JP2020153756A - α線検出装置およびα線検出方法 - Google Patents

α線検出装置およびα線検出方法 Download PDF

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雄一郎 上野
克宜 上野
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克宜 上野
昌弘 増永
Masahiro Masunaga
昌弘 増永
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豊 米谷
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Abstract

【課題】α線を高精度に計測する。【解決手段】バイアス電圧Vbが印加されると、バイアス電圧Vbに応じた空乏層厚を有する空乏層101が発生する半導体放射線検出器10と、空乏層101に入射したα線が正孔−電子対を形成し、かつ、空乏層101に入射したγ線が空乏層101を透過するレベルのバイアス電圧Vbを半導体放射線検出器10に印加するバイアス印加装置20と、半導体放射線検出器10の出力信号に基づいて、α線とγ線とが含まれる放射線200からα線の量を計測する信号処理装置30と、α線検出装置1に設けた。【選択図】図1

Description

本発明は、α線検出装置およびα線検出方法に関する。
自然界には多くのα放出核種が存在する。トリウム系列(Th−232)にはTh−228、Ra−224、Rn−220、Po−216、Bi−212、Po−212のような放射性核種が存在する。また、ウラン系列(U−238)にはRa−226、Rn−222、Po−218、Po−214、Po−210のような放射性核種が存在する。さらには、過去に実行された核実験等によるフォールアウトの影響で、自然界にはごく僅かにプルトニウム(Pu−239、Pu−240、Pu−242等)やアメリシウム(Am−241、Am−243等)が存在する。α線計測技術は、ウラン鉱床探査や温泉探査、地震予知、断層解析等に適用され、また、原子力発電プラント、放射性廃棄物処理施設、加速器施設等の放射線管理区域における排気モニタ、排水モニタ、ダストモニタ、サーベイメータ等に適用されている。
α線計測装置の一例として、例えば、下記特許文献1の要約書には、「半導体式放射線検出素子11aの放射線有感領域111aが放射線入射部1111と気密シール部1112とチェック部1113とを有し、筐体15aのリング溝153に装着されたOリング17によって筐体15aと気密シール部1112とが気密シールされる。LED13からの機能チェック用の光パルスは、光ファイバ14と透明な樹脂からなる厚さ2mm程度の光路変更部材18とによって、チェック部1113へ垂直に入射される。筐体15a のα線入射窓151は厚さ1μm 以下のPET膜16aによって覆われる。」と記載されている。
また、下記特許文献2の要約書には、「半導体放射線検出部6に内蔵される半導体2に逆バイアス電圧を印加するバイアス回路8を、その出力電圧を切り替え可能に構成する。操作者が切替スイッチ20によって、逆バイアス電圧を切り替えると、半導体内の空乏層の広がりが変化する。電圧を高く設定すると生物学的なダメージが大きい低エネルギー領域の感度を強調することができ、一方、低くすることにより一様なエネルギー特性を近似的に実現することができる。これにより、放射線減衰フィルタの交換等を行うことなく、電気的に、線量当量に応じた放射線測定と吸収線量に応じた放射線測定とを切り替えることができる。」と記載されている。
特開2003-057355号公報 特開平11−118934号公報
ところで、高精度なα線測定を行うためには、環境中に存在するβ線やγ線によるバックグラウンド信号(以下、BG信号と呼ぶことがある)を弁別することが望まれる。特許文献1においては、エネルギースペクトルを計測することによってBG信号の弁別および除去を行っている。しかし、この方法では、高線量下等、BG信号が多い場合には、パイルアップによってBG信号の波高値が見かけ上増大し、α線を高精度に計測することが困難になる。また、特許文献2においては、α線計測に関して、特に記載されていない。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、α線を高精度に計測できるα線検出装置およびα線検出方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明のα線検出装置は、バイアス電圧が印加されると、前記バイアス電圧に応じた空乏層厚を有する空乏層が発生する半導体放射線検出器と、前記空乏層に入射したα線が正孔−電子対を形成し、かつ、前記空乏層に入射したγ線が前記空乏層を透過するレベルの前記バイアス電圧を前記半導体放射線検出器に印加するバイアス印加装置と、前記半導体放射線検出器の出力信号に基づいて、α線とγ線とが含まれる放射線からα線の量を計測する信号処理装置と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、α線を高精度に計測できる。
