JP2020145060A - 電池システム及び電池パック - Google Patents

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光利 本田
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Abstract

【課題】電池パック内のセルの温度が異常に上昇した場合において、その異常を早期に検出する。【解決手段】電池パックと、制御部と、を具備する電池システムであって、電池パックは、複数個の単電池と、隣り合う単電池の間に配置された吸熱部材と、単電池又は吸熱部材の温度を計測する温度センサと、を含み、吸熱部材は、電池パックの使用条件で相変化をする相変化材料を含み、制御部は、温度センサが計測した温度の経時変化から、単電池又は吸熱部材の温度が異常に上昇しているか否かについての判定をする。【選択図】図8

Description

本発明は、電池システム及び電池パックに関する。
リチウムイオン電池、ニッケル水素電池その他の二次電池あるいはキャパシタ等の蓄電素子を単電池とし、該単電池を複数直列接続して成る組電池は、高出力が得られる電池システムとして、車両搭載用電池システム、風力や太陽光発電の変動抑制用電池システムとして重要性が高まっている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン電池を単電池として複数直列に接続した組電池(電池パック)は、車両搭載用高出力電池システムとして好ましく用いられるものとして期待されている。
ところで、この種の複数の単電池から構成された組電池においては、不良単電池の存在や充電装置の故障による誤作動があった場合、単電池に通常以上の電流が供給され、単電池内で異常な発熱が生じることが想定される。また、自動車等の車両に搭載される組電池は、設置スペースが制限されることに加えて、振動が発生する状態での使用が前提となることから、多数の単電池を配列し且つ拘束した状態(即ち各単電池を相互に固定した状態)の組電池が構築される。
このように個々の単電池を相互に固定した組電池において、上記のように単電池の一部に異常発熱が生じると、最初に発熱した異常単電池からの熱によって隣接する正常な単電池も次第に熱せられ、正常な単電池も連鎖的に発熱に至るケースが考えられる。安全性や信頼性の観点から、そのような単電池間の連鎖発熱を抑制・遅延して、発熱した異常単電池を速やかに回収して処理することが望ましい。このため、一部の単電池に熱異常が発生した際に、それを早期に検知できる仕組みが重要である。
特許文献1には、アルミニウムから成る冷却器内に配置されている少なくとも1つのセルを有する電池パック内の温度測定のための測定装置であって、温度センサが冷却器と熱接続されているものが記載されている。また、特許文献1には、冷却器が温度センサのための差込口を有している構成により、温度センサが、表面温度よりも高い電池パックの中心部温度を実際に測定できることも記載されている。
特許文献2には、電池パックの構成要素である複数の単電池の間に、荷重が加えられた状態で拘束される冷却用スペーサーが配置され、冷却用スペーサーは、相変化物質からなる媒体を有しており、媒体は、固体時に冷却用スペーサーに保持されるとともに、該固体から液体に相変化したときに冷却用スペーサーから外部へ流れ出す構成が記載されている。特許文献2においては、この構成により、異常発熱電池に隣接する単電池の温度上昇を抑制することができることも記載されている。
特開2003−315161号公報 特開2010−192333号公報
特許文献1に記載の測定装置を用いれば、電池パック内の温度の測定精度を向上することができる。しかしながら、当該測定装置を設置した箇所が温度の異常が生じている部分から離れている場合、異常検知を必ずしも適切に行うことができない点で改善の余地があると考えられる。
特許文献2に記載の電池パックは、相変化物質からなる媒体が液体となって流れ出す構成となっているため、流れ出た媒体を回収し、電池パックを使用可能な状態に戻す作業が必要である点で改善の余地があると考えられる。
本発明は、電池パック内のセルの温度が異常に上昇した場合において、その異常を早期に検出することを目的としている。
