JP2020140928A - 荷電粒子マルチビーム装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】像面湾曲を補正できる荷電粒子マルチビーム装置を提供する。【解決手段】荷電粒子マルチビーム装置は、荷電粒子源と、荷電粒子ビームを平行化するコリメータレンズと、平行化された荷電粒子ビームを複数に分割してマルチビームを形成するとともに、当該マルチビームの各々を1つの面上に集光してマルチ光源を形成するマルチ光源形成部と、マルチ光源を試料面上に縮小投影する縮小投影光学系と、を備える。マルチ光源形成部は、光軸方向に並んで配置された第1〜第3多孔電極を有する。第1〜第3多孔電極には、それぞれ、マルチビームを通過させる複数の孔が形成されている。第1多孔電極と第3多孔電極は同電位であり、第2多孔電極は第1多孔電極および第3多孔電極とは異なる電位である。マルチ光源が位置する面が荷電粒子源側に凸の形状となるように、第2多孔電極上の孔の径は、光軸から離れるほど大きく形成されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、荷電粒子マルチビーム装置に関する。
従来の半導体検査装置は、100nmデザインルールに対応した装置と技術であった。しかし、検査対象の試料は、ウエハ、露光用マスク、EUVマスク、NIL(ナノインプリントリソグラフィ)マスクおよび基板と多様化しており、現在は試料が5〜30nmのデザインルールに対応した装置および技術が求められている。すなわち、パターンにおけるL/S(ライン/スペース)またはhp(ハーフピッチ)のノードが5〜30nmの世代に対する対応が求められている。このような試料を検査装置で検査する場合、高分解能を得ることが必要になる。
ここで試料とは、露光用マスク、EUVマスク、ナノインプリント用マスク(およびテンプレート)、半導体ウエハ、光学素子用基板、光回路用基板などである。これらは、パターンを有するものとパターンが無いものとがある。パターンが有るものは、凹凸の有るものと無いものとがある。凹凸の無いパターンは、異なった材料によるパターン形成がなされている。パターンが無いものには、酸化膜がコーティングされているものと、酸化膜がコーティングされていないものとがある。
試料の表面の性状に応じて変化する二次荷電粒子を捕捉して画像データを形成し、その画像データに基づいて試料の表面に形成されたパターン等を高いスループットで検査する写像投影方式による電子線検査装置が既に提案されている。
このような電子線検査装置には、試料に対して1本の電子ビームを照射するものもあるし、複数本の電子ビームを照射するものもある。後者の場合、電子ビーム発生装置が複数本の電子ビームを発生させる必要がある。特許文献1には、複数の開口が形成された絞りが設けられ、この複数の開口に1本の電子ビームを通過させることで複数本の電子ビームに分離する構成が開示されている。分離された複数本の電子ビームの各々は多孔電極群を通過することにより1つの面上に集光されてマルチ光源が形成され、このマルチ光源が縮小光学系により試料面上に縮小投影される。
特表2009−507351号公報
ところで、理想的な光学系では、図23に示すように、平面の物面(マルチ光源)の像面が平面となるが、実際の光学系では、図24に示すように、像面湾曲の影響により、平面の物面(マルチ光源)の像面はレンズ側に凹の曲面となり、すなわち光軸から離れるほどビームの焦点位置がレンズ側にずれるため、光軸から離れるほど試料面上における像のボケが大きくなるという問題がある。
像面湾曲を補正するために、特許文献1では、互いに向かい合う多孔電極の表面を曲面で形成し、各孔の電極間距離を光軸から離れるほど長くすることで、物面(マルチ光源)の形状を上流側に凸の向きで湾曲させることが提案されている。しかしながら、このような構成では、多孔電極の表面が曲面であることから、多孔電極間の電界が複雑になり、ビームが曲がるおそれがある。また、多孔電極自体の製作も難しくなる。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたものである。本発明の目的は、像面湾曲を補正できる荷電粒子マルチビーム装置を提供することにある。
本発明の第1の態様に係る荷電粒子マルチビーム装置は、
荷電粒子ビームを放出する荷電粒子源と、
前記荷電粒子源から放出された荷電粒子ビームを平行化するコリメータレンズと、
前記平行化された荷電粒子ビームを複数に分割してマルチビームを形成するとともに、当該マルチビームの各々を1つの面上に集光してマルチ光源を形成するマルチ光源形成部と、
前記マルチ光源を試料面上に縮小投影する縮小投影光学系と、
を備え、
