JP2020144048A - 光源装置及び測距装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】所望の断面形状の反射光を生成しやすい光源装置を提供する。【解決手段】光源装置は、光源と、光源からの光の少なくとも一部を反射して反射光を生成する反射部材22と、を備え、反射部材は、光源からの光が入射される、基準面22dに沿って規則的に配置された複数の曲面鏡22cを含み、複数の曲面鏡の各々は、基準面内で互いに直交する第1軸方向及び第2軸方向に曲率を有する。光源装置では、基準面に沿って規則的に配置された複数の曲面鏡に光源からの光が入射する。各曲面鏡に入射した光は、互いに規則性を保ちながら、第1軸方向に対応する方向及び第2軸方向に対応する方向に拡散されつつ反射される。【選択図】図8

Description

本開示に係る技術(以下、「本技術」とも呼ぶ)は、光源装置及び測距装置に関する。より詳しくは、光源を含む光源装置等に関する。
特許文献1には、光源からの光を反射型拡散板で反射して反射光を生成する技術が開示されている。
特開2016−186601号公報
特許文献1に開示された技術においては、所望の断面形状の反射光を生成しにくいという問題があった。
そこで、本技術は、所望の断面形状の反射光を生成しやすい光源装置を提供することを主な目的とする。
本技術は、光源と、前記光源からの光の少なくとも一部を反射して反射光を生成する反射部材と、を備え、前記反射部材は、前記光源からの光が入射される、基準面に沿って規則的に配置された複数の曲面鏡を含み、前記複数の曲面鏡の各々は、前記基準面内で互いに直交する第1軸方向及び第2軸方向に曲率を有する、光源装置を提供する。
本技術に係る光源装置では、基準面に沿って規則的に配置された複数の曲面鏡に光源からの光が入射する。各曲面鏡に入射した光は、互いに規則性を保ちながら、第1軸方向に対応する方向及び第2軸方向に対応する方向に拡散されつつ反射される。
複数の曲面鏡は、反射光の光軸に垂直な断面の目標形状に応じて規則的に配置されていてもよい。
複数の曲面鏡の各々は、基準面に対して傾斜し、且つ、第1軸方向に直交する第3軸方向から見た形状が、反射光の光軸に垂直な断面の目標形状に応じた形状であってもよい。
第3軸方向は、光源からの光の光軸方向に略一致していてもよい。
複数の曲面鏡の各々は、第3軸方向から見た形状の第1軸方向の長さと、第3軸方向から見た形状における第1軸方向及び第3軸方向のいずれにも直交する第4軸方向の長さと、第1軸方向の曲率と、第2軸方向の曲率とが、目標形状における第1軸方向に対応する方向の長さと第4軸方向に対応する方向の長さの比に応じて設定されていてもよい。
複数の曲面鏡の各々は、第3軸方向から見た形状における第1軸方向の長さに対する、第1軸方向及び前記第3軸方向のいずれにも直交する第4軸方向の長さの比率が、目標形状における第1軸方向に対応する方向の長さに対する、第4軸方向に対応する方向の長さの比率に等しく、且つ、前記第1軸方向の曲率が互いに等しく、且つ、前記第2軸方向の曲率が互いに等しくてもよい。
複数の曲面鏡は、少なくとも3つの曲面鏡であり、第3軸方向から見て2次元配置されていてもよい。
複数の曲面鏡は、少なくとも4つの曲面鏡であり、第3軸方向から見て、第1軸方向と、第1軸方向及び第3軸方向のいずれにも直交する第4軸方向とに2次元格子状に配置されていてもよい。
複数の曲面鏡は、第1軸方向及び第2軸方向の曲率の正負が逆の曲面鏡を含んでいてもよい。
第3軸方向から見て第4軸方向に並ぶ少なくとも2つの曲面鏡の第1軸方向の曲率の正負は、互いに等しく、第3軸方向から見て第1軸方向に並ぶ少なくとも2つの曲面鏡の第2軸方向の曲率の正負は、互いに等しくてもよい。
複数の曲面鏡の少なくとも1つは、第1軸方向及び第3軸方向のいずれにも直交する第4軸方向に直交する平面で切断した切り口が凸曲線状であり、該切り口が描く凸曲線の各端における接線と、該凸曲線の両端を結ぶ線分とが成す角度をα/2とすると、0°<α≦60°を満足してもよい。
複数の曲面鏡の少なくとも1つは、第1軸方向に直交する平面で切断した切り口が凸曲線状であり、該切り口が描く凸曲線の各端における接線と、該凸曲線の両端を結ぶ線分とが成す角度をβ/2、第1軸方向から見て、第1軸方向及び前記第3軸方向のいずれにも直交する第4軸方向が基準面に対して成す角度を90°−φとすると、0°<β≦60°−(2/3)φを満足してもよい。
複数の曲面鏡の少なくとも1つは、第1軸方向及び前記第3軸方向のいずれにも直交する第4軸方向に直交する平面で切断した切り口が凹曲線状であり、該切り口が描く凹曲線の各端における接線と、該凹曲線の両端を結ぶ線分とが成す角度をα/2とすると、0°<α≦90°を満足してもよい。
複数の曲面鏡の少なくとも1つは、第1軸方向に直交する平面で切断した切り口が凹曲線状であり、該切り口が描く凹曲線の各端における接線と、該凹曲線の両端を結ぶ線分とが成す角度をβ/2、第1軸方向から見て、第1軸方向及び第3軸方向のいずれにも直交する第4軸方向が基準面に対して成す角度を90°−φとすると、0°<β≦90°−φを満足してもよい。
上記切り口は、円弧状であってもよい。
複数の曲面鏡は、第1軸方向の曲率が互いに等しく、且つ、第2軸方向の曲率が互いに等しく設定されてもよい。
複数の曲面鏡は、第3軸方向から見た形状における第1軸方向の長さに対する、第1軸方向及び第3軸方向のいずれにも直交する第4軸方向の長さの比率が互いに等しく設定されてもよい。
複数の曲面鏡は、第3軸方向から見た形状における第1軸方向の長さが互いに等しく、且つ、第4軸方向の長さが互いに等しくてもよい。
光源は、レーザ光源であってもよい。
本技術は、光源装置と、光源装置から出射され対象物で反射された光を受光する受光装置と、受光装置の出力に基づいて、対象物までの距離を算出する制御装置と、を備える、測距装置をも提供する。
図1Aは、本技術の第1実施形態に係る測距装置の構成を模式的に示す平面図である。図1Bは、図1AのA−A線断面図である。 第1実施形態に係る光源装置の構成を模式的に示す断面図である。 図3A及び図3Bは、完全拡散反射板について説明するための図である。 第1実施形態に係る光源装置により所望の反射光(照射光)を生成している状態を示す図である。 平面鏡を角度δだけ回転させることによる反射光の反射角の変化について説明するための図である。 第1実施形態の反射部材の凸面鏡のC断面に平行な任意の断面と、該断面による光の拡散角との関係を示す図である。 第1実施形態の反射部材の凸面鏡のB断面に平行な任意の断面と、該断面による光の拡散角との関係を示す図である。 第1実施形態の反射部材を基準面に対して直交する方向から見た図である。 第1実施形態の反射部材を光源からの光の光軸方向から見た図である。 第1実施形態の反射部材の製造方法を説明するための工程図(その1)である。 図11A〜図11Cは、第1実施形態の反射部材の製造方法を説明するための工程図(その2〜その4)である。 図12A〜図12Cは、第1実施形態の反射部材の製造方法を説明するための工程図(その5〜その7)である。 図13Aは、第2実施形態の反射部材の斜視図であり、図13Bは、第2実施形態の反射部材を基準面に対して直交する方向から見た図であり、図13Cは、第2実施形態の反射部材を光源からの光の光軸方向から見た図である。 第2実施形態の反射部材の凹面鏡のC断面に平行な任意の断面と、該断面による光の拡散角との関係を示す図である。 第2実施形態の反射部材の凹面鏡のB断面に平行な任意の断面と、該断面による光の拡散角との関係を示す図である。 図16Aは、第3実施形態の実施例1の反射部材を基準面に対して直交する方向から見た図であり、図16Bは、第3実施形態の実施例2の反射部材を基準面に対して直交する方向から見た図であり、図16Cは、第3実施形態の実施例1、2の反射部材を光源からの光の光軸方向から見た図である。図16Dは、第3実施形態の実施例1の反射部材の斜視図である。図16Eは、第3実施形態の実施例2の反射部材の斜視図である。 光源の出射光の拡がり角により反射面での光の反射角が変化することを説明するための図である。 光源と反射部材との間にコリメータレンズが配置された例を示す図である。 光源の出射光の拡がり角に対して反射面の角度を補正する方法を説明するための図である。 図20A〜図20Cは、それぞれ反射部材における曲面鏡の配置例(その1〜その3)を示す図である。 図21Aは、第4実施形態に係る測距装置の構成を模式的に示す平面図である。図21Bは、図1AのB−B線断面図である。 車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。 車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。 手術室システムの全体構成を概略的に示す図である。 集中操作パネルにおける操作画面の表示例を示す図である。 手術室システムが適用された手術の様子の一例を示す図である。 図26に示すカメラヘッド及びCCUの機能構成の一例を示すブロック図である。
以下に添付図面を参照しながら、本技術の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。本明細書において、本技術に係る光源装置及び測距装置の各々が複数の効果を奏することが記載される場合でも、本技術に係る光源装置及び測距装置の各々は、少なくとも1つの効果を奏すればよい。本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
また、以下の順序で説明を行う。
1.本技術の第1実施形態に係る測距装置の構成
(1−1)測距装置の全体構成
(1−2)光源装置の全体構成
(1−3)受光装置の構成
(1−4)制御装置の構成
(1−5)反射部材の構成
(1−6)反射部材の製造方法
2.本技術の第1実施形態に係る測距装置の動作
(2−1)測距装置の全体動作
(2−2)光源装置の動作
(2−3)受光装置の動作
(2−4)制御装置の動作
3.本技術の第1実施形態に係る測距装置の効果
(3−1)光源装置の効果
(3−2)測距装置、物体システムの効果
4.本技術の第2実施形態に係る反射部材
5.本技術の第3実施形態に係る反射部材
(5−1)実施例1の反射部材
(5−2)実施例2の反射部材
6.本技術の変形例に係る光源装置
7.本技術の第4実施形態に係る測距装置
(7−1)測距装置の構成
(7−2)測距装置の動作
(7−3)測距装置、物体システムの効果
8.移動体への応用例
9.手術室システムへの応用例
10.画像表示装置への応用例
1.本技術の第1実施形態に係る測距装置の構成
(1−1)測距装置の全体構成
図1Aは、本技術の第1実施形態に係る測距装置10の平面図である。図1Bは、図1AのA−A線断面図である。測距装置10は、例えば対象物までの距離、対象物の形状等を測定するのに用いられる。なお、図1Aでは、図面の錯綜を回避する観点から、図1Bに示される一部の部材(レンズユニット32、バンドパスフィルタ36等)の図示が省略されている。
測距装置10は、物体に搭載される。測距装置が搭載される物体としては、例えば車両、航空機(ドローンを含む)、船舶、ロボット等の移動体や、スマートフォン、タブレット等の電子機器が挙げられる。測距装置10と、該測距装置10が搭載される物体(例えば移動体、電子機器等)とを含んで、物体システムが構成される。
測距装置10は、図1A及び図1Bに示すように、対象物に光を照射する光源装置12と、対象物からの反射光を受光する受光装置14と、光源装置12及び受光装置14を制御する制御装置16とを備える。すなわち、測距装置10は、受発光・演算機能を持つTOF(Time Of Flight)の原理を用いた測距装置である。光源装置12、受光装置14及び制御装置16は、同一の回路基板18上に実装されている。回路基板18上には、さらに、電源供給や外部とのデータのやり取りを行うための多ピンのコネクタが実装されている。なお、光源装置12、受光装置14及び制御装置16の少なくとも2つは、同一の回路基板上に実装されていなくてもよい。
(1−2)光源装置の全体構成
光源装置12は、図2に示すように、光源20と、光源20を保持する保持体24とを備える。
光源20としては、例えば端面発光型の半導体レーザ(LD:レーザダイオード)、面発光型の半導体レーザ(VCSEL:面発光レーザ)等のレーザ光源が用いられている。光源20は、ダイボンディングにより基板26上に実装されており、ボンディングワイヤBWによって基板26上の配線に電気的に接続されている。ここでは、光源20の出射光ELとして、例えば赤外光が用いられるが、他の波長帯域の光であってもよい。光源20は、光源駆動回路21(ドライバ回路)により駆動される。ここでは、図1A及び図1Bに示すように、光源駆動回路21は、回路基板18上における光源装置12と受光装置14との間の位置に配置されている。
なお、光源20は、レーザ光源以外の光源(例えばLED:発光ダイオード)であってもよいが、レーザ光源のように高出力な光を出射する光源であることが好ましい。
図2に戻り、保持体24は、光源20からの光の少なくとも一部を対象物に向けて拡散させつつ反射させる反射面22aを有する。
すなわち、光源装置12は、光源20から出射され反射面22aで拡散されつつ反射された光(反射光RL)の少なくとも一部を照射光ILとして対象物に照射する。
詳述すると、保持体24は、光源20が収容される凹部24aを有している。反射面22aは、凹部24a内に位置し、光源20からの光の少なくとも一部を凹部24aの開口部24a1に向けて拡散反射させる。
さらに、保持体24は、凹部24aの開口部24a1を覆う窓部30を有する。光源20から出射され反射面22aで開口部24aに向けて拡散されつつ反射された光(反射光RL)の少なくとも一部は、窓部30を透過する。反射光RLのうち窓部30を透過した光が照射光ILである。
より詳細には、保持体24は、回路基板18上に設けられており(図1A及び図1B参照)、凹部24aを有するパッケージ31と、反射面22aを有する反射部材22を含む反射体27と、窓部30としての透光部材(以下では「透光部材30」とも呼ぶ)とを含む。
パッケージ31は、無蓋の箱状部材であり、凹部24aの底面を一面とする基板26と、凹部24aの内周面を内周面とする周壁28とを有する。基板26と周壁28は、例えばセラミック等の材料で一体に成形されている。なお、パッケージ31において、基板26と周壁28は、別体であってもよい。
基板26の一面(基板面)には、光源20及び反射体27が実装されている。以下では、光源20及び反射体27が実装される、基板26の一面(基板面)を「実装面26a」とも呼ぶ。
周壁28は、光源20及び反射体27を取り囲むように実装面26aに設けられている。
透光部材30は、ガラス製又は樹脂製の透光性を有する板状部材であり、開口部24a1を覆うように保持体24の開口端面24b(周壁28の基板26側の端面とは反対側の端面)に例えば接着剤等により取り付けられている。透光部材30は、光源20の出射光ELの波長帯域(例えば赤外域)の光の大半(例えば99%以上)を透過させるように透過率が設定されている。
このため、反射部材22からの反射光RLの略全部が透光部材30を透過することから、実質的に照射光ILを反射光RLと同一視することができる。
透光部材30によって、光源20及び反射体27がパッケージ31内に封止されている。これにより、パッケージ31内への異物(例えば塵、埃、水分等)の侵入を抑制でき、パッケージ31内の部品(光源20、反射部材22等)を保護(例えば光源20及び反射部材22への異物の付着を抑制、侵入した異物による配線間のショート(短絡)などの不具合の発生を抑制等)することができる。
反射体27は、反射部材22に加えて、反射部材22を支持する支持部材25を含む。
ここでは、反射部材22は、略板状の部材から成り、反射面22aが光源20からの光(出射光EL)の光路上に位置するように支持部材25に支持されている。
支持部材25は、一例として、断面直角三角形の三角柱形状(図2の紙面に垂直な方向を高さ方向とする三角柱形状)の透光性を有するガラス製又は樹脂製の部材からなる。支持部材25の傾斜面25a上に、略板状の反射部材22が例えば接着剤等で接合されている。なお、支持部材25は、必ずしも透光性を有していなくてもよい。
反射面22aは、一例として、光源20からの光の90%以上(好ましくは99%以上)を拡散させつつ反射させるように反射率又は透過率が設定されている。
なお、ここでは、反射部材22は、支持部材25に支持される略板状の部材であるが、例えば支持部材25に相当する基材の傾斜面に反射面22aが形成された部材であってもよい。すなわち、反射部材22及び支持部材25が一体成形されたような単一の反射部材で反射体27が構成されてもよい。
ここで、反射部材22の反射面22aとは反対側の面(傾斜面25aとの接合面)は、傾斜面25aと平行な平面である。以下では、この平面を「基準面22d」とも呼ぶ。
なお、ここでは、一例として反射部材22の反射面22aとは反対側の面(傾斜面25aとの接合面)を基準面22dとしているが、支持部材25の傾斜面25aを基準面としてもよいし、反射部材22又は支持部材25の傾斜面25aに平行な任意の断面を基準面としてもよいし、傾斜面25aに平行な仮想平面を基準面としてもよい。
基準面22dは、光源20の出射方向EDに対して傾斜している。すなわち、基準面22dは、光源20(例えば半導体レーザ)の出射面ESに対して傾斜している。なお、LD、VCSEL等の半導体レーザは出射面ESから該出射面ESに対して垂直に光を出射するため、出射方向EDが基準面22dに対して傾斜する場合には、出射面ESも基準面22dに対して傾斜する。
光源20の出射方向EDに対する基準面22dの傾斜角度φは、対象物に対する必要十分な照射角度範囲を得るために、30°〜60°であることが好ましく、40°〜50°であることがより好ましい。
そこで、本実施形態では、一例として、光源20の出射方向EDに対する基準面22dの傾斜角度φが略45°に設定されている。
さらに、光源20の出射方向EDが実装面26aに対して成す角度は、周壁28の高さを抑えて光源装置12の薄型化を図る観点から、0°〜45°が好ましく、0°〜30°がより好ましく、0°〜15°がより一層好ましい。光源20の出射方向EDは、実装面26aに平行な方向から、透光部材30側にずれていても(傾斜していても)よいし、基板26側にずれていても(傾斜していても)よい。
そこで、本実施形態では、一例として、光源20は、出射方向EDが実装面26aに対して成す角度が略0°となるように、すなわち出射方向EDが実装面26aに沿うように(略平行となるように)実装面26aに実装されている。
この場合、上述のように光源20の出射方向EDに対する基準面22dの傾斜角度φが略45°であるから、基準面22d及び傾斜面25aは、実装面26aに対しても略45°で傾斜している。
光源20の出射面ES及び反射面22aは、互いに対向している。すなわち、光源20の出射方向EDは、反射面22a側に向いている。
光源20の出射面ESは、透光部材30に対向していない。すなわち、光源20の出射方向EDは、透光部材30側に向いていない。
反射面22aは、透光部材30にも対向している。
光源20と反射面22aとの間には、他の光学部材(レンズ、ミラー等)が介在していない。この場合、光源20から出射された光(出射光EL)は、反射面22aに直接入射する。このため、光源20と反射面22aとの距離を短くすることができ、装置を小型化できる。光源20と反射面22aとの間の光路上に、他の光学部材(レンズ、ミラー等)を介在させてもよい。
光源20の出射面ESは、例えば光源20と反射面22aとの間に他の光学部材(レンズ、ミラー等)を介在させる場合には、必ずしも反射面22aに対向していなくてもよい。
