JP2020141508A - 送電制御方法、送電管理システム及びプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
分散電源を備えた顧客を含むグループ毎に消費電力の合計値を求め、グループ内の消費電力の合計値に応じて分散電源の供給電力を増減する技術がある(特許文献2参照)。
しかし、設置先の需要量が分散電源の発電出力より少ない場合、発電出力を下げる必要がある。その際、発電出力を制御せずに余剰電力を逆潮して電力会社に買い取ってもらう方法もある。
現在、自己託送の多くは、設置先における電力需要の超過分(すなわち余剰電力)を自身の別の工場等に送電する目的で利用されている。このため、分散電源を設置する工場等を有しない需要家による利用は進んでいない。また、現在の自己託送の多くは、余剰電力の有効活用を目的とする。
請求項2に記載の発明は、前記各需要家が電力系統から受電する電気の量の変動を、予め定めた時間単位で個別に予測する、請求項1に記載の送電制御方法である。
請求項3に記載の発明は、前記各需要家が受電した電気の量を測定する電力計の測定値に基づいて、電力系統から受電される電気の量を予測する、請求項2に記載の送電制御方法である。
請求項4に記載の発明は、前記自家用発電設備は、分散電源である、請求項1に記載の送電制御方法である。
請求項5に記載の発明は、前記分散電源は、燃料電池である、請求項4に記載の送電制御方法である。
請求項6に記載の発明は、前記各需要家が電力系統から受電する電気の量の予測値が、前記自家用発電設備が発電可能な上限量を超える場合、上限量での発電を当該自家用発電設備に指示する、請求項1に記載の送電制御方法である。
請求項7に記載の発明は、前記自家用発電設備で発電して外部に送電した電気の量を予め定めた時間単位で計測し、計測された電気の量と、電力融通サービスを利用する前記各需要家が受電した電気の量とが異なる場合、それぞれの値を個別に記憶する、請求項1に記載の送電制御方法である。
請求項8に記載の発明は、前記自家用発電設備で発電して外部に送電する電気の量が、当該自家用発電設備から発電される電気の全量である、請求項1に記載の送電制御方法である。
請求項9に記載の発明は、前記自家用発電設備が電力融通サービスを利用する複数の需要家によって共用される場合、当該自家用発電設備が発電する電気の量を、当該複数の需要家間で予め定めた各需要家の分配割合を満たす範囲で制御する、請求項1に記載の送電制御方法である。
請求項10に記載の発明は、前記分配割合は、予め定めた時間単位で変化する、請求項9に記載の送電制御方法である。
請求項11に記載の発明は、電力融通サービスを利用する前記各需要家が受電する電気を発電するために前記自家用発電設備が消費する燃料に関する費用と発電された電気を電力系統経由で送電するための費用との合計が、小売電気事業者から電気を購入する場合の費用より低い場合に、当該自家用発電設備で電気を発電して当該各需要家に送電させる処理を更に有する、請求項1に記載の送電制御方法である。
請求項12に記載の発明は、電力融通サービスを利用する前記各需要家が前記自家用発電設備を利用する費用、当該自家用発電設備の保守に要する費用、当該自家用発電設備が消費した燃料の料金、発電された電気を電力系統経由で送電するための費用を用いて、電力融通サービスを利用する料金を計算する処理を更に有する、請求項1に記載の送電制御方法である。
請求項13に記載の発明は、前記自家用発電設備の余剰電力分は、電力融通サービスを利用して受電する権利として取引される、請求項1に記載の送電制御方法である。
請求項14に記載の発明は、電力融通サービスを利用する各需要家が電力系統から受電する電気の量を個別に予測する予測部と、前記各需要家の自家用発電設備で発電され、電力系統に送電される電気の量を、予測された電気の量に応じて制御する制御部とを有する送電管理システムである。
請求項15に記載の発明は、通信網に接続された端末に、電力融通サービスを利用する各需要家が電力系統から受電する電気の量を個別に予測する機能と、前記各需要家の自家用発電設備で発電され、電力系統に送電される電気の量を、予測された電気の量に応じて制御する機能とを実行させるプログラムである。