前記マルチ光源形成部は、前記荷電粒子源側から順に光軸方向に並んで配置された第1〜第3多孔電極を有し、
前記第1〜第3多孔電極には、それぞれ、マルチビームを通過させる複数の孔が形成されており、
前記第1多孔電極と前記第3多孔電極は同電位であり、前記第2多孔電極は前記第1多孔電極および前記第3多孔電極とは異なる電位であり、
前記マルチ光源が位置する面が前記荷電粒子源側に凸の形状となるように、前記第2多孔電極上の孔の径は、光軸から離れるほど大きく形成されている。
このような態様によれば、光軸から離れるほど第2多孔電極上の孔の径が大きく形成されており、マルチ光源が位置する面(物面)が荷電粒子源側に凸の形状となるため、光軸から離れるほど光源の位置が縮小光学系(レンズ)側に近づくことになり、これにより、光軸から離れるほど像面の位置はレンズとは逆側にシフトすることになる。したがって、光軸から離れるほど焦点位置がレンズ側にシフトするという像面湾曲の影響を相殺して補正することができ、これにより、光軸から離れた位置であっても試料面上における像のボケを低減することができる。また、第1多孔電極と第3多孔電極とが同電位であるため、電源の数が少なくて済む。
本発明の第2の態様に係る荷電粒子マルチビーム装置は、第1の態様に係る荷電粒子マルチビーム装置であって、
前記第1〜第3多孔電極のうち前記複数の孔が形成されている部分は、それぞれ、平板形状を有する。
このような態様によれば、第1〜第3多孔電極の複数の孔が形成されている部分を曲面形状にする場合に比べて、多孔電極自体の製作が容易である。
本発明の第3の態様に係る荷電粒子マルチビーム装置は、第1または2の態様に係る荷電粒子マルチビーム装置であって、
前記第1多孔電極と前記第3多孔電極とはインロー構造で組み付けられている。
このような態様によれば、第1多孔電極と第3多孔電極の位置合わせが容易である。
本発明の第4の態様に係る荷電粒子マルチビーム装置は、第1〜3のいずれかの態様に係る荷電粒子マルチビーム装置であって、
前記マルチ光源形成部において、前記第1電極より前記荷電粒子源側には、前記平行化された荷電粒子ビームを複数に分割してマルチビームを形成する多孔絞りが設けられている。
本発明の第5の態様に係る荷電粒子マルチビーム装置は、第1〜3のいずれかの態様に係る荷電粒子マルチビーム装置であって、
前記マルチ光源形成部において、前記第1多孔電極が、前記平行化された荷電粒子ビームを複数に分割してマルチビームを形成する。
このような態様によれば、多孔絞りを省略できるため、構造が簡易である。
本発明の第6の態様に係る荷電粒子マルチビーム装置は、第1〜5のいずれかの態様に係る荷電粒子マルチビーム装置であって、
前記第2多孔電極は光軸からの距離に応じて複数の領域に区分けされており、各領域は光軸からの距離が異なる孔を少なくとも2つ含んでおり、
領域ごとに孔の径が同一に揃えられており、光軸から離れた領域ほど孔の径が大きくなっている。
このような態様によれば、領域ごとに孔の径が同一に揃えられているため、構造が簡易である。
本発明の第7の態様に係る方法は、第1〜6のいずれかの態様に係る荷電粒子マルチビーム装置における第2多孔電極の孔の径を決める方法であって、
縮小投影光学系の像面湾曲係数Aをシミュレーションまたは実験により求めるステップと、
第2多孔電極の孔の内径Φと焦点位置のズレ量Δzоとの関係をシミュレーションで求め、下式1Aにて近似することにより、近似関数の係数a、b、cを求めるステップと、
縮小投影光学系における物面の軸上電位Φo、像面の軸上電位Φiを用いて、下式2Aを満たすように、光軸から距離rоにある第2多孔電極の孔の径Φを決めるステップと、
を含む。
本発明の第8の態様に係る方法は、第1〜6のいずれかの態様に係る荷電粒子マルチビーム装置における第2多孔電極の孔の径を決める方法であって、
縮小投影光学系の像面湾曲係数Aをシミュレーションまたは実験により求めるステップと、
第2多孔電極の孔の内径Φと焦点位置のズレ量Δzоとの関係をシミュレーションで求め、下式3Aにて近似することにより、近似関数の係数an、an-1、・・・、a1、a(nは3以上の自然数)を求めるステップと、
縮小投影光学系における物面の軸上電位Φo、像面の軸上電位Φiを用いて、下式4Aを満たすように、光軸から距離rоにある第2多孔電極の孔の径Φを決めるステップと、
を含む。
本発明によれば、像面湾曲を補正できる荷電粒子マルチビーム装置を提供できる。
