JP2020140277A - 火災検知器及び火災検知方法 - Google Patents

火災検知器及び火災検知方法 Download PDF

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Abstract

【課題】監視領域の火災による絶対温度と相対温度の両方を加味した特徴的な変化を学習的アルゴリズムを利用して判断することにより、火災の検出時間を短縮すると共に非火災報要因に対する耐力を向上させる。【解決手段】温度入力部16は、温度センサ12で検出された監視領域の検出温度に基づいて絶対温度Tと相対温度ΔTを生成し、同時に階層型機械学習部20に入力して火災又は非火災を識別する。学習制御部24は火災実験等で得られた火災がラベリングされた絶対温度と相対温度を含む火災教師データと、非火災実験で得られた非火災がラベリングされた絶対温度と相対温度を含む非火災教師データを階層型機械学習部20に入力して学習させる。階層型機械学習部20に入力する絶対温度Tは温度センサ12の検出温度そのものであり、相対温度ΔTは温度センサ12の検出温度から通常監視状態の平均温度を基準温度として差し引いた差分温度である。【選択図】図1

Description

本発明は、監視領域の状態に基づき火災を検知する火災検知器及び火災検知方法に関する。
従来、火災による監視領域の状態を検出して火災発報する火災感知器としては、煙感知器や熱感知器、さらに熱感知器では定温式熱感知器と差動式熱感知器が知られている。定温式熱感知器は、検出温度が所定の閾値温度に達したときに火災を検知して発報する。差動式熱感知器は、所定の閾値を超える温度上昇を検知して発報する。
特開2000−194967号公報 特開2006−215865号公報 特開2018−125012号公報
しかしながら、このような従来の定温式熱感知器にあっては、燻焼火災のように監視領域の温度が高くなりにくい火災については発報するまでに時間がかかる問題がある。また、従来の煙感知器にあっては、燻焼火災を検出できるが、湯気と燻焼火災が似通っていることから、非火災報を起し易いという問題がある。また、差動式熱感知器にあっては、湯気などによる温度上昇と燻焼火災による温度上昇が似通っていることから、区別できないという問題がある。
この問題を解決するため定温式熱感知器と差動式熱感知器の両方の機能を設けた複合型熱感知器も実用化されているが、両者の論理和を取ると、何れか一方の火災検知が行われた時に火災発報することで燻焼火災に対する火災の検知遅れは防止できるが、非火災報の問題は解消されず、また、両者の論理積をとると、非火災報は防止できるが、燻焼火災に対する火災の検知遅れは解消されないという問題がある。
即ち、従来の定温式熱感知器や差動式熱感知器や煙感知器は、検出温度や温度変化や煙濃度がある閾値を超えると発報するという火災判断を行っているため、様々なタイミングによって発報のタイミングが遅れたり、非火災報を起したりするという問題があり、両者の論理和や論理積をとるように単純に組み合わせても問題は十分に解決されない。
本発明は、監視領域の火災による検出値から絶対値と相対値の両方を加味した特徴的な変化を特に学習的アルゴリズムを利用して判断することにより、火災の検出時間を短縮すると共に非火災報要因に対する耐力を向上させる火災検知器及び火災検知方法を提供することを目的とする。
(絶対検出値と相対検出値による火災識別)
本発明は、火災を検知する火災検知器であって、
監視領域の所定の情報の検出値を検出するセンサを1又は複数有する検出部と、
センサの内、少なくとも1つは絶対検出値相対検出値取得用センサであるとともに、
絶対検出値相対検出値取得用センサで検出された監視領域の所定期間の検出値に基づいて基準検出値を生成する基準検出値生成部と、
絶対検出値相対検出値取得用センサで検出された監視領域の所定時点の検出値である絶対検出値と、所定時点の検出値と前期基準検出値の差分である相対検出値と、を生成する検出値入力手段と、
検出値入力手段で生成された絶対検出値と相対検出値が入力されて火災又は非火災又は通常監視状態を識別する火災識別手段と、
が設けられたことを特徴とする。
(AIによる学習)
火災検知器は更に、
