JP2020147673A - 活性エネルギー線硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしジアリルフタレート樹脂は、環境対応等の点から置き換えが求められている。
たとえば、特許文献1には多官能のアクリルモノマー及び重合性オリゴマーを含有する樹脂組成物が記載されている。また特許文献2には芳香族ポリイソシアネート、水酸基含有モノ(メタ)アクリレート、からなるウレタンアクリレート樹脂が記載されている。
本発明はこれらの問題点を解決することを目的とするものであり、インキのバインダー樹脂として用いた場合、流動性に優れ、ミスチングを抑制し、光沢に優れた印刷物が得られる活性エネルギー線硬化性組成物を提供することにある。
・・・式1
(式1において、R1は置換又は無置換のアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基のいずれかであり、R2は水素又はメチル基である。)
前記共重合体Aは、式1で示される構造を含むマクロモノマー由来の構成単位を側鎖に有する。
・・・式1
(式1において、R1は置換又は無置換のアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基のいずれかであり、R2は水素又はメチル基である。)
なお共重合体の分岐度は、下記のMark−Houwinkプロットの傾きαで表すことができる。
[η]=KMα
[η]は固有粘度、Mは絶対分子量。K及びαは高分子の種類、溶媒の種類及び温度によって定まる。
装置:GPC−TDA302(LS,RI,VISCO)[Viscotek]
カラム:TSKgel guardcolumn HXL−H+TSKgel GMHXLx2本 + TSKgel G2500HXL
カラム温度:40℃
移動相:安定剤入りTHF、注入量:100μL、流量:1mL/min
分析時間:60min
中でも、モノマーの入手し易さと、平行板粘度計における流動性の観点から、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アタクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル、及び(メタ)アクリル酸が好ましい。
これらは2種以上を用いてもよい。
装置効率が比較的高く、かつ粒子状の重合体が簡便な操作で得られる点で懸濁重合法が好ましい。
・・・式2
(式2において、R1は置換又は無置換のアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基のいずれかである。)
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)で測定することができる。
前記スチレン系モノマー由来の構成単位を含むことにより、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の光沢が向上する。
前記ガラス転移温度(Tg)は示差走査熱量計(DSC)で測定できる。
モノマーへの溶解性の点から高いほうが好ましく、溶解した液の透明度の点から低い方が好ましい。
ここで、「SP値」とは、[数1]で表されるFedorsの式(R.F.Fedors,Polym.Eng.Sci.,14,(2),1974)により求めた値を意味する。
重合方法としては、塊状重合法、溶液重合法及び懸濁重合法、乳化重合等が挙げられる。装置効率が比較的高く、かつ粒子状の重合体が簡便な操作で得られる点で懸濁重合法が好ましい。
有機過酸化物としては、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、オクタノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、シクロヘキサノンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ヘキシルパーオキサイド等が挙げられる。
前記重合開始剤は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
水素引き抜き型光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系化合物;4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系化合物;その他10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤は、硬化性の点で前記活性エネルギー線硬化性組成物中に1質量%以上20質量%以下含まれることが好ましい。
硬化性が向上する点から前記光増感剤の使用量は、前記活性エネルギー線硬化性組成物の樹脂成分100質量部に対し、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
また、本発明のインキには、体質顔料として無機粒子を用いてもよい。無機粒子としては、酸化チタン、クラファイト、亜鉛華等の無機着色顔料;炭酸石灰粉、沈降性炭酸カルシウム、石膏、クレー(ChinaClay)、シリカ粉、珪藻土、タルク、カオリン、アルミナホワイト、硫酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、バライト粉、砥の粉等の無機体質顔料;等の無機顔料や、シリコーン、ガラスビーズ等があげられる。これら無機粒子は、インキ中に0.1質量部以上20質量部以下の範囲で使用することにより、インキの流動性調整、ミスチング抑制、紙等の印刷基材への浸透防止といった効果を得ることができる。
装置:東ソー社製 高速GPC装置 HLC−8320GPC型
