JP2020150893A - 牛白血病ウイルスに対する薬剤スクリーニング法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便に行えるシンシチウムアッセイ方法、及び該シンシチウムアッセイ方法を使用したBLV感染阻害剤(阻害剤候補)のスクリーニング方法の提供。【解決手段】ゲノム中の第175番目の塩基がシトシン(C)である牛白血病ウイルス(bovine leukemia virus:BLV)を感染ウイルスとして使用する、BLV感染阻害物質のスクリーニング方法。【選択図】なし
Description
本発明は、牛白血病ウイルスによる感染を阻害する候補物質のスクリーニング方法に関する。
牛白血病ウイルス(bovine leukemia virus:BLV)は、畜牛の致死的感染症である地方病性白血病(enzootic bovine leukosis:EBL)の病原因子である。BLVの感染率は急速に拡大しており、今後もその感染は拡大することが懸念されている。BLVに感染してもEBLの発症率は数%であるが、BLV感染により乳量および繁殖成績の低下が生じ、BLV感染拡大は畜産業に大きな経済的損失をもたらす。そのため感染拡大を早急に阻止する必要がある。BLVの抗体陽性率は生後から3〜4歳にかけておよそ2倍に急増するため、この時期の感染を阻止することで感染拡大を抑えることができるのではないかと考えられる。BLVは宿主細胞に侵入後、宿主細胞の染色体に組込まれることで感染が成立し、その後ウイルスの産生を抑えることで宿主の免疫による排除から逃れる。そのため、宿主細胞の染色体への組込みを阻止する化合物は有用な感染阻害剤となる可能性がある。しかし、現在BLVに対する有効なワクチンや感染阻害剤は存在せず、感染拡大の阻止は困難となっている。
BLVに対する感染阻害剤の開発を行うには、阻害剤候補となる化合物をスクリーニングするための系が必要である。BLVの感染効率は悪いことが知られている。In vitroにおけるBLVの感染を評価する系として従来から知られている方法は、BLVに感染した細胞を非感染細胞と接触させ、生じた合胞体(シンシチウム)の数をカウントし、BLVの感染の程度を確認する方法(シンシチウムアッセイ)であった(非特許文献1)。また、最近ではBLV感染細胞を用いずに、ウイルスの細胞への侵入を促進するポリブレンを使用するシンシチウムアッセイも行われてはいるが、細胞の培養やウイルスの感染処理時間などの条件設定が難しく、アッセイを行う上で、高い習熟度が求められていた(例えば、非特許文献2)。
以上の状況から、BLV感染細胞を用いずに、かつ、条件設定の困難性を回避し、簡便にBLVの感染の有無を確認できるシンシチウムアッセイの開発は、BLV感染阻害剤をスクリーニングする上で重要な課題である。
Ferrerら, Am J Vet Res, 42:9-14 1981
Murakamiら, Virus Research 253:103-111 2018
上記事情に鑑み、本発明は、簡便に行えるシンシチウムアッセイの開発、当該シンシチウムアッセイを使用したBLV感染阻害剤(阻害剤候補)のスクリーニング方法、ならびに、当該シンシチウムアッセイおよびスクリーニング方法における使用に適したBLVおよびBLVゲノムの提供を解決課題とする。
発明者らは、ウイルス産生能力(ウイルスの感染・複製能力)の高いBLVを用いることで、より簡便なシンシチウムアッセイが可能になると考え、ウイルス産生能力の高いBLVウイルス株の同定を試みた。その結果、BLVゲノムの5’-LTR領域に存在する175番目の塩基がC(シトシン)であるウイルス株は、ウイルス産生能力が高いことを見出した。
本発明は上記知見に基づいて完成された。
本発明は上記知見に基づいて完成された。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(9)である。
(1)ゲノム中の第175番目の塩基がシトシン(C)である牛白血病ウイルス(bovine leukemia virus:BLV)を感染ウイルスとして使用する、BLV感染阻害物質のスクリーニング方法。
(2)以下の工程(a)〜工程(c)を含むことを特徴とする上記(1)に記載のスクリーニング方法。
(a)前記感染ウイルスを被感染細胞と接触させる工程、
(b)前記BLV感染阻害物質を前記感染ウイルスおよび/または被感染細胞と接触させる工程、および
(c)被感染細胞の合胞体(シンシチウム)の数をカウントする工程
(3)ウイルスの被感染細胞への感染を促進する感染促進剤存在下で行うことを特徴とする、上記(1)または(2)に記載のスクリーニング方法。
(4)前記感染ウイルスが、pvAF513株(Accession No. AP018014)、pvAN004株(Accession No.AP018025)、pvAN903株(Accession No. LC164086)、pvAF805株(Accession No. AP018017)およびpvAF060(Accession No. AP018006)由来のウイルスの1または複数のウイルスであることを特徴とする上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のスクリーニング方法。
