JP2020145175A - 固定部材付き配線部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】扁平配線部材が、環状部を有する固定部材によって固定対象に固定された状態でなるべく広がった状態を保つことができるようにする技術を提供することを目的とする。【解決手段】固定部材付き配線部材は、扁平配線部材と固定部材とを備え、前記固定部材は取付部と固定部とを含み、前記取付部は環状部と環状維持部とを有し、前記環状部は環状状態と非環状状態との間で状態変更可能であり、前記環状維持部は前記環状部の一端部に設けられて前記環状部の他端部を留めて前記環状部を前記環状状態に維持し、前記固定部は前記取付部に連なり前記扁平配線部材の固定対象に固定される部分であり、前記環状部が前記環状状態となって前記取付部が前記扁平配線部材に取付けられた状態で、前記扁平配線部材のうち前記取付部が取付けられた部分が広がった状態となっている。【選択図】図1

Description

本開示は、固定部材付き配線部材及び配線部材の固定構造に関する。
特許文献1は、シート状に形成された機能性外装部材と、長手方向に沿った少なくとも一部の領域で前記機能性外装部材に重なるように配設された電線と、を備え、前記電線の絶縁被覆と前記機能性外装部材とが重なる部分の少なくとも一部が溶着されている、ワイヤーハーネスを開示している。
特許文献2は、ワイヤーハーネスに取付けられてワイヤーハーネスを車両に固定するバンドクランプを開示している。
特開2018−137208号公報 特開2011−149456号公報
特許文献1に記載されたワイヤーハーネスが、特許文献2に記載されたバンドクランプのような環状部を有する固定部材によって固定対象に固定された状態で、ワイヤーハーネスがなるべく広がった状態を保てることが望まれている。
そこで扁平配線部材が、環状部を有する固定部材によって固定対象に固定された状態でなるべく広がった状態を保つことができるようにする技術を提供することを目的とする。
本開示の固定部材付き配線部材は、扁平配線部材と固定部材とを備え、前記扁平配線部材は複数の線状伝送部材とベース材とを含み、前記複数の線状伝送部材は並んだ状態で前記ベース材に固定されており、前記固定部材は取付部と固定部とを含み、前記取付部は環状部と環状維持部とを有し、前記環状部は環状状態と非環状状態との間で状態変更可能であり、前記環状維持部は前記環状部の一端部に設けられて前記環状部の他端部を留めて前記環状部を前記環状状態に維持し、前記固定部は前記取付部に連なり前記扁平配線部材の固定対象に固定される部分であり、前記環状部が前記環状状態となって前記取付部が前記扁平配線部材に取付けられた状態で、前記扁平配線部材のうち前記取付部が取付けられた部分が広がった状態となっている、固定部材付き配線部材である。
本開示によれば、扁平配線部材が、環状部を有する固定部材によって固定対象に固定された状態でなるべく広がった状態を保つことができる。
図1は実施形態1にかかる固定部材付き配線部材を示す正面図である。 図2は環状部が環状状態となる前の様子を示す説明図である。 図3は実施形態2にかかる固定部材付き配線部材を示す正面図である。 図4は実施形態3にかかる固定部材付き配線部材を示す正面図である。 図5は環状部が環状状態となる前の様子を示す説明図である。 図6は実施形態4にかかる固定部材付き配線部材を示す正面図である。 図7は実施形態5にかかる固定部材付き配線部材を示す正面図である。 図8は実施形態6にかかる固定部材付き配線部材を示す正面図である。 図9は実施形態7にかかる固定部材付き配線部材を示す正面図である。 図10は実施形態8にかかる固定部材付き配線部材を示す斜視図である。 図11は実施形態8にかかる固定部材付き配線部材を示す側面図である。 図12は実施形態9にかかる配線部材の固定構造を示す正面図である。 図13は実施形態10にかかる配線部材の固定構造を示す正面図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の固定部材付き配線部材は、次の通りである。
(1)扁平配線部材と固定部材とを備え、前記扁平配線部材は複数の線状伝送部材とベース材とを含み、前記複数の線状伝送部材は並んだ状態で前記ベース材に固定されており、前記固定部材は取付部と固定部とを含み、前記取付部は環状部と環状維持部とを有し、前記環状部は環状状態と非環状状態との間で状態変更可能であり、前記環状維持部は前記環状部の一端部に設けられて前記環状部の他端部を留めて前記環状部を前記環状状態に維持し、前記固定部は前記取付部に連なり前記扁平配線部材の固定対象に固定される部分であり、前記環状部が前記環状状態となって前記取付部が前記扁平配線部材に取付けられた状態で、前記扁平配線部材のうち前記取付部が取付けられた部分が広がった状態となっている、固定部材付き配線部材である。
取付部が扁平配線部材に取付けられた状態で、扁平配線部材のうち取付部が取付けられた部分が広がった状態で環状部が環状状態となっているため、環状部を有する固定部材が扁平配線部材に取付けられた状態で、扁平配線部材がなるべく扁平状態を保つことが可能となる。この状態で固定部が固定対象に固定されることにより、扁平配線部材が、環状部を有する固定部材によって固定対象に固定された状態でなるべく広がった状態を保つことができる。
ここで線状伝送部材とは、電気又は光等を伝送する線状の部材である。
(2)前記環状部は、全体に曲げ変形可能なバンドであり、前記バンドが前記扁平配線部材の少なくとも一部を包囲した環状状態で、前記取付部が前記扁平配線部材に取付けられていることが考えられる。この場合、扁平配線部材とは別体である固定部材を用いることができる。
(3)前記環状部は、全体に曲げ変形可能に形成されて一部が前記ベース材に接合されているバンドであることが考えられる。この場合、固定部材を直接ベース材に固定することができる。
