JP2020153886A - 光学装置および光測距装置ならびにそれらの方法 - Google Patents

光学装置および光測距装置ならびにそれらの方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020153886A
JP2020153886A JP2019054210A JP2019054210A JP2020153886A JP 2020153886 A JP2020153886 A JP 2020153886A JP 2019054210 A JP2019054210 A JP 2019054210A JP 2019054210 A JP2019054210 A JP 2019054210A JP 2020153886 A JP2020153886 A JP 2020153886A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
light receiving
unit
optical device
standby time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019054210A
Other languages
English (en)
Inventor
謙太 東
Kenta Azuma
謙太 東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2019054210A priority Critical patent/JP2020153886A/ja
Publication of JP2020153886A publication Critical patent/JP2020153886A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of Optical Distance (AREA)
  • Optical Radar Systems And Details Thereof (AREA)

Abstract

【課題】装置内部から外部にパルス光を射出して反射光を検出する光学装置では、射出光の異方向反射光による誤検出が生じ得る。【解決手段】光学装置20において、発光部40を収容した装置内部から外部にパルス光を射出し、パルス光に対応した反射光を検出可能な複数の受光回路68からの出力を重ね合わせた結果に従って、対象物からの反射光の検出を行なう。このとき、複数の受光回路のうちの少なくとも一部の受光回路については、重ね合わせから除外される待機時間を個別に設定する。【選択図】図5

