JP2020161460A - 蓄電装置 - Google Patents

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悟士 山本
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洋明 加藤
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Tomoyuki Ito
智之 伊藤
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Takuya Yamamoto
卓矢 山本
俊雄 小田切
Toshio Odagiri
俊雄 小田切
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正彰 鈴木
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慎司 広瀬
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Abstract

【課題】小型化することが可能な蓄電装置を提供すること。【解決手段】蓄電装置は、積層方向D1に沿って積層された蓄電モジュール4A,4Bと、蓄電モジュール4A,4Bによって挟持され、蓄電モジュール4A,4Bを電気的に接続する導電板5と、方向D2において、蓄電モジュール4A,4Bと隣り合うように設けられた監視基板51と、温度センサユニット53と、を備え、温度センサユニット53は、蓄電モジュール4Aと積層方向D1において隣り合うように設けられるとともに蓄電モジュール4Aの温度を検知する温度センサ59と、温度センサ59と監視基板51とを電気的に接続するとともに方向D2に沿って延在する接続部材60と、を備え、接続部材60は、温度センサ59に接続される端部61と、監視基板51に接続される端部62と、端部61と端部62とを連結する連結部63と、を備える。【選択図】図6

Description

本発明の一側面は、蓄電装置に関する。
従来の蓄電装置として、導電性を有する層を介して積層された複数のバイポーラ電池(蓄電モジュール)を備える蓄電装置が知られている(特許文献1参照)。各蓄電モジュールは、セパレータを介して複数のバイポーラ電極を積層してなる積層体を備えている。積層体の側面には、積層方向に隣り合うバイポーラ電極間を封止する封止体が設けられており、バイポーラ電極間に形成された内部空間に電解液が収容されている。
特開2007−122977号公報
上述したような蓄電装置では、蓄電モジュールの温度を検出することにより、蓄電モジュールの状態が監視されることがある。一般に、温度を監視する監視基板は、蓄電装置の外部に設けられ、蓄電モジュールの温度を監視基板に伝達するために、ワイヤーハーネスが用いられる。この場合、ワイヤーハーネスによって蓄電モジュールと監視基板とを接続するためにコネクタが必要となることがある。その結果、監視基板を含む蓄電装置が大型化するおそれがある。
本発明の一側面は、小型化することが可能な蓄電装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る蓄電装置は、第1方向に沿って積層された第1蓄電モジュール及び第2蓄電モジュールと、第1蓄電モジュールと第2蓄電モジュールとによって挟持され、第1蓄電モジュールと第2蓄電モジュールとを電気的に接続する導電板と、第1方向と交差する第2方向において、第1蓄電モジュール及び第2蓄電モジュールと隣り合うように設けられ、第1蓄電モジュールの温度を監視する監視基板と、第1蓄電モジュールの温度を検知するための温度センサユニットと、を備える。第1蓄電モジュール及び第2蓄電モジュールのそれぞれは、第1方向に沿って積層された複数のバイポーラ電極を含む電極積層体を備える。温度センサユニットは、第1蓄電モジュールと第1方向において隣り合うように設けられるとともに第1蓄電モジュールの温度を検知する温度センサと、温度センサと監視基板とを電気的に接続するとともに第2方向に沿って延在する接続部材と、を備える。接続部材は、温度センサに接続される第1端部と、監視基板に接続される第2端部と、第1端部と第2端部とを連結する連結部と、を備える。
本発明の一側面によれば、蓄電装置を小型化することができる。
図1は、一実施形態に係る蓄電装置を示す概略斜視図である。 図2は、図1のII−II線に沿った概略断面図である。 図3は、図1に示された蓄電モジュールの内部構成を示す概略断面図である。 図4は、図2に示された断面の一部を拡大した図である。 図5は、図2に示された接続部材を示す概略斜視図である。 図6は、図1のVI−VI線に沿った断面の一部を拡大した図である。 図7は、接続部材及び温度センサユニットの接続方法を説明するための図である。 図8の(a)は、接続部材の変形例を示す図である。図8の(b)は、図8の(a)に示された接続部材を導電板から抜き取る方法を説明するための図である。 図9は、導電板と接続部材との接続態様の変形例を示す図である。 図10の(a)は、接続部材の別の変形例を示す図である。図10の(b)は、接続部材のさらに別の変形例を示す図である。 図11の(a)は、接続部材のさらに別の変形例を示す図である。図11の(b)は、接続部材のさらに別の変形例を示す図である。 図12は、接続部材のさらに別の変形例を示す図である。 図13の(a)は、接続部材のさらに別の変形例を示す図である。図13の(b)は、図13の(a)に示された接続部材を監視基板に固定する方法を説明するための図である。 図14の(a)は、温度センサユニットの変形例を示す図である。図14の(b)は、温度センサユニットの別の変形例を示す図である。 図15は、導電板と接続部材との接続態様の変形例を示す図である。 図16は、監視装置の変形例を説明するための図である。 図17は、挿通孔を介して端部が溝に嵌め合わされている状態を示す説明するための図である。 図18は、温度センサが固定されている状態を示す概略断面図である。 図19は、ガイド部材の変形例を示す図である。 図20は、温度センサユニットのさらに別の変形例を示す図である。 図21は、蓄電装置の変形例を示す概略斜視図である。 図22は、図21に示された蓄電装置における接続部材の配置例を示す図である。 図23は、図21に示された蓄電装置における接続部材の別の配置例を示す図である。
[実施形態の概要]
本発明の一側面に係る蓄電装置は、第1方向に沿って積層された第1蓄電モジュール及び第2蓄電モジュールと、第1蓄電モジュールと第2蓄電モジュールとによって挟持され、第1蓄電モジュールと第2蓄電モジュールとを電気的に接続する導電板と、第1方向と交差する第2方向において、第1蓄電モジュール及び第2蓄電モジュールと隣り合うように設けられ、第1蓄電モジュールの電圧及び第2蓄電モジュールの電圧を監視する監視基板と、導電板と監視基板とを電気的に接続するとともに第2方向に沿って延在する電圧監視用の接続部材と、を備える。第1蓄電モジュール及び第2蓄電モジュールのそれぞれは、第1方向に沿って積層された複数のバイポーラ電極を含む電極積層体を備える。接続部材は、導電板に接続される第1端部と、監視基板に接続される第2端部と、第1端部と第2端部とを連結する連結部と、を備える。
この蓄電装置では、第1蓄電モジュール及び第2蓄電モジュールに対して、第1蓄電モジュール及び第2蓄電モジュールの積層方向(第1方向)とは異なる方向(第2方向)に監視基板が設けられ、接続部材の第1端部が導電板に接続され、接続部材の第2端部が監視基板に接続されることで、導電板と監視基板とが電気的に接続される。このため、導電板と監視基板とを電気的に接続するためにコネクタを監視基板等に設ける必要がない。その結果、蓄電装置を小型化することが可能となる。
連結部は、第2方向とは異なる方向に曲がる屈曲部を有してもよい。この場合、接続部材に加わる引張応力が緩和されるので、接続部材が破断する可能性を低減することができる。
第1蓄電モジュール及び第2蓄電モジュールのそれぞれは、電極積層体の周囲に設けられ、複数のバイポーラ電極のうちの第1方向において互いに隣り合う2つのバイポーラ電極の間に内部空間を形成するとともに内部空間を封止するための封止体と、内部空間に収容された電解液と、をさらに備えてもよい。屈曲部は、監視基板に向かうにつれて第2蓄電モジュールから離れるように曲がる部分を有してもよい。屈曲部は、第2方向において、第1蓄電モジュール及び第2蓄電モジュールと監視基板との間に位置してもよい。蓄電モジュールから電解液が漏れ出すことがある。このような場合、電解液が接続部材に沿って伝わり、監視基板に到達すると、監視基板において電解液を介した短絡(液絡)が生じるおそれがある。これに対し、第1方向が上下方向(例えば、鉛直方向)となり、かつ、第1蓄電モジュールが第2蓄電モジュールよりも上方に位置するように蓄電装置が配置された場合には、屈曲部が上方に曲がっているので、電解液が監視基板に向けて屈曲部に沿って伝わる際に、電解液が重力の影響を受ける。このため、電解液が屈曲部を越えて伝わることが抑制され、接続部材から落下し得る。これにより、電解液が監視基板に到達する可能性を低減することができ、短絡の発生を抑制することが可能となる。
屈曲部は、第1方向において第1蓄電モジュールから離れるように突出する凸状の形状を有してもよい。第1方向が上下方向(例えば、鉛直方向)となり、かつ、第1蓄電モジュールが第2蓄電モジュールよりも上方に位置するように蓄電装置が配置された場合、屈曲部は下方に凸となる。この場合、接続部材に沿って伝わる電解液は、屈曲部の凸状先端部に集まり、屈曲部から落下する可能性が高まる。これにより、電解液が監視基板に到達する可能性をさらに低減することができ、短絡の発生をさらに抑制することが可能となる。
第2端部は、それぞれが第1方向と第1方向及び第2方向と交差する第3方向とによって規定される面に沿って延びるとともに第2方向において互いに向かい合う第1部分及び第2部分を有してもよい。第1部分及び第2部分が監視基板を挟持することによって、第2端部は、監視基板に固定されていてもよい。この場合、第2端部をより強固に監視基板に固定することが可能となる。
導電板は、互いに向かい合う第1壁部及び第2壁部と、第1壁部と第2壁部とを連結する第3壁部と、を有してもよい。第1端部は、第1壁部、第2壁部、及び第3壁部によって画成される溝に嵌り合ってもよい。この場合、第1端部を溝に嵌め込むだけの簡単な作業で導電板と接続部材とを接続することができる。
第1端部は、第1壁部と第2壁部とが向かい合う方向に弾性変形可能な形状を有してもよい。第1端部は、第1端部の弾性力によって第1壁部及び第2壁部に保持されてもよい。この場合、第1端部は弾性変形可能な形状を有するので、振動を吸収し得る。このため、第1端部に加わる振動に起因する応力を緩和することができ、導電板と接続部材との接続が解除される可能性を低減することが可能となる。
第1端部は、連結部から第2方向に沿って延びる延在部と、延在部と鋭角を成し、連結部に向かうにつれて、第1壁部に近づくように傾斜する第1傾斜片と、を有してもよい。この場合、延在部と第1傾斜片とが鋭角を成しているので、第1端部を溝に挿入するだけで第1端部が押し縮められる。このように、第1端部を溝に挿入する作業性を向上させることが可能となる。
