JP2020148401A - 冷却装置の制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却装置を制御する方法において、低い冷却出力の領域においても、従来よりも高い冷却効率で二次冷媒を冷却することができる制御方法を提供する。【解決手段】一次冷媒を加圧するコンプレッサ3と、コンプレッサ3により加圧された一次冷媒を冷却する凝縮器4と、凝縮器4により冷却された一次冷媒を膨張させる膨張器5と、膨張器5により膨張された一次冷媒によって、冷却対象装置30を冷却するための二次冷媒を冷却する蒸発器6とを備えた冷却装置2の動作を制御する方法である。この制御方法では、冷却出力を消費電力で除して得られる冷却効率が、その最大値を含む予め定められた範囲内の値となるような冷却出力に設定してコンプレッサ3を動作させるとともに、コンプレッサ3を断続的に動作させる。【選択図】図4

Description

本発明は、冷却対象装置を冷却するための二次冷媒を一次冷媒によって冷却するように構成された冷却装置の制御方法に関する。
例えば、工作機械の分野では、主軸が回転することにより、当該主軸を支持するベアリング等が発熱し、この発熱によって主軸やこれを保持する主軸台が熱変位し、このような熱変位により主軸と刃物台との間の相対的な位置関係が変動することによって、加工精度が悪化することが知られている。そこで、従来、主軸や主軸台が熱変位するのを防止するために、適宜冷却システムによって当該主軸や主軸台を冷却するようにしている(下記特許文献1参照)。
このような冷却システムの一般的な構成を図4に示す。同図4に示すように、この冷却システム1は、一次冷媒を冷却し、冷却した一次冷媒との熱交換によって二次冷媒を冷却する冷却装置2と、この冷却装置2によって冷却された二次冷媒を冷却対象装置30に供給して当該冷却対象装置30を冷却する対象冷却部10と、冷却装置2及び対象冷却部10を制御する制御装置20とから構成される。尚、一般的に、一次冷媒としては、代替フロンなどの気体が用いられ、二次冷媒としては、グリコール水溶液や鉱物油などの液体が用いられる。また、以下では、一例として、工作機械を冷却対象装置30として説明する。
前記冷却装置2は、一次冷媒を加圧するコンプレッサ3と、コンプレッサ3により加圧された一次冷媒を冷却する凝縮器4と、凝縮器4により冷却された一次冷媒を膨張させる膨張器5と、膨張器5により膨張された一次冷媒によって二次冷媒を冷却する蒸発器6とを備えている。また、凝縮器4は空冷式の熱交換器4a、この熱交換器4aに送気するファン4b、及びこのファン4bを駆動するモータ4cからなり、前記熱交換器4aによって一次冷媒を冷却する。
前記コンプレッサ3と凝縮器4の熱交換器4aとは管路7aによって接続され、熱交換器4aと膨張器5とは管路7bによって接続されている。また、膨張器5と蒸発器6とは管路7cによって接続され、蒸発器6とコンプレッサ3とは管路7dによって接続されている。斯くして、これら管路7a,7b,7c,7dによって循環路が形成される。
この冷却装置2によれば、コンプレッサ3によって一次冷媒を加圧することにより、その際の断熱圧縮作用により一次冷媒が昇温され、昇温された一次冷媒は管路7aを通じて熱交換器4aに流入する。そして、一次冷媒は熱交換器4aにおける外気との間の熱交換によって冷却された後、管路7bを通じて膨張器5に流入する。ついで、一次冷媒は、この膨張器5を通過することにより膨張され、その際の断熱膨張作用によって更に温度が低下した状態となる。この後、一次冷媒は管路7cを通して蒸発器6に流入し、この蒸発器6において二次冷媒との熱交換により当該二次冷媒を冷却した後、管路7bを通じてコンプレッサ3に還流される。
尚、この冷却装置2では、前記管路7cと管路7dとはバルブ8が介装された管路9によって連通されており、バルブ8が開いているとき、蒸発器6における熱交換作用により昇温した一次冷媒の一部が前記管路9を通して管路7cに流入して、膨張器5から当該管路7cに流入した一次冷媒を加温するようになっている。この管路9はバイパス経路を形成する。
