以下、図面を参照し、本発明の車両機器制御装置、車両機器制御方法、およびプログラムの実施形態について説明する。エージェント装置は、エージェントシステムの一部または全部を実現する装置である。以下では、エージェント装置の一例として、車両(以下、車両M)に搭載され、複数種類のエージェント機能を備えたエージェント装置について説明する。エージェント機能とは、例えば、車両Mの乗員と対話をしながら、乗員の発話の中に含まれる要求(コマンド)に基づく各種の情報提供を行ったり、ネットワークサービスを仲介したりする機能である。複数種類のエージェントはそれぞれに果たす機能、処理手順、制御、出力態様・内容がそれぞれ異なってもよい。また、エージェント機能の中には、車両内の機器(例えば運転制御や車体制御に関わる機器)の制御等を行う機能を有するものがあってよい。
エージェント機能は、例えば、乗員の音声を認識する音声認識機能(音声をテキスト化する機能)に加え、自然言語処理機能(テキストの構造や意味を理解する機能)、対話管理機能、ネットワークを介して他装置を検索し、或いは自装置が保有する所定のデータベースを検索するネットワーク検索機能等を統合的に利用して実現される。これらの機能の一部または全部は、AI(Artificial Intelligence)技術によって実現されてよい。また、これらの機能を行うための構成の一部(特に、音声認識機能や自然言語処理解釈機能)は、車両Mの車載通信装置または車両Mに持ち込まれた汎用通信装置と通信可能なエージェントサーバ(外部装置)に搭載されてもよい。以下の説明では、構成の一部がエージェントサーバに搭載されており、エージェント装置とエージェントサーバが協働してエージェントシステムを実現することを前提とする。また、エージェント装置とエージェントサーバが協働して仮想的に出現させるサービス提供主体(サービス・エンティティ)をエージェントと称する。
<全体構成>
図1は、エージェント装置100を含むエージェントシステム1の構成図である。エージェントシステム1は、例えば、エージェント装置100と、複数のエージェントサーバ200−1、200−2、200−3、…とを備える。符号の末尾のハイフン以下数字は、エージェントを区別するための識別子であるものとする。いずれのエージェントサーバであるかを区別しない場合、単にエージェントサーバ200と称する場合がある。図1では3つのエージェントサーバ200を示しているが、エージェントサーバ200の数は2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。それぞれのエージェントサーバ200は、互いに異なるエージェントシステムの提供者が運営するものである。従って、本発明におけるエージェントは、互いに異なる提供者により実現されるエージェントである。提供者としては、例えば、自動車メーカー、ネットワークサービス事業者、電子商取引事業者、携帯端末の販売者や製造者などが挙げられ、任意の主体(法人、団体、個人等)がエージェントシステムの提供者となり得る。
エージェント装置100は、ネットワークNWを介してエージェントサーバ200と通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、セルラー網、Wi−Fi網、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、公衆回線、電話回線、無線基地局などのうち一部または全部を含む。ネットワークNWには、各種ウェブサーバ300が接続されており、エージェントサーバ200またはエージェント装置100は、ネットワークNWを介して各種ウェブサーバ300からウェブページを取得することができる。
エージェント装置100は、車両Mの乗員と対話を行い、乗員からの音声をエージェントサーバ200に送信し、エージェントサーバ200から得られた回答を、音声出力や画像表示の形で乗員に提示する。
[車両]
図2は、第1実施形態に係るエージェント装置100の構成と、車両Mに搭載された機器とを示す図である。車両Mには、例えば、一以上のマイク10と、表示・操作装置20と、スピーカユニット30と、ナビゲーション装置40と、車両機器50と、車載通信装置60と、乗員認識装置80と、車両センサ90と、エージェント装置100とが搭載される。また、スマートフォンなどの汎用通信装置70が車室内に持ち込まれ、通信装置として使用される場合がある。これらの装置は、CAN(Controller Area Network)通信線等の多重通信線やシリアル通信線、無線通信網等によって互いに接続される。なお、図2に示す構成はあくまで一例であり、構成の一部が省略されてもよいし、更に別の構成が追加されてもよい。
マイク10は、車室内で発せられた音声を収集する収音部である。マイク10は、収音した音声の情報、例えば音声の周波数、振幅等の情報をエージェント装置100に出力する。表示・操作装置20は、画像を表示すると共に、入力操作を受付可能な装置(或いは装置群)である。表示・操作装置20は、例えば、タッチパネルとして構成されたディスプレイ装置を含む。表示・操作装置20は、更に、HUD(Head Up Display)や機械式の入力装置を含んでもよい。スピーカユニット30は、例えば、車室内の互いに異なる位置に配設された複数のスピーカ(音出力部)を含む。表示・操作装置20は、エージェント装置100とナビゲーション装置40とで共用されてもよい。
図3は、表示・操作装置20の配置例を示す図である。表示・操作装置20は、例えば、第1ディスプレイ22と、第2ディスプレイ24と、操作スイッチASSY26とを含む。表示・操作装置20は、更に、HUD28を含んでもよい。
車両Mには、例えば、ステアリングホイールSWが設けられた運転席DSと、運転席DSに対して車幅方向(図中Y方向)に設けられた助手席ASとが存在する。第1ディスプレイ22は、インストルメントパネルにおける運転席DSと助手席ASとの中間辺りから、助手席ASの左端部に対向する位置まで延在する横長形状のディスプレイ装置である。第2ディスプレイ24は、運転席DSと助手席ASとの車幅方向に関する中間あたり、且つ第1ディスプレイの下方に設置されている。例えば、第1ディスプレイ22と第2ディスプレイ24は、共にタッチパネルとして構成され、表示部としてLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electroluminescence)、プラズマディスプレイなどを備えるものである。操作スイッチASSY26は、ダイヤルスイッチやボタン式スイッチなどが集積されたものである。表示・操作装置20は、乗員によってなされた操作の内容をエージェント装置100に出力する。第1ディスプレイ22または第2ディスプレイ24が表示する内容は、エージェント装置100によって決定されてよい。
図4は、スピーカユニット30の配置例を示す図である。スピーカユニット30は、例えば、スピーカ30A〜30Hを含む。スピーカ30Aは、運転席DS側の窓柱(いわゆるAピラー)に設置されている。スピーカ30Bは、運転席DSに近いドアの下部に設置されている。スピーカ30Cは、助手席AS側の窓柱に設置されている。スピーカ30Dは、助手席ASに近いドアの下部に設置されている。スピーカ30Eは、右側後部座席BS1側に近いドアの下部に設置されている。スピーカ30Fは、左側後部座席BS2側に近いドアの下部に設置されている。スピーカ30Gは、第2ディスプレイ24の近傍に設置されている。スピーカ30Hは、車室の天井(ルーフ)に設置されている。
