JP2020152021A - 立体造形物の製造装置、及び立体造形物の製造方法 - Google Patents

立体造形物の製造装置、及び立体造形物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】立体造形物の造形精度を低下させずに、より短時間で立体造形物を製造することができる立体造形物の製造装置の提供。【解決手段】粉体層31を形成する粉体層形成手段と、前記粉体層上に放射エネルギー吸収剤を付与する放射エネルギー吸収剤付与手段と、前記放射エネルギー吸収剤が付与された前記粉体層に放射エネルギーを付与する放射エネルギー付与手段80と、気流を発生させる気流発生装置と、を有し、前記放射エネルギー付与手段は、放射エネルギーを放射する放射エネルギー源81と、前記放射エネルギー源から放射される放射エネルギーを透過可能な放射エネルギー透過部材82と、前記放射エネルギー透過部材と一体化されて前記放射エネルギー源を収容する放射エネルギー源収容部材と、を有し、前記気流発生装置により発生される前記気流は、前記エネルギー源収容部材内で前記放射エネルギー源に向けて流入する立体造形物の製造装置である。【選択図】図12

Description

本発明は、立体造形物の製造装置、及び立体造形物の製造方法に関する。
粉体積層による三次元造形方式(粉体積層造形方式)において、粉体層の面上の造形領域に放射エネルギー吸収剤を含む造形用液体を吐出し、放射エネルギーを付与して樹脂粒子を含む粉体どうしを融着させ、立体造形物を造形する方式が知られている。
このような造形方式は、High Speed Sintering(HSS)方式の一種であり、このHSS方式において粉体どうしを融着させるために放射エネルギーを付与する装置について様々な提案がされている。例えば、ガウス分布に近い放射エネルギーを付与できるようにすることを主な目的として、複数のランプと、複数のランプを覆う複数のリフレクターを備える装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、立体造形物の造形精度を低下させずに、より短時間で立体造形物を製造することができる立体造形物の製造装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段としての本発明の立体造形物の製造装置は、
粉体層を形成する粉体層形成手段と、
前記粉体層上に放射エネルギー吸収剤を付与する放射エネルギー吸収剤付与手段と、
前記放射エネルギー吸収剤が付与された前記粉体層に放射エネルギーを付与する放射エネルギー付与手段と、
気流を発生させる気流発生装置と、
を有し、
前記放射エネルギー付与手段は、放射エネルギーを放射する放射エネルギー源と、前記放射エネルギー源から放射される放射エネルギーを透過可能な放射エネルギー透過部材と、前記放射エネルギー透過部材と一体化されて前記放射エネルギー源を収容する放射エネルギー源収容部材と、を有し、
前記気流発生装置により発生される前記気流は、前記エネルギー源収容部材内で前記放射エネルギー源に向けて流入することを特徴とする。
本発明によると、立体造形物の造形精度を低下させずに、より短時間で立体造形物を製造することができる立体造形物の製造装置を提供することができる。
図1は、第1の実施形態における立体造形物の製造装置を説明するための平面図である。 図2は、第1の実施形態における立体造形物の製造装置を説明するための側面図である。 図3は、第1の実施形態における立体造形物の製造装置を説明するための断面図である。 図4は、第1の実施形態における立体造形物の製造装置の制御部のブロック図である。 図5Aは、第1の実施形態における立体造形物の製造装置の動作を説明するための概略図である。 図5Bは、第1の実施形態における立体造形物の製造装置の動作を説明するための概略図である。 図5Cは、第1の実施形態における立体造形物の製造装置の動作を説明するための概略図である。 図5Dは、第1の実施形態における立体造形物の製造装置の動作を説明するための概略図である。 図5Eは、第1の実施形態における立体造形物の製造装置の動作を説明するための概略図である。 図5Fは、第1の実施形態における立体造形物の製造装置の動作を説明するための概略図である。 図6は、粉体層にエネルギーを付与した時間と粉体層の温度との関係の一例を示すグラフである。 図7Aは、第1の実施形態における放射エネルギー源、放射エネルギー透過部材、及び放射エネルギー源収容部材のxz平面での断面図である。 図7Bは、第1の実施形態における放射エネルギー源、放射エネルギー透過部材、及び放射エネルギー源収容部材のyz平面での断面図である。 図8は、第1の実施形態における気流発生装置を示す説明図である。 図9は、粉体層に付与したエネルギーと粉体層の温度との関係の一例を示すグラフである。 図10Aは、第2の実施形態の立体造形物の製造装置を示す概略図である。 図10Bは、第2の実施形態の立体造形物の製造装置を示す概略図である。 図11Aは、第2の実施形態の立体造形物の製造装置の変形例を示す概略図である。 図11Bは、第2の実施形態の立体造形物の製造装置の変形例を示す概略図である。 図12は、第3の実施形態の立体造形物の製造装置を示す概略図である。 図13Aは、第3の実施形態の立体造形物の製造装置の変形例を示す概略図である。 図13Bは、第3の実施形態の立体造形物の製造装置の変形例を示す概略図である。 図14は、第4の実施形態の立体造形物の製造装置を示す概略図である。 図15は、第4の実施形態の立体造形物の製造装置の変形例を示す概略図である。
(立体造形物の製造装置、立体造形物の製造方法)
本発明の立体造形物の製造装置は、粉体層を形成する粉体層形成手段と、粉体層上に放射エネルギー吸収剤を付与する放射エネルギー吸収剤付与手段と、放射エネルギー吸収剤が付与された粉体層に放射エネルギーを付与する放射エネルギー付与手段と、気流を発生させる気流発生装置と、を有する。放射エネルギー付与手段は、放射エネルギーを放射する放射エネルギー源と、放射エネルギー源から放射される放射エネルギーを透過可能な放射エネルギー透過部材と、放射エネルギー透過部材と一体化されて放射エネルギー源を収容する放射エネルギー源収容部材と、を有する。気流発生装置により発生される気流は、エネルギー源収容部材内で放射エネルギー源に向けて流入する。
本発明の立体造形物の製造方法は、粉体層を形成する粉体層形成工程と、粉体層上に放射エネルギー吸収剤を付与する放射エネルギー吸収剤付与工程と、放射エネルギー吸収剤が付与された粉体層に放射エネルギーを付与する放射エネルギー付与工程と、を含む。放射エネルギー付与工程において、粉体層には接触させることなく、放射エネルギーを付与する放射エネルギー源に対し気流を流入させる。
本発明の立体造形物の製造方法は本発明の立体造形物の製造装置により好適に行うことができ、粉体層形成工程は粉体層形成手段により好適に行うことができ、放射エネルギー吸収剤付与工程は放射エネルギー吸収剤付与手段により好適に行うことができ、放射エネルギー付与工程は放射エネルギー付与手段により好適に行うことができる。
つまり、本発明の立体造形物の製造方法は、本発明の立体造形物の製造装置を用い実施することと同義である。また、本発明の立体造形物の製造装置は、本発明の立体造形物の製造方法を実施することと同義である。
したがって、本発明の立体造形物の製造装置の説明を通じて本発明の立体造形物の製造方法の詳細についても明らかにする。
本発明の立体造形物の製造装置は、従来の放射エネルギーを付与する装置では、立体造形物をより短時間で製造しようとすると、ハロゲンランプの耐熱性が問題になる場合があるという知見に基づくものである。
具体的には、従来の放射エネルギーを付与する装置は、複数のランプと、複数のランプを覆う複数のリフレクターを備えているが、リフレクターで覆われているランプどうしが加熱し合うとともに蓄熱しやすいことから、ランプが熱で故障しやすいという問題がある。したがって、従来の放射エネルギーを付与する装置では、放射エネルギーを高めて粉体層の融着速度を高めようとするとランプが熱で故障しやすいことから、立体造形物をより短時間で製造することは困難な場合がある。