第1端部は、第1傾斜片から第2壁部に向かって延びるとともに、第1傾斜片から離れるにつれて、第2壁部に近づくように傾斜する第2傾斜片をさらに有してもよい。この場合、第1傾斜片及び第2傾斜片が、第1壁部に向かって凸の形状を成している。このため、第1端部を溝から抜く際には、第1端部が第1壁部に引っ掛かることが抑制されるので、第1端部を滑らかに抜くことができる。したがって、接続部材の交換作業を容易に行うことが可能となる。
第2傾斜片の一部は、溝の外側に位置してもよい。この場合、作業者が第2傾斜片を第2壁部に向けて押し込むことで、第1壁部及び第2壁部による第1端部の保持を解除することができる。これにより、第1端部を溝から容易に抜き取ることが可能となる。
上述の蓄電装置は、導電板と第2方向において隣り合うように設けられたガイド部材をさらに備えてもよい。ガイド部材は、監視基板と向かい合う第1端面と、導電板と向かい合う第2端面と、を有してもよい。ガイド部材には、第2方向に沿ってガイド部材を貫通し、第1端部が挿通可能な挿通孔が設けられてもよい。挿通孔は、第2方向に沿って延びる支持面と、第2方向において第2端面に近づくにつれて支持面に近づくように傾斜する傾斜面と、によって画成されてもよい。第1端面における支持面と傾斜面との距離は、第1壁部と第2壁部との離間距離よりも大きくてもよい。第2端面における支持面と傾斜面との距離は、第1壁部と第2壁部との離間距離よりも小さくてもよい。この構成では、ガイド部材の挿通孔を通じて第1端部が導電板の溝に挿入される。このとき、支持面と傾斜面との距離が、第1端面においては、第1壁部と第2壁部との離間距離よりも大きいので、第1端部を押し縮めることなく、ガイド部材の挿通孔に第1端部を挿入することができる。また、傾斜面が第2方向において第2端面に近づくにつれて支持面に近づくように傾斜しており、支持面と傾斜面との距離が、第2端面においては、第1壁部と第2壁部との離間距離よりも小さいので、ガイド部材の挿通孔を第1端面から第2端面に向けて第1端部が進むにつれて、第1端部が次第に押し縮められ、第1端部が押し縮められた状態で溝に挿入される。このように、ガイド部材の挿通孔を通じて第1端部を導電板の溝に挿入するだけでよく、第1端部を溝に挿入する作業性を向上させることが可能となる。
ガイド部材には、第1蓄電モジュールの温度を検知する温度センサを収容するための収容空間が設けられてもよい。この場合、1つのガイド部材で、温度センサの収容と、第1端部の挿入の補助とが行われるので、部品数の増加を抑えることが可能となる。
導電板は、第1壁部に設けられ第1壁部から第2壁部に向かって突出する突出部をさらに有してもよい。この構成では、第1端部が溝から抜け出そうとした場合に、第1端部が突出部と干渉し得る。このため、第1端部が溝から外部に抜け出すことを抑制することができる。
接続部材は、第2方向において第1壁部と面接触する係止片をさらに有してもよい。この場合、係止片が第1壁部に面接触することで、溝における第1端部の位置ずれを規制することができる。
第1壁部と第2壁部とが向かい合う方向及び第2方向と交差する方向において、第1端部の長さは、連結部の長さよりも長くてもよい。この場合、第1端部と導電板との間の電気抵抗である接触抵抗を低減することが可能となる。
第1壁部と第2壁部とは、第1方向において互いに向かい合ってもよい。この場合、第1方向において互いに向かい合う第1壁部と第2壁部との間に、第1端部が取り付けられる。
導電板には、冷媒を流通させるための貫通孔が設けられてもよい。この場合、導電体における放熱性を高めることができる。
溝は、貫通孔であってもよい。この場合、放熱用の貫通孔を利用することで、接続部材を接続するためだけの溝を設ける必要がない。このため、導電板の製造を簡易化することが可能となる。
本発明の別の側面に係る蓄電装置は、第1方向に沿って積層された第1蓄電モジュール及び第2蓄電モジュールと、第1蓄電モジュールと第2蓄電モジュールとによって挟持され、第1蓄電モジュールと第2蓄電モジュールとを電気的に接続する導電板と、第1方向と交差する第2方向において、第1蓄電モジュール及び第2蓄電モジュールと隣り合うように設けられ、第1蓄電モジュールの温度を監視する監視基板と、第1蓄電モジュールの温度を検知するための温度センサユニットと、を備える。第1蓄電モジュール及び第2蓄電モジュールのそれぞれは、第1方向に沿って積層された複数のバイポーラ電極を含む電極積層体を備える。温度センサユニットは、第1蓄電モジュールと第1方向において隣り合うように設けられるとともに第1蓄電モジュールの温度を検知する温度センサと、温度センサと監視基板とを電気的に接続するとともに第2方向に沿って延在する接続部材と、を備える。接続部材は、温度センサに接続される第1端部と、監視基板に接続される第2端部と、第1端部と第2端部とを連結する連結部と、を備える。
この蓄電装置では、第1蓄電モジュール及び第2蓄電モジュールに対して、第1蓄電モジュール及び第2蓄電モジュールの積層方向(第1方向)とは異なる方向(第2方向)に監視基板が設けられ、接続部材の第1端部が温度センサに接続され、接続部材の第2端部が監視基板に接続されることで、温度センサと監視基板とが電気的に接続される。このため、温度センサと監視基板とを電気的に接続するためにコネクタを監視基板等に設ける必要がない。その結果、蓄電装置を小型化することが可能となる。
連結部は、第2方向とは異なる方向に曲がる屈曲部を有してもよい。この場合、接続部材に加わる引張応力が緩和されるので、接続部材が破断する可能性を低減することができる。
第1蓄電モジュール及び第2蓄電モジュールのそれぞれは、電極積層体の周囲に設けられ、複数のバイポーラ電極のうちの第1方向において互いに隣り合う2つのバイポーラ電極の間に内部空間を形成するとともに内部空間を封止するための封止体と、内部空間に収容された電解液と、をさらに備えてもよい。屈曲部は、監視基板に向かうにつれて第2蓄電モジュールから離れるように曲がる部分を有してもよい。屈曲部は、第2方向において、第1蓄電モジュール及び第2蓄電モジュールと監視基板との間に位置してもよい。蓄電モジュールから電解液が漏れ出すことがある。このような場合、電解液が接続部材に沿って伝わり、監視基板に到達すると、監視基板において電解液を介した短絡(液絡)が生じるおそれがある。これに対し、第1方向が上下方向(例えば、鉛直方向)となり、かつ、第1蓄電モジュールが第2蓄電モジュールよりも上方に位置するように蓄電装置が配置された場合には、屈曲部が上方に曲がっているので、電解液が監視基板に向けて屈曲部に沿って伝わる際に、電解液が重力の影響を受ける。このため、電解液が屈曲部を越えて伝わることが抑制され、接続部材から落下し得る。これにより、電解液が監視基板に到達する可能性を低減することができ、短絡の発生を抑制することが可能となる。
屈曲部は、第1方向において第1蓄電モジュールから離れるように突出する凸状の形状を有してもよい。第1方向が上下方向(例えば、鉛直方向)となり、かつ、第1蓄電モジュールが第2蓄電モジュールよりも上方に位置するように蓄電装置が配置された場合、屈曲部は下方に凸となる。この場合、接続部材に沿って伝わる電解液は、屈曲部の凸状先端部に集まり、屈曲部から落下する可能性が高まる。これにより、電解液が監視基板に到達する可能性をさらに低減することができ、短絡の発生をさらに抑制することが可能となる。
第2端部は、それぞれが第1方向と第1方向及び第2方向と交差する第3方向とによって規定される面に沿って延びるとともに第2方向において互いに向かい合う第1部分及び第2部分を有してもよい。第1部分及び第2部分が監視基板を挟持することによって、第2端部は、監視基板に固定されてもよい。この場合、第2端部をより強固に監視基板に固定することが可能となる。
導電板は、互いに向かい合う第1壁部及び第2壁部と、第1壁部と第2壁部とを連結する第3壁部と、を有してもよい。温度センサは、第1壁部、第2壁部、及び第3壁部によって画成される溝に嵌り合ってもよい。この場合、温度センサを溝に嵌め込むだけの簡単な作業で温度センサを取り付けることができる。
第1壁部と第2壁部とは、第1方向において互いに向かい合ってもよい。この場合、第1方向において互いに向かい合う第1壁部と第2壁部との間に、温度センサが取り付けられる。
第1壁部は、第1蓄電モジュールと接触してもよい。温度センサユニットは、温度センサと第2壁部との間に設けられた弾性部材をさらに備えてもよい。この場合、弾性部材によって温度センサは第1壁部に押し付けられる。このため、温度センサが第1壁部にしっかりと固定される。これにより、第1蓄電モジュールの温度の検知精度を向上させることが可能となる。
上述の蓄電装置は、導電板と第2方向において隣り合うように設けられ、温度センサを保持する保持部材をさらに備えてもよい。この場合、導電板に溝を設ける必要がないので、導電板の構造を単純化することが可能となる。
保持部材は、第1蓄電モジュールと向かい合うとともに温度センサを支持する支持面を有してもよい。支持面は、温度センサを収容する収容空間を画成してもよい。この場合、温度センサを収容空間に収容することで、温度センサの位置決めを行うことができる。
保持部材は、第2方向において支持面と連なる傾斜面をさらに有してもよい。傾斜面は、支持面から離れるにつれて第1蓄電モジュールとの距離が大きくなるように傾斜してもよい。この場合、温度センサを収容空間に収容する際に、傾斜面がガイドとして機能し得る。このため、温度センサを収容空間に収容する作業性を向上させることが可能となる。
温度センサユニットは、温度センサと支持面との間に設けられた弾性部材をさらに備えてもよい。この場合、弾性部材によって温度センサは第1蓄電モジュールに向けて押圧される。これにより、第1蓄電モジュールの温度の検知精度を向上させることが可能となる。
導電板には、冷媒を流通させるための貫通孔が設けられてもよい。この場合、導電体における放熱性を高めることができる。
本発明のさらに別の側面に係る蓄電装置は、第1方向に沿って積層された複数の蓄電モジュールと、複数の蓄電モジュールのうちの、第1方向において互いに隣り合う第1蓄電モジュールと第2蓄電モジュールとによって挟持され、第1蓄電モジュールと第2蓄電モジュールとを電気的に接続する第1導電板と、第1方向において、第2蓄電モジュールを介して第1導電板と隣り合うように設けられ、第2蓄電モジュールと電気的に接続された第2導電板と、第1導電板に接続されるとともに第1方向と交差する第2方向に沿って延在する電圧監視用の第1接続部材と、第2導電板に接続されるとともに第2方向に沿って延在する電圧監視用の第2接続部材と、第2方向において、複数の蓄電モジュールと隣り合うように設けられ、第1接続部材及び第2接続部材を固定する固定部と、を備える。複数の蓄電モジュールのそれぞれは、第1方向に沿って積層された複数のバイポーラ電極を含む電極積層体と、電極積層体の周囲に設けられ、複数のバイポーラ電極のうちの第1方向において互いに隣り合う2つのバイポーラ電極の間に内部空間を形成するとともに内部空間を封止するための封止体と、内部空間に収容された電解液と、を備える。第1接続部材及び第2接続部材は、第1方向及び第2方向と交差する第3方向において離間している。