(4)前記バンドの外周部に前記ベース材のうち前記線状伝送部材が固定された主面とは反対側の主面が接合されていることが考えられる。この場合、扁平配線部材がバンドの外側に位置するため、広がった状態が保たれやすい。
(5)前記環状部が前記ベース材と前記線状伝送部材との両方を包囲しているとともに、前記扁平配線部材の幅方向全体を包囲していることも考えられる。この態様は、例えば扁平配線部材の幅寸法が小さい場合に有効である。
(6)前記環状部が前記ベース材と前記線状伝送部材との両方を包囲しているとともに、前記扁平配線部材の幅方向の一部のみを包囲していることも考えられる。この態様は、例えば扁平配線部材の幅寸法が大きい場合に有効である。
(7)前記環状部が前記ベース材と前記線状伝送部材との間に通され、前記ベース材と前記線状伝送部材とのうち前記ベース材のみを包囲していることも考えられる。この場合、環状部が線状伝送部材を包囲せずに済む。
(8)前記環状部が前記ベース材と前記線状伝送部材との間に通され、前記ベース材と前記線状伝送部材とのうち前記線状伝送部材のみを包囲していることも考えられる。この場合、ベース材が線状伝送部材の外側に位置するため、線状伝送部材が周辺部材に接触しにくくなる。
(9)前記扁平配線部材のうち前記環状部によって包囲された部分の少なくとも一部が、前記固定部材に設けられた平面部に沿って広がって前記平面部に接触していることも考えられる。この場合、扁平配線部材のうち平面部と面接触している部分が扁平状態に保たれやすい。
(10)また、本開示の配線部材の固定構造は、扁平配線部材と固定対象と固定部材とを備え、前記扁平配線部材は複数の線状伝送部材とベース材とを含み、前記複数の線状伝送部材は並んだ状態で前記ベース材に固定されており、前記固定部材は環状部と環状維持部とを含み、前記環状部の一部が前記ベース材に接合されており、前記環状部は環状状態と非環状状態との間で状態変更可能であり、前記環状状態で前記固定対象と前記扁平配線部材とのうち前記固定対象のみを包囲しており、前記環状維持部は前記環状部の一端部に設けられて前記環状部の他端部を留めて前記環状部を前記環状状態に維持している、配線部材の固定構造である。環状部は、一部がベース材に接合されており、環状状態で固定対象と扁平配線部材とのうち固定対象のみを包囲しているため、扁平配線部材が、環状部を有する固定部材によって固定対象に固定された状態でなるべく広がった状態を保つことができる。
(11)また、本開示の配線部材の固定構造は、扁平配線部材と固定対象と固定部材とを備え、前記扁平配線部材は複数の線状伝送部材とベース材とを含み、前記複数の線状伝送部材は並んだ状態で前記ベース材に固定されており、前記固定部材は環状部と環状維持部とを含み、前記環状部は環状状態と非環状状態との間で状態変更可能であり、前記環状状態で前記固定対象及び前記扁平配線部材を包囲して、前記扁平配線部材を前記固定対象に向けて押さえつけており、前記環状維持部は前記環状部の一端部に設けられて前記環状部の他端部を留めて前記環状部を前記環状状態に維持している、配線部材の固定構造である。環状部が環状状態で、固定対象及び扁平配線部材を包囲して、扁平配線部材を固定対象に向けて押さえつけているため、扁平配線部材が、環状部を有する固定部材によって固定対象に固定された状態でなるべく広がった状態を保つことができる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の固定部材付き配線部材の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
[実施形態1]
以下、実施形態1に係る固定部材付き配線部材について説明する。図1は実施形態1にかかる固定部材付き配線部材10を示す正面図である。図2は環状部54が環状状態となる前の様子を示す説明図である。
固定部材付き配線部材10は、扁平配線部材20と固定部材50とを備える。
扁平配線部材20は、車両に搭載されて、車両の各機器に電力を供給したり、信号の授受をしたりする部材である。扁平配線部材20は、厚み方向の寸法が厚み方向に直交する方向の寸法よりも小さく形成されている。扁平配線部材20は、複数の線状伝送部材22と、複数の線状伝送部材22が並んだ状態で固定されたベース材30とを含む。
線状伝送部材22は、電気又は光等を伝送する線状の部材であればよい。例えば、線状伝送部材22は、芯線と芯線の周囲の被覆とを有する一般電線であってもよいし、裸導線、シールド線、エナメル線、ニクロム線、光ファイバ等であってもよい。
電気を伝送する線状伝送部材22としては、各種信号線、各種電力線であってもよい。電気を伝送する線状伝送部材22は、信号又は電力を空間に対して送る又は空間から受けるアンテナ、コイル等として用いられてもよい。
線状伝送部材22は、電気又は光等を伝送する伝送線本体と、伝送線本体を覆う被覆とを含む。線状伝送部材22が一般電線である場合、伝送線本体は芯線であり、被覆は絶縁被覆である。図2に示す例では、一のベース材30に同じ径、構造の線状伝送部材22が複数本配設されているが、複数本の線状伝送部材22の径、構造等は適宜設定されていればよく、径、構造等の異なる線状伝送部材22が同じベース材30に配設されていてもよい。
線状伝送部材22は、単一の線状物であってもよいし、複数の線状物の複合物(ツイスト線、複数の線状物を集合させてこれをシースで覆ったケーブル等)であってもよい。線状伝送部材22の端部には、線状伝送部材22と相手部材との接続形態に応じて、適宜端子、コネクタ等が設けられる。
ベース材30は、複数の線状伝送部材22を並んだ状態に保持する。ここではベース材30は、線状伝送部材22とは別に成形されたシート状部材である。シート状に形成されたベース材30の主面上に線状伝送部材22が所定の経路に沿って配置されている。以下では、ベース材30において線状伝送部材22が固定された一方の主面を主面31とし、主面31とは反対側の主面を主面32とする。線状伝送部材22は、ベース材30上において2次元的に位置決めされた状態で保持されているととらえることもできる。
