JP2020153766A - 試料支持体、イオン化方法、及び質量分析方法 - Google Patents

試料支持体、イオン化方法、及び質量分析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基板とピペットチップとの接触に起因する基板の破損を防止する。【解決手段】試料支持体1Aは、第1表面2a及び第2表面2bに開口する複数の貫通孔2cが形成された基板2と、基板2の厚さ方向Dから見た場合に、基板2の測定領域Rを囲むように形成され、基板2を支持するフレーム3と、第1表面2aに対向するように配置され、測定領域Rと対向する対向部分41を有する保護層4と、を備える。対向部分41には、厚さ方向Dに貫通する貫通孔41aが形成されている。貫通孔41aは、測定領域Rに試料溶液Sを滴下するためのピペットチップPの先端Paの外径Prよりも小さい幅41rを有する幅狭部41nを含む。【選択図】図5

Description

本開示は、試料支持体、イオン化方法、及び質量分析方法に関する。
従来、質量分析等を行うために生体試料等の試料をイオン化する手法として、レーザ脱離イオン化法が知られている。レーザ脱離イオン化法に用いられる試料支持体として、特許文献1には、複数の貫通孔が形成された基板と、基板における少なくとも一方の表面に設けられた導電層と、を備えるものが記載されている。
特許第6093492号公報
上記試料支持体を用いた測定方法として、上記試料支持体において導電層が形成された面に対して測定対象(イオン化対象)の試料溶液を滴下し、当該試料溶液が乾燥した後に当該面に対してレーザ光等のエネルギー線を照射する手法がある。当該手法において、試料溶液の滴下は、ピペットチップを用いて実施され得る。ここで、なるべく短時間で試料溶液を乾燥させるために、試料溶液の滴下量は非常に少量(例えば50nL〜100nL等)とされる場合がある。この場合、試料支持体の測定領域(試料を配置するための領域)に試料溶液を確実に滴下するために、ピペットチップの先端をなるべく測定領域に近づける必要が生じる。
しかし、ピペットチップを測定領域に近づける操作を手動で行う場合、ピペットチップの先端が意図せず測定領域に接触してしまうおそれがある。また、上記操作を機械的に行う場合であっても、ピペットチップの先端の高さを高精度で位置決めすることは容易ではない。特に、複数のピペットチップを同時に操作することによって試料支持体に設けられた複数の測定領域に対して同時に試料溶液を滴下する場合、複数のピペットチップの先端の高さ位置を高精度で揃えることが要求されるが、そのような制御は容易ではない。このように、ピペットチップを用いて試料溶液を滴下する操作を手動又は機械操作のいずれで行ったとしても、ピペットチップの先端が測定領域に接触してしまうおそれがある。また、試料支持体を構成する基板はメンブレン状の薄膜であるため、ピペットチップの先端と測定領域とが接触してしまうと、当該測定領域において基板が破損するおそれがある。
そこで、本開示は、基板とピペットチップとの接触に起因する基板の破損を防止することができる試料支持体、イオン化方法、及び質量分析方法を提供することを目的とする。
本開示の一側面に係る試料支持体は、試料のイオン化に用いられる試料支持体であって、第1表面と第1表面とは反対側の第2表面とを有し、第1表面及び第2表面に開口する複数の第1貫通孔が形成された基板と、基板の厚さ方向から見た場合に、基板のうち試料の成分をイオン化するための測定領域を囲むように形成され、基板を支持するフレームと、第1表面に対向するように配置され、測定領域と対向する対向部分を有する保護層と、を備え、対向部分には、厚さ方向に貫通する第2貫通孔が形成されており、第2貫通孔は、測定領域に試料を含む試料溶液を滴下するためのピペットチップの先端の外径よりも小さい幅を有する幅狭部を含む。
上記試料支持体では、複数の第1貫通孔が形成された基板のうち試料の成分をイオン化するための測定領域と対向する対向部分を有する保護層が、基板の第1表面に対向するように配置されている。また、対向部分には、測定領域に試料溶液を滴下するためのピペットチップの先端の外径よりも小さい幅を有する幅狭部を含む第2貫通孔が形成されている。このため、測定領域の第1表面に試料溶液を滴下するためにピペットチップの先端を第1表面に近づける操作が行われたとしても、ピペットチップの先端が第2貫通孔を通過することがない。すなわち、第2貫通孔の幅狭部によって、ピペットチップの先端が第2貫通孔を貫通して測定領域の第1表面に接触することが確実に防止される。従って、上記試料支持体によれば、基板とピペットチップとの接触に起因する基板の破損を防止することができる。
第2貫通孔は、上記外径よりも小さい幅を有する筒状に形成されていてもよい。これにより、比較的単純な形状を有する第2貫通孔により、ピペットチップの先端と測定領域の第1表面との接触を確実に防止することができる。
第2貫通孔は、厚さ方向に沿って第1表面に近づくにつれて内径が小さくなるテーパー状に形成されており、厚さ方向から見た場合に、第2貫通孔の第1表面側とは反対側の開口は、ピペットチップの先端を含む大きさを有してもよい。これにより、第2貫通孔内にピペットチップの先端を容易に導入することができる。すなわち、ピペットチップの先端の位置が厚さ方向に直交する方向に多少ずれたとしても、ピペットチップの先端を第2貫通孔内に導くことができる。また、ピペットチップの先端を測定領域の第1表面により接近させることができるため、測定領域に試料溶液を好適に滴下することができる。
第2貫通孔は、幅狭部を含む筒状部と、筒状部の第1表面側とは反対側の端部に接続され、厚さ方向に沿って第1表面から離れるにつれて内径が大きくなる椀状部と、を有し、厚さ方向から見た場合に、椀状部の筒状部とは反対側の開口は、ピペットチップの先端を含む大きさを有してもよい。これにより、第2貫通孔内にピペットチップの先端を容易に導入することができる。すなわち、ピペットチップの先端の位置が厚さ方向に直交する方向に多少ずれたとしても、ピペットチップの先端を第2貫通孔内に導入することができる。また、ピペットチップの先端を測定領域の第1表面により接近させることができるため、測定領域に試料溶液を好適に滴下することができる。また、このような第2貫通孔は、エッチング加工等の比較的容易な加工により形成することができるという利点がある。
対向部分は、第1表面から剥離可能なように、第1表面に対して直接的又は間接的に接着されていてもよい。この場合、試料溶液を滴下する際には、対向部分を第1表面に接着させた状態とすることにより、上述したように、基板とピペットチップとの接触に起因する基板の破損を防止できる。さらに、滴下された試料溶液の乾燥後にエネルギー線を第1表面に対して照射して試料の成分をイオン化する際には、対向部分が当該エネルギー線の照射の妨げとならないように、当該対向部分を基板から取り外すことができる。従って、上記形態によれば、試料支持体に対する試料溶液の滴下とその後のイオン化工程との両方を好適に実施することができる。
対向部分は、第2貫通孔の第1表面側の開口の周縁部において第1表面に対して直接的又は間接的に接着される接着部分と、厚さ方向から見た場合に接着部分よりも外側に位置し、第1表面から離間している離間部分と、を有してもよい。試料溶液を第1表面に適切に滴下するためには、接着部分と第1表面とが接着されている必要がある。また、仮に対向部分が離間部分を有さない場合、接着部分と第1表面とを完全に接着させようとすると、対向部分が第1表面全体を押し出すことになり、基板が破損するおそれがある。一方、対向部分が離間部分を有することにより、接着部分のみが第1表面を僅かに押し出すことになる。その結果、第1表面が撓むことによって基板の破損を抑制しつつ、保護層と基板とを接着することができる。
フレームは、基板の第1表面に接合されており、保護層は、フレーム及び測定領域を覆うように設けられていてもよい。これにより、フレームが基板の第1表面に接合される場合において、保護層を適切に設けることができる。
フレームは、基板の第2表面に接合されており、磁性材料によって形成されていてもよい。例えば試料支持体に試料溶液を滴下するために試料支持体を固定する際に、磁性を有する載置部を用いることにより、フレームと載置部との間に作用する磁力によって、フレームを載置部に対して適切に固定することが可能となる。
保護層は、磁性材料によって形成されており、保護層は、保護層とフレームとの間の磁力により、基板の第1表面に対して固定されていてもよい。これにより、基板に対して保護層を固定するための接着剤等を不要にすることができる。このため、基板の第1表面から保護層を取り外す際に、基板の第1表面が引っ張られて基板が破損してしまうことを抑制することができる。