火災がラベリングされた絶対検出値と相対検出値を含む火災教師データと、非火災がラベリングされた絶対検出値と相対検出値を含む非火災教師データと、通常監視状態がラベリングされた絶対検出値と相対検出値を含む通常監視状態教師データと、を機械学習手段に入力して予め学習する学習制御手段を備え、
火災識別手段は学習制御手段による学習結果に基づき識別を行う。
(温度に基づく火災検知)
絶対検出値相対検出値取得用センサは温度センサであり、
基準検出値は温度センサの検出温度に基づいて生成されるものであり、
基準検出値生成部は基準温度生成部であり、
絶対検出値は絶対温度であり、
相対検出値は相対温度であり、
検出値入力手段は温度入力手段である。
(温度入力手段)
温度入力手段は、
絶対温度と相対温度を一つのデータセットとして火災識別手段に入力する。
(基準温度の生成)
基準温度生成部は、温度センサによる基準温度生成時点の所定時間前から基準温度生成時点までの検出温度の日単位又は所定の時間単位の平均温度を基準温度として生成する。
(火災実験による教師データの生成)
学習制御手段は、所定の火災実験により温度入力手段で生成された絶対温度と相対温度に火災がラベリングされた火災教師データと、所定の非火災実験により温度入力手段で生成された絶対温度と相対温度に非火災がラベリングされた非火災教師データと、所定の火災実験及び又は非火災実験により所定の状態に至るまでに温度入力手段で生成された絶対温度と相対温度に通常監視状態がラベリングされた通常監視状態教師データと、を記憶し、当該記憶した火災教師データと非火災教師データと通常監視状態教師データを用いて機械学習手段を学習する。
(火災検知方法)
本発明は火災検知方法であって、
温度入力手段により、温度センサで検出された監視領域の検出温度に基づいて絶対温度と相対温度を生成し、
階層型の機械学習手段により、温度入力手段で生成された絶対温度と相対温度を同時に入力して火災又は非火災を判断し、
学習制御手段により、火災がラベリングされた絶対温度と相対温度を含む火災教師データと、非火災がラベリングされた絶対温度と相対温度を含む非火災教師データと、通常監視状態がラベリングされた絶対温度と相対温度を含む通常監視状態教師データと、を機械学習手段に入力して予め学習することを特徴とする。これ以外の火災検知方法の特徴は、火災検知器の場合と同様になる。
(基本的な効果)
本発明は、火災検知器であって、監視領域の所定の情報の検出値を検出するセンサを1又は複数有する検出部と、センサの内、少なくとも1つは絶対検出値相対検出値取得用センサであるとともに、絶対検出値相対検出値取得用センサで検出された監視領域の所定期間の検出値に基づいて基準検出値を生成する基準検出値生成部と、絶対検出値相対検出値取得用センサで検出された監視領域の所定時点の検出値である絶対検出値と、所定時点の検出値と前期基準検出値の差分である相対検出値と、を生成する検出値入力手段と、検出値入力手段で生成された絶対検出値と相対検出値が入力されて火災又は非火災又は通常監視状態を識別する火災識別手段と、が設けられたため、監視領域の検出値から絶対値と相対値の両方を加味することで、火災状態と非火災状態との特徴的な変化を識別することが可能となり、火災の検出時間を短縮すると共に非火災報要因に対する耐力を向上させることができる。
また、通常監視状態と非火災を分けて識別可能とすることで、通常監視状態と非火災で異なる絶対値と相対値について一つの火災でない状態としてまとめた識別を行わないので、通常監視状態と非火災それぞれの識別精度が向上し、結果として火災でない状態の識別精度が向上する。
(AIによる学習の効果)
また、火災検知器は更に、火災がラベリングされた絶対検出値と相対検出値を含む火災教師データと、非火災がラベリングされた絶対検出値と相対検出値を含む非火災教師データと、通常監視状態がラベリングされた絶対検出値と相対検出値を含む通常監視状態教師データと、を機械学習手段に入力して予め学習する学習制御手段を備え、火災識別手段は学習制御手段による学習結果に基づき識別を行うため、学習制御により単純なルール化が困難であるような火災状態と非火災状態と通常監視状態の特徴的な変化を識別可能になる。また、通常監視状態と非火災をそれぞれ異なる識別対象として学習することで、より識別精度が向上するように学習できる。
(温度に基づく火災検知)
