JP2020157588A - 積層体及び多層管 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れたせん断強度及び曲げ強度を有する積層体及び多層管の提供。【解決手段】レジンコンクリート層22と、繊維強化プラスチック層21,23と、を備え、レジンコンクリート層と繊維強化プラスチック層との界面に、バルキーロービング及び三次元織物から選択される少なくとも1つの層28,29が位置する、積層体20及び多層管。【選択図】図4

Description

本発明は積層体及び多層管に関する。
繊維強化プラスチック複合管(以下「FRPM管」という場合がある。)は、一般のコンクリート管に比して耐食性及び強度に優れ、しかも軽量であるという利点を有する。FRPM管の製造は、通常、回転しながら軸方向に移動する円筒状型面の外周に繊維強化樹脂層を積層し、繊維強化樹脂層の外周にレジンコンクリート層を積層し、レジンコンクリート層の外周に繊維強化樹脂層を積層し、加熱して、各層を硬化させることにより行われる。
FRPM管は、土中に埋設する水道管、又は地下洞道内に架空敷設される電力ケーブル保護管等に使用される。土中に埋設されるFRPM管には、あらゆる方向の荷重が常にかかる状態にある。また、架空敷設されるFRPM管は、一定間隔の支持具によって支持されることから、支持点に曲げ荷重が負荷される。そのため、従来、繊維強化樹脂層及びレジンコンクリート層の各層の強度を向上させることにより、FRPM管の破壊を防止することが検討されてきた。
特許文献1には、内外両表面層が、樹脂及び円周方向に配された長尺状の補強材により形成された層と、樹脂及び管軸方向に配された長尺状の補強材により形成された層とを積層した構造となされ、中間層が、樹脂を含浸した短尺状の補強材からなる比較的薄肉の層と、粒状物及び樹脂からなるレジンコンクリート層とを交互に複数層積層した構造となされたことを特徴とする強化複合管が記載されている。
実公昭57−20340号公報
しかし、本発明者が検討したところ、FRPM管の破壊は、レジンコンクリート層と繊維強化樹脂層との界面における繊維強化樹脂層の剥離を発端として、最終的に繊維強化樹脂層の破断に至ることが知見された。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、優れたせん断強度及び曲げ強度を有する積層体及び多層管を提供することを課題とする。
上記課題は、以下の構成により解決される。
[1] レジンコンクリート層と、繊維強化プラスチック層と、を備え、前記レジンコンクリート層と前記繊維強化プラスチック層との界面に、バルキーロービング及び三次元織物から選択される少なくとも1つが位置する、積層体。
[2] 前記レジンコンクリート層が含む熱硬化性樹脂と、前記繊維強化プラスチック層が含む熱硬化性樹脂とは、同一の熱硬化性樹脂である、[1]に記載の積層体。
[3] レジンコンクリート層と、
繊維強化プラスチック層と、を備え、前記レジンコンクリート層と前記繊維強化プラスチック層との界面に、バルキーロービング及び三次元織物から選択される少なくとも1つが位置する、多層管。
[4] 前記レジンコンクリート層が含む熱硬化性樹脂と、前記繊維強化プラスチック層が含む熱硬化性樹脂とは、同一の熱硬化性樹脂である、[3]に記載の多層管。
本発明によれば、優れたせん断強度及び曲げ強度を有する積層体及び多層管を提供できる。
図1Aは、従来の積層体に曲げ荷重をかけた場合の破壊状況を示す概略図である。 図1Bは、従来の積層体に曲げ荷重をかけた場合の破壊状況を示す概略図である。 図1Cは、従来の積層体に曲げ荷重をかけた場合の破壊状況を示す概略図である。 図2Aは、本発明の積層体に曲げ荷重をかけた場合の破壊状況を示す概略図である。 図2Bは、本発明の積層体に曲げ荷重をかけた場合の破壊状況を示す概略図である。 図2Cは、本発明の積層体に曲げ荷重をかけた場合の破壊状況を示す概略図である。 図3は、従来の積層体の実施形態を示す概略図である。 図4は、本発明の積層体の実施形態を示す概略図である。 図5は、本発明の多層管の実施形態を示す概略図である。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、その数値範囲の両端を含むものとする。
本明細書において、(メタ)アクリルはアクリル及びメタクリルを包含するものとする。(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイル及び(メタ)アクリロイルオキシについても同様である。
まず、本発明の積層体の従来の積層体と比較した有利な点を、図を参照しながら説明する。
図1A、図1B及び図1Cは、従来の積層体10の曲げ試験の状況を示す概略図である。
従来の積層体10は、レジンコンクリート層12の両表面に繊維強化プラスチック層11、13が配置されたものである。レジンコンクリート層12と繊維強化プラスチック層11、13との間には、界面の結合を補強するための特別の対策は講じられていない。
