JP2020161698A - 多層金属膜およびインダクタ部品 - Google Patents

多層金属膜およびインダクタ部品 Download PDF

Info

Publication number
JP2020161698A
JP2020161698A JP2019061019A JP2019061019A JP2020161698A JP 2020161698 A JP2020161698 A JP 2020161698A JP 2019061019 A JP2019061019 A JP 2019061019A JP 2019061019 A JP2019061019 A JP 2019061019A JP 2020161698 A JP2020161698 A JP 2020161698A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal film
substrate
multilayer
catalyst layer
external terminal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019061019A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7176453B2 (ja
Inventor
菜美子 笹島
Namiko Sasajima
菜美子 笹島
大樹 今枝
Hiroki Imaeda
大樹 今枝
正美 大門
Masami Daimon
正美 大門
慎士 大谷
Shinji Otani
慎士 大谷
友博 須永
Tomohiro Sunaga
友博 須永
由雅 吉岡
Yoshimasa Yoshioka
由雅 吉岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2019061019A priority Critical patent/JP7176453B2/ja
Priority to CN202010076730.5A priority patent/CN111755223B/zh
Priority to US16/830,178 priority patent/US11798723B2/en
Publication of JP2020161698A publication Critical patent/JP2020161698A/ja
Priority to JP2022118130A priority patent/JP7272500B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7176453B2 publication Critical patent/JP7176453B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F27/00Details of transformers or inductances, in general
    • H01F27/06Mounting, supporting or suspending transformers, reactors or choke coils not being of the signal type
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F17/00Fixed inductances of the signal type 
    • H01F17/0006Printed inductances
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F27/00Details of transformers or inductances, in general
    • H01F27/28Coils; Windings; Conductive connections
    • H01F27/2804Printed windings
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F27/00Details of transformers or inductances, in general
    • H01F27/02Casings
    • H01F27/022Encapsulation
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F27/00Details of transformers or inductances, in general
    • H01F27/24Magnetic cores
    • H01F27/255Magnetic cores made from particles
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F27/00Details of transformers or inductances, in general
    • H01F27/28Coils; Windings; Conductive connections
    • H01F27/29Terminals; Tapping arrangements for signal inductances
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
    • H01F41/02Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets
    • H01F41/04Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets for manufacturing coils
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F19/00Fixed transformers or mutual inductances of the signal type
    • H01F19/04Transformers or mutual inductances suitable for handling frequencies considerably beyond the audio range
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F17/00Fixed inductances of the signal type 
    • H01F17/0006Printed inductances
    • H01F2017/0066Printed inductances with a magnetic layer
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F27/00Details of transformers or inductances, in general
    • H01F27/28Coils; Windings; Conductive connections
    • H01F27/2804Printed windings
    • H01F2027/2809Printed windings on stacked layers

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)
  • Parts Printed On Printed Circuit Boards (AREA)

