JP2020159976A - 分光測定装置及び分光測定装置における対応表校正方法 - Google Patents

分光測定装置及び分光測定装置における対応表校正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 広帯域パルス光を伸長ファイバで伸長して対象物に照射して行う分光測定において、伸長ファイバの特性のばらつきに起因した測定精度低下の問題を解決する。【解決手段】 広帯域パルス光源1からの広帯域パルス光のパルス幅をパルス内の時間と光の波長とが1対1に対応するように伸長ファイバ2が伸長し、伸長された光が照射された対象物Sからの光を受光器3が受光し、その出力データを演算手段4上の測定プログラム43が対応表44に従ってスペクトルに変換する。校正プログラム45は、伸長された広帯域パルス光がリファレンス素子6を介して受光器3に入射した際の出力データにより対応表44を校正する。【選択図】 図1

Description

この出願の発明は、広帯域のパルス光を対象物に照射して行う分光測定の技術に関するものである。
パルス光源の典型的なものは、パルス発振のレーザ(パルスレーザ)である。近年、パルスレーザの波長を広帯域化させる研究が盛んに行われており、その典型が、非線形光学効果を利用したスーパーコンティニウム光(以下、SC光という。)の生成である。SC光は、パルスレーザ源からの光をファイバのような非線形素子に通し、自己位相変調や光ソリトンのような非線形光学効果により波長を広帯域化させることで得られる光である。
特開2013−205390号公報 米国特許第7184144号公報
上述した広帯域パルス光は、波長域としては大幅に伸長されているが、パルス幅(時間幅)としてはSC光の生成に用いた入力パルスに近いパルス幅のままである。しかし、ファイバのような伝送媒体における群遅延を利用するとパルス幅も伸長することができ、この際、適切な分散特性を持つ素子を選択すると、パルス内の経過時間(時刻)と光の波長とが1対1に対応した状態でパルス伸長することができる。
このようにパルス伸長させた広帯域パルス光(以下、広帯域伸長パルス光という。)における経過時間と波長との対応関係は、分光測定に効果的に利用することが可能である。つまり、広帯域伸長パルス光をある受光器で受光した場合、受光器が検出した光強度の時間的変化は、各波長の光強度即ちスペクトルに対応している。したがって、受光器の出力データの時間的変化をスペクトルに換算することができ、回折格子のような特別な分散素子を用いなくても分光測定が可能になる。つまり、広帯域伸長パルス光を試料に照射してその試料からの光を受光器で受光してその時間的変化を測定することで、その試料の分光特性(例えば分光透過率)を知ることができるようになる。
しかしながら、発明者の研究によると、このような広帯域伸長パルス光を使用した分光測定の技術の実用化に際しては、パルス伸長を行うファイバ(以下、伸長ファイバという。)の特性のばらつきによって、十分に精度の高い分光測定が行えない課題があることが判ってきた。この場合の特性のばらつきとは、伸長ファイバの製品としてのばらつき(個体差)の他、伸長ファイバを装置に組み込む作業に起因したばらつきや、経時変化によるばらつき、使用条件や使用環境によるばらつきが含まれる。
この出願の発明は、このような新たに判明した課題を解決するために為されたものであり、広帯域パルス光を伸長ファイバで伸長して対象物に照射して行う分光測定において、伸長ファイバの特性のばらつきに起因した測定精度低下の問題を解決することを目的としている。
上記課題を解決するため、この出願の分光測定装置は、広帯域パルス光源と、広帯域パルス光源からの広帯域パルス光のパルス幅をパルス内の時間と光の波長とが1対1に対応するように伸長させる伸長ファイバと、伸長ファイバで伸長された光が照射された対象物からの光を受光する受光器と、受光器からの出力データをスペクトルに変換するスペクトル変換プログラムが実装された演算手段とを備えた分光測定装置である。演算手段は、パルス内の時間と光の波長とを対応づける対応表をスペクトル変換プログラムに渡す手段である。この分光測定装置には、対応表を校正する校正手段が設けられており、校正手段は、受光器からの出力データを使用して対応表を校正する校正プログラムを含んでいる。
また、上記課題を解決するため、この出願の発明の対応表校正方法は、このような分光測定装置において、受光器からの出力データを使用して対応表を校正する校正プログラムを含む校正手段により対応表を校正する方法である。
上記装置又は方法において、校正プログラムが使用する出力データは、既知の波長を選択して透過、反射又は吸収するリファレンス素子を介して広帯域パルス光を受光器に入射させた際の出力データであり得る。
上記装置又は方法において、校正プログラムが使用する出力データは、対象物を経由しない状態でリファレンス素子を介して広帯域パルス光を受光器に入射させた際の出力データであり得る。
また、上記装置又は方法において、伸長ファイバの出射側の光路が測定用光路と参照用光路とに分岐しており、測定用光路上には測定用受光器が配置され、参照用光路上には前記リファレンス素子と参照用受光器とが配置されている場合、校正プログラムが使用する出力データは、参照用光路を進んで対象物を経由しない状態で光が参照用受光器に入射した際の当該参照用受光器からの出力データであり得る。
また、上記装置又は方法において、リファレンス素子はエタロンであり、校正プログラムは、伸長ファイバの分散特性を算出してその結果により対応表を校正するプログラムであり得る。
また、上記装置又は方法において、広帯域パルス光源がパルス波形において特異形状箇所を有する光を出射する光源である場合、校正プログラムが使用する出力データは、対象物を経由しない状態で広帯域パルス光を受光器に入射させた際の出力データであり、校正プログラムは、当該出力データのパルスにおける特異形状箇所の出現時刻に基づいて前記対応表を校正するプログラムであり得る。
以下に説明する通り、この出願の発明によれば、装置の出荷後に生じた伸長ファイバの分散特性の変化(経時的なばらつき)に対して対応表が校正されるので、分散特性の変化の影響がキャンセルされる。このため、広帯域伸長パルス光を利用した分光測定を常に高い精度で行うことができる。この際、校正手段は、分光測定装置上の手段であるので、伸長ファイバを回収して分散特性を別途測定し直すというような煩雑さはなく、装置が使用できなくなる不便さもない。
また、リファレンス素子を使用して校正を行うようにすると、任意の既知の波長の光を透過、反射又は吸収するリファレンス素子を使用することができるので、校正における自由度が高くなる。
また、リファレンス素子を使用する場合、対象物を経由しない状態でリファレンス素子を介して光を受光器に入射させて得た出力データにより校正を行うようにすると、対象物によって出力データが不正確になる問題はなく、校正をより精度良く行うことができる。
また、伸長ファイバの出射側の光路が測定用光路と参照用光路とに分岐しており、参照用光路上に配置された参照用受光器からの出力データにより校正を行うようにすると、対象物からの光を捉えた測定と並行してリアルタイムで校正が行え、校正時期などを考慮する必要がないので、より好適となる。
また、リファレンス素子がエタロンであり、伸長ファイバの分散特性を算出してその結果により校正プログラムが対応表を校正するようにすると、伸長ファイバの分散特性がどのように変化しても精度良く校正が行えるので、さらに好適となる。
また、広帯域パルス光源がパルス波形において特異形状箇所を有する光を出射する光源であり、特異形状箇所の出現時刻に基づいて校正プログラムが対応表を校正するようにすると、リファレンス素子が不要になる。このため、コストの面で特に有利である。