図1Aは、積層体10を試験片として3点曲げ試験を行う場合において、荷重点14によって積層体10に荷重をかけ始めた状態を示す。積層体10には、X→X’及びY→Y’の向きの引張応力と、U→U’及びV→V’の向きの圧縮応力がかかる。
図1Bは、積層体10に荷重をかけ続けた状態を示す。繊維強化プラスチック層11、13に破壊は発生していないが、レジンコンクリート層12にはクラック15が生じている。
図1Cは、積層体10にさらに荷重をかけ続けた状態を示す。レジンコンクリート層12と繊維強化プラスチック層13との間に剥離17が生じる。レジンコンクリート層12はクラック15により既に破断している。荷重をかけ続けると、やがて、繊維強化プラスチック層13が破断し、積層体10の破壊に至り、破断面16a、16bが露わとなる。
図2A、図2B及び図2Cは、本発明の積層体20の曲げ試験の状況を示す概略図である。
本発明の積層体20は、レジンコンクリート層22の両表面に繊維強化プラスチック層21、23が配置されたものである。レジンコンクリート層22と繊維強化プラスチック層21、23との間には、界面の結合を補強するため、バルキーロービング及び三次元織物から選択される少なくとも1つの補強手段が位置する(図示せず)。
図2Aは、積層体20を試験片として3点曲げ試験を行う場合において、荷重点24によって積層体20に荷重をかけ始めた状態を示す。図1Aに示す積層体10と同様に、積層体20には、X→X’及びY→Y’の向きの引張応力と、U→U’及びV→V’の向きの圧縮応力がかかる。
図2Bは、積層体20に荷重をかけ続けた状態を示す。図1Bに示す積層体20と同様に、繊維強化プラスチック層21、23に破壊は発生していないが、レジンコンクリート層22にはクラック25が生じている。
図2Cは、積層体20にさらに荷重をかけ続けた状態を示す。図1Cに示す積層体10とは異なり、繊維強化プラスチック層23とレジンコンクリート層22との間には、剥離が生じない。その結果、レジンコンクリート層22はクラック25により破断するものの、積層体20の破壊には至らない。
積層体10(20)において、繊維強化プラスチック層11(21)、13(23)は、高い引張強度及び曲げ強度を有する。これに対して、レジンコンクリート層12(22)は、通常、繊維強化プラスチック層11(21)、13(23)に比べて、引張強度及び曲げ強度が低く、繊維強化プラスチック層11(21)、13(23)が破壊に至らない場合でも、破断に至ることがある。
従来の積層体10は、繊維強化プラスチック層13とレジンコンクリート層12との間で生じる剥離によって、繊維強化プラスチック層13のレジンコンクリート層12に対する補強効果が喪失して、レジンコンクリート層12の破壊の拡大が生じ、さらに繊維強化プラスチック層13の破壊が生じる。その結果として、積層体10は破壊に至ると考えられる。
これに対し、本発明の積層体20では、繊維強化プラスチック層23とレジンコンクリート層22との界面の結合を補強するために配置された補強手段(図示せず)により、繊維強化プラスチック層23とレジンコンクリート層22との間で剥離が生じない。そのため、繊維強化プラスチック層23によるレジンコンクリート層22の補強効果が失われず、レジンコンクリート層22の破壊の進行が抑制され、繊維強化プラスチック層23の破壊も生じない。その結果として、積層体20は破壊に至らないと考えられる。
[積層体]
本発明の積層体は、レジンコンクリート層と、繊維強化プラスチック層と、を備える。レジンコンクリート層と繊維強化プラスチック層は、少なくとも一部が接触していてもよい。
さらに、本発明の積層体では、レジンコンクリート層と繊維強化プラスチック層との界面に、バルキーロービング及び三次元織物から選択される少なくとも1つが位置する。
<レジンコンクリート層>
レジンコンクリート層(以下「レジコン層」という場合がある。)は、レジンコンクリート組成物の硬化物の層である。
レジンコンクリート組成物は、結合材としての熱硬化性樹脂と、骨材とを含む組成物である。レジンコンクリート組成物は、さらに、充填剤、添加剤、硬化促進剤及び硬化剤からなる群から選択される1種類以上を含んでもよい。
上記熱硬化性樹脂は、特に限定されないが、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂からなる群から選択される1種類以上が好ましく、硬化後の物性の設計自由度が高く、低コストであることから、不飽和ポリエステル樹脂が特に好ましい。
以下では、熱硬化性樹脂として不飽和ポリエステル樹脂を用いる場合について説明する。
(不飽和ポリエステル樹脂)
不飽和ポリエステル樹脂は、不飽和ポリエステル(a)と、架橋剤としてのビニルモノマー(b)とを含む組成物である。