上記試料支持体は、第1表面において第1貫通孔を塞がないように設けられた導電層を更に備えてもよい。これにより、絶縁性の基板を用いる場合においても、導電層を介して基板の第1表面側に電圧を印加することが可能となる。これにより、第1表面に試料溶液を滴下した後、当該試料溶液が乾燥した後に、導電層に電圧を印加しつつ第1表面に対してエネルギー線を照射することにより、試料の成分を好適にイオン化することができる。
第1貫通孔の幅は、1nm〜700nmであり、第2貫通孔の幅狭部の幅は、500μm以下であってもよい。これにより、基板の第1表面に滴下された試料溶液に含まれる試料の成分を基板の第1表面側に適切に留まらせることができる。また、幅狭部の幅を500μm以下に設定することにより、幅狭部の幅を一般的なピペットチップの先端の外径よりも確実に小さくすることができる。
基板には複数の測定領域が形成されており、保護層は、複数の測定領域に対応する複数の対向部分を有してもよい。これにより、例えば複数のピペットチップを同時に操作することによって複数の測定領域に対して同時に試料溶液を滴下することが可能となる。その結果、測定作業の効率化を図ることができる。
第2貫通孔の内面には、親水性のコーティング層が設けられていてもよい。これにより、ピペットチップの先端から滴下される試料溶液が第2貫通孔の内面を伝わり易くなる。その結果、第2貫通孔内における試料溶液の第1表面側への移動を促進させ、試料溶液をより円滑に第1表面へと移動させることができる。
本開示の一側面に係るイオン化方法は、上記試料支持体が用意される第1工程と、載置部の載置面に第2表面が対面するように載置面に試料支持体が載置される第2工程と、ピペットチップの先端を保護層の第1表面側とは反対側から第2貫通孔に接近させた後、試料溶液がピペットチップの先端から第2貫通孔を介して測定領域に滴下される第3工程と、試料溶液が滴下された後に、試料支持体から保護層が取り外される第4工程と、基板に滴下された試料溶液が乾燥した後に、測定領域の第1表面に対してエネルギー線が照射されることにより、試料の成分がイオン化される第5工程と、を含む。
上記イオン化方法では、試料溶液が滴下される第3工程において、測定領域の第1表面に試料溶液を滴下するためにピペットチップの先端を第1表面に近づける操作が行われたとしても、ピペットチップの先端が第2貫通孔を通過することがない。すなわち、第2貫通孔の幅狭部によって、ピペットチップの先端が第2貫通孔を貫通して測定領域の第1表面に接触することが確実に防止される。これにより、基板とピペットチップとの接触に起因する基板の破損を防止することができる。また、試料の成分がイオン化される第5工程の前に保護層を取り外すことにより、第5工程において、エネルギー線を測定領域の第1表面に対して適切に照射することができる。従って、上記イオン化方法によれば、基板とピペットチップとの接触に起因する基板の破損を防止できると共に、試料の成分を適切にイオン化することができる。
上記イオン化方法は、第3工程の前に、第2貫通孔の内面に対して親水性を向上させるための表面処理が行われる工程を含んでもよい。これにより、第3工程において、ピペットチップの先端から滴下される試料溶液が第2貫通孔の内面を伝わり易くなる。その結果、第2貫通孔内における試料溶液の第1表面側への移動を促進させ、試料溶液をより円滑に第1表面へと移動させることができる。
本開示の一側面に係る質量分析方法は、上記イオン化方法の各工程と、第5工程においてイオン化された成分が検出される第6工程と、を含む。
上記質量分析方法によれば、上述したイオン化方法の各工程を含むことにより、上述したイオン化方法と同様の効果が奏される。
本開示によれば、基板とピペットチップとの接触に起因する基板の破損を防止することができる試料支持体、イオン化方法、及び質量分析方法を提供することができる。
図1は、第1実施形態の試料支持体の平面図である。 図2は、図1に示されるII-II線に沿った試料支持体の断面図である。 図3は、図1に示されるIII-III線に沿った試料支持体(保護層を除く)の断面図である。 図4は、図1に示される試料支持体の基板の拡大像を示す図である。 図5は、第1実施形態の試料支持体における保護層の対向部分を含む部分の断面図である。 図6は、第1実施形態の試料支持体を用いた質量分析方法の工程を示す図である。 図7は、第1実施形態の試料支持体を用いた質量分析方法の工程を示す図である。 図8は、第1実施形態の試料支持体を用いた質量分析方法の工程を示す図である。 図9は、保護層の第1変形例を示す断面図である。 図10は、保護層の第2変形例を示す断面図である。 図11は、第2実施形態の試料支持体の平面図である。 図12は、図11に示されるXII-XII線に沿った試料支持体の断面図である。 図13は、図11に示されるXIII-XIII線に沿った試料支持体の断面図である。 図14は、第2実施形態の試料支持体を用いた質量分析方法の工程を示す図である。 図15は、第2実施形態の試料支持体を用いた質量分析方法の工程を示す図である。 図16は、第2実施形態の試料支持体を用いた質量分析方法の工程を示す図である。 図17は、保護層の第1変形例を示す断面図である。 図18は、保護層の第2変形例を示す断面図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。各図において同一又は相当の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。なお、図面においては、一部、実施形態に係る特徴部分を分かり易く説明するために誇張している部分があり、実際の寸法とは異なっている。また、以下の説明において「上」、「下」等の語は図面に示される状態に基づく便宜的なものである。
[第1実施形態]
図1〜図5を参照して、第1実施形態に係る試料支持体1Aについて説明する。試料支持体1Aは、試料のイオン化に用いられる。図1〜図3に示されるように、試料支持体1Aは、基板2と、フレーム3と、保護層4と、テープ5と、導電層7と、を備えている。なお、試料支持体1Aが備える導電層7は、図3にのみ図示されており、他の図面においては試料支持体1Aが備える導電層7の図示が省略されている。また、図3においては保護層4の図示が省略されている。
基板2は、第1表面2aと、第1表面2aとは反対側の第2表面2bと、を有している。図3に示されるように、基板2には、複数の貫通孔2c(第1貫通孔)が一様に(均一な分布で)形成されている。各貫通孔2cは、基板2の厚さ方向D(第1表面2a及び第2表面2bが互いに対向する方向)に沿って延在しており、第1表面2a及び第2表面2bに開口している。
基板2は、例えば、絶縁性材料によって長方形板状に形成されている。厚さ方向Dから見た場合における基板2の一辺の長さは、例えば数cm程度である。基板2の厚さは、例えば1μm〜50μm程度である。本実施形態では一例として、基板2の厚さは、5μm程度である。厚さ方向Dから見た場合における貫通孔2cの形状は、例えば略円形である。貫通孔2cの幅は、例えば1nm〜700nm程度である。
貫通孔2cの幅は、以下のようにして取得される値である。まず、基板2の第1表面2a及び第2表面2bのそれぞれの画像を取得する。図4は、基板2の第1表面2aの一部のSEM画像の一例を示している。当該SEM画像において、黒色の部分は貫通孔2cであり、白色の部分は貫通孔2c間の隔壁部である。続いて、取得した第1表面2aの画像に対して例えば二値化処理を施すことで、測定領域R内の複数の第1開口(貫通孔2cの第1表面2a側の開口)に対応する複数の画素群を抽出し、1画素当たりの大きさに基づいて、第1開口の平均面積を有する円の直径を取得する。同様に、取得した第2表面2bの画像に対して例えば二値化処理を施すことで、測定領域R内の複数の第2開口(貫通孔2cの第2表面2b側の開口)に対応する複数の画素群を抽出し、1画素当たりの大きさに基づいて、第2開口の平均面積を有する円の直径を取得する。そして、第1表面2aについて取得した円の直径と第2表面2bについて取得した円の直径との平均値を貫通孔2cの幅として取得する。