本発明の電池システムは、電池パックと、制御部と、を具備し、電池パックは、複数個の単電池と、隣り合う単電池の間に配置された吸熱部材と、単電池又は吸熱部材の温度を計測する温度センサと、を含み、吸熱部材は、電池パックの使用条件で相変化をする相変化材料を含み、制御部は、温度センサが計測した温度の経時変化から、単電池又は吸熱部材の温度が異常に上昇しているか否かについての判定をする。
本発明によれば、電池パック内のセルの温度が異常に上昇した場合において、その異常を早期に検出することができる。
本発明の一実施形態に係る電池システムを示す概略構成図である。 図1の電池パック100を示す模式構成図である。 図2の電池パック100を構成するセル110を示す斜視図である。 図1の電池パック100における3箇所の温度センサを示す模式構成図である。 図4の温度センサ132で計測した通常の状態における温度の経時変化を示すグラフである。 図4の電池パック100内のセル1個が異常発熱した場合を示す模式構成図である。 図6の温度センサ132で計測した異常発熱した状態における温度の経時変化を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る電池パックの制御部における演算処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る電池パック内の3箇所に温度センサを設置した構成において、異常発熱が発生した場合を示す模式構成図である。 図9の電池パック内の3箇所の温度センサで計測した通常の状態における温度の経時変化を示すグラフである。 図9の電池パック内の3箇所の温度センサで計測した異常発熱が発生した状態における温度の経時変化を示すグラフである。 電池パック内の3箇所に温度センサを設置した構成において、異常発熱が発生した場合を示す模式構成図である。 電池パック内の5箇所に温度センサを設置した構成において、異常発熱が発生した場合を示す模式構成図である。 電池パック内の7箇所に温度センサを設置した構成において、異常発熱が発生した場合を示す模式構成図である。 電池パック内の温度センサの数と温度異常の検出精度に対応する閾値との関係を示すグラフである。 本発明の別法による相変化時間の定義を説明するためのグラフである。
本発明は、複数のセル(単電池)を含む電池パック及びこれを構成要素の一つとする電池システムに関するものである。電池システムは、セルの温度異常検知機能を備えた電池パックに関するものである。
本発明の電池パックは、複数個の単電池と、隣り合う単電池の間に配置された複数の吸熱材と、温度センサと、を具備する。
本発明の電池システムは、温度センサが検知する吸熱材の相変化時間をもとに電池パックの局所的な異常温度上昇の有無を判定する手段を有する。
本発明の電池パックに用いる相変化材料(PCM:Phase Change Materials)は、所望の温度を境に相変化または相転移する材料である。この材料の例として、固体から液体、液体から固体に変化する特性を持つ材料がある。PCMは、固体から液体へ、液体から固体へ、物質が変化する際に大きなエネルギー(潜熱(kJ/kg))の出入りがある。このエネルギーの出入りを利用して、セルの温度上昇を特定の温度域(相変化温度近辺)で抑えることが可能である。以下では、固体から液体、液体から固体に変化する相変化材料を例として説明するが、潜熱を利用して所望の温度で熱を出し入れするものであればよく、例えば、相転移による結晶構造の変化を利用した材料も適用できる。
もし、電池パック内の一部セルの発熱量が著しく上昇した場合、相変化材料が固体から液体へ相変化するのに要する時間が減少する。この相変化時間の減少を温度センサが検知することにより、電池パック内でセルの温度異常が生じていると判定することができる。
本発明に用いるPCMの相変化温度の望ましい範囲は、環境温度よりも高く、通常使用時の最高温度(許容最高温度)よりも低い温度に設定する。なお、環境温度とは、電池パックが設置されている場所の温度をいい、充放電等に伴い、熱が溜まるため、気温より若干高い温度となる。よって、環境温度の最高値は、日本国内の夏季を想定した場合、40℃程度である。このため、相変化温度は、40℃以上に設定することが好ましい。また、一般的なリチウムイオン電池の場合は、通常使用時の温度範囲は、−30℃〜65℃程度である。よって、相変化温度は、65℃未満に設定することが好ましい。
まとめると、相変化材料は、所定の温度域で吸熱量が大きくなる性質を有することが望ましい。そして、当該温度域は、環境温度よりも高く、かつ、単電池の許容最高温度よりも低い温度範囲に含まれることが望ましい。
