JP2015037015A - 移動体の電源監視装置および移動体の電源監視方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】蓄電デバイス監視ユニットが省電力のため停止中に蓄電デバイスの温度上昇が発生した場合でも、熱暴走に至るおそれを回避するとともに、温度異常時の蓄電デバイス内部およびその周辺外部の温度を含む測定データを収集できる移動体の電源監視装置および移動体の電源監視方法を得る。【解決手段】蓄電デバイス監視ユニット(2)が停止中に、蓄電デバイス(1)の温度が温度上昇検知用閾値を超えて温度上昇したこと、または蓄電デバイスとその周辺外部との間の温度差による熱の移動が熱移動検知用閾値を超えたことを温度センサ(3)の出力によって検知した場合には、蓄電デバイス監視ユニットを起動させる監視ユニット起動部(4)を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、蓄電デバイスを備えた移動体の電源監視装置および移動体の電源監視方法に関するものである。
リチウムイオン電池は、その大容量化にともない、従来の携帯電話やノート型PCのような小型の携帯機器向けだけでなく、電気自動車(EV:Electric vehicle)、ハイブリッド車、鉄道、または航空機の補助電源等の大形システムへの適用が拡大している。
リチウムイオン電池は、他の蓄電デバイスと比較して、小形、軽量であるという利点がある。しかしながら、他方で、エネルギー密度が高いため、誤短絡や外部過熱をきっかけに温度が上昇すると、内部の電解液や電極材料が化学反応により発熱して熱暴走するおそれがある。
特に、大型の蓄電システムに用いられる場合は、蓄えられるエネルギーが大きいため、一度熱暴走に至ると影響が拡大しやすい。したがって、熱暴走に至る前に温度異常を検知して影響の拡大を防止する技術が重要となる。
従来の移動体の電源監視装置としては、電池の温度、電圧、電流等を監視する蓄電デバイス監視ユニット(BMU:Battery Management Unit)の集積回路内に温度検知回路を備えることにより、電池の温度異常を検知した場合に温度異常を外部に知らせるアラーム信号を出力するものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、別の従来の移動体の電源監視装置として、電池容器の内部の温度に応じて開閉する温度スイッチを備えるものがある。そして、過充電等による電池の温度異常時には、前記温度スイッチが閉じて、正極端子と負極端子とを導通する導通回路を通じて電池を放電させることにより、温度異常による電池の熱暴走を抑制している(例えば、特許文献2参照)。
更に、別の従来の移動体の電源監視装置として、オーディオビジュアル機器、ポジションランプ、ブレーキランプ、あるいはルームランプなどの電気負荷が動作した際に、蓄電デバイス監視ユニットを起動させるものがある(例えば、特許文献3参照)。
更に、別の従来の移動体の電源監視装置として、バッテリの管理ユニットがバッテリに異常がないにもかかわらず、信号雑音などにより異常判定し停止した場合に、バッテリに異常がないかを判定するものがある(例えば、特許文献4参照)。
更に、別の従来の移動体の電源監視装置として、蓄電デバイスを制御する第一の制御部(蓄電デバイス監視ユニットBMU)と、蓄電デバイス内のセルをコントロールする第二の制御部(セルコントローラ)とを備え、第一の制御部の要求で第二の制御部を起動し、第二の制御部の電池データを第一の制御部に通信するものがある(例えば、特許文献5参照)。
更に、別の従来の移動体の電源監視装置として、水没、浸水などを電池制御ユニットが検知した場合に、電気自動車の搭乗者および周囲の人物に対し、バッテリの状態に応じた処置を施すものがある(例えば、特許文献6参照)。
特許文献1の移動体の電源監視装置では、電池温度検知回路が、蓄電デバイス監視ユニットの集積回路内に配置されているため、蓄電デバイス監視ユニットが起動していない状態では電池の温度上昇を検知することができない。このため、例えば、省電力のために自動車等の蓄電デバイス監視ユニットが停止されている場合には、電池自身の内部短絡による発熱や、周辺火災などによる外部からの過熱を検知することができず、影響の拡大を回避する温度異常処置が取れないという課題があった。更には、温度異常時のデータ計測ができず、その後の原因究明が難しくなるという課題があった。
また、特許文献2の移動体の電源監視装置では、蓄電デバイス監視ユニットが停止している状態でも、温度スイッチによって電池の温度上昇を自動で検知できるようにしている。また、電池の温度上昇を検知した際には、温度スイッチが蓄電デバイスを自動で放電することにより、電池の発熱量を抑えて熱暴走に至るリスクを低減させている。しかしながら、蓄電デバイス監視ユニットは起動されないので、蓄電デバイスの放電量を制御する以外の、例えば、蓄電デバイスの冷却、アラーム通知等の温度異常処置、および、蓄電デバイスの温度、電圧、電流等のデータ収集ができないという課題があった。
また、特許文献3、4および6の移動体の電源監視装置では、移動体に搭載された電気機器の電気負荷、信号雑音などによるバッテリの異常判定、あるいは蓄電池の浸水を検知することにより、蓄電デバイス監視ユニットを起動させているが、蓄電デバイス監視ユニットが停止中に、蓄電デバイス内部およびその周辺外部の温度の上昇があった場合には、停止中の蓄電デバイス監視ユニットが起動されず、熱暴走に至るおそれがある。
