JP2017140829A - 画像記録装置および画像記録方法 - Google Patents

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一郎 澤村
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和幸 植竹
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隆弘 古川
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Abstract

【課題】記録対象物が曲面であっても、歪が抑制された画像を記録することができる画像記録装置および画像記録方法を提供する。
【解決手段】記録装置に搬送される記録対象物の記録面の形状を取得する(S1)。次に、記録面の副走査方向最初に画像が記録される記録位置のレーザー入射角度を取得した記録面の形状に基づいて特定する(S2)。レーザー入射角度が0°のとき(S3のYes)は、通常のレーザー照射周期PC,レーザー照射時間PWに設定する(S7)。一方、レーザー入射角が0°でない場合(S3のNo)は、レーザー入射角度に基づいて、レーザー照射周期PC,レーザー照射時間PWを算出(S4,S5)し、算出したレーザー照射周期PC,レーザー照射時間PWに設定する。そして、このような、レーザー照射周期PC,レーザー照射時間PWの設定を、記録面の副走査方向各記録位置について行う。
【選択図】図8

Description

本発明は、画像記録装置および画像記録方法に関する。
従来から記録対象物にレーザーを照射して記録対象物を加熱することで、記録対象物に可視像を記録する画像記録装置が知られている。
上記画像記録装置として、例えば、特許文献1には、複数のレーザー発光素子たる半導体レーザーをアレイ状に配置し、各半導体レーザーから出射されたレーザー光を、所定の方向において互いに異なる位置に照射するレーザーアレイなどのレーザー照射装置を備えた画像記録装置が記載されている。そして、特許文献1に記載の画像記録装置は、上記所定の方向とは異なる方向にレーザー照射装置に対して相対的に移動する記録対象物にレーザーを照射し、記録対象物に可視像を記録する。
曲面への画像記録を行う方式として、例えば、特許文献2には、1つのレーザー発光素子によりガルバノミラーでレーザー光を偏向させZ軸スキャナで焦点位置を調整して、予め、設定した形状に対して画像・光学補正を行い記録する方式を提示している。特許文献3には、距離検出した結果に基づき形状に対して画像・光学補正を行い記録する方式を提示している。
1つのレーザー発光素子での画像形成方式では、曲面に対してガルバノミラーによる画角補正、Z軸スキャナによる光学補正により曲面に対しても画像記録を正確に行うことが可能であるが、複数のレーザー光学素子でレーザー光偏向走査がない場合には、本補正が活用出来ない。
記録対象物が円筒形状で、その円筒形状の側面に画像を記録するときなど、記録面が曲面の場合、記録面に記録した画像が歪むという課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、記録対象物が曲面であっても、歪が抑制された画像を記録することができる画像記録装置および画像記録方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数のレーザー出射部を、所定の方向に並べて配置し、各レーザー出射部から出射されたレーザー光を、前記所定の方向において互いに異なる位置に照射するレーザー照射装置を備え、前記所定の方向と異なる方向に前記レーザー照射装置に対して相対的に移動する記録対象物にレーザー光を照射することで前記記録対象物を加熱して可視像を記録する画像記録装置において、前記記録対象物の記録面の形状に基づいて前記各レーザー出射部から出射されるレーザー光の照射条件を調整し、前記記録面に記録する画像の歪みを補正する画像補正手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、記録対象物が曲面であっても、歪が抑制された画像を記録することができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態に係る画像記録システムの概略斜視図である。 図2は、記録装置の構成を示す概略斜視図である。 図3−1は、光ファイバーの拡大概略図である。 図3−2は、アレイヘッド付近の拡大図である。 図4−1は、アレイヘッドの配設の一例を示す図である。 図4−2は、アレイヘッドの配設の一例を示す図である。 図4−3は、アレイヘッドの配設の一例を示す図である。 図4−4は、アレイヘッドの配設の一例を示す図である。 図5は、画像記録システムにおける電気回路の一部を示すブロック図である。 図6−1は、コンテナなどの構造物が円筒形状の場合における画像記録について説明する図である。 図6−2は、図6−1のJ1付近に画像を記録する様子を説明する図である。 図6−3は、図6−1のJ2付近に画像を記録する様子を説明する図である。 図6−4は、図6−1に示す記録対象物に形成したX軸方向に延びる線画について説明する図である。 図7−1は、従来のレーザー照射周期と、レーザー照射時間とを示すタイミングチャートである。 図7−2は、本実施形態のレーザー照射周期と、レーザー照射時間とを示すタイミングチャートである。 図7−3は、図7−2のタイミングチャートに加えて、両サイドのレーザー照射レベルを上げることを示すタイミングチャートである。 図8は、副走査方向の画像歪み補正の制御フロー図である。 図9−1は、記録面がレーザー照射方向に対して直交する場合であって、通常のレーザー照射周期PC、レーザー照射時間PWで形成した規定画像ドットG、規定の画像ドットピッチP1について説明する図である。 図9−2は、記録面がレーザー照射方向に対して直交する場合と、傾斜する場合の画像ドットの副走査方向長さについて説明する図である。 図10は、画像ドットGの円形状部分の半径Rの求め方について、説明する図である。 図11は、実施例1について示す図である。 図12は、実施例2について示す図である。 図13−1は、変形例1の画像記録システムの一例を示す図である。 図13−2は、変形例1の画像記録システムの一例を示す図である。
以下、本発明を適用した画像記録装置の実施形態について説明する。画像記録装置は、記録対象物にレーザー光を照射して、画像の記録を行うものである。
前記画像とは、視認可能な情報であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記画像としては、例えば、文字、記号、線、図形、ベタ画像、又はこれらの組み合わせ、バーコード、QRコード(登録商標)などの二次元コードなどが挙げられる。
また、前記記録対象物としては、レーザー光で記録することができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記記録対象物としては、光を吸収して熱に変換し、画像を形成することができるものであれば何でも良く、例えば金属への刻印なども含まれる。また、前記記録対象物としては、感熱記録媒体、感熱記録部を有する構造体などが挙げられる。
前記感熱記録媒体としては、支持体と、該支持体上に、画像記録層を有し、更に必要に応じてその他の層を有してなる。これら各層は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、更に前記支持体の他方の面に有していてもよい。
−画像記録層−
前記画像記録層は、ロイコ染料、及び顕色剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記ロイコ染料としては、特に制限はなく、通常感熱記録材料に使用されているものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系等の染料のロイコ化合物が好ましく用いられる。
前記顕色剤としては、前記ロイコ染料を接触時発色させる電子受容性の種々の化合物、又は酸化剤等が適用できる。
前記その他の成分としては、バインダー樹脂、光熱変換材料、熱可融性物質、酸化防止剤、光安定剤、界面活性剤、滑剤、填料などが挙げられる。
−支持体−
前記支持体としては、その形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、平板状などが挙げられ、前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記感熱記録媒体の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