また、相変化材料は、所定の温度域で固体から液体に相変化する性質を有することが望ましい。そして、当該温度域は、40℃以上65℃未満の温度範囲に含まれることが望ましい。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電池システムの概略を示したものである。
本図において、電池システム1は、セル110(単電池)を直列に組み合わせた電池パック100と、電池パック100に取り付けた温度センサ130等の情報を収集する電池制御装置200と、から構成されている。電池制御装置200は、車両制御装置等の上位システム300と情報のやりとりをする機能を有する。このような電池システム1は、例えば、ハイブリッドカー(HEV)、電気自動車(EV)等の動力源、太陽光発電、風力発電等の変動抑制やピークシフトのための蓄電装置として使用される。
なお、本図においては、セル110を直列に組み合わせた電池パック100について示しているが、セル110を並列に接続した電池パックや、セル110を直列に接続したものを並列に接続して電池パックとしたものを用いてもよい。
電池パック100は、セル110と、相変化材料120(PCM)と、温度センサ130と、セル110の端子同士を接続する金属バスバー140と、電流センサ150と、リレー160とを含む。セル110は、+印で示す正極端子と、−印で示す負極端子と、を有する。そして、隣接するセル110は、その端子に設置された金属バスバー140を介して接続されている。セル110及び相変化材料120の詳細については、後述する。
電池制御装置200は、セル電圧を計測する電圧検出部210と、温度センサ130と接続して電池パック100の温度情報を取得する温度情報検出部220と、電流センサ150と接続して電池パック100の通電電流の情報を取得する電流情報検出部230と、リレー160に接続して電池パック100への通電をオンオフさせるリレー制御部240と、電池パック100又はセル110の状態を演算し必要な指令を出す演算制御部250と、電池パック100又はセル110に関連する情報を格納する情報記録部260と、から構成されている。演算制御部250は、リレー制御部240を介して電池パック100に接続されたリレー160のオンオフを指令する機能も有する。この機能は、上位システム300によるリレー160のオンオフ指令や、演算制御部250が過充電や過昇温を検知しリレー160のオフが必要と判定した場合に用いられる。
なお、本明細書においては、リレー制御部240及び演算制御部250をまとめて「制御部」とも呼ぶ。
図2は、セル110及び相変化材料120の詳細を示したものである。
本図において、相変化材料120は、アルミニウム箔などの袋又はケースの中に入っている。相変化材料120は、袋又はケースから漏れ出ないように封入されていることが望ましい。相変化材料120及び袋又はケース等が全体として吸熱部材を構成する。相変化材料120は、電池パック100の使用条件で相変化をする。
相変化材料120の具体例としては、環境温度よりも少し高い40℃程度で相変化をする日本ブロアー株式会社製のPCM−C48や、セル110の通常使用時における許容最高温度(60℃)よりも少し低いおよそ55℃以上60℃未満で相変化をする日本ブロアー株式会社製のPCM−C58等が挙げられる。
セル110と相変化材料120とは、それぞれが密着するように、拘束バントなどで固縛することが望ましい。その場合に、複数のセル110を一単位としてまとめて拘束バントなどで固縛し、それを複数合わせて一つの電池パック100としてもよい。また、電池パック100全体を一つにまとめて拘束バントなどで固縛してもよい。
図3は、図2の電池パック100を構成するセル110を示したものである。
本図においては、セル110は、直方体状をなす角形のリチウムイオン電池(リチウムイオン二次電池)である。もちろん、セル110は、リチウムイオン電池に限ることはなく、鉛蓄電池やニッケル水素電池等であってもよい。また、電池の形状も角型に限られるものではなく、円筒形やラミネート型であってもよい。