一方、前記対象冷却部10は、二次冷媒が貯留されるタンク11と、このタンク11内の二次冷媒を管路13aを通じて汲み上げ、汲み上げた二次冷媒を管路13bを通して前記冷却対象装置30に供給するポンプ12とを備えており、供給される二次冷媒によって冷却対象装置30が所定の温度に冷却される。尚、冷却対象装置30に供給され、当該冷却対象装置30との熱交換によって昇温した二次冷媒は管路13cを経て蒸発器6に流入し、この蒸発器6における一次冷媒との熱交換により冷却された後、管路13dを通してタンク11に還流される。斯くして、管路13a,13b,13c,13dは、タンク11と冷却対象装置30との間で二次冷媒を循環させる循環路を形成する。
前記制御装置20は、前記コンプレッサ3、凝縮器4のモータ4c、膨張器5、バルブ8及びポンプ12の作動をそれぞれ制御する。特に、制御装置20は、冷却対象装置30の稼働状態に応じて変動する二次冷媒の温度に応じて、前記コンプレッサ3の加圧力を調整して、冷却装置2の冷却出力(言い換えれば、吸熱量)を調整する。
即ち、制御装置20は、少なくとも、蒸発器6に流入する前の二次冷媒の温度(即ち、一次冷媒との熱交換前の二次冷媒の温度)、蒸発器6から流出した後の二次冷媒の温度(即ち、一次冷媒との熱交換後の二次冷媒の温度)、及び室温に基づいて、所謂、フィードバック制御により、例えば、蒸発器6に流入する前の二次冷媒の温度が室温とほぼ同じ温度になるように、コンプレッサ3の圧力を調整して、冷却装置2の冷却出力を調整する。
より具体的には、例えば、冷却対象装置30が加工を行っている場合には、その際の発熱量が冷却装置2の設定出力より高い場合には、蒸発器6に流入する前の二次冷媒の温度は徐々に上昇することになるが、この場合、前記制御装置20は、コンプレッサ3の圧力をより高圧にして、冷却装置2の冷却出力をより高出力にすることによって、二次冷媒から一次冷媒に吸収される熱量を増加させる。
一方、冷却対象装置30における発熱量が冷却装置2の設定出力より低い場合には、蒸発器6に流入する前の二次冷媒の温度は徐々に下がることになるが、この場合、前記制御装置20は、コンプレッサ3の圧力をより低圧にして、冷却装置2の冷却出力をより低出力にすることによって、二次冷媒から一次冷媒に吸収される熱量を減少させる。
また、冷却装置2に対して設定されるべき冷却出力が、コンプレッサ3によって実現可能な最低圧力よりも低圧に相当するような低出力の場合には、コンプレッサ3の圧力を最低圧力に設定すると共に、適宜開度となるように前記バルブ8を開いて、蒸発器6における二次冷媒との熱交換によって昇温した一次冷媒の一部を、管路7dから管路7cに還流させて、蒸発器6に流入する一次冷媒の温度を昇温させ、これにより、一次冷媒による二次冷媒の冷却をごく緩やかなものとする。このような制御を行うことにより、コンプレッサ3の圧力に依存することなく、冷却装置2の冷却出力を低下させることができ、冷却対象装置30が加工を行っていないアイドリング状態にある場合や、加工負荷が軽負荷である場合など、冷却対象装置30における発熱量が低い場合でも、当該発熱量に応じた適正な温度制御を行うことができる。
以上のような制御を行うことにより、対象冷却部10における二次冷媒の温度を、冷却対象装置30で発生する熱量を除去可能な適正な温度に調整することができ、このようにすることで、当該冷却対象装置30の温度を一定した温度に維持することができる。
尚、蒸発器6に流入する前の二次冷媒の温度、蒸発器6から流出した後の二次冷媒の温度はそれぞれ管路13c、13dに設けられた温度センサによって測定され、測定された温度データが前記制御装置に入力される。また、室温は、大気中に配設された温度センサによって測定され、測定された温度データが前記制御装置に入力される。