この蓄電装置では、複数の蓄電モジュールに対して、複数の蓄電モジュールの積層方向(第1方向)とは異なる方向(第2方向)に固定部が設けられ、第1導電板に接続された第1接続部材及び第2導電板に接続された第2接続部材が固定部に固定される。第1接続部材及び第2接続部材が、第3方向において離間している。第1方向が上下方向(例えば、鉛直方向)となり、かつ、第1蓄電モジュールが第2蓄電モジュールよりも上方に位置するように蓄電装置が配置された場合には、第1接続部材は第2接続部材よりも上方に位置する。この場合、蓄電モジュールから漏れ出した電解液が、第1接続部材に沿って固定部に到達し、固定部において重力で降下したとしても、第1接続部材と第2接続部材とが電解液を介して短絡する可能性を低減することができる。その結果、蓄電装置の信頼性を向上させることが可能となる。
上述の蓄電装置は、複数の蓄電モジュールのうちの、第1方向において互いに隣り合う第3蓄電モジュールと第4蓄電モジュールとの間に設けられ、第3蓄電モジュールと第4蓄電モジュールとを電気的に接続する第3導電板と、第3導電板に接続されるとともに第2方向に沿って延在する電圧監視用の第3接続部材と、をさらに備えてもよい。固定部は、第3接続部材をさらに固定してもよい。第1接続部材、第2接続部材、及び第3接続部材は、第1方向においてその順に配列されてもよい。第1接続部材及び第3接続部材は、第1方向から見て互いに重なり合ってもよい。この構成では、第1方向において、第1接続部材と第3接続部材との間には、少なくとも第2接続部材が配置されている。このため、第1接続部材と第3接続部材とが第1方向において互いに隣り合う構成と比較して、第1接続部材と第3接続部材との第1方向における離間距離が大きい。第1方向が上下方向(例えば、鉛直方向)となり、かつ、第1蓄電モジュールが第2蓄電モジュールよりも上方に位置するように蓄電装置が配置された場合には、第1接続部材は第3接続部材よりも上方に位置する。この場合、第1接続部材に沿って固定部に到達した電解液が重力で降下したとしても、第1接続部材と第3接続部材とが離れているので、第1接続部材と第3接続部材とが電解液を介して短絡する可能性を低減することができる。
第1接続部材は、固定部に向かうにつれて第2接続部材から離れるように折れ曲がる屈曲部を有してもよい。屈曲部は、第2方向において、複数の蓄電モジュールと固定部との間に位置してもよい。第1方向が上下方向(例えば、鉛直方向)となり、かつ、第1蓄電モジュールが第2蓄電モジュールよりも上方に位置するように蓄電装置が配置された場合には、第1接続部材は第2接続部材よりも上方に位置する。このため、屈曲部が上方に曲がっているので、電解液が固定部に向けて屈曲部に沿って伝わる際に、電解液が重力の影響を受ける。このため、電解液が屈曲部を越えて伝わることが抑制され、第1接続部材から落下し得る。これにより、電解液が固定部に到達する可能性を低減することができ、短絡の発生をさらに抑制することが可能となる。
上述の蓄電装置は、複数の蓄電モジュールの電圧を監視する監視基板をさらに備えてもよい。固定部は、監視基板であってもよい。この場合、監視基板において、第1接続部材と第2接続部材とが電解液を介して短絡する可能性を低減することができる。
[実施形態の詳細]
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。
図1は、一実施形態に係る蓄電装置を示す概略斜視図である。図2は、図1のII−II線に沿った概略断面図である。図1及び図2に示される蓄電装置1は、例えば、フォークリフト、ハイブリッド自動車、又は電気自動車等の各種車両のバッテリとして用いられる。蓄電装置1は、モジュール積層体2と、拘束部材3と、監視装置50と、を備えている。
モジュール積層体2は、複数(本実施形態では5つ)の蓄電モジュール4と、複数(本実施形態では6つ)の導電板5と、を含む。複数の蓄電モジュール4は、積層方向D1(第1方向)に沿って積層(配列)されている。蓄電モジュール4は、バイポーラ電池であり、積層方向D1から見て矩形状を呈している。蓄電モジュール4は、例えばニッケル水素二次電池及びリチウムイオン二次電池等の二次電池、又は電気二重層キャパシタである。以下の説明では、ニッケル水素二次電池を例示する。
積層方向D1において互いに隣り合う2つの蓄電モジュール4同士は、導電板5を挟持し、導電板5を介して互いに電気的に接続されている。導電板5は、積層方向D1において互いに隣り合う2つの蓄電モジュール4の間と、積層端に位置する蓄電モジュール4の外側面と、にそれぞれ配置されている。積層下端に位置する蓄電モジュール4の外側面に配置された導電板5には、正極端子6が接続されている。積層上端に位置する蓄電モジュール4の外側面に配置された導電板5には、負極端子7が接続されている。正極端子6及び負極端子7は、例えば導電板5の縁部から積層方向D1と交差(直交)する方向D2(第2方向)に引き出されている。正極端子6及び負極端子7により、蓄電装置1の充放電が実施される。
導電板5には、複数の流路5aと、複数(本実施形態では、2つ)の溝5bと、が設けられている。流路5aは、空気等の冷媒を流通させるための貫通孔である。流路5aは、例えば、積層方向D1と方向D2とにそれぞれ交差(直交)する方向D3(第3方向)に導電板5を貫通しており、方向D3に沿って延在している。複数の流路5aは方向D2に沿って配列されている。溝5bは、導電板5の方向D2における両端に設けられている。溝5bの数は1つでもよく、この場合、溝5bは監視基板51側の一端にのみ設けられる。溝5bは、例えば、方向D3に導電板5を貫通しており、方向D3に沿って延在している。積層上端の導電板5と積層下端の導電板5とには、流路5aが設けられていなくてもよい。
導電板5は、積層方向D1において互いに向かい合う壁部5c(第1壁部;図4参照)及び壁部5d(第2壁部;図4参照)と、壁部5c及び壁部5dを連結する複数の隔壁5e(第3壁部;図4参照)と、を備えている。隔壁5eは、壁部5cと壁部5dとの間に立設されている。壁部5c、壁部5d、及び複数の隔壁5eによって、複数の流路5a及び複数の溝5bが画成される。
導電板5は、積層方向D1において互いに隣り合う2つの蓄電モジュール4同士を電気的に接続する接続部材としての機能のほか、これらの流路5a及び溝5bに冷媒を流通させることにより、蓄電モジュール4で発生した熱を放出する放熱板としての機能を併せ持つ。なお、図1及び図2の例では、積層方向D1から見た導電板5の面積は、蓄電モジュール4の面積よりも小さいが、放熱性の向上の観点から、導電板5の面積は、蓄電モジュール4の面積と同じであってもよく、蓄電モジュール4の面積よりも大きくてもよい。
拘束部材3は、モジュール積層体2に対してモジュール積層体2の積層方向D1に拘束荷重を付加する部材である。拘束部材3は、モジュール積層体2を積層方向D1に挟む一対のエンドプレート8と、一対のエンドプレート8同士を締結する締結ボルト9及びナット10と、を含んでいる。エンドプレート8は、積層方向D1から見た蓄電モジュール4及び導電板5の面積よりも一回り大きい面積を有する矩形の金属板である。エンドプレート8の内側面には、電気絶縁性を有する絶縁板Fが設けられている。絶縁板Fにより、エンドプレート8と導電板5との間が絶縁されている。
エンドプレート8の縁部には、モジュール積層体2よりも外側の位置に挿通孔8aが設けられている。締結ボルト9は、一方のエンドプレート8の挿通孔8aから他方のエンドプレート8の挿通孔8aに向かって通され、他方のエンドプレート8の挿通孔8aから突出した締結ボルト9の先端部分には、ナット10が螺合されている。これにより、蓄電モジュール4及び導電板5が一対のエンドプレート8によって挟持されてモジュール積層体2としてユニット化されるとともに、モジュール積層体2に対して積層方向D1に拘束荷重が付加される。
監視装置50は、モジュール積層体2を監視する装置である。例えば、監視装置50は、複数の蓄電モジュール4の状態を監視する。監視装置50の詳細については後述する。
次に、蓄電モジュール4の構成について詳細に説明する。図3は、図1に示された蓄電モジュールの内部構成を示す概略断面図である。図3に示されるように、複数の蓄電モジュール4のそれぞれは、電極積層体11と、電極積層体11を封止する封止体12と、を備えている。電極積層体11は、複数のセパレータ13と、複数のバイポーラ電極14と、負極終端電極18と、正極終端電極19と、を有している。本実施形態では、電極積層体11の積層方向はモジュール積層体2の積層方向D1と一致している。電極積層体11は、積層方向D1に延びる側面11aを有している。
セパレータ13は、例えばシート状に形成されている。セパレータ13としては、ポリエチレン(PE)及びポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、並びに、ポリプロピレン及びメチルセルロース等からなる織布又は不織布等が例示される。セパレータ13は、フッ化ビニリデン樹脂化合物で補強されていてもよい。セパレータ13は、袋状であってもよい。
負極終端電極18、複数のバイポーラ電極14、及び正極終端電極19(複数の電極)は、その順でセパレータ13を介して積層方向D1に沿って積層されている。複数のバイポーラ電極14のそれぞれは、電極板15と、正極16と、負極17と、を含んでいる。電極板15は、例えばニッケルからなる金属箔、又はニッケルメッキ鋼板からなり、矩形状を呈している。電極板15は、上面15aと、上面15aと反対側の下面15bと、を含む。電極板15の周縁部15cは、正極活物質及び負極活物質が塗工されていない未塗工領域である。
正極16は、電極板15の上面15aに設けられる。正極16は、正極活物質が上面15aに塗工されることによって形成された正極活物質層である。正極16を構成する正極活物質としては、例えば水酸化ニッケルが挙げられる。負極17は、電極板15の下面15bに設けられる。負極17は、負極活物質が下面15bに塗工されることによって形成された負極活物質層である。負極17を構成する負極活物質としては、例えば水素吸蔵合金が挙げられる。本実施形態では、電極板15の下面15bにおける負極17の形成領域は、電極板15の上面15aにおける正極16の形成領域よりも一回り大きい。
電極積層体11において、一のバイポーラ電極14の正極16は、セパレータ13を挟んで積層方向D1に隣り合う一方のバイポーラ電極14の負極17と向かい合っている。電極積層体11において、一のバイポーラ電極14の負極17は、セパレータ13を挟んで積層方向D1に隣り合う他方のバイポーラ電極14の正極16と向かい合っている。
負極終端電極18は、積層方向D1における電極積層体11の一端11bに配置されている。負極終端電極18は、電極板15と、電極板15の下面15bに設けられた負極17とを含んでいる。負極終端電極18の負極17は、セパレータ13を介して積層方向D1の一端に位置するバイポーラ電極14の正極16と向かい合っている。負極終端電極18の電極板15の上面15aには、蓄電モジュール4に隣接する一方の導電板5が接触している。