不飽和ポリエステル(a)は、不飽和二塩基酸(a1)と、飽和二塩基酸(a2)と、二価アルコール(a3)とを縮合させて合成され、分子内に不飽和結合(炭素原子間非共役二重結合)とエステル結合を持つ。不飽和ポリエステル(a)は分子量が大きくとも数千であり、また単独重合性に乏しいため、通常、硬化剤の存在下で、スチレンのようなビニルモノマー(b)と共重合させることで硬化させる。
不飽和二塩基酸(a1)は、分子内に2個のカルボキシ基又は1個の酸無水物基と、1個以上の不飽和結合とを有する化合物であれば特に限定されないが、無水マレイン酸、マレイン酸及びフマル酸からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
飽和二塩基酸(a2)は、分子内に2個のカルボキシ基又は1個の酸無水物基を有し、不飽和結合を有さない化合物であれば特に限定されないが、無水フタル酸、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラクロロフタル酸及びアジピン酸からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
二価アルコール(a3)は、分子内に2個のアルコール性ヒドロキシ基を有する化合物であれば特に限定されないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノールA及び水素化ビスフェノールFからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
ビニルモノマー(b)は、分子内にビニル基を有する化合物であれば特に限定されないが、スチレン、o−クロロスチレン、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート、(メタ)アクリル酸メチル及びジアリルベンゼンホスホネートからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、低コストであることから、スチレンが特に好ましい。
上記不飽和ポリエステル樹脂中、ビニルモノマー(b)の含有割合は、特に限定されないが、不飽和ポリエステル(a)及びビニルモノマー(b)の合計質量に対して、20〜60質量%が好ましく、30〜40質量%がより好ましい。
(骨材)
骨材は、従来レジンコンクリート組成物に配合されているものであれば特に限定されないが、珪砂、砕石、砂利、高炉スラグ骨材及び人工軽量骨材からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、珪砂が特に好ましい。
骨材の粒径は、特に限定されないが、5mm以下が好ましく、0.1〜3mmがより好ましく、0.1〜1.5mmがさらに好ましい。骨材の粒径は、JIS Z 2601:1993の「鋳物砂の試験方法」に準拠して測定する。
上記レジンコンクリート組成物中の骨材の含有量は、特に限定されないが、熱硬化性樹脂100質量部に対して、100〜2000質量部が好ましい。
(充填剤)
充填剤は、従来レジンコンクリート組成物に配合されているものであれば特に限定されないが、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、フライアッシュ、硫酸バリウム、タルク、カオリン、クレー及びガラス粉末からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、炭酸カルシウムが特に好ましい。
上記レジンコンクリート組成物中の充填剤の含有量は、特に限定されないが、熱硬化性樹脂100質量部に対して、20〜1000質量部が好ましい。
(添加剤)
添加剤は、本発明の目的が損なわない範囲で、揺変性付与剤、顔料、離型剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、含浸剤又は消泡剤等の各種添加剤を使用できる。
各種添加剤は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
(硬化促進剤)
硬化促進剤は、熱硬化性樹脂が不飽和ポリエステル樹脂であれば、オクテン酸バナジル、ナフテン酸銅、ナフテン酸バリウム、ナフテン酸コバルト及びオクテン酸コバルト等の金属石鹸、Li〔Co(NO〕、Li〔Co(NOCl〕、Li〔Co(NOBr〕、Li〔Co(NOCl〕、Li〔Co(NOBr〕、Na〔Co(NO〕、Na〔Co(NOCl〕、Na〔Co(NOBr〕、Na〔Co(NOCl〕、Na〔Co(NOBr〕、K〔Co(NO〕、K〔Co(NOCl〕、K〔Co(NOBr〕、K〔Co(NOCl〕およびK〔Co(NOBr〕等のコバルト化合物、バナジルアセチルアセテート、コバルトアセチルアセテート及び鉄アセチルアセトネート等の金属キレート化合物、並びにN,N−ジメチルアミノ−p−ベンズアルデヒド、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、メチルヒドロキシエチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、4−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒド、4−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノベンズアルデヒド、4−メチルヒドロキシエチルアミノベンズアルデヒド、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン、N−エチル−m−トルイジン、トリエタノールアミン、m−トルイジン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェニルモルホリン、ピペリジン及びジエタノールアニリン等のアミンを使用できる。
硬化促進剤は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
上記レジンコンクリート組成物が硬化促進剤を含む場合の硬化促進剤の含有量は、特に限定されないが、レジンコンクリート組成物の100質量部に対して、0.001〜5質量部が好ましい。
硬化促進剤は、レジンコンクリート組成物に硬化剤を添加する前に添加してもよいし、硬化剤と同時にレジンコンクリート組成物に添加してもよい。
(硬化剤)
硬化剤は、熱硬化性樹脂が不飽和ポリエステル樹脂であれば、有機過酸化物触媒が好ましく、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3,3−イソプロピルヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジクミルヒドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、イソブチルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド及びラウリルパーオキサイド等の有機過酸化物、並びにアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビスカルボンアミド等のアゾ系重合開始剤を使用できる。
硬化剤は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
上記レジンコンクリート組成物が硬化剤を含む場合の硬化剤の含有量は、特に限定されないが、レジンコンクリート組成物の100質量部に対して、0.05〜4質量部が好ましく、0.1〜3質量部がより好ましい。
硬化剤は、レジンコンクリート組成物を成形する前に添加することが好ましい。本発明のレジンコンクリート組成物を成形した後、加熱して硬化させることにより、形状を有するレジンコンクリート硬化物を得られる。
<繊維強化プラスチック層>
繊維強化プラスチック層(以下「FRP層」という場合がある。)は、繊維をプラスチックの中に入れて強度を向上させた複合材料(FRP)の層である。
上記繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、鉱物繊維又は合成繊維等を使用できるが、引張強度が高く、低コストであることから、ガラス繊維が特に好ましい。
繊維は、単繊維、単繊維を束ねた繊維束又は繊維束を互い違いに織り込んだ織物等、様々な形態で使用できる。
上記プラスチックは、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂又はフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂であり、硬化後の物性の設計自由度が高く、低コストであることから、不飽和ポリエステル樹脂が特に好ましい。
また、上記熱硬化性樹脂は、レジコン層に用いる熱硬化性樹脂と同一であることが好ましい。FRP層に用いる熱硬化性樹脂とレジコン層の結合剤としての熱硬化性樹脂が同一であると、FRP層とレジコン層との親和性がより高くなり、界面がより剥離しにくくなる。
熱硬化性樹脂が同一とは、レジコン層の結合剤としての熱硬化性樹脂とFRP層の熱硬化性樹脂が同じ種類であることをいう。例えば、レジコン層の結合剤としての熱硬化性樹脂とFRP層の熱硬化性樹脂がいずれも不飽和ポリエステル樹脂である場合、いずれもアクリル樹脂である場合、いずれもエポキシ樹脂である場合及びいずれもフェノール樹脂である場合は、同一である。さらには、熱硬化性樹脂が同じ種類であり、かつ、組成が同一であることが好ましい。例えば、熱硬化性樹脂が不飽和ポリエステル樹脂である場合、不飽和ポリエステル(a)がモノマーの組成と、数平均分子量又は重量平均分子量とに基づいて同視でき、ビニルモノマー(b)が同じ化合物であり、不飽和ポリエステル樹脂中の不飽和ポリエステル(a)とビニルモノマー(b)の質量比が同じである場合は、同一である。硬化剤の種類及び添加量は同じでなくてもよいが、同じであることが好ましい。
