JP2020149538A - 印刷システム - Google Patents
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Abstract
【課題】様々な形状や厚みの被印刷物に応じて印刷をすることができ、少量多種の印刷であっても対応する印刷システムを提供する。【解決手段】被検出部を有する被印刷物が載置される載置台と、前記載置台に載置された前記被印刷物をスキャンするスキャナと、前記スキャナの取得結果に基づいて前記被印刷物の形状を特定する特定手段と、前記特定手段の特定結果に基づいて、前記載置台に載置された前記被印刷物に画像形成する画像形成手段と、を備える。【選択図】図6
Description
本発明は、印刷システムに関するものである。
通常の用紙よりも厚く、展開した状態では長い帯状となるダンボールは、一般的に、箱となった場合に周壁部分となる本体部分の表面に何らかの印刷が施される一方で、蓋部分となるフラップには印刷されない場合が多い。
このようなダンボールに対する印刷工程では、本体部分及びフラップを展開して平らに広げて、長い帯状にして印刷する。その印刷には、例えば回転駆動される円筒状の印刷ドラムに柔らかい版を巻き付けた印刷装置が用いられていたが、ダンボールを印刷ドラムに近づけるように持ち上げて搬送すると、長い帯状であるがゆえに、搬送の安定性が損なわれ、安定した印刷が行えないといった問題があった。
そこで、特許文献1では、ダンボール搬送側ではなく、印刷ドラム側をダンボールの厚みに応じて昇降可能として、搬送されるダンボールに余分な負荷を加えず、搬送安定性を確保できる印刷装置を提案している。
しかしながら、ダンボールは厚みだけでなく、サイズを含む形状等が梱包目的によって様々であり、特許文献1に開示された印刷装置では、ダンボールの形状等に応じた印刷に対応できていない。
本発明の課題は、載置台に載置された様々な形状の被印刷物に応じた画像を、被印刷物ごとに形成することができる印刷システムを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る印刷システムは、被検出部を有する被印刷物が載置される載置台と、前記載置台に載置された前記被印刷物をスキャンするスキャナと、前記スキャナの取得結果に基づいて前記被印刷物の形状を特定する特定手段と、前記特定手段の特定結果に基づいて、前記載置台に載置された前記被印刷物に画像形成する画像形成手段と、を備える。
本発明によれば、載置台に載置された様々な形状の被印刷物に応じた画像を、被印刷物ごとに形成することができる。
始めに、被印刷物の座標情報や厚み情報を取得し、取得結果としてそれら被印刷物の状態情報を得た後の印字情報/印刷情報の条件決めに関して、概要を説明する。
(座標情報に関して)
まず、スキャンに際して載置台に載置された被印刷物のサイズを含む形状、載置台上での位置や姿勢を特定する際の被検出部としての基準について、説明する。これには、被印刷物に穴を設けて基準穴とする場合(図1a、基準穴A〜D)と、被印刷物の角部を基準角とする場合(図1b、基準角A〜D)とが考えられる。その厳密な基準については、基準穴の場合には、その穴の中心を、基準角の場合には、該角を形成する2辺の線分の交点をもって基準とする。これら基準穴や基準角が載置台座標のどこにあるかを把握することで、被印刷物の形状、位置や姿勢が特定される。なお、本願でいう「形状」には、被印刷物の幾何学的な形状(正方形、台形、長方形等)、及びサイズ、即ち、被印刷物の大きさを含む。
まず、スキャンに際して載置台に載置された被印刷物のサイズを含む形状、載置台上での位置や姿勢を特定する際の被検出部としての基準について、説明する。これには、被印刷物に穴を設けて基準穴とする場合(図1a、基準穴A〜D)と、被印刷物の角部を基準角とする場合(図1b、基準角A〜D)とが考えられる。その厳密な基準については、基準穴の場合には、その穴の中心を、基準角の場合には、該角を形成する2辺の線分の交点をもって基準とする。これら基準穴や基準角が載置台座標のどこにあるかを把握することで、被印刷物の形状、位置や姿勢が特定される。なお、本願でいう「形状」には、被印刷物の幾何学的な形状(正方形、台形、長方形等)、及びサイズ、即ち、被印刷物の大きさを含む。
