JP2020150492A - 音響信号処理装置、音響信号処理方法、およびプログラム - Google Patents

音響信号処理装置、音響信号処理方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】音源またはマイクロホンのうち少なくとも1つが移動する場合にマイクロホンが受音する信号の演算において演算量を低減することができる音響信号処理装置、音響信号処理方法、およびプログラムを提供することを目的とする。【解決手段】音響信号処理装置は、音源とマイクロホンのうち少なくとも1つが移動する際、マイクロホンが受音する信号波形を算出する音響信号処理装置であって、m(mは1からMの間の整数、Mは音源信号長)番目の離散時間で発した音源信号の振幅が、k(kは1からKの間の整数、Kは収録信号長)番目の離散時間にマイクロホンによって受音される信号の振幅がどの程度伝わるかを表したステアリング係数gk,mを、N(Nは1以上の整数)次のフーリエ級数展開でモデル化する係数算出部と、モデル化されたステアリング係数gk,mを用いてマイクロホンが受音する信号波形を算出する収録信号算出部と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、音響信号処理装置、音響信号処理方法、およびプログラムに関する。
マイクロホンを搭載している移動体が移動しながら、固定された音源からの音響信号を取得する装置がある。実環境では雑音のレベルや周波数特性等が時々刻々と変動する。予め取得した限られた個数の雑音の相関行列や音源の種類毎の音響特徴量を用いただけでは、雑音の影響を排除することができないことがある。そのため、実環境では目的音の方向を精度よく推定することが困難である。
これに対して、例えば特許文献1に記載の技術では、入力された音響信号に係る相関行列と、逐次に得られた雑音信号の相関行列に基づいて算出した空間スペクトルを用いるので、目的音の方向を精度よく推定する。
このような音響信号に対して処理を行う装置では、音源とマイクロホンとの伝達関数を、ステアリングベクトルを用いて処理を行っている。
特開2014−56181号公報
音源とマイクロホンのうち少なくとも1つが移動する場合の音響信号のシミュレーションを行う場合は、離散化した時間毎のステアリングベクトル(ステアリングベクトルデータベース)をあらかじめ用意する必要がある。しかしながら、従来技術では、この離散化した時間毎のステアリングベクトルの演算量が多く、演算に時間を要していた。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、音源またはマイクロホンのうち少なくとも1つが移動する場合にマイクロホンが受音する信号の演算において演算量を低減することができる音響信号処理装置、音響信号処理方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る音響信号処理装置<1>は、音源<2>とマイクロホン<3>のうち少なくとも1つが移動する際、前記マイクロホンが受音する信号波形を算出する音響信号処理装置であって、m(mは1からMの間の整数、Mは音源信号長)番目の離散時間で発した音源信号の振幅が、k(kは1からKの間の整数、Kは収録信号長)番目の離散時間に前記マイクロホンによって受音される信号の振幅がどの程度伝わるかを表したステアリング係数gk,mを、N(Nは1以上の整数)次のフーリエ級数展開でモデル化する係数算出部<104>と、モデル化された前記ステアリング係数gk,mを用いて前記マイクロホンが受音する信号波形を算出する収録信号算出部(106)と、を備える。
(2)また、本発明の一態様に係る音響信号処理装置において、kは離散化した離散時間を表し、θは離散時間における前記音源と前記マイクロホンとの角度を表し、exp(inθ)はn次のフーリエ基底関数であり、cn,mはフーリエ係数であり、前記フーリエ基底関数を記憶する記憶部、を備え、前記係数算出部は、前記ステアリング係数gk,mを次式で計算する、
Figure 2020150492
ようにしてもよい。
(3)また、本発明の一態様に係る音響信号処理装置において、前記収録信号算出部は、前記マイクロホンによって受音される収録波形yを、K行(2N+1)列の前記フーリエ基底関数の行列に、(2N+1)行M列の前記フーリエ係数の行列を乗じることで算出するようにしてもよい。
(4)また、本発明の一態様に係る音響信号処理装置において、前記収録信号算出部は、(M+K)(2N+1)が(M×K)未満のNを選択するようにしてもよい。