なお、保持体24において、凹部24a及び窓部30は、必須ではない。すなわち、保持体24において、周壁28及び透光部材30は、必須ではない。保持体24は、基板26のみで構成されてもよい。保持体24は、基板26及び周壁28のみ、すなわちパッケージ31のみで構成されてもよい。保持体24において、光源20が実装されるベース部材として、基板26が用いられているが、基板以外の部材(例えば板状でない部材)であってもよい。
(1−3)受光装置の構成
第1実施形態の受光装置14は、図1A及び図1Bに示すように、レンズユニット32と、レンズホルダ34と、バンドパスフィルタ36と、イメージセンサ38とを含む。
イメージセンサ38は、回路基板18上に実装されたセンサ基板38a(半導体基板)に設けられ、2次元配列された複数の画素を含む。イメージセンサ38は、エリアイメージセンサとも呼ばれる。
イメージセンサ38の複数の画素が配置された領域である画素配置領域の形状は、例えば長方形とされている。ここでは、この画素配置領域は、イメージセンサ38の略全域を占めている。すなわち、イメージセンサ38の形状は、画素配置領域の形状に略一致する。
なお、イメージセンサ38の形状は、長方形以外の形状(例えば正方形、円形、楕円形、正方形及び長方形以外の多角形等)であってもよい。
イメージセンサ38の各画素は、受光素子(例えばPD:フォトダイオード)を含み、ワイヤボンディングにより回路基板18上の回路と電気的に接続されている。
レンズホルダ34は、イメージセンサ38の周囲を取り囲むように回路基板18に固定されている。
レンズユニット32は、少なくとも1つのレンズエレメントを含み、イメージセンサ38上に焦点が合うようにレンズホルダ34に保持されている。
イメージセンサ38とレンズユニット32との間には、レンズホルダ34に固定されたバンドパスフィルタ36(Band Pass Filter)が配置されている。これにより、対象物で反射されレンズユニット32を介した光のうち、光源20の出射光ELの波長付近の波長の光(所定の波長帯の光、例えば赤外光)のみがバンドパスフィルタ36を透過してイメージセンサ38に入射する。
また、光源装置12の照射範囲(図1BのFOI:Field Of Illumination)は、受光装置14の視野範囲(図1BのFOV:Field Of View)以上に設定されていることが望ましい。受光装置14の視野範囲は、「受光範囲」とも呼ばれる。
なお、受光装置14の構成は、上記構成に限定されない。例えば、イメージセンサ38は、複数の画素が1次元配置されたリニアセンサ(ラインセンサ)であってもよい。
(1−4)制御装置の構成
第1実施形態の制御装置16は、光源20及びイメージセンサ38を制御して対象物(被写体)までの距離を算出する演算回路を含んで構成される。制御装置16は、図1A及び図1Bに示すように、センサ基板38a上におけるイメージセンサ38(画素配置領域)とは異なる領域に配置されている。制御装置16は、光源駆動回路21に発光制御信号(パルス信号)を送信して光源20を断続的に発光させるとともに、イメージセンサ38の各画素の出力に基づいて対象物までの距離を画素毎に算出し、距離画像を生成する。
制御装置16の演算方式は、発光制御信号とイメージセンサ38の各画素の出力信号(受光信号)とに基づいて対象物までの距離を演算する方式(直接TOF方式)であってもよいし、イメージセンサ38の受光時に各画素の2つの電荷蓄積部に交互に振り分けられた信号電荷の電荷量の差分もしくは比に基づいて対象物までの距離を演算する方式(間接TOF方式)であってもよい。
制御装置16の演算回路は、例えばCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)等により実現される。
(1−5)反射部材の構成
ところで、一般的に市販されている拡散反射板は、図3A及び図3Bに示すように所謂ランバート反射(完全拡散反射)するように設計されたもの、すなわち完全拡散反射板である。このような完全拡散反射板を、仮に測距装置10の反射部材22として用いると、光源装置12の照射範囲FOIが、受光装置14の視野範囲FOVに対して広くなり過ぎてしまう。このため、光源装置12からの照射光ILのうち対象物に照射されず受光装置14で受光されない部分(無駄になる部分)が多くなり、視野範囲FOV内で十分な照度が得られなくなる。
そこで、本実施形態では、図1Bに示すように、反射部材22の設計により、光源装置12の照射範囲FOIを、受光装置14の視野範囲FOVと同じか、ばらつきを考慮してやや広くなるように設定している。
また、光源装置12から出射され対象物で反射された光は、受光装置14のレンズユニット32によりイメージセンサ38に集光される。このとき、照射光IL(反射部材22からの反射光RL)の光軸に垂直な断面(以下では、単に「照射光ILの断面」や「反射光RLの断面」とも呼ぶ)の形状が受光装置14のイメージセンサ38の形状(例えば長方形)に近似するほど、対象物からの反射光OL(以下では「物体光OL」とも呼ぶ)の光軸に垂直な断面の形状もイメージセンサ38の形状に近似する。この場合、物体光OLをイメージセンサ38上に無駄なく集光させることができる。つまり、照射光ILを効率よく用いることができる。
そこで、本実施形態では、目標とする照射光ILの断面の形状である目標形状TS(図4参照)をイメージセンサ38(図1A参照)の形状(ここでは長方形)と同一に設定し、断面形状が目標形状TSの反射光RL(照射光IL)を生成できるように反射部材22を設計している(図4参照)。なお、図4では、便宜上、光源装置12における光源20及び反射体27のみを図示している。図4に示される反射光RL(照射光IL)は、光軸に垂直な任意の断面の形状が互いに相似の長方形である四角錐形状を有している。以下では、断面形状が目標形状TSの反射光RLを「所望の反射光RL」とも呼ぶ。断面形状が目標形状TSの照射光ILを「所望の照射光IL」とも呼ぶ。
以下に、反射部材22の設計思想について詳細に説明する。
光源装置12の照射範囲FOI、すなわち照射光ILが存在する範囲は、反射部材22による光の拡散方向及び該拡散方向毎の拡散角に依存する。
ここで、図4に示すように、光源20の出射光ELの光軸(中心軸)をEOA、反射光RLの光軸(中心軸)をROA、反射光RLのEOAとROAを含む断面をB断面BCS、反射光RLのB断面BCSに垂直でROAを含む断面をA断面ACS、反射光RLのB断面BCSに垂直でEOAを含む断面をC断面CCS、出射光ELの光軸EOAと反射部材22の基準面22dとが成す角度をφとする。
このとき、所望の反射光RL(所望の照射光IL)の拡散角を以下のように定義する。
A断面ACS内の拡散角:ROAを対称軸として角度2α(α≧0)
B断面BCS内の拡散角:ROAを対称軸として角度2β(β≧0)
例えばφ≒45°の場合は、ROAとEOAの成す角度は、略90°である。
なお、光源20からの出射光ELは、多かれ少なかれ通常は拡がり角を持つが、ここでは説明の都合上無視できるほど小さく、平行光であると仮定する。無視できない場合(出射光ELが平行光でない場合)については後述する。
ここでは、所望の反射光RLのA断面ACS内における拡散角を2α、B断面BCS内における拡散角を2βと定義したが、所望の反射光RLでは、A断面ACSに平行な任意の断面内でも拡散角が2αであり、B断面BCSに平行な任意の断面内でも拡散角が2βである。
ここで、図5に示すように、一般に、平面鏡に光が入射角θで入射し反射角θで反射する場合に、平面鏡を角度δだけ回転させて入射角をθ+δとすると、反射角もθ+δとなるので、平面鏡回転後の反射光は平面鏡回転前の反射光に対して平面鏡の回転角度の2倍(2δ)回転する。
また、互いに直交する2軸方向の各々に曲率を持つ曲面鏡に平行光を当てれば、当該2軸方向の各々に拡散する反射光が得られる。
そこで、発明者は、反射部材22を、図6及び図7に示すように、互いに直交する2軸方向の各々に曲率を持つ凸面鏡22c(曲面鏡の一例)を含んで構成し、該凸面鏡22cに上記原理を応用している。
図6には、凸面鏡22cのC断面CCSに平行な任意の断面が示されている。図7には、凸面鏡22cのB断面BCSに平行な任意の断面が示されている。
凸面鏡22cは、図6及び図7に示すように、基準面22d内で互いに直交する第1軸方向及び第2軸方向に曲率を有する。
第1軸方向は、B断面BCSに直交し、且つ、C断面CCSに平行である。第2軸方向は、第1軸方向に直交し、且つ、B断面BCSに平行である。
すなわち、凸面鏡22cは、C断面CCSに平行な任意の断面が曲率を有し、且つ、B断面BCSに平行な任意の断面が曲率を有する。
具体的には、図6に示すように、凸面鏡22cを、C断面CCSに平行な任意の断面が円弧状(凸曲線状の一例)となるように、且つ、該断面が描く円弧(凸曲線の一例)の接線T1が第1軸方向に対して成す角度が−α/2から+α/2まで連続的に変化するように設計している。該断面に対して平行光を入射させれば、該平行光をA断面ACS内又はA断面ACSに平行な断面内で2αの拡散角で反射させることができる。
また、図7に示すように、凸面鏡22cを、B断面BCSに平行な任意の断面が円弧状(凸曲線状の一例)となるように、且つ、該断面が描く円弧(凸曲線の一例)の接線T2が第2軸方向に対して成す角度が−β/2から+β/2まで連続的に変化するように設計している。該断面に対して平行光を入射させれば、該平行光をB断面BCS内又はB断面BCSに平行な断面内で2βの拡散角で反射させることができる。
結果として、凸面鏡22cに平行光を入射させることにより、A断面ACS内及びA断面ACSに平行な任意の断面内で2αの拡散角を持ち、且つ、B断面BCS内及びB断面BCSに平行な任意の断面内で2βの拡散角を持つ反射光(照射光)を得ることができる。
ここでは、反射部材22は、各凸面鏡22cのC断面CCSに平行な任意の断面及びB断面BCSに平行な任意の断面が凸状の円弧状(凸曲線状の一例)となるように設計されているが、曲率が同方向で連続的に変化する凸曲線状であれば、他の凸曲線状であってもよい。
具体的には、各凸面鏡22cのC断面CCSに平行な任意の断面及びB断面BCSに平行な任意の断面の少なくとも一方は、例えば楕円、放物線、双曲線、サイン曲線、サイクロイド曲線等のような凸曲線状であってもよい。
各凸面鏡22cのC断面CCSに平行な任意の断面及びB断面BCSに平行な任意の断面は、互いに異なる凸曲線状であってもよい。
ここで、断面形状が目標形状TSの反射光RLを生成するためには、光源20の出射光ELの光軸方向EOAD(以下では「第3軸方向とも呼ぶ」)、すなわち光源20の出射方向EDから見て反射部材22の凸面鏡22cの形状を反射光RLの目標形状TS(例えば長方形)に応じた形状(例えば長方形、正方形等)、好ましくは目標形状TS(例えば長方形)に近似する形状(例えば縦横比が近似する長方形、正方形等)とし、且つ、凸面鏡22cの全体に光源20の出射光を入射させることが望まれる。凸面鏡22cの、光源20の出射面ESと正対する形状(第3軸方向から見た形状)が目標形状TSに応じた形状であれば、光源20の出射光ELは凸面鏡22cで目標形状TSに応じた形状に拡散されつつ反射されるからである。なお、第3軸方向は、基準面22dに対して傾斜し、且つ、第1軸方向に直交する。
上記「目標形状TSに応じた形状」としては、例えば目標形状TSが長方形の場合には、目標形状TSと相似な長方形(相似比が1の長方形を含む)、目標形状TSに近似する四角形(例えば長方形、正方形、台形等)、目標形状TSに近似する楕円(例えば目標形状TSに内接する楕円、目標形状TSに外接する楕円等)が挙げられる。
上記では、目標形状TSはイメージセンサ38の形状と同一に設定されていると述べた。より詳細には、図1に示すように、イメージセンサ38の形状は、第1軸方向を長手方向(長辺方向)とし、且つ、第3軸方向を短手方向(短辺方向)とする長方形である。図4に示すように、目標形状TSも、第1軸方向を長手方向(長辺方向)とし、且つ、第3軸方向を短手方向(短辺方向)とする長方形である。そして、目標形状TSとイメージセンサ38の形状は、互いに相似である。
ここで、仮に第3軸方向から見た形状が目標形状TSに応じた形状(例えば目標形状TSと同一形状)の単一の凸面鏡で光源20の出射光ELを反射させる構成を採用した場合には、光源20の出射光ELが凸面鏡に対して僅かでもずれると、照射光ILの断面の形状が目標形状TSからずれてしまう。すなわち、光源20と凸面鏡の位置決めが非常にシビアになり、現実的(実用的)ではない。一方、光源20と凸面鏡の位置決めを容易にするために、光源20の出射光ELの径に対して該単一の凸面鏡を小さくし過ぎると、出射光ELのロスが大きくなる。
そこで、発明者は、図8及び図9に示すように、反射部材22を微小な複数の凸面鏡22cを含んで構成し、光源20の出射光ELを微小な複数の凸面鏡22cに入射させるように(出射光ELの反射部材22上での光スポットLS(図4参照)内に複数の凸面鏡22cが包含されるように)している。すなわち、反射部材22の反射面22aは、複数の凸面鏡22cの凸面で構成される。
さらに、本実施形態では、光源20の出射光ELが反射面22aに入射したときに反射面22a上に形成される光スポットLS(図4参照)全体が反射面22a内に収まるように反射面22aの形状、大きさ及び光源20に対する相対位置が設定されている。
図8は、反射面22aを基準面22dに対して垂直な方向から見た図である。図8では、反射面22aは、長方形が少し歪んだ形状の凸面鏡22cが格子状に配置されているように見える。図9は、反射面22aを第3軸方向から見た図である。図9では、反射面22aは、長方形の凸面鏡22cが格子状に配置されているように見える。
つまり、複数の凸面鏡22cは、図8及び図9に示すように、基準面22dに沿って規則的に配置されている。
詳述すると、複数の凸面鏡22cは、図9に示すように、少なくとも3つの凸面鏡であり、第3軸方向から見て2次元格子状に配置されている。
ここで、第1軸方向及び第3軸方向のいずれにも直交する方向(C断面CCSに垂直な方向)を第4軸方向と定義する。
複数の凸面鏡22cは、より詳細には、少なくとも4つの凸面鏡であり、第3軸方向から見て、目標形状TSの横方向(第1軸方向)に対応する方向である第1軸方向と、目標形状TSの縦方向(第3軸方向)に対応する方向である第4軸方向とに2次元格子状に配置されている。なお、ここでは、目標形状TSの横方向を第1軸方向、縦方向を第3軸方向として説明しているが、目標形状TSの横方向を第3軸方向、縦方向を第1軸方向としてもよい。
すなわち、複数の凸面鏡22cは、第3軸方向から見て、第1軸方向及び第4軸方向の各々に等ピッチで配置されている。
このように、複数の凸面鏡22cは、目標形状TSに応じて互いに規則的に配置されている。
各凸面鏡22cは、第3軸方向から見た形状が目標形状TS(ここでは長方形)に応じた形状(ここでは長方形)である。各凸面鏡22cは、第3軸方向から見た形状である長方形の長辺方向が目標形状TSの長辺方向(第1軸方向)に対応する方向である第1軸方向に一致し、且つ、該長方形の短辺方向が目標形状TSの短辺方向(第3軸方向)に対応する方向である第4軸方向に一致するように配置されている。
このように、各凸面鏡22cは、目標形状TSに応じた向きに規則的に配置されている。
以上のように、複数の凸面鏡22cは、目標形状TSに応じて規則的に配置されている。
総括すると、反射部材22では、図8及び図9に示すように、第3軸方向から見て反射光RLの断面の目標形状TSに応じた形状(ここでは長方形)の微小な複数の凸面鏡22cが、第3軸方向に対して傾斜する基準面22d上に第1軸方向及び第2軸方向に格子状に向きを揃えて隙間なく敷き詰められている。なお、隣接する2つの凸面鏡22c間に多少の隙間があってもよい。
ここでは、図9に示すように、第3軸方向から見た反射面22aの全体形状が長方形とされているが、光源20の出射光ELが反射面22aに入射したときに反射面22aに形成される光スポットLS(図4参照)全体が反射面22a内に収まればよく、長方形以外の形状であってよい。
ここで、各凸面鏡22cによる光のA断面ACSに平行な任意の断面内における拡散角2αは、該凸面鏡22cの第1軸方向の曲率(C断面CCSに平行な任意の断面が描く凸曲線の曲率)で決まる。各凸面鏡22cによる光のB断面BCSに平行な任意の断面内における拡散角2βは、該凸面鏡22cの第2軸方向の曲率(B断面BCSに平行な任意の断面が描く凸曲線の曲率)で決まる。
図6に示すように、各凸面鏡22cのC断面CCSに平行な任意の断面は円弧状(凸曲線状の一例)であり、該断面が描く円弧(凸曲線の一例)の両端を結ぶ弦(線分)と該円弧の各端での接線T1(C断面に平行な面内にある)とのなす角をα/2に設定する。このとき、各凸面鏡22cのC断面CCSに平行な任意の断面に対する光の入射角は、該断面の第1軸方向の中心を通り第3軸方向に延びる中心軸CA1に関して対称に−α/2から+α/2まで連続的に変化する。
このため、各凸面鏡22cからの反射光は、A断面ACS又はA断面ACSに平行な面内において、該凸面鏡22cの中心軸CA1に対応する軸に関して対称に2αの角度で連続的に広がる。
ここで、上記「凸面鏡22cの中心軸CA1に対応する軸」は、該凸面鏡22cの中心軸CA1を含むB断面BCS又はB断面BCSに平行な面内で該中心軸CA1と交差するROAに平行な軸である。
しかし、αを大きくしていくと各凸面鏡22cからの反射光が隣接する凸面鏡22cと干渉してケラレが発生してしまう。
そこで、このケラレを抑制するために、0°<α、α+(α/2)≦90°、すなわち0°<α≦60°であることが望ましい。
なお、全ての凸面鏡22cが0°<α≦60°を満たすことが最も望ましいが、一部の凸面鏡22cのみが0°<α≦60°を満たしてもよい。
図6では、便宜上、一の凸面鏡22cに光が入射し拡散されつつ反射される様子が示されているが、実際には、他の凸面鏡22cでも同様に光が入射し拡散されつつ反射される。
図7に示すように、各凸面鏡22cのB断面BCSに平行な任意の断面は円弧状(凸曲線状の一例)であり、該断面が描く円弧(凸曲線)の両端を結ぶ弦(線分)と該円弧の各端での接線(B断面に平行な面内にある)とのなす角をβ/2に設定する。このとき、各凸面鏡22cのB断面BCSに平行な任意の断面に対する光の入射角は、該断面の第2軸方向の中心を通り第1軸方向及び第2軸方向のいずれにも直交する(基準面22dに直交する)中心軸CA2に関して対称に(90°−φ)−β/2から(90°−φ)+β/2まで連続的に変化する。
このため、各凸面鏡22cからの反射光は、B断面BCS又はB断面BCSに平行な面内において、該凸面鏡22cの中心軸CA2に対応する軸CA2´に関して対称に2βの角度で連続的に広がる。
ここで、上記「凸面鏡22cの中心軸CA2に対応する軸CA2´」は、該凸面鏡22cの中心軸CA2を含むB断面BCS又はB断面BCSに平行な面内で該中心軸CA2と交差するROAに平行な軸である。
しかし、βを大きくしていくと各凸面鏡22cからの反射光が隣接する凸面鏡22cと干渉してケラレが発生してしまう。
そこで、このケラレを抑制するために、0°<β、β+(β/2)+φ≦90°、すなわち、0<β≦60°−(2/3)φであることが望ましい。
なお、全ての凸面鏡22cが0°<β≦60°−(2/3)φを満たすことが最も望ましいが、一部の凸面鏡22cのみが0°<β≦60°−(2/3)φを満たしていてもよい。
図7では、便宜上、一の凸面鏡22cに光が入射し拡散されつつ反射される様子が示されているが、実際には、他の凸面鏡22cでも同様に光が入射し拡散されつつ反射される。
なお、上記のようにケラレを抑制するためにα、βの範囲を0°<α≦60°、0<β≦60°−(2/3)φに制限したとしても、反射部材22への入射角90°−φを最も実用的と思われる45°(φ=45°)に設定した場合に、反射光RLの拡散角は、0≦2α≦120°、0≦2β≦60°の範囲で設定できるため、実用的に十分な大きさとすることができる。