図4に示されるように、基板2には、略一定の幅を有する複数の貫通孔2cが一様に形成されている。図4に示される基板2は、Al(アルミニウム)を陽極酸化することにより形成されたアルミナポーラス皮膜である。例えば、Al基板に対して陽極酸化処理が施されることにより、Al基板の表面部分が酸化されると共に、Al基板の表面部分に複数の細孔(貫通孔2cになる予定の部分)が形成される。続いて、酸化された表面部分(陽極酸化皮膜)がAl基板から剥離され、剥離された陽極酸化皮膜に対して上記細孔を拡幅するポアワイドニング処理が施されることにより、上述した基板2が得られる。なお、基板2は、Ta(タンタル)、Nb(ニオブ)、Ti(チタン)、Hf(ハフニウム)、Zr(ジルコニウム)、Zn(亜鉛)、W(タングステン)、Bi(ビスマス)、Sb(アンチモン)等のAl以外のバルブ金属を陽極酸化することにより形成されてもよいし、Si(シリコン)を陽極酸化することにより形成されてもよい。
フレーム3は、基板2の第1表面2aに設けられており、第1表面2a側において基板2を支持している。図3に示されるように、フレーム3は、接着層6によって基板2の第1表面2aに接合されている。接着層6の材料は、例えば放出ガスの少ない接着材料(例えば、低融点ガラス、真空用接着剤等)であることが好ましい。本実施形態では、厚さ方向Dから見た場合に、フレーム3は、基板2よりも大きい矩形板状に形成されている。フレーム3には、フレーム3の厚さ方向(すなわち、厚さ方向Dと一致する方向)に貫通する複数の開口部3aが形成されている。図1に示されるように、複数の開口部3aは、例えば格子状に配列されている。本実施形態では、厚さ方向Dから見た場合に、9つの開口部3aが三行三列に配列されている。基板2のうち開口部3aに対応する部分(すなわち、厚さ方向Dから見た場合に開口部3aと重なる部分)は、試料の測定(イオン化)を行うための測定領域Rとして機能する。すなわち、フレーム3に設けられた各開口部3aによって、各測定領域Rが規定されている。言い換えれば、フレーム3は、このような開口部3aを有することにより、厚さ方向Dから見た場合に基板2の測定領域Rを囲むように形成されている。
各測定領域Rは、複数の貫通孔2cを含む領域である。測定領域Rにおける貫通孔2cの開口率(厚さ方向Dから見た場合に測定領域Rに対して貫通孔2cが占める割合)は、実用上は10〜80%であり、特に60〜80%であることが好ましい。複数の貫通孔2cの大きさは互いに不揃いであってもよいし、部分的に複数の貫通孔2c同士が互いに連結していてもよい。
フレーム3は、例えば、磁性体金属材料(例えばステンレス鋼材(SUS400系)等)によって矩形板状に形成されている。厚さ方向Dから見た場合におけるフレーム3の一辺の長さは、例えば数cm〜200cm程度であり、フレーム3の厚さは、例えば3mm以下である。本実施形態では一例として、フレーム3の厚さは0.2mmである。厚さ方向Dから見た場合における開口部3aの形状は、例えば円形であり、その場合における開口部3aの直径は、例えば数mm〜数十mm程度である。本実施形態では一例として、開口部3aの直径は3mmである。また、隣り合う開口部3a同士の中心間の距離(ピッチ)は、例えば数mm〜数十mm程度である。このようなフレーム3によれば、試料支持体1Aのハンドリングを容易化できると共に、温度変化等に起因する基板2の変形が抑制される。
保護層4は、基板2の第1表面2aに対向するように配置されている。保護層4は、例えば金属又はガラス等によって矩形板状に形成されている。保護層4は、基板2の第1表面2aに対向する内面4aと、内面4aとは反対側の外面4bと、を有している。保護層4は、少なくとも、厚さ方向Dにおいて測定領域Rと対向する対向部分41を有している。本実施形態では、厚さ方向Dから見た場合に、保護層4は、複数(ここでは9つ)の測定領域R(すなわち、開口部3aが形成された領域)を含むように一体的に形成されている。ただし、保護層4は、複数の部分(例えば各測定領域Rに対応して設けられる部分)に分離されていてもよい。
本実施形態では、基板2の第1表面2a上にフレーム3が設けられているため、保護層4は、フレーム3における基板2とは反対側の表面3b上に設けられている。すなわち、保護層4は、フレーム3及び測定領域Rを覆うように設けられている。保護層4の内面4aのうちフレーム3の表面3bに対向する部分は、フレーム3の表面3bから剥離可能な程度の接着力で、導電層7を介して表面3bに接着されてもよい。
テープ5は、試料支持体1Aを用いた測定を行う際に、試料支持体1Aをスライドグラス8(載置部)の載置面8a(図6参照)に固定するための固定部材である。テープ5は、導電性材料によって形成されている。テープ5は、例えばカーボンテープである。本実施形態では、厚さ方向Dから見た場合に基板2及び保護層4と重ならないフレーム3の部分に、フレーム3の厚さ方向に貫通する開口部3cが形成されている。具体的には、図1及び図2に示されるように、厚さ方向Dから見た場合に基板2を挟んで互いに対向するフレーム3の両縁部のそれぞれに、矩形状の開口部3cが形成されている。テープ5は、各開口部3cに設けられている。具体的には、テープ5の粘着面51は、フレーム3の表面3b側から、フレーム3の表面3bのうち開口部3cの周縁部と、開口部3aの内面と、に接着されている。すなわち、テープ5は、上記周縁部に沿った部分5aと、開口部3aの内面に沿った部分5bと、開口部3a内においてフレーム3の基板2側の表面に沿った部分5cと、を有している。また、部分5cにおいて、粘着面51は、フレーム3に対して基板2が位置する側を向いている。すなわち、部分5cにおける粘着面51をスライドグラス8の載置面8aに押し当てることにより、試料支持体1Aを載置面8aに固定することが可能となっている。なお、本実施形態では、図6に示されるように、試料支持体1Aは、測定実施前の状態(例えば、流通時等)において、部分5cの粘着面51を覆うフィルムカバーFを有している。フィルムカバーFは、厚さ方向Dから見た場合に、部分5cと重なっている。また、フィルムカバーFは、フレーム3の両縁部よりも外側に突出する突出部分F1を有している。試料支持体1Aは、測定実施前の状態において、フィルムカバーFの突出部分F1が保持されることにより、収納ケース内に収納されたり、持ち運ばれたりすることが可能となっている。
導電層7は、基板2の第1表面2aに設けられている。図3に示されるように、導電層7は、基板2の第1表面2aのうちフレーム3の開口部3aに対応する領域(すなわち、測定領域Rに対応する領域)、開口部3aの内面、及びフレーム3の表面3bに一続きに(一体的に)形成されている。導電層7は、測定領域Rにおいて、基板2の第1表面2aのうち貫通孔2cが形成されていない部分を覆っている。つまり、導電層7は、各貫通孔2cを塞がないように設けられている。従って、測定領域Rにおいては、各貫通孔2cが開口部3aに露出している。
導電層7は、導電性材料によって形成されている。本実施形態では、導電層7は、Pt(白金)又はAu(金)によって形成されている。このように、導電層7の材料としては、以下に述べる理由により、試料との親和性(反応性)が低く且つ導電性が高い金属が用いられることが好ましい。
例えば、タンパク質等の試料と親和性が高いCu(銅)等の金属によって導電層7が形成されていると、後述する試料のイオン化の過程において、試料分子にCu原子が付着した状態で試料がイオン化され、Cu原子が付着した分だけ、後述する質量分析法において検出結果がずれるおそれがある。したがって、導電層7の材料としては、試料との親和性が低い金属が用いられることが好ましい。
一方、導電性の高い金属ほど一定の電圧を容易に且つ安定して印加し易くなる。そのため、導電性が高い金属によって導電層7が形成されていると、測定領域Rにおいて基板2の第1表面2aに均一に電圧を印加することが可能となる。また、導電性の高い金属ほど熱伝導性も高い傾向にある。そのため、導電性が高い金属によって導電層7が形成されていると、基板2に照射されたレーザ光(エネルギー線)のエネルギーを、導電層7を介して試料に効率的に伝えることが可能となる。したがって、導電層7の材料としては、導電性の高い金属が用いられることが好ましい。
以上の観点から、導電層7の材料としては、例えば、Pt、Au等が用いられることが好ましい。導電層7は、例えば、メッキ法、原子層堆積法(ALD:Atomic Layer Deposition)、蒸着法、スパッタ法等によって、厚さ1nm〜350nm程度に形成される。なお、導電層7の材料としては、例えば、Cr(クロム)、Ni(ニッケル)、Ti(チタン)等が用いられてもよい。