また、被印刷物が、その形状に方向性がある場合、上下あるいは左右を判別するために、上下あるいは左右が分かる所定の形状やマークを予め印字するか、それらの穴を開けるようにする(図1c)。図1cでは、被印刷物としてのダンボールの上側に所定マークを備える例を示しており、本体部分に設けられた基準穴A、Bのほか、ダンボールとして組み立て折り畳まれる際に内側に隠れるフラップに主基準(図の黒四角、左側を意味する)、従基準(図の黒三角、右側を意味する)を設けている。これらを認識することで、方向性のある被印刷物に対して、その形状や位置だけでなく、姿勢を把握することができ、印字データでの主基準や従基準を重ねて位置合わせを行うことで。狙いの位置へ印字データを印刷することができるようになる。被検出部は、穴、角部、予め印字されたマーク/形状のほか、被印刷物に貼り付けられたシールのような別部材で構成することも考えられる。
(厚み情報に関して)
被印刷物の厚み情報は、スキャン時の陰影イメージから得られる。つまり、スキャナを厚み検知手段としても用いることができるのである。スキャンの性質上、スキャナ面と被スキャン物との間に隙間ができている場合、図2に示すように、光を照射した時に反射光が返らなくなり、スキャン画像はその距離に応じて徐々に暗くなる(最終的に反射光がなくなると黒くなる)。本実施形態では、この性質を利用した厚み検知(記録ヘッドと印字面/印刷面と間の距離検出)を行う。
被印刷物の厚み情報は、スキャン時の陰影イメージから得られる。つまり、スキャナを厚み検知手段としても用いることができるのである。スキャンの性質上、スキャナ面と被スキャン物との間に隙間ができている場合、図2に示すように、光を照射した時に反射光が返らなくなり、スキャン画像はその距離に応じて徐々に暗くなる(最終的に反射光がなくなると黒くなる)。本実施形態では、この性質を利用した厚み検知(記録ヘッドと印字面/印刷面と間の距離検出)を行う。
これを、被印刷物としてのダンボールを載置台に載置してスキャンする際の陰影レベルのイメージを図3に示す。これは、載置台の陰影レベル(最大陰影レベル)が「5」で、且つダンボールの厚み種類が5つある場合のイメージである。そして、記録ヘッドとダンボールの印字面/印刷面の最大距離を6mm、最大ダンボール厚みを5mmとするとき、適正距離時の陰影レベルを0とすると、ダンボール厚さは表1に示されるように算出される。
つまり、印字品質を良好にするため、記録ヘッド(記録装置のヘッド面)とダンボールの印字面/印刷面の距離を所定の、例えば1mmとする手順としては次のようになる。スキャナ位置が載置台面に対し高さ6mmであるとき、載置台面をプレスキャンした場合、スキャン画像は、図3bのようになる(図上、ダンボールは、厚さ5mm〜1mmの5種類)。
このとき、スキャナ面(=ヘッド面)と厚さ5mmのダンボール面(=印字面)は、狙いとしたヘッドと印字面との間の所定距離が1mmであるため、陰影レベルは0でスキャンされる。次に、厚さ4mmのダンボールの面は、狙いとしたヘッドと印字面との間の所定距離1mmに対して+1mmであるため、スキャン画像は、適正距離時の画像より暗く(陰影レベル:1)スキャンされる。同様に、厚さ3mmのダンボールの面は、狙いとしたヘッドと印字面との間の所定距離1mmに対し+2mmであるため、スキャン画像は、適正距離時の画像より更に暗く(陰影レベル:2)スキャンされる。厚さ2mm、厚さ1mmのダンボールに対しても、それぞれ陰影レベル3、陰影レベル4としてスキャンされる。最終的に載置台面はスキャナ面から6mmであるため、陰影レベル5の暗さでスキャン画像として取り込まれる。このように陰影レベルは、ダンボールの厚みに応じて変わり、要するに陰影レベルからダンボールの厚みを算出することが可能である。よって、それぞれのダンボールの厚みに応じて、画像形成手段としての記録ヘッドをZ軸方向に移動することでヘッド面の高さを変えて(狙いとしたヘッド面と印刷面の間の距離が1mmとなるよう、厚み+1mmで)印刷することが可能である(なお、ヘッド高さ方向位置を固定として、載置台の高さを変えるような構成としてもよい)。