絶対検出値相対検出値取得用センサは温度センサであり、基準検出値は温度センサの検出温度に基づいて生成されるものであり、基準検出値生成部は基準温度生成部であり、絶対検出値は絶対温度であり、相対検出値は相対温度であり、検出値入力手段は温度入力手段であるため、例えば、機械学習手段を絶対温度のみで学習させた場合には、火災及び非火災を識別する精度が絶対温度によって左右される恐れがあるが、通常監視状態からの温度変化である相対温度を学習させる要素に加えることで、絶対温度に対する依存性を改善することができる。また、機械学習手段に相対温度のみを学習させると、火災と非火災要因の区別がつきづらくなるが、絶対温度を学習させる要素に加えることで、火災と非火災要因を区別する精度を高めることができる。通常監視状態において特に変化の大きい温度について絶対温度と相対温度を検出するようにすることで、絶対温度のみを検出とする際で発生する周囲温度の変化による非火災を誤って火災として検出することを防ぐことが可能なる。
(温度入力手段の効果)
また、温度入力手段は、絶対温度と相対温度を一つのデータセットとして火災識別手段に入力するようにしたため、監視領域に設置した温度センサによる検出温度から、
火災識別手段に入力する絶対温度と相対温度のデータセットをリアルタイムで生成して入力することで、絶対温度と相対温度を同時に機械学習手段に入力して火災又は非火災を識別できる。
(基準温度の生成による効果)
また、基準温度生成部は、温度センサによる基準温度生成時点の所定時間前から基準温度生成時点までの検出温度の日単位又は所定の時間単位の平均温度を基準温度として生成するようにしたため、通常監視状態の温度を示す基準温度を、監視環境温度の日変化や時間変化に追従して生成することで、相対温度を正確に生成して絶対温度との同時入力により火災又は非火災を高い精度で識別することができる。
(火災実験による教師データの生成の効果)
また、学習制御手段は、所定の火災実験により温度入力手段で生成された絶対温度と相対温度に火災がラベリングされた火災教師データと、所定の非火災実験により温度入力手段で生成された絶対温度と相対温度に非火災がラベリングされた非火災教師データと、所定の火災実験及び又は非火災実験により所定の状態に至るまでに温度入力手段で生成された絶対温度と相対温度に通常監視状態がラベリングされた通常監視状態教師データと、を記憶し、当該記憶した火災教師データと非火災教師データと通常監視状態教師データを用いて機械学習手段を学習するようにしたため、例えば国際規格で定めた火災実験による温度センサの検出温度から生成された絶対温度と相対温度の組に火災をラベリングして火災教師データとして記憶し、また、火災の代わりにポットやシャワーから湯気を出して行う非火災実験による温度センサの検出温度から生成された絶対温度と相対温度の組に非火災をラベリングして非火災教師データとして記憶することで、機械学習手段の学習に使用する火災及び非火災の教師データを効率良く大量に収集することができ、収集した火災及び非火災の教師データを使用して機械学習手段を適切に学習させることができる。
また、火災実験や非火災実験を行う際に生じる、例えば火災感知器のセンサが何らかの検出を行うような火災や非火災とみなす所定の状態になるまでの温度センサの検出温度から生成された絶対温度と相対温度の組に通常監視状態をラベリングして教師データとして記憶することで、機械学習手段の学習に使用する通常監視状態の教師データについても効率良く大量に収集することができる。
なお、本発明による火災検知方法の効果は、前述した火災検知器の効果と同様になる。
本発明による火災検知装置の実施形態を機能構成で示したブロック図 図1の相対温度生成部の詳細を示したブロック図 本実施形態で用いる入力データ、火災教師データ及び非火災教師データのデータ形式を示した説明図 学習済みの階層型機械学習部を用いた火災検知器の他の実施形態を示したブロック図
[実施形態の基本的な概念]
図1は本発明による火災検知装置の実施形態を機能構成で示したブロック図である。