請求項2記載の発明によれば、実際の需要に応じた量の電気を発電して送電できる。
請求項3記載の発明によれば、需要の予測の精度を高めることができる。
請求項4記載の発明によれば、設置場所の自由度を高めることができる。
請求項5記載の発明によれば、環境負荷を低減できる。
請求項6記載の発明によれば、発電を継続できる。
請求項7記載の発明によれば、自家用発電設備から送電した電気の量とそれ以外の電気の量を区別できる。
請求項8記載の発明によれば、発電場所での消費を前提としない電力融通サービスを実現できる。
請求項9記載の発明によれば、自家用発電設備を単独で利用する場合に比して発電効率を高めることができる。
請求項10記載の発明によれば、各需要家の需要の変動に対応できる。
請求項11記載の発明によれば、総支払額を低減できる。
請求項12記載の発明によれば、自家用発電設備を活用した電気融通サービスの利用を手軽に開始できる。
請求項13記載の発明によれば、余剰電力を活用した電力融通サービスを実現できる。
請求項14記載の発明によれば、電力融通サービスを利用する需要家の需要に応じて自家用発電設備の発電量を制御し、発電された電気を電力系統経由で該当する需要家に送電できる。
請求項15記載の発明によれば、電力融通サービスを利用する需要家の需要に応じて自家用発電設備の発電量を制御し、発電された電気を電力系統経由で該当する需要家に送電できる。
<利用形態>
図1は、実施の形態1で想定する電力融通サービスの利用形態を説明する図である。
本実施の形態は、1台の自家用発電設備で発電された電気の全量を、電気融通サービスを利用する需要家であって、自家用発電設備に対して一対一に関連付けられた1名の需要家に送電する利用の形態を想定する。
図1の場合、電気融通サービスの利用者は、需要家A、需要家B、需要家Cの3名である。需要家A、B、Cは、個人でも事業者でもよく、営利非営利も問わない。また、需要家A、B、Cは、電気融通サービスの利用者である点で共通するだけであり、資本関係、業務上の提携関係、人的な関係等は問わない。
本実施の形態の場合、自家用発電設備30Aで発電された電気の全量は、電力系統10を通じて、需要家Aの需要地40Aに送電される。自家用発電設備30Bで発電された電気の全量は、電力系統10を通じて、需要家Bの需要地40Bに送電される。自家用発電設備30Cで発電された電気の全量は、電力系統10を通じて、需要家Cの需要地40Cに送電される。
土地20と需要地40A、土地20と需要地40B、土地20と需要地40Cは物理的に離れている。需要地40A、40B、40Cは異なる場所に存在する場合を想定するが、例えば同じ建物の異なるフロアに存在する場合や同じ敷地内の異なる区画に存在してもよい。
図1の場合、1つの土地20が3つの区画20A、20B、20Cに区分され、それぞれに自家用発電設備30A、30B、30Cが設けられているが、区分の数は3つに限らない。例えば区分の数は1つでもよいし、2つでもよいし、4つ以上でも構わない。
区分の数が1つの場合には、1名の需要家のみが関連付けられる。この場合、自家用発電設備30A、30B、30Cは、それぞれ異なる土地20に配置される。もっとも、1つの土地20に複数台の自家用発電設備30A、30B、30Cが設置されていれば、複数台の自家用発電設備30A、30B、30Cが分散的に設置されている場合に比して保守作業の効率性が高くなる。
また、図1の場合には、1名の需要家に対して自家用発電設備が1台設けられているが、1名の需要家に対して複数台の自家用発電設備が設けられてもよい。
本実施の形態における自家用発電設備30A、30B、30Cには、例えば水力発電装置、火力発電装置、自然エネルギー発電装置、燃料電池等が含まれる。この種の電源は、分散電源とも呼ばれる。また、自家用発電設備30A、30B、30Cは、発生した電力を貯める蓄電システムでも良い。