また、特許文献5の移動体の電源監視装置では、第一の制御部であるバッテリ管理ユニットBMUが起動しているときには、第二の制御部であるセルコントローラを起動することは可能であるが、完全にBMUが停止しているときに異常が生じた場合、このBMUを起動する手段を持っていないため、セルコントローラを起動することはできず、電池の状態の監視や、必要な処置を講じることはできない。また、BMUとセルコントローラ間で電池データを通信することはできるが、電池システム外との通信を行う手段は有しておらず、外部にアラームを通知することはできない。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、蓄電デバイス監視ユニットが省電力のため停止中に蓄電デバイスの温度上昇が発生した場合でも、熱暴走に至るおそれを回避するとともに、温度異常時の蓄電デバイス内部およびその周辺外部の温度を含む測定データを収集できる移動体の電源監視装置および移動体の電源監視方法を得ることを目的とする。
本発明に係る移動体の電源監視装置は、移動体に設置された蓄電デバイスの内部およびその周辺外部の温度、あるいは蓄電デバイスとその周辺外部との間の熱の移動を測定する温度センサと、温度センサによる測定結果に基づいて、蓄電デバイス内部およびその周辺外部の温度を含む測定データを収集するデータ監視処理を実施するとともに、蓄電デバイスの温度が温度異常検知用閾値を超えている場合には蓄電デバイスの温度異常処置を実施する蓄電デバイス監視ユニットとを備えた移動体の電源監視装置であって、蓄電デバイス監視ユニットが停止中に、蓄電デバイスの温度が温度上昇検知用閾値を超えて温度上昇したこと、または蓄電デバイスとその周辺外部との間の温度差による熱の移動が熱移動検知用閾値を超えたことを温度センサの出力によって検知した場合には、蓄電デバイス監視ユニットを起動させる監視ユニット起動部を更に備えるものである。
また、本発明に係る移動体の電源監視方法は、本発明に係る移動体の電源監視装置において用いられる移動体の電源監視方法であって、監視ユニット起動部において、蓄電デバイス監視ユニットが停止中に、蓄電デバイスの温度が温度上昇検知用閾値を超えて温度上昇したこと、または蓄電デバイスとその周辺外部との間の温度差による熱の移動が熱移動検知用閾値を超えたことを温度センサの出力によって検知した場合には、蓄電デバイス監視ユニットを起動させる監視ユニット起動ステップを有するものである。
本発明によれば、蓄電デバイス内部およびその周辺外部の温度上昇、あるいは蓄電デバイスとその周辺外部との間の熱の移動を検知して蓄電デバイス監視ユニットを起動させる監視ユニット起動部を、省電力のために蓄電デバイス監視ユニットが停止されている状態においても稼働させている。そして、監視ユニット起動部は、温度異常検知用閾値よりも低温に設定された温度上昇検知用閾値を用いて、停止中の蓄電デバイス監視ユニットを稼働状態に切り換える。
この結果、蓄電デバイス監視ユニットが省電力のため停止中に蓄電デバイスの温度上昇が発生した場合でも、熱暴走に至るおそれを回避するとともに、温度異常時の蓄電デバイス内部およびその周辺外部の温度を含む測定データを収集できる移動体の電源監視装置および移動体の電源監視方法を得ることができる。
この結果、蓄電デバイス監視ユニットが省電力のため停止中に蓄電デバイスの温度上昇が発生した場合でも、熱暴走に至るおそれを回避するとともに、温度異常時の蓄電デバイス内部およびその周辺外部の温度を含む測定データを収集できる移動体の電源監視装置および移動体の電源監視方法を得ることができる。
以下、本発明における移動体の電源監視装置および移動体の電源監視方法の好適な実施の形態について図面を用いて説明する。なお、各図において同一、または相当する部分については、同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る移動体の電源監視装置の構成の例示図である。図1に示す移動体の電源監視装置は、蓄電デバイス監視ユニット2、温度センサ3(1)〜(3)、監視ユニット起動部4、補助電源5、および電源供給リレー6を備えて構成される。
図1は、本発明の実施の形態1に係る移動体の電源監視装置の構成の例示図である。図1に示す移動体の電源監視装置は、蓄電デバイス監視ユニット2、温度センサ3(1)〜(3)、監視ユニット起動部4、補助電源5、および電源供給リレー6を備えて構成される。
図1に示す蓄電デバイス1は、電気自動車、ハイブリッド車、鉄道車両、または航空機等に搭載され、外部電力系統から独立した状態において主電源として使用される。
蓄電デバイス1は、単電池が積層された電池パックとして形成される。このような単電池としては、例えば、リチウムイオン電池が使用される。蓄電デバイス1は、単電池の端子を金属製のバスバーやケーブルにより直列あるいは並列に組み合わせることにより、高電圧化、大容量化させることが可能である。また、電流経路であるバスバーやケーブルには、制御時の電流をON/OFFするため、あるいは緊急時に電流遮断するために、リレーやヒューズが設置される。そして、これらを金属製あるいは樹脂製のケースに収納して蓄電デバイス1が構成される。
蓄電デバイス監視ユニット2(BMU:Battery Management Unit)は、蓄電デバイス1を監視している。具体的には、蓄電デバイス監視ユニット2は、蓄電デバイス1内部の温度、電圧、電流等、および蓄電デバイス1の外面や蓄電デバイス1の固定・接続部材等の周辺部(以下、単に「周辺外部」と呼ぶ)の温度を含む測定データを収集するとともに、蓄電デバイス1の温度が温度異常検知用閾値を超えたこと(以下、「温度異常」と呼ぶ)を検知した際には、蓄電デバイス1の冷却、放電、アラーム通知等の温度異常処置(安全処置)を実施する。
蓄電デバイス1内部およびその周辺外部には、温度センサ3(1)〜(3)が設置されている。温度センサ3(1)〜(3)は、蓄電デバイス1内部およびその周辺外部の温度を測定している。また、蓄電デバイス1内部に設置した温度センサ3の代わりに電圧/電流センサを設置することにより、蓄電デバイス1内部の電圧/電流の測定結果から温度上昇を推定することもできる。例えば、電流を入切した場合の電圧変動幅を電流値で除することで計算される電池の内部抵抗が下がることから温度上昇が推定できる。また、電流を流さない開回路電池電圧と温度との相関をあらかじめ測定しておけば、開回路電圧の時間変化から温度変化を推定することも可能である。蓄電デバイス監視ユニット2は、これらのセンサが出力する測定データに基づいて蓄電デバイス1を監視する。