(5)上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る音響信号処理方法は、音源とマイクロホンのうち少なくとも1つが移動する際、前記マイクロホンが受音する信号波形を算出する音響信号処理方法であって、係数算出部が、m(mは1からMの間の整数、Mは音源信号長)番目の離散時間で発した音源信号の振幅が、k(kは1からKの間の整数、Kは収録信号長)番目の離散時間に前記マイクロホンによって受音される信号の振幅がどの程度伝わるかを表したステアリング係数gk,mを、N(Nは1以上の整数)次のフーリエ級数展開でモデル化する係数算出手順と、収録信号算出部が、モデル化された前記ステアリング係数gk,mを用いて前記マイクロホンが受音する信号波形を算出する収録信号算出手順と、を含む。
(6)上記目的を達成するため、本発明の一態様に係るプログラムは、音源とマイクロホンのうち少なくとも1つが移動する際、前記マイクロホンが受音する信号波形を算出する音響信号処理装置のコンピュータに、m(mは1からMの間の整数、Mは音源信号長)番目の離散時間で発した音源信号の振幅が、k(kは1からKの間の整数、Kは収録信号長)番目の離散時間に前記マイクロホンによって受音される信号の振幅がどの程度伝わるかを表したステアリング係数gk,mを、N(Nは1以上の整数)次のフーリエ級数展開でモデル化する係数算出手順と、モデル化された前記ステアリング係数gk,mを用いて前記マイクロホンが受音する信号波形を算出する収録信号算出手順と、を実行させる。
上述した(1)または(5)あるいは(6)によれば、ステアリング係数をN(Nは1以上の整数)次のフーリエ級数展開でモデル化したので、伝達特性の演算量を低減することができる。
また、上述した(2)、(3)によれば、上述した式を用いてフーリエ係数を計算することで、ステアリング係数の演算量を低減することができる。
また、上述した(4)によれば、(M+K)(2N+1)が(M×K)未満のNを選択するため、ステアリング係数の演算量を従来より低減することができる。
マイクロホンが固定され音源が移動する場合の例を示す図である。 音源が固定されマイクロホンが移動する場合の例を示す図である。 音源もマイクロホンも移動する場合の例を示す図である。 実施形態に係る音響信号処理装置の構成例を示すブロック図である。 従来技術における一般的な移動音源とマイクロホンが移動する場合のマイクロホンが受音する収録波形(収録信号)の演算を説明するための図である。 実施形態に係る移動する音源やマイクロホンにおける係数行列Gを説明するための図である。 実施形態に係る音響信号処理装置の処理のフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は、マイクロホン3が固定され音源2が移動する場合の例を示す図である。図2は、音源2が固定されマイクロホン3が移動する場合の例を示す図である。図3は、音源2もマイクロホン3も移動する場合の例を示す図である。
図1〜図3において、符号xは、m=1番目の離散時間のときに音響信号処理装置1によって音源2が発した信号波形である。以下、符号xは、m番目の離散時間のときに音源2が発した信号波形を表している。また、符号yは、k=1番目の離散時間のときにマイクロホン3が受音した収録波形を表している。以下、符号yは、k番目の離散時間のときにマイクロホン3が受音した収録波形を表している。
なお、本実施形態では、周波数領域のスカラ値を大文字(例えばY、X)で表し、時間領域のスカラ値を小文字(例えばy、x)で表現する。
図1に示すように、移動音源の場合、すなわちマイクロホン3が固定され音源2が移動する場合、時間毎に異なる音源2であると考えることができる。
また、図2に示すように、移動マイクロホンの場合、すなわち音源2が固定されマイクロホン3が移動する場合、時間毎に異なるマイクロホン3であると考えることができる。
また、図3に示すように、移動音源と移動マイクロホンの場合、すなわち音源2もマイクロホン3が移動する場合、時間毎に異なる音源2であり、時間毎に異なるマイクロホン3であると考えることができる。
[音響信号処理装置の構成]
次に、音響信号処理装置の構成例を説明する。
図4は、本実施形態に係る音響信号処理装置1の構成例を示すブロック図である。図4に示すように、音響信号処理装置1は、操作部101、係数記憶部102、テーブル記憶部103(記憶部)、係数算出部104、収録信号算出部106、出力部107、音響信号生成部108、および音響信号出力部109を備える。
音響信号処理装置1は、音源2とマイクロホン3のうち少なくとも1つが移動する場合にマイクロホン3が受音する収録波形を算出するために用いるステアリング係数を、フーリエ係数モデルを用いて算出する。
