JP2020153602A - 冷蔵ショーケース用扉 - Google Patents

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Toru Okazaki
亨 岡崎
彰継 瀬川
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彰継 瀬川
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Abstract

【課題】断熱性向上と強度確保とを両立する冷蔵ショーケース用扉を提供する。【解決手段】枠体50の凹部50fに設置された複層ガラス25が、ガラス接着層40の接着面40aをガラス板10,20の外表面に投影した部分10a,20aのみで断熱材30に圧縮固定されていることにより、ショーケース庫内の断熱性を確保し、複層ガラスの強度を確保するものである。【選択図】 図2

Description

本発明は、商品貯蔵庫の前面の開口を開閉するガラス扉を備えるタイプの冷蔵ショーケース用扉に関する。また、本発明は、そのような冷蔵ショーケース用のガラス扉に関する。特には、本発明は、省エネ性を高められるよう改良を加えた冷蔵ショーケース用のガラス扉に関する。
スーパーマーケット又はコンビニエンスストア等の店舗においては、飲料、冷蔵食品、又は冷凍食品などを、冷蔵又は冷凍ショーケースに貯蔵して販売している。このようなショーケースとしては、貯蔵庫の前面の開口が透明なガラス扉のリーチインショーケースが広く使用されている。
貯蔵庫の筐体を構成する他の壁面に対し、店舗の暖かい空気に直接接する前面のガラス扉の断熱は、貯蔵庫全体の省エネ性を確保する上で重要である。このため、近年、2枚あるいはそれ以上の枚数の透明なガラス板を、スペーサを介して対向させ、周縁部を密封してガラス間に密閉空間を形成し、密閉空間内に断熱性の高い気体を封入、あるいは密閉空間内を減圧して真空状態にした複層ガラス構造の扉が使用され始めている。
図10は、特許文献1に開示された従来のショーケース用扉を示した側断面図である。図10に示されるショーケース用扉は、第1のガラス板110と第2のガラス板120と第1のガラス板110と第2のガラス板120との間に配置された第3のガラス板130とを備える。
第1のガラス板110と第3のガラス板130との間と、第2のガラス板120と第3のガラス板130との間には、各ガラス板110、120、130の端面より内側にガラス接着層140が配置されている。ガラス接着層140は、第1のガラス板110と第3のガラス板130及び第2のガラス板120と第3のガラス板130とを、4周辺に亘って各ガラス間を密閉している。
また、各ガラス板110、120、130とガラス接着層140とは、複層ガラス125を成している。
複層ガラス125は、枠体160と固定部材170との間に配された、枠体160及び固定部材170の材料の熱伝導率より低い熱伝導率を持つ断熱材150によって、枠体160及び固定部材170により圧縮固定されている。断熱材150は、枠体160と固定部材170とに囲まれた複層ガラス125を固定するとともに、枠体160及び固定部材170と複層ガラス125との隙間を閉塞し、ショーケース用扉の断熱性を確保するものである。
また、枠体160及び固定部材170にはガスケットホルダ181が設置され、ガスケットホルダ181にガスケット180が配置されている。
特開平2−247475号公報
しかしながら、特許文献1における従来のショーケース用扉の構造では、断熱材に囲まれた複層ガラスに圧縮応力がかかり、破壊につながる可能性がある。すなわち、図10において、枠体160と固定部材170とから複層ガラス125における第1のガラス板110と第2のガラス板120とは、周面部を断熱材150を介して一様に圧縮されるため、扉製造時から使用時にかけて、圧縮応力を受け続ける。これにより、図10のD部に示す各ガラス板110、120とガラス接着層140との接合点にて、ガラス板110、120を屈曲させる力が働き、破壊が生じる可能性がある。
