JP2020151985A - レーザ記録装置、レーザ記録方法、及びレーザ記録用レーザ照射プログラム - Google Patents

レーザ記録装置、レーザ記録方法、及びレーザ記録用レーザ照射プログラム Download PDF

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友樹 小川
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Kazutaka Yamamoto
和孝 山本
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Yosuke Tanaka
庸介 田中
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Tomohiro Yamashita
知洋 山下
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Abstract

【課題】高速印刷時と低速印刷時の両方で記録対象物の損傷が少なく、高い発色濃度と優れたコントラスト性を有する印刷品質を実現できるレーザ記録装置の提供。【解決手段】レーザ照射手段によりレーザ光を照射して記録対象物に画像を記録するレーザ記録装置であって、前記レーザ照射手段が前記記録対象物に照射する前記レーザ光のスポット径をXとし、レーザピッチ間隔であるPのサイズの単位ドットを所定の濃度となるように記録するために必要なレーザ照射エネルギーをYとしたとき、前記記録対象物に対し、前記記録対象物における第一の位置において前記単位ドットを記録するための第一のレーザ光を照射してから、前記レーザピッチ間隔のPだけ離れた第二の位置に前記記録対象物における前記レーザ光を照射する位置が移動するまでの間に1回以上の第二のレーザ光を照射するように、かつ、前記第一のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーと前記第二のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーとの合計値が前記Yとなるように、前記レーザ照射手段が前記レーザ光を前記記録対象物に照射する制御を行う制御手段とを有するレーザ記録装置である。【選択図】なし

Description

本発明は、レーザ記録装置、レーザ記録方法、及びレーザ記録用レーザ照射プログラムに関する。
近年、複数の独立駆動されるレーザビームが記録対象物の移動方向と直交する方向に配列されたレーザアレイ露光手段を用い、所望の関係を満たすように設定されたレーザビームで記録対象物を露光することで従来と比較して格段に高速で印刷を行うことができる記録装置が提案されている。
例えば、複数の発光点をライン状に配置して成る半導体レーザアレイと、半導体レーザアレイのライン方向に対して平行方向に往復移動可能で、かつ半導体レーザアレイから発光された各レーザビームを結像する結像レンズを具備する非接触光書き込み装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、複数の独立駆動されるレーザビームが記録対象物の移動方向と直交する方向に配列されたレーザアレイ露光手段を用いて、副走査方向における描画単位の最大長さを制御し、副走査方向において隣接する前記描画単位の端部を重ねることで白スジの発生が少ない画像を形成できる非接触光書き込み装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
本発明は、高速印刷時と低速印刷時の両方で記録対象物の損傷が少なく、高い発色濃度と優れたコントラスト性を有する印刷品質を実現できるレーザ記録装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明のレーザ記録装置は、レーザ光を照射して記録対象物に画像を記録するレーザ記録装置であって、前記レーザ照射手段が前記記録対象物に照射する前記レーザ光のスポット径をXとし、レーザピッチ間隔であるPのサイズの単位ドットを所定の濃度となるように記録するために必要なレーザ照射エネルギーをYとしたとき、前記記録対象物に対し、前記記録対象物における第一の位置において前記単位ドットを記録するための第一のレーザ光を照射してから、前記レーザピッチ間隔のPだけ離れた第二の位置に前記記録対象物における前記レーザ光を照射する位置が移動するまでの間に1回以上の第二のレーザ光を照射するように、かつ、前記第一のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーと前記第二のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーとの合計値が前記Yとなるように、前記レーザ照射手段が前記レーザ光を前記記録対象物に照射する制御を行う制御手段と、を有する。
本発明によると、高速印刷時と低速印刷時の両方で記録対象物の損傷が少なく、高い発色濃度と優れたコントラスト性を有する印刷品質を実現できるレーザ記録装置を提供することができる。
図1は、本発明のレーザ記録装置の一例を示す概略図である。 図2は、本発明のレーザ記録装置の他の一例を示す概略図である。 図3は、記録対象物の発色特性について説明する図です。 図4は、レーザアレイの配列状態と印刷ドットの状態について説明する図である。 図5Aは、制御パルスと発光パルスのタイミングチャートである。 図5Bは、レーザのI−L特性を示すグラフである。 図6Aは、従来の手法におけるエネルギーの制御方式について説明する図である。 図6Bは、従来の手法におけるエネルギーの制御方式について説明する図である。 図7は、従来の手法における記録対象物が静止時に印字されるパターンについて説明する図である。 図8は、従来の手法における記録対象物が移動時に印字されるパターンについて説明する図である。 図9は、記録対象物が搬送されている状態でのPWM制御方式のレーザ照射によるエネルギー印加範囲について説明する図です。 図10は、記録対象物が低速で搬送されている状態でのPWM制御方式のレーザ照射によるエネルギー印加範囲について説明する図です。 図11Aは、高速印刷時における、ドット発色形状の違いによるベタ濃度の変化について説明する図である。 図11Bは、低速印刷時における、ドット発色形状の違いによるベタ濃度の変化について説明する図です。 図11Cは、レーザアレイピッチ間隔Pとスポット径Xとの関係を示す模式図である。 図12Aは、従来技術のレーザ出力制御方式における記録対象物の搬送速度に応じた出力制御を説明する図である。 図12Bは、従来技術のPWM制御方式における記録対象物の搬送速度に応じた出力制御を説明する図である。 図12Cは、従来技術を用いて低速印刷及び高速印刷を行った時の記録対象物の印刷品質について説明する図である。 図13Aは、本発明を用いた低速印刷時におけるレーザ照射によるエネルギー印加範囲について説明する図です。 図13Bは、本発明を用いた低速印刷時におけるレーザ照射によるエネルギー印加範囲について説明する図です。 図14Aは、従来方法(レーザ出力制御)の高速印刷と低速印刷における発色濃度差について説明する図である。 図14Bは、従来方法(PWM制御)の高速印刷と低速印刷における発色濃度差について説明する図である。 図14Cは、本発明方法の高速印刷と低速印刷における発色濃度差について説明する図である。 図15は、実施例における記録対象物損傷有り(×)、損傷無し(○)を示す写真である。
(レーザ記録装置、レーザ記録方法、及びレーザ記録用レーザ照射プログラム)
本発明のレーザ記録装置は、レーザ照射手段によりレーザ光を照射して記録対象物に画像を記録するレーザ記録装置であって、前記レーザ照射手段が前記記録対象物に照射する前記レーザ光のスポット径をXとし、レーザピッチ間隔であるPのサイズの単位ドットを所定の濃度となるように記録するために必要なレーザ照射エネルギーをYとしたとき、前記記録対象物に対し、前記記録対象物における第一の位置において前記単位ドットを記録するための第一のレーザ光を照射してから、前記レーザピッチ間隔のPだけ離れた第二の位置に前記記録対象物における前記レーザ光を照射する位置が移動するまでの間に1回以上の第二のレーザ光を照射するように、かつ、前記第一のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーと前記第二のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーとの合計値が前記Yとなるように、前記レーザ照射手段が前記レーザ光を前記記録対象物に照射する制御を行う制御手段と、を有し、搬送手段を有することが好ましく、更に必要に応じてその他の手段を有する。