また、気流を吹き付けてランプを冷却することが可能なメタルハライドランプを用いた照明装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、このような空冷による照明装置をHSS方式の立体造形物の製造装置に適用した場合、立体造形物の材料である粉体が装置内にあるため、ランプを冷却する気流により粉体が舞い上がってしまう。すると、舞い上がった粉体が立体造形物の材料として用いられなくなるため、立体造形物の造形精度が低下するという問題がある。
さらに、メタルハライドランプは、発光及び消灯に時間がかかるため、数秒単位で発光及び消灯を繰り返すHSS方式に適用することは難しい。
なお、水冷による方法では、液体を循環させる装置が必要になるほか、発光を一部遮ってしまうため効率的ではない。また、従来からHSS方式で用いられているハロゲンランプをLED(Light Emitted Diode)やレーザーダイオードに代えても、ハロゲンランプと同様に、耐熱性の問題がある。他に、耐熱ファイバーによりレーザー光を槽内に導光するようにしても、レーザーや耐熱ファイバーが必要となるため部品点数が増大してしまうという問題がある。
またさらに、例えば、スーパーエンジニアリングプラスチックのような融点の高い材料に対応する場合には、(1)粉体の予熱温度を上げる、(2)粉体を融着させるエネルギーの付与時間を長くする、(3)融着させるエネルギーを高くする、の3つが挙げられる。
(1)については、融着させるエネルギーを高める必要がないが、予熱温度を200℃以上にすると、放射エネルギー吸収剤を含有する造形用液体を吐出するインクジェットヘッド内の造形用液体が乾燥してしまい、吐出できなくなる場合がある。また、予熱温度を200℃以上にするための部品の耐熱性が問題になる場合がある。また、(2)については生産性が低下してしまうことから、(3)が好ましい。
したがって、HSS方式で高融点材料により立体造形物を製造する場合には、生産性の観点から融着させるエネルギーを高くすることが好ましいが、上述のようにランプの耐熱性の問題があるため、より短時間で立体造形物を製造することは困難であった。
そこで、本発明の立体造形物の製造装置では、放射エネルギーを透過可能な放射エネルギー透過部材と一体化されて放射エネルギー源を収容する放射エネルギー源収容部材内で、放射エネルギー源に対し気流を流入させる気流発生装置を有する。
これにより、本発明の立体造形物の製造装置は、気流により放射エネルギー源を冷却することができるため、放射エネルギーを高めても放射エネルギー源が熱により故障しにくくなることから、高い放射エネルギーで、より短時間で立体造形物を製造できる。また、本発明の立体造形物の製造装置は、エネルギー源収容部材内で放射エネルギー源に対し気流を流入させることで、装置内の粉体を舞い散らすことがなくなり、立体造形物となる粉体が減少しないことから、造形精度を低下させずに立体造形物を製造することができる。
なお、以下では、スーパーエンジニアリングプラスチックを「スーパーエンプラ」と称することがある。
本発明の立体造形物の製造装置は、粉体層形成手段と、放射エネルギー吸収剤付与手段と、放射エネルギー付与手段とを有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
<粉体層形成手段>
粉体層形成手段は、粉体層を形成する。
粉体層形成手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉体を供給する機構と、供給された粉体を均しながら粉体層を形成する機構の組合せなどが挙げられる。
<<粉体層>>
粉体層とは、粉体による層を意味する。
粉体層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm以上100μm以下であることが好ましい。
−粉体−
粉体としては、粉末乃至粒子の形態を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
粉体層に用いる材料、即ち粉体の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂粒子を含有し、更に必要に応じてその他の材料を含有するものが挙げられる。
樹脂粒子とは、樹脂成分を含む粒子を意味する。なお、以下では、樹脂粒子を「樹脂粉末」又は「樹脂粉体」と称することがある。樹脂粒子は、樹脂成分の他に、必要に応じてその他の成分を含んでいてもよい。
樹脂成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、熱可塑性樹脂であることが好ましい。
熱可塑性樹脂とは、熱を加えると可塑化し、溶融する樹脂を意味する。
熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶性樹脂、非結晶性樹脂、液晶樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂としては、結晶性樹脂が好ましい。また、熱可塑性樹脂としては、融解開始温度と、冷却時の再結晶温度の差が大きな樹脂が好ましい。
なお、結晶性樹脂とは、ISO3146(プラスチック転移温度測定方法、JIS K7121)に準拠した測定において、融点ピークが検出される樹脂である。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアセタール(POM:Polyoxymethylene)、ポリイミド、フッ素樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などが挙げられる。
ポリアミドとしては、例えば、ポリアミド410(PA410)、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド610(PA610)、ポリアミド612(PA612)、ポリアミド11(PA11)、及びポリアミド12(PA12);並びにポリアミド4T(PA4T)、ポリアミドMXD6(PAMXD6)、ポリアミド6T(PA6T)、ポリアミド9T(PA9T)、及びポリアミド10T(PA10T)などの半芳香族性のポリアミドが挙げられる。
ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブタジエンテレフタレート(PBT)、ポリ乳酸(PLA)などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性を付与する点で、テレフタル酸やイソフタル酸を一部に含む芳香族を有するものが好ましい。
ポリエーテルとしては、例えば、ポリアリールケトン、ポリエーテルスルホンなどが挙げられる。
ポリアリールケトンとしては、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK、融点:340℃)、ポリエーテルケトン(PEK、融点:370℃)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK、融点:330℃)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK、融点:365℃)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK、融点:384℃)などが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、PA9Tのように2つの融点ピークを有するものでもよい。2つの融点ピークを有する熱可塑性樹脂は、高温側の融点ピーク以上の温度になると完全に溶融する。
また、ポリフタルアミド、ポリフェニレンサルファイド(融点:280℃)、液晶ポリマー、ポリスルホン(融点:200℃)、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド(融点:215℃)、ポリアミドイミド(融点:300℃)、ポリエーテルエーテルケトン(融点:340℃)、及びポリテトラフルオロエチレン(融点:325℃)などは、「スーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)」と称されている。