−その他の層−
前記その他の層としては、光熱変換層、保護層、アンダー層、紫外線吸収層、酸素遮断層、中間層、バック層、接着剤層、粘着剤層などが挙げられる。
前記感熱記録媒体は、その用途に応じて所望の形状に加工することができる。前記形状としては、例えば、カード状、タグ状、ラベル状、シート状、ロール状などが挙げられる。
前記カード状に加工されたものとしては、例えば、プリペイドカード、ポイントカード、クレジットカードなどが挙げられる。カードサイズよりも小さなタグ状のサイズに加工されたものは、値札等に利用できる。また、カードサイズよりも大きなタグ状のサイズに加工されたものは、工程管理、出荷指示書、チケット等に使用できる。ラベル状に加工されたものは貼り付けることができるために、様々な大きさに加工され、繰り返し使用する台車、容器、箱、コンテナ等に貼り付けて工程管理、物品管理等に使用することができる。また、カードサイズよりも大きなシートサイズに加工されたものは、画像を記録する範囲が広くなるため一般文書、工程管理用の指示書等に使用することができる。
前記構造体が有する前記感熱記録部は、例えば、構造体の表面にラベル状の前記感熱記録媒体を貼り付けた部位、構造体の表面に感熱記録材料を塗布した部位などが挙げられる。また、前記感熱記録部を有する構造体としては、前記構造体の表面に感熱記録部を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記感熱記録部を有する構造体としては、例えば、ビニール袋、PETボトル、缶詰等の各種商品、段ボール、コンテナ等の搬送容器、仕掛品、工業製品などが挙げられる。
以下、一例として、記録対象物として感熱記録部を有する構造体、具体的には、記録対象物として、感熱記録ラベルを貼り付けた輸送用のコンテナCに画像を記録する画像記録装置について説明する。
図1は、実施形態に係る画像記録装置たる画像記録システム100の概略斜視図である。以下の説明では、輸送用のコンテナCの搬送方向をX軸方向、上下方向をZ軸方向、搬送方向および上下方向いずれにも直交する方向をY軸方向として説明する。
画像記録システム100は、以下に詳述するように、記録対象物たる輸送用のコンテナCに貼り付けた感熱記録ラベルRLにレーザー光を照射して、画像の記録を行う。
画像記録システム100は、図1に示されるように、記録対象物搬送手段たるコンベア装置10、記録装置14、システム制御装置18、読取装置15、遮蔽カバー11などを備えている。
記録装置14は、感熱記録ラベルRLにレーザー光を照射して記録対象物に可視像たる画像を記録するものである。記録装置14は、コンベア装置10の−Y側、すなわち搬送路の−Y側に配置されている。
遮蔽カバー11は、記録装置14から照射されたレーザー光を遮蔽して、レーザー光の拡散を低減するものであり、表面に黒アルマイト塗装が施されている。遮蔽カバー11の記録装置14と対向する部分には、レーザー光を通過させるための開口部11aが設けられている。また、本実施形態においては、コンベア装置10は、ローラコンベアであるが、ベルトコンベアであってもよい。
システム制御装置18は、コンベア装置10、記録装置14および読取装置15などが接続されており、画像記録システム100全体を制御するものである。また、読取装置15は、後述するように、記録対象物に記録されたバーコードやQRコードなどの二次元コードなどのコード画像を読み取るものである。システム制御装置18は、読取装置15により読み取った情報に基づいて、正しく画像が記録されているか否かの照合を行う。
ここで、コンテナCに貼付される感熱記録ラベルRLについて説明する。
感熱記録ラベルRLは、感熱記録媒体であり、画像の記録は、熱により色調が変化することで行われる。本実施形態では、感熱記録ラベルRLとして、1回の画像記録を行う感熱記録媒体を用いているが、感熱記録ラベルRLとして、複数回記録ができる熱可逆記録媒体を用いることも出来る。
本実施形態に用いる感熱記録ラベルRLとして用いる感熱記録媒体は、レーザー光を吸収し熱に変換する材料(光熱変換材料)と熱により色相や反射率等の変化を生じる材料とを含んでなる感熱記録媒体を用いた。
光熱変換材料は、無機系材料と有機系材料とに大別できる。前記無機系材料としては、例えば、カーボンブラックや、金属ホウ化物及びGe、Bi、In、Te、Se、Cr等の金属酸化物の少なくともいずれかの粒子が挙げられる。前記無機系材料としては、好ましくは、近赤外波長領域の光の吸収が大きく、可視域波長領域の光の吸収が少ない材料が好ましく、前記金属ホウ化物及び金属酸化物が好ましい。前記無機系材料としては、例えば6ホウ化物、酸化タングステン化合物、酸化アンチモンスズ(ATO)、酸化インジウムスズ(ITO)、及びアンチモン酸亜鉛から選択される少なくとも1種が好適である。
前記6ホウ化物としては、例えばLaB、CeB、PrB、NdB、GdB、TbB、DyB、HoB、YB、SmB、EuB、ErB、TmB、YbB、LuB、SrB、CaB、(La,Ce)B、などが挙げられる。
前記酸化タングステン化合物としては、例えば、国際公開第2005/037932号パンフレット、特開2005−187323号公報等に記載されているような、一般式:WyOz(ただし、Wはタングステン、Oは酸素、2.2≦z/y≦2.999)で表されるタングステン酸化物の微粒子、又は一般式:MxWyOz(ただし、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、及びIから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.2≦z/y≦3.0である)で表される複合タングステン酸化物の微粒子、などが挙げられる。
これらの中でも、前記酸化タングステン化合物としては、近赤外領域の吸収が大きく、可視領域の吸収が小さい点から、セシウム含有酸化タングステンが特に好ましい。
また、前記酸化タングステン化合物としては、前記酸化アンチモンスズ(ATO)、前記酸化インジウムスズ(ITO)、及び前記アンチモン酸亜鉛の中でも、近赤外領域の吸収が大きく、可視領域の吸収が小さい点から、ITOが特に好ましい。これらは、真空蒸着法や粒子状の材料を樹脂等で接着して層状に形成される。
前記有機系材料としては、吸収すべき光波長に応じて各種の染料を適宜用いることができるが、光源として半導体レーザーを用いる場合には、600nm〜1,200nm付近に吸収ピークを有する近赤外吸収色素が用いられる。具体的には、前記有機系材料としては、シアニン色素、キノン系色素、インドナフトールのキノリン誘導体、フェニレンジアミン系ニッケル錯体、フタロシアニン系色素などが挙げられる。
前記光熱変換材料は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、光熱変換材料は、画像記録層に設けても良く、画像記録層以外に設けても良い。光熱変換材料は、画像記録層以外に用いる場合は、熱可逆記録層に隣接して光熱変換層を設けることが好ましい。
前記光熱変換層は、少なくとも前記光熱変換材料とバインダー樹脂を含有してなる。
熱により色相や反射率等の変化を生じる材料としては、例えば従来の感熱紙に用いられる電子供与性染料前駆体と電子受容性顕色剤との組み合わせ等公知の物が使用できる。また、熱により色相や反射率等の変化を生じる材料としては、熱と光の複合反応、例えばジアセチレン系化合物の加熱と紫外光照射による固相重合に伴う変色反応などの変化を生じる材料も含まれる。
図2は、記録装置14の構成を示す概略斜視図である。
本実施形態においては、記録装置14として、複数の光ファイバーのレーザー出射部を記録対象物たるコンテナCの移動方向である副走査方向(X軸方向)と直交する主走査方向(Z軸方向)にアレイ状に配置したファイバーアレイを用いて、画像の記録を行うファイバーアレイ記録装置を用いている。ファイバーアレイ記録装置は、レーザー発光素子から出射したレーザー光を、前記ファイバーアレイを介して記録対象物に照射し、描画単位からなる画像を記録する。具体的には、記録装置14は、レーザーアレイ部14aと、ファイバーアレイ部14bと光学部43とを備えている。レーザーアレイ部14aは、アレイ状に配置された複数のレーザー発光素子41と、レーザー発光素子41を冷却する冷却ユニット50と、レーザー発光素子41に対応して設けられ、対応するレーザー発光素子41を駆動するための複数の駆動ドライバ45と、複数の駆動ドライバ45を制御するコントローラ46とを備えている。コントローラ46には、レーザー発光素子41に電力を供給するための電源48および画像情報を出力するパーソナルコンピュータなどの画像情報出力部47が接続されている。