(5)ウイルス産生能の高いBLVゲノムを製造する方法であって、BLVゲノムの第175番目のチミン(T)をシトシン(C)に置換することを含む、前記製造方法。
(6)天然に存在するBLVゲノム中の第175番目のチミン(T)が、人為的にシトシン(C)に置換されたゲノムを含む、BLV感染性分子。
(7)第175番目の塩基がシトシン(C)であるBLVゲノムを含む、BLV感染阻害物質スクリーニング用キット。
(8)上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のスクリーニング方法によって選択されるBLV感染阻害物質を含むBLV感染治療剤。
(9)前記BLV感染阻害物質が、フェナジン−1−カルボキサミド、ペニシリン酸、エルゴステロールペルオキシド、(+)−オイペノキシド、バイオラシオイドEおよびピレノシンAからなる群より選択されることを特徴とする上記(8)に記載のBLV感染治療剤。
(1)ゲノム中の第175番目の塩基がシトシン(C)である牛白血病ウイルス(bovine leukemia virus:BLV)を感染ウイルスとして使用する、BLV感染阻害物質のスクリーニング方法。
(2)以下の工程(a)〜工程(c)を含むことを特徴とする上記(1)に記載のスクリーニング方法。
(a)前記感染ウイルスを被感染細胞と接触させる工程、
(b)前記BLV感染阻害物質を前記感染ウイルスおよび/または被感染細胞と接触させる工程、および
(c)被感染細胞の合胞体(シンシチウム)の数をカウントする工程
(3)ウイルスの被感染細胞への感染を促進する感染促進剤存在下で行うことを特徴とする、上記(1)または(2)に記載のスクリーニング方法。
(4)前記感染ウイルスが、pvAF513株(Accession No. AP018014)、pvAN004株(Accession No.AP018025)、pvAN903株(Accession No. LC164086)、pvAF805株(Accession No. AP018017)およびpvAF060(Accession No. AP018006)由来のウイルスの1または複数のウイルスであることを特徴とする上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のスクリーニング方法。
(5)ウイルス産生能の高いBLVゲノムを製造する方法であって、BLVゲノムの第175番目のチミン(T)をシトシン(C)に置換することを含む、前記製造方法。
(6)天然に存在するBLVゲノム中の第175番目のチミン(T)が、人為的にシトシン(C)に置換されたゲノムを含む、BLV感染性分子。
(7)第175番目の塩基がシトシン(C)であるBLVゲノムを含む、BLV感染阻害物質スクリーニング用キット。
(8)上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のスクリーニング方法によって選択されるBLV感染阻害物質を含むBLV感染治療剤。
(9)前記BLV感染阻害物質が、フェナジン−1−カルボキサミド、ペニシリン酸、エルゴステロールペルオキシド、(+)−オイペノキシド、バイオラシオイドEおよびピレノシンAからなる群より選択されることを特徴とする上記(8)に記載のBLV感染治療剤。
本発明によれば、簡便にシンシチウムアッセイを実施することができ、BLVの感染阻害剤のスクリーニングを容易に行うことが可能となる。
本発明の第1の実施形態は、ゲノム中の第175番目の塩基がシトシン(C)である牛白血病ウイルス(bovine leukemia virus:BLV)を感染ウイルスとして使用する、BLV感染阻害物質のスクリーニング方法(以下「本発明のスクリーニング方法」とも記載する)である。
本発明のスクリーニング方法は、シンシチウムアッセイ系に、候補物質を共存させたとき、コントロール(候補物質非存在下など)の系と比較してシンシチウムの数が減少する場合に、当該候補物質は、BLVの感染阻害物質の候補として選択することを含む方法である。シンシチウムアッセイは、使用するBLVのウイルス産生能が低いと、シンシチウムの形成を確認するのが難しく、培養条件(例えば、細胞密度や培養時間など)などを細かく設定する必要があった。本発明者らは、ゲノム中の第175番目の塩基がシトシン(C)である牛白血病ウイルスは、ウイルス産生能が高いことを初めて見いだし、当該ウイルスを用いたBLV感染阻害物質のスクリーニング系を構築した。
ここで第175番目の塩基がシトシン(C)であるBLVゲノムは、天然由来のゲノム(例えば、検体から分離されたウイルスゲノム)であってもよく、また、天然由来のゲノムの第175番目の塩基を遺伝子工学などの手法により、人為的にシトシン(C)に変更したものであってもよい。
本発明のスクリーニング方法は、シンシチウムアッセイ系に、候補物質を共存させたとき、コントロール(候補物質非存在下など)の系と比較してシンシチウムの数が減少する場合に、当該候補物質は、BLVの感染阻害物質の候補として選択することを含む方法である。シンシチウムアッセイは、使用するBLVのウイルス産生能が低いと、シンシチウムの形成を確認するのが難しく、培養条件(例えば、細胞密度や培養時間など)などを細かく設定する必要があった。本発明者らは、ゲノム中の第175番目の塩基がシトシン(C)である牛白血病ウイルスは、ウイルス産生能が高いことを初めて見いだし、当該ウイルスを用いたBLV感染阻害物質のスクリーニング系を構築した。