非結晶性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、アクリロニトリルブタジエンスチレンなどが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、スーパーエンプラから選択される少なくとも1種であることが好ましい。熱可塑性樹脂がスーパーエンプラであると、造形する立体造形物の引張強度、耐熱性、耐薬品性、及び難燃性を向上することができ、立体造形物を工業用途にも使用可能になる点で有利である。
粉体層形成手段が粉体層を形成する際には、粉体の温度が予め所望の温度になるように、粉体を予熱しておくことが好ましい。これにより、放射エネルギー付与手段により粉体の融点まで昇温させるための放射エネルギーを低減することができるとともに、放射エネルギーの照射時間を短縮することができる。
予熱温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、粉体に含まれる樹脂粒子の再結晶化温度と溶融温度の間の温度であることが好ましい。予熱温度が樹脂粒子の再結晶化温度と溶融温度の間の温度であることにより、粉体層を形成する際の粉体の流動性を保ちつつ、造形した立体造形物における反りなどの発生を抑制することができる。
粉体を予熱する手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、赤外線ヒーターで上側から加熱する、接触式のヒーターで造形槽自体を加熱する、といった方法が可能である。
<放射エネルギー吸収剤付与手段>
放射エネルギー吸収剤付与手段は、粉体層上に放射エネルギー吸収剤を付与する。
放射エネルギーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光や電波等の電磁波などが挙げられる。
放射エネルギー吸収剤付与手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、放射エネルギー吸収剤を含む造形用液体を吐出させるインクジェットヘッドなどが挙げられる。
−造形用液体−
造形用液体としては、放射エネルギー吸収剤が含有し、常温において液状であることから液体成分を含有する。また、造形用液体としては、更に必要に応じてその他の成分を含有してもよい。
−−放射エネルギー吸収剤−−
放射エネルギー吸収剤としては、放射エネルギーを吸収するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
放射エネルギー吸収剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
市販品としては、例えば、カーボンブラックを含むインク型配合物であるCM997A(ヒューレット・パッカード社製)などが挙げられる。また、KHP、骨炭、黒鉛、炭素繊維、白亜又は干渉顔料を有することもできる。さらに、赤外線吸収体、近赤外線吸収体、可視光吸収体、UV光吸収体などを含むことができる。例えば、可視光促進剤を含むインクの例としては、Hewlett−Packard Companyから市販されているCM993A及びCE042A(いずれもヒューレット・パッカード社製)として知られるインクのような、染料ベースの有色インク及び顔料ベースの有色インクが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
液体成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、水や水溶性溶剤が好適に用いられ、特に水が主成分として用いられる。
造形用液体全体に占める水の割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40質量%以上85質量%以下が好ましく、50質量%以上80質量%以下がより好ましい。造形用液体全体に占める水の割合が好ましい範囲であると、放射エネルギー吸収剤付与手段がインクジェットヘッドであれば、待機時にノズルが乾燥することを抑制し、液詰まりやノズル抜けの発生を低減することができる。
水溶性溶剤は、特にインクジェットノズルを用いて造形用液体を吐出させる際、水分保持力や吐出安定性を高める上で有効である。水分保持力や吐出安定性が低下すると、ノズルが乾燥して吐出が不安定になったり、液詰まりが発生したりするため、立体造形物の強度や寸法精度が低下する場合がある。この点、水溶性溶剤は、水よりも粘度や沸点が高いものが多く、これらは特に造形用液体の湿潤剤や乾燥防止剤、粘度調整剤としても機能させることができ、有効である。
水溶性溶剤としては、水溶性を示す液体材料であれば、特に制限されるものではなく、適宜変更することができ、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール、エーテル、ケトンなどが挙げられる。具体的には、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2−ペンタンジオール、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,3−ブタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ピロリドン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ヘキサンジオール、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジノン、β−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、β−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクタム、エチレングリコール、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、ジエチレングリコール、ジエチレングリコール−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジグリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコール、トリプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、プロピルプロピレンジグリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコール-n-ブチルエーテル、プロピレングリコール-t-ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
造形用液体全体に対する水溶性溶剤の割合としては、特に制限されるものではなく、適宜変更することができるが、5質量%以上60質量%以下が好ましく、10質量%以上50質量%以下がより好ましく、15質量%以上40質量%以下が更に好ましい。造形用液体全体に対する水溶性溶剤の割合が5質量%以上であると、造形用液体の水分保持力を良好にすることができ、待機時にインクジェットヘッド内部の造形用液体が乾燥して吐出不良となることを抑制することができる。また、事前に行うチェック時と実際の吐出時の吐出量が異なることを防ぎ、所望の強度や形状を有する立体造形物が得られやすくなる。造形用液体全体に対する水溶性溶剤の割合が60質量%以下であると、造形用液体の粘度が高くなり過ぎず、吐出安定性を向上させることができる。また、粉体の樹脂粒子の溶解性が低下することを抑制できるため、立体造形物の強度が低下しにくくすることができる。また、立体造形物の乾燥時間が長くなりすぎず、製造効率の低下や立体造形物の変形を抑制することができる。
造形用液体のその他の成分としては、例えば、湿潤剤、乾燥防止剤、粘度調整剤、界面活性剤、浸透剤、架橋剤、消泡剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、着色剤、保存剤、安定化剤など、従来公知の材料を制限なく添加することができる。
[造形用液体の調製方法]
造形用液体の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水や水溶性溶剤などの液体成分に、放射エネルギー吸収剤、及び必要に応じてその他の成分を添加し、混合撹拌する方法が挙げられる。