Abstract

【課題】金属膜間の密着力が向上した多層金属膜を提供する。【解決手段】インダクタ部品において、多層金属膜41は、絶縁性を有する基体10上に配置された金属膜であって、基体10に接触し導電性を有する第1金属膜411と、第1金属膜411に対して基体10と反対側から第1金属膜411を覆う耐はんだ食われ性を有する第2金属膜412と、第1金属膜411と第2金属膜412の間に配置された触媒層415とを備える。触媒層415は、ベース部415aから第2金属膜側412に凸となり、第2金属膜412に侵入する凸部415bを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、多層金属膜およびインダクタ部品に関する。
従来、インダクタ部品などの電子部品においては、電気素子を構成する内部電極や、電気素子の端子となる外部端子に、金属膜が積層された多層金属膜が用いられる。例えば、特開2014−13815号公報(特許文献1)に記載されたインダクタ部品は、基板と、基板の両面に設けられたスパイラル配線と、スパイラル配線を覆う磁性層と、磁性層の表面に設けられた外部端子と、スパイラル配線と外部端子を電気的に接続する引出配線とを備える。スパイラル配線は、基板上に無電解めっき工程で形成されたCuの下地層と、下地層上に2度の電解めっきで形成された2層のCuの電解めっき層からなる多層金属膜である。外部端子は、個片化前にスパッタリングまたはスクリーン印刷により形成され、個片化後にめっき処理された多層金属膜である。
特開2014−13815号公報
多層金属膜では、積層された金属膜はその主面同士で化学的または物理的な結合力によって密着している。ここで、電子部品は、製造、実装、使用する際などに熱、電気、物理的な力が加えられるが、この力が電子部品内で内部応力となって蓄積し、多層金属膜の金属膜間で剥離が発生する場合がある。今後、より一層の電子部品の小型化を受け、多層金属膜も微細化、薄膜化が進むと、従来は問題のなかった製造、実装、使用条件であっても、上記のような剥離が発生する可能性がある。
そこで、本開示は、金属膜間の密着力が向上した多層金属膜および当該多層金属膜を備えるインダクタ部品を提供することにある。
前記課題を解決するため、本開示の一態様である多層金属膜は、
絶縁性を有する基体上に配置された金属膜であって、
前記基体に接触し導電性を有する第1金属膜と、
前記第1金属膜に対して前記基体と反対側から前記第1金属膜を覆う耐はんだ食われ性を有する第2金属膜と、
前記第1金属膜と前記第2金属膜の間に配置された触媒層と
を備え、
前記触媒層は、前記第2金属膜側に凸となり、前記第2金属膜に侵入する凸部を有する。
前記態様によれば、触媒層は、第2金属膜側に凸となり、第2金属膜に侵入する凸部を有するので、凸部のアンカー効果により第1金属膜と第2金属膜の間の密着力が向上する。なお、触媒層とは、上層側となる第2金属膜の析出を促進する金属を含む層である。例えば、第2金属膜がNiを含む膜である場合、Niめっき時のめっき液中の還元剤の酸化を促進するPdなどを含む層が、第1金属膜と第2金属膜の間に配置されていれば、当該Pdなどを含む層を触媒として、無電解めっき処理によって、第2金属膜の析出を促進することができるため、当該層は触媒層となる。
また、一実施形態では、前記触媒層の前記凸部の高さは、前記触媒層の前記凸部以外の部分の膜厚の2倍以上である。
前記実施形態によれば、第1金属膜と第2金属膜の間の密着力がより一層向上する。また、第2金属膜に内部応力が蓄積された際、第2金属膜より先に凸部にクラックが生じやすくなり、第2金属膜の内部応力を低減できる。
また、一実施形態では、前記触媒層の前記凸部以外の部分の膜厚は、10nm以上30nm以下である。
前記実施形態によれば、良好に第2金属膜を形成できるとともに、多層金属膜の電気的、物理的、化学的特性の触媒層による影響を低減できる。
また、一実施形態では、前記触媒層の前記凸部の高さは、前記第2金属膜の膜厚の1/2以下である。
前記実施形態によれば、第2金属膜の耐はんだ食われ性を十分に確保できる。
また、一実施形態では、前記触媒層は、前記第1金属膜よりも貴な金属を含む。
前記実施形態によれば、第1金属膜との置換反応により触媒層を容易に形成することができる。
また、一実施形態では、
前記基体は、樹脂と前記樹脂に含有された金属磁性粉とを含む磁性樹脂層を有し、
前記第1金属膜は、前記磁性樹脂層に接触する。
前記実施形態によれば、金属磁性粉の導電性や置換反応を利用して第1金属膜を析出させることができる。また、第1金属膜が金属磁性粉と強く結合し、基体と第1金属膜の密着力を向上できる。
また、一実施形態では、さらに、前記第2金属膜上にはんだ濡れ性を有する第3金属膜を有する。
前記実施形態によれば、多層金属膜のはんだ濡れ性を向上できる。
また、一実施形態では、前記第1金属膜は、Cuを含む。
前記実施形態によれば、多層金属膜の導電性を低コストで確保できる。また、第1金属膜の硬度を小さくできるので、多層金属膜の内部応力を低減できる。
また、一実施形態では、前記第2金属膜は、Niを含む。
前記実施形態によれば、多層金属膜の耐はんだ食われ性を容易に向上できる。
また、一実施形態では、前記触媒層は、Pdを含む。
前記実施形態によれば、触媒層を容易に構成することができる。
また、インダクタ部品の一実施形態では、
基体と、
前記多層金属膜と、
前記基体内に配置されたインダクタ素子と
を備え、
前記多層金属膜は、前記基体から露出し、かつ、前記インダクタ素子に電気的に接続された外部端子である。
前記実施形態によれば、外部端子内の剥離を低減したインダクタ部品を提供できる。
本開示の一態様である多層金属膜およびインダクタ部品によれば、多層金属膜の金属膜間の密着力を向上できる。
インダクタ部品の第1実施形態を示す透視平面図である。 図1AのA−A断面図である。 図1Bの一部拡大図である。 インダクタ部品の製造方法について説明する説明図である。 インダクタ部品の製造方法について説明する説明図である。 インダクタ部品の製造方法について説明する説明図である。 インダクタ部品の製造方法について説明する説明図である。 インダクタ部品の第1実施例の走査型電子顕微鏡の画像図である。 外部端子の拡大画像図である。 インダクタ部品の第2実施例の走査型電子顕微鏡の画像図である。
以下、本開示の一態様であるインダクタ部品を図示の実施の形態により詳細に説明する。なお、図面は一部模式的なものを含み、実際の寸法や比率を反映していない場合がある。
(第1実施形態)
(構成)
図1Aは、インダクタ部品の第1実施形態を示す透視平面図である。図1Bは、図1AのA−A断面図である。図2は、図1Bの一部拡大図である。
インダクタ部品1は、例えば、パソコン、DVDプレーヤー、デジタルカメラ、TV、携帯電話、カーエレクトロニクスなどの電子機器に搭載される回路基板に実装される表面実装型の電子部品である。ただし、インダクタ部品1は、表面実装型でなく、基板内蔵型の電子部品であってもよい。また、インダクタ部品1は、例えば全体として直方体形状の部品である。ただし、インダクタ部品1の形状は、特に限定されず、円柱状や多角形柱状、円錐台形状、多角形錐台形状であってもよい。
図1Aと図1Bに示すように、インダクタ部品1は、絶縁性を有する基体10と、基体10内に配置された第1インダクタ素子2Aおよび第2インダクタ素子2Bと、基体10の長方形状の第1主面10aから端面が露出するように基体10に埋め込まれた第1柱状配線31、第2柱状配線32、第3柱状配線33および第4柱状配線34と、基体10の第1主面10a上に配置された第1外部端子41、第2外部端子42、第3外部端子43および第4外部端子44と、基体10の第1主面10a上に設けられた絶縁膜50とを備える。図中、インダクタ部品1の厚みに平行な方向をZ方向とし、順Z方向を上側、逆Z方向を下側とする。Z方向に直交する平面において、インダクタ部品1の長手側となる長さに平行な方向をX方向とし、インダクタ部品1の短手側となる幅に平行な方向をY方向とする。
