JP2020155252A - 非水系リチウムイオン二次電池用セパレータ修復剤およびそれを含むリチウムイオン二次電池 - Google Patents

非水系リチウムイオン二次電池用セパレータ修復剤およびそれを含むリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の非水系リチウムイオン二次電池の短絡防止方法では外部応力によってセパレータに生じる亀裂に由来する電池の短絡を防ぐことができない点が課題であった。【解決手段】本発明の非水系リチウムイオン二次電池用セパレータ修復剤(X)は、電気絶縁体組成物からなる磁性粒子(A)を含有し、前記電気絶縁体組成物が、強磁性金属および強磁性金属酸化物からなる群から選ばれる体積平均粒子径(D50)5〜100nmの強磁性粒子(C)と体積抵抗率100kΩ・cm〜10MΩ・cmである電気絶縁体(D)とを含むことを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、非水系リチウムイオン二次電池用セパレータ修復剤およびそれを含むリチウムイオン二次電池に関する。
非水系リチウムイオン二次電池において、正極と負極を隔てるセパレータは短絡防止のために用いられている。しかしながら、セパレータは一般的には厚さ10〜20μm程度のポリプロピレン(PP)などの樹脂からなるフィルムである。そのため、電池の外部からセパレータに対する応力が局所的に集中する場合、亀裂が生じて短絡する恐れがある。しかしながら、セパレータに生じる亀裂による短絡を防ぐためにセパレータの厚みを大きくすると、電池の内部抵抗が増加し、充放電速度が低下してしまうため、充放電特性の観点から、セパレータの厚みは小さいことが望ましい。ポリプロピレン等の樹脂からなるセパレータは約100℃以上の高温に曝されると収縮するため、セパレータが破損することにより電池が短絡するという問題が知られている。そこで、セパレータの表面に無機粒子をコーティングすることで収縮を抑制し、電池が短絡するリスクを低減する方法が知られている(特許文献1)。
特表2014−500589号公報
しかしながら、従来の方法では外部応力によってセパレータに生じる亀裂に由来する電池の短絡を防ぐことが不十分であるという課題があった。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本願発明に到達した。即ち本発明は、電気絶縁体組成物からなる磁性粒子(A)を含有する非水系リチウムイオン二次電池用セパレータ修復剤であって、前記電気絶縁体組成物が強磁性金属および強磁性金属酸化物からなる群から選ばれる体積平均粒子径(D50)5〜100nmの強磁性粒子(C)と体積抵抗率100kΩ・cm〜10MΩ・cmである電気絶縁体(D)とを含んでなる非水系リチウムイオン二次電池用セパレータ修復剤(X)、およびこれを含む非水系リチウムイオン二次電池(Y)である。
本発明のセパレータ修復剤は、セパレータに生じた亀裂に由来する短絡を防止するという効果をもたらす。
以下、本発明を詳述する。
本発明の非水系リチウムイオン二次電池用セパレータ修復剤(X)は、電気絶縁体組成物からなる磁性粒子(A)と電解液(B)とを含有する非水系リチウムイオン二次電池用セパレータ修復剤であって、前記電気絶縁体組成物が強磁性金属および強磁性金属酸化物からなる群から選ばれる体積平均粒子径(D50)5〜100nmの強磁性粒子(C)と体積抵抗率100kΩ・cm〜10MΩ・cmである電気絶縁体(D)とを含む。
本発明の非水系リチウムイオン二次電池は、リチウムイオンの吸蔵および放出が可能な正極活物質を含有する正極、リチウムイオンの吸蔵および放出が可能な負極活物質を含有する負極、および非水電解液を含有する本発明のセパレータ修復剤を有する。より詳細には、正極と負極との間にはセパレータが設けられており、前記非水電解液は上記セパレータに含浸された状態で、正極、負極等と共に外装ケースに収容されている。
前記磁性粒子(A)は、強磁性金属および強磁性金属酸化物からなる群から選ばれる体積平均粒子径(D50)5〜100nmの強磁性粒子(C)と体積抵抗率100kΩ・cm〜10MΩ・cmである電気絶縁体(D)とを含有する電気絶縁体組成物である。
前記強磁性粒子(C)は、強磁性金属および強磁性金属酸化物からなる群から選ばれる体積平均粒子径(D50)5〜100nmの強磁性体である。