第一の実施形態の分光測定装置の概略図である。 伸長ファイバによるパルス伸長について示した概略図である。 伸長ファイバの分散特性の一例を示した概略図である。 測定プログラムに対して渡される対応表について概略的に示した図である。 対応表の作成について示した概略図である。 対応表の作成について示した概略図である。 演算手段に実装された測定プログラムの主要部を概略的に示した図である。 リファレンス素子として使用されたノッチフィルタについて示した概略図である。 参照波長の出現時刻のずれとその技術的意味について示した概略図である。 伸長ファイバの分散特性の変化の一例とその変化による時間波長対応関係の変化について示した概略図である。 校正プログラムの一例について示したフローチャートである。 2個の異なる参照波長を有するノッチフィルタの例の概略図である。 図12に示すノッチフィルタを使用した場合の対応表の校正について示した概略図である。 第二の実施形態の分光測定装置の概略図である。 第三の実施形態の分光測定装置の概略図である。 第四の実施形態の分光測定装置及び分光測定方法において、エタロンを使用して対応表の校正を行う原理について概略的に示した図である。 リファレンス素子の他の例について示した概略図である。 第五の実施形態の分光測定装置の主要部を示した概略図である。
次に、この出願の発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。
図1は、第一の実施形態の分光測定装置の概略図である。図1に示す分光測定装置は、広帯域パルス光源1と、伸長ファイバ2と、受光器3と、演算手段4とを備えている。
広帯域パルス光源1は、非線形光学効果を利用し広帯域パルス光を出射する光源であり、SC光を出射する光源となっている。具体的には、広帯域パルス光源1は、超短パルスレーザ源11と、超短パルスレーザ源11からの超短パルスレーザ光が入射する非線形素子12とを備えている。
超短パルスレーザ源11には、ゲインスイッチレーザ、マイクロチップレーザ、ファイバレーザ等を用いることができる。また、非線形素子12としては、ファイバが使用される場合が多い。例えば、フォトニッククリスタルファイバやその他パルスを入力して非線形が生じるファイバであれば非線形素子12として使用できる。ファイバのモードとしては測定安定性の観点からシングルモードを用いる場合が多いが、マルチモードであっても十分な非線形性を示し、測定波長範囲において期待する測定安定性が得られるものであれば、非線形素子12として使用できる。
この実施形態の分光測定装置は、材料の分光分析等の光測定に利用されることを想定しており、したがって出射される広帯域パルス光は、900nm〜1300nm程度の赤外域の光となっている。また、広帯域とは、ある波長幅において連続スペクトルであることを意味するが、これは例えば少なくとも10nm、50nm又は100nmの波長幅に亘って連続スペクトルの光ということになる。つまり、この実施形態では、広帯域パルス光源1は、900nmから1300nmの範囲において少なくとも10nm、50nm又は100nmの波長幅に亘って連続したスペクトルの光を出射する光源となっている。尚、SC光源である場合の他、広帯域パルス光源1は、SLD(Superluminescent Diode)光源のような他の広帯域パルス光源である場合もある。
伸長ファイバ2は、前述したように群速度分散によってパルス伸長を行う素子である。パルス伸長について図2及び図3を使用して説明する。図2は伸長ファイバによるパルス伸長について示した概略図であり、図3は伸長ファイバの分散特性の一例を示した概略図である。
伸長ファイバ2としては、図3に示すように、使用波長900nm〜1300nmにおいて正常分散特性のファイバ(正常分散ファイバ)、例えば分散補償ファイバ(DCF)を使用することができる。正常分散ファイバは、分散値が負であるファイバである。この場合、広帯域パルス光の波長域において分散値が負であれば良い。
分散がゼロに近いとパルスが広がらないため、分散の絶対値は大きい方が短い長さでパルスを拡張できる。また、使用波長範囲にゼロ分散を含み正常分散と異常分散が混在してしまうと、ある時間に異なる波長が混ざり時間と波長を1対1に対応させることができない。
また、異常分散ファイバでも使用できるが、一般にファイバ材料として用いられるシリカファイバでは900nm〜1300nmで正常分散を示す。逆に1300nm以上の長波長になると異常分散を示す傾向があるため、使用波長によって使い分ける。以下の説明では、900nm〜1300nmにおいて正常分散のファイバを用いる場合を主として例にする。
例えば、ある波長域において連続スペクトルであるSC光L1を当該波長範囲で負の分散値を示す伸長ファイバ(正常分散ファイバ)に通すと、パルス幅が効果的に伸長される。即ち、図2に示すように、SC光L1においては、超短パルスではあるものの、1パルスの初期に最も長い波長λの光が存在し、時間が経過すると徐々に短い波長の光が存在し、パルスの終期には最も短い波長λの光が存在する。この光を、正常分散ファイバである伸長ファイバ2に通すと、伸長ファイバ2では、波長の短い光ほど遅れて伝搬するので、1パルス内の時間差が増長され、伸長ファイバ2を出射する際には、短い波長の光は長い波長の光に比べてさらに遅れるようになる。この結果、出射するSC光L2は、時間対波長の一意性が確保された状態でパルス幅が伸長された光となる。即ち、図2の下側に示すように、時刻t〜tは、波長λ〜λに対してそれぞれ1対1で対応した状態でパルス伸長される。
尚、伸長ファイバ2としては、異常分散ファイバを使用することも可能である。この場合は、SC光においてパルスの初期に存在していた長波長側の光が遅れ、後の時刻に存在していた短波長側の光が進む状態で分散するので、1パルス内での時間的関係が逆転し、1パルスの初期に短波長側の光が存在し、時間経過とともにより長波長側の光が存在する状態でパルス伸長されることになる。上述の通り、波長帯域によって正常分散または異常分散で分散の絶対値が大きいファイバを用いる。
このようにしてパルス伸長された広帯域パルス光を対象物に照射するため、実施形態の分光測定装置は、照射光学系13と、照射光学系13による広帯域伸長パルス光の照射位置に対象物Sを保持する受け板5とを備えている。尚、ある程度広い領域に光を照射するため、照射光学系13は、伸長ファイバ2からの光を広げるビームエキスパンダや、対象物に適したビーム形状に成形するビーム成形素子を含む場合があり得る。ここで、ビーム成形とは、複数のビームに分割して照射するためのビームスプリッタ、トップハット、長方形、楕円、ラインビームなど任意の形状のプロファイルを生成する回折型ビーム成形素子などを指す。
この実施形態の装置は、対象物Sを透過した光を検出して分光する装置となっており、受光器3は対象物Sからの透過光を検出する位置に配置されている。受光器3は、フォトダイオード等の光電変換素子を含んでいる。
受光器3は、AD変換器31を介して演算手段4に接続されている。演算手段4としては、この実施形態では汎用PCが使用されている。演算手段4は、プロセッサ41や記憶部(ハードディスク、メモリ等)42を備えている。記憶部42には、受光器3からの出力データをスペクトルに変換する処理を含むデータ処理を行う測定プログラム43が記憶されている。スペクトルへの変換は、時間対波長の一意性を利用するものであり、記憶部42には、時間対波長の対応関係を示す対応表のデータ(以下、単に対応表という。)44が記憶されている。測定プログラム43は、この対応表44を記憶部42から引数として取得して実行される。
図4は、測定プログラム43に対して渡される対応表44について概略的に示した図である。図4に示すように、対応表44は、各時刻t,t,t,・・・に対して各波長λ,λ,λ,・・・を対応づけた表である。この実施形態では、伸長ファイバ2は正常分散ファイバであるので、各波長は、波長λ>λ>λ・・・である(時間が遅い方が波長が短い)。尚、「時刻」は、パルス内の時間を示すものとしての時刻である。通常、ある時刻(例えばパルスの立ち上がりの時刻)を基準にしてその時刻からの経過時間(相対的な時刻)として表現される。
この例では、時間分解能は20ピコ秒であり、対応表44は20ピコ秒ごとに対応する波長を記録した表である。時間分解能は、受光器3の検出速度(信号払い出し周期)と同じかそれより長い時間であるが、通常は検出速度に一致させる。各時刻t,t,t,・・・の差Δt(時間分解能)は20ピコ秒で一定であるが、各波長λ,λ,λ,・・・の差Δλ(波長分解能)は一定ではない。これは、波長により遅延時間差が異なるためである。尚、図4の例は、対応表44の概念を理解するための例であり、実際に使用されるものの例ではない。
図4に示す対応表44は、CSVのような汎用形式のデータベースファイルであり得る。いずれにしても、対応表44はファイルの形式で記憶部42に記憶されている。
