JP2020143909A - バイオセンサー - Google Patents

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【課題】アンペロメトリック方式のバイオセンサーとして、測定すべき基質濃度が低い場合でも安定的に高感度及び高精度で容易に定量し得るものを提供する。【解決手段】絶縁性基板1上に、作用極2と対極3とからなる少なくとも一組の電気化学測定用電極系が形成され、この電極系の表面近傍に、測定対象成分と選択的に反応する少なくとも1種の酵素と、該酵素に対して共役反応し得る電子受容体と、親水性高分子とを含む反応層5を有するバイオセンサーであって、前記電極系が電気化学的測定時の印加電圧において陽極溶解されない金属層からなり、前記一組の電極系の全抵抗値が10kΩ以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、生体・食品等に関連する試料中の特定成分を迅速に精度よく定量するのに用いるバイオセンサーに関する。
バイオセンサーは、生体起源の分子認識機構を応用して生体試料や食品中の特定成分(基質)を計測するものであって、酵素等の物質識別素子と、認識に付随して変化する反応を物質量として変換する電極等のトランスデューサーとから構成されており、既に医療・臨床検査、製薬リサーチ・アプリケーション、食品関連、環境関連等の多岐にわたる分野で様々な物質の定量や検出に利用されているが、その代表的なものとしてアンペロメトリック方式で血糖値や尿酸値を定量するバイオセンサーが挙げられる。
このバイオセンサーは、一般的に、絶縁性基板上に作用極と対極とからなる電極系を形成し、この電極系上にグルコースオキシターゼ(GOD)の如きグルコース酸化酵素とフェリシアン化物の如き酸化型の電子受容体(メディエータ)を含む親水性高分子の反応層を設けたものであり、反応層上に血液の如き試料液を滴下することで反応層が溶解し、グルコース酸化酵素の酵素反応により、β−D−グルコースが選択的に酸化されてD−グルコノ−δ−ラクトンに転化すると同時に、電子受容体がフェロシアン化物の如き還元型に転化し、この還元型の電子受容体を電極上で電気化学的に酸化した際に得られる酸化電流値からグルコース濃度を計測するようになっている(特許文献1〜3)。また、このようなバイオセンサーの電極系及び反応層を含む測定素子部分は、測定値表示部を有する測定器本体に対し、着脱可能な使い捨てチップとするのが普通である。
特開平4−357452号公報 特開平8−327580号公報 特開平10−48177号公報
しかしながら、前記従来のバイオセンサーのようなアンペロメトリック方式のバイオセンサーでは、測定すべき基質濃度が比較的に高い試料液(例えば、特許文献2の図4ではグルコース濃度100〜400mg/dL、特許文献3の図6では同100〜500mg/dL)を対象としており、糖尿病の場合に発生する低血糖症状に対応する低濃度血糖値の緊急測定、あるいは痛風発症の原因物質として知られる尿酸の測定等、基質が10〜100mg/dLといった低濃度の試料液については測定感度及び測定精度面から適用困難であった。
本発明は、上述の事情に鑑みて、アンペロメトリック方式のバイオセンサーとして、測定すべき基質濃度が低い場合でも安定的に高感度及び高精度で容易に定量し得るものを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、図面の参照符号を付して示せば、絶縁性基板1上に、作用極2と対極3とからなる少なくとも一組の電気化学測定用電極系が形成され、この電極系の表面近傍に、測定対象成分と選択的に反応する少なくとも1種の酵素と、該酵素に対して共役反応し得る電子受容体と、親水性高分子とを含む反応層5を有するバイオセンサーであって、前記電極系が電気化学的測定時の印加電圧において陽極溶解されない金属層からなると共に、前記一組の電極系の全抵抗値が10kΩ以下であることを特徴としている。