正極終端電極19は、積層方向D1における電極積層体11の一端11bとは反対側の他端11cに配置されている。正極終端電極19は、電極板15と、電極板15の上面15aに設けられた正極16とを含んでいる。正極終端電極19の正極16は、セパレータ13を介して積層方向D1の他端に位置するバイポーラ電極14の負極17と向かい合っている。正極終端電極19の電極板15の下面15bには、蓄電モジュール4に隣接する他方の導電板5が接触している。
封止体12は、例えば矩形の筒状に形成されている。封止体12は、絶縁性を有する樹脂材料により形成されている。封止体12を構成する樹脂材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、又は変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)等が挙げられる。封止体12は、電極積層体11の周囲に設けられ、電極積層体11内に内部空間Vを形成するとともに、内部空間Vを封止している。具体的には、封止体12は、積層方向D1に延びる電極積層体11の側面11aにおいて電極板15の周縁部15cを保持するとともに、側面11aを取り囲むように構成されている。封止体12は、積層方向D1において互いに隣り合う2つのバイポーラ電極14の間を封止している。
封止体12は、複数の一次封止体21と、二次封止体22と、を有している。一次封止体21は、電極板15の周縁部15c(未塗工領域)において、電極板15の全周(全辺)にわたって連続的に設けられている。二次封止体22は、複数の一次封止体21を外側から取り囲むように設けられている。二次封止体22は、電極積層体11及び複数の一次封止体21の周囲に設けられ、蓄電モジュール4の外壁(筐体)を構成している。二次封止体22は、樹脂の射出成形によって形成され、積層方向D1に沿って電極積層体11の全長にわたって延在している。二次封止体22は、積層方向D1を軸方向として延在する筒状(環状)を呈している。二次封止体22は、例えば、射出成形時の熱によって一次封止体21の外縁部側の端面に溶着(接合)されている。
二次封止体22は、一次封止体21とともに、積層方向D1において互いに隣り合う2つのバイポーラ電極14の間、積層方向D1において互いに隣り合う負極終端電極18とバイポーラ電極14との間、及び、積層方向D1において互いに隣り合う正極終端電極19とバイポーラ電極14との間をそれぞれ封止している。これにより、2つのバイポーラ電極14の間、負極終端電極18とバイポーラ電極14との間、及び、正極終端電極19とバイポーラ電極14との間には、それぞれ気密に仕切られた内部空間Vが形成されている。各内部空間Vには、例えば水酸化カリウム水溶液等のアルカリ水溶液からなる電解液(不図示)が収容されている。電解液は、セパレータ13、正極16及び負極17内に含浸されている。
次に、図4〜図7をさらに参照して監視装置50の構成について詳細に説明する。図4は、図2に示された断面の一部を拡大した図である。図5は、図2に示された接続部材を示す概略斜視図である。図6は、図1のVI−VI線に沿った断面の一部を拡大した図である。図7は、接続部材及び温度センサユニットの接続方法を説明するための図である。図4及び図6には、積層方向D1において互いに隣り合う2つの蓄電モジュール4と、これらの2つの蓄電モジュール4によって挟持される導電板5(第1導電板)と、が図示されている。説明の便宜上、2つの蓄電モジュール4のうち、上側に位置する蓄電モジュール4(第1蓄電モジュール)を「蓄電モジュール4A」と称し、下側に位置する蓄電モジュール4(第2蓄電モジュール)を「蓄電モジュール4B」と称する場合がある。
監視装置50は、監視基板51と、複数(本実施形態では、6つ)の接続部材52と、複数(本実施形態では、3つ)の温度センサユニット53と、を備えている。
監視基板51は、複数の蓄電モジュール4の状態を監視するための回路基板である。監視基板51は、例えば、各蓄電モジュール4の端子電圧及び温度を監視する。端子電圧とは、正極終端電極19と負極終端電極18との間の電圧であって、正極終端電極19の電位と負極終端電極18の電位との電位差である。本実施形態では、監視基板51は、積層上端に位置する蓄電モジュール4の温度と、積層下端に位置する蓄電モジュール4の温度と、モジュール積層体2の中間に位置する蓄電モジュール4の温度と、を監視する。
監視基板51は、配線基板部と、配線基板部に実装されている回路部品と、を有する。配線基板部に実装される回路部品としては、電圧監視IC(Integrated Circuit)、CPU(Central Processing Unit)、及びコンデンサ等が挙げられる。電圧監視ICは、複数の接続部材52のそれぞれを介して、各蓄電モジュール4の正極終端電極19の電位及び負極終端電極18の電位を受け取って、蓄電モジュール4の端子電圧に関する信号をCPUに出力する。CPUは、温度センサユニット53から各蓄電モジュール4の温度に関する信号を受信する。CPUは、温度に関する信号、及び端子電圧に関する信号を、外部装置である上位ECU(Electronic Control Unit)に送信する。
監視基板51は、方向D2においてモジュール積層体2と隣り合うように設けられている。具体的には、監視基板51は、モジュール積層体2の側面2aに沿って設けられている。側面2aは、積層方向D1及び方向D3に沿って延びる面である。監視基板51は、側面2aと向かい合う面51aと、面51aとは反対側の面51bと、を有している。監視基板51には、複数の貫通孔51cと、複数の貫通孔51dと、が設けられている。貫通孔51c,51dは、監視基板51を方向D2に沿って貫通する孔である。貫通孔51cは、後述する接続部材52の端部56を挿通するために用いられる。貫通孔51dは、後述する接続部材60の端部62を挿通するために用いられる。監視基板51は、ボルト等の固定部材54によって一対のエンドプレート8に固定されている。
複数の接続部材52のそれぞれは、電圧監視用の部材であって、方向D2に沿って延びる金属製の導電部材である。複数の接続部材52のそれぞれは、互いに異なる導電板5に設けられ、当該接続部材52が設けられた導電板5と監視基板51とを電気的に接続する。各接続部材52によって、当該接続部材52に対応する導電板5の電位が監視基板51に伝達される。図4の例では、導電板5は蓄電モジュール4Aの正極終端電極19及び蓄電モジュール4Bの負極終端電極18と接触しているので、導電板5の電位は蓄電モジュール4Aの正極終端電極19の電位及び蓄電モジュール4Bの負極終端電極18の電位と等しい。このように、複数の接続部材52によって、各蓄電モジュール4の正極終端電極19の電位及び負極終端電極18の電位が監視基板51に伝達される。
接続部材52は、端部55(第1端部)と、端部56(第2端部)と、連結部57と、を備えている。端部55は、導電板5に接続される部分である。端部55は、ワイヤーハーネス及びコネクタ等の他の部品を介することなく、導電板5に直接接続される。端部55は、溝5bに嵌り合う形状を有している。より具体的には、端部55は、壁部5cと壁部5dとが向かい合う方向(積層方向D1)に弾性変形可能な形状を有している。端部55は、積層方向D1に押し縮められた状態で溝5bに挿入され、端部55の弾性力によって壁部5c及び壁部5dのそれぞれを押圧している。これにより、端部55は、壁部5c及び壁部5dに保持されている。なお、さらに保持強度を増すために、端部55は、壁部5c及び壁部5dの少なくともいずれかと超音波溶接及び抵抗溶接等で接合されてもよい。
本実施形態では、端部55は、延在部55aと、傾斜片55b(第1傾斜片)と、を有している。延在部55aは、連結部57から方向D2に沿って端部56とは反対方向に延びる部分である。つまり、延在部55aの一端は連結部57の一端に接続されている。端部55が溝5bに嵌め合わされている状態で、延在部55aは、壁部5dの内面に沿って延びる。傾斜片55bは、延在部55aの他端から上方に折り返されて延びる部分である。つまり、傾斜片55bの一端は延在部55aの他端に接続されている。端部55が溝5bに嵌め合わされている状態で、傾斜片55bは、連結部57に向かうにつれて、壁部5cに近づくように傾斜している。傾斜片55bは、延在部55aと鋭角を成している。
端部55が溝5bに嵌め合わされていない状態では、傾斜片55bの他端と延在部55aとの積層方向D1における距離は、壁部5cと壁部5dとの離間距離よりも大きい。端部55が溝5bに嵌め合わされている状態では、壁部5c及び壁部5dによって、傾斜片55bの他端と延在部55aとの積層方向D1における距離が縮められている。これにより、延在部55a及び傾斜片55bは板バネとして機能し、積層方向D1に弾性変形する。
端部56は、監視基板51に接続される部分である。端部56は、ワイヤーハーネス及びコネクタ等の他の部品を介することなく、監視基板51に直接接続される。端部56の一端は連結部57の他端に接続され、端部56の他端は監視基板51に固定される。端部56は、面51aから面51bに向けて貫通孔51cに挿通され、はんだ、プレスフィット構造、及びネジ(ボルト)締結等によって監視基板51に接続(接合)されている。
連結部57は、端部55と端部56とを連結する部分である。連結部57は、屈曲部58を有している。屈曲部58は、応力緩和の観点から、方向D2とは異なる方向に曲がっている。屈曲部58は、漏液による短絡防止の観点から、端部55に近い部分よりも端部56に近い部分が上方に位置するように曲がる部分を含んでいてもよい。言い換えると、屈曲部58は、監視基板51に向かうにつれて積層方向D1において蓄電モジュール4Bから離れるように曲がる部分を含んでいてもよい。本実施形態では、屈曲部58は、下方に突出する凸状の形状を有している。この屈曲部58は、下方に突出するように、連結部57をV字状に折り曲げることによって形成される。屈曲部58は、方向D2においてモジュール積層体2と監視基板51との間に位置する。本実施形態では、複数の接続部材52の屈曲部58は、同じ方向に曲がっている。
壁部5cと壁部5dとが向かい合う方向(積層方向D1)及び方向D2と交差する方向(方向D3)において、端部55の長さ(幅W1)は、端部56の長さ(幅W2)及び連結部57の長さ(幅W3)よりも大きい。幅W2は、幅W3と同程度である。端部55、端部56、及び連結部57は、一体的に形成されている。例えば、金属板を所定の形状に打ち抜くことで得られた基材に折り曲げ加工を施すことによって接続部材52が形成される。
温度センサユニット53は、蓄電モジュール4の温度を検知するためのユニットである。本実施形態では、検知対象の蓄電モジュール4は、積層上端に位置する蓄電モジュール4、積層下端に位置する蓄電モジュール4、及び積層中央に位置する蓄電モジュール4であり、これらの蓄電モジュール4の温度を検知するために3つの温度センサユニット53が設けられる。
温度センサユニット53は、温度センサ59と、接続部材60と、を備えている。温度センサ59は、検知対象の蓄電モジュール4の温度を検知する。温度センサの例としては、サーミスタ素子が挙げられる。温度センサ59は、検知対象の蓄電モジュール4と積層方向D1において隣り合うように設けられる。温度センサ59は、検知対象の蓄電モジュール4と接触していてもよく、接触していなくてもよい。本実施形態では、温度センサ59は、溝5bに嵌り合っている。図6の例では、蓄電モジュール4Aが検知対象の蓄電モジュール4であり、温度センサ59は、蓄電モジュール4Aと蓄電モジュール4Bとによって挟持されている導電板5の溝5bに嵌り合っている。温度センサ59は、検知対象の蓄電モジュール4と接触している壁部5cを介して、検知対象の蓄電モジュール4(蓄電モジュール4A)の温度を検知する。