基体10は、絶縁層61と、絶縁層61の下面61aに配置された第1磁性層11と、絶縁層61の上面61bに配置された第2磁性層12とを有する。基体10の第1主面10aは、第2磁性層12の上面に相当する。基体10は、絶縁層61、第1磁性層11および第2磁性層12の3層構造であるが、磁性層のみの1層構造、磁性層と絶縁層のみの2層構造、複数の磁性層及び絶縁層からなる4層以上の構造のいずれであってもよい。
絶縁層61は、絶縁性を有し、主面が長方形の層状であり、絶縁層61の厚みは、例えば、10μm以上100μm以下である。絶縁層61は、例えば、低背化の観点からガラスクロスなどの基材を含まないエポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂などの絶縁樹脂層であることが好ましいが、NiZn系やMnZn系などのフェライトのような磁性体や、アルミナ、ガラスのような非磁性体からなる焼結体層であってもよく、ガラスエポキシなどの基材を含む樹脂基板層であってもよい。なお、絶縁層61が焼結体層である場合は、絶縁層61の強度や平坦性を確保でき、絶縁層61上の積層物の加工性が向上する。また、絶縁層61が焼結体層である場合は、低背化の観点から研磨加工されていることが好ましく、特に積層物のない下側から研磨されていることが好ましい。
第1磁性層11及び第2磁性層12は、高い透磁率を有し、主面が長方形の層状であり、樹脂135と、樹脂135に含有された金属磁性粉136とを含む。樹脂135は、例えば、エポキシ系樹脂やビスマレイミド、液晶ポリマ、ポリイミドなどからなる有機絶縁材料である。金属磁性粉136は、例えば、FeSiCrなどのFeSi系合金、FeCo系合金、NiFeなどのFe系合金、または、それらのアモルファス合金などの磁性を有する金属材料である。金属磁性粉136の平均粒径は、例えば0.1μm以上5μm以下である。インダクタ部品1の製造段階においては、金属磁性粉136の平均粒径を、レーザ回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%に相当する粒径(いわゆるD50)として算出することができる。金属磁性粉136の含有率は、好ましくは、磁性層全体に対して、20Vol%以上70Vol%以下である。金属磁性粉136の平均粒径が5μm以下である場合、直流重畳特性がより向上し、微粉によって高周波での鉄損を低減できる。なお、金属磁性粉でなく、NiZn系やMnZn系などのフェライトの磁性粉を用いてもよい。
第1インダクタ素子2A、第2インダクタ素子2Bは、基体10の第1主面10aと平行に配置された第1スパイラル配線21、第2スパイラル配線22を含む。これにより、第1インダクタ素子2Aおよび第2インダクタ素子2Bを第1主面10aと平行な方向で構成でき、インダクタ部品1の低背化を実現できる。第1スパイラル配線21と第2スパイラル配線22は、基体10内の同一平面上に配置されている。具体的に述べると、第1スパイラル配線21と第2スパイラル配線22は、絶縁層61の上方側、つまり、絶縁層61の上面61bにのみ形成され、第2磁性層12に覆われている。
第1、第2スパイラル配線21,22は、平面状に巻回されている。具体的に述べると、第1、第2スパイラル配線21,22は、Z方向から見たときに、半楕円形の弧状である。すなわち、第1、第2スパイラル配線21,22は、約半周分巻回された曲線状の配線である。また、第1、第2スパイラル配線21,22は、中間部分で直線部を含んでいる。なお、本願において、スパイラル配線の「スパイラル」とは、渦巻形状を含む平面状に巻回された曲線形状を意味し、第1スパイラル配線21、第2スパイラル配線22のような1ターン以下の曲線形状も含み、また当該曲線形状は、部分的な直線部を含んでいてもよい。
第1、第2スパイラル配線21,22の厚みは、例えば、40μm以上120μm以下であることが好ましい。第1、第2スパイラル配線21,22の実施例として、厚みが45μm、配線幅が40μm、配線間スペースが10μmである。配線間スペースは絶縁性の確保から、3μm以上20μm以下が好ましい。
第1、第2スパイラル配線21,22は、導電性材料からなり、例えばCu、Ag,Auなどの低電気抵抗な金属材料からなる。本実施形態では、インダクタ部品1は、第1、第2スパイラル配線21,22を1層のみ備えており、インダクタ部品1の低背化を実現できる。なお、第1、第2スパイラル配線21,22は多層金属膜であってもよく、例えば、無電解めっきにより形成されたCuやTiなどの下地層上に、CuやAgなどの導電層が形成された構造であってもよい。
第1スパイラル配線21は、第1端、第2端がそれぞれ外側に位置する第1柱状配線31、第2柱状配線32に電気的に接続され、第1柱状配線31および第2柱状配線32からインダクタ部品1の中心側に向かって孤を描く曲線状である。また、第1スパイラル配線21は、その両端にスパイラル形状部分よりも線幅の大きいパッド部を有し、パッド部において、第1、第2柱状配線31,32と直接接続されている。
同様に、第2スパイラル配線22は、第1端、第2端がそれぞれ外側に位置する第3柱状配線33、第4柱状配線34に電気的に接続され、第3柱状配線33および第4柱状配線34からインダクタ部品1の中心側に向かって孤を描く曲線状である。
ここで、第1、第2スパイラル配線21,22のそれぞれにおいて、第1、第2スパイラル配線21,22が描く曲線と、第1、第2スパイラル配線21,22の両端を結んだ直線とに囲まれる範囲を内径部分とする。このとき、Z方向からみて、第1、第2スパイラル配線21,22について、その内径部分同士は重ならず、第1、第2スパイラル配線21,22は、互いに離隔している。
第1、第2スパイラル配線21,22の第1から第4柱状配線31〜34との接続位置からX方向に平行な方向であってインダクタ部品1の外側となる方向に向かってさらに配線が伸びており、この配線はインダクタ部品1の外側に露出している。つまり、第1、第2スパイラル配線21,22は、インダクタ部品1の積層方向に平行な側面(YZ平面に平行な面)から外部に露出している露出部200を有する。
この配線は、インダクタ部品1の製造過程において、第1、第2スパイラル配線21,22の形状を形成後、追加で電解めっきを行う際の給電配線と接続される配線である。この給電配線によりインダクタ部品1を個片化する前のインダクタ基板状態において、追加で電解めっきを容易に行うことができ、配線間距離を狭くすることができる。また、追加で電解めっきを行うことで、第1、第2スパイラル配線21,22の配線間距離を狭くすることにより、第1、第2スパイラル配線21,22の磁気結合を高めたり、第1、第2スパイラル配線21,22の配線幅を大きくして電気抵抗を低減したり、インダクタ部品1の外形を小型化したりすることができる。
また、第1、第2スパイラル配線21,22は、露出部200を有するので、インダクタ基板の加工時の静電気破壊耐性を確保できる。各スパイラル配線21,22において、露出部200の露出面200aの厚み(Z方向に沿った寸法)は、好ましくは、各スパイラル配線21,22の厚み(Z方向に沿った寸法)以下で、かつ、45μm以上である。露出面200aの厚みがスパイラル配線21,22の厚み以下であることにより、磁性層11,12の割合を増やすことができ、インダクタンスを向上できる。また、露出面200aの厚みが45μm以上であることにより、露出面200a付近の断線の発生を低減できる。露出面200aは、好ましくは、酸化膜である。これによれば、インダクタ部品1とその隣接部品との間でショートを抑制できる。