ちなみに、スキャン時の陰影イメージから被印刷物の厚み情報を取得することに代えて、記録ヘッドと被印刷物の被画像面との距離を直接、レーザ変位計等の非接触式測定器やダイヤルゲージ等の接触式測定器で計測して、その値を用いることも当然ながら可能である。
(印刷情報/印字情報の条件決め)
以上のようにして取得された座標情報や厚み情報(被印刷物の状態情報)に対してパソコンの画像処理部で行われる画像情報の加工として印刷情報/印字情報の条件決めは例えば次のように行われる。
以上のようにして取得された座標情報や厚み情報(被印刷物の状態情報)に対してパソコンの画像処理部で行われる画像情報の加工として印刷情報/印字情報の条件決めは例えば次のように行われる。
被印刷物の形状に方向性がない場合、例えばパソコンの表示部であるモニタ画像上に現れるスキャン画像における基準穴/基準角の座標を基準に、印字/印刷したいデータの印字条件/印刷条件を決める(図4a)。角度変更については、モニタ画面上ではスキャン画像上に正立したまま示されるが、実際には図4bのように傾けられ、拡大/縮小については、モニタ画面上でのスキャン画像上にも拡大/縮小された印字状態が示される。実際の印字イメージは図4cのようになる(載置台に2枚の被印刷物が載置され、一方には等倍の印字を行い、他方には拡大の印字を行う場合)。被印刷物に方向性がないので、図4cのような正立文字でなく、倒立した状態で印字することもあり得る。
また、被印刷物の形状に方向性がある場合には、モニタ画像上に現れるスキャン画像における基準穴/基準角や主基準、従基準の座標を基準に、印字/印刷したいデータの印字条件/印刷条件を決める(図5a)。印刷情報/印字情報の方向性については、スキャン画像と印字データにおけるそれぞれの主基準、従基準を合わせる。角度変更については、モニタ画面上ではスキャン画像上に正立したまま示されるが、実際には図5bのように傾けられ、拡大/縮小については、モニタ画面上でのスキャン画像上にも拡大/縮小された印字状態が示される。実際の印字イメージは図5cのようになる(載置台に2枚の被印刷物が載置され、一方には等倍の印字を行い、他方には拡大の印字を行う場合)。
本実施形態に係る印刷システム100は、図6、図7に示すように、印刷装置1と、該印刷装置1に接続されたパソコン9とからなる。印刷装置1は、載置台に載置された被印刷物の座標情報や厚み情報を取得し、また印字情報/印刷情報の条件決めがなされた後に載置台に載置された被印刷物へ印字/印刷を行うもので、載置台3上に載置されたダンボール等の被印刷物5をスキャンするスキャナ7と、載置台に載置された被印刷物5に画像情報に応じた画像を形成する画像形成手段たる記録装置とを備える。該印刷装置1は、被印刷物の形状、位置、姿勢を演算処理する特定手段たる画像処理部(画像情報加工手段も兼ねる)を有するパソコン9に電装BOX10を介して接続されている。
画像形成手段である記録装置は、本実施形態の場合、インクジェット式の記録装置である。周知のように、キャリッジ11の筐体の被印刷物側に面した面に取り付けられ、被印刷物5にインクを吐出する記録ヘッド13(各色に対応してそれぞれ少なくとも1個)、各記録ヘッド13に若しくは同色用の記録ヘッド13に共通して付設され各記録ヘッド13に対応する色のインクを供給するヘッドタンクやインクカートリッジを備えている。インクジェット式記録装置の構成は周知なので、その描写や詳細な説明は割愛するが、図示のようなフラットベッド型に代表されるシリアル機(記録ヘッドを往復運動させて1ラインずつ印字を行う印字機)だけでなく、ライン機(紙幅の記録ヘッドを用いて主走査方向には非走査で印字を行う印字機)でも、本実施形態に係る印刷システムに適用可能である。
