本体の前側に可動演出手段、演出操作ボタン等の可動手段を配置した場合には、遊技者が直接可動手段に接触可能であるため、その可動手段の動きによっては、遊技者が遊技中に可動手段によって怪我をする等の不測の事態を招くおそれがある。そのような不測の事態を未然に防止するためには、遊技者が確認しやすい箇所に、注意喚起情報を表示した表示シール、その他の注意喚起情報表示手段を配置して、その注意喚起情報表示手段に表示された注意喚起情報により遊技者への注意を直接又は間接的に喚起することが望ましい。
しかし、可動手段が複数の動作を行う場合に、注意喚起情報表示手段に各動作毎の注意喚起情報を全て表示することにすれば、注意喚起情報の表示による注意喚起効果の実効性が却って低下するおそれがある。即ち、遊技機本体の前面に表示シール等を貼付するとしても、その貼付領域にも面積的な制限があり、表示シールを無制限に大きくすることはできない。そのため複数の動作を行う可動手段を対象とする場合に、その複数の動作の全てについて、各動作毎に注意喚起情報を表示すれば、各注意喚起情報の表示が小さくなり過ぎて遊技者が確認し辛くなり、表示シールでの注意喚起情報の表示による注意喚起効果が却って低下することになる。
従って、このような遊技機では、可動手段が複数の動作を行うにも拘わらず、注意喚起情報表示手段の表示による注意喚起効果の低下を防止できるようにすることが望ましい。