以上説明したような反射部材22の複数の凸面鏡22cに平行光を入射させると、各凸面鏡22cで拡散されつつ反射された光がA断面ACS又はA断面ACSに平行な面内において拡散角2αで拡散し、且つ、B断面BCS又はB断面BCSに平行な面内において拡散角2βで拡散する四角錐状の反射光となる。このとき、隣接する凸面鏡22cからの反射光は重なり部分を有するが、全ての凸面鏡22cからの反射光の集合体である反射光RLもA断面ACS及びA断面ACSに平行な面内において拡散角2αで拡散し、且つ、B断面BCS及びB断面BCSに平行な面内において拡散角2βで拡散する四角錐状の反射光となる。
すなわち、光源20の出射光ELを反射部材22で反射させることにより、A断面ACS内及びA断面ACSに平行な任意の断面内において拡散角2αを持ち、且つ、B断面BCS内及びB断面BCSに平行な任意の断面内において拡散角2βを持つ、四角錐状の反射光RL(照射光IL)を生成することができる。
ここで、複数の凸面鏡22cの各々は、第3軸方向から見た形状の第1軸方向の長さと、第3軸方向から見た形状の第4軸方向の長さと、第1軸方向の曲率と、第2軸方向の曲率とが、目標形状TSにおける第1軸方向に対応する方向(例えば第1軸方向)の長さと第4軸方向に対応する方向(例えば第3軸方向)の長さの比に応じて設定されている。
なお、この設定は、必須ではない。
具体的には、複数の凸面鏡22cの各々の、第3軸方向から見た形状における第1軸方向の長さに対する第4軸方向の長さの比率を、目標形状TSにおける第1軸方向に対応する方向(例えば第1軸方向)の長さに対する、第4軸方向に対応する方向(第3軸方向)の長さの比率に等しくする場合には、各凸面鏡22cの第1軸方向の曲率及び第2軸方向の曲率を互いに等しくすることが好ましい。
例えば、各凸面鏡22cを第3軸方向から見た形状と目標形状TSが相似の長方形(縦横比が等しい長方形)である場合に、各凸面鏡22cの第1軸方向の曲率及び第2軸方向の曲率を互いに等しくすれば、各凸面鏡22cで拡散されつつ反射される光の光軸に垂直な断面の形状を目標形状TSと相似の長方形に保ちつつ拡大することができ、照射光ILの照度の均一性を向上できる。
一方、複数の凸面鏡22cの各々の、第3軸方向から見た形状における第1軸方向の長さに対する第4軸方向の長さの比率を、目標形状TSにおける第1軸方向に対応する方向(例えば第1軸方向)の長さに対する第4軸方向に対応する方向(例えば第3軸方向)の長さの比率と異ならせる場合には、各凸面鏡22cの第1軸方向の曲率及び第2軸方向の曲率を互いに異ならせて、該凸面鏡22cで拡散されつつ反射される光の断面形状を目標形状TSに近づけることが好ましい。
例えば、各凸面鏡22cを第3軸方向から見た形状が縦長の(第4軸方向の長さが第1軸方向の長さより長い)長方形であり、且つ、目標形状TSが横長の(第1軸方向の長さが第3軸方向の長さより長い)長方形である場合には、該凸面鏡22cで拡散されつつ反射される光の断面形状を横長の長方形にすべく(目標形状TSに近づけるべく)、該凸面鏡22cの第1軸方向の曲率を第2軸方向の曲率に対して十分大きくすることが好ましい。
例えば、各凸面鏡22cを第3軸方向から見た形状が横長の(第1軸方向の長さが第4軸方向の長さより長い)長方形であり、且つ、目標形状TSが縦長の(第3軸方向の長さが第1軸方向の長さより長い)長方形である場合には、該凸面鏡22cで拡散されつつ反射される光の断面形状を縦長の長方形にすべく(目標形状TSに近づけるべく)、該凸面鏡22cの第2軸方向の曲率を第1軸方向の曲率に対して十分に大きくすることが好ましい。
例えば、各凸面鏡22cを第3軸方向から見た形状が横長の(第1軸方向の長さが第4軸方向の長さより長い)長方形であり、且つ、目標系状TSが横長の(第1軸方向の長さが第3軸方向の長さより長い)長方形であり、且つ、後者の長方形が前者の長方形より横長である場合には、該凸面鏡22cで拡散されつつ反射される光の断面形状の横長の度合いを大きくすべく(目標形状TSに近づけるべく)、該凸面鏡22cの第1軸方向の曲率を第2軸方向の曲率に対して大きくすることが好ましい。
例えば、各凸面鏡22cを第3軸方向から見た形状が縦長の(第4軸方向の長さが第1軸方向の長さより長い)長方形であり、且つ、目標系状TSが縦長の(第3軸方向の長さが第1軸方向の長さより長い)長方形であり、且つ、前者の長方形が後者の長方形より縦長である場合には、該凸面鏡22cで拡散されつつ反射される光の断面形状の縦長の度合いを小さくすべく(目標形状TSに近づけるべく)、該凸面鏡22cの第2軸方向の曲率を第1軸方向の曲率に対して小さくすることが好ましい。
例えば、各凸面鏡22cを第3軸方向から見た形状が縦長の(第4軸方向の長さが第1軸方向の長さより長い)長方形であり、且つ、目標系状TSが縦長の(第3軸方向の長さが第1軸方向の長さより長い)長方形であり、且つ、後者の長方形が前者の長方形より縦長である場合には、該凸面鏡22cで拡散されつつ反射される光の断面形状の縦長の度合いを大きくすべく(目標形状TSに近づけるべく)、該凸面鏡22cの第2軸方向の曲率を第1軸方向の曲率に対して大きくすることが好ましい。
また、凸面鏡22cの大きさは、反射面22a上に形成される出射光ELの光スポットLS(図4参照)に対して十分小さく、該光スポットLS内になるべく多くの凸面鏡22cが包含されることが望ましい。
その理由を以下に説明する。該光スポットLSの周辺にある凸面鏡22cでは凸面鏡22cの一部にのみに光が当たるため、その反射光も照射範囲FOVの一部しか照らすことができず、照度の均一性を低下させる要因になる。一方、凸面鏡22cの大きさが光スポットLSに比べて小さいほど、一部しか光が当たらない凸面鏡22cの割合は低下するので照度の均一性を高くするのに有利である。
ここでは、複数の凸面鏡22cは、第1軸方向の曲率が互いに等しく、且つ、第2軸方向の曲率が互いに等しく設定されている。
なお、複数の凸面鏡22cの少なくとも2つは、第1軸方向の曲率及び第2軸方向の曲率の少なくとも一方が互いに異なるように設定されてもよい。
また、複数の凸面鏡22cは、第3軸方向から見た形状における第1軸方向の長さに対する、第4軸方向の長さの比率が互いに等しく設定されている。
なお、複数の凸面鏡22cの少なくとも2つは、第3軸方向から見た形状における第1軸方向の長さに対する、第4軸方向の長さの比率が互いに異なるように設定されてもよい。
さらに、複数の凸面鏡22cは、第3軸方向から見た形状における第1軸方向の長さが互いに等しく、且つ、第4軸方向の長さが互いに等しく設定されている。
なお、複数の凸面鏡22cは、第3軸方向から見た形状における第1軸方向の長さ及び第4軸方向の長さの少なくとも一方が互いに異なるように設定されてもよい。
なお、以上の説明では、第3軸方向を光源20の出射光ELの光軸方向EOADとしているが、これに限られない。例えば光源20と反射部材22との間にレンズ、ミラー等の光学部材を配置する場合には、第3軸方向は、光源20から出射され該光学部材を介した光の光軸方向に略一致すればよい。
すなわち、第3軸方向は、光源20から出射され反射部材22に入射する入射光の光軸方向(入射軸方向)に略一致することが好ましい。ただし、第3軸方向は、該入射軸方向に対して僅かに傾斜していても構わない。
(1−6)反射部材の製造方法
以上説明した反射部材22を作製する方法として、特開平10−148704号公報「マイクロレンズアレイの形成方法及び固体撮像素子の製造方法」と同様のエッチング手法が使用できると考えられる。但し、本技術に係る凸面鏡22cは基準面22dに対して光の入射軸(入射光の光軸)が傾いているため、マスクされた基板面にエッチングする方向をこの入射軸の方向と合うように基板を傾ける必要がある。
以下に、反射部材22の製造工程の概要を説明する。
先ず、ガラス、金属、樹脂など反射部材22の材料となる基板(基材)の一面に、図10に示すように、形成すべき凸面鏡22cの形状、ピッチに合わせてマスクとなるレジストを塗布する。図10では、説明の都合上、1枚の基板上に3×3で格子状に形成された9個のレジストのみが示されているが、実際には1枚の基板上により多数の微小のレジストを格子状に形成する。
図11Aは、図10のY−Y断面、X−X断面を示している。図11Aのように基板上にレジストを塗布した状態から、図11Bに示すようにリフローによってレジストを溶融させ表面張力でドーム状に変形させる。
このとき、図11A及び図11Bから分かるように、Y−Y軸方向(第2軸方向に相当する方向)に隣接するレジスト間の隙間がaからc(<a)に変化し、X−X軸方向(第1軸方向に相当する方向)に隣接するレジスト間の隙間がbからd(<b)に変化する。
次に、平行平板型RIE装置などのエッチング装置の中で、図11Cに示すように想定する光の入射方向と同じ方向(第3軸方向に相当する方向)からイオンやラジカルを含むエッチングガスが当たるように、基板を第3軸方向に相当する方向に対してX−X軸回りにφ(例えば45°)だけ傾けた状態に保ち、ドライエッチング(エッチングガス:酸素+CF4)を行う。このとき、レジストから基板に転写される平面パターンがレジストの平面パターンよりも徐々に大きくなる(正の変換差が生じる)条件でエッチングを行う。ここで、レジスト厚み、隣接するレジスト間の隙間、エッチングガスのCF4濃度などを制御して、結果として形成される凸面が図12Aに示される形状の凸面となるように形成する。ここで、図11C及び図12Aから分かるように、X´−X´断面は、第1軸方向に相当する方向及び第3軸方向に相当する方向のいずれにも平行な断面である。
次に、図12Bに示すように、形成された凸面の表面上に、近赤外光に対し高い反射率を有するアルミ、金、銀などの成膜材料を用いてスパッタ等の方法で反射膜を成膜してミラー面を形成する。これにより、複数の凸面鏡22cを含む反射部材22が生成される(図12C参照)。
なお、上記反射膜の酸化防止や耐久性向上のため、必要に応じて一酸化シリコン等からなる保護膜を上記反射膜上に成膜することが望ましい。
2.本技術の第1実施形態に係る測距装置の動作
(2−1)測距装置の全体動作
第1実施形態の測距装置10は、光源装置12から光を放出して対象物に照射し、対象物で反射された光を受光装置14で受光し、制御装置16で対象物までの距離を算出して距離画像を生成する。
(2−2)光源装置の動作
第1実施形態の光源装置12においては、光源駆動回路21により光源20が駆動され、光源20から光が出射される。光源20から出射された光(出射光EL)は、反射部材22の反射面22aに直接入射し、その入射した少なくとも一部(例えば99%)が反射面22aで透光部材30に向けて拡散されつつ反射される。反射面22aで拡散されつつ反射された光(反射光RL)の少なくとも一部(例えば99%)は、透光部材30を透過し、照射光ILとして対象物(被写体)に照射される。
(2−3)受光装置の動作
第1実施形態の受光装置14においては、光源装置12から対象物に照射され反射された光(物体光OL)がレンズユニット32に入射し、レンズユニット32で集光される。レンズユニット32を介した物体光OLは、バンドパスフィルタ36に入射する。バンドパスフィルタ36に入射した物体光OLのうち所定の波長帯の光(例えば赤外光)のみがバンドパスフィルタ36を通過する。バンドパスフィルタ36を通過した物体光OLは、イメージセンサ38に入射する。このとき、イメージセンサ38は、各画素で光電変換を行う。
(2−4)制御装置の動作
第1実施形態の制御装置16は、光源駆動回路21を介して光源20を駆動し、イメージセンサ38の各画素の出力に基づいて対象物(被写体)までの距離を画素毎に算出し、距離画像を生成する。
3.本技術の第1実施形態に係る測距装置の効果
(3−1)光源装置の効果
光源装置12では、反射部材22は、光源20からの光が入射される、基準面22dに沿って規則的に配置された複数の凸面鏡22c(曲面鏡)を含み、各凸面鏡22cは、基準面22d内で互いに直交する第1軸方向及び第2軸方向に曲率を有する。
光源装置12では、基準面22dに沿って規則的に配置された複数の凸面鏡22cに光源20からの光が入射する。各凸面鏡22cに入射した光は、互いに規則性を保ちながら、第1軸方向に対応する方向(例えば第1軸方向)及び第2軸方向に対応する方向(例えば第3軸方向)に拡散されつつ反射される。
光源装置12によれば、光軸ROAに垂直な断面の形状が所望の形状(目標形状TS)の反射光RL(所望の断面形状の反射光RL)を生成しやすい。
これに対して、例えば特許文献1にように複数の凸面鏡がランダム(不規則)に配置される場合には、各凸面鏡に入射した光は、互いにランダムに、拡散されつつ反射される。このため、特許文献1では、光軸ROAに垂直な断面の形状が所望の形状の反射光を生成しにくい。
複数の凸面鏡22cは、反射光RLの光軸ROAに垂直な断面の目標形状TSに応じて規則的に配置されているため、所望の反射光RLをより生成しやすい。
複数の凸面鏡22cの各々は、基準面22dに対して傾斜し、且つ、第1軸方向に直交する第3軸方向から見た形状が、目標形状TSに応じた形状であるため、所望の反射光RLをより一層生成しやすい。
第3軸方向は、光源20の出射光ELの光軸方向(EOAD)に略一致しているため、所望の反射光RLをより確実に生成することができる。
複数の凸面鏡22cの各々は、第3軸方向から見た形状の第1軸方向の長さと、第3軸方向から見た形状の第4軸方向の長さと、第1軸方向の曲率と、第2軸方向の曲率とが、目標形状TSにおける第1軸方向に対応する方向の長さと第4軸方向に対応する方向の長さの比に応じて設定されている。これにより、反射光RLの光軸ROAに垂直な断面の形状を所望の形状にし、且つ、該断面内における照度を均一化することが可能となる。
複数の凸面鏡22cの各々は、第3軸方向から見た形状における第1軸方向の長さに対する第4軸方向の長さの比率が、目標形状TSにおける第1軸方向に対応する方向の長さに対する、第4軸方向に対応する方向の長さの比率に等しく、且つ、第1軸方向の曲率及び第2軸方向の曲率が互いに等しく設定される場合には、反射光RLの光軸ROAに垂直な断面の形状を所望の形状でき、且つ、該断面内における照度を均一化できる。
複数の凸面鏡22cは、少なくとも3つの凸面鏡22cであり、第3軸方向から見て2次元配置されているので、反射光RLをより広範囲に広げることができる。
複数の凸面鏡22cは、少なくとも4つの凸面鏡22cであり、第3軸方向から見て、第1軸方向及び第2軸方向に2次元格子状に配置されているので、所望の断面形状の反射光RLを精度良く生成でき、且つ、該反射光RLの光軸ROAに垂直な断面内における照度をより均一化できる。
複数の凸面鏡22cの各々を第4軸方向に直交する平面で切断した切り口が描く凸曲線の各端における接線と、前記凸曲線の両端を結ぶ線分とが成す角度をα/2としたときに0°<α≦60°を満足する場合には、各凸面鏡22cからの反射光が該凸面鏡22cに第1軸方向に隣接する凸面鏡22cにケラレるのを抑制できる。
複数の凸面鏡22cの各々を第1軸方向に直交する平面で切断した切り口が描く凸曲線の各端における接線と、前記凸曲線の両端を結ぶ線分とが成す角度をβ/2とし、第1軸方向から見て第4軸方向が基準面に対して成す角度を90°−φとしたときに0°<β≦60°−(2/3)φを満足する場合には、各凸面鏡22cからの反射光が該凸面鏡22cに第2軸方向に隣接する凸面鏡22cにケラレるのを抑制できる。
各凸面鏡22cの上記切り口が円弧状であるので、該凸面鏡22cの設計が容易である。
複数の凸面鏡22cは、第1軸方向の曲率が互いに等しく、且つ、第2軸方向の曲率が互いに等しいため、所望の反射光をより生成しやすい。
複数の凸面鏡22cは、第3軸方向から見た形状における第1軸方向の長さに対する第4軸方向の長さの比率が互いに等しいため、所望の断面形状の反射光をより生成しやすい。
複数の凸面鏡22cは、第3軸方向から見た形状における第1軸方向の長さが互いに等しく、且つ、第4軸方向の長さが互いに等しいため、所望の反射光をより一層生成しやすい。
光源20は、レーザ光源であるため、高輝度の反射光を生成することができる。
(3−2)測距装置、物体システムの効果
第1実施形態の測距装置10は、光源装置12と、光源装置12から出射され対象物で反射された光を受光する受光装置14と、少なくとも受光装置14の出力に基づいて、対象物までの距離を算出する制御装置16と、を備える。
測距装置10によれば、光源装置12による照射範囲FOIを所望の範囲に設定できるので、無駄な範囲に光を照射することが無くなり、消費電力の低減や必要な範囲の照度アップに有効である。
光源装置12、受光装置14及び制御装置16は、一体的に設けられているので、測距装置10を物体(例えば移動体、電子機器等)に容易に搭載することができる。
測距装置10と、測距装置10が搭載される物体(例えば移動体、電子機器等)とを備える物体システムによれば、安全性に優れた物体システムを実現できる。
受光装置14は、イメージセンサ38を有し、目標形状TSは、イメージセンサ38の画素配置領域の形状に略一致している。これにより、光源装置12から出射され対象物で反射された光をイメージセンサ38上に無駄なく入射させることができる。
4.本技術の第2実施形態に係る反射部材
図13Aは、反射部材220の斜視図である。図13Bは、反射部材220を基準面220dに対して垂直な方向から見た図である。図13Cは、反射部材220を光源20の出射光ELの光軸方向EOAD(第1軸方向及び第4軸方向のいずれにも直交する第3軸方向)から見た図である。
第2実施形態に係る反射部材220は、図13A〜図13Cに示すように複数の凹面鏡220c(曲面鏡の一例)を備えている点が、上記第1実施形態に係る反射部材22と異なる。
すなわち、反射部材22の反射面220aは、複数の凹面鏡220cの凹面で構成される。
各凹面鏡220cも、第1軸方向及び第2軸方向に曲率を有する。
複数の凹面鏡220cは、図13A〜図13Cに示すように、基準面220dに沿って2次元格子状に配置されている。
すなわち、複数の凹面鏡220cは、規則的に配置されている。
図13Bに示すように、各凹面鏡220cは、基準面220dに垂直な方向から見て、長方形を歪ませたような形状を有している。
図13Cに示すように、各凹面鏡220cは、第3軸方向から見た形状が、目標形状TSに応じた形状である長方形である。
図13Cに示すように、複数の凹面鏡220cは、第3軸方向から見て、第1軸方向(目標形状TSの長辺方向である第1軸方向に対応する方向)及び第4軸方向(目標形状TSの短辺方向である第3軸方向に対応する方向)に2次元格子状に配置されている。
すなわち、複数の凹面鏡220cは、目標形状TSに応じて互いに規則的に配置されている。
図13Cに示すように、各凹面鏡220cの第3軸方向から見た形状である長方形の長辺方向は第1軸方向(目標形状TSの長辺方向に対応する方向)であり、且つ、該長方形の短辺方向は第4軸方向(目標形状TSの短辺方向に対応する方向)である。
すなわち、各凹面鏡220cは、目標形状TSに応じた向きに配置されている。
このように、複数の凹面鏡220cは、目標形状TSに応じて規則的に配置されている。
図14に示すように、各凹面鏡220cは、C断面CCSに平行な任意の断面が円弧状(凹曲線状の一例)となるように、且つ、該断面が描く円弧(凹曲線の一例)の接線T3が第1軸方向に対してなす角度が−α/2から+α/2まで連続的に変化するように設計されている。
すなわち、各凹面鏡220cのC断面CCSに平行な任意の断面が描く円弧(凹曲線の一例)の両端を結ぶ弦(線分)と該円弧の各端での接線T3(C断面CCSに平行な任意の平面内にある)とのなす角がα/2に設定されている。つまり、各凹面鏡220cは、第4軸方向に直交する平面で切断した切り口が円弧状(凹曲線状の一例)であり、且つ、該切り口が描く円弧(凹曲線の一例)の各端における接線T3と、該円弧の両端を結ぶ弦(線分)とのなす角度がα/2に設定されている。