係る配置において、例えば、専らスピーカ30Aおよび30Bに音を出力させた場合、音像は運転席DS付近に定位することになる。また、専らスピーカ30Cおよび30Dに音を出力させた場合、音像は助手席AS付近に定位することになる。また、専らスピーカ30Eに音を出力させた場合、音像は右側後部座席BS1付近に定位することになる。また、専らスピーカ30Fに音を出力させた場合、音像は左側後部座席BS2付近に定位することになる。また、専らスピーカ30Gに音を出力させた場合、音像は車室の前方付近に定位することになり、専らスピーカ30Hに音を出力させた場合、音像は車室の上方付近に定位することになる。これに限らず、スピーカユニット30は、ミキサーやアンプを用いて各スピーカの出力する音の配分を調整することで、車室内の任意の位置に音像を定位させることができる。
ナビゲーション装置40は、ナビHMI(Human machine Interface)と、GPS(Global Positioning System)などの位置測位装置と、地図情報を記憶した記憶装置と、経路探索などを行う制御装置(ナビゲーションコントローラ)とを備える。マイク10、表示・操作装置20、およびスピーカユニット30のうち一部または全部がナビHMIとして用いられてもよい。ナビゲーション装置40は、位置測位装置によって特定された車両Mの位置から、乗員によって入力された目的地まで移動するための経路(ナビ経路)を探索し、経路に沿って車両Mが走行できるように、ナビHMIを用いて案内情報を出力する。経路探索機能は、ネットワークNWを介してアクセス可能なナビゲーションサーバにあってもよい。この場合、ナビゲーション装置40は、ナビゲーションサーバから経路を取得して案内情報を出力する。なお、エージェント装置100は、ナビゲーションコントローラを基盤として構築されてもよく、その場合、ナビゲーションコントローラとエージェント装置100は、ハードウェア上は一体に構成される。
ナビゲーション装置40は、乗員によって目的地が入力されて設定された場合には、設定された目的地の情報である目的地情報40Aを記憶する。ナビゲーション装置40は、例えば、エージェント装置100に設けられた車両機器制御部130の要求に応じて、記憶している目的地情報40Aを車両機器制御部130に出力する。
車両機器50は、車両Mに搭載された複数の機器の総称であり、車両機器50には、例えば、シート調整機構51、照明装置52、サンシェード53、空調装置54、リアワイパー55、パワードア56、音声通信装置57、及び音響機器58等の機器が含まれる。車両機器50には、これらの機器の他に、エンジンや走行用モータなどの駆動力出力装置、エンジンの始動モータ、ドアロック装置、ドア開閉装置、窓、窓の開閉装置及び窓の開閉制御装置、シート、ルームミラー及びその角度位置制御装置、車両外の照明装置及びその制御装置、ワイパーやデフォッガー及びそれぞれの制御装置、方向指示灯及びその制御装置、走行距離やタイヤの空気圧の情報や燃料の残量情報などの車両情報装置などが含まれる。ナビゲーション装置40は、車両機器50の一つである。
図5は、車両機器50の一部の配置例を示す図である。シート調整機構51は、右側前部シート調整機構51A、左側前部シート調整機構51B、右側後部シート調整機構51C、及び左側後部シート調整機構51Dを備える。右側前部シート調整機構51Aは、運転席DSに設けられ、運転席DSの前後上下左右の各位置やリクライニング角度等を調整する。左側前部シート調整機構51Bは、助手席ASに設けられ、助手席ASの前後上下左右位置やリクライニング角度等を調整する。右側後部シート調整機構51Cは、右側後部座席BS1に設けられ、右側後部座席BS1のリクライニング角度等を調整する。左側後部シート調整機構51Dは、左側後部座席BS2に設けられ、左側後部座席BS2のリクライニング角度等を調整する。シート調整機構51は、例えば、各シートの硬さや形状などを調整できるものでもよい。
照明装置52は、例えば、車両Mの天井に設けられる。照明装置52は、点灯することによって車両Mの内部を照明する。照明装置52は、車両Mの天井以外の位置、例えばインストルメントパネルや座席の後部等に設けられてもよい。サンシェード53は、例えば車両Mの内部における運転席の側方や後部の窓ガラスの内側に設けられており、例えばインストルメントパネルに設けられたスイッチを操作することによって開閉する。サンシェード53は、閉鎖されることによって車両Mの窓ガラスの内側を覆って車両Mに差し込む日射を遮断または抑制し、開放されることによって車両Mの窓ガラスからの採光を許容する。サンシェード53は車両Mの運転席の側方や後部の窓ガラス以外の、車両の窓に設けられてもよい。
空調装置54は、例えば車両Mのエンジンルーム等に設けられており、インストルメントパネル等に設けられた吹出口から空調エアを供給し、車両Mの室内の空調を行う。リアワイパー55は、例えば車両Mの後部の窓ガラスの外側に設けられている。リアワイパー55が作動することにより、車両Mの後部の窓ガラスの雨滴が排除される。パワードア56は、例えば左側後部座席BS2の左側方に設けられている。パワードア56は、例えば、インストルメントパネル等に設けられた操作スイッチやドライバ等の開閉指示者が所持する電子キー(Key fob:FOB)などの端末を操作することにより開閉する。パワードア56は、その他の位置、例えば右側後部座席BS1の右側方や前部座席の側方などに設けられてもよい。
音声通信装置57は、例えば車両のインストルメントパネルに設けられた電話等の音声の通信を行う通信機器である。音声通信装置57は、その他の位置、例えば後部座席の近傍に設けられてもよい。音声通信装置57は、乗員が登録した通信先を記憶する住所録57Aの情報を記憶する。住所録57Aに登録された登録情報は、登録対象の住所、氏名、電話番号等の情報である。登録対象には、例えば乗員の自宅、乗員の家族、親族、知人等の連絡先等が含まれる。音声通信装置57は、車両機器制御部130の要求に応じて、記憶している住所録57Aに含まれる登録情報を車両機器制御部130に出力する。音響機器58は、例えばオーディオ装置であり、例えば車両Mの内部に配置された複数のスピーカを介して音楽を出力する。
車両機器50に含まれる上記の各機器は、車両機器制御部130により送信される制御情報に基づいて制御される。シート調整機構51は、制御情報に基づいてシートの位置や硬さなどのシートの状態を制御される。照明装置52は、制御情報に基づいて照明の点灯及び消灯を決定される。照明装置52は、制御情報に基づいて照明の照度等を調整されてもよい。サンシェード53は、制御情報に基づいて開閉を制御される。サンシェード53は、制御情報に基づいて開閉度合などを制御されてもよい。サンシェード53が複数の窓にそれぞれ設けられている場合には、いずれのサンシェード53を開閉するか、あるいはその開閉度合を制御されてもよい。
空調装置54は、制御情報に基づいて空調のオンオフを決定されたり、設定温度を調整されたりする。リアワイパー55は、制御情報に基づいて、作動及び停止を制御される。リアワイパー55は、制御情報に基づいて動作速度を調整されてもよい。パワードア56は、制御情報に基づいて、開閉を制御される。パワードア56が複数設けられている場合には、制御情報に基づいて、開閉するパワードア56が決定されるようにしてもよい。音声通信装置57は、制御情報に基づいて、通話先を選択して通信の開始を指示されたり、相手方から通話を要求された場合に、その要求を受けたりする。音響機器58は、制御情報に基づいて、楽曲を検索してスピーカユニット30により出力する。
車両機器50に含まれる各機器の一部または全部は、車両機器制御部130により制御されるが、それぞれの専用の制御装置(制御機器)が設けられ、車両機器制御部130により出力された制御情報に基づいて、各車両機器50の専用の制御装置が各車両機器50を制御するようにしてもよい。