ここで第175番目の塩基がシトシン(C)であるBLVゲノムは、天然由来のゲノム(例えば、検体から分離されたウイルスゲノム)であってもよく、また、天然由来のゲノムの第175番目の塩基を遺伝子工学などの手法により、人為的にシトシン(C)に変更したものであってもよい。
天然由来の感染ウイルスとしては、例えば、pvAF513株(Accession No. AP018014)、pvAN004株(Accession No.AP018025)、pvAN903株(Accession No. LC164086)、pvAF805株(Accession No. AP018017)およびpvAF060(Accession No. AP018006)由来のウイルスを挙げることができる。
第1の実施形態は、例えば、以下の工程(a)〜工程(c)を含む、BLV感染阻害物質のスクリーニング方法である。
(a)前記感染ウイルスを被感染細胞と接触させる工程、
(b)前記BLV感染阻害部物質を感染ウイルスおよび/または被感染細胞と接触させる工程、および
(c)被感染細胞の合胞体(シンシチウム)の数をカウントする工程
(a)前記感染ウイルスを被感染細胞と接触させる工程、
(b)前記BLV感染阻害部物質を感染ウイルスおよび/または被感染細胞と接触させる工程、および
(c)被感染細胞の合胞体(シンシチウム)の数をカウントする工程
ここで、「感染ウイルス」とは、ゲノム中の第175番目の塩基がシトシン(C)であるBLVのことである。また「被感染細胞」とは、BLVを感染させる細胞のことで、BLVが感染し得る細胞であれば、特に限定されない。そのような細胞を敢えて例示するならば、例えば、CC81細胞、293T細胞、HeLa細胞、Cos-1細胞およびEP-BESP細胞などを挙げることができる。
上記工程(a)は、BLVを被感染細胞に感染させる工程で、例えば、感染ウイルスと被感染細胞を細胞培養系に共存させ、シンシチウムの形成が見られるまで培養する工程である。感染ウイルスと被感染細胞との比率は、当業者であれば予備的な実験などを行うことで容易に決定することができる。BLVの感染は、感染促進剤の存在下で行ってもよい。感染促進剤としては、負に帯電したBLVを中和し得る、カチオン性の分子が好ましくは、例えば、ポリブレン、ポリエチレンイミンおよびジメチルスルホキシドなどを例示することができる。
上記工程(a)は、BLVを被感染細胞に感染させる工程で、例えば、感染ウイルスと被感染細胞を細胞培養系に共存させ、シンシチウムの形成が見られるまで培養する工程である。感染ウイルスと被感染細胞との比率は、当業者であれば予備的な実験などを行うことで容易に決定することができる。BLVの感染は、感染促進剤の存在下で行ってもよい。感染促進剤としては、負に帯電したBLVを中和し得る、カチオン性の分子が好ましくは、例えば、ポリブレン、ポリエチレンイミンおよびジメチルスルホキシドなどを例示することができる。
工程(b)は、候補物質を感染ウイルスおよび/または被感染細胞と接触させる工程で、BLV感染に対する候補物質の影響をみるための工程である。候補物質のアッセイ系への添加量は、被感染細胞への毒性などを予め確認した上で行ってもよい。特に、候補物質を有機溶媒等に溶解させて使用する場合には、当該有機溶媒のアッセイ系への影響についても検討しておくことが望ましい。
また、工程(a)と工程(b)の実施の順序は互いに入れ替え可能である。
また、工程(a)と工程(b)の実施の順序は互いに入れ替え可能である。
工程(c)は、生じた被感染細胞のシンシチウムの数をカウントする工程である。形成されたシンシチウムの数が候補物質非存在下における数よりも、少ない場合には、当該候補物質が感染阻害物質として機能し得るとの判断をすることができる。
本発明の第2の実施形態は、天然に存在するBLVゲノム中の第175番目のチミン(T)が、人為的にシトシン(C)に置換されたゲノムを含む、BLV感染性分子である。
BLV感染性分子とは、被感染細胞にトランスフェクトすると、BLVを産生する能力を有する分子のことで、BLVゲノムを保持するベクターなどを挙げることができる。
ベクターとしては、挿入したゲノムの欠損などが生じることなく、クローニングできるものであれば、特に制限はなく、例えば、pSMART(登録商標)ベクター(Lucigen)などを使用することができる。
BLV感染性分子とは、被感染細胞にトランスフェクトすると、BLVを産生する能力を有する分子のことで、BLVゲノムを保持するベクターなどを挙げることができる。
ベクターとしては、挿入したゲノムの欠損などが生じることなく、クローニングできるものであれば、特に制限はなく、例えば、pSMART(登録商標)ベクター(Lucigen)などを使用することができる。
本発明の第3の実施形態は、第175番目の塩基がシトシン(C)であるBLVゲノムを含む、BLV感染阻害物質スクリーニング用キット。
本発明のキットに含まれるBLVゲノムは、ゲノムそのものであっても、適当なベクターに挿入されたものであってもよい。また、BLVゲノム以外にも、BLVゲノム挿入用のベクター、ウイルス産生用細胞(例えば、293T細胞など)、ウイルス感染用の細胞(例えば、CC81細胞など)、細胞培養用の培地などが含まれていてもよい。