次に、図5を参照して、保護層4の対向部分41の詳細な構成について説明する。同図に示されるように、保護層4の各対向部分41には、厚さ方向Dに貫通する貫通孔41a(第2貫通孔)が形成されている。厚さ方向Dにおける貫通孔41aの長さ(すなわち、貫通孔41aが形成された部分における対向部分41の厚さ)は、例えば0.1mm〜5.0mmである。貫通孔41aは、ピペットチップPの先端Paの外径Prよりも小さい幅41r(最小幅)を有する幅狭部41nを含む。ピペットチップPは、測定領域Rに試料を含む試料溶液を滴下するための器具である。例えば、ピペットチップPは、ハイスループットスクリーニング(HTS:High Throughput Screening)用のピペットチップである。すなわち、ピペットチップPは、HTSを実行する装置によって使用されるピペットチップである。本実施形態では、貫通孔41aは、外径Prよりも小さい幅41rを有する筒状(本実施形態では円筒状)に形成されている。すなわち、本実施形態では、厚さ方向Dにおける貫通孔41aの全域によって、幅狭部41nが構成されている。幅狭部41nの幅41rは、500μm以下である。また、確実に試料溶液を第1表面2aに到達させるために、幅狭部41nの幅41rは、50μm以上であることが好ましい。
貫通孔41aの内面には、親水性のコーティング層Cが設けられている。コーティング層Cは、貫通孔41aの内面の素材(すなわち、保護層4の素材)よりも親水性が高い素材によって形成されている。コーティング層Cは、例えば、酸化チタン(TiO2)又は酸化亜鉛(ZnO)の成膜により形成された層である。コーティング層Cは、例えば、原子層堆積法によって形成され得る。コーティング層Cの厚さは、例えば1nm〜50nmである。
対向部分41は、基板2の第1表面2aから剥離可能なように、第1表面2aに対して導電層7(図3参照)を介して間接的に接着されている。すなわち、対向部分41は、第1表面2a上の導電層7に対して、剥離可能な程度の接着力で接着されている。対向部分41は、内面4aにおいて、接着部分41bと、離間部分41cと、を有している。本実施形態では、接着部分41b及び離間部分41cを併せた部分は、第1表面2a側に向かって凸となる曲面状に形成されている。
接着部分41bは、貫通孔41aの第1表面2a側の開口の周縁部において導電層7(図3参照)を介して第1表面2aに対して間接的に接着される部分である。接着部分41bは、例えば再剥離両面テープ等により、第1表面2a上に設けられた導電層7に接着される。
離間部分41cは、厚さ方向Dから見た場合に接着部分41bよりも外側に位置する部分である。離間部分41cは、第1表面2aから離間している。具体的には、離間部分41cは、直接的にも間接的にも第1表面2aと接触していない部分である。すなわち、離間部分41cは、第1表面2a上に設けられた導電層7からも離間している。
[試料支持体1Aを用いた質量分析方法]
次に、図6〜図8を参照して、試料支持体1Aを用いた質量分析方法(イオン化方法を含む)について説明する。
まず、図6の(A)に示されるように、上述した試料支持体1Aが用意される(第1工程)。試料支持体1Aは、質量分析方法を実施する者によって製造されることで用意されてもよいし、試料支持体1Aの製造者又は販売者等から取得されることで用意されてもよい。
続いて、図6の(B)に示されるように、スライドグラス8の載置面8aに基板2の第2表面2bが対面するように、載置面8aに試料支持体1Aが載置される(第2工程)。スライドグラス8は、ITO(Indium Tin Oxide)膜等の透明導電膜が形成されたガラス基板であり、透明導電膜の表面が載置面8aとなっている。なお、スライドグラス8に限定されず、導電性を確保し得る部材(例えば、ステンレス等の金属材料等からなる基板等)を載置部として用いることができる。本実施形態では、試料支持体1AからフィルムカバーFが外され、テープ5の部分5cの粘着面51が載置面8aに押し当てられることにより、試料支持体1Aがスライドグラス8に固定される。
続いて、図7に示されるように、各測定領域Rにおいて、ピペットチップPの先端Paが、保護層4の外面4b側(第1表面2a側とは反対側)から貫通孔41aに接近させられる。具体的には、ピペットチップPの先端Paは、厚さ方向Dから見た場合に先端Paと貫通孔41aとが重なり、且つ、先端Paが外面4bに当接する位置まで移動させられる。そして、試料溶液SがピペットチップPの先端Paから貫通孔41aを介して測定領域Rに滴下される(第3工程)。これにより、試料溶液Sは、貫通孔41aの内面を伝って基板2の第1表面2aへと導入される。第1表面2aへと導入された試料溶液Sの一部は、貫通孔2c内に浸透して第2表面2b側へと移動するものの、貫通孔2cは微細孔であるため、試料溶液Sの少なくとも一部は第1表面2a側に留まることになる。そして、試料溶液Sが乾燥することにより、試料の成分S1が第1表面2a側に留まった状態となる(図8の(B)参照)。
続いて、図8の(A)に示されるように、各測定領域Rに試料溶液Sが滴下された後に、試料支持体1Aから保護層4が取り外される(第4工程)。
続いて、図8の(B)に示されるように、第1表面2a側に試料の成分S1が留まっている試料支持体1Aがスライドグラス8に固定された状態で、スライドグラス8及び試料支持体1Aが、質量分析装置20の支持部21(例えば、ステージ)上に載置される。続いて、質量分析装置20の電圧印加部22によって、スライドグラス8の載置面8a及びテープ5を介して、試料支持体1Aのフレーム3及び導電層7(図3参照)に電圧が印加される。続いて、質量分析装置20のレーザ光照射部23によって、フレーム3の開口部3aを介して、各測定領域Rの第1表面2aに対してレーザ光L(エネルギー線)が照射される(第5工程)。つまり、レーザ光Lは、基板2の第1表面2aのうちフレーム3の開口部3aに対応する領域(すなわち、測定領域R)に対して照射される。本実施形態では、レーザ光照射部23は、各測定領域Rに対してレーザ光Lを走査する。なお、各測定領域Rに対するレーザ光Lの走査は、支持部21及びレーザ光照射部23の少なくとも1つが動作させられることにより、実施可能である。
このように、導電層7に電圧が印加されつつ基板2の第1表面2aに対してレーザ光Lが照射されることにより、基板2の貫通孔2c内(特に第1表面2a側)に留まっている試料の成分S1がイオン化され、試料イオンS2(イオン化された成分S1)が放出される(第5工程)。具体的には、レーザ光Lのエネルギーを吸収した導電層7(図3参照)から、貫通孔2c内に留まっている試料の成分S1にエネルギーが伝達され、エネルギーを獲得した試料の成分S1が気化すると共に電荷を獲得して、試料イオンS2となる。以上の第1工程〜第5工程が、試料支持体1Aを用いたイオン化方法(本実施形態では、レーザ脱離イオン化法)に相当する。
放出された試料イオンS2は、試料支持体1Aと質量分析装置20のイオン検出部24との間に設けられたグランド電極(図示省略)に向かって加速しながら移動する。つまり、試料イオンS2は、電圧が印加された導電層7とグランド電極との間に生じた電位差によって、グランド電極に向かって加速しながら移動する。そして、イオン検出部24によって試料イオンS2が検出される(第6工程)。本実施形態では、質量分析装置20は、飛行時間型質量分析法(TOF−MS:Time-of-Flight Mass Spectrometry)を利用する走査型質量分析装置である。以上の第1工程〜第6工程が、試料支持体1Aを用いた質量分析方法に相当する。
なお、上記のイオン化方法において、第3工程の前(すなわち、試料溶液Sを滴下する前)に、貫通孔41aの内面(本実施形態では、コーティング層Cの表面)に対して親水性を向上させるための表面処理が行われる工程が更に実施されてもよい。例えば、貫通孔41aの内面にエキシマ照射又はプラズマ照射を行う表面処理が実施されてもよい。これにより、第3工程において、ピペットチップPの先端Paから滴下される試料溶液Sが貫通孔41aの内面を伝わり易くなる。その結果、貫通孔41a内における試料溶液Sの第1表面2a側への移動を促進させ、試料溶液Sをより円滑に第1表面2aへと移動させることができる。
[第1実施形態の作用効果]
以上説明したように、試料支持体1Aでは、測定領域Rと対向する対向部分41を有する保護層4が、基板2の第1表面2aに対向するように配置されている。また、対向部分41には、ピペットチップPの先端Paの外径Prよりも小さい幅41rを有する幅狭部41nを含む貫通孔41aが形成されている。このため、測定領域Rの第1表面2aに試料溶液Sを滴下するためにピペットチップPの先端Paを第1表面2aに近づける操作が行われたとしても、ピペットチップPの先端Paが貫通孔41aを通過することがない。すなわち、貫通孔41aの幅狭部41nによって、ピペットチップPの先端Paが貫通孔41aを貫通して測定領域Rの第1表面2aに接触することが確実に防止される。従って、試料支持体1Aによれば、基板2とピペットチップPとの接触に起因する基板2の破損を防止することができる。