本発明の火災検知器10における実施形態の基本的な概念は、温度入力手段として機能する温度入力部16により温度センサ12で検出された監視領域の検出温度Tに基づいて絶対温度T(検出温度Tそのもの)と相対温度ΔT(基準温度に対する温度変化)を生成し、温度入力部16で生成された絶対温度Tと相対温度ΔTを同時に階層型の機械学習手段として機能する階層型機械学習部20に入力して火災又は非火災を識別(予測)し、階層型機械学習部20は、学習制御手段として機能する学習制御部24により火災がラベリングされた絶対温度Tと相対温度ΔTを含む火災教師データと、非火災がラベリングされた絶対温度Tと相対温度ΔTを含む非火災教師データと、通常監視状態がラベリングされた絶対温度Tと相対温度ΔTを含む通常監視状態教師データを入力して予め学習されている、というものである。
このように階層型機械学習部20が火災に伴う検出温度そのものである絶対温度Tと基準温度に対する温度変化である相対温度ΔTの両方について火災をラベリングした火災教師データと、非火災をラベリングした非火災教師データと、通常監視状態をラベリングした通常監視状態教師データにより予め学習していることで、学習済みの機械学習部20に、温度センサ12による監視領域の検出温度に基づいて生成した絶対温度Tと相対温度ΔTを入力ベクトルとして同時に入力することで、火災による絶対温度Tと相対温度ΔTの両方を加味した特徴を捉えた判断により火災と非火災と通常監視状態を識別することが可能となり、火災の検出時間を短縮すると共に非火災報要因に対する耐力を向上させることができる。
例えば、階層的機械学習部20を絶対温度Tのみで学習させた場合には、火災及び非火災及び通常監視状態を識別する精度が絶対温度Tによって左右される恐れがあるが、通常監視状態からの温度変化である相対温度ΔTを学習させる要素に加えることで、絶対温度Tに対する依存性を改善する。また、階層型機械学習部20に相対温度ΔTのみを学習させると、火災と非火災要因の区別がつきづらくなるが、絶対温度Tを学習させる要素に加えることで、火災と非火災要因を区別する精度を高めることができる。以下、詳細に説明する。
[火災検知器の機能構成]
(火災検知器の概要)
図1に示すように、本実施形態の火災検知器10は、温度センサ12、A/D変換部14、温度入力部16、入力切替部18、階層型機械学習部20,蓄積判定部22、学習制御部24及び学習データ記憶部26で構成され、例えば、CPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路がハードウェアとして使用され、CPUによるプログラムの実行により温度入力部16、入力切替部18、階層型機械学習部20,蓄積判定部22、学習制御部24及び学習データ記憶部26の機能が実現される。
(温度センサ)
温度センサ12は、サーミスタや半導体温度検知素子等が使用され、監視領域に設置され、監視領域の温度Tを検出して出力する。なお、温度センサ12は火災検知器10に内蔵させても良い。
(A/D変換部)
A/D変換部14は温度センサ12から出力された検出温度のアナログ信号を所定のサンプリング周期毎に所定ビット数のデジタル信号に変換するものであり、サンプリング周期は例えば1秒に設定される。
(温度入力部)
温度入力部16には絶対温度生成部28と相対温度生成部30が設けられる。絶対温度生成部28はA/D変換部14でデジタル信号に変換された温度センサ12の検出温度Tをそのまま絶対温度Tとして出力する。
相対温度生成部30は、A/D変換部14でデジタル信号に変換された温度センサ12の検出温度Tと所定の基準温度Trefとの差分温度を相対温度ΔTとして生成する。
図2は図1の相対温度生成部の詳細を示したブロック図である。図2に示すように、相対温度生成部30には基準温度生成部32と減算部34が設けられる。基準温度生成部32は、A/D変換部14でデジタル信号に変換された温度センサ12の検出温度Tを入力し、通常監視状態(火災や非火災のない状態)の温度として、例えば、日平均又は所定時間平均により平均温度を算出し、この平均温度を基準温度Trefとして出力する。
減算部34は、A/D変換部14でデジタル信号に変換された温度センサ12の検出温度Tから基準温度生成部32で生成された基準温度Trefを差し引いて差分温度(T−Tref)を求め、これを相対温度ΔTとして出力する。
後述する火災実験と非火災実験の際には実験開始時の初期温度を基準温度Trefとしても良い。
(入力切替部)
入力切替部18は温度入力部16の出力の階層型機械学習部20と学習制御部24に対する切替え、及び、学習制御部24の出力の階層型機械学習部20に対する学習データの出力の切替えを行う。