図1は、一実施の形態に係る荷電粒子マルチビーム装置の概略構成を示す図である。 図2は、マルチ光源形成部の構成の一例を示す概略図である。 図3は、マルチ光源形成部における孔の配置の一例を示す平面図である。 図4は、マルチ光源形成部における孔の配置の別例を示す平面図である。 図5は、マルチ光源形成部の構成の一変形を示す概略図である。 図6は、マルチ光源と像面の形状を説明するための図である。 図7は、比較例に係るマルチ光源形成部の構成を示す概略図である。 図8は、比較例におけるマルチ光源と像面の形状を説明するための図である。 図9は、図3に示す配置の孔を通過した各マルチビームの、試料面上でのスキャン領域を示す平面図である。 図10は、図4に示す配置の孔を通過した各マルチビームの、試料面上でのスキャン領域を示す平面図である。 図11は、光学系における物面と像面との位置関係を説明するための図である。 図12は、像面湾曲による像面のシフト量を説明するための図である。 図13は、像面湾曲を補正するために必要な各マルチ光源のシフト量を説明するための図である。 図14は、多孔電極群の計算モデルを説明するための図である。 図15は、図14に示す計算モデルにおいて、第2多孔電極の孔の内径が0.05mmの場合と0.10mmの場合のビームの焦点位置を示すグラフである。 図16は、図14に示す計算モデルにおいて、第2多孔電極の孔の内径と焦点位置のズレ量との関係を示すグラフである。 図17は、第2多孔電極の孔の内径の計算条件を示す図である。 図18は、第2多孔電極の孔の内径の計算条件を示す図である。 図19は、第2多孔電極の孔の内径の計算結果を示すテーブルである。 図20は、複数の領域に区分けされた多孔電極の第1例を示す平面図である。 図21は、複数の領域に区分けされた多孔電極の第2例を示す平面図である。 図22は、複数の領域に区分けされた多孔電極の第3例を示す平面図である。 図23は、像面湾曲がない理想的な光学系を示す模式図である。 図24は、像面湾曲がある実際な光学系を示す模式図である。 図25Aは、第1〜第3多孔電極の組立構造の一例を説明するための縦断面図である。 図25Bは、図25Aに示す組立構造を横方向から見た側面図である。 図25Cは、図25Aに示す組立構造における第2多孔電極22bの平面図である。
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の説明および以下の説明で用いる図面では、同一に構成され得る部分について、同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
<荷電粒子マルチビーム装置の構成>
図1は、一実施の形態に係る荷電粒子マルチビーム装置10の概略構成を示す図である。なお、以下では、荷電粒子マルチビーム装置10の一例として、電子線マルチビーム装置について説明するが、電子線マルチビーム装置はあくまでも一例であり、本実施の形態に係る荷電粒子マルチビーム装置は、電子線マルチビーム装置に限定されるものではなく、たとえば、イオンマルチビーム装置であってもよい。また、荷電粒子ビーム装置10の処理対象である試料30は、シリコンウエハ、ガラスマスク、半導体基板、半導体パターン基板、または金属膜を有する基板などであってもよい。
図1に示すように、荷電粒子マルチビーム装置10は、試料30を保持する不図示のステージと、ステージ上の試料30に荷電粒子マルチビームを照射する1次光学系10aと、試料30からの信号電子(二次電子、反射電子など)の拡大像を検出器119に結像させる2次光学系10bとを有している。
このうち1次光学系10aは、荷電粒子マルチビームを生成し、ステージ上の試料30に向けて照射する構成である。図1に示す例では、1次光学系10aは、荷電粒子源11と、コリメータレンズ12と、マルチ光源形成部13と、転送レンズ14および対物レンズ17を含む縮小投影光学系と、スキャン偏向器15と、ビーム分離器16とを有している。
荷電粒子源11は、不図示のコラム(真空管)の一端に設けられており、コラム内に荷電粒子ビーム(たとえば電子線)を放出する。荷電粒子源11としては、たとえば、特開2012−253007に記載されたような、レーザ光源と光電面とを有する光電子源を使用することができる。光電子源に使用される光電面構造は、高効率を実現できる。なお、荷電粒子源11としては、荷電粒子ビーム(たとえば電子線)を放出できるものであれば、光電子源に限定されず、たとえば、LaB6などの電子銃を使用することもできる。
コリメータレンズ12は、荷電粒子源11の近傍に配置されており、荷電粒子源11から放出された荷電粒子ビームを平行化して、マルチ光源形成部13へと導く。
マルチ光源形成部13は、コリメータレンズ12よりビーム下流側に配置されており、マルチ光源形成部13には、マルチビームを通過させる複数の孔が形成されている。図2は、マルチ光源形成部13における孔の配置の一例を示す平面図である。コリメータレンズ12により平行化された荷電粒子ビームは、マルチ光源形成部13に形成された複数の孔を通過することにより、複数に分離されてマルチビームが形成されるとともに、分離されたマルチビームの各々が仮想的な1つの面上に集光(フォーカス)されてマルチ光源が形成される。