第1から第4柱状配線31〜34は、各スパイラル配線21,22からZ方向に延在し、第2磁性層12の内部を貫通している。第1柱状配線31は、第1スパイラル配線21の一端の上面から上側に延在し、第1柱状配線31の端面が、基体10の第1主面10aから露出する。第2柱状配線32は、第1スパイラル配線21の他端の上面から上側に延在し、第2柱状配線32の端面が、基体10の第1主面10aから露出する。第3柱状配線33は、第2スパイラル配線22の一端の上面から上側に延在し、第3柱状配線33の端面が、基体10の第1主面10aから露出する。第4柱状配線34は、第2スパイラル配線22の他端の上面から上側に延在し、第4柱状配線34の端面が、基体10の第1主面10aから露出する。
したがって、第1柱状配線31、第2柱状配線32、第3柱状配線33、第4柱状配線34は、第1インダクタ素子2A、第2インダクタ素子2Bから上記第1主面10aから露出する端面まで、当該端面に直交する方向に直線状に伸びる。これにより、第1外部端子41、第2外部端子42、第3外部端子43、第4外部端子44と、第1インダクタ素子2A、第2インダクタ素子2Bとをより短い距離で接続することができ、インダクタ部品1の低抵抗化や高インダクタンス化を実現できる。第1から第4柱状配線31〜34は、導電性材料からなり、例えば、スパイラル配線21,22と同様の材料からなる。
第1から第4外部端子41〜44は、基体10の第1主面10a(第2磁性層12の上面)上に配置された多層金属膜である。第1外部端子41は、第1柱状配線31の基体10の第1主面10aから露出する端面に接触し、第1柱状配線31と電気的に接続されている。これにより、第1外部端子41は、第1スパイラル配線21の一端に電気的に接続される。第2外部端子42は、第2柱状配線32の基体10の第1主面10aから露出する端面に接触し、第2柱状配線32と電気的に接続されている。これにより、第2外部端子42は、第1スパイラル配線21の他端に電気的に接続される。
同様に、第3外部端子43は、第3柱状配線33の端面に接触し、第3柱状配線33と電気的に接続されて、第2スパイラル配線22の一端に電気的に接続される。第4外部端子44は、第4柱状配線34の端面に接触し、第4柱状配線34と電気的に接続されて、第2スパイラル配線22の他端に電気的に接続される。
インダクタ部品1では、第1主面10aは、長方形状の辺に相当する直線状に伸びる第1端縁101、第2端縁102を有する。第1端縁101、第2端縁102は、それぞれ基体10の第1側面10b、第2側面10cに続く第1主面10aの端縁である。第1外部端子41と第3外部端子43は、基体10の第1側面10b側の第1端縁101に沿って配列され、第2外部端子42と第4外部端子44は、基体10の第2側面10c側の第2端縁102に沿って配列されている。なお、基体10の第1主面10aに直交する方向からみて、基体10の第1側面10b,第2側面10cは、Y方向に沿った面であり、第1端縁101、第2端縁102と一致する。第1外部端子41と第3外部端子43の配列方向は、第1外部端子41の中心と第3外部端子43の中心を結ぶ方向とし、第2外部端子42と第4外部端子44の配列方向は、第2外部端子42の中心と第4外部端子44の中心を結ぶ方向とする。
絶縁膜50は、基体10の第1主面10aにおける第1から第4外部端子41〜44が設けられていない部分上に設けられている。ただし、絶縁膜50は第1から第4外部端子41〜44の端部が乗り上げることで、第1から第4外部端子41〜44とZ方向に重なっていてもよい。絶縁膜50は、例えば、アクリル樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド等の電気絶縁性が高い樹脂材料から構成される。これにより、第1から第4外部端子41〜44の間の絶縁性を向上できる。また、絶縁膜50が第1から第4外部端子41〜44のパターン形成時のマスク代わりとなり、製造効率が向上する。また、絶縁膜50は、樹脂135から金属磁性粉136が露出していた場合に、当該露出する金属磁性粉136を覆うことで、金属磁性粉136の外部への露出を防止することができる。なお、絶縁膜50は、シリカや硫酸バリウムなどの絶縁材料からなるフィラーを含有してもよい。
図2に示すように、多層金属膜である第1外部端子41は、基体10(第2磁性層12)に接触する第1金属膜411と、第1金属膜411に対して基体10と反対側から第1金属膜411を覆う第2金属膜412と、第1金属膜411と第2金属膜412の間に配置された触媒層415とを備える。第2、第3、第4外部端子42,43,44の構成は、第1外部端子41の構成と同じであるため、以下、第1外部端子41のみについて説明する。
第1金属膜411は、導電性を有し、第1外部端子41の電気抵抗を低減する役割を有する。第1金属膜411は、例えば、無電解めっきにより形成されるが、電解めっきにより形成されてもよい。第1金属膜411が無電解めっきにより形成される場合、基体10は金属磁性粉136を含むので、金属磁性粉136との置換反応により金属磁性粉136上に第1金属膜411を析出させることができ、基体10と第1金属膜411の密着性を向上できる。
第2金属膜412は、耐はんだ食われ性を有し、第1金属膜411を覆うことで第1外部端子41の第1金属膜411の実装はんだによるはんだ食われを抑制できる。第2金属膜412は、例えば、触媒層415を介して、無電解めっきにより形成される。
触媒層415は、膜状のベース部415aと、ベース部415a上に設けられた複数の凸部415bとを有する。凸部415bは、第2金属膜412側に凸となり、第2金属膜412に侵入している。これにより、凸部415bのアンカー効果により第1金属膜411と第2金属膜412の間の密着力が向上する。具体的に述べると、インダクタ部品1の製造時や実装時、使用時に、第1金属膜411と第2金属膜412の線膨張率の違いや、第1外部端子41に対する外力の作用により、第1金属膜411または第2金属膜412に応力が生じる場合があるが、触媒層415の凸部415bが、第2金属膜412に対するアンカーとなり、第1金属膜411と第2金属膜412の間の密着力が向上する。触媒層415は、例えば、第1金属膜411との置換反応により形成される。
好ましくは、触媒層415の凸部415bの高さAは、触媒層415の凸部415b以外の部分(つまり、ベース部415a)の膜厚tの2倍以上である。高さA、膜厚tは、それぞれ凸部415b、ベース部415aについて、Z方向と平行に測定した寸法である。
これにより、凸部415bの高さAを高くでき、凸部415bのアンカー効果により第1金属膜411と第2金属膜412の間の密着力がより一層向上する。また、第2金属膜412に内部応力が蓄積された際、第2金属膜412より先に凸部415bにクラックが生じやすくなり、第2金属膜412の内部応力を低減できる。よって、凸部415bは、クラックを有していてもよく、このクラックにより、第2金属膜412の内部応力を確実に低減できる。