このような対応表44は、伸長ファイバ2の分散特性を求めることで、測定対象物のスペクトル測定に先立って予め作成される。図5及び図6は、対応表44の作成について示した概略図である。対応表44の作成については、広帯域パルス光源1の分光スペクトル特性と伸長ファイバ2の仕様値としての分散特性とから計算して作成する方法と、実験によって作成する方法とがある。このうち、図5は伸長ファイバ2の仕様値としての分散特性から計算する方法を示しており、図6は実験によって求める方法を示している。
伸長ファイバ2の仕様値によって対応表44を求める場合、図5に示すように、広帯域パルス光源1の分光スペクトル特性をスペクトラムアナライザのような測定機器で予め求め測定しておく。これは、広帯域パルス光源1が出射している波長域を特定するためである。ここでは、波長域における最長波長λと、最短波長λを特定する。最長波長λは、ピーク強度に対して例えば5%以上の強度を持つ光のうち最も長い波長と定義される。最短波長λはピーク強度に対して例えば5%以上の強度を持つ光のうちの最も短い波長と定義される。λが観測されるのはオシロスコープの立ち上がり時間となり、λは立下り時間に相当する。
次に、λからλまでの各波長について分散特性に適用し、時間分解能Δtの分だけ遅れる各波長を算出する。即ち、λからΔt遅延した波長λを算出し、λから時間Δt遅延した波長λを算出し、・・・・λn−1からΔt遅延した波長λを求める。この際、分散はファイバの長さ1km当たりで規格化されているので、使用する伸長ファイバ2の長さを掛けて各波長を求める。そして、各λの時刻t=0とし、それに対して時間分解能Δtを順次加算していき、各時刻t、t,・・・tの波長λ,λ,・・・λを対応表44に記録する。これで、パルス内の時間と波長とを対応づける対応表44が完成する。
尚、上記対応表44の作成において、広帯域パルス光源1として市販のものを採用する場合、そのメーカーが公表している仕様値の分光スペクトル特性を利用する場合もある。スペクトルの立ち上がり・立下り、またはオシロスコープでの立ち上がり、立下りがブロードな場合、波長と時間の対応付けが難しい。そのような場合、後述するリファレンス素子を用いて基準波長を求め、仕様の分散値から時間と波長の対応をとる方法が有効である。
一方、実験によって求める場合、図6に示すように、リファレンス素子91を用いる。即ち、伸長ファイバ2からの光をリファレンス素子91を介して測定器92,93に入射させて解析することで行う。解析は、図6に示すように、スペクトラムアナライザ92によって分光特性を調べるとともに、オシロスコープ93によって時間特性(強度の時間的変化)を調べる。
リファレンス素子91は、1パルスにおいてどの時刻にどの波長が存在しているかの特定をする際に基準となる情報を与える素子であり、既知の波長を選択的に反射したり、透過したり、吸収したりする素子である。分散特性を求める場合、エタロンのように既知波長における選択的な光制御を細かくできるものが好適に使用される。
図6に示す例は、リファレンス素子91としてエタロンを使用した例となっている。図6では、伸長ファイバ2の後ろにエタロンが配置されているが、伸長ファイバ2の手前にエタロンを設置してもよい。スペクトラムアナライザ92上では、エタロンの透過波長のところで鋭いピークが周期的に観測される。オシロスコープ93においても、鋭いピークが周期的に観測される。スペクトラムアナライザ92で観測されたピーク間隔は、エタロンの透過波長の間隔(FSR)であり、エタロンのギャップ材質の屈折率nとギャップ厚さd(既知)と波長λで決定されるものである。
スペクトラムアナライザ92のピークとオシロスコープ93のピークを対応させるために、まず基準となる波長を決定する。SC光源の場合には、SC光を生成する際の種光の波長に狭帯域ピークが観測されることが多く、これを基準波長に用いることができる。
この基準波長はオシロスコープ93の波形においても特徴的に見られるため波長と時間を対応させることができる。その基準波長を中心にその他のピークについても波長と時間を対応付けを行い対応表44における時間と波長が決定される。
なお、分散測定の波長間隔を狭くしたい場合にはエタロンのギャップ厚さdを大きくすればよい(屈折率nが同じならば)。また、波長と時間の関係式(近似式)から測定波長間を補間することができる。
また、図6において、特徴的ピーク、ディップを有する素子を広帯域パルス光源1以降の光路中に付加し、それを基準波長としてもよい。例えば、標準ガスセル、狭帯域バンドパスフィルタ、ファイバブラッググレーティングなどが挙げられるがそれに限るものでない。特に、光源のスペクトル自体に目印となるような特徴がない場合はこの手法が有効である。
次に、このようにして作成した対応表44を使用してスペクトル変換を行う測定プログラムついて、図7を使用して説明する。図7は、演算手段4に実装された測定プログラムの一例の主要部を概略的に示した図である。測定プログラム43は、対応表44を使用して受光器3からの出力データをスペクトルに変換するプログラムである。測定プログラム43は、受光器3からの出力データをスペクトルに変換するコードを含んでおり、実施形態におけるスペクトル変換プログラムの一例である。
図7の例は、測定プログラム43が透過スペクトル(分光透過率)を測定するプログラムである例となっている。透過スペクトルの算出に際しては、基準スペクトルデータが使用される。基準スペクトルデータは、透過スペクトルを算出するための基準となる波長毎の値である。基準スペクトルデータは、伸長ファイバ2からの光を対象物Sを経ない状態で受光器3に入射させることで取得する。即ち、対象物Sを経ないで光を受光器3に直接入射させ、受光器3の出力をAD変換器31経由で演算手段4に入力させ、時間分解能Δtごとの値を取得する。各値は、Δtごとの各時刻t,t,t,・・・の基準強度として記憶される(V,V,V,・・・)。
そして、対象物Sを経た光を受光器3に入射させた際、受光器3からの出力はAD変換器31を経て同様に各時刻t,t,t,・・・の値(測定値)としてメモリに記憶される(v,v,v,・・・)。各測定値は、基準スペクトルデータと比較され、v/V,v/V,v/V,・・・が求められる。そして、各値は、対応表44に基づいて各波長における透過スペクトルの測定結果とされる。即ち、時刻tでの強度比(v/V)は波長λでの透過率であるとされ、時刻tでの強度比(v/V)は波長λでの透過率であるとされ、時刻tでの強度比(v/V)は波長λでの透過率であるとされ、・・・。このような演算処理をするよう、測定プログラムはプログラミングされている。
このようして対応表44が測定対象物の測定に先立って予め作成され、測定プログラムに対応表44が渡されて測定対象物のスペクトル測定が行われる実施形態の分光測定装置において、伸長ファイバ2の特性のばらつきを要因とした測定精度低下の問題を回避する構成が採用されている。即ち、実施形態の分光測定装置は、受光器3からの出力データを使用して対応表44を校正するための構成を備えている。以下、この点について説明する。
上述したように、伸長ファイバ2については、分散特性のばらつきが生じ得る。この場合、特に問題となるのは、装置の出荷後に生じるばらつきである。装置を製造の際には、入手した伸長ファイバ2について検査し、分散特性が仕様値と乖離しているようであれば、分散特性を実際に測定して対応表44を作成することで対応できる。しかしながら、装置の出荷後に分散特性が変化してしまうと、測定精度が低下した状態で測定を続けてしまうことになりかねない。
即ち、分散特性が変化すると、各波長の遅延状況が変化するので、対応表44における対応付けが誤っていることになる。例えば、当初の対応表44では時刻tの光の波長がλである場合、分散特性が変化してλの光の遅延が小さくなる場合があり得る。この遅延のずれが時間分解能Δt程度まで大きくなると、tの時刻での強度は実際にはλm+1の波長の光の強度になってしまう。にもかかわらず対応表ではλが対応するとされているのでλの波長の光の強度としてしまう。
出荷後の分散特性の変化は、装置の輸送や測定環境の変化で生じ得る。特に大きな要因は、温度である。周知のように屈折率は温度に依存しており、したがって伸長ファイバ2の温度が変化すると、当然ながら屈折率の関数である分散特性も変化する。また、伸長ファイバ2の劣化により経時的に屈折率が変化する場合もある。
