JP2020146855A - キャスティングドラム装置およびこのキャスティングドラム装置を用いた合成樹脂フィルム・シートの製造方法 - Google Patents

キャスティングドラム装置およびこのキャスティングドラム装置を用いた合成樹脂フィルム・シートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】キャスティングドラムを大型化した場合でも、合成樹脂フィルム・シートの膜厚を均一に保つことができ、合成樹脂フィルム・シートの材料樹脂、合成樹脂フィルム・シートに求められる物性・特性等に応じて、キャスティングドラムの表面温度を応答性良く・きめ細かく設定・制御できる、キャスティングドラム装置およびこのキャスティングドラム装置を用いた合成樹脂フィルム・シートの製造方法を提供する。【解決手段】キャスティングドラム装置1において、1)キャスティングドラム2を冷却および加熱する手段として、ベルチェ素子3を用い、2)キャスティングドラムの回転の位相に応じて、複数個のベルチェ素子に供給する直流電流の量および方向を制御する。また、上記のキャスティングドラム装置を用いて、合成樹脂フィルム・シート7を製造する。【選択図】図2

Description

本発明は、合成樹脂フィルム・シートの製造に用いられるキャスティングドラム装置およびこのキャスティングドラム装置を用いた合成樹脂フィルム・シートの製造方法に関するものである。
合成樹脂フィルム・シートは、溶融押出成型法、溶液流延法等により製造される。
溶融押出成型法は、最も一般的な合成樹脂フィルム・シートの製造方法であり、押出機内で加熱して溶融させた熱可塑性樹脂を押出金型の吐出口から押し出し、ドラム上で冷却することにより、合成樹脂フィルム・シートが製造される。
溶液流延法は、溶融させると分解しやすい樹脂または融点が高い樹脂を用いて合成樹脂フィルム・シートを製造する場合によく用いられる製造方法であり、合成樹脂を溶媒に溶解させた溶液を、表面を平滑にしたドラムまたは平滑ベルト上に供給した後、溶液を加熱・乾燥させることにより、合成樹脂フィルム・シートが製造される。溶液流延法で製造された合成樹脂フィルム・シートは、高分子の配向が生じていないため強度や光学特性に方向性がない、厚み精度が高い、平滑性、透明性および光沢性に優れる等の優れた物性・特性を有することから、光学用途に多く用いられる。
溶融押出成型法、溶液流延法等による合成樹脂フィルム・シートの製造を開示した文献としては、特許文献1〜2が挙げられる。
特許文献1には、図4に示すように、外筒21、内筒22、外筒21と内筒22間の空隙23を仕切るらせん溝隔壁24、一方の軸25、他方の軸26、および液状熱媒分岐管27が一体に形成されたキャスティングドラム20が開示されている。このキャスティングドラム20は一方の軸25および他方の軸26で支持されて回転すると共に、冷却水が、一方の軸25の内部→液状熱媒分岐管27→外筒21と内筒22間の空隙23→液状熱媒分岐管27→他方の軸26の内部という経路を通じて供給され、キャスティングドラム20の表面が冷却される。
特許文献2には、ポリカーボネート樹脂溶液を金属ベルト上で固形化する際の加熱方法として、赤外線加熱、加熱ガス接触、電磁誘導加熱、ガスヒーター加熱等任意の加熱方法を用いることが開示されている。
また、ベルチェ素子(「ペルティエ素子」とも呼ばれる。)を用いた温度調整を開示した文献としては、特許文献3〜4が挙げられる。
特許文献3には、印刷版露光器において、冷却循環回路からの熱を放出、または冷却循環回路への熱の供給にペルティエ素子を用いることが開示されており、また、特許文献4には、画像形成装置において、部材の冷却にペルティエ素子を用いることが開示されている。
国際公開第99/02328号 特開2005−200589号公報 特開2007−043163号公報 特開2010−181535号公報
従来の合成樹脂フィルム・シートを溶融押出成型法、溶液流延法等により製造する際に用いられるキャスティングドラムとしては、一般に、上記特許文献1に開示されているように、軸部、スポーク、胴部等の構成部材が一体に形成されたものが用いられている。このキャスティングドラムは、軸部で支持されて回転すると共に、熱媒・冷媒が供給されて胴部表面が加熱・冷却される。
近年、合成樹脂フィルム・シートの量産化、幅広化、薄膜化等の要望・需要に応じるために、キャスティングドラムが大型化されているが(例えば、直径が4m、幅が6m)、キャスティングドラムを大型化すると、表面積が増加した胴部表面の温度斑を低減するために、熱媒・冷媒の流量を増加する必要がある。一方、キャスティングドラムの大型化に伴い、胴部内の熱媒・冷媒の流通管路の長さおよび管路抵抗が増加することから、熱媒・冷媒の流量を増加すると、胴部の内部圧が高くなりキャスティングドラムが太鼓状に膨張し、合成樹脂フィルム・シートの膜厚を均一に保つのが難しくなるという問題が生じる。