ここで強磁性体とは、例えば、磁場をかけるとその方向にきわめて強く磁化し、磁場を取り去っても残留磁化を示す物質をいう。強磁性体としては特に限定されないが、例えば鉄、ケイ素鋼、アモルファス磁性合金、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、ネオジム鉄ボロン磁石等が挙げられる。また、強磁性体としてはFe−Ni合金、Fe−Si合金、Fe−Co合金、Fe−Ni−Mo合金、Fe−Ni−Cu合金、Fe−Ni−Cr合金またはFe−Al−Si合金等も挙げられる。強磁性体は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。強磁性体粉末の体積平均粒子径(D50)は5〜100nmであり、短絡防止性能の観点から5〜75nmであることがより好ましく、5〜50nmであることが特に好ましい。「体積平均粒子径」とは、動的光散乱式粒径分布測定装置により測定した体積平均での粒度分布測定結果から求められる平均粒子径である。体積平均粒子径の測定は、例えば下記の方法で行うことができる。動的光散乱式粒径分布測定装置(LB−550、堀場製作所社製)を用いて、強磁性粒子を200ppm(重量比)となるようにアセトニトリルで希釈した溶液を測定サンプルとして測定することができる。
電気絶縁体(D)は、異なる電位の導体間に設置されたとき、その間を流れる電流が非常に僅かな媒体である。体積抵抗率が100kΩ・cm〜10MΩ・cmである媒体は、電気絶縁性を有する。電気絶縁体(D)は、電気絶縁性無機物(D1)または電気絶縁性有機物(D2)であり、短絡防止性の観点により好ましくは200kΩ・cm〜10MΩ・cm、より好ましくは500kΩ〜10MΩ・cmのものを用いることが好ましい。
体積抵抗率は次の方法で測定できる。粉体抵抗測定システム(MCP−PD51型、三菱ケミカルアナリテック社製)に1.5gのサンプルを秤量し、1MPaに加圧した状態での体積抵抗率を測定する。この時の体積抵抗率を電気絶縁性無機物(D1)または電気絶縁性有機物(D2)の体積抵抗率とした。
電気絶縁性無機物(D1)として具体的には、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、酸化ベリリウム、酸化銅、亜酸化銅等の強磁性を示さない金属酸化物、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の金属窒化物、炭化ケイ素等の金属炭化物、炭酸マグネシウムなどの金属炭酸塩、ダイヤモンド等の絶縁性炭素材料、水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウム等の金属水酸化物等が挙げられる。また、電気絶縁性有機物(D2)としては、非水系リチウムイオン二次電池用バインダーとして一般的に用いることのできる高分子が挙げられ、電気化学的安定性の観点からポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸エステルまたはスチレンブタジエン共重合物等が挙げられ、電解液への分散性の観点から好ましくはPP、PVDF、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルまたはスチレンブタジエン共重合物が挙げられる。これらは単独あるいは複数種類を組み合わせて用いることができる。
磁性粒子(A)の調整方法としては、強磁性粒子(C)を電気絶縁性無機物(D1)で被覆する場合、原子層堆積法(ALD)によって行うことができる。例えば、市販されているALD装置(PICOSUN社製)を用いて、強磁性金属粒子であるフェライト磁石の粉末(30nm)を酸化アルミニウムで被覆する場合、アルミニウム源として、アルミニウムトリイソプロポキシドを用い、酸素源として水を用い、成膜時にアルミニウムトリイソプロポキシドの温度を200℃、水の温度を20℃、反応槽の温度を200℃に調整し、アルミニウムトリイソプロポキシドの投入、パージ、水の投入、およびパージを1サイクル(成膜レート:0.4Å/サイクル)として、これを10サイクル繰り返すことにより、磁性粒子(A)を得ることができる。
強磁性粒子(C)を電気絶縁性有機物(D2)で被覆する場合は、攪拌棒および温度計をセットした耐圧反応容器に強磁性粒子(C)5部と溶媒95部と電気絶縁性有機物(D2)0.5部を耐圧反応容器の容積の40%まで仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度80℃まで昇温した。昇温後、二酸化炭素を供給し8MPaにして10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開して開放し、プレ分散液1を得て、プレ分散液1を再び耐圧反応容器に仕込み、80℃に温調し、二酸化炭素を供給し8MPaにして10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開にして開放しプレ分散液2を得ることができる。プレ分散液を耐圧反応容器に仕込み、80℃に温調し、二酸化炭素を供給し8MPaにして10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開して開放してプレ分散液を取り出す操作を10回繰り返すことで磁性粒子(A)の分散液が得られ、さらに減圧下、加熱して溶媒を留去することにより磁性粒子(A)の粉末を得ることができる。
