JP2020151962A - メディア加熱装置および印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】赤外線センサーを使用して記録媒体の温度を計測しようとした場合、加熱手段から発せられる赤外線の影響を受けてしまい、正確に記録媒体の温度を計測することができないという問題があった。【解決手段】メディア加熱装置は、メディアを支持する支持面を有する支持部410と、支持面から離れて設けられ支持面に向けて電磁波を放射する放射加熱部420と、支持面から離れて設けられ前記電磁波が放射される位置にある第1温度検出部440と、支持面から離れて設けられ電磁波を遮蔽する遮蔽部材450により遮蔽された位置にある第2温度検出部460と、支持部に設けられる第3温度検出部470と、第1温度検出部で検出される第1検出値T1、第2温度検出部で検出される第2検出値T2、及び第3温度検出部で検出される第3検出値T3に基づいて放射加熱部420を制御する制御部480と、を備える。【選択図】 図2
Description
本技術は、メディア加熱装置およびそれを用いた印刷装置に関する。
メディアに液滴を吐出した後、前記メディアの表面に付着した液滴を定着させために、赤外線ヒーターを用いてメディアを加熱する印刷装置が周知である。このような印刷装置では、赤外線ヒーターによるメディアの加熱を適切に制御するため、メディアの温度を検出することが、例えば特開2015−178261号公報に開示されている。この文献には、接触型の温度センサーと非接触型の温度センサーを用いたインクジェットプリンターが開示されている。非接触型の温度センサーとして、メディア等の対象物からの赤外線を検出する、所謂赤外線センサーを用いている。
しかし、上記文献では次のような課題があった。すなわち、非接触型のセンサーとして赤外線センサーを用いる場合、メディアからの輻射エネルギーの他に、赤外線ヒーターからの輻射エネルギーも受けてしまう。これにより、正確にメディアの温度を検出できないという課題があった。
上記課題を解決するためのメディア加熱装置は、メディアを支持する支持面を有する支持部と、前記支持面から離れて設けられ、前記支持面に向けて電磁波を放射する放射加熱部と、前記支持面から離れて設けられ、前記電磁波が放射される位置にある第1温度検出部と、前記支持面から離れて設けられ、前記電磁波に対して遮蔽部材により遮蔽された位置にある第2温度検出部と、前記支持部に設けられる第3温度検出部と、前記第1温度検出部で検出される第1検出値、前記第2温度検出部で検出される第2検出値、および前記第3温度検出部で検出される第3検出値に基づいて前記放射加熱部を制御する制御部と、を備える。
最初に、本発明の構成について概略的に説明する。
本発明の第1の態様に係るメディア加熱装置は、メディアを支持する支持面を有する支持部と、前記支持面から離れて設けられ、前記支持面に向けて電磁波を放射する放射加熱部と、前記支持面から離れて設けられ、前記電磁波が放射される位置にある第1温度検出部と、前記支持面から離れて設けられ、前記電磁波を遮蔽する遮蔽部材により遮蔽された位置にある第2温度検出部と、前記支持部に設けられる第3温度検出部と、前記第1温度検出部で検出される第1検出値、前記第2温度検出部で検出される第2検出値、及び前記第3温度検出部で検出される第3検出値に基づいて前記放射加熱部を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明の第1の態様に係るメディア加熱装置は、メディアを支持する支持面を有する支持部と、前記支持面から離れて設けられ、前記支持面に向けて電磁波を放射する放射加熱部と、前記支持面から離れて設けられ、前記電磁波が放射される位置にある第1温度検出部と、前記支持面から離れて設けられ、前記電磁波を遮蔽する遮蔽部材により遮蔽された位置にある第2温度検出部と、前記支持部に設けられる第3温度検出部と、前記第1温度検出部で検出される第1検出値、前記第2温度検出部で検出される第2検出値、及び前記第3温度検出部で検出される第3検出値に基づいて前記放射加熱部を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
本態様によれば、前記第1温度検出部は、前記支持面から離れて設けられる、即ち前記支持面に臨む位置に設けられ、更に前記放射加熱部からの電磁波の輻射による輻射エネルギーを直接受ける位置に配置されている。これにより、前記放射加熱部からの輻射エネルギーと、前記支持面上の空間部の温度及び前記メディアから発せられる輻射エネルギーを加えた全熱エネルギーに対応する温度に関する情報が検出される。この検出結果を「第1検出値」と言う。
前記第2温度検出部は、前記電磁波を遮蔽する遮蔽部材により遮蔽された位置にある、即ち、前記第1温度検出部が検出する全熱エネルギーから前記放射加熱部からの前記輻射エネルギーを除いた熱エネルギーに対応する温度に関する情報が検出される位置にある。言い換えると、前記放射加熱部と前記支持面との間の空間部の温度情報を検出するものであると言える。この検出結果を「第2検出値」と言う。
前記第3温度検出部は、前記支持部に設けられているので、前記メディアから前記支持部を伝わって逃げていく熱量に対応する温度情報を検出することができる。この検出結果を「第3検出値」と言う。
そして、前記制御部は、前記第1検出値、前記第2検出値、及び前記第3検出値に基づいて前記放射加熱部を制御するので、電磁波により加熱されるメディアの温度検出において、放射加熱部からの輻射エネルギーによるノイズの影響を低減して、前記メディアの温度検出の精度を向上することができる。これにより、放射加熱部420によるメディアMの加熱を適切に行うことができる。
前記第2温度検出部は、前記電磁波を遮蔽する遮蔽部材により遮蔽された位置にある、即ち、前記第1温度検出部が検出する全熱エネルギーから前記放射加熱部からの前記輻射エネルギーを除いた熱エネルギーに対応する温度に関する情報が検出される位置にある。言い換えると、前記放射加熱部と前記支持面との間の空間部の温度情報を検出するものであると言える。この検出結果を「第2検出値」と言う。
