JP2020161923A - 装着型表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】外装ケースの固定が緩んでも、外装ケース内に水分が進入することを阻止すること。【解決手段】装着型表示装置100は、表示素子80と、電子回路基板41,42と、電子回路基板41,42を保持する基板ホルダー75と、表示素子80及び回路基板を収納する外装ケース105dと、を備え、基板ホルダー75が外装ケース105dの対向型連結部77に内部側から対向する箇所において、内シール構造6aが設けられている。【選択図】図12

Description

本発明は、虚像を観察者に提示する装着型表示装置に関する。
装着型表示装置として、眼鏡状の外観を有し、装着者の頭部側方に配置される外装部品である収納部中に画像形成部、投射光学装置、制御回路等を内蔵するものが公知となっている(特許文献1)。特許文献1の装置では、収納部を構成する側面部と上下ケースとの間の接続部において、例えば溝及び突条からなる嵌合構造や、段差を利用した接続構造を設けて防水を図っている。
特開2017−147523号公報
特許文献1の装置では、嵌合構造によって防水を達成できるが、収納部を構成する上ケース等の締結が緩んだ場合、嵌合構造において防水機能が低下する可能性がある。
本発明の一側面における装着型表示装置は、表示素子と、回路基板と、回路基板を保持する基板ホルダーと、表示素子及び回路基板を収納する外装ケースと、を備え、基板ホルダーが外装ケースの連結部に内部側から対向する箇所において、内シール構造が設けられている。
実施形態の装着型表示装置の使用状態を説明する斜視図である。 装着型表示装置の要部の外観を説明する図である。 装着型表示装置の要部を説明する平面図である。 第1虚像形成光学部の光学的構造を説明する平面図である。 第1像形成本体部の外観及び内部構造を説明する斜視図である。 第1像形成本体部の外装ケースの第1部材を説明する斜視図である。 第1像形成本体部の外装ケースの第2部材を説明する斜視図である。 外装ケース中に収納される基板ホルダーを説明する斜視図である。 第1像形成本体部の側面断面図である。 第1像形成本体部の平面断面図である。 第1像形成本体部の横断面図である。 内シール構造を説明する概念的な断面図である。 スライドシール構造等を説明する概念的な断面図である。 スライドシール構造等を説明する概念的な断面図である。 充填型の中間シール構造を説明する概念的な断面図である。 放熱シートの配置や封止について説明する図である。 外装ケースの変形例を説明する概念的な断面図である。 防水構造の変形例を説明する概念的な断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る装着型表示装置の一実施形態について説明する。
図1及び図2に示すように、実施形態の装着型表示装置100は、眼鏡のような外観を有するヘッドマウントディスプレイ(HMD)である。図1等において、X、Y、及びZは、直交座標系であり、+X方向は、装着型表示装置100を装着した観察者の両眼の並ぶ横方向に対応し、+Y方向は、観察者にとっての両眼の並ぶ横方向に直交する下方向に相当し、+Z方向は、観察者にとっての前方向又は正面方向に相当する。図2において、第1領域AR1は、装着型表示装置100の本体100Mの平面図であり、第2領域AR2は、本体100Mの正面図であり、第3領域AR3は、本体100Mの左側面図であり、第4領域AR4は、本体100Mの底面図である。
装着型表示装置100は、この装着型表示装置100を装着した観察者又は装着者USに対して、虚像を視認させることができるだけでなく、外界像をシースルーで観察させることができる。装着型表示装置100は、ケーブル109を介してスマートフォンその他の外部装置200に対して通信可能に接続することができ、例えば外部装置200から入力された映像信号に対応する虚像を形成することができる。装着型表示装置100は、第1表示装置100Aと、第2表示装置100Bとを備える。第1表示装置100Aと第2表示装置100Bとは、左眼用の虚像と右眼用の虚像とをそれぞれ形成する部分である。左眼用の第1表示装置100Aは、観察者の眼前を透視可能に覆う第1虚像形成光学部101aと、画像光を形成する第1像形成本体部105aとを備える。右眼用の第2表示装置100Bは、観察者の眼前を透視可能に覆う第2虚像形成光学部101bと、画像光を形成する第2像形成本体部105bとを備える。
第1及び第2像形成本体部105a,105bの後部には、頭部の側面から後方に延びるつる部分であるテンプル104が、不図示のヒンジによって回動可能に取り付けられており、観察者の耳やこめかみ等に当接することで装着型表示装置100の装着状態を確保する。図示を省略しているが、第1及び第2虚像形成光学部101a,101b間に形成された窪みには、テンプル104とともに支持部を構成するノーズパッドが設けられており、このノーズパッドは、観察者の眼に対する虚像形成光学部101a,101b等の位置決めを可能にする。
図3を参照して、装着型表示装置100の内部構造等について説明する。左眼用の第1像形成本体部105aは、カバー状の外装ケース105d内に、表示素子80、鏡筒38、電子回路基板41,42等を保持する。鏡筒38は、投射レンズ30に付随するものであり、像形成用の光学素子(不図示)を支持する。外装ケース105d中に小型の表示素子80、鏡筒38、電子回路基板41,42等を一括して収納することで、装着型表示装置100を多機能にしつつその外観を小型でスタイリッシュなものとすることができる。これらの鏡筒38、表示素子80、及び電子回路基板41,42は、金属製の外装ケース105d内に支持されており、特に表示素子80及び鏡筒38は、第1虚像形成光学部101aの先端部に対してアライメントされた状態で固定されている。右眼用の第2像形成本体部105bは、カバー状の外装ケース105d内に表示素子80、鏡筒38、電子回路基板42等を有する。これらの鏡筒38、表示素子80、及び電子回路基板42は、金属製の外装ケース105d内に支持されており、特に表示素子80及び鏡筒38は、第2虚像形成光学部101bの先端部に対してアライメントされた状態で固定されている。