本発明のレーザ記録方法は、レーザ照射手段によりレーザ光を照射して記録対象物に画像を記録するレーザ記録方法であって、
前記レーザ照射手段が前記記録対象物に照射する前記レーザ光のスポット径をXとし、
レーザピッチ間隔であるPのサイズの単位ドットを所定の濃度となるように記録するために必要なレーザ照射エネルギーをYとしたとき、
前記記録対象物に対し、前記記録対象物における第一の位置において前記単位ドットを記録するための第一のレーザ光を照射してから、前記レーザピッチ間隔のPだけ離れた第二の位置に前記記録対象物における前記レーザ光を照射する位置が移動するまでの間に1回以上の第二のレーザ光を照射するように、かつ、前記第一のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーと前記第二のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーとの合計値が前記Yとなるように、前記レーザ照射手段が前記レーザ光を前記記録対象物に照射する制御を行う制御工程と、を含み、搬送工程を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明のレーザ記録用レーザ照射プログラムは、レーザ照射手段によりレーザ光を照射して記録対象物に画像を記録するレーザ記録に用いられるレーザ照射のためのプログラムであって、前記レーザ照射手段が前記記録対象物に照射する前記レーザ光のスポット径をXとし、レーザピッチ間隔であるPのサイズの単位ドットを所定の濃度となるように記録するために必要なレーザ照射エネルギーをYとしたとき、前記記録対象物に対し、前記記録対象物における第一の位置において前記単位ドットを記録するための第一のレーザ光を照射してから、前記レーザピッチ間隔のPだけ離れた第二の位置に前記記録対象物における前記レーザ光を照射する位置が移動するまでの間に1回以上の第二のレーザ光を照射するように、かつ、前記第一のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーと前記第二のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーとの合計値が前記Yとなるように、前記レーザ照射手段が前記レーザ光を前記記録対象物に照射する制御をコンピュータに行わせる。
なお、本発明の「レーザ記録装置」における制御手段等が行う制御は、本発明の「レーザ記録方法」を実施することと同義であるので、本発明の「レーザ記録装置」の説明を通じて本発明の「レーザ記録方法」の詳細についても明らかにする。また、本発明の「レーザ記録用レーザ照射プログラム」は、ハードウェア資源としてのコンピュータ等を用いることにより、本発明の「レーザ記録装置」として実現させることから、本発明の「レーザ記録装置」の説明を通じて本発明の「レーザ記録用レーザ照射プログラム」の詳細についても明らかにする。
従来技術であるレーザ出力制御方式及びPWM制御方式においては、印刷速度に応じてレーザ出力やパルス幅を制御したとしても、印刷速度が高速である場合と印刷速度が低速である場合とで、画像濃度が異なってしまう。これは、印刷速度が高速である場合は、ドットが楕円状に形成されるのに対して、印刷速度が低速である場合は、ドットが真円状に形成されることに起因する。特に、印刷画像濃度の階調数をnとした時、n/2以下の中間色(グレー)の印刷を行う場合は、上記の問題が顕著に現れる。
また、レーザアレイ露光手段による高速印刷は、特に巻取装置を用いた感熱ロール紙への高速連続印刷の場面でニーズが高まっている。歩留まりの観点から高速印刷だけではなく、起動から停止に至る全ての速度領域での安定した印刷画質が求められている。しかし、今までのレーザアレイ露光手段では、搬送速度に応じたレーザパルス調整でドットの発色濃度を調整しているに過ぎなかった。具体的に説明すると、ドットで構成された印刷画像濃度はドット単体の発色濃度と発色面積から決定される。高速印刷時には記録対象物の移動方向にドットが伸び楕円状に発色するのに対し、低速印刷時は真円状に発色する傾向がある。
従来技術では、レーザパルス調整でドット発色濃度を一定に合わせたとしても、発色面積を一定に合わせることができないため、低速印刷時において発色面積不足による発色濃度低下が発生し、高速印刷時と低速印刷時で印刷品質が変わってしまう問題がある。
また、低速印刷時において発色面積を大きくするために、レーザパワーを大きくした場合、発色面積が広がる前にドット中心部が過加熱となり、記録対象物の損傷や白抜け等が発生してしまう問題がある。
また、低速印刷時において発色面積を大きくするために、レーザパルス幅を大きくする場合、エネルギー量を合わせるためにレーザパワーを小さくする必要があるが、レーザパワーが小さい領域は出力が安定せず、複数のレーザビームが配列されたレーザアレイ露光手段では、出力のばらつきによる濃度ムラが発生し、印刷品質が低下してしまう問題がある。
また、発色面積を大きくするために、レーザスポット径を大きくする場合、解像度が低下し、印刷品質が低下してしまう問題がある。
したがって、本発明においては、レーザ照射手段によりレーザ光を照射して記録対象物に画像を記録するレーザ記録装置であって、前記レーザ照射手段が前記記録対象物に照射する前記レーザ光のスポット径をXとし、レーザピッチ間隔であるPのサイズの単位ドットを所定の濃度となるように記録するために必要なレーザ照射エネルギーをYとしたとき、前記記録対象物に対し、前記記録対象物における第一の位置において前記単位ドットを記録するための第一のレーザ光を照射してから、前記レーザピッチ間隔のPだけ離れた第二の位置に前記記録対象物における前記レーザ光を照射する位置が移動するまでの間に1回以上の第二のレーザ光を照射するように、かつ、前記第一のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーと前記第二のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーとの合計値が前記Yとなるように、前記レーザ照射手段が前記レーザ光を前記記録対象物に照射する制御を行う制御手段と、を有することにより、描画単位(一つのドット)の描画を、複数のレーザパルスに分けて(分割して)行うため、印刷速度が低速であっても、楕円状にドットを形成することができる。このため、印刷速度が低速であっても、過剰な熱を加えることなく発色面積を大きくすることができるので、記録対象物の損傷を抑制しつつ、画像のコントラスト及び濃く印刷したい部分における発色濃度を向上させることができる。
更に、本発明においては、レーザ自体を照射して印刷する方法であるため、記録対象物の損傷が生じやすく、画像の高コントラスト化や高画像濃度化が困難であるという特有の課題がある。
本発明においては、レーザピッチ間隔であるPのサイズの単位ドットを画像濃度(OD値)が0.2以上となるように記録することが好ましい。
「レーザピッチ間隔Pサイズの単位ドット」とは、一のドット印字から次のドット印字までのレーザピッチ間隔のサイズがPである単位ドットを意味する。
本発明においては、レーザ照射エネルギーYが、レーザ照射手段によるレーザ光の出力とレーザ光を前記記録対象物に照射する時間との積で表されることが好ましい。
本発明においては、特に制限はなく、レーザ照射に際して、記録対象物を移動させて行ってもよく、レーザ照射手段を移動させて行ってもよい。
<レーザ照射手段及びレーザ照射工程>
レーザ照射工程は、レーザ照射手段によりレーザ光を照射して記録対象物に画像を記録する工程であり、レーザ照射手段により実施される。
前記レーザ照射手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、各種レーザ記録装置を用いることができるが、複数の独立駆動される光ファイバが記録対象物の移動方向である副走査方向と直交する主走査方向に配列された光ファイバアレイを有するレーザ記録装置が好適に用いられる。
<<光ファイバアレイを有する記録装置>>
光ファイバアレイを有する記録装置は、光ファイバアレイを有し、出射部を有することが好ましく、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
−光ファイバアレイ−
前記光ファイバアレイは、複数の光ファイバが記録対象物の移動方向である副走査方向と直交する主走査方向に配列されている。前記出射部は、出射したレーザ光を、前記光ファイバアレイを介して前記記録対象物に照射し、描画単位からなる画像を記録する。