特開2007−253255号公報
ところが、本発明者等が鋭意研究を行ったところによると、上述した従来の冷却システム1には、以下に説明するような問題があった。
図5は、冷却装置2の冷却出力[kW]と、冷却装置2の消費電力[kW]及び冷却効率との関係を示したグラフである。尚、冷却効率は以下の算出式によって算出される。
冷却効率=冷却出力/消費電力
但し、冷却装置2の冷却出力は一次冷媒が二次冷媒から吸収する熱量と等価である。また、消費電力は主にコンプレッサ3及びモータ4cによって消費される電力である。
図5に示すように、消費電力は、冷却装置2の冷却出力にほぼ比例しており、冷却出力が高くなれば消費電力も上昇し、冷却出力が低くなれば消費電力は低下する。一方、冷却効率は、冷却出力が所定の値(図5の例では、約0.8)を超えるとほぼ定常状態となり、冷却出力がこの所定値よりも低い領域では、冷却出力が低くなればなるほど、当該冷却出力に比例して冷却効率が低下するという性状を示す。尚、冷却効率が徐々に高くなって、ほぼ定常状態となる冷却出力は、経験的に、冷却装置2の最高出力の約30%程度である。
したがって、冷却装置2の冷却出力が前記所定値よりも低い値となる領域で当該冷却装置2が運転される場合には、冷却効率が悪いため、無駄に電力が消費されることになる。冷却装置2がこのような低出力領域で運転される状況は、冷却対象装置30が低負荷の下で稼働しているために発熱量が低く、このため二次冷媒の冷却温度がごく僅かであるような場合である。
尚、従来の冷却装置2において、その冷却出力が前記所定値よりも低い値となる領域で当該冷却装置2を運転した場合に冷却効率が悪くなるのは、コンプレッサ3の圧力を最低圧力に設定した状態で、蒸発器6における二次冷媒との熱交換によって昇温した一次冷媒の一部を、管路7dから管路7cに還流させて、蒸発器6に流入する一次冷媒の温度を昇温させるようにしたことに原因があると思われる。
本発明は以上の実情に鑑みなされたものであって、冷却装置を制御する方法において、低い冷却出力の領域においても、従来よりも高い冷却効率で二次冷媒を冷却することができる制御方法の提供を、その目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、一次冷媒を加圧するコンプレッサと、該コンプレッサにより加圧された一次冷媒を冷却する凝縮器と、該凝縮器により冷却された一次冷媒を膨張させる膨張器と、該膨張器により膨張された一次冷媒によって、冷却対象装置を冷却するための二次冷媒を冷却する蒸発器とを備えた冷却装置の動作を制御する方法であって、
冷却出力を消費電力で除して得られる冷却効率が、その最大値を含む予め定められた範囲内の値となるような冷却出力に設定して前記コンプレッサを動作させるとともに、
前記コンプレッサを断続的に動作させるようにした冷却装置の制御方法に係る。
この制御方法によれば、冷却装置は、冷却効率がその最大値を含む予め定められた範囲内の値となるような冷却出力をその目標値として設定される。そして、前記コンプレッサは、目標とする冷却出力に対応した圧力となるように一次冷媒を加圧する。尚、前記冷却出力は、一次冷媒が二次冷媒から吸収する熱量と等価である。また、冷却効率は、以下の算出式によって算出される。
冷却効率=冷却出力/消費電力
斯くして、冷却装置は、その冷却効率が最大値を含む予め定められた範囲内となるような、即ち、ある程度高い冷却効率が得られるような冷却出力にその目標値が設定される。そして、冷却装置は、その前記コンプレッサが断続的に動作するように駆動される。即ち、コンプレッサは目標とする冷却出力に対応した圧力となるように一次冷媒を加圧する稼働状態(運転状態)と、一次冷媒を加圧しない停止状態とが、交互に繰り返して実行される。