高さや膜厚の計測条件(以下の高さや膜厚の計測を含む)としては、計測対象(上記の場合は第1外部端子41)の計測寸法(高さや膜厚)に垂直な面の中心で計測対象を切断した断面の走査透過型電子顕微鏡(SEM)画像で観察して計測する。具体的に述べると、インダクタ部品1などの試料を加工して測定対象の多層金属膜の上記中心を通る断面を露出させ、当該断面をSEMを用い、1万倍の倍率にて取得した画像において測定する。なお、凸部415bの高さAは、最大寸法を測定すればよく、ベース部415aの膜厚tは、端部を除いた5か所の膜厚を測定し、その平均値を算出すればよい。以下の膜厚も同様に算出する。
好ましくは、触媒層415の凸部415b以外の部分(つまり、ベース部415a)の膜厚tは、10nm以上30nm以下である。
膜厚tが10nm以上であることにより、良好に第2金属層を形成できるとともに、膜厚tが30nm以下であることにより、第1外部端子41の電気的、物理的、化学的特性の触媒層による影響を低減できる。
好ましくは、触媒層415の凸部415bの高さAは、第2金属膜412の膜厚T2の1/2以下である。これにより、第2金属膜412の耐はんだ食われ性を十分に確保できる。
好ましくは、触媒層415は、第1金属膜411よりも貴な金属を含む。これにより、第1金属膜411との置換反応により触媒層415を形成することができる。
第1金属膜411は、触媒層415側に複数の穴部411aを有する。隣接する穴部411aは、離れていてもよく、または、繋がっていてもよい。第1金属膜411の穴部411aにより第1金属膜411と第2金属膜412の間など第1外部端子41(多層金属膜)内に蓄積される内部応力を緩和できる。具体的に述べると、インダクタ部品1の製造時や実装時、使用時などに、第1金属膜411と第2金属膜412の線膨張率の違いや、第1外部端子41に対する外力の作用により、第1金属膜411と第2金属膜412の間など第1外部端子41内に内部応力が生じるが、第1金属膜411の穴部411aにおいて、蓄積された内部応力が解放されるため、第1外部端子41内に蓄積される内部応力を緩和できる。
好ましくは、第1金属膜411の穴部411a内は、空洞である。したがって、第1金属膜411の穴部411a内への不純物の混入による、第1金属膜411の純度の低下を抑制できる。なお、第1金属膜411の穴部411a内に、第1金属膜411の材料以外の不純物が混入していてもよく、例えば、めっき液以外の組成物(硫黄など)が混入していてもよい。
好ましくは、第1金属膜411の穴部411aは、第1金属膜411の触媒層415側の第1主面411bから第1金属膜411の膜厚T1の1/4以下までの範囲Bに存在している。したがって、第1金属膜411において穴部411aの存在する領域を小さくでき、第1金属膜411の強度を確保できる。
好ましくは、第1金属膜411の穴部411aの大きさは、第1金属膜411と第2金属膜412の間で層間剥離が発生しない程度の大きさである。ここで、第1金属膜411と第2金属膜412の間で剥離が発生しない程度とは、大きな穴部411aが存在した場合、または穴部411aが複数存在し、かつ複数の穴部411a同士が連通した場合などであっても、その大きさが一定値以下である程度、または、第1金属膜411と第2金属膜412とが電気的に導通している程度を言う。具体的には、上記穴部411aの大きさは、0.5μm以下であることが好ましい。また、第1金属膜411と第2金属膜412の間の電気抵抗が1mΩ以下であることが好ましい。これらの場合、第1金属膜411と第2金属膜412の間で剥離が発生していないと判断できる。これにより、第1金属膜411と第2金属膜412を備える第1外部端子41(多層金属膜)としての機能、信頼性を確保できる。
好ましくは、第1金属膜411の硬度は、第2金属膜412の硬度よりも小さい。ここで、硬度とは、例えば、ビッカース硬度である。したがって、第2金属膜412よりも柔らかい第1金属膜411によりさらに内部応力の蓄積を緩和できる。
好ましくは、第1金属膜411は、Cuを含む。これにより、第1外部端子41の導電性を低コストで確保できる。また、第1金属膜411の硬度を小さくできるので、第1金属膜411を含む第1外部端子41の内部応力を低減できる。なお、第1金属膜411の膜厚は、第1外部端子41の他の金属膜よりも厚いことが好ましく、この場合第1外部端子41の導電性を向上しつつ、内部応力をより低減できる。なお、第1金属膜411は、Cuに限られず、Ag、Au、Al、Ni、Fe、Pdのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
好ましくは、第2金属膜412は、Niを含む。これにより、第1外部端子41の耐はんだ食われ性を容易に向上できる。また、これにより、第1金属膜411のマイグレーションを低減することもできる。なお、第2金属膜412は、Niに限られず、Pd、Pt、Co、Feのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
好ましくは、触媒層415は、Pdを含む。これにより、触媒層415を第1金属膜411が含む金属より貴な金属で容易に構成でき、かつ第2金属膜412を無電解めっきで形成する際に、次亜リン酸などの還元剤の酸化を容易に促進でき、第2金属膜412の析出をより促進することができる。なお、触媒層415は、Pdに限られず、Ag、Cu、Pt、Auのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
好ましくは、図2の仮想線で示すように、第1外部端子41は、さらに、第2金属膜412上にはんだ濡れ性を有する第3金属膜413を有する。これにより、第1外部端子41のはんだ濡れ性を向上できる。第3金属膜413は、例えば、Au、Sn、Pd、Agのうちの少なくとも一つを含んでいる。
(製造方法)
次に、インダクタ部品1の製造方法について説明する。
図3Aに示すように、複数のスパイラル配線21,22と複数の柱状配線31〜34を基体10により覆った状態において、基体10の上面を研磨などによって研削加工し、柱状配線31〜34の端面を基体10の上面から露出させる。その後、図3Bに示すように、基体10の上面全体に、スピンコートやスクリーン印刷などの塗布法、ドライフィルムレジスト貼付などの乾式法などにより、ハッチングにて示す絶縁膜50を形成する。絶縁膜50は例えば感光性レジストである。
その後、外部端子を形成する領域において、フォトリソグラフィやレーザ、ドリル、ブラストなどにより、絶縁膜50を除去することにより、柱状配線31〜34の端面および基体10(第2磁性層12)の一部が露出する貫通孔50aを絶縁膜50に形成する。この際、図3Bに示すように、貫通孔50aからは柱状配線31〜34の端面全体を露出させてもよいし、柱状配線31〜34の端面の一部を露出させてもよい。また、1つの貫通孔50aから、複数の柱状配線31〜34の端面を露出させてもよい。
その後、図3Cに示すように、貫通孔50a内に、ハッチングにて示す多層金属膜410を後述の方法により形成して、マザー基板100を構成する。多層金属膜410は、切断前の外部端子41〜44を構成する。その後、図3Dに示すように、マザー基板100、すなわち封止された複数のスパイラル配線21,22を、ダイシングブレードなどを用いてカット線Cにて2つのスパイラル配線21,22ごとに個片化して、複数のインダクタ部品1を製造する。多層金属膜410は、カット線Cにて切断されて、外部端子41〜44を形成する。なお、外部端子41〜44の製造方法は上記のように多層金属膜410を切断する方法であってもよいし、あらかじめ貫通孔50aを外部端子41〜44の形状となるように絶縁膜50を除去した上で多層金属膜410を形成する方法であってもよい。
(多層金属膜410の製造方法)