また、キャスティングドラムに代えて、特許文献2に開示されるような金属ベルトを採用することも可能ではあるが、金属ベルトを採用した場合には設備コストが高くなる等の問題が生じる。
さらに、近年、高度な物性・特性を有する合成樹脂フィルム・シートが求められるようになったことに伴い、キャスティングドラムの全周の表面温度を均一に加熱・冷却するのではなく、キャスティングドラム表面が合成樹脂を溶媒に溶解させた溶液または溶融させた合成樹脂(以下、「液状合成樹脂」ともいう。)と接触する位置に応じて、キャスティングドラムの表面温度を応答性良く・きめ細かく設定・制御する必要が生じてきている。
本発明者等は、上記の問題を解決することを鋭意検討し、本発明を成したものである。
すなわち、本発明の課題は、キャスティングドラムを大型化した場合でも、合成樹脂フィルム・シートの膜厚を均一に保つことができ、合成樹脂フィルム・シートの材料樹脂、合成樹脂フィルム・シートに求められる物性・特性等に応じて、キャスティングドラムの表面温度を応答性良く・きめ細かく設定・制御できる、キャスティングドラム装置およびこのキャスティングドラム装置を用いた合成樹脂フィルム・シートの製造方法を提供することにある。
本発明者等は鋭意検討の結果、キャスティングドラムを冷却および加熱する手段としてベルチェ素子を用い、キャスティングドラムの回転の位相に応じて、ベルチェ素子に供給する直流電流の量および方向を制御することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を成したものである。
すなわち、本発明のキャスティングドラム装置は、
1)キャスティングドラムの内周面に、複数個のベルチェ素子を配置・固定すること、および
2)キャスティングドラムの回転の位相に応じて、複数個のベルチェ素子に供給する直流電流の量および方向を制御すること
により、上記課題を解決するものである。
また、本発明のキャスティングドラム装置を用いた合成樹脂フィルム・シートの製造方法は、上記のようなキャスティングドラム装置を用いて、合成樹脂フィルム・シートを製造することにより、上記課題を解決するものである。
本発明の要旨を以下に示す。
(1)合成樹脂フィルム・シートを成形する際に用いられるキャスティングドラム装置であって、
両端を支持されて回転する、中空円筒形のキャスティングドラムと、
前記キャスティングドラムの内周面に配置・固定された、複数個のベルチェ素子とを備え、
前記キャスティングドラムの回転の位相に応じて、前記複数個のベルチェ素子に供給する直流電流の量および方向を制御することを特徴とする、キャスティングドラム装置。
(2)前記キャスティングドラムの内周面への前記複数個のベルチェ素子の配置・固定が、前記合成樹脂フィルム・シートの材料樹脂、前記合成樹脂フィルム・シートに求められる物性・特性等に応じて行われることを特徴とする、(1)に記載のキャスティングドラム装置。
(3)前記複数個のベルチェ素子が、前記キャスティングドラムの内周面全面に亘って配置・固定されることを特徴とする、(1)に記載のキャスティングドラム装置。
(4)前記複数個のベルチェ素子それぞれのキャスティングドラム側の面の、冷却作用面と加熱作用面との間の切り替えが、前記合成樹脂フィルム・シートの材料樹脂、前記合成樹脂フィルム・シートに求められる物性・特性等に応じて行われることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載のキャスティングドラム装置。
(5)前記複数個のベルチェ素子が、前記キャスティングドラムの中心軸と直交する断面において、前記複数個のベルチェ素子それぞれの前記キャスティングドラム側の面が、前記キャスティングドラムの中心線と直交するように配置・固定されることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載のキャスティングドラム装置。
(6)前記キャスティングドラムが、炭素鋼を素材とするものであることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記載のキャスティングドラム装置。
(7)前記キャスティングドラムが、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を素材とするものであることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記載のキャスティングドラム装置。
(8)前記キャスティングドラムが、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製の内層、ステンレス製の外層から形成された積層中空円筒であることを特徴とする、(7)に記載のキャスティングドラム装置。