本発明の第1実施形態によるα線検出装置のブロック図である。 半導体放射線検出器の放射線計測時における半導体構造の模式図である。 第2実施形態によるα線検出装置のブロック図である。 空乏層の空乏層厚と計数率との関係を示す図である。 第3実施形態によるα線検出装置のブロック図である。 シグナル計測モードにおける半導体放射線検出器の半導体構造の模式図である。 バックグラウンド計測モードにおける半導体放射線検出器の半導体構造の模式図である。 第3実施形態における計測例を示す図である。 第4実施形態によるα線検出装置のブロック図である。 第5実施形態によるα線検出装置のブロック図である。
[第1実施形態]
〈第1実施形態の構成および動作〉
図1は、本発明の第1実施形態によるα線検出装置1のブロック図である。α線検出装置1は、α線とγ線とが混在した放射線200の中から、α線の計数率等を計測しようとするものである。図示のように、α線検出装置1は、半導体放射線検出器10と、バイアス印加装置20と、信号処理装置30と、表示装置40と、を備えている。
半導体放射線検出器10は、P型半導体12(図2参照)とN型半導体14とを接合したものであり、ダイオードとしても機能する。バイアス印加装置20は、半導体放射線検出器10に対して逆方向のバイアス電圧Vbを印加する。すると、半導体放射線検出器10の内部にハッチングによって示す空乏層101が形成される。また、空乏層101に隣接して不感層102が形成される。空乏層101が形成される側の面を面111と呼び、不感層102が形成される側の面を面112と呼ぶ。本実施形態において、放射線200は、不感層102とは逆側の面111から入射するものとする。
図2は、半導体放射線検出器10の放射線計測時における半導体構造の模式図である。半導体放射線検出器10に放射線が入射して相互作用が起こると、相互作用エネルギーに比例した数の正孔−電子対が生成される。正孔−電子対が空乏層101の中に生成されると、印加されているバイアス電圧Vbによって正孔と電子とが逆方向に移動し、これによって電荷が誘起されて半導体放射線検出器10から電気信号が出力される。一方、不感層102に生じた正孔−電子対の大部分は信号として出力されず、不感層102の内部で消滅する。
図1において、信号処理装置30は、半導体放射線検出器10からの出力信号を増幅および波形整形してカウントしている。すなわち、α線が空乏層101に入射すると、半導体放射線検出器10には略三角形状のパルス信号が現れる。信号処理装置30は、このパルス信号が所定の閾値を超えた回数をカウントしている。表示装置40は、信号処理装置30の出力データ、例えばカウント値や計数率等を出力する。本実施形態においては、図2に示すように、PN接合面からバイアス電圧Vbの印加により空乏層101を形成しており、その空乏層101の厚さは、印加電圧によって制御可能である。上述のように、空乏層101が半導体放射線検出器10の有感領域になっており、空乏層101の厚さによって放射線検出感度が決定される。
半導体放射線検出器10に適用されている半導体の全線減弱係数をμ[cm2/g]とし、半導体の密度をρ[g/cm3]とし、空乏層101の厚さをLdとすると、半導体放射線検出器10の感度Aは、下式(1)で与えられる。
A=1−exp(−μ・ρ・Ld) ・・・式(1)
なお、expは、e(ネイピア数)のべき乗である。
ここで、十分小さな空乏層厚Ldに対して式(1)は下式(2)のように近似される。
A≒μ・ρ・Ld ・・・式(2)
空間線量率X[pGy/h]の環境で、半導体放射線検出器10の面積S[cm2]に入射するγ線の量B[count/h]は、空気カーマKa/フルエンスΦをβ[pGy・cm2]とすると、下式(3)で与えられる。
B=X・S/β ・・・式(3)
式(2)および式(3)により、半導体放射線検出器10の計数率C[count/h]は式(4)の通りになる。
C=A・B=μ・ρ・Ld・X・S/β ・・・式(4)
ここで、全線減弱係数μ、密度ρ、面積Sは、半導体放射線検出器10に依存した定数であり、空間線量率Xおよびβは測定環境に依存したパラメータである。従って式(4)によれば、測定環境が固定されている場合は、γ線の計数率は空乏層厚Ldに正比例することが分かる。従って、バックグラウンド成分であるγ線の計数率は空乏層厚Ldでコントロール可能である。
例えば、半導体放射線検出器10の半導体素子としてダイヤモンドを使用した場合は、その全減弱係数μ[cm2/g]、密度ρ[g/cm3]および0.6[MeV]のγ線の空気カーマKa/フルエンスΦ=β[pGy・cm2]はそれぞれ以下に示すようになる。
μ=8.047x10-2
ρ=3.52
β=2.84(ICRP Publication74(1997)より)