なお、図3に示す例では、マルチ光源形成部13において、マルチビームを通過させる複数の孔が四角格子状(マトリクス状)に配置されているが、複数の孔が互いに等間隔(等ピッチ)で配置されている限りでは、複数の孔の配置は四角格子状(マトリクス状)に限定されるものではなく、たとえば、図4に示すように、三角格子状であってもよい。
マルチ光源形成部13の詳細な内部構成については後述する。
縮小投影光学系は、マルチ光源形成部13よりビーム下流側に配置されており、マルチ光源形成部13により形成されたマルチ光源を、ステージ上の試料30面上に縮小投影する。図示された例では、縮小投影光学系は、転送レンズ14と対物レンズ17とを有している。
スキャン偏向器15は、転送レンズ14と対物レンズ17との間に配置されており、マルチビームの進行方向をXY方向に偏向させることで、マルチビームにより試料39面上を走査させる。
図9は、図3に示すような四角格子状(マトリクス状)の配置の孔を通過した各マルチビームの、試料30面上でのスキャン領域を示す平面図である。また、同様に、図10は、図4に示すような三角格子状の配置の孔を通過した各マルチビームの、試料面上でのスキャン領域を示す平面図である。図3、4および図9、10を参照し、マルチ光源形成部13における隣り合う2つの孔の中心間隔ΔX1と、試料30面上での隣り合う2つのスキャン領域の中心間隔ΔX2との間には、転送レンズ14と対物レンズ17とを含む縮小光学系の倍率Mを用いて、ΔX2=M×ΔX1の関係がある。
ビーム分離器16は、E×Bフィルタである。ビーム分離器16は、スキャン偏向器15と対物レンズ17との間に配置されており、スキャン偏向器15を通過したマルチビームを、試料30に対してほぼ垂直に入射するように通過させるとともに、試料30から放出された信号電子(二次電子、反射電子など)を、入射マルチビームの光軸とは異なる角度に偏向して2次光学系10bへと導く。
図1に示すように、2次光学系10bは、投影レンズ18と、検出器19とを有している。
投影レンズ18は、試料30から放出されて対物レンズ17とビーム分離器16とを(入射マルチビームとは逆向きに)通過した信号電子を、検出器19へと投影する。
検出器19は、投影レンズ18により導かれた信号電子を検出するカメラであり、その表面に複数のピクセルを有している。マルチ検出器19には、さまざまな二次元型センサを適用することができる。たとえば、マルチ検出器19には、CCD(Charge Coupled Device)やTDI(Time Delay Integration)−CCDが適用されてもよい。これらは、電子を光に変換してから信号検出を行うセンサであり、光電変換やシンチレータを用いて電子が光に変換されたのち、光の像情報が光を検知するTDIに伝達されて検出される。検出器19からの画像信号は、不図示の画像処理装置へと送られ、画像処理により試料30の表面の欠陥検出または欠陥判定が行われる。
<マルチ光源形成部の構成>
次に、マルチ光源形成部の詳細な内部構成について説明する。図2は、マルチ光源形成部13の構成の一例を示す概略図である。
図2に示すように、マルチ光源形成部13は、光軸方向に並んで配置された多孔絞り21と複数(図示された例では3枚)の多孔電極22a〜22cとを有している。多孔絞り21と各多孔電極22a〜22cには、それぞれ、マルチビームを通過させる複数の孔が形成されている。以下、複数の多孔電極22a〜22cを、荷電粒子源11側(ビーム上流側)から順に第1〜第3多孔電極と呼ぶことがある。各多孔電極22a〜22cのうち少なくとも複数の孔が形成されている部分は、それぞれ、平板形状を有している。なお、図示された例では、多孔電極22a〜22cの数が3枚であるが、これに限定されるものではなく、4枚以上であってもよい。
図示された例では、多孔絞り21は、第1多孔電極22aより荷電粒子源11側(ビーム上流側)に配置されており、コリメータレンズ12にて平行化された荷電粒子ビームを複数に分割してマルチビームを形成する。多孔絞り21の孔を通過して分離されたマルチビームの各々が第1多孔電極22aの孔へと入射する。
一変形例として、図5に示すように、マルチ光源形成部13から多孔絞り21が省略され、複数の多孔電極22a〜22cのうち最も荷電粒子源11側(ビーム上流側)に配置された第1多孔電極21が、平行化された荷電粒子ビームを複数に分割してマルチビームを形成してもよい。この場合、第1多孔絞り22aの孔を通過して分離されたマルチビームの各々が第2多孔電極22bの孔へと入射する。多孔絞り21を省略できるため、構造が簡易である。