よって、本発明の課題は、断熱性を確保するとともに複層ガラスの強度を確保し、信頼性を維持できる冷蔵ショーケース用扉を提供するものである。
本発明の1つの態様にかかる冷蔵ショーケース用扉は、
冷蔵ショーケースにおける扉であって、
前記冷蔵ショーケースの庫外側に配置された矩形状の第1のガラス板と、前記冷蔵ショーケースの庫内側に配置された矩形状の第2のガラス板と、前記第1のガラス板と前記第2のガラス板との間の外周部に配されたガラス接着層と、で構成される複層ガラスと、
前記複層ガラスの周縁部に配される枠体と、を備え、
前記枠体は、前記第1のガラス板の庫外側の平面から前記複層ガラスの一つの側面を挟んで前記第2のガラス板の庫内側の平面に至る領域に対向する3つの面を有し、
前記枠体と前記複層ガラスとの間に、前記3つの面に沿って断熱材が配置されており、
前記断熱材と前記第1のガラス板及び前記第2のガラス板とは、前記ガラス接着層の前記断熱材と前記第1のガラス板及び前記第2のガラス板とは、前記ガラス接着層の接着面を、前記第1のガラス板の庫外側平面に投影した部分及び前記第2のガラス板の庫内側平面に投影した部分と接触して前記断熱材と前記ガラス接着層とで前記複層ガラスが圧縮固定されているとともに、前記断熱材と前記第1のガラス板の庫外側平面の外周側の部分及び前記断熱材と前記第2のガラス板の庫外側平面の外周側の部分にそれぞれ隙間を形成し、前記断熱材と前記ガラス接着層とで前記複層ガラスが圧縮固定されている。
本発明の前記態様によれば、冷蔵ショーケース用扉の断熱性を確保するとともに、扉を構成する複層ガラスの強度を確保し、冷蔵ショーケース用扉の信頼性を維持することができる。
実施の形態における、冷蔵ショーケース用扉の外観斜視図 図1における断面2の詳細断面図 実施の形態1における、複層ガラスの製造方法を示す図 実施の形態1における、断熱材の製造方法を示す図 実施の形態1における、断熱材と枠体の複層ガラスへの組込み方法を示す図 実施の形態2における、ガラス接着層の構造を示す図 実施の形態2における、断熱材の製造方法を示す図 実施の形態2における、複層ガラスと断熱材の位置関係を示す図 実施の形態2における、断熱材と枠体の複層ガラスへの組込み方法を示す図 従来のショーケース用扉の構成の一例を示す断面図
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における、冷蔵ショーケースの正面に対し向かって右側に取り付けられる扉1を示す斜視図であり、図2は図1の扉1における断面2の断面図を示すものである。
<ショーケース用扉1の構成>
ショーケースは、図1における右側に開閉可能な扉1と、扉1の左隣に配置されて左側に開閉可能な扉(図示せず)とによって前面部を閉口する。扉1と左隣の扉とは互いに左右対称である以外は同様の構造であるため、以下では、右側の扉1について説明する。図1に示すように、扉1は、複層ガラス25の上下左右の周縁部が、全周に亘って枠体50で挟持された構造であり、複層ガラス25を通してショーケースの庫内が視認可能である。
複層ガラス25は、ショーケースの庫外側に配置された矩形状の第1のガラス板10と、ショーケースの庫内側に配置された矩形状の第2のガラス板20と、第1のガラス板10と第2のガラス板20との間の外周部に配された、連続した1つの周状言い換えれば矩形の枠状のガラス接着層40とで構成されている。
枠体50は、複層ガラス25の全外周縁部に配される。詳しくは、枠体50は、複層ガラス25について、複層ガラス25の左右両側端部を挟持する比較的長尺な2本の縦枠51と、上端部及び下端部を挟持する比較的短尺な2本の横枠52と、の4本の枠で構成されている。これら4本の枠51,52は、先端が45°に傾斜する傾斜部となるように外側辺を長尺、内側辺を短尺に切断された形状であり、複層ガラス25の四隅において傾斜部を互いに突き合わせるようにネジ等を介して連結される。