UV検出器:東ソー社製 UV−8320型
流速:0.35mL/min
注入口温度:40℃
オーブン温度:40℃
RI温度:40℃
UV波長:254nm
サンプル注入量:10μL
カラム:(1)〜(3)の順に3本連結。
(1)東ソー社製 TSKgel superHZM−M
(4.6mmID×15cmL)
(2)東ソー社製 TSKgel superHZM−M
(4.6mmID×15cmL)
(3)東ソー社製 TSKgel HZ2000
(4.6mmID×15cmL)
ガードカラム:東ソー社製 TSKguardcolumn SuperHZ−L
(4.6mmID×3.5cmL)
溶媒:THF(安定剤BHT)
サンプル濃度:樹脂分0.2wt%に調整
装置:GPC−TDA302(LS,RI,VISCO)[Viscotek]
カラム:TSKgel guardcolumn HXL−H+TSKgel GMHXLx2本 + TSKgel G2500HXL
カラム温度:40℃
移動相:安定剤入りTHF、注入量:100μL、流量:1mL/min
サンプル濃度:4mg/mL、分析時間:60min
・評価基準
A:分岐度α値が0.5未満
B:分岐度α値が0.5以上0.6未満
X:分岐度α値が0.6以上
共重合体Aを20質量部、ラジカル重合性モノマーBとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA 日本化薬社製「KAYARAD DPHA」)40質量部、ジトリメチロールプロパントリアクリレート(DTMPTA Miwon社製「Miramer M410」)40質量部を配合し、インコメーター((株)東洋精機製作所製)に1.31mLのせ、32℃において400rpmで60秒間、その後800rpmで60秒間、1200rpmで60秒間を連続的に回転させ、ロール下に置いた定型紙への飛散量について重量測定を行った。飛散量の評価は次の3段階の評価基準で行った。
・評価基準
A:定型紙への飛散量が0.050g以下。
B:定型紙への飛散量が0.050gよりも大きく0.150g未満。
X:定型紙への飛散量が0.150g以上。
共重合体Aを20質量部、ラジカル重合性モノマーBとしてDPHA40質量部、DTMPTA40質量部、光重合開始剤としてベンゾフェノン(BNP 大同化成社製)4質量部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド(TPO iGM社製 「Omnirad TPO H」)1質量部、顔料として酸化チタン(石原産業社製 「CR−97」)を5質量部配合した。得られた活性エネルギー線硬化性組成物をガラス基材上に、硬化後の厚みが10μmとなるように、バーコーターを用いて塗布した。高圧水銀灯を用いて照射強度50mW/cm2、積算光量500mJ/cm2で紫外線を照射して硬化させた。得られた硬化物の60°光沢を、日本電色工業の変角光沢計VG―7000を用いて測定して評価を以下評価基準で行った。
・評価基準
A:光沢が85以上の良好な場合
B:光沢が80以上85未満の場合
X:80未満の不良な場合
撹拌機、冷却管及び温度計を備えた重合装置中に、脱イオン水900質量部、メタクリル酸2−スルホエチルナトリウム60質量部、メタクリル酸カリウム10質量部、メタクリル酸メチル(MMA)12質量部を加えて撹拌し、重合装置内を窒素置換しながら、重合温度50℃に昇温し、重合開始剤として2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩0.08質量部を添加し、更に重合温度60℃に昇温した。前記重合開始剤の添加と同時に、滴下ポンプを使用して、MMAを0.24質量部/分の速度で75分間連続的に滴下することで合計18質量部を加えた。重合温度60℃で6時間保持した後、室温に冷却して分散剤(1)を得た。この分散剤(1)の固形分は10%であった。
撹拌機を備えた反応容器に、窒素雰囲気下で、酢酸コバルト(II)四水和物(和光純薬(株)製、和光特級)2.00g(8.03mmol)及びジフェニルグリオキシム(東京化成(株)製、EPグレード)3.86g(16.1mmol)及び予め窒素バブリングにより脱酸素したジエチルエーテル100mLを入れ、室温で2時間攪拌した。
撹拌機、冷却管及び温度計を備えた重合装置中に、脱イオン水145質量部、硫酸ナトリウム(Na2SO4)0.10質量部及び分散剤(1)0.25質量部を入れて撹拌して、均一な水溶液とした。次に、メタクリル酸メチル(MMA)100質量部、連鎖移動剤(1)0.0022質量部及び重合開始剤として1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油(株)製、商品名:パーオクタO)0.40質量部を加え、分散液とした。この後、重合装置内を十分に窒素置換し、分散液を80℃に昇温してから1時間保持し、更に91℃に昇温して1時間保持した。その後、反応液を40℃に冷却して、ポリマーを含む懸濁液を得た。この懸濁液を濾過布で濾過し、濾過物を脱イオン水で洗浄、脱水し、40℃で16時間乾燥して、マクロモノマー(1)(MM1)を得た。MM1の重量平均分子量(Mw)は7800、分子量分布(Mw/Mn)は1.65であった。
MM1の連鎖移動剤(1)0.0022質量部の代わりに、0.005質量部を用いた以外はMM1と同様にしてマクロモノマー(2)(MM2)を得た。MM2の重量平均分子量(Mw)は3900、分子量分布(Mw/Mn)は2.51であった。
脱イオン水145質量部、硫酸ナトリウム0.30質量部及び分散剤(1)0.40質量部を混合して分散媒を得た。