なお、図1では、蓄電デバイス1内部に1つ、その周辺外部に2つの、合計3つの温度センサ3(1)〜(3)を設置した例を示しているが、温度センサ3の数は3つに限定されるものではない。本実施の形態1における温度センサ3は、蓄電デバイス1内に少なくとも1つ設置されていればよい。
ところで、前述したように、省電力のために蓄電デバイス監視ユニット2が停止されているような場合には、蓄電デバイス1の温度異常時における蓄電デバイス1の測定データが収集されないため、温度異常時の蓄電デバイス1の状況を事後に把握することができず、温度異常発生後の原因究明が困難になってしまうという課題があった。また、蓄電デバイス監視ユニット2が停止されているために、蓄電デバイス1の温度異常時に冷却等の温度異常処置を実施することができないという課題があった。
そこで、本実施の形態1における移動体の電源監視装置は、図1に示すように、蓄電デバイス1あるいはその周辺に監視ユニット起動部4を備えており、蓄電デバイス監視ユニット2が停止している状態でも、温度センサ3が出力する蓄電デバイス1の温度を監視している。この結果、監視ユニット起動部4は、蓄電デバイス1の温度が温度上昇検知用閾値(<温度異常検知用閾値)を超えたこと(以下、「温度上昇」と呼ぶ)を検知した場合には、補助電源5から蓄電デバイス監視ユニット2への電源供給をONすることによって、蓄電デバイス監視ユニット2を起動することができる。
しかしながら、ここで、監視ユニット起動部4として、補助電源5と蓄電デバイス監視ユニット2との接続を、単純に温度上昇検知用閾値を閾値としてONまたはOFFするようなものを使用する場合は、一旦、蓄電デバイス1の温度上昇を検知した後で、一時的に蓄電デバイス1の温度が温度上昇検知用閾値よりも下がったときにも、補助電源5から蓄電デバイス監視ユニット2への接続がOFFされてしまう状況が生じてしまう。
そこで、このような状況を回避するためには、例えば、図1に示すように、電源供給リレー6を更に設ける構成とすることが考えられる。このような構成において、監視ユニット起動部4が蓄電デバイス1の温度上昇を検知したときには、蓄電デバイス監視ユニット2を駆動すると同時に電源供給リレー6をONさせることにより、補助電源5から蓄電デバイス監視ユニット2への電源供給を維持することができる。なお、電源供給リレー6を更に設ける代わりに、電源供給リレー6と同等の機能を監視ユニット起動部4に持たせるようにしてもよい。
なお、蓄電デバイス監視ユニット2によってONされた電源供給リレー6は、少なくとも規定の監視時間が経過するまでは継続してON状態に維持するのがよい。そして、例えば、後の図2のフローチャートのステップS12に示すように、規定の監視時間が経過しても蓄電デバイス1の温度上昇がないことを確認した後に、蓄電デバイス監視ユニット2によりOFFさせるようにすればよい。あるいは、移動体の電源をOFFするタイミングに合わせてOFFさせるようにしてもよい。
温度センサ3としては、熱電対、測温抵抗体、サーミスタ、半導体温度センサ(温度監視IC)等、温度を検知できるものであれば、どのような原理のものも使用できる。例えば、温度センサ3と監視ユニット起動部4の機能が一体化されたICタイプのサーモスタットは、装置構成をより簡素化することができ、好適である。
また、監視ユニット起動部4としては、例えば、温度センサ3の出力が温度上昇検知用閾値を超えた場合にリレーを駆動するような温度スイッチや、温度センサ3と温度スイッチをICとして一体化させたものを使用することもできる。
これら温度センサ3および監視ユニット起動部4は、省電力のために蓄電デバイス監視ユニット2が停止されることを考慮すると、できる限り低電力で動作するものを使用することが望ましい。
次に、図2は、本発明の実施の形態1に係る移動体の電源監視方法を示すフローチャートである。以下、図2を用いて、省電力のために蓄電デバイス監視ユニット2が停止されている状態において、蓄電デバイス1の温度上昇を検知した際に、監視ユニット起動部4および蓄電デバイス監視ユニット2が行う処理手順について具体的に説明する。
ステップS1において、監視ユニット起動部4は、温度センサ3が出力する測定値を基に、蓄電デバイス1の温度が上昇して温度上昇検知用閾値を超えたこと(温度上昇)を検知する。
ステップS2において、蓄電デバイス1の温度上昇を検知すると、監視ユニット起動部4は、自身をONして、補助電源5から蓄電デバイス監視ユニット2(BMU)への電源供給を開始する。また、このとき、蓄電デバイス監視ユニット2は、同時に、ステップS3において、補助電源5から蓄電デバイス監視ユニット2への電源供給を維持する電源供給リレー6をONする。この結果、ステップS4において、蓄電デバイス監視ユニット2が起動されるとともに、補助電源5から蓄電デバイス監視ユニット2への電源供給が維持される。
ステップS5において、蓄電デバイス監視ユニット2は、自身が監視ユニット起動部4によって起動されたことを、BMU起動フラグを立てて覚えておくようにする。このBMU起動フラグは、後で、アラーム通知する際の通知条件として、あるいは故障履歴として利用される。また、蓄電デバイス監視ユニット2は、このBMU起動フラグにより電源供給リレー6をONし、その結果、一時的に監視ユニット起動部4のスイッチがOFFになっても、電源供給状態が維持される。
ステップS6において、蓄電デバイス監視ユニット2は、温度センサ3および電圧/電流センサが出力する蓄電デバイス1の測定データを収集する。そして、ステップS7において、これらの測定データを、蓄電デバイス監視ユニット2内の記憶部(図示せず)に保存する。