請求項2の発明は、上記請求項1のバイオセンサーにおいて、前記金属層が、金、白金、パラジウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、チタン、ニッケル、アルミニウム、ゲルマニウム、亜鉛、クロム、Fe−Cr系ステンレス鋼、Fe−Cr−Ni系ステンレス鋼、Fe−Cr−Ni−Mo系ステンレス鋼、Fe−Cr−Ni−Mn系ステンレス鋼、Fe−Cr−Mo合金、Fe−Cr−Mo−Cu−Si合金、Ni−Fe−Cr合金、Ni−Cu合金、Ni−Cr合金、Al−Mn系合金、Al−Mg−Si系合金、Al−Zn−Mg合金、Ni−W合金より選択される一種から構成されてなるものとしている。
請求項3の発明は、上記請求項1のバイオセンサーにおいて、前記金属層が、銅、アルミニウム、銀より選択される1種からなる下層金属膜を、電気化学的測定時の印加電圧において陽極溶解されない金属からなる上層金属膜で被覆した二層構造である構成としている。
請求項4の発明は、上記請求項1〜3のいずれかのバイオセンサーにおいて、前記一組の電極系の全抵抗値が1.2kΩ以下である構成としている。
次に、本発明の効果について図面の参照符号を付して示せば、本発明のバイオセンサーでは、基本的な構造は従来のアンペロメトリック方式のバイオセンサーと同様であるが、作用極2と対極3とからなる一組の電気化学測定用電極系の全抵抗値を10kΩ以下と低く設定することから、測定時の液部分に印加される実効電圧が高くなり、それだけ応答電流が大きくなって測定感度が上がるため、測定すべき基質濃度の低い試料液であっても安定的に高精度で容易に定量できる。しかして、上記の全抵抗値は、1.2kΩ以下がより好ましい。
電気化学測定用電極系の作用極2及び対極3の金属層は、電気化学的測定時の印加電圧において陽極溶解されないことが必要であり、そのために金、白金、パラジウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、チタン、ニッケル、アルミニウム、ゲルマニウム、亜鉛、クロム、Fe−Cr系ステンレス鋼、Fe−Cr−Ni系ステンレス鋼、Fe−Cr−Ni−Mo系ステンレス鋼、Fe−Cr−Ni−Mn系ステンレス鋼、Fe−Cr−Mo合金、Fe−Cr−Mo−Cu−Si合金、Ni−Fe−Cr合金、Ni−Cu合金、Ni−Cr合金、Al−Mn系合金、Al−Mg−Si系合金、Al−Zn−Mg合金、Ni−W合金より選択される一種から構成するか、もしくは銅、アルミニウム、銀より選択される1種からなる下層金属膜を、電気化学的測定時の印加電圧において陽極溶解されない金属又は合金からなる上層金属膜で被覆した二層構造とすることが推奨される。後者の二層構造では、下層金属膜を安価な卑金属を採用できる点で材料コストを低減できると共に、電極材料に用いる金属種の選択範囲が拡大するという利点がある。
本発明の一実施形態に係るバイオセンサーを示し、(a)は平面図、(b)は展開斜視図である。 同バイオセンサーと測定器本体を示す斜視図である。 同バイオセンサーと測定器本体とを接続した電気回路図である。 同バイオセンサーによるグルコース濃度−電流値の相関特性図である。
以下に、本発明の一実施形態に係るバイオセンサーについて、図面を参照して具体的に説明する。
図1(a)(b)に示すように、このバイオセンサーSは、三電極型であり、半硬質又は硬質合成樹脂シート等よりなる矩形の絶縁性基板1の表面に、作用極2、対極3、液絡検知極4と、これらのリード2a〜4aを設けた三極型であって、該絶縁性基板1の電極形成面上に酵素及び電子受容体と親水性高分子とを含む反応層5が形成され、該反応層5上に半硬質又は硬質合成樹脂等よりなる板状のスペーサー6が貼着され、更に該スペーサー6の全体を覆うように合成樹脂フィルム7が貼着されてなる。