スキャナ7は、載置台3の全幅(X軸方向)をカバーする長さを有し、キャリッジ11に繋がっていて、キャリッジ11と共に副走査ガイドレール21に沿ってY軸方向に移動させられるようになっている一方、キャリッジ11のX軸方向移動に際しては不動である。
載置台3は、図7に示すように、支柱47に支えられ、被印刷物5を載せて、X軸方向、Y軸方向には不動で、上下(Z軸方向)に移動可能に構成されている(上下方向への移動機構については図示を省略する)。記録装置の吐出面であるヘッド面とスキャナ7のスキャナ面は同じ面にあり、スキャナ7によって取得された被印刷物5の厚みに応じて載置台3が上昇することで、記録装置のヘッド面と被印刷物5の印字面/印刷面が適切な距離となる。なお、載置台3が被印刷物を全体的に、あるいは部分的(印字対象領域は載置台上)に載せて、周知の移動機構によってY軸方向に水平に移動可能に構成されていてもよい。この場合、ラインスキャナであるスキャナ7をY軸方向に動かす代わりに、ラインスキャナを不動にして、載置台をY軸方向に移動させる際にスキャンする。そして、キャリッジがZ軸方向に移動可能で、被印刷物の厚みに応じて変位して、記録装置のヘッド面と被印刷物の印字面/印刷面が適切な距離をとるようになる。
本実施形態に係る印刷システムにおける記録装置の移動動作を説明すると、記録ヘッド13等を備えたキャリッジ11は、主走査モータ15によって主走査ガイドレール17に沿ってX軸方向に移動させられるとともに、副走査モータ19によって副走査ガイドレール21に沿ってY軸方向に移動させられる。キャリッジ11のX軸方向移動は、該キャリッジ11に繋がったタイミングベルト23が、主走査モータ15に例えば直結された駆動プーリ25と従動プーリ27とに掛け回され、主走査モータ15の駆動によって回されることで実行される。キャリッジ11のX軸方向移動(変位)は、キャリッジ11に付設されたエンコーダセンサ29と、X軸方向に沿って設けられたエンコーダスケール31とを用いて、認識される。キャリッジ11のY軸方向移動は、該キャリッジ11の副走査ガイドレール21外側両端に設けられた副走査ローラ33が、副走査モータ19に例えば直結された駆動プーリ35と、副走査ローラ33とローラ軸37を介して接続した従動プーリ39とに掛け回されたタイミングベルト41を副走査モータ19の駆動によって回すことで、副走査ガイドレール21に沿って移動することで、実行される。キャリッジ11のY軸方向移動(変位)は、副走査ローラ33のための従動プーリ39に付設されたエンコーダホイール43と、これを読み取るエンコーダセンサ45とを用いて、認識される。
以上のような構成の印刷装置1において、被印刷物に印字/印刷する場合の基本的な流れをまず説明すると、載置台3に被印刷物5をセットし、しかる後に、スキャナ7によって、載置台3を全体にスキャンし、載置台3に載置された被印刷物5の座標情報と厚み情報とを取得する。これら被印刷物5の状態情報をパソコンの画像処理部に取り込んで、被印刷物の形状、載置台上の位置や姿勢を、演算して特定する。記録装置は、画像処理部による特定結果(即ち、被印刷物の形状、載置台上の位置や姿勢の特定結果)に基づいて、載置台3に載置された被印刷物5に画像を形成する。即ち、記録装置は、被印刷物の状態情報と、印字させたい情報とを合わせる(印字画像の方向やサイズの拡大・縮小等)。しかる後に、被印刷物の厚みに応じてキャリッジをZ軸方向に移動させて、記録装置のヘッド面と被印刷物5の印刷面とを適切な距離とした上で、被印刷物5に印刷/印字する。この結果、被印刷物がダンボールのようなものであっても印刷時に、その形状や厚みの設定を別途行う必要がなく、姿勢の配慮も不要になるので、印刷時のユーザビリティを高めることができる。