もっとも、本実施の形態の場合、自家用発電設備30A、30B、30Cとして、発電量を制御可能な電源を想定する。この種の電源には、例えば石油、ガスなどの燃料の燃焼により発電する電源がある。また、この種の電源には、例えば水素、アルコールなどの燃料と空気中の酸素等との反応により発電する電源がある。換言すると、本実施の形態では、自家用発電設備30A、30B、30Cは、燃料を用いて発電する、自然環境とは無関係に発電出力の大きさを制御可能な電源を使用する。
自家用発電設備30A、30B、30Cの利用に要する費用には、例えば区画20A、20B、20Cの賃料や自家用発電設備30A、30B、30Cのリース代金等が含まれる。もっとも、前述した費目の全てが利用料金の明細書に記載されるとは限らない。
本実施の形態における電力系統10には、一般電気事業者の送配電ネットワークが含まれている。具体的には、送電線、配電線、引込線、自営線などの電力設備が含まれる。
図2は、実施の形態1で想定する電力システム1の構成例を示す図である。本実施の形態では、説明を簡単にするため、需要家Aについて説明する。
図2に示す電力システム1は、電力系統10と、需要家Aに対応する区画20A側の設備と、需要家Aに対応する需要地40A側の設備と、これらの設備を接続するインターネット50と、電力融通サービスを提供する事業者の管理サーバ60とで構成されている。
図2の場合、区画20Aには、自家用発電設備30A、需要地40Aに送電される電気の量を計測する電気メーター31、インターネット50を経由して管理サーバ60と通信する端末32が設けられている。ここでのインターネット50は通信網の一形態である。
端末32は、電力系統10への逆潮により送電される電気の量、発電に伴い自家用発電設備30Aで消費された燃料の量などの情報を管理サーバ60に送信すると共に、管理サーバ60から指示された電気を発電するように自家用発電設備30Aを制御する機能を有している。
なお、燃料を用いて発電する場合は、使用した燃料量を測定し、その量に応じた発電量を予め算出しておき、発電量に変換しても良い。
また、区画20Aには、自家用発電設備30Aで消費される燃料(例えばガス)の流量を測定する不図示のメーターも設けられる。流量の測定値より、発電に伴い消費された燃料の量を算出することができる。算出された燃料の量は、端末32から管理サーバ60に通知される。
ここでの電気使用機器41は、需要地40A内に敷設された配線を通じて電気を受電する機器であれば任意である。電気メーター42は、電力系統10から受電された電気の量を計測する電力計である。電気メーター42は、測定機能と通信機能を内蔵するスマートメーターでもよい。
端末43は、電気使用機器41、電気メーター42その他の機器と通信するアクセスポイント、ルータ、コンピュータ端末等であり、電気メーター42で測定された電気の量(すなわち受電量)等を管理サーバ60に通知する機能を有している。電気メーター42がスマートメーターである場合、電気メーター42が端末43の機能を兼用してもよい。
本実施の形態の場合、送電管理システムとしての管理機能は、単一の管理サーバ60に集約されているが、一部の機能が需要家A側の端末43に搭載されてもよいし、インターネット50上の他のサーバに搭載されてもよい。すなわち、送電管理システムとしての管理機能は、インターネット上の複数の端末に分散されていてもよい。
コンピュータ端末としての管理サーバ60は、プログラム(基本ソフトウェアを含む)の実行を通じて装置全体を制御するCPUと、BIOS等を記憶するROMと、プログラムの実行領域として使用されるRAMと、不揮発性の記憶装置としてのハードディスク装置等を有している。
図3に示す機能構成は、CPUによるプログラムの実行を通じて実現される。なお、管理サーバ60は、電力融通サービスの管理機能の専用装置である必要はない。
図3に示すように、管理サーバ60は、電力融通サービスを利用する需要家別に受電実績データを取得する受電実績取得部611と、受電実績データに基づいて需要家別に次の予測期間に受電する電気の量(すなわち受電量)を予測する受電量予測部612と、予測された受電量に基づいて対応する需要家に対応付けられた自家用発電設備30Aの発電量を制御する発電量制御部613、需要家毎の利用料金を計算する利用料金計算部614等の機能を有している。