作用極2は絶縁性基板1の一端側で幅広の矩形状に配置するのに対し、対極3は該作用極2の外側つまり絶縁性基板1の端縁側で小間隔を置いて対向配置しており、両極2,3のリード2a,3aは絶縁性基板1の長手方向両側縁に沿う形で平行に延びている。また、液絡検知極4は、作用極2及び対極3のリード2a,3aの間を基板長手方向に直線状に延びるリード4aの先端部として、対極3とは反対の内側で作用極2に対して小間隔を置いて配置している。
そして、反応層5は、一般的に、カルボキシメチルセルロース(以下、CMCと略称する)の如き親水性高分子の溶液を電極系上に滴下して乾燥させることで成膜したのち、電極系の液絡検知極4を除く領域上に、測定対象成分と選択的に反応する少なくとも1種の酵素と、該酵素に対して共役反応し得る電子受容体とを含有する水溶液を滴下して乾燥させることにより、作用極2及び対極3と液絡検知極4よりなる電極系の全体を覆うように配置させる。
上記酵素及び電子受容体は測定対象成分の種類によって異なるが、測定対象成分がグルコースである場合、酵素としてグルコースオキシターゼ(GOD)を、電子受容体としてフェリシアン化カリウムを用いるのが一般的である。
スペーサー6は、絶縁性基板1の表面を一端側から略2/3まで覆うサイズであり、その一端の中央から長手方向に入り込む切欠部6aを有しており、該切欠部6aの奥端部で液絡検知極4が露呈するように設定されている。また、合成樹脂フィルム7は、エア抜き穴7aを備えており、スペーサー6上に貼着することにより、該スペーサー6の切欠部6aが絶縁性基板1の一端側に開口する試料液収容空間8を構成すると共に、その試料液収容空間8の奥端部にエア抜き穴7aが臨むように設定されている。
このバイオセンサーSは、図2に示すように、測定用チップとして測定器Mの挿入口Iに絶縁性基板1の他端側(リード側)を差し込んで用いる。測定器Mは、測定値を表示する表示窓Dを備えており、内部には図3に示すようにマイクロコンピュターよりなる制御部10、A/D変換回路11、電流検出部12、スイッチ13、コネクタ14等を含む電気回路が組み込まれており、バイオセンサーSを測定器Mの挿入口Iに挿入すると、そのリード2a〜4aの各端子がコネクタ14の端子15〜17に各々接続される。そして、対極3と液絡検知極4との間に図示省略した電源により一定電位が印加される。
試料液中の対象成分(基質)を測定において、バイオセンサーSの一端側つまり試料液収容空間8の開口部8aに試料液を接触させると、該試料液が毛管現象によって試料液収容空間8に吸入されると共に、内部の空気がエア抜き穴7aから排出され、もって試料液収容空間8の全体に試料液が満たされ、この試料液に反応層5が溶解する。そして、試料液収容空間8への試料液の導入に伴い、対極3−液絡検知極4間に電流が流れ、この電流を電流検出部12で検知して測定器Mが始動し、スイッチ13がオンすると共に、内蔵タイマー(図示省略)を介して一定時間後に、作用極2−対極3間に応答電流を得るために必要な一定電圧が印加される。一方、反応層5が溶解した液中では、測定成分の基質と酵素及び電子受容体が反応し、例えば酵素が酸化還元酵素の場合、基質が酸化される一方、電子受容体が還元され、この還元された電子受容体を酸化する電流が基質濃度に依存する応答電流として測定される。
このバイオセンサーSでは、上述した基本的な構成は既知であるが、作用極2、対極3、液絡検知極4及びこれらのリード2a〜4aが電気化学的測定時の印加電圧において陽極溶解されない金属層からなると共に、作用極2及び対極3よりなる一組の電気化学測定用電極系の全抵抗値が10kΩ以下であることを特徴としている。