図25Aは、第1〜第3多孔電極22a〜22cの組立構造の一例を説明するための縦断面図である。図25Bは、図25Aに示す組立構造を横方向から見た側面図である。図25Cは、図25Aに示す組立構造における第2多孔電極22bの平面図である。なお、図25Cでは、マルチビームが通過する複数の孔のうち、中心の孔のみが代表して図示されており、他の孔の図示は省略されている。
図25A〜図25Cに示す例では、第1多孔電極22aは、平板形状を有する円板部と、円板部の縁部から下方に延びる横壁部とを有しており、マルチビームが通過する複数の孔は、円板部に形成されている。
第2多孔電極22bは、円板形状を有しており、第2多孔電極22bの縁部には、径方向に突出する複数(図示された例では4本)の電圧供給ピン22b1が設けられている。第1多孔電極22aの横壁部に形成された貫通孔に、絶縁物22b2を介して、第2多孔電極22bの電圧供給ピン22b1が通されることで、第1多孔電極22aと第2多孔電極22bとは容易に位置合わせされた状態で組み付けられるようになっている。
第3多孔電極22cは、円板形状を有しており、第3多孔電極22cの縁部が、第1多孔電極22aの横壁部の先端部に嵌め合わされることにより、第1多孔電極22aと第3多孔電極22cとはインロー構造で組付けられている。これにより、第1多孔電極22aと第3多孔電極22cの位置合わせが容易となっている。第1多孔電極22aと第3多孔電極22cとはインロー構造で組付けられていることで、第1多孔電極22aと第3多孔電極22cとは同電位となっており、これにより、電源の数が2つで済むようになっている。
第1〜第3多孔電極22a〜22cにはそれぞれ所定の電圧が印加されている。一例として、第1多孔電極22aおよび第3多孔電極22cは同電位であり、第2多孔電極22bには、第1多孔電極22aおよび第3多孔電極22cの電位より高い電位(プラス電位)が印加されている。一変形として、第1多孔電極22aおよび第3多孔電極22cは同電位であり、第2多孔電極22bには、第1多孔電極22aおよび第3多孔電極22cの電位より低い電位(マイナス電位)が印加されていてもよい。第1〜第3多孔電極22a〜22c間にはその電位差に応じて所定の大きさ・形状の電界が形成されており、第1〜第3多孔電極22a〜22cの各孔を通過するマルチビームの各々は、多孔電極22a〜22c間に形成された電界の影響により、仮想的な1つの面上に集光(フォーカス)されて、当該仮想的な1つの面上に位置する複数の光源(マルチ光源)が形成される。
本実施の形態では、図2および図5に示すように、マルチ光源が位置する面が荷電粒子源11側(ビーム上流側)に凸の形状となるように、少なくとも1つの多孔電極(図示された例では第2多孔電極22b)上の孔の径が、光軸(すなわちコリメータレンズ12にて平行化された荷電粒子ビームの中心線、以下z軸ともいう)から離れるほど大きく形成されている。
より詳しくは、少なくとも1つの多孔電極(図示された例では第2多孔電極22b)上の孔の径は、以下の計算に基いて決定されている。
すなわち、図11を参照し、レンズ光学系(すなわち縮小投影光学系)において、物面でのシフト量Δzoと像面でのシフト量Δziとの間には、レンズの倍率M、物面の軸上電位Φo、像面の軸上電位Φiを用いて、下式1の関係がある。
また、図12を参照し、像面湾曲収差dFCは、像面湾曲収差係数A、像面開角αi、像面での中心からの距離riを用いて、下式2で表すことができる。ここで、像面湾曲収差係数Aはシミュレーションや実験から求めることが可能である。
同様に、像面湾曲による像面のシフト量ΔzFCは、像面湾曲収差係数A、像面開角αi、像面での中心からの距離riを用いて、下式3で表すことができる。
図13は、像面湾曲を補正するために必要な各マルチ光源のシフト量Δzoを説明するための図である。
図13を参照し、像面湾曲を補正するために必要な各マルチ光源(光軸から距離rоにある光源)のz軸方向のシフト量Δzoは、上式1〜3において、Δzi=ΔzFCとおくことにより、下式4で表すことができる。
一方、多孔電極群について所定の計算モデルおよび計算条件を設定することで、焦点位置(すなわちマルチ光源の位置)のz軸方向のズレ量Δzoを計算で求めることができる。具体的には、たとえば、図14に示すように、各多孔電極22a〜22cの厚みを0.05mm、隣り合う多孔電極22a〜22c間の間隔を0.2mmとした計算モデルにおいて、以下の計算条件にて、(Φ0.05mmの焦点位置を基準とした)焦点位置(マルチ光源の位置)のズレ量Δzoを計算することができる。
(計算条件)
・加速電圧:3kV