前述の多層金属膜410の製造方法について説明する。図4Aは、インダクタ部品1の第1外部端子41(多層金属膜410の一例)を切断する断面におけるSEMによる画像を示す図である。図4Bは、図4Aの触媒層415付近における拡大画像図である。図4Aと図4Bは、前述したように第1外部端子41の膜厚に垂直な面(第1外部端子41の露出する主面)の中心で第1外部端子41を切断した断面の画像図である。図4Aと図4Bでは、図1Bや図2とは上下が逆向きになっており、下方向がZ方向となる。
前述のとおり、絶縁膜50に貫通孔50aを形成した状態では、貫通孔50aからは、柱状配線31〜34の端面および基体10が露出している。この貫通孔50aから露出する柱状配線31〜34の端面および基体10の上面に対して、無電解めっき処理などにより、基体10に接触し導電性を有する第1金属膜411として、Cu層を形成する。
次に、第1金属膜411上に、第2金属膜412を形成するための触媒層415として、Pd層を形成する。具体的には、上記Pd層の形成は、例えば置換Pd触媒処理を行う。ここで、上記置換Pd触媒処理において、処理条件を特定の条件にすることにより、触媒層415に上層(第2金属膜412)側に凸となる凸部415bを形成する。具体的には、例えば、上記置換Pd触媒処理において、Pd濃度を0.02g/Lとし、温度を45℃とし、時間を10minとすることで、図4Aと図4Bに示すような凸部415bが形成される。このとき、凸部415bを含めた触媒層415の全体の膜厚の範囲としては、最小膜厚が2nmとなり、最大膜厚が205nmとなる。
次に、凸部415bを形成した触媒層415上に、無電解めっき処理などにより、耐はんだ食われ性を有する第2金属膜412として、Ni層を形成する。これによって、凸部415bは第2金属膜412に侵入する形状となる。
次に、第2金属膜412上に、無電解めっき処理などにより、はんだ濡れ性を有する第3金属膜413として、Au層を形成する。このようにすれば、多層金属膜410を形成することができる。
また、当該製造条件は、あくまで一例であり、凸部415bが得られるのであれば製造条件に限定はない。例えば、上記製造方法において、触媒層415は、第2金属膜412であるNi層を形成するNiめっき液中の還元剤の酸化を促進する金属としてPdを含むことにより、Pd層を触媒として、無電解めっき処理によって、Ni層の析出を促進することができる。一方、触媒層415は、無電解めっき処理における触媒に限られず、他の公知の方法によって、第2金属膜412を形成する際の、第2金属膜の析出を促進する金属を含む層(触媒)であればよい。
また、触媒層415は、第1金属膜411であるCu層よりも貴な金属であるPdを含むことにより、Cu層との置換反応によりPd層を容易に形成することができる。一方、触媒層415は、他の公知の方法によって、Cu層上に形成できればよく、Cu層より卑な金属であってもよい。
(多層金属膜410の構造)
前述の多層金属膜410の構造についてさらに説明する。図5は、インダクタ部品1の第1外部端子41(多層金属膜410の一例)を切断する断面におけるSEMによる画像を示す図である。図5は、前述したように第1外部端子41の膜厚に垂直な面(第1外部端子41の露出する主面)の中心を通る断面で切断した画像図である。図5では、図4Aおよびず4Bと同様に、下方向がZ方向となる。
図5に示すように、多層金属膜410において、第1金属膜411は、触媒層415側に穴部411aを有する。第1金属膜411が有する穴部411aの大きさは、0.5μm以下である。また、穴部411aは複数存在し、複数の穴部411aが連通する最大数は10以下であり、図5では概ね5個前後である。また、第1金属膜411と第2金属膜412の間とは電気的に導通しており、第1金属膜411と第2金属膜412の間の電気抵抗は1mΩ以下である。この場合、第1金属膜411と第2金属膜412とが問題なく電気的に接続されており、第1金属膜411と第2金属膜412の間で剥離が発生していないと判断できる。前述の通り、第1金属膜411は、触媒層415側に有する穴部411aにより、多層金属膜410内に蓄積される内部応力を緩和できる。
なお、穴部411aは、例えばCuからなる第1金属膜411上にPdからなる触媒層415を形成する際、CuからPdへの置換処理において、処理条件を特定の条件にすることにより、第1金属膜411の触媒層415側に穴部411aを形成することができる。具体的には、例えば、上記置換処理に用いる処理液のPd濃度を3g/L、温度を25℃以上とすることで、図5に示すような穴部411aが形成されることが確認できている。
なお、当該製造条件は、あくまで一例であり、穴部411aが得られるのであれば製造条件に限定はない。
また、凸部415bの形成及び穴部411aの形成は、それぞれ独立して行うことができるが、処理液の濃度、処理温度、処理時間を調整することで、上記凸部415bと上記穴部411aを同時に形成することができるし、凸部415bのみ、穴部411aのみをそれぞれ形成することもできる。
なお、本開示は上述の実施形態に限定されず、本開示の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。
前記実施形態では、基体内には第1インダクタ素子および第2インダクタ素子の2つが配置されたが、3つ以上のインダクタ素子が配置されてもよく、このとき、外部端子および柱状配線は、それぞれ、6つ以上となる。
前記実施形態では、インダクタ素子が有するスパイラル配線のターン数は、1周未満であるが、スパイラル配線のターン数が、1周を超える曲線であってもよい。また、インダクタ素子が有するスパイラル配線の総数は、1層に限られず、2層以上の多層構成であってもよい。また、第1インダクタ素子の第1スパイラル配線と第2インダクタ素子の第2スパイラル配線は第1主面と平行な同一平面に配置される構成に限られず、第1スパイラル配線と第2スパイラル配線が第1主面と直交する方向に配列された構成であってもよい。
前記実施形態では、外部端子は、素体の表面に設けられているが、外部端子の少なくとも一部が、素体に埋め込まれていてもよい。例えば、外部端子の第1金属膜が、素体に埋め込まれ、外部端子の第2金属膜または第3金属膜が、素体の表面から露出していてもよい。
前記実施形態では、多層金属膜は、インダクタ部品の外部端子として適用しているが、これに限られず、例えば多層金属膜がインダクタ部品の内部電極であってもよい。また、多層金属膜は、インダクタ部品に限られず、コンデンサ部品や抵抗部品などの他の電子部品に適用してもよく、これらの電子部品を搭載する回路基板に適用してもよい。例えば、多層金属膜として、回路基板の配線パターンであってもよい。
前記実施形態では、第1金属膜は、触媒層側に穴部を有しているが、第1金属膜は、穴部を設けなくてもよい。
1 インダクタ部品
2A 第1インダクタ素子
2B 第2インダクタ素子
10 基体
101 第1端縁
102 第2端縁
10a 第1主面
10b 第1側面
10c 第2側面
11 第1磁性層
12 第2磁性層
21 第1スパイラル配線
22 第2スパイラル配線
31 第1柱状配線
32 第2柱状配線
33 第3柱状配線
34 第4柱状配線
41 第1外部端子(多層金属膜)
410 多層金属膜
411 第1金属膜
411a 穴部
411b 第1主面
412 第2金属膜
413 第3金属膜
415 触媒層
415a ベース部
415b 凸部
42 第2外部端子(多層金属膜)
43 第3外部端子(多層金属膜)
44 第4外部端子(多層金属膜)
50 絶縁膜
61 絶縁層
100 マザー基板
135 樹脂
136 金属磁性粉
A (凸部の)高さ
B (穴部の)範囲
t (ベース部の)膜厚
T1 (第1金属膜の)膜厚
T2 (第2金属膜の)膜厚