ステップS8において、蓄電デバイス監視ユニット2は、蓄電デバイス1の温度上昇が継続しているか否かをチェックする。「Yes」の場合には、ステップS9に進む。一方、「No」の場合には、ステップS11に進む。
ステップS11において、蓄電デバイス監視ユニット2は、蓄電デバイス1の温度上昇が見られなくなっても、規定の監視時間が経過するまでは、ステップS6〜S7に示すデータ収集を継続するようにする。規定の監視時間が経過しても蓄電デバイス1の温度上昇がないことを確認できた場合は、ステップS12に進んで、電源供給リレー6をOFFさせた後に、蓄電デバイス監視ユニット2を停止させて処理を終了する。
一方、ステップS8において、蓄電デバイス1の温度上昇が継続している場合には、監視ユニット起動部4は、ステップS9において、蓄電デバイス1の温度が温度異常検知用閾値を超えて温度異常が発生しているか否かをチェックする。
ステップS9において、蓄電デバイス1に温度異常が発生していない場合には、監視ユニット起動部4は、ステップS6に戻って、蓄電デバイス1内部およびその周辺外部の温度、電圧、電流等のデータ収集を継続する。
一方、ステップS9において、蓄電デバイス1に温度異常が発生している場合には、監視ユニット起動部4は、ステップS10に進んで、蓄電デバイス1の冷却、放電、アラーム通知等の温度異常処置(安全処置)を実施する。このとき、蓄電デバイス1のデータ収集も継続実施することが望ましい。
以上のように、実施の形態1によれば、蓄電デバイス内部およびその周辺外部の温度上昇を検知して蓄電デバイス監視ユニットを起動させる監視ユニット起動部を、省電力のために蓄電デバイス監視ユニットが停止されている状態においても稼働させている。そして、監視ユニット起動部は、温度異常検知用閾値よりも低温に設定された温度上昇検知用閾値を用いて、停止中の蓄電デバイス監視ユニットを稼働状態に切り換える。
この結果、蓄電デバイス監視ユニットが省電力のため停止中に蓄電デバイスの温度上昇が発生した場合でも、熱暴走に至るおそれを回避するとともに、温度異常時の蓄電デバイス内部およびその周辺外部の温度を含む測定データを収集できる移動体の電源監視装置および移動体の電源監視方法を得ることができる。
更に、蓄電デバイス監視ユニットが停止している状態で電池の異常や周辺火災などが発生した場合でも、温度センサにより温度上昇検知用閾値以上の温度が検出された後は、蓄電デバイス監視ユニットが動作を開始する。この結果、温度上昇検知用閾値以上の温度となった後の蓄電デバイス内部およびその周辺外部の温度、電圧、電流等のデータが保存されるため、蓄電デバイスの異常発生後の原因究明が容易になる。
このような構成を備えることで、省電力化を図った上で、熱暴走に至る前に温度上昇を検知して、温度異常の発生を未然に防止することができる。
実施の形態2.
本実施の形態2では、蓄電デバイス1内部およびその周辺外部に設置された複数の温度センサ3が出力する温度測定データを比較することにより、蓄電デバイス1の温度上昇の要因となっている熱源の位置を推定する方法について説明する。
本実施の形態2では、蓄電デバイス1内部およびその周辺外部に設置された複数の温度センサ3が出力する温度測定データを比較することにより、蓄電デバイス1の温度上昇の要因となっている熱源の位置を推定する方法について説明する。
本実施の形態2における移動体の電源監視装置は、先の実施の形態1で示した図1の構成と同様であり、3つの温度センサ3(1)〜(3)を備えている。温度センサ3(1)は、蓄電デバイス1内部に設置されており、温度センサ3(2)および温度センサ3(3)は、蓄電デバイス1周辺外部に設置されている。そして、このような温度センサ3(1)〜(3)の配置により、蓄電デバイス1の温度上昇の要因となっている熱源の位置を推定できるようにしている。
具体的には、蓄電デバイス監視ユニット2が起動されて、蓄電デバイス1の測定データの収集を開始したときに、温度センサ3(2)または温度センサ3(3)の測定温度が、温度センサ3(1)よりも高い場合には、蓄電デバイス1外部からの入熱であると判断され、周辺機器の異常発熱、あるいは周辺の火災などが疑われる。反対に、例えば、蓄電デバイス1内部の温度センサ3(1)による測定温度が、蓄電デバイス1外部の温度センサ3(2)または温度センサ3(3)による測定温度よりも高い場合には、蓄電デバイス1内部の単電池本体が熱源である可能性が疑われる。
このように、内部の温度センサ3(1)と、外部の温度センサ3(2)、3(3)との大小関係の比較により、蓄電デバイス1の温度上昇が、外部要因かあるいは内部要因かを推定することができるようになるため、トラブル後の原因究明が更に容易になる。計測されたデータは、そのまま温度データとして記録するのがよいが、温度差を計測して熱源が蓄電デバイス1内部かあるいは外部かを判別するフラグを立てて、それを記録して残すのもよい。
また、上述した、蓄電デバイス監視ユニット2による熱源の位置の推定処理は、監視ユニット起動部4によって行うことも可能である。そして、この場合には、監視ユニット起動部4が蓄電デバイス監視ユニット2を起動させる際の判定基準を、蓄電デバイス1の温度上昇が外部要因か内部要因かによって異なるようにすることもできる。例えば、蓄電デバイス1の温度上昇が外部要因である場合には、蓄電デバイス監視ユニット2を起動させる温度上昇検知用閾値を、内部要因の場合よりも高く設定するようにしてもよい。
以上のように、実施の形態2によれば、蓄電デバイス内部およびその周辺外部に設置された複数の温度センサが出力する温度測定データの大小関係を比較することにより、蓄電デバイスの温度上昇の要因となっている熱源の位置を推定することができる。
なお、図1では、蓄電デバイス1内部およびその周辺外部に、3つの温度センサ3(1)〜(3)を設置した例を示しているが、温度センサ3の数は3つに限定されるものではない。本実施の形態2における温度センサ3は、蓄電デバイス1内部と蓄電デバイス1周辺外部とに、それぞれ少なくとも1つずつ設置されていればよい。
実施の形態3.