また、貫通孔41aは、ピペットチップPの先端Paの外径Prよりも小さい幅41rを有する筒状(本実施形態では円筒状)に形成されている。これにより、比較的単純な形状を有する貫通孔41aにより、ピペットチップPの先端Paと測定領域Rの第1表面2aとの接触を確実に防止することができる。また、この場合、厚さ方向Dにおける貫通孔41aの長さ(すなわち、貫通孔41aが設けられた部分における保護層4の厚さ)によって、ピペットチップPの先端Paと第1表面2aとの距離(すなわち、先端Paと第1表面2aとが互いに最も接近した状態における距離)を適切且つ容易に規定することができる。
また、対向部分41は、第1表面2aから剥離可能なように、第1表面2aに対して導電層7(図3参照)を介して間接的に接着されている。この場合、試料溶液Sを滴下する際には、対向部分41を第1表面2aに接着させた状態とすることにより、上述したように、基板2とピペットチップPとの接触に起因する基板2の破損を防止できる。さらに、滴下された試料溶液Sの乾燥後にレーザ光Lを第1表面2aに対して照射して試料の成分S1をイオン化する際には、対向部分41がレーザ光Lの照射の妨げとならないように、当該対向部分41を基板2から取り外すことができる。従って、上記形態によれば、試料支持体1Aに対する試料溶液Sの滴下とその後のイオン化工程との両方を好適に実施することができる。
また、対向部分41は、接着部分41bと、離間部分41cと、を有している。試料溶液Sを第1表面2aに適切に滴下するためには、接着部分41bと第1表面2aとが接着されている必要がある。また、仮に対向部分41が離間部分41cを有さない場合、接着部分41bと第1表面2aとを完全に接着させようとすると、対向部分41が第1表面2a全体を押し出すことになり、基板2が破損するおそれがある。一方、対向部分41が離間部分41cを有することにより、接着部分41bのみが第1表面2aを僅かに押し出すことになる。その結果、第1表面2aが撓むことによって基板2の破損を抑制しつつ、保護層4と基板2とを接着することができる。本実施形態のように、離間部分41cは、湾曲した形状を有することが好ましい。離間部分41cが湾曲形状を有することにより、接着部分41bと第1表面2aとを接着する際に、第1表面2aの接着面にかかる圧力が適度に緩和される。ただし、離間部分41cの形状は上記に限られない。
また、フレーム3は、基板2の第1表面2aに接合されている。そして、保護層4は、フレーム3及び測定領域Rを覆うように設けられている。これにより、フレーム3が基板2の第1表面2aに接合される場合において、保護層4を適切に設けることができる。
また、試料支持体1Aは、第1表面2aにおいて貫通孔2cを塞がないように設けられた導電層7を備えている。これにより、本実施形態のように、絶縁性の基板2を用いる場合においても、導電層7を介して基板2の第1表面2a側に電圧を印加することが可能となる。これにより、第1表面2aに試料溶液Sを滴下した後、当該試料溶液Sが乾燥した後に、導電層7に電圧を印加しつつ第1表面2aに対してレーザ光Lを照射することにより、試料の成分S1を好適にイオン化することができる。
また、貫通孔2cの幅は、1nm〜700nmであり、貫通孔41aの幅狭部41nの幅41rは、500μm以下である。貫通孔2cの幅を上記範囲に設定することにより、基板2の第1表面2aに滴下された試料溶液Sに含まれる試料の成分S1を基板2の第1表面2a側に適切に留まらせることができる。また、幅狭部41nの幅41rを500μm以下に設定することにより、幅狭部41nの幅41rを一般的なピペットチップの先端の外径よりも確実に小さくすることができる。
また、基板2には複数(ここでは9つ)の測定領域Rが形成されており、保護層4は、複数の測定領域Rに対応する複数の対向部分41を有している。これにより、例えば複数のピペットチップPを同時に操作することによって複数の測定領域Rに対して同時に試料溶液S(例えば、測定領域R毎に成分又は成分比率を異ならせた試料溶液S)を滴下することが可能となる。その結果、測定作業の効率化を図ることができる。例えば、試料支持体1AにHTS用途に適した数(例えば1536)の測定領域Rを形成することにより、試料支持体をHTS用途で用いること(すなわち、HTSを実行する装置で用いること)が可能となる。
また、貫通孔41aの内面には、親水性のコーティング層Cが設けられている。これにより、ピペットチップPの先端Paから滴下される試料溶液Sが貫通孔41aの内面を伝わり易くなる。その結果、貫通孔41a内における試料溶液Sの第1表面2a側への移動を促進させ、試料溶液Sをより円滑に第1表面2aへと移動させることができる。
また、試料支持体1Aを用いたイオン化方法(第1工程〜第5工程)及び質量分析方法(第1工程〜第6工程)では、試料溶液Sが滴下される第3工程において、測定領域Rの第1表面2aに試料溶液Sを滴下するためにピペットチップPの先端Paを第1表面2aに近づける操作が行われたとしても、ピペットチップPの先端Paが貫通孔41aを通過することがない。すなわち、貫通孔41aの幅狭部41nによって、ピペットチップPの先端Paが貫通孔41aを貫通して測定領域Rの第1表面2aに接触することが確実に防止される。これにより、基板2とピペットチップPとの接触に起因する基板2の破損を防止することができる。また、試料の成分S1がイオン化される第5工程の前に保護層4を取り外すことにより、第5工程において、レーザ光Lを測定領域Rの第1表面2aに対して適切に照射することができる。従って、上記イオン化方法によれば、基板2とピペットチップPとの接触に起因する基板2の破損を防止できると共に、試料の成分S1を適切にイオン化することができる。
[保護層4の第1変形例]
図9を参照して、保護層4の第1変形例(保護層4A)について説明する。保護層4Aは、対向部分41の代わりに対向部分41Aを備える点で、保護層4と相違している。対向部分41Aは、以下の点で、対向部分41と相違している。すなわち、対向部分41Aでは、貫通孔41aは、厚さ方向Dに沿って第1表面2aに近づくにつれて内径が小さくなるテーパー状に形成されている。例えば、貫通孔41aは、外面4b側から内面4a側に向かうにつれて縮径する円錐台状に形成されている。また、対向部分41Aでは、厚さ方向Dから見た場合に、貫通孔41aの外面4b側(第1表面2a側とは反対側)の開口は、ピペットチップPの先端Paを含む大きさを有している。すなわち、貫通孔41aの外面4b側の開口径は、先端Paの外径Prよりも大きい。対向部分41Aにおける貫通孔41aの外面4b側の開口径は、例えば0.5mm〜5.0mm程度である。一方、貫通孔41aの内面4a側の開口を含む部分によって幅狭部41n(すなわち、外径Prよりも小さい幅を有する部分)が構成されている。貫通孔41aの内面4a側の開口径が、幅狭部41nにおける最小幅(幅41r)となっている。
保護層4Aによれば、貫通孔41a内にピペットチップPの先端Paを容易に導入することができる。すなわち、貫通孔41aの外面4b側の開口径が先端Paの外径Prよりも大きいため、ピペットチップPの先端Paの位置が厚さ方向Dに直交する方向に多少ずれたとしても、ピペットチップPの先端Paを貫通孔41a内に導くことができる。また、保護層4Aによれば、保護層4と比較して、ピペットチップPの先端Paを測定領域Rの第1表面2aにより接近させることができる。すなわち、保護層4では、ピペットチップPの先端Paを外面4bに当接する位置までしか第1表面2aに近づけることができないのに対して、保護層4Aでは、ピペットチップPの先端Paを幅狭部41nの上端位置(外面4bよりも下方の位置)まで第1表面2aに近づけることができる。これにより、測定領域Rに試料溶液Sを好適に滴下することができる。
[保護層4の第2変形例]
図10を参照して、保護層4の第2変形例(保護層4B)について説明する。保護層4Bは、対向部分41の代わりに対向部分41Bを備える点で、保護層4と相違している。対向部分41Bは、以下の点で、対向部分41と相違している。すなわち、対向部分41Bでは、貫通孔41aは、筒状部41a1と、椀状部41a2と、を有している。筒状部41a1は、貫通孔41aの内面4a側に設けられており、椀状部41a2は、貫通孔41aの外面4b側に設けられている。
