JP2020155555A - パターン基板の製造方法、パターン基板及びパターン基板製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液体吐出ヘッドの1回の走査で液体を吐出できる液体吐出用領域をもつ線状パターンの自由度を高める。【解決手段】基板の線状パターン1に液体吐出用領域3〜6を形成し、該液体吐出用領域へ液体吐出ヘッドのノズル列から液体を吐出してパターン基板を製造するパターン基板の製造方法であって、少なくとも2以上の液体吐出用領域を、前記液体吐出ヘッドのノズル列方向における最小解像ピッチPn又はその倍数に相当する距離だけノズル列方向(Y軸方向)の位置が互いにずれて配列されるように、かつ、その列上で互いに分離されるように、形成する。【選択図】図3
Description
本発明は、パターン基板の製造方法、パターン基板及びパターン基板製造装置に関するものである。
従来、基板の線状パターンに形成される液体吐出用領域へ液体吐出ヘッドのノズル列から液体を吐出してパターン基板を製造するパターン基板の製造方法が知られている。
例えば、特許文献1には、高表面エネルギー領域と低表面エネルギー領域とが形成された基板の高表面エネルギー領域に対し、導電性材料を含む液体をインクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)で吐出して、高表面エネルギー領域のパターン(線状パターン)に応じた導電パターンを基板上に形成する方法が開示されている。この方法において、高表面エネルギー領域は配線領域と液体吐出用領域とからなり、インクジェットヘッドにより液体吐出用領域に対して連続して吐出した液体が配線領域へ流動することで、高表面エネルギー領域の全体に液体が広がり、高表面エネルギー領域のパターンに応じた導電パターンが形成される。液体が連続して吐出される液体吐出用領域は、直線状に延びる1本の配線領域上に、インクジェットヘッドのノズルピッチに相当する間隔をあけて2以上形成されている。そして、インクジェットヘッドの1回の走査で、当該2以上の液体吐出用領域に対して、それぞれ対応する各ノズルから液体を吐出する。
ところが、従来の方法では、液体吐出ヘッドの1回の走査で液体を吐出できる2以上の液体吐出用領域をもつ線状パターンは、液体吐出ヘッドのノズル列方向(複数のノズルが配列されている方向)に平行な方向に延びる直線状のパターンだけであった。そのため、液体吐出ヘッドの1回の走査で液体を吐出できる2以上の液体吐出用領域をもつ線状パターンの自由度が非常に低いという課題があった。
上述した課題を解決するために、本発明は、基板の線状パターンに液体吐出用領域を形成し、該液体吐出用領域へ液体吐出ヘッドのノズル列から液体を吐出してパターン基板を製造するパターン基板の製造方法であって、少なくとも2以上の液体吐出用領域を、前記液体吐出ヘッドのノズル列方向における最小解像ピッチ又はその倍数に相当する距離だけノズル列方向の位置が互いにずれて配列されるように、かつ、その列上で互いに分離されるように、形成することを特徴とする。
本発明によれば、液体吐出ヘッドの1回の走査で液体を吐出できる液体吐出用領域をもつ線状パターンの自由度を高めることができる。
以下、本発明を、巻き線パターンからなる素子である薄膜コイルを備えたパターン基板の製造方法に適用した一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるパターン基板を製造するために用いる製造装置としての液体を吐出する装置であるインクジェット式パターン作成装置を示す模式図である。
本実施形態のインクジェット式パターン作成装置100は、図1に示すように、架台60の上には、Y軸駆動手段61が設置してある。Y軸駆動手段61には、基板10を搭載するステージ63がY軸方向に駆動できるように設置されている。なお、ステージ63には、真空、静電気などの吸着手段が設けられており、この吸着手段によって基板10が固定されている。
図1は、本実施形態におけるパターン基板を製造するために用いる製造装置としての液体を吐出する装置であるインクジェット式パターン作成装置を示す模式図である。
本実施形態のインクジェット式パターン作成装置100は、図1に示すように、架台60の上には、Y軸駆動手段61が設置してある。Y軸駆動手段61には、基板10を搭載するステージ63がY軸方向に駆動できるように設置されている。なお、ステージ63には、真空、静電気などの吸着手段が設けられており、この吸着手段によって基板10が固定されている。
また、X軸支持部材64には、X軸駆動手段65が取り付けられている。X軸駆動手段65には、Z軸駆動手段67上に搭載されたヘッドベース66が取り付けられており、ヘッドベース66は、X軸駆動手段65により、Z軸駆動手段67とともにX軸方向に移動できるようになっている。また、ヘッドベース66は、Z軸駆動手段67によりZ軸方向にも移動できるようになっている。
ヘッドベース66には、液体である導電インクを吐出させる液体吐出ヘッド68が搭載されている。この液体吐出ヘッド68には、インク貯蔵用のタンクからインク供給用パイプ70を通じて導電インクが供給される。導電インクは、溶媒内に導電性粒子が分散した液体であり、基板に付着した後に溶媒が蒸発等して除去されることにより、導電性粒子が基板上に付着して導電性パターンが形成される。
液体吐出ヘッド68は、所定のノズルピッチPnでY軸方向に沿って複数のノズルが配列されたマルチノズルタイプの液体吐出ヘッドである。したがって、本実施形態におけるノズル列方向はY軸方向と一致する。なお、本実施形態では、液体吐出ヘッド68上にノズル列が一列に設けられた簡易な例で説明するため、ノズル列方向の最小解像ピッチは当該ノズル列のノズルピッチと一致する。しかしながら、図2に示すように、液体吐出ヘッド68上にノズル列方向のノズル位置が互いにずれている複数のノズル列(図2の例では4列)が設けられている場合、当該液体吐出ヘッドにおけるノズル列方向の最小解像ピッチは、各ノズル列のノズルピッチPnの1/2、1/4、1/8、1/16、1/32等となる。図2の例では、ノズルピッチPnの1/4が液体吐出ヘッドにおけるノズル列方向の最小解像ピッチとなる。なお、ここでいう液体吐出ヘッドとは、図2に示すように、複数の液体吐出ヘッド(部品)がヘッドマウントやキャリッジに搭載されて一体化されたものを含む。
以下、本実施形態では、線状パターンである導電性の巻き線パターンからなる薄膜コイル(薄膜スパイラルインダクタ)を基板上に形成する例について説明するが、基板上に形成される線状のパターンであれば、例えば、直線状のパターンでも曲線状のパターンでもよいし、線状パターンのライン幅が変化するようなパターンであってもよい。また、線状パターンの用途も、例えば、本実施形態の薄膜コイルのように、素子の一部または全部を構成するものであってもよいし、素子ではない配線などであってもよい。また、線状パターンは、導電性パターンに限らず、絶縁性パターンなど他の電気的特性をもつパターンであってもよい。
図3は、本実施形態における基板上に複数の薄膜コイルを形成した例を示す平面図である。
図4は、本実施形態における1個の薄膜コイルを拡大して示した平面図である。
なお、図3では、薄膜コイルが配置されている回路部分だけを示しているが、基板上には他の素子や配線なども配置されている。
図4は、本実施形態における1個の薄膜コイルを拡大して示した平面図である。
なお、図3では、薄膜コイルが配置されている回路部分だけを示しているが、基板上には他の素子や配線なども配置されている。
本実施形態の薄膜コイル1は、基板上に形成された第一絶縁層の上に第一導電層を渦巻状に形成して巻き線パターン(渦巻状導電パターン)を作成し、その上に第二絶縁層を形成してなる。第一導電層の両端部(巻き線パターンの両端に位置する後述の拡幅部3,6)の上には第二絶縁層を貫通する導通孔が形成され、第二絶縁層の上に形成される第二導電層が導通孔を介して引き出し電極を形成する。薄膜コイル1は、引き出し電極に電圧を印加することにより第一導電層に電流が流れ、巻き線パターンを流れる電流によって巻き線内部に磁束が発生し、インダクタとして機能する。
