JP7257312B2 - 放射線計測装置、放射線計測システム及び放射線計測方法 - Google Patents
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Description
特許文献2には、β線やγ線を弁別する手段に関する記載は一切記載されていない。
その他の解決手段は実施形態中において、適宜記載する。
前記したように、α線と、バックグラウンドであるβ線やγ線を弁別するための手段として、波高値以外の情報を利用することができれば、高精度なα線測定を実施することができる。そして、その結果に基づく高度な分析や、監視を実現することが可能となる。本実施形態は、その結果に基づく高度な分析や、監視を実現する放射線計測装置及びその方法に関して種々検討して得た新たな知見に基づいてなされたものである。以下、本発明に係る放射線計測装置及びその方法の好適な実施形態を、図面を参照して、発明者らが得た新たな知見の内容を基に具体的に説明する。
まず、図1~図7を参照して、本発明の好適な第1実施形態を説明する。
図1は、第1実施形態に係る放射線計測装置100の構成例を示す図である。
放射線計測装置100は、α線センサ101、正孔ドリフト電源装置102、電子ドリフト電源装置103、計数値記録装置104、変換データベース105、変換演算装置106、α線計数値演算装置107、表示装置108を備えている。
図2A及び図2Bは、半導体方式のα線検知時の電荷ドリフトの概念図を示す図である。図2Aが正孔ドリフト時を示し、図2Bが電子ドリフト時を示す。
図2A及び図2Bにおいて、正孔ドリフト電源装置102及び電子ドリフト電源装置103には、α線センサ101に内部電界を供給可能な電源を用いる。図2A及び図2Bに示すように正孔ドリフト電源装置102及び電子ドリフト電源装置103は、α線センサ101を挟むように、対向して備えられている2つの電極111に接続されている。正孔ドリフト電源装置102及び電子ドリフト電源装置103を用いることで、α線センサ101に両極性の内部電界を供給することが可能となる。
図2Aでは正孔ドリフト時のα線センサ101内部での電荷ドリフトの概念を示したものである。
図2Aに示すように、正孔ドリフト時では、2つの電極111のうち、測定対象物R側の電極111が正極(正極側電極111a)、他方の電極111が負極(負極側電極111b)となるよう、正孔ドリフト電源装置102によって内部電界が与えられている。測定対象物Rに付着している放射性核種R2から放出されたα線R3がα線センサ101に入射すると、α線R3はα線センサ101の表面で相互作用し、正孔201及び電子202が発生する。α線R3の飛程はα線センサ101の厚さに対して小さいことから、電子202はα線センサ101の内部電界の向きに従って正極側電極111aに極短時間で到達する。
また、図2Bは電子ドリフト時のα線センサ101内部での電荷ドリフトの概念を示したものである。
図2Bに示すように、電子ドリフト時では、2つの電極111のうち、測定対象物R側の電極111が負極(負極側電極111b)、他方の電極111が正極(正極側電極111a)となるよう、電子ドリフト電源装置103によって内部電界が与えられている。測定対象物Rに付着している放射性核種R2から放出されたα線R3がα線センサ101に入射すると、α線R3はα線センサ101の表面で相互作用し、正孔201及び電子202が発生する。前記したように、電子ドリフト時では、測定対象物R側の電極111が負極側電極111b、他方の電極111が正極側電極111aとなるよう内部電界が与えられている。つまり、図2Aにおける内部電界の向きとは、内部電界の向きが逆向きになっている。従って、発生した正孔201は負極側電極111bに極短時間で到達する。一方、電子202は、α線センサ101の内部電界の向きに従って、α線センサ101の内部をドリフトしながら正極側電極111aに到達する。電子ドリフト電源装置103は、発生した電荷(ここでは電子202)が上記に示した挙動を示すような極性の電圧を供給するものである。
図3は、α線センサ101による電気パルス出力の様子を示す図である。