前記光ファイバの配列としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ライン状、平面状などが挙げられる。これらの中でも、ライン状が好ましい。
前記光ファイバの中心間の最短距離(ピッチ)は、1.0mm以下が好ましく、0.5mm以下がより好ましく、0.03mm以上0.15mm以下が更に好ましい。
前記光ファイバの中心間の最短距離(ピッチ)が1.0mm以下であると、高解像度記録が可能となり、従来に比べて高精細な画像を実現できる。
前記光ファイバアレイにおける前記光ファイバの配列数は、10個以上が好ましく、50個以上がより好ましく、100個以上400個以下が更に好ましい。
前記光ファイバの配列数が、10個以上であると、高速記録が可能となり、従来に比べて高精細な画像を実現できる。
前記光ファイバアレイの後段には、前記レーザ光のスポット径を制御するため、レンズなどによる光学系を有していてもよい。
前記主走査方向における記録対象物の寸法に応じて、光ファイバアレイが主走査方向にライン状に複数配置された構成にしてもよい。
−−光ファイバ−−
前記光ファイバは、前記出射部から出射されたレーザ光の光導波路である。
前記光ファイバとしては、例えば、光ファイバなどが挙げられる。
前記光ファイバの形状、大きさ(直径)、材質、構造などについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記光ファイバの大きさ(直径)としては、15μm以上1,000μm以下が好ましく、20μm以上800μm以下がより好ましい。前記光ファイバの直径が15μm以上1,000μm以下であると、画像精細性の点で有利である。
前記光ファイバの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、石英、ガラス、樹脂などが挙げられる。
前記光ファイバの材質の透過波長範囲としては、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができるが、700nm以上2,000nm以下が好ましく、780nm以上1,600nm以下がより好ましい。
前記光ファイバの構造としては、レーザ光を通過させる中心部のコア部と、前記コア部の外周に設けられたクラッド層とからなる構造が好ましい。
前記コア部の直径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm以上500μm以下が好ましく、15μm以上400μm以下がより好ましい。
前記コア部の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゲルマニウムやリンをドープしたガラスなどが挙げられる。
前記クラッド層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm以上250μm以下が好ましく、15μm以上200μm以下がより好ましい。
前記クラッド層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ホウ素やフッ素をドープしたガラスなどが挙げられる。
−出射部−
前記出射部は、出射したレーザ光を、前記光ファイバアレイを介して記録対象物にレーザ光を照射する部である。
前記出射部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、半導体レーザ、固体光ファイバレーザなどが挙げられる。これらの中でも、波長選択性が広いこと、レーザ記録装置としてはレーザ光源自体が小さく、装置の小型化、及び低価格化が可能である点から、半導体レーザが好ましい。
前記レーザ光の波長としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、700nm以上2,000nm以下が好ましく、780nm以上1,600nm以下がより好ましい。
前記レーザ光の出力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1W以上が好ましく、3W以上がより好ましい。前記レーザ光の出力が1W以上であると、画像の高濃度化の点で有利である。
前記レーザ光のスポット描画単位の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円形、楕円形、三角形、四角形、五角形、六角形等の各種多角形など挙げられる。これらの中でも、円形や楕円形が好ましい。
前記レーザ光のスポット描画単位の大きさ(スポット径)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30μm以上5,000μm以下が好ましい。
前記スポット径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビームプロファイラ等を用いて測定することができる。
前記レーザの制御としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、パルス制御でも、コンティニュアス制御であってもよい。
−その他の部−
前記その他の部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、駆動部、制御部、メイン制御部、冷却部、電力供給部などが挙げられる。
<<画像>>
前記画像とは、視認可能な情報であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、文字、記号、線、図形、ベタ画像、又はこれらの組み合わせ、QRコード(登録商標)、バーコード、二次元コードなどが挙げられる。
<<記録対象物>>
前記記録対象物としては、光を吸収して熱に変換し、画像を形成するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる、感熱記録媒体、感熱記録部を有する構造体、金属等への刻印等のレーザーマーキングなどが挙げられる。これらの中でも、感熱記録媒体、感熱記録部を有する構造体が好ましい。
前記感熱記録部は、例えば、構造体の表面に感熱記録ラベルを貼り付けた部位、構造体の表面に感熱記録材料を塗布した部位などが挙げられる。
前記感熱記録部を有する構造体としては、前記構造体の表面に感熱記録部を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビニール袋、PETボトル、缶詰等の各種商品、段ボール、コンテナ等の搬送容器、仕掛品、工業製品などが挙げられる。
−感熱記録媒体−
前記感熱記録媒体には、1回の画像記録を行う感熱記録媒体が好適に用いられる。なお、画像記録及び画像消去を繰り返して行うことができる熱可逆記録媒体を用いることもできる。
前記感熱記録媒体としては、支持体と、該支持体上に、感熱発色層を有し、更に必要に応じてその他の層を有してなる。これら各層は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、更に前記支持体の他方の面に有していてもよい。
−感熱発色層−
前記感熱発色層は、レーザ光を吸収し熱に変換する材料(光熱変換材料)と熱により色相や反射率等の変化を生じる材料とを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記熱により色相や反射率等の変化を生じる材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、従来の感熱紙に用いられる電子供与性染料前駆体と電子受容性顕色剤との組み合わせ等の公知の物が使用できる。また、熱と光の複合反応、例えば、ジアセチレン系化合物の加熱と紫外光照射による固相重合に伴う変色反応なども含まれる。
前記電子供与性染料前駆体としては、特に制限はなく、通常記録対象物に使用されているものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系等の染料のロイコ化合物などが挙げられる。
前記電子受容性顕色剤としては、前記電子供与性染料前駆体を接触時発色させる電子受容性の種々の化合物、又は酸化剤等が適用できる。
前記光熱変換材料は、無機系材料と有機系材料とに大別できる。
前記無機系材料としては、例えば、カーボンブラックや、金属ホウ化物及びGe、Bi、In、Te、Se、Cr等の金属酸化物の少なくともいずれかの粒子が挙げられる。これらの中でも、近赤外波長領域の光の吸収が大きく、可視域波長領域の光の吸収が少ない材料が好ましく、前記金属ホウ化物及び金属酸化物がより好ましい。前記金属ホウ化物及び金属酸化物としては、例えば、6ホウ化物、酸化タングステン化合物、酸化アンチモンスズ(ATO)、酸化インジウムスズ(ITO)、及びアンチモン酸亜鉛から選択される少なくとも1種が好適である。