ベース材30を構成する材料は特に限定されるものではないが、ベース材30は、例えばPVC(ポリ塩化ビニル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)などの樹脂を含む材料によって形成される。ベース材30は、不織布、織地、編地など繊維を有する繊維材等であってもよいし、非繊維材であってもよい。非繊維材としては、内部が一様に埋った充実状の部材、または樹脂が発泡成形された発泡体などであってもよい。ベース材30は、金属などの材料を含むこともあり得る。
ベース材30は、単層であってもよいし、複数層積層されていてもよい。複数層積層されている場合、例えば、樹脂層と樹脂層とが積層されていることが考えられる。また例えば、樹脂層と金属層とが積層されていることが考えられる。また、ベース材30は、非繊維材層と非繊維材層とが重ねられたものであってもよいし、非繊維材層と繊維材層が重ねられたものであってもよいし、繊維材層と繊維材層とが重ねられたものであってもよい。
ベース材30は曲げ可能な部材であってもよいし、湾曲しつつ複数の線状伝送部材22を平面的に位置決めした状態で保持できる程度の剛性を有する部材であってもよいし、平らな状態を保った状態で複数の線状伝送部材22を2次元的に位置決めした状態で保持できる程度の剛性を有する部材であってもよい。ベース材30は、部分的に壁が立設される等、立体的な形状部分を有していてもよい。
ベース材30は、線状伝送部材22の経路に沿って延びる帯状に形成されている。ベース材30上における線状伝送部材22の経路は適宜設定されていればよく、図1に示す例では、線状伝送部材22は、ベース材30上で直線状に配設されている部分を有する。線状伝送部材22が直線状に配設された部分に固定部材50が取付けられている。
線状伝送部材22がベース材30上で曲がって配設されている部分を有していてもよい。この場合、ベース材30も線状伝送部材22の曲げに応じて主面31に沿って曲がって形成されていてもよい。複数本の線状伝送部材22は、ベース材30上で分岐したり、交差したりするように異なる経路で配設されていてもよい。この場合、ベース材30も分岐したり、交差したりするように形成されていてもよい。ベース材30が複数の線状伝送部材22の経路に沿った形状に形成されることで、ベース材30と他部品との干渉抑制、軽量化等が可能となる。
線状伝送部材22とベース材30とは固定されている。係る固定態様として、接触部位固定であってもよいし、非接触部位固定であってもよいし、両者が併用されていてもよい。ここで接触部位固定とは、線状伝送部材22とベース材30とが接触する部分がくっついて固定されているものである。また、非接触部位固定とは、接触部位固定でない固定態様である。例えば、縫糸、別のベース材、粘着テープなどが、線状伝送部材22をベース材30に向けて押え込んだり、縫糸、別のベース材、粘着テープなどが、線状伝送部材22とベース材30とを囲む状態などとなって、線状伝送部材22とベース材30とを挟み込んだりして、線状伝送部材22とベース材30とが固定された状態に維持するものである。以下では、線状伝送部材22とベース材30とが、接触部位固定の状態にあるものとして説明する。接触部位固定に関する各説明は、適用不可能な構成でない限り、非接触部位固定にも適用可能である。
係る接触部位固定の態様として、間接固定であってもよいし、直接固定であってもよいし、異なる領域で両者が併用されていてもよい。ここで間接固定とは、線状伝送部材22とベース材30とが、その間に設けられた接着剤、粘着剤、両面粘着テープ、面ファスナなどの介在物を介して間接的にくっついて固定されているものである。また直接固定とは、線状伝送部材22とベース材30とが別に設けられた接着剤等を介さずに直接くっついて固定されているものである。直接固定では、例えば線状伝送部材22とベース材30とのうち少なくとも一方に含まれる樹脂が溶かされることによってくっついて固定されることが考えられる。以下では、線状伝送部材22とベース材30とが、直接固定の状態にあるものとして説明する。直接固定に関する各説明は、適用不可能な構成でない限り、間接固定にも適用可能である。
係る直接固定の状態が形成されるに当たり、樹脂は、例えば、熱によって溶かされることも考えられるし、溶剤によって溶かされることも考えられる。つまり、直接固定の状態としては、熱による直接固定の状態であってもよいし、溶剤による直接固定の状態であってもよい。好ましくは、熱による直接固定の状態であるとよい。
このとき直接固定の状態を形成する手段は特に限定されるものではなく、溶着、融着、溶接等の公知の手段を含む各種手段を用いることができる。例えば、溶着によって熱による直接固定の状態を形成する場合、超音波溶着、加熱加圧溶着、熱風溶着、高周波溶着など種々の溶着手段を採用することができる。またこれらの手段によって直接固定の状態が形成されると、線状伝送部材22とベース材30とは、その手段による直接固定の状態とされる。具体的には、例えば、超音波溶着によって直接固定の状態が形成されると、線状伝送部材22とベース材30とは、超音波溶着による直接固定の状態とされる。溶着によって熱による直接固定の状態を形成した部分(線状伝送部材22とベース材30との固定部分)を溶着部、このうち、超音波溶着による固定部分を超音波溶着部、加熱加圧溶着による固定部分を加熱加圧溶着部等と称してもよい。