レーザー発光素子41は、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、半導体レーザー、固体レーザー、色素レーザーなどを用いることができる。レーザー発光素子41は、これらの中でも、波長選択性が広い点、小さいことから装置の小型化が可能な点、及び低価格化が可能な点から、半導体レーザーが好ましい。
また、レーザー発光素子41が出射する前記レーザー光の波長としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、好ましくは700nm〜2000nmが好ましく、780nm〜1600nmがより好ましい。
冷却ユニット50は、冷却液を循環させてレーザー発光素子41を冷却する液冷方式であり、冷却液が各レーザー発光素子41から熱を受ける受熱部51と、冷却液の熱を放熱する放熱部52とを備えている。受熱部51と放熱部52とは、冷却パイプ53a,53bにより接続されている。受熱部51は、良熱伝導性部材で形成されたケース内部に良熱伝導性部材で形成された冷却液が流れるための冷却管が設けられている。複数のレーザー発光素子41は、受熱部51にアレイ状に配置されている。
通常、冷却ユニットはチラー方式を用いることが多く、本方式では加熱を行わず冷却のみを行う。そのため、光源の温度はチラーの設定温度より高くなることはないが、環境温度より冷却ユニット50及び接触させているレーザー光源であるレーザー発光素子41の温度は変動することになる。一方、レーザー発光素子41として半導体レーザーを用いた場合、レーザー発光素子41の温度に応じてレーザー出力が変化する現象が発生するので(レーザー発光素子41の温度が低温になるとレーザー出力が高くなる)、レーザー出力を制御するためには、レーザー発光素子41の温度又は冷却ユニット50の温度を計測して、その結果に応じてレーザー出力が一定になるようにレーザー出力を制御する駆動ドライバ45への入力信号を制御することが正常な画像形成を行う上で必要となる。
放熱部52は、ラジエータと、冷却液を循環させるためのポンプとを備えている。放熱部52のポンプにより送り出された冷却液は、冷却パイプ53aを通って、受熱部51へ流入する。そして、受熱部51内の冷却管を移動しながら受熱部51に配列されたレーザー発光素子41の熱を奪ってレーザー発光素子41を冷やす。受熱部51から流出したレーザー発光素子41の熱を奪って温度上昇した冷却液は、冷却パイプ53b内を移動して放熱部52のラジエータへ流れ込み、ラジエータにより冷却される。ラジエータにより冷却された冷却液は、再びポンプにより受熱部51へ送り出される。
ファイバーアレイ部14bは、レーザー発光素子41に対応して設けられた複数の光ファイバー42と、これら光ファイバー42のレーザー出射部42a(図3−2参照)付近を、上下方向(Z軸方向)にアレイ状に保持するアレイヘッド44とを備えている。各光ファイバー42のレーザー入射部は、対応するレーザー発光素子41のレーザー出射面に取り付けられている。
図3−1は、光ファイバー42の拡大概略図であり、図3−2は、アレイヘッド44付近の拡大図である。
光ファイバー42は、レーザー発光素子41から出射されたレーザー光の光導波路である。光ファイバー42の形状、大きさ(直径)、材質、構造などについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
光ファイバー42の大きさ(直径d1)としては、15μm以上1000μm以下が好ましい。光ファイバー42の直径d1が15μm以上1000μm以下であると、画像の精細性の点で有利である。本実施形態では、光ファイバー42は、直径125μmの光ファイバーを用いた。
また、光ファイバー42の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス、樹脂、石英などが挙げられる。
光ファイバー42の構造としては、レーザー光を通過させる中心部のコア部と、コア部の外周に設けられたクラッド層とからなる構造が好ましい。
コア部の直径d2としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm以上500μm以下が好ましい。本実施形態では、コア部の直径d2が105μmの光ファイバーを用いた。また、コア部の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゲルマニウムやリンをドープしたガラスなどが挙げられる。
前記クラッド層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm以上250μm以下が好ましい。クラッド層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。クラッド層の材質としては、例えば、ホウ素やフッ素をドープしたガラスなどが挙げられる。
図3−2に示すように、各光ファイバー42のレーザー出射部42aのピッチが127μmとなるように、複数の光ファイバー42のレーザー出射部42a付近がアレイヘッド44によりアレイ状に保持されている。記録装置14は、解像度200dpiの画像が記録可能なように、レーザー出射部42aのピッチを127μmとしている。
ひとつのアレイヘッド44ですべての光ファイバー42を保持しようとした場合、アレイヘッド44が長尺となり、変形しやすくなる。その結果、ひとつのアレイヘッド44では、ビーム配列の直線性やビームピッチの均一性を保つのが難しい。このため、アレイヘッド44は、光ファイバー42を100個〜200個保持するものとする。そのうえで、記録装置14は、100個〜200個の光ファイバー42を保持した複数のアレイヘッド44を、コンテナCの搬送方向に対して直交する方向であるZ軸方向に並べて配設するのが好ましい。本実施形態においては、100個のアレイヘッド44をZ軸方向に並べて配設した。
図4−1〜図4−4は、アレイヘッド44の配設の一例を示す図である。
図4−1は、複数のアレイヘッド44をZ軸方向にアレイ状に配置した例である。図4−2は、複数のアレイヘッド44を千鳥状に配置した例である。複数のアレイヘッド44の配置は、図4−1に示すようにZ軸方向に直線状に配置するよりも、図4−2に示すように千鳥状に配置する方が、組み付け性の観点から好ましい。
また、図4−3は、複数のアレイヘッド44をX軸方向に傾斜させて配置した例である。複数のアレイヘッド44は、図4−3に示すように配置することで、光ファイバー42のZ軸方向のピッチPを、図4−1や図4−2に示す配置よりも狭めることができ、高解像度化を図ることができる。
また、図4−4は、複数のアレイヘッド44を千鳥状に配置した2個のアレイヘッド群を、副走査方向(X軸方向)に配置し、一方のアレイヘッド群を、他方のアレイヘッド群に対して、主走査方向(Z軸方向)にアレイヘッド44の光ファイバー42の配列ピッチの半分ずらして配置した例である。複数のアレイヘッド44は、図4−4に示すように配置することでも、光ファイバー42のZ軸方向のピッチPを、図4−1や図4−2に示す配置よりも狭めることができ、高解像度化を図ることができる。
また、先の図2に示すように、光学部43は、各光ファイバー42から出射した発散光束のレーザー光を平行光束に変換するコリメートレンズ43aと、レーザー照射面である感熱記録ラベルRLの表面にレーザー光を集光する集光レンズ43bとを有している。また、上記光学部43を設けるか否かは、目的に応じて適宜選択すればよい。
パーソナルコンピュータなどの画像情報出力部47は、画像データをコントローラ46に入力する。コントローラ46は、入力された画像データに基づいて各駆動ドライバ45を駆動するための駆動信号を生成する。コントローラ46は、生成された駆動信号を各駆動ドライバ45へ送信する。具体的には、コントローラ46は、クロックジェネレータを備えている。コントローラ46は、クロックジェネレータが発振するクロック数が、規定のクロック数となったら、各駆動ドライバ45を駆動するための駆動信号を各駆動ドライバ45へ送信する。