前記6ホウ化物としては、例えば、LaB、CeB、PrB、NdB、GdB、TbB、DyB、HoB、YB、SmB、EuB、ErB、TmB、YbB、LuB、SrB、CaB、(La,Ce)Bなどが挙げられる。
前記酸化タングステン化合物としては、例えば、国際公開第2005/037932号パンフレット、特開2005−187323号公報等に記載されているような、一般式:WyOz(ただし、Wはタングステン、Oは酸素、2.2≦z/y≦2.999)で表されるタングステン酸化物の微粒子、又は一般式:MxWyOz(ただし、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、及びIから選択される1種以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.2≦z/y≦3.0である)で表される複合タングステン酸化物の微粒子などが挙げられる。これらの中でも、近赤外領域の吸収が大きく、可視領域の吸収が小さい点から、セシウム含有酸化タングステンが特に好ましい。
また、酸化アンチモンスズ(ATO)、酸化インジウムスズ(ITO)、及びアンチモン酸亜鉛の中でも、近赤外領域の吸収が大きく、可視領域の吸収が小さい点から、ITOが特に好ましい。
これらは、真空蒸着法や粒子状の材料を樹脂等で接着して層状に形成される。
前記有機系材料としては、吸収すべき光波長に応じて各種の染料を適宜用いることができるが、光源として半導体レーザを用いる場合には、600nm〜1,200nm付近に吸収ピークを有する近赤外吸収色素が用いられる。具体的には、シアニン色素、キノン系色素、インドナフトールのキノリン誘導体、フェニレンジアミン系ニッケル錯体、フタロシアニン系色素などが挙げられる。
前記光熱変換材料は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光熱変換材料は、感熱発色層に含有させてもよく、感熱発色層以外の層に含有させてもよい。感熱発色層以外の層に含有させる場合には、前記感熱発色層に隣接して光熱変換層を設けることが好ましい。前記光熱変換層は、前記光熱変換材料とバインダー樹脂を少なくとも含有する。
前記その他の成分としては、例えば、バインダー樹脂、熱可融性物質、酸化防止剤、光安定剤、界面活性剤、滑剤、填料などが挙げられる。
−支持体−
前記支持体としては、その形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、平板状などが挙げられ、前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記記録対象物の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
−その他の層−
前記その他の層としては、例えば、光熱変換層、保護層、アンダー層、紫外線吸収層、酸素遮断層、中間層、バック層、接着剤層、粘着剤層などが挙げられる。
前記記録対象物は、その用途に応じて所望の形状に加工することができ、前記形状としては、例えば、カード状、タグ状、ラベル状、シート状、ロール状などが挙げられる。
前記カード状に加工されたものとしては、例えば、プリペイドカード、ポイントカード、クレジットカードなどが挙げられる。カードサイズよりも小さなタグ状のサイズでは値札等に利用できる。また、カードサイズよりも大きなタグ状のサイズでは工程管理、出荷指示書、チケット等に使用できる。ラベル状のものは貼り付けることができるために、様々な大きさに加工され、繰り返し使用する台車、容器、箱、コンテナ等に貼り付けて工程管理、物品管理等に使用することができる。また、カードサイズよりも大きなシートサイズでは画像記録する範囲が広くなるため一般文書、工程管理用の指示書等に使用することができる。
ここで、図1は、本発明のレーザ記録装置の一例を示す概略図である。この図1のレーザ記録装置10は、記録対象物RLにレーザ光を照射して、画像の記録を行う。
レーザ記録装置10は、記録対象物RLを搬送する搬送手段、レーザ光を照射する光学ヘッド20、光学ヘッド20を制御する本体部30、光学ヘッド20と本体部30とを接続する光ファイバ42、記録対象物RLの搬送速度を取得するエンコーダ部60、システム制御装置などを備えている。
レーザ記録装置10は、記録対象物RLに光学ヘッド20からレーザ光を照射して、記録対象物RLに可視可能な画像を記録するものである。
図1では、記録対象物RLの搬送方向をX軸方向、上下方向をZ軸方向、搬送方向及び上下方向いずれにも直交する方向をY軸方向として説明する。
記録対象物RLは、例えば、紙やフィルムなどを支持体とし、該支持体上に感熱発色する感熱記録層を有する媒体であって、画像の記録は、熱により色調が変化することで行われる。本実施形態では、レーザ光を吸収し熱に変換する材料(光熱変換材料)と熱により色相や反射率等の変化を生じる材料とを含んでなる記録対象物を用いた。また、本実施形態では記録対象物RLとして、1回の画像記録を行う媒体を用いているが、複数回記録ができる熱可逆記録媒体を用いることもできる。
図2は、本発明のレーザ記録装置の他の一例を示す概略図である。この図2のレーザ記録装置10は、複数の光ファイバのレーザ出射部を記録対象物RLの移動方向である副走査方向(X軸方向)と直交する主走査方向(Z軸方向)にアレイ状に配置した光ファイバアレイを用いて、画像記録を行う。
レーザ記録装置10は、レーザ発光素子41からのレーザ光の出射を制御することで、記録対象物RLに照射するレーザ処理により、描画単位からなる可視像を記録する。具体的には、レーザ記録装置10は、レーザアレイ部14a及びファイバアレイ部14bからなるレーザ照射手段14と、光学部43とを備えている。
レーザアレイ部14aは、アレイ状に配置された複数のレーザ発光素子41と、レーザ発光素子41を冷却する冷却ユニット50と、レーザ発光素子41に対応して設けられ、対応するレーザ発光素子41を駆動するための複数の駆動ドライバ45と、複数の駆動ドライバ45を制御するコントローラ46とを備えている。
コントローラ46には、レーザ発光素子41に電力を供給するための電源48及び画像情報を出力するパーソナルコンピュータなどの画像情報出力部47が接続されている。
図3は、本発明に用いる記録対象物としての感熱記録媒体の発色特性について説明する図である。
感熱記録媒体は、レーザ光を吸収し熱に変換する材料(光熱変換材料)と熱により色相や反射率等の変化を生じる材料とを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
感熱記録媒体としては、1回の画像記録を行う感熱記録媒体が好適に用いられる。なお、画像記録及び画像消去を繰り返して行うことができる熱可逆記録媒体を用いることもできる。
感熱記録媒体にレーザ光を照射すると光熱変換材料により、光エネルギーが熱エネルギーに変換される。
変換された熱エネルギーによって感熱記録媒体内の発色材料が発色することで画像形成を実現する。
図3に示すように、発色濃度は照射エネルギーに依存し、照射エネルギーが大きいほど発色濃度が高くなる傾向を持つ。また、一定以上の照射エネルギーになると発色濃度は飽和する。また、階調性の高い印刷画像にするために、発色濃度が線形範囲となるような範囲での照射エネルギーの制御が好適に用いられる。
図4は、レーザアレイの配列状態と印刷ドットの状態について説明する図である。
図2のレーザ記録装置において、光ファイバアレイは光学レンズ等によって集光された焦点位置において、記録対象物RLにレーザを照射して発色して形成されるドット径R1が連なるように配列される(図4参照)。レーザ光の走査方向には、主走査方向と副走査方向の2つがあり、主走査方向と副走査方向とは互いに直交する。
主走査方向とは、複数の光ファイバを配列する方向である。
副走査方向とは、記録対象物が移動する方向である。
記録対象物はレーザにより印加される熱エネルギーによって発色する。
本発明においては、光ファイバアレイと記録対象物とを相対的に移動させて記録対象物に画像を記録するため、光ファイバアレイが記録対象物に対して移動してもよく、記録対象物が前記光ファイバアレイに対して移動してもよい。
図5Aは、制御パルスと発光パルスのタイミングチャートを示す図である。図5Bは、レーザのI−L特性を示すグラフである。
図5Aに示すように、制御パルスが送られるとそれに応じて電流パルスが送られる。その後、電流パルスが送られると実際にレーザを出力する発光パルスが出力される。
ここで、図5Bに示すように、発光パルスの立ち上がりが電流パルスよりも少し遅れているのは、レーザ出力と電流値のI−L特性という相関関係の中である一定の電流値をかけないとレーザが発光しないためである。
