JP2020148446A - エコノマイザー - Google Patents

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【課題】効率よく水を加温させることができるとともに、点検及び清掃が容易な構造のエコノマイザーを得る。【解決手段】ボイラーで発生した燃焼排ガスにより水を加温するエコノマイザーにおいて、流入口12及び流出口13を側面に形成して前記水が通過する円筒状の水管11に対して、前記燃焼排ガスを流通させるために立設された複数のガス管61,62,63を配設し、前記複数のガス管は、水管底面側から導入された燃焼排ガスが水管上部で折り返して下方に流れ、更に水管下部で折り返して上方に流れて水管上面側から流出されることで水管11内の水を効率良く加温する。【選択図】図1

Description

本発明は、ボイラーへ給水される水をボイラーの燃焼排ガスで予熱するエコノマイザーに関する。
ボイラーへ給水される水を、ボイラーから廃棄される燃焼排ガスの熱で予熱を行うエコノマイザーは、熱を有効に利用可能なことから広く一般的に利用されている。
例えば、特許文献1に記載されたエコノマイザーは、ボイラー1で発生した燃焼排ガスが流通する煙道2内に、多数の水管を配設し、各水管内を流れる水が熱交換により加熱される構成となっている。また、煙道外側のU字管4及び煙道外側に鏡板5を設けることで、水管の経路を折り返し、再び逆方向に向けて煙道2を貫通させることを繰り返すことによって経路を長くするとともに、煙道2内の水管には熱吸収を良くするために多数のフィン管3が設けられている。
特許文献1に記載のエコノマイザーによれば、ボイラー1に連結する煙道2内において、給水経路を煙道上部および下部で折り返すことで煙道内に縦方向の水管を多数配置し、少なくとも下部の折り返し部(U字管4)が煙道内部に設けられている。そして、ボイラー1からブロー配管6を介してブロー水を噴射する噴霧ノズル7を煙道内の水管に向けて配置することで、水管に向けてブロー水を噴霧させ、折り返し部が水に浸かるように煙道下部の水槽(水部9)にブロー水が溜められ、水槽からオーバーフローした水が排水管8から排水される。
特許第3587895号公報
従来のエコノマイザーの構造によれば、煙道2内に配置された給水経路(水管)により、水管内の水を加温するものであるので、水管内を流れる水に対する熱吸収効率が悪く、期待通りの加温を行うことができないという課題があった。また、水管の体積が小さいため、加温された水の保有水量(例えば10〜20リットル)に限界があり、時間当たりの給水量が多くなると十分な加温が維持できなくなるという構造上の問題があった。
また、水管の外側に設けた突起物であるフィン管3に燃焼排ガスが接触するので、汚れが付着し易くこれを除去することが困難であるという課題があった。
本発明は、上記実情に鑑みて提案されたものであり、効率よく水を加温させることができるとともに、点検及び清掃が容易な構造のエコノマイザーを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため本発明(請求項1)は、ボイラーで発生した燃焼排ガスにより水を加温するエコノマイザーにおいて、
流入口(12)及び流出口(13)を側面に形成して前記水が通過する円筒状の水管(11)に対して、前記燃焼排ガスを流通させるために立設された複数のガス管(61,62,63)を配設し、前記複数のガス管は、水管底面側から導入された燃焼排ガスが水管上部で折り返して下方に流れ、更に水管下部で折り返して上方に流れて水管上面側から流出されることを特徴としている。
請求項2は、ボイラーで発生した燃焼排ガスにより水を加温するエコノマイザーにおいて、
流入口(12)及び流出口(13)を側面に形成して前記水が通過する円筒状の水管(11)内の下端位置にガス導入口(燃焼排ガス導入口15)に臨む燃焼排ガス導入室(20)と、前記燃焼排ガス導入室(20)に対して区画された下部連結室(30)を設け、
前記水管内の上端位置にガス排気口(燃焼排ガス排気口19)に臨む燃焼排ガス排気室(40)と、前記燃焼排ガス排気室(40)に対して区画されて前記燃焼排ガス排気室を囲む上部環状連結室(50)を設け、
前記水管(11)内に前記燃焼排ガスを流通させるため、前記燃焼排ガス導入室(20)と前記上部環状連結室(50)とを連結するように前記水管(11)の内壁周囲に沿って立設された複数の第1のガス管(61)と、
前記上部環状連結室(50)と前記下部連結室(30)とを連結するように前記第1のガス管の内側位置に立設された複数の第2のガス管(62)と
前記下部連結室(30)と前記燃焼排ガス排気室(40)とを連結するように前記第2のガス管の内側位置に立設された複数の第3のガス管(63)と、