また、図2は、図1のショーケース用扉における断面2の詳細断面図である。なお、図2は、図1における右側の縦枠51に対する断面を指しているが、左側の縦枠51に対する断面、上下端部の横枠52に対する断面も同様の構造であるため、以下では右側の縦枠51に対する断面を代表として説明する(ただし、縦枠51及び横枠52を共に枠体50として説明する。)。図2において、庫外側とは、ショーケースの外部を意味し、庫内側とは、ショーケースの内部を意味する。
図2に示すように、扉1は、押出成形等によって形成された樹脂あるいは金属からなる枠体50と、枠体50の凹部50fにて支えられる複層ガラス25と、複層ガラス25と枠体50との間に、複層ガラス25の熱伝導率及び枠体50の熱伝導率より熱伝導率の低い材料を用いた断熱材30を有する。
枠体50は、長手方向と直交する断面(すなわち、図2の断面)において、第1のガラス板10の庫外側の平面から複層ガラス25の一つの側面を挟んで第2のガラス板20の庫内側の平面に至る領域に対向する3つの面50b,50c,50dを有している。断熱材30は、枠体50と複層ガラス25との間で、3つの面50b,50c,50dに沿って配置されている。枠体50の3つの面50b,50c,50dのうち、面50bと面50dとは対向し、面50cと、面50bと面50dとはそれぞれ互いに交差している。
断熱材30は、複層ガラス25におけるガラス接着層40の接着面40aを第1のガラス板10の庫外側の平面に投影した部分10aのみ及びガラス接着層40の接着面40aを第2のガラス板20の庫内側の平面に投影した部分20aのみとそれぞれ接触し、断熱材30とガラス接着層40とで複層ガラス25を圧縮固定している。断熱材30は、図2の断面に示すように、部分10aに接触するように第1のガラス板10に向けて突出した内側突出部30bを有する内側壁部30eと、部分20aに接触するように第2のガラス板20に向けて突出した外側突出部30dを有する外側壁部30fと、内側壁部30eと外側壁部30fとを連結して枠体50の凹部50fの底面である面50cに接触する連結部30cとで構成されている。一例として、内側突出部30bは部分10aにのみ接触し、外側突出部30dは部分20aにのみ接触する。内側壁部30eは、内側突出部30bを除く他の部分と第1のガラス板10との間には隙間29が形成されており、内側突出部30bを除く他の部分と第1のガラス板10とは接触していない。また、外側壁部30fは、外側突出部30dを除く他の部分と第2のガラス板20との間には隙間29が形成されており、外側突出部30dを除く他の部分と第1のガラス板10とは接触していない。
また、枠体50のショーケース庫内側の側面の溝部50aには、ガスケット80が挟入され、ガスケット80を固定している。ガスケット80は、扉1の閉口時にショーケース本体(図示せず)と接着され、ショーケース庫内との密閉性を保つ。
<複層ガラス25の構成>
複層ガラス25の構成について、図2を用いて説明する。複層ガラスは、先に述べたように、第1のガラス板10と、第2のガラス板20と、第1のガラス板10と第2のガラス板20との外周に設置された、例えば低融点ガラスを材料とするガラス接着層40とによって構成される。
<複層ガラス25の製造>
複層ガラス25の製造方法について、図3を用いて説明する。複層ガラス25は、以下のようにして製造される。
まず、図3の矢印Eに示すように、第1のガラス板10の表面に、第1のガラス板10の側面より内側に、溶融状態のガラス接着層40を連続した1つの周状言い換えれば矩形の枠状にディスペンス塗布する。
次に、ガラス接着層40のディスペンス面側に第2のガラス板20を、第1のガラス板10の側面と合うように位置決めし、図3の矢印Fに示すようにガラス接着層40に貼り合わせる。このとき、第1のガラス板10と第2のガラス板20との間にスペーサ(図示せず)などを設け、第1のガラス板10と第2のガラス板20との間隔を一定にしてもよい。本実施形態において、ガラス接着層40を第1のガラス板10の側面より内側に塗布する理由は、溶融したガラス接着層40が製造中に複層ガラス25の外側に食み出し、複層ガラス25の側面の面精度(第1のガラス板10と第2のガラス板20の側面の面精度)を損なうことを防ぐためである。