<制御手段及び制御工程>
制御工程は、前記レーザ照射手段により前記記録対象物に照射する前記レーザ光のスポット径をX(μm)とし、レーザピッチ間隔であるP(μm)のサイズの単位ドットを画像濃度(OD値)で0.2以上となるように記録するのに必要な、前記レーザ照射手段による前記レーザ光の出力(W)と前記レーザ光を前記記録対象物に照射する時間(μs)との積で表されるレーザ照射エネルギーをYとしたとき、前記記録対象物に対し、前記記録対象物における第一の位置において前記単位ドットを記録するための第一のレーザ光を照射してから、前記レーザピッチ間隔のP(μm)だけ離れた第二の位置に前記記録対象物が移動するまでの間に1回以上の第二のレーザ光を照射するように、かつ、前記第一のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーと前記第二のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーとの合計値が前記Yとなるように、前記レーザ照射手段が前記レーザ光を前記記録対象物に照射する制御を行う工程であり、制御手段により実施される。
前記制御手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などが挙げられる。
本発明においては、一つのドット(描画単位)を、レーザパルスを複数に分けて(分割して)照射することができれば特に制限はなく、レーザパルスを均等分割してもよいし、不均等分割してもよい。レーザパルスを均等分割すると、特に画像のコントラスト性を向上させることができる。一方、レーザパルスを不均等分割すると、濃く印刷したい部分における発色濃度を特に向上させることができるので、印刷する画像の種類(例えば、画像が文字であるのか、写真であるのか)に応じて、適宜選択することができる。
レーザパルスを均等分割する場合には、前記制御手段が、前記第一のレーザ光の照射回数と前記第二のレーザ光の照射回数との合計をN(回)としたとき、前記第一のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーと前記第二のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーとが、照射1回当たりいずれもY/Nとなるように、前記レーザ光を前記記録対象物に照射する制御を行うことが、画像のコントラストを向上させる点から好ましい。
レーザパルスを不均等分割する場合には、前記制御手段が、前記第一のレーザ光の照射回数と前記第二のレーザ光の照射回数との合計をN(回)としたとき、前記第一のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーと前記第二のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーとが、照射1回当たりY/Nとならないように、前記レーザ光を前記記録対象物に照射する制御を行うことが、濃く印刷したい部分における画像濃度を特に向上させることができる点から好ましい。
レーザパルスを不均等分割し、初回エネルギーを大きくする場合には、前記制御手段が、次の不等式、前記第一のレーザ光による前記レーザ照射エネルギー > 前記第二のレーザ光による前記レーザ照射エネルギー、となるように、前記レーザ光を前記記録対象物に照射する制御を行うことが、濃く印刷したい部分における画像濃度を特に向上させることができ、印刷する画像の種類に応じて適宜選択することができる点から好ましい。
本発明においては、印刷画像濃度の階調数をnとした時、n/2以下の中間色であることが好ましい。n/2以下の中間色を印刷する場合においても画像のコントラストを維持することができる。
本発明においては、印刷速度が低速である場合であっても、レーザスポット径を小さくした状態で印刷できるため、画像の解像度を向上させることができる。具体的には、第一の位置において記録された前記単位ドットの形状が略楕円形状であることが好ましい。また、レーザ照射手段が照射する前記レーザ光の前記スポット径X(μm)が、半値幅で90μm以上150μm以下であることが好ましい。
<搬送手段及び搬送工程>
搬送工程は、前記記録対象物を搬送する工程であり、搬送手段により実施される。
前記搬送手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リニアスライダーなどが挙げられる。
本発明においては、印刷速度に応じて、レーザ出力を補正することが好ましく、記録対象物を搬送する搬送手段を有し、前記搬送手段による前記記録対象物の搬送速度は1.0m/s以下において、本発明の効果を発揮することができる。
<その他の手段及びその他の工程>
前記その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、駆動手段、冷却手段、電力供給手段などが挙げられる。
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、駆動工程、冷却工程、電力供給工程などが挙げられる。
ここで、図6Aは、従来の手法(レーザ出力制御方式、PWM制御方式)におけるレーザ印字を行う際のエネルギーの制御方式について説明する図である。
記録対象物のドット発色濃度は印加されるレーザ出力Hとレーザ照射時間tの積によって定まる印加エネルギー積Pによって決定される。印加エネルギー積Pを調整することにより印刷画像の階調表現を実現することができる。
図6Bの左図に示すように、従来のレーザ出力制御方式は1ドットを印字する周期T[s]に対しての実際に印字するパルス幅t[s]のDuty比(t/T)を揃える。ある一定の大きさの1ドットを印字する時、搬送速度v[m/s]とすると、搬送速度vが早くなればTが短くなり、搬送速度vが遅くなればTは長くなる。これにより、搬送速度vが変動すると周期Tも変動するので、パルス幅tも変動する。またレーザ出力も、単位面積あたりのエネルギーP[J]がレーザ出力をL[W]、スポット径をx[m]としたとき、L/(v・x)で与えられるため変動する。レーザ出力は電流値とI−L特性という相関関係をもつため(図5B参照)、レーザ出力を変動させるためには電流値を変動させる。
図6Bの右図に示すように、従来のPWM制御方式は最高搬送速度でのレーザ出力Lとパルス幅tを一定にして単位面積あたりのエネルギーPを揃える。そのため、搬送速度により周期Tが異なるのでDuty比が変動する。
図7は、従来の手法における記録対象物が静止時に印字されるパターンについて説明する図である。
記録対象物が静止時にレーザを照射すると、レーザスポット部にレーザが照射され続ける。レーザから照射された光は記録対象物に熱エネルギーとして伝わる。熱エネルギーは図7に示すように、熱拡散によって中心部が高く、端部が低くなるガウス分布のようになり、発色形状は真円状に近くなる。
記録対象物には発色閾値が存在しており、発色閾値を超えた部分が発色する。発色濃度は熱エネルギーの大きさに比例する。また、発色閾値は記録対象物の材料によって異なる。
図8は、従来の手法における記録対象物が移動時に印字されるパターンについて説明する図である。
記録対象物が移動時にレーザを照射すると、レーザ照射位置も移動することになる。
レーザ出力を一定にして照射スポット径当たりの記録対象物に照射する熱エネルギーを一定にした状態で移動させると図8に示すようになる。
この時、スポット単体では発色閾値を超えずに発色はしないが、スポットが重なり合うと重なった部分の熱エネルギーが足されることにより発色閾値を超えて発色する。発色濃度は熱エネルギーに比例する。
記録対象物の移動速度が遅い場合、レーザ照射時間が短い場合は、スポットが重なり合う部分が大きく、図7に示す静止時印字に近い発色形状となるが、移動速度が速い場合、又はレーザ照射時間が長い場合は、スポットが重なり合う部分が小さく、副走査方向に広がった楕円形状に発色する。
図9は、記録対象物が搬送されている状態でのPWM制御方式のレーザ照射によるエネルギー印加範囲について説明する図である。
光ファイバアレイと記録対象物とを相対的に移動させて記録対象物に画像を記録させる時の、レーザによるエネルギー印加の範囲を図9中に示す。
高速で記録対象物を搬送している場合、T1の値が小さくなるため、T1に対するT2の比率、即ち、Duty比は大きいものとなる。したがって、図8で説明したように、レーザによるエネルギー印加範囲は副走査方向に広がり楕円状になる。Duty比が高い場合、前ドット印刷時のレーザ照射範囲と重なりやすく、熱拡散影響を受けてドットが繋がって発色しやすくなる。