左眼用の第1像形成本体部105aにおいて、投射レンズ30又は鏡筒38は、第1虚像形成光学部101aに対して光路に関する前段に配置されて結像系の一部を構成する。投射レンズ30は、外装ケース105d中で前方寄りつまり+Z寄りに配置されている。表示素子80は、左眼用の虚像に対応する像を形成する表示デバイスである。表示素子80は、外装ケース105d中で投射レンズ30の後側つまり−Z側に隣接して配置されている。電子回路基板41は、外部からの情報を含む信号を処理する信号処理基板である。電子回路基板41は、外部とのインターフェース機能を有するとともに、電子回路基板42の表示動作を管理し制御している。電子回路基板41は、鏡筒38や表示素子80の外側であって外装ケース105dの外側面105mに近い位置に配置される。電子回路基板42は、第1像形成本体部105a中の表示素子80を駆動する駆動回路基板であり、電子回路基板41の制御下で動作する。電子回路基板42は、鏡筒38の上方であって外装ケース105dの上側面105nに近い位置に配置される。結果的に、電子回路基板41は、外装ケース105d中において電子回路基板42よりも反装着者側である外側(−X側)に配置され、かつ、外装ケース105d中において電子回路基板42よりも下側(+Y側)に配置されている。
右眼用の第2像形成本体部105bにおいて、投射レンズ30は、第2虚像形成光学部101bに対して光路に関する前段に配置されて結像系の一部を構成する。投射レンズ30は、外装ケース105d中で前方寄りつまり+Z寄りに配置されている。表示素子80は、右眼用の虚像に対応する像を形成する表示デバイスである。表示素子80は、外装ケース105d中で投射レンズ30の後側つまり−Z側に隣接して配置されている。第2像形成本体部105bには、第1像形成本体部105aに設けた電子回路基板41に相当するものが存在しない。電子回路基板42は、第2像形成本体部105b中の表示素子80を駆動する駆動回路基板である。電子回路基板42は、離れた第1像形成本体部105aに設けた電子回路基板41の制御下で動作する。第2像形成本体部105bの電子回路基板42は、第1像形成本体部105aに設けた電子回路基板42と同様に、鏡筒38の上方であって外装ケース105dの上側面105nに近い位置に配置される。
第1及び第2虚像形成光学部101a,101bは、別体ではなく中央で連結されて一体的な部材である透視型導光ユニット100Cを形成している。透視型導光ユニット100Cは、表示素子80からの画像光を導く一対の導光部材10a,10bと、外界像の重畳視を可能にする中央部材50とを備える。一対の導光部材10a,10bは、画像光を内部に伝搬させつつ虚像形成に寄与する一対の光学部材である。中央部材50は、一対の光透過部50a,50bを有し、一方の光透過部50aは、一方の導光部材10aに接合され、他方の光透過部50bは、他方の導光部材10bに接合される。透視型導光ユニット100Cは、導光によって観察者に両眼用の映像を提供する複合型の導光装置20であり、両端部つまり導光部材10a,10bの先端側で外装ケース105dに支持されている。
透視型導光ユニット100Cの上面には、上カバー100Dが固定されている。上カバー100Dと透視型導光ユニット100Cとの間には、薄く狭い空間が形成されており、第1像形成本体部105aと第2像形成本体部105bとを電気的に連結する信号線48が延びている。
第1像形成本体部105aに組み込まれた電子回路基板41は、装着型表示装置100の全体的な動作を統括するメイン基板であり、駆動回路基板である電子回路基板42の動作を制御する。電子回路基板41は、外部装置200との間で通信し外部装置200から受信した信号に対して信号変換を行うインターフェース機能を有する。電子回路基板41は、例えば外部装置200から入力された画像データを表示素子80での表示に適する画像データに変換し、表示素子80に外部装置200から入力された画像データに対応する表示を行わせる。第1像形成本体部105aに組み込まれた電子回路基板42は、表示素子80を駆動する駆動回路基板として、電子回路基板41の制御下で動作する。詳細な説明を省略するが、電子回路基板42は、電子回路基板41から出力された画像データ又は画像信号を受け取って表示素子80に2次元的な画像表示を行わせる。電子回路基板42は、表示素子80に対して画像に対応する駆動信号を出力する。
第1像形成本体部105aに組み込まれた表示素子80は、2次元的な表示を可能にする自発光型の表示デバイスであり、ドットマトリクス方式で動作する。各表示素子80は、具体的には有機EL(Electro-luminescence)の表示パネルを想定したものであるが、これに限るものではなく、液晶ディスプレイ(LCD: Liquid Crystal Display)用のパネルであってもよい。LCD用のパネルを用いる場合、適合する照明用光源が必要となる。表示素子80は、電子回路基板42に駆動されて四角形の表示面上にカラー画像を形成し、2次元的な動画又は静止画を表示することができる。
第2像形成本体部105bに組み込まれた電子回路基板42は、第1像形成本体部105aに組み込まれた電子回路基板42と同様の構造を有し、第2像形成本体部105bに設けた表示素子80を駆動する駆動回路基板として、電子回路基板41の制御下で動作する。第2像形成本体部105bに組み込まれた表示素子80は、第1像形成本体部105aに組み込まれた表示素子80と同様の構造を有する。第2像形成本体部105bの場合、電子回路基板41を内蔵しない。
図4は、第1表示装置100Aの一部を示す図であり、特に第1虚像形成光学部101aの光学的構造を説明するものとなっている。装着型表示装置100は、既述のように、第1表示装置100A及び第2表示装置100B(図1参照)で構成されるが、第1表示装置100A及び第2表示装置100Bとは、左右対称で同等の構造を有するため、第1表示装置100Aについてのみ説明し、第1表示装置100Aについては説明を省略する。なお、図4において、x、y、及びzは、直交座標系であり、x方向及びy方向は、第1面S11及び第3面S13に平行であり、z方向は、第1面S11及び第3面S13に垂直である。
第1虚像形成光学部101aのうち導光部材10aは、接着層CCを介して光透過部50aと接合されている。導光部材10aと光透過部50aとは、本体部材10s,50sの表面をハードコート層27で被覆した構造を有する。導光部材10aのうち本体部材10sは、可視域で高い光透過性を示す樹脂材料で形成されており、例えば金型内に熱可塑性樹脂を注入し固化させることにより成形する。光透過部50a又は中央部材50についても同様であり、本体部材50sは、導光部材10aの本体部材10sと同一の材料で形成されている。