前記シラップを40℃以下に冷却した後、連鎖移動剤としてtert−ドデカンチオール(tDM)0.95質量部及びtert−ノニルメルカプタン(tNM)0.84質量部、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65)1.0質量部を加えて溶解させた。
MM1を50質量部、スチレンを40質量部、FM2Dを10質量部の代わりに、MM1を30質量部、スチレンを50質量部、FM2Dを15質量部、SLMAを5質量部、用いた以外は重合体(A−1)と同様にして、重合体(A−2)を得た。
MM1を50質量部、スチレンを40質量部の代わりに、MM1を10質量部、スチレンを50質量部、メチルアクリレート(MA)を30質量部、用いた以外は重合体(A−1)と同様にして、重合体(A−3)を得た。
MM1を30質量部の代わりに、MM2を30質量部、用いた以外は重合体(A−2)と同様にして、重合体(A−4)を得た。
MM1を50質量部、スチレンを40質量部、FM2Dを10質量部の代わりに、MM1を30質量部、スチレンを60質量部、MAを10質量部、用いた以外は重合体(A−1)と同様にして、重合体(A−5)を得た。
スチレンを60質量部、MAを10質量部の代わりに、スチレンを30質量部、MAを40質量部、SLMAを10質量部、用いた以外は、重合体(A−5)と同様にして、重合体(A−6)を得た。
製造例1により製造した重合体(A−1)を20質量部に対して、ラジカル重合性モノマーBとして、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)40質量部、ジトリメチロールプロパントリアクリレート(DTMPTA)40質量部、光重合開始剤としてベンゾフェノン(BNP)4質量部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド(TPO)1質量部、酸化チタン(TiO2)5質量部を70℃加温して均一混合し、活性エネルギー線硬化性組成物1を製造した。
共重合体Aとして、(A−2)20質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化性組成物2を製造した。
共重合体Aとして、(A−3)20質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化性組成物3を製造した。
共重合体Aとして、(A−4)20質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化性組成物4を製造した。
共重合体Aとして、(A−5)20質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化性組成物5を製造した。
共重合体Aとして、(A−6)20質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化性組成物6を製造した。
共重合体Aとして、スチレンを30質量部、MAを60質量部、FM2Dを10質量部とをランダム共重合してなる重合体(A−7)を用いた以外は、実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物7を作成した。
共重合体Aとして、MM1を10質量部、MAを50質量部、FM2Dを20質量部とをランダム共重合してなる重合体(A−8)を用いた以外は、実施例1を同様にして活性エネルギー線硬化性組成物8を作成した。
Claims (11)
- 共重合体Aを含む活性エネルギー線硬化性組成物であって、前記共重合体Aが、式1で示される構造を含むマクロモノマー由来の構成単位を側鎖に有し、スチレン系モノマー由来の構成単位を含む活性エネルギー線硬化性組成物。
・・・式1
(式1において、R1は置換又は無置換のアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基のいずれかであり、R2は水素又はメチル基である。) - 前記共重合体Aの絶対分子量と固有粘度から求めたMark−Houwinkプロットの傾きαが6未満である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 前記共重合体A100質量部に対する前記マクロモノマー由来の構成単位の比率が20質量部以上60質量部以下である、請求項1又は請求項2に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 前記共重合体A100質量部に対する前記スチレン系モノマーの共重合比率が30質量部以上65質量部以下である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 前記共重合体Aのガラス転移温度が10℃以上60℃以下である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 前記共重合体AのSp値が8以上11以下である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 前記共重合体Aの重量平均分子量Mwが10000以上40000以下である、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- ラジカル重合性モノマーBと、光重合開始剤を更に含む請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物。
- 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物と顔料又は染料を含むインキ組成物。
- 請求項10記載のインキ組成物が印刷された印刷物。
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