Description

本開示は、光を用いた対象物の検出技術に関する。
レーザ光などのパルス光を照射して、対象物からの反射光を受光部で検出し、照射から受光までの戻り時間(TOF)を計測することで、対象物までの距離を測定する光測距の技術が知られている。こうした光測距装置では、光源から測定用のレーザ光などが、装置内部で不慮の反射を生じ、その散乱光、いわゆる迷光が受光部に戻って、誤検出を生じさせることがある。このため、装置内部での迷光の影響がある時間での測距を行なわない、という装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許第6285168号
上記特許発明は、迷光の影響を除去できる優れたものであるが、発光能力が高くなると、内部の迷光の影響を除いても、なお、不十分な場合がある。発明者は、こうした課題が、装置の内部からパルス光を外部に射出して、対象物の存否の検出や、対象物までの距離などを検出する光学装置一般において存在することを見いだした。
本開示は、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
本開示の一例として、発光と受光とを行なう光学装置が手供される。この光学装置(20)、装置内部に収容され、パルス光を射出する発光部(40)と、前記パルス光に対応した反射光を検出可能な複数の受光回路(68)を含み、前記各受光回路からの出力を重ね合わせた結果に応じて、対象物(OBJ)からの反射光の検出を行なう受光部(60)と、複数の受光回路のうちの少なくとも一部の受光回路については、重ね合わせから除外される待機時間(Tc)を個別に設定する設定部(112)と、を備える。
この光学装置によれば、光学装置から射出される光がカバーや筐体といった何らかの部材に反射して受光部に入射する異方向反射光が生じた場合、その影響を、待機時間を用いて重ね合わせから除外することができる。この結果、異方向反射光による誤検出を抑制することができる。
第1実施形態の光学測距装置の概略構成図。 光学系において異方向反射光が受光部に入射する様子を例示する説明図。 受光素子を構成するSPAD回路の構成を示す説明図。 SPAD演算部の内部構成を示すブロック図。 待機時間の役割を説明する説明図。 測定位置と動作タイミングテーブルとの一例を示す説明図。 他の測定位置と動作タイミングテーブルとの一例を示す説明図。 他の測定位置と動作タイミングテーブルとの一例を示す説明図。 動作タイミングテーブル生成処理を示すフローチャート。 第1実施形態における測距処理ルーチンを示すフローチャート。 物体検出・測距処理を示すフローチャート。 待機時間とヒストグラムの補正と閾値との関係を示す説明図。 SPAD回路を複数個まとめて扱う場合を例示する説明図。 SPAD回路の他の構成例を示すブロック図。
A.第1実施形態:
(A1)装置構成:
第1実施形態の光学装置である光測距装置20は、距離を光学的に測距するものであり、図1に示すように、測距する対象物である物体OBJ1に対して測距のための光を投射し、反射光を受ける光学系30および光学系30を駆動し、また光学系30から得られた信号を処理するSPAD演算部100を備える。光学系30は、レーザ光を射出する発光部40と、発光部40からのレーザ光を測距する所定の範囲に射出して走査する走査部50と、レーザ光を走査した範囲からの反射光を受光する受光部60とを備える。
光学系30の詳細を図2に示す。図示するように、発光部40は、測距用のレーザ光を射出する半導体レーザ素子(以下、単にレーザ素子とも言う)41、レーザ素子41の駆動回路を組み込んだ回路基板43、レーザ素子41から射出されたレーザ光を平行光にするコリメートレンズ45を備える。レーザ素子41は、いわゆる短パルスレーザを発振可能なレーザダイオードであり、レーザ光のパルス幅は、5nsec程度である。5nsecの短パルスを用いることで、測距の分解能を高めることができる。
走査部50は、コリメートレンズ45により平行光とされたレーザ光を反射する表面反射鏡51、この表面反射鏡51を回転軸54により回転可能に保持するホルダ53、回転軸54を回転駆動するロータリソレノイド55を備える。ロータリソレノイド55は、外部からの制御信号Smを受けて、所定の角度範囲(以下、画角範囲という)内で正転および逆転を繰り返す。この結果、回転軸54、延いては表面反射鏡51もこの範囲で回動する。結果的にコリメートレンズ45を介してレーザ素子41から入射したレーザ光は、図示横方向(H方向)に所定の画角範囲で走査される。ロータリソレノイド55は、図示しないエンコーダを内蔵しており、その回転角度を、出力可能である。従って、表面反射鏡51の回転角度をエンコーダの出力として読取ることにより、走査位置を取得することができる。
表面反射鏡51を所定範囲内で駆動することにより、発光部40が射出されたレーザ光は、横方向(H方向)に走査される。レーザ素子41は、H方向に対して、これに直交する方向(以下、V方向という)に長い形状を備えている。上述した走査部50の表面反射鏡51を含む光学系30は、筐体32内に収納されており、物体OBJ1に向けて射出される光および物体OBJ1からの反射光は、筐体32に設けられたカバー31を通過する。物体OBJ1に向けて射出され、物体OBJ1から反射してくる光を図2では、符号RL1として示した。
光学系30は、レーザ光のV方向高さと、走査部50によるH方向の角度範囲とで規定される領域で、測距を行なうことができる。光測距装置20から、この領域に向けて出力されるレーザ光は、人や車などの物体OBJがあると、その表面で乱反射し、その一部は、走査部50の表面反射鏡51方向に戻ってくる。この反射光は、表面反射鏡51で反射し、受光部60の受光レンズ61に入射し、受光レンズ61で集光されて、受光アレイ65に入射する。
カバー31は、レーザ光を透過する素材(ガラスやプラスチック等)で形成されているが、カバー31の屈折率が大気の屈折率とは相違することもあり、表面反射鏡51の角度によりカバー31の特定の位置に入射したレーザ光の一部が、このカバー31により反射する場合がある。カバー31に反射した光は、筐体32内に戻り、筐体32内に存在する表面反射鏡51に反射して、再びカバー31を介して外部に射出される場合が有り得る。この光(以下、異方向反射光という)を、図2では、符号DRとして示した。この異方向反射光DRが射出する方向に、他の物体OBJ2が存在すると、この物体OBJ2からの反射光RL2の一部は走査部50の表面反射鏡51の方向に戻り、表面反射鏡51で反射した光の一部は、受光部60に入射する場合が有り得る。物体OBJ2がリフレクタなどの再帰性反射をするものだと、反射光RL2の強度は強くなる場合がある。
受光部60の受光アレイ65の構成を模式的に図3に示した。受光アレイ65は、反射光のV方向に配列された複数の受光素子66から構成されている。各受光素子66は、7×7のSPAD回路68から構成されている。SPAD回路68は、高い応答性と優れた検出能力とを実現するアバランシェフォトダイオード(APD)が用いられる。APDに反射光(フォトン)が入射すると、電子・正孔対が生成され、電子と正孔が各々高電界で加速され、次々と衝突電離を引き起こして新たな電子・正孔対が生成される(アバランシェ現象)。このように、APDはフォトンの入射を増幅することができることから、遠くの物体のように反射光の強度が小さくなる場合には、APDが用いられることが多い。APDの動作モードには、降伏電圧未満の逆バイアス電圧で動作させるリニアモードと、降伏電圧以上の逆バイアス電圧で動作させるガイガモードとがある。リニアモードでは、生成される電子・正孔対よりも高電解領域から出て消滅する電子・正孔対の数が大きく、電子・正孔対の崩壊は自然に止まる。このため、APDからの出力電流は、入射光量にほぼ比例する。