以下、画像光GLの光路について概要を説明する。導光部材10aは、投射レンズ30から射出された画像光GLを、第1〜第5面S11〜S15での反射等により観察者の眼に向けて導光する。具体的には、投射レンズ30からの画像光GLは、まず光入射部20aに形成されている第4面S14の部分に入射して反射膜RMの内面である第5面S15で反射され、第4面S14に内側から再度入射して全反射され、第3面S13に入射して全反射され、第1面S11に入射して全反射される。第1面S11で全反射された画像光GLは、第2面S12に入射し、第2面S12に設けたハーフミラー15を部分的に透過しつつも部分的に反射されて光射出部20bに形成されている第1面S11の部分に再度入射して通過する。第1面S11を通過した画像光GLは、観察者の眼が配置される射出瞳EPに略平行光束として入射する。つまり、観察者は、虚像としての画像光により画像を観察することになる。
第1虚像形成光学部101aは、導光部材10aにより観察者に画像光を視認させるとともに、導光部材10aと光透過部50aとの組み合わせた状態で、観察者に歪みの少ない外界像を観察させるものとなっている。この際、第3面S13と第1面S11とが互いに略平行な平面(視度略0)となっていることで、外界光OLについて、収差等をほとんど生じさせない。また、第3透過面S53と第1透過面S51とが互いに略平行な平面となっている。さらに、第3透過面S53と第1面S11とが互いに略平行な平面となっていることで、収差等をほとんど生じない。以上により、観察者は、光透過部50a越しに歪みのない外界像を観察することになる。
なお、第2虚像形成光学部101bの光学的構造は、詳細な説明を省略するが、第1虚像形成光学部101aの光学的構造を左右反転させたものとなっている。
図5を参照して、第1像形成本体部105aの内部構造について説明する。図5において、第1領域AR1は、第1表示装置100Aの斜視図であり、第2領域AR2は、外装ケース105dから第2部材72を外した状態を示す部分分解斜視図であり、第3領域AR3は、外装ケース105dや電子回路基板41,42を分離した状態を示す。
外装ケース105dは、第1部材71と第2部材72とを備え、これらの部材71,72を上下方向に相互にスライドさせつつ合体させることで内部空間(図9等参照)を形成する。下側部材である第1部材71は、図6にも示すように、下側面105oを形成する底板部71aと、内側面105iを形成する内板部71bと、前側面105fを形成する前板部71cと、後部の外観を形成する後壁部71dとを有する一体の部品となっている。第1部材71は、例えばマグネシウム合金によって鋳造されている。上側部材である第2部材72は、図7にも示すように、上側面105nを形成する上板部72aと、外側面105mを形成する外板部72bとを有する一体の部品となっている。第2部材72も、例えばマグネシウム合金によって鋳造されている。以上において、第1部材71の底板部71aと内板部71bとは、互いに直角に近い角度を成して連結される2つの側面部分であり、第2部材72の上板部72aと外板部72bとは、互いに直角に近い角度を成して連結される2つの側面部分である。ここで、第1部材71の底板部71aと、第1部材71の内板部71bと、第2部材72の上板部72aと、第2部材72の外板部72bとは、柱状の外装ケース105dを囲む複数の側面部分であり、全体として外装ケース105dの周側面RSを形成する。つまり、外装ケース105dは、表示素子80、電子回路基板41,42、鏡筒38等を上下内外から囲むボックス状のものとなる。外装ケース105dを形成するマグネシウム合金は、マグネシウムの他にアルミニウム、亜鉛等を含む。外装ケース105dをマグネシウム合金で形成することにより、軽量ながら高い熱伝導性(例えば50〜100W/(m・K))を達成することができ、外装ケース105dを介しての電子回路基板41,42及び表示素子80の放熱を効果的なものとすることができる。
外装ケース105dの内部には、電子回路基板41,42を保持する基板ホルダー75が固定されている。基板ホルダー75は、プラスチック材料で形成された成形品であり、外装ケース105dに比較して遮熱効果がある。基板ホルダー75をプラスチック材料で形成することにより、基板ホルダー75の形状の自由度が高まり、外装ケース105dの内部への収納及び配置が容易になる。
図8の第1領域AR1、第2領域AR2及び第3領域AR3に示すように、基板ホルダー75は、板状部75aと隔壁部75bとを有する。基板ホルダー75は、外装ケース105d内において、外装ケース105dの内部空間IS(図9等参照)を仕切ることにより、第2部材72の上板部72aに近接する層状の上側空間と、第2部材72の外板部72bに近接する層状の外側空間と、第1部材71の後壁部71dに囲まれた後部空間とを形成する。メイン基板である電子回路基板41は、板状部75aと隔壁部75bとに支持されて、上記外側空間に収納される。駆動回路基板である電子回路基板42は、板状部75aに支持されて、上記上側空間に収納される。このように、基板ホルダー75を利用することで、外装ケース105d中における電子回路基板41,42の配置を自在に設定することができる。また、基板ホルダー75によって、電子回路基板41,42からの放熱が表示素子80に影響する程度を抑制することもできる。
図5等を参照して固定方法について説明すると、投射レンズ30の鏡筒38は、前方の先端38aにおいて、第1虚像形成光学部101aの先端部11aに対して、ネジ等を利用してアライメントした状態で固定されている。鏡筒38の後方の先端38bには、表示素子80を保持するケース部88が、嵌合構造や接着材を利用して固定されている。表示素子80を支持する鏡筒38は、基板ホルダー75に設けた挿入孔75iを利用してビス(不図示)により基板ホルダー75に固定されて一体化される。基板ホルダー75と一体化された鏡筒38は、第1部材71に設けた挿入孔71iを利用してビス(不図示)により、第1虚像形成光学部101aの先端部11aとともに外装ケース105dの第1部材71に固定される。鏡筒38と一体化された基板ホルダー75は、これに設けた柱状ボス75jと第1部材71に設けた挿入孔71jとを利用してビス(不図示)により外装ケース105dの第1部材71に支持される。