さらに、ダイヤモンドの半導体放射線検出器10の面積Sを1[mm2]とし、空乏層厚Ldを30[μm]、測定環境の空間線量率Xを1[mGy/h]とすると、式(4)により、γ線の計数率は、0.76[count/s]になる。従って、α線の計数率が10[count/s]以上であれば、10秒程度の測定で誤差数%の計測が可能となる。つまり、1[mGy/h]以下の空間線量率環境では、空乏層の厚さを30[μm]以下とすればγ線の影響を十分に低減することが可能である。また、測定環境(空間線量率やエネルギー)に応じて、あるいは計測対象のα線強度や計測時間に応じて、γ線の影響を無視可能な最適な空乏層101厚を変更設定することが可能である。
〈第1実施形態の効果〉
以上のように本実施形態のα線検出装置(1)によれば、バイアス電圧(Vb)が印加されると、バイアス電圧(Vb)に応じた空乏層厚(Ld)を有する空乏層(101)が発生する半導体放射線検出器(10)と、空乏層(101)に入射したα線が正孔−電子対を形成し、かつ、空乏層(101)に入射したγ線が空乏層(101)を透過するレベルのバイアス電圧(Vb)を半導体放射線検出器(10)に印加するバイアス印加装置(20)と、半導体放射線検出器(10)の出力信号に基づいて、α線とγ線とが含まれる放射線(200)からα線の量を計測する信号処理装置(30)と、を備える。
これにより、本実施形態によれば、α線とγ線とが含まれる放射線200から、バックグラウンド成分であるγ線の影響を抑制しつつα線の量を計測することができる。従って、本実施形態によれば、シャッター機構等を用いてバックグラウンド成分を計測する必要がなくなり、簡素な測定構成が実現できる。また、γ線の影響を除去するために放射線のエネルギー情報を計測する必要がないため、簡易な信号処理系でα線を計測できる。また、半導体放射線検出器10自体もエネルギー分解能を特に必要としないため、様々な材質の半導体を利用することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、エネルギー情報が不要で、放射線(200)のカウントを行えば必要なデータが揃うため、信号処理装置30にて半導体放射線検出器10の出力信号を短時間パルスに整形処理すればよく、高計数率すなわち高線量率環境にも対応可能になる。このように、本実施形態によれば、空間線量率が高い環境下であっても計測可能であり、装置も簡易となるので、廃炉等、様々な実フィールドでの適用が可能となる。
なお、本実施形態においては、エネルギー計測を行うことは必須ではないが、エネルギー計測を行うことによって、更なるノイズ低減や、線種評価等を実現することも可能であり、これによって一層高精度なα線計測を実現することもできる。
また、本実施形態においては、バックグラウンド成分としてγ線の影響を除去したが、β線等、その他の放射線の影響を除去することも可能である。例えばβ線の場合その飛程はγ線よりも小さいがα線と比較すると十分に大きく、γ線と同様にその影響を除去することができる。
[第2実施形態]
〈第2実施形態の構成および動作〉
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
図3は、第2実施形態によるα線検出装置2のブロック図である。図示のように、α線検出装置2は、半導体放射線検出器10と、バイアス印加装置20と、信号処理装置30と、表示装置40と、を備えており、これらは第1実施形態のもの(図1参照)と同様である。α線検出装置2は、さらに、計測制御装置50と、補正処理装置60と、を備えている。
計測制御装置50は、バイアス印加装置20を制御して半導体放射線検出器10に印加するバイアス電圧Vbを調整し、半導体放射線検出器10内の空乏層101の厚さを変化させる。より具体的には、計測制御装置50は、少なくとも2種類の電圧レベルVb1(第1の電圧レベル)およびVb2(第2の電圧レベル)をバイアス電圧Vbとして指定し、これによって少なくとも2種類の空乏層厚Ldを実現する。補正処理装置60は、各々の空乏層厚Ldにおける、信号処理装置30からの出力データを取り込むとともに保持し、バックグラウンド補正処理を実行する。以下、このバックグラウンド補正処理の内容を説明する。
図4は、空乏層101の空乏層厚Ldと計数率との関係を示す図である。図4においては、第1実施形態のものと同様に、半導体素子としてダイヤモンドを適用している。測定環境(空間線量率Xおよびβ=空気カーマKa/フルエンスΦ)は、第1実施形態のものと同様である。
図4に実線で示す特性210は、放射線200がγ線のみである場合の特性である。式(4)および図4の特性210に示すように、測定環境が固定されている場合は、γ線の計数率は空乏層厚Ldに正比例する。一方、破線で示す特性220は、
(A)放射線200にα線が含まれており、かつ、
(B)空乏層厚Ldが0の場合であっても、空乏層101が充分にα線を吸収する
と仮定した場合の特性である。上記(B)の条件によれば、放射線200にα線が含まれる場合は、図示のように空乏層厚Ld=0に対してオフセットカウントCfが発生する。
特性220において、空乏層厚Ldが異なる2点の計測点、(例えば、図示の計測点222,224)が得られれば、外挿によって空乏層厚Ldが「0」である仮想計測点226における値すなわちオフセットカウントCfを特定することができる。そして、オフセットカウントCfによって、α線の計数率を導出することができる。ここで、空乏層101の空乏層厚Ldは、α線を精度よくカウントできる程度の大きさにすることが好ましい。図4に示す例においては、計測点222,224における空乏層厚Ldは、30[μm]および20[μm]である。