を備えたことを特徴としている。
請求項3は、請求項2のエコノマイザーにおいて、
複数の第1のガス管(61)は一列に均等に環状配置され、複数の第2のガス管(62)は一列に均等に環状配置されたことを特徴としている。
請求項4は、請求項2のエコノマイザーにおいて、
前記下部連結室(30)は、前記燃焼排ガス導入室(20)側に凸となる円錐空間で形成されたことを特徴としている。
請求項5は、請求項2のエコノマイザーにおいて、
前記第1のガス管(61)の断面積の合計と、前記第2のガス管(62)の断面積の合計と、前記第3のガス管(63)の断面積の合計とがそれぞれ等しいことを特徴としている。
請求項6は、請求項5のエコノマイザーにおいて、
前記第1のガス管(61)の本数と、前記第2のガス管(62)の本数と、前記第3のガス管(63)の本数とがそれぞれ等しいことを特徴としている。
請求項7は、請求項1又は請求項2のエコノマイザーにおいて、
前記流入口(12)は水管側面下方位置に、前記流出口(13)は水管側面上方位置にそれぞれ形成することを特徴としている。
請求項8は、請求項1又は請求項2のエコノマイザーにおいて、
水管(11)の上端を蓋体で構成することで、前記蓋体の開閉で第1のガス管(61)、第2のガス管(62)及び第3のガス管(63)の各開口が臨めるようにしたことを特徴としている。
請求項9は、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のエコノマイザーにおいて、
前記水管を圧力水容器で構成することを特徴としている。
請求項1及び請求項2のエコノマイザーによれば、燃焼排ガスを流通させるために立設された複数のガス管(61,62,63)を水管(11)内に配設することで、水管内に供給される水がガス管の周囲で効率良く加温される。
請求項3によれば、燃焼排ガス導入室(20)に導かれた燃焼排ガスが最も外側に環状配置された複数の第1のガス管(61)に流れ、続いてその内側に環状配置された複数の第2のガス管(62)に流れることで、水管(11)に供給される水を効率良く加温することができる。
請求項4によれば、下部連結室(30)を燃焼排ガス導入室(20)側に凸となる円錐空間で形成することで、燃焼排ガス導入室(20)から第1のガス管(61)へ燃焼排ガスを流れ易くすることができる。
請求項5によれば、第1のガス管(61)、第2のガス管(62)、第3のガス管(63)の各断面積の合計の総数を等しくすることで、ガス管からガス管へ燃焼排ガスが流れるに際して、抵抗の発生を抑えて流れ易くすることができる。
請求項6によれば、第1のガス管(61)、第2のガス管(62)、第3のガス管(63)の各管の本数を等しくすることで、第1のガス管、第2のガス管、第3のガス管について同一の大きさにすることできる。
請求項7によれば、流入口(12)を下方位置に、流出口(13)を上方位置に形成することで、加温された水を流出し易くすることができる。
請求項8によれば、蓋体の開閉で第1のガス管(61)、第2のガス管(62)及び第3のガス管(63)の各開口が臨めるようにすることで、各ガス管の内部の点検や清掃を容易に行うことが可能となる。
請求項9によれば、水管(11)を圧力水容器で構成することで加温された水を100℃以上の温度にすることができる。
本発明のエコノマイザーの縦断面説明図である。 図1のII−II線断面説明図である。 図1のIII−III線断面説明図である。 従来のエコノマイザーの構造を示す構成説明図である。
本発明に係るエコノマイザーの実施形態の一例について、図1〜図3を参照しながら説明する。
エコノマイザーは、ボイラーで発生した燃焼排ガスにより水を加温するものであり、図1に示すように、円筒状の水管(水容器)11に対して、流入口12及び流出口13を側面に形成している。流入口12は水管側面における下方位置に形成され、流出口13は水管側面の上方位置に形成され、流入口12から供給された水(給水)が水管内部で温められて上昇し流出口13から流出(排水)するように構成されている。
また、流入口12の対向位置に下部連結管22が、流出口13の対向位置に上部連結管23がそれぞれ形成され、各連結管22,23には水位計(図示せず)が接続されることで、水管11内の水位を検知して水管11内の水容量(保有水量)を制御可能に構成している。
水が通過する円筒状の水管11内の下方位置には円板状の下部区画壁14が装着され、水管11の下端位置に形成されたガス導入口15に臨む燃焼排ガス導入室20が形成されている。
また、下部区画壁14の下面側を円錐蓋部16で塞ぐことで、燃焼排ガス導入室20に対して区画された下部連結室30が形成されている。下部連結室30は、円錐蓋部16で塞がれているため、燃焼排ガス導入室側に凸となる円錐空間で構成されている。
