JP2020148159A - 圧縮機 - Google Patents

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小林 俊之
Toshiyuki Kobayashi
俊之 小林
昭治 中嶋
Akiharu Nakajima
昭治 中嶋
雅洋 稲垣
Masahiro Inagaki
雅洋 稲垣
紀一 出戸
Kiichi Ideto
紀一 出戸
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Abstract

【課題】貯油室内の潤滑油が巻き上げられて外部に排出されることを抑制可能な圧縮機を得る。【解決手段】圧縮機10のサイドプレート15には突出部35が設けられ、突出部35の内部には油分離室35sが形成される。油分離室35s内には油分離筒36が収容されている。突出部35には、潤滑油が分離された冷媒ガスを外部に排出する開口部35cと、冷媒ガスから分離された潤滑油を油分離室35sから貯油室37sに排出する排出経路35dとが形成される。突出部35は、油分離筒36の中心軸の軸方向に沿って所定長さ延在し、鉛直方向に対して所定の角度を有して傾斜するとともに、回転軸16の中心位置を上方に避けて配置されている。【選択図】図4

Description

本明細書は、圧縮機に関する。
特開2015−175280号公報に開示されているように、圧縮機においては一般的に、ハウジング内にサイドプレートが配置される。ハウジング内の空間は、圧縮機構が配置される第1空間と、油分離器(オイルセパレータ)が配置される第2空間とに区画される。第1空間と第2空間とはサイドプレートに対して互いに反対側に位置する。
圧縮機構により圧縮された冷媒ガスは第1空間側から第2空間側に移動する(吐出される)。油分離器により冷媒ガス中に含まれる潤滑油は分離され、冷媒ガスは機外に吐出される。第2空間内の下部には貯油室が形成され、貯油室には潤滑油が貯留される。貯油室内の潤滑油は、ハウジング内の圧力によってハウジング内で循環し、圧縮機構を構成している各要素間の摺動部や軸受け等に供給され、圧縮機内の各部に対して潤滑を行なう。
特開2015−175280号公報
上記のような構成を備えた圧縮機においては、貯油室内に既に貯留されている潤滑油が、循環によって新たに貯油室に供給された潤滑油の流れによって巻き上げられやすい。潤滑油が巻き上げられた場合、潤滑油の一部がミスト状となり、冷媒ガスとともに巻き上げられて圧縮機の外部へ吐出されやすくなる。潤滑油の量が減ると、圧縮機構を構成している各要素間の摺動部や軸受け等に十分な潤滑油が供給されなくなり、圧縮効率の低下を招く。
油分離器を鉛直方向に対して傾斜させ、油分離器の壁面に潤滑油を衝突させることによって上記のような巻き上げを抑制することが考えられ得る。しかしながら、油分離器がほぼ鉛直方向に配置されている場合、油分離器の上方にある壁面は、潤滑油の油面からの距離が大きく、潤滑油の巻き上げを抑制することは困難である。また、油分離器の下方にある壁面は、潤滑油の量によっては潤滑油に浸かってしまい、潤滑油の巻き上げを抑制することは困難である。
本明細書は、貯油室内の潤滑油が巻き上げられて外部に排出されることを抑制可能な構成を備えた圧縮機を開示することを目的とする。
本開示に基づく圧縮機は、回転軸を含み、上記回転軸の回転に伴い圧縮動作を行なう圧縮機構と、上記圧縮機構を収容するハウジングと、上記ハウジング内を、上記圧縮機構が配置される第1空間と、上記圧縮機構から冷媒ガスが吐出される第2空間とに区画するサイドプレートと、を備え、上記サイドプレートには、上記第2空間側に突出する突出部が設けられており、上記突出部の内部には油分離室が形成され、上記圧縮機構から吐出された冷媒ガスに含まれる潤滑油を分離するための油分離筒が上記油分離室内に収容されており、上記サイドプレートにはさらに、上記第1空間と上記油分離室とを連通させる吐出通路が形成され、上記第2空間の鉛直方向における下部は貯油室とされ、上記突出部には、潤滑油が分離された冷媒ガスを外部に排出する開口部と、冷媒ガスから分離された潤滑油を上記油分離室から上記貯油室に排出する排出経路と、が形成され、上記突出部は、上記油分離筒の中心軸の軸方向に沿って所定長さ延在し、鉛直方向に対して所定の角度を有して傾斜するとともに、上記回転軸の中心位置を上方に避けて配置されている。