本実施形態においては、例えば以下の手順により、α線の計数率を導出する。
・手順2−1:信号処理装置30およびバイアス印加装置20が、半導体放射線検出器10に対して、バイアス電圧Vb1を印加することにより、空乏層厚Ldを例えば30[μm]に設定し、放射線200の計数率(図4における計数率C1)を測定する。
・手順2−2:信号処理装置30およびバイアス印加装置20が、半導体放射線検出器10に対して、バイアス電圧Vb2を印加することにより、空乏層厚Ldを例えば20[μm]に設定し、放射線200の計数率(図4における計数率C2)を測定する。
・手順2−3:補正処理装置60が、計測点222,224における電圧レベルVb1,Vb2および計数率C1,C2を外挿することによって、仮想計測点226におけるオフセットカウントCfを求める。このオフセットカウントCfがα線の計数率になる。
なお、上記手順2−1と手順2−2の順序は入れ替えてもよい。
本実施形態においては、α線のエネルギー情報は必ずしも必要ではないため、空乏層厚Ldはα線を精度よくカウント可能な範囲の厚さであればよい。また、上述したように、信号処理装置30は、半導体放射線検出器10に現れるパルス信号が所定の閾値を超えた回数をカウントする。そこで、測定対象となるα線の飛程と、α線をカウントできる閾値とに基づいて、空乏層厚Ldを決定するとよい。また、空乏層厚Ldはバイアス電圧Vbによって調整可能であり、バイアス電圧Vbから理論的に空乏層厚Ldを導くことが可能である。勿論、放射線200を測定する前に、バイアス電圧Vbと空乏層厚Ldとの関係を実測により把握してもよい。
〈第2実施形態の効果〉
以上のように、本実施形態のα線検出装置(2)は、バイアス電圧(Vb)が印加されると、バイアス電圧(Vb)に応じた空乏層厚(Ld)を有する空乏層(101)が発生する半導体放射線検出器(10)と、指定されたバイアス電圧(Vb)を半導体放射線検出器(10)に印加するバイアス印加装置(20)と、半導体放射線検出器(10)の出力信号に基づいて、半導体放射線検出器(10)に入射する放射線(200)の量を計測する信号処理装置(30)と、バイアス電圧(Vb)として、複数の空乏層厚(Ld)に対応する複数の電圧レベル(Vb1,Vb2)をバイアス印加装置(20)に指令する計測制御装置(50)と、複数の電圧レベル(Vb1,Vb2)における信号処理装置(30)の出力信号に基づいて、α線とγ線とが含まれる放射線(200)からα線の量を出力する補正処理装置(60)と、を備える。
また、本実施形態におけるα線検出方法は、半導体放射線検出器(10)に対して、第1の電圧レベル(Vb1)のバイアス電圧(Vb)を印加することによって第1の電圧レベル(Vb1)に応じた空乏層厚(Ld)を有する空乏層(101)を形成し、半導体放射線検出器(10)の出力信号に基づいて、α線とγ線とが含まれる放射線(200)の量に対応する第1の計測値(C1)を取得する過程と、半導体放射線検出器(10)に対して、第2の電圧レベル(Vb2)のバイアス電圧(Vb)を印加することによって第2の電圧レベル(Vb2)に応じた空乏層厚(Ld)を有する空乏層(101)を形成し、半導体放射線検出器(10)の出力信号に基づいて、放射線(200)の量に対応する第2の計測値(C2)を取得する過程と、第1の計測値(C1)と第2の計測値(C2)とに基づいて、放射線(200)に含まれるα線の量を導出する過程と、を有するものである。
このように、本実施形態によれば、少なくとも2種類のバイアス電圧Vbを適用することによってバックグラウンド成分であるγ線の影響を除去することが可能であり、より高精度にα線を計測することができる。さらに、第1実施形態と同様に、シャッター機構等を用いてバックグラウンド計測する必要がなくなるため、簡素で安価な構成によってα線検出装置2が実現できる。
また、本実施形態によれば、γ線の影響を除去するために放射線のエネルギー情報を計測する必要がないため、簡易な信号処理系を適用できる。そして、半導体放射線検出器10自体もエネルギー分解能を特に必要としないので、様々な材質の半導体を適用することが可能となる。さらに、本実施形態によれば、空間線量率が高い環境下であっても計測可能であり、装置も簡易となるので、廃炉等様々な実フィールドでの適用が可能となる。なお、上述した本実施形態の説明において、エネルギー計測は不要としたが、エネルギー計測を行うことによって更なるノイズ低減や線種評価等を行うことも可能であり、一層高精度なα線計測を実現可能である。
さらに、本実施形態においては、バックグラウンド成分としてγ線の影響を除去したが、β線等、その他の放射線の影響を除去することも可能である。例えばβ線の場合その飛程はγ線よりも小さいがα線と比較すると十分に大きく、空乏層厚(Ld)としてα線の飛程より十分厚くγ線やβ線の飛程よりも十分薄くすれば、β線の影響もγ線と同様に除去することができる。