操作部101は、利用者が操作した操作結果を検出し、検出した操作結果を収録信号算出部106に出力する。操作部101は、例えばタッチパネルセンサ、キーボード、マウス等である。操作結果には、例えば音源2が移動することを示す情報、マイクロホン3が移動することを示す情報等が含まれている。
係数記憶部102は、係数算出部104が算出したステアリング係数を記憶する。
テーブル記憶部103は、係数算出部104がステアリング係数の算出に必要な値をテーブル形式で記憶する。
係数算出部104は、音響信号生成部108が出力する音響信号とテーブル記憶部103が記憶する値を用いて、ステアリング係数を算出し、算出したステアリング係数を係数記憶部102に記憶させる。
収録信号算出部106は、操作部101が出力する操作結果を取得する。また、収録信号算出部106は、音響信号生成部108が出力する音響信号を取得する。収録信号算出部106は、操作結果に基づいて、音響信号と、係数記憶部102が記憶するステアリング係数を用いて、マイクロホン3が受音する収録波形を算出する(シミュレーションする)。収録信号算出部106は、算出した算出結果を出力部107と音響信号生成部108に出力する。
出力部107は、収録信号算出部106が出力する算出された結果を外部装置(例えば画像表示装置、スピーカ)等に出力する。
音響信号生成部108は、音源から再生する音響信号を生成する。なお、音響信号生成部108は、収録信号算出部106が算出した結果に基づいて、再生する音響信号を補正したり生成したりするようにしてもよい。音響信号生成部108は、生成した音響信号を音響信号出力部109に出力する。
音響信号出力部109は、音源2に接続されている。なお、音響信号出力部109は、増幅回路を有していてもよい。また、音響信号出力部109と音源2は有線で接続されていてもよく、無線で接続されていてもよい。有線で接続されている場合、音響信号出力部109はアナログ信号で出力信号を出力する。音源2と無線で接続されている場合、音響信号出力部109はデジタル信号で出力信号を出力する。音響信号処理装置1と無線で接続されている場合、音源2は、デジタル信号をアナログ信号に変換するDA(デジタル−アナログ)変換部を有している。なお、音源2は、スピーカである。
[一般的な音場処理における伝達特性の算出]
以下の説明では、一般的な移動音源とマイクロホンが移動する場合の収録信号について説明する。
図5は、従来技術における一般的な移動する音源とマイクロホンが移動する場合のマイクロホンが受音する収録波形(収録信号)の演算を説明するための図である。なお、図5では、添え字を一部省略している。
音源2の信号波形xとマイクロホン3での収録波形yは、次式(1)で計算できる。なお、xとyは、時間領域のベクトルである。
Figure 2020150492
式(1)において、Gは時間領域における係数行列である。
また、式(1)は次式(2)のように表現できる。
Figure 2020150492
式(2)において、x(m=1,2,3,…,M)は音源が移動した際の時間領域の信号波形であり、y(k=1,2,3,…,K)はマイクロホンが移動した際の時間領域の収録波形である。なお、mは音源側の離散時間であり、Mは音源の信号長である。また、kは受音側の離散時間であり、Kは収録信号長である。また、係数gk、mは、m番目の離散時間で発した音源信号の振幅が、k番目の離散時間で受音される信号の振幅へどの程度伝わるかを表したものである。
ここで、m番目の離散時間での音源座標をr(m)とし、k番目の離散時間での受音点座標をr(k)とする。また、r(m)からr(k)に至るインパルス応答を、tを離散時間としてh(t,r(m),r(k))で表すと、gk,mは次式(3)のよう表される。
Figure 2020150492
なお、式(3)において、k−m<0の時間において、hk,mは、因果律より0となる。
移動する音源2やマイクロホン3において、gk,mを要素に有する係数行列Gは規則的なパターンをもつ値になることが多い。このためフーリエ係数モデルを利用すると低次で近似できる可能性が高く有効である。
図6は、本実施形態に係る移動する音源やマイクロホンにおける係数行列Gを説明するための図である。なお、図6において、線の太さは、インパルス応答の振幅の大きさを表している。
音源2とマイクロホン3が相対的な位置に変化が少ない場合、係数行列Gは図6のように45度にほぼ同じ値が並ぶ。
音源2とマイクロホン3が互いに近づく場合は、斜めの線がより横線に近づく。音源2とマイクロホン3が互いに遠ざかる場合は、斜めの線が上下の線に近づく。インパルス応答自体が変化した場合でも、各線の濃淡がゆらぐだけで、基本的なパターンは、上述したようになる。