[粉体と造形用液体の作用の一例]
粉体と造形用液体の作用としては、例えば、上記のような粉体及び造形用液体を用いることにより、粉体を用いて粉体層を形成し、放射エネルギー吸収剤を含有する造形用液体を粉体層に付与した後、放射エネルギーを粉体層に付与すると、粉体どうしが融着して造形層が形成される。
<放射エネルギー付与手段>
放射エネルギー付与手段は、放射エネルギー吸収剤が付与された粉体層に放射エネルギーを付与する。
放射エネルギー付与手段は、放射エネルギー源と、放射エネルギー透過部材と、放射エネルギー源収容部材とを有する。
<<放射エネルギー源>>
放射エネルギー源は、放射エネルギーを放射する。
放射エネルギー付与手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光照射手段、マイクロ波照射手段などが挙げられる。これらの中でも、光照射手段が照射エネルギーの制御性の点で好ましい。
光照射手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、光源と、光源から出射される光を反射するリフレクターとを備えることが好ましい。
光源としては、例えば、ハロゲンランプ、LED、半導体レーザ、ファイバーに導光されたレーザー光などが挙げられる。
光源の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、球状灯、棒状灯などが挙げられる。
球状灯としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電球の形状を有するものが挙げられる。
棒状灯としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、蛍光灯の形状を有するものが挙げられる。
放射エネルギー源が光源であり、放射エネルギーが光であり、放射エネルギー付与手段が光照射手段であることが好ましい。このような好ましい態様であると、実現しやすい点で有利である。
リフレクターとしては、光源から出射される光を反射できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、光源から出射される光を一定方向に反射可能であることが好ましい。リフレクターが好ましい態様であると、光源から出射される光を集光してエネルギーを高められる点で有利である。
リフレクターの形状としては、例えば、一端が開口した略ドーム形状、一端が開口し、開口の形状が略直方体などが挙げられる。1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、光源から出射される光を一方向に反射可能であるものが、放射エネルギー密度を高めることができる点で好ましい。
リフレクターの構造、大きさ及び材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<<放射エネルギー透過部材>>
放射エネルギー透過部材は、放射エネルギー源から放射される放射エネルギーを透過可能な部材である。
放射エネルギー透過部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、単なる板状の形状としてもよく、例えば、球面レンズ、非球面レンズ、シリンドリカルレンズ、マイクロレンズアレイなどにすることで集光機能を持たせて照射エネルギー密度を大きくすることも可能である。
放射エネルギー透過部材の位置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、粉体層形成手段が形成した粉体層に対向して配置されていることが好ましい。放射エネルギー透過部材が粉体層に対向して配置されていると、粉体層に放射エネルギーを付与しやすい点で有利である。
なお、放射エネルギー透過部材は、全部が放射エネルギーを透過するものであっても、一部が放射エネルギーを透過するものであってもよい。
<<放射エネルギー源収容部材>>
放射エネルギー源収容部材は、放射エネルギー透過部材と一体化されて放射エネルギー源を収容する。
放射エネルギー源収容部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、放射エネルギー源から放射される放射エネルギーを放射エネルギー透過部材に向けて反射可能なリフレクターであることが好ましい。放射エネルギー源収容部材がリフレクターであると、リフレクターが集光機能を有するため、放射エネルギー源からより多くのエネルギーを粉体層に照射することができ、放射エネルギー密度を高めることができる点で有利である。
<<気流発生装置>>
気流発生装置は、エネルギー源収容部材内で放射エネルギー源に対し気流を流入させる。
気流発生装置としては、放射エネルギー源収容部材の内部に気流を導入する気流導入部材と、放射エネルギー源収容部材の外部に気流を導出する気流導出部材とを有することが好ましい。また、気流導入部材から気流を放射エネルギー源収容部材の内部に導入したとき、気流導出部材が、放射エネルギー源収容部材の内部における気流の下流側に接続されていることが好ましい。さらに、放射エネルギー源が棒状である場合には、棒状の放射エネルギー源を収容する放射エネルギー源収容部材における放射エネルギー源は、一端側に気流導入部材が接続され、他端側に気流導出部材が接続されていることが好ましい。
これらの好ましい態様では、気流発生装置における気流が一方向に流れるため、放射エネルギー源を確実に冷却することができる。
気流導入部材及び気流導出部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直線状の配管、蛇腹状の配管などが挙げられる。
気流発生装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、送風機を有することが好ましく、この場合には、気流導入部材及び気流導出部材が送風機に接続された管であることが好ましい。これにより、気流発生装置の気流が一方向に流れるため、放射エネルギー源をより確実に簡易な構成で冷却することができる。
送風機としては、例えば、同軸ファンなどが挙げられる。
<その他の手段>
その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ここで、本発明における立体造形物の製造装置の複数の実施形態について図面を参照して説明する。
なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。また、下記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好ましい数、位置、形状等にすることができる。
(第1の実施形態)
第1の実施形態における立体造形物の製造装置を図1〜図5Fを参照して説明する。
図1は、第1の実施形態における立体造形物の製造装置を説明するための平面図である。図2は、第1の実施形態における立体造形物の製造装置を説明するための側面図である。図3は、第1の実施形態における立体造形物の製造装置を説明するための断面図である。図4は、第1の実施形態における立体造形物の製造装置の制御部のブロック図である。図5A〜図5Fは、第1の実施形態における立体造形物の製造装置の動作を説明するための概略図である。
本実施形態の立体造形物の製造装置は粉体積層造形装置であり、粉体20が結合された層状造形物である造形層30が形成される造形部1と、造形部1の層状に敷き詰められた粉体層31に対して造形用液体の液滴10を吐出して、液滴10を粉体層31に塗布することにより、立体造形物を造形する造形ユニット5とを備えている。
造形部1は、粉体槽11と、平坦化部材(リコータ)である回転体としての平坦化ローラ12などを備えている。なお、平坦化部材は回転体に代えて、例えば、板状部材(ブレード)とすることもできる。
粉体槽11は、粉体20を供給する供給槽21と、造形層30が積層されて立体造形物が造形される造形槽22とを有する。造形前に供給槽21に粉体を供給する。