[第3実施形態]
〈第3実施形態の構成および動作〉
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、以下の説明において、上述した他の実施形態の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
図5は、第3実施形態によるα線検出装置3のブロック図である。図示のように、α線検出装置3は、第2実施形態のα線検出装置2(図3参照)における半導体放射線検出器10に代えて、半導体放射線検出器10Aを備えている。半導体放射線検出器10Aは、半導体放射線検出器10と比較して、放射線250の入射方向が逆方向になっている。また、半導体放射線検出器10Aとして、素子厚30μm以下のダイヤモンド半導体素子を適用してもよい。また、α線検出装置3は、バイアス印加装置20と、信号処理装置30と、表示装置40と、計測制御装置50と、補正処理装置60と、を備えており、これらの構成は第2実施形態のものと同様である。
本実施形態のα線検出装置3には、シグナル計測モード(第1の計測モード)およびバックグラウンド計測モード(第2の計測モード)という二つの計測モードがある。すなわち、計測制御装置50は、バイアス印加装置20を制御して半導体放射線検出器10Aに印加するバイアス電圧Vbを調整し、半導体放射線検出器10A内の空乏層101の空乏層厚Ldを変えて、シグナル計測モードとバックグラウンド計測モードとを実現する。換言すれば、シグナル計測モードにおいては、空乏層101が半導体放射線検出器10Aのほぼ全域に渡るように、バイアス電圧Vbが比較的高いバイアス電圧Vb3(図示せず)に設定される。一方、バックグラウンド計測モードにおいては、シグナル計測モードよりも空乏層厚Ldが狭くなるように、バイアス電圧Vbが比較的低いバイアス電圧Vb4(図示せず)に設定される。
図6は、シグナル計測モードにおける半導体放射線検出器10Aの半導体構造の模式図である。上述したように、シグナル計測モードにおいては、空乏層101が半導体放射線検出器10Aのほぼ全域に渡る範囲で形成されている。
また、図7は、バックグラウンド計測モードにおける半導体放射線検出器10Aの半導体構造の模式図である。このモードにおいては、シグナル計測モードよりも空乏層厚Ldが狭く、空乏層101に隣接して不感層102が形成されている。放射線250は、この不感層102の側である面112から入射する。
一例として、半導体放射線検出器10Aの半導体素子としてダイヤモンドを適用し、α線のエネルギーが5[MeV]であったと仮定する。この仮定において、半導体放射線検出器10Aでのα線の飛程Lαは10[μm]程度になる。そこで、バックグラウンド計測モードにおける不感層厚Le(不感層102の厚さ)を10μm以上とすれば、α線は不感層102で遮蔽される。これにより、α線検出装置3は、α線を計測せず、バックグラウンド成分のみを計測する。
一方、シグナル計測モードでは、半導体放射線検出器10Aのほぼ全域が空乏層化しているため、バックグラウンド成分と、α線成分との合計値を計測することができる。なお、シグナル計測モードでは、必ずしも半導体放射線検出器10Aを全空乏層化する必要はなく、不感層厚Leがα線の飛程(上記例では10[μm])以下であればよい。本実施形態における補正処理装置60が実行するバッグラウンド補正処理は、「シグナル計測モードの計測データ(例えば計数率)」から「バックグラウンド計測モードの計測データ(例えば計数率)」を減算する、というものである。
ところで、本実施形態においては、シグナル計測モードとバックグラウンド計測モードとにおいて有感層である空乏層101の空乏層厚Ldが変化している。これにより、特にγ線に関して、空乏層厚Ldの影響が現れやすいと考えられる。そこで、シグナル計測モードおよびバックグラウンド計測モードの計測データ(例えば計数率)をそのまま用いるのではなく、少なくとも一方の計測データについて空乏層厚Ldの変化に伴う感度の変化を補正するとよい。例えば、シグナル計測モードの計測データから、バックグラウンド計測モードの補正後の計測データを減算するとよい。このように、計測モード毎の感度を補正できれば、計測精度を一層高めることができる。また、γ線以外の放射線に関しても(例えばα線に関しても)、空乏層厚Ldの変化に伴う感度補正を行うことは可能であり、これによって計測精度を向上させることができる。
また、本実施形態においては、バックグラウンド成分としてγ線の影響を除去したが、β線等のその他の放射線の影響を除去することも可能である。例えばβ線の場合その飛程はγ線よりも小さいがα線と比較すると十分に大きく、不感層厚Leとしてα線の飛程より十分厚くγ線やβ線の飛程よりも十分薄くすれば、β線の影響もγ線と同様に除去することができる。
さらに、計測制御装置50において、バイアス印加装置20を制御して半導体放射線検出器10Aに印加するバイアス電圧Vbを調整し、半導体放射線検出器10A内の不感層102の不感層厚Leをα線の飛程Lα程度で複数変えて、計測することによりα線のエネルギーを計測することが出来る。
