JP2020143439A - 筒状構造物 - Google Patents
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Description
また、組み立て容器が大型化して上部開口が大径になると、薄い板状の蓋では自重によるたわみが大きくなるという欠点がある。蓋の強度を改善するためには蓋に梁構造を設けたり、蓋を構成する複数の短冊状の板を厚くしたりする必要があり、運搬と組立が煩雑で作業に時間がかかり、コスト高になるという欠点もある。
本発明によれば、リング状に配列された頂版セグメントの内側に中間セグメントを連結して配列し、中間セグメント間の開口にキーセグメントを嵌合するため、各セグメントが先細形状にならず製造が容易である上にコンクリートで現場打ちしなくても容易に組み立てできる。しかも、頂版セグメントは側部から頂部に向けて一体形成されているため防水性が高くて高強度である。
頂版セグメントの頂版部と中間セグメントがアーチ状であるため、筒状構造物の強度を補強できる。
本発明によれば、頂部の中央の開口に多角形状のキーセグメントを嵌合させるため、各セグメントが先細にならず高強度で製造と組み立てが容易である。
頂部の中央の開口に円形のキーセグメントを嵌合させるため、各セグメントが先細にならず高強度で製造と組み立てが容易である。
本発明によれば、筒状構造物の底部が、キーセグメントの周囲に中間セグメントを連結して配列され、更に中間セグメントの周囲に底版セグメントを連結して配列されることで構築されており、各セグメントが先細形状にならず製造が容易である上にコンクリートで現場打ちしなくても組み立てできる。しかも、底版セグメントは底面部から側壁部に起立して形成されており、高強度で防水性が高い。
また、筒状構造物の頂部または底部の構造を、キーセグメントと中間セグメントと頂版セグメントまたは底版セグメントとで構築できるため、筒状構造物が大径化しても蓋が大型化したり厚みを増大させたりする必要がなく、高強度で容易に組み立てできる。
図1乃至図4は本発明の第一実施形態による筒状構造物を示すものである。この筒状構造物は概略で円筒形状のタンクからなる円筒構造物1である。この円筒構造物1は例えば離島や山頂、地下等に設置される貯水タンクまたは石油タンク等として用いられ、これらを地上タンクまたは地下タンクとする。
円筒構造物1は、円板状の底部2と略円筒状の側部3とその上部に連結された略ドーム型の頂部4と蓋5とで構成されている。蓋5は頂部4の上端に形成された開口15を開閉可能な蓋体となるキーセグメントである。
側部3は、例えば平面視長方形板状で円弧状に湾曲形成された側部セグメント8が千鳥状に積み上げられて継手で連結されて構成されている。頂部4は図1及び図2に示すように複数、例えば16等分割された頂版セグメント10が側面同士で継手によって接合されてリング状に配列された構成を有している。
頂版セグメント10は側部セグメント8の上面に側壁部11側の端面10aが継手で連結され、側面10b同士が互いに継手で連結されて周方向にリング状に配列されている。しかも、リング状に配列された複数の頂版セグメント10の内周面10cは円形に形成されている。
4枚の中間セグメント14は長面14b同士が互いに直交して風車状に連結され、その中央に四角形、例えば正方形状の空間が開口15として形成されている。この開口15内には例えば正方形板状の蓋5が着座することで頂部4が密閉される。蓋5はキーセグメントを構成する。開口15は水や石油等の資材の投入排出口になるため、蓋5は開閉可能であり、継手を介して中間セグメント14に連結可能である。
底部セグメント7a、7b、7c、7d、側部セグメント8、頂版セグメント10、中間セグメント14、蓋5はシールドトンネル等に用いる鉄筋コンクリート製のコンクリートセグメントである。これに代えて、コンクリートと鋼材からなる合成セグメントや鋼材からなる鋼製セグメントを用いてもよい。しかも、各セグメントを例えば幅2m以下に製造することでトラック等による運搬や組み立てが容易になる。