電子回路基板41は、3つの挿入孔41iのうち1箇所で、基板ホルダー75に設けたネジ孔75pを利用してビス(不図示)により基板ホルダー75に固定され、3つの挿入孔41iのうち残りの2箇所で、第1部材71に設けた2つのネジ孔71pを利用してビス(不図示)により第1部材71に固定される。電子回路基板42は、基板ホルダー75に設けた凹部75hに挿入されスナップ嵌合によって基板ホルダー75に予め固定されている。第1部材71は、前板部71cの外側の縁と後壁部71dの外側の縁とにおいて、Y方向に延びる溝又は凸条である一対のスライドガイド71rを有し、第2部材72は、外板部72bの内側又は内面側において、Y方向に延びる段差又は溝である一対のスライドガイド72rを有する。スライドガイド71r,72rは、第1部材71及び第2部材72が上下の±Y方向に関して相対的にスライド移動することを許容する。±Y方向にのみ移動を許容し−X方向への移動を制限する部分は、スライドガイド71r,72rの下端側つまり底板部71aに近い部分にのみ形成することができる。第2部材72をスライドさせて第1部材71側に押し込むことで、第1部材71と第2部材72とが全体として組み合わさってケースを形成する(図5の第1領域AR1参照)。第1部材71と第2部材72とを組み合わせてケースとした状態で、第1部材71に設けた底板部71aの外縁71hが第2部材72に設けた外板部72bの下端の外縁72hと密着する。同様に、第1部材71に設けた前板部71cの上端の外縁71gが第2部材72に設けた上板部72aの前側の外縁72gと密着し、第1部材71に設けた内板部71b及び後壁部71dの上端の外縁71gが第2部材72に設けた上板部72aの内側及び後側の外縁72gと密着する。第2部材72は、これに設けた挿入孔72s及び基板ホルダー75の挿入孔75eを利用してビス(不図示)によりネジ孔71sの位置で第1部材71に固定される。また、第2部材72は、これに設けた挿入孔72tを利用してビス(不図示)によりネジ孔75tの位置で基板ホルダー75に固定され、基板ホルダー75を介して外装ケース105dに支持される。以上のような構造とすることにより、ビスを外せば第1部材71と第2部材72とを分離することができ、第1部材71から基板ホルダー75を外すことができ、電子回路基板41,42、鏡筒38等を取り外すことができ、逆に再度組み立てることもできる。このような開閉可能な構造によって、電子回路基板41,42、鏡筒38等の交換等が比較的容易になる。
以上では図示を省略したが、メイン基板である電子回路基板41と駆動回路基板である電子回路基板42との間には、FPCが延び、このFPCは、両電子回路基板41,42を電気的に接続している。表示素子80からは上に向かってFPCが延び、電子回路基板42に電気的に接続されている。
図9〜11を参照して、第1像形成本体部105aの外装ケース105d内の断面構造について説明する。図9は、第1像形成本体部105aの長手方向に沿った断面図であり、図10は、第1像形成本体部105aのXZ断面図であり、図11は、図9のAA矢視断面図である。図11等において、X’及びZ’は、外装ケース105dの長手方向を基準とする座標となっている。
外装ケース105d内において、第1虚像形成光学部101aの先端部11aに対向して、投射レンズ30の鏡筒38に保持された第1レンズ31aが配置されている。鏡筒38内には、像形成用の光学素子として、第1レンズ(光学素子)31a〜第4レンズ(光学素子)31dが保持されている。表示素子80は、投射レンズ30の第4レンズ31dに近い状態で、ケース部88に支持されてアライメントされて配置されている。メイン基板である電子回路基板41は、基板ホルダー75に支持され、第2部材72の外板部(側面部分)72bの近くに配置されている。これにより、電子回路基板41から外板部(側面部分)72bへの放熱が効率的になり、電子回路基板41の効率的な冷却が可能になる。駆動回路基板である電子回路基板42は、基板ホルダー75に支持され、第2部材72の上板部(側面部分)72aの近くに配置されている。これにより、電子回路基板42から上板部(側面部分)72aへの放熱が効率的になり、電子回路基板41の効率的な冷却が可能になる。表示素子80の背面に対して熱伝導性の接着材又は粘着材を介して貼り付けられた放熱シートDSは、表示素子80から外装ケース105dに熱を伝導させるためのものである。放熱シートDSは、外装ケース105dの内ではなく、外装ケース105dに設けた開口OPを経て外装ケース105dの外に延びる。開口OPは、外装ケース105dの側面部分のうち下側部分である底板部71aに形成されている。このため、開口OPが目立ちにくいものとなる。放熱シートDSは、開口OPから引き出されて前方に延び、放熱シートDSの他端DSbは、内側に熱伝導性の接着材又は粘着材を付着させたものであり、下側面105oの前方部分FAに対して2次元的に広く密着した状態で貼り付けられている。第1部材71の後壁部71dに形成された開口部71kには、電子回路基板41に接続されるケーブル109(図1参照)が通される。
図6及び7に戻って、外装ケース105dを構成する第1部材71と第2部材72との間の封止について説明する。第1部材71に設けた内板部71bの上端の外縁71gと、前板部71cの上端の外縁71gと、後壁部71dの上端の外縁71gとは、対向型連結部77を構成する一方の対向部分77aとなっている。また、第2部材72に設けた上板部72aの内側、前側、及び後側の外縁72gは、対向型連結部77を構成する他方の対向部分77bとなっている。ここで、対向型連結部77は、封止の対象となる部分である。内板部71bは、外装ケース105dのうち装着者US側である内側IAに配置される部分となっており、装着者USのこめかみに面することになる。