接続部材60は、温度監視用の部材であって、方向D2に沿って延びる金属製の導電部材である。接続部材60は、例えば、温度センサ59から延びるリード線である。接続部材60は、温度センサ59と監視基板51とを電気的に接続する。接続部材60によって、検知対象の蓄電モジュール4の温度に関する信号が監視基板51に伝達される。
接続部材60は、端部61(第1端部)と、端部62(第2端部)と、連結部63と、を備えている。端部61は、温度センサ59に接続される部分である。端部61は、ワイヤーハーネス及びコネクタ等の他の部品を介することなく、温度センサ59に直接接続される。端部61は、はんだ等によって温度センサ59に接続(接合)されている。端部62は、監視基板51に接続される部分である。端部62は、ワイヤーハーネス及びコネクタ等の他の部品を介することなく、監視基板51に直接接続される。端部62は、面51aから面51bに向けて貫通孔51dに挿通され、はんだ、プレスフィット構造、及びネジ(ボルト)締結等によって監視基板51に接続(接合)されている。
連結部63は、端部61と端部62とを連結する部分である。連結部63は、屈曲部64を有している。屈曲部64は、応力緩和の観点から、方向D2とは異なる方向に曲がっている。屈曲部64は、漏液による短絡防止の観点から、端部61に近い部分よりも端部62に近い部分が上方に位置するように曲がる部分を含んでいてもよい。言い換えると、屈曲部64は、監視基板51に向かうにつれて積層方向D1において蓄電モジュール4Bから離れるように曲がる部分を含んでいてもよい。本実施形態では、屈曲部64は、屈曲部58と同様に、下方に突出する凸状の形状を有している。この屈曲部64は、下方に突出するように、連結部63をV字状に折り曲げることによって形成される。屈曲部64は、モジュール積層体2と監視基板51との間に位置する。本実施形態では、複数の接続部材60の屈曲部64は、同じ方向に曲がっている。
端部61、端部62、及び連結部63は、一体的に形成されている。例えば、温度センサ59から延びるリード線に折り曲げ加工を施すことによって接続部材60が形成される。
以上説明したように、蓄電装置1では、モジュール積層体2に対して、モジュール積層体2の積層方向D1とは異なる方向(方向D2)に監視基板51が設けられる。接続部材52の端部55が導電板5に接続され、接続部材52の端部56が監視基板51に接続されることで、導電板5と監視基板51とが電気的に接続される。このため、導電板5と監視基板51とを電気的に接続するためにコネクタをモジュール積層体2及び監視基板51に設ける必要がない。その結果、蓄電装置1を小型化することが可能となる。
同様に、接続部材60の端部61が温度センサ59に接続され、接続部材60の端部62が監視基板51に接続されることで、温度センサ59と監視基板51とが電気的に接続される。このため、温度センサ59と監視基板51とを電気的に接続するためにコネクタをモジュール積層体2及び監視基板51に設ける必要がない。その結果、蓄電装置1を小型化することが可能となる。
接続部材52の連結部57は、屈曲部58を有している。同様に、接続部材60の連結部63は、屈曲部64を有している。屈曲部58,64は、方向D2とは異なる方向に曲がっているので、接続部材52,60に加わる引張応力が屈曲部58,64により緩和される。これにより、接続部材52,60が破断する可能性を低減することができる。
蓄電モジュール4から電解液が漏れ出すことがある。このような場合、電解液が接続部材52,60に沿って伝わり、監視基板51に到達すると、監視基板51において電解液を介した短絡(液絡)が生じるおそれがある。例えば、2つの接続部材52が電解液を介して短絡すると、端子電圧の検知精度が低下するおそれがある。また、2つの接続部材60が電解液を介して短絡すると、蓄電モジュール4の温度の検知精度が低下するおそれがある。これに対し、屈曲部58,64は、監視基板51に向かうにつれて蓄電モジュール4Bから離れるように曲がる部分を有している。また、屈曲部58,64は、方向D2において、モジュール積層体2と監視基板51との間に位置している。積層方向D1が上下方向(例えば、鉛直方向)となり、かつ、蓄電モジュール4Aが蓄電モジュール4Bよりも上方に位置するように蓄電装置1が配置されて使用される場合には、屈曲部58,64が、監視基板51に向かうにつれて上方に曲がる部分を有することになる。したがって、電解液が監視基板51に向けて屈曲部58,64に沿って伝わる際に、電解液が重力の影響を受ける。このため、電解液が屈曲部58,64を越えて伝わることが抑制され、接続部材52,60から落下し得る。これにより、電解液が監視基板51に到達する可能性を低減することができ、短絡の発生を抑制することが可能となる。
上記実施形態では、屈曲部58,64は、積層方向D1に沿って蓄電モジュール4Aから離れるように突出する凸形状を有している。積層方向D1が上下方向(例えば、鉛直方向)となり、かつ、蓄電モジュール4Aが蓄電モジュール4Bよりも上方に位置するように蓄電装置1が配置されて使用される場合には、屈曲部58,64は下方に凸となる。この場合、接続部材52,60に沿って伝わる電解液は、屈曲部58,64の凸状先端部に集まり、屈曲部58,64から落下する可能性が高まる。これにより、電解液が監視基板51に到達する可能性を低減することができ、短絡の発生を抑制することが可能となる。
積層方向D1において互いに向かい合う壁部5cと壁部5dとの間に、端部55及び温度センサ59が取り付けられる。
具体的には、接続部材52の端部55は、導電板5の溝5bに嵌り合っている。このように、端部55を溝5bに嵌め込むだけの簡単な作業で導電板5と接続部材52とを接続することができる。同様に、温度センサ59は、導電板5の溝5bに嵌り合っている。このように、温度センサ59を溝5bに嵌め込むだけの簡単な作業で、温度センサ59を取り付けることができる。
端部55は、壁部5cと壁部5dとが向かい合う方向(積層方向D1)に弾性変形可能な形状を有しているので、振動を吸収し得る。このため、振動に起因する応力が端部55に加わったとしても、当該応力を緩和することができるので、導電板5と接続部材52との接続が解除される可能性を低減することが可能となる。
具体的には、端部55は、連結部57から方向D2に沿って延びる延在部55aと、延在部55aと鋭角を成し、連結部57に向かうにつれて、壁部5cに近づくように傾斜する傾斜片55bと、を有している。このように、延在部55aと傾斜片55bとが鋭角を成しているので、端部55を溝5bに挿入する作業を簡易化することができる。また、接続部材52を導電板5に接続していない状態では、傾斜片55bの他端(延在部55aと接続される端とは反対側の端)と延在部55aとの積層方向D1における距離は、壁部5cと壁部5dとの離間距離よりも大きい。このため、端部55を溝5bに挿入するにつれて、壁部5c及び壁部5dによって、傾斜片55bの他端と延在部55aとの積層方向D1における距離が押し縮められる。これにより、端部55の弾性力が壁部5c及び壁部5dに作用し、端部55は端部55の弾性力によって壁部5c及び壁部5dに保持される。
端部55の幅W1は、連結部57の幅W3よりも大きい。このため、端部55の幅W1が連結部57の幅W3と同じである場合と比較して、端部55と導電板5(溝5b)との接触面積を大きくすることができる。これにより、端部55と導電板5との間の電気抵抗である接触抵抗を低減することが可能となる。
導電板5には、冷媒を流通させるための流路5a及び溝5bが設けられているので、導電板5における放熱性を高めることができる。
以上、本発明の一実施形態について詳細に説明されたが、本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、モジュール積層体2に含まれる蓄電モジュール4の積層数は、適宜変更され得る。モジュール積層体2は、積層方向D1に沿って積層された2つの蓄電モジュール4と、これらの蓄電モジュール4によって積層方向D1に挟持されるとともに、これらの蓄電モジュール4を電気的に接続する導電板5と、を備えていればよい。
複数の蓄電モジュール4は、並列に接続されてもよい。導電板5には、流路5aが設けられていなくてもよい。
監視装置50は、接続部材52と、温度センサユニット53(接続部材60)と、の少なくともいずれかを備えていればよい。例えば、監視装置50は、接続部材52及び接続部材60のいずれかに代えて、ワイヤーハーネスで構成された信号線を備えていてもよい。また、連結部57は、屈曲部58を有していなくてもよく、連結部63は、屈曲部64を有していなくてもよい。
上述のように、監視基板51は、複数の接続部材52及び複数の接続部材60を固定する固定部として機能する。蓄電装置1は、監視基板51とモジュール積層体2との間に、複数の接続部材52及び複数の接続部材60を固定する別の固定部を備えていてもよい。別の固定部は、方向D2においてモジュール積層体2と隣り合うように設けられる。別の固定部としては、例えば、監視基板51を収容するケースが挙げられる。
端部55の形状は、上記実施形態の端部55の形状に限定されない。端部55と導電板5との接続態様は、上記実施形態の接続態様に限定されない。例えば、図8の(a)及び図8の(b)に示されるように、端部55は、傾斜片55c(第2傾斜片)をさらに有していてもよい。傾斜片55cは、傾斜片55bの他端から下方に折り曲げられて延びる部分である。つまり、傾斜片55cの一端は傾斜片55bの他端に接続されている。傾斜片55cは、傾斜片55bから壁部5dに向かって延びており、傾斜片55bから離れるにつれて、連結部57に近づくように傾斜している。傾斜片55cは、傾斜片55bと鈍角を成しており、傾斜片55bと傾斜片55cとによって壁部5cに向かって凸の形状が呈される。傾斜片55cの他端を含む一部は、溝5bの外側に位置している。
上記実施形態の蓄電装置1では、端部55を溝5bから抜く際に、傾斜片55bの他端が壁部5cに引っ掛かることがある。これに対して、図8の(a)及び(b)に示される構成では、傾斜片55b及び傾斜片55cが、壁部5cに向かって凸の形状を成している。このため、端部55を溝5bから抜く際には、端部55が壁部5cに引っ掛かることが抑制されるので、端部55を滑らかに抜くことができる。したがって、接続部材52の交換作業を容易に行うことが可能となる。
傾斜片55cの一部は、溝5bの外側に位置している。このため、図8の(b)に示されるように、傾斜片55cと連結部57とが互いに近づくように傾斜片55cの露出している部分及び連結部57を作業者が摘まむことにより、積層方向D1において端部55を押し縮めることができ、端部55を溝5bから容易に抜き取ることが可能となる。