本実施の形態3では、監視ユニット起動部4として、外部からの電力供給なしに蓄電デバイス1の温度上昇を検知できる機構を用いることにより、移動体の電源監視装置の消費電力を低減させる方法について説明する。
本実施の形態3では、監視ユニット起動部4として、外部からの電力供給なしに蓄電デバイス1の温度上昇を検知できる機構を用いることにより、移動体の電源監視装置の消費電力を低減させる方法について説明する。
先の実施の形態1で述べたように、温度センサ3としては、例えば、サーミスタや温度監視ICが使用できる。また、監視ユニット起動部4としては、例えば、温度センサ3が出力する温度測定値に応じてリレーを駆動するような温度スイッチが使用できる。
これらの温度センサ3および監視ユニット起動部4は、蓄電デバイス1の温度を測定したり、蓄電デバイス1の温度上昇を検知して蓄電デバイス監視ユニット2を起動させたりするために電力を消費する。しかしながら、省電力のために蓄電デバイス監視ユニット2が停止されることを考慮すると、温度センサ3および監視ユニット起動部4は、電力を消費しないで動作するものを用いることが望ましい。
そこで、本実施の形態3における移動体の電源監視装置は、熱膨張率が異なる2枚の金属板を貼り合わせ、温度上昇により張り合わせ部分が自然に湾曲するバイメタルを接点としたサーモスタットスイッチを、監視ユニット起動部4として使用している。
このサーモスタットスイッチを使用すれば、補助電源5と蓄電デバイス監視ユニット2との接続を、外部からの電力供給なしに、蓄電デバイス1の温度に応じてONまたはOFFすることができる。また、温度センサ3のうち監視ユニット起動部4専用であるものについては、監視ユニット起動部4に統合できるため、構造が簡素化される。
以上のように、実施の形態3によれば、監視ユニット起動部として、外部からの電力供給なしに温度上昇を検知できる機構を用いることにより、移動体の電源監視装置の消費電力を低減させることができる。
実施の形態4.
本実施の形態4では、蓄電デバイス1内部およびその周辺外部の温度、電圧、電流等の測定データを保存する蓄電デバイス監視ユニット2内の記憶部を、蓄電デバイス監視ユニット2の外部に設置することにより、測定データの保全性を高める方法について説明する。
本実施の形態4では、蓄電デバイス1内部およびその周辺外部の温度、電圧、電流等の測定データを保存する蓄電デバイス監視ユニット2内の記憶部を、蓄電デバイス監視ユニット2の外部に設置することにより、測定データの保全性を高める方法について説明する。
先の実施の形態1では、蓄電デバイス1温度異常時の測定データを、蓄電デバイス監視ユニット2に内蔵した記憶部(図示せず)に保存するようにした。しかしながら、万一、蓄電デバイス1内に収められている蓄電デバイス監視ユニット2が焼失した場合には、蓄電デバイス監視ユニット2内の記憶部に保存された測定データも焼失してしまう可能性がある。
もちろん、記憶部を内蔵した蓄電デバイス監視ユニット2を、蓄電デバイス1から離して設置するか、あるいは、蓄電デバイス監視ユニット2を蓄電デバイス1から熱的に遮蔽して設置するようにすれば、蓄電デバイス監視ユニット2は、蓄電デバイス1の過熱時でも正常に機能して電池の温度、電圧、電流を計測し続けることができる。しかしながら、万一の蓄電デバイス監視ユニット2の焼失を考慮すると、記憶部は、蓄電デバイス1から離れた場所に、蓄電デバイス監視ユニット2とは別に設置するのが望ましい。
図3は、本発明の実施の形態4に係る移動体の電源監視装置の構成の例示図である。図3に示す移動体の電源監視装置は、図1に示す移動体の電源監視装置と比較して、記憶部7aを、蓄電デバイス監視ユニット2の外部に設置していることを特徴としている。
このように、記憶部7aを、蓄電デバイス1から離れた、蓄電デバイス監視ユニット2とは別の場所に設置することにより、万一、蓄電デバイス監視ユニット2が焼失した場合でも、蓄電デバイス1内の記憶部に測定データを保存する場合と比べて、測定データの保全性を高めることができる。
また、記憶部7aを、更に耐熱性があり、遮蔽性の高い容器の中に設置したり、放熱性の高い、例えば通気性の良い場所に設置したりすることで、記憶部7aの温度上昇が抑制され、データの保全性が高まる。更に、記憶部7aに冷却ファンなどの冷却装置を併用することで、よりいっそう温度上昇が抑制され効果的である。
以上のように、実施の形態4によれば、蓄電デバイス内部およびその周辺外部の温度、電圧、電流等の測定データを保存する蓄電デバイス監視ユニット内の記憶部を、蓄電デバイス監視ユニットの外部に設置することにより、測定データの保全性を高めることができる。
実施の形態5.