図8は、本実施形態における計測例を示す図である。
図中の計数率曲線230のように、不感層厚Leがα線の飛程Lαよりも厚い場合は、α線はほとんど計測されず、逆に不感層厚Leがα線の飛程Lαよりも薄くなるとα線は有意に計測されるようになる。そして、図示のように、不感層厚Leがα線の飛程Lα程度のところで計数率が急激に変動する。従って、この有意なα線計数結果の有無による変動点を見つけることにより、α線の飛程を同定して、飛程により一意的に決定されるα線のエネルギーを同定することが出来る。
本実施形態においては、例えば以下の手順により、α線の計数率を導出する。
・手順3−1:信号処理装置30およびバイアス印加装置20が、半導体放射線検出器10に対して、シグナル計測モード(図6参照)を実現するバイアス電圧Vb3を印加することにより、放射線250の計数率C3(図示せず)を測定する。
・手順3−2:信号処理装置30およびバイアス印加装置20が、半導体放射線検出器10に対して、バックグラウンド計測モード(図7参照)を実現するバイアス電圧Vb4を印加することにより、放射線250の計数率C4(図示せず)を測定する。
・手順3−3:補正処理装置60が、シグナル計測モードおよびバックグラウンド計測モードにおける空乏層厚Ldの変化に伴う感度補正を行う。すなわち、計数率C3,C4のうち少なくとも一方を補正する。
・手順3−4:補正処理装置60が、補正後の計数率C3,C4の差分をα線の計数率として求める。
なお、上記手順3−1と手順3−2の順序を入れ替えてもよい。また、手順3−3は省略してもよい。
また、本実施形態においては、例えば以下の手順により、α線のエネルギーを導出する。
・手順3−5:信号処理装置30およびバイアス印加装置20が、半導体放射線検出器10に対して、α線の飛程Lα程度(飛程Lα前後)の不感層厚Leを実現する複数のバイアス電圧Vb5〜Vb9を印加することにより、放射線250の計数率C5〜C9を測定する。ここでは測定点数を5点としたがもちろんそれに限定されない。
・手順3−6:補正処理装置60が、計数率曲線230の変動点を導出する。導出方法は一般的な曲線の不連続点や変曲点を見つける方法等、特に限定はなく、急激に計数率が変動している点を見つければよい。
・手順3−7:補正処理装置60が、導出した変動点のバイアス電圧(Vb7)から不感層厚Leを導出し、この不感層厚Leがα線の飛程Lαとなっていることからα線のエネルギーを導出する。
〈第3実施形態の効果〉
以上のように、本実施形態の計測制御装置(50)は、バイアス電圧(Vb)として、入射するα線の飛程よりも薄い不感層厚(Le)を有する不感層(102)を形成し、または不感層(102)が無い状態にする第1の電圧レベル(Vb3)を指定する第1の計測モード(シグナル計測モード)と、バイアス電圧(Vb)として、入射するα線の飛程よりも厚い不感層厚(Le)を有する不感層(102)を形成する第2の電圧レベル(Vb4)を指定する第2の計測モード(バックグラウンド計測モード)と、を有するものであり、半導体放射線検出器(10)は、不感層(102)が形成される側の面(112)を放射線(250)の入射面とすることを特徴とする。
本実施形態によれば、第1,第2実施形態と同様に、シャッター機構等が不要であり、放射線のエネルギー情報を計測する必要がなく、半導体放射線検出器10A自体もエネルギー分解能を必要とせず、
これにより、簡素で安価な構成によってα線検出装置3が実現でき、半導体放射線検出器10Aとして、様々な材質の半導体を適用することが可能になり、様々な実フィールドでの適用が可能になる。
さらに、第1の電圧レベル(Vb3)における空乏層厚(Ld)と、第2の電圧レベル(Vb4)における空乏層厚(Ld)と、に応じて、第1の計測値(C3)または第2の計測値(C4)を補正する構成においては、一層高精度なα線計測を実現することができる。
また、本実施形態の計測制御装置(50)は、バイアス電圧(Vb)として、入射するα線の飛程程度の不感層厚(Le)を有する不感層(102)を複数形成するものであり、半導体放射線検出器(10)は、不感層(102)が形成される側の面(112)を放射線(250)の入射面とすることを特徴とする。
また、本実施形態のα線検出方法は、半導体放射線検出器(10A)に対して、複数の電圧レベル(Vb5〜Vb9)のバイアス電圧(Vb)を印加することによって、入射するα線の飛程前後の不感層厚(Le)を有する不感層(102)を複数回形成し半導体放射線検出器(10A)の出力信号に基づいて、複数の電圧レベル(Vb5〜Vb9)と入射するα線の飛程とに応じた複数の計測値(C5〜C9)を取得する過程と、複数の計測値(C5〜C9)に基づいて、α線のエネルギーを導出する過程と、を有する。
換言すれば、計測制御装置(50)は、バイアス電圧(Vb)として、入射するα線の飛程前後の不感層厚(Le)を有する不感層(102)を形成する複数の電圧レベル(Vb5〜Vb9)を設定し、補正処理装置(60)は、複数の電圧レベル(Vb5〜Vb9)における信号処理装置(30)の出力信号に基づいて、α線のエネルギーを出力する。従って、本実施形態によれば、α線のエネルギーを特定することが可能となり、より高精度なα線計測を実現する。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。なお、以下の説明において、上述した他の実施形態の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