なお、図3に示す管理サーバ60には、需要家毎に取得された受電実績データを格納する受電実績データベース(DB)615、各需要家に対応する自家用発電設備30A(図1参照)の発電制御に使用するデータを格納する発電用データベース(DB)616、各需要家の利用料金の計算に必要な情報を格納する料金管理用データベース(DB)617が格納されている。
図4は、需要家Aの受電実績データの一例を示す図である。横軸は時間であり、縦軸は受電量である。本実施の形態の場合、需要家Aは平日に業務系の業務を行う事業者であり、9時から18時までを業務時間とし、12時から13時を昼休みとしている。なお、業務時間外における受電量は、業務時間中に比して格段に少ないものとする。
図4に示すように、受電実績データは、予め定めた時間単位(例えば30分)毎の集計値として与えられる。受電実績データは、平日に限らず、休日、1週間、月単位、四半期単位など、受電量の予測の精度を高める期間で取得してもよい。また、受電実績データとして、同種の事業者や同規模の事業者における受電量の情報等を参照してもよい。さらに、天候などの外的要因から受電量を予測しても良い。図4に示す受電実績データは、受電実績データベース615に格納されている。
受電量予測部612は、受電実績データベース615に格納されている受電実績データに基づいて、各需要家が需要地で受電する電力量を予測する。予測期間は、例えば現在時刻の次に開始される測定期間である。予測された受電量は、例えば発電用データベース(DB)616に格納される。
受電量予測部612は、予め定めたプログラムで規定された処理や計算により受電量を予測してもよいし、受電実績データと対象期間における受電量の予測値との関係を学習した学習モデルに受電実績データを与えることにより受電量の予測値を出力してもよい。なお、学習モデルは、教師データを与える手法を用いて生成してもよいし、望ましい結果に報酬を与える強化学習の手法で生成してもよい。
図5は、実施の形態1で使用する発電用データベース616のデータ構造例を示す図である。図5に示すデータ構造は一例であり、記載された項目は必須ではなく、他の項目の格納も任意である。
図5に示す発電用データベース616には、サービス利用者である需要家に関する情報が記録されている。例えば各需要家に対応付けられた自家用発電設備の識別子(発電設備ID)、種別、最大発電量(発電可能な上限量)、予測値としての受電量、実績値としての送電量、実績値としての受電量等が記録される。
燃料を用いて発電する自家用発電設備の場合、最大発電量は、性能上の最大発電量(すなわち定格出力)である。一方、太陽光発電設備のように発電量が自然環境の影響を受ける場合、最大発電量は、各時点で発電可能な電力量の最大値(上限量)である。
予測値としての受電量には、受電量予測部612による予測値が格納される。実績値としての送電量には、自家用発電設備30Aから電力系統10に逆潮された電気の量(具体的には、電気メーター31(図2参照)によって測定された電気の量)が格納される。実績値としての受電量には、需要地で受電された電気の量(具体的には、電気メーター42(図2参照)によって測定された電気の量)が格納される。
発電量制御部613は、原則として、受電量の予測値に一致するように、自家用発電設備30A(図2参照)の発電量を指示する。ただし、受電量の予測値が自家用発電設備30A(図2参照)における最大発電量を越える場合には、最大発電量での発電を指示する。
利用料金計算部614は、料金管理用データベース617を使用して、電力融通サービスの利用料金を計算する。
図6は、実施の形態1で使用する料金管理用データベース617のデータ構造例を示す図である。図6に示すデータ構造は一例であり、記載された項目は必須ではなく、他の項目の格納も任意である。
図6に示す料金管理用データベース617には、サービス利用者たる需要家毎にサービス料金の内訳と合計金額の情報が記録されている。図6の場合、サービス料金の内訳として、各需要家に対応付けられた自家用発電設備の利用費用、保守費用、燃料費、送電費が示されている。