供給槽21の底部は、供給ステージ23として鉛直方向(高さ方向)に昇降可能となっている。同様に、造形槽22の底部は、造形ステージ24として鉛直方向(高さ方向)に昇降可能となっている。造形ステージ24上に造形層30が積層された立体造形物が造形される。
供給ステージ23と造形ステージ24は、モータによって矢印Z方向(高さ方向)に昇降される。
平坦化ローラ12は、供給槽21の供給ステージ23上に供給された粉体20を造形槽22に供給し、平坦化手段である平坦化ローラ12によって供給した粉体20の層の表面を均して平坦化して、粉体層31を形成する。この平坦化ローラ12は、造形ステージ24のステージ面(粉体20が積載される面)に沿って矢印Y方向に、ステージ面に対して相対的に往復移動可能に配置され、往復移動機構によって移動される。また、平坦化ローラ12は、モータ26(図4参照)によって回転駆動される。
造形ユニット5は、造形ステージ24上の粉体層31に液滴10を吐出する液体吐出ユニット50を備えている。液体吐出ユニット50は、キャリッジ51と、キャリッジ51に搭載された吐出手段である2つ(1又は3つ以上でもよい。)の液体吐出ヘッド(以下、単に「ヘッド」という。)52a、52bを備えている。
キャリッジ51は、ガイド部材54及び55に移動可能に保持されている。ガイド部材54及び55は、両側の側板70に昇降可能に保持されている。このキャリッジ51は、X方向走査機構550のX方向走査モータによってプーリ及びベルトを介して主走査方向である矢印X方向(以下、単に「X方向」という。他のY、Zについても同様とする。)に往復移動される。
2つのヘッド52a、52b(以下、区別しないときは「ヘッド52」という。)は、液体を吐出する複数のノズルを配列したノズル列がそれぞれ複数列配置されている。ヘッド52ノズル列は、放射エネルギー吸収剤を含んだ造形用液体(インク)を吐出する。ヘッド52aやヘッド52bのノズル列は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックなど色がついた造形用液体をそれぞれ吐出することもできる。なお、ヘッド構成はこれに限るものではない。
これらの造形用液体の各々を収容した複数のタンク60がタンク装着部56に装着され、供給チューブなどを介してヘッド52a、52bに供給される。
また、X方向の一方側には、液体吐出ユニット50のヘッド52の維持回復を行うメンテナンス機構61が配置されている。
ヘッドの左右には放射エネルギー付与手段80が備わる。なお、どちらか片方のみの設置でも可能である。ヘッド52から放射エネルギー吸収剤を含む造形用液体が吐出された領域上を放射エネルギー付与手段80が駆動する。放射エネルギー付与手段80はキャリッジ51内に備えることで、ヘッド52と駆動を共有することも可能だが、個別に駆動源を用意することで単体でのX方向間の駆動を可能とすることができる。
メンテナンス機構61は、主にキャップ62とワイパ63とを備える。キャップ62をヘッド52のノズル面(ノズルが形成された面)に密着させ、ノズルから造形用液体を吸引する。ノズルに詰まった粉体の排出や高粘度化した造形用液体を排出するためである。その後、ノズルのメニスカス形成(ノズル内は負圧状態である)のため、ノズル面をワイパ63でワイピング(払拭)する。また、メンテナンス機構61は、造形用液体の吐出が行われない場合に、ヘッド52のノズル面をキャップ62で覆い、粉体20がノズルに混入することや液滴10が乾燥することを防止する。
造形ユニット5は、ベース部材7上に配置されたガイド部材71に移動可能に保持されたスライダ部72を有し、造形ユニット5全体がX方向と直交するY方向(副走査方向)に往復移動可能である。この造形ユニット5は、Y方向走査機構552のY方向走査モータによって全体がY方向に往復移動される。
また、液体吐出ユニット50は、ガイド部材54、55とともに矢印Z方向に昇降可能に配置され、Z方向昇降機構551(図4参照)のZ方向走査モータによってZ方向に昇降される。
次に、造形部1の詳細について説明する。
造形部1は粉体槽11を有しており、粉体槽11は箱型形状をなし、供給槽21と造形槽22と、余剰粉体受け槽25の3つの上面が開放された槽とを備えている。供給槽21内部には供給ステージ23が、造形槽22内部には造形ステージ24がそれぞれ昇降可能に配置される。
供給ステージ23の側面は供給槽21の内側面に接するように配置されている。造形ステージ24の側面は造形槽22の内側面に接するように配置されている。これらの供給ステージ23及び造形ステージ24の上面は水平に保たれている。
平坦化ローラ12は、供給槽21から粉体20を造形槽22へと移送供給して、表面を均すことで平坦化して所定の厚みの層状の粉体である粉体層31を形成する。
この平坦化ローラ12は、造形槽22及び供給槽21の内寸(即ち、粉体が供される部分又は仕込まれている部分の幅)よりも長い棒状部材であり、往復移動機構によってステージ面に沿ってY方向(副走査方向)に往復移動される。
また、平坦化ローラ12は、モータ26によって回転されながら、供給槽21の外側から供給槽21及び造形槽22の上方を通過するようにして水平移動する。これにより、粉体20が造形槽22上へと移送供給され、平坦化ローラ12が造形槽22上を通過しながら粉体20を平坦化することで粉体層31が形成される。
また、図3にも示すように、平坦化ローラ12の周面に接触して、平坦化ローラ12に付着した粉体20を除去するための粉体除去部材である粉体除去板13が配置されている。粉体除去板13は、平坦化ローラ12の周面に接触した状態で、平坦化ローラ12とともに移動する。また、粉体除去板13は、平坦化ローラ12が平坦化を行うときの回転方向に回転するときのカウンタ方向でも、順方向でも配置可能である。
なお、本実施形態では、造形部1の粉体槽11が供給槽21と造形槽22の二つの槽を有しているが、造形槽22のみとして、造形槽22に粉体供給装置から粉体を供給して、平坦化手段で平坦化することもできる。
<制御部の概要及び造形の流れ>
次に、本実施形態の立体造形物の製造装置における制御部の概要について図4を参照して説明する。図4は、同制御部のブロック図である。
制御部500は、この装置全体の制御を行うCPU501と、CPU501に本実施形態の製造方法に係わる制御を含む立体造形動作の制御を実行させるためのプログラム、その他の固定データを格納するROM502と、造形データ等を一時格納するRAM503とを含む主制御部500Aを備えている。
制御部500は、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)504を備えている。また、制御部500は、画像データに対する各種信号処理等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505を備えている。
制御部500は、外部の造形データ作成装置600から造形データを受信するときに使用するデータ及び信号の送受を行うためのI/F506を備えている。
なお、造形データ作成装置600は、最終形態の造形物(立体造形物)の3Dデータなどから造形層ごとにスライスしたスライスデータ等の造形データを作成する装置であり、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置である。
制御部500は、各種センサの検知信号を取り込むためのI/O507を備えている。
制御部500は、液体吐出ユニット50のヘッド52を駆動制御するヘッド駆動制御部508を備えている。
制御部500は、液体吐出ユニット50のキャリッジ51をX方向(主走査方向)に移動させるX方向走査機構550のモータを駆動するモータ駆動部510と、液体吐出ユニット50のキャリッジ51をY方向(副走査方向)に移動させるY方向走査機構552のモータを駆動するモータ駆動部512を備えている。
制御部500は、液体吐出ユニット50のキャリッジ51をZ方向に移動(昇降)させるZ方向昇降機構551のモータを駆動するモータ駆動部511を備えている。
なお、矢印Z方向への昇降は造形ユニット5全体を昇降させるようにすることもできる。
制御部500は、供給ステージ23を昇降させるモータ27を駆動するモータ駆動部513と、造形ステージ24を昇降させるモータ28を駆動するモータ駆動部514を備えている。