この場合、各凹面鏡220cのC断面CCSに平行な任意の断面内に対する光の入射角は、該断面の第1軸方向の中心を通り第3軸方向に延びる中心軸CA3に関して対称に−α/2から+α/2まで連続的に変化する。
このため、各凹面鏡220cからの反射光は、A断面ACS内又はA断面ACSに平行な面内において、該凹面鏡220cの中心軸CA3に対応する軸に関して対称に2αの角度で連続的に広がる。
ここで、「上記凹面鏡220cの中心軸CA3に対応する軸」とは、該凹面鏡220cの中心軸CA3を含むB断面BCS又はB断面BCSに平行な面内で該中心軸CA3に交差するROAに平行な軸である。
そこで、各凹面鏡220cに対して平行光を入射させれば、A断面ACS内及びA断面ACSに平行な任意の断面内で2αの拡散角を持つ反射光(照射光)を得ることができる。
ここで、C断面に平行な任意の断面内において、αを大きくしていくと各凹面鏡220cからの反射光が隣接する凹面鏡220cと干渉してケラレが発生してしまう。すなわち、各凹面鏡220cで反射された光が該凹面鏡220cに第1軸方向に隣接する凹面鏡220cによりケラレてしまう。
そこで、このケラレを抑制するために、0°<α≦90°であることが望ましい。
なお、全ての凹面鏡220cが0°<α≦90°を満たすことが最も望ましいが、一部の凹面鏡220cのみが0°<α≦90°を満たしていてもよい。
図14では、便宜上、一の凹面鏡220cに光が入射し拡散されつつ反射される様子が示されているが、実際には、他の凹面鏡220cでも同様に光が入射し拡散されつつ反射される。
また、図15に示すように、各凹面鏡220cを、B断面BCSに平行な任意の断面が円弧状(凹曲線状の一例)となるように、且つ、該断面が描く円弧(凹曲線の一例)の接線T4が第2軸方向に対してなす角度が−β/2から+β/2まで連続的に変化するように設計されている。
すなわち、各凹面鏡220cのB断面BCSに平行な任意の断面が描く円弧(凹曲線の一例)の両端を結ぶ弦(線分)と該円弧の各端での接線T4(B断面に平行な任意の平面内にある)とのなす角がβ/2に設定されている。つまり、各凹面鏡220cは、第1軸方向に直交する平面で切断した切り口が円弧状(凹曲線状の一例)であり、且つ、該切り口が描く円弧(凹曲線の一例)の各端における接線T4と、該円弧の両端を結ぶ弦(線分)とが成す角度がβ/2に設定されている。
この場合、各凹面鏡220cへの光の入射角は(90°−φ)−β/2から(90°−φ)+β/2まで連続的に変化する。
このため、各凹面鏡220cからの反射光は、B断面BCS内及びB断面BCSに平行な面内において、該凹面鏡220cの中心軸CA4に対応する軸CA4´に関して対称に2βの角度で連続的に広がる。
ここで、上記「中心軸CA4に対応する軸CA4´」とは、該凹面鏡220cの中心軸CA4を含むB断面BCS又はB断面BCSに平行な面内で該中心軸CA4に交差するROAに平行な軸である。
そこで、凹面鏡220cに対して平行光を入射させれば、B断面BCS内及びB断面BCSに平行な任意の断面内で2βの拡散角を持つ反射光(照射光)を得ることができる。
ここで、B断面に平行な任意の断面内において、βを大きくしていくと各凹面鏡220cからの反射光が該凹面鏡220cに隣接する凹面鏡220cと干渉しケラレが発生してしまう。すなわち、各凹面鏡220cで反射された光が該凹面鏡220cに第2軸方向に隣接する凹面鏡220cによりケラレてしまう。
そこで、このケラレを抑制するために、0<β≦90°−φであることが望ましい。
なお、全ての凹面鏡220cが0°<β≦90°−φを満たすことが最も望ましいが、一部の凹面鏡220cのみが0°<β≦90°−φを満たしていてもよい。
図15では、便宜上、一の凹面鏡220cに光が入射し拡散されつつ反射される様子が示されているが、実際には、他の凹面鏡220cでも同様に光が入射し拡散されつつ反射される。
結果として、各凹面鏡220cに平行光を入射させることにより、A断面ACS内及びA断面ACSに平行な任意の断面内で2αの拡散角を持ち、且つ、B断面BCS内及びB断面BCSに平行な任意の断面内で2βの拡散角を持つ反射光RL(照射光IL)を得ることができる。すなわち、所望の断面形状の反射光RL(照射光IL)を生成することができる。
第2実施形態の反射部材220も、第1実施形態の反射部材22と概ね同様の作用、効果を奏する。
第2実施形態の反射部材220も、第1実施形態の反射部材22の製造方法と概ね同様の製造方法により製造することができる。
第2実施形態では、反射部材220は、各凹面鏡220cのC断面CCSに平行な任意の断面及びB断面BCSに平行な任意の断面が円弧状となるように設計されているが、曲率が同方向で連続的に変化する凹曲線状であれば、他の凹曲線状であってもよい。
具体的には、各凹面鏡220cのC断面CCSに平行な任意の断面及びB断面BCSに平行な任意の断面の少なくとも一方は、例えば楕円、放物線、双曲線、サイン曲線、サイクロイド曲線等のような凹曲線状であってもよい。
各凹面鏡220cのC断面CCSに平行な任意の断面及びB断面BCSに平行な任意の断面は、互いに異なる凹曲線状であってもよい。
5.本技術の第3実施形態に係る反射部材
第3実施形態の反射部材は、複数の曲面鏡の各々の第1軸方向及び第2軸方向の曲率が正負2通りで合計4通りの組合せ(具体的には、第1軸方向及び第2軸方向の曲率がいずれも正、第1軸方向及び第2軸方向の曲率がいずれも負、第1軸方向の曲率が正で、且つ、第2軸方向の曲率が負、第1軸方向の曲率が負で、且つ、第2軸方向の曲率が正)のいずれかとなっている点が、上記第1実施形態の反射部材22と異なる。
ただし、隣接する曲面鏡の境界に段差が発生すると反射光にケラレが発生してしまうため、該境界に段差が発生しないように、第1軸方向に並ぶ複数の曲面鏡から各々が成り、第2軸方向に並ぶ複数の曲面鏡群の各々の複数の曲面鏡の第2軸方向の曲率の正負は、互いに等しいことが好ましく、第2軸方向に並ぶ複数の曲面鏡から各々が成り、第1軸方向に並ぶ複数の曲面鏡群の各々の複数の曲面鏡の第1軸方向の曲率の正負は、互いに等しいことが好ましい。
そこで、第3実施形態では、隣接する曲面鏡の境界に段差が発生しないような例を実施例1、実施例2として示す。
図16Aには、第3実施形態の実施例1の反射部材2200Aを基準面2200Adに対して垂直な方向から見た図(一番大きな図)、反射部材2200Aを第1軸方向から見た図(左側の細長い図)及び反射部材2200Aを第2軸方向から見た図(上側の細長い図)が示されている。
図16Bには、第3実施形態の実施例2の反射部材2200Bを基準面2200Bdに対して垂直な方向から見た図(一番大きな図)、反射部材2200Bを第1軸方向から見た図(左側の細長い図)及び反射部材2200Bを第2軸方向から見た図(上側の細長い図)が示されている。
図16Cは、第3実施形態の実施例1、2の反射部材2200A、2200Bを第3軸方向から見た図である。
図16Dは、第3実施形態の実施例1の反射部材2200Aの斜視図である。
図16Eは、第3実施形態の実施例2の反射部材2200Bの斜視図である。
第3実施形態の実施例1、2の反射部材2200A、2200Bでは、各曲面鏡のC断面CCSに平行な任意の断面及びB断面BCSに平行な任意の断面を円弧状としているが、これに限らない。例えば、楕円、放物線、双曲線、サイン曲線、サイクロイド曲線等のような曲線状であってもよい。
各曲面鏡のC断面CCSに平行な任意の断面及びB断面BCSに平行な任意の断面は、互いに異なる曲線状であってもよい。
(5−1)実施例1の反射部材
実施例1の反射部材2200Aは、図16A及び図16Dに示すように、反射面2200Aaが、複数(N個)の曲面鏡2200Ack(k=1〜N)の曲面(表面)で構成される。
複数の曲面鏡2200Ackは、基準面2200Adに沿って2次元格子状に配置されている。
すなわち、複数の曲面鏡2200Ackは、規則的に配置されている。
詳述すると、反射部材2200Aでは、図16Cに示すように、第3軸方向から見て、複数の曲面鏡2200Ackが第1軸方向及び第4軸方向に2次元格子状に配置されている。
すなわち、複数の曲面鏡2200Ackは、目標形状TSに応じて互いに規則的に配置されている。
各曲面鏡2200Ackは、図16Aに示すように、長方形を歪ませた形状を有している。
各曲面鏡2200Ackは、図16Cに示すように、第3軸方向から見た形状が、目標形状TSに応じた形状である長方形である。
各曲面鏡2200Ackは、第3軸方向から見た形状の長辺方向が第1軸方向(目標形状TSの長辺方向に対応する方向)であり、且つ、短辺方向が第4軸方向(目標形状TSの短辺方向に対応する方向)である。
すなわち、各曲面鏡2200Ackは、目標形状TSに応じた向きに配置されている。
このように、複数の曲面鏡2200Ackは、目標形状TSに応じて規則的に配置されている。
また、反射部材2200Aでは、図16A及び図16Cに示すように、第2軸方向に並ぶ(第4軸方向に並ぶ)複数の曲面鏡2200Ackの第1軸方向の曲率の正負が互いに等しく設定され、且つ、第1軸方向に並ぶ複数の曲面鏡2200Ackの第2軸方向の曲率の正負が互いに等しく設定されている。
これにより、第1軸方向に隣接する曲面鏡2200Ack間及び第2軸方向に隣接する曲面鏡2200Ack間に段差ができないようにすることができる。
すなわち、第1軸方向に隣接する曲面鏡2200Ack同士を滑らかに接続することができ、且つ、第2軸方向に隣接する曲面鏡2200Ack同士を滑らかに接続することができる。
さらに、反射部材2200Aでは、図16A及び図16Cに示すように、第2軸方向に並ぶ(第4軸方向に並ぶ)複数の曲面鏡2200Ackから各々が成り、第1軸方向に並ぶ複数の曲面鏡群のうち、隣接する曲面鏡群間で第1軸方向の曲率の正負が逆に設定されている。第1軸方向に並ぶ複数の曲面鏡2200Ackから各々が成り、第2軸方向に並ぶ(第4軸方向に並ぶ)複数の曲面鏡群のうち、隣接する曲面鏡群間で第2軸方向の曲率の正負が逆に設定されている。
すなわち、反射部材2200Aは、図16A及び図16Dに示すように、第1軸方向及び第2軸方向のいずれから見ても凹凸が交互に並んだ形状を有している。
なお、図16Aの一番大きな図(反射部材2200Aを示す図)の下側の凸表示は、該凸表示の上側で第2軸方向に並ぶ全ての曲面鏡の第1軸方向の曲率が凸(正)であることを示す。図16Aの一番大きな図(反射部材2200Aを示す図)の下側の凹表示は、該凹表示の上側で第2軸方向に並ぶ全ての曲面鏡の第1軸方向の曲率が凹(負)であることを示す。図16Aの一番大きな図(反射部材2200Aを示す図)の右側の凸表示は、該凸表示の左側で第1軸方向に並ぶ全ての曲面鏡の第2軸方向の曲率が凸(正)であることを示す。図16Aの一番大きな図(反射部材2200Aを示す図)の右側の凹表示は、該凹表示の左側で第1軸方向に並ぶ全ての曲面鏡の第2軸方向の曲率が凹(負)であることを示す。
(5−2)実施例2の反射部材
実施例2の反射部材2200Bは、図16B及び図16Eに示すように、反射面2200Baが、複数(N個)の曲面鏡2200Bck(k=1〜N)の曲面(表面)で構成される。
複数の曲面鏡2200Bckは、基準面2200Bdに沿って2次元格子状(規則的)に配置されている。
すなわち、複数の曲面鏡2200Bckは、規則的に配置されている。
詳述すると、反射部材2200Bでは、図16Cに示すように、第3軸方向から見て、複数の曲面鏡2200Bckが第1軸方向(目標形状TSの長辺方向に対応する方向)及び第4軸方向(目標形状TSの短辺方向に対応する方向)に2次元格子状に配置されている。
すなわち、複数の曲面鏡2200Bckは、目標形状TSに応じて互いに規則的に配置されている。
各曲面鏡2200Bckは、図16Bに示すように、長方形を歪ませた形状を有している。
各曲面鏡2200Bckは、図16Cに示すように、第3軸方向から見た形状が、目標形状TSに応じた形状である長方形である。
各曲面鏡2200Bckは、図16Cに示すように、第3軸方向から見た形状の長辺方向が第1軸方向(目標形状TSの長辺方向に対応する方向)であり、且つ、短辺方向が第4軸方向(目標形状TSの短辺方向に対応する方向)である。
すなわち、各曲面鏡2200Bckは、目標形状TSに応じた向きに配置されている。
このように、複数の曲面鏡2200Bckは、目標形状TSに応じて規則的に配置されている。
また、反射部材2200Bでは、図16B及び図16Cに示すように、第2軸方向に並ぶ(第4軸方向に並ぶ)複数の曲面鏡2200Bckの第1軸方向の曲率の正負が互いに等しく設定され、且つ、第1軸方向に並ぶ複数の曲面鏡2200Bckの第2軸方向の曲率の正負が互いに等しく設定されている。
これにより、第1軸方向に隣接する曲面鏡2200Bck間及び第2軸方向に隣接する曲面鏡2200Bck間に段差ができないようにすることができる。
すなわち、第1軸方向に隣接する曲面鏡2200Bck同士を滑らかに接続することができ、且つ、第2軸方向に隣接する曲面鏡2200Bck同士を滑らかに接続することができる。
さらに、反射部材2200Bでは、図16B及び図16Cに示すように、第2軸方向に並ぶ(第4軸方向に並ぶ)複数の曲面鏡2200Bckから各々が成り、第1軸方向に並ぶ複数の曲面鏡群のうち、一部の隣接する曲面鏡群間で第1軸方向の曲率の正負が逆に設定され、且つ、他部の隣接する曲面鏡群間で第1軸方向の曲率の正負が等しく設定されている。反射部材2200Bでは、図16B及び図16Cに示すように、第1軸方向に並ぶ複数の曲面鏡2200Bckから各々が成り、第2軸方向に並ぶ(第4軸方向に並ぶ)複数の曲面鏡群のうち、一部の隣接する曲面鏡群間で第2軸方向の曲率の正負が逆に設定され、且つ、他部の隣接する曲面鏡群間で第2軸方向の曲率の正負が等しく設定されている。
すなわち、反射部材2200Bは、図16B及び図16Eに示すように、第1軸方向及び第2軸方向のいずれから見ても凹凸がランダムに並んだ形状を有している。
なお、図16Bの一番大きな図(反射部材2200Bを示す図)の下側の凸表示は、該凸表示の上側で第2軸方向に並ぶ全ての曲面鏡の第1軸方向の曲率が凸(正)であることを示す。図16Bの一番大きな図(反射部材2200Bを示す図)の下側の凹表示は、該凹表示の上側で第2軸方向に並ぶ全ての曲面鏡の第1軸方向の曲率が凹(負)であることを示す。図16Bの一番大きな図(反射部材2200Bを示す図)の右側の凸表示は、該凸表示の左側で第1軸方向に並ぶ全ての曲面鏡の第2軸方向の曲率が凸(正)であることを示す。図16Bの一番大きな図(反射部材2200Bを示す図)の右側の凹表示は、該凹表示の左側で第1軸方向に並ぶ全ての曲面鏡の第2軸方向の曲率が凹(負)であることを示す。
第3実施形態の各実施例の反射部材でも、上記第1実施形態及び第2実施形態の反射部材22、220と同様に、第1軸方向及び第2軸方向に曲率を有しているため、入射光を第1軸方向に対応する方向(例えば第1軸方向)及び第2軸方向に対応する方向(例えば第3軸方向)拡散させつつ反射させることができる。
第3実施形態の各実施例の反射部材も、第1実施形態の反射部材22と概ね同様の作用、効果を奏する。
第3実施形態の各実施例の反射部材は、第1実施形態の反射部材22に比べて、各曲面鏡の形状が均一でないため製造がやや煩雑であるが、第1実施形態の反射部材22の製造方法に準じた製造方法により製造することができる。
第3実施形態の各実施例の反射部材の少なくとも1つの曲面鏡も、第1実施形態と同様に、第4軸方向に直交する平面で切断した切り口が凸曲線状である場合、該切り口が描く凸曲線の各端における接線と、該凸曲線の両端を結ぶ線分とが成す角度をα/2としたときに、0°<α≦60°を満足することが好ましい。
第3実施形態の各実施例の反射部材の少なくとも1つの曲面鏡も、第1実施形態と同様に、第1軸方向に直交する平面で切断した切り口が凸曲線状である場合、該切り口が描く凸曲線の各端における接線と、該凸曲線の両端を結ぶ線分とが成す角度をβ/2、第1軸方向から見て、第4軸方向が基準面に対して成す角度を90°−φとしたときに、0°<β≦60°−(2/3)φを満足することが好ましい。
第3実施形態の各実施例の反射部材の少なくとも1つの曲面鏡も、第2実施形態と同様に、第4軸方向に直交する平面で切断した切り口が凹曲線状である場合、該切り口が描く凹曲線の各端における接線と、該凹曲線の両端を結ぶ線分とが成す角度をα/2としたときに、0°<α≦90°を満足することが好ましい。
第3実施形態の各実施例の反射部材の少なくとも1つの曲面鏡も、第2実施形態と同様に、第1軸方向に直交する平面で切断した切り口が凹曲線状である場合、該切り口が描く凹曲線の各端における接線と、該凹曲線の両端を結ぶ線分とが成す角度をβ/2、第1軸方向から見て、第4軸方向が基準面に対して成す角度を90°−φとしたときに、0°<β≦90°−φを満足することが好ましい。
以上説明した第1〜第3実施形態から分かるように、本技術の反射部材は、基準面内で互いに直交する第1軸方向及び第2軸方向の曲率の設定の自由度が非常に高い。
なお、以上説明した第1〜第3実施形態の各々の反射部材の構成の一部は、技術的に矛盾しない範囲内で相互に適用可能である。
6.本技術の変形例に係る光源装置
これまでの説明では、反射部材22に入射するレーザ光は平行光とみなせることを前提としてきたが、図17に示すように、光源20からの出射光ELは多かれ少なかれ通常は拡がり角2γ(片側でγ)を持つため、反射光RLによる照射範囲FOIはこれまで説明してきた拡散角2α、2βの照射範囲FOIよりも出射光ELの拡がり角2γの分だけ広がることになる。
すなわち、図17において、出射光ELの光軸EOA上を通る光線L0の、反射面(ここでは、説明の便宜上平面鏡を用いている)からの反射光L0´は、反射方向が拡がり角γの影響を全く受けない。これに対し、出射光ELの光軸に対して拡がり角γを持つ光線L1、L2の、反射面からの反射光L1´、L2´は、反射方向が拡がり角γの分だけ外側にずれる。
この場合、光スポットLS(図4参照)の中心付近にある曲面鏡では拡がり角2γの影響は無視できるのに対し、光スポットLSの周辺に近い曲面鏡ほど拡がり角2γの影響が大きくなる。このため、反射光RLの照射範囲FOIにおける照度のばらつきが大きくなることが懸念される。
この対策として、図18に示すように光源20と反射部材との間の光路上にコリメータレンズ23を配置(好ましくは、コリメータレンズ23の光軸をEOAに一致させて配置)すれば、拡がり角2γを持つレーザ光を平行光に補正できるため、拡がり角2γの影響を無くす、または低減することが可能となる。なお、図18では、便宜上、光源装置における光源20、コリメータレンズ23及び反射体のみを図示している。
なお、光源20と反射部材との間にコリメータレンズ23を配置しなくても、拡がり角2γの影響を補正することができる。つまり、光源20と反射部材との距離を短くできるので、パッケージ31の大型化を抑制しつつ拡がり角2γの影響を補正することができる。図17に示すように、一般に、拡がり角2γ(片側でγ)の出射光ELを平面鏡へ入射させると、その反射光の拡がり角も2γとなる。このことから、出射光ELの光軸EOAを基準にして出射光ELに含まれる光線毎の拡がり角による曲面鏡への入射角度増減に応じて曲面鏡の断面が描く凸曲線又は凹曲線の接線の角度も−γ/2〜+γ/2の範囲で補正してもよい。各曲面鏡からの反射光を平行光とすることができ、拡がり角による影響を無くす、または低減することができる。
ここで、図19に示すパラメータd、φ、σ、aを、以下のように定義する。
d:光源20の発光点(出射面ES)からEOAと反射面(図19では便宜上平面鏡として図示)の交点Oまでの距離
φ:EOAと反射面の成す角φ(0°<φ≦90°)
σ:光源20の出射光ELに含まれる各光線の片側拡がり角σ(0°≦|σ|≦γ<45°)
a:交点Oから拡がり角σの光線と反射面との交点までの距離
このとき、(d+a×cosφ)tanσ=a×sinφ
が成り立つ。
この式を変形すると、a=d/(sinφ/tanσ−cosφ)・・・(*)
仮にφ=45°なら、a=√2×d/(1/tanσ−1)