図7は、実施の形態1に示す電力システム1で実行される処理動作の一例を示す図である。なお、図中の記号Sはステップを示す。ここでの処理動作は、送電制御方法の一形態である。
本実施の形態の場合、需要家Aに対応する需要地40A側の端末43が管理サーバ60に対して受電量を通知する(ステップ1)。この通知は、例えば30分毎に実行される。
管理サーバ60は、通知を受けた受電量を記録する(ステップ2)。本実施の形態の場合、通知を受けた受電量は、受電実績データベース615(図3参照)や発電用データベース616(図3参照)に記録される。
需要家Aについて受電量の実績値と送電量の実績値が得られると、管理サーバ60は、受電量と送電量が異なるか否かを判定する(ステップ4)。受電量と送電量の不一致は、予測に対して受電量が少ない場合や予測に対して受電量が多い場合に発生する。
ステップ4で肯定結果が得られた場合、管理サーバ60は、送電量を記録する(ステップ5)。ここでの記録は、自家用発電設備30Aから受電した電力分と小売電気事業者から購入した電力分を区別するために実行される。
ステップ4で否定結果が得られた場合、管理サーバ60は、送電量を記録しない。送電量は受電量と同じであり、受電量はステップ2で記録済みである。
受電量が予測されると、管理サーバ60は、予測値が最大発電量より大きいか否かを判定する(ステップ7)。
ステップ7で肯定結果が得られた場合(すなわち、予測値が最大発電量より大きい場合)、管理サーバ60は、予測値として自家用発電設備30Aの最大発電量を設定する(ステップ8)。ここでの最大発電量は、判定時点における最大発電量である。
ここでの電気代は、判定の時間帯において、電気の購入先である小売電気事業者が適用する料金表に基づいて計算される。なお、太陽光発電設備のように燃料を必要としない自家用発電設備30Aの場合には、送電費の予測値と電気を購入する場合の電気代とが比較される。
本実施の形態では、従量的に変動する燃料費と送電費の合計金額を比較の対象としているが、自家用発電設備30Aの利用費用や保守費用の時間割り分も合計金額に含めてもよい。
ステップ9で肯定結果が得られた場合、管理サーバ60は、予測値での発電を指示する(ステップ10)。
管理サーバ60から発電量の指示を受信した端末32は、指示に従って、自家用発電設備30Aの発電量を設定する(ステップ11)。
<利用形態>
図8は、実施の形態2で想定する電力融通サービスの利用形態を説明する図である。図8には、図1との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態は、1台の分散電源を複数の需要家で共用する場合に対応する。図8の場合は、土地20に設置された1台の自家用発電設備30を需要家A、B、Cの3名で共用している。
図9は、実施の形態2で想定する電力システム1Aの構成例を示す図である。図9には、図2との対応部分に対応する符号を付して示している。
図9に示す電力システム1Aは、電力系統10と、自家用発電設備30が設けられている土地20側の設備と、需要家Aに対応する需要地40A側の設備と、需要家Bに対応する需要地40B側の設備と、需要家Cに対応する需要地40C側の設備と、これらの設備を接続するインターネット50と、電力融通サービスを提供する事業者の管理サーバ60Aとで構成されている。
本実施の形態における管理サーバ60Aには、複数の需要家間で事前に定められた分配割合の情報を格納する分配割合データベース(DB)618が新たに設けられる点で、実施の形態1における管理サーバ60(図3参照)と相違する。また、本実施の形態における発電量制御部613Aには、複数の需要家間で事前に定められた分配割合に応じて発電量を制御する機能が設けられる点でも相違する。
例えば0時〜6時の時間帯の場合、需要家Aには最大発電量(定格出力)の20%が割り当てられ、需要家BとCには最大発電量(定格出力)の40%がそれぞれ割り当てられている。
また例えば6時〜12時の時間帯の場合、需要家Aには最大発電量(定格出力)の80%が割り当てられ、需要家BとCには最大発電量(定格出力)の10%がそれぞれ割り当てられている。