まず、離島や山頂等において、床面上、または地上に外足場を組んだ後、底部セグメント7a、7b、7c、7dを継手を介して互いに接合して底部2を構築する。次に底部2の上面周縁部に側部セグメント8を継手を介して接合し、その上段には千鳥組になるように側部セグメント8を半分の長さ分だけ水平方向にずらして継手を介して接合する。この積み上げ作業を適宜の高さまで施工して側部3を構築する。
そのため、離島や山頂等において、生コン車のコンクリート等を現場打ちすることなく容易に円筒構造物1を組み立てできる。しかも、各セグメントは予め工場で製造できるため現場では組み立てるだけでよく、組み立て効率がよく製造コストや施工コストを低廉にできる。
また、円筒構造物1が大型のドーム状施設であっても、底部2、側部3、頂部4を各セグメントに分割して形成でき、しかも各セグメントを例えば幅2m以下に形成することで運搬時や組み立て時の取り扱いが容易になる。また、円筒構造物1の組み立てに際して、頂部4では蓋5をキーセグメントとして中間セグメント14間の開口15に嵌め込み可能であるため、組立容易でバランスがよく高強度に組み立てできる。
しかも、本実施形態による円筒構造物1によれば、円筒構造物1の内部に支保工を立てる必要がなく、外足場を設置するだけで組み立て作業を行える。
本実施形態では円筒構造物18が大型化し、中間セグメント14が大型化して開口15が第一実施形態の円筒構造物1より大型化している。この場合、中間セグメント14間に形成された開口15に載置するキーセグメントとしての蓋5を分割して第一キーセグメント19aと第二キーセグメント19bとで構成することができる。第一キーセグメント19aと第二キーセグメント19bは例えば長方形板状に形成されている。これによって、蓋5の第一キーセグメント19aと第二キーセグメント19bを小型化できて、運搬や組み立て等の取り扱いが容易になる。
なお、第一キーセグメント19aと第二キーセグメント19bは長方形状に限定されるものではなく、例えば三角形板状やその他の適宜形状を採用できる。また、蓋5は必ずしも2分割でなくてもよく、3分割以上に形成してもよい。
本実施形態では、円筒構造物22は、頂部4において、リング状に配列された頂版セグメント10の内周面10cに5枚の中間セグメント14の外周面14aを継手を介して等間隔に連結している。これにより、中間セグメント14で囲われた中央に正五角形の空間からなる開口15が形成されている。この開口15に正五角形の蓋5を載置することで閉鎖できる。
本実施形態では、円筒構造物25は、頂部4において、リング状に配列された頂版セグメント10の内周面10cに6枚の中間セグメント14の外周面14aを継手を介して等間隔に連結している。これにより、中間セグメント14で囲われた中央に正六角形の空間からなる開口15が形成されている。この開口15に正六角形の蓋5を載置することで閉鎖できる。
このように、頂部4において、リング状の頂版セグメント10の内側に連結して配置する中間セグメント14の数を増減することで、その内側の開口15の面積と形状を変化させることができる。そのため、開口15と開口15に載置するキーセグメントとしての蓋5を小型化できて、運搬や組み立て等の取り扱いが一層容易になる。なお、開口15と蓋5は中間セグメント14の配設数や形状に応じて適宜の多角形状に形成できる。
本実施形態では、円筒構造物30の頂部4において、リング状に配列された頂版セグメント10の内周面10cに8枚の中間セグメント31が継手を介してリング状に等間隔に連結されている。この中間セグメント31は平面視略台形状で上下辺が円弧状に湾曲して形成されており、8枚の中間セグメント31がリング状に連結して形成されている。そのため、中間セグメント31で囲われた中央に円形の空間からなる開口15が形成されている。この開口15にキーセグメントとして円形の蓋5を載置することで閉鎖できる。
本実施形態による円筒構造物35は底部2と頂部4と蓋5とで構成されており、側部3は設けられていない。本実施形態においては、底部2と頂部4と蓋5は第一実施形態による円筒構造物1と同一構成を有している。即ち、底部2は底部セグメント7a、7b、7c、7dを適宜組み合わせて円板状に形成されている。頂部4は底部2の周縁部に側壁部11が連結された頂版セグメント10が周方向にリング状に配列され、各頂版セグメント10の内周面10cに中間セグメント14の外周面14aが等間隔で連結されている。そして、中間セグメント14の内側の正方形をなす開口15に正方形板状の蓋5がキーセグメントとして載置されて密閉されている。