前記第3温度検出部は、前記支持部に設けられているので、前記メディアから前記支持部を伝わって逃げていく熱量に対応する温度情報を検出することができる。この検出結果を「第3検出値」と言う。
そして、前記制御部は、前記第1検出値、前記第2検出値、及び前記第3検出値に基づいて前記放射加熱部を制御するので、電磁波により加熱されるメディアの温度検出において、放射加熱部からの輻射エネルギーによるノイズの影響を低減して、前記メディアの温度検出の精度を向上することができる。これにより、放射加熱部420によるメディアMの加熱を適切に行うことができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様のメディア加熱装置において、前記第1温度検出部の前記支持面からの距離は、前記第2温度検出部の前記支持面からの距離と等しい、ことを特徴とする。
ここで、「支持面からの距離と等しい」における「等しい」とは、本願明細書においては、前記距離が数字的に等しいという厳密な意味ではなく、前記第1温度検出部に達する前記支持面側からの熱エネルギーと、前記第2温度検出部に達する前記支持面側から熱エネルギーと間に実質的な差が出ない程度の範囲で距離が違っていても、それは「距離が等しい」とするという意味で使われている。
ここで、「支持面からの距離と等しい」における「等しい」とは、本願明細書においては、前記距離が数字的に等しいという厳密な意味ではなく、前記第1温度検出部に達する前記支持面側からの熱エネルギーと、前記第2温度検出部に達する前記支持面側から熱エネルギーと間に実質的な差が出ない程度の範囲で距離が違っていても、それは「距離が等しい」とするという意味で使われている。
前記支持面側から熱対流や熱放射により熱伝達される熱量は、空気の影響により前記支持面からの距離により変わる。
しかし、本態様によれば、前記支持面から前記第1温度検出部までの距離と前記支持面から前記第2温度検出部までの距離とは、上記の意味において等しいので、前記支持面側から伝達される熱量も等しくなる。すなわち、前記第1温度検出部と前記第2温度検出部の測定環境の違いは、前記第1温度検出部は前記放射加熱部からの前記電磁波を遮蔽されないのに対し、前記第2温度検出部は、前記放射加熱部からの電磁波に対して遮蔽部材により遮蔽されるという点のみとなる。
これにより、前記第1検出値と前記第2検出値との差を取った場合に、前記放射加熱部から前記電磁波を直接放射されることに基づく温度差を、精度良く検出することができる。
しかし、本態様によれば、前記支持面から前記第1温度検出部までの距離と前記支持面から前記第2温度検出部までの距離とは、上記の意味において等しいので、前記支持面側から伝達される熱量も等しくなる。すなわち、前記第1温度検出部と前記第2温度検出部の測定環境の違いは、前記第1温度検出部は前記放射加熱部からの前記電磁波を遮蔽されないのに対し、前記第2温度検出部は、前記放射加熱部からの電磁波に対して遮蔽部材により遮蔽されるという点のみとなる。
これにより、前記第1検出値と前記第2検出値との差を取った場合に、前記放射加熱部から前記電磁波を直接放射されることに基づく温度差を、精度良く検出することができる。
本発明の第3の態様は、第1の態様または第2の態様に記載のメディア加熱装置において、前記支持面に沿う方向に気流を付与する気流付与部を備えている、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記メディア加熱装置は、前記支持面に沿う方向に気流を付与する気流付与部を備えている。これにより、前記気流付与部により付与された気流により、前記支持面と前記放射加熱部との間の空間の環境を均すことができ、安定して前記メディアの温度を管理することができる。また、前記気流付与部により付与された気流により、前記支持面に支持された前記メディアの表面上の空気に流れを生じさせるので、前記メディアの乾燥を促進することができる。
本発明の第4の態様は、第3の態様に記載のメディア加熱装置において、前記第1温度検出部及び第2温度検出部は、前記気流の方向において、前記放射加熱部よりも下流の位置に設けられている、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記第1温度検出部及び第2温度検出部は、前記気流の方向において、前記放射加熱部よりも下流の位置に設けられているので、前記第1温度検出部および第2温度検出部の測定環境を近い状態にすることができる。さらに、前記第1温度検出部及び第2温度検出部は、前記気流付与部から離れて設けられるので、前記気流の乱れ等の影響を少なくすることができる。これにより、前記第1温度検出部及び第2温度検出部は、精度よく前記第1検出値および前記第2検出値を検出することができる。
本発明の第5の態様は、第1の態様から第4の態様のいずれか一つの態様のメディア加熱装置において、前記第3温度検出部は、前記支持部の温度が最も高くなる位置と対応する位置に設けられている、ことを特徴とする。
「対応する位置」とは、前記支持部の支持面における温度が最も高くなる位置の、前記支持部内における位置であることを意味する。
「対応する位置」とは、前記支持部の支持面における温度が最も高くなる位置の、前記支持部内における位置であることを意味する。
前記メディアの温度は支持部の温度に対応する。
本態様によれば、前記第3温度検出部は、前記支持部の温度が最も高くなる位置と対応する位置に設けられているので、前記メディアの温度の変動幅を鋭敏に検出することができる。これにより、前記支持部に伝わって逃げる熱を精度よく検出することができるので、前記メディアの温度管理を一層精度よく行うことができる。
本態様によれば、前記第3温度検出部は、前記支持部の温度が最も高くなる位置と対応する位置に設けられているので、前記メディアの温度の変動幅を鋭敏に検出することができる。これにより、前記支持部に伝わって逃げる熱を精度よく検出することができるので、前記メディアの温度管理を一層精度よく行うことができる。