図3では、α線センサ101が出力する電圧値を示し、横軸を時間、縦軸を電圧値とする。α線センサ101に放射線R1が入射し、相互作用が生じると、ベースライン電圧303に、α線R3が出力する出力電圧304が重畳する。ここで、入射する放射線R1はα線R3の他にβ線、γ線を含む。α線センサ101における放射線R1の入射検知タイミング301aで電気パルス302aが発生する。次に、放射線R1がα線センサ101に入射すると、入射検知タイミング301bで電気パルス302bが発生する。以降、放射線R1がα線センサ101に入射する毎(入射検知タイミング301c~301e)で、電気パルス302c~302eが発生する。電気パルス302a~302eを、まとめて電気パルス302と称する。
図4は、正孔ドリフト時及び電子ドリフト時のα線計数値の時間変化を示す図である。ここで、図4の結果には、β線及びγ線の影響は含まれていない。
図4に示すデータは、ダイヤモンド半導体に対してAm-241由来のα線R3を照射することによって得られた実験結果である。
図4では、横軸を時間、縦軸を単位時間あたりの計数値としてα線照射時の計数値(α線計数値)の時間変化を示している。図4に示すデータはα線センサ101で生成された電気パルス302が計数値記録装置104に伝送され、計数値記録装置104において単位時間あたりの計数値に処理されたものである。図4の例では、単位時間は10msecとしている。図4に示す経過時間0秒からα線照射を開始し(符号341)、測定開始タイミング321から正孔ドリフト電源装置102、及び、電子ドリフト電源装置103をそれぞれ動作させ、α線照射に伴う電気パルス302を計数している。
図5は、正孔ドリフト時における計数値の時間変化を示す図である。図5において、縦軸は計数値、横軸は時間を示す。
正孔ドリフトによるα線照射時において、α線計数値401は、図4のα線計数値311と同様の時間変化を示す。α線センサ101にβ線やγ線(他線種)を照射すると、他線種計数値402に示す時間変化を示す。β線やγ線が有意なバックグラウンドとして存在する場合、α線R3と他線種による計数値は、α線計数値401と他線種計数値402の総和(総和計数値403と称する)として処理される。つまり、β線やγ線が有意なバックグラウンドとして存在する環境でα線R3による電気パルス302を計測すると、総和計数値403として計測される。つまり、実際には、総和計数値403が観測される。
図6は、電子ドリフト時における計数値の時間変化を示す図である。
電子ドリフトによるα線照射時において、α線計数値411は、図4のα線計数値312と同様の時間変化を示す。また、α線センサ101にβ線や、γ線(他線種)が照射された場合、α線照射時と比較して、β線や、γ線の検出効率は低くなる。さらに、β線や、γ線は、α線センサ101に付与するエネルギが小さいことから、分極が発生しにくい。この結果、図6に示すように、他線種計数値412は時間に対して変化が小さい。このため、他線種計数値412は、α線計数値411と異なり、電子ドリフト時のα線計数領域331を超えた範囲である他線種計数領域332でも計数値が出力される。β線や、γ線が有意なバックグラウンドとして存在する場合、α線照射時における計数値は、α線計数値411と他線種計数値412との総和(総和計数値413)として現れる。つまり、実際には、総和計数値413が観測される。
変換マップ105Aでは、電子ドリフト時の他線種計数値412、印加電圧値、変換係数が格納されている。変換マップ105Aに格納されている、これらの値は予め試験や、解析等によって演算されているものである。このように、電子ドリフト時の他線種計数値412(Nebg)と、電子ドリフト電源装置103における印加電圧値との関係は、事前の試験及び解析でデータベース化されている。
図8は、図1に示す放射線計測装置100で行われる放射線計測処理の手順を示すフローチャートである。
まず、ユーザが、α線センサ101を測定位置に設定する(S1001)。
次に、電子ドリフト電源装置103が、α線センサ101に電子ドリフト用電圧を印加する(S1002)。ここで、電子ドリフト用電圧とは、図2Bに示されるような極性で印加される電圧である。