他方、ガイガモードでは、単一フォトンの入射でもアバランシェ現象を起こすことができるため、検出感度を更に高めることができる。こうしたガイガモードで動作されるAPDを、シングルフォトンアバランシェダイオード(SPAD:Single Photon Avalanche Diode)と呼ぶことがある。
各SPAD回路68は、図3の等価回路を示すように、電源Vccと接地ラインとの間に直列にクエンチ抵抗器RqとアバランシェダイオードDaを接続し、その接続点の電圧を論理演算素子の一つである反転素子INVに入力し、電圧レベルの反転したデジタル信号に変換している。反転素子INVの出力は、アンド回路SWの一方の入力に接続されているから、他方の入力がハイレベルHになっていれば、外部にそのまま出力される。アンド回路SWの他方の入力の状態は、選択信号SCにより切り換えることができる。選択信号SCは、受光アレイ65のどのSPAD回路68からの信号を読み出すかを指定するのに用いられることから、アドレス信号と呼ぶことがある。なお、アバランシェダイオードDaをリニアモードで用い、その出力をアナログ信号のまま扱う場合などには、アンド回路SWに代えて、アナログスイッチを用いればよい。また、アバランシェダイオードDaに代えて、PINフォトダイオードを用いることも可能である。
SPAD回路68に光が入射していなければ、アバランシェダイオードDaは、非導通状態に保たれる。このため、反転素子INVの入力側は、クエンチ抵抗器Rqを介してプルアップされた状態、つまりハイレベルHに保たれている。従って、反転素子INVの出力はロウレベルLに保たれる。各SPAD回路68に外部から光が入射すると、アバランシェダイオードDaは、入射した光(フォトン)により通電状態となる。この結果、クエンチ抵抗器Rqを介して大きな電流が流れ、反転素子INVの入力側は一旦ロウレベルLとなり、反転素子INVの出力はハイレベルHに反転する。クエンチ抵抗器Rqを介して大きな電流が流れた結果、アバランシェダイオードDaに印加される電圧は低下するから、アバランシェダイオードDaへの電力供給は止り、アバランシェダイオードDaは、非導通状態に復する。この結果、反転素子INVの出力信号も反転してロウレベルLに戻る。結果的に、反転素子INVは、各SPAD回路68に光(フォトン)が入射すると、ごく短時間、ハイレベルとなるパルス信号を出力することになる。そこで、各SPAD回路68が光を受光するタイミングに合わせて、アドレス信号SCをハイレベルHにすれば、アンド回路SWの出力信号、つまり各SPAD回路68からの出力信号Sout は、アバランシェダイオードDaの状態を反映したデジタル信号となる。
各SPAD回路68の出力Sout は、レーザ素子41が発光し、その光が走査範囲に存在する物体OBJに反射して戻ってくることで生じる。従って、図4に示したように、発光部40が駆動されてレーザ光(以下、照射光バルスという)が出力されてから、物体OBJによって反射した反射光バルスが受光部60の各SPAD回路68により検出されるまでの時間TFを計ることにより、対象までの距離を検出できる。物体OBJは、光測距装置20の近くから遠くまで、様々な位置に存在し得る。
SPAD回路68は、以上説明したように、反射光を受けると、パルス信号を出力する。SPAD回路68が出力するパルス信号は、測距部に相当するSPAD演算部100に入力される。SPAD演算部100は、レーザ素子41を発光させて外部の空間を走査しつつ、レーザ素子41が照射光パルスを出力した時点から受光部60の受光アレイ65が反射光バルスを受け取るまでの時間から、物体OBJまでの距離を演算する。SPAD演算部100は、周知のCPUやメモリを備え、予め用意されたプログラムを実行することで、測距に必要な処理を行なう。具体的には、SPAD演算部100は、全体の制御を行なう制御部110の他、加算部120、ヒストグラム生成部130、ピーク検出部140、距離演算部150等を備える。制御部110は、後述する動作タイミングテーブル112を備える。
加算部120は、受光部60を構成する受光素子66に含まれるSPAD回路68出力を加算する回路である。SPAD回路68は、本実施例では、7×7個設けられており、反射光パルスが受光部60を構成する一つの受光素子66に反射光が入射すると、最大7×7個の素子が動作する。もとより、SPADの数や配列は、7×7個以外、例えば5×9個など、種々の構成が可能である。
加算部120が加算した反射光パルスをヒストグラム生成部130が受け取る。ヒストグラム生成部130は、加算部120の加算結果を更に複数回足し合せて、時間軸上における反射光パルスの検出回数を累積して時間軸上における検出パルス数の分布、つまりヒストグラムを生成する。受光素子66を構成する複数のSPAD回路68が検出する信号には、外乱光などによるノイズも含まれるが、複数個の照射光パルスに対する各SPAD回路68からの信号を足し合せると、反射光パルスに対応する信号は累積され、ノイズに対応する信号は累積されないので、反射光パルスに対応する信号が明確になる。いわゆるS/N比が高くなる。そこで、ヒストグラム生成部130からのヒストグラムを解析して、ピーク検出部140が信号のピークを検出する。信号のピークは、測距の対象となっている物体OBJからの反射光パルスに他ならない。こうしてピークが検出されると、距離演算部150は、照射光パルスから、反射光パルスのピークまでの時間TFを検出することで、物体までの距離Dを検出する。検出され距離Dは、外部に、例えば光測距装置20が自動運転車両に搭載されていれば、自動運転装置などに出力される。もとより、ドローンや自動車、船舶などの移動体の他、固定された測距装置として用いることも可能である。
制御部110は、発光部40の回路基板43に対してレーザ素子41の発光タイミングを決定する指令信号SLや、いずれのSPAD回路68をアクティブにするかを決定するアドレス信号SCの他、ヒストグラム生成部130に対するヒストグラムの生成タイミングやヒストグラムの補正を指示する信号Stや、ピーク検出部140に対するピーク検出の閾値Tnを切換える信号Spや、走査部50のロータリソレノイド55に対する駆動信号Sm等を出力する。制御部110が予め定めたタイミングでこれらの信号を出力することにより、SPAD演算部100は、所定の範囲に存在する物体OBJを、その物体OBJまでの距離Dと共に検出する。
(A2)動作タイミングテーブルの構築:
動作タイミングテーブル112の意義とその構築の方法について説明する。図2において説明した様に、カバー31での反射したレーザ光が更に表面反射鏡51により反射して、外部に射出されることにより、本来の検出対象とは異なる物体を検出することがあり得る。図5は、発光部40からのレーザ光が、カバー31を介して、所定の走査範囲に射出される場合を模式的に示している。図5において、表面反射鏡51は、その一部を模式的に示したが、実際には、発光部40らのレーザ光は51に反射してから、所定の走査範囲に向けて射出される。走査範囲170の位置Aや位置Bに射出されたレーザ光は、物体OBJが存在すれば、その反射光が、受光部60に戻ってくる。この正常な反射光は、受光素子66の一つに入射する。この様子を、図5の受光素子66上では、右下がりのハッチング領域として示した。
他方、例えば位置Cに対してレーザ光が射出されたとき、レーザ光の一部がカバー31により反射し、更に表面反射鏡51や筐体32等に反射して、外部に射出する場合がある。射出した位置に何らかの物体があれば、その物体からの反射光は、その位置によっては、受光部60に入射する。こうした例を、図5において符号LSとして示した。この異方向反射によって、受光素子66に反射光が入射する様子を、図5では、左下がりに太い実線でハッチングされたSPAD回路68として示した。なお、カバー31の他の位置で反射するレーザ光があっても、例えば符号LRとして示したように、表面反射鏡51に反射することなく、つまり外部に射出することがなく、従って、受光部60に入射することもないケースもあり得る。
こうした異方向反射による反射光が受光素子66に入射しないように、カバー31や表面反射鏡51の配置などを設計することが望ましいが、筐体32の小型化を図り、広い走査範囲170を実現するといった種々の要請の中で、異方向反射光の影響を完全に取り除くことは困難な場合がある。こうした場合を想定して、本実施形態では以下の処理を行なう。
異方向反射光がSPAD回路68に入射するのは、照光パルスが射出された直後など、発光部40の発光から間もない時間である。これは、異方向反射光が、カバー31による反射光が更に表面反射鏡51や筐体32で反射して、外部に射出する光であり、正常な照射パルスと比べると光量が小さいことによっている。従って、図5の下段に示したように、異方向反射がない場合には、照光パルスの出力直後から受光部60の各受光素子66の全SPAD回路68を動作させ、他方、異方向反射がある場合には、異方向反射光が入射するSPAD回路68については、照光パルスの出力から待機時間Tcだけ待ってから、動作させる。こうすることで、異方向反射光による誤検出を防止することができる。
図6に、この待機時間Tcを記憶する動作タイミングテーブルの一例を示す。例えば、測定位置Aにおいては、ハッチングされた円内に正常な反射光が入射し、異方向反射が存在しないとする。この場合には、待機時間Tcは、必要ないため、動作タイミングテーブルには、全てのSPAD回路68に対応して値0が記憶される。他方、測定位置Bにおいて、異方向反射が存在し、受光素子66の1つにおいて、図示左側のグレイに塗りつぶしたSPAD回路68に、照光パルスの発光タイミングから時間Bの間、異方向反射光による出力が生じるとすれば、動作タイミングテーブルの対応する位置には、待機時間Tcとして値Bが記憶され、動作タイミングテーブルの他の位置には、値0が記憶される。異方向反射光は、測定位置により、どのSPAD回路68に入射するかは異なり、例えば測定位置Cでは、受光素子66の図示右側に、照光パルスの発光タイミングから時間Cの間、異方向反射光が入射するとする。この場合、異方向反射光が入射するSPAD回路68に対応する動作タイミングテーブルの位置には、待機時間Tcとして、値Cが記憶され、他の位置には、値0が記憶される。こうした待機時間Tcは、測定方位毎に記憶してもよいし、同じ測定方位において受光素子(画素)毎に待機時間を設定してもよい。あるいは、同じ測定方位において待機時間を複数記憶しておき、条件によって待機時間を切換えるように構成しても良い。
図9に、こうした動作タイミングテーブルを生成する処理を示した。この処理は光測距装置20を組み立てた後で行なわれる。この処理を開始すると、まず光学系30の走査部50を動作させ、発光部40からの照光パルスの走査(スキャン)を開始する(ステップS100s)。特定の測定位置において、発光部40によるレーザ光の発光動作と、受光部60による受光動作とを行なう(ステップS110)。その上で、誤検出をしている受光素子66を特定し(ステップS120)、誤検出をしている受光素子66について、受光素子66を構成する各SPAD回路68毎の待機時間Tcを決定する(ステップS130)。カバー31により異方向反射光が生じている場合、その方向に物体を配置し、物体からの反射光が受光部60に戻ってくるかを検証し、異方向反射光が受光部60に戻る位置関係にある場合、各SPAD回路68について、待機時間Tcを測定し、その時間を対応する動作タイミングテーブルに記憶させる(ステップS140)。
上記の処理を、スキャン終了まで繰り返す(ステップS100e)。この結果、各スキャン位置毎に異方向反射光の有無や待機時間Tcは異なるので、動作タイミングテーブルは、各スキャン位置、つまり測定位置毎に生成される。生成された動作タイミングテーブルは、SPAD演算部100の制御部110の動作タイミングテーブル112として不揮発的に格納される。こうして、動作タイミングテーブル112の構築が完了する。
(A3)測距処理:
次に、光測距装置20が物体OBJまでの距離を測定する際の処理について説明する。SPAD演算部100は、図10の測距処理ルーチンに示すように、測距処理を開始、つまり走査部50のスキャンを開始すると(ステップS200s)、まず測定位置を取得する処理を行なう(ステップS210)。測定位置とは、走査部50によるスキャンの位置、換言すれば、表面反射鏡51の回転角度である。表面反射鏡51の回転角度は、走査部50のロータリソレノイド55に内蔵されたエンコーダから取得可能である。
測定位置を取得すると、次に、動作タイミングテーブル112から、その位置の各受光素子66のSPAD回路68毎の待機時間Tcを読み出し(ステップS220)、指令信号SLを出力して発光部40に発光を指示する(ステップS220)。この指令信号SLを受けて、発光部40はレーザ素子41を発光させる。
レーザ素子41が発光し、照光パルスが出力されると、ステップS110は、動作タイミングテーブル112から読み出した待機時間Tcによりアドレス信号SCを出力し、レーザ素子41の発光から待機時間Tcが経過した後に、各SPAD回路68からの出力をオン、つまりアクティブにする(ステップS240)。結果的に、各SPAD回路68は、待機時間Tcが値0でなければ、動作タイミングテーブル112に記憶された待機時間Tcの間、その出力Sout が、用いられることがない。図4に即して言えば、各SPAD回路68の出力Sout は、待機時間Tcの間、加算部120による加算から除外され、ヒストグラム生成部130による信号の重ね合わせからも除外される。この処理の詳細は、図11を用いて後述する。
複数のSPAD回路68からなる各受光素子66を備える受光アレイ65の受光結果から、照光パルスを出力した範囲における物体OBJの検出と測距の処理を行なう(ステップS250)。以上の処理を、所定範囲のスキャンが終了するまで、繰り返す(ステップS200e)。つまり、走査部50のロータリソレノイド55を回転させ、各測定位置において、測定位置毎に動作タイミングテーブル112から読み出した各SPAD回路68毎の待機時間Tcを用いて、SPAD回路68を動作ざせる。この結果、図5、図7などに示したように、カバー31による反射によって生じた異方向反射光による誤検出を抑制することができる。図7、図8を例にとれば、位置Bや位置Cで生じることがある異方向反射光による誤検出を、動作タイミングテーブル112に記憶した待機時間Tcを用いて、抑制することができる。