本発明の第6の態様に係る印刷装置は、第1の態様から第5の態様のいずれか一つの態様のメディア加熱装置と、前記メディアを搬送する搬送部と、前記メディアを印刷する印刷部と、を有する、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記メディア加熱装置と、前記メディアを搬送する搬送部と、前記メディアに印刷する印刷部と、を有する印刷装置においても、第1の態様から第4の態様における前記メディア加熱装置の作用により同じ効果を得ることができる。
続いて、図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
尚、以下の説明では、最初に図1に基づいて本実施形態の印刷装置の全体構成の概略について説明する。次に、図2と図3に基づいて本実施形態の具体的構成について説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素又は部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
尚、以下の説明では、最初に図1に基づいて本実施形態の印刷装置の全体構成の概略について説明する。次に、図2と図3に基づいて本実施形態の具体的構成について説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素又は部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
<実施形態>
図1に表すように、本発明の実施形態に係る印刷装置100は、ロール状に巻かれたメディアMを搬送する搬送部200と、メディアMに印刷する印刷部300と、メディアMを放射して加熱するメディア加熱部400と、を有する。
図1に表すように、本発明の実施形態に係る印刷装置100は、ロール状に巻かれたメディアMを搬送する搬送部200と、メディアMに印刷する印刷部300と、メディアMを放射して加熱するメディア加熱部400と、を有する。
印刷装置100は、メディアMを送出する送出部110から、メディアMの搬送経路である経路A120、搬送部200、プラテン部130及び経路B140を介して、メディアMの巻取部150まで、メディアMを搬送方向Fに搬送する。すなわち、送出部110から巻取部150までが印刷装置100におけるメディアMの搬送経路であり、経路A120、プラテン部130及び経路B140は前記搬送経路内でメディアMを支持している。なお、送出部110は回転方向Rに回転してメディアMを送出し、巻取部150は回転方向Rに回転してメディアMを巻き取る。
ここで、図1において、図中の方向X及び方向Yは各々が直交する水平方向であり、方向Zは鉛直方向である。そして、本実施形態の印刷装置100においては、プラテン面131上におけるメディアMの搬送方向Fは方向Yに対応している。
ここで、図1において、図中の方向X及び方向Yは各々が直交する水平方向であり、方向Zは鉛直方向である。そして、本実施形態の印刷装置100においては、プラテン面131上におけるメディアMの搬送方向Fは方向Yに対応している。
なお、本実施形態においては、印刷装置100はロール状のメディアMに印刷を行うことが可能な構成であるが、このような構成に限定されず、単票状のメディアMに印刷を行うことが可能な構成であってもよい。
以下、印刷装置100の各構成部材について説明する。
以下、印刷装置100の各構成部材について説明する。
<印刷部>
印刷部300は、メディアMの面に対して吐出面310よりインクを吐出する、いわゆるインクジェット方式により印刷を行う。印刷部300は、図1に示すとおり、プラテン面131の水平に搬送されるメディアMの上方に配置され、印刷装置100の図示しない筐体に設けられている。印刷部300は、図1における奥行き方向(X方向)に往復移動してメディアMの面に印刷を行なう。
印刷部300は、メディアMの面に対して吐出面310よりインクを吐出する、いわゆるインクジェット方式により印刷を行う。印刷部300は、図1に示すとおり、プラテン面131の水平に搬送されるメディアMの上方に配置され、印刷装置100の図示しない筐体に設けられている。印刷部300は、図1における奥行き方向(X方向)に往復移動してメディアMの面に印刷を行なう。
<搬送部>
搬送部200は、駆動ローラ210と従動ローラ220とを含む。経路A120とプラテン部130との間に駆動ローラ210が配置され、駆動ローラ210の上に従動ローラ220が配置されている。駆動ローラ210は、回転方向Rに回転する。搬送部200は、回転する駆動ローラ210と従動ローラ220とでメディアMを狭持し、駆動ローラ210からメディアMに搬送力が付与されて搬送する。
搬送部200は、駆動ローラ210と従動ローラ220とを含む。経路A120とプラテン部130との間に駆動ローラ210が配置され、駆動ローラ210の上に従動ローラ220が配置されている。駆動ローラ210は、回転方向Rに回転する。搬送部200は、回転する駆動ローラ210と従動ローラ220とでメディアMを狭持し、駆動ローラ210からメディアMに搬送力が付与されて搬送する。
<メディア加熱装置>
メディア加熱装置400は、図1に示す通り、印刷装置100の経路B140に設けられている。メディアMは、印刷部300で印刷処理された後、経路B140を搬送され、入口401からメディア加熱装置400に入る。メディア加熱装置400は、放射加熱部420で電磁波WをメディアMに対して放射して加熱することにより、印刷部300で吐出されたインクを乾燥させる。
メディアMは、メディア加熱装置400で処理された後、出口402から出て、再び経路B140を搬送され、巻取部150に至る。
メディア加熱装置400は、図1に示す通り、印刷装置100の経路B140に設けられている。メディアMは、印刷部300で印刷処理された後、経路B140を搬送され、入口401からメディア加熱装置400に入る。メディア加熱装置400は、放射加熱部420で電磁波WをメディアMに対して放射して加熱することにより、印刷部300で吐出されたインクを乾燥させる。
メディアMは、メディア加熱装置400で処理された後、出口402から出て、再び経路B140を搬送され、巻取部150に至る。