図12は、外装ケース105dに設けた対向型連結部77の構造を概念的に示す断面図である。第1部材71の内板部71b、前板部71c、及び後壁部71dの上端である外縁71gは、縦又は鉛直のY方向に延びている。第2部材72の上板部72aの外縁72gには、下方に突起する垂直折曲げ部72pが形成されており、垂直折曲げ部72pは、縦又は鉛直のY方向に延びている。外装ケース105dを組み上げた状態で、対向型連結部77を構成する対向部分77aとしての外縁71gと、対向部分77bとしての垂直折曲げ部72pとは、端面で互いに対向し、外縁71gと垂直折曲げ部72pとの内面77iは、縦又は鉛直のY方向に延びる。ここで、外装ケース105d内に収納された基板ホルダー75は、外装ケース105dの対向型連結部77に内部側から対向している。より詳細には、第1部材71側の内面77iと第2部材72の内面77iとは、基板ホルダー75の板状部75aに設けた外枠75oに形成された外側面75sの近傍に対向して配置される。基板ホルダー75の外側面75sに沿って、弾性を有する樹脂製のシール部材79aが基板ホルダー75の一部として貼り付けられている。この種のシール部材79aを用いることで、シール部材79aを外装ケース105dの対向型連結部77に内部側から密着させることができ、液密性を保つことが容易になる。つまり、シール部材79a又はこれを含む基板ホルダー75は、対向型連結部77に密着することで一対の対向部分77a,77bの隙間を封止し、外装ケース105d内を液密な状態に保つことができる。対向型連結部77と、シール部材79aと、外枠75oとを合わせたものを内シール構造6aと呼ぶ。内シール構造6aは、内部空間ISに相当する内部側からシール部材79a又はこれを含む基板ホルダー75を対向型連結部77に密着させ当該内部側からシールを行う。シール部材79aは、例えば発泡ゴムで形成されている。発泡ゴムは、ウレタンフォームであり、極めて微細で、独立して均一に分散させた高密度の気泡を含むセル構造を有する。シール部材79aとして発泡ゴムを用いることで、シール部材79aの変形や密着性を確保することが容易になる。シール部材79aのうち、基板ホルダー75の外側面75sに対向する内面79iには、接着層が形成されている。一方、対向型連結部77の内面77iに対向する外面79jは、平滑面に加工されている。このため、第1部材71と第2部材72とが上下方向に離れるように移動した場合、対向部分77a,77b間に隙間が生じるが、対向型連結部77の内面77iとシール部材79aの外面79jとの密着状態は維持される。結果的に、第1部材71と第2部材72とを連結するビス70kが緩んでも、対向型連結部77における液密性は維持される。つまり、内シール構造6aは、外装ケース105dのネジ止め方向つまりY方向と平行に外装ケース105d内をシールするものとなっている。言い換えれば、内シール構造6aは、外装ケース105dのネジによる閉まるY方向に平行な内面77iに当接するように横からシール部材79aを当てる構造となっている。つまり、シール部材79aは、対向部分77a,77bの対向面と交差する方向に延び、対向部分77a,77bの内側において対向部分77a,77bに沿って対向部分77a,77bを間接的に連結するように当接している。このような構造とすることにより、ビス70k等のネジによって外装ケース105dの開閉が可能になることを前提として、外装ケース105dのネジ止めが多少緩んでも、内シール構造6aの機能を維持することができる。第1部材71を構成する内板部71bの上端は、対向型連結部77のうち装着者US側に設けられる内側連結部IJを構成する。内側連結部IJに対応する装着者US側の内シール構造6aは、外装ケース105d内のうち装着者US側である内側IAに形成された対向型連結部77つまり内側連結部IJに付随してこの内側連結部IJをシールするように設けられている。この場合、内側での防水性が高まり、装着者USに由来する汗等の湿気に対する耐久性を高めることができる。
図6及び7に戻って、第1部材71の底板部71aの外側の外縁71hと、第1部材71の前板部71cに設けたスライドガイド71rの周辺部71qと、第1部材71の後壁部71dに設けたスライドガイド71rの周辺部71qとは、重複型連結部78を構成する一方の重畳部分78aとなっている。また、第2部材72の外板部72bの下端の外縁72hと、第2部材72の外板部72bの前端近傍に設けたスライドガイド72rの周辺部72qと、第2部材71の外板部72bの後部に設けたスライドガイド72rの周辺部72qとは、重複型連結部78を構成する他方の重畳部分78bとなっている。
図13は、外装ケース105dに設けた重複型連結部78のうち横方向に延びる部分の構造を概念的に示す断面図である。第1部材71の底板部71aの外縁71hに形成された端面71oは、縦又は鉛直のY方向に平行に延びている。一方、第2部材72の外板部72bの外縁72hは、縦又は鉛直のY方向に平行に延びている。外装ケース105dを組み上げた状態で、重複型連結部78を構成する重畳部分78aとしての底板部71aの外縁71hに形成された端面71oと、重畳部分78bとしての第1部材71の外板部72bの外縁72hとは、近傍となるように面した状態でY方向に平行に延びる。つまり、重畳部分78aの外面78oと、重畳部分78bの内面78iとは、近傍となるように面した状態でY方向に平行に延びる。一方の重畳部分78aの外面78oに沿って弾性を有する樹脂製のシール部材79bが貼り付けられている。シール部材79bは、他方の重畳部分78bの内面78iに密着することで一対の重畳部分78a,78bの隙間を封止し、外装ケース105d内を液密な状態に保つことができる。シール部材79bは、例えば発泡ゴムで形成されている。以上のような重複型連結部78とシール部材79bとを合わせた構造をスライドシール構造6bと呼ぶ。スライドシール構造6bは、第1部材71と第2部材72との間であって、内シール構造6aと異なる箇所に設けられている。スライドシール構造6bにより、スライドガイド71r,72r等を利用して閉止される重複型連結部78において防水を達成することができる。
図14は、外装ケース105dに設けた重複型連結部78のうち縦方向に延びる部分の構造を概念的に示す断面図である。第1部材71の前板部71c及び後壁部71dのうちスライドガイド71rの周辺部71qは、縦又は鉛直のY方向に平行に延びている。また、第2部材72の外板部72bのうち前後一対のスライドガイド72rの周辺部72qは、縦又は鉛直のY方向に平行に延びている。外装ケース105dを組み上げた状態で、重複型連結部78を構成する重畳部分78aとしてのスライドガイド71rの周辺部71qと、重畳部分78bとしてのスライドガイド72rの周辺部72qとは、近傍となるように面した状態でY方向に平行に延びる。この場合も、重畳部分78aの外面78oと、重畳部分78bの内面78iとは、近傍となるように面した状態でY方向に平行に延びる。一方の重畳部分78aの外面78oに沿って弾性を有する樹脂製のシール部材79bが貼り付けられている。シール部材79bは、他方の重畳部分78bの内面78iに密着することで一対の重畳部分78a,78bの隙間を封止し、外装ケース105d内を液密な状態に保つことができる。シール部材79bは、例えば発泡ゴムで形成されている。以上のような重複型連結部78とシール部材79bとを合わせた構造をスライドシール構造6cと呼ぶ。スライドシール構造6cは、第1部材71と第2部材72との間であって、内シール構造6aと異なる箇所に設けられている。スライドシール構造6cにより、スライドガイド71r,72r等を利用して閉止される重複型連結部78において防水を達成することができる。