図10は、記録対象物が低速で搬送されている状態でのPWM制御方式のレーザ照射によるエネルギー印加範囲について説明する図である。
光ファイバアレイと記録対象物とを低速で相対的に移動させて記録対象物に画像を記録させる時の、レーザによるエネルギー印加の範囲を図10中に示す。
低速で記録対象物を搬送している場合、T3の値が大きくなるため、T3に対するT4の比率、即ち、Duty比は小さいものとなる。したがって、図7で説明したようにスポットが重なり合う部分が大きく、図7に示すような静止時印字に近い発色形状となる。
レーザ照射範囲が狭いためエネルギー密度が高くなり、高速印刷時より発色濃度飽和領域まで到達しやすくなるが、照射間隔が広がることで熱拡散影響が小さくなり、真円状に近い発色形状となる。発色形状が真円状に近くなるため、ドット間隔が広がりやすくなる。
図11Aは、高速印刷時における、ドット発色形状の違いによるベタ濃度の変化について説明する図である。
図11Bは、低速印刷時における、ドット発色形状の違いによるベタ濃度の変化について説明する図である。
ベタ濃度はドット自体の発色濃度と発色面積により決定される。
図11Aに示すように、高速印刷時はドット発色が副走査方向に広がることで前後のドットがつながりやすく、発色面積が大きくなるため、発色濃度も高くなりやすい。
これに対して、図11Bに示すように、低速印刷時は、照射間隔が広がることで熱拡散影響が小さくなり真円状の発色になるため、ドット間に未発色領域が生じる。パルス幅・高さを補正することでドット単体の発色濃度を上げることはできるが、一定以上の熱エネルギー量になると発色濃度は飽和してしまう。
したがって、低速印刷は高速印刷と比較して最大発色濃度が低くなり、印刷画像のコントラストが小さくなってしまう課題が存在する。
ベタ濃度はドット自体の発色濃度と発色面積により決定される。
階調性の高い印刷画像にするためには、発色面積で濃度を制御する面積階調が既知の技術から有効であることが知られている。
図11Cに示すように、レーザアレイピッチ間隔Pに対して、スポット径Xが大きい場合、ビームが重なって発色が広がってしまい精細な面積階調を実施できないため、ピッチ間隔Pとスポット径Xとの比(X/P)≦1にすることが好ましい。
しかし、低速印刷時は、照射間隔が広がることで熱拡散影響が小さくなり真円状の発色になるため、ドット間に未発色領域が生じる。そのため、ピッチ間隔Pとスポット径Xとの比(X/P)≦1の構成の場合、この未発色領域が顕著に現れる。
パルス幅及び高さを補正することでドット単体の発色濃度を上げることはできるが、一定以上の熱エネルギー量になると発色濃度は飽和してしまう。更に、パルス幅及び高さを補正すると過剰エネルギーとなり、記録対象物が損傷してしまう課題がある。
本発明のレーザ記録方法によると、ピッチ間隔Pとスポット径Xとの比(X/P)の範囲は、0.5≦X/P≦1であることが好ましい。この範囲において、高速印刷時と低速印刷時の両方で記録対象物の損傷が少なく、優れた印刷品質が安定に得られるという本発明の効果が得られる。
図12A〜図12Cは、従来技術を用いて低速印刷及び高速印刷を行った時の記録対象物の印刷品質について説明する図である。図12A〜図12Cに示されているように、従来技術であるレーザ出力制御方式及びPWM方式においては、印刷速度に応じてレーザ出力やパルス幅を制御したとしても、印刷速度が高速である場合と印刷速度が低速である場合とで、画像濃度が異なってしまう。これは、印刷速度が高速である場合は、ドットが楕円状に形成されるのに対して、印刷速度が低速である場合は、ドットが真円状に形成されることに起因する。
記録対象物に印加される単位面積当たりのエネルギーPは、レーザ出力をL[W]、搬送速度をv[m/s]、スポット径をx[m]としたとき、L/(v・x)で与えられる。
図12AのL1のように搬送速度に応じて線形的にレーザ出力を変えたり、図12BのPW1のようにレーザ出力、又はパルス幅を一定にすることで、エネルギーPを揃えることができる。しかし、エネルギーPを揃えるだけでは、熱拡散の影響が搬送速度によって異なるため、発色濃度差が生じてしまう。
低速度域側では先述の通り、高速度域側に対して発色濃度低下が顕著になる。これを解決するために、レーザ出力を上げる、又はパルス幅を増やす等、適切なエネルギー補正係数を掛けてドット発色面積を拡大させる手法が考えられる。しかし、ドット発色面積が広がり切る前にドット中心部が過加熱となり、記録対象物の損傷、白抜け等が発生してしまう課題が存在するため、解決には至らない。
また、PWM制御方式でなくレーザ出力制御方式にすることで、低速印刷時においてパルス幅を広げて発色形状を楕円状に近づけることはできるがエネルギー量を合わせるためにレーザパワーを小さくする必要がある。図5Bで説明したように、一定以下の電流ではレーザが発光しない領域が存在するため、出力が安定せず、配列されたレーザアレイ露光手段では、出力のばらつきによる濃度ムラが発生し、印刷品質が低下してしまう課題が存在し、こちらも解決には至らない。
図12Cは、記録対象物として、後述する製造例1の感熱記録媒体1を用い、レーザ記録装置として図2に示す装置を用い、発色濃度が高くなる順にベタ1画像、ベタ2画像、ベタ3画像、ベタ画像4を、レーザ出力制御方式とPWM制御方式により、図12Cに示す条件で記録し、画像濃度を分光濃度測色計(X−rite939、エックスライト社製)により測定した。
図12Cの表の結果から、従来技術であるレーザ出力制御方式及びPWM方式で印刷を行った場合、特に低速領域において記録対象物の損傷、出力のばらつきによる濃度ムラ発生による印刷品質が低下しており、全ての速度領域での安定した印刷画質を達成できていないことが認められる。
図13A及び図13Bは、低速印刷時におけるレーザ照射によるエネルギー印加範囲について説明する図である。
本発明のレーザ記録方法では、所望のドット濃度を発色させるためのエネルギー積P2を複数(例えば、2つ)に分けたエネルギー積P3を、記録対象物の移動距離がレーザアレイピッチ間隔Pと同じになる時間T3中で照射する。
また、搬送速度や記録対象物の種類で変化する熱拡散影響に応じてパルス幅を変化させてエネルギーを調整する。連続するドット間のレーザ照射間隔が従来の低速印刷と比較して狭くなるため、直前ドット発色時の蓄熱による影響が大きくなる。
従来の低速印刷時には真円状に発色していたが、本発明のレーザ記録方法を用いることにより楕円状に発色するようになる。よって、低速印刷時における発色面積不足による発色濃度低下を解消することができ、高速印刷時及び低速印刷時の両方で安定した印刷品質を提供することができる。
また、エネルギー積の分割は均等分割に限らず、図13BのP31、P32にあるような不均等分割でも構わない。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(製造例1)
以下のようにして、記録対象物としての感熱記録媒体1を作製した。
(1)A液の作製
電子供与性染料前駆体である2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン40質量部を10質量%ポリビニルアルコール水溶液80質量部と共にボールミルで粉砕し、体積平均粒径を0.2μmとし、電子供与性染料前駆体粒子の分散液であるG液120質量部を得た。
(2)B液の調製
下記の組成をボールミルで分散して、体積平均粒子径0.2μmのB液を調製した。
・3,3′−ジアリル−4,4′−ジヒドロキシフェニルスルホン:33質量部
・ポリビニルアルコールの10質量%水溶液:67質量部
(3)C液の調製
下記の組成をボールミルで分散して、体積平均粒子径0.2μmのC液を調製した。
・光熱変換材料(セシウム含有酸化タングステン化合物):20質量部
・ポリビニルアルコール水溶液(固形分:10質量%):20質量部
・水:60質量部
(4)感熱発色層塗布液の調製
下記の組成を混合して、感熱発色層塗布液を調製した。
・上記A液:11.8質量部
・上記B液:35.6質量部
・上記C液:2.9質量部
・ポリビニルアルコール水溶液(固形分:10質量%):9.8質量部
・ジオクチルスルホコハク酸水溶液(固形分:10質量%):0.39質量部
・水:39.5質量部
次に、支持体として厚さ50μmの白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社製、製品名:クリスパー K−1212)を用い、上記白色ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、上記感熱発色層塗布液を、該感熱発色層塗布液に含まれる染料の乾燥付着量が0.5g/mになるように塗布し、乾燥させて、感熱発色層を形成した。