水管11内の上方位置には円板状の上部区画壁17が装着され、上部区画壁17と水管11の天板裏面との間に環状区画壁18が装着されることで、水管11の上端位置に形成されたガス排気口19に臨む燃焼排ガス排気室40と、燃焼排ガス排気室40を囲む上部環状連結室50が形成されている。
水管11内には、燃焼排ガスを流通させるため、複数のガス管が配設されている。ガス管は、下部区画壁14及び上部区画壁17を貫通して燃焼排ガス導入室20と上部環状連結室50とを連結するように水管11の内壁周囲に沿って立設された複数の第1のガス管61と、下部区画壁14及び上部区画壁17を貫通して上部環状連結室50と下部連結室30とを連結するように第1のガス管61の内側位置に立設された複数の第2のガス管62と、下部区画壁14及び上部区画壁17を貫通して下部連結室30と燃焼排ガス排気室40とを連結するように第2のガス管62の内側位置に立設された複数の第3のガス管63とから構成されている。
次に、第1のガス管61、第2のガス管62、第3のガス管63の立設位置について、図2及び図3を参照しながら説明する。
第1のガス管61は、水管11の内壁に沿って一列に環状に15本が均等に配置され、燃焼排ガス導入室20と上部環状連結室50とを連通するように構成され、ガス導入口15から燃焼排ガス導入室20に導かれた燃焼排ガスが複数の第1のガス管61を通って上方に移動し、一旦上部環状連結室50に導かれる。
第2のガス管62は、第1のガス管61の内側位置に一列に環状に15本が均等に配置され、上部環状連結室50と下部連結室30とを連通するように構成されることで、上部環状連結室50からの燃焼排ガスが複数の第2のガス管62を通って下方に移動し、一旦下部連結室30に導かれる。
第3のガス管63は、水管11内の中央に1本、その周りに一列に環状に6本が均等に配置され、更にその周りに一列に環状に8本が均等に配置され、下部連結室30と燃焼排ガス排気室40とを連通するように構成されることで、下部連結室30からの燃焼排ガスが複数の第3のガス管63を通って上方に移動し、燃焼排ガス排気室40を介してガス排気口19から排出される。
上述した構成において、第1のガス管61及び第2のガス管62及び第3のガス管63は、それぞれ同じ数(15本)だけ設けられ、各ガス管の直径も同じにして流通路となる総断面積が同じになるように形成されている。これは、燃焼排ガスが第1のガス管61から第2のガス管62へ、第2のガス管62から第3のガス管63へ移動するに際して生じる抵抗が少なくなるようにするためである。
また、水管の上端を蓋体で構成することで、蓋体の開閉で第1のガス管、第2のガス管及び第3のガス管の各開口が外側から臨めるようなっている。蓋体は、例えば上側に開く構造や、水管本体に対してスライドして開く構造でもよい。蓋体の開閉で第1のガス管61、第2のガス管62及び第3のガス管63の各開口が臨めるようにすることで、ガス管内の点検を容易するとともに、この部分から高圧洗浄水を使用してガス管の内部の清掃を容易に行うことが可能となる。
上述したエコノマイザーの構造によれば、ガス導入口15から導入された高温の燃焼排ガスは、第1のガス管61を通過して上方へ流れて上部環状連結室50に流れる。ガス導入口15から導入された燃焼排ガスは、円錐蓋部16に沿って中心部から外側に流れるため、水管11の内壁近くに配置された第1のガス管61へ流れ易くすることができる。
続いて、燃焼排ガスは上部環状連結室50で跳ね返り第2のガス管62を通過して下方へ移動し、下部連結室30に流れて円錐蓋部16に衝突する。
燃焼排気ガスは衝突で跳ね返り、第3のガス管63を通過して上方へ移動して燃焼排ガス排気室40に流れ、燃焼排ガス排気口19から排出される。
また、水管11の流入口12から供給された水は、ガス管61,62,63の周囲に接して加温しながら水管11内を下から上へ移動し、流出口13から流出される。
上述したエコノマイザーによれば、燃焼排ガスを流通させるために立設された複数のガス管(第1のガス管61、第2のガス管62、第3のガス管63)を水管11内に配設することで、水管11内に供給される水がガス管の周囲で効率良く加温される。
すなわち、水管11内にガス管が配設されるため、水管11の体積を十分に大きくすることができるので保有水量(例えば200〜400リットル、好ましくは300リットル以上)を多くでき、時間当たりの給水量が増加してもそれによる水の温度低下を抑えることができ、十分な加温(100℃程度まで可能)を維持できるという効果がある。
また、燃焼排ガスは水管11内に直接導かれることが無く、各ガス管内を流通するだけなので、水管11内に燃焼排ガスによる汚れが付着することがない。