また例えば12時〜18時の時間帯の場合、需要家Aには最大発電量(定格出力)の60%が割り当てられ、需要家Bには最大発電量(定格出力)の30%が割り当てられ、需要家Cには最大発電量(定格出力)の10%が割り当てられている。
また例えば18時〜24時の時間帯の場合、需要家AとCには最大発電量(定格出力)の30%がそれぞれ割り当てられ、需要家Bには最大発電量(定格出力)の40%が割り当てられている。
図11では、相対的に日中に受電量が多い需要家Aと、相対的に夜間に受電量が多い需要家B、Cとを組み合わせることで、自家用発電設備30の一日の発電量の変動を少なくしている。
本実施の形態の場合、各需要家に対する送電量は、分配割合で定められた電力量(割当発電量)の範囲で制御される。もっとも、各需要家の受電量の総和が自家用発電設備30の最大発電量を越えない場合(すなわち、分配可能な発電余力がある場合)には、余力分の電気を分配割合により制限を受けた需要家に個別に割り当ててもよい。
図12は、実施の形態2に示す電力システム1Aで実行される処理動作の一例を示す図である。図12には、図7との対応部分に対応する符号を付して示している。なお、図中の記号Sはステップを示す。ここでの処理動作は、送電制御方法の一形態である。
本実施の形態の場合、需要家Aに対応する需要地40A側の端末43が管理サーバ60Aに対して受電量を通知し(ステップ1A)、需要家Bに対応する需要地40B側の端末43が管理サーバ60Aに対して受電量を通知し(ステップ1B)、需要家Cに対応する需要地40C側の端末43が管理サーバ60Aに対して受電量を通知する(ステップ1C)。ここでの通知も、例えば30分毎に実行される。
管理サーバ60Aは、通知を受けた受電量を需要家別に記録する(ステップ21)。本実施の形態の場合も、通知を受けた受電量は、受電実績データベース615(図3参照)や発電用データベース616(図3参照)に記録される。
本実施の形態の場合、管理サーバ60Aは、需要家別に、受電量の実績値と送電量の実績値が異なるか否かを判定する(ステップ41)。ここでの送電量は、先の予測期間に決定された送電量である。
管理サーバ60Aは、ステップ41で肯定結果が得られた需要家について、該当する需要家別の送電量を記録する(ステップ51)。一方、管理サーバ60Aは、ステップ41で否定結果が得られた需要家について、送電量を記録しない。
受電量が予測されると、管理サーバ60Aは、各需要家の予測値が各需要家に割り当てられている割当発電量より大きいか否かを判定する(ステップ71)。
ステップ71で肯定結果が得られた需要家(すなわち、予測値が割当発電量より大きい需要家)に対し、管理サーバ60Aは、予測値として割当発電量を設定する(ステップ81)。なお、割当発電量は、判定時における最大発電量に基づいて定まる。
ステップ71で否定結果が得られた場合、又は、ステップ81の後、管理サーバ60Aは、予測値に基づいて自家用発電設備30が発電する場合に発生する燃料費の予測値と送電費の予測値の合計金額が、小売電気事業者から電気を購入する場合の電気代より小さいか否かを需要家別に判定する(ステップ91)。
次に、管理サーバ60Aは、各需要家の予測値の総和による発電を端末32に指示する(ステップ101)。
管理サーバ60Aから発電量の指示を受信した端末32は、指示に従って、自家用発電設備30の発電量の総和を設定する(ステップ111)。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上述の実施の形態に記載の範囲に限定されない。前述した実施の形態に、種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
もっとも、需要家の組み合わせと分配割合は、自家用発電設備30による発電量(すなわち送電量)の変動が少なくなるように定めることが望ましい。組み合わせと分配割合の決定に際しては、例えば自家用発電設備30の種別、最大発電量、需要家の受電パターンや受電量等を参照する。
この際、対応関係を機械学習した学習モデルに自家用発電設備30の種別、最大発電量、需要家の受電パターンや受電量等を与え、自家用発電設備30に割り当てる需要家の組み合わせや分配割合を決定してもよい。なお、機械学習では、事前に教師データを与える手法を用いてもよいが、強化学習のように教師データを用いない学習を採用してもよい。