仮にφ=90°なら、a=d×tanσ
σを−γからγまで変化させたとき、上記(*)式から求まる半径aの反射面に反射光RLによる照射範囲FOI(拡散角)が狭まる方向に補正角σ/2で補正すればよい。なお、σがマイナスのとき、aもマイナス(反対方向)となる。
また、本技術に係る反射部材の複数の曲面鏡の第3軸方向から見た配置は、上述した図20A上図に示す格子状配置に限らず、図20B上図に示す千鳥配置や、図20C上図に示すサイズ違いのものを組み合わせた組合せ配置であってもよい。
図20A下図(格子状配置の斜視図)から分かるように、格子状配置では、隣接する凸面鏡22c間での段差をなくすことができる。
これに対して、図20B下図(千鳥配置の斜視図)や図20C下図(組合せ配置の斜視図)から分かるように、千鳥配置や組合せ配置では、隣接する凸面鏡22c間で段差が生じてしまう。
したがって、本技術に係る反射部材の複数の曲面鏡の第3軸方向から見た配置は、格子状配置が最も好ましい。
なお、ここでは、図20A〜図20Cに示すように、曲面鏡のうち凸面鏡を例にとって説明しているが、凹面鏡であっても同様の議論が成立する。
7.本技術の第4実施形態に係る測距装置
(7−1)測距装置の構成
第4実施形態に係る測距装置100では、図21に示すように、光源装置127の光源20及び僅かな透光性(例えば透過率1%)を有する反射部材22A及び支持部材25を含む反射体27Aと、受光装置147のイメージセンサ380と、制御装置16と、を回路基板18上に直接的に実装する構成を採用している。さらに、回路基板18上には、周壁2800が光源20、反射部材22A、イメージセンサ380及び制御装置16を取り囲むように設けられている。反射部材22Aは、透光性を有する点を除いて、第1実施形態〜第3実施形態のいずれかの反射部材と同様の構成及び機能を有する。
すなわち、第4実施形態の測距装置100では、回路基板18及び周壁2800で構成されるパッケージ3100を含んで、光源20、反射体27A、イメージセンサ380及び制御装置16を保持する保持体240が構成されている。つまり、測距装置100では、光源20、反射体27A、イメージセンサ380及び制御装置16が、共通の保持体240により保持されている。詳述すると、保持体240の凹部240a、すなわち回路基板18上における周壁2800の内側の領域に、光源20、反射体27A、イメージセンサ380及び制御装置16が配置されている。イメージセンサ380と制御装置16は、同一のセンサ基板380a(半導体基板)に設けられている。測距装置100と、該測距装置100が搭載される物体(例えば移動体、電子機器等)とを含んで、物体システムが構成される。ここでも、照射範囲FOIは、視野範囲FOVと同じか又は若干大きく設定されている。
保持体240の凹部240a(周壁2800の内側の領域)には、図21の紙面に直交する方向に延びる遮光ブロック400が架け渡されている。すなわち、保持体240の凹部240aは、遮光ブロック400により、光源20及び反射体27Aが配置される光源領域LRと、イメージセンサ380の大部分が配置されるセンサ領域SRとに分断されている。凹部240aの光源領域LRの開口部240a1は、透光部材30により覆われている。凹部240aのセンサ領域SRの開口部240a2は、バンドパスフィルタ36により覆われている。
凹部240aのセンサ領域SRには、イメージセンサ380の測距用の画素群を含む第1受光領域RAが配置されている。第1受光領域RAは、第1実施形態のイメージセンサ380の画素配置領域に相当する。ここでは、第1受光領域RAの形状は、長方形である。目標形状TSは、第1受光領域RAと同一の形状(縦横比が等しい長方形)である。
反射部材22Aが破損したり脱落したりしても、光源20から出射された光の少なくとも一部は、遮光ブロック400で遮光されるため、第1受光領域RAには入射しない。
図21Aに示すように、光源領域LRにおける光源20及び反射体27Aに隣接する領域(図21Bにおいて光源20及び反射体27Aの紙面奥側の領域)の底面には、光源駆動回路21が実装されている。
イメージセンサ380は、測距用の画素群を含む第1受光領域RAとは別に光検出用の第2受光領域RB(例えばPDが形成された領域)を光源領域LRに有している。遮光ブロック400は、光源20から出射され反射体27Aを透過した光(透過光TL)の光路上にミラー面400aを有している。ミラー面400aは、反射部材22A及び第2受光領域RBに対向するように回路基板18に対して傾斜(例えば45°傾斜)して配置されている。逆に言うと、第2受光領域RBは、反射体27Aを透過し、ミラー面400aで反射された光の光路上に配置されている。
(7−2)測距装置の動作
測距装置100では、光源駆動回路21により光源20が駆動され、光源20が発光する。光源20から出射された光の一部(大半)は、反射部材22Aで拡散されつつ反射され、透光部材30を透過して対象物に照射される。対象物に照射され該対象物で反射された光(物体光OL)のうちレンズユニット32及びバンドパスフィルタ36を介した光は、イメージセンサ380の第1受光領域RA上に集光される。第1受光領域RAは、画素毎の出力(光電変換した電気信号)を制御装置16に送る。制御装置16は、第1受光領域RAの各画素の出力に基づいて距離画像を生成する。
一方、光源20から出射された光の他部(僅か)は、反射体27Aを透過し、ミラー面400aで反射されて第2受光領域RB上に集光される。第2受光領域RBは、出力(光電変換した電気信号)を制御装置16に送る。制御装置16は、第2受光領域RBの出力に基づいて各種制御(例えば発光光量の制御、検出した発光タイミングに基づく距離演算等)を行う。
(7−3)測距装置、物体システムの効果
第4実施形態の測距装置100では、光源装置127と、光源装置127から出射され対象物で反射された光を受光する受光装置147と、少なくとも受光装置147の出力に基づいて、対象物までの距離を算出する制御装置16と、を備える。
これにより、照射光ILを有効利用できる測距装置100を実現できる。
光源装置127、受光装置147及び制御装置16は、一体的に設けられているので、測距装置100を物体(例えば移動体、電子機器等)に容易に搭載することができる。
受光装置147は、光源装置127から出射され対象物で反射された光を受光する第1受光領域RAと、光源20から出射され反射体27Aを透過した光(透過光TL)を受光する第2受光領域RBとを有するイメージセンサ380を含む。これにより、部品点数の削減及び測距装置100の小型化を図ることができる。
測距装置100と、測距装置100が搭載される物体(例えば移動体、電子機器等)とを備える物体システムによれば、照射光ILの利用効率に優れた物体システムを実現できる。
なお、保持体240において、凹部240a及び窓部30は、必須ではない。すなわち、保持体240において、周壁2800及び透光部材30は、必須ではない。保持体240は、回路基板18のみで構成されてもよい。保持体240は、回路基板18及び周壁2800のみ、すなわちパッケージ3100のみで構成されてもよい。保持体240において、光源20が実装されるベース部材として、回路基板18が用いられているが、回路基板以外の部材(例えば板状でない部材)であってもよい。
8.移動体への応用例
本技術に係る光源装置及び測距装置は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本技術に係る光源装置及び測距装置は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット、建設機械、農業機械(トラクター)などのいずれかの種類の移動体に搭載されて移動体システム(物体システムの一例)を実現することもできる。例えば、本技術に係る光源装置及び測距装置は、以下に説明する車両制御システムの車外情報検出ユニットや、車内情報検出ユニットに適用することができる。
図22は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システム7000の概略的な構成例を示すブロック図である。車両制御システム7000は、通信ネットワーク7010を介して接続された複数の電子制御装置を備える。図22に示した例では、車両制御システム7000は、駆動系制御装置7100、ボディ系制御装置7200、バッテリ制御装置7300、車外情報検出ユニット7400、車内情報検出ユニット7500、及び統合制御装置7600を備える。これらの複数の制御装置を接続する通信ネットワーク7010は、例えば、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、LAN(Local Area Network)又はFlexRay(登録商標)等の任意の規格に準拠した車載通信ネットワークであってよい。
各制御装置は、各種プログラムにしたがって演算処理を行うマイクロコンピュータと、マイクロコンピュータにより実行されるプログラム又は各種演算に用いられるパラメータ等を記憶する記憶部と、各種制御対象の装置を駆動する駆動回路とを備える。各制御装置は、通信ネットワーク7010を介して他の制御装置との間で通信を行うためのネットワークI/Fを備えるとともに、車内外の装置又はセンサ等との間で、有線通信又は無線通信により通信を行うための通信I/Fを備える。図22では、統合制御装置7600の機能構成として、マイクロコンピュータ7610、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660、音声画像出力部7670、車載ネットワークI/F7680及び記憶部7690が図示されている。他の制御装置も同様に、マイクロコンピュータ、通信I/F及び記憶部等を備える。
駆動系制御装置7100は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御装置7100は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。駆動系制御装置7100は、ABS(Antilock Brake System)又はESC(Electronic Stability Control)等の制御装置としての機能を有してもよい。
駆動系制御装置7100には、車両状態検出部7110が接続される。車両状態検出部7110には、例えば、車体の軸回転運動の角速度を検出するジャイロセンサ、車両の加速度を検出する加速度センサ、あるいは、アクセルペダルの操作量、ブレーキペダルの操作量、ステアリングホイールの操舵角、エンジン回転数又は車輪の回転速度等を検出するためのセンサのうちの少なくとも一つが含まれる。駆動系制御装置7100は、車両状態検出部7110から入力される信号を用いて演算処理を行い、内燃機関、駆動用モータ、電動パワーステアリング装置又はブレーキ装置等を制御する。
ボディ系制御装置7200は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御装置7200は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御装置7200には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御装置7200は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
バッテリ制御装置7300は、各種プログラムにしたがって駆動用モータの電力供給源である二次電池7310を制御する。例えば、バッテリ制御装置7300には、二次電池7310を備えたバッテリ装置から、バッテリ温度、バッテリ出力電圧又はバッテリの残存容量等の情報が入力される。バッテリ制御装置7300は、これらの信号を用いて演算処理を行い、二次電池7310の温度調節制御又はバッテリ装置に備えられた冷却装置等の制御を行う。
車外情報検出ユニット7400は、車両制御システム7000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット7400には、撮像部7410及び車外情報検出部7420のうちの少なくとも一方が接続される。撮像部7410には、ToF(Time Of Flight)カメラ、ステレオカメラ、単眼カメラ、赤外線カメラ及びその他のカメラのうちの少なくとも一つが含まれる。車外情報検出部7420には、例えば、現在の天候又は気象を検出するための環境センサ、あるいは、車両制御システム7000を搭載した車両の周囲の他の車両、障害物又は歩行者等を検出するための周囲情報検出センサのうちの少なくとも一つが含まれる。
環境センサは、例えば、雨天を検出する雨滴センサ、霧を検出する霧センサ、日照度合いを検出する日照センサ、及び降雪を検出する雪センサのうちの少なくとも一つであってよい。周囲情報検出センサは、超音波センサ、レーダ装置及びLIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)装置のうちの少なくとも一つであってよい。これらの撮像部7410及び車外情報検出部7420は、それぞれ独立したセンサないし装置として備えられてもよいし、複数のセンサないし装置が統合された装置として備えられてもよい。
ここで、図23は、撮像部7410及び車外情報検出部7420の設置位置の例を示す。撮像部7910,7912,7914,7916,7918は、例えば、車両7900のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部のうちの少なくとも一つの位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部7910及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部7918は、主として車両7900の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部7912,7914は、主として車両7900の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部7916は、主として車両7900の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部7918は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
なお、図23には、それぞれの撮像部7910,7912,7914,7916の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲aは、フロントノーズに設けられた撮像部7910の撮像範囲を示し、撮像範囲b,cは、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部7912,7914の撮像範囲を示し、撮像範囲dは、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部7916の撮像範囲を示す。例えば、撮像部7910,7912,7914,7916で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両7900を上方から見た俯瞰画像が得られる。
車両7900のフロント、リア、サイド、コーナ及び車室内のフロントガラスの上部に設けられる車外情報検出部7920,7922,7924,7926,7928,7930は、例えば超音波センサ又はレーダ装置であってよい。車両7900のフロントノーズ、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部に設けられる車外情報検出部7920,7926,7930は、例えばLIDAR装置であってよい。これらの車外情報検出部7920〜7930は、主として先行車両、歩行者又は障害物等の検出に用いられる。
図22に戻って説明を続ける。車外情報検出ユニット7400は、撮像部7410に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像データを受信する。また、車外情報検出ユニット7400は、接続されている車外情報検出部7420から検出情報を受信する。車外情報検出部7420が超音波センサ、レーダ装置又はLIDAR装置である場合には、車外情報検出ユニット7400は、超音波又は電磁波等を発信させるとともに、受信された反射波の情報を受信する。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、降雨、霧又は路面状況等を認識する環境認識処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、車外の物体までの距離を算出してもよい。
また、車外情報検出ユニット7400は、受信した画像データに基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等を認識する画像認識処理又は距離検出処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した画像データに対して歪補正又は位置合わせ等の処理を行うとともに、異なる撮像部7410により撮像された画像データを合成して、俯瞰画像又はパノラマ画像を生成してもよい。車外情報検出ユニット7400は、異なる撮像部7410により撮像された画像データを用いて、視点変換処理を行ってもよい。
車内情報検出ユニット7500は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット7500には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部7510が接続される。運転者状態検出部7510は、運転者を撮像するカメラ、運転者の生体情報を検出する生体センサ又は車室内の音声を集音するマイク等を含んでもよい。生体センサは、例えば、座面又はステアリングホイール等に設けられ、座席に座った搭乗者又はステアリングホイールを握る運転者の生体情報を検出する。車内情報検出ユニット7500は、運転者状態検出部7510から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。車内情報検出ユニット7500は、集音された音声信号に対してノイズキャンセリング処理等の処理を行ってもよい。
統合制御装置7600は、各種プログラムにしたがって車両制御システム7000内の動作全般を制御する。統合制御装置7600には、入力部7800が接続されている。入力部7800は、例えば、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチ又はレバー等、搭乗者によって入力操作され得る装置によって実現される。統合制御装置7600には、マイクロフォンにより入力される音声を音声認識することにより得たデータが入力されてもよい。入力部7800は、例えば、赤外線又はその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、車両制御システム7000の操作に対応した携帯電話又はPDA(Personal Digital Assistant)等の外部接続機器であってもよい。入力部7800は、例えばカメラであってもよく、その場合搭乗者はジェスチャにより情報を入力することができる。あるいは、搭乗者が装着したウェアラブル装置の動きを検出することで得られたデータが入力されてもよい。さらに、入力部7800は、例えば、上記の入力部7800を用いて搭乗者等により入力された情報に基づいて入力信号を生成し、統合制御装置7600に出力する入力制御回路などを含んでもよい。搭乗者等は、この入力部7800を操作することにより、車両制御システム7000に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。