(9)前記キャスティングドラムが、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製の内層の表面に金属メッキを施されたものであることを特徴とする、(7)に記載のキャスティングドラム装置。
(10)前記(1)〜(9)のいずれかに記載のキャスティングドラム装置を用いることにより、合成樹脂を溶媒に溶解させた溶液または溶融させた合成樹脂から、合成樹脂フィルム・シートを成形することを特徴とする、合成樹脂フィルム・シートの製造方法。
本発明のキャスティングドラム装置は、キャスティングドラムを冷却および加熱する手段としてベルチェ素子を用い、キャスティングドラムの回転の位相に応じて、ベルチェ素子に供給する直流電流の量および方向を制御することにより、キャスティングドラムを大型化した場合でも、合成樹脂フィルム・シートの膜厚を均一に保つことができると共に、合成樹脂フィルム・シートの材料樹脂、合成樹脂フィルム・シートに求められる物性・特性等に応じて、キャスティングドラムの表面温度を応答性良く・きめ細かく設定・制御できる。
また、本発明の合成樹脂フィルム・シートの製造方法は、上記のキャスティングドラム装置を用いて、均一な膜厚、優れた物性・特性を有する合成樹脂フィルム・シートを製造できる。
本発明のキャスティングドラム装置の実施形態を示す、キャスティングドラムの中心軸を含む断面の模式図である。 図1のA−A断面を含むキャスティングドラム装置を示す模式図である。 図2の部分拡大図である。 従来例である、特許文献1のFig.10である。
以下、本発明のキャスティングドラム装置およびこのキャスティングドラム装置を用いた合成樹脂フィルム・シートの製造方法について、図面も用いながら詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<本発明の主要な特徴>
本発明のキャスティングドラム装置の実施形態を図1〜3に示す。図1はキャスティングドラム2の中心軸5を含む断面の模式図であり、図2は図1のA−A断面を含むキャスティングドラム装置を示す模式図であり、図3は図2の部分拡大図である。
本発明のキャスティングドラム装置1の主要な特徴は、
1)キャスティングドラム2を冷却および加熱する手段として、ベルチェ素子3を用いること、および
2)キャスティングドラム2の回転の位相に応じて、複数個のベルチェ素子3に供給する直流電流の量および方向を制御することにある。
上記1)の構成により、本発明のキャスティングドラム装置1は、キャスティングドラム2を大型化した場合でもキャスティングドラム2が太鼓状に膨張することがなく、均一な膜厚を有する合成樹脂フィルム・シート7を製造できる。さらに、キャスティングドラム2を軽量化でき、キャスティングドラム装置1を経済的・効率的に運転・操業できる。
上記2)の構成により、本発明のキャスティングドラム装置1は、合成樹脂フィルム・シート7の材料樹脂、合成樹脂フィルム・シート7に求められる物性・特性等に応じて、キャスティングドラム2の表面温度を、電気系統で統一して、応答性良く・きめ細かく設定・制御でき、優れた物性・特性を有する合成樹脂フィルム・シート7を製造できる。
<ベルチェ素子>
本発明のキャスティングドラム装置1において、キャスティングドラム2の冷却手段および加熱手段として用いられるベルチェ素子3は、一般に製造・販売されているものを用いることができる。
ベルチェ素子3は、直流電流を流すとベルチェ素子3の両面(表面および裏面)に温度差が発生し、一方の面を冷却作用面3A、他方の面を加熱作用面3Bとすることができる。また、直流電流の向きを切り替えることにより、冷却作用面3Aと加熱作用面3Bとを応答性良く切り替えることができ、また、直流電流の量を調整することにより、冷却作用面3Aの冷却量/加熱作用面3Bの加熱量を調整できる。
<ベルチェ素子の配置および設定・制御>
合成樹脂フィルム・シート7の材料樹脂、合成樹脂フィルム・シート7に求められる物性・特性等に応じて、複数個のベルチェ素子3を、キャスティングドラム2の内周面2Aに適宜配置することができる。通常、ベルチェ素子3の両面(表面および裏面)は平面であり、キャスティングドラム2の内周面2Aとの間に隙間が生じるが、この隙間には熱伝導率の高い熱伝導材4を充填するのが好ましい。
また、キャスティングドラム2の回転の位相に応じて、複数個のベルチェ素子3それぞれに供給する直流電流の量および方向を制御する手段については、公知の手段を適宜採用することができる。
さまざまな合成樹脂フィルム・シート7の材料樹脂、合成樹脂フィルム・シート7に求められる物性・特性等に対応する観点から、複数個のベルチェ素子3を、キャスティングドラム2の内周面2A全面に亘って配置・固定し、複数個のベルチェ素子3それぞれに供給する直流電流の量および方向を制御することにより、キャスティングドラム2の表面温度を応答性良く・きめ細かく設定・制御するのが好ましい。