さらに、伸長ファイバ2の機械的な状態変化によっても分散特性は変化し得る。伸長ファイバ2は、曲げやねじり、引っ張りや圧縮といった外部圧力によって応力が変化すると、伸長特性が変化する。この場合、出荷時にはループ状に巻かれた状態で分散特性を測定し、それに基づいて対応表44と作成したとしても、装置の輸送の際に伸長ファイバ2の巻回状態が変化したり、ユーザーに納品された後にもユーザーが移動させることで巻回状態が変化したりすることがあり得る。このような巻回状態の変化も、分散特性の変化の要因となり得る。
伸長ファイバ2の分散特性が変化して対応表44の精度が低下した場合、対応表44を校正する作業が必要になる。測定装置として通常考えられるのは、ユーザーから伸長ファイバ2を回収し、装置メーカーにおいて分散特性をもう一度測定し直して対応表44を再作成することである。
しかしながら、伸長ファイバ2を回収して対応表44を作成し直すのは面倒であるし、その間はユーザーは測定ができなくなる。また、対応表44を作成し直してもユーザーに再納品する際の輸送において巻回状態の変化が生じる。このようなことを考慮すると、ユーザーにおいて対応表44の校正ができる方が好ましい。即ち、装置の機能として対応表44の校正機能を実装としていることが好ましい。実施形態の分光測定装置における校正手段は、このような技術的意義を実現するものとなっている。
実施形態における対応表44の校正手段は、装置ユーザーにおいて対応表44の校正作業を可能にする際、当該測定装置の構成を利用するという発想に立っている。即ち、伸長ファイバ2を取り出して別の装置でその分散特性を再測定するのではなく、当該伸長ファイバ2が搭載された測定装置の要素を利用して構成するという考え方である。具体的には、当該測定装置が備える受光器からの出力データを利用して対応表44の校正を行う校正手段を採用している。
当該測定装置が備える受光器からの出力データを利用して対応表44の校正を行う校正手段としては、大きく分けて二つの構成があり得る。一つは、リファレンス素子を介して伸長ファイバ2からの光を受光器に入射させ、そこで得られた出力データにより校正を行う手段である。もう一つは、特にリファレンス素子は使用せずに得られた出力データのスペクトル波形における特異形状箇所をリファレンスとして採用して校正を行う手段である。いずれの場合も、校正手段は、演算手段4を兼用して実現されており、演算手段4に実装された校正プログラム45を含む。校正プログラム45は、同様に記憶部42に記憶されており、演算手段4を校正手段とするためのプログラムであるといえる。
上記二つのタイプの校正手段のうち、第一の実施形態では、リファレンス素子を使用して校正する手段となっている。即ち、校正手段はリファレンス素子6を含んでいる。リファレンス素子6は、既知の波長を選択的に透過、反射又は吸収することで受光器3から演算手段4に送られる出力データに対して対応表44の校正のための参照情報を提供するための素子である。以下、この既知の波長を参照波長という。
リファレンス素子6を含む校正手段についても、二つのタイプに分けられる。一つは、対象物の測定とは別のタイミングで校正を行うタイプである。もう一つは、対象物の分光測定と並行してリアルタイムで校正を行うタイプである。以下、前者を非リアルタイム式、後者をリアルタイム式と呼ぶ。
非リアルタイム式の場合、リファレンス素子を光路上に配置したり光路から退避させたりするための進退機構が設けられる。リアルタイム式の場合、対象物の分光測定を行う光路から分岐させた形で参照用光路が設定され、そこにリファレンス素子が配置される。
第一の実施形態では、非リアルタイム式が採用されており、図1に示すように、リファレンス素子6には進退機構60が付設されている。リファレンス素子6は、校正を行う際には伸長ファイバ2と受光器3との間の位置(以下、動作位置)に配置する。対象物の分光測定の際にはこの位置から退避する。したがって、進退機構60は、両者の位置の間でリファレンス素子6を進退する機構である。尚、リファレンス素子6の動作位置は、広帯域パルス光源1から受光器3までの光路上であればいずれの位置でも良く、伸長ファイバ2の入射側の位置でも良い。
リファレンス素子6としては、この実施形態ではノッチフィルタ61が使用されている。図8は、リファレンス素子6として使用されたノッチフィルタ61について示した概略図である。このうち、図8(1)は分光透過特性の一例を示し、(2)はノッチフィルタ透過後の広帯域パルス光のスペクトルの一例を示す。
ノッチフィルタ61は、既知の波長の光のみを狭帯域で選択的に反射するフィルタである。図8(1)の例では、既知の波長の光を選択的に反射して当該波長を選択的に遮断するフィルタとなっている。遮断する波長幅は、半値幅(ピーク強度の半分以下の強度となる波長幅)でいうと、例えば10nm以下と狭いものが好ましい。この狭帯域幅の中心が、参照波長λということになる。遮断するとは、透過率が50%以下、より好ましくは20%以下ということである。
参照波長は、広帯域パルス光源1の出射波長幅の範囲内に存在していることが必要である。広帯域パルス光源1からの広帯域パルス光がノッチフィルタ61を透過すると、図8(2)に示すように、参照波長の部分だけ強度が下がる。進退機構60が動作位置にリファレンス素子6を配置した状態で測定すると、図8(2)に示すようなスペクトルが出力データとして受光器3から演算手段4に送られる。
このような出力データを使用して対応表44の校正を行う校正プログラム45について、以下に説明する。
図9は、参照波長の出現時刻のずれとその技術的意味について示した概略図である。リファレンス素子6としてのノッチフィルタ61における参照波長は、既知の変化しない値である。したがって、ノッチフィルタ61を動作位置に配置した測定において得られた出力データのうち、特異的に強度がほぼゼロになっている時刻(パルス内で強度がほぼゼロになっている時刻)は、パルス内で参照波長が出現している時刻である。以下、参照波長をλとする。また、当初の対応表44において参照波長λに対応する時刻(参照波長λの光が出現すると予定されている時刻)をtとする。
伸長ファイバ2において分散特性に変化が生じると、遅延時間が異なってくるので、伸長ファイバ2で伸長された後のパルスにおいて参照波長の出現時刻は、予定された時刻tとは異なった時刻になる。即ち、ノッチフィルタ61を動作位置に配置して得た出力データにおいて、参照波長λrの出現時刻はΔtだけずれて観察される。
図10は、伸長ファイバ2の分散特性の変化の一例とその変化による時間波長対応関係の変化について示した概略図である。上記のような参照波長λの出現時刻のずれΔtをもたらす伸長ファイバ2の分散特性の変化は、幾つかの異なる形態が考えられるが、理解を容易にするため、図10(1)では、分散特性が全体に上側(正側)又は下側(負側)にシフトした例を示している。
このような分散特性のシフトが生じると、時間−波長の対応関係は、全体として時間が短くなる方向か、長くなる方向に変化する。即ち、図10(2)に一点鎖線で示すように、例えば分散特性が正側にシフトした場合、分散の絶対値が少なくなるので、時間が短くなる向きに変化する。また、分散特性が負側にシフトした場合、絶対値が大きくなるので、図10(2)に二点鎖線で示すように時間が長くなる向きにシフトする。
図10(2)において参照波長λの当初の出現時刻tを示すと、分散特性のシフトによってtは、Δtの分だけマイナス側(時間が短くなる側)又はプラス側(時間が長くなる側)にシフトする。このΔtが、図9に示すようにノッチフィルタ61を配置した測定で観察される。
校正プログラム45による対応表44の校正は、図9に示すようにΔtが観測された場合、それを図10(2)に示す対応関係に適用し、一点鎖線又は二点鎖線のように対応関係を修正する作業である。即ち、図10(2)に示すように、Δtのずれが発生した場合、時刻tに実際に出現している波長は、元の波長λに対して(t+Δt)/tがだけずれた波長となる。Δtが正であれば、時間が長くなる(分散が多くなる)向きにずれているので、tで観測される波長は元の波長より(t+Δt)/tだけ長波長側となる。Δtが負であれば、時間が短く(分散が少なくなる)向きにずれているので、tで観測される波長は元の波長より(t−Δt)/tだけ短波長側となる。いずれにしても、観測されたΔtに従って(t+Δt)/tを計算し(以下、この値をずれ率Dとする)、これを当初の対応表における各波長に掛けて更新すれば、対応表は分散特性の変化を反映したものとなる。