各駆動ドライバ45は、駆動信号を受信すると、対応するレーザー発光素子41を駆動する。レーザー発光素子41は、駆動ドライバ45の駆動に従い、レーザー光を照射する。レーザー発光素子41から照射されたレーザー光は、対応する光ファイバー42に入射し、光ファイバー42のレーザー出射部42aから出射される。光ファイバー42のレーザー出射部42aから出射されたレーザー光は、光学部43のコリメートレンズ43a、集光レンズ43bを透過した後、記録対象物であるコンテナCの感熱記録ラベルRLの表面に照射される。感熱記録ラベルRLの表面に照射されたレーザー光により、感熱記録ラベルRLが加熱されることにより、感熱記録ラベルRLの表面に画像が記録される。
記録装置として、ガルバノミラーを用いてレーザーを偏向して記録対象物に画像を記録するものを用いた場合、文字等の画像は、ガルバノミラーの回転で一筆書きするように、レーザー光を照射して記録する。そのため、ある一定の情報量を記録対象物に記録する場合、記録対象物の搬送を停止させないと、記録が間に合わないという不具合がある。一方、本実施形態の記録装置14のように複数のレーザー発光素子41をアレイ状に配置したレーザーアレイを用いることで、各画素に対応するレーザー発光素子41のON/OFF制御で、記録対象物に画像を記録することができる。これにより、情報量が多くても、コンテナCの搬送を停止させずに、記録対象物に画像を記録することができる。よって、本実施形態の記録装置14によれば、多くの情報を記録対象物に記録する場合でも、生産性を落とさずに、画像を記録することができる。
後述するように、本実施形態の記録装置14は、レーザー光を照射して記録対象物を加熱することで、記録対象物に画像を記録するため、ある程度の高出力のレーザー発光素子41を用いる必要がある。そのため、レーザー発光素子41の発熱量が多い。ファイバーアレイ部14bを有さない従来のレーザーアレイ記録装置においては、解像度に応じた間隔でレーザー発光素子41をアレイ状に配置する必要がある。従って、従来のレーザーアレイ記録装置においては、200dpiの解像度にするためには、レーザー発光素子41を非常に狭いピッチで配置することになる。その結果、従来のレーザーアレイ記録装置においては、レーザー発光素子41の熱が逃げ難く、レーザー発光素子41が高温となる。従来のレーザーアレイ記録装置においては、レーザー発光素子41が高温となると、レーザー発光素子41の波長や光出力が変動してしまい、記録対象物を規定の温度にまで加熱することができず、良好な画像を得ることができなくなる。また、従来のレーザーアレイ記録装置においては、このようなレーザー発光素子41の温度上昇を抑えるために、記録対象物の搬送スピードを落としてレーザー発光素子41の発光間隔を空ける必要があり、生産性を十分高めることができない。
これに対し、本実施形態の記録装置14は、ファイバーアレイ部14bを用いたファイバーアレイ記録装置である。ファイバーアレイ記録装置を用いることで、ファイバーアレイ部14bのレーザー出射部42aを、解像度に応じたピッチで配置すればよく、レーザーアレイ部14aのレーザー発光素子41間のピッチを画像解像度に応じたピッチにする必要がなくなる。これにより、本実施形態の記録装置14によれば、レーザー発光素子41の熱が、十分放熱できるように、レーザー発光素子41間のピッチを十分広くすることができる。これにより、本実施形態の記録装置14によれば、レーザー発光素子41が高温となるのを抑制することができ、レーザー発光素子41の波長や光出力が変動するのを抑制することができる。その結果、本実施形態の記録装置14によれば、記録対象物に良好な画像を記録することができる。また、レーザー発光素子41の発光間隔を短くしても、レーザー発光素子41の温度上昇を抑制することができ、コンテナCの搬送速度をあげることができ、生産性を高めることができる。
また、本実施形態の記録装置14においては、冷却ユニット50を設けて、レーザー発光素子41を液冷することで、レーザー発光素子41の温度上昇をより一層抑制することができる。その結果、本実施形態の記録装置14によれば、さらに、レーザー発光素子41の発光間隔を短くすることができ、コンテナCの搬送速度をあげることができ、生産性を高めることができる。本実施形態の記録装置14では、レーザー発光素子41を液冷しているが、冷却ファンなどを用いてレーザー発光素子41を空冷するようにしてもよい。液冷の方が冷却効率が高く、レーザー発光素子41を良好に冷却できるというメリットがある。一方、空冷とすることで、冷却効率は落ちるが、安価にレーザー発光素子41を冷却することができるというメリットがある。
図5は、画像記録システム100における電気回路の一部を示すブロック図である。同図において、システム制御装置18は、CPU、RAM、ROM、不揮発性メモリーなどを備えており、画像記録システム100における各種の機器の駆動を制御したり、各種の演算処理をしたりするものである。このシステム制御装置18には、コンベア装置10、記録装置14、読取装置15、操作パネル181、画像情報出力部47などが接続されている。
操作パネル181は、タッチパネル式ディスプレイや、各種のキーを具備しており、画像をディスプレイ表示したり、作業者のキー操作によって入力された各種情報を受け付けたりする。
図5に示すように、システム制御装置18は、ROM等に記憶されたプログラムに従ってCPUが動作することにより、画像補正手段として機能する。画像補正手段として機能するシステム制御装置18は、記録対象物の記録面の形状に基づいて、記録面に記録する画像の歪みを補正する。
次に、画像記録システム100の動作の一例について図1を参照して説明する。まず、荷物が収容されたコンテナCが、作業者によりコンベア装置10に載置される。作業者は、感熱記録ラベルRLが貼付されたコンテナCの本体の側面が、−Y側に位置するように、すなわち記録装置14に上記側面が対向するようにコンテナCをコンベア装置10に載置する。
作業者が操作パネル181を操作して、システム制御装置18をスタートさせると、操作パネル181からシステム制御装置18へ搬送開始信号が送信される。搬送開始信号を受信したシステム制御装置18は、コンベア装置10の駆動を開始する。すると、コンベア装置10に載置されたコンテナCは、コンベア装置10により記録装置14に向けて搬送される。コンテナCの搬送スピードの一例としては、2m/secである。
記録装置14よりもコンテナCの搬送方向上流側には、コンベア装置10上を搬送されるコンテナCを検出するセンサが配置されている。このセンサが、コンテナCを検出すると、検出信号が、センサからシステム制御装置18へ送信される。システム制御装置18は、タイマを有している。システム制御装置18は、上記センサからの検出信号を受信したタイミングで、タイマを用いた時刻計測を開始する。そして、システム制御装置18は、検出信号の受信タイミングからの経過時間に基づいてコンテナCが記録装置14に到達するタイミングを把握する。
検出信号の受信タイミングからの経過時間がT1となり、コンテナCが、記録装置14に到達するタイミングで、システム制御装置18は、記録装置14を通過するコンテナCに貼付された感熱記録ラベルRLに画像を記録すべく、記録装置14に記録開始信号を出力する。
記録開始信号を受信した記録装置14は、画像情報出力部47から受けた画像情報に基づいて、記録装置14に対して相対移動するコンテナCの感熱記録ラベルRLに向けて所定パワーのレーザー光を照射する。これにより、感熱記録ラベルRLに画像が非接触で記録される。
感熱記録ラベルRLに記録される画像(画像情報出力部47から送信される画像情報)としては、例えば、コンテナCに収容されている荷物の内容、輸送先の情報などの文字画像、および、コンテナCに収容されている荷物の内容、輸送先の情報などの情報がコード化されたバーコードや二次元コード(QRコード等)などのコード画像である。
記録装置14を通過する過程で画像が記録されたコンテナCは、読取装置15を通過する。このとき、読取装置15が、感熱記録ラベルRLに記録されたバーコードや二次元コードなどのコード画像を読み取り、コンテナCに収容されている荷物の内容、輸送先の情報、などの情報を取得する。システム制御装置18は、コード画像から取得した情報と、画像情報出力部47から送信された画像情報とを照合して、正しく画像が記録されているか否かをチェックする。正しく画像が記録されているときは、システム制御装置18は、コンテナCをコンベア装置10によって次の工程(例えば輸送準備工程)に送る。
一方、正しく画像が記録されていないときは、システム制御装置18は、コンベア装置10を一時停止して、操作パネル181に正しく画像が記録されていない旨を表示する。また、システム制御装置18は、正しく画像が記録されていないときは、そのコンテナCを、規定の搬送先に搬送するようにしてもよい。