即ち、学習制御部24で教師つき学習データを生成して学習データ記憶部26に記憶させるときは、温度入力部16の出力を学習制御部24の入力に切替え、階層型機械学習部20を教師付きの学習データで学習するときは、学習制御部24の出力を階層型機械学習部20の入力に切替え、更に、監視中は、温度入力部16の出力を監視中は火災識別手段として機能する階層型機械学習部20の入力に切り替える。
(階層型機械学習部)
階層型機械学習部20は、温度入力部16で生成された絶対温度Tと相対温度ΔTを入力ベクトルとして同時に入力して火災又は非火災又は通常監視状態を識別(予測)する。
本実施形態の階層型機械学習部20は、例えば、力学系学習木(DLT:Dynamics Learning Tree)が使用される。力学系学習木(DLT)は、木構造を用いた階層型の学習木であり、逐次学習において忘却を抑制でき、汎化能力が高く、学習と予測が高速に行えるといった特徴を持つ。
力学系学習木(DLT)は、根となるノードがn次元入力空間(本実施形態では絶対温度Tと相対温度ΔTの2次元入力空間)を表現していると考え、根から葉の方へn次元(副層)のd分木を形成することで、根の入力空間をd個に分割した各入力空間に葉のノードを1対1に対応させる。そして、その葉のノードを根としてさらにn次元d分木の形成をN回行うことで形成されるN階層n次元d分木の学習木である。
図3は本実施形態で用いる入力データ、火災教師データ及び非火災教師データのデータ形式を示した説明図である。入力データ36は温度入力部16で生成された絶対温度Tと相対温度ΔTで構成され、2次元の入力ベクトル(T,ΔT)として階層型機械学習部20に入力される。
火災教師データ38は、所定の火災実験等により温度入力部16で生成された絶対温度Tと相対温度ΔTで構成され、出力ベクトルとして火災がラベリングされている。
非火災教師データ40は、所定の非火災実験等により温度入力部16で生成された絶対温度Tと相対温度ΔTで構成され、出力ベクトルとして非火災がラベリングされている。
通常監視状態教師データ41は、所定の非火災実験等により温度入力部16で生成された絶対温度Tと相対温度ΔTで構成され、出力ベクトルとして通常監視状態がラベリングされている。
学習時は入力データ36と火災又は非火災又は通常監視状態の識別結果と教師データのラベリングデータを元に後述する学習制御部により階層型機械学習部20は学習を行う。
監視中は入力データ36を元に火災又は非火災又は通常監視状態の識別結果を蓄積判定部22に出力し、火災の判定を行わせる。
なお、階層型機械学習部20としては、力学系学習木(DLT)以外に適宜の階層型機械学習木を使用することができ、また、学習木以外に、例えば、時系列的な情報の入力に対応した再起型ニューラルネットワーク(RNN)等を使用しても良い。
(学習制御部)
学習制御部24は、火災がラベリングされた絶対温度Tと相対温度ΔTを含む火災教師データと、非火災がラベリングされた絶対温度Tと相対温度ΔTを含む非火災教師データと、通常監視状態がラベリングされた絶対温度Tと相対温度ΔTを含む通常監視状態教師データと、を階層型機械学習部20に入力して所定の学習アルゴリズムに従って学習させる。
階層型機械学習部20に力学系学習木(DLT)を設けた場合、学習制御部24は、入力ベクトル(絶対温度Tと相対温度ΔT)と出力ベクトル(ラベリングされた火災又は非火災)の対を力学系学習木(DLT)に入力し、この入出力ベクトルの対に応じて根から入力に対応した葉までのノードを逐次探索して生成する。続いて、探索・作成した全ノード(ノード群)に出力ベクトルの相加平均を保持させることにより、根寄りの粗い入力空間から葉寄りの細かい入力空間までのノードに対し、出力ベクトルを対応づける。
(学習データの生成)
また、学習制御部24は、階層型機械学習部20の学習に使用する教師付きの学習データを効率的に生成して学習データ記憶部26に記憶する機能を備える。
教師付き学習データの生成記憶は、所定の火災実験に基づいて行われる。火災教師データを取得するため、国際規格で定められた木材燻焼(TF2)やポリウレタン燃焼(TF4)の火災実験を行い、火源に対し所定距離離れた位置に温度センサ12を配置し、学習制御部24は、実験開始から所定時間の亘る検出温度から温度入力部16により生成される絶対温度Tと相対温度ΔTの組を入力切替部18から入力し、火災をラベリングして火災教師データとして学習データ記憶部26に連続的に記憶する。