FRP層の製造は、スダレ状に配置した繊維束に硬化性樹脂を含浸させてシート状にしたもの、又は織物に硬化性樹脂を含浸させたシート状のものを、1枚(1プライ)で、又は2枚(2プライ)以上積層して、熱硬化性樹脂を硬化させることにより行われる。
FRP層を形成するFRP中のプラスチックの含有量(又は、強化繊維の含有量)は、特に限定されないが、FRPの全体100質量部中、35〜65質量部が好ましい。
<バルキーロービング>
バルキーロービングとは、強化繊維束の強化繊維が三次元的な配向性を有するように加工したものである。
レジコン層とFRP層との界面にバルキーロービングが位置する積層体においては、バルキーロービングの強化繊維が界面に垂直な方向にも伸び、レジコン層及びFRP層に入り込んでいる。そのため、アンカー効果が発現し、レジコン層とFRP層とがより強固に結合して、積層体のせん断強度及び曲げ強度がより優れる。
バルキーロービングに用いる強化繊維は、特に限定されず、ガラス繊維、炭素繊維、鉱物繊維又は合成繊維等を使用できるが、引張強度が高く、低コストであることから、ガラス繊維が特に好ましい。
<三次元織物>
三次元織物とは、強化繊維の織物を積層し、厚さ方向にも強化繊維を編み込んだり、縫い合わせたりして立体的に仕上げたものである。
レジコン層とFRP層との界面に三次元織物が位置する積層体においては、三次元織物の強化繊維が界面に垂直な方向にも伸び、レジコン層及びFRP層に入り込んでいる。そのため、アンカー効果が発現し、レジコン層とFRP層とがより強固に結合して、積層体のせん断強度及び曲げ強度がより優れる。
三次元織物に用いる強化繊維は、特に限定されず、ガラス繊維、炭素繊維、鉱物繊維又は合成繊維等を使用できるが、引張強度が高く、低コストであることから、ガラス繊維が特に好ましい。
<積層体の製造方法>
本発明の積層体の製造方法は、未硬化の繊維強化プラスチックの上に、未硬化のレジンコンクリート組成物を配置し、繊維強化プラスチック及びレジンコンクリート組成物を硬化させて積層体を製造する方法、未硬化のレジンコンクリート組成物の上に、未硬化の繊維強化プラスチックを配置し、繊維強化プラスチック及びレジンコンクリート組成物を硬化させて積層体を製造する方法、未硬化の繊維強化プラスチックの上に、未硬化のレジンコンクリート組成物と、未硬化の繊維強化プラスチックとをこの順に配置し、繊維強化プラスチック及びレジンコンクリート組成物を硬化させて積層体を製造する方法が挙げられる。
いずれの方法においても、繊維強化プラスチックとレジンコンクリート組成物を積層する際には、間にバルキーロービング及び三次元織物からなる群から選択される少なくとも1種を介在させる。
バルキーロービング及び三次元織物は強化繊維が三次元的な配向性を有し、レジコン層及びFRP層に入り込んでいるため、レジコン層とFRP層の結合がより強固になる。
積層体を構成するレジンコンクリート組成物及び繊維強化プラスチックの硬化方法は、特に限定されないが、30〜120℃で、0.02〜1時間加熱することが好ましい。
<積層体の実施形態>
本発明の積層体の実施形態を、図3及び図4を参照しながら説明する。
図3に示す従来の積層体10は、レジコン層12とFRP層11、13との間に、レジコン層とFRP層の結合を強化する特別な構造が介在していない。
これに対して、図4に示す本発明の積層体20は、レジコン層22とFRP層21との界面28、レジコン層22とFRP層23との間の界面29に、バルキーロービング及び三次元織物からなる群から選択される少なくとも1つを配置しており、レジコン層22とFRP層21、23との結合をより強固にしている。
積層体20の縦及び横のサイズは、特に限定されないが、曲げ試験用試験サンプルの場合で、300mm×300mmが好ましい。
レジコン層22、FRP層21、23の各層の厚みは、特に限定されない。
レジコン層22の厚みは、層厚100に対し5〜90が好ましい。
FRP層21、23の厚みは、層厚100に対し5〜47.5が好ましい。FRP層21とFRP層23の厚みは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
積層体20はレジコン層22の両面にFRP層21、23を積層した構造であるが、本発明の積層体は、レジコン層とFRP層を積層し、レジコン層とFRP層の界面にバルキーロービング及び三次元織物からなる群から選択される少なくとも1つを介在させていればよく、図示したものに限定されない。
[多層管]
本発明の多層管は、レジンコンクリート層と、繊維強化プラスチック層と、を備える。
上記レジンコンクリート層と上記繊維強化プラスチック層との界面には、バルキーロービング及び三次元織物から選択される少なくとも1つが位置する。
レジンコンクリート層、繊維強化プラスチック層、バルキーロービング及び三次元織物は、本発明の積層体に関して説明したものと同様である。