続いて、計数値記録装置104が、計数値(総和計数値413)を計数し(S1003)、総和計数値413を記録する(S1004)。ステップS1003における計数は、図4や、図6における他線種計数領域332で行われる。なお、ここで計数される計数値は、電子ドリフト時の他線種計数値412となる。
続いて、計数値記録装置104が、任意の時間で計数値(総和計数値403)を計数し(S1006)、総和計数値403を記録する(S1007)。
次に、変換演算装置106は、取得した変換係数を基に、式(1)を演算することで、電子ドリフト時の他線種計数値412から正孔ドリフト時の他線種計数値402を演算する(S1009)。
続いて、α線計数値演算装置107は、ステップS1006で計数した正孔ドリフト時の総和計数値403から、ステップS1009で演算した正孔ドリフト時の他線種計数値402を減算する(式(2))。これにより、α線計数値演算装置107は、正孔ドリフト時のα線計数値401を演算する(S1010)。
次に、図9を参照して、第2実施形態に係る射線計測装置について説明する。第2実施形態では正孔ドリフト電源装置102及び電子ドリフト電源装置103を制御する放射線計測装置100aが示される。
図9は、第2実施形態に係る放射線計測装置100aの構成例を示す図である。図9において、図1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図9に示す放射線計測装置100aが、図1に示す放射線計測装置100と異なる点は、電源切替制御装置121、計数値記録装置104aを有することである。
電源切替制御装置121は、正孔ドリフト電源装置102による印加電圧と、電子ドリフト電源装置103による印加電圧とを切り替える。
計数値記録装置104aは、電源切替制御装置121による正孔ドリフト電源装置102、及び、電子ドリフト電源装置103の切り替えに関する情報を取得する。そして、計数値記録装置104aは、電源状態に基づいて電子ドリフト時の総和計数値413、及び、正孔ドリフト時の総和計数値403を記録する。
次に、図10を参照して、第3実施形態に係る放射線計測装置100bについて説明する。第3実施形態に係る放射線計測装置100bは、計数値とともに電気パルス302の波高値を測定することで、波高値弁別を行うものである。
図10に示す放射線計測装置100bが、図1に示す放射線計測装置100と異なる点は、α線センサ101と、計数値記録装置104との間に波高値弁別装置131を有している点である。
波高値弁別装置131は、放射線R1の入射によってα線センサ101から出力された電気パルス302の波高値を弁別するものである。
図11は、α線R3の入射によって出力される電気パルス出力の時間変化を示す図である。
図11の電気パルス302は、図3の電気パルス302a~302eの1つに該当するものである。α線R3がα線センサ101に入射すると、電気パルス302がベースライン421に対して出力される。波高値弁別装置131は、波高値423が波高値弁別値422を超えた場合に後段の計数値記録装置104に信号を伝送する。波高値弁別値422は経験的に決められる値であるが、β線や、γ線による波高値よりも高い波高値である。ここでは一例として、波高値423を電気パルス302のピーク値とベースライン421の差分として出力する。その他の方式として、電気パルス302の面積や、電気パルス302の電圧立ち上り領域の波高値等に基づいて、α線R3の弁別をすることも可能である。
計数値記録装置104は、図11に示す波高値弁別値422を超えた電気パルス302を計数する。
その他の処理は、第1実施形態と同様である。
従って、第3実施形態によれば、電気ノイズや付与エネルギが小さいβ線やγ線を波高値弁別値422によって効果的に除去できることから、α線計数値401の測定精度を向上することが可能となる。特に、β線、γ線によるバックグラウンドが多い環境で効果を高くすることができる。