ここで、絶対温度Tと相対温度ΔTからなる温度データに対する火災のラベリングは、燃焼を開始してから人為的に火災と確認できる時点、又は、所定の温度変化が検知された時点からとし、それ以前の温度データは通常監視状態をラベリングして通常監視状態教師データとして学習データ記憶部26に連続的に記憶する。
より詳細に説明する。火災実験を開始する際、あらかじめ火災実験である旨を設定しておき、温度センサ12とは別に一般的な火災検知器を配置し、火災実験を行う。一般的な火災検知器を火災検知器はセンサ値を外部に出力し、一般的な火災検知器によるセンサ値がプリアラームレベルやそれよりも通常状態に近い所定の値を検出するまでは、それ以前の温度データは通常監視状態をラベリングして通常監視状態教師データとして記憶し、以降の温度データは火災実験である旨を設定してあるから非火災でなく火災をラベリングして火災教師データとして記憶する。
また、非火災教師データの生成記憶は、火災実験における火源に代えてポットやシャワー等の水蒸気を発生させ、人為的に非火災と確認できる時点、又は、所定の温度変化が検知された時点から、学習制御部24は温度入力部16により出力される絶対温度Tと相対温度ΔTの組を入力切替部18から入力し、非火災をラベリングして非火災教師データとして学習データ記憶部26に連続的に記憶する。
より詳細に説明する。非火災実験を開始する際、あらかじめ非火災実験である旨を設定しておき、温度センサ12とは別に一般的な火災検知器を配置し、非火災実験を行う。一般的な火災検知器を火災検知器はセンサ値を外部に出力し、一般的な火災検知器によるセンサ値がプリアラームレベルやそれよりも通常状態に近い所定の値を検出するまでは、それ以前の温度データは通常監視状態をラベリングして通常監視状態教師データとして記憶し、以降の温度データは非火災実験である旨を設定してあるから火災でなく非火災をラベリングして火災教師データとして記憶する。
このような火災実験及び非火災実験を繰り返すことで、各実験毎にある程度のばらつきをもった火災教師データ及び非火災教師データ及び通常監視状態教師データを自動的に取得して記憶することができ、十分な量の教師付きデータを準備して階層型機械学習部20を学習することが可能となり、これによって階層型機械学習部20による入力ベクトル(T,ΔT)に対する出力ベクトル(火災又は非火災又は通常監視状態)を予測する精度を十分に高めることができる。
なお、階層型機械学習部20の学習に使用する教師付きデータの収集は、火災実験や非火災実験に限定されず、必要に応じて適宜の手法をとることを妨げない。
(蓄積判定部)
蓄積判定部22は、階層型機械学習部20から出力される火災予測信号又は非火災予測信号に対し、所定の蓄積条件を設定し、この蓄積条件が満たされたときに、火災検出信号E1又は非火災検出信号E2を出力する。
蓄積判定部22の蓄積条件は、例えば、火災予測信号又は非火災予測信号の連続出力回数を所定の閾値回数に設定しており、火災予測信号又は非火災予測信号が連続して閾値回数出力されたときに、蓄積条件を満たしたとして火災検出信号E1又は非火災検出信号E2を出力する。
また、蓄積判定部22は、火災予測信号又は非火災検出信号が出力されていないか、所定の蓄積条件を満たしていないときは、通常監視信号E0を出力している。なお、通常監視信号E0は必ずしも出力する必要はない。
また、階層型機械学習部20から出力される通常監視状態予測信号について、通常監視信号E0を出力しているときは、蓄積判定部22は特に出力を変更する必要はないが、火災検出信号E1又は非火災検出信号E2を出力しているときは、通常監視状態予測信号が連続出力回数を所定の閾値回数を超えたときに火災検出信号E1又は非火災検出信号E2の出力を停止する。
[学習済みの火災検知器]
図4は火災識別手段として機能する学習済みの階層型機械学習部を用いた火災検知器の他の実施形態を示したブロック図である。図4に示すように、本実施形態にあっては、学習済みの階層型機械学習部20を配置しており、このため図1に示した入力切替部18、学習制御部24及び学習データ記憶部26の機能は除かれている、その以外の構成及び機能は図1の実施形態と同じである。