本発明のキットには、使用説明書が含まれていてもよく、または、当該使用方法を掲載したウェッブサイトなどの情報が記載された情報書面等が含まれていてもよい。使用説明書は、CDやDVDなどの記録媒体に記録されて添付されてもよい。
本発明のキットに含まれるBLVゲノムは、ゲノムそのものであっても、適当なベクターに挿入されたものであってもよい。また、BLVゲノム以外にも、BLVゲノム挿入用のベクター、ウイルス産生用細胞(例えば、293T細胞など)、ウイルス感染用の細胞(例えば、CC81細胞など)、細胞培養用の培地などが含まれていてもよい。
本発明のキットには、使用説明書が含まれていてもよく、または、当該使用方法を掲載したウェッブサイトなどの情報が記載された情報書面等が含まれていてもよい。使用説明書は、CDやDVDなどの記録媒体に記録されて添付されてもよい。
本発明の第4の実施形態は、BLV感染阻害物質を含む、BLV感染治療剤(以下「本発明の治療剤」とも記載する)である。BLV感染阻害物質は、例えば、本発明のスクリーニング方法により選択することができ、BLVの感染を阻害したり、BLVの複製を阻害することによりBLVの感染の治療に使用することができる。
本発明のBLV感染治療剤は、有効成分(BLV感染阻害物質)の他、1または2以上の製剤用添加物を含む動物用医薬組成物の形態で投与してもよい。また、当該実施形態にかかる医薬組成物中には、公知の他の薬剤を併せて配合してもよい。
本発明の医薬組成物は、経口または非経口用の剤型であってもよく、特に限定はしないが、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、懸濁剤、座剤、軟膏、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤、吸入剤または注射剤等が挙げられる。これらの製剤は常法に従って調製される。なお、液体製剤にあっては、用時、水または他の適当な溶媒に溶解または懸濁するものであってもよい。また、錠剤、顆粒剤は周知の方法でコーティングしてもよい。注射剤の場合には、本発明の有効成分を水に溶解させて調製されるが、必要に応じて生理食塩水あるいはブドウ糖溶液に溶解させてもよく、また、緩衝剤や保存剤、安定化剤、溶解促進剤などを添加してもよい。
本発明のBLV感染治療剤は、有効成分(BLV感染阻害物質)の他、1または2以上の製剤用添加物を含む動物用医薬組成物の形態で投与してもよい。また、当該実施形態にかかる医薬組成物中には、公知の他の薬剤を併せて配合してもよい。
本発明の医薬組成物は、経口または非経口用の剤型であってもよく、特に限定はしないが、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、懸濁剤、座剤、軟膏、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤、吸入剤または注射剤等が挙げられる。これらの製剤は常法に従って調製される。なお、液体製剤にあっては、用時、水または他の適当な溶媒に溶解または懸濁するものであってもよい。また、錠剤、顆粒剤は周知の方法でコーティングしてもよい。注射剤の場合には、本発明の有効成分を水に溶解させて調製されるが、必要に応じて生理食塩水あるいはブドウ糖溶液に溶解させてもよく、また、緩衝剤や保存剤、安定化剤、溶解促進剤などを添加してもよい。
本発明の医薬組成物の製造に用いられる製剤用添加物の種類、有効成分に対する製剤用添加物の割合、あるいは、医薬組成物の製造方法は、その形態に応じて当業者が適宜選択することが可能である。製剤用添加物としては無機または有機物質、あるいは、固体または液体の物質を用いることができ、一般的には、有効成分重量に対して、例えば、0.1重量%〜99.9重量%、1重量%〜95.0重量%、または1重量%〜90.0重量%の間で配合することができる。具体的には、製剤用添加物の例として乳糖、ブドウ糖、マンニット、デキストリン、シクロデキストリン、デンプン、蔗糖、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルデンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、イオン交換樹脂、メチルセルロース、ゼラチン、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、タルク、トラガント、ベントナイト、ビーガム、酸化チタン、ソルビタン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、グリセリン、脂肪酸グリセリンエステル、精製ラノリン、グリセロゼラチン、ポリソルベート、マクロゴール、植物油、ロウ、流動パラフィン、白色ワセリン、フルオロカーボン、非イオン性界面活性剤、プロピレングルコールまたは水等が挙げられる。