本発明の多層管の実施形態を、図5を参照しながら説明する。
本実施形態の多層管1は、筒状のレジコン層4と、レジコン層4の内周面に位置する内面FRP層3と、レジコン層4の外周面に位置する外面FRP層と、内面FRP層3の内周面に位置する内面保護層2と、外面FRP層5の外周に位置する外面保護層6とを有する。
即ち、多層管1は、内周側から順に、内面保護層2、内面FRP層3、レジコン層4、外面FRP層5及び外面保護層6が位置する。
内面FRP層3及び外面FRP層5は、どちらか一方があればよいが、両方ある方が好ましい。多層管1の曲げ強度がより向上する。
<レジコン層4>
レジコン層4は多層管1の基管となるものであり、上述した本発明の積層体のレジコン層22と同様、レジンコンクリート組成物の硬化物からなる。
<内面FRP層3>
内面FRP層3は、多層管1の強度を向上させるものであり、上述した本発明の積層体のFRP層と同様に、FRPからなる。FRPに用いる熱硬化性樹脂は、レジコン層4に用いるレジンコンクリート組成物に使用する熱硬化性樹脂と同じものであることが好ましい。
レジコン層4を構成するレジンコンクリート硬化物は、圧縮強度は高いが、引張強度は相対的に低い。FRPは、繊維の方向の引張強度が高いため、レジンコンクリート硬化物の欠点を補い、レジコン層4のみである場合に比べて、多層管1の強度を向上できる。
内面FRP層3は、強化繊維の方向が異なる複数のFRP層を積層したものであってもよい。図5に示す多層管1では、内面FRP層3は、強化繊維の方向を多層管1の周方向に合わせた内面FRP層(周方向)3aと強化繊維の方向を多層管1の軸方向に合わせた内面FRP層(軸方向)3bとの2層を積層したものである。図5に示す多層管1では、内面FRP層(周方向)3aが、内面FRP層(軸方向)3bよりも内周側に位置しているが、逆であってもよい。
<レジコン層4と内面FRP層3との界面>
レジコン層4と内面FRP層3との界面には、バルキーロービング及び三次元織物からなる群から選択される少なくとも1種が配置される。バルキーロービング及び三次元織物は、強化繊維が三次元的な配向性を有するので、多層管1の製造時に、レジコン層4及び内面FRP層3に強化繊維が入り込む。これにより、アンカー効果が発現し、レジコン層4と内面FRP層3とが、より強固に結合する。
<外面FRP層5>
外面FRP層5は、上述した内面FRP層3と同様に、多層管1の強度を向上させるものであり、上述した本発明の積層体のFRP層と同様に、FRPからなる。FRPに用いる熱硬化性樹脂は、レジコン層4に用いるレジンコンクリート組成物に使用する熱硬化性樹脂と同じものであることが好ましい。
レジコン層4の外周面に外面FRP層5が位置すると、レジコン層4のみである場合に比べて、多層管1の強度を向上できる。
外面FRP層5及び内面FRP層3のいずれか一方があれば、レジコン層4のみである場合に比べて、多層管1の強度を向上できるが、両方があれば、さらに多層管1の強度を向上できる。
外面FRP層5は、強化繊維の方向が異なる複数のFRP層を積層したものであってもよい。図5に示す多層管1では、外面FRP層5は、強化繊維の方向を多層管1の軸方向に合わせた外面FRP層(軸方向)5aと強化繊維の方向を多層管1の周方向に合わせた外面FRP層(周方向)5bとの2層を積層したものである。図5に示す多層管1では、外面FRP層(軸方向)5aが、外面FRP層(周方向)5bよりも内周側に位置しているが、逆であってもよい。
<レジコン層4と外面FRP層5との界面>
レジコン層4と外面FRP層5との界面には、バルキーロービング及び三次元織物からなる群から選択される少なくとも1種が配置される。バルキーロービング及び三次元織物は、強化繊維が三次元的な配向性を有するので、多層管1の製造時に、レジコン層4及び外面FRP層5に強化繊維が入り込む。これにより、アンカー効果が発現し、レジコン層4と外面FRP層5とが、より強固に結合する。
<内面保護層2>
内面FRP層3がある場合、内面保護層2は、内面FRP層3と多層管1の中を通過する液体との直接の接触を阻む。液体による内面FRP層3の侵蝕を抑制するとともに、内面FRP層3から液体への化学物質の溶出を阻止する。
内面FRP層3がない場合、内面保護層2は、レジコン層4と多層管1の中を通過する液体との直接の接触を阻む。液体によるレジコン層4の侵蝕を抑制するとともに、レジコン層4から液体への化学物質の溶出を阻止する。
内面保護層2は無くてもかまわないが、あった方がよい。多層管1の耐久性を向上させるとともに、多層管1の中を通過する液体の汚染を防止できる。
内面保護層2は、合成樹脂又はエラストマーからなることが好ましい。