以上を踏まえ、校正プログラム45について説明する。図11は、校正プログラム45の一例について示したフローチャートである。
この例の校正プログラム45には、当初の(校正前の)対応表44における参照波長λの出現時刻tの値が引数として与えられる。また、校正プログラム45には、ノッチフィルタ61を動作位置に配置した状態でAD変換器31を介して送られた出力データも引数として与えられて実行される。
図11に示すように、校正プログラム45は、与えられた出力データを解析し、ピーク強度に対して5%の強度に達する時刻(λの観察時刻でありパルスの始期t)を特定する。そして、この時刻以後、強度が急激に落ち込む時刻を特定する。微分、二次微分等を行い、この時刻を特定する。この時刻は、参照波長λの出現時刻であるから、校正プログラム45は、与えられたtとこの時刻とを比較してΔtを取得する。tは、t=0とした時刻(tからの経過時間)で設定されており、それが引数として渡される。したがって、校正プログラム45も、解析で取得したtの時刻からの経過時間でtを算出し、引数のtと比較してΔt(正又は負)を算出する。
次に、校正プログラム45は、ずれ率D=(t+Δt)/tを算出する。そして、対応表44の各波長について、ずれ率Dを乗算して各波長を更新する。全ての波長について更新を行い、対応表44のファイルを上書きして保存すると、校正プログラム45は終了である。
尚、実際には、校正プログラム45の実行を含むシーケンスのため、校正シーケンスプログラムが演算手段4(又は別に設けられる制御ユニット)に実装される。校正シーケンスプログラムは、進退機構60を動作させてリファレンス素子6としてのノッチフィルタ61を動作位置に配置させ、その後に広帯域パルス光源1を動作させて受光器3から出力データ演算手段4に送って校正プログラム45を実行するというシーケンスで各部を動作させるシーケンス制御プログラムである。
このような実施形態の分光測定装置の動作について、以下に説明する。以下の説明は、実施形態の分光測定方法の説明でもある。
実施形態の分光測定装置を用いて対象物の分光測定を行う場合、対象物Sを受け板5に載置し、広帯域パルス光源1を動作させる。広帯域パルス光源1からの広帯域パルス光は伸長ファイバ2によりパルス伸長され、広帯域伸長パルス光となって対象物Sに照射される。
照射された光の一部が対象物Sを透過し、透過した光は受光器3に入射する。入射光は受光器3で光電変換され、出力データがAD変換器31を介して演算手段4に送られる。演算手段4では、測定プログラムが実行され、対応表44を適用して出力データをスペクトルに変換する。そして、基準スペクトルとの比較によって透過スペクトルを算出し、それを測定結果とする。
このような分光測定を行う際、適宜の時期に対応表44の校正が行われる。適宜の時期とは、一日1回の場合もあるし、一週間に1回の場合もある。また、測定結果について精度が低下していると思われた場合に校正が行われることもある。もしくは、毎回の測定の前に必ず校正を行う場合もある。
校正を行う場合、受け板5には対象物Sを配置しない状態で校正シーケンスプログラムを動作させる。これにより、進退機構60がノッチフィルタ61を動作位置に位置させ、この状態で広帯域パルス光源1が同様に動作する。そして、伸長ファイバ2で伸長された光がノッチフィルタ61を経て受光器3に入射し、出力データがAD変換器31を介して演算手段4に送られる。そして、校正プログラム45が実行され、参照波長の出現時刻のずれΔtを算出し、それをもとにずれ率Dを算出する。そして、このずれ率を各時刻に対応する各波長に掛け合わせて各波長の値を更新し、対応表44を更新する。
このような実施形態の分光測定装置及び分光測定方法によれば、装置の出荷後に生じた伸長ファイバ2の分散特性の変化(経時的なばらつき)に応じて対応表44が更新されるので、分散特性の変化の影響がキャンセルされる。このため、広帯域伸長パルス光を利用した分光測定を常に高い精度で行うことができる。
尚、上記実施形態において、校正を行う際には、対象物Sを受け板5に載置した状態とすると、対象物Sの分光特性によって出力データが変化して不正確になるので、好ましくはない。但し、対象物Sの性質や照射の仕方によっては、対象物Sを載置したままで校正用の測定ができる場合もある。例えば、対象物Sが参照波長の光を十分に透過する性質があり、その透過率が一定の場合には対象物Sを配置した状態で行うこともできる。また、対象物Sよりも大きなパターンで光を照射し、対象物Sを経ない一部の光を受光器3で受光するようにしても良い。
上記の例では、リファレンス素子6としてのノッチフィルタ61は、1個のみの参照波長を有する(1個のみの狭帯域で光を遮断する)ものであった、参照波長は2個以上であるとより好ましい。次に、この例について説明する。
図12は、2個の異なる参照波長を有するノッチフィルタの例の概略図である。同様に、図12(1)は分光透過特性の一例を示し、(2)はノッチフィルタ透過後の広帯域パルス光のスペクトルの一例を示す。以下、2個の参照波長について、長波長側のものをλr1とし、短波長側のものをλr2とする。
参照波長が2個である場合、2個の参照波長はなるべく離れた波長である方が好ましい。例えば、広帯域パルス光の全体の中心波長よりも長波長側にλr1が存在し、短波長側にλr2が存在することが好ましい。さらに、長波長側の帯域の中心にλr1が存在し、短波長側の帯域の中心にλr2が存在することが好ましい。
図13は、図12に示すノッチフィルタを使用した場合の対応表44の校正について示した概略図である。
2個の参照波長λr1,λr2を有するノッチフィルタを使用して測定を行った場合、各参照波長λr1,λr2の出現時刻tr1,tr2のずれには、幾つかの異なるパターンがあり得る。一つは、両方の出現時刻とも早い時刻の側又は遅い時刻の側にずれるパターンである。図13(1)では二つとも早い時刻の側にずれた例を示しているが、遅い時刻の側にずれる場合も当然にあり得る。
これらの場合は、基本的に図8に示す場合と同様であり、分散特性が全体として上又は下にシフトしたとして校正を行う。但し、参照波長が2個あるので、各検出時刻のずれについて最小二乗平均等の平均を取ってΔtとし、λr1,λr2の間のちょうど真ん中の波長についてΔtのずれが生じたとする。その後の処理は、参照波長が1個の場合と同じである。
出現時刻tr1,tr2のずれの別のパターンとして、図13(2)に示すように互いに異なる向きにずれる場合が考えられる。実際にこのようなずれが発生する可能性は低いが、この場合も両者の最小二乗平均を取って全体のずれとして校正をすれば良い。もしくは、それぞれの波長領域について個別にずれを算出しても良い。即ち、長波長側の帯域では出現時刻tr1,のずれΔtr1から算出したずれ率Dで校正を行い、長波長側の領域では出現時刻tr2のずれΔtr2から算出したずれ率Dで校正を行っても良い。
いずれにしても、参照領域が1個の場合に比べ、2個あった方が現実に生じている分散特性の変化に近くなる。このため、対応表44の校正の精度がより高くなる。
参照波長が2個以上である場合、例えばリファレンス素子としてガスセルなど固有の吸収波長を複数有するものを用いる場合も、同様にずれ量の最小二乗平均で計算された値を用いて補正すればよい。リファレンス素子は測定波長範囲に複数の参照波長が広く分布していることが望ましく、目的の波長分解能以上に鋭いピークまたはディップを有するものがよい。
次に、第二の実施形態の分光測定装置について説明する。
図14は、第二の実施形態の分光測定装置の概略図である。第二の実施形態の分光測定装置は、リアルタイム式の校正を行う装置となっている。即ち、伸長ファイバ2の出射側に分岐素子としてビームスプリッタ71が配置されており、光路が二つに分岐している。一方の光路72は、第一の実施形態と同様の測定用光路であり、他方の光路73は参照用光路である。
参照用光路73上には、図13に示すようにリファレンス素子6が配置されている。リファレンス素子6は、同様に透過型の素子であり、リファレンス素子6を透過した光を受光する位置に参照用受光器30が配置されている。