実際の火災報知設備に用いるには、本実施形態による火災識別手段として機能する学習済みの階層型機械学習部20を設けた火災検知器10とすることが望ましい。
[本発明の変形例]
(煙濃度とCO濃度の追加)
上記の実施形態に示した火災検知器は、絶対検出値相対検出値取得用センサとして温度センサの検出温度に基づく絶対温度Tと相対温度ΔTを同時に入力しているが、監視領域の所定の情報の検出値を検出するセンサとして警戒区域に煙センサやCOセンサを設け、階層型機械学習部に対する入力ベクトルとして、煙濃度やCO濃度を入力ベクトルに加えて階層型機械学習部に入力して火災、非火災を予測するようにしても良い。
また、絶対検出値相対検出値取得用センサとして、温度センサ以外に煙濃度センサやCO濃度センサを採用しても良い。絶対検出値相対検出値取得用センサは一つのみとしても良いが、複数のセンサを。絶対検出値相対検出値取得用センサとしても良い。また、基準検出値を求める際の期間をそれぞれのセンサの特徴に応じた期間としても良い。例えば、温度センサは一日の中でも変動が大きいので基準検出値を求める際の期間を時間や分単位で設定し、煙センサやCOセンサは変動が小さいため基準検出値を求める際の期間を日単位で設定する。
煙濃度センサを絶対検出値相対検出値取得用センサとして採用した場合、工場等で通常の環境が悪く、粉塵等の影響で煙の絶対値が常時出ている、例えば3%/mがあるような環境に対応可能となる。絶対値として所定10%/m以上、相対値も所定値10%/m以上であれば火災として判断するものとし、この環境で、火災で煙が発生して、絶対値が11%/m、相対値が8%/mであるような場合、相対値では所定値10%/m未満であれば非火災又は監視状態を識別する。
上記の実施形態に示した火災検知器は、学習済みの階層型機械学習部20を設けた火災検知器10を実際の火災報知設備に用いるとしているが、これに限らない。例えば、火災検知器の学習により得られた学習済みの階層型機械学習部20に基づき、絶対値と相対値から火災と非火災と通常監視状態を識別する手法を検討し、監視領域を監視する火災感知器に当該識別手法を採用しても良い。
また、所定の知見を元に検討した識別手法を採用しても良い。例えば、絶対値(絶対温度)が所定値(例えば50℃)に到達、且つ、相対値(相対温度)も所定値(ΔT30℃)に到達した場合には、火災として判断するものとする。この場合、絶対値(絶対温度)が所定値(例えば50℃)に到達したが、相対値(相対温度)は所定値(ΔT30℃)未満のΔT10℃である場合には、非火災もしくは監視状態と判断することで火災と非火災を識別することができる。
また、本火災検知器は火災検知器と接続する火災受信機等を介して他の端末による警報を行うようにしても良いし、自らが警報するような形態をとって良い。
非火災の検出は火災の誤検出を防ぐために用いているが、火災受信機を介して防災センター等に送信し、非火災の検出が生じやすい環境である旨を通知して対策等を行う助けとしても良い。
(火災報知設備での配置構成)
また、火災報知設備に対する本発明の火災検知器の配置構成としては、受信機から引き出された伝送路に、伝送機能を備えたアドレス付きの温度センサを接続し、受信機からのポーリングにより温度センサの検出温度を周期的に収集し、図1又は図4に示した火災検知器10の機能構成を受信機に設け、受信機側で温度センサの検出温度から絶対温度と相対温度を生成して階層型機械学習部に入力して火災又は非火災を予測すれば良い。
(その他)
また、本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:火災検知器
12:温度センサ
14:A/D変換部
16:温度入力部
18:入力切替部
20:階層型機械学習部
22:蓄積判定部
24:学習制御部
26:学習データ記憶部
28:絶対温度生成部
30:相対温度生成部
32:基準温度生成部
34:減算部
36:入力データ
38:火災教師データ
40:非火災教師データ
(絶対検出値と相対検出値による火災識別)
本発明は、監視領域の状態を検出し、通常監視状態、当該通常監視状態とは異なる火災及び非火災の何れかに対応した信号を出力する火災検知器であって、
監視領域の所定の情報の検出値を検出するセンサを1又は複数有し、当該センサの内、少なくとも1つは絶対検出値相対検出値取得用センサである検出部と