このように、コンプレッサを断続的に運転することで、冷却装置が発現する実際の冷却出力を低下させるとともに、冷却装置の消費電力を低下させることができ、この結果、低い冷却出力の領域においても、従来よりも高い冷却効率で二次冷媒を冷却することが可能となる。したがって、目標値として設定する冷却出力を可及的に低い出力に設定して、前記コンプレッサを断続的に動作させることで、目標値として設定した冷却出力よりも低い所望の冷却出力を発現させることが可能となる。
斯くして、この制御方法によれば、例えば、冷却対象装置が低負荷の状態で稼働している場合のように、冷却対象装置における発熱量が低く、このため二次冷媒に要する冷却温度がごく僅かであるような場合でも、高い冷却効率で二次冷媒を冷却することができる。
尚、本発明に係る制御方法では、目標値として設定する冷却出力を、高い冷却効率を得ることができるような、ある程度高い冷却出力に設定することができるので、従来のようにバイパスとなる管路を有する冷却装置であっても、当該バイパスとなる管路を作動させないようにすることができる。
また、本発明に係る制御方法では、上述したように、冷却対象装置における発熱量が低く、このため二次冷媒に要する冷却温度がごく僅かであり、要求される冷却出力が低い場合に特に効果的であるが、本発明に係る制御方法を適用可能な冷却出力領域は、このような低い冷却出力領域に限られるものではなく、高い冷却出力領域に適用しても何ら問題は無い。
本発明に係る制御方法では、前記コンプレッサを予め定められた一定の時間間隔で断続的に動作させるのが好ましい。このようにすることで、冷却装置に安定した冷却出力を発現させることができる。
また、本発明に係る制御方法では、前記コンプレッサを動作させる時間tonと、停止させる時間toffとを、下式により算出される時間に設定するのが好ましい。
on=α・Tdiff/(Qon−Qcycle
off=α・Tdiff/(Qcycle
但し、αは前記冷却対象装置の熱容量、Tdiffは前記コンプレッサが稼働している時の前記二次冷媒の温度とコンプレッサが停止している時の前記二次冷媒の温度との温度差、Qonは前記冷却出力、Qcycleは、前記冷却対象装置の稼働中に発生する熱量から自然放熱分を除いた熱量の時間当たりの平均値である。
コンプレッサの動作時間tonと停止時間toffとを、上記計算式によって算出された時間に設定することにより、コンプレッサを断続運転させても、冷却装置は、冷却対象装置において発生する熱量分を適正に吸収することができ、この結果、当該冷却対象装置の温度を所望の温度に制御し、維持することができる。
尚、二次冷媒の温度は適宜測温センサなどを用いて測定することができ、Qonは冷却装置の出力であるから、適宜任意に設定することができる。また、冷却対象装置の熱容量αはJISB6190−3:2014(若しくはISO230−3:2007)に準拠した実験により、例えば、冷却液の温度をステップ状に変化させて、冷却液の各温度における冷却対象装置の温度を測定し、得られた各温度データを伝熱方程式に当てはめて、パラメータフィッティング処理を施すことによって得ることができる。或いは、熱容量αは、実験ではなく、適宜モデルを用いたコンピュータによる数値解析によって推定することもできる。また、Qcycleは、冷却対象装置を設定された条件で運転するとともに、冷却装置を通常の状態で運転して、その際に得られる冷却装置の出力履歴を時間平均することによって得ることができる。或いは、このQcycleについても、実験ではなく、適宜発熱モデルを用いたコンピュータによる数値解析によって推定することもできる。
また、上式においてα・Tdiffはコンプレッサが動作している間に、冷却装置が二次冷媒から吸収すべき、言い換えれば、二次冷媒を冷却すべき熱量であり、逆の意味では、コンプレッサが停止している間に冷却対象装置に蓄熱された熱量でもある。
また、上式を変形すると、
on・Qon−ton・Qcycle=α・Tdiff
off・Qcycle=α・Tdiff