セル110は、上面部110a、下面部110b、及び側壁部110c、110d、110e、110fを有する。このうち、最も面積が大きい側壁部110c、110dが相変化材料120に接触するように配置される。また、セル110は、正極端子111及び負極端子112を有している。本図には示していない金属バスバーなどを介して、隣り合うセルの正極端子が負極端子112に電気的に接続される。セル110の通常使用時の温度域、すなわち、電池パックの動作温度範囲は、−30℃〜65℃程度である。
温度センサ130(図1)は、セル110或いは相変化材料120に接触するように配置されている。温度センサとしては、サーミスタや熱電対等を用いることができるが、本実施形態においては、サーミスタを用いている。
以下、電池システムを電気自動車(EV)に設置して急速充電させる例について説明する。
図4は、電池パックの3箇所に温度センサを設置した例を示したものである。
本図においては、セル110と相変化材料120との間に温度センサ131、132、133を配置している。ここで、温度センサ131、132、133の感温部の位置は、●印で表している。温度センサ131、133は、電池パックの角部近傍に設置されている。温度センサ132は、電池パックの中央部に設置されている。
図5は、図4の温度センサ132で計測した温度の経時変化を示したものである。
図5に示すように、電池パックの内部において異常な発熱が起こらない通常の状態においては、温度センサ132で計測した温度は、電池パックの充電を開始すると、ほぼ一定の速度で上昇し、相変化材料120の相変化温度付近に到達すると、変化が小さくなる。温度変化が小さい時間帯においては、相変化材料120が固体から液体に相変化している。相変化に必要な時間は、隣接するセル110から相変化材料120に流入する熱量によって定まる。温度センサ132付近の相変化材料120のほぼすべてが液体となると、温度センサ132で計測される温度は、再びほぼ一定の速度で上昇する。
本図においては、相変化温度に相当する温度(相変化材料120の融点)を基準として、温度センサ132で計測される温度がその融点から±1℃の範囲となっている時間を相変化時間(t1)と定義している。言い換えると、温度センサ132で計測される温度がその融点から1℃低い温度に達し、その後、その融点から1℃高い温度に達するまでの時間を相変化時間(t1)と定義している。よって、t1は、通常の相変化時間である。なお、他の温度センサ131、133で計測される温度により相変化時間を検出する場合も、同様に定義することができる。また、上述の定義においては、融点から±1℃の範囲としたが、この範囲については、±1℃に限定されるものではなく、相変化に必要な熱量、検出に必要な時間、PCMの温度以外の要因の影響(例えばセル自体の発熱に伴う伝熱量)等のパラメータを考慮して設定することができる。
まとめると、相変化時間は、温度センサが計測した温度が所定の温度範囲を経過する時間である、ということができる。
図6は、図4と同様に、電池パックの3箇所に温度センサを設置した構成において、図4と同じ条件で充電している状態で、電池パック内のセル1個が異常発熱した場合を示したものである。
図6においては、×印で中心を示す発熱部170で異常発熱が生じている。すなわち、局所的な異常発熱である。
本図において発熱部170に最も近い温度センサは、温度センサ132である。
図7は、図6の状態を温度センサ132で計測した温度の経時変化を示したものである。比較のため、図5に示す通常の状態についても示している。異常な状態における相変化時間は、t2で表している。
本図に示すように、異常な状態における相変化時間(t2)は、通常の状態における相変化時間(t1)に比べて短くなっている。このような通常の状態からの変化を利用して、セルの異常発熱を検知することができる。
図8は、電池パックの制御部において行う演算処理の一例であって、セルに異常発熱が生じているかどうかを判定する工程を示したものである。
本図に示すように、まず、温度プロファイルをモニタする(S110)。そして、セルが冷却中でないこと、すなわち、セルに充放電が行われている状態であることを確認する(S120)。これは、セルが冷却中であっても、図5や図7に示す相変化時間が計測され、セルの異常発熱と判定してしまう可能性を排除するためである。冷却中の場合は、異常判定をしない(S220)。
さらに、電池パックの電流の履歴を確認する(S130)。そして、セルの異常を判定するのに適した電流の履歴かどうかを判定する(S140)。これは、大電流で充放電をした後に小電流で充放電をしている場合に、セルが冷却され、相変化時間が変化したと誤って判定する可能性を排除するためである。電流の履歴が判定に適さない場合は、異常判定をしない(S220)。