図6−1は、コンテナCなどの構造物が円筒形状の場合における画像記録について説明する図である。図6−2は、図6−1のJ1付近に画像を記録する様子を説明する図であり、図6−3は、図6−1のJ2付近に画像を記録する様子を説明する図であり、図6−4は、図6−1に示す記録対象物に形成したX軸方向に延びる線画について説明する図である。
円筒形状の構造物の側面に貼り付けられた感熱記録ラベルRLに画像を記録する場合、画像を記録する記録面が円弧状の曲面となる。記録面が曲面の場合、画像記録位置毎に、X軸方向(副走査方向)において、レーザー光の記録面への入射角度θが異なる。
図6−3に示すように、図6−1に示す円弧形状の記録面の頂部J2付近にレーザー光を照射して画像を記録するときは、記録面がレーザー照射方向(Y軸方向)に対してほぼ垂直である。従って、この場合は、レーザー光の記録面への入射角度θがほぼ0°であり、図6−4に示すように、記録対象物に記録される画像ドットGは、規定の形状、規定の画像ドットピッチで記録される。一方、図6−2に示すように、図6−1に示す円弧形状の記録面のJ1付近にレーザー光を照射して画像を記録するときは、記録面がレーザー照射方向(Y軸方向)に対して傾斜している。従って、このときは、レーザー光の記録面への入射角度θが0°以外であり、記録面に記録される画像ドットは、図6−4に示すように、副走査方向(X軸方向)に延びるとともに、画像ドットピッチが広がってしまう。このような画像ドットピッチの広がりや画像ドットの延びが、記録した画像を円周方向に回転させて記録物を全て法線方向から観察するような場合、記録画像の歪みとして観察される。また、感熱記録ラベルRLを円筒形状の構造物から剥がして平面にして観察するような場合にも歪んだ画像として観察される。
そこで、本実施形態では、このような副走査方向(X軸方向)の画像の歪みを、レーザーの照射周期や、レーザーの照射時間、レーザー照射パワーを調整することにより補正するようにした。
レーザー照射パワーの調整方法としては2種類あり、ピークパワーを制御する方法とパルスの発光比率(デューティー)を制御する方法がある。ピークパワーを制御する方法は画像をより綺麗に記録することが可能であるが制御が難しく高速での記録は困難である。一方、発光比率を制御する方法は、ピークパワーを制御する方法より記録画像品質は低下するが、制御が容易で高速での記録が可能となる特徴がある。ピークパワーを制御する方法とパルスの発光比率を制御する方法は、記録速度に応じて選択するのが一般的であり、両方式ともに画像濃度を均一にする方法としては効果がある。
図7−1は、従来のレーザー照射周期と、レーザー照射時間とを示すタイミングチャートであり、図7−2は、本実施形態のレーザー照射周期と、レーザー照射時間とを示すタイミングチャートである。また、図7−3は、図7−2のタイミングチャートに加えて、両サイドのレーザー照射レベルを上げレーザー光のピークパワーを上げることを示すタイミングチャートである。
図7−1に示すように、従来においては、記録面の形状に関係なく、通常のレーザー照射周期PC、通常のレーザー照射時間PWで行っていた。この通常のレーザー照射周期PC、通常のレーザー照射時間PWは、記録面がレーザー照射方向(Y軸方向)に対して垂直であり、レーザー光の記録面への入射角度θが0°のとき、画像ドットのX軸方向長さを規定の長さにでき、画像ドットピッチを規定のピッチにできるレーザー照射周期であり、レーザー照射時間である。従って、記録面がレーザー照射方向(Y軸方向)に対して垂直であり、レーザー光の記録面への入射角度θが0°以外のときは、先の図6−4に示したように、画像ドットの副走査方向長さが規定よりも長くなったり、副走査方向の画像ドットピッチが規定よりも広がってしてしまう。そして、レーザー光の記録面への入射角度θが大きくなるほど、この画像ドットの副走査方向長さが規定よりも長くなり、画像ドットピッチが、規定よりも広がってしまう。
これに対し、本実施形態においては、図7−2に示すように、記録面の形状に応じて、レーザー照射周期およびレーザー照射時間を変更する。具体的には、記録面のレーザー照射方向に対する傾斜が大きく、レーザー光の記録面への入射角度θが大きいほど、レーザー照射時間を短くし、かつ、レーザー照射周期を短くするのである。レーザー光の記録面への入射角度θが大きいほど、レーザー照射時間を短くすることで、画像ドットが副走査方向に長くなるのを抑制することができる。また、レーザー照射周期を短くすることで、画像ドットピッチが広がるのを抑制することができる。これにより、記録面が曲面の場合でも、画像の延びや、画像の広がりを抑制することができ、記録面に記録される画像の歪みを抑制することができる。
更に、本実施形態においては、図7−3に示すように、図7−2のタイミングチャートに加えて、両サイドのレーザー照射レベルを上げレーザー光のピークパワーを上げている。このようにすることで、記録面の斜め傾斜によるレーザー光照射面積が増えたことによるエネルギー密度低下を補正して、かつ、光路が長くなってビーム径が大きくなったことによる、エネルギー密度低下を補正している。このように図7−3に示すような記録パターンでレーザー照射することにより、斜め傾斜となる記録面の両端での濃度低下が解消出来、綺麗な画像記録が可能となった。
図8は、副走査方向の画像歪み補正の制御フロー図である。
まず、画像補正手段としてのシステム制御装置18は、記録装置14に搬送される記録対象物の記録面の形状を取得する(S1)。本実施形態においては、先の図1に示すように、記録装置14よりもコンテナ搬送方向上流側(−X軸方向)に形状測定センサ182が設けられており、この形状測定センサ182により記録面の形状を取得する。測定手段として機能する形状測定センサ182としては、距離センサや変位センサを用いることができる。また、入力手段として機能する操作パネル181により、記録対象物の形状を作業者に入力させて、作業者が入力した記録対象物の形状に基づいて、記録面の形状を取得してもよい。
次に、システム制御装置18は、画像データに基づいて、記録面の副走査方向最初に画像が記録される記録位置を特定し、その記録位置のレーザー入射角度を、取得した記録面の形状に基づいて特定する(S2)。特定したレーザー入射角度が0°のとき(S3のYes)は、通常のレーザー照射周期PC,レーザー照射時間PWに設定する(S7)。一方、レーザー入射角が0°でない場合(S3のNo)は、レーザー入射角に基づいて、レーザー照射周期PC,レーザー照射時間PWを算出(S4,S5)する。
ここで、レーザー照射時間PWの算出について、説明する。
図9−1は、記録面がレーザー照射方向に対して直交する場合(レーザー入射角度0°)であって、通常のレーザー照射周期PC,レーザー照射時間PWで形成した規定の画像ドットG、規定の画像ドットピッチP1について説明する図である。図9−2は、記録面がレーザー照射方向に対して直交する場合と、傾斜する場合の画像ドットの副走査方向長さについて説明する図である。
図9−1に示すように画像ドットGは、X軸方向(副走査方向)に長い略楕円形状である。より具体的に説明すると、長方形状部分のX軸方向両側に半円の円形状部分が接続された所謂小判形状である。円形状部分の半径はRであり、長方形状部分のX軸方向長さは、レーザー照射時間PW、記録対象物の搬送速度をvとすると、PW・vである。従って、規定の画像ドットGの副走査方向(X軸方向)長さは、2R+PW・vである。
図9−2に示すように、感熱記録ラベルRL(記録面)がレーザー照射方向に対して傾斜する場合の画像ドットの副走査方向長さW2は、感熱記録ラベルRL(記録面)がレーザー照射方向に対して直交する場合の画像ドットの副走査方向長さW1よりも大きくなる。そして、このW1と、W2との関係は、図9−2に示す幾何学的関係から明らかなように、W2cosθ=W1となる。θは、レーザー光Lの入射角度である。そして、このW2を、上記規定の画像ドットの副走査方向長さにしたいわけであるから、W2=2R+PW・vとなり、(2R+PW・v)cosθ=W1という関係が成り立つ。また、上記W1は、レーザー照射時間PWとすると、W1=2R+PW・vとなる。従って、レーザー照射時間PWは、以下の式で表すことができる。
PW=[(2R+PW・v)cosθ−2R]/v・・・・(式1)
上記(式1)を用いて、レーザー照射時間PWを算出する。
一方、副走査方向(X軸方向)の画像ドットピッチP1は、レーザー照射周期PCである。レーザー照射周期PCについても、先のレーザー照射時間の算出で説明したようにして関係式を求めることができ、その関係式は、以下のようになる。
PC=PCcosθ・・・・(式2)
上記(式2)を用いて、レーザー照射周期PCを算出する。
上記画像ドットの円形状部分の半径Rは、予め実験で求めた値である。