なお、図8の(a)及び(b)に示されるように、端部55は、延在部55aと傾斜片55bとの間に、延在部55aの他端と傾斜片55bの一端とを連結する連結片55dをさらに有してもよい。連結片55dは、隔壁5eに沿って延びている。このため、端部55が隔壁5eに当接するまで溝5bに挿入されたとしても、連結片55dが隔壁5eに当接するので、隔壁5eの損傷が低減される。
図9に示されるように、導電板5は、突出部5fをさらに有していてもよい。突出部5fは、壁部5cに設けられ、壁部5cから壁部5dに向かって突出している。突出部5fは、例えば、壁部5cの端部を壁部5dに向けて折り曲げることで形成される。この構成では、端部55が振動等によって溝5bから抜け出そうとした場合に、方向D2において端部55が突出部5fと干渉し得る。このため、端部55が溝5bから外部に抜け出すことを抑制することができる。例えば、蓄電装置1が車両に搭載された場合でも、蓄電装置1の信頼性が低下することを回避することが可能となる。
図10の(a)に示されるように、端部55は、返り片55eと、係止片55fと、をさらに有していてもよい。返り片55eは、傾斜片55bの他端から方向D2に沿って延びる部分である。つまり、返り片55eの一端は、傾斜片55bの他端に接続されている。端部55が溝5bに嵌め合わされている状態で、返り片55eは、壁部5cの内面に沿って延びる。係止片55fは、返り片55eの他端から上方に折り曲げられた部分である。端部55が溝5bに嵌め合わされている状態で、係止片55fは方向D2において壁部5cと面接触し得る。具体的には、係止片55fは、導電板5の端面5gと面接触する。端面5gは、監視基板51の面51aと向かい合う面である。
図10の(a)に示される構成では、端部55と導電板5との接触面積をさらに大きくすることができる。これにより、端部55と導電板5との間の接触抵抗をさらに低減することが可能となる。
接続部材52が導電板5に接続された後に、接続部材52が監視基板51に接続されることがある。このとき、監視基板51に設けられた貫通孔51cに接続部材52の端部56が挿入される。しかしながら、端部55が溝5bに嵌め合わされている状態では、端部55を軸として接続部材52が回動し得る。このため、端部56が監視基板51の貫通孔51cに対してずれることがある。これに対して、図10の(a)に示される構成では、端部55が溝5bに嵌め合わされている状態で、係止片55fが、方向D2において壁部5cの端面5gと面接触する。これにより、溝5bにおける端部55の位置が規定され、端部55の位置ずれを規制することができる。また、端部55を軸として接続部材52が回動することが抑制されるので、接続部材52の延在方向が規定される。このため、監視基板51の貫通孔51cに端部56を挿入する作業を簡易化することができる。
図10の(b)に示されるように、端部55は、図10の(a)に示される延在部55a、傾斜片55b、及び返り片55eに代えて、湾曲部55gを有していてもよい。湾曲部55gは、C字状に湾曲している部分である。湾曲部55gは、溝5bを画成する隔壁5eに向けて凸となるように湾曲している。湾曲部55gの一端は連結部57の一端に接続されており、湾曲部55gの他端は係止片55fの一端に接続されている。湾曲部55gの両端部が壁部5cの内面及び壁部5dの内面にそれぞれ接触している。この構成では、図10の(a)に示される構成と比較して、折り曲げ箇所が少ないので、加工費用を低減することが可能となる。
図11の(a)に示されるように、端部55は、図10の(a)に示される延在部55a、傾斜片55b、及び返り片55eに代えて、ばね部55hを有していてもよい。ばね部55hは、例えば、コイルばね構造を有している。ばね部55hのコイル中心軸は、壁部5cと壁部5dとの対向方向(積層方向D1)に沿っている。ばね部55hの一端は連結部57の一端に接続されており、ばね部55hの他端は係止片55fの一端に接続されている。ばね部55hの両端部が壁部5cの内面及び壁部5dの内面にそれぞれ接触している。端部55と導電板5との接触面積を大きくするために、ばね部55hの両端部はクローズドループであってもよく、研磨等によって平坦化されていてもよい。この構成では、接続部材52を単線で構成することができるので、コストを低減することが可能となる。
なお、ばね部55hのコイル中心軸は、方向D3に沿っていてもよい。この場合も、ばね部55hは積層方向D1において弾性変形し得る。また、導電板5は、ばね部55hを方向D3において挟持する一対の壁部をさらに有していてもよい。
図11の(b)に示されるように、端部55は、延在部55aと、嵌合部55iと、係止片55f,55jと、を有していてもよい。嵌合部55iは、溝5bに嵌り合う部分であり、溝5bと略同一の形状を有している。嵌合部55iは、隔壁5eと向かい合う部分において、延在部55aの他端に接続されている。係止片55fは、嵌合部55iの一端から上方に折り曲げられた部分である。端部55が溝5bに嵌め合わされている状態で、係止片55fは方向D2において壁部5cと面接触し得る。係止片55jは、嵌合部55iの他端から下方に折り曲げられた部分である。端部55が溝5bに嵌め合わされている状態で、係止片55jは方向D2において壁部5dと面接触し得る。この構成では、図10の(a)に示される構成と比較して、端部55と導電板5との接触面積をさらに大きくすることができる。これにより、端部55と導電板5との間の接触抵抗をさらに低減することが可能となる。また、係止片55f,55jが壁部5c,5dとそれぞれ面接触するので、端部55の位置ずれをさらに規制することができ、接続部材52の延在方向をより確実に規定することができる。
図12に示されるように、接続部材52は、取付部材65と、ボルト66と、ナット67と、から構成されていてもよい。取付部材65は、ボルト66を取り付けるための部材であって、溝5bに嵌め合わされている。取付部材65は、雌ネジ部65aを有している。雌ネジ部65aは、取付部材65の監視基板51と向かい合う面に設けられたネジ穴である。ボルト66は、頭部66aと、軸部66bと、を有している。軸部66bは、軸部66bの先端部に雄ネジ部66cを有している。ナット67は、ボルト66の軸部66bに挿通されている。
この構成では、ボルト66の軸部66bが、監視基板51の貫通孔51cに面51bから挿通され、ナット67に挿通される。そして、雄ネジ部66cが取付部材65の雌ネジ部65aに螺合される。これにより、接続部材52は導電板5に固定される。ボルト66の頭部66aとナット67とによって、接続部材52は監視基板51に固定される。この構成では、取付部材65が端部55に相当し、ボルト66の頭部66aが端部56に相当し、ボルト66の軸部66bが連結部57に相当する。また、ナット67は、屈曲部58と同様に、電解液が監視基板51に到達する可能性を低減し得る。
端部56,62の形状は、上記実施形態の端部56,62の形状に限定されない。端部56,62と監視基板51との接続態様は、上記実施形態の接続態様に限定されない。例えば、図13の(a)に示されるように、端部56は、屈曲部56aを有していてもよい。屈曲部56aは、矩形状(U字状)に折り曲げられた部分である。屈曲部56aは、方向D2とは異なる方向(図13の(a)では、積層方向D1)に突出している。屈曲部56aは、第1部分56bと、第2部分56cと、第3部分56dと、を有している。端部56が監視基板51に固定されている状態では、第1部分56b及び第2部分56cは、積層方向D1に沿って延びるとともに、監視基板51を介して互いに向かい合っている。第1部分56bは、監視基板51の面51aに配置され、第2部分56cは、監視基板51の面51bに配置される。第1部分56bの長さは、第2部分56cの長さと同程度である。第3部分56dは、第1部分56bと第2部分56cとを連結する部分である。端部56が監視基板51に固定されている状態では、第3部分56dは監視基板51に設けられた貫通孔51cに挿通されている。
図13の(b)に示されるように、貫通孔51cは、方向D2とは異なる方向(図13の(b)では、方向D3)に沿って延びる矩形形状を有している。貫通孔51cの方向D3における長さは、第1部分56bの長さ及び第2部分56cの長さよりも大きい。監視基板51の方向D2における長さ(厚さ)は、第3部分56dの長さと略同じである。端部56が監視基板51に取り付けられる場合には、第1部分56b及び第2部分56cの延在方向が方向D3に合わせられた状態で貫通孔51cに第2部分56cが挿通された後、第3部分56dが貫通孔51c内に位置している状態で方向D2を軸として接続部材52が例えば90度回転される。これにより、第1部分56bが面51a上に配置され、第2部分56cが面51b上に配置される。そして、はんだ等によって貫通孔51cの隙間を埋めるとともに屈曲部56aを監視基板51に固定する。このように、第1部分56b及び第2部分56cが監視基板51を方向D2において挟持することによって、端部56は監視基板51に固定される。
この構成では、端部56をより強固に監視基板51に固定することが可能となる。なお、端部56が監視基板51に固定されている状態において、第1部分56b及び第2部分56cは、積層方向D1に限られず、積層方向D1及び方向D3によって規定される面(仮想面)に沿って延びていればよい。この場合、貫通孔51cは、上記仮想面において、第1部分56b及び第2部分56cの延在方向と交差する方向に延びている。一例を挙げて説明すると、端部56が監視基板51に固定されている状態において、第1部分56b及び第2部分56cが方向D3に沿って延びている場合、貫通孔51cは例えば積層方向D1に沿って延びている。図13の(a)及び図13の(b)に示される構成は、接続部材60の端部62に適用されてもよい。つまり、端部62は、屈曲部56aと同様の屈曲部を有していてもよく、端部62を挿通するための貫通孔51dは、貫通孔51cと同様に矩形形状を有していてもよい。この場合も、端部62をより強固に監視基板51に固定することが可能となる。
屈曲部58,64の形状は、上記実施形態の屈曲部58,64の形状に限定されない。上述のように、屈曲部58,64は、応力を緩和するために、方向D2とは異なる方向に曲がっていればよい。屈曲部58,64は、さらに漏液による短絡の可能性を低減するために、監視基板51に向かうにつれて積層方向D1において蓄電モジュール4Bから離れるように上方に曲がる部分を含んでいればよい。
例えば、図14の(a)に示されるように、連結部63のうちの端部61に近い部分よりも、端部62に近い部分の方が上方に位置するように、連結部63が折り曲げられていてもよい。この例では、屈曲部64は、端部61に近い部分と端部62に近い部分とを連結する段差部分である。言い換えると、屈曲部64は、監視基板51に向かうにつれて上方に傾斜する部分である。この構成においても、上記実施形態の屈曲部64と同様に、接続部材60に加わる応力を緩和することができ、漏液による短絡の可能性を低減することができる。さらにこの構成では、折り曲げ箇所が少ないので、接続部材60を容易に形成することができる。図14の(a)に示される構成は、屈曲部58に適用されてもよい。
図14の(b)に示されるように、屈曲部64は、らせん構造を有していてもよい。この構成においても、上記実施形態の屈曲部64と同様に、接続部材60に加わる応力を緩和することができ、漏液による短絡の可能性を低減することができる。さらにこの構成では、接続部材60の耐衝撃性及び耐振動性を向上させることが可能となる。図14の(b)に示される構成は、屈曲部58に適用されてもよい。