リファレンス素子6としては、同様にノッチフィルタ61が使用されている。参照用受光器30は、AD変換器31を介して演算手段4に接続されており、出力データはデジタル化されて演算手段4に入力される。
参照用受光器30から入力される出力データを使用した対応表44の校正については、基本的に第一の実施形態と同様である。但し、リアルタイムの校正であるので、測定プログラムは、サブルーチンとして校正プログラム45を実行し、その後、基準スペクトルデータとの対比により透過スペクトルの算出を行うようプログラミングされている。
即ち、演算手段4に対しては、受光器3からのデータセットと参照用受光器30からのデータセットとが入力される。各データセットは、ファイルに記録されて演算手段4内のメモリ等に一時的に保持される。測定プログラムは、参照用受光器30から入力したデータセットを読み込んで校正プログラム45を実行してまず対応表44の校正を行う。その後、受光器3から入力したデータセットを読み込み、校正した対応表44に従ってスペクトルへの変換を行い、透過スペクトルを算出する。
第二の実施形態の分光測定装置及び分光測定方法によれば、リアルタイムで対応表44の校正が行われるので、対応表44の校正時期を気にする必要がなく、伸長ファイバ2の特性変化によらず常に安定して精度の高い分光測定が行える。このため、ユーザーにとって特に有益である。
但し、第一の実施形態と比べると、広帯域パルス光源1からの光の一部を取り出して参照用としているので、対象物Sの分光特性の測定に使用される光量は減る。このため、より光量を多くして測定を行う必要のある対象物Sの場合(例えば吸収の多い対象物の場合)には、SNを高くできるので、第一の実施形態の方が有利である。
次に、第三の実施形態の分光測定方法及び分光測定装置について説明する。
図15は、第三の実施形態の分光測定装置の概略図である。第一第二の各実施形態は、対象物Sの透過光を受光器3で捉えて分光測定する装置であったが、第三の実施形態の装置は対象物Sの反射光を捉えて分光測定を行う装置となっている。
即ち、図15に示すように、第三の実施形態の分光測定装置において、照射光学系13はミラー131等を含んでおり、受け板5上の対象物Sに対して適宜の角度で広帯域伸長パルス光を照射するよう構成されている。この例では、広帯域パルス光を受け板5に対して垂直に照射し、拡散反射光を受光する位置に受光器3が配置されている。
そして、光照射された対象物Sにおいて反射した光を捉える位置に受光器3が配置されている。受光器3は、同様にAD変換器31を介して演算手段4に接続されている。
測定プログラムによるデータ処理は、基本的に第一の実施形態と同様である。但し、この実施形態では、反射光を捉えての分光測定であるため、基準スペクトルデータは標準反射板62を使用して取得する。
標準反射板62は、フラットな分光反射特性を持つ(反射率の波長依存性が小さい)反射板である。いわゆる標準反射拡散板が使用されることもある。基準スペクトルデータを取得する際には、受け板5を退避させてその位置に標準反射板62を配置し、広帯域パルス光源1を同様に動作させて反射光を受光器3で受光する。そして、出力データを同様にスペクトルに変換して基準スペクトルデータとする。
このような第三の実施形態の分光測定装置も、対応表44を校正する校正手段が設けられており、校正手段は、演算手段4に実装された校正プログラム45を含んでいる。
第三の実施形態においても、校正手段は、非リアルタイム式とリアルタイム式とがあるが、図15には非リアルタイム式の校正手段が示されている。
第三の実施形態において非リアルタイム式の校正を行う場合、反射型のリファレンス素子を使用する場合と、透過型のリファレンス素子を使用する場合とがある。反射型のリファレンス素子としては、特定の既知の波長のみを選択的に反射させない(反射率が0に近い)反射板を使用する方法がある。以下、このような反射板をリファレンス反射板と呼ぶ。
図15に示すように、第三の実施形態の分光測定装置は、受け板5を退避させてその位置にリファレンス反射板63を配置する不図示の交換機構が設けられている。交換機構としては、例えばレボルバ機構が採用され、標準反射板62も含め、いずれかを選択的に光路上に配置する機構とすることができる。
リファレンス反射板63としては、例えば、米国ニューハンプシャー州に本社を有するAvian Technologies社から販売されているものを使用することができる。この種のリファレンス反射板63を使用すると、既知の特定の波長のみ反射率が低い状態となるので、ノッチフィルタ61の場合と同様、当該波長を参照波長として利用することができる。即ち、リファレンス反射板63を配置して同様に測定を行い、そこで得られた出力データを解析して参照波長の出現時刻のずれを求める。そして、そこから同様にずれ率を算出し、各波長に適用して対応表44を校正する。
また、リファレンス反射板63のような反射型のリファレンス素子6を使用する構成の他、透過型のリファレンス素子と標準反射板62とを同時に使用し、校正用の出力データを取得する方法もある。即ち、図15に示すように、装置は、ノッチフィルタ61のような透過型のリファレンス素子6を進退機構(不図示)とともに備える。対応表44の校正を行う場合、交換機構によって標準反射板62を受け板5と交換して配置するとともに、進退機構によってリファレンス素子6を光路上に配置する。その上で広帯域パルス光源1を動作させ、同様に測定を行って出力データを得る。この出力データによっても、対応表44の校正は可能である。
いずれにしても、第三の実施形態に分光測定装置によれば、対象物Sからの反射光を捉えた分光測定において、伸長ファイバ2の分散特性変化に起因した測定精度低下が防止され、精度の高い測定が常時可能となる。
上記は非リアルタイム式の校正であったが、反射光の測定を行う分光測定装置においてリアルタイム式の校正を行う手段を採用することも勿論可能である。同様に、ビームスプリッタのような分岐素子で光路を二つに分け、一方の光路上には受け板5を設け、受け板5上の対象物Sからの反射光を捉える位置に受光器3を設ける。他方の光路上にはリファレンス反射板63を設けるか、標準反射板62と透過型リファレンス素子6とを設ける。そして、リファレンス反射板63又は標準反射板62からの反射光を捉える位置に参照用受光器30を設ける。このようにすると、反射光の分光測定において、リアルタイムで対応表44の校正が行える。
次に、第四の実施形態の分光測定装置及び分光測定方法について説明する。
第四の実施形態では、リファレンス素子6としてエタロンが使用される。透過光を測定する装置であれば、図1に示す構成において、ノッチフィルタ61に代えてエタロンが配置される。図16は、第四の実施形態の分光測定装置及び分光測定方法において、エタロンを使用して対応表44の校正を行う原理について概略的に示した図である。図16中の(1)はエタロンの分光透過特性を示し、(2)エタロンを通過した後の広帯域伸長パルス光のスペクトルの一例を示す。
エタロンは、前述したようにFSRの波長周期ごとに光を透過するフィルタである。したがって、エタロンを通過した後の広帯域伸長パルス光は、図16(2)に示すようにスパイク状のピークが多数並んだようなスペクトル波形となる。各ピークの波長が、ここでの参照波長ということになる。第四の実施形態では、エタロンの特性を活かし、校正手段は、伸長フィルタ2の分散特性を測定し直すことで対応表44を校正する手段となっている。
より具体的に説明すると、エタロンの各透過波長(参照波長)は既知である。一方、広帯域伸長パルス光は、スペクトル波形において何らかの特異形状箇所が存在する。この特異形状箇所の波長をエタロンの透過波長の一つとしておき、それを目印として伸長フィルタ2の分散特性を測定し直す。
例えば、SC光を出射する広帯域パルス光源1では、超短パルスレーザ源11を広帯域化させて出射するため、超短パルスレーザ源11の発振波長が広帯域化した後にピークとして残る場合が多い。図16に示す例もこの例となっている。即ち、広帯域パルス光は、超短パルスレーザ源11の発振波長λoにおいて顕著なピークを有するスペクトル波形となっている。このようなピークは、伸長ファイバ2によるパルス伸長後も存在する。以下、このような特異形状箇所の波長を、特異箇所波長という。