こうした異方向反射光による誤検出を抑制した上で行なわれるステップS250の処理、つまり物体検出・測距処理の詳細について、図11を用いて説明する。図4に示したように、測距において、発光部40による発光と受光部60による受光が行なわれると、各SPAD回路68からの出力が加算部120により加算され、更にヒストグラム生成部130により各受光素子66毎に、時間軸上で反射光を検出した頻度を累積したヒストグラムが生成される。物体検出・測距処理では、このヒストグラムTTの生成がなされると(ステップS251)、SPAD回路68において反射光パルスを検出すべき範囲のうちの一部が待機時間Tc内に含まれているものが存在するかを判断する(ステップS252)。
図6から図8を用いて説明したように、カバー31による反射に起因して、走査範囲外の物体からの光が受光部60に入射している場合、この反射光の入射による影響を除くために待機時間Tcが、受光部60を構成するSPAD回路68の一部に設定される場合がある。この場合、ヒストグラムを生成しても、待機時間Tcに含まれている部分は、SPAD回路68が、信号SCにより停止されているから、累積される検出信号の数が、待機時間Tc内では少ないことになる。
そこで、待機時間Tc内でなければ(ステップS252:「NO」)、物体検出の閾値Tnとして、低閾値TLを設定し(ステップS253)、他方、待機時間Tc内であれば、待機時間Tc内のヒストグラムを補正した上で(ステップS254)、物体検出の閾値Tnとして、低閾値TLより大きな高閾値THを設定する(ステップS255)。この様子を図12に示した。図12は、発光パルスから待機時間Tcの間は、SPAD回路68の数が全数Mに対してN個少ない場合を示している。
補正前のヒストグラムでは、ノイズや実際の正しい物体検出のピークなどが存在しても、その差は小さく、また物体検出のピークが、閾値Tnに足りない場合があり得る。これはヒストグラムを生成するSPAD回路68の数が少なく、ピークが低いためである。本実施形態では、待機時間Tc内であれば、ヒストグラムを補正する(ステップS254)。ヒストグラムの補正は、例えば、生成したヒストグラムに対して、待機時間Tc内については、M/(M−N)を乗じるような処理が考えられる。待機時間Tcが存在することで、待機時間Tcの間、反射光を受光しなかったSPAD回路68の数の分だけヒストグラムを見かけ上大きくするのである。本実施形態では、その上で待機時間Tc内か外かにより、閾値Tnを、低閾値TLか、低閾値TLより大きい高閾値THかに設定している。
この結果、次にヒストグラムTTが閾値Tn以上か否かを判断すると(ステップS256)、図12に示したように、待機時間Tc内では、ヒストグラムTTは高閾値THと比較して物体を検出し、待機時間Tc外では、ヒストグラムTTは低閾値TLと比較して物体を検出することになる。いずれの場合でも、ヒストグラムTTが閾値Tnを越えていれば、物体があると判断して、物体を検出し、ピークまでの時間TFから、物体までの距離を測距する(ステップS257)。他方、ヒストグラムTTが閾値Tnを越えていなければ、物体は非検出とする(ステップS258)。このピーク検出の処理は、実際には、ピーク検出部140により行なわれる。
図12に示したように、ヒストグラムTTを補正することで、ノイズ成分も増幅されるが、これに合わせて、閾値Tnも高められる。こうすることで、補正前のヒストグラムTTでは検出できなかった待機時間Tc内の物体によるピークを検出できる可能性を高めることができ、しかもノイズ成分を誤って物体として検出してしまう可能性を抑制できる。この結果、カバー31になどによる反射の結果生じる走査位置以外の物体からの反射光を誤って検出してしまうという可能性を低減できる。こうした異方向反射光による誤検出は、カバー31による反射に限らず、筐体32内の種々の部材による反射などによっても生じ得る。もとより、光測距装置20の走査部50やカバー31,筐体32などを設計する際に、こうした誤反射による影響を除いておくことは行なわれるが、誤反射を完全に除くための工数は膨大なものになる可能性がある。誤反射を除く設計をした上で、実際に生じる僅かな誤反射に対して、こうした待機時間Tcの測定と動作タイミングテーブル112への登録を行なって、その影響を除くものとすれば、限られた工数で製品を開発することが可能となる。
B.第2実施形態:
次に、第2実施形態については説明する。第2実施形態の光測距装置20は、第1実施形態の光測距装置20とほぼ同一のハードウェア構成、ソフトウェア構成を備えるが、受光素子66Aの構成と、動作タイミングテーブル112Aの内容が異なる。第2実施形態の20では、受光素子66Aは、図13に示したように、9×9個のSPAD回路68から構成されている。第1実施形態では、ここのSPAD回路68毎に待機時間Tcを測定し、これを動作タイミングテーブル112に記憶したが、第2実施形態では、9×9個のSPAD回路68を、3×3のSPAD回路68からなる9個のミニピクセル69に分け、各ミニピクセル69毎に待機時間Tcを定め、これを動作タイミングテーブル112Aに記憶している。グループとして扱えるミニピクセル毎の待機時間Tcは、ミニピクセルに含まれるSPAD回路69の待機時間Tcのうちの最大値でも良いし、平均値でもよい。あるいは中央値や最頻値など、統計的に扱える値であってもよい。平均値や最頻値などを用いる場合は、所定の余裕度を見て、平均値や最頻値などに所定の係数(1より大)を乗じて、待機時間Tcして記憶してもよい。
こうすることで、第2実施形態の光測距装置20では、第1実施形態の光測距装置20とほぼ同様の作用効果を奏する上、待機時間Tcを記憶する容量を9個に低減することができる。一般に、元のQ個のSPAD回路68を、R個ずつのミニピクセル69とすれば、動作タイミングテーブル112Aのために必要なメモリ容量は、Q/Rに低減できる。この実施形態では、ミニピクセルは、9×9のように縦横同数の矩形としたが、この形状に限る必要はなく、複数の受光回路をまとめたグループとして扱えるのであれば、どのような形状でもよい。場合によっては、各グループの大きさや形状は相違しても良い。
C.その他の実施形態:
(1)上記実施形態では、ヒストグラムTTを待機時間Tcの存在により補正する際、待機時間Tc内に対応する部分だけ補正したが、全体を補正しても良い。この場合には、閾値Tnは、待機時間Tcによらず同一としても良い。また、ヒストグラムTTを補正する代わりに、待機時間Tc内について、閾値Tnを小さくする補正を行なっても良い。また、ヒストグラムTTの補正は、得られたヒストグラムTTを停止していたSPAD回路68の割合に応じて増加するものとしたが、ヒストグラムを生成する際に、1つの反射光による検出結果を順次加算する際の重み付けを変更するようにしてもよい。このようにすれば、各SPAD回路68毎の待機時間Tcが相違する場合、つまり補正する範囲が時間毎に変化する場合でも容易に対応することができる。更に、上記実施形態では、測距の範囲を走査部50により所定の方向に走査する範囲としたが、走査部を備えず、測距装置を向けた方向に存在する物体までの距離を測定する装置であっても差し支えない。なお、物体からの反射光が存在するか否かは、閾値Tnとの比較することによって検出するものに限る必要はなく、例えば各受光素子66が、入射する光の強度に応じたアナログ信号を出力するものであれば、その波形から、反射光を検出するようにしてもよい。