筒状部41a1は、ピペットチップPの先端Paの外径Prよりも小さい幅41rを有する部分である。本実施形態では、筒状部41a1は、円筒状に形成されており、厚さ方向Dにおける筒状部41a1の全域によって、幅狭部41nが構成されている。
椀状部41a2は、筒状部41a1の第1表面2a側とは反対側の端部に接続されている。椀状部41a2は、厚さ方向Dに沿って第1表面2aから離れるにつれて内径が椀状(曲面状)に大きくなる部分である。厚さ方向Dから見た場合に、椀状部41a2の筒状部41a1とは反対側の開口(すなわち、貫通孔41aの外面4b側の開口)は、ピペットチップPの先端Paを含む大きさを有している。すなわち、貫通孔41aの外面4b側の開口径は、先端Paの外径Prよりも大きい。対向部分41Bにおける貫通孔41aの外面4b側の開口径は、例えば0.5mm〜5.0mm程度である。
保護層4Bによれば、保護層4Aと同様に、貫通孔41a内にピペットチップPの先端Paを容易に導入することができる。すなわち、ピペットチップPの先端Paの位置が厚さ方向Dに直交する方向に多少ずれたとしても、ピペットチップPの先端Paを貫通孔41a内(具体的には、椀状部41a2内)に導入することができる。また、ピペットチップPの先端Paを測定領域Rの第1表面2aにより接近させることができる。具体的には、保護層4Bでは、ピペットチップPの先端Paを筒状部41a1の上端位置(外面4bよりも下方の位置)まで第1表面2aに近づけることができる。これにより、測定領域Rに試料溶液Sを好適に滴下することができる。また、このような貫通孔41a(すなわち、筒状部41a1及び椀状部41a2)は、エッチング加工等の比較的容易な加工により形成することができるという利点がある。
[第2実施形態]
図11〜図13を参照して、第2実施形態に係る試料支持体1Bについて説明する。試料支持体1Bは、主に、フレーム3の代わりにフレーム13を備え、保護層4の代わりに保護層14を備える点で、試料支持体1Aと相違している。
フレーム13は、基板2の第2表面2bに接合されており、第2表面2b側において基板2を支持している。図13に示されるように、フレーム13は、接着層6によって基板2の第2表面2bに固定されている。本実施形態では、厚さ方向Dから見た場合に、フレーム13は、基板2よりも大きい矩形板状に形成されている。フレーム13には、フレーム13の厚さ方向(すなわち、厚さ方向Dと一致する方向)に貫通する複数の開口部13aが形成されている。図11に示されるように、複数の開口部13aは、例えば格子状に配列されている。本実施形態では、厚さ方向Dから見た場合に、9つの開口部13aが三行三列に配列されている。基板2のうち開口部13aに対応する部分(すなわち、厚さ方向Dから見た場合に開口部13aと重なる部分)は、試料の測定(イオン化)を行うための測定領域Rとして機能する。すなわち、フレーム13に設けられた各開口部13aによって、各測定領域Rが規定されている。言い換えれば、フレーム13は、このような開口部13aを有することにより、厚さ方向Dから見た場合に基板2の測定領域Rを囲むように形成されている。このように、試料支持体1Bでは、基板2の第1表面2aではなく第2表面2bに接合されたフレーム13によって、基板2が支持されると共に測定領域Rが規定されている。
フレーム13は、フレーム3と同様に、矩形板状に形成されている。フレーム13は、磁性材料によって形成されている。例えば、フレーム13は、コバール又は42アロイ等の合金によって形成されている。厚さ方向Dから見た場合におけるフレーム13の一辺の長さは、例えば数cm〜200cm程度であり、フレーム13の厚さは、例えば3mm以下である。本実施形態では一例として、フレーム13の厚さは1mmである。厚さ方向Dから見た場合における開口部13aの形状は、例えば円形であり、その場合における開口部13aの直径は、例えば数mm〜数十mm程度である。本実施形態では一例として、開口部13aの直径は2mmである。また、隣り合う開口部13a同士の中心間の距離(ピッチ)は、例えば数mm〜数十mm程度である。このようなフレーム13によれば、試料支持体1Bのハンドリングを容易化できると共に、温度変化等に起因する基板2の変形が抑制される。
図12に示されるように、試料支持体1Bにおいて、基板2の第1表面2a上には、試料支持体1Aと同様に、導電層7が設けられている。図12においては、導電層7が形成される部分を太線で示している。導電層7は、基板2の第1表面2a上に一続きに(一体的に)形成されている。また、導電層7は、厚さ方向Dから見た場合の基板2の第1表面2aの縁部からフレーム13の基板2側の表面13b上へと連続的に形成されている。なお、試料支持体1Bが備える導電層7は、図12にのみ図示されており、他の図面においては試料支持体1Bが備える導電層7の図示が省略されている。
保護層14は、基板2の第1表面2aに対向するように配置されている。保護層14は、磁性材料によって矩形板状に形成されている。保護層14は、例えばフレーム13と同様の磁性材料によって形成されている。保護層14は、基板2の第1表面2aに対向する内面14aと、内面14aとは反対側の外面14bと、を有している。保護層14は、少なくとも、厚さ方向Dにおいて測定領域Rと対向する対向部分141を有している。本実施形態では、厚さ方向Dから見た場合に、保護層14は、複数(ここでは9つ)の測定領域R(すなわち、開口部13aが形成された領域)を含むように一体的に形成されている。ただし、保護層14は、複数の部分(例えば各測定領域Rに対応して設けられる部分)に分離されていてもよい。
保護層14は、導電層7を介して、基板2の第1表面2a上に配置されている。上述したように、フレーム13及び保護層14は、共に磁性材料によって形成されており、磁力によって互いに引きつけ合うように構成されている。このように互いに引きつけ合うフレーム13及び保護層14によって、基板2が挟み込まれている。すなわち、保護層14は、保護層14とフレーム13との間の磁力により、基板2の第1表面2aに対して固定されている。このように、試料支持体1Bでは、保護層14は、基板2の第1表面2aに対して接着剤等によって接着されていない。
保護層14の各対向部分141には、厚さ方向Dに貫通する貫通孔141a(第2貫通孔)が形成されている。厚さ方向Dにおける貫通孔141aの長さ(すなわち、保護層14の厚さ)は、例えば0.1mm〜5.0mmである。図13に示されるように、貫通孔141aは、ピペットチップPの先端Paの外径Prよりも小さい幅141r(最小幅)を有する幅狭部141nを含む。本実施形態では、貫通孔141aは、貫通孔41aと同様に、外径Prよりも小さい幅141rを有する筒状(本実施形態では円筒状)に形成されている。すなわち、本実施形態では、厚さ方向Dにおける貫通孔141aの全域によって、幅狭部141nが構成されている。幅狭部141nの幅141rは、500μm以下である。また、確実に試料溶液を第1表面2aに到達させるために、幅狭部141nの幅141rは、50μm以上であることが好ましい。貫通孔141aの内面には、貫通孔41aの内面と同様に、親水性のコーティング層Cが設けられている。
[試料支持体1Bを用いた質量分析方法]
次に、図14〜図16を参照して、試料支持体1Bを用いた質量分析方法(イオン化方法を含む)について説明する。
まず、図14の(A)に示されるように、上述した試料支持体1Bが用意される(第1工程)。試料支持体1Bは、質量分析方法を実施する者によって製造されることで用意されてもよいし、試料支持体1Bの製造者又は販売者等から取得されることで用意されてもよい。
続いて、図14の(B)に示されるように、導電性及び磁性を有する載置部8Aの載置面8aに基板2の第2表面2bが対面するように、載置面8aに試料支持体1Bが載置される(第2工程)。具体的には、フレーム13における基板2とは反対側の表面13cが載置面8aに接触させられる。本実施形態では、フレーム13と載置部8Aとの間に作用する磁力により、載置部8Aの載置面8aに対してフレーム13が固定される。これにより、試料支持体1Bが載置部8Aに固定される。載置部8Aは、例えば複数のピペットチップPによる複数の測定領域Rへの試料溶液の滴下作業を機械的に行う装置に付属する専用プレート等である。