図9は第4実施形態によるα線検出装置5のブロック図である。図示のように、α線検出装置5は、第2実施形態のα線検出装置2(図3参照)における半導体放射線検出器10に代えて、半導体放射線検出器10Bを備えている。また、α線検出装置5は、バイアス印加装置20と、信号処理装置30と、表示装置40と、計測制御装置50と、補正処理装置60と、を備えており、これらの構成は第2実施形態のものと同様である。
半導体放射線検出器10Bは、半導体素子として、ダイヤモンド、窒化ガリウム、炭化ケイ素等のワイドギャップ半導体を適用している。なお、ワイドギャップ半導体とは、例えば「バンドギャップが2.2[eV]以上である半導体」と定義することができる。ワイドギャップ半導体は、バンドギャップが大きいため、放射線によって生成される電荷量が少なくなり、エネルギー分解能に劣る面がある。
しかし、上述の第1〜第3実施形態と同様に、本実施形態においても放射線のエネルギー計測が不要であるため、エネルギー分解能に劣る事によって特に支障が生じない。また、半導体放射線検出器10Bは、入射方向が相互に逆である放射線200,250の双方に対応している。一般に、ワイドギャップ半導体は、耐環境性に優れており、実フィールド等に適用することが容易になる。具体的には、ワイドギャップ半導体は温度の変化に強く、例えば室温で冷却システムが不要であることが多い。これにより、α線検出装置5の構成を簡素にすることができ、高温環境下での使用も容易になる。さらに、ワイドギャップ半導体は耐放射線性にも優れており、高線量率環境での使用も可能になる。
以上のように、本実施形態においては、半導体放射線検出器10Bにワイドギャップ半導体素子を適用したため、耐環境性に優れ、温度の変化に強く、耐放射線性にも優れたα線検出装置5を実現できる。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態について説明する。なお、以下の説明において、上述した他の実施形態の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
図10は第5実施形態によるα線検出装置6のブロック図である。図示のように、α線検出装置6は、第2実施形態のα線検出装置2(図3参照)における半導体放射線検出器10に代えて、半導体放射線検出器10Cを備えている。
また、α線検出装置6は、バイアス印加装置20と、信号処理装置30と、表示装置40と、計測制御装置50と、補正処理装置60と、を備えており、これらの構成は第2実施形態のものと同様である。半導体放射線検出器10Cは、半導体素子16の一面にショットキー電極18を蒸着しショットキー接合を形成している。本ショットキー接合によりバイアス電圧Vbの印加に伴って空乏層101を形成することができる。また、半導体放射線検出器10Cは、第4実施形態における半導体放射線検出器10B(図9参照)と同様に、入射方向が相互に逆である放射線200,250の双方に対応している。
以上のように、本実施形態の半導体放射線検出器10Cは、半導体素子16と、半導体素子の一面に形成されたショットキー電極18と、を有する。これにより、PN接合用のP層またはN層の形成が不要になり、P層またはN層のみの半導体素子16に単純にショットキー接合を実現するショットキー電極18を形成すると、半導体放射線検出器10Cを構成できる。上述した他の実施形態の半導体放射線検出器10,10A,10Bも、一般的にはバイアス電圧Vbを印加するための電極形成が必要であるため、その電極を適切に選択すればショットキー電極18を構成できる。すなわち、本実施形態によれば、半導体プロセスを簡略化することが可能になり、半導体放射線検出器10Cの製作コストを低減できる。また、ショットキー接合を形成できる半導体素子は種類が豊富であるため、半導体素子16として使用可能な半導体の種類が増える利点もある。
1〜5 α線検出装置
10,10A,10B,10C 半導体放射線検出器
12 P型半導体
14 N型半導体
16 半導体素子
18 ショットキー電極
20 バイアス印加装置
30 信号処理装置
40 表示装置
50 計測制御装置
60 補正処理装置
101 空乏層
102 不感層
111,112 面
200,250 放射線
C1 計数率(第1の計測値)
C2 計数率(第2の計測値)
C5 計数率(第5の計測値)
C6 計数率(第6の計測値)
C7 計数率(第7の計測値)
C8 計数率(第8の計測値)
C9 計数率(第9の計測値)
Ld 空乏層厚
Le 不感層厚
Vb バイアス電圧
Vb1 バイアス電圧(第1の電圧レベル)
Vb2 バイアス電圧(第2の電圧レベル)
Vb5 バイアス電圧(第5の電圧レベル)
Vb6 バイアス電圧(第6の電圧レベル)