本実施形態においては、図3に示すように、5×2配列の合計10個の薄膜コイル1−1〜1−10(以下、各薄膜コイルを区別しない場合には、各薄膜コイルを識別する「−1」等の符号は適宜省略する。)が基板上に形成される。なお、薄膜コイル1の数や配列については、適宜設定することができる。本実施形態の薄膜コイル1は、図3に示すように、その外形がおよそ矩形状をなしているが、図5に示すような曲線状パターンによる円形状のものでもよい。
図3において、符号H1は、薄膜コイル1の横方向(図3中左右方向)のサイズを示し、符号H2は、横方向における薄膜コイル1間の離間幅を示す。したがって、横方向における薄膜コイル1間のピッチは、(H1+H2)となる。ただし、本実施形態において、横方向の4個目の薄膜コイル1−4と5個目の薄膜コイル1−5との離間幅だけは、図3に示すように広く設定されている。
また、図3において、符号V1は、薄膜コイル1の縦方向(図3中上下方向)のサイズを示し、符号V2は、縦方向における薄膜コイル1間の離間幅を示す。したがって、縦方向における薄膜コイル1間のピッチは、(V1+V2)となる。
このような薄膜コイル1を基板上に形成する方法としては、印刷法によるアディティブプロセス(Additive Process)を用いる方法が注目されている。薄膜の塗布プロセスとフォトリソグラフィープロセスとを繰り返して基板上に薄膜コイル1を形成する一般的な方法は、形成した薄膜の部分的に除去することを繰り返すため、除去される薄膜材料は無駄になることや、エッチングのための材料も必要となるなど、コストがかかる。これに対し、上述したアディティブプロセスを用いた方法は、必要部分にだけ薄膜材料を供給するため、薄膜材料の無駄やエッチングのための材料が不要であり、低コスト化が可能である。このようなアディティブプロセスには、例えば、インクジェット法によるパターン形成技術を用いることができる。
一般に、インクジェット法により基板上に薄膜コイル1等の線状パターンを形成するにあたっては、限られたライン幅で厚みのある線状パターンを形成することが求められるケースが多い。具体的には、省スペースで低抵抗(低い電気抵抗値)の導電性の線状パターンを実現することが求められる場合や、省スペースで絶縁性能の高い絶縁性の線状パターンを実現することが求められる場合などである。
しかしながら、インクジェット法を用いて厚みのある線状パターンを形成しようとすると、通常は、同じ箇所に複数回にわたって液体を吐出して重ね合わせていくことになるが、この場合、吐出された液体が幅方向へ広がり、ライン幅が増大する。そのため、限られた狭いライン幅で厚みのある線状パターンを、その線状パターンに沿ってインクジェット法により液体を吐出させて形成することは困難である。
この点を改善する方法としては、予め下地として、線状パターンに対応するバンクパターンや撥液・親液パターンを基板上に作成しておく方法が知られている。この方法によれば、例えばバンクパターンの場合、バンクパターンのバンク(溝)内に供給された液体は溝内に留まるので、同じ箇所に複数回にわたって液体を吐出して重ね合わせる場合でも、液体による線状パターンのライン幅が溝幅よりも広がることがない。また、例えば撥液・親液パターンの場合も、親液パターン部に供給された液体は、その周囲の撥液パターン部によって親液パターン部内に留められるので、同じ箇所に複数回にわたって液体を吐出して重ね合わせる場合でも、液体による線状パターンのライン幅が親液パターン部の幅よりも広がることがない。
ただし、この方法では、液体吐出ヘッドから吐出される液体が基板に着弾したときの液体付着エリアの大きさ(ドット径)よりもライン幅が狭い線状パターンを形成することができない。また、この方法は、ドット径よりもライン幅が広い線状パターンを形成する場合でも、ライン間隔が液体吐出ヘッドから吐出される液体の着弾位置精度よりも広い場合でないと採用できず、間隔が狭い複数の線状パターンを形成することができない。なお、ここでいう「ドット径」とは、第一絶縁層上に着弾した導電性インクの付着面積と同じ面積をもつ真円の直径をいうものとする。
そこで、液体吐出ヘッドから吐出される液体を吐出するための液体吐出用領域を線状パターンに形成し、その液体吐出用領域に液体を吐出することによって、その液体を液体吐出用領域以外の線状パターン部分(図3では細線部2)へ流動させ、パターン全体に液体を行き渡らせる方法が提案されている。この方法によれば、例えば、液体吐出ヘッドから吐出される液体の着弾に必要な十分な広さの液体吐出用領域を形成しておくことで、液体吐出用領域以外の線状パターン部分については、ドット径よりもライン幅を狭く形成することが可能となるし、着弾位置精度よりも当該線状パターン部分の間隔を狭く形成することもできる。
ただし、基板上の液体吐出用領域の配置が液体吐出ヘッドのノズルピッチ(最小解像ピッチ)に関係なく設定されていると、より詳しくは、液体吐出ヘッドの1回の吐出動作で1個ずつの液体吐出用領域にしか液体を吐出できないような配置であると、現在主流である複数ノズルを備えた液体吐出ヘッドを用いる場合でも、パターン形成効率が上がらない。
そこで、本実施形態では、図3に示すように、基板上に配置される複数の液体吐出用領域である拡幅部3−1,4−1,5−1,6−1,・・・,3−4,4−4,5−4,6−4,・・・,3−10,4−10,5−10,6−10のうちの少なくとも2以上の拡幅部が、液体吐出ヘッド68のノズル列方向の最小解像ピッチ(本実施形態ではノズルピッチPn)又はその倍数に相当する距離だけノズル列方向(Y軸方向)の位置が互いに異なるように形成されている。特に、図3に示す例では、当該2以上の拡幅部の並び方向(列方向)とノズル列方向とが一致していることから、当該2以上の拡幅部は、液体吐出ヘッド68のノズルピッチPn又はその倍数Pn×N(Nは自然数)に相当する距離をもってノズル列方向(Y軸方向)に配列するように形成されている。
このように配置された2以上の拡幅部に対しては、同じタイミングで(1回の吐出動作で)、液体吐出ヘッド68に設けられるノズル列の複数のノズルから液体(導電性インク)を吐出することができる。したがって、液体吐出ヘッドの1回の吐出動作で1個ずつの拡幅部にしか液体を吐出できない配置よりも、パターン形成時間を短縮することができる。
図3の例では、1つの薄膜コイル1は、4つの拡幅部3〜6とこれらの拡幅部3〜6から延びる細線部2とから構成された線状パターンが渦巻状に形成された巻き線パターンである。そして、その拡幅部3〜6は、液体吐出ヘッド68のノズルピッチPn又はその倍数に相当する距離だけノズル列方向(Y軸方向)の位置が互いに異なっている。本実施形態の液体吐出ヘッド68は、4つ以上のノズルがノズル列方向に並べて配列されているため、各薄膜コイル1における4つの拡幅部3〜6には、同じタイミングで(1回の吐出動作で)、液体(導電性インク)を吐出することができ、パターン形成時間を短縮することができる。
また、本実施形態において、図3に示すように、第一薄膜コイル1−1における4つの拡幅部3−1〜6−1に対しては、第十薄膜コイル1−10における4つの拡幅部3−10〜6−10が、液体吐出ヘッド68のノズルピッチPn又はその倍数に相当する距離だけノズル列方向(Y軸方向)の位置が互いに異なっている。したがって、本実施形態の液体吐出ヘッド68が、これらの8つの拡幅部3−1〜6−1,3−10〜6−10に対して同時に対向し得る数のノズルをノズル列方向に備えたものであれば、第一薄膜コイル1−1と第十薄膜コイル1−10の拡幅部3−1〜6−1,3−10〜6−10に対し、同じタイミングで(1回の吐出動作で)、液体(導電性インク)を吐出することができ、パターン形成時間を短縮することができる。
なお、本実施形態では、基板上に形成される拡幅部3〜6の最小ピッチPA、すなわち、各薄膜コイル1における互いに隣り合う拡幅部3〜6のピッチPAが、ノズルピッチPn(最小解像ピッチ)に設定されているが、ノズルピッチPnの倍数に設定されていても同様である。