なお、載置台上にレール等が設置され、被印刷物の角部を手動で位置合わせするような構成では、設置位置や姿勢(載置向き/角度)の情報を改めて取得する必要はなく、形状の情報を特定さえすれば足りる。この場合、被印刷物の形状に応じた複数の角部や穴の各位置と互いの位置関係を抽出することで、その被印刷物の形状に対応した画像(大サイズの被印刷物ならば拡大画像A、小サイズの被印刷物ならば縮小画像B等)を被印刷物上に印字することができる。
次に、載置台上に同種の被印刷物を2枚載置し、それら被印刷物の位置特定を基準穴、基準角に基づいて行い、印刷を実行する具体的な流れを、それぞれ図8、図9に基づいて、説明する。
2枚の同種の被印刷物M、Nを、印刷装置の載置台3に載置する(図8a、図9a:例えばヘッドと印字面の間の最大距離6mm)。スキャナ7で、載置台全体(X軸方向とY軸方向の全面)をスキャンして、載置した被印刷物M、Nの状態情報を取得する。スキャンされた画像は、濃淡のある画像情報(陰影レベル情報;例えば被印刷物の陰影レベル2、載置台の陰影レベル5)としてパソコンのHDD等の情報記憶部に取り込まれる(図8b、図9b)。それら陰影レベルから厚み情報を画像処理部にて、例えば既述した表1の算出テーブルを用いて算出し(被印刷物の厚み3mm)、その「厚み情報」を情報記憶部に記憶する。一方、被印刷物が載置台のどの位置にいるかを、「基準穴の中心」(図8の場合)若しくは「線分の交点(基準角)」(図9の場合)の座標より画像処理部にて算出し、「座標情報」を情報記憶部に記憶する(図8c、図9c)。「厚み情報」と「座標情報」(特定結果)から、被印刷物の状態情報が分かるので、これらと印刷したい情報とを合わせて印字情報の条件を決めて(図4、図5)、載置台における所定座標に、即ち、載置台上の被印刷物に印字する。
以上が複数の同種被印刷物に対するスキャン・印刷の流れであるが、異なる種類の被印刷物に対してスキャン・印刷する場合も手順的には変わらない。図10に、基準穴を備えたこれら異種の被印刷物が混在して載置台上に載置された一例を示す(例えば一方の被印刷物の厚み3mm、他方の被印刷物の厚み5mm)。スキャナ7でスキャンされる被印刷物の陰影レベルは2と0となり、それらの「厚み情報」と載置台上の「座標情報」とを印刷したい情報に合わせて印字情報の条件を決めて、載置台上のそれぞれの被印刷物に印字する。これによって、載置台に複数種類の被印刷物が載置台に混在して置かれた場合でも、それぞれの被印刷物に対応する画像をまとめてそれぞれの被印刷物に形成することができ、複数種類の被印刷物の印刷に要する時間や手間を短縮することができる。
形状に方向性がある被印刷物としてのダンボールを載置台上に載置し、このダンボールの位置特定を基準角、上下・左右を区別する主基準(黒四角)と従基準(黒三角)に基づいて行い、印刷を実行する具体的な流れを、図11に示す。主基準、従基準を示すマークはプレ印刷されていてもよく、穴を開けることで形成してもよい。これら基準角、主基準、従基準が載置台座標のどこにあるかを把握すること(図11b)で、ダンボールの形状、位置や姿勢を特定することができる。これに印字データでの主基準や従基準を重ねて位置合わせを行う一方、陰影レベル(図11c)に基づく厚み情報に合わせて記録ヘッドのヘッド面とダンボールの印刷面の間の距離を適切なものとすることで、狙いの位置へ印字データを適切に印刷することができるようになる。