ここで、式(2)は、K行M列の行列である。
このため、式(2)を用いて、マイクロホン3が受音する収録波形を計算するのに、乗算回数はMK回必要である。例えば、M=72、Kが32の場合の乗算回数は、2304(=72×32)回必要である。
[本実施形態による伝達特性の算出]
次に、本実施形態による伝達特性の算出方法を説明する。
本実施形態では、係数算出部104が、ステアリング係数g(θ)を、次式(4)のようにN次の複素フーリエ係数でモデル化する。なお、ステアリング係数g(θ)は、各マイクロホン3についてのステアリング係数である。また、ステアリング係数g(θ)は,行列内の表記ではgk,mで表している。また、式(6)において、k(kは1からKの整数)は離散化した離散時間である。θは離散時間における前記音源と前記マイクロホンとの角度を表す。
Figure 2020150492
式(4)において、cn,mはフーリエ係数であり、iは複素数を表す。また、cn,mとc−n,mは互いに共役の関係である。また、exp(inθ)はフーリエのn次の基底関数であり、フーリエのn次の基底関数の計算は、予めテーブルを用意することで参照のみの処理である。このexp(inθ)のテーブルは、テーブル記憶部103があらかじめ記憶している。
[係数の求め方]
ここで、例として、角度θのみを変数とする1次元のステアリング係数g(θ)に対し、式(4)で与えられる複素振幅モデルを導入した場合の係数(c(ω))の決定方法について説明する。
実測した伝達関数の数をL、その時の離散時間θ(l=1,2,3,…,L)とすると次式(5)の連立方程式が得られる。
Figure 2020150492
この連立方程式は、次式(6)のように、行列とベクトルを利用して記述できる。
Figure 2020150492
式(6)において、cは係数ベクトル、Aはモデルの係数である。各ベクトルは次式(7)〜次式(9)である。
Figure 2020150492
Figure 2020150492
Figure 2020150492
なお、式(9)において、alは次式(10)である。
Figure 2020150492
式(10)から、求めるべき係数ベクトルcは、次式(10)として求めることができる。
Figure 2020150492
式(10)において、AはAの疑似逆行列(ムーアペンローズ型疑似逆行列)である。式(10)により、一般に、変数の数2N+1よりも式の数Lが多い場合(2N+1>Lの場合)、係数は誤差の2乗和が最小となる解として得られる。また、そうでない場合(2N+1≦Lの場合)は、式(2)の解の中で解のノルムが最小になる解が得られる。
次に、マイクロホン3での収録波形yは、次式(12)のように計算することができる。
Figure 2020150492
式(2)、(12)は、行列・ベクトルで次式(13)のように表される。
Figure 2020150492
式(13)において、左辺は行数がKであり、列数がMである。また、右辺の第1項はフーリエ基底関数であり、行数がKであり、列数が2N+1(フーリエ級数の数)である。また、右辺の第2項はフーリエ係数であり、行数が2N+1(フーリエ級数の数)であり、列数がMである。
ここで、式(13)をg=Scとする。
フーリエモデルで計算する場合、マイクロホン3が受音する時間領域における収録波形yは、y=gx=Scx=S(cx)のように表すことができる。
Sは、式(13)のように、K行、2N+1列の行列であり、K(2N+1)回の乗算が必要である。また、cは、式(13)のように、2N+1行、M列の行列であり、(2N+1)M回の乗算が必要である。このため、式(13)の乗算回数の合計は、(M+K)(2N+1)回である。
なお、係数算出部104は、(M+K)(2N+1)が(M×K)未満のNを選択するようにしてもよい。これにより、本実施形態によれば、ステアリング係数の演算量を従来より低減することができる。
[処理手順]
次に、音響信号処理装置1の処理手順例を説明する。
図7は、本実施形態に係る音響信号処理装置1の処理のフローチャートである。
(ステップS1)操作部101は、利用者が操作した操作結果を取得する。
(ステップS2)係数算出部104は、音響信号生成部108が生成した音響信号に対して、操作結果に基づいて、テーブル記憶部103が記憶する値(exp(inθ)のテーブル)を用いて、ステアリング係数を算出する。続けて、係数算出部104は、算出したステアリング係数を係数記憶部102に記憶させる。
(ステップS3)収録信号算出部106は、音響信号生成部108が生成した音響信号を取得する。