Claims (11)

  1. 絶縁性を有する基体上に配置された金属膜であって、
    前記基体に接触し導電性を有する第1金属膜と、
    前記第1金属膜に対して前記基体と反対側から前記第1金属膜を覆う耐はんだ食われ性を有する第2金属膜と、
    前記第1金属膜と前記第2金属膜の間に配置された触媒層と
    を備え、
    前記触媒層は、前記第2金属膜側に凸となり、前記第2金属膜に侵入する凸部を有する、多層金属膜。
  2. 前記触媒層の前記凸部の高さは、前記触媒層の前記凸部以外の部分の膜厚の2倍以上である、請求項1に記載の多層金属膜。
  3. 前記触媒層の前記凸部以外の部分の膜厚は、10nm以上30nm以下である、請求項1または2に記載の多層金属膜。
  4. 前記触媒層の前記凸部の高さは、前記第2金属膜の膜厚の1/2以下である、請求項1から3の何れか一つに記載の多層金属膜。
  5. 前記触媒層は、前記第1金属膜よりも貴な金属を含む、請求項1から4の何れか一つに記載の多層金属膜。
  6. 前記基体は、樹脂と前記樹脂に含有された金属磁性粉とを含む磁性樹脂層を有し、
    前記第1金属膜は、前記磁性樹脂層に接触する、請求項1から5の何れか一つに記載の多層金属膜。
  7. さらに、前記第2金属膜上にはんだ濡れ性を有する第3金属膜を有する、請求項1から6の何れか一つに記載の多層金属膜。
  8. 前記第1金属膜は、Cuを含む、請求項1から7の何れか一つに記載の多層金属膜。
  9. 前記第2金属膜は、Niを含む、請求項1から8の何れか一つに記載の多層金属膜。
  10. 前記触媒層は、Pdを含む、請求項1から9の何れか一つに記載の多層金属膜。
  11. 基体と、
    請求項1から10の何れか一つに記載の多層金属膜と、
    前記基体内に配置されたインダクタ素子と
    を備え、
    前記多層金属膜は、前記基体から露出し、かつ、前記インダクタ素子に電気的に接続された外部端子である、インダクタ部品。
JP2019061019A 2019-03-27 2019-03-27 多層金属膜およびインダクタ部品 Active JP7176453B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019061019A JP7176453B2 (ja) 2019-03-27 2019-03-27 多層金属膜およびインダクタ部品
CN202010076730.5A CN111755223B (zh) 2019-03-27 2020-01-23 多层金属膜和电感器部件
US16/830,178 US11798723B2 (en) 2019-03-27 2020-03-25 Multilayer metal film and inductor component
JP2022118130A JP7272500B2 (ja) 2019-03-27 2022-07-25 多層金属膜およびインダクタ部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019061019A JP7176453B2 (ja) 2019-03-27 2019-03-27 多層金属膜およびインダクタ部品