次に、図12及び図13を参照して、第4実施形態に係る放射線計測装置100cについて説明する。第4実施形態に示す放射線計測装置100cは、中性子NEの計測を可能としたものである。
図12は、第4実施形態に係る放射線計測装置100cの構成例を示す図である。図12において、図1の放射線計測装置100と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図12に示す放射線計測装置100cが、図1に示す放射線計測装置100と異なる点は、α線センサ101の入射側の面にα線放出物質141を有する中性子センサ140が備えられている点である。
図13は、第4実施形態で用いられる中性子センサ140の構成を示す図である。
図13に示すように、α線放出物質141は、α線センサ101の入射側の面に設けられる。このとき、α線放出物質141と、α線センサ101とで入射側の電極111を挟み込むようにα線放出物質141が設けられる。α線放出物質141には中性子Nに有感な物質が用いられ、ボロン10やリチウム6等が含有された物質が使用される。ここでは一例として、α線放出物質141にボロン10が適用されることを想定して説明する。
次に、図14を参照して、第5実施形態に係る放射線計測装置100dについて説明する。第5実施形態はα線センサ101の移動に関するものである。
図14は、第5実施形態に係る放射線計測装置100dの構成例を示す図である。図14において、図1の放射線計測装置100と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
放射線計測装置100dは、図1に示す放射線計測装置100の構成に加えて、移動装置151、移動制御装置152、情報統合装置153を備えている。
次に、図15を参照して、第6実施形態に係る放射線計測システム500を説明する。第6実施形態に係る放射線計測システム500は、第1実施形態に示す放射線計測装置100を複数備えるものである。
図15は、第6実施形態に係る放射線計測システム500の構成例を示す図である。
放射線計測システム500は、第1実施形態に示す放射線計測装置100を複数備え、さらに、複数の放射線計測装置100の電源を制御する電源制御装置511を備えている。さらに、放射線計測システム500は、複数の放射線計測装置100を用いて測定する統合測定装置512と、統合表示装置513とを備える。なお、それぞれの放射線計測装置100において、表示装置108は省略可能である。
図16は、第7実施形態に係る放射線計測システム500aの構成を示す図である。
放射線計測システム500aの構成は、図15に示す放射線計測システム500と同様の構成をしている。しかし、放射線計測システム500aは、電源制御装置511による電子ドリフト用電圧と、正孔ドリフト用電圧の切り替えが、放射線計測装置100Aから、放射線計測装置100B、・・・、放射線計測装置100Cへと順に切り替えられていく(図16の白抜き矢印)ことが図15に示す放射線計測システム500と異なる点である。このとき、ある放射線計測装置100に電子ドリフト用電圧、あるいは、正孔ドリフト用電圧が印加されている時、他の放射線計測装置100には、電圧が印加されないようにする。
また、各実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんどすべての構成が相互に接続されていると考えてよい。
101,101a α線センサ(放射線検知部)
102 正孔ドリフト電源装置(正電荷ドリフト電源部)
103 電子ドリフト電源装置(負電荷ドリフト電源部)
104,104a 計数値記録装置(計数値記録部)
105 変換データベース(変換情報記憶部)
105A 変換マップ
106 変換演算装置(変換演算部)
107 α線計数値演算装置(減算部)
121 電源切替制御装置(電源切替制御部)
140 中性子センサ
141 α線放出物質
141 移動装置(移動部)
201 正孔(正電荷)
202 電子(負電荷)
211 正イオン(正電荷)
212 不イオン(負電荷)
231 正電荷
232 負電荷
332 他線種計数領域(α線による計数値が略0になる時間領域)
403 総和計数値(正電荷ドリフト計数値)