図10は、上記画像ドットGの円形状部分の半径Rの求め方について、説明する図である。
まず、Z軸方向(主走査方向)の幅が1ドットのラインを記録対象物に記録する。次に、マイクロデンシトメータ(スリット幅5μm)で画像濃度を測定し、計測した濃度結果の最大値、最小値から平均濃度を算出して平均濃度の輪郭線を取り出し、500倍に拡大する。次に、ラインのZ軸方向(主走査方向)一端と他端と、ラインのX軸方向(副走査方向)一端の円弧の交点A、A´を求める。次に、線分A−A´の中点Bを求める。次に、線分A−A´に平行で円弧に接する線分C−C´を求め、円弧との接点Dを求める。そして、上記求めた中点Bから接点Dまでの長さを求め、画像ドットGの円形状部分の半径Rを求める。
そして、先の図8に示すように、システム制御装置18は、上記(式1)、上記(式2)を用いて、レーザー照射周期PC、レーザー照射時間PWを算出したら、この算出したレーザー照射周期PC,レーザー照射時間PWに設定する(S6)。なお、副走査方向最初に画像を記録面に記録するものについては、レーザー照射時間のみ設定する。システム制御装置18は、S6またはS7の処理の終了後、次の画像データがある場合(S8のYes)、S3に戻る。また、システム制御装置18は、S6またはS7の処理の終了後、次の画像データがない場合(S8のNo)、処理を終了する。
このようなレーザー照射周期PC,レーザー照射時間PWの設定を、記録面の副走査方向(X軸方向)の各記録位置について行い、先の図7−2に示すようなレーザー照射のプロファイルを作成していき、副走査方向最後の記録位置について、レーザー照射周期PC,レーザー照射時間PWの設定を行ったら、終了する。
このようにして作成したレーザー照射のプロファイルに基づき、レーザー照射周期(レーザー照射開始のタイミング)やレーザー照射時間を制御する。具体的には、上述したようにコントローラ46は、クロックジェネレータを備えており、このクロックジェネレータが発振するクロック数が規定のクロック数となったら、レーザー照射を開始したり、レーザー照射を終了したりしている。従って、このレーザーの照射を開始する規定のクロック数や、レーザーの照射を終了する規定のクロック数を変更することにより、レーザー照射周期や、レーザー照射時間を制御することができる。このように、作成したレーザー照射のプロファイルに基づき、レーザー照射周期やレーザー照射時間を制御することで、副走査方向の画像の歪みを補正でき、記録面が曲面であっても、画像歪みが抑制された良好な画像を得ることができる。
上述では、記録面の各記録位置について、レーザー照射時間PWを算出しているが、レーザー照射時間PWは、0.8[(2R+PW・v)cosθ−2R]/v≦PW≦1.3[(2R+PW・v)cosθ−2R]/vの関係であれば、良好に画像の伸びを抑制できる。また、レーザー照射間隔PCについても、0.8PCcosθ≦PC≦1.3PCcosθの関係であれば、良好に画像ドットの広がりを抑制できる。従って、例えば、記録面の副走査方向最初に画像が記録される記録位置について、レーザー入射角度に基づいて、レーザー照射時間PW、レーザー照射周期PCを算出し、その各記録位置について、レーザー入射角度を調べていく。そして、算出したときのレーザー入射角度に対する差が規定範囲以内であり、0.8[(2R+PW・v)cosθ−2R]/v≦PW≦1.3[(2R+PW・v)cosθ−2R]/v、0.8PCcosθ≦PC≦1.3PCcosθの関係を満たすのであれば、レーザー照射時間PW、レーザー照射周期PCを算出せず、最初に算出したレーザー照射時間PW、レーザー照射周期PCに設定する。そして、算出したときのレーザー入射角度に対する差が規定範囲を超えて、上記の関係を満たさない場合は、レーザー照射時間PW、レーザー照射周期PCを算出して設定するようにしてもよい。
また、0.8[(2R+PW・v)cosθ−2R]/v≦PW≦1.3[(2R+PW・v)cosθ−2R]/v、0.8PCcosθ≦PC≦1.3PCcosθの関係を満たすように、レーザー入射角度の範囲を区切り、その区切ったレーザー入射角度と前記PWおよびPCとを関連づけたテーブルを不揮発性メモリに記憶する。そして、このテーブルと、取得した記録面の形状に基づいて特定したレーザー入射角度とに基づいて、各記録位置のレーザー照射時間PWおよびレーザー照射周期PCを設定してもよい。
また、記録対象物の記録面が主走査方向(Z軸方向)に湾曲するなどしており、記録面が主走査方向において曲面形状の場合は、記録対象物に記録された画像が、主走査方向に歪んでしまう。主走査方向(Z軸方向)の画像歪みは、副走査方向(X軸方向)とは異なり、レーザー照射周期やレーザー照射時間により補正できない。従って、主走査方向(Z軸方向)の画像歪みは、画像情報出力部47から出力される画像データを変換し、その変換した画像データに基づいて、記録対象物に画像を記録することで、主走査方向の画像歪みを補正する。具体的には、取得した記録面の形状に基づいて、画像データの主走査方向の大きさを小さくするのである。
以下に、主走査方向の画像歪みの補正の一例について、説明する。まず、画像情報出力部47から送信された画像データに基づいて、記録面がレーザー出射方向に対して垂直な平面の場合の画像の主走査方向長さF1を求める。次に、上述同様に、形状測定センサ182などにより取得した記録面の形状と、画像データとに基づいて、この記録面に画像を記録した場合の画像の主走査方向長さF2を求める。そして、上記F2から上記F1を差し引いて、記録する画像が主走査方向にどのくらい大きくなるのかを把握し、画像データから間引く画素数を特定する。そして、所定のアルゴリズムに基づいて、画像データから画素を間引いていき、画像データの主走査方向の大きさを小さくする。例えば、主走査方向に所定以上黒ドット(画像データの「1」)や白ドット(画像データの「0」)が主走査方向に続く場合は、その部分から、画素を間引くのである。このように、変換された画像データに基づいて、記録面に画像を記録することにより、主走査方向の歪みが補正された画像を記録面に記録することができる。
また、記録面が球面など、主走査方向(Z軸方向)および副走査方向(X軸方向)いずれの方向においても、レーザー入射角度が変化するような形状の記録面の場合は、上述した副走査方向の歪み補正、主走査方向の歪み補正の両方を行って、画像を記録対象物に記録することで、歪みが主走査方向、副走査方向いずれにも抑制された画像を記録面に記録することができる。
次に、本出願人が行った検証実験について説明する。
[実施例1]
図11は、実施例1について示す図である。実施例1は、円筒形状の構造体であるコンテナCの側面に感熱記録ラベルRLを貼り付けた記録対象物を用意した。構造体の形状に基づいて、X軸方向(副走査方向)各位置について、記録面である感熱記録ラベルRLの表面に入射するレーザーの入射角度を求めた。そして、記録対象物を縦向きにセットし、一定速度vで搬送しながら、求めた入射角θに応じて
PW=[(2R+PW・v)cosθ−2R]/v
PC=PCcosθ
となるよう、レーザーのパルスを制御しながら記録対象物に「A」、「B」、「C」の画像を記録した。ここで、各レーザー光中心のピッチ間隔を0.126mmとして、半径Rは0.064mm、レーザー照射周期(周波数)PCは125μ秒(8kHz)、レーザー照射時間PWは93μ秒、搬送速度は1m/s、ピークパワーは3Wで設定した。
[実施例2]
図12は、実施例2について示す図である。実施例2は、実施例1と同様の記録対象物を横向きにして一定速度で搬送しながら、記録対象物に「A」、「B」、「C」の画像を記録した。なお、実施例2においては、記録対象物に記録する上記「A」、「B」、「C」画像の画像データを構造体であるコンテナCの形状に基づいて変換し、この変換した画像データに基づいて、記録対象物に「A」、「B」、「C」の画像を記録した。
[実施例3]
実施例3は、レーザー光のパワー制御としてピークパワーを補正した以外は実施例1と同じように制御を行った。パワーの補正としては、入射角θが0°位置でのピークパワーを実施例1同様の3Wとして、入射角θが大きくなるに従って、光路が長くなるに従ってピークパワーを4Wまで上げた。
[実施例4]
実施例4は、レーザー光のパワー制御としてピークパワーを補正した以外は実施例2と同じように制御を行った。パワーの補正としては、実施例3と同様で、入射角θが0°位置でのピークパワーを実施例1同様の3Wとして、入射角θが大きくなるに従って、光路が長くなるに従ってピークパワーを4Wまで上げた。
[比較例]