磁性粒子(A)の重量に対する強磁性粒子(C)の重量割合は、短絡防止性の観点から20〜95重量%であることが好ましく、20〜70重量%がより好ましい。
磁性粒子(A)の体積平均粒子径(D50)は、短絡防止性の観点から7〜150nmであることが好ましく、より好ましくは7〜80nmである。
電解液(B)としては、例えば非水系リチウムイオン二次電池としての機能を発揮させるものであれば特に制限はない。電解液としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチルラクトン、トリメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、2−エトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、N−メチル−2−ピロリドン等の含窒素化合物、ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、リン酸トリエステル、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、1,3−プロパンスルトン、4−ブタンスルトン、ナフタスルトン等の各種有機溶媒にLiClO、LiBF、LiI、LiPF、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、LiAlCl、LiCl、LiBr、LiB(C、LiCHSO、LiCSO、Li(CFSON、Li(FSON等の電解質を溶解した溶液などが挙げられる。これらの中では、電池性能の観点から上述の各種カーボネート溶媒にLiPFを溶解した電解液が好ましい。電解液は、例えば有機溶媒と電解質とを、それぞれ1種を単独または2種以上組み合わせて用いることで調製される。
また、非水系リチウムイオン二次電池の特性を向上させる観点から、電解液にビニレンカーボネート(VC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、1,3−プロパンスルトン、2−プロピニルメタンスルホネート、シクロヘキシルベンゼン、t−アミルベンゼン、アジポニトリル、メチレンメタンジスルホン酸エステル等を電解液添加剤として含有することが好ましい。
本発明のセパレータ修復剤(X)は、電気絶縁体組成物からなる磁性粒子(A)と電解液(B)とを含有する非水系リチウムイオン二次電池用セパレータ修復剤であって、前記磁性粒子が体積平均粒子径(D50)5〜100nmの強磁性粒子(C)と体積抵抗率100kΩ・cm〜10MΩ・cmである電気絶縁体(D)とを含む。前記セパレータ修復剤は、撹拌棒および温度計をセットした加熱冷却装置付き反応容器にリチウムイオン二次電池に用いられる電解液と磁性粒子(A)の粉末を重量比50〜1000ppmとなるように投入、撹拌することで調整することができる。必要に応じて、前記セパレータ修復剤に含まれる磁性粒子のセパレータ表面における移動性を向上させるために分散剤を追加しても良い。分散剤としては、非水系リチウムイオン二次電池用電解液に溶解するものであり、電気化学的に安定なものであれば特に限定は無いが、分散安定性の観点から、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル等が好ましい。
本発明の非水系リチウムイオン二次電池(Y)の作成は、リチウムイオン二次電池の作製方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、ラミネート型のリチウムイオン二次電池の場合、市販の負極電極(宝泉社製)の塗工部分を42mm×74mm(10mm×10mmの負極端子付き)に切り取り、負極端子部分にリード体を溶接し、市販の正極電極(宝泉社製)の塗工部分を40mm×72mm(10mm×10mmの正極端子付き)に切り取り、正極端子部分にリード体を溶接させ、セパレータ(セルガード2500:旭化成社製)を78mm×46mmに切り取って、セパレータを挟むようにリード体を溶接させた負極と正極の活物質塗工面が対向するようにセットし、これらをアルミニウムラミネート包装材内に収め、次いで包装材中にセパレータ修復剤(X)を2mL注液して密封することで容量5mAhのリチウムイオン二次電池(Y)を得ることができる。
<セパレータの修復方法>
本発明のセパレータの修復方法は、非水系リチウムイオン二次電池に備えられたセパレータの損傷部位を非破壊的に修復する方法であって、前記電池の外部に電極面上垂直方向に電極面と平行して電磁石を積層し、前記電池に対して5mT〜1.25Tの磁場を印加することで、前記電池内部に含まれる電解液中の磁性粒子であって、体積平均粒子径5〜100nmの強磁性粒子(C)を体積抵抗率100kΩ・cm〜10MΩ・cmである電気絶縁体(D)中に含有してなる前記磁性粒子(A)をセパレータの損傷部位へ誘導することにより修復できる。