このようにして、複層ガラス25が製造される。
<断熱材30の構成>
断熱材30の構成について説明する。断熱材30は、繊維構造物(例えば不織布)にエアロゲルを複合させたものである。詳しくは、断熱材30は、エアロゲル前駆体に繊維構造物を浸漬し、該繊維構造物の存在下で超臨界乾燥、あるいは常圧乾燥により、前記エアロゲル前駆体からエアロゲルを生成させることにより得られるものである。
エアロゲルは、微細な空孔を多数持つ極めて空隙率(好ましくは、空隙率99%以上)の高い固体である。より詳細には、エアロゲルは、二酸化ケイ素などを数珠状に結合した構造を持ち、ナノメートルレベル(例えば2〜50nm)の空隙を多数持つ物質である。このように、ナノメートルレベルの細孔と格子状構造とをエアロゲルは持つため、気体分子の平均自由行程を縮小することができ、常圧でも気体分子同士の熱伝導が非常に少なく、熱伝導率が非常に小さいものである。
エアロゲルとしては、ケイ素、アルミニウム、鉄、銅、ジルコニウム、ハフニウム、マグネシウム、又はイットリウムなどの金属酸化物からなる無機エアロゲルの使用が好ましく、より好ましくは二酸化ケイ素からなるシリカエアロゲルである。
繊維構造物は、エアロゲルを補強し、また支持するための補強材ないし支持体として作用するものであり、軟質な複合体断熱材を得るために、軟質な織布、編布、又は不織布などを用いる。繊維構造物の材質としては、ポリエステル繊維等の有機繊維の他、ガラス繊維などの無機繊維を用いることもできる。
このようにして得られる断熱材は、熱伝導率λが発泡ウレタン断熱材と同等かそれ以下(およそλ=0.020W/(m・K))であり、非常に断熱性の高い材料である。
<断熱材30の製造>
断熱材30の製造方法の例を、図4を用いて説明する。断熱材30の製造方法は、不織布積層工程と、ゾル調製工程と、含浸工程と、ゲル化工程と、養生工程と、酸性水溶液浸漬工程と、疎水化工程と、乾燥工程との8工程からなる。以下に、それぞれの工程ごとに説明する。
<不織布積層工程>
図4(a)〜(c)は、断熱材30の基材となる不織布を積層する工程を示す図である。図4(a)に示す不織布基体31aは、0.2〜1.0mm厚みのPET、ガラスウール、又はロックウールなどで構成される不織布であり、断熱材30の基部となる部分である。不織布基体31aは、図4(a)における短尺側の寸法W1を、図2において第1のガラス板10とガラス接着層40との接合部内側の境界線から、複層ガラス25の端面を挟んで、第2のガラス板20とガラス接着層40との接合部内側の境界線に至る長さ(図2の点線部の長さ)に合うように切断する。
次に、図4(b)に示す、短尺側の寸法W2を図2におけるガラス接着層40の幅として切断した、不織布基体31aと同じ材料でできた2枚の不織布厚肉部31bを、図4(c)に示すように、不織布基体31aの長尺側両端が合うように不織布基体31aに積層して、不織布積層体31cを形成する。
<ゾル調製工程>
ゾル調製工程では、原料として水ガラスを用いる場合と、高モル珪酸水溶液を用いる場合とがある。水ガラスを用いる場合は、水ガラス中のナトリウムをイオン交換樹脂もしくは電気透析法により除去して、酸性にし、ゾルとした後、触媒として塩基を添加して重縮合させ、ヒドロゲルとする。高モル珪酸ソーダを用いる場合は、高モル珪酸水溶液に触媒として酸を加えて重縮合させ、ヒドロゲルとする。
<含浸工程>
図4(d)は、不織布積層工程にて構成した不織布積層体31cを、ゾル調製工程にて調製したゲルに含浸する様子を示す図である。含浸及び養生槽36内に、前記不織布積層体31cを静置し、前記ゾル調製工程にて得たゾル溶液を不織布重量の6.5〜10倍量注ぎ、ゾル溶液を前記不織布積層体31cに含浸させる。このとき、不織布基体31aの上に積層した不織布厚肉部31bの位置が動かないよう留意する。
<ゲル化工程>
含浸工程の後、ゾルをゲル化する。ゾルのゲル化温度は、20〜90℃が好ましい。ゲル化温度が20℃未満であると、反応の活性種である珪酸モノマーに必要な熱が伝わらない。このため、シリカ粒子の成長が促進されない。その結果、ゾルのゲル化が十分に進行するまでに時間を要する。その上に、生成されるゲル(エアロゲル)の強度が低く、乾燥時に大きく収縮する場合があり、所望の強度のエアロゲルが得られない場合がある。
また、ゲル化温度が90℃を越えると、シリカ粒子の成長は著しく促進されてしまう。その結果、水の揮発が急速に起こり、水とヒドロゲルとが分離する現象がみられる。これにより得られるヒドロゲルの体積が減少して、シリカエアロゲルが得られない場合がある。
なお、ゲル化時間は、ゲル化温度又は後述するゲル化後の養生時間により異なるが、ゲル化時間と後述する養生時間とを合計して、0.1〜12時間が好ましく、性能(熱伝導率)と生産タクトとを両立させるという観点から、0.1〜1時間が、さらに、好ましい。
ゲル化時間が12時間より長い場合、シリカネットワークの強化は十分に行われているが、より養生に時間をかけると生産性を損なうだけでなく、ゲルの収縮が起こり、嵩密度が上がるため、熱伝導率が上昇してしまうという問題がある。
このようにして、ゲル化を行うことで、ヒドロゲルの壁の強度及び剛性が向上し、乾燥時に収縮し難いヒドロゲルを得ることができるとともに、ゾルがゲル状に固化することで、不織布層に浸み込んだエアロゲルは固化し、不織布基体31aと不織布厚肉部31bとが2層合体して、断熱材30の形状を形成する。
<養生工程>
養生工程は、ゲル化後にシリカの骨格を、強化させた骨格強化ヒドロゲルにする工程である。養生温度は、50〜100℃が好ましい。養生温度が50℃未満の場合、脱水縮合反応が相対的に遅くなるため、生産性を考慮した際の目標のタクト時間内にシリカネットワークを十分に強化させることが難しくなる。
養生時間は、0.1〜6時間の範囲で行うことで、生産性を確保しつつ、シリカ粒子のネットワークを十分に強化することができる。
<酸性水溶液浸漬工程>
ゲルと不織布の複合体を塩酸(6〜12規定)に浸漬後、常温23℃で45分以上放置し、複合体内部に塩酸を取り込む。
<疎水化工程>
ゲルと不織布の複合体とを例えば、シリル化剤であるオクタメチルトリシロキサンとアルコールとして2−プロパノール(IPA)との混合液に浸漬させて、55℃の恒温槽に入れて2時間反応させる。トリメチルシロキサン結合が形成され始めると、ゲルシートから塩酸水が排出され、2液分離する(上層にシロキサン、下層に塩酸水)。
<乾燥>
ゲルと不織布の複合体とを150℃の恒温槽に移して2時間乾燥させる(常圧乾燥の場合)。
以上の8工程により、断熱材30が製造される。
前記断熱材30を扉1に組み込む際は、図4(e)に示すように、枠体50の凹部50fの形状に合うように折り曲げ線30aを設け、図4(f)に示すように折り曲げ線30aで折り曲げ、先端が45°に傾斜するように、枠体50の外側辺側を長尺、内側辺側を短尺として枠体50の凹部50fの形状に合うように切断し、図4(g)の完成体を得る。
<断熱材30、枠体50の複層ガラス25への組込>
図5を用い、断熱材30及び枠体50を複層ガラス25に組込む方法について説明する。
まず、断熱材30の凹部30gを複層ガラス25の側面に、図5の矢印Gに示すように嵌め込む。
次に、図5の矢印Hに示すように、枠体50の凹部50fを、断熱材30に、45°に切断された両端部が一致するように嵌め込み、扉1の1辺に対する断熱材30及び枠体50の複層ガラス25への設置が完了する。
同様の方法を複層ガラス25の左辺と上下辺とにそれぞれ実施し、4個の枠体50を互いにネジ等で固定することにより、扉1が完成する。