上記構成によれば、排出経路から排出された潤滑油は、貯油室内に既に貯留されている潤滑油を巻き上げやすいが、これに対して突出部が、上記油分離筒の中心軸の軸方向に沿って所定長さ延在し、鉛直方向に対して所定の角度を有して傾斜するとともに、上記回転軸の中心位置を上方に避けて配置されている。このような突出部の配置により、巻き上げられた潤滑油が上方に向かって移動ないし飛散してミスト状となることを抑制する。潤滑油が仮にミスト状となったとしても、ミスト状の潤滑油が突出部に付着することで、ミスト状の潤滑油が圧縮機の外部に排出されることは抑制される。また、突出部を傾斜させるとともに上記回転軸の中心位置を上方に避けて配置することで、突出部の下方部分が潤滑油に浸かりにくくなるとともに、上記のような抑制効果を発揮できる突出部の上方部分の面積も確保することが可能となる。上記構成によればさらに、突出部をより圧縮機構側(フロント側)に配置することが可能となり、軸方向におけるコンパクト化を図ることも可能となる。
上記圧縮機においては、上記突出部は、上記油分離筒の中心軸の軸方向に沿って延在する側壁部を有し、上記側壁部の外周面は、上記貯油室を上方側から覆うように面状に広がる遮蔽領域を含み、上記圧縮機構の上記回転軸の軸方向に沿って上記遮蔽領域を見た場合、上記遮蔽領域は、上記サイドプレートの半径よりも長い長さを有して延在していてもよい。
上記構成によれば、潤滑油が巻き上げられてミスト状となること、およびミスト状となった潤滑油が排出されることを、より長い長さによって形成される広い面積を有して突出部の遮蔽領域は効果的に抑制することが可能となる。
上記圧縮機においては、上記圧縮機構の上記回転軸の軸方向に見た場合、上記吐出通路は、その全体が上記突出部に重なるように構成されていてもよい。
上記構成によれば、吐出通路を設けるためにサイドプレートに吐出通路形成部としての突出部分を設けることが不要となり、軽量化を図ることが可能となる。
本明細書に開示された圧縮機によれば、冷媒ガスの流れによって貯油室内の潤滑油が巻き上げられることを抑制可能となる。
圧縮機10を示す断面図である。 図1中のII−II線に沿った矢視断面図である。 図1中のIII−III線に沿った矢視断面図である。 圧縮機10に備えられるサイドプレート15をその裏面15tの側から見た様子を示す図である。 圧縮機10に備えられるサイドプレート15をその表面15sの側から見た様子を示す図である。 圧縮機10に備えられるサイドプレート15をその裏面15tの側から見た様子を示す斜視図である。 圧縮機10に備えられるサイドプレート15をその裏面15tの側から見た様子を示す図であり、貯油室37s内の潤滑油40の挙動を表わしている。 圧縮機10に備えられる突出部35を軸方向に対して直交する面方向から見た様子を示す断面図である。 圧縮機10(変形例)に備えられるサイドプレート15をその裏面15tの側から見た様子を示す図である。
実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。以下の説明において同一の部品および相当部品には同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。図1は、圧縮機10を示す断面図である。図2は、図1中のII−II線に沿った矢視断面図であり、図3は、図1中のIII−III線に沿った矢視断面図である。
(圧縮機10)
圧縮機10は、ハウジング11、サイドプレート15、圧縮機構17、突出部35、および油分離筒36を備える。圧縮機10はベーン型圧縮機として機能する。圧縮機構17は、回転軸16、ロータ18および複数のベーン19を含む。
ハウジング11は、リヤハウジング12およびフロントハウジング13を含む。リヤハウジング12は周壁12aを有し(図2,図3)、フロントハウジング13はシリンダ部14および底壁部13p(図1)を有する。フロントハウジング13は底壁部13pがリヤハウジング12の開口部を塞ぐようにリヤハウジング12に固定される。
サイドプレート15は略円盤状の形状を有し、リヤハウジング12の周壁12aの内側に配置される。サイドプレート15は、ハウジング11内を、圧縮機構17が配置される第1空間と、圧縮機構17から冷媒ガスが吐出される第2空間とに区画する。ここでは、シリンダ室14d(図1)が第1空間に相当し、吐出領域37が第2空間に相当する。