上記セパレータ修復方法では、電池の使用に伴ってセパレータ表面に生じる傷をセパレータの交換を行わずに、セパレータ修復剤中の磁性粒子を一方の電極から他方の電極に向かって貫通するように発生させた磁場の磁力線に沿って、磁性粒子が一方の電極表面からセパレータに向かって移動することで非破壊的にセパレータを修復することができる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に定めない限り、部は重量部、%は重量%を示す。
<実施例1>
攪拌棒および温度計をセットした耐圧反応容器に、メチルエチルケトン200部、およびジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート0.5部を投入し、窒素置換後170℃に昇温して十分溶解し、メタクリル酸メチル25部、スチレン75部およびメチルエチルケトン100部の混合溶液を、170℃で3時間滴下して重合し、さらにこの温度で30分間保持した。次いで脱溶剤を行い、電気絶縁性有機物(D2−1)を得た。電気絶縁性有機物(D2−1)の体積抵抗率は3.5MΩ・cmであった。
続いて、攪拌棒および温度計をセットした耐圧反応容器に、強磁性粒子(C)である酸化鉄(FeO、Fe:アルドリッチ社製、体積平均粒径20nm)5部、メチルエチルケトン95部と前記電気絶縁性有機物(D2−1)0.5部を、耐圧反応容器の全容積の40%まで仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度を80℃まで昇温した。昇温後、二酸化炭素を供給し8MPaにして10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを開放し、プレ分散液1を得た。プレ分散液1を再び耐圧反応容器に仕込み、80℃に温調したのち二酸化炭素を供給し8MPaにして10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開にして開放しプレ分散液2を得た。
上記プレ分散液2を耐圧反応容器に仕込み、80℃に温調し、二酸化炭素を供給して8MPaにして10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開して開放してプレ分散液を取り出す操作を10回繰り返すことで、前記電気絶縁性有機物(D2−1)によって被覆された酸化鉄である磁性粒子(A)のメチルエチルケトン分散液(F−1)を得た。この分散液中の磁性粒子(A)の体積平均粒子径は80nmであった。なお、体積平均粒子径の測定には動的光散乱式粒径分布測定装置(LB−550、堀場製作所社製)を使用した。
前記分散液(F−1)を−0.1MPaの減圧下、50℃でメチルエチルケトンを留去して磁性粒子(A−1)を得た。磁性粒子(A−2)の体積平均粒子径は30nmであった。また磁性粒子(A−2)の体積抵抗率は2.8MΩ・cmであった。磁性粒子(A−1)0.1部を電解液(エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=3:7(体積比)にLiPFを1mol/Lの濃度で溶解させたもの。キシダ化学社製)99.9部に対して混合、撹拌して非水系リチウムイオン二次電池用セパレータ修復剤(X−1)100部を得た。
<実施例2>
ALD装置(PICOSUN社製)により、酸化鉄(FeO、Fe:アルドリッチ社製、体積平均粒径20nm)の表面に酸化アルミニウムを製膜し、磁性粒子(A−2)を得た。磁性粒子(A−2)の体積平均粒子径は25nmであった。また磁性粒子(A−2)の体積抵抗率は2.3MΩ・cmであった。アルミ源として、アルミニウムトリイソプロポキシドを用い、酸素源として水を用いた。成膜時、アルミニウムトリイソプロポキシドの温度を200℃、水の温度を20℃、反応槽の温度を200℃とした。アルミニウムトリイソプロポキシドの投入、パージ、水の投入、およびパージを1サイクル(成膜レート:0.4Å/サイクル)とし、これを10サイクル繰り返して、磁性粒子(A−2)を得た。磁性粒子(A−2)をメチルエチルケトンに分散させて体積平均粒子径を測定したところ、平均粒子径は0.08μmであった。なお、体積平均粒子径の測定には動的光散乱式粒径分布測定装置(LB−550、堀場製作所社製)を使用した。
磁性粒子(A−2)0.1部を電解液(エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=3:7(体積比)にLiPFを1mol/Lの濃度で溶解させたもの。キシダ化学社製)99.9部に対して混合、撹拌して非水系リチウムイオン二次電池用セパレータ修復剤(X−2)100部を得た。
<実施例3>
市販の負極電極(宝泉社製)の塗工部分を42mm×74mm(10mm×10mmの負極端子付き)に切り取り、負極端子部分にリード体を溶接した。