・第1多孔電極と第3多孔電極の印加電圧:0V(グランド)
・第2多孔電極の印加電圧:−880.74V
・第1多孔電極と第3多孔電極の孔の内径:0.05mm(固定)
・第2多孔電極の孔の内径Φ:0.05〜0.1mm(可変)
図15は、図14に示す計算モデルにおいて、第2多孔電極22bの孔の内径Φが0.05mmの場合と0.10mmの場合のビームの焦点位置(すなわちマルチ光源の位置)を示すグラフである(第2多孔電極22bの中心をz軸の原点としている)。図16は、図14に示す計算モデルにおいて、第2多孔電極22bの孔の内径Φと焦点位置(マルチ光源の位置)のズレ量Δzoとの関係を示すグラフである。
図16のグラフに示すように、第2多孔電極の内径Φと焦点位置(マルチ光源の位置)のズレ量Δzoとの関係は、下式5の二次関数にて近似することができる。
ここで、近似関数の係数a、b、cはシミュレーションで求めることが可能である。
第2多孔電極の内径Φと焦点位置(マルチ光源の位置)のズレ量Δzoとの関係は、上式5の二次関数にて近似する代わりに、下式6のn次関数(nは3以上の自然数)で近似してもよい。

ここで、近似関数の係数an、an-1、・・・、a1、aはシミュレーションで求めることが可能である。
したがって、上式4、5より、第2多孔電極22bの中心(すなわち光軸)から距離roにある第2多孔電極22bの孔の内径Φが、下式7を満たすように決定されることで、像面湾曲を補正することが可能となる。
または、上式4、6より、第2多孔電極22bの中心(すなわち光軸)から距離roにある第2多孔電極22bの孔の内径Φが、下式8を満たすように決定されることでも、像面湾曲を補正することが可能となる。
ところで、発明が解決しようとする課題の欄でも言及したように、理想的な光学系では、図23に示すように、平面の物面(マルチ光源)の像面が平面となるが、実際の光学系では、図24に示すように、像面湾曲の影響により、平面の物面(マルチ光源)の像面はレンズ側に凹の曲面となり、すなわち光軸から離れるほどビームの焦点位置がレンズ側にずれるため、光軸から離れるほど試料面上における像のボケが大きくなるという問題がある。
ここで、比較例として、図7に示すように、第1〜第3多孔電極22a〜22cの各々において、マルチビームを通過させる複数の孔の径が同一に揃えられている場合には、多孔電極22a〜22c間には光軸からの距離に関わらず同じ大きさ・形状の電界が形成されるため、各孔を通過するマルチビームの各々は、光軸からの距離に関わらず、互いに同じ大きさ・形状の電界の影響を受けることになり、結果として、マルチビームの各々が仮想的な1つの平面上に集光(フォーカス)され、仮想的な1つの平面上に位置するマルチ光源が形成される。
この場合、図8に示すように、転送レンズ14と対物レンズ17とを含む縮小光学系における像面湾曲の影響により、像面がレンズ(縮小光学系)側に凹の曲面となり、すなわち光軸から離れるほどビームの焦点位置がレンズ(縮小光学系)側にずれてしまうため、光軸から離れるほど試料面上における像のボケが大きくなる。
これに対し、本実施の形態によれば、図2および図5に示すように、光軸から離れるほど第2多孔電極22b上の孔の径が大きく形成されていることで、光軸から離れるほどレンズのパワーが小さくなり、光軸から離れるほどマルチビームの集束力が減少する。したがって、各孔を通過するマルチビームの各々は、荷電粒子源11側(ビーム上流側)に凸の仮想的な曲面上に集光(フォーカス)されることになり、すなわち、荷電粒子源11側(ビーム上流側)に凸の仮想的な曲面上に位置するマルチ光源が形成される。
ここで、マルチ光源が位置する面(物面)が荷電粒子源11側(ビーム上流側)に凸の形状となると、光軸から離れるほど光源の位置が縮小光学系(レンズ)側に近づくことになるが、図11に示すように、光源(物面)の位置がレンズ側に近づくほど、像面の位置がレンズとは逆側にシフトすることになる(図11の破線参照)。したがって、光軸から離れるほど焦点位置がレンズ側にシフトするという像面湾曲の影響を相殺して補正することができ、これにより、光軸から離れた位置であっても試料面上における像のボケを低減することができる。
また、本実施の形態によれば、各多孔電極22a〜22cのうち複数の孔が形成されている部分がそれぞれ平板形状を有するため、多孔電極の複数の孔が形成されている部分を曲面形状にする場合に比べて、多孔電極自体の製作が容易である。
また、本実施の形態によれば、第1多孔電極22aと第3多孔電極22cとがインロー構造で組み付けられているため、第1多孔電極22aと第3多孔電極22cの位置合わせが容易である。
<実施例>
次に、本実施の形態に係る具体的な実施例について説明する。