サイドプレート15は軸方向(回転軸16の軸心O1が延びる方向)に対して直交する表面15sおよび裏面15tを有する。サイドプレート15はシリンダ部14の後端に固定され、シリンダ部14とともにシリンダ室14d(第1空間)を区画する。シリンダ室14dは、サイドプレート15の表面15sと底壁部13pの表面13s(図1)との間に位置する。
フロントハウジング13は軸孔13hを有し、サイドプレート15は軸孔15hを有し、回転軸16の少なくとも一部が軸孔13h,15hに挿入される。ロータ18は、シリンダ室14d内で回転軸16と一体回転する。シリンダ部14(図2および図3)の内周面は楕円状の形状を有し、ロータ18の外周面は正円状の形状を有する。
ロータ18の外周面には複数のベーン溝が形成される。複数のベーン溝の各々に、複数のベーン19の各々が出没可能に設けられる。各々のベーン19の底面と各々のベーン溝18aとの間はベーン背圧室41とされる。詳細は後述するが、図1に示す吐出領域37(第2空間)の鉛直方向における下部は貯油室37sとされ、貯油室37s内の潤滑油は複数のベーン溝(ベーン背圧室41)の各々に供給される。
回転軸16およびロータ18が回転することに伴って、ベーン19の先端はシリンダ部14の内周面に接触する。シリンダ室14d内には複数の圧縮室21が形成される。回転軸16、シリンダ部14の内周面、底壁部13pの表面13s(図1)、サイドプレート15の表面15s(図1)、ロータ18および複数のベーン19により、圧縮機構17が構成される。圧縮機構17は、ハウジング11内に収容されており、回転軸16の回転に伴い冷媒に対して圧縮動作を行なう。
図1および図2に示すように、リヤハウジング12には吸入ポート22が形成される。吸入ポート22の内側には逆止弁(図示せず)が設けられる。シリンダ部14には、凹部14aおよび一対の吸入孔23(図2)が形成される。凹部14aは、シリンダ部14の外周面の周方向における全周に亘って延在する。凹部14aおよびリヤハウジング12の内周面により吸入空間20が区画される。吸入行程の際、圧縮室21と吸入空間20とは吸入孔23を介して連通する。
図1および図3に示すように、シリンダ部14には、一対の凹部14b(図3)が形成される。一対の凹部14bおよびリヤハウジング12の内周面により、一対の吐出室30が区画される。シリンダ部14には一対の吐出口31(図3)が形成される。吐出口31は吐出弁32によって開閉する。圧縮室21で圧縮された冷媒ガスは、吐出弁32を押し退け吐出口31を経由して吐出室30へ吐出される。
リヤハウジング12には吐出ポート33が形成される。サイドプレート15に対してシリンダ室14dとは反対側(すなわち裏面15t側)に、第2空間としての吐出領域37が形成される。油分離室35s(詳細は次述する)が内部に形成される突出部35は、サイドプレート15の吐出領域37側にサイドプレート15と一体的に設けられる。突出部35は、サイドプレート15とは別体(別部品)として形成され、サイドプレート15の裏面15tに固定されていてもよい。
(突出部35)
突出部35は、内部に油分離室35sが形成される。油分離筒36は油分離室35s内に収容され、圧縮機構17から吐出された冷媒ガスに含まれる潤滑油を分離する。サイドプレート15には、シリンダ室14d(第1空間)内に形成された圧縮室21と油分離室35sとを連通させる、吐出通路15pが形成される。突出部35は、油分離筒36の中心軸O2の軸方向に沿って所定長さ延在し、鉛直方向に対して所定の角度を有して傾斜するとともに、回転軸16の中心位置(回転軸16の軸心O1の位置)を上方に避けて配置されている。
図4は、サイドプレート15をその裏面15tの側から見た様子を示す図である。図5は、サイドプレート15をその表面15sの側から見た様子を示す図である。図6は、サイドプレート15をその裏面15tの側から見た様子を示す斜視図である。図4〜図6に示すように、突出部35は、側壁部35a、底壁部35bおよび開口部35cを含み、全体として有底筒状の形状を呈している。図6には便宜上のため油分離筒36を図示していない。