また、水管上部を蓋体に形成することで、第1のガス管61、第2のガス管62及び第3のガス管63の各開口が臨めるようにしてガス管内部の清掃を容易に行うことができる。
上述したエコノマイザーの水管11は、保有水の水面に大気圧がかかり、水管内部で温められた水が流出口13から流出(排水)する水容器で構成したが、大気圧と異なる一定の圧力で水が貯留する圧力水容器で構成してもよい。水管11を圧力水容器とした場合、加温された水を100℃以上の150℃程度まで上昇させることができる。
11…水管(水容器、圧力水容器)
12…流入口
13…流出口
15…燃焼排ガス導入口
16…円錐蓋部
18…環状区画壁
19…燃焼排ガス排気口
20…燃焼排ガス導入室
22…下部連結管
23…上部連結管
30…下部連結室(円錐空間)
40…燃焼排ガス排出室
50…上部環状連結室
61…第1のガス管
62…第2のガス管
63…第3のガス管
上述したエコノマイザーの水管11は、保有水の水面に大気圧がかかり、水管内部で温められた水が流出口13から流出(排水)する水容器で構成したが、大気圧と異なる一定の圧力で水が貯留する圧力水容器で構成してもよい。水管11を圧力水容器とした場合、加温された水を100℃以上の150℃程度まで上昇させることができる。
また、上述したエコノマイザーの各ガス管(第1のガス管61、第2のガス管62、第3のガス管63)は、壁面がストレートな管を使用したが、その外周において鉛直方向に山及び谷が連続する蛇腹形状で構成してもよい。この場合、蛇腹形状とすることで、水管11内においてガス管の外周壁を介して水に接する面積を広くし、熱の伝導効率を高めることができる。
請求項8は、請求項2のエコノマイザーにおいて、
水管(11)の上端を蓋体で構成することで、前記蓋体の開閉で第1のガス管(61)、第2のガス管(62)及び第3のガス管(63)の各開口が臨めるようにしたことを特徴としている。

Claims (9)

  1. ボイラーで発生した燃焼排ガスにより水を加温するエコノマイザーにおいて、
    流入口及び流出口を側面に形成して前記水が通過する円筒状の水管に対して、
    前記燃焼排ガスを流通させるために立設された複数のガス管を配設し、
    前記複数のガス管は、水管底面側から導入された燃焼排ガスが水管上部で折り返して下方に流れ、更に水管下部で折り返して上方に流れて水管上面側から流出される
    ことを特徴とするエコノマイザー。
  2. ボイラーで発生した燃焼排ガスにより水を加温するエコノマイザーにおいて、
    流入口及び流出口を側面に形成して前記水が通過する円筒状の水管内の下端位置にガス導入口に臨む燃焼排ガス導入室と、前記燃焼排ガス導入室に対して区画された下部連結室を設け、
    前記水管内の上端位置にガス排気口に臨む燃焼排ガス排気室と、前記燃焼排ガス排気室に対して区画されて前記燃焼排ガス排気室を囲む上部環状連結室を設け、
    前記水管内に前記燃焼排ガスを流通させるため、前記燃焼排ガス導入室と前記上部環状連結室とを連結するように前記水管の内壁周囲に沿って立設された複数の第1のガス管と、
    前記上部環状連結室と前記下部連結室とを連結するように前記第1のガス管の内側位置に立設された複数の第2のガス管と
    前記下部連結室と前記燃焼排ガス排気室とを連結するように前記第2のガス管の内側位置に立設された複数の第3のガス管と、
    を備えたことを特徴とするエコノマイザー。
  3. 複数の第1のガス管は一列に均等に環状配置され、複数の第2のガス管は一列に均等に環状配置された請求項2に記載のエコノマイザー。
  4. 前記下部連結室は、前記燃焼排ガス導入室側に凸となる円錐空間で形成された請求項2に記載のエコノマイザー。
  5. 前記第1のガス管の断面積の合計と、前記第2のガス管の断面積の合計と、前記第3のガス管の断面積の合計とがそれぞれ等しい請求項2に記載のエコノマイザー。
  6. 前記第1のガス管の本数と、前記第2のガス管の本数と、前記第3のガス管の本数とがそれぞれ等しい請求項5に記載のエコノマイザー。
  7. 前記流入口は水管側面下方位置に、前記流出口は水管側面上方位置にそれぞれ形成する請求項1又は請求項2に記載のエコノマイザー。
  8. 水管の上端を蓋体で構成することで、前記蓋体の開閉で第1のガス管、第2のガス管及び第3のガス管の各開口が臨めるようにした請求項1又は請求項2に記載のエコノマイザー。
  9. 前記水管を圧力水容器で構成する請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のエコノマイザー。
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