合成樹脂又はエラストマーは、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂若しくはフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリエチレン、ポリオレフィン若しくはポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム若しくはクロロプレンゴム等のゴム、又は熱可塑性エラストマーであり、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂が好ましく、熱硬化性樹脂がより好ましい。熱硬化性樹脂としては、低コストであるポリエステル樹脂、耐食性に優れるエポキシ樹脂、耐候性に優れるアクリル樹脂又は耐熱性難燃性であるフェノール樹脂が好ましい。また、内面保護層2を構成する合成樹脂又はエラストマーは、さらに、合成樹脂又はエラストマーと併用可能な、カーボンブラック、黒鉛粉末、炭酸カルシウム又はシリカのような充填剤、離型剤、紫外線吸収剤、顔料、減粘剤、老化防止剤、可塑剤、難燃剤又は安定剤のような添加剤を含んでもよい。
<外面保護層6>
外面FRP層5がある場合、外面保護層6は、外面FRP層5と多層管1の外部に存在する液体との直接の接触を阻む。液体による外面FRP層5の侵蝕を抑制するとともに、外面FRP層5から液体への化学物質の溶出を阻止する。
外面FRP層5がない場合、外面保護層6は、レジコン層4と多層管1の外部に存在する液体との直接の接触を阻む。液体によるレジコン層4の侵蝕を抑制するとともに、レジコン層4から液体への化学物質の溶出を阻止する。
外面保護層6は無くてもかまわないが、あった方がよい。多層管1の耐久性を向上させるとともに、多層管1の外部に存在する液体の汚染を防止できる。
外面保護層6は、合成樹脂又はエラストマーからなることが好ましい。
合成樹脂又はエラストマーは、内面保護層2と同様である。
<多層管1の製造方法>
多層管1の製造方法は、特に限定されず、フィラメントワインディング法、遠心成形法、引抜成形法又はハンドレイアップ法等、従来公知の製造方法が挙げられる。
フィラメントワインディング法は、芯筒を回転させながら一定速度で送り、内面保護層2、内面FRP層3、バルキーロービング及び三次元織物からなる群から選択される少なくとも1種、レジコン層4、バルキーロービング及び三次元織物からなる群から選択される少なくとも1種、外面FRP層5、外面保護層6の材料を順次巻き付け、順次加熱し、熱硬化性樹脂を硬化させて多層管を連続的に製造する製造方法である。芯筒のサイズを変更することにより、様々なサイズのFRPM管を製造できる。
[実施例1]
<試験片の作製>
イソ系不飽和ポリエステル樹脂100質量部と、珪砂(サン・ネット社製)800質量部とを混合し、ミキサーを用いてよく混錬した。
得られた混合物に、硬化剤(パーメックN、日油社製)0.6質量部を混合して、レジンコンクリート組成物を調製した。
調製したレジンコンクリート組成物を、内寸が縦200mm×横50mm×高さ300mmの型に、高さ約150mmまで流し込んだ。
イソ系不飽和ポリエステル樹脂100質量部と、硬化剤(パーメックN、日油社製)0.6質量部を混合して、不飽和ポリエステル樹脂組成物を調製した。
型の中のレジンコンクリート組成物の上に、バルキーロービング(1200tex;エアーによるバルキー加工 嵩高率4%)を2プライ積層した。さらに、その上に、調製した不飽和ポリエステル樹脂組成物を含浸させたロービングクロス(WR570C、日東紡)を20プライ積層した。
型の中のレジンコンクリート組成物にバルキーロービング及び不飽和ポリエステル樹脂組成物を含浸させたロービングクロスを積層したものを、型ごと常温で20時間硬化後、60℃2時間アフターキュアした。
得られた積層体から縦20mm×横15mm×厚み30mmの直方体形状を切りだした。得られた積層体のレジンコンクリート層とFRP層の界面には、バルキーロービングが配置されていた。
試験片は、同様にして、合計6個作製した。
<せん断強度の評価>
作製した試験片のうち4個を用いてせん断強度を評価した。
試験片のレジンコンクリート層を保持し、FRP層に荷重をかけて、試験片の破壊状態を観察した。破壊は、レジコン層材破、FRP層材破及び界面剥離のいずれに該当するかにより評価した。
試験装置として、島津オートグラフAG−1 10kN(島津製作所社製)を用いて、試験速度を1mm/minに設定した。
評価結果を表1に示す。レジコン層材破、FRP層材破及び界面剥離のうち、該当するものにチェックを付けた。
[比較例1]
バルキーロービングに代えて、ガラス繊維束(1200tex)をすだれ状に並べた点を除いて、実施例1と同様にして積層体を作製した。
得られた積層体のレジンコンクリート層及びFRP層の厚みは、いずれも約15mmであった。得られた積層体のレジンコンクリート層とFRP層の界面には、すだれ状に並べられたガラス繊維束が配置されていた。
試験片は、同様にして、合計6個作製した。
実施例1と同様にして、せん断強度を評価した。
評価結果を表1に示す。レジコン層材破、FRP層材破及び界面剥離のうち、該当するものにチェックを付けた。
Figure 2020157588