側壁部35aは、油分離筒36の中心軸O2の軸方向に沿って筒状に延在し、油分離室35sを内側に形成している。底壁部35bは、油分離筒36の中心軸O2の軸方向において側壁部35aの一方側に設けられ、開口部35cは、油分離筒36の中心軸O2の軸方向において側壁部35aの他方側に形成される。油分離筒36は、開口部35cを通して突出部35の内側(油分離室35s)に受け入れられる。
吐出室30内の冷媒ガスは、吐出通路15pおよび油分離室35sを通して吐出領域37に吐出され、吐出ポート33から外部に送られる。油分離筒36は、遠心分離の作用により、冷媒ガス中に含まれる潤滑油を分離する。側壁部35aまたは底壁部35bには排出経路35d(図4)が形成され、冷媒ガスから分離された潤滑油は、油分離室35sから排出経路35dを通して貯油室37sに向けて排出される。
サイドプレート15には、油通路15dおよび背圧供給穴15eが形成される。油通路15dは貯油室37sと背圧供給穴15e(背圧供給路のシリンダ室14d側の開口)とを連通させる。フロントハウジング13の底壁部13pの表面13sには、背圧溝13a(図1,図2)が形成されている。
サイドプレート15のシリンダ室14dを形成している表面15sには、背圧溝15a(図3,図5)が形成されている。背圧供給穴15eは、サイドプレート15のシリンダ室14d側の端面(表面15s)に開口しており、油通路15dを介して貯油室37sに連通している。
ベーン背圧室41は、回転軸16の回転により、背圧供給穴15eと背圧溝13a,15aに対して、各々、対向して連通する状態と対向せず非連通となる状態(もしくはほとんど連通しない状態)とを繰り返す。背圧溝13a,15aは、吸入行程および圧縮行程の初期から中期にかけてベーン背圧室41と対向して連通する。
(突出部35の詳細構造)
図4および図6を主として参照して、側壁部35aの外周面は遮蔽領域35rを含む。遮蔽領域35rは、貯油室37s(図1)を上方側から覆うように面状に広がる形状を有している。本実施の形態においては、遮蔽領域35rは、突出部35の外周面のうちのもっとも開口部35cの側に位置する箇所P1(図4,図5)と、突出部35の外周面のうちのもっとも底壁部35bの側に位置する箇所P2(図4,図5)との間に形成されている。図6において斜め方向に延びるハッチングが付された領域が遮蔽領域35rに相当している。
圧縮機構17の回転軸16の軸方向(回転軸16の軸心O1が延びる方向)に沿って側壁部35aおよび遮蔽領域35rを見た場合、換言すると、図4に示すように側壁部35aおよび遮蔽領域35rを後方側から回転軸16の軸方向に沿って見た場合、遮蔽領域35rが水平面60に対してなす角度をθとすると、0°<θ<45°の関係が成立している。ここで言う水平面60は、鉛直方向に対して垂直な平面として定義される。
(圧縮機10の作用)
図2を参照して、ロータ18がベーン19とともに回転されると、圧縮室21を形成している一対のベーン19のうちの先行するベーン19が、吸入孔23の始端を通過する。吸入空間20内の冷媒ガスは、吸入孔23を通して圧縮室21内に流入する。圧縮室21を形成している一対のベーン19のうちの後行するベーン19が吸入孔23を通過し終えると、この圧縮室21では圧縮行程が始まり冷媒ガスが圧縮される。
先行するベーン19が吐出口31(図3)を通過することで吐出行程が開始される。圧縮された冷媒ガスは吐出弁32を開き、吐出口31を通して吐出室30へ吐出される。吐出室30へ吐出された冷媒ガスは連通路15p内を流れ、冷媒ガス中に含まれる油は油分離室35s内で油分離筒36によって分離される。冷媒ガス中に含まれる油(潤滑油)は貯油室37sに貯留され、冷媒ガスは吐出ポート33を通して外部回路に送られる。
貯油室37sに貯留された吐出圧力(高圧)を有する潤滑油は、油通路15dから軸孔15hへと流れる。潤滑油はその後、軸孔15hから背圧溝15aに供給される。また、貯油室37sに貯留された吐出圧力(高圧)を有する潤滑油は、油通路15dから背圧供給穴15eに供給される。
潤滑油はその後、背圧供給穴15eからベーン背圧室41に背圧として供給される。ベーン背圧室41が背圧供給穴15eに対向している状態では、背圧供給穴15e内の圧力がベーン背圧室41に直接供給される。圧縮機10の運転時には、潤滑油がこれらのようにしてベーン背圧室41に供給され、ベーン19は突出する方向に付勢される。