車載通信装置60は、例えば、セルラー網やWi−Fi網を利用してネットワークNWにアクセス可能な無線通信装置である。
乗員認識装置80は、例えば、着座センサ82、車室内カメラ84、画像認識装置86などを含む。着座センサ82は、例えば、座席の下部に設けられた圧力センサ、シートベルトに取り付けられた張力センサなどを含む。車室内カメラ84は、車室における各シートを含む領域を撮像する撮像部である。車室内カメラ84は、車室内に設けられたCCD(Charge Coupled Device)カメラやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラである。
画像認識装置86は、車室内カメラ84の画像を解析する。画像認識装置86は、解析した画像に基づいて、座席ごとの乗員の有無、顔向き、発話者、及び発話者が着座するシート(以下、発話者シート)等の情報を取得する。画像認識装置86は、発話者を含む画像及び取得した発話者シートの位置の情報をエージェント装置100に出力する。
車両センサ90は、車速センサ91と、昼夜センサ92と、温度センサ93と、天候センサ94と、を備える。車速センサ91は、例えば、各車輪に取り付けられた車輪速センサと速度計算機とを備え、車輪速センサにより検出された車輪速を統合して車両の速度(車速)を導出して検出し、車速情報を生成する。
昼夜センサ92は、例えば照度センサを備える。照度センサは、例えば車体の外部に設けられ、車両Mの外部の照度を計測する。昼夜センサ92は、計測した照度に基づいて、現在の昼夜を検出し、昼夜情報を生成する。昼夜センサ92は、例えば、車両Mの現在位置及び現在時刻等に基づいて昼夜を検出するセンサでもよい。温度センサ93は、例えば車両Mの車室内に設けられる。温度センサ93は、車室内の温度を検出し、温度情報を生成する。
天候センサ94は、例えば、フロントガラスなどの窓ガラスに付着した雨滴量を検知する雨滴量センサや、フロントガラスの照射される日射量を検知する日射量センサを備え、車両Mの周囲における天候を検出し、天候情報を生成する。車両センサ90は、車両機器制御部130の要求に応じて、検出した結果に基づいて生成した各種の情報を車両機器制御部130に出力する。
[エージェント装置]
図2に戻り、エージェント装置100は、管理部110と、車両機器制御部130と、エージェント機能部150−1、150−2、150−3と、ペアリングアプリ実行部152とを備える。管理部110は、例えば、音響処理部112と、エージェントごとWU(Wake Up)判定部114と、表示制御部116と、音声制御部118と、を備える。いずれのエージェント機能部であるか区別しない場合、単にエージェント機能部150と称する。3つのエージェント機能部150を示しているのは、図1におけるエージェントサーバ200の数に対応させた一例に過ぎず、エージェント機能部150の数は、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。図2に示すソフトウェア配置は説明のために簡易に示しており、実際には、例えば、エージェント機能部150と車載通信装置60の間に管理部110が介在してもよいように、任意に改変することができる。
エージェント装置100の各構成要素は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD−ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
管理部110は、OS(Operating System)やミドルウェアなどのプログラムが実行されることで機能する。
管理部110の音響処理部112は、エージェント装置100に対して予め設定されているウエイクアップワードを認識するのに適した状態になるように、入力された音に対して音響処理を行う。
エージェントごとWU判定部114は、エージェント機能部150−1、150−2、150−3のそれぞれに対応して存在し、エージェントごとに予め定められているウエイクアップワードを認識する。エージェントごとWU判定部114は、音響処理が行われた音声(音声ストリーム)から音声の意味を認識する。まず、エージェントごとWU判定部114は、音声ストリームにおける音声波形の振幅と零交差に基づいて音声区間を検出する。エージェントごとWU判定部114は、混合ガウス分布モデル(GMM;Gaussian mixture model) に基づくフレーム単位の音声識別および非音声識別に基づく区間検出を行ってもよい。
次に、エージェントごとWU判定部114は、検出した音声区間における音声をテキスト化し、文字情報とする。そして、エージェントごとWU判定部114は、テキスト化した文字情報がウエイクアップワードに該当するか否かを判定する。ウエイクアップワードであると判定した場合。エージェントごとWU判定部114は、対応するエージェント機能部150を起動させる。なお、エージェントごとWU判定部114に相当する機能がエージェントサーバ200に搭載されてもよい。この場合、管理部110は、音響処理部112によって音響処理が行われた音声ストリームをエージェントサーバ200に送信し、エージェントサーバ200がウエイクアップワードであると判定した場合、エージェントサーバ200からの指示に従ってエージェント機能部150が起動する。なお、各エージェント機能部150は、常時起動しており且つウエイクアップワードの判定を自ら行うものであってよい。この場合、管理部110がエージェントごとWU判定部114を備える必要はない。
エージェント機能部150は、対応するエージェントサーバ200と協働してエージェントを出現させ、車両の乗員の発話に応じて、音声による応答を含むサービスを提供する。エージェント機能部150には、車両機器50を制御する権限が付与されたものが含まれてよい。また、エージェント機能部150には、ペアリングアプリ実行部152を介して汎用通信装置70と連携し、エージェントサーバ200と通信するものがあってよい。例えば、エージェント機能部150−1には、車両機器50を制御する権限が付与されている。
エージェント機能部150−1は、エージェントサーバ200と協働して車両の乗員の発話を認識して車両機器50に対する指示を得る。エージェント機能部150−1は、車両の乗員の発話を認識することで得られる指示の内容に基づいて、車両機器50に対する指示を生成して車両機器制御部130に出力する。車両機器制御部130は、エージェント機能部150−1により出力された車両機器50に対する指示に応じて、車両機器50を制御するサービスを提供する。エージェント機能部150−1は、車載通信装置60を介してエージェントサーバ200−1と通信する。エージェント機能部150−2は、車載通信装置60を介してエージェントサーバ200−2と通信する。エージェント機能部150−3は、ペアリングアプリ実行部152を介して汎用通信装置70と連携し、エージェントサーバ200−3と通信する。ペアリングアプリ実行部152は、例えば、Bluetooth(登録商標)によって汎用通信装置70とペアリングを行い、エージェント機能部150−3と汎用通信装置70とを接続させる。なお、エージェント機能部150−3は、USB(Universal Serial Bus)などを利用した有線通信によって汎用通信装置70に接続されるようにしてもよい。以下、エージェント機能部150−1とエージェントサーバ200−1が協働して出現させるエージェントをエージェント1、エージェント機能部150−2とエージェントサーバ200−2が協働して出現させるエージェントをエージェント2、エージェント機能部150−3とエージェントサーバ200−3が協働して出現させるエージェントをエージェント3と称する場合がある。