直接固定の場合、線状伝送部材22の被覆に含まれる樹脂のみが溶けていてもよいし、ベース材30に含まれる樹脂のみが溶けていてもよい。これらの場合において溶けた方の樹脂が他方の外面にくっついた状態となり、比較的はっきりした界面が形成されることがある。また、直接固定の場合、線状伝送部材22の被覆に含まれる樹脂とベース材30に含まれる樹脂の両方が溶けていてもよい。この場合、両方の樹脂が混ざり合ってはっきりした界面が形成されないことがある。特に、線状伝送部材22の被覆とベース材30とが、同じ樹脂材料など相溶しやすい樹脂を含む場合などに、両方の樹脂が混ざり合ってはっきりした界面が形成されないことがある。
線状伝送部材22と直接固定されるベース材30として、第1シート状部材と第2シート状部材とが積層されたものを用いることができる。第1シート状部材は第2シート状部材よりも線状伝送部材22との直接固定に適するものである。例えば、第1シート状部材は線状伝送部材22の被覆と同系材料によって充実シート状に形成されたものである。第1シート状部材はベース材30の主面31に現れる。第1シート状部材に線状伝送部材22が直接固定される。第2シート状部材は第1シート状部材よりも保護性能の高いものである。例えば、第2シート状部材は不織布である。第2シート状部材がベース材30の主面32に現れる。本例におけるベース材30は、金属製のシート状部材の層が積層されていないが、金属製のシート状部材の層が積層されていてもよい。
図2に示す二点鎖線は、線状伝送部材22とベース材30とが直接固定されている箇所を示している。図2に示すように、線状伝送部材22とベース材30とは線状伝送部材22の延在方向に間隔をあけた複数箇所で直接固定されている。換言すると、線状伝送部材22とベース材と30との部分的な直接固定箇所Aが線状伝送部材22の延在方向にそって断続的に設けられている。
固定部材50は、扁平配線部材20への取付けに用いられる取付部52と、扁平配線部材20の固定対象80に固定される固定部60とを含む。本例における固定部材50は、樹脂を材料として取付部52と固定部60とが一体成形された成形品である。取付部52は、環状部54と、環状維持部56とを有する。環状部54は、環状状態(図1参照)と非環状状態(図2参照)との間で状態変更可能である。環状維持部56は、環状部54の一端部に設けられている。環状維持部56は、環状部54の他端部を留めて環状部54を環状状態に維持する。本例では、環状部54が環状状態で扁平配線部材20の少なくとも一部を包囲していることによって、取付部52が扁平配線部材20に取付けられた状態となっている。取付部52が扁平配線部材20に取付けられた状態で、扁平配線部材20のうち取付部52が取付けられた部分が広がった状態で環状部54が環状状態となっている。
具体的には、本例では、固定部材50としてバンドクランプ50が用いられている。つまり取付部52は、環状部54としてのバンド54と、環状維持部56としてのバンド固定部56とを有する。バンド54は、全体に曲げ変形可能に細帯状に形成されている。バンド固定部56は、例えば本体部57と、係止突起(図示省略)とを有する。本体部57には、バンド54を挿通可能なバンド挿通孔57hが形成されている。係止突起はバンド挿通孔57hの内周面からバンド挿通孔57h内の空間に向けて突出するように形成されている。当該係止突起と選択的に係止可能な複数の係止受部(図示省略)がバンド54に形成される。バンド54がバンド挿通孔57hに挿通された状態で、係止突起が係止受部に係止することによって、バンド54がバンド固定部56に留められる。
ここではバンド54は、線状伝送部材22の延在方向に沿った複数の直接固定箇所A間の位置において、線状伝送部材22とベース材30との間に通されている。バンド54は、ベース材30と線状伝送部材22とのうち線状伝送部材22のみを包囲している。本例では、バンド54とベース材30とは、接触している部分があったとしても接合はされていない。バンド54と線状伝送部材22とにおいても同様に、接触している部分があったとしても接合はされていない。バンド54の中間部が線状伝送部材22を包囲した状態で、バンド54の先端部がバンド固定部56に固定されることによって、取付部52が配線部材20に取付けられた状態となる。取付部52は、線状伝送部材22を締め付けていてもよいし、締め付けていなくてもよい。取付部52が、線状伝送部材22を締め付けすぎると、線状伝送部材22とベース材30との固定が外れたり、線状伝送部材22が束になったりする恐れがある。このため、取付部52は、線状伝送部材22とベース材30との固定が外れず、かつ線状伝送部材22が並んだ状態が保たれる範囲で、線状伝送部材22を締め付けていると良い。
バンド固定部56は、複数の線状伝送部材22と対向する位置に位置している。バンド固定部56をバンド54が貫通する方向が複数の線状伝送部材22が並ぶ方向に沿った方向である。
複数の線状伝送部材22は、取付部52によって締め付けられることによって、湾曲するバンド54の内面に沿って並ぶことが考えられる。この場合、複数の線状伝送部材22が固定されたベース材30も、複数の線状伝送部材22にならってバンド54の外面側でバンド54が湾曲する方向に湾曲していることもあり得る。
固定部60は、バンド固定部56における外面から突出するように設けられている。固定部60は、扁平配線部材20を固定対象80に固定する。本例では固定対象80がパネルなどの板状部材80であるものとして説明する。固定部60は、板状部材80に形成された固定孔82に係止可能に形成されている。固定部60は、バンド固定部56から突出するように形成された柱部61と、柱部61の先端部から柱部61の側方かつ基端側に向けて突出するように形成された一対の係止片62とを備える。一対の係止片62の基端側では、先端側に向けて徐々にその間隔が広がるように形成されている。そして一対の係止片62は、固定部60が固定孔82に挿入されて固定孔82の周縁部に接触したとき、固定孔82の周縁部からの力を受けてその間隔が狭まるように弾性変形可能である。一対の係止片62は、先端部が固定孔82を通過後、弾性復帰し、固定孔82の周縁部に係止する。これにより固定部60が固定対象80に固定された状態となる。