413 総和計数値(負電荷ドリフト計数値)
423 波高値
500,500a 放射線計測システム
511 電源制御装置(電源制御部)
S1002 電子ドリフト用電圧を印加(負電荷ドリフト電圧印加ステップ)
S1003 計数(計数値記録ステップ)
S1005 正孔ドリフト用電圧を印加(正電荷ドリフト電圧印加ステップ)
S1006 計数(計数値記録ステップ)
S1009 正孔ドリフト時の他線種計数値を演算(変換ステップ)
S1010 α線計数値を演算(減算ステップ)
Claims (15)
- 放射線を検知し、電気パルスとして出力する放射線検知部と、
前記放射線の入射時に前記放射線検知部内部で負電荷をドリフトさせる電圧を前記放射線検知部に印加する負電荷ドリフト電源部と、
前記放射線の入射時に前記放射線検知部内部で正電荷をドリフトさせる電圧を前記放射線検知部に印加する正電荷ドリフト電源部と、
前記正電荷がドリフトしている時に観測される前記電気パルスの計数値である正電荷ドリフト時計数値を記録するとともに、前記負電荷がドリフトしている時において、α線による計数値が略0となる時間領域で観測される前記電気パルスの計数値である負電荷ドリフト時計数値を記録する計数値記録部と、
前記負電荷がドリフトしている時における前記α線以外の放射線による前記電気パルスの計数値である負電荷ドリフト時他線種計数値と、前記正電荷がドリフトしている時における前記α線以外の放射線による前記電気パルスの計数値である正電荷ドリフト時他線種計数値との変換係数を格納している変換情報記憶部と、
前記変換情報記憶部に格納されている前記変換係数を基に、観測された前記負電荷ドリフト時計数値から、前記正電荷ドリフト時他線種計数値を演算する変換演算部と、
観測された前記正電荷ドリフト時計数値から、演算された前記正電荷ドリフト時他線種計数値を減算する減算部と、
を備えることを特徴とする放射線計測装置。 - 前記放射線検知部は、
前記放射線との相互作用によって、電子及び正孔を生じる準位を形成する不純物、又は欠陥を内部に有する半導体によって構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の放射線計測装置。 - 前記放射線検知部は、
シリコン、シリコンカーバイド、ダイヤモンド、CdTe、CdZnTe、及び、GaNのうち、いずれかによって構成される
ことを特徴とする請求項2に記載の放射線計測装置。 - 前記放射線検知部が、
前記ダイヤモンドによって構成されている場合、炭素の他に、窒素、シリコン、水素、ボロン、リン、ニッケル、コバルトのうち、少なくとも1つが、前記ダイヤモンドに含まれている
ことを特徴とする請求項3に記載の放射線計測装置。 - 前記放射線検知部が、
前記シリコンカーバイドによって構成されている場合、ボロン、アルミニウム、窒素、リン、クロム、鉄、ニッケルのうち、少なくとも1つが、前記シリコンカーバイドに含まれている
ことを特徴とする請求項3に記載の放射線計測装置。 - 前記放射線検知部が、
前記シリコンで構成されている場合、ボロン、インジウム、ガリウム、リン、ヒ素、アンチモンのうち、少なくとも1つが、前記シリコンに含まれている
ことを特徴とする請求項3に記載の放射線計測装置。 - 前記放射線検知部は、
前記放射線との相互作用で生じた負イオン及び正イオンを生じるガスが封入されている筐体を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の放射線計測装置。 - 前記正電荷ドリフト電源部による前記放射線検知部への電圧の印加と、前記負電荷ドリフト電源部による前記放射線検知部への電圧の印加とを切り替える電源切替制御部を
有することを特徴とする請求項1に記載の放射線計測装置。 - 前記計数値記録部は、
前記放射線検知部から出力される前記電気パルスの波高値が、所定の閾値以上である場合、前記電気パルスの計数を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の放射線計測装置。 - 前記放射線検知部が有する面のうち、前記放射線が入射する面に、中性子が入射すると前記α線を生成するα線生成物質