また、市販の正極電極(宝泉社製)の塗工部分を40mm×72mm(10mm×10mmの正極端子付き)に切り取り、正極端子部分にリード体を溶接した。
セパレータ(セルガード2500、旭化成社製)を78mm×46mmに切り取って、セパレータを挟むようにリード体を溶接させた負極と正極の活物質塗工面が対向するようにセットし、これらをアルミニウムラミネート包装材内に収めた。この時、セパレータに加えられた外部応力によって生じた亀裂を再現するため、セパレータの中心に注射針で直径0.26mmの穴を空けた。
次いで、包装材中に電解液としてリチウムイオン二次電池用セパレータ修復剤(X−1)を2mL注液し、密封することで、実施例3の容量5mAhのリチウムイオン二次電池(Y−1)を得た。
<実施例4>
実施例3において、非水系リチウムイオン二次電池用セパレータ修復剤(X−1)を(X−2)に変更する以外は同様の方法で、容量5mAhの非水系リチウムイオン二次電池(Y−2)を得た。
<比較実施例1>
実施例3において、非水系リチウムイオン二次電池用セパレータ修復剤(X−1)を電解液(エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=3:7(体積比)にLiPFを1mol/Lの濃度で溶解させたもの。キシダ化学製)に変更する以外は同様の方法で、比較用非水系リチウムイオン二次電池(Y’−1)を得た。この時、セパレータに加えられた外部応力によって生じた亀裂を再現するため、セパレータの中心に注射針で0.26mmの穴を空けておいた。
<セパレータ修復剤を含む非水系リチウムイオン電池の短絡防止性能評価>
樹脂製の円筒形のボビン(直径90mm、厚さ1cm)にエナメル線(直径0.35mm×20m)を巻き付けてコイルを作成した。コイルの両端に10Vの直流電源を接続した。このコイルの上に上記実施例3〜4及び比較実施例1で作成したリチウムイオン二次電池(Y−1)、(Y−2)および比較用リチウムイオン二次電池(Y’−1)をそれぞれ載せ、25℃の恒温槽に入れ、充放電装置(北斗電工社製「HJ1001SD8」)と接続した。リチウムイオン二次電池(Y−1)、(Y−2)および比較用リチウムイオン二次電池(Y’−1)を、25℃の恒温槽内にてそれぞれ1mA(終始電流条件は0.25mA)で4.3Vまで定電流−定電圧(CC−CV)充電した後、1mA(終始電流条件は0.25mA)で3VまでCC−CV放電させた。同じ充放電条件で、充放電をさらに4回繰り返し、再び1mA(終始電流条件は0.25mA)で4.3Vまで定電流−定電圧(CC−CV)充電した。充電後、24時間、電圧を測定した。充電終了直後(0時間後)の電圧と24時間後の電圧を表1に記載した。
降下電圧が0.5V以上となった場合、短絡しているものとして判断した。また、降下電圧が0.5V以下の場合は短絡していないものとして判断した。
Figure 2020155252
本発明のセパレータ修復剤は、外部磁場が存在する環境下でセパレータに生じた亀裂に由来する短絡を防止するという効果を有することから、セパレータ修復剤として好適に使用することができる。

Claims (6)

  1. 電気絶縁体組成物からなる磁性粒子(A)を含有する非水系リチウムイオン二次電池用セパレータ修復剤であって、前記電気絶縁体組成物が強磁性金属および強磁性金属酸化物からなる群から選ばれる体積平均粒子径(D50)5〜100nmの強磁性粒子(C)と体積抵抗率100kΩ・cm〜10MΩ・cmである電気絶縁体(D)とを含んでなる非水系リチウムイオン二次電池用セパレータ修復剤(X)。
  2. 前記電気絶縁体(D)が強磁性を示さない金属酸化物または樹脂である請求項1に記載の非水系リチウムイオン二次電池用セパレータ修復剤。
  3. 前記磁性粒子(A)の重量に対して、前記強磁性粒子(C)を20〜95重量%含む請求項1または2に記載の非水系リチウムイオン二次電池用セパレータ修復剤。
  4. 前記磁性粒子(A)の体積平均粒子径(D50)が7〜150nmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水系リチウムイオン二次電池用セパレータ修復剤。
  5. 有機溶媒および電解質を含む電解液(B)を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水系リチウムイオン二次電池用セパレータ修復剤。
  6. 請求項1〜5に記載のセパレータ修復剤を含む非水系リチウムイオン二次電池(Y)。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20220120268A (ko) * 2021-02-23 2022-08-30 재단법인대구경북과학기술원 대류 유도형 이차전지용 전해질 및 이를 포함하는 이차전지
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