となるが、この式の、ton・Qonはコンプレッサが動作している間に冷却装置が二次冷媒から吸収する熱量を意味し、ton・Qcycleはコンプレッサが動作している間の冷却対象装置における発熱量を意味する。また、toff・Qcycleはコンプレッサが停止している間の冷却対象装置における発熱量を意味する。
以上説明したように、本発明に係る冷却装置の制御方法によれば、コンプレッサを断続的に運転することで、冷却装置が発現する実際の冷却出力を低下させるとともに、冷却装置の消費電力を低下させることができ、この結果、低い冷却出力の領域においても、従来よりも高い冷却効率で二次冷媒を冷却することが可能となる。したがって、目標値として設定する冷却出力を可及的に低い出力に設定して、前記コンプレッサを断続的に動作させることで、目標値として設定した冷却出力よりも低い所望の冷却出力を発現させることが可能となる。
斯くして、この制御方法によれば、例えば、冷却対象装置が低負荷の状態で稼働している場合のように、冷却対象装置における発熱量が低く、このため二次冷媒に要する冷却温度がごく僅かであるような場合でも、高い冷却効率で二次冷媒を冷却することができる。
本発明の一実施形態に係る制御方法における効果を説明するための説明図である。 本発明のより効果的な制御方法を説明するための説明図である。 本発明のより効果的な制御方法を説明するための説明図である。 従来の冷却装置の構成を示した説明図である。 冷却装置の従来の制御方法における問題点を説明するための説明図である。
以下、本発明の一実施の形態に係る冷却装置の制御方法について説明する。尚、当該制御方法は、上述の図4に示した冷却システム1を構成する冷却装置2に対する制御に適用され、具体的には制御装置20によって実行されるものとする。また、冷却システム1の構成は上述した通りであるので、その詳しい説明は省略する。また、本例では、冷却対象装置30は一般的な構成を備えたNC旋盤とする。
上述したように、前記制御装置20は、前記コンプレッサ3、凝縮器4のモータ4c、膨張器5、バルブ8及びポンプ12の作動をそれぞれ制御する。そして、制御装置20は、冷却対象装置30の稼働状態に応じて変動する二次冷媒の温度に応じて、前記コンプレッサ3の圧力を調整して、冷却装置2の冷却出力を調整する。
即ち、制御装置20は、蒸発器6に流入する前の二次冷媒の温度、蒸発器6から流出した後の二次冷媒の温度、及び室温に係る温度データを、上述した各温度センサから受信し、受信した温度データに基づいて、所謂、フィードバック制御により、蒸発器6に流入する前の二次冷媒の温度が室温とほぼ同じ温度になるように、コンプレッサ3の圧力を調整して、冷却装置2の冷却出力を調整する。
より具体的には、冷却対象装置30が加工を行っている場合には、その際の発熱量が冷却装置2の設定出力より高い場合には、蒸発器6に流入する前の二次冷媒の温度は徐々に上昇することになるが、この場合、前記制御装置20は、コンプレッサ3の圧力をより高圧にして、冷却装置2の冷却出力をより高出力にすることによって、二次冷媒から一次冷媒に吸収される熱量を増加させる。
一方、冷却対象装置30における発熱量が冷却装置2の設定出力より低い場合には、蒸発器6に流入する前の二次冷媒の温度は徐々に下がることになるが、この場合、前記制御装置20は、コンプレッサ3の圧力をより低圧にして、冷却装置2の冷却出力をより低出力にすることによって、二次冷媒から一次冷媒に吸収される熱量を減少させる。
また、フィードバック制御下で、冷却装置2に対して設定されるべき冷却出力が、図5に示した、冷却効率が定常状態ではない過渡的な状態に対応した領域の出力である場合、具体的には、冷却出力が0.8[kW]を下回るような場合には、制御装置2は、フィードバック制御から切り換えて、前記コンプレッサ3を断続的に動作させる(この動作を、以下、「断続運転」という。)。