表示制御部116は、エージェント機能部150からの指示に応じて第1ディスプレイ22または第2ディスプレイ24に画像を表示させる。以下では、第1ディスプレイ22を使用するものとする。表示制御部116は、一部のエージェント機能部150の制御により、例えば、車室内で乗員とのコミュニケーションを行う擬人化されたエージェントの画像(以下、エージェント画像と称する)を生成し、生成したエージェント画像を第1ディスプレイ22に表示させる。エージェント画像は、例えば、乗員に対して話しかける態様の画像である。エージェント画像は、例えば、少なくとも観者(乗員)によって表情や顔向きが認識される程度の顔画像を含んでよい。例えば、エージェント画像は、顔領域の中に目や鼻に擬したパーツが表されており、顔領域の中のパーツの位置に基づいて表情や顔向きが認識されるものであってよい。また、エージェント画像は、立体的に感じられ、観者によって三次元空間における頭部画像を含むことでエージェントの顔向きが認識されたり、本体(胴体や手足)の画像を含むことで、エージェントの動作や振る舞い、姿勢等が認識されるものであってもよい。また、エージェント画像は、アニメーション画像であってもよい。
音声制御部118は、エージェント機能部150からの指示に応じて、スピーカユニット30に含まれるスピーカのうち一部または全部に音声を出力させる。音声制御部118は、複数のスピーカユニット30を用いて、エージェント画像の表示位置に対応する位置にエージェント音声の音像を定位させる制御を行ってもよい。エージェント画像の表示位置に対応する位置とは、例えば、エージェント画像がエージェント音声を喋っていると乗員が感じると予測される位置であり、具体的には、エージェント画像の表示位置付近(例えば、2〜3[cm]以内)の位置である。また、音像が定位するとは、例えば、乗員の左右の耳に伝達される音の大きさを調節することにより、乗員が感じる音源の空間的な位置を定めることである。
車両機器制御部130は、取得部132と、判定部134と、制御部136と、を備える。取得部132は、エージェント機能部150−1により出力される車両機器50に対する指示を取得する。取得部132は、マイク10により出力される音声の情報を取得する。取得部132は、取得した音声を解析して発話者の音声の情報を発話者の特徴として取得する。取得部132は、画像認識装置86により出力される発話者を含む画像を解析し、発話者の画像を発話者の特徴として取得する。取得部132は、取得した発話者の特徴である発話者の音声及び画像に基づいて、発話者の年齢を推定して取得する。
取得部132は、例えば、発話者の音声が高い場合や画像に基づいて取得された発話者の身体が小さい場合には発話者の年齢を低く推定するなど、発話者の複数の特徴を総合して発話者の年齢を推定する。なお、発話者の年齢の推定は、音声のみに基づいて行ってもよいし、画像のみに基づいて行ってもよい。また、発話者の年齢の推定は、これらの特徴に代えてまたは加えて、他の特徴、例えば発話者の姿勢や動作、発話内容、座席に掛かる圧力(発話者の体重)等の要素を含んで行ってもよい。また、乗員などが各乗員の人物(年齢)を管理部110等に登録できるようにし、登録された年齢に基づいて年齢の推定を行ってもよい。
実施形態では、発話者が子供である場合に、車両機器50の制御を制限することを意図している。このため、車両機器50の制御を制限するための閾値となる所定年齢は、子供を判定するための年齢であればよく、例えば、12歳、6歳、3歳等の低学年と高学年を分けるような年齢など、任意の年齢に設定してよい。また、所定年齢を複数設定するようにしてもよい。この場合、設定された年齢に応じて、車両機器50の制御の制限の内容を異ならせるようにしてもよい。例えば、年齢が高い場合方が、年齢が低い場合よりも制限を少なくまたは弱くするようにしてもよい。
判定部134は、取得部132により取得された発話者の年齢が所定年齢以下であるか否かを判定する。なお、取得部132が取得する年齢は、正確な年齢ではなく、おおよその年齢であってもよい。例えば、年齢を数字ではなく「大人」「子供」に区分して把握し、「子供」と判定される年齢に含まれるか否かを取得するようにしてもよい。この場合、判定部134は、発話者の年齢は、子供であるか大人であるかを判定して、子供の年齢であるときに所定年齢以下であると判定するようにしてもよい。
制御部136は、取得部132が取得した車両機器50に対する指示に応じて車両機器50のそれぞれに対する制御情報を生成して各車両機器50に出力する。制御部136は、判定部134により発話者の年齢が所定年齢以下であると判定された場合に、さらに所定条件が成立すると、車両機器50を制御する音声コマンドにいわばチャイルドロックをかける。制御部136は、チャイルドロックが掛けられた音声コマンドについては、一部の車両機器50の制御について制限をかけ、更にその一部については制限の範囲内での許容範囲を設ける。所定条件としては、例えば、車両機器50の種類ごとに異なる条件が設定されている。車両機器50の制御を制限するための所定条件及び制御の制限の内容については後に説明する。
[車載エージェントサーバ]
図6は、エージェントサーバ200の構成と、エージェント装置100の構成の一部とを示す図である。以下、エージェントサーバ200の構成と共にエージェント機能部150等の動作について説明する。ここでは、エージェント装置100からネットワークNWまでの物理的な通信についての説明を省略する。
エージェントサーバ200は、通信部210を備える。通信部210は、例えばNIC(Network Interface Card)などのネットワークインターフェースである。更に、エージェントサーバ200は、例えば、音声認識部220と、自然言語処理部222と、対話管理部224と、ネットワーク検索部226と、応答文生成部228とを備える。これらの構成要素は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD−ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
エージェントサーバ200は、記憶部250を備える。記憶部250は、上記の各種記憶装置により実現される。記憶部250には、パーソナルプロファイル252、辞書DB(データベース)254、知識ベースDB256、応答規則DB258などのデータやプログラムが格納される。
エージェント装置100において、エージェント機能部150は、音声ストリーム、或いは圧縮や符号化などの処理を行った音声ストリームを、エージェントサーバ200に送信する。エージェント機能部150は、ローカル処理(エージェントサーバ200を介さない処理)が可能な音声コマンドを認識した場合は、音声コマンドで要求された処理を行ってよい。ローカル処理が可能な音声コマンドとは、エージェント装置100が備える記憶部(不図示)を参照することで回答可能な音声コマンドであったり、エージェント機能部150−1の場合は車両機器50を制御する音声コマンド(例えば、空調装置をオンにするコマンドなど)であったりする。従って、エージェント機能部150は、エージェントサーバ200が備える機能の一部を有してもよい。
音声ストリームを取得すると、音声認識部220が音声認識を行ってテキスト化された文字情報を出力し、自然言語処理部222が文字情報に対して辞書DB254を参照しながら意味解釈を行う。辞書DB254は、文字情報に対して抽象化された意味情報が対応付けられたものである。辞書DB254は、同義語や類義語の一覧情報を含んでもよい。音声認識部220の処理と、自然言語処理部222の処理は、段階が明確に分かれるものではなく、自然言語処理部222の処理結果を受けて音声認識部220が認識結果を修正するなど、相互に影響し合って行われてよい。