次に、下記の配合割合で配合して保護層塗布液を作製した。
・イタコン酸変性ポリビニルアルコール(重合度:1700)10質量%水溶液:42質量部
・ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂(固形分:25質量%):5質量部
・ジオクチルスルホコハク酸水溶液(固形分:10質量%):0.1質量部
・水:52.9質量部
上記保護層塗布液を、上記感熱記録層上に乾燥付着量が2g/mになるように塗布し、乾燥して保護層を形成し、感熱記録媒体1を作製した。
上記感熱記録媒体1を用い、図2に示す本発明のレーザ記録装置を用いた本発明のレーザ記録方法(本発明方法)と、従来方法(PWM制御、レーザ出力制御)とにより、高速印刷(搬送速度:3.0m/s)と低速印刷(搬送速度:0.5m/s)で、OD値が0.15〜2.2のベタ画像を作成し、得られたベタ画像のベタ濃度(OD値)と印刷画像濃度の階調数との関係を求めた。結果を図14A、図14B(従来方法)及び図14C(発明方法)に示した。
次に、比較例1(レーザ出力制御方式)、比較例2(PWM制御方式)、実施例1(均等分割)、及び実施例2(不均等分割)について、低速印刷(搬送速度:0.5m/s)時における「発色濃度」、「コントラスト」、及び「記録媒体損傷」を評価した。評価は分光濃度測色計(X−rite939、エックスライト社製)で測定したベタ濃度(OD値)差、及び肉眼での目視評価とし、評価基準は表2に示した。結果を表1に示した。
次に、比較例2(PWM制御)と実施例3について、表3に示すようにパルス幅を変化させて、ベタ画像を形成し、以下のようにして、「発色濃度(OD値)」を測定した。また、「記録媒体損傷」を表2に示す評価基準に基づき、評価した。結果を表3に示した。
実施例3は、比較例2とエネルギー積が同じになるように2つのドットを足し合わせたものである。
<発色濃度(OD値)の測定>
図2に示す本発明のレーザ記録装置を用いた本発明のレーザ記録方法(実施例3)と、比較例2(PWM制御)とで、10mm×10mm領域以上のベタ画像を製造例1に示す記録対象物に形成する。白コピー用紙(地肌濃度値:0.05+/−0.03)を張り付けた充分な平面が出ている基準平板に、ベタ画像が形成された記録対象物を浮きが出ないように貼り付けた状態で、分光濃度測色計(X−rite939、エックスライト社製)を用いて形成されたベタ画像部の発色濃度(OD値)を測定した。
図14A、図14B、図14C、表1及び表3の結果から、比較例1(レーザ出力制御)では、図5Bで説明したように、一定以下の電流ではレーザが発光しない領域が存在するため、低速度領域印刷時のレーザ出力制御範囲において出力が安定せず、出力のばらつきによる濃度ムラが発生し、特に安定しにくい中間調印刷部(低Duty部)において発色濃度も低くなってしまっていた。これは比較例1に該当する図14Aと発明手法に該当する図14Cと比較することで確認することができる。
また、比較例2(PWM制御)では、ドット間に未発色領域ができてしまうことで最大濃度が低くなってしまった。また、低速印刷時において低Duty部における濃度が上昇してしまい、コントラストが低下してしまった。これは比較例2に該当する図14Bと発明手法に該当する図14Cと比較することで確認することができる。
これに対して、実施例1及び2では、発色ドットを楕円状にし、発色面積を大きくすることにより、低速印刷時における発色面積不足による濃度低下を解消することができている。また、図14Cに示すように、低Duty部の濃度上昇が抑えられ、コントラスト性も維持できていた。更に、表3に示したように、発色濃度を上げるためにレーザパルス幅を上げた場合でも、実施例3は比較例2に比べて記録対象物の損傷が抑えられている。
以上により、本発明のレーザ記録方法を用いることにより、高速印刷時と低速印刷時の両方で安定した印刷品質が得られることがわかった。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> レーザ照射手段によりレーザ光を照射して記録対象物に画像を記録するレーザ記録装置であって、
前記レーザ照射手段が前記記録対象物に照射する前記レーザ光のスポット径をX(μm)とし、
レーザピッチ間隔であるPのサイズの単位ドットを所定の濃度となるように記録するために必要なレーザ照射エネルギーをYとしたとき、
前記記録対象物に対し、前記記録対象物における第一の位置において前記単位ドットを記録するための第一のレーザ光を照射してから、前記レーザピッチ間隔のPだけ離れた第二の位置に前記記録対象物における前記レーザ光を照射する位置が移動するまでの間に1回以上の第二のレーザ光を照射するように、かつ、前記第一のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーと前記第二のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーとの合計値が前記Yとなるように、前記レーザ照射手段が前記レーザ光を前記記録対象物に照射する制御を行う制御手段と、
を有することを特徴とするレーザ記録装置である。
<2> レーザピッチ間隔であるPのサイズの単位ドットを画像濃度(OD値)が0.2以上となるように記録する前記<1>に記載のレーザ記録装置である。
<3> レーザ照射エネルギーYが、レーザ照射手段によるレーザ光の出力とレーザ光を前記記録対象物に照射する時間との積で表される前記<1>から<2>のいずれかに記載のレーザ記録装置である。
<4> 前記制御手段が、
前記第一のレーザ光の照射回数と前記第二のレーザ光の照射回数との合計をN(回)としたとき、
前記第一のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーと前記第二のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーとが、照射1回当たりいずれもY/Nとなるように、前記レーザ光を前記記録対象物に照射する制御を行う、前記<1>から<3>のいずれかに記載のレーザ記録装置である。
<5> 前記制御手段が、
前記第一のレーザ光の照射回数と前記第二のレーザ光の照射回数との合計をN(回)としたとき、
前記第一のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーと前記第二のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーとが、照射1回当たりY/Nとならないように、前記レーザ光を前記記録対象物に照射する制御を行う、前記<1>から<4>のいずれかに記載のレーザ記録装置である。
<6> 前記制御手段が、
次の不等式、
前記第一のレーザ光による前記レーザ照射エネルギー > 前記第二のレーザ光による前記レーザ照射エネルギー、
となるように、前記レーザ光を前記記録対象物に照射する制御を行う、前記<5>に記載のレーザ記録装置である。
<7> 印刷画像濃度の階調数をnとした時、前記レーザ照射手段で形成した印刷画像濃度階調がn/2以下である、前記<1>から<6>のいずれかに記載のレーザ記録装置である。
<8> 前記記録対象物を搬送する搬送手段を有し、
前記搬送手段による前記記録対象物の搬送速度が1.0m/s以下である、前記<1>から<7>のいずれかに記載のレーザ記録装置である。
<9> 前記第一の位置において記録された前記単位ドットの形状が略楕円形状である、前記<1>から<8>のいずれかに記載のレーザ記録装置である。
<10> 前記レーザ照射手段が照射する前記レーザ光の前記スポット径X(μm)が、半値幅で90μm以上150μm以下である、前記<1>から<9>のいずれかに記載のレーザ記録装置である。
<11> レーザ照射手段によりレーザ光を照射して記録対象物に画像を記録するレーザ記録方法であって、
前記レーザ照射手段が前記記録対象物に照射する前記レーザ光のスポット径をXとし、
レーザピッチ間隔であるPのサイズの単位ドットを所定の濃度となるように記録するために必要なレーザ照射エネルギーをYとしたとき、
前記記録対象物に対し、前記記録対象物における第一の位置において前記単位ドットを記録するための第一のレーザ光を照射してから、前記レーザピッチ間隔のPだけ離れた第二の位置に前記記録対象物における前記レーザ光を照射する位置が移動するまでの間に1回以上の第二のレーザ光を照射するように、かつ、前記第一のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーと前記第二のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーとの合計値が前記Yとなるように、前記レーザ照射手段が前記レーザ光を前記記録対象物に照射する制御を行う制御工程と、