レーザー照射時間をPW、レーザー照射周期をPCとし、レーザー照射時間、レーザー照射周期を一定にした以外は実施例1と同様にした。
実施例1〜2、比較例において画像が記録された感熱記録ラベルRLを構造物から剥がして平らに置き、正面から目視観察して画像の歪み具合を評価した。その結果を表1に示した。画像歪みが許容レベル以上の場合を「○」、画像歪みが目立ち、画像歪みが許容できないレベルの場合を「×」とした。その結果を、表1に示す。画像濃度変化が許容レベル以上の場合を「○」、画像濃度変化が確認出来る場合を「△」、画像濃度変化が許容できないレベルの場合を「×」とした。その結果を、表1に示す。
Figure 2017140829
表1からわかるように、記録面へのレーザー入射角度に基づいて、レーザーパルス制御を行ったり、記録面の形状に基づいて画像データの変換を行ったりすることで、画像歪みを許容内にすることができた。
[変形例1]
図13−1および図13−2は、変形例1の画像記録システム100の一例を示す図である。この変形例1は、記録装置14が移動することで、記録対象物であるコンテナCの感熱記録ラベルRLに画像を記録するものである。
図13−1および図13−2に示すように、この変形例1の画像記録システム100は、コンテナCを載置する載置台150を有している。記録装置14は、レール部材141に図中左右方向に移動可能に支持されている。
この変形例1では、まず、作業者は、記録対象物であるコンテナCの感熱記録ラベルRLが貼付された面が上面となるように、コンテナCを載置台150にセットする。コンテナCを載置台150にセットしたら、操作パネル181を操作して、画像記録処理をスタートさせる。画像記録処理をスタートさせると、図13−1に示す左側に位置する記録装置14が、図13−1の矢印に示すように、図中右側へと移動する。そして、記録装置14は、図中右側へと移動しながら、記録対象物(コンテナCの感熱記録ラベルRL)にレーザー光を照射して、画像を記録する。画像を記録した後、図13−2に示す右側に位置する記録装置14は、図13−2の矢印に示すように図中左側へと移動し、図13−1に示す位置に戻る。
また、上述では、コンテナCに貼付した感熱記録ラベルRLに画像の記録する装置について本発明を適用した例について説明したが、例えば、コンテナCに貼付した可逆性感熱記録ラベルに画像を書き換える画像書き換えシステムにも本発明を適用することができる。この場合は、記録装置14よりもコンテナCの搬送方向上流側に、可逆性感熱記録ラベルにレーザーを照射して可逆性感熱記録ラベルに記録されている画像を消去する消去装置を設ける。この消去装置により、可逆性感熱記録ラベルに記録された画像を消去した後、記録装置14により画像を記録する。かかる装置においても、記録面が曲面のときの記録面に記録される画像歪みを抑制することができる。
また、ファイバーアレイを用いた記録装置について説明したが、半導体レーザーを画素ピッチの間隔でアレイ状に配置し、半導体レーザーからのレーザー光を、光ファイバーを通さずに、記録対象物に照射して画像を記録するものでもよい。
以上に説明したものは一例であり、以下の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
複数のレーザー出射部を、所定の方向に並べて配置し、各レーザー出射部から出射されたレーザー光を、前記所定の方向において互いに異なる位置に照射するレーザー照射装置を備え、前記所定の方向と異なる方向に前記レーザー照射装置に対して相対的に移動する記録対象物にレーザー光を照射することで前記記録対象物を加熱して可視像を記録する画像記録装置において、前記記録対象物の記録面の形状に基づいて前記各レーザー出射部から出射されるレーザー光の照射条件を調整し、前記記録面に記録する画像の歪みを補正するシステム制御装置18などの画像補正手段を備える。
画像記録面が曲面の場合、記録面に記録した画像が歪むのは、次のとおりである。すなわち、記録面が、曲面の場合、記録面がレーザー照射方向に対して傾斜し、記録面へのレーザー入射角度が、0°以外となる。レーザー入射角度が0°以外の場合、レーザー入射角度が0°のときと、レーザーの照射位置や、レーザーが照射される範囲が変わり、記録面に形成される画像ドットが傾斜方向に伸びたり、画像ドットピッチが広がったりしてしまう。そして、この記録面の傾斜が大きくなり、レーザー入射角度が大きくなるほど、画像ドットの傾斜の方向に伸びが大きくなり、画像ドットピッチの広がりが大きくなる。このような、画像ドットの伸びや、画像ドットピッチの広がりが、記録面に記録される
画像の歪みとして現れてしまうのである。
そこで、(態様1)では、前記記録対象物の記録面の形状に基づいて、記録面に記録する画像の歪みを補正する。例えば、記録面が、副走査方向に傾斜している場合は、レーザーを照射する時間を短くすることにより、記録面に形成される画像ドットの副走査方向の伸びを抑制できる。また、レーザーの照射周期を短くすることにより、画像ドットピッチの広がりを抑制できる。これにより、副走査方向において、画像の歪みを抑制することができる。
また、主走査方向に傾斜している場合は、画像データを主走査方向に小さく変換をすることにより、主走査方向の画像の歪みが補正され、記録面に記録される画像の歪みを抑制することができる。
このように、記録面の形状に応じて、レーザーの照射条件の調整や画像データの変換をするなどして、画像歪みを補正することで、記録面に形成される画像歪みを抑制することができる。
(態様2)
(態様1)において、システム制御装置18などの画像補正手段は、記録対象物の相対的移動方向におけるレーザー光の記録対象物の記録面への入射角に基づいて、前記照射条件を調整する。
これによれば、実施形態で説明したように、レーザー照射周期やレーザー照射時間などのレーザー照射条件を、レーザーの記録面への入射角度に応じて調整することで、記録対象物の相対的移動方向における画像ドットピッチの広がりや、記録対象物の相対的移動方向における画像ドットの伸びを抑制することができ、記録対象物の相対的移動方向における画像歪みを補正することができる。
(態様3)
(態様2)において、システム制御装置18などの画像補正手段は、入射角に基づいて、レーザー照射時間およびレーザー照射周期の少なくとも一方を前記照射条件として調整する。
これによれば、実施形態で説明したように、記録対象物の相対的移動方向における画像ドットの伸びおよび画像ドットピッチの広がりの少なくとも一方を調整することができ、記録対象物の相対的移動方向における画像の歪みを補正することができる。
(態様4)
(態様3)において、システム制御装置18などの画像補正手段は、入射角に基づいて、レーザー照射時間およびレーザー照射周期を前記照射条件として調整する。
これによれば、実施形態で説明したように、入射角に基づいて、レーザー照射時間とレーザー照射周期の両方を調整することで、画像ドットの伸びと画像ドットピッチの広がりの両方を抑制することができ、良好に記録対象物の相対的移動方向における画像の歪みを補正することができる。
(態様5)
(態様3)または(態様4)において、システム制御装置18などの画像補正手段は、前記入射角が0°のときのレーザー照射時間をPW、画像ドットの直径をR、前記記録対象物の相対移動速度をvとしたとき、前記入射角θのときのレーザー照射時間PWが、以下の関係を満たすように、レーザー照射時間を調整する。
0.8[(2R+PW・v)cosθ−2R]/v≦PW≦1.3[(2R+PW・v)cosθ−2R]/v
これによれば、実施形態で説明したように、レーザー照射時間を上記範囲内で調整すれば、画像ドットの伸びを抑制でき、画像歪みを抑えることができる。
(態様6)
(態様3)乃至(態様5)のいずれかにおいて、システム制御装置18などの画像補正手段は、前記入射角が0°のときのレーザー照射周期をPCとしたとき、前記入射角θのときのレーザー照射周期PCが、以下の関係を満たすように、レーザー照射周期を調整する。
0.8PCcosθ≦PC≦1.3PCcosθ
これによれば、実施形態で説明したように、レーザー照射周期を上記範囲内で調整すれば、画像ドットの位置ずれを抑制でき、画像歪みを抑えることができる。
(態様7)
(態様1)乃至(態様6)のいずれかにおいて、システム制御装置18などの画像補正手段は、記録対象物の相対的移動方向と直交する方向における前記記録面の形状に基づいて、画像データの主走査方向のサイズを変更する。
これによれば、実施形態で説明したように、主走査方向画像の歪みを抑制することができる。
(態様8)
(態様1)乃至(態様7)のいずれかにおいて、前記記録面の形状に関する情報を入力する操作パネル181などの入力手段を備えた。