図2は、四辺とも枠体周辺構造が成立した完成図を示すものである。前記したように、断熱材30が、複層ガラス25におけるガラス接着層40の接着面40aを、第1のガラス板10の庫外側の平面に投影した部分10a及び第2のガラス板20の庫内側の平面に投影した部分20aのみと接触し、断熱材30とガラス接着層40とで複層ガラス25を圧縮固定している。逆に言えば、ガラス接着層40の接着面40aを、第1のガラス板10の庫外側の平面に投影した部分10aよりも外周側及び第2のガラス板20の庫内側の平面に投影した部分20aよりも外周側では、断熱材30が第1のガラス板10の庫外側の平面及び第2のガラス板20の庫内側の平面に接触しておらず、断熱材30と第1のガラス板10との間及び断熱材30と第2のガラス板20との間にそれぞれ枠状の隙間29が外周に形成されており、断熱材30とガラス接着層40とで複層ガラス25が圧縮固定されてはいない。
なお、断熱材30と枠材50の面50b,50dとは、第1のガラス板10の庫外側の平面に投影した部分10aよりも外周側及び第2のガラス板20の庫内側の平面に投影した部分20aよりも外周側でも互いに接触して、当該外周側の部分でも、断熱性を連続的に維持できるようにしている。
<実施の形態1の効果>
前記構成により、第1のガラス板10と第2のガラス板20との周面部は、断熱材30によって一様に圧縮されるのを避けられるため、扉1の製造時から使用時にかけて、複層ガラス25の外周の端面で破壊を誘発することはない。
尚、上述した断熱材30の材料は、繊維構造物にエアロゲルを複合させたものに限らない。例えば、断熱材30の材料は、断熱性の高い発泡樹脂(発泡ウレタン、発泡ポリスチレン等)を材料とし、押出成形等を用いて、図4(g)に示す成形体を構成して断熱材30としてもよい。しかしながら、繊維構造物にエアロゲルを複合させたものを断熱材30に適用することにより、ショーケース用扉の断熱性を維持した状態で、図4における不織布基体31aと不織布厚肉部31bとの段差を小さくし、扉1を小型化できる上、枠体50と断熱材30とによる複層ガラス25の把持力を維持することができる。すなわち、繊維構造物にエアロゲルを複合させた断熱材は、圧縮応力を受けても圧縮ひずみが20%以上にならない。よって、不織布厚肉部31bの厚みは、不織布基体31aの厚みの25%より大きければ、不織布基体31aが第1のガラス板10及び第2のガラス板20に接触し、破壊を誘発することはない。よって、断熱材30を大幅に増厚しなくても、本願構成が成立できる。一方、発泡樹脂が圧縮応力を受けた場合は、圧縮ひずみが35%〜80%にまで及ぶため、枠体50と断熱材30とにより複層ガラス25を十分に把持するためには、不織布厚肉部31bの厚みを不織布基体31aの厚みに対し大きく厚肉化しなければならず、扉1の大型化につながってしまう。
(実施の形態2)
また、ガラス接着層40は、ディスペンス塗布により形成されることから、図6に示すように、複層ガラス25の四つの角部で、孤状形状となる場合が多い。こうした形状のガラス接着層40の角部40cに対しては、実施の形態1に示した断熱材30の構造とは異なる構造の断熱材32を設け、複層ガラス25の全周において、ガラス接着層40の接着面40aを、第1のガラス板10の庫外側の平面に投影した部分10a及び前記第2のガラス板20の庫内側の平面に投影した部分20aのみと接触して複層ガラス25を圧縮固定するのが尚良い。
本実施の形態2では、角部40cの断熱材32の構成と設置方法について記載する。
まず説明のため、図6に示す、ガラス接着層40によって構成される弧の外周半径をR1、内周半径をR2と定義する。外周半径R1と内周半径R2との差(R1−R2)は、実施の形態1における不織布厚肉部31bの幅W2に相当する。また、ガラス接着層40の外側面の弧状形状部分を、複層ガラス25の側面に投影した角部の面の長さをXYと定義する。
<断熱材32の製造>
断熱材32の製造方法について、実施の形態1に示した断熱材30の製造方法と異なる部分は、不織布積層工程である。前記について、図7を用いて説明する。
実施の形態1における断熱材30の製造方法の不織布積層工程では、不織布を長尺に切断して構成している。しかしながら、本実施の形態2では、まず、図7(a)に示すような、縦の長さがW1であり、横の長さがXYである矩形の不織布の各角部を45°に切断した不織布基体33aを用いる。不織布基体33aは、2つの同じ台形の上辺を互いに接続したような形状となっている。これに、図7(b)に示す、外径をR1とし、内径をR2とする中心角45°の扇形の不織布厚肉部33bを4枚、図7(c)に示すように不織布基体33aの4つの角部に積層する。