記憶部7690は、マイクロコンピュータにより実行される各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、及び各種パラメータ、演算結果又はセンサ値等を記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。また、記憶部7690は、HDD(Hard Disc Drive)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス又は光磁気記憶デバイス等によって実現してもよい。
汎用通信I/F7620は、外部環境7750に存在する様々な機器との間の通信を仲介する汎用的な通信I/Fである。汎用通信I/F7620は、GSM(登録商標)(Global System of Mobile communications)、WiMAX(登録商標)、LTE(登録商標)(Long Term Evolution)若しくはLTE−A(LTE−Advanced)などのセルラー通信プロトコル、又は無線LAN(Wi−Fi(登録商標)ともいう)、Bluetooth(登録商標)などのその他の無線通信プロトコルを実装してよい。汎用通信I/F7620は、例えば、基地局又はアクセスポイントを介して、外部ネットワーク(例えば、インターネット、クラウドネットワーク又は事業者固有のネットワーク)上に存在する機器(例えば、アプリケーションサーバ又は制御サーバ)へ接続してもよい。また、汎用通信I/F7620は、例えばP2P(Peer To Peer)技術を用いて、車両の近傍に存在する端末(例えば、運転者、歩行者若しくは店舗の端末、又はMTC(Machine Type Communication)端末)と接続してもよい。
専用通信I/F7630は、車両における使用を目的として策定された通信プロトコルをサポートする通信I/Fである。専用通信I/F7630は、例えば、下位レイヤのIEEE802.11pと上位レイヤのIEEE1609との組合せであるWAVE(Wireless Access in Vehicle Environment)、DSRC(Dedicated Short Range Communications)、又はセルラー通信プロトコルといった標準プロトコルを実装してよい。専用通信I/F7630は、典型的には、車車間(Vehicle to Vehicle)通信、路車間(Vehicle to Infrastructure)通信、車両と家との間(Vehicle to Home)の通信及び歩車間(Vehicle to Pedestrian)通信のうちの1つ以上を含む概念であるV2X通信を遂行する。
測位部7640は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からのGNSS信号(例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号)を受信して測位を実行し、車両の緯度、経度及び高度を含む位置情報を生成する。なお、測位部7640は、無線アクセスポイントとの信号の交換により現在位置を特定してもよく、又は測位機能を有する携帯電話、PHS若しくはスマートフォンといった端末から位置情報を取得してもよい。
ビーコン受信部7650は、例えば、道路上に設置された無線局等から発信される電波あるいは電磁波を受信し、現在位置、渋滞、通行止め又は所要時間等の情報を取得する。なお、ビーコン受信部7650の機能は、上述した専用通信I/F7630に含まれてもよい。
車内機器I/F7660は、マイクロコンピュータ7610と車内に存在する様々な車内機器7760との間の接続を仲介する通信インタフェースである。車内機器I/F7660は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)又はWUSB(Wireless USB)といった無線通信プロトコルを用いて無線接続を確立してもよい。また、車内機器I/F7660は、図示しない接続端子(及び、必要であればケーブル)を介して、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface、又はMHL(Mobile High-definition Link)等の有線接続を確立してもよい。車内機器7760は、例えば、搭乗者が有するモバイル機器若しくはウェアラブル機器、又は車両に搬入され若しくは取り付けられる情報機器のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。また、車内機器7760は、任意の目的地までの経路探索を行うナビゲーション装置を含んでいてもよい。車内機器I/F7660は、これらの車内機器7760との間で、制御信号又はデータ信号を交換する。
車載ネットワークI/F7680は、マイクロコンピュータ7610と通信ネットワーク7010との間の通信を仲介するインタフェースである。車載ネットワークI/F7680は、通信ネットワーク7010によりサポートされる所定のプロトコルに則して、信号等を送受信する。
統合制御装置7600のマイクロコンピュータ7610は、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660及び車載ネットワークI/F7680のうちの少なくとも一つを介して取得される情報に基づき、各種プログラムにしたがって、車両制御システム7000を制御する。例えば、マイクロコンピュータ7610は、取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御装置7100に対して制御指令を出力してもよい。例えば、マイクロコンピュータ7610は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行ってもよい。また、マイクロコンピュータ7610は、取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行ってもよい。
マイクロコンピュータ7610は、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660及び車載ネットワークI/F7680のうちの少なくとも一つを介して取得される情報に基づき、車両と周辺の構造物や人物等の物体との間の3次元距離情報を生成し、車両の現在位置の周辺情報を含むローカル地図情報を作成してもよい。また、マイクロコンピュータ7610は、取得される情報に基づき、車両の衝突、歩行者等の近接又は通行止めの道路への進入等の危険を予測し、警告用信号を生成してもよい。警告用信号は、例えば、警告音を発生させたり、警告ランプを点灯させたりするための信号であってよい。
音声画像出力部7670は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図22の例では、出力装置として、オーディオスピーカ7710、表示部7720及びインストルメントパネル7730が例示されている。表示部7720は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。表示部7720は、AR(Augmented Reality)表示機能を有していてもよい。出力装置は、これらの装置以外の、ヘッドホン、搭乗者が装着する眼鏡型ディスプレイ等のウェアラブルデバイス、プロジェクタ又はランプ等の他の装置であってもよい。出力装置が表示装置の場合、表示装置は、マイクロコンピュータ7610が行った各種処理により得られた結果又は他の制御装置から受信された情報を、テキスト、イメージ、表、グラフ等、様々な形式で視覚的に表示する。また、出力装置が音声出力装置の場合、音声出力装置は、再生された音声データ又は音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して聴覚的に出力する。
なお、図22に示した例において、通信ネットワーク7010を介して接続された少なくとも二つの制御装置が一つの制御装置として一体化されてもよい。あるいは、個々の制御装置が、複数の制御装置により構成されてもよい。さらに、車両制御システム7000が、図示されていない別の制御装置を備えてもよい。また、上記の説明において、いずれかの制御装置が担う機能の一部又は全部を、他の制御装置に持たせてもよい。つまり、通信ネットワーク7010を介して情報の送受信がされるようになっていれば、所定の演算処理が、いずれかの制御装置で行われるようになってもよい。同様に、いずれかの制御装置に接続されているセンサ又は装置が、他の制御装置に接続されるとともに、複数の制御装置が、通信ネットワーク7010を介して相互に検出情報を送受信してもよい。
9.手術室システムへの応用例
本技術に係る光源装置及び測距装置は、医療分野に関わる様々な製品へ応用することができる。例えば、本技術に係る光源装置は、以下に説明する手術室システムに用いられる光源装置に適用されてもよい。例えば、本技術に係る測距装置は、以下に説明する手術室システムに用いられる光源装置、レンズユニット及び撮像部含む装置に適用されてもよい。
図24は、本開示に係る技術が適用され得る手術室システム5100の全体構成を概略的に示す図である。図24を参照すると、手術室システム5100は、手術室内に設置される装置群が視聴覚コントローラ(AV Controller)5107及び手術室制御装置5109を介して互いに連携可能に接続されることにより構成される。
手術室には、様々な装置が設置され得る。図24では、一例として、内視鏡下手術のための各種の装置群5101と、手術室の天井に設けられ術者の手元を撮像するシーリングカメラ5187と、手術室の天井に設けられ手術室全体の様子を撮像する術場カメラ5189と、複数の表示装置5103A〜5103Dと、レコーダ5105と、患者ベッド5183と、照明5191と、を図示している。
ここで、これらの装置のうち、装置群5101は、後述する内視鏡手術システム5113に属するものであり、内視鏡や当該内視鏡によって撮像された画像を表示する表示装置等からなる。内視鏡手術システム5113に属する各装置は医療用機器とも呼称される。一方、表示装置5103A〜5103D、レコーダ5105、患者ベッド5183及び照明5191は、内視鏡手術システム5113とは別個に、例えば手術室に備え付けられている装置である。これらの内視鏡手術システム5113に属さない各装置は非医療用機器とも呼称される。視聴覚コントローラ5107及び/又は手術室制御装置5109は、これら医療機器及び非医療機器の動作を互いに連携して制御する。
視聴覚コントローラ5107は、医療機器及び非医療機器における画像表示に関する処理を、統括的に制御する。具体的には、手術室システム5100が備える装置のうち、装置群5101、シーリングカメラ5187及び術場カメラ5189は、手術中に表示すべき情報(以下、表示情報ともいう)を発信する機能を有する装置(以下、発信元の装置とも呼称する)であり得る。また、表示装置5103A〜5103Dは、表示情報が出力される装置(以下、出力先の装置とも呼称する)であり得る。また、レコーダ5105は、発信元の装置及び出力先の装置の双方に該当する装置であり得る。視聴覚コントローラ5107は、発信元の装置及び出力先の装置の動作を制御し、発信元の装置から表示情報を取得するとともに、当該表示情報を出力先の装置に送信し、表示又は記録させる機能を有する。なお、表示情報とは、手術中に撮像された各種の画像や、手術に関する各種の情報(例えば、患者の身体情報や、過去の検査結果、術式についての情報等)等である。
具体的には、視聴覚コントローラ5107には、装置群5101から、表示情報として、内視鏡によって撮像された患者の体腔内の術部の画像についての情報が送信され得る。また、シーリングカメラ5187から、表示情報として、当該シーリングカメラ5187によって撮像された術者の手元の画像についての情報が送信され得る。また、術場カメラ5189から、表示情報として、当該術場カメラ5189によって撮像された手術室全体の様子を示す画像についての情報が送信され得る。なお、手術室システム5100に撮像機能を有する他の装置が存在する場合には、視聴覚コントローラ5107は、表示情報として、当該他の装置からも当該他の装置によって撮像された画像についての情報を取得してもよい。
あるいは、例えば、レコーダ5105には、過去に撮像されたこれらの画像についての情報が視聴覚コントローラ5107によって記録されている。視聴覚コントローラ5107は、表示情報として、レコーダ5105から当該過去に撮像された画像についての情報を取得することができる。なお、レコーダ5105には、手術に関する各種の情報も事前に記録されていてもよい。
視聴覚コントローラ5107は、出力先の装置である表示装置5103A〜5103Dの少なくともいずれかに、取得した表示情報(すなわち、手術中に撮影された画像や、手術に関する各種の情報)を表示させる。図示する例では、表示装置5103Aは手術室の天井から吊り下げられて設置される表示装置であり、表示装置5103Bは手術室の壁面に設置される表示装置であり、表示装置5103Cは手術室内の机上に設置される表示装置であり、表示装置5103Dは表示機能を有するモバイル機器(例えば、タブレットPC(Personal Computer))である。
また、図24では図示を省略しているが、手術室システム5100には、手術室の外部の装置が含まれてもよい。手術室の外部の装置は、例えば、病院内外に構築されたネットワークに接続されるサーバや、医療スタッフが用いるPC、病院の会議室に設置されるプロジェクタ等であり得る。このような外部装置が病院外にある場合には、視聴覚コントローラ5107は、遠隔医療のために、テレビ会議システム等を介して、他の病院の表示装置に表示情報を表示させることもできる。
手術室制御装置5109は、非医療機器における画像表示に関する処理以外の処理を、統括的に制御する。例えば、手術室制御装置5109は、患者ベッド5183、シーリングカメラ5187、術場カメラ5189及び照明5191の駆動を制御する。
手術室システム5100には、集中操作パネル5111が設けられており、ユーザは、当該集中操作パネル5111を介して、視聴覚コントローラ5107に対して画像表示についての指示を与えたり、手術室制御装置5109に対して非医療機器の動作についての指示を与えることができる。集中操作パネル5111は、表示装置の表示面上にタッチパネルが設けられて構成される。
図25は、集中操作パネル5111における操作画面の表示例を示す図である。図25では、一例として、手術室システム5100に、出力先の装置として、2つの表示装置が設けられている場合に対応する操作画面を示している。図25を参照すると、操作画面5193には、発信元選択領域5195と、プレビュー領域5197と、コントロール領域5201と、が設けられる。
発信元選択領域5195には、手術室システム5100に備えられる発信元装置と、当該発信元装置が有する表示情報を表すサムネイル画面と、が紐付けられて表示される。ユーザは、表示装置に表示させたい表示情報を、発信元選択領域5195に表示されているいずれかの発信元装置から選択することができる。
プレビュー領域5197には、出力先の装置である2つの表示装置(Monitor1、Monitor2)に表示される画面のプレビューが表示される。図示する例では、1つの表示装置において4つの画像がPinP表示されている。当該4つの画像は、発信元選択領域5195において選択された発信元装置から発信された表示情報に対応するものである。4つの画像のうち、1つはメイン画像として比較的大きく表示され、残りの3つはサブ画像として比較的小さく表示される。ユーザは、4つの画像が表示された領域を適宜選択することにより、メイン画像とサブ画像を入れ替えることができる。また、4つの画像が表示される領域の下部には、ステータス表示領域5199が設けられており、当該領域に手術に関するステータス(例えば、手術の経過時間や、患者の身体情報等)が適宜表示され得る。
コントロール領域5201には、発信元の装置に対して操作を行うためのGUI(Graphical User Interface)部品が表示される発信元操作領域5203と、出力先の装置に対して操作を行うためのGUI部品が表示される出力先操作領域5205と、が設けられる。図示する例では、発信元操作領域5203には、撮像機能を有する発信元の装置におけるカメラに対して各種の操作(パン、チルト及びズーム)を行うためのGUI部品が設けられている。ユーザは、これらのGUI部品を適宜選択することにより、発信元の装置におけるカメラの動作を操作することができる。なお、図示は省略しているが、発信元選択領域5195において選択されている発信元の装置がレコーダである場合(すなわち、プレビュー領域5197において、レコーダに過去に記録された画像が表示されている場合)には、発信元操作領域5203には、当該画像の再生、再生停止、巻き戻し、早送り等の操作を行うためのGUI部品が設けられ得る。
また、出力先操作領域5205には、出力先の装置である表示装置における表示に対する各種の操作(スワップ、フリップ、色調整、コントラスト調整、2D表示と3D表示の切り替え)を行うためのGUI部品が設けられている。ユーザは、これらのGUI部品を適宜選択することにより、表示装置における表示を操作することができる。
なお、集中操作パネル5111に表示される操作画面は図示する例に限定されず、ユーザは、集中操作パネル5111を介して、手術室システム5100に備えられる、視聴覚コントローラ5107及び手術室制御装置5109によって制御され得る各装置に対する操作入力が可能であってよい。
図26は、以上説明した手術室システムが適用された手術の様子の一例を示す図である。シーリングカメラ5187及び術場カメラ5189は、手術室の天井に設けられ、患者ベッド5183上の患者5185の患部に対して処置を行う術者(医者)5181の手元及び手術室全体の様子を撮影可能である。シーリングカメラ5187及び術場カメラ5189には、倍率調整機能、焦点距離調整機能、撮影方向調整機能等が設けられ得る。照明5191は、手術室の天井に設けられ、少なくとも術者5181の手元を照射する。照明5191は、その照射光量、照射光の波長(色)及び光の照射方向等を適宜調整可能であってよい。
内視鏡手術システム5113、患者ベッド5183、シーリングカメラ5187、術場カメラ5189及び照明5191は、図24に示すように、視聴覚コントローラ5107及び手術室制御装置5109(図26では図示せず)を介して互いに連携可能に接続されている。手術室内には、集中操作パネル5111が設けられており、上述したように、ユーザは、当該集中操作パネル5111を介して、手術室内に存在するこれらの装置を適宜操作することが可能である。
以下、内視鏡手術システム5113の構成について詳細に説明する。図示するように、内視鏡手術システム5113は、内視鏡5115と、その他の術具5131と、内視鏡5115を支持する支持アーム装置5141と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート5151と、から構成される。
内視鏡手術では、腹壁を切って開腹する代わりに、トロッカ5139a〜5139dと呼ばれる筒状の開孔器具が腹壁に複数穿刺される。そして、トロッカ5139a〜5139dから、内視鏡5115の鏡筒5117や、その他の術具5131が患者5185の体腔内に挿入される。図示する例では、その他の術具5131として、気腹チューブ5133、エネルギー処置具5135及び鉗子5137が、患者5185の体腔内に挿入されている。また、エネルギー処置具5135は、高周波電流や超音波振動により、組織の切開及び剥離、又は血管の封止等を行う処置具である。ただし、図示する術具5131はあくまで一例であり、術具5131としては、例えば攝子、レトラクタ等、一般的に内視鏡下手術において用いられる各種の術具が用いられてよい。