これによれば、実施形態で説明したように、ユーザーが入力した情報から、記録面の形状を取得することができる。
(態様9)
(態様1)乃至(態様8)のいずれかにおいて、前記記録面の形状を測定する形状測定センサ182などの形状測定手段を備えた。
これによれば、記録面の形状を実測するので、精度よく記録面の形状を把握することができる。
(態様10)
(態様1)乃至(態様9)のいずれかにおいて、システム制御装置18などの画像補正手段は、前記記録対象物の記録面の形状に基づいて、前記レーザー光の照射パワーを制御する。
これにより、記録面に形成される画像歪みを抑制することができる。
(態様11)
(態様1)乃至(態様10)のいずれかにおいて、前記レーザー照射装置は、複数のレーザー発光素子と、複数のレーザー発光素子に対応して設けられ、前記レーザー発光素子から出射されたレーザー光を前記記録対象物に導く複数の光ファイバーとを有し、各光ファイバーのレーザー出射部を、所定の方向にアレイ状に保持したレーザーアレイを備える。
これによれば、実施形態で説明したように、各光ファイバーのレーザー出射部を可視像の画素ピッチと同じピッチに配置すればよく、半導体レーザーなどのレーザー発光素子を、画素ピッチと同じピッチに配置する必要がなくなる。これにより、レーザー発光素子を、レーザー発光素子の熱を逃がすことができるように配置することができ、レーザー発光素子の温度上昇を抑制することができる。これにより、レーザー発光素子の波長や光出力が変動するのを抑制することができ、良好な画像を記録対象物に記録することができる。
(態様12)
(態様11)において、システム制御装置18などの画像補正手段は、レーザー発光素子の温度に応じて、前記レーザー光の照射パワーを制御する。
これによれば、レーザー発光素子の温度による光出力の変動を補正して抑制することができ、良好な画像を記録対象物に記録することができる。
(態様13)
(態様1)乃至(態様12)のいずれかにおいて、前記記録対象物を搬送するコンベア装置10などの記録対象物搬送手段を備え、前記記録対象物搬送手段により前記記録対象物を搬送しながら該記録対象物にレーザー光を照射して可視像を記録する。
これによれば、記録対象物を一時停止し、記録装置14などのレーザー照射装置を移動させて、記録対象物に可視像を記録する場合に比べて、生産性を高めることができる。
(態様14)
画像記録装置を用いて記録対象物に画像記録を行う画像記録方法において、前記画像記録装置として、(態様1)乃至(態様13)のいずれかに記載の画像記録装置を用いた。
これによれば、記録面が曲面であっても画像の歪みが抑制された画像を記録することができる。
10 コンベア装置
11 遮蔽カバー
14 記録装置
14a レーザーアレイ部
14b ファイバーアレイ部
15 読取装置
18 システム制御装置
41 レーザー発光素子
42 光ファイバー
42a レーザー出射部
43 光学部
43a コリメートレンズ
43b 集光レンズ
44 アレイヘッド
45 駆動ドライバ
46 コントローラ
47 画像情報出力部
48 電源
50 冷却ユニット
51 受熱部
52 放熱部
53a 冷却パイプ
53b 冷却パイプ
100 画像記録システム
141 レール部材
150 載置台
181 操作パネル
182 形状測定センサ
C コンテナ
RL 感熱記録ラベル
特開2010−52350号公報 特開2008−06468号公報 特開2008−68312号公報

Claims (14)

  1. 複数のレーザー出射部を、所定の方向に並べて配置し、各レーザー出射部から出射されたレーザー光を、前記所定の方向において互いに異なる位置に照射するレーザー照射装置を備え、前記所定の方向と異なる方向に前記レーザー照射装置に対して相対的に移動する記録対象物にレーザー光を照射することで前記記録対象物を加熱して可視像を記録する画像記録装置において、
    前記記録対象物の記録面の形状に基づいて前記各レーザー出射部から出射されるレーザー光の照射条件を調整し、前記記録面に記録する画像の歪みを補正する画像補正手段を備える、
    ことを特徴とする画像記録装置。
  2. 請求項1に記載の画像記録装置において、
    前記画像補正手段は、前記記録対象物の相対的移動方向における前記レーザー光の前記記録対象物の記録面への入射角に基づいて、前記照射条件を調整する、
    ことを特徴とする画像記録装置。
  3. 請求項2に記載の画像記録装置において、
    前記画像補正手段は、前記入射角に基づいて、レーザー照射時間およびレーザー照射周期の少なくとも一方を前記照射条件として調整する、
    ことを特徴とする画像記録装置。
  4. 請求項3に記載の画像記録装置において、
    前記画像補正手段は、前記入射角に基づいて、レーザー照射時間およびレーザー照射周期を前記照射条件として調整する、
    ことを特徴とする画像記録装置。
  5. 請求項3または4に記載の画像記録装置において、
    前記画像補正手段は、前記入射角が0°のときのレーザー照射時間をPW、画像ドットの直径をR、前記記録対象物の相対移動速度をvとしたとき、前記入射角θのときのレーザー照射時間PWが、以下の関係を満たすように、レーザー照射時間を調整する、
    ことを特徴とする画像記録装置。
    0.8[(2R+PW・v)cosθ−2R]/v≦PW≦1.3[(2R+PW・v)cosθ−2R]/v
  6. 請求項3乃至5のいずれか一項に記載の画像記録装置において、
    前記画像補正手段は、前記入射角が0°のときのレーザー照射周期をPCとしたとき、前記入射角θのときのレーザー照射周期PCが、以下の関係を満たすように、レーザー照射周期を調整する、
    ことを特徴とする画像記録装置。
    0.8PCcosθ≦PC≦1.3PCcosθ
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像記録装置において、
    前記画像補正手段は、前記記録対象物の相対的移動方向と直交する方向における前記記録面の形状に基づいて、画像データの主走査方向のサイズを変更する、
    ことを特徴とする画像記録装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像記録装置において、
    前記記録面の形状に関する情報を入力する入力手段を備える、
    ことを特徴とする画像記録装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の画像記録装置において、
    前記記録面の形状を測定する測定手段を備える、
    ことを特徴とする画像記録装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の画像記録装置において、
    前記画像補正手段は、前記記録対象物の記録面の形状に基づいて、前記レーザー光の照射パワーを制御する、
    ことを特徴とする画像記録装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の画像記録装置において、
    前記レーザー照射装置は、
    複数のレーザー発光素子と、複数のレーザー発光素子に対応して設けられ、前記レーザー発光素子から出射されたレーザー光を前記記録対象物に導く複数の光ファイバーとを有し、各光ファイバーのレーザー出射部を、前記所定の方向にアレイ状に保持したレーザーアレイを備える、
    ことを特徴とする画像記録装置。
  12. 請求項11に記載の画像記録装置において、
    前記画像補正手段は、前記レーザー発光素子の温度に応じて、前記レーザー光の照射パワーを制御する、
    ことを特徴とする画像記録装置。
  13. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の画像記録装置において、
    前記記録対象物を搬送する記録対象物搬送手段を備え、
    前記記録対象物搬送手段により前記記録対象物を搬送しながら該記録対象物にレーザー光を照射して可視像を記録する、
    ことを特徴とする画像記録装置。
  14. 画像記録装置を用いて記録対象物に画像記録を行う画像記録方法において、
    前記画像記録装置として、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の画像記録装置を用いた、
    ことを特徴とする画像記録方法。
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