図17および図18を参照し、
・孔の配置:三角格子0.1mmピッチ(第1〜第3多孔電極22a〜22c共通)
・各多孔電極22a〜22c上の孔の数:61個
・第1多孔電極22aと第3多孔電極22cの孔の径:全て0.05mm
・第2多孔電極22bの孔の径:中央の孔のみΦ0.05mm
とした計算モデルにおいて、上記の計算条件にて、焦点位置(マルチ光源の位置)のズレ量Δzoを計算した。
そして、図16に示すように、第2多孔電極22bの孔の内径Φと焦点位置(マルチ光源の位置)のズレ量Δzoとの関係を示すグラフを作成した。第2多孔電極22bの孔の内径Φと焦点位置(マルチ光源の位置)のズレ量Δzoとの関係を示すグラフにおいて、上式5に示す二次関数を用いて近似すると、近似関数の係数a、b、cは以下のように求まった。
a=5.77415e+1
b=3.17322
c=−3.03012e−1
したがって、像面湾曲を補正できる第2多孔電極22bの孔の内径Φは、上式6を用いて計算することができた。図19は、以下の計算条件にて、像面湾曲を補正できる第2多孔電極22bの孔の内径Φを計算したときの計算結果を示すテーブルである。
(計算条件)
・物面電位:Φo=3kV
・像面電位:Φi=3kV
・縮小光学系の倍率:M=0.1
・像面湾曲収差係数:A=500
図19に示すテーブルに従って、第2多孔電極22bの孔の内径Φを、光軸から離れるほど大きく形成することで、像面湾曲を補正することが可能となった。
<変形例>
なお、上述の実施の形態では、図19のテーブルに示すように、少なくとも1つの多孔電極(たとえば第2多孔電極22b)の孔の径が、光軸からの距離に応じて異なっていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
すなわち、少なくとも1つの多孔電極(たとえば第2多孔電極22b)は光軸からの距離に応じて複数の領域に区分けされており、各領域は光軸からの距離が異なる孔を少なくとも2つ含んでおり、領域ごとに孔の径が同一に揃えられており、光軸から離れた領域ほど孔の径が大きくなっていてもよい。
図20は、複数の領域に区分けされた多孔電極の第1例を示す平面図である。図20に示す例では、第2多孔電極22bが中心(光軸)からの距離に応じて2つの領域A1〜A3に区分けされており、各領域A1〜A3は、光軸からの距離が異なる孔を少なくとも2つ含んでいる。また、領域A1〜A3ごとに孔の径が同一に揃えられている。さらに、第2領域A2は第1領域A1より中心(光軸)から離れているため、第2領域A2の孔の径は第1領域A1の孔の径より大きくなっており、第3領域A3は第2領域A2より中心(光軸)から離れているため、第3領域A3の孔の径は第2領域A2の孔の径より大きくなっている。
図21は、複数の領域に区分けされた多孔電極の第2例を示す平面図である。図21に示す例では、第2多孔電極22bが中心(光軸)からの距離に応じて4つの領域B1〜B4に区分けされており、各領域B1〜B4は、光軸からの距離が異なる孔を少なくとも2つ含んでいる。また、領域B1〜B4ごとに孔の径が同一に揃えられている。さらに、第2領域B2は第1領域B1より中心(光軸)から離れているため、第2領域B2の孔の径は第1領域B1の孔の径より大きくなっており、第3領域B3は第2領域B2より中心(光軸)から離れているため、第3領域B3の孔の径は第2領域B2の孔の径より大きくなっており、第4領域B4は第3領域B3より中心(光軸)から離れているため、第4領域B4の孔の径は第3領域B3の孔の径より大きくなっている。
図22は、複数の領域に区分けされた多孔電極の第3例を示す平面図である。図22に示す例では、第2多孔電極22bが中心(光軸)からの距離に応じて3つの領域C1〜C3に区分けされており、各領域C1〜C3は、光軸からの距離が異なる孔を少なくとも2つ含んでいる。また、領域C1〜C3ごとに孔の径が同一に揃えられている。さらに、第2領域C2は第1領域C1より中心(光軸)から離れているため、第2領域C2の孔の径は第1領域C1の孔の径より大きくなっており、第3領域C3は第2領域C2より中心(光軸)から離れているため、第3領域C3の孔の径は第2領域C2の孔の径より大きくなっている。
なお、図20〜図22に示す例において、領域の分割数は、必要な像面湾曲の補正量などに応じて適宜変更され得る。たとえば、像面湾曲の影響が小さければ、領域の分割数を少なくしてもよい。他方、像面湾曲の影響が大きければ、より細かく領域を分割してもよい。
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。また、各実施の形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