[実施例2]
<試験片の作製>
実施例1と同様にしてレジンコンクリート組成物を調製した。
調製したレジンコンクリート組成物を、内寸が縦200mm×横50mm×高さ300mmの型に、高さ約150mmまで流し込んだ。
実施例1と同様にして不飽和ポリエステル樹脂組成物を調製した。
型の中のレジンコンクリート組成物の上に、バルキーロービング(1200tex;エアーによるバルキー加工 嵩高率4%)を2プライ積層した。さらに、その上に、調製した不飽和ポリエステル樹脂組成物を含浸させたロービングクロス(WR570C、日東紡)を20プライ積層した。
型の中のレジンコンクリート組成物にバルキーロービング及び不飽和ポリエステル樹脂組成物を含浸させたロービングクロスを積層したものを、型ごと常温で20時間硬化後、60℃2時間アフターキュアした。
得られた積層体から縦20mm×横15mm×厚み30mmの直方体形状を切りだした。得られた積層体のレジンコンクリート層とFRP層の界面には、バルキーロービングが配置されていた。
試験片は、同様にして、合計4個作製した。
<曲げ強度の評価>
作製した試験片のうち3個を用いて曲げ強度を評価した。
試験片のFRP層側を支点間距離60mmで保持し、両支点から30mmの位置のレジンコンクリート層側から荷重をかけて、試験片の破壊状態を観察した。破壊は、レジコン層材破、FRP層材破及び界面剥離のいずれに該当するかにより評価した。
試験装置として、島津オートグラフAG−1 10kN(島津製作所社製)を用いて、試験速度を1.5mm/minに設定した。
試験結果を表2に示す。レジコン層材破、FRP層材破及び界面剥離のうち、該当するものにチェックを付けた。
[比較例2]
バルキーロービングに代えて、ガラス繊維束(1200tex)をすだれ状に並べた点を除いて、実施例2と同様にして積層体を作製した。
得られた積層体のレジンコンクリート層の厚みは5mmであり、FRP層の厚みは5mmであった。得られた積層体のレジンコンクリート層とFRP層の界面には、すだれ状に並べられたガラス繊維束が配置されていた。
試験片は、同様にして、合計4個作製した。
実施例2と同様にして、曲げ強度を評価した。
評価結果を表2に示す。レジコン層材破、FRP層材破及び界面剥離のうち、該当するものにチェックを付けた。
Figure 2020157588
[結果の説明]
実施例1及び実施例2から、本発明の積層体は、優れたせん断強度及び曲げ強度を有することが示唆された。
本発明の積層体と同様の構造を有する多層管もまた、優れたせん断強度及び曲げ強度を有することが予想できる。
本発明の積層体は、優れたせん断強度及び曲げ強度を有するため、引張応力及び圧縮応力がかかる環境で使用する部材に用いることができる。本発明の多層管は、特に、地下洞道内に架空敷設される電力ケーブル保護管等、支持具によって支持され、支持点に曲げ荷重が負荷される管に好適である。
1 多層管
2 内面保護層
3 内面FRP層
3a 内面FRP層(周方向)
3b 内面FRP層(軸方向)
4 レジコン層
5 外面FRP層
5a 外面FRP層(軸方向)
5b 外面FRP層(周方向)
6 外面保護層
10、20 積層体
11、21、13、23 繊維強化プラスチック層(FRP層)
12、22 レジンコンクリート層(レジコン層)
28、29 レジンコンクリート層(レジコン層)と繊維強化プラスチック層(FRP層)との界面

Claims (4)

  1. レジンコンクリート層と、繊維強化プラスチック層と、を備え、
    前記レジンコンクリート層と前記繊維強化プラスチック層との界面に、バルキーロービング及び三次元織物から選択される少なくとも1つが位置する、
    積層体。
  2. 前記レジンコンクリート層が含む熱硬化性樹脂と、前記繊維強化プラスチック層が含む熱硬化性樹脂とは、同一の熱硬化性樹脂である、請求項1に記載の積層体。
  3. レジンコンクリート層と、繊維強化プラスチック層と、を備え、
    前記レジンコンクリート層と前記繊維強化プラスチック層との界面に、バルキーロービング及び三次元織物から選択される少なくとも1つが位置する、
    多層管。
  4. 前記レジンコンクリート層が含む熱硬化性樹脂と、前記繊維強化プラスチック層が含む熱硬化性樹脂とは、同一の熱硬化性樹脂である、請求項3に記載の多層管。
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CN114347502A (zh) * 2022-01-05 2022-04-15 泰山玻璃纤维有限公司 基于膨体纱改性的碳-玻混拉板及其生产工艺
JP2022075100A (ja) * 2020-11-06 2022-05-18 株式会社サンレック レジンコンクリート構造体の補強構造、レジンコンクリート構造体の製造方法

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