図15は、導光部材10aと外装ケース105dとのシールを説明する部分拡大断面である。第1虚像形成光学部101aにおいて、導光部材10a又は先端部11aの周囲部分11rには、帯状のシール部材19jが貼り付けられている。シール部材19jは、例えば撥水性を有するシリコーンゴム製で、第1虚像形成光学部101aが外装ケース105dに固定された状態では、第1部材71に設けた開口枠部71fと基板ホルダー75の開口枠部75fとに密着して、開口枠部71f,75fの内外を液密な状態で分離する。先端部11aの外面11tと、開口枠部71f,75fの内面71tとは、近傍に配置されるが、必ずしも平行に配置される必要はなく、シール部材19jを介在させる配置となっている。以上のような周囲部分11rと、開口枠部71f,75fと、シール部材19jとを合わせた構造を充填型の中間シール構造6eと呼ぶ。中間シール構造6eにおいて、シール部材19jは、導光部材10aを外装ケースへの取付口である開口枠部71f,75fでシールする。この場合、外部に露出する導光部材10aとの境界から水分が外装ケース105d中に進入することを防止できる。シール部材19jが撥水性を有する場合、導光部材10aと外装ケース105dとの隙間を水分が通過することを撥水によって防止することができる。この場合、シール部材19jに加わる圧力を低くすることができるので、導光部材10aにかかる応力を低減しつつ水分の進入を防止できる。
なお、詳細な説明を省略するが、基板ホルダー75の開口枠部75fと、第2部材72の開口隣接部72fとの間には、電子回路基板42から延びる信号線48を取り巻くようにシール部材19zが設けられている(図8参照)。シール部材19zは、信号線48の通路をシールする役割を有する。また、第1部材71の後壁部71dに形成された開口部71kにおいて、ケーブル109と開口部71kと隙間は、撥水性のゴムブッシュ6gによってシールされている(図6参照)。
図16を参照して、放熱シートDSの配置や封止について詳細に説明する。図16において、第1領域AR1は、外装ケース105dの底板部71aの基材を露出させた状態を示し、第2領域AR2は、外装ケース105dの底板部71aを防水テープ105sで覆った状態を示す。
外装ケース105dの底板部71aに設けられた開口OPは、放熱シートDSの断面サイズよりもひとまわり大きい。これにより、放熱シートDSを開口OPに無理なく通すことができ、放熱シートDSを組み付ける作業性が向上する。放熱シートDSは、一端DSaで表示素子80に固定され、他端DSbで外装ケース105dの下側面(側面)105oに固定されている。つまり、放熱シートDSの一端DSaは、表示素子80の裏面SSrに貼り付けられ、放熱シートDSの他端DSbは、外装ケース105dの下側面105oに貼り付けられている。この場合、表示素子80から外装ケース105dの下側面105oにかけ渡すように放熱シートDSを固定することになり、放熱シートDSの主面に沿って表示素子80の熱を外装ケース105dの下側面105oに伝搬させることができる。なお、放熱シートDSの他端DSbを一端DSaから離せば離すほど、熱源である表示素子80と、下側面105oの放熱箇所RHとが分離され、熱勾配を大きくすることができるので、放熱シートDSによる冷却効果が高まる。底板部71aのうち開口OPの周囲において放熱シートDSの中央部DScが当たる部分には、周期的な凹凸として複数の凸条PS又は溝が形成されている。凸条PSにより、外装ケース105dの下側面(側面)105oと放熱シートDSとの接触面積を減らすことができ、放熱シートDSのうち表示素子80に近い箇所で放熱が生じて冷却効果が低下することを防止できる。つまり、放熱シートDSの中央部DScが底板部71aに接触してここを暖めて温度勾配が低下することを防止でき、放熱シートDSの一端DSaから他端DSbへの熱流を促進して、一端DSaから離れた領域にある他端DSbにおいて効率的な放熱が可能になる。放熱シートDSの表面方向に沿って熱を伝導させる場合、放熱シートDSが薄いほど熱移送を速くすることができるが、放熱シートDSが厚いほど熱容量が大きくなって熱移送量を多くすることができる。放熱シートDSの厚みは、表示素子80の発熱量を加味して設定される。なお、放熱シートDSは、一様な厚み及び幅を有するものに限らず、端DSa,DSbと中央部DScとで厚みや幅が異なるものであってもよい。
開口OPと放熱シートDSとは、防水テープ105sによって覆われて封止されている。防水テープ105sは、一方が粘着面となっている非透水性のシートであり、外装ケース105dの下側面105oに密着することで接着されて気密に固定されている。防水テープ105sは、水滴の通過を阻止し蒸気の通過を適宜許容する防水浸透テープ105tであってもよい。防水テープ105sや防水浸透テープ105tを用いることで、開口OPからの放熱等を可能にしつつ、開口OPからの水分又は水滴の進入を防止できる。
放熱シートDSがグラファイトシートのような導電材料である場合、放熱シートDSに電磁シールドの機能を持たせることができる。実施形態の場合、放熱シートDSが開口OPを塞ぐように広がっており、電磁シールドに寄与するように配置されている。この場合、外装ケース105d等の電磁シールド機能を高めて、外装ケース105d内外の回路等を保護することができる。