10 荷電粒子マルチビーム装置
11 荷電粒子源
12 コリメータレンズ
13 マルチ光源形成部
14 転送レンズ(縮小投影光学系)
15 スキャン偏向器
16 ビーム分離器
17 対物レンズ(縮小投影光学系)
18 投影レンズ
19 検出器
21 多孔絞り
22a 第1多孔電極
22b 第2多孔電極
22b1 電圧供給ピン
22b2 絶縁物
22c 第3多孔電極
30 試料

Claims (8)

  1. 荷電粒子ビームを放出する荷電粒子源と、
    前記荷電粒子源から放出された荷電粒子ビームを平行化するコリメータレンズと、
    前記平行化された荷電粒子ビームを複数に分割してマルチビームを形成するとともに、当該マルチビームの各々を1つの面上に集光してマルチ光源を形成するマルチ光源形成部と、
    前記マルチ光源を試料面上に縮小投影する縮小投影光学系と、
    を備え、
    前記マルチ光源形成部は、前記荷電粒子源側から順に光軸方向に並んで配置された第1〜第3多孔電極を有し、
    前記第1〜第3多孔電極には、それぞれ、マルチビームを通過させる複数の孔が形成されており、
    前記第1多孔電極と前記第3多孔電極は同電位であり、前記第2多孔電極は前記第1多孔電極および前記第3多孔電極とは異なる電位であり、
    前記マルチ光源が位置する面が前記荷電粒子源側に凸の形状となるように、前記第2多孔電極上の孔の径は、光軸から離れるほど径が大きく形成されている、
    ことを特徴とする荷電粒子マルチビーム装置。
  2. 前記第1〜第3多孔電極のうち前記複数の孔が形成されている部分は、それぞれ、平板形状を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子マルチビーム装置。
  3. 前記第1多孔電極と前記第3多孔電極とはインロー構造で組み付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の荷電粒子マルチビーム装置。
  4. 前記マルチ光源形成部において、前記第1多孔電極より前記荷電粒子源側には、前記平行化された荷電粒子ビームを複数に分割してマルチビームを形成する多孔絞りが設けられている、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の荷電粒子マルチビーム装置。
  5. 前記マルチ光源形成部において、前記第1多孔電極が、前記平行化された荷電粒子ビームを複数に分割してマルチビームを形成する、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の荷電粒子マルチビーム装置。
  6. 前記第2多孔電極は光軸からの距離に応じて複数の領域に区分けされており、各領域は光軸からの距離が異なる孔を少なくとも2つ含んでおり、
    領域ごとに孔の径が同一に揃えられており、光軸から離れた領域ほど孔の径が大きくなっている、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の荷電粒子マルチビーム装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の荷電粒子マルチビーム装置における第2多孔電極の孔の径を決める方法であって、
    縮小投影光学系の像面湾曲係数Aをシミュレーションまたは実験により求めるステップと、
    第2多孔電極の孔の内径Φと焦点位置のズレ量Δzоとの関係をシミュレーションで求め、下式1にて近似することにより、近似関数の係数a、b、cを求めるステップと、
    縮小投影光学系における物面の軸上電位Φo、像面の軸上電位Φiを用いて、下式2を満たすように、光軸から距離rоにある第2多孔電極の孔の径Φを決めるステップと、
    を含む方法。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の荷電粒子マルチビーム装置における第2多孔電極の孔の径を決める方法であって、
    縮小投影光学系の像面湾曲係数Aをシミュレーションまたは実験により求めるステップと、
    第2多孔電極の孔の内径Φと焦点位置のズレ量Δzоとの関係をシミュレーションで求め、下式3にて近似することにより、近似関数の係数an、an-1、・・・、a1、a(nは3以上の自然数)を求めるステップと、
    縮小投影光学系における物面の軸上電位Φo、像面の軸上電位Φiを用いて、下式4を満たすように、光軸から距離rоにある第2多孔電極の孔の径Φを決めるステップと、
    を含む方法。
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