導電板5は、積層方向D1とは異なる方向において互いに向かい合う一対の壁部と、一対の壁部を連結する壁部と、を備えていてもよい。これらの壁部によって画成される溝に、端部55及び温度センサ59が嵌め合わされてもよい。この場合、導電板5には、溝5bは設けられなくてもよい。
例えば、図15に示されるように、端部55は流路5aに嵌め合わされてもよい。この場合、モジュール積層体2の側面のうち、流路5aが設けられる側面は、側面2aとは異なるので、端部55は、連結部57から方向D3に沿って延びていてもよい。同様に、温度センサ59は、流路5aに嵌め合わされてもよい。このように、放熱用の流路5aを利用することで、接続部材52及び温度センサユニット53を接続するためだけの溝を設ける必要がない。このため、導電板5の製造を簡易化することが可能となる。
図16、図17、及び図18に示されるように、監視装置50は、ガイド部材70(保持部材)をさらに備えていてもよい。ガイド部材70は、端部55を溝5bに嵌め込む作業を補助するための部材である。ガイド部材70は、導電板5と方向D2において隣り合うように設けられる。ガイド部材70は、導電板5と監視基板51との間に位置している。ガイド部材70は、導電板5によって電気的に接続される2つの蓄電モジュール4のうちの下側に位置する蓄電モジュール4(蓄電モジュール4B)の上に載置されている。
ガイド部材70は、上面70aと、下面70bと、端面70c(第1端面)と、端面70d(第2端面)と、を有している。上面70aは、導電板5によって電気的に接続される2つの蓄電モジュール4のうちの上側に位置する蓄電モジュール4(蓄電モジュール4A)の下面(正極終端電極19)と向かい合う。上面70aは、蓄電モジュール4Aの下面と接触していてもよい。下面70bは、蓄電モジュール4Bの上面(負極終端電極18)と向かい合う。下面70bは、蓄電モジュール4Bの上面と接触している。端面70cは、監視基板51(面51a)と向かい合う。端面70dは、導電板5(溝5b)と向かい合う。端面70dは、導電板5(端面5g)と接触していてもよい。
ガイド部材70には、挿通孔71と、収容空間72と、が設けられている。挿通孔71は、方向D2に沿ってガイド部材70を貫通する貫通孔である。挿通孔71は、端部55が挿通可能な形状を有する。挿通孔71は、支持面71aと、傾斜面71bと、側面71cと、側面71dと、によって画成される。支持面71aは、積層方向D1と交差し、方向D2に沿って延びる面であり、壁部5dの内面と連なっている。傾斜面71bは、積層方向D1において支持面71aと向かい合っており、方向D2において端面70dに近づくにつれて支持面71aに近づくように傾斜している。端面70cにおける支持面71aと傾斜面71bとの距離Linは、壁部5cと壁部5dとの離間距離Lgよりも大きい。端面70dにおける支持面71aと傾斜面71bとの距離Loutは、離間距離Lgよりも小さい。側面71c,71dは、支持面71aと傾斜面71bとを方向D3の両側において連結する面である。
収容空間72は、温度センサ59を収容(保持)するための空間である。つまり、ガイド部材70は、温度センサ59を保持する保持部材としても機能する。この例では、温度センサ59は、蓄電モジュール4Aの温度を検知するので、収容空間72は、蓄電モジュール4Aの温度を検知することが可能なように温度センサ59を保持する。例えば、温度センサ59が蓄電モジュール4Aの正極終端電極19に接触するように、収容空間72は、温度センサ59を保持する。
収容空間72は、支持面72aと、側面72b〜72dと、によって画成される。支持面72aは、蓄電モジュール4A(正極終端電極19)と向かい合う面である。支持面72aは、収容空間72に収容された温度センサ59を支持する。支持面72aは、端面70cから方向D2に沿って延びている。側面72b,72cは、支持面72aの方向D3における両辺から積層方向D1に沿って上面70aまで延びるとともに方向D3において互いに向かい合う面である。側面72b,72cのそれぞれは、端面70cから方向D2に沿って延びている。側面72bと側面72cとの方向D3における離間距離は、温度センサ59の方向D3における長さと同じかわずかに大きい。側面72dは、支持面72aの方向D2における一辺から積層方向D1に沿って上面70aまで延びる面であり、側面72b,72cを連結する。
端面70cから収容空間72に温度センサ59が挿入され、支持面72a上に載置される。支持面72aに載置された温度センサ59は、ガイド部材70の上面70aから露出するので、蓄電モジュール4Aの正極終端電極19と接触し得る。
この構成では、ガイド部材70の挿通孔71を通じて端部55が導電板5の溝5bに挿入される。このとき、距離Linが離間距離Lgよりも大きいので、作業者が端部55を積層方向D1に押し縮めることなく、ガイド部材70の挿通孔71に端部55を挿入することができる。また、傾斜面71bが方向D2において端面70dに近づくにつれて支持面71aに近づくように傾斜しているので、端部55が挿通孔71を端面70cから端面70dに向けて進むにつれて、端部55が次第に積層方向D1において押し縮められる。そして、距離Loutが離間距離Lgよりも小さいので、端部55が積層方向D1において押し縮められた状態で溝5bに挿入される。このように、ガイド部材70の挿通孔71を通じて端部55を導電板5の溝5bに挿入するだけで、端部55を溝5bに嵌め合わせることができる。このため、端部55を導電板5に接続する作業性を向上させることが可能となる。
また、距離Loutが離間距離Lgよりも小さいので、端部55が振動等によって溝5bから抜け出そうとした場合に、方向D2において端部55がガイド部材70と干渉し得る。したがって、端部55が一旦溝5bに嵌め合わされると、端部55が溝5bから外部に抜け出すことが抑制される。これにより、蓄電装置1が車両に搭載された場合でも、蓄電装置1の信頼性が低下することを回避することが可能となる。
ガイド部材70には、温度センサ59を収容するための収容空間72が設けられている。このため、温度センサ59を収容空間72に収容するだけで、温度センサ59の位置決めを行うことができる。また、導電板5に温度センサ59を嵌め合わせるための溝を設ける必要がないので、導電板5の構造を単純化することが可能となる。また、1つのガイド部材70で、温度センサ59の収容と、端部55の挿入の補助とが行われるので、部品数の増加を抑えることが可能となる。
なお、ガイド部材70には、挿通孔71と収容空間72とのいずれかが設けられていなくてもよい。例えば、監視装置50が、接続部材52に代えてワイヤーハーネスで構成された信号線を備えている場合、ガイド部材70には挿通孔71が設けられていなくてもよい。同様に、監視装置50が、接続部材60に代えてワイヤーハーネスで構成された信号線を備えている場合、ガイド部材70には収容空間72が設けられていなくてもよい。また、監視装置50が接続部材52及び温度センサユニット53を備えている場合でも、ガイド部材70には、挿通孔71と収容空間72とのいずれかが設けられていなくてもよい。例えば、温度センサ59が溝5bに嵌め合わされる構成では、ガイド部材70には収容空間72が設けられていなくてもよい。ガイド部材70に挿通孔71が設けられていない場合には、端部55が挿通孔71を介することなく溝5bに嵌め合わされる。
図19に示されるように、ガイド部材70は、支持面72aと端面70cとの間に傾斜面72eをさらに有してもよい。具体的には、傾斜面72eは、方向D2において、端面70cから支持面72aまで延び、支持面72aと連なっている。傾斜面72eは、支持面72aから端面70cに向かうにつれて(支持面72aから離れるにつれて)検知対象の蓄電モジュール4Aとの距離が大きくなるように下方に向けて傾斜している。この構成では、温度センサ59を収容空間72に収容する際に、傾斜面72eがガイドとして機能し得る。このため、温度センサ59を収容空間72に収容する作業性を向上させることが可能となる。
図20に示されるように、温度センサユニット53は、温度センサ59と支持面72aとの間に設けられた弾性部材68をさらに備えてもよい。弾性部材68は、温度センサ59の支持面72aと向かい合う下面に設けられる。弾性部材68は、積層方向D1に弾性変形可能である。弾性部材68としては、例えば、板バネが用いられる。弾性部材68が積層方向D1に押し縮められた状態で、温度センサ59は収容空間72に収容される。この構成では、弾性部材68によって温度センサ59は検知対象の蓄電モジュール4Aに向けて押圧される。これにより、蓄電モジュール4Aの温度の検知精度を向上させることが可能となる。
なお、上記実施形態においても、温度センサユニット53は、弾性部材68をさらに備えてもよい。この場合、弾性部材68は、温度センサ59と壁部5dとの間に設けられる。弾性部材68が積層方向D1に押し縮められた状態で、温度センサ59は溝5bに収容される。この構成では、弾性部材68によって温度センサ59が壁部5cに押し付けられる。このため、温度センサ59が壁部5cにしっかりと固定される。これにより、蓄電モジュール4Aの温度の検知精度を向上させることが可能となる。
特許文献1に記載されているような蓄電装置では、各蓄電モジュールの電圧が検出されることにより、各蓄電モジュールの状態が監視されることがある。各蓄電モジュールでは、電解液が収容されている内部空間は、封止体によって封止されているが、電解液が封止体とバイポーラ電極との間を通って蓄電モジュールから漏れ出すことがある。電解液が蓄電モジュールから漏れ出て拡散すると、電圧検出用の配線間で電解液を介した短絡が生じるおそれがある。このため、本技術分野では、信頼性の向上が図られた蓄電装置が望まれている。
図21は、蓄電装置の変形例を示す概略断面図である。図21に示される蓄電装置1Aは、監視装置50に代えて監視装置50Aを備える点において蓄電装置1と主に相違する。監視装置50Aは、接続部材52の配置において監視装置50と主に相違する。
図22は、図21に示された蓄電装置における接続部材の配置例を示す図である。ここでは、各接続部材52を区別するために、接続部材52A〜52Fとする。接続部材52A〜52Fは、積層方向D1においてその順に配列されている。接続部材52A〜52Fのうち、接続部材52Aが最も上に位置し、接続部材52Fが最も下に位置する。図22に示されるように、複数の接続部材52のうちの、積層方向D1において互いに隣り合う2つの接続部材52は、方向D3において離間している。つまり、接続部材52Aと接続部材52Bとは、方向D3において離間している。接続部材52B(第1接続部材)と接続部材52C(第2接続部材)とは、方向D3において離間している。接続部材52Cと接続部材52Dとは、方向D3において離間している。接続部材52Dと接続部材52Eとは、方向D3において離間している。接続部材52Eと接続部材52Fとは、方向D3において離間している。