以上では、第1像形成本体部105a、第1虚像形成光学部101a等に関して外装ケース105dの構造やシール方法について説明したが、第2像形成本体部105b等における外装ケース105dの構造は、第1像形成本体部105a等における外装ケース105dの構造と同様であり、シール方法も同じであるので、説明を省略する。なお、外装ケース105dにおいて、内シール構造6a、スライドシール構造6b,6c、中間シール構造6e、シール部材19z、ゴムブッシュ6g、及び防水テープ105sを防水構造6と呼び、この防水構造6によって外装ケース105dの内部が密閉される。防水構造6は、上記に例示されるものに限らず、例えば一部を防水グリスに代替したり防水グリスを併用することも可能である。防水構造6によって、各虚像形成光学部101a,101bにおいて外装ケース105d内の封止性を高めることができるが、その反面として外装ケース105d内の温度上昇を招き易くなると言える。このため、外装ケース105dの材料としてマグネシウム合金を用いるだけでなく、外装ケース105dの底板部71aに開口OPを設けて放熱シートDSを引き出し、比較的発熱量の多い電子回路基板41を外板部72bの近傍に配置し、比較的発熱量の少ない電子回路基板42を上板部72aの近傍に配置することで、発熱抑制と防水とを両立させている。
以上で説明した実施形態の装着型表示装置100では、基板ホルダー75が外装ケース105dの対向型連結部77に内部側から対向する箇所において、内シール構造6aが設けられているので、外装ケース105dの固定が緩んで外装ケース105dの対向型連結部77に若干の隙間が生じても、内シール構造6aが機能していれば、外装ケース105d内に水分が進入することを阻止することができる。
〔変形例及びその他の事項〕
以上の説明では、表示素子80が有機ELの表示パネルやLCD用のパネルであるとしたが、表示素子80は、LEDアレイ、レーザーアレイ、量子ドット発光型素子等に代表される自発光型の表示素子であってもよい。さらに、表示素子80は、レーザー光源とスキャナーとを組みあわせたレーザスキャナーを用いたディスプレイであってもよい。なお、LCDパネルに代えてLCOS(Liquid crystal on silicon)技術を用いることもできる。
外装ケース105dを構成する第1部材71や第2部材72は、マグネシウム合金に限らず、アルミニウム又はアルミニウム合金で形成することができる。
図17に示すように、外装ケース105dを構成する第1部材171や第2部材172は、マグネシウム合金等の金属に限らず、プラスチック材料で形成することができる。
図18に示すように、外装ケース105dにおいて、上板部72aと内板部71b等との間に内シール構造6aを設けるだけでなく、例えば適宜修正した形状を有する基板ホルダー275を用いて、上板部72aと内板部71b等との間に内シール構造6aを設けるだけでなく、底板部71aと外板部72bとの間に同様の内シール構造206aを設けることができる。さらに、内シール構造6a等は、例示の箇所に限らず、装着型表示装置の用途や構造に応じて適宜の箇所に配置することができる。
シール構造6a,6b,6c,6e、シール部材19z等に用いるシール材としては、例示した発泡ゴム、シリコーンゴム等に限らず、様々な材料を用いることができる。
第2回路基板である電子回路基板41は、2部分に分割することもできる。この場合も、これらの部分の全体で発熱量を考えればよく、これらの部分を外板部72bに隣接して配置することで効率的な放熱が達成される。
電子回路基板41には、実施形態で説明した機能に限らず、様々な機能を持たせることができる。具体的には、電子回路基板41に例えば充電回路のレギレーターのような電源関連機能を持たせることもできる。
第1像形成本体部105aにおいて、電子回路基板41は、必須のものではなく、外部装置200に電子回路基板41の機能を持たせることができる。第2像形成本体部105bにおいて、表示素子80、電子回路基板42等に追加して、カメラ、カメラ駆動回路等を追加することができる。また、図示を省略しているが、像形成本体部105a,105b中に温度センサー、外光センサー、及び加速度センサー等の各種センサーを組み込むことができる。
電子回路基板41,42は、演算素子、変換素子等の半導体素子によって構成される。具体的には、電子回路基板41,42は、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)等の回路をいずれか1つ以上含むものによって構成することができる。なお、追加回路である充電回路のレギレーター、カメラ駆動回路等についても、DSP、ASIC、PLD、FPGA、GPU、CPU等の回路をいずれか1つ以上含むものによって構成することができる。
放熱シートDSをグラファイトシートとする場合、単層に限らず、複数のグラファイトシートで構成することができる。つまり、放熱シートDSを複数のグラファイトシートを積層して形成することができる。放熱シートDSは、グラファイトシートに限らず、熱伝導性アクリルシート、シリコン熱伝導シート等に代表される熱伝導性合成樹脂材で形成することができ、金属系材料又はその複合体で形成することもできる。
具体的な態様における装着型表示装置は、表示素子と、回路基板と、回路基板を保持する基板ホルダーと、表示素子及び回路基板を収納する外装ケースと、を備え、基板ホルダーが外装ケースの連結部に内部側から対向する箇所において、内シール構造が設けられている。
上記装着型表示装置では、基板ホルダーが外装ケースの連結部に内部側から対向する対向箇所において内シール構造が設けられているので、外装ケースの固定が緩んで外装ケースの連結部に若干の隙間が生じても、内シール構造が機能していれば、外装ケース内に水分が進入することを阻止することができる。
具体的な側面において、内シール構造は、連結部に内部側から部材を密着させ内部側からシールを行う。
別の側面において、内シール構造は、外装ケースのうち装着者側である内側に形成された連結部に付随して設けられている。この場合、内側での防水性が高まり、汗等の湿気に対する耐久性を高めることができる。
さらに別の側面において、内シール構造は、弾性を有する樹脂製のシール部材を含む。この場合、シール部材を外装ケースの連結部に内部側から密着させることができ、液密性を保つことが容易になる。
さらに別の側面において、シール部材は、発泡ゴムで形成されている。この場合、シール部材の変形や密着性を確保することが容易になる。
さらに別の側面において、外装ケースは、マグネシウム合金で形成されている。外装ケースをマグネシウム合金で形成することにより、軽量ながら高い熱伝導性を達成することができ、外装ケースを介しての回路基板及び表示素子の放熱を効果的なものとすることができる。
さらに別の側面において、外装ケースは、プラスチック材料で形成されている。
さらに別の側面において、基板ホルダーは、プラスチック材料で形成されている。この場合、基板ホルダーの形状の自由度が高まり、外装ケースの内部への収納及び配置が容易になる。