続いて、図15に示されるように、各測定領域Rにおいて、ピペットチップPの先端Paが、保護層14の外面14b側(第1表面2a側とは反対側)から貫通孔141aに接近させられる。具体的には、ピペットチップPの先端Paは、厚さ方向Dから見た場合に先端Paと貫通孔141aとが重なり、且つ、先端Paが外面14bに当接する位置まで移動させられる。そして、試料溶液SがピペットチップPの先端Paから貫通孔141aを介して測定領域Rに滴下される(第3工程)。これにより、試料溶液Sは、貫通孔141aの内面を伝って基板2の第1表面2aへと導入される。第1表面2aへと導入された試料溶液Sの一部は、貫通孔2c内に浸透して第2表面2b側へと移動するものの、貫通孔2cは微細孔であるため、試料溶液Sの少なくとも一部は第1表面2a側に留まることになる。そして、試料溶液Sが乾燥することにより、試料の成分S1が第1表面2a側に留まった状態となる(図16参照)。
続いて、図16に示されるように、各測定領域Rに試料溶液Sが滴下された後に、試料支持体1Bから保護層14が取り外される(第4工程)。
続いて、図16に示されるように、第1表面2a側に試料の成分S1が留まっている試料支持体1Bが載置部8Aに固定された状態で、載置部8A及び試料支持体1Bが、上述した質量分析装置20の支持部21(例えば、ステージ)上に載置される。続いて、電圧印加部22によって、載置部8Aの載置面8a及びフレーム13を介して、試料支持体1Bの導電層7(図12参照)に電圧が印加される。続いて、レーザ光照射部23によって、各測定領域Rの第1表面2aに対してレーザ光L(エネルギー線)が照射される(第5工程)。本実施形態では、レーザ光照射部23は、各測定領域Rに対してレーザ光Lを走査する。なお、各測定領域Rに対するレーザ光Lの走査は、支持部21及びレーザ光照射部23の少なくとも1つが動作させられることにより、実施可能である。
このように、導電層7に電圧が印加されつつ基板2の第1表面2aに対してレーザ光Lが照射されることにより、基板2の貫通孔2c内(特に第1表面2a側)に留まっている試料の成分S1がイオン化され、試料イオンS2(イオン化された成分S1)が放出される(第5工程)。具体的には、レーザ光Lのエネルギーを吸収した導電層7(図12参照)から、貫通孔2c内に留まっている試料の成分S1にエネルギーが伝達され、エネルギーを獲得した試料の成分S1が気化すると共に電荷を獲得して、試料イオンS2となる。以上の第1工程〜第5工程が、試料支持体1Bを用いたイオン化方法(本実施形態では、レーザ脱離イオン化法)に相当する。
放出された試料イオンS2は、試料支持体1Bと質量分析装置20のイオン検出部24との間に設けられたグランド電極(図示省略)に向かって加速しながら移動する。つまり、試料イオンS2は、電圧が印加された導電層7とグランド電極との間に生じた電位差によって、グランド電極に向かって加速しながら移動する。そして、イオン検出部24によって試料イオンS2が検出される(第6工程)。本実施形態では、質量分析装置20は、飛行時間型質量分析法(TOF−MS:Time-of-Flight Mass Spectrometry)を利用する走査型質量分析装置である。以上の第1工程〜第6工程が、試料支持体1Bを用いた質量分析方法に相当する。
なお、上記のイオン化方法においては、試料支持体1Aを用いる場合と同様に、第3工程の前(すなわち、試料溶液Sを滴下する前)に、貫通孔141aの内面に対して親水性を向上させるための表面処理(例えば、エキシマ照射又はプラズマ照射等)が行われる工程が更に実施されてもよい。
[第2実施形態の作用効果]
以上説明したように、試料支持体1Bによれば、上述した試料支持体1Aと同様の効果が奏される。すなわち、試料支持体1Bでは、測定領域Rと対向する対向部分141を有する保護層14が、基板2の第1表面2aに対向するように配置されている。また、対向部分141には、ピペットチップPの先端Paの外径Prよりも小さい幅141rを有する幅狭部141nを含む貫通孔141aが形成されている。このため、測定領域Rの第1表面2aに試料溶液Sを滴下するためにピペットチップPの先端Paを第1表面2aに近づける操作が行われたとしても、ピペットチップPの先端Paが貫通孔141aを通過することがない。すなわち、貫通孔141aの幅狭部141nによって、ピペットチップPの先端Paが貫通孔141aを貫通して測定領域Rの第1表面2aに接触することが確実に防止される。従って、試料支持体1Bによれば、基板2とピペットチップPとの接触に起因する基板2の破損を防止することができる。
さらに、試料支持体1Bでは、フレーム13は、基板2の第2表面2bに接合されており、磁性材料によって形成されている。これにより、上記実施形態のように試料支持体1Bに試料溶液Sを滴下するために試料支持体1Bを固定する際に、磁性を有する載置部8Aを用いることにより、フレーム13と載置部8Aとの間に作用する磁力によって、フレーム13を載置部8Aに対して適切に固定することが可能となる。これにより、試料支持体1Bを載置部8Aに固定するためのテープ等の固定部材を省略することができる。
また、保護層14は、磁性材料によって形成されている。そして、保護層14は、保護層14とフレーム13との間の磁力により、基板2の第1表面2aに対して固定されている。これにより、基板2に対して保護層14を固定するための接着剤等を不要にすることができる。このため、基板2の第1表面2aから保護層14を取り外す際に、基板2の第1表面2aが引っ張られて基板2が破損してしまうことを抑制することができる。
[保護層14の第1変形例]
図17を参照して、保護層14の第1変形例(保護層14A)について説明する。保護層14Aは、保護層4Aに対応する構成を有している。具体的には、保護層14Aは、対向部分141の代わりに対向部分141Aを備える点で、保護層14と相違している。対向部分141Aは、以下の点で、対向部分141と相違している。すなわち、対向部分141Aでは、貫通孔141aは、厚さ方向Dに沿って第1表面2aに近づくにつれて内径が小さくなるテーパー状に形成されている。例えば、貫通孔141aは、外面14b側から内面14a側に向かうにつれて縮径する円錐台状に形成されている。また、対向部分141Aでは、厚さ方向Dから見た場合に、貫通孔141aの外面14b側(第1表面2a側とは反対側)の開口は、ピペットチップPの先端Paを含む大きさを有している。すなわち、貫通孔141aの外面14b側の開口径は、先端Paの外径Prよりも大きい。一方、貫通孔141aの内面14a側の開口を含む部分によって幅狭部141n(すなわち、外径Prよりも小さい幅を有する部分)が構成されている。貫通孔141aの内面14a側の開口径が、幅狭部141nにおける最小幅(幅141r)となっている。このような対向部分141Aを備える保護層14Aによれば、上述した保護層4Aと同様の効果が奏される。
[保護層14の第2変形例]
図18を参照して、保護層14の第2変形例(保護層14B)について説明する。保護層14Bは、保護層4Bに対応する構成を有している。具体的には、保護層14Bは、対向部分141の代わりに対向部分141Bを備える点で、保護層14と相違している。対向部分141Bは、以下の点で、対向部分141と相違している。すなわち、対向部分141Bでは、貫通孔141aは、筒状部141a1と、椀状部141a2と、を有している。筒状部141a1は、貫通孔141aの内面14a側に設けられており、椀状部141a2は、貫通孔141aの外面14b側に設けられている。
筒状部141a1は、ピペットチップPの先端Paの外径Prよりも小さい幅141rを有する部分である。本実施形態では、筒状部141a1は、円筒状に形成されており、厚さ方向Dにおける筒状部141a1の全域によって、幅狭部141nが構成されている。椀状部141a2は、筒状部141a1の第1表面2a側とは反対側の端部に接続されている。椀状部141a2は、厚さ方向Dに沿って第1表面2aから離れるにつれて内径が椀状(曲面状)に大きくなる部分である。厚さ方向Dから見た場合に、椀状部141a2の筒状部141a1とは反対側の開口(すなわち、貫通孔141aの外面14b側の開口)は、ピペットチップPの先端Paを含む大きさを有している。すなわち、貫通孔141aの外面14b側の開口径は、先端Paの外径Prよりも大きい。このような対向部分141Bを備える保護層14Bによれば、上述した保護層4Bと同様の効果が奏される。
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、各構成の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を採用することができる。
例えば、上記実施形態では、フレーム3,13に設けられた複数の開口部3a,13aによって複数(一例として9つ)の測定領域Rが規定されていたが、測定領域Rは1つだけ設けられてもよい。