自然言語処理部222は、例えば、認識結果として、「今日の天気は」、「天気はどうですか」等の意味が認識された場合、標準文字情報「今日の天気」に置き換えたコマンドを生成する。これにより、リクエストの音声に文字揺らぎがあった場合にも要求にあった対話をし易くすることができる。また、自然言語処理部222は、例えば、確率を利用した機械学習処理等の人工知能処理を用いて文字情報の意味を認識したり、認識結果に基づくコマンドを生成してもよい。
対話管理部224は、自然言語処理部222の処理結果(コマンド)に基づいて、パーソナルプロファイル252や知識ベースDB256、応答規則DB258を参照しながら車両Mの乗員に対する発話の内容を決定する。パーソナルプロファイル252は、乗員ごとに保存されている乗員の個人情報、趣味嗜好、過去の対話の履歴などを含む。知識ベースDB256は、物事の関係性を規定した情報である。応答規則DB258は、コマンドに対してエージェントが行うべき動作(回答や機器制御の内容など)を規定した情報である。
また、対話管理部224は、音声ストリームから得られる特徴情報を用いて、パーソナルプロファイル252と照合を行うことで、乗員を特定してもよい。この場合、パーソナルプロファイル252には、例えば、音声の特徴情報に、個人情報が対応付けられている。音声の特徴情報とは、例えば、声の高さ、イントネーション、リズム(音の高低のパターン)等の喋り方の特徴や、メル周波数ケプストラム係数(Mel Frequency Cepstrum Coefficients)等による特徴量に関する情報である。音声の特徴情報は、例えば、乗員の初期登録時に所定の単語や文章等を乗員に発声させ、発声させた音声を認識することで得られる情報である。
対話管理部224は、コマンドが、ネットワークNWを介して検索可能な情報を要求するものである場合、ネットワーク検索部226に検索を行わせる。ネットワーク検索部226は、ネットワークNWを介して各種ウェブサーバ300にアクセスし、所望の情報を取得する。「ネットワークNWを介して検索可能な情報」とは、例えば、車両Mの周辺にあるレストランの一般ユーザによる評価結果であったり、その日の車両Mの位置に応じた天気予報であったりする。
応答文生成部228は、対話管理部224により決定された発話の内容が車両Mの乗員に伝わるように、応答文を生成し、エージェント装置100に送信する。応答文生成部228は、乗員がパーソナルプロファイルに登録された乗員であることが特定されている場合に、乗員の名前を呼んだり、乗員の話し方に似せた話し方にした応答文を生成してもよい。
エージェント機能部150は、応答文を取得すると、音声合成を行って音声を出力するように音声制御部118に指示する。また、エージェント機能部150は、音声出力に合わせてエージェントの画像を表示するように表示制御部116に指示する。このようにして、仮想的に出現したエージェントが車両Mの乗員に応答するエージェント機能が実現される。
[エージェント装置における処理]
次に、エージェント装置100における処理の一例について説明する。図7は、エージェント装置100において実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、ここでの処理は、エージェント機能部150として複数のエージェント機能部150−1が処理を実行するものとし機能するものとする。エージェント装置100において、エージェントごとWU判定部114は、乗員が発声した音声の音声区間を検出し、検出した音声区間をテキスト化した文字情報がウエイクアップワード(WUワード)であるか否かを判定する(ステップS110)。
テキスト化した文字情報がウエイクアップワードであると判定した場合、エージェント機能部150は、WUワードに続いて乗員が発話した音声を取得したか否かを判定する(ステップS120)。乗員が発話した音声を取得したと判定した場合、エージェント機能部150は、乗員の発話内容が車両機器に対する指令であるか否かを判定する(ステップS130)。
乗員の発話内容が車両機器に対する指令でないと判定した場合、エージェント機能部150は、乗員の発話内容に応じたサービスを提供する(ステップS140)。乗員の発話内容が車両機器に対する指令であると判定した場合、エージェント機能部150は、車両機器50に対する指示を車両機器制御部130に出力する。取得部132は、エージェント機能部150により出力された車両機器50に対する指示内容を取得する(ステップS150)。さらに、車両機器制御部130の取得部132は、発話者の特徴として、乗員認識装置80により出力される発話者の音声及び画像の情報を取得する(ステップS160)。このとき、取得部132は、乗員認識装置80により出力される発話者シートの情報を合わせて取得する。
続いて、取得部132は、発話者の特徴に基づいて発話者の年齢を推定して取得する。続いて、判定部134は、推定した発話者の年齢が所定年齢以下であるか否かを判定する(ステップS170)。推定した発話者の年齢が所定年齢以下でないと判定した場合、判定部134は、発話者は大人である(子供ではない)と判定し、制御部136は、取得部132が取得した車両機器50に対する指示に応じた制御を実行する(ステップS180)。例えば、車両機器50に対する指示がシートを調整する指示である場合には、制御対象をシート調整機構51(さらには、右側前部シート調整機構51A、左側前部シート調整機構51B、右側後部シート調整機構51C、及び左側後部シート調整機構51Dのいずれか)とし、指示されたシートのシート調整機構51を駆動させる駆動源を作動させる等して、シートの調整を行う。車両機器50に対する指示及び車両機器50に対する制御内容については、後に個別に説明する。
推定した発話者の年齢が所定年齢以下であると判定した場合、判定部134は、発話者が子供であると判定する。続いて、制御部136は、所定条件が成立するか否かを判定する(ステップS190)。所定条件が成立すると判定した場合、制御部136は、車両機器50の制御を制限し、ステップS180に進むことなく、そのままステップS120に戻る。所定条件が成立しないと判定した場合、制御部136は、車両機器50の制御を制限することなく、取得部132が取得した車両機器50に対する指示に応じた制御を実行する(ステップS180)。ステップS180を実行した後は、ステップS120に戻り、乗員が次に発した音声を取得したか否かを判定する。
ステップS120において、乗員の音声を取得していないと判定した場合、エージェント装置100は、応答待機時間が経過したか否かを判定する(ステップS200)。応答待機時間は、エージェント機能部150が起動してから乗員の指令を受け付けるまで、または乗員の指令を受け付けた後、再度乗員の指令を受け付けるまでに設定された時間である。応答待機時間は任意の時間に設定してよい。例えば、応答待機時間は、5秒から10秒程度の短時間としてもよいし、30秒から1分といった長時間としてもよいし、30分などの更なる長時間としてもよい。
応答待機時間が経過していないと判定した場合、エージェント装置100は、ステップS120に戻り、乗員が次に発した音声を取得したか否かを判定する。応答待機時間が経過していないと判定した場合、エージェント装置100は、図8に示す処理を終了する。
次に、車両機器50における個別の各機器の制御の一例について説明する。図8〜図16は、いずれもエージェント装置100において実行される処理の流れの一例を示すフローチャートであり、主に図8に示すステップS170〜ステップS190の処理を置換して実行される処理である。なお、図8〜図16に示す制御は、それぞれを組み合わせて実行できるようにしてもよい。