先の実施の形態1では、蓄電デバイス1内部およびその周辺外部の温度上昇を検知して、蓄電デバイス監視ユニット2を起動させる方法ついて説明した。これに対して、本実施の形態5では、蓄電デバイス1とその周辺外部との間の熱の移動を検知して、蓄電デバイス監視ユニット2を起動させる方法ついて説明する。
先の実施の形態1では、蓄電デバイス1内部およびその周辺外部の温度上昇を検知して、蓄電デバイス監視ユニット2を起動させる方法ついて説明した。これに対して、本実施の形態5では、蓄電デバイス1とその周辺外部との間の熱の移動を検知して、蓄電デバイス監視ユニット2を起動させる方法ついて説明する。
図4は、本発明の実施の形態5に係る移動体の電源監視装置の構成の例示図である。図4に示す移動体の電源監視装置は、蓄電デバイス1の温度上昇を検知するための温度センサ3として、熱電素子3bを備えていることを特徴としている。
熱電素子3bは、温度差を起電力に変換するゼーベック効果等を利用するものであり、起電力の大きさおよび正負を測定することにより熱の移動量および熱の移動方向を知ることができる。したがって、図4に示すように、蓄電デバイス1周辺外部に熱電素子3bを設置することにより、蓄電デバイス1とその周辺外部との間の熱の移動を検知することができるようになる。
この結果、先の実施の形態1と同様の手順を用いて、温度上昇の代わりに熱の移動量を検知することにより、例えば、蓄電デバイス1とその周辺外部との間の温度差が熱移動検知用閾値を超えていることを検知して、蓄電デバイス監視ユニット2を起動させることができる。また、熱移動の方向が分かれば、先の実施の形態2と同様に、蓄電デバイス1の熱の移動の要因となっている熱源の位置を推定することもできる。
更には、温度センサ3として熱電素子3bを使用する場合においても、先の実施の形態3で述べたような、外部からの電力供給なしに動作する監視ユニット起動部4を得ることが可能である。
具体的には、例えば、蓄電デバイス1の温度差を起因とするゼーベック効果によって生じる起電力を電力として、蓄電デバイス監視ユニット2を直接駆動させる形態が有効である。熱電素子3bで電池監視制御ユニットの起動スイッチが直接起動できれば、蓄電デバイス監視ユニット2を起動するための別ユニットが省略できる。この結果、熱電素子3bと監視ユニット起動部4とを一体化させるとともに、電力を消費しないで動作できるようになる。このような待機電力を必要としない形態は、特に、外部から電源を取ることのできない移動体用の電源システムに有効である。
以上のように、実施の形態5によれば、蓄電デバイス内部の温度上昇を測定する温度センサの代わりに、蓄電デバイスとその周辺外部との間の熱の移動を測定する温度センサを使用することによっても、先の実施の形態1〜3と同様の効果を得ることができる。
なお、熱電素子3bは、蓄電デバイス1内部およびその周辺外部に一個あるいは複数配置することができる。前述のとおり一個でも熱の移動方向は分かるが、複数配置することにより、更に詳細な熱の移動方向が解析可能となる。
実施の形態6.
先の実施の形態4では、蓄電デバイス1の測定データを保存する記憶部7aを、蓄電デバイス監視ユニット2の外部に設置することにより、測定データの保全性を高める方法について説明した。これに対して、本実施の形態6では、記憶部を移動体外部に設置し、測定データを通信を用いて記憶部に送信することにより、測定データの保全性を更に高める方法について説明する。
先の実施の形態4では、蓄電デバイス1の測定データを保存する記憶部7aを、蓄電デバイス監視ユニット2の外部に設置することにより、測定データの保全性を高める方法について説明した。これに対して、本実施の形態6では、記憶部を移動体外部に設置し、測定データを通信を用いて記憶部に送信することにより、測定データの保全性を更に高める方法について説明する。
先の実施の形態4では、図3に示すように、記憶部7aを、蓄電デバイス監視ユニット2とは別の、蓄電デバイス1から離れた場所に設置することで、測定データの保全性を向上させた。しかしながら、記憶部7aと蓄電デバイス1とを同じ移動体内部に設置すると、蓄電デバイス1から離れて設置されているとはいえ、移動体全体が焼失した場合にはデータも合わせて消失してしまうおそれがある。そのため、記憶部7aは、移動体外部に設置することが望ましい。
図5は、本発明の実施の形態5に係る移動体の電源監視装置の構成の例示図である。図5に示す移動体の電源監視装置は、図3示す移動体の電源監視装置と比較して、記憶部7bを移動体外部に設置するとともに、蓄電デバイス1の測定データを、通信部8を用いて記憶部7bに送信するようにしている。
この結果、通信部8によって送信された測定データは、移動体外部の記憶部7bに保存されるため、万一火災などで蓄電デバイス1を搭載した移動体が焼失してしまうような事象に至った場合でも、測定データは保全される。そして、事故後に、発熱源の位置の判定など原因究明の手助けとなるデータとして利用することができる。
通信部8と移動体外部の記憶部7bとの間の通信手段としては、例えば、充電中など、記憶部7bと蓄電デバイス監視ユニット2とが有線で接続されている場合には、この充電装置との間の有線を通信手段として利用することが可能である。また、通信部8と移動体外部の記憶部7bとの間に有線での接続がない場合には、無線による通信、例えばWi−Fiなどの無線インターネット回線や、電話回線、VICS(登録商標)などの道路情報通信回線などが利用可能である。
また、記憶部7bを、更に耐熱性があり遮蔽性の高い容器の中に設置したり、放熱性の高い、例えば通気性の良い場所に設置したりすることで、記憶部7bの温度上昇が抑制されてデータの保全性がより高まる。更に、記憶部7bに冷却ファンなどの冷却装置を併用することで、よりいっそう温度上昇が抑制され効果的である。
以上のように、実施の形態6によれば、蓄電デバイス内部およびその周辺外部の温度、電圧、電流等の測定データを保存する蓄電デバイス監視ユニット内の記憶部を、移動体外部に設置し、測定データを記憶部に通信を用いて送信することにより、測定データの保全性を更に高めることができる。
実施の形態7.