図2に表したように、メディア加熱装置400は、メディアMを支持する支持面411を有する支持部410と、支持面411から離れて設けられ且つ支持面411に向けて電磁波Wを放射する放射加熱部420と、支持面411から離れて設けられ且つ電磁波Wが放射される位置にある第1温度検出部440と、支持面411から離れて設けられ且つ電磁波Wを遮蔽する遮蔽部材450により遮蔽された位置にある第2温度検出部460と、支持部410に設けられる第3温度検出部470とを備える。
そして、制御部480が、第1温度検出部440で検出される第1検出値T1、第2温度検出部460で検出される第2検出値T2、および第3温度検出部470で検出される第3検出値T3に基づいて放射加熱部420を制御するように構成されている。
メディア加熱装置400は、放射加熱部420と支持部410との間の空間部Sは、図示しない壁面によって外部と区画されように囲われている。すなわち、空間部Sは、メディアMが通るための入口401および出口402以外からの空気の出入りが抑制された構造である。
そして、制御部480が、第1温度検出部440で検出される第1検出値T1、第2温度検出部460で検出される第2検出値T2、および第3温度検出部470で検出される第3検出値T3に基づいて放射加熱部420を制御するように構成されている。
メディア加熱装置400は、放射加熱部420と支持部410との間の空間部Sは、図示しない壁面によって外部と区画されように囲われている。すなわち、空間部Sは、メディアMが通るための入口401および出口402以外からの空気の出入りが抑制された構造である。
以下、メディア加熱装置400の各構成部材について説明する。
<支持部>
支持部410は、支持面411にて搬送されるメディアMを支持する。メディアMが支持部410上に支持された状態で、放射加熱部420から放射された電磁波WをメディアMが受けて熱を発生し、インクの乾燥が進む。メディアMで発生した前記熱は、一部は空間部Sに対流となって放熱され、また一部は支持部410に伝導して支持部410の温度を上昇させ、支持部410に伝導した熱の一部は支持部410を通って、支持部を支持している図示しない部材から外に逃げる。後述するように、メディアMから逃げていく熱量は第3温度検出部470で検出される。
支持部410の材料は、一般的に使われている金属であり、例えばステンレスである。
<支持部>
支持部410は、支持面411にて搬送されるメディアMを支持する。メディアMが支持部410上に支持された状態で、放射加熱部420から放射された電磁波WをメディアMが受けて熱を発生し、インクの乾燥が進む。メディアMで発生した前記熱は、一部は空間部Sに対流となって放熱され、また一部は支持部410に伝導して支持部410の温度を上昇させ、支持部410に伝導した熱の一部は支持部410を通って、支持部を支持している図示しない部材から外に逃げる。後述するように、メディアMから逃げていく熱量は第3温度検出部470で検出される。
支持部410の材料は、一般的に使われている金属であり、例えばステンレスである。
<放射加熱部>
図2に表したように、放射加熱部420は、赤外線ヒーター管421およびリフレクタ422から構成される一般的なものを採用可能である。ここでは、メディアMの面を効率的に加熱できるように、複数の赤外線ヒーター管421が設けられている。複数の赤外線ヒーター管421は、支持面411に沿う方向に並べられている。放射加熱部420、即ち赤外線ヒーター管421は制御部480により制御されている。
尚、赤外線ヒーターとしては、ハロゲンヒーターやカーボンヒーターであってもよい。
図2に表したように、放射加熱部420は、赤外線ヒーター管421およびリフレクタ422から構成される一般的なものを採用可能である。ここでは、メディアMの面を効率的に加熱できるように、複数の赤外線ヒーター管421が設けられている。複数の赤外線ヒーター管421は、支持面411に沿う方向に並べられている。放射加熱部420、即ち赤外線ヒーター管421は制御部480により制御されている。
尚、赤外線ヒーターとしては、ハロゲンヒーターやカーボンヒーターであってもよい。
<気流付与部>
本実施形態では、メディア加熱装置400は、入口401付近に、気流付与部430を備えている。気流付与部430は、支持面411に向けて、支持面411に沿って複数の赤外線ヒーター管421が並ぶ方向に気流Bを付与する。気流付与部430は、制御部480により制御されている。
このように気流付与部430により付与された気流Bにより、支持面411と放射加熱部420との間の空間部Sの空間温度を均すことができるので、安定してメディアMの温度を管理することができる。また、気流付与部430により付与された気流Bにより、支持面411に支持されたメディアMの表面上の空気に流れが生じ、メディアMの乾燥を促進することができる。また、インクの乾燥に伴って蒸発したインクの溶媒が空間部Sに滞留して空間Sの湿度が上昇し、メディアMの乾燥が阻害されることを抑制できる。
本実施形態では、メディア加熱装置400は、入口401付近に、気流付与部430を備えている。気流付与部430は、支持面411に向けて、支持面411に沿って複数の赤外線ヒーター管421が並ぶ方向に気流Bを付与する。気流付与部430は、制御部480により制御されている。
このように気流付与部430により付与された気流Bにより、支持面411と放射加熱部420との間の空間部Sの空間温度を均すことができるので、安定してメディアMの温度を管理することができる。また、気流付与部430により付与された気流Bにより、支持面411に支持されたメディアMの表面上の空気に流れが生じ、メディアMの乾燥を促進することができる。また、インクの乾燥に伴って蒸発したインクの溶媒が空間部Sに滞留して空間Sの湿度が上昇し、メディアMの乾燥が阻害されることを抑制できる。
更に本実施形態では、第1温度検出部440及び第2温度検出部460は、気流Bの方向において、放射加熱部420よりも下流の位置に設けられている。即ち、気流付与部430の、放射加熱部420を挟んだ反対側には、支持面411から離間して、第1温度検出部440および第2温度検出部460が設けられている。
<第1温度検出部>