もっとも固定部60の形状は固定対象80に応じた形状に形成されていればよく、上記したものに限られない。例えば、固定対象が板状に形成された固定片を有する場合に、固定部は当該固定片が挿入係止可能な形状に形成されていると良い。
固定部材付き配線部材10によると、取付部52が扁平配線部材20に取付けられた状態で、扁平配線部材20のうち取付部52が取付けられた部分が広がった状態で環状部54が環状状態となっているため、環状部54を有する固定部材50が扁平配線部材20に取付けられた状態で、扁平配線部材20がなるべく扁平状態を保つことが可能となる。この状態で固定部60が固定対象80に固定されることにより、扁平配線部材20が、環状部54を有する固定部材50によって固定対象80に固定された状態でなるべく広がった状態を保つことができる。
環状部54は、全体に曲げ変形可能なバンド54であり、バンド54が扁平配線部材20の少なくとも一部を包囲した環状状態で、取付部52が扁平配線部材20に取付けられていると、扁平配線部材20とは別体である固定部材50を用いることができる。
環状部54がベース材30と線状伝送部材22との間に通され、ベース材30と線状伝送部材22とのうち線状伝送部材22のみを包囲していることによって、ベース材30が線状伝送部材22の外側に位置するため、線状伝送部材22が周辺部材に接触しにくくなる。
[実施形態2]
実施形態2に係る固定部材付き配線部材について説明する。図3は実施形態2にかかる固定部材付き配線部材110を示す正面図である。なお、本実施形態の説明において、これまで説明したものと同様構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。以下の各実施形態の説明においても同様である。
本例では環状部54が包囲している部材が、実施形態1において環状部54が包囲している部材とは異なっている。具体的には、環状部54がベース材30と線状伝送部材22とのうちベース材30のみを包囲している。この際、本例でも環状部54はベース材30と線状伝送部材22との間に通されている。本例のように環状部54がベース材30と線状伝送部材22との間に通され、ベース材30と線状伝送部材22とのうちベース材30のみを包囲していると、環状部54が線状伝送部材22を包囲せずに済む。
図3には、固定部材50がバンドクランプ50である例が示されている。図3に示す例では、バンド固定部56は、ベース材30と対向する位置に位置している。バンド固定部56をバンド54が貫通する方向がベース材30の主面32に沿った方向である。また図3に示す例では、バンド54における内面はベース材30の主面31に面接触している。
[実施形態3]
実施形態3に係る固定部材付き配線部材について説明する。図4は実施形態3にかかる固定部材付き配線部材210を示す正面図である。図5は環状部54が環状状態となる前の様子を示す説明図である。
本例では環状部54が包囲している部材が、実施形態1、2において環状部54が包囲している部材とは異なっている。具体的には、環状部54がベース材30と線状伝送部材22との両方を包囲している。このとき環状部54は扁平配線部材20の幅方向全体を包囲している。環状部54がベース材30と線状伝送部材22との両方を包囲している場合、環状部54はベース材30及び線状伝送部材22の外側に位置する。環状部54がベース材30と線状伝送部材22との両方を包囲しているとともに扁平配線部材20の幅方向全体を包囲している態様は、例えば扁平配線部材20の幅寸法が小さい場合に有効である。
図4には、固定部材50がバンドクランプ50である例が示されている。バンド固定部56は、線状伝送部材22と対向する位置に位置している。バンド固定部56をバンド54が貫通する方向が複数の線状伝送部材22が並ぶ方向に沿った方向である。また図4に示す例では、バンド54における内面はベース材30の主面32に面接触している。
本例においてバンド54の一部がベース材30に接合されていてもよい。図5に示すように、バンド54のうち中間部がベース材30に接合されていると良い。バンド54とベース材30との接合態様は、特に限定されるものではなく、例えば上述の直接固定、間接固定などであってもよい。バンド54とベース材30とが直接固定されているとともに、線状伝送部材22とベース材30との直接固定箇所が線状伝送部材22の延在方向に沿って断続的に設けられている場合、バンド54は直接固定箇所を避けた位置でベース材30と直接固定されていると良い。バンド54の一部がベース材30に接合されていると、固定部材50を直接ベース材30に固定することができる。これにより固定部材50は、扁平配線部材20に取付けられた状態で、扁平配線部材20の周りに回転しにくくなる。このとき環状部54が全体に曲げ変形可能に形成されてバンド54であると、平坦なベース材にバンドを直接固定しやすい。
もっともバンド54の一部がベース材30に接合されていなくてもよい。この場合、バンド固定部56は、ベース材30と対向する位置に位置していてもよい。この場合、バンド固定部56をバンド54が貫通する方向がベース材30の主面32に沿った方向となることが考えられる。またバンド54における内面は複数の線状伝送部材22に接触していることが考えられる。
[実施形態4]
実施形態4に係る固定部材付き配線部材について説明する。図6は実施形態4にかかる固定部材付き配線部材310を示す正面図である。
本例では、バンド54の外周部にベース材30のうち主面32が接合されている。このため、本例では、バンド54が環状状態で、線状伝送部材22及びベース材30を包囲していない状態となることができる。バンド54の外周部にベース材30のう主面32が接合されていると、扁平配線部材20がバンド54の外側に位置するため、広がった状態が保たれやすい。