[シート調整機構51の制御]
まず、シート調整機構51の制御の一例について説明する。シート調整機構51の制御は、例えば、シート調整機構51を動作させる図示しないモータ等の駆動源に車両機器制御部130が制御情報を送信することによって実行される。図8は、シート調整機構51を制御する際のフローチャートである。
車両機器制御部130は、シート調整機構51が制御対象であるか否かを判定する(ステップS210)。シート調整機構51が制御対象でないと判定した場合、車両機器制御部130は、図8に示す処理を終了する。シート調整機構51が制御対象であると判定した場合、車両機器制御部130は、子供が発話者であるか否かを判定する(ステップS220)。
子供が発話者ではないと判定した場合、制御部136は、発話者の発言に応じてシート調整機構51を調整する制御を行う(ステップS230)。例えば、発話者であるドライバが「リクライニングして」という指令を発言した場合に、制御部136は、運転席DSのバックシートを倒す制御を行う。
一方、子供が発話者であると判定した場合、制御部136は、発話者が着座する発話者シートが制御対象となるシートであるか否かを判定する(ステップS240)。制御部136は、取得部132が取得した発話者シートの位置の情報に基づいて、発話者シートが制御対象となるシートであるか否かを判定する。
発話者シートが制御対象となるシートでないと判定した場合、制御部136は、発話者の発言があっても、発話者の発言に応じたシート調整機構51の調整を制限し、例えば発話者の発言に応じたシート調整機構51の調整を行わない。発話者シートが制御対象となるシートであると判定した場合、制御部136は、発話者の発言に応じてシート調整機構51を調整する制御を行う(ステップS230)。こうして、車両機器制御部130は、図8に示す処理を終了する。
上記の制御では、シート調整機構51を制御する際に、子供のいたずらや不用意な発話により、子供が着座するシート以外のシートのシート調整機構51が制御される事態を抑制できる。したがって、子供が着座するシート以外のシートに着座する乗員のシート調整を抑制することができる。
[照明装置52の制御]
続いて、照明装置52の制御の一例について説明する。照明装置52の制御は、例えば、照明装置52を点灯させる点灯情報や消灯させる消灯情報を車両機器制御部130が照明装置52に送信することによって実行される。図9は、照明装置52を制御する際のフローチャートである。
車両機器制御部130は、照明装置52が制御対象であるか否かを判定する(ステップS310)。照明装置52が制御対象でないと判定した場合、車両機器制御部130は、図9に示す処理を終了する。照明装置52が制御対象であると判定した場合、車両機器制御部130は、子供が発話者であるか否かを判定する(ステップS320)。
子供が発話者ではないと判定した場合、制御部136は、発話者の発言に応じて照明装置52を制御する(ステップS330)。例えば、発話者であるドライバが「電気をつけて」という指令を発言した場合に、制御部136は、照明装置52を点灯させる制御を行う。
一方、子供が発話者であると判定した場合、制御部136は、車両Mが走行中であるか否かを判定する(ステップS340)。制御部136は、車両Mが走行中であるか否かを判定するにあたり、車速センサ91に車速情報の出力を要求する。制御部136は、車速センサ91により出力された車速情報に基づいて、車両Mが走行中であるか否かを判定する。
車両Mが走行中でないと判定した場合、制御部136は、現在、夜間であるか否かを判定する(ステップS350)。制御部136は、現在、夜間であるか否かを判定するにあたり、昼夜センサ92に昼夜情報の出力を要求する。制御部136は、昼夜センサ92により出力された昼夜情報に基づいて、現在、夜間であるか否かを判定する。
現在、夜間であると判定した場合、制御部136は、発話者の発言に応じて照明装置52を点灯させる制御を行う(ステップS230)。ステップS340において車両Mが走行中であると判定した場合、または、ステップS350において現在、夜間でないと判定した場合、制御部136は、発話者の発言があっても、発話者の発言に応じた照明装置52の点灯を制限し、例えば発話者の発言に応じた照明装置52の点灯などの制御を行わない。こうして、車両機器制御部130は、図9に示す処理を終了する。
上記の制御では、照明装置52を制御する際に、例えば車両の走行中や昼間の時間帯に子供のいたずらや不用意な発話で照明が点灯される制御を抑制することができる。このため、車両の走行中や昼間の時間帯といった照明が不要な時間において照明装置52が点灯される事態を抑制できる。したがって、例えば夜間走行中に照明装置52が誤って点灯することにより、車外が見にくくなる事態を抑制することができる。
[サンシェード53の制御]
続いて、サンシェード53の制御の一例について説明する。サンシェード53の制御は、例えば、サンシェード53を動作させる図示しないモータ等の駆動源に車両機器制御部130が制御情報を送信することによって実行される。図10は、サンシェード53を制御する際のフローチャートである。
車両機器制御部130は、サンシェード53が制御対象であるか否かを判定する(ステップS410)。サンシェード53が制御対象でないと判定した場合、車両機器制御部130は、図10に示す処理を終了する。サンシェード53が制御対象であると判定した場合、車両機器制御部130は、子供が発話者であるか否かを判定する(ステップS420)。
子供が発話者ではないと判定した場合、制御部136は、発話者の発言に応じてサンシェード53を開閉させる制御を行う(ステップS430)。例えば、サンシェード53の開放中に発話者であるドライバが「ブラインド閉じて」という指令を発言した場合に、制御部136は、サンシェード53を閉鎖させる制御を行う。
一方、子供が発話者であると判定した場合、制御部136は、車両Mが走行中であるか否かを判定する(ステップS440)。車両Mが走行中であると判定した場合、制御部136は、発話者の発言があっても、発話者の発言に応じたサンシェード53の開閉の制御を制限し、例えば発話者の発言に応じたサンシェード53を開閉させる制御を行わない。車両Mが走行中でないと判定した場合、制御部136は、発話者の発言に応じたサンシェード53を開閉させる制御を行う(ステップS430)。こうして、車両機器制御部130は、図10に示す処理を終了する。
上記の制御では、サンシェード53を制御する際に、子供のいたずらや不用意な発話による特に、車両Mの走行中のサンシェード53を開閉させる制御を抑制することができる。したがって、ドライバ等の希望に応じて、サンシェード53を開閉させることができるので、例えば、ドライバが意図することなくサンシェード53が閉じて車両後方の視認がしにくくなる事態を抑制することができる。
[空調装置54の制御]
続いて、空調装置54の制御の一例について説明する。空調装置54の制御は、例えば、空調装置54における設定温度の制御である。空調装置54の制御は、例えば、空調装置54に対して車両機器制御部130が車両Mの室内の設定温度を上げる制御情報や設定温度を下げる制御情報を送信することによって実行される。図11は、空調装置54を制御する際のフローチャートである。
車両機器制御部130は、空調装置54が制御対象であるか否かを判定する(ステップS510)。空調装置54が制御対象でないと判定した場合、車両機器制御部130は、図11に示す処理を終了する。空調装置54が制御対象であると判定した場合、車両機器制御部130は、子供が発話者であるか否かを判定する(ステップS520)。