より具体的には、制御装置20は、図5に示した上述の冷却効率が、その最大値を含む予め定められた許容範囲ΔR内の値となるような冷却出力に設定し、動作時には、一次冷媒をかかる冷却出力に対応した圧力に加圧するようにコンプレッサ3を動作させる。尚、前記許容範囲ΔRは、所望の除去効率が得られるように、経験則に基づいて任意に設定される。また、設定する冷却出力は、許容範囲ΔR内の冷却効率が得られる出力であれば制限はないが、より低出力であるのが好ましい。尚、繰り返しになるが、前記冷却出力は、一次冷媒が二次冷媒から吸収する熱量と等価である。また、冷却効率は、以下の算出式によって算出される。
冷却効率=冷却出力/消費電力
本例の制御方法によれば、冷却装置2は、冷却効率がその最大値を含む予め定められた範囲(許容範囲ΔR)内の値となるような冷却出力をその目標値として設定される。そして、コンプレッサ3は、その動作時に、目標とする冷却出力に対応した圧力となるように一次冷媒を加圧する。
斯くして、冷却装置2は、その冷却効率が前記許容範囲ΔR内、即ち、ある程度高い冷却効率が得られるような冷却出力にその目標値が設定される。そして、前記コンプレッサ3が断続運転されて、目標とする冷却出力に対応した圧力となるように一次冷媒を加圧する稼働状態(運転状態)と、一次冷媒を加圧しない停止状態とが、交互に繰り返して実行される。
そして、このように、コンプレッサ3を断続運転することで、冷却装置2が発現する実際の冷却出力を低下させるとともに、冷却装置2の消費電力を低下させることができ、この結果、低い冷却出力の領域においても、従来よりも高い冷却効率で二次冷媒を冷却することが可能となる。したがって、目標値として設定する冷却出力を可及的に低い出力に設定して、前記コンプレッサ3を断続的に動作させることで、目標値として設定した冷却出力よりも低い所望の冷却出力を発現させることが可能となる。
斯くして、この制御方法によれば、例えば、冷却対象装置30が低負荷の状態で稼働している場合のように、冷却対象装置30における発熱量が低く、このため二次冷媒に要する冷却温度がごく僅かであるような場合でも、高い冷却効率で二次冷媒を冷却することができる。
一般的な構造を有するNC旋盤を用いて軽切削加工を行い、当該加工時に、上述した従来の手法であるフィードバック制御によってコンプレッサ3を連続運転させた場合(従来方法)と、本例の手法に基づいてコンプレッサ3を断続運転させた場合(発明方法)のそれぞれについて、冷却装置2で消費された消費電力を図1(a)に示し、図1(b)及び(c)には、それぞれにおける主軸の温度を太い実線で示し、蒸発器6における入口側の二次冷媒の温度を破線で示し、蒸発器6における出口側の二次冷媒の温度を一点鎖線で示し、ベッドの温度を点線で示し、周囲温度を細い実線で示している。
従来方法では、冷却装置2の冷却出力は、フィードバック制御の下で、最高出力の18−30[%]に制御され、図1(a)に示すように、ほぼ一定の電力が消費された。一方、発明方法では、冷却装置2の冷却出力は、その最高出力の30[%]に設定され、動作時にこの出力が得られるように、コンプレッサ3が断続運転された。その結果、図1(a)に示すように、発明方法では、断続運転に応じてその消費電力が変動した。この結果、従来方法での消費電力は0.25[kW]であったが、発明方法における消費電力は0.19kWとなり、消費電力は24[%]軽減された。
また、発明方法において、コンプレッサ3の動作時間は全体時間の60[%]程度である。したがって、冷却装置2における冷却出力の実効値は設定値の60[%]、即ち、最高出力の18[%]であると推定される。斯くして、この発明方法によれば、冷却装置2の最高出力の30[%]という比較的高い出力に相当する電力を用いてコンプレッサ3を動作させても、当該コンプレッサ3を断続運転させることにより、冷却装置2における冷却出力の実効値を、その最高出力の18[%]という比較的低い出力とすることができる。