経口投与用の固形製剤を製造するには、有効成分と賦形剤成分、例えば、乳糖、澱粉、結晶セルロース、乳酸カルシウムまたは無水ケイ酸などと混合して散剤とするか、さらに必要に応じて白糖、ヒドロキシプロピルセルロースまたはポリビニルピロリドンなどの結合剤、カルボキシメチルセルロースまたはカルボキシメチルセルロースカルシウムなどの崩壊剤などを加えて湿式または乾式造粒して顆粒剤とする。錠剤を製造するには、これらの散剤及び顆粒剤をそのまま、あるいは、ステアリン酸マグネシウムまたはタルクなどの滑沢剤を加えて打錠すればよい。これらの顆粒または錠剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メタクリル酸−メタクリル酸メチルポリマーなどの腸溶剤基剤で被覆して腸溶剤製剤、あるいは、エチルセルロース、カルナウバロウまたは硬化油などで被覆して持続性製剤とすることもできる。また、カプセル剤を製造するには、散剤または顆粒剤を硬カプセルに充填するか、有効成分をそのまま、あるいは、グリセリン、ポリエチレングリコール、ゴマ油またはオリーブ油などに溶解した後ゼラチンで被覆し軟カプセルとすることができる。
注射剤を製造するには、有効成分を必要に応じて、塩酸、水酸化ナトリウム、乳糖、乳酸、ナトリウム、リン酸一水素ナトリウムまたはリン酸二水素ナトリウムなどのpH調整剤、塩化ナトリウムまたはブドウ糖などの等張化剤と共に注射用蒸留水に溶解し、無菌濾過してアンプルに充填するか、さらに、マンニトール、デキストリン、シクロデキストリンまたはゼラチンなどを加えて真空凍結乾燥し、用事溶解型の注射剤としてもよい。また、有効成分にレチシン、ポリソルベート80またはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などを加えて水中で乳化させ、注射剤用乳剤とすることもできる。
直腸投与剤を製造するには、有効成分をカカオ脂、脂肪酸のトリ、ジおよびモノグリセリドまたはポリエチレングリコールなどの座剤用基材と共に加湿して溶解し、型に流し込んで冷却するか、有効成分をポリエチレングリコールまたは大豆油などに溶解した後、ゼラチン膜等で被覆してもよい。
直腸投与剤を製造するには、有効成分をカカオ脂、脂肪酸のトリ、ジおよびモノグリセリドまたはポリエチレングリコールなどの座剤用基材と共に加湿して溶解し、型に流し込んで冷却するか、有効成分をポリエチレングリコールまたは大豆油などに溶解した後、ゼラチン膜等で被覆してもよい。
本発明の医薬組成物の投与量および投与回数は特に限定されず、治療対象疾患の悪化・進展の防止および/または治療の目的、疾患の種類などの条件に応じて、獣医師の判断により適宜選択することが可能である。
一般的には、経口投与におけるウシ1頭1日あたりの投与量は0.01〜1,000 mg(有効成分重量)程度であり、1日1回または数回に分けて、あるいは数日ごとに投与することができる。注射剤として用いる場合には、1日あたりの投与量は0.001〜500
mg(有効成分重量)程度であり、連続投与または間欠投与することが望ましい。
一般的には、経口投与におけるウシ1頭1日あたりの投与量は0.01〜1,000 mg(有効成分重量)程度であり、1日1回または数回に分けて、あるいは数日ごとに投与することができる。注射剤として用いる場合には、1日あたりの投与量は0.001〜500
mg(有効成分重量)程度であり、連続投与または間欠投与することが望ましい。
本明細書が英語に翻訳されて、単数形の「a」、「an」、および「the」の単語が含まれる場合、文脈から明らかにそうでないことが示されていない限り、単数のみならず複数も含むものとする。
以下に実施例を示してさらに本発明の説明を行うが、本実施例は、あくまでも本発明の実施形態の例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
以下に実施例を示してさらに本発明の説明を行うが、本実施例は、あくまでも本発明の実施形態の例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
1.材料および方法
1−1.感染性分子クローン
国内の農場で飼養されている牛55頭の血液およびBLV持続感染細胞株FLK-BLVからDNAをWizard DNA Purification kitを用いて抽出した。それぞれのDNAを鋳型としてPCRによりBLVゲノムを増幅し、pSMART-LC-Amp(Lucigen)にクローニングし、感染性分子クローンを作出した。
1−1.感染性分子クローン
国内の農場で飼養されている牛55頭の血液およびBLV持続感染細胞株FLK-BLVからDNAをWizard DNA Purification kitを用いて抽出した。それぞれのDNAを鋳型としてPCRによりBLVゲノムを増幅し、pSMART-LC-Amp(Lucigen)にクローニングし、感染性分子クローンを作出した。
1−2.ウイルス液
感染性分子クローンpBLV-AN903を株化細胞(293T、CHO-K1、Cos-7、HeLa、Vero)にFuGENE(登録商標)HD(Promega)を用いてトランスフェクションした。トランスフェクション24時間後に、細胞をPBSで2回洗浄後、新鮮な増殖培地で培地を置換した。その後、48時間後に培養上清を回収し、10,000xgで1分間遠心分離し、その上清を回収することにより、デブリを除去し、ウイルス液を作製した。