また、本実施形態のように、複数の第一薄膜コイル1−1〜1−10が基板上に縦方向及び横方向に列をなすように整列されていることで、ダイシング工程を簡略化できる点で、有益である。
また、基板上に形成される拡幅部3〜6の最小ピッチPAは、ノズルピッチPn(最小解像ピッチ)よりも狭く設定してもよい。例えば、各薄膜コイル1における互いに隣り合う拡幅部3〜6のピッチPAを、ノズルピッチPnの1/N(Nは自然数)に設定してもよい。この場合、液体吐出ヘッド68のノズルピッチPn又はその倍数に相当する距離だけノズル列方向(Y軸方向)の位置が互いに異なる2以上の拡幅部の組み合わせが、複数存在すると考えることができる。
例えば、基板上に形成される拡幅部3〜6の最小ピッチPAがノズルピッチPnの1/2である場合、第一薄膜コイル1−1における拡幅部3−1と拡幅部5−1との間のピッチはノズルピッチPnに一致し、また、拡幅部3−1(拡幅部5−1でもよい。)に対する、第十薄膜コイル1−10における拡幅部3−10及び拡幅部5−10のピッチは、ノズルピッチPnの倍数に一致する。したがって、これらの拡幅部3−1,5−1,3−10,5−10に対しては、同じタイミングで(1回の吐出動作で)、液体(導電性インク)を吐出することができ、パターン形成時間を短縮することができる。
また、この場合、第一薄膜コイル1−1における拡幅部4−1と拡幅部6−1との間のピッチはノズルピッチPnに一致し、拡幅部4−1(拡幅部6−1でもよい。)に対する、第十薄膜コイル1−10における拡幅部4−10及び拡幅部6−10のピッチは、ノズルピッチPnの倍数に一致する。したがって、これらの拡幅部4−1,6−1,4−10,6−10に対しては、同じタイミングで(1回の吐出動作で)、液体(導電性インク)を吐出することができ、パターン形成時間を短縮することができる。
したがって、基板上に形成される拡幅部3〜6の最小ピッチPAがノズルピッチPn(最小解像ピッチ)よりも狭く設定されている場合でも、結局のところ、液体吐出ヘッド68のノズルピッチPn又はその倍数に相当する距離だけノズル列方向(Y軸方向)の位置が互いに異なる2以上の拡幅部が存在していれば、当該2以上の拡幅部については同じタイミングで(1回の吐出動作で)、液体(導電性インク)を吐出することができ、パターン形成時間を短縮することができる。
また、本実施形態においては、図3に示すように、第一薄膜コイル1−1における3つの拡幅部4−1〜6−1に対しては、第六薄膜コイル1−6における3つの拡幅部3−6〜5−6が、液体吐出ヘッド68の走査方向(主走査方向)に延びる同じ主走査線上に配置されている。第二薄膜コイル1−2と第七薄膜コイル1−7なども、図3にしめすように、同様の配置関係となっている。これらの拡幅部については、液体吐出ヘッド68の1回の走査で、当該液体吐出ヘッドに設けられるノズル列の複数のノズルから液体を吐出することができる。
更に、本実施形態においては、上述した2以上の拡幅部(すなわち、液体吐出ヘッド68のノズルピッチPn(最小解像ピッチ)又はその倍数に相当する距離だけノズル列方向(Y軸方向)の位置が互いに異なる2以上の拡幅部)3〜6は、当該2以上の拡幅部の列上(当該2以上の拡幅部を通ってノズル列方向に延びる直線上)で、互いに分離している。すなわち、当該2以上の拡幅部3〜6は、当該2以上の拡幅部3〜6の列上で互いに離間しており、しかも、拡幅部以外の線状パターン部分である細線部2によっても、当該2以上の拡幅部3〜6の列上では互いに連結されていない。
液体吐出ヘッド68のノズルピッチPn(最小解像ピッチ)又はその倍数に相当する距離だけノズル列方向(Y軸方向)の位置が互いに異なる2以上の拡幅部が、当該2以上の拡幅部の列上で、拡幅部以外の線状パターン部分(細線部2)により互いに連結されている構成では、ノズル列方向に平行な方向に延びる直線状のパターンでしか、パターン形成時間の短縮化を図れない。しかしながら、本実施形態のように、上述した2以上の拡幅部3〜6が当該2以上の拡幅部の列上で互いに分離していれば、このような直線状のパターンに制限されることなく、多種多様な線状パターンに対しても、パターン形成時間の短縮化を図ることができる。その結果、本実施形態のような巻き線パターンのように屈折部あるいは屈曲部を有するような線状パターンにも適用して、パターン形成時間の短縮化を図ることができる。
また、例えば、図6に示すように、複雑な形状をもった配線パターン(線状パターン)、あるいは、分岐を含むような配線パターン(線状パターン)であっても、その配線パターン8に対し、液体吐出ヘッド68のノズルピッチPn(最小解像ピッチ)又はその倍数に相当する距離だけノズル列方向(Y軸方向)の位置が互いに異なる2以上の拡幅部7a〜7hを形成することで、パターン形成時間の短縮化を図ることができる。なお、図6の例のように、当該2以上の拡幅部7a〜7hの中に、当該2以上の拡幅部3〜6の列上において拡幅部以外の線状パターン部分である細線部2によって互いに連結された2つの拡幅部7b,7c(及び2つの拡幅部7be,7f)が含まれていてもよい。
また、本実施形態のような第一薄膜コイル1−1と第十薄膜コイル1−10のように、互いに独立した複数の線状パターンにも適用して、パターン形成時間の短縮化を図ることができる。
なお、図3の例は、2以上の拡幅部3〜6の並び方向(列方向)とノズル列方向(Y軸方向)とが一致している例であるが、図5の例のように、2以上の拡幅部3〜6の並び方向(図5の左右方向)とノズル列方向(Y軸方向)とが一致していなくてもよい。この場合でも、当該2以上の拡幅部3〜6が、図5に示すように、液体吐出ヘッド68のノズルピッチPn(最小解像ピッチ)又はその倍数に相当する距離だけノズル列方向(Y軸方向)の位置が互いに異なっていればよい。このような構成であれば、当該2以上の拡幅部3〜6に対し、液体吐出ヘッド68の1回の走査で、液体吐出ヘッド68に設けられるノズル列の複数のノズルから液体を吐出することができる。したがって、個々の拡幅部に対し、液体吐出ヘッド68を複数回走査して液体を吐出する場合よりも、パターン形成時間を短縮することができる。
また、図5の例に示すように、2以上の拡幅部3〜6の列が、ノズル列方向(Y軸方向)に対して傾斜した方向に延びている場合にも、多種多様な線状パターンに対して、パターン形成時間の短縮化を図ることができる。
本実施形態における薄膜コイル1を基板10上に形成する手順としては、まず、基板10上に形成した第一絶縁層の上に、下地として、当該薄膜コイル1の線状パターン(液体吐出用領域3〜6)に対応する撥液・親液パターンを作成する。このパターンは、液体(導電性インク)を付着させる線状パターンに沿って当該液体に対して親液性を有する親液パターンを形成し、この親液パターンの周囲に当該液体に対して撥液性を有する撥液パターンを形成したものである。
このような撥液・親液パターンが作成された基板10を、図1に示したインクジェット式パターン作成装置100のステージ63上にセットする。そして、インクジェット式パターン作成装置100のY軸駆動手段61によって、液体を吐出すべき拡幅部が液体吐出ヘッド68のY軸方向位置に対応する位置に位置決めしたら、X軸駆動手段65により液体吐出ヘッド68をX軸方向へ移動させる。そして、液体吐出ヘッド68は、基板10上の拡幅部に対応する位置に移動したら、所定の駆動信号に従って、対向している2以上の拡幅部に対応する各ノズルから液体を吐出する。
本実施形態においては、拡幅部3〜6に吐出した液体を細線部2へと流動させて拡幅部3〜6及び細線部2の全域を所定量の液体で満たす必要がある。そのため、各拡幅部3〜6に対して複数回の吐出によって液体を吐出することが必要になる。
図3に示す例では、上述したとおり、2以上の拡幅部の並び方向(列方向)とノズル列方向(Y軸方向)とが一致していて、当該2以上の拡幅部が、液体吐出ヘッド68のノズルピッチPn(最小解像ピッチ)又はその倍数Pn×N(Nは自然数)に相当する距離をもってノズル列方向(Y軸方向)に配列されている。この場合、液体吐出ヘッド68をX軸方向への移動を停止した状態で複数回の吐出を行うことで、1回の走査で、当該2以上の拡幅部に対して必要量の液体を供給することが可能である。