これらの電流や温度の履歴(電池パックの充放電履歴及び温度履歴のうち少なくともいずれか一つ)を確認したうえで、相変化時間(t)を算出する(S150)。そして、この相変化時間tを、事前に設定した通常の状態における相変化時間(t(通常))と比較する(S160)。ここでは、tとt(通常)との比であるt/t(通常)が閾値Kより低い値となっているかどうかを判定する。閾値Kは、セルの温度異常を判定するために設定する値である。そして、t/t(通常)が閾値Kより低い値となっている場合には、セルの温度異常が起こっていると判定する(S170)。例えば、閾値Kを0.5すなわち50%に設定し、t/t(通常)が50%未満となった場合に、セルの温度異常が起こっていると判定する。一方、t/t(通常)が閾値K以上の値となっている場合には、異常とは判定しない(S220)。
まとめると、相変化時間の値について、通常の状態における相変化時間の値に対する割合が閾値未満となった場合に、温度が異常に上昇していると判定する。
S170においてセルの温度異常が起こっていると判定した場合、次に示すいずれかのセル温度異常回避工程に移行する。
(1)セルを強制的に冷却する手段(装置)を起動する(S180)。
(2)リレーを起動し、セルへの通電を停止する(S190)。
(3)セルへの通電における許容電流値を低下させる(S200)。
(4)上位システムに警報を通知する(S210)。
図8に示す例においては、同じ場所にある温度センサの温度情報をもとにセルの温度異常の有無を判定した場合について示しているが、複数の温度センサで計測した相変化時間の差を判定材料としてもよい。この場合、電池パックの複数箇所に配置されている複数の温度センサのうち、一つの温度センサにおいて相変化時間が他の温度センサよりも相対的に短くなっているとき、当該一つの温度センサの近くでセルの温度異常が発生していると判定する。
このように判定する利点としては、設定した閾値Kが50%であって、t/t(通常)が閾値K未満とはなっていない場合においても、当該一つの温度センサで計測した相変化時間と他の温度センサで計測した相変化時間との差が、t(通常)の基準となり得る他の温度センサで計測した相変化時間の例えば60%以下となっているときに、セルに温度異常が発生していると判定することができる。すなわち、図8の例よりも早い段階でセルに温度異常(異常な発熱)が発生していると判定することができる。
この例について、図9〜11を用いて説明する。
図9は、電池パック内の3箇所に温度センサを設置した構成において、図6と同様の位置で異常発熱が発生した場合を示したものである。
図9においても、温度センサ131、132、133が配置され、×印で示す発熱部170を含む領域で異常発熱が生じている状態が示されている。
図10は、通常の状態を温度センサ131、132、133で計測した温度の経時変化を示したものである。温度センサ131で計測した相変化時間をt1、温度センサ132で計測した相変化時間をt2、温度センサ133で計測した相変化時間をt3で表している。
本図に示すように、通常の状態においては、相変化時間t1、t2、t3はいずれも、ほぼ同じ値となっている。
図11は、異常発熱が生じている状態を温度センサ131、132、133で計測した温度の経時変化を示したものである。
本図においては、異常発熱が生じている図9の発熱部170に近い温度センサ132における相変化時間t2は、相変化時間t1、t3に比べて短くなっている。このような通常の状態からの変化を利用して、早い段階でセルの異常発熱を検知することができる。
つぎに、温度センサの数を増加させて温度異常の検出精度を高めた例について、図12〜15を用いて説明する。
図12は、温度センサの数を3つとした場合であり、図9と同様の配置としている。すなわち、本図に示す電池パックの対角線上に3つの温度センサが配置されている。
本図においては、温度センサ131、132、133として示している。また、異常発熱が発生した箇所は、×印で示している。異常発熱が発生した箇所は、温度センサ131と温度センサ132とを結ぶ線分の中点付近に位置している。
図13は、温度センサの数を5つとした場合である。すなわち、本図に示す電池パックの対角線上に5つの温度センサが配置されている。