を有することを特徴とする請求項1に記載の放射線計測装置。 - 前記α線生成物質は、
ボロン10もしくはリチウム6が含有される
ことを特徴とする請求項10に記載の放射線計測装置。 - 前記放射線検知部を移動させる移動部
を有することを特徴とする請求項1に記載の放射線計測装置。 - 放射線を検知し、電気パルスとして出力する放射線検知部と、
前記放射線の入射時に前記放射線検知部内部で負電荷をドリフトさせる電圧を前記放射線検知部に印加する負電荷ドリフト電源部と、
前記放射線の入射時に前記放射線検知部内部で正電荷をドリフトさせる電圧を前記放射線検知部に印加する正電荷ドリフト電源部と、
前記正電荷がドリフトしている時に観測される前記電気パルスの計数値である正電荷ドリフト時計数値を記録するとともに、前記負電荷がドリフトしている時において、α線による計数値が略0となる時間領域で観測される前記電気パルスの計数値である負電荷ドリフト時計数値を記録する計数値記録部と、
前記負電荷がドリフトしている時における前記α線以外の放射線による前記電気パルスの計数値である負電荷ドリフト時他線種計数値と、前記正電荷がドリフトしている時における前記α線以外の放射線による前記電気パルスの計数値である正電荷ドリフト時他線種計数値との変換係数を格納している変換情報記憶部と、
前記変換情報記憶部に格納されている前記変換係数を基に、観測された前記負電荷ドリフト時計数値から、前記正電荷ドリフト時他線種計数値を演算する変換演算部と、
観測された前記正電荷ドリフト時計数値から、演算された前記正電荷ドリフト時他線種計数値を減算する減算部と、
を備える放射線計測装置を複数有し、
それぞれの前記放射線計測装置における前記正電荷ドリフト電源部による前記放射線検知部への電圧の印加と、それぞれの前記放射線計測装置における前記負電荷ドリフト電源部による前記放射線検知部への電圧の印加と、を制御する電源制御部
を有する放射線計測システム。 - 前記電源制御部は、
複数の前記放射線計測装置において、
ある放射線計測装置の前記放射線検知部に前記正電荷ドリフト電源部、又は、前記負電荷ドリフト電源部による電圧が印加されている間、他の放射線計測装置の前記放射線検知部に対する前記正電荷ドリフト電源部、又は、前記負電荷ドリフト電源部による電圧の印加を行わない
ことを特徴とする請求項13に記載の放射線計測システム。 - 放射線を検知し、電気パルスとして出力する放射線検知部と、
負電荷が前記放射線の内部をドリフトしている時におけるα線以外の放射線による前記電気パルスの計数値である負電荷ドリフト時他線種計数値と、正電荷が前記放射線検知部の内部をドリフトしている時における前記α線以外の放射線による前記電気パルスの計数値である正電荷ドリフト時他線種計数値との変換係数を格納している変換情報記憶部と、
を有する放射線計測装置において、
負電荷ドリフト電源部が、前記放射線の入射時に前記放射線検知部内部で前記負電荷をドリフトさせる電圧を前記放射線検知部に印加する負電荷ドリフト電圧印加ステップ、及び、正電荷ドリフト電源部が、前記放射線の入射時に前記放射線検知部内部で前記正電荷をドリフトさせる電圧を前記放射線検知部に印加する正電荷ドリフト電圧印加ステップが実行され、
計数値記録部が、前記正電荷のドリフト時に、前記放射線検知部によって観測される前記電気パルスの計数値である正電荷ドリフト時計数値を記録するとともに、前記負電荷のドリフト時において、α線による計数値が略0となる時間領域で、前記放射線検知部によって観測される前記電気パルスの計数値である負電荷ドリフト時計数値を記録する計数値記録ステップと、
変換演算部が、前記変換情報記憶部に格納されている前記変換係数を基に、観測された前記負電荷ドリフト時計数値から、前記正電荷ドリフト時他線種計数値を演算する変換ステップと、
減算部が、観測された前記正電荷ドリフト時計数値から、演算された前記正電荷ドリフト時他線種計数値を減算する減算ステップと、
を実行することを特徴とする放射線計測方法。
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