図7は、圧縮機10に備えられるサイドプレート15をその裏面15tの側から見た様子を示す図であり、貯油室37s内の潤滑油40の挙動を表わしている。上述のとおり、冷媒ガスに含まれる潤滑油は、油分離室35s内で油分離筒36によって冷媒ガスから分離され、油分離室35sから排出経路35dを通して貯油室37sに向けて排出される。
排出経路35dから排出された潤滑油は、貯油室37s内に既に貯留されている潤滑油40に運動エネルギーを付与し、貯油室37s内の潤滑油40を巻き上げる。潤滑油40が巻き上げられた場合、潤滑油40の一部がミスト状となりやすくなる。特段の対策が講じられていない場合、ミスト状となった潤滑油40が冷媒ガスとともに圧縮機10の外部へ吐出されやすくなる。潤滑油の量が減ると、圧縮機構17を構成している各要素間の摺動部や軸孔13h,15h等に十分な潤滑油が供給されなくなり、圧縮効率の低下を招く。
これに対して圧縮機10においては、突出部35が、油分離筒36の中心軸O2の軸方向に沿って所定長さ延在し、鉛直方向に対して所定の角度を有して傾斜するとともに、回転軸16の中心位置を上方に避けて配置されている。本実施の形態においては、突出部35の側壁部35aの外周面は、貯油室37sを上方側から覆うように面状に広がる遮蔽領域35rを含んでいる。圧縮機構17の回転軸16の軸方向(回転軸16の軸心O1が延びる方向)に沿って遮蔽領域35rを見た場合、遮蔽領域35rが水平面60に対してなす角度をθとすると、0°<θ<45°の関係が成立している。
遮蔽領域35rの存在は、巻き上げられた潤滑油40が上方に向かって移動ないし飛散してミスト状となることを抑制する。潤滑油40が仮にミスト状となったとしても、ミスト状の潤滑油40が遮蔽領域35rに付着することで、ミスト状の潤滑油40が吐出ポート33(図1)から圧縮機10の外部に排出されることは抑制される。
図8は、圧縮機10に備えられる突出部35を軸方向に対して直交する面方向から見た様子を示す断面図である。図4および図8に示すように、圧縮機構17の回転軸16の軸方向に沿って遮蔽領域35rを見た場合、遮蔽領域35rは、回転軸16の中心位置(回転軸16の軸心O1の位置)よりも上方に配置された部分35qを有している。当該構成によれば、遮蔽領域35rの鉛直方向における下方部分は、潤滑油に浸かりづらい距離を有して潤滑油の油面から離間しているとともに、遮蔽領域35rの鉛直方向における上方部分は、潤滑油の油面に対して、遮蔽領域35rによる巻き上げ抑制の効果が得られるような近い距離を保っている。本実施の形態では、そのような遮蔽領域35rの面積をより大きく確保することができる。また、吐出領域37内の突出部35の下方により広いスペースを確保することができ、より大きな容量を有する貯油室37sを吐出領域37の中に形成することが可能となる。
図8に示すように、上記構成を備えていることにより、突出部35の側壁部35aをよりフロント側に配置することが可能となり、たとえば上記構成を備えていない突出部35の場合(図8に破線で示される場合)に比べて、寸法L2の分だけ軸方向におけるコンパクト化を図ることも可能となる。圧縮機構17の回転軸16の軸方向(回転軸16の軸心O1が延びる方向)に沿って側壁部35aを見た場合、側壁部35aは、その全体が回転軸16の位置よりも上方に位置するように構成されていてもよい。
(他の構成1)
図5に示す例において、圧縮機構17の回転軸16の軸方向に突出部35を見た場合、2つのうちの一方の吐出通路15p(図5中で左上にある吐出通路15p)は、そのほぼ全体が突出部35と重なるように構成されている。このような構成に限られず、圧縮機構17の回転軸16の軸方向に突出部35を見た場合、吐出通路15pは、その全体が突出部35と重なるように構成されていてもよい。吐出通路15p等を設けるためにサイドプレート15に吐出通路形成部としての突出部分を設けることが不要となり、軽量化を図ることが可能となる。
(他の構成2)
図4に示すように、圧縮機構17の回転軸16の軸方向に沿って遮蔽領域35rを見た場合、遮蔽領域35rは、サイドプレート15の半径Rよりも長い長さL1を有して延在しているとよい。当該構成によれば、潤滑油40が巻き上げられてミスト状となること、およびミスト状となった潤滑油40が吐出ポート33から排出されることを、長さL1によって形成される広い面積を有して突出部35の遮蔽領域35rは効果的に抑制することが可能となる。