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022118130A Division JP7272500B2 (ja) 2019-03-27 2022-07-25 多層金属膜およびインダクタ部品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020161698A true JP2020161698A (ja) 2020-10-01
JP7176453B2 JP7176453B2 (ja) 2022-11-22

Family

ID=72604684

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019061019A Active JP7176453B2 (ja) 2019-03-27 2019-03-27 多層金属膜およびインダクタ部品

Country Status (3)

Country Link
US (1) US11798723B2 (ja)
JP (1) JP7176453B2 (ja)
CN (1) CN111755223B (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013067837A (ja) * 2011-09-22 2013-04-18 Achilles Corp 高分子材料のめっき物
JP2015137418A (ja) * 2014-01-24 2015-07-30 株式会社クオルテック 配線基板、及び配線基板の製造方法
JP2015232171A (ja) * 2014-05-16 2015-12-24 アイ’エムセップ株式会社 金属製基材の表面に多孔質層を形成する方法

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5827604A (en) * 1994-12-01 1998-10-27 Ibiden Co., Ltd. Multilayer printed circuit board and method of producing the same
JPH11297532A (ja) * 1998-04-15 1999-10-29 Murata Mfg Co Ltd 電子部品及びその製造方法
JP2004158521A (ja) * 2002-11-05 2004-06-03 Nec Toppan Circuit Solutions Inc 多層印刷配線板及びその製造方法並びに半導体装置
JP2004281431A (ja) * 2003-03-12 2004-10-07 Nichia Chem Ind Ltd 窒化物半導体レーザ素子
JP6024243B2 (ja) 2012-07-04 2016-11-09 Tdk株式会社 コイル部品及びその製造方法
KR20150011268A (ko) * 2013-07-22 2015-01-30 삼성전기주식회사 기판 내장용 적층 세라믹 전자부품 및 적층 세라믹 전자부품 내장형 인쇄회로기판
KR101452128B1 (ko) * 2013-08-26 2014-10-16 삼성전기주식회사 기판 내장용 적층 세라믹 전자부품 및 적층 세라믹 전자부품 내장형 인쇄회로기판
KR101652850B1 (ko) * 2015-01-30 2016-08-31 삼성전기주식회사 칩 전자부품, 그 제조방법 및 이를 구비한 기판
KR101659216B1 (ko) * 2015-03-09 2016-09-22 삼성전기주식회사 코일 전자부품 및 그 제조방법
JP2017195329A (ja) * 2016-04-22 2017-10-26 株式会社村田製作所 積層セラミック電子部品
JP2018018938A (ja) * 2016-07-27 2018-02-01 株式会社村田製作所 積層セラミック電子部品
JP2018049883A (ja) * 2016-09-20 2018-03-29 株式会社村田製作所 積層セラミック電子部品
KR20180058634A (ko) * 2016-11-24 2018-06-01 티디케이가부시기가이샤 전자 부품
JP2019176109A (ja) * 2018-03-29 2019-10-10 太陽誘電株式会社 受動部品及び電子機器
JP7081547B2 (ja) * 2019-03-27 2022-06-07 株式会社村田製作所 多層金属膜およびインダクタ部品

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013067837A (ja) * 2011-09-22 2013-04-18 Achilles Corp 高分子材料のめっき物
JP2015137418A (ja) * 2014-01-24 2015-07-30 株式会社クオルテック 配線基板、及び配線基板の製造方法
JP2015232171A (ja) * 2014-05-16 2015-12-24 アイ’エムセップ株式会社 金属製基材の表面に多孔質層を形成する方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20200312520A1 (en) 2020-10-01
US11798723B2 (en) 2023-10-24
JP7176453B2 (ja) 2022-11-22
CN111755223B (zh) 2024-03-29
CN111755223A (zh) 2020-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6958525B2 (ja) インダクタ部品
JP6935343B2 (ja) インダクタ部品およびその製造方法
US11610712B2 (en) Inductor component
JP7081547B2 (ja) 多層金属膜およびインダクタ部品
JP7092099B2 (ja) 電子部品およびその製造方法
JP7327308B2 (ja) 電子部品
CN112447359B (zh) 电子部件及其制造方法
JP7272500B2 (ja) 多層金属膜およびインダクタ部品
JP7176453B2 (ja) 多層金属膜およびインダクタ部品
CN112466597B (zh) 电感器部件
JP7334558B2 (ja) インダクタ部品
JP7402627B2 (ja) 基体
JP7160017B2 (ja) インダクタアレイ部品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210924

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211019

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211210

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220426

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220725

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20220725

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20220804

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20220809

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221011

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221024

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7176453

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150