固定部材付き配線部材310が形成される際、図5に示す例と同様に、バンド54のうち中間部がベース材30に接合されていると良い。なお固定部60の向きは図5に示す向きとは逆向きとなる。バンド54とベース材30との接合態様は、特に限定されるものではなく、例えば上述の直接固定、間接固定などであってもよい。バンド54とベース材30とが直接固定されているとともに、線状伝送部材22とベース材30との直接固定箇所が線状伝送部材22の延在方向に沿って断続的に設けられている場合、バンド54は直接固定箇所を避けた位置でベース材30と直接固定されていると良い。
[実施形態5]
実施形態5に係る固定部材付き配線部材について説明する。図7は実施形態5にかかる固定部材付き配線部材410を示す正面図である。
本例では、環状部54がベース材430と線状伝送部材22との両方を包囲しているとともに、扁平配線部材420の幅方向の一部のみを包囲している。つまり、ベース材430と線状伝送部材22とのうち少なくとも一方に環状部54によって包囲されていない部分が存在する。図7に示す例では、環状部54は、ベース材430の一部と線状伝送部材22の一部とを包囲している。ベース材430と線状伝送部材22とのうち両方に環状部54によって包囲されていない部分が存在する。この際、ベース材430に貫通孔38が形成されている。貫通孔38はベース材430のうち線状伝送部材22と重ならない位置に形成されている。環状部54は、貫通孔38を貫通しつつ環状状態となっている。
図7に示す例では、環状部54はベース材430の幅方向中間部を包囲している。ベース材430に2つの貫通孔38が形成されている。環状部54は2つの貫通孔38を貫通しつつ環状状態となっている。環状部54が2つの貫通孔38を貫通する向きはそれぞれ逆向きとされている。つまり環状部54は、主面31側から一の貫通孔38を貫通し、主面32側から他の貫通孔38を貫通している。環状部54はベース材430の幅方向端部を包囲していてもよい。この場合、環状部54はベース材430に形成された1つの貫通孔38を貫通していればよい。
図7に示す例では、環状部54は、複数の線状伝送部材22のうち中間に並んでいる線状伝送部材22を包囲している。もっとも環状部54は、複数の線状伝送部材22のうち端に並んでいる線状伝送部材22を包囲していてもよい。
環状部54がベース材430と線状伝送部材22との両方を包囲しているとともに、扁平配線部材420の幅方向の一部のみを包囲している態様は、例えば扁平配線部材420の幅寸法が大きい場合に有効である。
図7には、固定部材50がバンドクランプ50である例が示されている。バンド固定部56は、ベース材430と対向する位置に位置している。バンド固定部56をバンド54が貫通する方向がベース材430の主面32に沿った方向である。バンド固定部56における本体部57のうち固定部60が突設された面とは反対側の面が平面部58とされて、ベース材430の主面32に面接触している。このように、扁平配線部材420のうち環状部54によって包囲された部分の少なくとも一部が、固定部材50に設けられた平面部58に沿って広がって平面部58に接触していると、扁平配線部材420のうち平面部58と面接触している部分が扁平状態に保たれやすい。
[実施形態6]
実施形態6に係る固定部材付き配線部材について説明する。図8は実施形態6にかかる固定部材付き配線部材510を示す正面図である。
本例ではベース材530の幅方向両端部側それぞれに固定部材50が設けられている。環状部54がベース材530と線状伝送部材22とのうちベース材530のみを包囲している。具体的には、ベース材530は、本体部34と延出片36とを有する。本体部34には、線状伝送部材22が固定されている。延出片36は本体部34から側方に延出している。延出片36には線状伝送部材22が配設されていない。環状部54が本体部34と延出片36とのうち延出片36のみを包囲している。延出片36に貫通孔38が形成されている。環状部54が貫通孔38を貫通している。
[実施形態7]
実施形態7に係る固定部材付き配線部材について説明する。図9は実施形態7にかかる固定部材付き配線部材610を示す正面図である。
本例では固定部材650の形状が上記固定部材50とは異なる。固定部材650は、取付部652と固定部660とが一体成形された成形品である。取付部652は、環状部654と、環状維持部656とを有する。環状部654は、環状状態と非環状状態との間で状態変更可能である。環状部654は環状状態で扁平配線部材20を包囲している。環状維持部656は環状部654の一端部に設けられている。環状維持部は環状部654の他端部を留めて環状部654を環状状態に維持する。本例では、かかる固定部材650としてヒンジ回動型のクランプ650(コルゲートクランプなどともいう)が用いられている事例である。
クランプ650において、環状部654は、複数(ここでは2つ)の部分環状部654a、654bと、ヒンジ部654cとを有する。部分環状部654a、654bは、湾曲板状に形成されている。部分環状部654a、654bは、周方向に分割された形状をなしている。複数の部分環状部654a、654bは、合わさることによって環状をなす。各部分環状部654a、654bは、部分的に環状となっている状態を保てる程度の剛性を有する。ヒンジ部654cは、隣り合う部分環状部654a、654bを相対回動可能に連結する。例えばヒンジ部654cは薄肉に形成された部分である。
クランプには押え片655が設けられている。押え片655は、部分環状部654bの内面から環状部654の内側に向けて突出する。押え片655における一端部が部分環状部654bの内面に連なっている。押え片655における他端部が自由端となっている。押え片655は例えば一端部回りに弾性変形可能であり、環状部654に包囲された扁平配線部材20を押さえることができる。