子供が発話者ではないと判定した場合、制御部136は、発話者の発言に応じて空調装置54の制御を行う(ステップS530)。例えば、発話者であるドライバが「涼しくして」という指令を発言した場合に、制御部136は、空調装置54の設定温度を下げる制御を行う。
一方、子供が発話者であると判定した場合、制御部136は、車両Mの室内の温度が所定温度未満であるか否かを判定する(ステップS540)。車両Mの室内の温度が所定温度未満であると判定した場合、制御部136は、発話者の発言があっても、空調装置54の温度調整の制御を制限し、例えば発話者の発言に応じた空調装置54の制御を行わない。車両Mの室内の温度が所定温度未満でないと判定した場合、制御部136は、発話者の発言に応じた空調装置54の制御を行う(ステップS530)。こうして、車両機器制御部130は、図11に示す処理を終了する。
上記の制御では、空調装置54を制御する際に、子供のいたずらや不用意な発話で低温時にさらに室内の温度を下げてしまう事態などを抑制することができる。その一方で、例えば乗員が子供のみの状況で車内が高温にさらされた状態などでは、子供の「暑い」といった発話に応じて空調装置54を作動させることができる。
[ナビゲーション装置40の制御]
続いて、ナビゲーション装置40の制御の一例について説明する。ナビゲーション装置40の制御は、たとえば、ナビゲーション装置40における目的地などの検索、設定、変更などの制御であるナビゲーション装置40の制御は、例えば、ナビゲーション装置40に対して車両機器制御部130が目的地を設定したり変更したりするための制御情報を送信することによって実行される。図12は、ナビゲーション装置40を制御する際のフローチャートである。
車両機器制御部130は、ナビゲーション装置40が制御対象であるか否かを判定する(ステップS610)。ナビゲーション装置40が制御対象でないと判定した場合、車両機器制御部130は、図12に示す処理を終了する。ナビゲーション装置40が制御対象であると判定した場合、車両機器制御部130は、子供が発話者であるか否かを判定する(ステップS620)。
子供が発話者ではないと判定した場合、制御部136は、発話者の発言に応じてナビゲーション装置40の制御を行う(ステップS630)。例えば、発話者であるドライバが「うちに帰るよ」という指令を発言した場合に、制御部136は、ナビゲーション装置40の目的地を検索して設定する。ナビゲーション装置40において、すでに目的地が設定されている場合には、設定された目的地を自宅に更新する。
一方、子供が発話者であると判定した場合、制御部136は、車両Mが走行中であるか否かを判定する(ステップS640)。車両Mが走行中であると判定した場合、制御部136は、目的地が設定されているか否かを判定する(ステップS650)。制御部136は、目的地が設定されているか否かを判定するにあたり、ナビゲーション装置40に目的地情報の出力を要求する。制御部136は、ナビゲーション装置40により出力された目的地情報に基づいて、現在、目的地が設定されているか否かを判定する。
目的地が設定されていると判定した場合、制御部136は、発話者の発言があっても、発話者の発言に応じたナビゲーション装置40の制御を制限し、例えば発話者の発言に応じたナビゲーション装置40の制御を行わない。ステップS640において、車両が走行中でないと判定した場合、ステップS650において目的地が設定されていないと判定した場合、制御部136は、発話者の発言に応じてナビゲーション装置40の制御を行う(S630)。こうして、車両機器制御部130は、図12に示す処理を終了する。
なお、判定部134は、ステップS650の判定を省略し、車両が走行中であると判定した場合には、制御部136は、発話者の発言があっても、発話者の発言に応じたナビゲーション装置40の制御を制限し、例えば発話者の発言に応じたナビゲーション装置40の制御を行わないようにしてもよい。また、判定部134は、ステップS640の判定を省略し、車両が走行中であるか否かの判定を行うことなく、ステップS620において子供が発話者であると判定した場合に、目的地が設定されているか否かの判定を行うようにしてもよい。
ナビゲーション装置40を制御する際に、子供の発話では、正しい目的地設定などが難しい。これに対して、上記の制御では、車両が停止中である場合には、子供による目的地設定を許容することができる。このため、子供の好奇心を満たしながら、仮に誤って目的地が設定された場合には、目的地の修正する時間や余裕を確保しやすくすることができる。また、目的地設定がされている場合には、子供の発話では目的地設定が抑制されるので、不意に目的地が更新される事態を抑制することができる。
[リアワイパー55の制御]
続いて、リアワイパー55の制御の一例について説明する。リアワイパー55の制御は、例えば、リアワイパー55を動作させる図示しないモータ等の駆動源に車両機器制御部130が制御情報を送信することによって実行される。図13は、リアワイパー55を制御する際のフローチャートである。
車両機器制御部130は、リアワイパー55が制御対象であるか否かを判定する(ステップS710)。リアワイパー55が制御対象でないと判定した場合、車両機器制御部130は、図13に示す処理を終了する。リアワイパー55が制御対象であると判定した場合、車両機器制御部130は、子供が発話者であるか否かを判定する(ステップS720)。
子供が発話者ではないと判定した場合、制御部136は、発話者の発言に応じてリアワイパー55の制御を行う(ステップS730)。例えば、発話者であるドライバが「後ろの雨を払って」という指令を発言した場合に、制御部136は、リアワイパー55を作動させる制御を行う。
一方、子供が発話者であると判定した場合、制御部136は、天候が降雨であるか否かを判定する(ステップS740)。制御部136は、天候が降雨であるか否かを判定するにあたり、天候センサ94に天候情報の出力を要求する。制御部136は、天候センサ94により出力された天候情報に基づいて、天候は降雨であるか否かを判定する。
天候は降雨でないと判定した場合、制御部136は、発話者の発言があっても、リアワイパー55の制御を制限し、例えば発話者の発言に応じたリアワイパー55の制御を行わない。天候が降雨であると判定した場合、制御部136は、発話者の発言に応じたリアワイパー55の制御を行う(ステップS730)。こうして、車両機器制御部130は、図13に示す処理を終了する。
上記の制御では、リアワイパー55を制御する際に、子供のいたずらや不用意な発話でリアワイパー55を作動させる制御を抑制することができる。したがって、降雨時以外の不要なリアワイパー55の作動によるリアワイパー55の消耗を好適に抑制することができる。なお、降雨の判断は、天候によるもののほか、例えばリアウインドに付着する水滴(雨滴)の有無に基づき、リアウインドに付着する水滴(雨滴)のがある場合に天候が降雨であると判定してもよい。
[パワードア56の制御]
続いて、パワードア56の制御の一例について説明する。パワードア56の制御は、例えば、パワードア56を動作させる図示しないモータ等の駆動源に車両機器制御部130が制御情報を送信することによって実行される。図14は、パワードア56を制御する際のフローチャートである。なお、ここでは、発話者となりえる大人と子供が車外におり、大人がFOBを所持している状況を想定する。車外にあるFOBが車両に近づくことにより、車両機器制御部130がスタンバイ状態となり、車外からの発話者の発話を検出可能となる。