一方、図5に示す例では、上述したとおり、2以上の拡幅部の並び方向(列方向)とノズル列方向(Y軸方向)とが一致していないため、当該2以上の拡幅部に対して同じタイミング(実質的に同時)で液体を吐出することができない。しかしながら、液体吐出ヘッド68の走査スピードに対して当該2以上の拡幅部のX軸方向サイズが十分に広ければ、各拡幅部に対して液体吐出ヘッド68を走査しながら複数回の液体吐出が可能である。この場合も、少ない走査回数で(望ましくは1回の走査で)、当該2以上の拡幅部に対して必要量の液体を供給することが可能である。
また、本実施形態の薄膜コイル1を構成する線状パターンは、拡幅部3〜6が液体吐出ヘッド68のノズル列から吐出される液体のドット径よりも広く、かつ、拡幅部3〜6以外の部分である細線部2は、液体吐出ヘッド68のノズル列から吐出される液体のドット径よりも狭い。このような細線部2をもつ薄膜コイル1は、当該線状パターンに沿ってインクジェット法により液体を吐出させて形成する方法では形成できないが、本実施形態によれば形成することができる。
また、図3の例に示すように、2以上の拡幅部3〜6からそれぞれ延びている細線部2の部分が、ノズル列方向(Y軸方向)に対して傾斜した方向に延びる直線パターンである。このような構成であれば、直線パターンを含む多種多様な線状パターンに対して、パターン形成時間の短縮化を図ることができる。
特に、図4に示すように、2以上の拡幅部3〜6からそれぞれ延びている直線パターンである複数の細線部2(細線部2のうち図4中左右方向に延びる部分)は、ラインピッチPLで互いに平行に延びている。このような構成においては、ノズル列方向(Y軸方向)に対する当該細線部2の傾斜角θ及び当該2以上の拡幅部3〜6の最小ピッチPAとの関係が下記の式(1)を満たすように、ラインピッチPLを設定する。
θ = Arcsin(PL/Pn) ・・・(1)
θ = Arcsin(PL/Pn) ・・・(1)
この設定であれば、例えば、当該2以上の拡幅部3〜6の最小ピッチPAがノズルピッチPnであるとき、ラインピッチPLをノズルピッチPnよりも狭く設定することが可能となる。すなわち、このような狭いラインピッチPLで互いに平行に延びる直線パターンに形成される当該2以上の拡幅部に対し、同じタイミング(実質的に同時)で液体を吐出することができ、パターン形成時間の短縮化を図ることができる。
また、本実施形態においては、各薄膜コイル1における始端と終端に拡幅部3,6が形成されている。このように線状パターンの端部に拡幅部を設けることで、線状パターンの途中に形成される拡幅部の数を減らすことができる。線状パターンの途中に形成される拡幅部は、当該線状パターンによって構成される素子や配線等の特性に影響を与えやすいので、このような拡幅部の数を減らせることで、素子や配線等の特性への影響を抑えることができる。
また、本実施形態の薄膜コイル1は、図4に示すように、線状パターンである巻き線パターンの途中に形成される拡幅部4,5が、当該巻き線パターンの始端及び終端に形成される2つの拡幅部3,6の間に配置されている。このような配置とすることで、すべての拡幅部3〜6を薄膜コイル1の一端側(図4中左上側)へ片寄せして配置することができる。その結果、渦巻の周方向における多くの領域(図4において渦巻の右側と下側の領域)を細線部2だけで構成することができる。その結果、高いインダクタンス値をもつ薄膜コイル1を得ることができる。
また、本実施形態の薄膜コイル1の巻き線パターンの始端及び終端に形成される2つの拡幅部3,6のように、線状パターンの端部に位置する拡幅部については、図7に示すように、細線部2の幅方向一端側(図7中上側の細線部側面)が、矩形状の拡幅部3,6の一辺(図7中の上辺)から真っすぐに延びるように構成するのが好ましい。このような構成は、図7に示すように、線状パターンの端部に配置される複数の拡幅部3,6からそれぞれ延びる複数の細線部2を短いピッチで配置するうえで有利な形状である。
また、本実施形態の薄膜コイル1の巻き線パターンの途中に形成される2つの拡幅部4,5のように、線状パターンの途中に位置する拡幅部については、図8に示すような構成が好ましい。具体的には、一方の細線部2(図8中、拡幅部から右側へ延びる細線部2)の幅方向一端側(図8中上側の細線部側面)が、矩形状の拡幅部4,5の一辺(図8中の上辺)から真っすぐに延びるように構成し、他方の細線部2(図8中、拡幅部から左側へ延びる細線部2)の幅方向一端側(図8中下側の細線部側面)が、矩形状の拡幅部4,5の前記一辺の対辺(図8中の下辺)から真っすぐに延びるように構成する。このような構成は、図8に示すように、線状パターンの途中に配置される複数の拡幅部4,5からそれぞれ延びる複数の細線部2を短いピッチで配置するうえで有利な形状である。
なお、本実施形態において、矩形状の拡幅部3〜6の角部や細線部2コーナー部は、R形状としてもよい。
また、本実施形態においては、すべての拡幅部3〜6の形状寸法が同一であるが、形状や寸法が異なる拡幅部を含んでもよい。例えば、巻き線パターンにおける内側の拡幅部ほど寸法が小さくなるように構成してもよい。
また、本実施形態においては、すべての拡幅部3〜6の形状寸法が同一であるが、形状や寸法が異なる拡幅部を含んでもよい。例えば、巻き線パターンにおける内側の拡幅部ほど寸法が小さくなるように構成してもよい。
また、本実施形態においては、基板上に形成されるすべての薄膜コイル1−1〜1−10の全拡幅部3−1〜6−10は、図3に示すように、X軸方向に延びる複数の主走査線をノズルピッチPnのピッチでY軸方向へ並べて配置し、かつ、Y軸方向に延びる複数の副走査線を、X軸駆動手段65が液体吐出ヘッド68を移動可能な最小ピッチでX軸方向へ並べて配置したとき、主走査線及び副走査線のいずれかの線上に位置するように配置されている。これによれば、パターン形成時間のより効率的な短縮化を図ることができる。
また、図9に示すように、基板上に形成される薄膜コイル1’の拡幅部3’〜7’は、複数のチップにまたがって配置されていてもよい。この場合、薄膜コイル1’の形成後、チップ間に設けられるダイシングライン11に沿って基板を切断して個々のチップに切り離される。なお、図9の例も、基板上に形成される全拡幅部3’〜7’が、X軸方向に延びる複数の主走査線をノズルピッチPnのピッチでY軸方向へ並べて配置し、かつ、Y軸方向に延びる複数の副走査線を、X軸駆動手段65が液体吐出ヘッド68を移動可能な最小ピッチでX軸方向へ並べて配置したとき、主走査線及び副走査線のいずれかの線上に位置するように配置されている。よって、パターン形成時間のより効率的な短縮化を図ることができる。
また、本実施形態では、図4に示した構成の薄膜コイル1を例に挙げて説明しているが、他の構成をもつ薄膜コイル1であってもよい。例えば、拡幅部3〜6の形状は、図10に示すように角部を面取りした形状であってもよいし、図11に示すように角部をR形状としたものであってもよい。特に、図10及び図11に示すように、拡幅部3〜6と細線部2との接続部分を、拡幅部3〜6から細線部2へ向けて徐々に幅が狭くなるような形状(先細り形状、漏斗状)とすることで、拡幅部3〜6に吐出された液体が細線部2へ流れ込みやすくなり、薄膜コイル1全体への液体の流動性を高めることができる。このような流動性を高める形状としては、図12や図13に示すような形状も好適である。
また、例えば、図14に示すように、細線部2が曲線状(円形、楕円形、自由曲線形状など)で構成された薄膜コイル1であってもよい。また、例えば、図15に示すように、細線部2の線幅や細線部2間の間隔が部分的に異なるように構成された薄膜コイル1であってもよい。
また、本実施形態では、図4に示したように、すべての拡幅部3〜6を薄膜コイル1の一端側(図4中左上側)へ片寄せして配置した例であったが、このような配置に限られない。例えば、図16に示すように、4つの拡幅部3A,4A,5A,6AからなるセットAと3つの拡幅部3B,4B,5BからなるセットBとを、それぞれ異なる端部側(図16中左上側と右下側)へ片寄せして配置したものであってもよい。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[第1態様]