上記の陽極溶解されない金属層とは、層全体が電気化学的測定時の印加電圧において陽極溶解されない金属から構成されるものに限らず、該印加電圧において陽極溶解され得る金属からなる下層金属膜表面を、陽極溶解されない金属からなる上層金属膜で被覆した二層構造のものでもよい。
電気化学的測定時の印加電圧において陽極溶解されない金属は、特に制約されないが、金、白金、パラジウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、チタン、ニッケル、アルミニウム、ゲルマニウム、亜鉛、クロム、Fe−Cr系ステンレス鋼、Fe−Cr−Ni系ステンレス鋼、Fe−Cr−Ni−Mo系ステンレス鋼、Fe−Cr−Ni−Mn系ステンレス鋼、Fe−Cr−Mo合金、Fe−Cr−Mo−Cu−Si合金、Ni−Fe−Cr合金、Ni−Cu合金、Ni−Cr合金、Al−Mn系合金、Al−Mg−Si系合金、Al−Zn−Mg合金、Ni−W合金等が好適なものとして挙げられる。また、上記二層構造における下層金属膜の金属としては、銅、アルミニウム、銀等が挙げられる。
リード2a〜4aを含む作用極2及び対極3と液絡検知極4を形成するには、スパッタリング、真空蒸着、メッキ等の種々の薄膜形成手段を採用できるが、特にスパッタリングが好適である。そして、作用極2及び対極3については、リード2a,3aを含めて合計の抵抗値が10kΩ以下になるように、金属層の厚みと面積を適宜設定すればよい。
上述のように、作用極2と対極3とからなる一組の電気化学測定用電極系の全抵抗値を10kΩ以下と低く設定すれば、測定時の液部分に印加される実効電圧が高くなり、それだけ応答電流が大きくなって測定感度が上がるため、測定すべき基質濃度の低い試料液であっても安定的に高精度で容易に定量できる。しかして、上記の全抵抗値は、1.2kΩ以下がより好ましく、更に100Ω以下が最適である。
また、本発明のバイオセンサーSにおいては、電極系の電子授受表面積、つまり試料液収容空間8に露呈する作用極2と対極3の合計面積を0.2〜10mmの範囲とするのが好ましい。電子授受表面積が小さ過ぎては充分な応答性が得られず、逆に大き過ぎては試料液が少量である場合に適用困難になるためである。
上記構成のバイオセンサーSは、グルコースセンサーとして従来から広く利用されている血糖値の自己管理等に簡易に適用できるだけでなく、低濃度成分も感度よく高精度で定量できることから、低血糖症状のような緊急を要する低濃度血糖値の測定や、痛風発症の原因物質として知られる尿酸の測定等を始めとして、従来では測定感度面及び測定精度面より困難であった低濃度成分の測定にも好適に利用できる。
なお、本発明のバイオセンサーは、実施形態で例示した液絡検知極4を有しない二電極型の構成を包含する。その二電極型では、電流応答を得る前に作用極2−対極3間に電圧を印加しておき、その両極2,3間の抵抗値変化に基づいて液絡を検知することになる。また、作用極2及び対極3の他に参照極を設けたり、液絡検知極と参照極を兼用する第3極を設けたりすることも可能である。更に、実施形態では絶縁性基板1上に1組の電気化学測定用電極系を設けたものを例示したが、2組以上の電気化学測定用電極系を設けた構成としてもよい。しかして、本発明においては、作用極2及び対極3の形状と配置、リード2a,3aの配線形状、絶縁性基板1及びスペーサー6の形状、試料液収容空間8の形状と開口部8aの位置、測定器Mの電気回路構成等、細部構成については実施形態以外に種々設計変更可能である。
<バイオセンサーの製造1>