図2に表したように、第1温度検出部440は、支持部410の支持面411から離れて設けられる。即ち支持面411に対向する位置に設けられ、更に放射加熱部420からの電磁波の輻射による輻射エネルギーを直接受ける位置に配置されている。これにより、放射加熱部420からの前記輻射エネルギーと、支持面411上の空間部Sの温度及びメディアMから発せられる輻射エネルギーを加えた全熱エネルギーTrに対応する温度に関する情報が検出される。この検出結果を第1検出値T1とする。尚、メディアMから発せられる輻射エネルギーとは、放射加熱部420からの輻射エネルギーがメディアMの表面から反射した際に生じる輻射エネルギーと、メディアMが放射する輻射エネルギーと、を含む概念である。
第1温度検出部440は、メディア加熱装置400の気流付与部430の放射加熱部420を挟んだ反対側の、放射加熱部420の近傍の位置に設けられている。第1温度検出部440で検出された第1検出値T1は制御部480に送られる。
図2に表したように、第1温度検出部440は、支持部410の支持面411から離れて設けられる。即ち支持面411に対向する位置に設けられ、更に放射加熱部420からの電磁波の輻射による輻射エネルギーを直接受ける位置に配置されている。これにより、放射加熱部420からの前記輻射エネルギーと、支持面411上の空間部Sの温度及びメディアMから発せられる輻射エネルギーを加えた全熱エネルギーTrに対応する温度に関する情報が検出される。この検出結果を第1検出値T1とする。尚、メディアMから発せられる輻射エネルギーとは、放射加熱部420からの輻射エネルギーがメディアMの表面から反射した際に生じる輻射エネルギーと、メディアMが放射する輻射エネルギーと、を含む概念である。
第1温度検出部440は、メディア加熱装置400の気流付与部430の放射加熱部420を挟んだ反対側の、放射加熱部420の近傍の位置に設けられている。第1温度検出部440で検出された第1検出値T1は制御部480に送られる。
第1温度検出部440としては、本実施形態ではサーミスタが使われている。尚、第1温度検出部440としては、加熱放射部420から放射される輻射エネルギーと、支持面411上の空間部Sの温度及びメディアMから発せられる輻射エネルギーを加えた全熱エネルギーを検出できるものであれば採用可能である。
<第2温度検出部>
第2温度検出部460は、電磁波を遮蔽する遮蔽部材450により遮蔽された位置にある。即ち、第1温度検出部440が検出する全熱エネルギーTrから放射加熱部420からの前記輻射エネルギーを除いた熱エネルギーに対応する温度に関する情報が検出される位置にある。言い換えると、第2温度検出部460は、放射加熱部420と支持面411との間の空間部Sの温度情報を検出可能である。第2温度検出部460の検出結果を第2検出値T2とする。
第2温度検出部460で検出された第2検出値T2は制御部480に送られる。
第2温度検出部460は、電磁波を遮蔽する遮蔽部材450により遮蔽された位置にある。即ち、第1温度検出部440が検出する全熱エネルギーTrから放射加熱部420からの前記輻射エネルギーを除いた熱エネルギーに対応する温度に関する情報が検出される位置にある。言い換えると、第2温度検出部460は、放射加熱部420と支持面411との間の空間部Sの温度情報を検出可能である。第2温度検出部460の検出結果を第2検出値T2とする。
第2温度検出部460で検出された第2検出値T2は制御部480に送られる。
<遮蔽部材>
図2に表したように、遮蔽部材450は、第2温度検出部460と放射加熱部420との間に、第2温度検出部460に放射加熱部420から電磁波Wが直接放射されないよう遮蔽する。遮蔽部材450で放射加熱部420からの電磁波Wを遮蔽されたこと以外は、第2温度検出部460は第1温度検出部440と同じ検出環境となっている。
遮蔽部材450の材料は、放射加熱部420から放射された電磁波Wを透過させない性質を有しており、例えば金属材料である。
図2に表したように、遮蔽部材450は、第2温度検出部460と放射加熱部420との間に、第2温度検出部460に放射加熱部420から電磁波Wが直接放射されないよう遮蔽する。遮蔽部材450で放射加熱部420からの電磁波Wを遮蔽されたこと以外は、第2温度検出部460は第1温度検出部440と同じ検出環境となっている。
遮蔽部材450の材料は、放射加熱部420から放射された電磁波Wを透過させない性質を有しており、例えば金属材料である。
本実施形態では、図2に表したように、第2温度検出部460は、気流付与部430に対して放射加熱部420を挟んだ反対側であって、第1温度検出部440と支持面411からの高さが等しい高さに設けられている。即ち、第1温度検出部440の支持面411からの距離は第2温度検出部460の支持面411からの距離と等しい。
なお、第2温度検出部460は、本実施形態では、第1温度検出部440の気流Bの方向における下流となる位置に設けられているが、第1温度検出部440と、図2における奥行き方向に並んで、すなわち、支持面441において気流Bと直交する方向に並ぶように設けられてもよい。言い換えれば、複数の赤外線ヒーター管421のうち気流Bの方向において最も下流に位置する赤外線ヒーター管421を最下流の赤外線ヒーター管421とするとき、最下流の赤外線ヒーター管421と第1温度検出部440との距離が、気流Bの方向において、当該最下流の赤外線ヒーター管421と第2温度検出部460との距離と等しくてもよい。
なお、第2温度検出部460は、本実施形態では、第1温度検出部440の気流Bの方向における下流となる位置に設けられているが、第1温度検出部440と、図2における奥行き方向に並んで、すなわち、支持面441において気流Bと直交する方向に並ぶように設けられてもよい。言い換えれば、複数の赤外線ヒーター管421のうち気流Bの方向において最も下流に位置する赤外線ヒーター管421を最下流の赤外線ヒーター管421とするとき、最下流の赤外線ヒーター管421と第1温度検出部440との距離が、気流Bの方向において、当該最下流の赤外線ヒーター管421と第2温度検出部460との距離と等しくてもよい。