最後に、図12に基づいて、本実施形態に係る印刷システムにおける制御系の一概要を説明する。本実施形態に係る印刷システムは、システム構成として、パソコンのモニタ画面である表示部50と、操作部51と、制御部52と、ROM53と、情報記憶部54と、画像処理部55とを備えて構成される。表示部50は、ユーザに対して、スキャン画像と印字したいデータを共に示して、拡大/縮小、色指定等のような加工状態の認識に供する。操作部51は、ユーザが加工指定を入力するためのキーボート、マウス等の入力手段である。制御部52は、表示部50、操作部51、ROM53、情報記憶部54及び画像処理部55を制御したり、更には載置台3と画像形成手段である記録ヘッド13の少なくとも一方をZ軸方向に移動させる。ROM53には、陰影レベルから被印刷物の厚みを算出するための算出テーブルが格納されている。情報記憶部54には、スキャナで読み取られた陰影レベル等の検知情報や画像処理部55で加工された画像情報が取り込まれる。CPUである画像処理部55は、スキャンした画像から厚み情報や座標情報を算出したり、印字データを拡大/縮小したり、角度変更したり、被印刷物の方向性に応じたデータ回転をしたりする。
1 印刷装置
3 載置台
5 被印刷物
7 スキャナ
13 記録ヘッド
100 印刷システム
3 載置台
5 被印刷物
7 スキャナ
13 記録ヘッド
100 印刷システム
Claims (10)
- 被検出部を有する被印刷物が載置される載置台と、前記載置台に載置された前記被印刷物をスキャンするスキャナと、前記スキャナの取得結果に基づいて前記被印刷物の形状を特定する特定手段と、前記特定手段の特定結果に基づいて、前記載置台に載置された前記被印刷物に画像形成する画像形成手段と、を備える印刷システム。
- 前記スキャナが前記被印刷物の厚みを検知する厚み検知手段を兼ね、前記スキャナの取得結果に基づいて前記被印刷物の厚みを特定可能であることを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
- 前記特定手段が前記被印刷物の前記載置台上の位置や姿勢も特定することができることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷システム。
- 前記載置台に載置された前記被印刷物に画像形成するための画像情報を、前記被印刷物の形状、位置若しくは姿勢に応じて加工する画像情報加工手段を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の印刷システム。
- 前記被印刷物の厚みに応じて、前記被印刷物の印刷面と前記画像形成手段の間の距離を所定にすべく、前記載置台と前記画像形成手段の少なくとも一方が他方に対して移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の印刷システム。
- 前記載置台が複数の被印刷物を載置可能な大きさであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の印刷システム。
- 前記スキャナは、前記載置台に載置された互いに形状の異なる複数の被印刷物をスキャンし、前記特定手段は、前記載置台に載置された前記複数の被印刷物の形状及び載置台における位置を特定し、前記画像形成手段は、前記複数の被印刷物のそれぞれに対応した画像を、前記複数の被印刷物のそれぞれに形成することを特徴とする請求項6に記載の印刷システム。
- 前記被検出部が前記被印刷物の角部、又は前記被印刷物に形成された穴、又は前記被印刷物に予め印字されたマーク、又は前記被印刷物に貼り付けられた別部材であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の印刷システム。
- 前記被印刷物がダンボールであり、ダンボールを箱状にした際に内側となるフラップに前記被検出部を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の印刷システム。
- 前記画像形成手段がインクジェット式記録装置であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の印刷システム。
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