幅5mm、長さ21mm、厚さ0.2mmの白PET製シートからなる絶縁性基板1上に、パラジウムのスパッタリングによって図1(b)で示すパターンの作用極2、対極3、液絡検知極4とリード2a〜4aとを厚さ338nmの金属層として形成し、その電極系上に0.5%CMC水溶液を滴下展延し、乾燥してCMC膜を成形したのち、このCMC膜上に、0.5%CMC水溶液1mLにグルコースオキシダーゼ20mg及びフェリシアン化カリウム30mgを溶解した液を滴下、乾燥して反応層5を形成した。そして、この反応層5を設けた上に、図1の如く、幅5mm、長さ14mm、厚さ0.5mmの矩形で、一端から凹入した幅1.8mm、奥行き7mmの切欠部6aを有する透明PET製のスペーサー6と、同じ幅及び長さの矩形で、1mm径のエア抜き穴7aを有する厚さ100μmの透明PET製の樹脂フィルム7とを順次接着剤を介して接着し、容積約3μLの試料液収容空間8を有して作用極2の電子授受表面積が5.4mmであるバイオセンサーSを製造した(実施例1)。なお、金属層の形成は、サンユー電子株式会社製のQuick Coater SC−701Mk2 ADVANCEを用いて形成した。
<電極系の全抵抗値1>
上記の製造方法にて製作したバイオセンサーSのサンプルNo.1〜No.10について、作用極2と対極3からなる電気化学測定用電極系の全抵抗値を、三和電気計器株式会社製のdegital multimeter PC510aを用いて測定したところ、次の表1に示す結果が得られた。
Figure 2020143909
<低濃度グルコースに対する応答特性>
試料液としてグルコース濃度を段階的に変化させたグルコース標準液を用意し、実施例1で作製した複数個のバイオセンサーSを1回毎の使い捨てとして、各試料液を該バイオセンサーSの試料液収容空間8に吸入させ、作用極に+0.5Vの電圧を印加して応答電流値を、日置電機株式会社製のディジタル超絶縁/微少電流計DSM−8104を用いて測定した。その測定結果のうち、グルコース濃度が0〜100mg/dlの低濃度域におけるグルコース濃度−電流値の相関特性を図4に示す。
図4から明らかなように、本発明のバイオセンサーによれば、通常の測定濃度域(一般に100〜500mg/dl)より一桁低いグルコース濃度の試料液を対象として、該グルコース濃度の増減に略比例した応答電流値が得られている。従って、本発明のバイオセンサーは、従来では困難であった低濃度成分の定量測定を高精度で行えることが分かる。
<バイオセンサーの製造2>
さらに、本発明者らは、金属層の厚みのみを、477nm(実施例2)、29nm(比較例1)、26nm(比較例2)に変化させ、それ以外は、上記の製造と同一の製造にて、それぞれ17個のバイオセンサーSを製造した。
<電極系の全抵抗値2>
上記の製造方法にて製作した複数個のバイオセンサーSについて、作用極2と対極3からなる電気化学測定用電極系の全抵抗値を、三和電気計器株式会社製のdegital multimeter PC510aを用いて測定したところ、次の表2に示す結果が得られた。
Figure 2020143909
<グルコースに対する応答特性>
試料液としてグルコース濃度を段階的に変化させたグルコース標準液を用意し、実施例2(平均全抵抗値0.77kΩ)、比較例1(平均全抵抗値12.4kΩ)、比較例2(平均全抵抗値14.4kΩ)で作製した複数個のバイオセンサーSを1回毎の使い捨てとして、各試料液を該バイオセンサーSの試料液収容空間8に吸入させ、作用極に+0.5Vの電圧を印加して応答電流値を、日置電機株式会社製のディジタル超絶縁/微少電流計DSM−8104を用いて測定した。その結果、次の表3に示す結果が得られた。なお、表3に示す「×」は測定不能であったことを示している。
Figure 2020143909