以降、図7(d)〜(e)に示す、ゾル調製工程、含浸工程、ゲル化工程、養生工程、酸性水溶液浸漬工程、疎水化工程、及び乾燥工程については、実施の形態1における断熱材30の製造方法のそれぞれの工程と同様である。
前記断熱材32をショーケース用扉に組み込む際は、図7(e)に示すように、余剰部分を切断し、枠体50の凹部50fに合うように折り曲げ線32aを設けて、図7(f)に示すように折り曲げ線32aで折り曲げて完成体を得る。
<複層ガラス25と断熱材30及び断熱材32の位置関係>
本実施の形態2は、ガラス接着層40の直線部40b及び角部40cに対し、それぞれ異なる構造を持つ断熱材30及び断熱材32を設置する。すなわち、図8に位置関係を示すように、直線部40bには、実施の形態1における断熱材30を、端部を垂直に切断した状態で設置し、四つの角部40cには断熱材32を設置する。
<断熱材30及び断熱材32と枠体50の複層ガラス25への組込>
断熱材30及び断熱材32と枠体50を複層ガラス25へ組込む方法について、図9を用いて説明する。図9は、図1における領域9を矢印19の方向から見たものである。
まず、断熱材32の凹部32fを複層ガラス25の角部に、図9の矢印Iに示すように嵌め込み、他の3つの角部に対しても断熱材32を同様に設置する。
次に、複層ガラス25の角部以外の4辺に対しては、断熱材30の凹部30gを、図9の矢印Jに示すようにそれぞれ嵌め込む。
最後に、図9の矢印Kに示すように、断熱材30及び断熱材32が設置された複層ガラス25の4辺に枠体50をそれぞれ嵌め込み、又はネジ等で固定することにより、扉1が完成する。
なお、実施の形態1では、図2は、図1における断面2の詳細断面図であるが、実施の形態2の図1における断面2に相当する箇所の断面は、図2と全く同一である。また、角部40cで断面2と同様に断面を切断すれば、その断面構造は、断熱材30を断熱材32と読み替えるだけで、図2と同じ構造となる。
この実施の形態2においても、断熱材30及び断熱材32が、複層ガラス25におけるガラス接着層40の接着面40aを、第1のガラス板10の庫外側の平面に投影した部分10a及び第2のガラス板20の庫内側の平面に投影した部分20aのみと接触し、断熱材30及び断熱材32とガラス接着層40とで複層ガラス25を圧縮固定している。
逆に言えば、ガラス接着層40の接着面40aを、第1のガラス板10の庫外側の平面に投影した部分10aよりも外周側及び第2のガラス板20の庫内側の平面に投影した部分20aよりも外周側では、断熱材30及び断熱材32が第1のガラス板10の庫外側の平面及び第2のガラス板20の庫内側の平面に接触しておらず、断熱材30及び断熱材32と第1のガラス板10との間及び断熱材30及び断熱材32と第2のガラス板20との間にそれぞれ枠状の隙間29が外周に形成されており、断熱材30及び断熱材32とガラス接着層40とで複層ガラス25が圧縮固定されてはいない。
なお、断熱材30及び断熱材32と枠材50の面50b,50dとは、第1のガラス板10の庫外側の平面に投影した部分10aよりも外周側及び第2のガラス板20の庫内側の平面に投影した部分20aよりも外周側でも互いに接触して、当該外周側の部分でも、断熱性を連続的に維持できるようにしている。
<実施の形態2の効果>
前記構成により、第1のガラス板10と第2のガラス板20との周面部は、断熱材30及び断熱材32によって一様に圧縮されるのを避けられるため、製造時から使用時にかけて、複層ガラス25の端面で破壊を誘発することはない。特に、複層ガラス25の角部においても、断熱材32の第1のガラス板10及び第2のガラス板20への圧縮固定位置がガラス接着層40の形状と一致しているため、複層ガラス25の全外周において破壊の心配はない。