Vb7 バイアス電圧(第7の電圧レベル)
Vb8 バイアス電圧(第8の電圧レベル)
Vb9 バイアス電圧(第9の電圧レベル)

Claims (11)

  1. バイアス電圧が印加されると、前記バイアス電圧に応じた空乏層厚を有する空乏層が発生する半導体放射線検出器と、
    前記空乏層に入射したα線が正孔−電子対を形成し、かつ、前記空乏層に入射したγ線が前記空乏層を透過するレベルの前記バイアス電圧を前記半導体放射線検出器に印加するバイアス印加装置と、
    前記半導体放射線検出器の出力信号に基づいて、α線とその他の放射線とが含まれる放射線からα線の量を計測する信号処理装置と、を備える
    ことを特徴とするα線検出装置。
  2. バイアス電圧が印加されると、前記バイアス電圧に応じた空乏層厚を有する空乏層が発生する半導体放射線検出器と、
    指定された前記バイアス電圧を前記半導体放射線検出器に印加するバイアス印加装置と、
    前記半導体放射線検出器の出力信号に基づいて、前記半導体放射線検出器に入射する放射線の量を計測する信号処理装置と、
    前記バイアス電圧として、複数の前記空乏層厚に対応する複数の電圧レベルを前記バイアス印加装置に指令する計測制御装置と、
    複数の前記電圧レベルにおける前記信号処理装置の出力信号に基づいて、α線とその他の放射線とが含まれる放射線からα線の量を出力する補正処理装置と、を備える
    ことを特徴とするα線検出装置。
  3. 前記計測制御装置は、前記バイアス電圧として、入射するα線の飛程よりも厚い不感層厚を有する不感層を形成する第1の電圧レベルを指定する第1の計測モードと、前記バイアス電圧として、入射するα線の飛程よりも薄い不感層厚を有する不感層を形成し、または不感層が無い状態にする第2の電圧レベルを指定する第2の計測モードと、を有するものであり、
    前記半導体放射線検出器は、不感層が形成される側の面を放射線の入射面とする
    ことを特徴とする請求項2に記載のα線検出装置。
  4. 前記計測制御装置は、前記バイアス電圧として、入射するα線の飛程前後の不感層厚を有する不感層を形成する複数の電圧レベルを設定し、
    前記補正処理装置は、複数の前記電圧レベルにおける前記信号処理装置の出力信号に基づいて、α線のエネルギーを出力する
    ことを特徴とする請求項3に記載のα線検出装置。
  5. 前記半導体放射線検出器は、ワイドギャップ半導体素子を適用したものである
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のα線検出装置。
  6. 前記半導体放射線検出器は、素子厚30μm以下のダイヤモンド半導体素子を適用したものであることを特徴とする請求項5に記載のα線検出装置。
  7. 前記半導体放射線検出器は、半導体素子と、前記半導体素子の一面に形成されたショットキー電極と、を有する
    ことを特徴とする請求項5または6に記載のα線検出装置。
  8. 半導体放射線検出器に対して、第1の電圧レベルのバイアス電圧を印加することによって前記第1の電圧レベルに応じた空乏層厚を有する空乏層を形成し、前記半導体放射線検出器の出力信号に基づいて、α線とその他の放射線とが含まれる放射線の量に対応する第1の計測値を取得する過程と、
    前記半導体放射線検出器に対して、第2の電圧レベルの前記バイアス電圧を印加することによって前記第2の電圧レベルに応じた空乏層厚を有する空乏層を形成し、前記半導体放射線検出器の出力信号に基づいて、前記放射線の量に対応する第2の計測値を取得する過程と、
    前記第1の計測値と前記第2の計測値とに基づいて、放射線に含まれるα線の量を導出する過程と、
    を有することを特徴とするα線検出方法。
  9. 前記第1の電圧レベルは、前記半導体放射線検出器に対して、入射するα線の飛程よりも厚い不感層厚を有する不感層を形成する電圧レベルであり、
    前記第2の電圧レベルは、は、前記半導体放射線検出器に対して、入射するα線の飛程よりも薄い不感層厚を有する不感層を形成し、または不感層が無い状態にする電圧レベルであり、
    前記半導体放射線検出器は、不感層が形成される側の面を放射線の入射面とする
    ことを特徴とする請求項8に記載のα線検出方法。
  10. 前記第1の電圧レベルにおける空乏層厚と、前記第2の電圧レベルにおける空乏層厚と、に応じて、前記第1の計測値または前記第2の計測値を補正する過程をさらに有する
    ことを特徴とする請求項9に記載のα線検出方法。
  11. 半導体放射線検出器に対して、複数の電圧レベルのバイアス電圧を印加することによって、入射するα線の飛程前後の不感層厚を有する不感層を複数回形成し前記半導体放射線検出器の出力信号に基づいて、複数の前記電圧レベルと入射するα線の飛程とに応じた複数の計測値を取得する過程と、
    複数の前記計測値に基づいて、α線のエネルギーを導出する過程と、
    を有することを特徴とするα線検出方法。
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