(2)こうした光学装置において、前記受光部は、前記待機時間中で、前記重ね合わせから除外される受光回路の割合に応じて、前記重ね合わせの際の重み付け、および前記閾値のうちの少なくとも一方を補償するものとしてもよい。こうすれば、受光回路の一例であるSPAD回路68などの出力Sout が除外されたことによる出力の低下を補正することができる。
(3)こうした光学装置において、前記複数の受光回路は、受光回路の配置に応じて複数のグループに編成されており、前記設定部は、前記待機時間を、前記グループ毎に設定するものとしてもよい。こうすれば、グループに編成した分だけ、待機時間Tcを記憶する動作タイミングテーブル112の容量を低減することができる。
(4)こうした光学装置において、前記受光部は、前記複数の受光回路に入射する光に応じた信号を出力する信号出力部と、前記各受光回路から出力される前記信号の重ね合わせを、前記各受光回路に対して設定された前記待機時間の間、禁止する禁止部とを備える構成としてもよい。こうすれば、SPAD回路68などの受光回路から信号が出力されないので、待機時間Tc中の信号を用いて重ね合わせをすることがない。もとより、各受光回路からの出力は制限せず、加算部120での加算を禁止する構成や、ヒストグラム生成部130でのヒストグラムの生成時に、待機時間Tcからの信号に対応するデータを除いてヒストグラムを生成するようにすることも可能である。あるいは、待機時間Tcの間、SPAD回路68の動作を直接止めても差し支えない。例えば、SPAD回路68を、図14に示すように、アバランシェダイオードDaと逆バイアス電圧制御回路RVCとを、電源ラインに直列に接続し、アバランシェダイオードDaに加える逆バイアス電圧を制御可能とし、待機時間Tcの間、逆バイアス制御信号Vbiasをオフとして、アバランシェダイオードDaに逆バイアス電圧を印加しないようにしてもよい。こうすれば、待機時間Tc間の消費電力の低減を図ることも可能である。
(5)こうした光学装置において、前記禁止部は、前記待機時間の間、前記受光回路の動作を停止するようにすることも差し支えない。受光回路の動作を禁止するには、例えば図3に示した回路例の他、アバランシェダイオードDaに電流が流れないように回路を切換える構成など、種々の対応をとることができる。
(6)こうした光学装置において、前記禁止部は、前記待機時間の間、前記信号出力部から出力される前記信号を、前記重ね合わせに対してマスクするものとしてもよい。こうすれば、簡易な構成で、重ね合わせを禁止することができる。
(7)こうした光学装置において、更に前記発光部からのパルス光を、装置外部の所定範囲に亘って、走査する走査部を備え、前記設定部は、前記待機時間を、前記走査部による前記走査の位置により設定するものとしてもよい。走査は、一次元方向であっても良いし、二次元的に行なっても良い。
(8)こうした光学装置において、前記設定部は、前記走査の位置に対応付けて前記待機時間を記憶した待機時間テーブルを備え、前記走査の位置に応じて、前記待機時間テーブルを参照することにより、前記待機時間を定めるものとしてもよい。待機時間テーブルに変えて、ハードウェアにより、重ね合わせを禁止するようにしてもよい。
(9)こうした光学装置において、前記待機時間テーブルは、前記パルス光の一部が、前記走査に伴って当該光学装置の内部で生じる非所望の反射により当該光学装置外部の前記走査の位置とは異なる非所望の位置に向けて射出され、前記非所望の位置に射出された前記パルス光による反射光が入射する位置の前記受光回路について、前記走査の位置に対応付けて、前記待機時間を記憶しているものとしてよい。こうすれば、走査位置とは異なる位置からの反射光の影響を抑制することができる。
(10)こうした光学装置において、前記複数の受光回路のうち、一部の受光回路についての前記待機時間が、他の受光回路についての前記待機時間と異なるようにしてもよい。こうすれば、受光素子毎に待機時間を設定でき、光学装置の性能の低下を抑制することができる。
(11)こうした光学装置において、前記待機時間は、前記発光部による前記パルス光の射出のタイミングから、前記重ね合わせを開始する検出開始タイミングまでの間としてよい。
(12)本開示は、対象物からの反射光の検出方法としても実施できる。この検出方法は、発光部を収容した装置内部から外部にパルス光を射出し、前記パルス光に対応した反射光を検出可能な複数の受光回路からの出力を重ね合わせた結果を、所定の閾値と比較することにより、前記対象物からの反射光の検出を行ない、前記複数の受光回路のうちの少なくとも一部の受光回路については、前記重ね合わせから除外される待機時間を個別に設定するものとすればよい。こうすることで、受光回路毎に、その出力の重ね合わせを制御できる。
(13)上記の光学装置の構成に、前記パルス光の走査の位置と、前記パルス光の射出から前記反射光の検出までの時間とにより、前記走査の位置における前記対象物までの距離を求める算出部を備えることにより、光測距装置を構成しても良い。こうすれば、慮外の反射光の影響を抑制し、光測距の精度を高めることができる。
(14)同様に、こうした光測距装置に対応する光測距方法としても、本開示を実施することができる。
(15)上記各実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよい。ソフトウェアによって実現されていた構成の少なくとも一部は、ディスクリートな回路構成により実現することも可能である。また、本開示の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータプログラム)は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。すなわち、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、データパケットを一時的ではなく固定可能な任意の記録媒体を含む広い意味を有している。
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
OBJ,OBJ1,OBJ2 物体、Rq クエンチ抵抗器、SW アンド回路、Tc 待機時間、20 光測距装置、30 光学系、31 カバー、32 筐体、40 発光部、41 レーザ素子、43 回路基板、45 コリメートレンズ、50 走査部、51 表面反射鏡、53 ホルダ、54 回転軸、55 ロータリソレノイド、60 受光部、61 受光レンズ、65 受光アレイ、66 受光素子、66A 受光素子、68 SPAD回路、69 ミニピクセル、100 SPAD演算部、110 制御部、112 動作タイミングテーブル、112A 動作タイミングテーブル、120 加算部、130 ヒストグラム生成部、140 ピーク検出部、150 距離演算部、170 走査範囲