また、基板2に設けられる導電層7は、少なくとも第1表面2aに設けられていればよい。従って、導電層7は、第1表面2aに加えて、例えば、第2表面2bにも設けられてもよいし、各貫通孔2cの内面の全体又は一部にも設けられてもよい。
また、基板2は、導電性を有していてもよい。例えば、基板2は、半導体等の導電性材料によって形成されていてもよい。この場合、基板2の第1表面2a側に電圧を印加するための導電層7は省略されてもよい。ただし、基板2が導電性を有する場合であっても、基板2の第1表面2a側に好適に電圧を印加するために、導電層7が設けられてもよい。
なお、試料支持体1Aにおいて導電層7が省略される場合には、対向部分41は、基板2の第1表面2aに対して直接的に接着されてもよい。具体的には、対向部分41の接着部分41bは、第1表面2aに対して直接的に接着されてもよい。
また、試料支持体1Aは、スライドグラス8に試料支持体1Aを固定するためのテープ5を備えていたが、試料支持体1Aはテープ5を備えていなくてもよい。この場合、フレーム3の開口部3cも省略されてもよい。その場合、上述した試料支持体1Aを用いた質量分析方法の第2工程において、試料支持体1Aは、試料支持体1Aとは別に用意されたテープ又はテープ以外の手段(例えば、接着剤、固定具等を用いる手段)によって、スライドグラス8に固定されてもよい。
また、上記実施形態では、対向部分の貫通孔41a,141aの内面に親水性のコーティング層Cが設けられたが、当該コーティング層Cがなくとも試料溶液Sを十分に第1表面2aへと導くことが可能な場合には、当該コーティング層Cは省略されてもよい。
また、試料支持体1A又は試料支持体1Bを用いた質量分析方法の第5工程において、電圧印加部22によって電圧が印加される対象は、載置面8aに限られない。例えば、電圧は、フレーム3,13又は導電層7に直接印加されてもよい。その場合、スライドグラス8(又は載置部8A)及びテープ5は、導電性を有していなくてもよい。
また、試料支持体1A又は試料支持体1Bを用いた質量分析方法の第5工程において、レーザ光照射部23は、測定領域Rに対してレーザ光Lを一括で照射してもよい。つまり、質量分析装置20は、投影型質量分析装置であってもよい。また、上述したイオン化方法は、イオンモビリティ測定等の他の測定・実験にも利用することができる。
また、試料支持体1A,1Bの用途は、レーザ光Lの照射による試料のイオン化に限定されない。試料支持体1A,1Bは、レーザ光、イオンビーム、電子線等のエネルギー線の照射による試料のイオン化に用いることができる。上述したイオン化方法及び質量分析方法では、エネルギー線の照射によって試料をイオン化することができる。
1A,1B…試料支持体、2…基板、2a…第1表面、2b…第2表面、2c…貫通孔(第1貫通孔)、3,13…フレーム、4,4A,4B,14,14A,14B…保護層、7…導電層、8…スライドグラス(載置部)、8A…載置部、8a…載置面、41,41A,41B,141,141A,141B…対向部分、41a,141a…貫通孔(第2貫通孔)、41a1,141a1…筒状部、41a2,141a2…椀状部、41b…接着部分、41c…離間部分、41n,141n…幅狭部、41r,141r…幅、C…コーティング層、D…厚さ方向、P…ピペットチップ、Pa…先端、Pr…外径、R…測定領域、S…試料溶液、S1…成分。

Claims (16)

  1. 試料のイオン化に用いられる試料支持体であって、
    第1表面と前記第1表面とは反対側の第2表面とを有し、前記第1表面及び前記第2表面に開口する複数の第1貫通孔が形成された基板と、
    前記基板の厚さ方向から見た場合に、前記基板のうち前記試料の成分をイオン化するための測定領域を囲むように形成され、前記基板を支持するフレームと、
    前記第1表面に対向するように配置され、前記測定領域と対向する対向部分を有する保護層と、を備え、
    前記対向部分には、前記厚さ方向に貫通する第2貫通孔が形成されており、
    前記第2貫通孔は、前記測定領域に前記試料を含む試料溶液を滴下するためのピペットチップの先端の外径よりも小さい幅を有する幅狭部を含む、試料支持体。
  2. 前記第2貫通孔は、前記外径よりも小さい幅を有する筒状に形成されている、請求項1に記載の試料支持体。
  3. 前記第2貫通孔は、前記厚さ方向に沿って前記第1表面に近づくにつれて内径が小さくなるテーパー状に形成されており、
    前記厚さ方向から見た場合に、前記第2貫通孔の前記第1表面側とは反対側の開口は、前記ピペットチップの前記先端を含む大きさを有する、請求項1に記載の試料支持体。
  4. 前記第2貫通孔は、
    前記幅狭部を含む筒状部と、
    前記筒状部の前記第1表面側とは反対側の端部に接続され、前記厚さ方向に沿って前記第1表面から離れるにつれて内径が大きくなる椀状部と、を有し、
    前記厚さ方向から見た場合に、前記椀状部の前記筒状部とは反対側の開口は、前記ピペットチップの前記先端を含む大きさを有する、請求項1に記載の試料支持体。
  5. 前記対向部分は、前記第1表面から剥離可能なように、前記第1表面に対して直接的又は間接的に接着されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の試料支持体。
  6. 前記対向部分は、
    前記第2貫通孔の前記第1表面側の開口の周縁部において前記第1表面に対して直接的又は間接的に接着される接着部分と、
    前記厚さ方向から見た場合に前記接着部分よりも外側に位置し、前記第1表面から離間している離間部分と、を有する、請求項5に記載の試料支持体。
  7. 前記フレームは、前記基板の前記第1表面に接合されており、
    前記保護層は、前記フレーム及び前記測定領域を覆うように設けられている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の試料支持体。
  8. 前記フレームは、前記基板の前記第2表面に接合されており、磁性材料によって形成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の試料支持体。
  9. 前記保護層は、磁性材料によって形成されており、
    前記保護層は、前記保護層と前記フレームとの間の磁力により、前記基板の前記第1表面に対して固定されている、請求項8に記載の試料支持体。
  10. 前記第1表面において前記第1貫通孔を塞がないように設けられた導電層を更に備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載の試料支持体。
  11. 前記第1貫通孔の幅は、1nm〜700nmであり、
    前記第2貫通孔の前記幅狭部の幅は、500μm以下である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の試料支持体。
  12. 前記基板には複数の前記測定領域が形成されており、
    前記保護層は、前記複数の前記測定領域に対応する複数の前記対向部分を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の試料支持体。
  13. 前記第2貫通孔の内面には、親水性のコーティング層が設けられている、請求項1〜12のいずれか一項に記載の試料支持体。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の試料支持体が用意される第1工程と、
    載置部の載置面に前記第2表面が対面するように前記載置面に前記試料支持体が載置される第2工程と、
    前記ピペットチップの先端を前記保護層の前記第1表面側とは反対側から前記第2貫通孔に接近させた後、前記試料溶液が前記ピペットチップの先端から前記第2貫通孔を介して前記測定領域に滴下される第3工程と、
    前記試料溶液が滴下された後に、前記試料支持体から前記保護層が取り外される第4工程と、
    前記基板に滴下された前記試料溶液が乾燥した後に、前記測定領域の前記第1表面に対してエネルギー線が照射されることにより、前記試料の成分がイオン化される第5工程と、を含む、イオン化方法。
  15. 前記第3工程の前に、前記第2貫通孔の内面に対して親水性を向上させるための表面処理が行われる工程を含む、請求項14に記載のイオン化方法。
  16. 請求項14又は請求項15に記載のイオン化方法の各工程と、
    前記第5工程においてイオン化された前記成分が検出される第6工程と、を含む、質量分析方法。
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