本実施の形態7では、蓄電デバイス1の温度上昇時に、蓄電デバイス1内部に蓄積されているエネルギーを放電するとともに、蓄電デバイス1の温度が温度異常検知用閾値を超過しないように、蓄電デバイス1が放電するエネルギーを利用して蓄電デバイス1を効果的に冷却する方法について説明する。
本実施の形態7では、蓄電デバイス1の温度上昇時に、蓄電デバイス1内部に蓄積されているエネルギーを放電するとともに、蓄電デバイス1の温度が温度異常検知用閾値を超過しないように、蓄電デバイス1が放電するエネルギーを利用して蓄電デバイス1を効果的に冷却する方法について説明する。
先の実施の形態1では、図2のフローチャートのステップS9において、蓄電デバイス1の温度が温度異常検知用閾値を超えて温度異常が発生したときに、蓄電デバイス1の冷却、放電、アラーム通知等の温度異常処置を実施するようにした。
しかしながら、蓄電デバイス監視ユニット2による温度異常処置は、蓄電デバイス1に温度異常が発生した後で実施するよりも、蓄電デバイス1の温度上昇が継続している時点で開始させるようにし、蓄電デバイス1の温度が温度異常検知用閾値を超過しないように制御することがより望ましい。
図6は、本発明の実施の形態7に係る移動体の電源監視装置の構成の例示図である。図6に示す移動体の電源監視装置は、図1に示す移動体の電源監視装置と比較して、冷却装置9および冷却装置制御部10を更に備えていることを特徴としている。
本実施の形態7における蓄電デバイス監視ユニット2は、蓄電デバイス1の温度上昇が継続して温度異常検知用閾値を超過する可能性がある場合には、蓄電デバイス1内部に蓄積されているエネルギーを、外部に放出させて充電レベルを下げるようにしている。更に、本実施の形態7における蓄電デバイス監視ユニット2は、蓄電デバイス1が放電する電力を利用して冷却装置9を駆動し、蓄電デバイス1を冷却するようにしている。具体的には、例えば、図2のステップS8において、蓄電デバイス1の温度上昇が継続している時点で、蓄電デバイス1の放電および冷却の温度異常処置を開始させるようにしている。
この結果、蓄電デバイス1の温度が温度異常検知用閾値を超過しないように制御するとともに、電池の蓄電エネルギーを低下させて、万一電池が熱暴走し、発煙、発火に至った場合でも、予め放出したエネルギーの分だけ被害を抑えることができる。
ここで、蓄電デバイス監視ユニット2が、蓄電デバイス1の放電および冷却の温度異常処置を開始する条件は、蓄電デバイス1の構成や設置環境等から想定される蓄電デバイス1の冷却効率を考慮したうえで決定するようにすればよい。例えば、蓄電デバイス1の冷却効率が良くない環境では、蓄電デバイス1の放電および冷却を、蓄電デバイス監視ユニット2が起動されて直ぐに開始させるようにしてもよい。
冷却装置9は、蓄電デバイス1内部およびその周辺外部に設置され、蓄電デバイス監視ユニット2からの指令を受けた冷却装置制御部10により制御される。冷却装置9としては、冷却ファンやエアコン(冷房)による空冷、冷却パイプに水やその他の冷媒を循環させて冷却する液冷が適用可能である。
なお、放電の際、電池内部の抵抗により発熱するため、放電量は、蓄電デバイス1の温度が温度異常検知用閾値を超過しないように調整する必要がある。このとき、放電される電力は、冷却装置9以外にも、移動体内の電気負荷、例えば自動車の場合は、モーター、ヘッドライト、オーディオ機器や冷熱機器など、移動体内のあらゆる電気機器により消費することができる。
また、移動体の蓄電システムと、一般の電力系統とがパワーコントローラを通じて繋がっており、蓄電システムから一般の電力系統に電力を供給できる双方向システムでは、電池の放電電力を一般の電力系統に供給することも可能である。
このように、蓄電デバイス1の温度上昇時に蓄電デバイス1から放電するエネルギーを、冷却装置9を稼働するために使用することは、蓄電デバイス1の充電エネルギーの放出と冷却が一度に行えるため効果的である。
以上のように、実施の形態7によれば、蓄電デバイスの温度が温度異常検知用閾値を超過しないように、蓄電デバイスが放電するエネルギーを利用して蓄電デバイスを冷却することにより、蓄電デバイスの温度異常処置をより効果的に実施することができる。また、蓄電デバイスの温度上昇時に、蓄電デバイス内部に蓄積されているエネルギーを放電することにより、熱暴走時の被害を抑えることができる。
冷却装置9が稼動すると蓄電デバイス1の温度が一時的に低下するが、この温度低下により蓄電デバイス1の温度上昇が止まったと判断するのではなく、冷却装置9を停止しても蓄電デバイス1の温度上昇がないことを確認できるまでは、蓄電デバイス監視ユニット2によるデータ収集および温度異常処置を継続することが重要である。
1 蓄電デバイス、2 蓄電デバイス監視ユニット、3 温度センサ、3b 熱電素子、4 監視ユニット起動部、5 補助電源、6 電源供給リレー、7a 記憶部、7b 記憶部、8 通信部、9 冷却装置、10 冷却装置制御部。
Claims (9)
- 移動体に設置された蓄電デバイスの内部およびその周辺外部の温度、あるいは前記蓄電デバイスとその周辺外部との間の熱の移動を測定する温度センサと、
前記温度センサによる測定結果に基づいて、前記蓄電デバイス内部およびその周辺外部の温度を含む測定データを収集するデータ監視処理を実施するとともに、前記蓄電デバイスの温度が温度異常検知用閾値を超えている場合には前記蓄電デバイスの温度異常処置を実施する蓄電デバイス監視ユニットと