第1態様は、基板10の線状パターン(例えば薄膜コイル1,1’、配線パターン8)上に液体吐出用領域(例えば拡幅部3〜6,7a〜7h,3’〜7’)を形成し、該液体吐出用領域へ液体吐出ヘッド68のノズル列から液体(例えば導電性インク)を吐出してパターン基板を製造するパターン基板の製造方法であって、少なくとも2以上の液体吐出用領域を、前記液体吐出ヘッドのノズル列方向の最小解像ピッチ(例えばノズルピッチPn)又はその倍数に相当する距離だけノズル列方向(Y軸方向)の位置が互いにずれて配列されるように、かつ、その列上で互いに分離されるように、形成することを特徴とするものである。
液体吐出ヘッドの最小解像ピッチ又はその倍数に相当する距離だけノズル列方向の位置が互いにずれている2以上の液体吐出用領域については、当該液体吐出ヘッドの1回の走査(ここでいう「走査」は、液体吐出ヘッドと基板とが主走査方向へ相対移動すればよく、例えば液体吐出ヘッドを固定して基板を移動させる場合を含む。)で、当該液体吐出ヘッドに設けられる複数のノズルから当該2以上の液体吐出用領域へ液体を吐出することができる。よって、本態様によれば、個々の液体吐出用領域に対し、液体吐出ヘッドを複数回走査して液体を吐出する場合よりも、パターン形成時間を短縮することができる。
しかも、本態様においては、このように配置される2以上の液体吐出用領域は、当該2以上の液体吐出用領域の列上で互いに分離している。これは、当該2以上の液体吐出用領域が、当該2以上の液体吐出用領域の列上で互いに離間しており、しかも、液体吐出用領域以外の線状パターン部分によっても、当該2以上の液体吐出用領域の列上では互いに連結されていないことを意味する。これにより、ノズル列方向に平行な方向に延びる直線状のパターン(当該2以上の液体吐出用領域が当該2以上の液体吐出用領域の列上で液体吐出用領域以外の線状パターン部分により互いに連結している場合)に限らず、多種多様な線状パターンの液体吐出用領域に対し、1回の走査で液体を吐出することが可能となる。よって、液体吐出ヘッドの1回の走査で液体を吐出できる液体吐出用領域をもつ線状パターンの自由度を高めることができる。
なお、当該2以上の液体吐出用領域は、当該2以上の液体吐出用領域の列上で互いに分離しているのであれば、当該2以上の液体吐出用領域の列上ではない別の箇所で、液体吐出用領域以外の線状パターン部分により連結されていてもよい。
[第1態様]
第1態様は、基板10の線状パターン(例えば薄膜コイル1,1’、配線パターン8)上に液体吐出用領域(例えば拡幅部3〜6,7a〜7h,3’〜7’)を形成し、該液体吐出用領域へ液体吐出ヘッド68のノズル列から液体(例えば導電性インク)を吐出してパターン基板を製造するパターン基板の製造方法であって、少なくとも2以上の液体吐出用領域を、前記液体吐出ヘッドのノズル列方向の最小解像ピッチ(例えばノズルピッチPn)又はその倍数に相当する距離だけノズル列方向(Y軸方向)の位置が互いにずれて配列されるように、かつ、その列上で互いに分離されるように、形成することを特徴とするものである。
液体吐出ヘッドの最小解像ピッチ又はその倍数に相当する距離だけノズル列方向の位置が互いにずれている2以上の液体吐出用領域については、当該液体吐出ヘッドの1回の走査(ここでいう「走査」は、液体吐出ヘッドと基板とが主走査方向へ相対移動すればよく、例えば液体吐出ヘッドを固定して基板を移動させる場合を含む。)で、当該液体吐出ヘッドに設けられる複数のノズルから当該2以上の液体吐出用領域へ液体を吐出することができる。よって、本態様によれば、個々の液体吐出用領域に対し、液体吐出ヘッドを複数回走査して液体を吐出する場合よりも、パターン形成時間を短縮することができる。
しかも、本態様においては、このように配置される2以上の液体吐出用領域は、当該2以上の液体吐出用領域の列上で互いに分離している。これは、当該2以上の液体吐出用領域が、当該2以上の液体吐出用領域の列上で互いに離間しており、しかも、液体吐出用領域以外の線状パターン部分によっても、当該2以上の液体吐出用領域の列上では互いに連結されていないことを意味する。これにより、ノズル列方向に平行な方向に延びる直線状のパターン(当該2以上の液体吐出用領域が当該2以上の液体吐出用領域の列上で液体吐出用領域以外の線状パターン部分により互いに連結している場合)に限らず、多種多様な線状パターンの液体吐出用領域に対し、1回の走査で液体を吐出することが可能となる。よって、液体吐出ヘッドの1回の走査で液体を吐出できる液体吐出用領域をもつ線状パターンの自由度を高めることができる。
なお、当該2以上の液体吐出用領域は、当該2以上の液体吐出用領域の列上で互いに分離しているのであれば、当該2以上の液体吐出用領域の列上ではない別の箇所で、液体吐出用領域以外の線状パターン部分により連結されていてもよい。
[第2態様]
第2態様は、第1態様において、前記少なくとも2以上の液体吐出用領域は、該少なくとも2以上の液体吐出用領域の列方向とノズル列方向とが互いに一致していることを特徴とするものである。
このような2以上の液体吐出用領域に対しては、同じタイミングで(1回の吐出動作で)、液体吐出ヘッドに設けられる複数のノズルから液体を吐出することができる。したがって、液体吐出ヘッドの1回の吐出動作で1個ずつの拡幅部にしか液体を吐出できない配置よりも、パターン形成時間を短縮することができる。
第2態様は、第1態様において、前記少なくとも2以上の液体吐出用領域は、該少なくとも2以上の液体吐出用領域の列方向とノズル列方向とが互いに一致していることを特徴とするものである。
このような2以上の液体吐出用領域に対しては、同じタイミングで(1回の吐出動作で)、液体吐出ヘッドに設けられる複数のノズルから液体を吐出することができる。したがって、液体吐出ヘッドの1回の吐出動作で1個ずつの拡幅部にしか液体を吐出できない配置よりも、パターン形成時間を短縮することができる。
[第3態様]
第3態様は、第1又は第2態様において、前記少なくとも2以上の液体吐出用領域のうちの1つ以上の液体吐出用領域から前記液体吐出ヘッドの走査方向に延びる主走査線上に、1つ又は2つ以上の液体吐出用領域が位置することを特徴とするものである。
これによれば、当該1つ以上の液体吐出用領域と当該1つ又は2つ以上の液体吐出用領域とに対し、1回の走査で液体を吐出することができ、パターン形成時間を短縮することができる。
第3態様は、第1又は第2態様において、前記少なくとも2以上の液体吐出用領域のうちの1つ以上の液体吐出用領域から前記液体吐出ヘッドの走査方向に延びる主走査線上に、1つ又は2つ以上の液体吐出用領域が位置することを特徴とするものである。
これによれば、当該1つ以上の液体吐出用領域と当該1つ又は2つ以上の液体吐出用領域とに対し、1回の走査で液体を吐出することができ、パターン形成時間を短縮することができる。
[第4態様]
第4態様は、第1乃至第3態様のいずれかにおいて、前記液体吐出用領域は、前記液体吐出ヘッドのノズル列から吐出される液体のドット径よりも広く、前記線状パターンにおける前記液体吐出用領域以外の線状パターン部分(例えば細線部2)は、前記液体吐出ヘッドのノズル列から吐出される液体のドット径よりも幅が狭い部分を含むことを特徴とするものである。
これによれば、液体吐出ヘッドのノズル列から吐出される液体のドット径よりも幅が狭い部分を含む線状パターンを形成することができる。
第4態様は、第1乃至第3態様のいずれかにおいて、前記液体吐出用領域は、前記液体吐出ヘッドのノズル列から吐出される液体のドット径よりも広く、前記線状パターンにおける前記液体吐出用領域以外の線状パターン部分(例えば細線部2)は、前記液体吐出ヘッドのノズル列から吐出される液体のドット径よりも幅が狭い部分を含むことを特徴とするものである。
これによれば、液体吐出ヘッドのノズル列から吐出される液体のドット径よりも幅が狭い部分を含む線状パターンを形成することができる。
[第5態様]