内視鏡5115によって撮影された患者5185の体腔内の術部の画像が、表示装置5155に表示される。術者5181は、表示装置5155に表示された術部の画像をリアルタイムで見ながら、エネルギー処置具5135や鉗子5137を用いて、例えば患部を切除する等の処置を行う。なお、図示は省略しているが、気腹チューブ5133、エネルギー処置具5135及び鉗子5137は、手術中に、術者5181又は助手等によって支持される。
(支持アーム装置)
支持アーム装置5141は、ベース部5143から延伸するアーム部5145を備える。図示する例では、アーム部5145は、関節部5147a、5147b、5147c、及びリンク5149a、5149bから構成されており、アーム制御装置5159からの制御により駆動される。アーム部5145によって内視鏡5115が支持され、その位置及び姿勢が制御される。これにより、内視鏡5115の安定的な位置の固定が実現され得る。
(内視鏡)
内視鏡5115は、先端から所定の長さの領域が患者5185の体腔内に挿入される鏡筒5117と、鏡筒5117の基端に接続されるカメラヘッド5119と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒5117を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡5115を図示しているが、内視鏡5115は、軟性の鏡筒5117を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
鏡筒5117の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡5115には光源装置5157が接続されており、当該光源装置5157によって生成された光が、鏡筒5117の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者5185の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡5115は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
カメラヘッド5119の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU:Camera Control Unit)5153に送信される。なお、カメラヘッド5119には、その光学系を適宜駆動させることにより、倍率及び焦点距離を調整する機能が搭載される。
なお、例えば立体視(3D表示)等に対応するために、カメラヘッド5119には撮像素子が複数設けられてもよい。この場合、鏡筒5117の内部には、当該複数の撮像素子のそれぞれに観察光を導光するために、リレー光学系が複数系統設けられる。
(カートに搭載される各種の装置)
CCU5153は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡5115及び表示装置5155の動作を統括的に制御する。具体的には、CCU5153は、カメラヘッド5119から受け取った画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。CCU5153は、当該画像処理を施した画像信号を表示装置5155に提供する。また、CCU5153には、図24に示す視聴覚コントローラ5107が接続される。CCU5153は、画像処理を施した画像信号を視聴覚コントローラ5107にも提供する。また、CCU5153は、カメラヘッド5119に対して制御信号を送信し、その駆動を制御する。当該制御信号には、倍率や焦点距離等、撮像条件に関する情報が含まれ得る。当該撮像条件に関する情報は、入力装置5161を介して入力されてもよいし、上述した集中操作パネル5111を介して入力されてもよい。
表示装置5155は、CCU5153からの制御により、当該CCU5153によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。内視鏡5115が例えば4K(水平画素数3840×垂直画素数2160)又は8K(水平画素数7680×垂直画素数4320)等の高解像度の撮影に対応したものである場合、及び/又は3D表示に対応したものである場合には、表示装置5155としては、それぞれに対応して、高解像度の表示が可能なもの、及び/又は3D表示可能なものが用いられ得る。4K又は8K等の高解像度の撮影に対応したものである場合、表示装置5155として55インチ以上のサイズのものを用いることで一層の没入感が得られる。また、用途に応じて、解像度、サイズが異なる複数の表示装置5155が設けられてもよい。
光源装置5157は、例えばLED(light emitting diode)等の光源から構成され、術部を撮影する際の照射光を内視鏡5115に供給する。
アーム制御装置5159は、例えばCPU等のプロセッサによって構成され、所定のプログラムに従って動作することにより、所定の制御方式に従って支持アーム装置5141のアーム部5145の駆動を制御する。
入力装置5161は、内視鏡手術システム5113に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置5161を介して、内視鏡手術システム5113に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、入力装置5161を介して、患者の身体情報や、手術の術式についての情報等、手術に関する各種の情報を入力する。また、例えば、ユーザは、入力装置5161を介して、アーム部5145を駆動させる旨の指示や、内視鏡5115による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示、エネルギー処置具5135を駆動させる旨の指示等を入力する。
入力装置5161の種類は限定されず、入力装置5161は各種の公知の入力装置であってよい。入力装置5161としては、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、スイッチ、フットスイッチ5171及び/又はレバー等が適用され得る。入力装置5161としてタッチパネルが用いられる場合には、当該タッチパネルは表示装置5155の表示面上に設けられてもよい。
あるいは、入力装置5161は、例えばメガネ型のウェアラブルデバイスやHMD(Head Mounted Display)等の、ユーザによって装着されるデバイスであり、これらのデバイスによって検出されるユーザのジェスチャや視線に応じて各種の入力が行われる。また、入力装置5161は、ユーザの動きを検出可能なカメラを含み、当該カメラによって撮像された映像から検出されるユーザのジェスチャや視線に応じて各種の入力が行われる。更に、入力装置5161は、ユーザの声を収音可能なマイクロフォンを含み、当該マイクロフォンを介して音声によって各種の入力が行われる。このように、入力装置5161が非接触で各種の情報を入力可能に構成されることにより、特に清潔域に属するユーザ(例えば術者5181)が、不潔域に属する機器を非接触で操作することが可能となる。また、ユーザは、所持している術具から手を離すことなく機器を操作することが可能となるため、ユーザの利便性が向上する。
処置具制御装置5163は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具5135の駆動を制御する。気腹装置5165は、内視鏡5115による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者5185の体腔を膨らめるために、気腹チューブ5133を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ5167は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ5169は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
以下、内視鏡手術システム5113において特に特徴的な構成について、更に詳細に説明する。
(支持アーム装置)
支持アーム装置5141は、基台であるベース部5143と、ベース部5143から延伸するアーム部5145と、を備える。図示する例では、アーム部5145は、複数の関節部5147a、5147b、5147cと、関節部5147bによって連結される複数のリンク5149a、5149bと、から構成されているが、図26では、簡単のため、アーム部5145の構成を簡略化して図示している。実際には、アーム部5145が所望の自由度を有するように、関節部5147a〜5147c及びリンク5149a、5149bの形状、数及び配置、並びに関節部5147a〜5147cの回転軸の方向等が適宜設定され得る。例えば、アーム部5145は、好適に、6自由度以上の自由度を有するように構成され得る。これにより、アーム部5145の可動範囲内において内視鏡5115を自由に移動させることが可能になるため、所望の方向から内視鏡5115の鏡筒5117を患者5185の体腔内に挿入することが可能になる。
関節部5147a〜5147cにはアクチュエータが設けられており、関節部5147a〜5147cは当該アクチュエータの駆動により所定の回転軸まわりに回転可能に構成されている。当該アクチュエータの駆動がアーム制御装置5159によって制御されることにより、各関節部5147a〜5147cの回転角度が制御され、アーム部5145の駆動が制御される。これにより、内視鏡5115の位置及び姿勢の制御が実現され得る。この際、アーム制御装置5159は、力制御又は位置制御等、各種の公知の制御方式によってアーム部5145の駆動を制御することができる。
例えば、術者5181が、入力装置5161(フットスイッチ5171を含む)を介して適宜操作入力を行うことにより、当該操作入力に応じてアーム制御装置5159によってアーム部5145の駆動が適宜制御され、内視鏡5115の位置及び姿勢が制御されてよい。当該制御により、アーム部5145の先端の内視鏡5115を任意の位置から任意の位置まで移動させた後、その移動後の位置で固定的に支持することができる。なお、アーム部5145は、いわゆるマスタースレイブ方式で操作されてもよい。この場合、アーム部5145は、手術室から離れた場所に設置される入力装置5161を介してユーザによって遠隔操作され得る。
また、力制御が適用される場合には、アーム制御装置5159は、ユーザからの外力を受け、その外力にならってスムーズにアーム部5145が移動するように、各関節部5147a〜5147cのアクチュエータを駆動させる、いわゆるパワーアシスト制御を行ってもよい。これにより、ユーザが直接アーム部5145に触れながらアーム部5145を移動させる際に、比較的軽い力で当該アーム部5145を移動させることができる。従って、より直感的に、より簡易な操作で内視鏡5115を移動させることが可能となり、ユーザの利便性を向上させることができる。
ここで、一般的に、内視鏡下手術では、スコピストと呼ばれる医師によって内視鏡5115が支持されていた。これに対して、支持アーム装置5141を用いることにより、人手によらずに内視鏡5115の位置をより確実に固定することが可能になるため、術部の画像を安定的に得ることができ、手術を円滑に行うことが可能になる。
なお、アーム制御装置5159は必ずしもカート5151に設けられなくてもよい。また、アーム制御装置5159は必ずしも1つの装置でなくてもよい。例えば、アーム制御装置5159は、支持アーム装置5141のアーム部5145の各関節部5147a〜5147cにそれぞれ設けられてもよく、複数のアーム制御装置5159が互いに協働することにより、アーム部5145の駆動制御が実現されてもよい。
(光源装置)
光源装置5157は、内視鏡5115に術部を撮影する際の照射光を供給する。光源装置5157は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成される。このとき、RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置5157において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド5119の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
また、光源装置5157は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド5119の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
また、光源装置5157は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察するもの(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得るもの等が行われ得る。光源装置5157は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
(カメラヘッド及びCCU)
図27を参照して、内視鏡5115のカメラヘッド5119及びCCU5153の機能についてより詳細に説明する。図27は、図26に示すカメラヘッド5119及びCCU5153の機能構成の一例を示すブロック図である。
図27を参照すると、カメラヘッド5119は、その機能として、レンズユニット5121と、撮像部5123と、駆動部5125と、通信部5127と、カメラヘッド制御部5129と、を有する。また、CCU5153は、その機能として、通信部5173と、画像処理部5175と、制御部5177と、を有する。カメラヘッド5119とCCU5153とは、伝送ケーブル5179によって双方向に通信可能に接続されている。
まず、カメラヘッド5119の機能構成について説明する。レンズユニット5121は、鏡筒5117との接続部に設けられる光学系である。鏡筒5117の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド5119まで導光され、当該レンズユニット5121に入射する。レンズユニット5121は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。レンズユニット5121は、撮像部5123の撮像素子の受光面上に観察光を集光するように、その光学特性が調整されている。また、ズームレンズ及びフォーカスレンズは、撮像画像の倍率及び焦点の調整のため、その光軸上の位置が移動可能に構成される。
撮像部5123は撮像素子によって構成され、レンズユニット5121の後段に配置される。レンズユニット5121を通過した観察光は、当該撮像素子の受光面に集光され、光電変換によって、観察像に対応した画像信号が生成される。撮像部5123によって生成された画像信号は、通信部5127に提供される。
撮像部5123を構成する撮像素子としては、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)タイプのイメージセンサであり、Bayer配列を有するカラー撮影可能なものが用いられる。なお、当該撮像素子としては、例えば4K以上の高解像度の画像の撮影に対応可能なものが用いられてもよい。術部の画像が高解像度で得られることにより、術者5181は、当該術部の様子をより詳細に把握することができ、手術をより円滑に進行することが可能となる。
また、撮像部5123を構成する撮像素子は、3D表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成される。3D表示が行われることにより、術者5181は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部5123が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット5121も複数系統設けられる。
また、撮像部5123は、必ずしもカメラヘッド5119に設けられなくてもよい。例えば、撮像部5123は、鏡筒5117の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
駆動部5125は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部5129からの制御により、レンズユニット5121のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部5123による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
通信部5127は、CCU5153との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部5127は、撮像部5123から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル5179を介してCCU5153に送信する。この際、術部の撮像画像を低レイテンシで表示するために、当該画像信号は光通信によって送信されることが好ましい。手術の際には、術者5181が撮像画像によって患部の状態を観察しながら手術を行うため、より安全で確実な手術のためには、術部の動画像が可能な限りリアルタイムに表示されることが求められるからである。光通信が行われる場合には、通信部5127には、電気信号を光信号に変換する光電変換モジュールが設けられる。画像信号は当該光電変換モジュールによって光信号に変換された後、伝送ケーブル5179を介してCCU5153に送信される。
また、通信部5127は、CCU5153から、カメラヘッド5119の駆動を制御するための制御信号を受信する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。通信部5127は、受信した制御信号をカメラヘッド制御部5129に提供する。なお、CCU5153からの制御信号も、光通信によって伝送されてもよい。この場合、通信部5127には、光信号を電気信号に変換する光電変換モジュールが設けられ、制御信号は当該光電変換モジュールによって電気信号に変換された後、カメラヘッド制御部5129に提供される。
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、取得された画像信号に基づいてCCU5153の制御部5177によって自動的に設定される。つまり、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡5115に搭載される。
カメラヘッド制御部5129は、通信部5127を介して受信したCCU5153からの制御信号に基づいて、カメラヘッド5119の駆動を制御する。例えば、カメラヘッド制御部5129は、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報及び/又は撮像時の露光を指定する旨の情報に基づいて、撮像部5123の撮像素子の駆動を制御する。また、例えば、カメラヘッド制御部5129は、撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報に基づいて、駆動部5125を介してレンズユニット5121のズームレンズ及びフォーカスレンズを適宜移動させる。カメラヘッド制御部5129は、更に、鏡筒5117やカメラヘッド5119を識別するための情報を記憶する機能を備えてもよい。
なお、レンズユニット5121や撮像部5123等の構成を、気密性及び防水性が高い密閉構造内に配置することで、カメラヘッド5119について、オートクレーブ滅菌処理に対する耐性を持たせることができる。