このように、発明方法によれば、冷却装置2が発現する実際の冷却出力を低下させるとともに、冷却装置2における消費電力を低下させることができ、この結果、低い冷却出力の領域においても、従来よりも高い冷却効率で二次冷媒を冷却することができる。したがって、目標値として設定する冷却出力を可及的に低い出力に設定して、コンプレッサ3を断続運転することで、目標値として設定した冷却出力よりも低い所望の冷却出力を発現させることが可能となる。斯くして、発明方法によれば、例えば、冷却対象装置30が低負荷の状態で稼働している場合のように、冷却対象装置30における発熱量が低く、このため二次冷媒に要する冷却温度がごく僅かであるような場合でも、高い冷却効率で二次冷媒を冷却することができる。
図1に示した例では、図1(b)及び(c)に示すように、従来方法と発明方法とを比較した場合に、室温よりも若干高めではあるが、主軸の温度はほぼ同等に冷却され、所定温度(28℃付近)に維持されている。
ところで、本発明者等が得た知見によると、コンプレッサ3を予め定めた一定の時間間隔で断続運転させるのが好ましい。このようにすることで、冷却装置2に安定した冷却出力を発現させることができる。
また、断続運転のサイクルの周期は短い方が好ましい。このようにすることで、冷却対象装置30の熱変位の経時的な変動をより小さくすることができる。図2に比較的長周期でコンプレッサ3を断続運転した例を示し、図3に比較的短周期でコンプレッサ3を断続運転した例を示している。具体的には、図2(a)に示すように、図2の例では、運転時間を約10.8[min]、停止時間を約7.6[min]としたサイクルでコンプレッサ3を断続運転した。また、図3(a)に示すように、図3の例では、運転時間及び停止時間をそれぞれ約2.2[min]としたサイクルでコンプレッサ3を断続運転した。尚、いずれの場合も、主軸の回転数を1000rpmとして冷却対象装置30を一定運転し、冷却装置2は、その冷却出力を最高出力の50[%]に設定して、これを断続運転した。
図2(b)及び図3(b)に、前記冷却対象装置30の主軸と刃物台との間の相対的な位置変位(以下、「熱変位」という。)であって、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向における経時的な熱変位を示している。これらの図から、短いサイクルでコンプレッサ3を断続運転した方が、各熱変位の経時的な変動が小さく、より熱変位を制御し易い状態にあることが分かる。
尚、参考までに、図2(c)及び図3(c)に、主軸の温度を太い実線で示し、ベッドの温度を点線で示し、周囲温度を細い実線で示し、蒸発器6における入口側の二次冷媒の温度を破線で示し、蒸発器6における出口側の二次冷媒の温度を一点鎖線で示している。
また、コンプレッサ3を動作させる時間tonと、停止させる時間toffとは、理論的には、下式により算出するのが好ましい。
on=α・Tdiff/(Qon−Qcycle
off=α・Tdiff/(Qcycle
但し、αは前記冷却対象装置3の熱容量であり、JISB6190−3:2014(若しくはISO230−3:2007)に準拠した実験により、例えば、冷却液の温度をステップ状に変化させて、冷却液の各温度における冷却対象装置の温度を測定し、得られた各温度データを伝熱方程式に当てはめて、パラメータフィッティング処理を施すことによって得ることができる。或いは、熱容量αは、実験ではなく、適宜モデルを用いたコンピュータによる数値解析によって推定することもできる。
また、Tdiffはコンプレッサ3が稼働している時の二次冷媒の温度とコンプレッサ3が停止している時の二次冷媒の温度との温度差であり、各温度はそれぞれ管路13c,13dに設けられた温度センサによって測定することができる。
また、Qonは上記のようにして設定した冷却出力である。