Claims (15)

  1. 発光と受光とを行なう光学装置(20)であって、
    装置内部に収容され、パルス光を射出する発光部(40)と、
    前記パルス光に対応した反射光を検出可能な複数の受光回路(68)を含み、前記各受光回路からの出力を重ね合わせた結果に従って、対象物からの反射光の検出を行なう受光部(60)と、
    前記複数の受光回路のうちの少なくとも一部の受光回路については、前記重ね合わせから除外される待機時間を個別に設定する設定部(110)と、
    を備える光学装置。
  2. 前記受光部は、前記反射光の検出を、前記重ね合わせた結果を所定の閾値と比較することにより行なう請求項1記載の光学装置。
  3. 前記受光部は、前記待機時間中に、前記重ね合わせから除外される受光回路の割合に応じて、前記重ね合わせの際の重み付け、および前記閾値のうちの少なくとも一方を補償する請求項2に記載の光学装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の光学装置であって、
    前記複数の受光回路は、受光回路の配置に応じて複数のグループ(69)に編成されており、
    前記設定部は、前記待機時間を、前記グループ毎に設定する
    光学装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光学装置であって、
    前記受光部は、
    前記複数の受光回路に入射する光に応じた信号を出力する信号出力部(INV)と、
    前記各受光回路から出力される前記信号の重ね合わせを、前記各受光回路に対して設定された前記待機時間の間、禁止する禁止部(SW,RVC)と
    を備える光学装置。
  6. 請求項5に記載の光学装置であって、
    前記禁止部は、前記待機時間の間、前記受光回路の動作を停止する
    光学装置。
  7. 請求項5に記載の光学装置であって、
    前記禁止部は、前記待機時間の間、前記信号出力部から出力される前記信号を、前記重ね合わせに対してマスクする
    光学装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光学装置であって、更に
    前記発光部からのパルス光を、装置外部の所定範囲に亘って、走査する走査部(50)を備え、
    前記設定部は、前記待機時間を、前記走査部による前記走査の位置により設定する
    光学装置。
  9. 請求項8記載の光学装置であって、
    前記設定部は、前記走査の位置に対応付けて前記待機時間を記憶した待機時間テーブル(112)を備え、前記走査の位置に応じて、前記待機時間テーブルを参照することにより、前記待機時間を定める光学装置。
  10. 請求項9に記載の光学装置であって、
    前記待機時間テーブルは、前記パルス光の一部が、前記走査に伴って当該光学装置の内部で生じる非所望の反射により当該光学装置外部の前記走査の位置とは異なる非所望の位置に向けて射出され、前記非所望の位置に射出された前記パルス光による反射光が入射する位置の前記受光回路について、前記走査の位置に対応付けて、前記待機時間を記憶している
    光学装置。
  11. 前記複数の受光回路のうち、一部の受光回路についての前記待機時間が、他の受光回路についての前記待機時間と異なる請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の光学装置。
  12. 前記待機時間は、前記発光部による前記パルス光の射出のタイミングから、前記重ね合わせを開始する検出開始タイミングまでの間である請求項1から請求項11までのいずれか一項に記載の光学装置。
  13. 対象物からの反射光の検出方法であって、
    発光部を収容した装置内部から外部にパルス光を射出し(S230)、
    前記パルス光に対応した反射光を検出可能な複数の受光回路からの出力を重ね合わせた結果に従って、前記対象物からの反射光の検出を行ない(S250)、
    前記複数の受光回路のうちの少なくとも一部の受光回路については、前記重ね合わせから除外される待機時間を個別に設定する(S240))
    光の検出方法。
  14. 光を外部に照射して、対象物までの距離を測定する光測距装置であって、
    当該光測距装置内部に収容され、パルス光を射出する発光部と、
    前記発光部からのパルス光を、当該光測距装置外部の所定範囲に亘って、走査する走査部と、
    前記パルス光に対応した反射光を検出可能な複数の受光回路を含み、前記各受光回路からの出力を重ね合わせた結果に従って、前記対象物からの反射光の検出を行なう受光部と、
    前記パルス光の走査の位置と、前記パルス光の射出から前記反射光の検出までの時間とにより、前記走査の位置における前記対象物までの距離を求める算出部(150)と、
    を備え、
    前記受光部は、
    前記複数の受光回路のうちの少なくとも一部の受光回路については、前記重ね合わせから除外される待機時間を、前記走査部による前記走査の位置により設定する
    光測距装置。
  15. 光を外部に照射して、対象物までの距離を測定する測距方法であって、
    発光部を収容した装置内部から外部にパルス光を射出し、
    前記パルス光を、装置外部の所定範囲に亘って走査し、
    前記パルス光に対応した反射光を検出可能な複数の受光回路からの出力を重ね合わせた結果に従って、前記対象物からの反射光を検出し、
    前記パルス光の走査の位置と、前記パルス光の射出から前記反射光の検出までの時間とにより、前記走査の位置における前記対象物までの距離を求め、
    前記複数の受光回路のうちの少なくとも一部の受光回路については、前記重ね合わせから除外される待機時間を、前記走査の位置により設定する
    測距方法。
JP2019054210A 2019-03-22 2019-03-22 光学装置および光測距装置ならびにそれらの方法 Pending JP2020153886A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019054210A JP2020153886A (ja) 2019-03-22 2019-03-22 光学装置および光測距装置ならびにそれらの方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019054210A JP2020153886A (ja) 2019-03-22 2019-03-22 光学装置および光測距装置ならびにそれらの方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020153886A true JP2020153886A (ja) 2020-09-24