本実施形態による円筒構造物38は、図10に示すように、底部39と側部3と頂部4とを備えており、頂部4に形成した開口15に蓋5を着座可能としている。側部3、頂部4、蓋5については上述した第一実施形態による円筒構造物1と同一の構成を有している。底部39において、第一実施形態と相違する。
底部39は、図12に示すように、中央にキーセグメントとなる円形板状の中央セグメント40が設けられている。中央セグメント40の周囲に所定幅を有する円弧版状または略台形状の複数枚、例えば5枚の第一中間セグメント41が継手を介してリング状に取り付けられている。周方向に配列された複数の第一中間セグメント41間の空間にはキーセグメント41aが装着されている。
底版セグメント45は、図11に示すように、第二中間セグメント44の外周面に継手等で連結されていて略台形状をなす底面部46と底面部46の外周側端部から屈曲して上方に起立する側壁部47とを有する断面略L字形状とされている。側壁部47は側部3の側部セグメント8に対応して円弧状に湾曲して形成されている。底版セグメント45の側壁部47の上面には継手を介して側部セグメント8が連結されている。なお、第一中間セグメント41と第二中間セグメント44は中間セグメントに含まれる。
円筒構造物38の組み立て時には、底部39は中央セグメント40、第一中間セグメント41、第二中間セグメント44、底版セグメント45の順に組み立てることが好ましい。
そのため、離島や洋上や海底や山頂や地下等において、円筒構造物38の頂部4、側部3及び底部39を生コンクリート等で現場打ちすることなく容易に組み立てできる。しかも、各セグメントは予め工場で製造できるため現場では継手を介して組み立てるだけでよく、組み立て効率がよく製造コストや施工コストを低廉にできる。
2、39 底部
3 側部
4 頂部
5 蓋
7a、7b、7c、7d 底部セグメント
8 側部セグメント
10 頂版セグメント
11、47 側壁部
12 頂版部
14 中間セグメント
15 開口
19a 第一キーセグメント
19b 第二キーセグメント
41a キーセグメント
40 中央セグメント
41 第一中間セグメント
44 第二中間セグメント
45 底版セグメント
46 底面部
Claims (5)
- 起立する側壁部から屈曲して頂部に向けて延びていてリング状に配列された頂版セグメントと、
前記頂版セグメントの内側に連結されて周方向に配列された中間セグメントと、
前記中間セグメント間の開口に嵌合されたキーセグメントと、
を備えたことを特徴とする筒状構造物。 - 前記頂版セグメントは前記側壁部と頂部に向けて延びる略台形状の頂版部とを有しており、前記頂版部と前記中間セグメントはアーチ状に湾曲または傾斜している請求項1に記載された筒状構造物。
- 複数の前記中間セグメントで形成する前記開口は多角形状とされ、前記開口に多角形状の前記キーセグメントが嵌合している請求項1または2に記載された筒状構造物。
- 複数の前記中間セグメントで形成する前記開口は円形とされ、前記開口に円形の前記キーセグメントが嵌合している請求項1または2に記載された筒状構造物。
- 中央に配設されたキーセグメントと、
前記キーセグメントの周囲に連結して配列された中間セグメントと、
前記中間セグメントの周囲に連結して配列されていて径方向外側に延びる底面部と該底面部から屈曲して起立する側壁部とを有する底版セグメントと、
を備えたことを特徴とする筒状構造物。
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2019
- 2019-03-04 JP JP2019038535A patent/JP2020143439A/ja active Pending
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