(ステップS4)収録信号算出部106は、取得した音響信号に対して、係数記憶部102が記憶するステアリング係数を用いて、マイクロホン3が受音する収録波形を算出する。
なお、N次のフーリエ係数でモデル化において、フーリエ級数展開に限らず、テーラー展開やスプライン補間等、他の手法を用いてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、ステアリング係数をN(Nは1以上の整数)次のフーリエ級数展開でモデル化したので、ステアリング係数の演算量を低減することができる。また、本実施形態によればN(Nは1以上の整数)次のフーリエ級数展開でモデル化ので、係数記憶部102に格納するデータ量を従来より低減することができる。
なお、本発明における音響信号処理装置1の機能の全てまたは一部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより音響信号処理装置1が行う処理の全てまたは一部を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形および置換を加えることができる。
1…音響信号処理装置、101…操作部、102…係数記憶部、103…テーブル記憶部、104…係数算出部、106…収録信号算出部、107…出力部、108…音響信号生成部、109…音響信号出力部、2…音源、3…マイクロホン

Claims (6)

  1. 音源とマイクロホンのうち少なくとも1つが移動する際、前記マイクロホンが受音する信号波形を算出する音響信号処理装置であって、
    m(mは1からMの間の整数、Mは音源信号長)番目の離散時間で発した音源信号の振幅が、k(kは1からKの間の整数、Kは収録信号長)番目の離散時間に前記マイクロホンによって受音される信号の振幅がどの程度伝わるかを表したステアリング係数gk,mを、N(Nは1以上の整数)次のフーリエ級数展開でモデル化する係数算出部と、
    モデル化された前記ステアリング係数gk,mを用いて前記マイクロホンが受音する信号波形を算出する収録信号算出部と、
    を備える音響信号処理装置。
  2. kは離散化した離散時間を表し、θは離散時間における前記音源と前記マイクロホンとの角度を表し、exp(inθ)はn次のフーリエ基底関数であり、cn,mはフーリエ係数であり、
    前記フーリエ基底関数を記憶する記憶部、を備え、
    前記係数算出部は、
    前記ステアリング係数gk,mを次式で計算する、
    Figure 2020150492
    請求項1に記載の音響信号処理装置。
  3. 前記収録信号算出部は、
    前記マイクロホンによって受音される収録波形yを、K行(2N+1)列の前記フーリエ基底関数の行列に、(2N+1)行M列の前記フーリエ係数の行列を乗じることで算出する、請求項2に記載の音響信号処理装置。
  4. 前記収録信号算出部は、
    (M+K)(2N+1)が(M×K)未満のNを選択する、請求項2または請求項3に記載の音響信号処理装置。
  5. 音源とマイクロホンのうち少なくとも1つが移動する際、前記マイクロホンが受音する信号波形を算出する音響信号処理方法であって、
    係数算出部が、m(mは1からMの間の整数、Mは音源信号長)番目の離散時間で発した音源信号の振幅が、k(kは1からKの間の整数、Kは収録信号長)番目の離散時間に前記マイクロホンによって受音される信号の振幅がどの程度伝わるかを表したステアリング係数gk,mを、N(Nは1以上の整数)次のフーリエ級数展開でモデル化する係数算出手順と、
    収録信号算出部が、モデル化された前記ステアリング係数gk,mを用いて前記マイクロホンが受音する信号波形を算出する収録信号算出手順と、
    を含む音響信号処理方法。
  6. 音源とマイクロホンのうち少なくとも1つが移動する際、前記マイクロホンが受音する信号波形を算出する音響信号処理装置のコンピュータに、
    m(mは1からMの間の整数、Mは音源信号長)番目の離散時間で発した音源信号の振幅が、k(kは1からKの間の整数、Kは収録信号長)番目の離散時間に前記マイクロホンによって受音される信号の振幅がどの程度伝わるかを表したステアリング係数gk,mを、N(Nは1以上の整数)次のフーリエ級数展開でモデル化する係数算出手順と、
    モデル化された前記ステアリング係数gk,mを用いて前記マイクロホンが受音する信号波形を算出する収録信号算出手順と、
    を実行させるプログラム。
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