感染性分子クローンpBLV-AN903を株化細胞(293T、CHO-K1、Cos-7、HeLa、Vero)にFuGENE(登録商標)HD(Promega)を用いてトランスフェクションした。トランスフェクション24時間後に、細胞をPBSで2回洗浄後、新鮮な増殖培地で培地を置換した。その後、48時間後に培養上清を回収し、10,000xgで1分間遠心分離し、その上清を回収することにより、デブリを除去し、ウイルス液を作製した。
1−3.ウイルスRNAの測定
上清からウイルスRNAをMagExtractor -Viral RNA(Toyobo)により回収し、それを鋳型としてReverTra Ace(登録商標)qPCR RT Master Mix with gDNA Remover(Toyobo)によりcDNAを合成した。合成したcDNAはリアルタイムPCR法の絶対定量法によりウイルスRNAコピー数を測定した。
上清からウイルスRNAをMagExtractor -Viral RNA(Toyobo)により回収し、それを鋳型としてReverTra Ace(登録商標)qPCR RT Master Mix with gDNA Remover(Toyobo)によりcDNAを合成した。合成したcDNAはリアルタイムPCR法の絶対定量法によりウイルスRNAコピー数を測定した。
1−4.キメラウイルスの作出
野生株のBLVゲノムがクローニングされた感染性分子クローンを鋳型として、PCRで4領域(LTR、gag-pro-pol、env、pX)およびそれ以外を増幅した。増幅したそれぞれのPCR産物をIn-Fusion(登録商標)HD(Clontech)によりライゲーションすることにより、任意の領域を組換えたキメラウイルスゲノムがクローニングされた感染性分子クローンを構築した。
野生株のBLVゲノムがクローニングされた感染性分子クローンを鋳型として、PCRで4領域(LTR、gag-pro-pol、env、pX)およびそれ以外を増幅した。増幅したそれぞれのPCR産物をIn-Fusion(登録商標)HD(Clontech)によりライゲーションすることにより、任意の領域を組換えたキメラウイルスゲノムがクローニングされた感染性分子クローンを構築した。
1−5.塩基置換導入
BLVの175番目の塩基置換はTからCへの塩基置換には、5’-CACCTGCTGATAAACTAATAAAATGCC-3’(配列番号1)および5’-GTTTATCAGCAGGTGAGGTCAGCA-3’(配列番号2)を、CからTへの塩基置換には5’-CACCTGCTGATAAATTAATAAAATGCC-3’(配列番号3)および5’-ATTTATCAGCAGGTGAGGTCAGCA-3’(配列番号4)のプライマーセット用いて変異導入をPCRにより行い、In-Fusion(登録商標)HDを用いてライゲーションを行った。
BLVの175番目の塩基置換はTからCへの塩基置換には、5’-CACCTGCTGATAAACTAATAAAATGCC-3’(配列番号1)および5’-GTTTATCAGCAGGTGAGGTCAGCA-3’(配列番号2)を、CからTへの塩基置換には5’-CACCTGCTGATAAATTAATAAAATGCC-3’(配列番号3)および5’-ATTTATCAGCAGGTGAGGTCAGCA-3’(配列番号4)のプライマーセット用いて変異導入をPCRにより行い、In-Fusion(登録商標)HDを用いてライゲーションを行った。
1−6.レポーターアッセイ
pBApo-EF1α-PurベクターのEF1αプロモーターをBLVのLTR配列中のU3領域に置換し、その下流にホタルルシフェラーゼ遺伝子をクローニングしたベクターと、pRL-TK(Toyobo)ベクターを293T細胞にFuGENE(登録商標)を用いてトランスフェクションした。トランスフェクション48時間後にピッカジーンデュアル(東洋ビーネット)を用いて、ホタルおよびシーパンジールシフェラーゼ活性を測定した。トランスフェクション効率はシーパンジールシフェラーゼ活性によりホタルルシフェラーゼ活性を標準化し、U3領域の転写活性を測定した。
pBApo-EF1α-PurベクターのEF1αプロモーターをBLVのLTR配列中のU3領域に置換し、その下流にホタルルシフェラーゼ遺伝子をクローニングしたベクターと、pRL-TK(Toyobo)ベクターを293T細胞にFuGENE(登録商標)を用いてトランスフェクションした。トランスフェクション48時間後にピッカジーンデュアル(東洋ビーネット)を用いて、ホタルおよびシーパンジールシフェラーゼ活性を測定した。トランスフェクション効率はシーパンジールシフェラーゼ活性によりホタルルシフェラーゼ活性を標準化し、U3領域の転写活性を測定した。
1−7.シンシチウムアッセイ
CC81細胞を50%コンフルエント以下になるように播種し、上記で作製したウイルス液を培養液と等量加えた。その際に、DMSOおよびポリブレンも加え、CC81を培養した。CC81がコンフルエントになってから、ギムザ染色を行い、核が5個以上のシンシチウムを光学顕微鏡下で観察し、その数を測定した。
CC81細胞を50%コンフルエント以下になるように播種し、上記で作製したウイルス液を培養液と等量加えた。その際に、DMSOおよびポリブレンも加え、CC81を培養した。CC81がコンフルエントになってから、ギムザ染色を行い、核が5個以上のシンシチウムを光学顕微鏡下で観察し、その数を測定した。
2.結果
2−1.株化細胞の選定