Family

ID=72558726

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019054210A Pending JP2020153886A (ja) 2019-03-22 2019-03-22 光学装置および光測距装置ならびにそれらの方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020153886A (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02263103A (ja) * 1990-02-28 1990-10-25 Nikon Corp 光像検出装置
US20140071433A1 (en) * 2011-03-17 2014-03-13 Robert Bosch Gmbh Measurement Device for Measuring a Distance between the Measurement Device and a Target Object using an Optical Measurement Beam
JP2014077658A (ja) * 2012-10-09 2014-05-01 Toyota Central R&D Labs Inc 光学的測距装置
JP2015117970A (ja) * 2013-12-17 2015-06-25 株式会社デンソー レーダ装置
US20170366737A1 (en) * 2016-06-15 2017-12-21 Stmicroelectronics, Inc. Glass detection with time of flight sensor
US20180045816A1 (en) * 2016-08-11 2018-02-15 Qualcomm Incorporated System and method for measuring reference and returned light beams in an optical system
JP2018044923A (ja) * 2016-09-16 2018-03-22 株式会社東芝 光検出器、及び距離測定装置
US20190025426A1 (en) * 2017-07-24 2019-01-24 Telaris Inc. Lidar system with speckle mitigation

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02263103A (ja) * 1990-02-28 1990-10-25 Nikon Corp 光像検出装置
US20140071433A1 (en) * 2011-03-17 2014-03-13 Robert Bosch Gmbh Measurement Device for Measuring a Distance between the Measurement Device and a Target Object using an Optical Measurement Beam
JP2014077658A (ja) * 2012-10-09 2014-05-01 Toyota Central R&D Labs Inc 光学的測距装置
JP2015117970A (ja) * 2013-12-17 2015-06-25 株式会社デンソー レーダ装置
US20170366737A1 (en) * 2016-06-15 2017-12-21 Stmicroelectronics, Inc. Glass detection with time of flight sensor
US20180045816A1 (en) * 2016-08-11 2018-02-15 Qualcomm Incorporated System and method for measuring reference and returned light beams in an optical system
JP2018044923A (ja) * 2016-09-16 2018-03-22 株式会社東芝 光検出器、及び距離測定装置
US20190025426A1 (en) * 2017-07-24 2019-01-24 Telaris Inc. Lidar system with speckle mitigation

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN111742241B (zh) 光测距装置
US11204420B2 (en) Distance measurement apparatus
JP7131099B2 (ja) 光学的測距装置およびその方法
JP2020076589A (ja) 対象物検出装置
JP2020003446A (ja) 光測距装置
US20220057520A1 (en) Distance measurement apparatus and distance measurement method
JP7259525B2 (ja) 光測距装置およびその方法
JP6911825B2 (ja) 光測距装置
JP2021152536A (ja) 測距装置
JP2018109560A (ja) 走査式距離測定装置
CN115427831A (zh) 光测距装置
JP2020112528A (ja) 光測距装置およびその制御方法
JP2020153886A (ja) 光学装置および光測距装置ならびにそれらの方法
JP2020187042A (ja) 光測距装置
JP6908015B2 (ja) 光学的測距装置および光学的測距方法
US20210382177A1 (en) System for monitoring surroundings of vehicle
US20210208257A1 (en) Spad array with ambient light suppression for solid-state lidar
CN211698176U (zh) 用于控制范围检测器内的像素扫描的装置
JP2020190419A (ja) 光測距装置およびその方法
WO2024106214A1 (ja) 物体検知装置及び物体検知方法
CN112887627B (zh) 增加LiDAR设备动态范围的方法、光检测测距LiDAR设备及机器可读介质
US20230375681A1 (en) Detection device, non-transitory computer readable medium, detection method, and light emitting device
JP2021181886A (ja) 光学測距装置
CN117434551A (zh) 非同轴激光雷达系统及其配置方法
WO2021194887A1 (en) Scanning lidar systems with flood illumination for near-field detection

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230306

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230411

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230609

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230912