第2温度検出部460としては、サーミスタが用いられる。また、第2温度検出部460は、第1温度検出部440と同じ種類のものを用いるのが好ましい。その理由は、第1温度検出部が検出する全熱エネルギーから加熱放射部420からの直接の輻射エネルギーを除いた熱エネルギーに対応する温度を検出して、加熱放射部420から直接放射される輻射エネルギーを求めるためのものだからである。第2温度検出部460の種類が第1温度検出部440と同じであれば、時定数や熱容量などの物理的性質が共通化されるため、熱エネルギーを検出した際の追従性や測定誤差を把握しやすく、較正も行いやすい。
<第3温度検出部>
第3温度検出部470は、支持部410に設けられており、メディアMから支持部410を伝わって逃げていく熱量に対応する温度情報を検出する。具体的には、メディアMの表面が受け取った放射加熱部420からの輻射エネルギーのうち、支持部410の支持面411に接触するメディアMの裏面を通じて、支持部410に逃げていく熱量(熱エネルギー)を検出可能である。第3温度検出部470の検出結果を第3検出値T3とする。第3温度検出部470で検出された第3検出値T3は制御部480に送られる。
本実施形態では、第3温度検出部470は、支持部410の温度が最も高くなる位置と対応する位置に設けられている。具体的には、図3に表したように、気流Bの方向における支持面411上の温度の分布Aにおいて、支持面411の温度の最も高くなる位置に対応した位置Paに設けられている。位置Paの近傍では、支持面411上の温度の分布Aの曲線の曲率が、気流Bの方向において変化しやすい。すなわち、メディアMから支持部410に逃げていく熱量の時間的な変動幅を鋭敏に検出することができる。これにより、メディアMの温度の変動を鋭敏に検出することができる。
第3温度検出部470は、支持部410に設けられており、メディアMから支持部410を伝わって逃げていく熱量に対応する温度情報を検出する。具体的には、メディアMの表面が受け取った放射加熱部420からの輻射エネルギーのうち、支持部410の支持面411に接触するメディアMの裏面を通じて、支持部410に逃げていく熱量(熱エネルギー)を検出可能である。第3温度検出部470の検出結果を第3検出値T3とする。第3温度検出部470で検出された第3検出値T3は制御部480に送られる。
本実施形態では、第3温度検出部470は、支持部410の温度が最も高くなる位置と対応する位置に設けられている。具体的には、図3に表したように、気流Bの方向における支持面411上の温度の分布Aにおいて、支持面411の温度の最も高くなる位置に対応した位置Paに設けられている。位置Paの近傍では、支持面411上の温度の分布Aの曲線の曲率が、気流Bの方向において変化しやすい。すなわち、メディアMから支持部410に逃げていく熱量の時間的な変動幅を鋭敏に検出することができる。これにより、メディアMの温度の変動を鋭敏に検出することができる。
第3温度検出部470としては、サーミスタが用いられる。また、第3温度検出部470は、メディアMから支持部410に伝わって逃げていく熱量に対応する温度を検出することができるものであれば採用可能である。
なお、気流付与部430からの気流Bが付与されない場合には、支持面411上における温度の分布は、分布Aとは違ってくる。それが例えば分布Bになるとした場合においては、支持部410の支持面411上における温度の分布Bにおいて、最高の温度の位置に対応した位置Pcに第3温度検出部470が設けられる。
<制御部>
制御部480は、メディアMの温度管理をすべく、第1温度検出部440で検出された第1検出値T1、第2温度検出部460で検出された第2検出値T2、及び第3温度検出部470で検出された第3検出値T3に基づいて、放射加熱部420の赤外線ヒータ管421の出力を制御する。また、制御部480は、印刷装置100全体の制御を司る。
制御部480は、図示しないCPU、RAM、ROM、HDD、モータ駆動部、印刷部300および入出力部がシステムバスを介して接続されており、入出力部は、放射加熱部420、気流付与部430、第1温度検出部440、第2温度検出部460および第3温度検出部470と接続されており、それぞれ制御可能となっている。
制御部480は、メディアMの温度管理をすべく、第1温度検出部440で検出された第1検出値T1、第2温度検出部460で検出された第2検出値T2、及び第3温度検出部470で検出された第3検出値T3に基づいて、放射加熱部420の赤外線ヒータ管421の出力を制御する。また、制御部480は、印刷装置100全体の制御を司る。
制御部480は、図示しないCPU、RAM、ROM、HDD、モータ駆動部、印刷部300および入出力部がシステムバスを介して接続されており、入出力部は、放射加熱部420、気流付与部430、第1温度検出部440、第2温度検出部460および第3温度検出部470と接続されており、それぞれ制御可能となっている。
<実施形態の効果の説明>
本実施形態によれば、第1温度検出部440は、放射加熱部420からの輻射エネルギーと、前記支持面上の空間部の温度及び前記メディアから発せられる輻射エネルギーを加えた全熱エネルギーTrに対応する温度に関する情報である第1検出値T1を検出する。第2温度検出部460は、第1温度検出部440が検出する全熱エネルギーTrから放射加熱部420からの前記輻射エネルギーを除いた熱エネルギーに対応する温度に関する情報である第2検出値T2を検出する。別の言い方をすると、放射加熱部420と支持面411との間の空間部Sの温度情報T2が検出される。第3温度検出部470は、メディアMから支持部410を伝わって逃げていく熱量に対応する温度情報である第3検出値T3を検出する。
そして、制御部480は、第1検出値T1、第2検出値T2、及び第3検出値T3に基づいて放射加熱部420を制御する。即ち、メディアMの温度を精度よく求めることができるので、電磁波によりメディアMを加熱する場合において、放射加熱部420から直接放射される輻射エネルギーによるノイズの影響を低減して、メディアMの温度検出の精度を向上することができる。これにより、放射加熱部420によるメディアMの加熱を適切に行うことができる。