感染性分子クローン(pBLV-AN903)をトランスフェクションした293T、CHO-K1、Cos-7、HeLa、Vero細胞の培養上清からウイルスRNAを抽出し、cDNA合成後、リアルタイムPCRによりウイルスRNAコピー数を測定した。その結果、293T細胞が他の株価細胞と比較して有意に(P < 0.001)ウイルス産生量が高いことが明らかとなった(図1)。そのため、感染性分子クローンを293T細胞にトランスフェクションすることにより、大量のウイルスを回収できることが示された。
2−1.株化細胞の選定
感染性分子クローン(pBLV-AN903)をトランスフェクションした293T、CHO-K1、Cos-7、HeLa、Vero細胞の培養上清からウイルスRNAを抽出し、cDNA合成後、リアルタイムPCRによりウイルスRNAコピー数を測定した。その結果、293T細胞が他の株価細胞と比較して有意に(P < 0.001)ウイルス産生量が高いことが明らかとなった(図1)。そのため、感染性分子クローンを293T細胞にトランスフェクションすることにより、大量のウイルスを回収できることが示された。
2−2.感染性分子クローンの選定
56種の感染性分子クローンそれぞれを293T細胞にトランスフェクションし、培養上清中のウイルスRNAコピー数をリアルタイムPCR法により測定した。その結果ウイルス産生量が株により異なることが示された(図2)。
ウイルス産生量の違いが、どの変異によるものかを明らかとするため、ウイルス産生能力が異なるpBLV-AF513およびpBLV-AF481を用いて、BLVの4領域(LTR、gag、env、pX)を組換えたキメラウイルスを作出した(図3)。各領域を組換えた感染性分子クローンを293T細胞にトランスフェクションし、ウイルス産生量をリアルタイムPCRで測定した結果、LTR領域を組換えた場合のみ、野生株とは異なるウイルス産生能力を示した(図4)。このことから、LTR領域の変異によりウイルス産生能力が異なることが示された。
56種の感染性分子クローンそれぞれを293T細胞にトランスフェクションし、培養上清中のウイルスRNAコピー数をリアルタイムPCR法により測定した。その結果ウイルス産生量が株により異なることが示された(図2)。
ウイルス産生量の違いが、どの変異によるものかを明らかとするため、ウイルス産生能力が異なるpBLV-AF513およびpBLV-AF481を用いて、BLVの4領域(LTR、gag、env、pX)を組換えたキメラウイルスを作出した(図3)。各領域を組換えた感染性分子クローンを293T細胞にトランスフェクションし、ウイルス産生量をリアルタイムPCRで測定した結果、LTR領域を組換えた場合のみ、野生株とは異なるウイルス産生能力を示した(図4)。このことから、LTR領域の変異によりウイルス産生能力が異なることが示された。
BLVのLTR領域はウイルスゲノムの両末端(5’LTR領域および3’LTR領域)に存在し、特に5’LTRはウイルスゲノムの転写に関連することがわかっている。更に、5’LTR領域においてpBLV-AF481とpBLV-AF513の塩基配列の違いは175番目の塩基の1塩基置換のみであった(図5)。このことから、175番塩基のTからCへの置換(T175C)がウイルス産生能力に関与することが考えられたため、pBLV-AF481およびpBLV-AF513の175番目の塩基をそれぞれC(T175C)およびT(C175T)の1塩基置換を導入した感染性分子クローンのウイルス産生量を測定した。その結果、T175Cの塩基置換を導入したpBLV-AF481では有意にウイルス産生量が上昇し、C175Tの塩基置換を導入したpBLV-AF513では有意にウイルス産生量が低下した(図6)。このことからT175Cへの塩基置換がウイルス産生量を上昇させることが示された。
LTRの1から211塩基は転写に重要なU3領域であり、175番塩基も含まれていることから、T175Cが転写活性を変化させているかを調べた。その結果、T175Cの塩基置換をAF481株のU3領域に導入すると転写活性が有意に上昇した。一方、C175Tの塩基置換をAF513株のU3領域に導入すると転写活性は有意に低下した(図7)。このことから、T175Cの塩基置換は転写活性を上昇させることによりウイルス産生量を上昇させることが示された。したがって、175番目の塩基がCである株が、シンシチウムアッセイに使用する株として有用であることが示された。
2−3.シンシチウムアッセイ
CC81細胞が50%コンフルエント以下の状態で、T175Cの塩基置換を有する感染性分子クローン(pBLV-AN903)を導入した293T細胞から作製されたウイルス液(培養上清)を培地と等量添加した。さらに、DMSOおよびポリブレンを添加し、最適な条件を検討した。その結果、1%DMSOおよび100ng/mlポリブレン濃度で明瞭なシンシチウムが形成されることが明らかとなった(図8)。
CC81細胞が50%コンフルエント以下の状態で、T175Cの塩基置換を有する感染性分子クローン(pBLV-AN903)を導入した293T細胞から作製されたウイルス液(培養上清)を培地と等量添加した。さらに、DMSOおよびポリブレンを添加し、最適な条件を検討した。その結果、1%DMSOおよび100ng/mlポリブレン濃度で明瞭なシンシチウムが形成されることが明らかとなった(図8)。