第5態様は、第1乃至第4態様のいずれかにおいて、前記少なくとも2以上の液体吐出用領域からそれぞれ延びる線状パターン部分は、ノズル列方向に対して傾斜した方向に延びる直線パターンであることを特徴とするものである。
本態様によれば、当該2以上の液体吐出用領域から直線パターンが延びるような線状パターンについて、液体吐出ヘッドの1回の走査で液体を吐出できる線状パターンの自由度を高めることができる。
第5態様は、第1乃至第4態様のいずれかにおいて、前記少なくとも2以上の液体吐出用領域からそれぞれ延びる線状パターン部分は、ノズル列方向に対して傾斜した方向に延びる直線パターンであることを特徴とするものである。
本態様によれば、当該2以上の液体吐出用領域から直線パターンが延びるような線状パターンについて、液体吐出ヘッドの1回の走査で液体を吐出できる線状パターンの自由度を高めることができる。
[第6態様]
第6態様は、第5態様において、前記少なくとも2以上の液体吐出用領域からそれぞれ延びる複数の前記直線パターンは、ラインピッチPLで互いに平行に延び、前記ノズル列方向に対する前記直線パターンの傾斜角がθであり、前記少なくとも2以上の液体吐出用領域の最小ピッチがPAであるとき、前記ラインピッチPLが下記の式(1)を満たすことを特徴とするものである。
θ = Arcsin(PL/PA) ・・・(1)
本態様においては、ラインピッチPLを当該2以上の液体吐出用領域の最小ピッチPAよりも狭く設定した線状パターンについても、適用可能である。
第6態様は、第5態様において、前記少なくとも2以上の液体吐出用領域からそれぞれ延びる複数の前記直線パターンは、ラインピッチPLで互いに平行に延び、前記ノズル列方向に対する前記直線パターンの傾斜角がθであり、前記少なくとも2以上の液体吐出用領域の最小ピッチがPAであるとき、前記ラインピッチPLが下記の式(1)を満たすことを特徴とするものである。
θ = Arcsin(PL/PA) ・・・(1)
本態様においては、ラインピッチPLを当該2以上の液体吐出用領域の最小ピッチPAよりも狭く設定した線状パターンについても、適用可能である。
[第7態様]
第7態様は、第1乃至第6態様のいずれかにおいて、前記少なくとも2以上の液体吐出用領域の列は、前記ノズル列方向に対して傾斜した方向に延びていることを特徴とするものである。
本態様によれば、液体吐出ヘッドの1回の走査で液体を吐出できる液体吐出用領域をもつ線状パターンの自由度を高めることができる。
第7態様は、第1乃至第6態様のいずれかにおいて、前記少なくとも2以上の液体吐出用領域の列は、前記ノズル列方向に対して傾斜した方向に延びていることを特徴とするものである。
本態様によれば、液体吐出ヘッドの1回の走査で液体を吐出できる液体吐出用領域をもつ線状パターンの自由度を高めることができる。
[第8態様]
第8態様は、第1乃至第7のいずれかにおいて、前記少なくとも2以上の液体吐出用領域は、単一の線状パターンに形成された複数の液体吐出用領域を含むことを特徴とするものである。
本態様によれば、単一の線状パターンに形成される複数の液体吐出用領域に対し、1回の走査で液体を吐出することができる。
第8態様は、第1乃至第7のいずれかにおいて、前記少なくとも2以上の液体吐出用領域は、単一の線状パターンに形成された複数の液体吐出用領域を含むことを特徴とするものである。
本態様によれば、単一の線状パターンに形成される複数の液体吐出用領域に対し、1回の走査で液体を吐出することができる。
[第9態様]
第9態様は、第8態様において、前記複数の液体吐出用領域は、前記単一の線状パターンを渦巻状に構成した単一の巻き線パターン(例えば薄膜コイル1)の始端と終端に形成される液体吐出用領域(例えば拡幅部3,6)を含むことを特徴とするものである。
本態様によれば、線状パターンの途中に形成される液体吐出用領域の数を減らすことができる。線状パターンの途中に形成される液体吐出用領域は、当該線状パターンによって構成される素子や配線等の特性に影響を与えやすいので、このような液体吐出用領域の数を減らせることで、素子や配線等の特性への影響を抑えることができる。
第9態様は、第8態様において、前記複数の液体吐出用領域は、前記単一の線状パターンを渦巻状に構成した単一の巻き線パターン(例えば薄膜コイル1)の始端と終端に形成される液体吐出用領域(例えば拡幅部3,6)を含むことを特徴とするものである。
本態様によれば、線状パターンの途中に形成される液体吐出用領域の数を減らすことができる。線状パターンの途中に形成される液体吐出用領域は、当該線状パターンによって構成される素子や配線等の特性に影響を与えやすいので、このような液体吐出用領域の数を減らせることで、素子や配線等の特性への影響を抑えることができる。
[第10態様]
第10態様は、第9態様において、前記複数の液体吐出用領域は、前記単一の巻き線パターンの途中に形成される液体吐出用領域(例えば拡幅部4,5)を含み、かつ、該液体吐出用領域が該単一の巻き線パターンの始端及び終端に形成される2つの液体吐出用領域の間に位置することを特徴とするものである。
本態様によれば、単一の巻き線パターンを構成するすべての液体吐出用領域を当該単一の巻き線パターンの一端側へ片寄せして配置することができる。その結果、渦巻の周方向における多くの領域を、液体吐出用領域以外の線状パターン部分だけで構成することが可能となり、高い電気的特性を備えた巻き線パターンを得ることができる。
第10態様は、第9態様において、前記複数の液体吐出用領域は、前記単一の巻き線パターンの途中に形成される液体吐出用領域(例えば拡幅部4,5)を含み、かつ、該液体吐出用領域が該単一の巻き線パターンの始端及び終端に形成される2つの液体吐出用領域の間に位置することを特徴とするものである。
本態様によれば、単一の巻き線パターンを構成するすべての液体吐出用領域を当該単一の巻き線パターンの一端側へ片寄せして配置することができる。その結果、渦巻の周方向における多くの領域を、液体吐出用領域以外の線状パターン部分だけで構成することが可能となり、高い電気的特性を備えた巻き線パターンを得ることができる。
[第11態様]
第11態様は、第1乃至第10態様のいずれかにおいて、前記少なくとも2以上の液体吐出用領域は、複数の線状パターンにそれぞれ形成される液体吐出用領域を含むことを特徴とするものである。
本態様によれば、複数の線状パターンにまたがって形成される複数の液体吐出用領域に対し、1回の走査で液体を吐出することができる。
第11態様は、第1乃至第10態様のいずれかにおいて、前記少なくとも2以上の液体吐出用領域は、複数の線状パターンにそれぞれ形成される液体吐出用領域を含むことを特徴とするものである。
本態様によれば、複数の線状パターンにまたがって形成される複数の液体吐出用領域に対し、1回の走査で液体を吐出することができる。
[第12態様]
第12態様は、線状パターン(例えば薄膜コイル1,1’、配線パターン8)に拡幅部3〜6,7a〜7h,3’〜7’が形成されているパターン基板であって、少なくとも2以上の拡幅部が、該少なくとも2以上の拡幅部の最小ピッチPA又はその倍数に相当する距離をあけて直線状に配列され、かつ、その列上で互いに分離していることを特徴とするものである。
液体吐出ヘッドのノズル列から線状パターンの拡幅部へ液体を吐出して、拡幅部以外の線状パターン部分を含む線状パターン全体に液体を行き渡らせて得られるパターン基板において、パターン形成時間の短縮が可能なパターン基板を提供することができる。
第12態様は、線状パターン(例えば薄膜コイル1,1’、配線パターン8)に拡幅部3〜6,7a〜7h,3’〜7’が形成されているパターン基板であって、少なくとも2以上の拡幅部が、該少なくとも2以上の拡幅部の最小ピッチPA又はその倍数に相当する距離をあけて直線状に配列され、かつ、その列上で互いに分離していることを特徴とするものである。
液体吐出ヘッドのノズル列から線状パターンの拡幅部へ液体を吐出して、拡幅部以外の線状パターン部分を含む線状パターン全体に液体を行き渡らせて得られるパターン基板において、パターン形成時間の短縮が可能なパターン基板を提供することができる。