環状維持部656は、部分環状部654aの周方向端部に設けられている。環状維持部656には係止突起657が形成されている。係止突起657は、部分環状部654bの周方向端部に形成された係止受部654dに係止可能である。
固定部660は、固定対象680に設けられた板状の固定片84を挿入係止可能に形成されている。固定部660は、環状維持部656と一体となっている。具体的には、部分環状部654aの周方向端部に箱部が設けられ、箱部の一端に係止突起657が形成される共に箱部の他端に固定部660が設けられている。
図9に示す例では、環状部654は実施形態3に示す例と同様にベース材30と複数の線状伝送部材22との両方を包囲しているが、このことは必須の構成ではない。扁平配線部材において環状部654によって包囲される領域は、適宜設定可能であり、例えば他の実施形態で示される領域であってもよい。
[実施形態8]
実施形態8に係る固定部材付き配線部材について説明する。図10は実施形態8にかかる固定部材付き配線部材710を示す斜視図である。図11は実施形態8にかかる固定部材付き配線部材710を示す正面図である。
本例は実施形態7と同様に固定部材750がヒンジ回動型のクランプ750である事例である。本例では、環状部754における部分環状部754a、754bが平板状に形成されている。部分環状部754a、754bは、ヒンジ部754cで連結されている。環状維持部756としての係止突起757は、部分環状部754bの長手方向端部に設けられている。部分環状部754aの長手方向端部に係止受部754dが形成されている。係止受部754dは貫通孔状に形成されている。貫通孔状の係止受部754dに係止突起757が貫通係止して環状部754が環状状態となる。
本例では、ベース材730は、本体部34と延出片736とを有する。本体部34には、線状伝送部材22が固定されている。延出片736は本体部34から側方に延出している。延出片736には線状伝送部材22が配設されていない。延出片736は部分環状部754a、754bと同程度の幅寸法に形成されている。
環状部754が本体部34と延出片736とのうち延出片736のみを包囲している。本例では環状部754が延出片736を挟持していることによって取付部752が扁平配線部材720に取付けられた状態となっている。この際、部分環状部754a、754bの内面には、突起754eが形成されている。これにより、環状部754が延出片736をしっかりと挟持することができる。
クランプ750には固定部として上記固定部60が設けられている。固定部60は、部分環状部754aの外面に突設されている。もっとも、クランプ750には、固定部60以外の固定部が設けられていてもよい。
[実施形態9]
実施形態9に係る配線部材の固定構造について説明する。図12は実施形態9にかかる配線部材の固定構造800を示す正面図である。
配線部材の固定構造800は、扁平配線部材20と固定対象880と固定部材850とを備える。固定対象880は、扁平配線部材20の固定対象である。固定対象880は例えばリンフォースメントなどの棒状部材880である。図12に示す例では棒状部材880の横断面は円形状であるが、角形状などであってもよい。また棒状部材880は柱状(中実)であってもよいし、筒状(中空)であってもよい。
固定部材850は、環状部54と環状維持部56とを含む。かかる固定部材850としては、例えば上記固定部材50から固定部60が省略されたものを用いることができる。かかる固定部材850としては、例えば結束バンド850を採用することができる。結束バンド850は環状部54としてのバンド54と環状維持部56としてのバンド固定部56とを含む。
環状部54の一部は、ベース材30に接合されている。環状部54は環状状態と非環状状態との間で状態変更可能である。環状部54は環状状態で固定対象880と扁平配線部材20とのうち固定対象880のみを包囲している。環状維持部56は環状部54の一端部に設けられて環状部54の他端部を留めて環状部54を環状状態に維持している。
ここではバンド54の中間部とベース材30とが接合されている。バンド54とベース材30との接合態様は、特に限定されるものではなく、例えば上述の直接固定、間接固定などであってもよい。バンド54とベース材30とが直接固定されているとともに、線状伝送部材22とベース材30との直接固定箇所が線状伝送部材22の延在方向に沿って断続的に設けられている場合、バンド54は直接固定箇所を避けた位置でベース材30と直接固定されていると良い。
配線部材の固定構造800によると、環状部54は、一部がベース材30に固定されており、環状状態で固定対象880と扁平配線部材20とのうち固定対象880のみを包囲しているため、扁平配線部材20が、環状部54を有する固定部材850によって固定対象80に固定された状態でなるべく広がった状態を保つことができる。
[実施形態10]
実施形態10に係る配線部材の固定構造について説明する。図13は実施形態10にかかる配線部材の固定構造900を示す正面図である。
配線部材の固定構造900は、環状部54が環状状態で固定対象880及び扁平配線部材20を包囲して、扁平配線部材20を固定対象880に向けて押さえつけている点で、配線部材の固定構造800とは異なる。この際、図13に示す例では、環状部54が扁平配線部材20におけるベース材30と線状伝送部材22との両方を包囲しているが、このことは必須の構成ではない。これまでと同様に環状部54は、ベース材30と線状伝送部材22とのうちベース材30のみを包囲していてもよいし、線状伝送部材22のみを包囲していてもよい。また図13に示す例では、ベース材30と線状伝送部材22とのうちベース材30が固定対象880を向いているが、ベース材30と線状伝送部材22とのうち線状伝送部材22が固定対象880を向いていてもよい。