2−4.BLV阻害候補物質のスクリーニング
上記の実験条件(上記2−3.)で、以下の6種の化合物の抗ウイルス活性を測定した。
上記の実験条件(上記2−3.)で、以下の6種の化合物の抗ウイルス活性を測定した。
化合物1(Phenazine-1-carboxamide:フェナジン−1−カルボキサミド)、化合物2(Penicillic Acid:ペニシリン酸)および化合物3(Ergosterol peroxide:エルゴステロールペルオキシド)は、市販品を購入することができる。化合物4((+)-Eupenoxide:(+)−オイペノキシド)および化合物5(Violaceoid E:バイオラシオイドE)は、Myobatakeら, J. Nat. Prod. 77:11236-1240 2014に真菌の培養液からの抽出・単離・構造決定が開示されている。また、化合物6(Pyrenocine A:ピレノシンA)については、Ichiharaら, Tetrahedron Let., 22:4005-4006 1981にその合成方法が開示されている。
測定の結果、化合物1〜5は、形成されるシンシチウム数が明確に減少させることが確認でき、これらの化合物が抗ウイルス活性を示すことが明らかになった(図9)。また、化合物6についても、シンシチウムを減少させる傾向にあることが確認できた。以上のことから、本発明のスクリーニング方法を用いることにより、ウイルス活性に影響を及ぼす化合物のスクリーニングが可能であることが示された。
測定の結果、化合物1〜5は、形成されるシンシチウム数が明確に減少させることが確認でき、これらの化合物が抗ウイルス活性を示すことが明らかになった(図9)。また、化合物6についても、シンシチウムを減少させる傾向にあることが確認できた。以上のことから、本発明のスクリーニング方法を用いることにより、ウイルス活性に影響を及ぼす化合物のスクリーニングが可能であることが示された。
本発明によれば、BLVの感染阻害候補物質の同定である。従って、獣医学分野および畜産分野において、本発明の利用が期待される。
Claims (9)
- ゲノム中の第175番目の塩基がシトシン(C)である牛白血病ウイルス(bovine leukemia virus:BLV)を感染ウイルスとして使用する、BLV感染阻害物質のスクリーニング方法。
- 以下の工程(a)〜工程(c)を含むことを特徴とする請求項1に記載のスクリーニング方法。
(a)前記感染ウイルスを被感染細胞と接触させる工程、
(b)前記BLV感染阻害物質を前記感染ウイルスおよび/または被感染細胞と接触させる工程、および
(c)被感染細胞の合胞体(シンシチウム)の数をカウントする工程 - ウイルスの被感染細胞への感染を促進する感染促進剤存在下で行うことを特徴とする、請求項1または2に記載のスクリーニング方法。
- 前記感染ウイルスが、pvAF513株(Accession No. AP018014)、pvAN004株(Accession No.AP018025)、pvAN903株(Accession No. LC164086)、pvAF805株(Accession No. AP018017)およびpvAF060(Accession No. AP018006)由来のウイルスの1または複数のウイルスであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のスクリーニング方法。
- ウイルス産生能の高いBLVゲノムを製造する方法であって、BLVゲノムの第175番目のチミン(T)をシトシン(C)に置換することを含む、前記製造方法。
- 天然に存在するBLVゲノム中の第175番目のチミン(T)が、人為的にシトシン(C)に置換されたゲノムを含む、BLV感染性分子。
- 第175番目の塩基がシトシン(C)であるBLVゲノムを含む、BLV感染阻害物質スクリーニング用キット。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載のスクリーニング方法によって選択されるBLV感染阻害物質を含むBLV感染治療剤。
- 前記BLV感染阻害物質が、フェナジン−1−カルボキサミド、ペニシリン酸、エルゴステロールペルオキシド、(+)−オイペノキシド、バイオラシオイドEおよびピレノシンAからなる群より選択されることを特徴とする請求項8に記載のBLV感染治療剤。
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---|---|---|---|
JP2019054771A JP2020150893A (ja) | 2019-03-22 | 2019-03-22 | 牛白血病ウイルスに対する薬剤スクリーニング法 |
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CN113461623A (zh) * | 2021-07-14 | 2021-10-01 | 长江大学 | 一种抗病毒化合物及其制备方法和应用 |
-
2019
- 2019-03-22 JP JP2019054771A patent/JP2020150893A/ja active Pending
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