(他の構成3)
図9は、圧縮機10(変形例)に備えられるサイドプレート15をその裏面15tの側から見た様子を示す図である。圧縮機構17の回転軸16の軸方向(回転軸16の軸心O1が延びる方向)に沿って側壁部35aおよび遮蔽領域35rを見た場合、換言すると、図9に示すように側壁部35aおよび遮蔽領域35rを後方側から回転軸16の軸方向に沿って見た場合、遮蔽領域35rが水平面60に対してなす角度をθとすると、θが0°に極めて近い値であっても構わない。上述の実施の形態で述べたように、0°<θ<45°の関係が成立していることで、上述の実施の形態と同様の作用および効果を得ることができる。
(さらに他の構成)
上述の実施の形態では、図4,図9に示すような構成において、図中の左側に開口部35cが配置され、図中の右側に突出部35の底壁部35b(排出経路35d)が配置されている。開口部35cおよび底壁部35b(排出経路35d)は、これらと反対であってもよい。
上述の実施の形態は、ベーン型圧縮機としての圧縮機10に基づいて説明したが、上述の実施の形態で開示した技術的思想は、ベーン型以外の圧縮機にも適用可能である。
以上、実施の形態について説明したが、上記の開示内容はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 圧縮機、11 ハウジング、12 リヤハウジング、12a 周壁、13 フロントハウジング、13a,15a 背圧溝、13h,15h 軸孔、13p,35b 底壁部、13s,15s 表面、14 シリンダ部、14a,14b 凹部、14d シリンダ室、15 サイドプレート、15d 油通路、15e 背圧供給穴、15p 吐出通路、15t 裏面、16 回転軸、17 圧縮機構、18 ロータ、18a ベーン溝、19 ベーン、20 吸入空間、21 圧縮室、22 吸入ポート、23 吸入孔、30 吐出室、31 吐出口、32 吐出弁、33 吐出ポート、35 突出部、35a 側壁部、35c 開口部、35d 排出経路、35q 部分、35r 遮蔽領域、35s 油分離室、36 油分離筒、37 吐出領域、37s 貯油室、40 潤滑油、41 ベーン背圧室、60 平面、L1 長さ、L2 寸法、O1 軸心、O2 中心軸、P1,P2 箇所、R 半径。

Claims (3)

  1. 回転軸を含み、前記回転軸の回転に伴い圧縮動作を行なう圧縮機構と、
    前記圧縮機構を収容するハウジングと、
    前記ハウジング内を、前記圧縮機構が配置される第1空間と、前記圧縮機構から冷媒ガスが吐出される第2空間とに区画するサイドプレートと、を備え、
    前記サイドプレートには、前記第2空間側に突出する突出部が設けられており、
    前記突出部の内部には油分離室が形成され、前記圧縮機構から吐出された冷媒ガスに含まれる潤滑油を分離するための油分離筒が前記油分離室内に収容されており、
    前記サイドプレートにはさらに、前記第1空間と前記油分離室とを連通させる吐出通路が形成され、
    前記第2空間の鉛直方向における下部は貯油室とされ、
    前記突出部には、潤滑油が分離された冷媒ガスを外部に排出する開口部と、冷媒ガスから分離された潤滑油を前記油分離室から前記貯油室に排出する排出経路と、が形成され、
    前記突出部は、前記油分離筒の中心軸の軸方向に沿って所定長さ延在し、鉛直方向に対して所定の角度を有して傾斜するとともに、前記回転軸の中心位置を上方に避けて配置されている、圧縮機。
  2. 前記突出部は、前記油分離筒の中心軸の軸方向に沿って延在する側壁部を有し、前記側壁部の外周面は、前記貯油室を上方側から覆うように面状に広がる遮蔽領域を含み、
    前記圧縮機構の前記回転軸の軸方向に沿って前記遮蔽領域を見た場合、前記遮蔽領域は、前記サイドプレートの半径よりも長い長さを有して延在している、
    請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記圧縮機構の前記回転軸の軸方向に見た場合、前記吐出通路は、その全体が前記突出部に重なるように構成されている、
    請求項1または2に記載の圧縮機。
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