エタロンの透過波長のうちの一つを特異箇所波長に一致させると、図16(2)に示すように、各ピークのうちの一つは特に高いピークとなる。したがって、このピークが観察された時刻は、特異箇所波長が観察された時刻である。そして、その前後の各ピークは、そこからFSRの波長幅だけ加算又は減算していった波長のピークであるから、各ピークとともにそれらの波長が特定され、時間と波長を対応付けることができる。伸長ファイバに図3に示すような分散のファイバを用いると、短波長ほど波長分解能が高くなるため、エタロンのFRSは最短波長での波長分解能より小さくなるように選定する。
この実施形態の校正プログラム45は、上記のような処理を行って対応表44を更新するようプログラミングされている。このようなデータ処理は、伸長ファイバ2の分散特性を再測定しているのと等価である。したがって、分散特性がどのように変化しても、対応表44を全測定波長域で正確に校正することができ、より信頼性の高い分光測定を実現することができる。
尚、広帯域パルス光の波長帯域λ〜λが既知であり、パルスの立ち上がりがある程度急峻である場合には、パルスの立ち上がりを目印にして各ピークの波長を特定し、これに基づいて各波長λ〜λの時刻を求めることもできる。また、超短パルスレーザ11の発振波長λo以外にも、特異形状箇所が存在する場合もあり、それを目印とすることもできる。例えば、伸長ファイバ2は相当量の水分を含有している。したがって、広帯域伸長パルスは、スペクトル波形において水分の吸収波長のところで顕著に強度が低下する。例えば、水酸イオン(OH-)による吸収は、0.94μm、1.24μm、1.38μmで損失ピークを持つ。エタロンの各ピーク波長のうち顕著にピーク値が低くなっている時刻は、水酸イオンの吸収波長の出現時刻に相当していると断定でき、それを基準にして分散特性を算出することができるため、各時間に対応する各波長の値を算出することができる。
尚、エタロンを使用した対応表44の校正は、図15に示すような反射光を分光測定する装置においても実現可能である。反射光を測定する装置の場合、受け板5の位置には標準反射板62を交換して配置し、受光器3に至る光路上のいずれかの位置にエタロンを配置する。
次に、リファレンス素子6の他の例について説明する。
図17は、リファレンス素子6の他の例について示した概略図である。このうち、図17(1−1)には標準試料セル64をリファレンス素子6として用いる例が示されており、図17(2)には、ファイバブラッググレーティング(FBG)65をリファレンス素子6として用いる例が示されている。
標準試料セル64は、既知の波長において特に高い吸収を示す標準試料を充填したセルである。標準試料は気相(ガスセル)である場合が多いが、液相や固相の試料であっても良い。図17(1−2)には、アセチレンガスセルの吸収スペクトルが示されている。
標準試料セル64も透過型のリファレンス素子6であるので、透過光を測定する装置であれば、光路上にそのまま配置し、その透過光を受光器3に入射させる。標準試料セル64を透過した広帯域パルス光は、標準試料セル64の既知の吸収波長のところで強度が落ち込んでいるので、ノッチフィルタ61の場合と同様にずれ率を算出することができ、それを適用して対応表44の校正を行うことができる。反射光を測定する装置で標準試料セル64を使用する場合、受け板5の位置には標準反射板62を交換して配置し、光路上のいずれかの位置に標準試料セル64を配置する。
FBG65は、ファイバ中に屈折率の異なる領域を長さ方向に積層して波長制御を行う素子である。FBG65の場合、適宜の積層構造を形成することで、特定の波長の光のみを反射させたり透過させたりすることができる。FBG65をリファレンス素子6として使用する場合、例えばλr1の光とλr2の光とを選択的に反射し、他の波長の光を透過させて伝搬するものを採用する。ノッチフィルタ61の場合と同様、強度が落ち込んでいる時刻を順次λr1,λr2の出現時刻であるとしてずれ率Dを算出し、対応表44を校正することができる。
FBG65はファイバ系の素子であるため、伸長ファイバ2との相性が良く、この点で好適である。即ち、伸長ファイバ2の出射側にFBG65を融着し、その出射光を受光する位置に受光器3を配置する。反射光を測定する装置の場合、FBG65からの出射光を標準反射板62で反射させて受光器3に入射させる。参照用光路を別に設けるリアルタイム式の場合、伸長ファイバ2として出射側が二分岐しているファイバを使用すれば、ビームスプリッタは不要となる。
上記の他、リファレンス素子6として、蛍光発光を利用する素子を採用することもできる。即ち、広帯域パルス光の波長帯域λ〜λのいずれかの波長の光を吸収し蛍光を発する素子をリファレンス素子6として採用する。例えば、希土類、Pr(プラセオジウム)、Tm(ツリウム)、Er(エルビウム)、Yb(イッテルビウム)がドープされたセラミック等の材料は近赤外域の光を吸収して蛍光を発することで知られている。これらの材料は粒子状であるが、希土類をコアにドープした石英系ファイバも市販されており、この種のものを適宜選択してリファレンス素子とすることができる。また、特開2010−132750号公報にも、近赤外域の光を吸収して蛍光を発する材料が開示されており、これらの材料より成る素子をリファレンス素子として使用することができる。尚、反射光の測定装置の場合、このような蛍光材料の層が表面に形成された板(蛍光板)を受け板5と交換して配置する構成が採用され得る。
λ〜λの中に蛍光の励起波長λがある場合、λのタイミングで受光器3は蛍光を捉えるから、蛍光を捉えたタイミングが広帯域パルス光におけるλの光の出現時刻ということになる。したがって、λの出現時刻のずれを特定することで同様にずれ率Dを求めることができる。尚、受光器3が広帯域パルス光とともに蛍光を捉える構成である場合、蛍光の波長λがλ〜λの範囲に入っていると識別ができないため、蛍光波長λがλ〜λの範囲に入らないものを選択すれば測定毎に校正を行うことができる。
上記各実施形態は、いずれもリファレンス素子6を使用する例であったが、校正手段は、リファレンス素子を含んでいない場合もあり得る。以下、この実施形態について説明する。
図18は、第五の実施形態の分光測定装置の主要部を示した概略図である。この実施形態についても、校正手段が上記各実施形態とは異なっている。この実施形態では、校正手段は、受光器3からの出力データのスペクトル波形における特異形状箇所の出現時刻に基づいて校正を行う手段となっている。
上述した各実施形態におけるリファレンス素子6は、受光器3からの出力データのパルスに特異形状箇所を形成するものであり、各実施形態における校正手段は、この特異形状箇所の出現時刻に基づいて校正を行う手段であるといえる。一方、第五の実施形態では、特異形状箇所が広帯域パルス光源1の出射特性において存在しており、このために特にリファレンス素子6を必要としない。
特異形状箇所としては、前述した超短パルスレーザ源11の発振波長λoとすることができる。図18に示す例もこの例となっている。即ち、受光器3からの出力データにおいて、急激なピークが観察された時刻は、超短パルスレーザ源11の発振波長λoを観察している時刻であると特定できる。
特異形状箇所の出現時刻を特定した後の校正は、参照波長が1個であるノッチフィルタ61の場合と全く同様に行える。即ち、現在の対応表44においてλoに対応している時間とのずれΔtを求めてずれ率Dを算出する。各時間の対応波長にずれ率を掛けて更新する。
このような第五の実施形態によれば、リファレンス素子6は不要であるので、上記各実施形態に比べるとコスト面で優位性がある。但し、このような特異形状箇所は、限定された波長領域にのみ存在する場合が多いので、参照波長を任意に設定し得るという点では、リファレンス素子を使用する校正手段の方が優位性がある。
尚、第五の実施形態における校正手段は、非リアルタイム、リアルタイム式のいずれかについても適用が可能である。非リアルタイム式では対象物Sを配置しない状態でそのまま光を受光器に入射させた結果で校正を行う。非リアルタイム式では、参照光路を分岐させ、参照光路上を進んだ光をそのまま参照用受光器に入射させた結果で校正を行う。
上記の例では超短パルスレーザ源11の発振波長のところが特異形状箇所であったが、他の特異形状箇所が利用される場合もある。SC光のような非線形効果を利用して広帯域化されたパルス光の場合、非線形効果の状況によって特異形状箇所が現れる場合があり、同様に校正に利用することができる。