また、Qcycleは、冷却対象装置30の稼働中に発生する熱量から自然放熱分を除いた熱量の時間当たりの平均値であり、例えば、冷却対象装置30を設定された条件で運転するとともに、冷却装置2を通常の状態で運転して、その際に得られる冷却装置2の出力履歴を時間平均することによって得ることができる。或いは、このQcycleは、実験ではなく、適宜発熱モデルを用いたコンピュータによる数値解析によって推定することもできる。
尚、上式においてα・Tdiffはコンプレッサ3が動作している間に、冷却装置2が二次冷媒から吸収すべき、言い換えれば、二次冷媒を冷却すべき熱量であり、逆の意味では、コンプレッサ3が停止している間に冷却対象装置30に蓄熱された熱量でもある。
そして、上式を変形すると、
on・Qon−ton・Qcycle=α・Tdiff
off・Qcycle=α・Tdiff
となるが、この式の、ton・Qonはコンプレッサ3が動作している間に冷却装置2が二次冷媒から吸収する熱量を意味し、ton・Qcycleはコンプレッサ3が動作している間の冷却対象装置30における発熱量を意味する。また、toff・Qcycleはコンプレッサ3が停止している間の冷却対象装置30における発熱量を意味する。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明が採り得る態様は、何ら上例のものに限定されるものではない。例えば、本発明に係る制御方法では、冷却対象装置30における発熱量が低く、このため二次冷媒に要する冷却温度がごく僅かであり、要求される冷却出力が低い場合に特に効果的であるが、冷却装置2において、本発明の制御方法が適用される冷却出力領域は、このような低い冷却出力領域に限られるものではなく、高い冷却出力領域に適用しても何ら問題は無い。
繰り返しになるが、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形および変更が適宜可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲内と均等の範囲内での実施形態からの変更が含まれる。
1 冷却システム
2 冷却装置
3 コンプレッサ
4 凝縮器
4a 熱交換器
4b ファン
4c モータ
5 膨張器
6 蒸発器
7a,7b,7c,7d,9 管路
8 バルブ
10 対象冷却部
11 タンク
12 ポンプ
13a,13b,13c,13d 管路
20 制御装置
30 冷却対象装置

Claims (3)

  1. 一次冷媒を加圧するコンプレッサと、該コンプレッサにより加圧された一次冷媒を冷却する凝縮器と、該凝縮器により冷却された一次冷媒を膨張させる膨張器と、該膨張器により膨張された一次冷媒によって、冷却対象装置を冷却するための二次冷媒を冷却する蒸発器とを備えた冷却装置の動作を制御する方法であって、
    冷却出力を消費電力で除して得られる冷却効率が、その最大値を含む予め定められた範囲内の値となるような冷却出力に設定して前記コンプレッサを動作させるとともに、
    前記コンプレッサを断続的に動作させるようにしたことを特徴とする冷却装置の制御方法。
  2. 前記コンプレッサを予め定められた一定の時間間隔で断続的に動作させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の冷却装置の制御方法。
  3. 前記コンプレッサを動作させる時間tonと、停止させる時間toffとを、下式により算出される時間としたことを請求項1記載の冷却装置の制御方法。
    on=α・Tdiff/(Qon−Qcycle
    off=α・Tdiff/(Qcycle
    但し、αは前記冷却対象装置の熱容量、Tdiffは前記コンプレッサが稼働している時の前記二次冷媒の温度とコンプレッサが停止している時の前記二次冷媒の温度との温度差、Qonは前記冷却出力、Qcycleは、前記冷却対象装置の稼働中に発生する熱量から自然放熱分を除いた熱量の時間当たりの平均値である。

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