本図においては、温度センサ531、532、533、534、535として示している。また、異常発熱が発生した箇所は、×印で示している。異常発熱が発生した箇所は、図12と同じである。
図14は、温度センサの数を7つとした場合である。すなわち、本図に示す電池パックの対角線付近にほぼ等間隔に7つの温度センサが配置されている。
本図においては、温度センサ731、732、733、734、735、736、737として示している。また、異常発熱が発生した箇所は、×印で示している。異常発熱が発生した箇所は、図12と同じである。
図12〜14からわかるように、温度センサの数を増加させることにより、異常発熱が発生した箇所の近くの温度を測定することができる。
図15は、温度センサの数に対して、温度異常の検出精度に対応する閾値Kの最大値を示すグラフである。ここで、閾値Kは、図8に示すt/t(通常)の閾値Kである。図中、■印は、図8に示す判定基準値である閾値Kの最大値を示している。
図15に示すように、温度センサの数を増加させると、閾値Kを高くすることができることがわかる。これは、図8のS150において算出された相変化時間(t)が、事前に設定した通常の状態における相変化時間(t(通常))に比べ、それほど短くなっていない段階であっても、セルの温度異常が起こっていると判定することができることを意味する。
まとめると、相変化時間の閾値は、温度センサの数に応じて、異なる値に設定することができる。相変化時間の閾値の調整は、制御部において行うようにすることが望ましい。制御部は、温度センサの数、通常の状態において計測され蓄積される温度情報等から相変化時間の閾値の最適値を算出し、判定等に適用することが望ましい。
温度センサの数を増加させることにより、温度センサの密度を高くすることができ、各温度センサから異常発熱が発生する箇所までの距離を短くすることができる。これにより、異常発熱が発生した箇所から影響を受けやすい当該箇所の近くに設置されている温度センサにおいては、異常発熱に対する感度が高くなる。異常発熱による熱が拡散する前に当該温度センサに到達するからである。このように、通常の状態からの温度センサの感度の向上を利用して、更に早い段階でセルの異常発熱を検知することができる。
以下、相変化時間の定義に関する変形例について説明する。
図16は、図5とは異なる方法による相変化時間の定義を説明するためのグラフである。
図16においては、温度センサが接する部位においてPCMが融解していない状態であって、その温度センサから若干離れた部位においてセルの異常発熱によるPCMの融解が発生した場合の温度の経時変化を示している。すなわち、単電池の温度が局所的に異常に上昇している。
この場合においては、当該温度センサの近傍におけるPCMの融解により、温度変化の緩和が測定されるが、相変化温度が一定となる時間帯が生じるものではなく、相変化温度を通過する際、温度曲線が傾きを有することになる。このような温度曲線は、一般に、変曲点を有する。図中、〇印で示している点が変曲点である。
本図においては、異常発熱が生じていない「通常」の状態と、異常発熱が生じている「異常」な状態とを合わせて示している。二本の曲線は、異なる時刻に変曲点を有している。それぞれの変曲点における曲線の接線を破線で示している。また、これらの接線に平行で、かつ、接線のy切片(単に「切片」ともいう。)を基準としてy切片を±1℃変化させた直線も破線で示している。そして、一本の曲線に関して、上下の破線で挟まれた範囲に含まれる曲線の時間を「相変化時間」と定義した。すなわち、「通常」の状態における相変化時間はt1であり、「異常」な状態における相変化時間はt2である。
なお、本図に示す変曲点における曲線の傾きが0の場合が図5に示す相変化時間の定義に対応する。
まとめると、相変化時間は、温度センサが計測した温度の経時変化を示す曲線の変曲点における当該曲線の接線に平行でかつ切片が小さい第一の直線と当該接線に平行でかつ切片が大きい第二の直線との間に挟まれた領域に、当該曲線が含まれる時間軸の範囲に対応する時間である、ということができる。
1:電池システム、100:電池パック、110:セル、111:正極端子、112:負極端子、120:相変化材料、130:温度センサ、131〜137:温度センサ、140:金属バスバー、150:電流センサ、160:リレー、170:発熱部、200:電池制御装置、210:電圧検出部、220:温度情報検出部、230:電流情報検出部、240:リレー制御部、250:演算制御部、260:情報記録部、300:上位システム。