また、パルスの始期及び終期も特異形状箇所であり、それらを利用して校正を行うことも可能である。これは、パルス幅の変化を検出して校正に利用するということである。即ち、パルスの始期とパルスの終期との間隔は、パルス幅ということになるが、伸長ファイバ2の分散特性が変化すると、パルス幅が長くなったり短くなったりする。したがって、この変化をΔtとし、そこからずれ率Dを求めるようにしても良い。
上述した各実施形態において、対応表44は、時間分解能Δtが一定であり、波長分解能Δλが波長分散に応じて異なる表であったが、波長分解能Δλが一定であり、時間分解能Δtが波長分散に応じて異なる表であっても良い。この場合は、長波長側において分散が小さくなるので時間分解能Δtは短くなり、短波長側において分散が大きくなるのでΔtは長くなる。この対応法の校正においては、参照波長の出現時刻のずれをその参照波長の位置に応じて除算して校正値を求めて校正することになる。即ち、参照波長が対応表において例えば10番目(λ10)であれば、ずれΔtを9で除算した値(正又は負)が校正値となり、対応表における各時刻に対してこの校正値を加算することで校正を行うことになる。
リファレンス素子6および標準反射板62、リファレンス反射板63の分光透過率または分光反射率は不変であることが前提であるため、それらを安定を保つため温度や湿度をコントロールする機構を設けてもよい。
上記各実施形態の説明では、分光測定として対象物Sからの透過光の分光特定及び対象物Sからの拡散反射光の分光測定を採り上げたが、レイリー散乱やラマン散乱などの対象物Sにおける散乱スペクトルについて分光特性を測定する場合についても同様に実施可能である。したがって、対象物Sからの光は、光照射された対象物Sからの透過光、反射光、散乱光などであり得る。
尚、上記各実施形態では、スペクトル変換プログラムとしての測定プログラム43は、対象物Sについてのスペクトル変換の結果を基準スペクトルデータと比較するプログラムであったが、スペクトル変換プログラムとしては、基準スペクトルデータとの比較は行わずに単にスペクトル変換だけを行うプログラムである場合もあり得る。
また、対象物Sについては受け板5に載置されるものであったが、これは固体の場合もあり液体の場合もある。さらに、気相の対象物Sについても測定が可能である。光を透過するセル中に気相又は液相の対象物Sを充填して分光測定する場合もある。
尚、受け板5は対象物Sを照射位置に保持するものであるが、板状の部材以外で対象物Sを保持する場合もある。
1 広帯域パルス光源
11 超短パルスレーザ源
12 非線形素子
13 照射光学系
2 伸長ファイバ
3 受光器
30 参照用受光器
31 AD変換器
4 演算手段
42 記憶部
43 測定プログラム
44 対応表
45 校正プログラム
5 受け板
6 リファレンス素子
60 進退機構
61 ノッチフィルタ
62 標準反射板
63 リファレンス反射板
64 標準試料セル
65 ファイバブラッググレーティング
72 測定用光路
73 参照用光路

Claims (12)

  1. 広帯域パルス光源と、
    広帯域パルス光源からの広帯域パルス光のパルス幅をパルス内の時間と光の波長とが1対1に対応するように伸長させる伸長ファイバと、
    伸長ファイバで伸長された広帯域パルス光が照射された対象物からの光を受光する受光器と、
    受光器からの出力データをスペクトルに変換するスペクトル変換プログラムが実装された演算手段と
    を備えた分光測定装置であって、
    演算手段は、パルス内の時間と光の波長とを対応づける対応表をスペクトル変換プログラムに渡す手段であり、
    対応表を校正する校正手段が設けられており、
    校正手段は、受光器からの出力データを使用して対応表を校正する校正プログラムを含んでいることを特徴とする分光測定装置。
  2. 前記校正プログラムが使用する前記出力データは、既知の波長を選択して透過、反射又は吸収するリファレンス素子を介して前記広帯域パルス光を前記受光器に入射させた際の出力データであることを特徴とする請求項1記載の分光測定装置。
  3. 前記校正プログラムが使用する前記出力データは、前記対象物を経由しない状態で前記リファレンス素子を介して前記広帯域パルス光を前記受光器に入射させた際の出力データであることを特徴とする請求項2記載の分光測定装置。
  4. 前記伸長ファイバの出射側の光路は、測定用光路と参照用光路とに分岐しており、
    測定用光路上には測定用受光器が配置され、参照用光路上には前記リファレンス素子と参照用受光器とが配置されており、
    前記校正プログラムが使用する前記出力データは、参照用光路を進んで前記対象物を経由しない状態で光が参照用受光器に入射した際の当該参照用受光器からの出力データであることを特徴とする請求項2記載の分光測定装置。
  5. 前記リファレンス素子はエタロンであり、前記校正プログラムは、前記伸長ファイバの分散特性を算出してその結果により前記対応表を校正するプログラムであることを特徴とする請求項2乃至4いずれかに記載の分光測定装置。
  6. 前記広帯域パルス光源は、スペクトル波形において特異形状箇所を有する光を出射する光源であり、
    前記校正プログラムが使用する前記出力データは、前記対象物を経由しない状態で前記広帯域パルス光を前記受光器に入射させた際の出力データであり、前記校正プログラムは、当該出力データにおける前記特異形状箇所の出現時刻に基づいて前記対応表を校正するプログラムであることを特徴とする請求項1記載の分光測定装置。
  7. 広帯域パルス光源と、広帯域パルス光源からの広帯域パルス光のパルス幅をパルス内の時間と光の波長とが1対1に対応するように伸長させる伸長ファイバと、伸長ファイバで伸長された広帯域パルス光が照射された対象物からの光を受光する受光器と、受光器からの出力データをスペクトルに変換するスペクトル変換プログラムが実装された演算手段とを備え、演算手段は、パルス内の時間と光の波長とを対応づける対応表をスペクトル変換プログラムに渡す手段である分光測定装置において、
    受光器からの出力データを使用して対応表を校正する校正プログラムを含む校正手段により対応表を校正することを特徴とする分光測定装置における対応表校正方法。
  8. 前記校正プログラムが使用する前記出力データは、既知の波長を選択して透過、反射又は吸収するリファレンス素子を介して前記広帯域パルス光を前記受光器に入射させた際の出力データであることを特徴とする請求項7記載の分光測定装置における対応表校正方法。
  9. 前記校正プログラムが使用する前記出力データは、前記対象物を経由しない状態で前記リファレンス素子を介して前記広帯域パルス光を前記受光器に入射させた際の出力データであることを特徴とする請求項8記載の分光測定装置における対応表校正方法。
  10. 前記伸長ファイバの出射側の光路は、測定用光路と参照用光路とに分岐しており、
    測定用光路上には測定用受光器が配置され、参照用光路上には前記リファレンス素子と参照用受光器とが配置されており、
    前記校正プログラムが使用する前記出力データは、参照用光路を進んで前記対象物を経由しない状態で光が参照用受光器に入射した際の当該参照用受光器からの出力データであることを特徴とする請求項8記載の分光測定装置における対応表校正方法。
  11. 前記リファレンス素子はエタロンであり、前記校正プログラムは、前記伸長ファイバの分散特性を算出してその結果により前記対応表を校正するプログラムであることを特徴とする請求項8乃至10いずれかに記載の分光測定装置における対応表校正方法。
  12. 前記広帯域パルス光源は、スペクトル波形において特異形状箇所を有する光を出射する光源であり、
    前記校正プログラムが使用する前記出力データは、前記対象物を経由しない状態で前記広帯域パルス光を前記受光器に入射させた際の出力データであり、前記校正プログラムは、当該出力データのパルスにおける特異形状箇所の出現時刻に基づいて前記対応表を校正するプログラムであることを特徴とする請求項7記載の分光測定装置における対応表校正方法。
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