本実施形態によれば、第1温度検出部440は、放射加熱部420からの輻射エネルギーと、前記支持面上の空間部の温度及び前記メディアから発せられる輻射エネルギーを加えた全熱エネルギーTrに対応する温度に関する情報である第1検出値T1を検出する。第2温度検出部460は、第1温度検出部440が検出する全熱エネルギーTrから放射加熱部420からの前記輻射エネルギーを除いた熱エネルギーに対応する温度に関する情報である第2検出値T2を検出する。別の言い方をすると、放射加熱部420と支持面411との間の空間部Sの温度情報T2が検出される。第3温度検出部470は、メディアMから支持部410を伝わって逃げていく熱量に対応する温度情報である第3検出値T3を検出する。
そして、制御部480は、第1検出値T1、第2検出値T2、及び第3検出値T3に基づいて放射加熱部420を制御する。即ち、メディアMの温度を精度よく求めることができるので、電磁波によりメディアMを加熱する場合において、放射加熱部420から直接放射される輻射エネルギーによるノイズの影響を低減して、メディアMの温度検出の精度を向上することができる。これにより、放射加熱部420によるメディアMの加熱を適切に行うことができる。
<メディア温度を求める計算方法>
メディアMの種類に対応する輻射係数をAr、空間部Sの空間放熱係数をAt、支持部410の経路放熱係数をAcとし、制御部480は、以下の式1から式4に基づいて、メディアMの温度Tmを求める。式4においては、制御部480によって、エネルギーの単位[W/m2]から温度の単位[K]へと、単位が変換される。尚、輻射係数をAr、空間放熱係数をAt、及び経路放熱係数をAcは、それぞれメディア加熱装置400に対して実験値として予め求められる。輻射係数Arは、放射加熱部420からメディアMに与えられた輻射エネルギーとメディアMの温度上昇との関係を表す係数である。空間放熱係数Atは、メディアMから空間Sに放熱される熱エネルギー(輻射や対流熱伝達)とメディアMの温度低下との関係を表す係数である。経路放熱係数Acは、メディアMから支持部410に放熱される熱エネルギー(熱伝導)とメディアMの温度低下との関係を表す係数である。また、メディアMの温度Tmとは、メディアMの表面温度を指す。
[全熱エネルギー:Tr]
Tr=(T1−T2)・Ar+T2 …(式1)
[空間部Sへの放熱:Tt]
Tt=(Tr−T2)・At …(式2)
[支持部の経路放熱:Tc]
Tc=(Tr−T3)・Ac …(式3)
[メディアの温度:Tm]
Tm=Tr−Tt−Tc …(式4)
メディアMの種類に対応する輻射係数をAr、空間部Sの空間放熱係数をAt、支持部410の経路放熱係数をAcとし、制御部480は、以下の式1から式4に基づいて、メディアMの温度Tmを求める。式4においては、制御部480によって、エネルギーの単位[W/m2]から温度の単位[K]へと、単位が変換される。尚、輻射係数をAr、空間放熱係数をAt、及び経路放熱係数をAcは、それぞれメディア加熱装置400に対して実験値として予め求められる。輻射係数Arは、放射加熱部420からメディアMに与えられた輻射エネルギーとメディアMの温度上昇との関係を表す係数である。空間放熱係数Atは、メディアMから空間Sに放熱される熱エネルギー(輻射や対流熱伝達)とメディアMの温度低下との関係を表す係数である。経路放熱係数Acは、メディアMから支持部410に放熱される熱エネルギー(熱伝導)とメディアMの温度低下との関係を表す係数である。また、メディアMの温度Tmとは、メディアMの表面温度を指す。
[全熱エネルギー:Tr]
Tr=(T1−T2)・Ar+T2 …(式1)
[空間部Sへの放熱:Tt]
Tt=(Tr−T2)・At …(式2)
[支持部の経路放熱:Tc]
Tc=(Tr−T3)・Ac …(式3)
[メディアの温度:Tm]
Tm=Tr−Tt−Tc …(式4)
制御部480は、式1から式4の計算を、所定の周期(例えば、500ms)で繰り返し行う。そして、制御部480は、前記所定の周期毎に、式4の値が予め決められた目標値に近づいているかどうかを判断する。制御部480は、式4の値が目標値に近づいていないと判断したときは、式4の値が目標値に近づくように、放射加熱部420をPID制御する。
尚、メディアの温度Tmを第3検出値T3のみで評価しようとすると、次のような課題が生じる。即ち、制御部480が放射加熱部420を精度よく制御するためには、メディアMの表面温度の情報が必要とされる。この場合、メディアMの厚みや大きさに起因して、メディアMの表面の温度は、メディアMの裏面の温度とは異なる場合がある。従って、メディアMの裏面から支持部410に逃げていく熱量即ちメディアMの裏面から発せられる熱量を支持部410を介して検出しても、メディアMの表面温度を精度よく評価することができない。
これに対し、本実施形態では、制御部480は、第1検出値T1、第2検出値T2、及び第3検出値T3に基づいて放射加熱部420を制御する。即ち、メディアMの表面温度を第1温度検出部440、第2温度検出部460、及び第3温度検出部470を用いて、メディアMの表面温度を評価することができる。
また、本実施形態によれば、支持面411から第1温度検出部440までの距離と支持面411から第2温度検出部460までの距離とは等しいので、支持面411側から伝達される熱量も等しくなる。すなわち、第1温度検出部440と第2温度検出部460の測定環境の違いは、第1温度検出部440は放射加熱部420からの電磁波を遮蔽されないのに対し、第2温度検出部460は放射加熱部420からの電磁波に対して遮蔽部材450により遮蔽されるという点のみとなる。これにより、第1検出値T1と第2検出値T2との差を取った場合に、放射加熱部420から電磁波を直接放射されることに基づく温度差を精度良く検出することができる。
また本実施形態によれば、第1温度検出部440及び第2温度検出部460は、気流Bの方向において、放射加熱部420よりも下流の位置に設けられているので、第1温度検出部440および第2温度検出部460の測定環境を近い状態にすることができる。さらに、第1温度検出部440及び第2温度検出部460は、気流付与部430から離れて設けられるので、気流Bの乱れ等の影響を少なくすることができる。これにより、第1温度検出部440及び第2温度検出部460は精度よく第1検出値T1および第2検出値T2を検出することができる。
本発明の第5の態様は、第1の態様から第4の態様のいずれか一つの態様のメディア加熱装置において、前記第3温度検出部は、前記支持部の温度が最も高くなる位置と対応する位置に設けられている、ことを特徴とする。