制御部500は、平坦化ローラ12を移動させる往復移動機構25のモータ553を駆動するモータ駆動部515と、平坦化ローラ12を回転駆動するモータ26を駆動するモータ駆動部516を備えている。
制御部500は、供給槽21に粉体20を供給する粉体供給装置を駆動する供給系駆動部と、液体吐出ユニット50のメンテナンス機構61を駆動するメンテナンス駆動部518を備えている。
制御部500のI/O507には、装置の環境条件としての温度及び湿度を検出する温湿度センサ560などの検知信号やその他のセンサ類の検知信号が入力される。
制御部500には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル522が接続されている。
制御部500は、造形データ作成装置600から造形データを受領する。造形データは、目的とする立体造形物の形状をスライスしたスライスデータとしての各造形層30の形状データ(造形データ)を含む。
そして、主制御部500Aは、造形層30の造形データに基づいてヘッド52からの造形用液体の吐出を行わせる制御をする。
なお、造形データ作成装置600と立体造形装置(粉体積層造形装置)601によって造形装置が構成される。
次に、本実施形態の立体造形物の製造装置における造形の流れについて図5A〜図5Fを参照して説明する。
図5A〜図5Fは、造形の流れの説明に供する模式的説明図である。ここでは、造形槽22の造形ステージ24上に、1層目の造形層30が形成されている状態から説明する。
1層目の造形層30上に次の造形層30を形成するときには、図5Aに示すように、供給槽21の供給ステージ23をZ1方向に上昇させ、造形槽22の造形ステージ24をZ方向に下降させる。
このとき、造形槽22の上面(粉体層表面)と平坦化ローラ12の下部(下方接線部)との間隔がΔtとなるように造形ステージ24の下降距離を設定する。この間隔Δtが次に形成する粉体層31の厚さに相当する。間隔Δtは、数十μm〜100μm程度であることが好ましい。
次いで、図5Bに示すように、供給槽21の上面レベルよりも上方に位置する粉体20を、平坦化ローラ12を順方向(矢印方向)に回転しながらY2方向(造形槽22側)に移動することで、粉体20を造形槽22へと移送供給する(粉体供給)。
さらに、図5Cに示すように、平坦化ローラ12を造形槽22の造形ステージ24のステージ面と平行に移動させ、図5Dに示すように、造形ステージ24の造形層30上で所定の厚さΔtになる粉体層31を形成する(平坦化)。粉体層31を形成後、平坦化ローラ12は、図5Dに示すように、Y1方向に移動されて初期位置に戻される。
ここで、平坦化ローラ12は、造形槽22及び供給槽21の上面レベルとの距離を一定に保って移動できるようになっている。一定に保って移動できることで、平坦化ローラ12で粉体20を造形槽22の上へと搬送させつつ、造形槽22上又は既に形成された造形層30の上に均一厚さh(積層ピッチΔtに相当)の粉体層31を形成できる。
なお、以下、粉体層31の厚みhと積層ピッチΔt1とを区別せずに説明することがあるが、特に断りのない限り、同じ厚みを意味する。また、粉体層31の厚みhを実際に測定して求めてもよく、この場合、複数箇所の平均値とすることが好ましい。
その後、図5Eに示すように、液体吐出ユニット50のヘッド52から造形用液体の液滴を吐出する。
図5Fに示すように、放射エネルギー付与手段80を走査させて粉体層31上に放射エネルギーを付与することで、粉体層31が融着して反りのない1層分の造形層30を得る。なお、詳細については後述する。
次いで、上述した粉体供給・平坦化よる粉体層31を形成する工程、ヘッド52による造形用液体吐出工程、放射エネルギー照射の工程を繰り返して新たな造形層30を形成する。このとき、新たな造形層30とその下層の造形層30とは一体化して立体造形物の一部を構成する。
以後、粉体の供給・平坦化よる粉体層31を形成する工程、ヘッド52による造形用液体吐出工程、放射エネルギー照射の工程を必要な回数繰り返すことによって、立体造形物を完成させる。
図6は、粉体層にエネルギーを付与した時間と粉体層の温度との関係の一例を示すグラフである。
図6では、PEEK粉末と黒インク(カーボンブラック含有、株式会社リコー製)を質量比1:1で混合し、得られたスラリーをスライドガラス上に平均厚み0.5mmで塗布し,スライドガラスごとホットプレートに載置して、粉体層の表面温度が170℃となるように予熱をした。なお、粉体層の表面温度の測定は、サーモカメラXi80(Optris社製)を用いた。粉体層の表面温度が安定した後,粉体層の表面に放射エネルギーを付与し、付与している間の粉体層の表面の温度変化を記録した。放射エネルギー源としては、光加熱スポットヒーター(HSH−120、フィンテック社製)を用いた。放射エネルギー密度の条件変更は,ハロゲンランプヒーター用電力コントローラー(HLC−HN型、フィンテック社製)の出力設定で行った。
従来のHSS方式で用いられてきた低融点の材料(例えば、PA12など)を用いる場合には、上記で170℃とした予熱温度から融着させるのに必要な昇温温度はわずか30℃程度であったため、エネルギー密度が造形時間に与える影響は小さかった。具体的には、図6に示すように、予熱温度とした170℃から30℃昇温させる時間は、0.1W/mm〜0.3W/mmのいずれの条件においても0.1s以下であり、大きな違いはないことがわかる。図6において最もエネルギー密度が小さい0.05W/mmの条件でも0.4s以下であるため、高速な造形が可能である。
一方、耐熱性や耐溶剤性などに優れたスーパーエンプラなどの高融点の材料(例えば、PEEKなど)を用いる場合には、予熱温度からの昇温温度を140℃以上としなければならず、図6に示すように、エネルギー密度が造形時間に大きな影響を与える。この場合には、インクジェットヘッドの耐熱性の問題により、粉体層の予熱温度を200℃程度までしか上げることができないためである。
そこで、本実施形態の立体造形物の製造装置は、放射エネルギー源のエネルギー密度を高めることができるように、図7A及び図7Bに示すとおり、放射エネルギー源収容部材内の放射エネルギー源を気流で冷却する。
図7Aは、第1の実施形態における放射エネルギー源、放射エネルギー透過部材、及び放射エネルギー源収容部材を含む放射エネルギー付与手段のxz平面での断面図である。図7Bは、第1の実施形態における放射エネルギー源、放射エネルギー透過部材、及び放射エネルギー源収容部材を含む放射エネルギー付与手段のyz平面での断面図である。
図7A及び図7Bに示すように、第1の実施形態の立体造形物の製造装置では、放射エネルギー源81と粉体層31は、放射エネルギー透過部材82と放射エネルギー源収容部材83により空間的に分離されている。第1の実施形態の立体造形物の製造装置では、分離された空間のうちの放射エネルギー源81を含む内側のみを送風機により送り込まれた気流が流れるようになっている。また、放射エネルギー源81の放射エネルギーは、図7A及び図7Bの中の点線で示したとおり、放射エネルギー透過部材82を透過して粉体層31に付与される。これにより、第1の実施形態の立体造形物の製造装置では、粉体層31を気流で乱すことなく放射エネルギー源81を冷却することができるため、立体造形物の造形精度を低下させずに、より短時間で立体造形物を製造することができる。
なお、図7Bでは、放射エネルギー源81と粉体層31は、放射エネルギー透過部材82により気体が流通しないようにしているものとしたが、これに限ることない。例えば、気流が粉体層31に影響を及ぼさないのであれば、放射エネルギー透過部材82に孔部が存在していてもよい。
図8は、第1の実施形態における気流発生装置を示す説明図である。
図8に示すように、気流発生装置90は、送風機91と、気流導入部材92と、気流導出部材93とを有する。放射エネルギー源81を含む放射エネルギー源収容部材83と送風機91が一体として図8中y方向に走査されるため、気流導入部材92及び気流導出部材93は走査されやすいように蛇腹状の配管としている。
なお、送風機91が放射エネルギー源81を含む放射エネルギー源収容部材83とは別体にして固定とし、蛇腹状の気流導入部材92及び気流導出部材93のみを放射エネルギー付与手段80とともに走査させる構成としてもよい。