を備えた移動体の電源監視装置であって、
前記蓄電デバイス監視ユニットが停止中に、前記蓄電デバイスの温度が温度上昇検知用閾値を超えて温度上昇したこと、または前記蓄電デバイスとその周辺外部との間の温度差による熱の移動が熱移動検知用閾値を超えたことを前記温度センサの出力によって検知した場合には、前記蓄電デバイス監視ユニットを起動させる監視ユニット起動部
を更に備える移動体の電源監視装置。 - 請求項1に記載の移動体の電源監視装置において、
前記蓄電デバイス監視ユニットに電力を供給する補助電源と、
通常はOFF状態に維持され、ON状態となることで前記補助電源から前記蓄電デバイス監視ユニットへの電力供給する電源供給リレーと
を更に備え、
前記監視ユニット起動部は、前記蓄電デバイスの前記温度上昇または前記熱の移動を前記温度センサの出力によって検知した場合には、前記補助電源から前記蓄電デバイス監視ユニットへの電力供給をONして前記蓄電デバイス監視ユニットを起動させ、
前記蓄電デバイス監視ユニットは、自身が前記監視ユニット起動部によって起動された後、前記データ監視処理および前記温度異常処置を実行する間は、自身への電力供給が維持されるように、前記電源供給リレーをON状態に制御する
移動体の電源監視装置。 - 請求項1または2に記載の移動体の電源監視装置において、
前記監視ユニット起動部は、前記蓄電デバイスの温度に応じて変形することにより、外部からの電力供給なしに、前記蓄電デバイスの前記温度上昇または前記熱の移動を検知して前記補助電源から前記蓄電デバイス監視ユニットへの電力供給をONできる機構を有している
移動体の電源監視装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の移動体の電源監視装置において、
前記温度センサは、前記蓄電デバイスとその周辺外部との間の熱の移動量および熱の移動方向を測定する熱電素子であり、
前記監視ユニット起動部は、前記蓄電デバイス監視ユニットが停止中に、前記蓄電デバイスとその周辺外部との間の温度差による前記熱の移動が前記熱移動検知用閾値を超えたことを前記温度センサの出力によって検知した場合には、前記蓄電デバイス監視ユニットを起動させる
移動体の電源監視装置。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の移動体の電源監視装置において、
前記蓄電デバイス監視ユニットが収集する前記測定データを保存する記憶部と、
前記蓄電デバイス監視ユニットが収集する前記測定データを、前記移動体の外部に設置された前記記憶部に送信する通信部と
を更に備える移動体の電源監視装置。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の移動体の電源監視装置において、
前記蓄電デバイス監視ユニットは、前記蓄電デバイスの前記温度上昇または前記熱の移動を検知した場合には、前記蓄電デバイスの温度が前記温度異常検知用閾値を超えないように前記蓄電デバイスを放電する
移動体の電源監視装置。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の移動体の電源監視装置において、
前記蓄電デバイスを冷却する冷却装置を更に備え、
前記蓄電デバイス監視ユニットは、前記蓄電デバイスの前記温度上昇または前記熱の移動を検知した場合には、前記蓄電デバイスの温度が前記温度異常検知用閾値を超えないように前記蓄電デバイスを放電するとともに、前記蓄電デバイスが放電する電力を利用して前記冷却装置を駆動する
移動体の電源監視装置。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の移動体の電源監視装置において、
前記温度センサは、前記蓄電デバイス内部と前記蓄電デバイス周辺外部とに、それぞれ少なくとも1つずつ設置され、
前記監視ユニット起動部または前記蓄電デバイス監視ユニットは、複数の前記温度センサが出力する前記測定データを比較することにより、前記蓄電デバイスの前記温度上昇または前記熱の移動の要因となっている熱源の位置を推定する
移動体の電源監視装置。 - 請求項1に記載の移動体の電源監視装置において用いられる移動体の電源監視方法であって、
前記監視ユニット起動部において、
前記蓄電デバイス監視ユニットが停止中に、前記蓄電デバイスの温度が温度上昇検知用閾値を超えて温度上昇したこと、または前記蓄電デバイスとその周辺外部との間の温度差による熱の移動が熱移動検知用閾値を超えたことを前記温度センサの出力によって検知した場合には、前記蓄電デバイス監視ユニットを起動させる監視ユニット起動ステップ
を有する移動体の電源監視方法。
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JP2013167420A JP2015037015A (ja) | 2013-08-12 | 2013-08-12 | 移動体の電源監視装置および移動体の電源監視方法 |
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-
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