を含むことを特徴とするレーザ記録方法である。
<12> レーザピッチ間隔であるPのサイズの単位ドットを画像濃度(OD値)が0.2以上となるように記録する前記<11>に記載のレーザ記録方法である。
<13> レーザ照射エネルギーYが、レーザ照射手段によるレーザ光の出力とレーザ光を前記記録対象物に照射する時間との積で表される前記<11>から<12>のいずれかに記載のレーザ記録方法である。
<14> レーザ照射手段によりレーザ光を照射して記録対象物に画像を記録するレーザ記録に用いられるレーザ照射のためのプログラムであって、
前記レーザ照射手段が前記記録対象物に照射する前記レーザ光のスポット径をXとし、
レーザピッチ間隔であるPのサイズの単位ドットを所定の濃度となるように記録するために必要なレーザ照射エネルギーをYとしたとき、
前記記録対象物に対し、前記記録対象物における第一の位置において前記単位ドットを記録するための第一のレーザ光を照射してから、前記レーザピッチ間隔のPだけ離れた第二の位置に前記記録対象物における前記レーザ光を照射する位置が移動するまでの間に1回以上の第二のレーザ光を照射するように、かつ、前記第一のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーと前記第二のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーとの合計値が前記Yとなるように、前記レーザ照射手段が前記レーザ光を前記記録対象物に照射する制御をコンピュータに行わせる、
ことを特徴とするレーザ記録用レーザ照射プログラムである。
前記<1>から<10>のいずれかに記載のレーザ記録装置、前記<11>から<13>のいずれかに記載のレーザ記録方法、及び前記<14>に記載のレーザ記録用レーザ照射プログラムによると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
10 レーザ記録装置
14 レーザ照射手段
14a レーザアレイ部
14b ファイバアレイ部
20 光学ヘッド
30 本体部
41 レーザ発光素子
42 光ファイバ
43 光学部
45 駆動ドライバ
46 コントローラ
47 画像情報出力部
48 電源
50 冷却ユニット
60 エンコーダ部
RL 記録対象物
特開2010−005988号公報 特開2017−140834号公報

Claims (12)

  1. レーザ照射手段によりレーザ光を照射して記録対象物に画像を記録するレーザ記録装置であって、
    前記レーザ照射手段が前記記録対象物に照射する前記レーザ光のスポット径をXとし、
    レーザピッチ間隔であるPのサイズの単位ドットを所定の濃度となるように記録するために必要なレーザ照射エネルギーをYとしたとき、
    前記記録対象物に対し、前記記録対象物における第一の位置において前記単位ドットを記録するための第一のレーザ光を照射してから、前記レーザピッチ間隔のPだけ離れた第二の位置に前記記録対象物における前記レーザ光を照射する位置が移動するまでの間に1回以上の第二のレーザ光を照射するように、かつ、前記第一のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーと前記第二のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーとの合計値が前記Yとなるように、前記レーザ照射手段が前記レーザ光を前記記録対象物に照射する制御を行う制御手段と、
    を有することを特徴とするレーザ記録装置。
  2. レーザピッチ間隔であるPのサイズの単位ドットを画像濃度(OD値)が0.2以上となるように記録する請求項1に記載のレーザ記録装置。
  3. レーザ照射エネルギーYが、レーザ照射手段によるレーザ光の出力とレーザ光を前記記録対象物に照射する時間との積で表される請求項1から2のいずれかに記載のレーザ記録装置。
  4. 前記制御手段が、
    前記第一のレーザ光の照射回数と前記第二のレーザ光の照射回数との合計をN(回)としたとき、
    前記第一のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーと前記第二のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーとが、照射1回当たりいずれもY/Nとなるように、前記レーザ光を前記記録対象物に照射する制御を行う、請求項1から3のいずれかに記載のレーザ記録装置。
  5. 前記制御手段が、
    前記第一のレーザ光の照射回数と前記第二のレーザ光の照射回数との合計をN(回)としたとき、
    前記第一のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーと前記第二のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーとが、照射1回当たりY/Nとならないように、前記レーザ光を前記記録対象物に照射する制御を行う、請求項1から4のいずれかに記載のレーザ記録装置。
  6. 前記制御手段が、
    次の不等式、
    前記第一のレーザ光による前記レーザ照射エネルギー > 前記第二のレーザ光による前記レーザ照射エネルギー、
    となるように、前記レーザ光を前記記録対象物に照射する制御を行う、請求項5に記載のレーザ記録装置。
  7. 印刷画像濃度の階調数をnとした時、前記レーザ照射手段で形成した印刷画像濃度階調がn/2以下である、請求項1から6のいずれかに記載のレーザ記録装置。
  8. 前記記録対象物を搬送する搬送手段を有し、
    前記搬送手段による前記記録対象物の搬送速度が1.0m/s以下である、請求項1から7のいずれかに記載のレーザ記録装置。
  9. 前記第一の位置において記録された前記単位ドットの形状が略楕円形状である、請求項1から8のいずれかに記載のレーザ記録装置。
  10. 前記レーザ照射手段が照射する前記レーザ光の前記スポット径Xが、半値幅で90μm以上150μm以下である、請求項1から9のいずれかに記載のレーザ記録装置。
  11. レーザ照射手段によりレーザ光を照射して記録対象物に画像を記録するレーザ記録方法であって、
    前記レーザ照射手段が前記記録対象物に照射する前記レーザ光のスポット径をXとし、
    レーザピッチ間隔であるPのサイズの単位ドットを所定の濃度となるように記録するために必要なレーザ照射エネルギーをYとしたとき、
    前記記録対象物に対し、前記記録対象物における第一の位置において前記単位ドットを記録するための第一のレーザ光を照射してから、前記レーザピッチ間隔のPだけ離れた第二の位置に前記記録対象物における前記レーザ光を照射する位置が移動するまでの間に1回以上の第二のレーザ光を照射するように、かつ、前記第一のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーと前記第二のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーとの合計値が前記Yとなるように、前記レーザ照射手段が前記レーザ光を前記記録対象物に照射する制御を行う制御工程と、
    を含むことを特徴とするレーザ記録方法。
  12. レーザ照射手段によりレーザ光を照射して記録対象物に画像を記録するレーザ記録に用いられるレーザ照射のためのプログラムであって、
    前記レーザ照射手段が前記記録対象物に照射する前記レーザ光のスポット径をXとし、
    レーザピッチ間隔であるPのサイズの単位ドットを所定の濃度となるように記録するために必要なレーザ照射エネルギーをYとしたとき、
    前記記録対象物に対し、前記記録対象物における第一の位置において前記単位ドットを記録するための第一のレーザ光を照射してから、前記レーザピッチ間隔のPだけ離れた第二の位置に前記記録対象物における前記レーザ光を照射する位置が移動するまでの間に1回以上の第二のレーザ光を照射するように、かつ、前記第一のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーと前記第二のレーザ光による前記レーザ照射エネルギーとの合計値が前記Yとなるように、前記レーザ照射手段が前記レーザ光を前記記録対象物に照射する制御をコンピュータに行わせる、
    ことを特徴とするレーザ記録用レーザ照射プログラム。

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