このように、第1の実施形態の立体造形物の製造装置は、粉体を舞い上げること無く放射エネルギー源のエネルギー密度を高めることができるため、立体造形物の造形精度を低下させずに、より短時間で立体造形物を製造することができる。
(第2の実施形態)
図9は、粉体層に付与したエネルギーと粉体層の温度との関係の一例を示すグラフである。図9は、図6で示したグラフとは横軸が異なり、横軸を粉体層に付与したエネルギー(単位:J/mm)とした。放射エネルギー密度は、コントローラーに表示される出力(単位:W)を,露光される面積(単位:mm)で割った値で定義した。図9の横軸は,付与したエネルギー(単位:J/mm)とした。これは、放射エネルギー源のエネルギー密度(W/mm)と粉体層の表面の任意の点に放射エネルギーを付与する時間(秒間)の積である。付与した放射エネルギーに対して、温度上昇が大きいほうが、効率的に温度上昇していることが明らかとなった。例えば、付与した放射エネルギー密度が0.1W/mmの場合には277℃までしか上昇していないが、0.2W/mmの場合には360℃まで上昇している。このことは、例えば、360℃まで昇温することを考えると,高エネルギー密度を用いることで,昇温速度が速くなって生産性が高くなるだけではなく、エネルギー効率が上がるので,光源コストも低減できる。即ち、図6では、放射エネルギー密度の高い光源を用いたほうが短時間での造形が可能であることを示している。また、図9では、同じ出力の光源を用いる場合には光を集光して放射エネルギー密度(W/mm)を高くしたほうが、放射エネルギー(J)が小さくても高い温度に到達するため、エネルギー効率が向上することを示している。
このことから、図10A及び図10Bに示す第2の実施形態の立体造形物の製造装置は、光源しての複数のLED84からの放射エネルギーを集光光学系のシリンドリカルレンズ85で集光する態様としている。これにより、第2の実施形態の立体造形物の製造装置は、放射エネルギーをy方向に集光するため、粉体層31に付与する放射エネルギー密度を高めることができる。
なお、第2の実施形態では集光光学系をシリンドリカルレンズ85としたが、これに限ることなく、例えば、図11A及び図11Bに示したように、リフレクター86などにしてもよい。
また、第2の実施形態では光源を複数のLEDとしたが、これに限ることなく、例えば、レーザー光源、ファイバーに導光されたレーザー光源、ランプなどとしてもよい。
(第3の実施形態)
第3の実施形態における立体造形物の製造装置は、図12に示すように、光源にハロゲンランプを用い、リフレクター86を放射エネルギー源収容部材として兼用する態様としている。これにより、第3の実施形態における立体造形物の製造装置は、図11A及び図11Bに示した態様から放射エネルギー源収容部材が不要になるため、簡易な構成で光源の冷却を行うことができるとともに、小型化及び軽量化することができる。放射エネルギー源を含むモジュールは、粉体層全体に放射エネルギーを付与するために走査されることから、小型・軽量化は、走査の安定性の観点から重要である。
また、図12中の矢印が示す方向に送風を行うとする場合、送風機は、放射エネルギー源のB側よりもA側に設置されているほうが好ましい。送風機が放射エネルギー源のA側に設置されていると、装置が設置されている雰囲気温度の空気を光源に送り込むので、送風機が光源からの熱に晒されることがないことから、送風機に対して耐熱性が要求されない点で有利である。
なお、第2の実施形態ではリフレクター86を放射エネルギー源収容部材として兼用するようにしたが、これに限ることなく、例えば、図13A及び図13Bに示したように、シリンドリカルレンズ85を放射エネルギー透過部材として兼用してもよい。
(第4の実施形態)
第4の実施形態における立体造形物の製造装置は、図14に示すように、放射エネルギー透過部材を2枚設け、その間に断熱層を設ける態様としている。
断熱層としては、例えば、空気を充填した層、アルゴンガスのような熱伝導率の低い気体を充填した層、真空とした層などが挙げられる。具体的には、放射エネルギー透過部材の面積が0.03m、内側を通る内側温度が30℃、外側温度が200℃の場合、放射エネルギー透過部を厚さ1mmの石英ガラス1枚とした場合の外側から内側への流入熱量を計算すると約600Wとなる。これに対し、石英ガラス2枚を1mmの空気層を挟んで密閉して配置した場合には約20Wとなり、石英ガラス1枚の場合と比較して必要な冷却量が約580Wも削減できる。
また、図14に示すように、複数の放射エネルギー透過部材を用いてその間に断熱層を設ける場合、放射エネルギー透過部材一枚あたりに生じる温度差が小さくなる。即ち、放射エネルギー透過部材一枚あたりに生じる温度勾配が小さくなるため、放射エネルギー透過部材にかかる熱応力が小さくなる。このため、放射エネルギー透過部材を一枚だけ設ける場合と比較して、破断応力の小さい部材を放射エネルギー透過部材に用いることができるようになり、材料選択性が増すという点で有利である。さらに、複数の放射エネルギー透過部材に同じ部材を用いたときに許容できる内側と外側の温度差を大きくすることができる。
さらに、ワークディスタンスの小さい集光系を用いて焦点位置でエネルギーを粉面に照射するためには、放射エネルギー透過部材の厚みを小さくする必要があるが、ワークディスタンスが大きく、また上記のように放射エネルギー透過部材に生じる熱応力が破断応力に対して問題にならないほど小さい場合には、単に放射エネルギー透過部材を厚くすることで断熱機能を持たせることももちろん可能である。
放射エネルギー透過部材の材質としては、耐熱性の観点から、石英ガラスが好ましい。
これにより、第4の実施形態における立体造形物の製造装置は、放射エネルギー透過部材と放射エネルギー収容部材に覆われている内側とその外側との間の熱抵抗を大きくすることができ、高い断熱性能を得ることができる。気流が流れる内側は、光源の冷却のために、例えば、50℃以下に保ちたいところ、外側は、例えば、スーパーエンプラを用いる場合には、200℃程度まで予熱されるため、内側よりも温度が高くなる。このように、外側の温度が内側の温度よりも高い場合には、外側から内側に熱流が流れ込んでしまうため内側を低温に保つために所定の冷却量が必要になる。
なお、図15に示したような、1つのリフレクターで複数の放射エネルギー源を覆う放射エネルギー付与手段を有していても、気流により放射エネルギー源を冷却できるため、高い放射エネルギーを粉体層に付与できる。また、このような放射エネルギー付与手段は、複数の放射エネルギー源を1つのリフレクターで覆う態様であるため、小型化が可能となる。
以上説明したように、本発明の立体造形物の製造装置は、粉体層を形成する粉体層形成手段と、粉体層上に放射エネルギー吸収剤を付与する放射エネルギー吸収剤付与手段と、放射エネルギー吸収剤が付与された粉体層に放射エネルギーを付与する放射エネルギー付与手段と、気流を発生させる気流発生装置と、を有する。放射エネルギー付与手段は、放射エネルギーを放射する放射エネルギー源と、放射エネルギー源から放射される放射エネルギーを透過可能な放射エネルギー透過部材と、放射エネルギー透過部材と一体化されて放射エネルギー源を収容する放射エネルギー源収容部材と、を有する。そして、気流発生装置により発生される気流は、エネルギー源収容部材内で放射エネルギー源に向けて流入する。
これにより、本発明の立体造形物の製造装置は、気流により放射エネルギー源を冷却することができるため、放射エネルギーを高めても放射エネルギー源が熱により故障しにくくなることから、高い放射エネルギーで、より短時間で立体造形物を製造できる。また、本発明の立体造形物の製造装置は、エネルギー源収容部材内で放射エネルギー源に対し気流を流入させることで、装置内の粉体を舞い散らすことがなくなり、立体造形物となる粉体が減少しないことから、造形精度を低下させずに立体造形物を製造することができる。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 粉体層を形成する粉体層形成手段と、
前記粉体層上に放射エネルギー吸収剤を付与する放射エネルギー吸収剤付与手段と、
前記放射エネルギー吸収剤が付与された前記粉体層に放射エネルギーを付与する放射エネルギー付与手段と、
気流を発生させる気流発生装置と、
を有し、