さらに別の側面において、内シール構造は、外装ケースのネジ止め方向と平行にシールする。この場合、ネジによって外装ケースの開閉が可能になり、外装ケースのネジ止めが多少緩んでも、内シール構造の機能を維持することができる。
さらに別の側面において、外装ケースは、相互にスライドさせつつ合体させることで内部空間を形成する第1部材と第2部材とを備える。
さらに別の側面において、第1部材と第2部材との間であって、内シール構造と異なる箇所にスライドシール構造が設けられている。この場合、スライドガイドによって閉止される重複型連結部において防水を達成することができる。
さらに別の側面において、外装ケースは、像形成用の光学素子を支持する鏡筒を保持する。この場合、外装ケース中に鏡筒や回路基板等を一括して収納することができ、装着型表示装置を多機能にしつつその外観を小型でスタイリッシュなものとすることができる。
さらに別の側面において、鏡筒及び表示素子は、基板ホルダー及び外装ケースに固定されている。
さらに別の側面において、表示素子からの画像光を導く導光部材を外装ケースへの取付口でシールするシール部材を備える。この場合、外部に露出する導光部材のとの境界から水分が外装ケース内に進入することを防止できる。
さらに別の側面において、シール部材は、導光部材と外装ケースとの隙間を水分が通過することを撥水によって防止する。この場合、導光部材にかかる応力を低減しつつ水分の進入を防止できる。
さらに別の側面において、外装ケースの内部は、内シール構造を含む防水構造によって密閉されている。
さらに別の側面において、外装ケースは、開口を有し、開口は、防水テープ又は防水浸透テープによって封止されている。この場合、開口から放熱等が可能になるが、開口からの水分又は水滴の進入を防止できる。
DS…放熱シート、EP…射出瞳、GL…画像光、IS…内部空間、OL…外界光、OP…開口、RS…周側面、US…装着者、6…防水構造、6a…内シール構造、6b…スライドシール構造、6b,6c…スライドシール構造、6e…中間シール構造、6g…ゴムブッシュ、10a,10b…導光部材、11r…周囲部分、15…ハーフミラー、19j,19z…シール部材、20…導光装置、30…投射レンズ、38…鏡筒、41,42…電子回路基板、48…信号線、50…中央部材、71…第1部材、71a…底板部、71b…内板部、71c…前板部、71d…後壁部、71r,72r…スライドガイド、72…第2部材、72a…上板部、72b…外板部、72p…垂直折曲げ部、75…基板ホルダー、75a…板状部、75b…隔壁部、77…対向型連結部、77a,77b…対向部分、78…重複型連結部、78a,78b…重畳部分、79a,79b…シール部材、80…表示素子、88…ケース部、100…装着型表示装置、100A,100B…表示装置、101a,101b…虚像形成光学部、105a,105b…像形成本体部、105d…外装ケース、105s…防水テープ、105t…防水浸透テープ、109…ケーブル

Claims (17)

  1. 表示素子と、
    回路基板と、
    前記回路基板を保持する基板ホルダーと、
    前記表示素子及び回路基板を収納する外装ケースと、
    を備え、
    前記基板ホルダーが前記外装ケースの連結部に内部側から対向する箇所において、内シール構造が設けられている、装着型表示装置。
  2. 前記内シール構造は、前記連結部に内部側から部材を密着させ前記内部側からシールを行う、請求項1に記載の装着型表示装置。
  3. 前記内シール構造は、前記外装ケースのうち装着者側である内側に形成された連結部に付随して設けられている、請求項1及び2のいずれか一項に記載の装着型表示装置。
  4. 前記内シール構造は、弾性を有する樹脂製のシール部材を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装着型表示装置。
  5. 前記シール部材は、発泡ゴムで形成されている、請求項4に記載の装着型表示装置。
  6. 前記外装ケースは、マグネシウム合金で形成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装着型表示装置。
  7. 前記外装ケースは、プラスチック材料で形成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装着型表示装置。
  8. 前記基板ホルダーは、プラスチック材料で形成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装着型表示装置。
  9. 前記内シール構造は、前記外装ケースのネジ止め方向と平行にシールする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装着型表示装置。
  10. 前記外装ケースは、相互にスライドさせつつ合体させることで内部空間を形成する第1部材と第2部材とを備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載の装着型表示装置。
  11. 前記第1部材と前記第2部材との間であって、前記内シール構造と異なる箇所にスライドシール構造が設けられている、請求項10に記載の装着型表示装置。
  12. 前記外装ケースは、像形成用の光学素子を支持する鏡筒を保持する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の装着型表示装置。
  13. 前記鏡筒及び前記表示素子は、前記基板ホルダー及び前記外装ケースに固定されている、請求項12に記載の装着型表示装置。
  14. 前記表示素子からの映像光を導く導光部材を前記外装ケースの取付口でシールするシール部材を備える、請求項1〜13のいずれか一項に記載の装着型表示装置。
  15. 前記シール部材は、前記導光部材と前記外装ケースとの隙間を水分が通過することを撥水によって防止する、請求項14に記載の装着型表示装置。
  16. 前記外装ケースの内部は、前記内シール構造を含む防水構造によって密閉されている、請求項1〜15のいずれか一項に記載の装着型表示装置。
  17. 前記外装ケースは、開口を有し、前記開口は、防水テープ又は防水透湿テープによって封止されている、請求項1〜16のいずれか一項に記載の装着型表示装置。
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