なお、前記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせ又は実施例同士の組み合わせ又は実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態又は実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
本発明の前記態様にかかる冷蔵ショーケース用扉は、開口部にガラス扉を有する、あらゆる冷熱機器(冷蔵ショーケース、業務用パススルー冷蔵庫、又はワインセラーなど)の断熱性向上と強度確保のために利用可能である。
1 扉
9 領域
10 第1のガラス板
10a ガラス接着層の接着面を、第1のガラス板の庫外側平面に投影した部分
19 矢印
20 第2のガラス板
20a ガラス接着層の接着面を、第2のガラス板の庫外側平面に投影した部分
25 複層ガラス
29 隙間
30 断熱材
30a 折り曲げ線
30b 内側突出部
30c 連結部
30d 外側突出部
30e 内側壁部
30f 外側壁部
30g 凹部
31a 不織布基体
31b 不織布厚肉部
32 断熱材
32a 折り曲げ線
32f 凹部
33a 不織布基体
33b 不織布厚肉部
36 含浸・養生槽
40 ガラス接着層
40a 接着面
40b 直線部
40c 角部
50 枠体
50a 溝
50b,50c,50d 面
50f 凹部
51 縦枠
52 横枠
80 ガスケット
110 第1のガラス板
120 第2のガラス板
125 複層ガラス
130 第3のガラス板
140 ガラス接着層
150 断熱材
160 枠体
170 固定部材
180 ガスケット
181 ガスケットホルダ

Claims (3)

  1. 冷蔵ショーケースにおける扉であって、
    前記冷蔵ショーケースの庫外側に配置された矩形状の第1のガラス板と、前記冷蔵ショーケースの庫内側に配置された矩形状の第2のガラス板と、前記第1のガラス板と前記第2のガラス板との間の外周部に配されたガラス接着層と、で構成される複層ガラスと、
    前記複層ガラスの周縁部に配される枠体と、を備え、
    前記枠体は、前記第1のガラス板の庫外側の平面から前記複層ガラスの一つの側面を挟んで前記第2のガラス板の庫内側の平面に至る領域に対向する3つの面を有し、
    前記枠体と前記複層ガラスとの間に、前記3つの面に沿って断熱材が配置されており、
    前記断熱材と前記第1のガラス板及び前記第2のガラス板とは、前記ガラス接着層の前記断熱材と前記第1のガラス板及び前記第2のガラス板とは、前記ガラス接着層の接着面を、前記第1のガラス板の庫外側平面に投影した部分及び前記第2のガラス板の庫内側平面に投影した部分と接触して前記断熱材と前記ガラス接着層とで前記複層ガラスが圧縮固定されているとともに、前記断熱材と前記第1のガラス板の庫外側平面の外周側の部分及び前記断熱材と前記第2のガラス板の庫外側平面の外周側の部分にそれぞれ隙間を形成し、前記断熱材と前記ガラス接着層とで前記複層ガラスが圧縮固定されている、
    冷蔵ショーケース用扉。
  2. 前記ガラス接着層は、
    前記第1のガラス板と前記第2のガラス板との四つ角部をそれぞれ接着する角部と、
    前記角部以外の前記第1のガラス板及び前記第2のガラス板の側面と平行である直線部と、で構成され、
    前記直線部は直線形状であり、前記角部は前記直線部を構成する直線を接線とする弧状形状である、
    請求項1に記載の冷蔵ショーケース用扉。
  3. 前記断熱材の、前記第1のガラス板及び前記第2のガラス板との接触部分の厚みは、
    接触していない部分の厚みの25%より大きい、
    請求項1又は2に記載の冷蔵ショーケース用扉。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114183050A (zh) * 2021-11-04 2022-03-15 澳柯玛股份有限公司 一种展示柜玻璃门

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