[第13態様]
第13態様は、第12態様において、前記少なくとも2以上の拡幅部からそれぞれ延びる線状パターン部分(例えば細線部2)は、該少なくとも2以上の拡幅部の列方向に対して傾斜した方向に延びる直線パターンであることを特徴とするものである。
本態様によれば、当該2以上の拡幅部から直線パターンが延びるような線状パターンをもつパターン基板について、線状パターンの自由度の高いパターン基板を提供することができる。
第13態様は、第12態様において、前記少なくとも2以上の拡幅部からそれぞれ延びる線状パターン部分(例えば細線部2)は、該少なくとも2以上の拡幅部の列方向に対して傾斜した方向に延びる直線パターンであることを特徴とするものである。
本態様によれば、当該2以上の拡幅部から直線パターンが延びるような線状パターンをもつパターン基板について、線状パターンの自由度の高いパターン基板を提供することができる。
[第14態様]
第14態様は、第13態様において、前記少なくとも2以上の拡幅部からそれぞれ延びる複数の前記直線パターンは、ラインピッチPLで互いに平行に延び、前記列方向に対する前記直線パターンの傾斜角がθであり、前記少なくとも2以上の拡幅部の最小ピッチがPAであるとき、前記ラインピッチPLが下記の式(1)を満たすことを特徴とするものである。
θ = Arcsin(PL/PA) ・・・(1)
本態様においては、ラインピッチPLを当該2以上の拡幅部の最小ピッチPAよりも狭く設定した線状パターンをもつパターン基板を提供することができる。
第14態様は、第13態様において、前記少なくとも2以上の拡幅部からそれぞれ延びる複数の前記直線パターンは、ラインピッチPLで互いに平行に延び、前記列方向に対する前記直線パターンの傾斜角がθであり、前記少なくとも2以上の拡幅部の最小ピッチがPAであるとき、前記ラインピッチPLが下記の式(1)を満たすことを特徴とするものである。
θ = Arcsin(PL/PA) ・・・(1)
本態様においては、ラインピッチPLを当該2以上の拡幅部の最小ピッチPAよりも狭く設定した線状パターンをもつパターン基板を提供することができる。
[第15態様]
第15態様は、第12乃至第14態様のいずれかにおいて、前記少なくとも2以上の拡幅部は、単一の線状パターンに形成された複数の拡幅部を含むことを特徴とするものである。
本態様によれば、単一の線状パターンに複数の拡幅部が形成されたパターン基板について、パターン形成時間の短縮が可能なパターン基板を提供することができる。
第15態様は、第12乃至第14態様のいずれかにおいて、前記少なくとも2以上の拡幅部は、単一の線状パターンに形成された複数の拡幅部を含むことを特徴とするものである。
本態様によれば、単一の線状パターンに複数の拡幅部が形成されたパターン基板について、パターン形成時間の短縮が可能なパターン基板を提供することができる。
[第16態様]
第16態様は、第15態様において、前記複数の拡幅部は、前記単一の線状パターンを渦巻状に構成した単一の巻き線パターン(例えば薄膜コイル1)の始端と終端に形成される拡幅部3,6を含むことを特徴とするものである。
本態様によれば、単一の巻き線パターンに複数の拡幅部が形成されたパターン基板について、当該巻き線パターンによって構成される素子や配線等の特性劣化が抑制されたパターン基板を提供することができる。
第16態様は、第15態様において、前記複数の拡幅部は、前記単一の線状パターンを渦巻状に構成した単一の巻き線パターン(例えば薄膜コイル1)の始端と終端に形成される拡幅部3,6を含むことを特徴とするものである。
本態様によれば、単一の巻き線パターンに複数の拡幅部が形成されたパターン基板について、当該巻き線パターンによって構成される素子や配線等の特性劣化が抑制されたパターン基板を提供することができる。
[第17態様]
第17態様は、第16態様において、前記複数の拡幅部は、前記単一の巻き線パターンの途中に形成される拡幅部4,5を含み、かつ、該拡幅部が該単一の巻き線パターンの始端及び終端に形成される2つの拡幅部4,6の間に位置することを特徴とするものである。
本態様によれば、単一の巻き線パターンを構成するすべての拡幅部が当該単一の巻き線パターンの一端側へ片寄せして配置されるため、高い電気的特性を備えた巻き線パターンをもつパターン基板を提供することができる。
第17態様は、第16態様において、前記複数の拡幅部は、前記単一の巻き線パターンの途中に形成される拡幅部4,5を含み、かつ、該拡幅部が該単一の巻き線パターンの始端及び終端に形成される2つの拡幅部4,6の間に位置することを特徴とするものである。
本態様によれば、単一の巻き線パターンを構成するすべての拡幅部が当該単一の巻き線パターンの一端側へ片寄せして配置されるため、高い電気的特性を備えた巻き線パターンをもつパターン基板を提供することができる。
[第18態様]
第18態様は、第12乃至第17態様のいずれかにおいて、前記少なくとも2以上の拡幅部は、複数の線状パターンにそれぞれ形成される拡幅部を含むことを特徴とするものである。
本態様によれば、複数の線状パターンに複数の拡幅部が形成されたパターン基板について、パターン形成時間の短縮が可能なパターン基板を提供することができる。
第18態様は、第12乃至第17態様のいずれかにおいて、前記少なくとも2以上の拡幅部は、複数の線状パターンにそれぞれ形成される拡幅部を含むことを特徴とするものである。
本態様によれば、複数の線状パターンに複数の拡幅部が形成されたパターン基板について、パターン形成時間の短縮が可能なパターン基板を提供することができる。
[第19態様]
第19態様は、基板の線状パターンに液体吐出用領域を形成し、該液体吐出用領域へ液体吐出ヘッドのノズル列から液体を吐出してパターン基板を製造するパターン基板製造装置であって、少なくとも2以上の液体吐出用領域を、前記液体吐出ヘッドのノズル列方向における最小解像ピッチ又はその倍数に相当する距離だけノズル列方向の位置が互いにずれて配列されるように、かつ、その列上で互いに分離されるように、形成することを特徴とする。
本態様によれば、個々の液体吐出用領域に対し、液体吐出ヘッドを複数回走査して液体を吐出する場合よりも、パターン形成時間を短縮することができる。
しかも、本態様においては、ノズル列方向に平行な方向に延びる直線状のパターン(当該2以上の液体吐出用領域が当該2以上の液体吐出用領域の列上で液体吐出用領域以外の線状パターン部分により互いに連結している場合)に限らず、多種多様な線状パターンの液体吐出用領域に対し、1回の走査で液体を吐出することが可能となる。よって、液体吐出ヘッドの1回の走査で液体を吐出できる液体吐出用領域をもつ線状パターンの自由度を高めることができる。
第19態様は、基板の線状パターンに液体吐出用領域を形成し、該液体吐出用領域へ液体吐出ヘッドのノズル列から液体を吐出してパターン基板を製造するパターン基板製造装置であって、少なくとも2以上の液体吐出用領域を、前記液体吐出ヘッドのノズル列方向における最小解像ピッチ又はその倍数に相当する距離だけノズル列方向の位置が互いにずれて配列されるように、かつ、その列上で互いに分離されるように、形成することを特徴とする。
本態様によれば、個々の液体吐出用領域に対し、液体吐出ヘッドを複数回走査して液体を吐出する場合よりも、パターン形成時間を短縮することができる。
しかも、本態様においては、ノズル列方向に平行な方向に延びる直線状のパターン(当該2以上の液体吐出用領域が当該2以上の液体吐出用領域の列上で液体吐出用領域以外の線状パターン部分により互いに連結している場合)に限らず、多種多様な線状パターンの液体吐出用領域に対し、1回の走査で液体を吐出することが可能となる。よって、液体吐出ヘッドの1回の走査で液体を吐出できる液体吐出用領域をもつ線状パターンの自由度を高めることができる。
1,1' :薄膜コイル
2 :細線部
3〜6,7a〜7h,3’〜7’:拡幅部
8 :配線パターン
10 :基板
11 :ダイシングライン
60 :架台
61 :Y軸駆動手段
63 :ステージ
64 :X軸支持部材
65 :X軸駆動手段
66 :ヘッドベース