環状部54が環状状態で、固定対象880及び扁平配線部材20を包囲して、扁平配線部材20を固定対象80に向けて押さえつけているため、扁平配線部材20が、環状部54を有する固定部材850によって固定対象880に固定された状態でなるべく広がった状態を保つことができる。
本例のように環状部54が環状状態で固定対象880及び扁平配線部材20を包囲している場合、環状部54とベース材30とは接合されていなくてもよい。
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
10、110、210、310、410、510、610、710 固定部材付き配線部材
20、420、520、720 扁平配線部材
22 線状伝送部材
30、430、530、730 ベース材
31、32 主面
34 本体部
36、736 延出片
38 貫通孔
50、650、750、850 固定部材
52 取付部
54、654、754 環状部
654a、654b、754a、754b 部分環状部
654c、754c ヒンジ部
654d、754d 係止受部
755e 突起
56、656 環状維持部
57 本体部
57h バンド挿通孔
657 係止突起
58 平面部
60、660 固定部
61 柱部
62 係止片
80、680、880 固定対象
82 固定孔
84 固定片
800、900 配線部材の固定構造
A 直接固定箇所

Claims (11)

  1. 扁平配線部材と固定部材とを備え、
    前記扁平配線部材は複数の線状伝送部材とベース材とを含み、
    前記複数の線状伝送部材は並んだ状態で前記ベース材に固定されており、
    前記固定部材は取付部と固定部とを含み、
    前記取付部は環状部と環状維持部とを有し、
    前記環状部は環状状態と非環状状態との間で状態変更可能であり、
    前記環状維持部は前記環状部の一端部に設けられて前記環状部の他端部を留めて前記環状部を前記環状状態に維持し、
    前記固定部は前記取付部に連なり前記扁平配線部材の固定対象に固定される部分であり、
    前記環状部が前記環状状態となって前記取付部が前記扁平配線部材に取付けられた状態で、前記扁平配線部材のうち前記取付部が取付けられた部分が広がった状態となっている、固定部材付き配線部材。
  2. 前記環状部は、全体に曲げ変形可能なバンドであり、
    前記バンドが前記扁平配線部材の少なくとも一部を包囲した環状状態で、前記取付部が前記扁平配線部材に取付けられている、請求項1に記載の固定部材付き配線部材。
  3. 前記環状部は、全体に曲げ変形可能に形成されて一部が前記ベース材に接合されているバンドである、請求項1に記載の固定部材付き配線部材。
  4. 前記バンドの外周部に前記ベース材のうち前記複数の線状伝送部材が固定された主面とは反対側の主面が接合されている、請求項3に記載の固定部材付き配線部材。
  5. 前記環状部が前記ベース材と前記線状伝送部材との両方を包囲しているとともに、前記扁平配線部材の幅方向全体を包囲している、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の固定部材付き配線部材。
  6. 前記環状部が前記ベース材と前記線状伝送部材との両方を包囲しているとともに、前記扁平配線部材の幅方向の一部のみを包囲している、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の固定部材付き配線部材。
  7. 前記環状部が前記ベース材と前記線状伝送部材との間に通され、前記ベース材と前記線状伝送部材とのうち前記ベース材のみを包囲している、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の固定部材付き配線部材。
  8. 前記環状部が前記ベース材と前記線状伝送部材との間に通され、前記ベース材と前記線状伝送部材とのうち前記線状伝送部材のみを包囲している、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の固定部材付き配線部材。
  9. 前記扁平配線部材のうち前記環状部によって包囲された部分の少なくとも一部が、前記固定部材に設けられた平面部に沿って広がって前記平面部に接触している、請求項4から請求項8のいずれか1項に記載の固定部材付き配線部材。
  10. 扁平配線部材と固定対象と固定部材とを備え、
    前記扁平配線部材は複数の線状伝送部材とベース材とを含み、
    前記複数の線状伝送部材は並んだ状態で前記ベース材に固定されており、
    前記固定部材は環状部と環状維持部とを含み、
    前記環状部の一部が前記ベース材に接合されており、
    前記環状部は環状状態と非環状状態との間で状態変更可能であり、前記環状状態で前記固定対象と前記扁平配線部材とのうち前記固定対象のみを包囲しており、
    前記環状維持部は前記環状部の一端部に設けられて前記環状部の他端部を留めて前記環状部を前記環状状態に維持している、配線部材の固定構造。
  11. 扁平配線部材と固定対象と固定部材とを備え、
    前記扁平配線部材は複数の線状伝送部材とベース材とを含み、
    前記複数の線状伝送部材は並んだ状態で前記ベース材に固定されており、
    前記固定部材は環状部と環状維持部とを含み、
    前記環状部は環状状態と非環状状態との間で状態変更可能であり、前記環状状態で前記固定対象及び前記扁平配線部材を包囲して、前記扁平配線部材を前記固定対象に向けて押さえつけており、
    前記環状維持部は前記環状部の一端部に設けられて前記環状部の他端部を留めて前記環状部を前記環状状態に維持している、配線部材の固定構造。
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