上記表3から明らかなように、実施例2では、全てのバイオセンサーSが測定できたのに対し、比較例1では、測定不能であったバイオセンサーSが3個発生し、比較例2では、測定不能であったバイオセンサーSが5個発生した。測定不能であったのは、実施例2では、金属層の厚みが477nmであるのに対し、比較例1では、金属層の厚みが29nm、比較例2では、金属層の厚みが26nmと、実施例2に対して、比較例1及び比較例2の金属層の厚みが大幅に薄いため、断線が生じたのが原因と推定される。
また、上記表3から明らかなように、グルコース濃度を段階的に変化させて測定した応答電流値の比較例1では、実施例2と比較して大幅な低値であることが分かる。またさらに、比較例2では、多数のバイオセンサーSが測定不能となっており、さらには、実施例2と比較して大幅な低値であることが分かる。
しかして、図4及び表3に示す結果に鑑みれば、バイオセンサーSの全抵抗値を10kΩ以下、好ましくは、1.2kΩ以下にすれば、測定不能となることを防止できると共に、測定時の液部分に印加される実効電圧が高くなり、その結果、応答電流が大きくなって測定感度が向上していることが分かる。これにより、本発明のバイオセンサーは、測定すべき基質濃度の低い試料液であっても安定的に高精度で容易に定量できるということが分かる。
なお、本発明のバイオセンサーは、上記実施例ではグルコースセンサーとして用いているが、尿酸センサーや乳酸センサーを始めとして、酸化還元酵素や脱水素酵素等が関与する他の種々の測定系にも利用できる。また、反応層5を構成する親水性高分子の種類、濃度、滴下量、共存させる酵素及び電子受容体の種類、濃度、使用量等についても、実施例で示した条件に限定されず、測定対象成分毎の適正条件に設定できる。一方、上記の実施例では一個のバイオセンサーを製造する形で説明しているが、実際の製造では、製造効率面より、絶縁性基板1、スペーサー6、樹脂フィルム7として多数個のバイオセンサーに対応する大サイズのものを用い、電極形成や反応層5の形成を含めて一括処理し、得られた積層体を切断することで、多数個のバイオセンサーを同時に作製するのが普通である。
1 絶縁性基板
2 作用極
2a リード
3 対極
3a リード
5 反応層
S バイオセンサー

Claims (4)

  1. 絶縁性基板上に、作用極と対極とからなる少なくとも一組の電気化学測定用電極系が形成され、この電極系の表面近傍に、測定対象成分と選択的に反応する少なくとも1種の酵素と、該酵素に対して共役反応し得る電子受容体と、親水性高分子とを含む反応層を有するバイオセンサーであって、
    前記電極系が電気化学的測定時の印加電圧において陽極溶解されない金属層からなると共に、前記一組の電極系の全抵抗値が10kΩ以下であることを特徴とするバイオセンサー。
  2. 前記金属層が、金、白金、パラジウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、チタン、ニッケル、アルミニウム、ゲルマニウム、亜鉛、クロム、Fe−Cr系ステンレス鋼、Fe−Cr−Ni系ステンレス鋼、Fe−Cr−Ni−Mo系ステンレス鋼、Fe−Cr−Ni−Mn系ステンレス鋼、Fe−Cr−Mo合金、Fe−Cr−Mo−Cu−Si合金、Ni−Fe−Cr合金、Ni−Cu合金、Ni−Cr合金、Al−Mn系合金、Al−Mg−Si系合金、Al−Zn−Mg合金、Ni−W合金より選択される一種から構成されてなる請求項1に記載のバイオセンサー。
  3. 前記金属層が、銅、アルミニウム、銀より選択される1種からなる下層金属膜を、電気化学的測定時の印加電圧において陽極溶解されない金属からなる上層金属膜で被覆した二層構造である請求項1に記載のバイオセンサー。
  4. 前記一組の電極系の全抵抗値が1.2kΩ以下である請求項1〜3のいずれかに記載のバイオセンサー。
























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