前記放射エネルギー付与手段は、放射エネルギーを放射する放射エネルギー源と、前記放射エネルギー源から放射される放射エネルギーを透過可能な放射エネルギー透過部材と、前記放射エネルギー透過部材と一体化されて前記放射エネルギー源を収容する放射エネルギー源収容部材と、を有し、
前記気流発生装置により発生される前記気流は、前記エネルギー源収容部材内で前記放射エネルギー源に向けて流入することを特徴とする立体造形物の製造装置である。
である。
<2> 前記気流発生装置が、前記放射エネルギー源収容部材の内部に気流を導入する気流導入部材と、前記前記放射エネルギー源収容部材の外部に気流を導出する気流導出部材とを有する、前記<1>に記載の立体造形物の製造装置である。
<3> 前記気流発生装置が送風機を有し、
前記気流導入部材及び前記気流導出部材が前記送風機に接続された管である、前記<2>に記載の立体造形物の製造装置である。
<4> 前記気流導入部材から前記気流を前記放射エネルギー源収容部材の内部に導入したとき、前記気流導出部材が、前記放射エネルギー源収容部材の内部における前記気流の下流側に接続された、前記<2>から<3>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<5> 前記放射エネルギー源が棒状であり、棒状の前記放射エネルギー源を収容する前記放射エネルギー源収容部材における前記放射エネルギー源の、一端側に前記気流導入部材が接続され、他端側に前記気流導出部材が接続された、前記<2>から<4>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<6> 前記放射エネルギー透過部材が、前記粉体層形成手段が形成した前記粉体層に対向して配置される、前記<1>から<5>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<7> 前記放射エネルギー源が光源であり、前記放射エネルギーが光であり、前記放射エネルギー付与手段が光照射手段である、前記<1>から<6>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<8> 前記放射エネルギー源収容部材又は前記放射エネルギー透過部材が、前記放射エネルギーを集光する集光機能を有する、前記<1>から<7>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<9> 前記放射エネルギー源収容部材が、前記放射エネルギー源から放射される前記放射エネルギーを前記放射エネルギー透過部材に向けて反射可能なリフレクターである、前記<1>から<8>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<10> 粉体層を形成する粉体層形成工程と、
前記粉体層上に放射エネルギー吸収剤を付与する放射エネルギー吸収剤付与工程と、
前記放射エネルギー吸収剤が付与された前記粉体層に放射エネルギーを付与する放射エネルギー付与工程と、
を含み、
前記放射エネルギー付与工程において、前記粉体層には接触させることなく、前記放射エネルギーを付与する前記放射エネルギー源に対し気流を流入させる、
ことを特徴とする立体造形物の製造方法である。
前記<1>から<9>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置、及び前記<10>に記載の立体造形物の製造方法によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
国際公開第2017/197015号 特開平08−102298号公報
1 造形部
5 造形ユニット
7 ベース部材
10 液滴
11 粉体槽
12 平坦化ローラ
13 粉体除去板
20 粉体
21 供給槽
22 造形槽
23 供給ステージ
24 造形ステージ
25 余剰粉体受け槽
26、28 モータ
30 造形層
31 粉体層
50 液体吐出ユニット(放射エネルギー吸収剤付与手段の一例)
51 キャリッジ
52、52a、52b 液体吐出ヘッド
54、55 ガイド部材
56 タンク装着部
60 タンク
61 メンテナンス機構
62 キャップ
63 ワイパ
71 ガイド部材
72 スライダ部
80 放射エネルギー付与手段
81 放射エネルギー源
82 リフレクター
83 放射エネルギー源収容部材
90 気流発生装置
91 送風機
92 気流導入部材
93 気流導出部材

Claims (10)

  1. 粉体層を形成する粉体層形成手段と、
    前記粉体層上に放射エネルギー吸収剤を付与する放射エネルギー吸収剤付与手段と、
    前記放射エネルギー吸収剤が付与された前記粉体層に放射エネルギーを付与する放射エネルギー付与手段と、
    気流を発生させる気流発生装置と、
    を有し、
    前記放射エネルギー付与手段は、放射エネルギーを放射する放射エネルギー源と、前記放射エネルギー源から放射される放射エネルギーを透過可能な放射エネルギー透過部材と、前記放射エネルギー透過部材と一体化されて前記放射エネルギー源を収容する放射エネルギー源収容部材と、を有し、
    前記気流発生装置により発生される前記気流は、前記エネルギー源収容部材内で前記放射エネルギー源に向けて流入することを特徴とする立体造形物の製造装置。
  2. 前記気流発生装置が、前記放射エネルギー源収容部材の内部に気流を導入する気流導入部材と、前記前記放射エネルギー源収容部材の外部に気流を導出する気流導出部材とを有する、請求項1に記載の立体造形物の製造装置。
  3. 前記気流発生装置が送風機を有し、
    前記気流導入部材及び前記気流導出部材が前記送風機に接続された管である、請求項2に記載の立体造形物の製造装置。
  4. 前記気流導入部材から前記気流を前記放射エネルギー源収容部材の内部に導入したとき、前記気流導出部材が、前記放射エネルギー源収容部材の内部における前記気流の下流側に接続された、請求項2から3のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  5. 前記放射エネルギー源が棒状であり、棒状の前記放射エネルギー源を収容する前記放射エネルギー源収容部材における前記放射エネルギー源の、一端側に前記気流導入部材が接続され、他端側に前記気流導出部材が接続された、請求項2から4のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  6. 前記放射エネルギー透過部材が、前記粉体層形成手段が形成した前記粉体層に対向して配置される、請求項1から5のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  7. 前記放射エネルギー源が光源であり、前記放射エネルギーが光であり、前記放射エネルギー付与手段が光照射手段である、請求項1から6のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  8. 前記放射エネルギー源収容部材又は前記放射エネルギー透過部材が、前記放射エネルギーを集光する集光機能を有する、請求項1から7のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  9. 前記放射エネルギー源収容部材が、前記放射エネルギー源から放射される前記放射エネルギーを前記放射エネルギー透過部材に向けて反射可能なリフレクターである、請求項1から8のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  10. 粉体層を形成する粉体層形成工程と、
    前記粉体層上に放射エネルギー吸収剤を付与する放射エネルギー吸収剤付与工程と、
    前記放射エネルギー吸収剤が付与された前記粉体層に放射エネルギーを付与する放射エネルギー付与工程と、
    を含み、
    前記放射エネルギー付与工程において、前記粉体層には接触させることなく、前記放射エネルギーを付与する前記放射エネルギー源に対し気流を流入させる、
    ことを特徴とする立体造形物の製造方法。
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