また、ベルチェ素子3によるキャスティングドラム2の冷却・加熱効率を高くする観点から、複数個のベルチェ素子3が、キャスティングドラム2の中心軸5と直交する断面において、複数個のベルチェ素子3それぞれのキャスティングドラム2側の面が、キャスティングドラム2の中心線と直交するように配置・固定されるのが好ましい。
<キャスティングドラムの材質・形状・構造>
キャスティングドラム2の素材としては、特に限定されないが、物性・特性、価格等の観点からは、通常、炭素鋼が用いられる。
ベルチェ素子3の冷却/加熱能力は、現在のところ、熱媒・冷媒に比べて低いことから、キャスティングドラム2を熱容量の小さい炭素繊維強化プラスチック(以下、「CFRP」ともいう。)製とするのが好ましい。CFRPの炭素繊維としては、ピッチ系炭素繊維を好適に用いることができる。
キャスティングドラム2の材質として、CFRPを用いると、
a)キャスティングドラム2の重量を軽減できることから、大型化した場合でも、キャスティングドラム2を経済的・効率的に回転駆動することができる、
b)キャスティングドラム2の弾性率を高くして撓みを小さくでき、また、キャスティングドラム2の熱膨張率を小さくして熱変形を小さくできることから、膜厚の均一な合成樹脂フィルム・シート7を製造することができる、
c)キャスティングドラム2の熱伝導率を高くして熱容量を小さくできることから、キャスティングドラム2の表面温度を応答性良く設定・制御することができる
等のメリットがあるので好ましい。
キャスティングドラム2の素材としてCFRPを用いる場合には、キャスティングドラム2の表面の傷つきを防止するために、キャスティングドラム2の表面に金属層を設けることが望ましい。具体的には、CFRP製の内層、ステンレス製の外層から形成された積層中空円筒とすること、CFRP製の内層の表面に金属メッキを施すことが挙げられる。
金属メッキの種類としては、例えばクロムメッキ、ニッケルメッキ、亜鉛メッキなどが好適に用いられ、単独でまたは2種以上の多層の組み合わせで使用できるが、特に表面平滑化の容易さやその耐久性の点から最表面がクロムメッキされ、表面粗さが3S以下、特に0.5S以下であることが好ましい。
<キャスティングドラムの回転駆動>
キャスティングドラム2を回転駆動する方法としては、公知の一般的な方法を採用することができる。例えば、キャスティングドラム2の端部に各種ギア類を設け、電動モーターにより回転駆動することができる。特に、本発明のキャスティングドラム装置1では、キャスティングドラム2を軽量化できることから、キャスティングドラム2を斑なく回転できるノンバッククラッシュギア等を用いることができる。さらに、キャスティングドラム2の軽量化によりスリップを低減できることから、ベルトによりキャスティングドラム2を駆動することも可能である。
<外部冷却・加熱装置>
本発明のキャスティングドラム装置1は、キャスティングドラム2の周囲に、キャスティングドラム2の表面に向けてエアー、ミスト等の冷媒またはホットエアー等の熱媒を吹き付ける外部冷却・加熱装置8を備えることが好ましい。
外部冷却・加熱装置8により、ベルチェ素子3でキャスティングドラム2側から冷却・加熱された液状合成樹脂6および/または合成樹脂フィルム・シート7を、キャスティングドラム2の周囲からも冷却・加熱することにより、液状合成樹脂6および/または合成樹脂フィルム・シート7の温度をより適切に設定・制御することができる。特に、キャスティングドラム2から剥離する際の合成樹脂フィルム・シート7の温度を適切に設定・制御でき、合成樹脂フィルム・シート7の剥離性を向上することができる。
<合成樹脂フィルム・シートの製造方法>
本発明のキャスティングドラム装置1を用いた合成樹脂フィルム・シート7の製造方法は、上記のようなキャスティングドラム装置1を用いて、合成樹脂フィルム・シート7を製造することにより、均一な膜厚、優れた物性・特性を有する合成樹脂フィルム・シート7を製造できる。
すなわち、キャスティングドラム2を冷却および加熱する手段としてベルチェ素子3を用いることにより、キャスティングドラム2が太鼓状に膨張することがなく、均一な膜厚を有する合成樹脂フィルム・シート7を製造でき、さらに、キャスティングドラム2を軽量化でき、経済的・効率的に合成樹脂フィルム・シート7を製造できる。
さらに、キャスティングドラム2の回転の位相に応じて、複数個のベルチェ素子3に供給する直流電流の量および方向を制御することにより、合成樹脂フィルム・シート7の材料樹脂、合成樹脂フィルム・シート7に求められる物性・特性等に応じて、キャスティングドラム2の表面温度を、電気系統で統一して、応答性良く・きめ細かく設定・制御でき、優れた物性・特性を有する合成樹脂フィルム・シート7を製造できる。
<まとめ>
以上に説明したように、本発明のキャスティングドラム装置は、キャスティングドラムを冷却および加熱する手段としてベルチェ素子を用いることにより、キャスティングドラムが太鼓状に膨張することがなく、均一な膜厚を有する合成樹脂フィルム・シートを製造でき、さらに、キャスティングドラムを軽量化でき、キャスティングドラム装置を経済的・効率的に運転・操業できる。