前述の実施の形態においては、自家用発電設備の発電量を、需要家が電力系統から受電する電力量の予測値に基づいて制御しているが、自家用発電設備の発電能力に対して需要が少ない場合には、余剰電力の一部又は全部を、電力融通サービスを利用して受電する権利として不特定の第三者に提供してもよい。具体的には、余剰電力に関する情報を不特定の第三者に開示し、電力を必要とする第三者に余剰電力を受電する権利、又は、余剰能力の範囲で発電する権利として販売する。ここでの権利の取引は、売買に限らず、貸借でもよい。
Claims (15)
- 通信網に接続された端末で実行される電力送電制御方法であって、
電力融通サービスを利用する各需要家が電力系統から受電する電気の量を個別に予測する処理と、
前記各需要家の自家用発電設備で発電され、電力系統に送電される電気の量を、予測された電気の量に応じて制御する処理と
を有する送電制御方法。 - 前記各需要家が電力系統から受電する電気の量の変動を、予め定めた時間単位で個別に予測する、請求項1に記載の送電制御方法。
- 前記各需要家が受電した電気の量を測定する電力計の測定値に基づいて、電力系統から受電される電気の量を予測する、請求項2に記載の送電制御方法。
- 前記自家用発電設備は、分散電源である、請求項1に記載の送電制御方法。
- 前記分散電源は、燃料電池である、請求項4に記載の送電制御方法。
- 前記各需要家が電力系統から受電する電気の量の予測値が、前記自家用発電設備が発電可能な上限量を超える場合、上限量での発電を当該自家用発電設備に指示する、請求項1に記載の送電制御方法。
- 前記自家用発電設備で発電して外部に送電した電気の量を予め定めた時間単位で計測し、計測された電気の量と、電力融通サービスを利用する前記各需要家が受電した電気の量とが異なる場合、それぞれの値を個別に記憶する、請求項1に記載の送電制御方法。
- 前記自家用発電設備で発電して外部に送電する電気の量が、当該自家用発電設備から発電される電気の全量である、請求項1に記載の送電制御方法。
- 前記自家用発電設備が電力融通サービスを利用する複数の需要家によって共用される場合、当該自家用発電設備が発電する電気の量を、当該複数の需要家間で予め定めた各需要家の分配割合を満たす範囲で制御する、請求項1に記載の送電制御方法。
- 前記分配割合は、予め定めた時間単位で変化する、請求項9に記載の送電制御方法。
- 電力融通サービスを利用する前記各需要家が受電する電気を発電するために前記自家用発電設備が消費する燃料に関する費用と発電された電気を電力系統経由で送電するための費用との合計が、小売電気事業者から電気を購入する場合の費用より低い場合に、当該自家用発電設備で電気を発電して当該各需要家に送電させる処理を更に有する、請求項1に記載の送電制御方法。
- 電力融通サービスを利用する前記各需要家が前記自家用発電設備を利用する費用、当該自家用発電設備の保守に要する費用、当該自家用発電設備が消費した燃料の料金、発電された電気を電力系統経由で送電するための費用を用いて、電力融通サービスを利用する料金を計算する処理を更に有する、請求項1に記載の送電制御方法。
- 前記自家用発電設備の余剰電力分は、電力融通サービスを利用して受電する権利として取引される、請求項1に記載の送電制御方法。
- 電力融通サービスを利用する各需要家が電力系統から受電する電気の量を個別に予測する予測部と、
前記各需要家の自家用発電設備で発電され、電力系統に送電される電気の量を、予測された電気の量に応じて制御する制御部と
を有する送電管理システム。 - 通信網に接続された端末に、
電力融通サービスを利用する各需要家が電力系統から受電する電気の量を個別に予測する機能と、
前記各需要家の自家用発電設備で発電され、電力系統に送電される電気の量を、予測された電気の量に応じて制御する機能と
を実行させるプログラム。
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