「対応する位置」とは、前記支持部の支持面における温度が最も高くなる位置の、前記支持部内における位置であることを意味する。
「対応する位置」とは、前記支持部の支持面における温度が最も高くなる位置の、前記支持部内における位置であることを意味する。
また本実施形態によれば、第3温度検出部470は、支持部410の温度が最も高くなる位置と対応する位置に設けられているので、メディアMの温度の変動幅を鋭敏に検出することができる。これにより、支持部410に伝わって逃げる熱を精度よく検出することができるので、メディアMの温度管理を一層精度よく行うことができる。
[他の実施形態]
本発明に係る印刷装置1は、以上述べたような構成を有することを基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。
(1)メディア加熱装置400は、さらに、第4温度検出部を支持面の最低温度の位置に対応する指示部の位置に設けてもよい。これにより、メディアMの加熱不足を回避することができる。
(2)メディア加熱装置400は、空間部Sの温度を検出する第2温度検出部を複数有し、空間部Sの複数の部位における温度を検出してもよい。これにより、より精度良く空間部Sの熱を把握することができるので、メディアMの熱を精度良く把握することができる。
(3)メディア加熱装置400は、支持部410の温度を検出する第3温度検出部を複数有していてもよい。これにより、支持部410の複数の部位における温度を検出して、より精度良く空間部Sの熱を把握することができる。
本発明に係る印刷装置1は、以上述べたような構成を有することを基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。
(1)メディア加熱装置400は、さらに、第4温度検出部を支持面の最低温度の位置に対応する指示部の位置に設けてもよい。これにより、メディアMの加熱不足を回避することができる。
(2)メディア加熱装置400は、空間部Sの温度を検出する第2温度検出部を複数有し、空間部Sの複数の部位における温度を検出してもよい。これにより、より精度良く空間部Sの熱を把握することができるので、メディアMの熱を精度良く把握することができる。
(3)メディア加熱装置400は、支持部410の温度を検出する第3温度検出部を複数有していてもよい。これにより、支持部410の複数の部位における温度を検出して、より精度良く空間部Sの熱を把握することができる。
100…印刷装置、110…送出部、120…搬送経路A、130…プラテン部、
131…プラテン面、140…搬送経路B、150…巻取部、200…搬送部、
210…駆動ローラ、220…従動ローラ、300…印刷部、310…吐出面、
400…メディア加熱装置、410…支持部、411…支持面、420…放射加熱部、
421…赤外線ヒーター、422…リフレクタ、430…気流付与部、
440…第1温度検出部、450…遮蔽部材、460…第2温度検出部、
470…第3温度検出部、480…制御部、
T1…第1温度検出部により検出された第1検出値、
T2…第2温度検出部により検出された第2検出値、
T3…第3温度検出部により検出された第3検出値、
B…気流、M…メディア、R…回転方向、F…搬送方向、
131…プラテン面、140…搬送経路B、150…巻取部、200…搬送部、
210…駆動ローラ、220…従動ローラ、300…印刷部、310…吐出面、
400…メディア加熱装置、410…支持部、411…支持面、420…放射加熱部、
421…赤外線ヒーター、422…リフレクタ、430…気流付与部、
440…第1温度検出部、450…遮蔽部材、460…第2温度検出部、
470…第3温度検出部、480…制御部、
T1…第1温度検出部により検出された第1検出値、
T2…第2温度検出部により検出された第2検出値、
T3…第3温度検出部により検出された第3検出値、
B…気流、M…メディア、R…回転方向、F…搬送方向、
Claims (6)
- メディアを支持する支持面を有する支持部と、
前記支持面から離れて設けられ、前記支持面に向けて電磁波を放射する放射加熱部と、
前記支持面から離れて設けられ、前記電磁波が放射される位置にある第1温度検出部と、
前記支持面から離れて設けられ、前記電磁波を遮蔽する遮蔽部材により遮蔽された位置にある第2温度検出部と、
前記支持部に設けられる第3温度検出部と、
前記第1温度検出部で検出される第1検出値、前記第2温度検出部で検出される第2検出値、及び前記第3温度検出部で検出される第3検出値に基づいて前記放射加熱部を制御する制御部と、
を備えるメディア加熱装置。 - 請求項1に記載のメディア加熱装置において、
前記第1温度検出部の前記支持面からの距離は、前記第2温度検出部の前記支持面からの距離と等しい、ことを特徴とするメディア加熱装置。 - 請求項1または請求項2に記載のメディア加熱装置において、
前記支持面に沿う方向に気流を付与する気流付与部を備えている、ことを特徴とするメディア加熱装置。 - 請求項3に記載のメディア加熱装置において、
前記第1温度検出部及び第2温度検出部は、前記気流の方向において、前記放射加熱部よりも下流の位置に設けられている、ことを特徴とするメディア加熱装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のメディア加熱装置において、
前記第3温度検出部は、前記支持部の温度が最も高くなる位置と対応する位置に設けられている、ことを特徴とするメディア加熱装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のメディア加熱装置と、
前記メディアを搬送する搬送部と、
前記メディアに印刷する印刷部と、を有する、ことを特徴とする印刷装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2019052435A JP2020151962A (ja) | 2019-03-20 | 2019-03-20 | メディア加熱装置および印刷装置 |
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