67 :Z軸駆動手段
68 :液体吐出ヘッド
70 :インク供給用パイプ
100 :インクジェット式パターン作成装置
PA :最小ピッチ
PL :ラインピッチ
Pn :ノズルピッチ
θ :傾斜角
2 :細線部
3〜6,7a〜7h,3’〜7’:拡幅部
8 :配線パターン
10 :基板
11 :ダイシングライン
60 :架台
61 :Y軸駆動手段
63 :ステージ
64 :X軸支持部材
65 :X軸駆動手段
66 :ヘッドベース
67 :Z軸駆動手段
68 :液体吐出ヘッド
70 :インク供給用パイプ
100 :インクジェット式パターン作成装置
PA :最小ピッチ
PL :ラインピッチ
Pn :ノズルピッチ
θ :傾斜角
Claims (19)
- 基板の線状パターンに液体吐出用領域を形成し、該液体吐出用領域へ液体吐出ヘッドのノズル列から液体を吐出してパターン基板を製造するパターン基板の製造方法であって、
少なくとも2以上の液体吐出用領域を、前記液体吐出ヘッドのノズル列方向における最小解像ピッチ又はその倍数に相当する距離だけノズル列方向の位置が互いにずれて配列されるように、かつ、その列上で互いに分離されるように、形成することを特徴とするパターン基板の製造方法。 - 請求項1に記載のパターン基板の製造方法において、
前記少なくとも2以上の液体吐出用領域は、該少なくとも2以上の液体吐出用領域の列方向とノズル列方向とが互いに一致していることを特徴とするパターン基板の製造方法。 - 請求項1又は2に記載のパターン基板の製造方法において、
前記少なくとも2以上の液体吐出用領域のうちの1つ以上の液体吐出用領域から前記液体吐出ヘッドの走査方向に延びる主走査線上に、1つ又は2つ以上の液体吐出用領域が位置することを特徴とするパターン基板の製造方法。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のパターン基板の製造方法において、
前記液体吐出用領域は、前記液体吐出ヘッドのノズル列から吐出される液体のドット径よりも広く、
前記線状パターンにおける前記液体吐出用領域以外の線状パターン部分は、前記液体吐出ヘッドのノズル列から吐出される液体のドット径よりも幅が狭い部分を含むことを特徴とするパターン基板の製造方法。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のパターン基板の製造方法において、
前記少なくとも2以上の液体吐出用領域からそれぞれ延びる線状パターン部分は、ノズル列方向に対して傾斜した方向に延びる直線パターンであることを特徴とするパターン基板の製造方法。 - 請求項5に記載のパターン基板の製造方法において、
前記少なくとも2以上の液体吐出用領域からそれぞれ延びる複数の前記直線パターンは、ラインピッチPLで互いに平行に延び、
前記ノズル列方向に対する前記直線パターンの傾斜角がθであり、前記少なくとも2以上の液体吐出用領域の最小ピッチがPAであるとき、前記ラインピッチPLが下記の式(1)を満たすことを特徴とするパターン基板の製造方法。
θ = Arcsin(PL/PA) ・・・(1) - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のパターン基板の製造方法において、
前記少なくとも2以上の液体吐出用領域の列は、前記ノズル列方向に対して傾斜した方向に延びていることを特徴とするパターン基板の製造方法。 - 請求項1乃至7のいずれか1項に記載のパターン基板の製造方法において、
前記少なくとも2以上の液体吐出用領域は、単一の線状パターンに形成された複数の液体吐出用領域を含むことを特徴とするパターン基板の製造方法。 - 請求項8に記載のパターン基板の製造方法において、
前記複数の液体吐出用領域は、前記単一の線状パターンを渦巻状に構成した単一の巻き線パターンの始端と終端に形成される液体吐出用領域を含むことを特徴とするパターン基板の製造方法。 - 請求項9に記載のパターン基板の製造方法において、
前記複数の液体吐出用領域は、前記単一の巻き線パターンの途中に形成される液体吐出用領域を含み、かつ、該液体吐出用領域が該単一の巻き線パターンの始端及び終端に形成される2つの液体吐出用領域の間に位置することを特徴とするパターン基板の製造方法。 - 請求項1乃至10のいずれか1項に記載のパターン基板の製造方法において、
前記少なくとも2以上の液体吐出用領域は、複数の線状パターンにそれぞれ形成される液体吐出用領域を含むことを特徴とするパターン基板の製造方法。 - 線状パターンに拡幅部が形成されているパターン基板であって、
少なくとも2以上の拡幅部が、該少なくとも2以上の拡幅部の最小ピッチ又はその倍数に相当する距離をあけて直線状に配列され、かつ、その列上で互いに分離していることを特徴とするパターン基板。 - 請求項12に記載のパターン基板において、
前記少なくとも2以上の拡幅部からそれぞれ延びる線状パターン部分は、該少なくとも2以上の拡幅部の列方向に対して傾斜した方向に延びる直線パターンであることを特徴とするパターン基板。 - 請求項13に記載のパターン基板において、
前記少なくとも2以上の拡幅部からそれぞれ延びる複数の前記直線パターンは、ラインピッチPLで互いに平行に延び、
前記列方向に対する前記直線パターンの傾斜角がθであり、前記少なくとも2以上の拡幅部の最小ピッチがPAであるとき、前記ラインピッチPLが下記の式(1)を満たすことを特徴とするパターン基板。
θ = Arcsin(PL/PA) ・・・(1) - 請求項12乃至14のいずれか1項に記載のパターン基板において、
前記少なくとも2以上の拡幅部は、単一の線状パターンに形成された複数の拡幅部を含むことを特徴とするパターン基板。 - 請求項15に記載のパターン基板において、
前記複数の拡幅部は、前記単一の線状パターンを渦巻状に構成した単一の巻き線パターンの始端と終端に形成される拡幅部を含むことを特徴とするパターン基板。 - 請求項16に記載のパターン基板において、
前記複数の拡幅部は、前記単一の巻き線パターンの途中に形成される拡幅部を含み、かつ、該拡幅部が該単一の巻き線パターンの始端及び終端に形成される2つの拡幅部の間に位置することを特徴とするパターン基板。 - 請求項12乃至17のいずれか1項に記載のパターン基板において、
前記少なくとも2以上の拡幅部は、複数の線状パターンにそれぞれ形成される拡幅部を含むことを特徴とするパターン基板。 - 基板の線状パターンに液体吐出用領域を形成し、該液体吐出用領域へ液体吐出ヘッドのノズル列から液体を吐出してパターン基板を製造するパターン基板製造装置であって、
少なくとも2以上の液体吐出用領域を、前記液体吐出ヘッドのノズル列方向における最小解像ピッチ又はその倍数に相当する距離だけノズル列方向の位置が互いにずれて配列されるように、かつ、その列上で互いに分離されるように、形成することを特徴とするパターン基板製造装置。
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JP2019051802A JP2020155555A (ja) | 2019-03-19 | 2019-03-19 | パターン基板の製造方法、パターン基板及びパターン基板製造装置 |
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JP2010050353A (ja) * | 2008-08-22 | 2010-03-04 | Shin Etsu Handotai Co Ltd | 半導体ウエーハ及び半導体ウエーハの製造方法並びに半導体ウエーハの評価方法 |
JP2011139097A (ja) * | 2005-04-25 | 2011-07-14 | Brother Industries Ltd | パターン形成方法 |
-
2019
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Patent Citations (2)
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