図22に示される配置例では、接続部材52A〜52Fは、方向D3において互いに異なる位置に設けられる。つまり、積層方向D1から蓄電装置1Aを見た場合に、各接続部材52は、他の接続部材52と重なっていない。接続部材52A〜52Fは、方向D3においてその順に配列されているが、方向D3において互いに異なる位置に設けられていれば、方向D3における順番は変更されてもよい。
蓄電装置1Aにおいても、蓄電装置1と同様の効果が奏される。蓄電装置1Aでは、積層方向D1において互いに隣り合う2つの接続部材52(例えば、接続部材52A,52B)が、方向D3において離間している。積層方向D1が上下方向(例えば、鉛直方向)となり、かつ、負極端子7が正極端子6よりも上方に位置するように蓄電装置1Aが配置されて使用される場合には、接続部材52Aが接続部材52Bよりも上方に位置するが、接続部材52Bは接続部材52Aの真下に位置していない。このため、蓄電モジュール4から漏れ出した電解液が、接続部材52Aに沿って監視基板51に到達し、監視基板51において重力で降下したとしても、接続部材52Bに電解液が到達する可能性は低い。このように、監視基板51において、接続部材52Aと接続部材52Bとが電解液を介して短絡する可能性を低減することができる。接続部材52B,52C、接続部材52C,52D、接続部材52D,52E、及び接続部材52E,52Fの組み合わせについても同様に、電解液を介して短絡する可能性を低減することができる。
さらに、蓄電装置1Aでは、接続部材52A〜52Fは、方向D3において互いに異なる位置に設けられており、積層方向D1から蓄電装置1Aを見た場合に、各接続部材52は、他の接続部材52と重なっていない。したがって、電解液がいずれか1つの接続部材52に沿って監視基板51に到達し、監視基板51において重力で降下したとしても、他の接続部材52に電解液が到達する可能性は低い。このため、接続部材52A〜52Fのうちの2つの接続部材52間で電解液を介した短絡が生じる可能性を低減することができる。その結果、蓄電装置1Aの信頼性を向上させることが可能となる。
蓄電装置1Aにおいても、接続部材52A〜52Fのそれぞれは、屈曲部58を有している。屈曲部58は、方向D2においてモジュール積層体2と監視基板51との間に位置している。積層方向D1が上下方向(例えば、鉛直方向)となり、かつ、負極端子7が正極端子6よりも上方に位置するように蓄電装置1Aが配置されて使用される場合には、屈曲部58は下方に凸となる。つまり、屈曲部58は、導電板5から監視基板51に向かうにつれて、上方に傾斜する部分を有している。したがって、電解液が監視基板51に向けて屈曲部58に沿って伝わる際に、電解液が重力の影響を受ける。このため、電解液が屈曲部58を越えて伝わることが抑制され、各接続部材52から落下し得る。これにより、電解液が監視基板51に到達する可能性を低減することができ、短絡の発生をさらに抑制することが可能となる。なお、接続部材52A〜52Fのそれぞれは、屈曲部58を有していなくてもよい。
図23は、図21に示された蓄電装置における接続部材の別の配置例を示す図である。図23に示される配置例では、接続部材52D〜52Fの配置において図22に示される配置例と主に相違する。図23に示されるように、図22に示される配置例と同様に、複数の接続部材52のうちの、積層方向D1において互いに隣り合う2つの接続部材52は、方向D3において離間している。しかし、接続部材52Aと接続部材52Dとは、積層方向D1から見て互いに重なり合っている。接続部材52Bと接続部材52E(第3接続部材)とは、積層方向D1から見て互いに重なり合っている。接続部材52Cと接続部材52Fとは、積層方向D1から見て互いに重なり合っている。この配置例では、接続部材52Dは接続部材52Aの真下に位置し、接続部材52Eは接続部材52Bの真下に位置し、接続部材52Fは接続部材52Cの真下に位置している。
接続部材52Aと接続部材52Dとの離間距離L1、接続部材52Bと接続部材52Eとの離間距離L2、及び接続部材52Cと接続部材52Fとの離間距離L3は、互いに略同じであり、例えば、2つの接続部材52が電解液によって短絡しない程度の距離である。電解液によって短絡しない距離は、予め実験等によって定められている。
この構成では、積層方向D1において、接続部材52Aと接続部材52Dとの間には、接続部材52B,52Cが配置されている。このため、接続部材52Aと接続部材52Bとの積層方向D1における距離、及び接続部材52Aと接続部材52Cとの積層方向D1における距離よりも、離間距離L1の方が大きい。したがって、接続部材52Aに沿って監視基板51に到達した電解液が重力で降下したとしても、接続部材52Aと接続部材52Dとが離れているので、接続部材52Aと接続部材52Dとが電解液を介して短絡する可能性を低減することができる。同様に、接続部材52Bと接続部材52Eとが離れているので、接続部材52Bと接続部材52Eとが電解液を介して短絡する可能性を低減することができる。接続部材52Cと接続部材52Fとが離れているので、接続部材52Cと接続部材52Fとが電解液を介して短絡する可能性を低減することができる。
1,1A…蓄電装置、4…蓄電モジュール(第1蓄電モジュール、第2蓄電モジュール、第3蓄電モジュール、第4蓄電モジュール)、4A…蓄電モジュール(第1蓄電モジュール)、4B…蓄電モジュール(第2蓄電モジュール)、5…導電板(第1導電板、第2導電板)、5a…流路(貫通孔)、5b…溝、5c…壁部(第1壁部)、5d…壁部(第2壁部)、5e…隔壁(第3壁部)、5f…突出部、11…電極積層体、12…封止体、14…バイポーラ電極、50…監視装置、51…監視基板(固定部)、52…接続部材、52A…接続部材(第1接続部材)、52B…接続部材(第2接続部材)、52D…接続部材(第3接続部材)、53…温度センサユニット、55…端部(第1端部)、55a…延在部、55b…傾斜片(第1傾斜片)、55c…傾斜片(第2傾斜片)、55f…係止片、55j…係止片、56…端部(第2端部)、56b…第1部分、56c…第2部分、57…連結部、58…屈曲部、59…温度センサ、60…接続部材、61…端部(第1端部)、62…端部(第2端部)、63…連結部、64…屈曲部、68…弾性部材、70…ガイド部材(保持部材)、70c…端面(第1端面)、70d…端面(第2端面)、71…挿通孔、71a…支持面、71b…傾斜面、72…収容空間、72a…支持面、72e…傾斜面、D1…積層方向(第1方向)、D2…方向(第2方向)、D3…方向(第3方向)、V…内部空間。

Claims (13)

  1. 第1方向に沿って積層された第1蓄電モジュール及び第2蓄電モジュールと、
    前記第1蓄電モジュールと前記第2蓄電モジュールとによって挟持され、前記第1蓄電モジュールと前記第2蓄電モジュールとを電気的に接続する導電板と、
    前記第1方向と交差する第2方向において、前記第1蓄電モジュール及び前記第2蓄電モジュールと隣り合うように設けられ、前記第1蓄電モジュールの温度を監視する監視基板と、
    前記第1蓄電モジュールの温度を検知するための温度センサユニットと、
    を備え、
    前記第1蓄電モジュール及び前記第2蓄電モジュールのそれぞれは、前記第1方向に沿って積層された複数のバイポーラ電極を含む電極積層体を備え、
    前記温度センサユニットは、前記第1蓄電モジュールと前記第1方向において隣り合うように設けられるとともに前記第1蓄電モジュールの温度を検知する温度センサと、前記温度センサと前記監視基板とを電気的に接続するとともに前記第2方向に沿って延在する接続部材と、を備え、
    前記接続部材は、前記温度センサに接続される第1端部と、前記監視基板に接続される第2端部と、前記第1端部と前記第2端部とを連結する連結部と、を備える、蓄電装置。
  2. 前記連結部は、前記第2方向とは異なる方向に曲がる屈曲部を有する、請求項1に記載の蓄電装置。
  3. 前記第1蓄電モジュール及び前記第2蓄電モジュールのそれぞれは、
    前記電極積層体の周囲に設けられ、前記複数のバイポーラ電極のうちの前記第1方向において互いに隣り合う2つのバイポーラ電極の間に内部空間を形成するとともに前記内部空間を封止するための封止体と、
    前記内部空間に収容された電解液と、
    をさらに備え、
    前記屈曲部は、前記監視基板に向かうにつれて前記第2蓄電モジュールから離れるように曲がる部分を有し、
    前記屈曲部は、前記第2方向において、前記第1蓄電モジュール及び前記第2蓄電モジュールと前記監視基板との間に位置する、請求項2に記載の蓄電装置。
  4. 前記屈曲部は、前記第1方向において前記第1蓄電モジュールから離れるように突出する凸状の形状を有する、請求項3に記載の蓄電装置。
  5. 前記第2端部は、それぞれが前記第1方向と前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向とによって規定される面に沿って延びるとともに前記第2方向において互いに向かい合う第1部分及び第2部分を有し、
    前記第1部分及び前記第2部分が前記監視基板を挟持することによって、前記第2端部は、前記監視基板に固定されている、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の蓄電装置。
  6. 前記導電板は、互いに向かい合う第1壁部及び第2壁部と、前記第1壁部と前記第2壁部とを連結する第3壁部と、を有し、
    前記温度センサは、前記第1壁部、前記第2壁部、及び前記第3壁部によって画成される溝に嵌り合う、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の蓄電装置。
  7. 前記第1壁部と前記第2壁部とは、前記第1方向において互いに向かい合う、請求項6に記載の蓄電装置。
  8. 前記第1壁部は、前記第1蓄電モジュールと接触しており、
    前記温度センサユニットは、前記温度センサと前記第2壁部との間に設けられた弾性部材をさらに備える、請求項6又は請求項7に記載の蓄電装置。
  9. 前記導電板と前記第2方向において隣り合うように設けられ、前記温度センサを保持する保持部材をさらに備える、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の蓄電装置。
  10. 前記保持部材は、前記第1蓄電モジュールと向かい合うとともに前記温度センサを支持する支持面を有し、
    前記支持面は、前記温度センサを収容する収容空間を画成する、請求項9に記載の蓄電装置。
  11. 前記保持部材は、前記第2方向において前記支持面と連なる傾斜面をさらに有し、
    前記傾斜面は、前記支持面から離れるにつれて前記第1蓄電モジュールとの距離が大きくなるように傾斜している、請求項10に記載の蓄電装置。
  12. 前記温度センサユニットは、前記温度センサと前記支持面との間に設けられた弾性部材をさらに備える、請求項10又は請求項11に記載の蓄電装置。
  13. 前記導電板には、冷媒を流通させるための貫通孔が設けられている、請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載の蓄電装置。
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