車両機器制御部130は、パワードア56が制御対象であるか否かを判定する(ステップS810)。パワードア56が制御対象でないと判定した場合、車両機器制御部130は、図14に示す処理を終了する。パワードア56が制御対象であると判定した場合、車両機器制御部130は、子供が発話者であるか否かを判定する(ステップS820)。
子供が発話者ではないと判定した場合、制御部136は、発話者の発言に応じてパワードア56の制御を行う(ステップS830)。例えば、発話者であるドライバが「後ろのドアを開けて」という指令を発言した場合に、制御部136は、パワードア56を開放させる制御を行う。
一方、子供が発話者であると判定した場合、発話者の発言があっても、パワードア56の制御を制限し、例えば発話者の発言に応じたパワードア56の制御を行わない。こうして、車両機器制御部130は、図14に示す処理を終了する。
上記の制御では、パワードア56を制御する際に、子供の発話によるパワードア56の制御を抑制している。このため、例えば子供がFOBを持ち出しいたずらでパワードア56を開閉させることを抑制できる。したがって、パワードア56の誤った開閉動作を抑制することができる。なお、大人がFOBを所持していないことを所定条件として、子供が発話者である場合に、大人がFOBを所持していないときにパワードア56の制御を抑制し、大人がFOBを所持しているときにはパワードア56の制御を抑制しないようにしてもよい。
[音声通信装置57の制御]
続いて、音声通信装置57の制御の一例について説明する。音声通信装置57の制御は、例えば、音声通信装置57による通信を開始させる制御情報を車両機器制御部130が音声通信装置57に送信することによって実行される。図15は、音声通信装置57を制御する際のフローチャートである。
車両機器制御部130は、音声通信装置57が制御対象であるか否かを判定する(ステップS910)。音声通信装置57が制御対象でないと判定した場合、車両機器制御部130は、図15に示す処理を終了する。音声通信装置57が制御対象であると判定した場合、車両機器制御部130は、子供が発話者であるか否かを判定する(ステップS920)。
子供が発話者ではないと判定した場合、制御部136は、発話者の発話による指示に応じて、通信相手先を特定して通信を開始させるための音声通信装置57の制御を行う(ステップS930)。例えば、発話者であるドライバが「自宅に電話して」という指令を発話した場合に、制御部136は、通信相手先として自宅を特定し、自宅との間で通信を開始させるように音声通信装置57を制御する。
一方、子供が発話者であると判定した場合、制御部136は、住所録に通信先(発信先)の情報、例えば通信先の電話番号が登録されているか否かを判定する(ステップS940)。制御部136は、通信先の電話番号が登録されているか否かを判定するにあたり、音声通信装置57に住所録57Aの登録情報の出力を要求する。制御部136は、音声通信装置57により出力された住所録57Aの登録情報に基づいて、通信先の電話番号が登録されているか否かを判定する。
通信先の電話番号が登録されていないと判定した場合、制御部136は、発話者の発話があっても、音声通信装置57の制御を制限し、例えば発話者の発話による指示に応じて、通信相手先を特定して通信を開始させるための音声通信装置57に通話を開始させるための制御を行わない。通信先の電話番号が登録されていると判定した場合、制御部136は、発話者の発話による指示に応じて、通信相手先を特定して通信を開始させるための音声通信装置57の制御を行う(ステップS930)。こうして、車両機器制御部130は、図15に示す処理を終了する。
上記の制御では、音声通信装置57を制御する際に、子供のいたずらや不用意な発話により、乗員が意図していない通信相手先に音声通信装置57を接続する事態を抑制することができる。この場合でも、例えば、住所録57Aに登録された登録先であれば、音声通信装置57を接続することが許容されるので、子供の好奇心を満たしながら、音声通信装置57の誤操作による不具合を小さくすることができる。
[音響機器58の制御]
続いて、音響機器58の制御の一例について説明する。音響機器58の制御は、例えば、音響機器58により音楽を出力させる制御情報を車両機器制御部130が音声通信装置57に送信することによって実行される。図16は、音響機器58を制御する際のフローチャートである。
車両機器制御部130は、音響機器58が制御対象であるか否かを判定する(ステップS1010)。音響機器58が制御対象でないと判定した場合、車両機器制御部130は、図16に示す処理を終了する。音響機器58が制御対象であると判定した場合、車両機器制御部130は、子供が発話者であるか否かを判定する(ステップS1020)。
子供が発話者ではないと判定した場合、制御部136は、発話者の発言に応じて音声通信装置57の制御を行う(ステップS1030)。例えば、発話者であるドライバが「ジャズを聞かせて」という指令を発言した場合に、制御部136は、ジャズ音楽を出力するように音響機器58を制御する。
一方、子供が発話者であると判定した場合、制御部136は、車両は走行中であるか否かを判定する(ステップS1040)。車両Mが走行中であると判定した場合、制御部136は、発話者の発言があっても、発話者の発言に応じた音響機器58の制御を制限する。車両Mが走行中でないと判定した場合、制御部136は、発話者の発言に応じた音響機器58の制御を行う(ステップS1030)。こうして、車両機器制御部130は、図16に示す処理を終了する。
上記の制御では、音響機器58を制御する際に、子供のいたずらや不用意な発話により、乗員が意図していない楽曲が検索されてスピーカユニット30により出力されることがある。この場合でも、例えば、車両Mが停止中であれば、楽曲を変更する時間や余裕を確保できるので、子供の好奇心を満たしながら、スピーカユニット30により出力される楽曲を検索して出力させることができる。
上記の実施形態によれば、エージェント装置100は、発話者の年齢が所定年齢以下であり、発話者が子供であるか否かに基づいて、車両機器50の制御を異ならせるようにしている。このため、子供がいたずらや不用意な発言により行った車両機器50への指令による悪影響を排除できるので、より適切に車両に搭載された機器への制御可否を判定することができる。
なお、上記の各車両機器50に対する制御は、それぞれを組み合わせて実行してもよい。また、制御部における所定条件は、上記の種々の条件を組み合わせてもよいし、他の条件を主導的または付随的に追加してもよい。他の条件としては、例えば、時刻、地理的条件、目的地までの距離、乗車時間、車両Mへの乗車人数、乗員同士の関係、空調の状態、運転モード(例えば通常モードと経済走行モード)、これらの条件の変化量、乗員(子供)の状態(体調)、性別などでもよい。
また、上記の実施形態では、発話者の特徴に基づいて発話者の年齢を推定して取得する取得部132及び発話者の年齢が所定年齢以下であるか否かを判定する判定部134がエージェント装置100に設けられている。これに対して、取得部132及び判定部134が有する機能を有する装置が車両Mの他の部分に設けられていてもよいし、車両M以外の場所、例えば外部サーバに設けられていてもよい。外部サーバに取得部132及び判定部134と同様の機能を有する装置が設けられている場合には、発話者の特徴を外部サーバに提供し、外部サーバにおいて、発話者の年齢が所定年齢以下であるかの情報を生成して車両Mに送信してもよい。この場合、制御部136は、送信された発話者の年齢が所定年齢以下であるかの情報を利用して車両機器50の制御を実行してもよい。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。