Claims (20)

  1. 電池パックと、
    制御部と、を具備し、
    前記電池パックは、複数個の単電池と、隣り合う前記単電池の間に配置された吸熱部材と、前記単電池又は前記吸熱部材の温度を計測する温度センサと、を含み、
    前記吸熱部材は、前記電池パックの使用条件で相変化をする相変化材料を含み、
    前記制御部は、前記温度センサが計測した前記温度の経時変化から、前記単電池又は前記吸熱部材の前記温度が異常に上昇しているか否かについての判定をする、電池システム。
  2. 前記制御部は、前記相変化材料の相変化時間を算出し、前記相変化時間を用いて前記判定をする、請求項1記載の電池システム。
  3. 前記相変化材料は、所定の温度域で吸熱量が大きくなる性質を有し、
    当該温度域は、環境温度よりも高く、かつ、前記単電池の許容最高温度よりも低い温度範囲に含まれる、請求項1記載の電池システム。
  4. 前記相変化材料は、所定の温度域で固体から液体に相変化する性質を有し、
    当該温度域は、40℃以上65℃未満の温度範囲に含まれる、請求項1記載の電池システム。
  5. 前記判定は、前記相変化時間の値について、通常の状態における前記相変化時間の値に対する割合が閾値未満となった場合に、前記温度が異常に上昇しているとするものである、請求項2記載の電池システム。
  6. 前記温度センサは、複数であり、
    前記判定は、前記温度センサのうちのいずれか二つで計測した前記相変化時間の値に一定以上の差が生じた場合に、前記温度が局所的に異常に上昇しているとするものである、請求項2記載の電池システム。
  7. 前記温度センサは、複数であり、
    前記判定は、前記温度センサのうちのいずれか二つで計測した前記相変化時間の値の比が閾値未満となった場合に、前記温度が異常に上昇しているとするものである、請求項2記載の電池システム。
  8. 前記制御部は、前記温度センサの数に応じて、前記相変化時間の前記閾値を異なる値に設定する、請求項7記載の電池システム。
  9. 前記相変化時間は、前記温度センサが計測した前記温度が所定の温度範囲を経過する時間である、請求項2記載の電池システム。
  10. 前記相変化時間は、前記温度センサが計測した前記温度の経時変化を示す曲線の変曲点における前記曲線の接線に平行でかつ切片が小さい第一の直線と前記接線に平行でかつ前記切片が大きい第二の直線との間に挟まれた領域に、前記曲線が含まれる時間軸の範囲に対応する時間である、請求項2記載の電池システム。
  11. 前記相変化材料は、袋又はケースに封入されている、請求項1記載の電池システム。
  12. 前記判定により、前記温度が異常に上昇しているとの結果が得られた場合には、前記制御部は、前記単電池又は前記吸熱部材を強制的に冷却する、請求項1記載の電池システム。
  13. 前記判定により、前記温度が異常に上昇しているとの結果が得られた場合には、前記制御部は、前記単電池への通電を停止する、請求項1記載の電池システム。
  14. 前記判定により、前記温度が異常に上昇しているとの結果が得られた場合には、前記制御部は、前記単電池への通電における許容電流値を低くする、請求項1記載の電池システム。
  15. 前記判定により、前記温度が異常に上昇しているとの結果が得られた場合には、前記制御部は、前記結果に関する警報を上位システムに通知する、請求項1記載の電池システム。
  16. 前記電池パックの充放電履歴及び温度履歴のうち少なくともいずれか一つを参照して、前記判定をする、請求項1記載の電池システム。
  17. 請求項1〜16のいずれか一項に記載の電池システムを構成する前記電池パックであって、
    前記温度センサが計測した前記温度が前記判定に用いられる、電池パック。
  18. 前記相変化材料は、所定の温度域で吸熱量が大きくなる性質を有し、
    当該温度域は、環境温度よりも高く、かつ、前記単電池の許容最高温度よりも低い温度範囲に含まれる、請求項17記載の電池パック。
  19. 前記温度センサは、複数である、請求項17記載の電池パック。
  20. 電流センサと、前記単電池への通電のオンオフに用いられるリレーと、を更に含む、請求項17記載の電池パック。
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