さらに、本発明のキャスティングドラム装置は、キャスティングドラムの回転の位相に応じて、複数個のベルチェ素子に供給する直流電流の量および方向を制御することにより、合成樹脂フィルム・シートの材料樹脂、合成樹脂フィルム・シートに求められる物性・特性等に応じて、キャスティングドラムの表面温度を、電気系統で統一して、応答性良く・きめ細かく設定・制御でき、優れた物性・特性を有する合成樹脂フィルム・シートを製造できる。
また、本発明のキャスティングドラム装置を用いた合成樹脂フィルム・シートの製造方法は、上記のようなキャスティングドラム装置を用いて、合成樹脂フィルム・シートを製造することにより、均一な膜厚、優れた物性・特性を有する合成樹脂フィルム・シートを製造できる。
1 キャスティングドラム装置
2 キャスティングドラム
2A キャスティングドラムの内周面
3 ベルチェ素子
3A (ベルチェ素子の)冷却作用面
3B (ベルチェ素子の)加熱作用面
4 熱伝導材
5 キャスティングドラムの中心軸
6 液状合成樹脂(合成樹脂を溶媒に溶解させた溶液または溶融させた合成樹脂)
7 合成樹脂フィルム・シート
8 外部冷却・加熱装置
20 キャスティングドラム
21 外筒
22 内筒
23 外筒と内筒間の空隙
24 らせん溝隔壁
25 一方の軸
26 他方の軸
27 液状熱媒分岐管

Claims (10)

  1. 合成樹脂フィルム・シートを成形する際に用いられるキャスティングドラム装置であって、
    両端を支持されて回転する、中空円筒形のキャスティングドラムと、
    前記キャスティングドラムの内周面に配置・固定された、複数個のベルチェ素子とを備え、
    前記キャスティングドラムの回転の位相に応じて、前記複数個のベルチェ素子に供給する直流電流の量および方向を制御することを特徴とする、キャスティングドラム装置。
  2. 前記キャスティングドラムの内周面への前記複数個のベルチェ素子の配置・固定が、前記合成樹脂フィルム・シートの材料樹脂、前記合成樹脂フィルム・シートに求められる物性・特性等に応じて行われることを特徴とする、請求項1に記載のキャスティングドラム装置。
  3. 前記複数個のベルチェ素子が、前記キャスティングドラムの内周面全面に亘って配置・固定されることを特徴とする、請求項1に記載のキャスティングドラム装置。
  4. 前記複数個のベルチェ素子それぞれの前記キャスティングドラム側の面の、冷却作用面と加熱作用面との間の切り替えが、前記合成樹脂フィルム・シートの材料樹脂、前記合成樹脂フィルム・シートに求められる物性・特性等に応じて行われることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のキャスティングドラム装置。
  5. 前記複数個のベルチェ素子が、前記キャスティングドラムの中心軸と直交する断面において、前記複数個のベルチェ素子それぞれの前記キャスティングドラム側の面が、前記キャスティングドラムの中心線と直交するように配置・固定されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のキャスティングドラム装置。
  6. 前記キャスティングドラムが、炭素鋼を素材とするものであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のキャスティングドラム装置。
  7. 前記キャスティングドラムが、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を素材とするものであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のキャスティングドラム装置。
  8. 前記キャスティングドラムが、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製の内層、ステンレス製の外層から形成された積層中空円筒であることを特徴とする、請求項7に記載のキャスティングドラム装置。
  9. 前記キャスティングドラムが、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製の内層の表面に金属メッキを施されたものであることを特徴とする、請求項7に記載のキャスティングドラム装置。
  10. 前記請求項1〜9のいずれかに記載のキャスティングドラム装置を用いることにより、合成樹脂を溶媒に溶解させた溶液または溶融させた合成樹脂から、合成樹脂フィルム・シートを成形することを特徴とする、合成樹脂フィルム・シートの製造方法。
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