次に、CCU5153の機能構成について説明する。通信部5173は、カメラヘッド5119との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部5173は、カメラヘッド5119から、伝送ケーブル5179を介して送信される画像信号を受信する。この際、上記のように、当該画像信号は好適に光通信によって送信され得る。この場合、光通信に対応して、通信部5173には、光信号を電気信号に変換する光電変換モジュールが設けられる。通信部5173は、電気信号に変換した画像信号を画像処理部5175に提供する。
また、通信部5173は、カメラヘッド5119に対して、カメラヘッド5119の駆動を制御するための制御信号を送信する。当該制御信号も光通信によって送信されてよい。
画像処理部5175は、カメラヘッド5119から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。当該画像処理としては、例えば現像処理、高画質化処理(帯域強調処理、超解像処理、NR(Noise reduction)処理及び/又は手ブレ補正処理等)、並びに/又は拡大処理(電子ズーム処理)等、各種の公知の信号処理が含まれる。また、画像処理部5175は、AE、AF及びAWBを行うための、画像信号に対する検波処理を行う。
画像処理部5175は、CPUやGPU等のプロセッサによって構成され、当該プロセッサが所定のプログラムに従って動作することにより、上述した画像処理や検波処理が行われ得る。なお、画像処理部5175が複数のGPUによって構成される場合には、画像処理部5175は、画像信号に係る情報を適宜分割し、これら複数のGPUによって並列的に画像処理を行う。
制御部5177は、内視鏡5115による術部の撮像、及びその撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部5177は、カメラヘッド5119の駆動を制御するための制御信号を生成する。この際、撮像条件がユーザによって入力されている場合には、制御部5177は、当該ユーザによる入力に基づいて制御信号を生成する。あるいは、内視鏡5115にAE機能、AF機能及びAWB機能が搭載されている場合には、制御部5177は、画像処理部5175による検波処理の結果に応じて、最適な露出値、焦点距離及びホワイトバランスを適宜算出し、制御信号を生成する。
また、制御部5177は、画像処理部5175によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部の画像を表示装置5155に表示させる。この際、制御部5177は、各種の画像認識技術を用いて術部画像内における各種の物体を認識する。例えば、制御部5177は、術部画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具5135使用時のミスト等を認識することができる。制御部5177は、表示装置5155に術部の画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させる。手術支援情報が重畳表示され、術者5181に提示されることにより、より安全かつ確実に手術を進めることが可能になる。
カメラヘッド5119及びCCU5153を接続する伝送ケーブル5179は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
ここで、図示する例では、伝送ケーブル5179を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド5119とCCU5153との間の通信は無線で行われてもよい。両者の間の通信が無線で行われる場合には、伝送ケーブル5179を手術室内に敷設する必要がなくなるため、手術室内における医療スタッフの移動が当該伝送ケーブル5179によって妨げられる事態が解消され得る。
以上、本開示に係る技術が適用され得る手術室システム5100の一例について説明した。なお、ここでは、一例として手術室システム5100が適用される医療用システムが内視鏡手術システム5113である場合について説明したが、手術室システム5100の構成はかかる例に限定されない。例えば、手術室システム5100は、内視鏡手術システム5113に代えて、検査用軟性内視鏡システムや顕微鏡手術システムに適用されてもよい。
10.画像表示装置への応用例
また、本技術の光源装置は、例えばプロジェクタ、ヘッドアップディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ等の画像表示装置にも応用可能である。例えば本技術の光源装置をプロジェクタに用いる場合には、光源装置の光源から画像情報に応じて変調された光を出射させ拡散反射面で拡散反射させて、その拡散反射光をスクリーンに照射して画像を表示させてもよい。例えば本技術の光源装置をヘッドアップディスプレイやヘッドマウントディスプレイに用いる場合には、光源装置の光源から画像情報に応じて変調された光を出射させ拡散反射面で拡散反射させて、その拡散反射光を、移動体に設けられた透過反射性を有する部材(例えばフロントガラス、コンバイナ等)に照射して虚像を表示させてもよい。
また、本技術は、以下のような構成をとることもできる。
(1)光源と、
前記光源からの光の少なくとも一部を反射して反射光を生成する反射部材と、
を備え、
前記反射部材は、前記光源からの光が入射される、基準面に沿って規則的に配置された複数の曲面鏡を含み、
前記複数の曲面鏡の各々は、前記基準面内で互いに直交する第1軸方向及び第2軸方向に曲率を有する、光源装置。
(2)前記複数の凹面鏡は、前記反射光の光軸に垂直な断面の目標形状に応じて規則的に配置されている、前記(1)に記載の光源装置。
(3)前記複数の曲面鏡の各々は、前記基準面に対して傾斜し、且つ、前記第1軸方向に直交する第3軸方向から見た形状が、前記反射光の光軸に垂直な断面の目標形状に応じた形状である、前記(1)又は(2)に記載の光源装置。
(4)前記第3軸方向は、前記光源からの光の光軸方向に略一致する、前記(3)に記載の光源装置。
(5)前記複数の曲面鏡の各々は、前記第3軸方向から見た形状の前記第1軸方向の長さと、前記第3軸方向から見た形状における前記第1軸方向及び前記第3軸方向のいずれにも直交する第4軸方向の長さと、前記第1軸方向の曲率と、前記第2軸方向の曲率とが、前記目標形状における前記第1軸方向に対応する方向の長さと前記第4軸方向に対応する方向の長さの比に応じて設定されている、前記(3)又は(4)に記載の光源装置。
(6)前記複数の曲面鏡の各々は、前記第3軸方向から見た形状における前記第1軸方向の長さに対する、前記第1軸方向及び前記第3軸方向のいずれにも直交する第4軸方向の長さの比率が、前記目標形状における前記第1軸方向に対応する方向の長さに対する、前記第4軸方向に対応する方向の長さの比率に等しく、且つ、前記第1軸方向の曲率及び前記第2軸方向の曲率は、互いに等しい、前記(3)〜(5)のいずれか1つに記載の光源装置。
(7)前記複数の曲面鏡は、少なくとも3つの曲面鏡であり、前記第3軸方向から見て2次元配置されている、前記(3)〜(6)のいずれか1つに記載の光源装置。
(8)前記複数の曲面鏡は、少なくとも4つの曲面鏡であり、前記第3軸方向から見て、前記第1軸方向と、前記第1軸方向及び前記第3軸方向のいずれにも直交する第4軸方向とに2次元格子状に配置されている、前記(7)に記載の光源装置。
(9)前記複数の曲面鏡は、前記第1軸方向及び前記第2軸方向の曲率の正負が逆の前記曲面鏡を含む、前記(8)に記載の光源装置。
(10)前記第3軸方向から見て前記第4軸方向に並ぶ少なくとも2つの前記曲面鏡の前記第1軸方向の曲率の正負は、互いに等しく、前記第3軸方向から見て前記第1軸方向に並ぶ少なくとも2つの前記曲面鏡の前記第2軸方向の曲率の正負は、互いに等しい、前記(9)に記載の光源装置。
(11)前記複数の曲面鏡の少なくとも1つは、前記第1軸方向及び前記第3軸方向のいずれにも直交する第4軸方向に直交する平面で切断した切り口が凸曲線状であり、前記切り口が描く凸曲線の各端における接線と、前記凸曲線の両端を結ぶ線分とが成す角度をα/2とすると、0°<α≦60°を満足する、前記(3)〜(10)のいずれか1つに記載の光源装置。
(12)前記複数の曲面鏡の少なくとも1つは、前記第1軸方向に直交する平面で切断した切り口が凸曲線状であり、前記切り口が描く凸曲線の各端における接線と、前記凸曲線の両端を結ぶ線分とが成す角度をβ/2、前記第1軸方向から見て前記第1軸方向及び前記第3軸方向のいずれにも直交する第4軸方向が前記基準面に対して成す角度を90°−φとすると、0°<β≦60°−(2/3)φを満足する、前記(3)〜(11)のいずれか1つに記載の光源装置。
(13)前記複数の曲面鏡の少なくとも1つは、前記第1軸方向及び前記第3軸方向のいずれにも直交する第4軸方向に直交する平面で切断した切り口が凹曲線状であり、
前記切り口が描く凹曲線の各端における接線と、前記凹曲線の両端を結ぶ線分とが成す角度をα/2とすると、0°<α≦90°を満足する、前記(3)〜(10)、(12)のいずれか1つに記載の光源装置。
(14)前記複数の曲面鏡の少なくとも1つは、前記第1軸方向に直交する平面で切断した切り口が凹曲線状であり、前記切り口が描く凹曲線の各端における接線と、前記凹曲線の両端を結ぶ線分とが成す角度をβ/2、前記第1軸方向から見て前記第1軸方向及び前記第3軸方向のいずれにも直交する第4軸方向が前記基準面に対して成す角度を90°−φとすると、0°<β≦90°−φを満足する、前記(3)〜(11)のいずれか1項に記載の光源装置。
(15)前記複数の曲面鏡の少なくとも1つは、前記第1軸方向及び前記第3軸方向のいずれにも直交する第4軸方向に直交する平面で切断した切り口が凹曲線状であり、
前記切り口が描く凹曲線の各端における接線と、前記凹曲線の両端を結ぶ線分とが成す角度をα/2とすると、0°<α≦90°を満足し、
前記複数の曲面鏡の少なくとも1つは、前記第1軸方向に直交する平面で切断した切り口が凹曲線状であり、前記切り口が描く凹曲線の各端における接線と、前記凹曲線の両端を結ぶ線分とが成す角度をβ/2、前記第1軸方向から見て前記第1軸方向及び前記第3軸方向のいずれにも直交する第4軸方向が前記基準面に対して成す角度を90°−φとすると、0°<β≦90°−φを満足する、前記(3)〜(10)のいずれか1つに記載の光源装置。
(16)前記切り口は、円弧状である、前記(11)〜(15)のいずれか1つに記載の光源装置。
(17)前記複数の曲面鏡は、前記第3軸方向から見た形状における前記第1軸方向の長さに対する、前記第1軸方向及び前記第3軸方向のいずれにも直交する第4軸方向の長さの比率が互いに等しい、前記(3)〜(16)のいずれか1つに記載の光源装置。
(18)
前記複数の曲面鏡は、前記第3軸方向から見た形状における前記第1軸方向の長さが互いに等しく、且つ、前記第4軸方向の長さが互いに等しい、前記(17)に記載の光源装置。
(19)前記複数の曲面鏡は、前記第1軸方向の曲率が互いに等しく、且つ、前記第2軸方向の曲率が互いに等しい、前記(1)〜(18)のいずれか1つに記載の光源装置。
(20)前記光源と前記反射部材との間の光路上に配置されたコリメータレンズを更に備える、前記(1)〜(19)のいずれか1つに記載の光源装置。
(21)前記光源は、レーザ光源である、前記(1)〜(20)のいずれか1つに記載の光源装置。
(22)前記(1)〜(21)のいずれか1つに記載の光源装置と、
前記光源装置から出射され対象物で反射された光を受光する受光装置と、
前記受光装置の出力に基づいて、前記対象物までの距離を算出する制御装置と、
を備える、測距装置。
(23)前記受光装置は、イメージセンサを有し、前記目標形状は、前記イメージセンサの画素配置領域の形状に略一致する、前記(22)に記載の測距装置。
(24)前記画素配置領域の形状は、長方形である、前記(22)又は(23)に記載の測距装置。
(25)前記(22)〜(24)のいずれか1つに記載の測距装置と、
前記測距装置が搭載される物体と、
を備える物体システム。
(26)前記光源は、画像情報に応じて変調された光を出射する、前記(1)〜(21)のいずれか1つに記載の光源装置を備える画像表示装置。
(27)入射光を反射させて反射光を生成する、前記入射光が入射される複数の凸面鏡又は凹面鏡を有する反射部材の製造方法であって、
基材の一面にレジストを塗布して複数のレジストパターンを形成する工程と、
前記複数のレジストパターンの各々を溶融させ、表面張力でドーム状にする工程と、
ドーム状にされた前記複数のレジストパターンに前記一面に対して傾斜する方向からエッチングガスを当ててエッチングすることにより、前記傾斜する方向から見て、前記反射光の光軸に垂直な断面の目標形状に応じた形状の凸面又は凹面を複数形成する工程と、
前記複数の凸面又は凹面の各々に反射膜を形成する工程と、
を含む、反射部材の製造方法。
10、100:測距装置、12、127:光源装置、14、147:受光装置、16:制御装置、20:光源、22、220、2200A、2200B:反射部材、22c:凸面鏡(曲面鏡)、220c:凹面鏡(曲面鏡)、2200Ack、2200Bck:曲面鏡、22d、220d、2200Ad、2200Bd:基準面、23:コリメータレンズ、38、380:イメージセンサ、RL:反射光、EOAD:出射光の光軸方向(光源からの光の光軸方向)、ROA:反射光の光軸、TS:目標形状。

Claims (20)

  1. 光源と、
    前記光源からの光の少なくとも一部を反射して反射光を生成する反射部材と、
    を備え、
    前記反射部材は、前記光源からの光が入射される、基準面に沿って規則的に配置された複数の曲面鏡を含み、
    前記複数の曲面鏡の各々は、前記基準面内で互いに直交する第1軸方向及び第2軸方向に曲率を有する、光源装置。
  2. 前記複数の曲面鏡は、前記反射光の光軸に垂直な断面の目標形状に応じて規則的に配置されている、請求項1に記載の光源装置。
  3. 前記複数の曲面鏡の各々は、前記基準面に対して傾斜し、且つ、前記第1軸方向に直交する第3軸方向から見た形状が、前記反射光の光軸に垂直な断面の目標形状に応じた形状である、請求項1に記載の光源装置。
  4. 前記第3軸方向は、前記光源からの光の光軸方向に略一致する、請求項3に記載の光源装置。
  5. 前記複数の曲面鏡の各々は、前記第3軸方向から見た形状の前記第1軸方向の長さと、前記第3軸方向から見た形状における前記第1軸方向及び前記第3軸方向のいずれにも直交する第4軸方向の長さと、前記第1軸方向の曲率と、前記第2軸方向の曲率とが、前記目標形状における前記第1軸方向に対応する方向の長さと前記第4軸方向に対応する方向の長さの比に応じて設定されている、請求項3に記載の光源装置。
  6. 前記複数の曲面鏡の各々は、前記第3軸方向から見た形状における前記第1軸方向の長さに対する、前記第1軸方向及び前記第3軸方向のいずれにも直交する第4軸方向の長さの比率が、前記目標形状における前記第1軸方向に対応する方向の長さに対する、前記第4軸方向に対応する方向の長さの比率に等しく、且つ、前記第1軸方向の曲率が互いに等しく、且つ、前記第2軸方向の曲率が互いに等しい、請求項3に記載の光源装置。
  7. 前記複数の曲面鏡は、少なくとも3つの曲面鏡であり、前記第3軸方向から見て2次元配置されている、請求項3に記載の光源装置。
  8. 前記複数の曲面鏡は、少なくとも4つの曲面鏡であり、前記第3軸方向から見て、前記第1軸方向と、前記第1軸方向及び前記第3軸方向のいずれにも直交する第4軸方向とに2次元格子状に配置されている、請求項7に記載の光源装置。
  9. 前記複数の曲面鏡は、前記第1軸方向及び前記第2軸方向の曲率の正負が逆の前記曲面鏡を含む、請求項8に記載の光源装置。
  10. 前記第3軸方向から見て前記第4軸方向に並ぶ少なくとも2つの前記曲面鏡の前記第1軸方向の曲率の正負は、互いに等しく、
    前記第3軸方向から見て前記第1軸方向に並ぶ少なくとも2つの前記曲面鏡の前記第2軸方向の曲率の正負は、互いに等しい、請求項9に記載の光源装置。
  11. 前記複数の曲面鏡の少なくとも1つは、前記第1軸方向及び前記第3軸方向のいずれにも直交する第4軸方向に直交する平面で切断した切り口が凸曲線状であり、
    前記切り口が描く凸曲線の各端における接線と、前記凸曲線の両端を結ぶ線分とが成す角度をα/2とすると、0°<α≦60°を満足する、請求項3に記載の光源装置。
  12. 前記複数の曲面鏡の少なくとも1つは、前記第1軸方向に直交する平面で切断した切り口が凸曲線状であり、
    前記切り口が描く凸曲線の各端における接線と、前記凸曲線の両端を結ぶ線分とが成す角度をβ/2、前記第1軸方向から見て前記第1軸方向及び前記第3軸方向のいずれにも直交する第4軸方向が前記基準面に対して成す角度を90°−φとすると、0°<β≦60°−(2/3)φを満足する、請求項3に記載の光源装置。
  13. 前記複数の曲面鏡の少なくとも1つは、前記第1軸方向及び前記第3軸方向のいずれにも直交する第4軸方向に直交する平面で切断した切り口が凹曲線状であり、
    前記切り口が描く凹曲線の各端における接線と、前記凹曲線の両端を結ぶ線分とが成す角度をα/2とすると、0°<α≦90°を満足する、請求項3に記載の光源装置。
  14. 前記複数の曲面鏡の少なくとも1つは、前記第1軸方向に直交する平面で切断した切り口が凹曲線状であり、
    前記切り口が描く凹曲線の各端における接線と、前記凹曲線の両端を結ぶ線分とが成す角度をβ/2、前記第1軸方向から見て前記第1軸方向及び前記第3軸方向のいずれにも直交する第4軸方向が前記基準面に対して成す角度を90°−φとすると、0°<β≦90°−φを満足する、請求項3に記載の光源装置。
  15. 前記切り口は、円弧状である、請求項11に記載の光源装置。
  16. 前記複数の曲面鏡は、前記第1軸方向の曲率が互いに等しく、且つ、前記第2軸方向の曲率が互いに等しい、請求項1に記載の光源装置。
  17. 前記複数の曲面鏡は、前記第3軸方向から見た形状における前記第1軸方向の長さに対する、前記第1軸方向及び前記第3軸方向のいずれにも直交する第4軸方向の長さの比率が互いに等しい、請求項3に記載の光源装置。
  18. 前記複数の曲面鏡は、前記第3軸方向から見た形状における前記第1軸方向の長さが互いに等しく、且つ、前記第4軸方向の長さが互いに等しい、請求項17に記載の光源装置。
  19. 前記光源は、レーザ光源である、請求項1に記載の光源装置。
  20. 請求項1に記載の光源装置と、
    前記光源装置から出射され対象物で反射された光を受光する受光装置と、
    前記受光装置の出力に基づいて、前記対象物までの距離を算出する制御装置と、
    を備える、測距装置。
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US11313970B2 (en) * 2019-12-17 2022-04-26 Guangzhou Luxvisions Innovation Technology Limited Time of flight camera
WO2024070803A1 (ja) * 2022-09-27 2024-04-04 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 測距装置及びその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11313970B2 (en) * 2019-12-17 2022-04-26 Guangzhou Luxvisions Innovation Technology Limited Time of flight camera
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