絶対検出値相対検出値取得用センサで検出された監視領域の所定期間の検出値に基づいて基準検出値を生成する基準検出値生成部と、
絶対検出値相対検出値取得用センサで検出された監視領域の所定時点の検出値である絶対検出値と、所定時点の検出値と前期基準検出値の差分である相対検出値と、を生成する検出値入力手段と、
検出値入力手段で生成された絶対検出値と相対検出値が同時に入力され通常監視状態、火災及び非火災の何れかを識別する火災識別手段と、
が設けられたことを特徴とする。
火災検知器は、更に、
火災識別手段の識別結果を蓄積し、当該蓄積結果に基づき通常監視状態、火災及び非火災の何れかを判定して、当該判定結果に対応した信号を出力する蓄積判定手段を備える。
(AIによる学習)
火災検知器は更に、
火災がラベリングされた絶対検出値と相対検出値の組を含む火災教師データと、非火災がラベリングされた絶対検出値と相対検出値の組を含む非火災教師データと、通常監視状態がラベリングされた絶対検出値と相対検出値の組を含む通常監視状態教師データと、を機械学習手段に入力して予め学習する学習制御手段を備え、
火災識別手段は学習制御手段による学習結果に基づき識別を行う。
(温度入力手段)
温度入力手段は、
絶対温度と相対温度を一つの組(データセットとして火災識別手段に入力する。
(火災検知方法)
本発明は、監視領域の状態を検出し、通常監視状態、当該通常監視状態とは異なる火災及び非火災の何れかに対応した信号を出力する火災検知器の火災検知方法であって、
温度入力手段により、温度センサで検出された監視領域の検出温度に基づいて絶対温度と相対温度を生成し
学習制御手段により、火災がラベリングされた絶対温度と相対温度を含む火災教師データと、非火災がラベリングされた絶対温度と相対温度を含む非火災教師データと、通常監視状態がラベリングされた絶対温度と相対温度を含む通常監視状態教師データと、を機械学習手段に入力して予め学習し、
火災識別手段により、温度入力手段で生成された絶対温度と相対温度を同時に入力し、学習制御手段による学習結果に基づき通常監視状態、当該通常監視状態とは異なる火災及び非火災の何れであるかを識別し、
蓄積判定手段により、火災識別手段の識別結果を蓄積し、当該蓄積結果に基づき通常監視状態、火災及び非火災の何れかを判定して、当該判定結果に対応した信号を出力することを特徴とする。これ以外の火災検知方法の特徴は、火災検知器の場合と同様になる。
(基本的な効果)
本発明は、監視領域の状態を検出し、通常監視状態、当該通常監視状態とは異なる火災及び非火災の何れかに対応した信号を出力火災検知器であって、監視領域の所定の情報の検出値を検出するセンサを1又は複数有し、当該センサの内、少なくとも1つは絶対検出値相対検出値取得用センサである検出部と、絶対検出値相対検出値取得用センサで検出された監視領域の所定期間の検出値に基づいて基準検出値を生成する基準検出値生成部と、絶対検出値相対検出値取得用センサで検出された監視領域の所定時点の検出値である絶対検出値と、所定時点の検出値と前期基準検出値の差分である相対検出値と、を生成する検出値入力手段と、検出値入力手段で生成された絶対検出値と相対検出値が同時に入力され通常監視状態、火災及び非火災の何れかを識別する火災識別手段と、を備えたため、監視領域の検出値から絶対値と相対値の両方を加味することで、火災状態と非火災状態との特徴的な変化を識別することが可能となり、火災の検出時間を短縮すると共に非火災報要因に対する耐力を向上させることができる。
(AIによる学習の効果)
また、火災検知器は更に、火災がラベリングされた絶対検出値と相対検出値の組を含む火災教師データと、非火災がラベリングされた絶対検出値と相対検出値の組を含む非火災教師データと、通常監視状態がラベリングされた絶対検出値と相対検出値の組を含む通常監視状態教師データと、を機械学習手段に入力して予め学習する学習制御手段を備え、火災識別手段は学習制御手段による学習結果に基づき識別を行うため、学習制御により単純なルール化が困難であるような火災状態と非火災状態と通常監視状態の特徴的な変化を識別可能になる。また、通常監視状態と非火災をそれぞれ異なる識別対象として学習することで、より識別精度が向上するように学習できる。
(温度入力手段の効果)
また、温度入力手段は、絶対温度と相対温度を一つの組(データセットとして火災識別手段に入力するようにしたため、監視領域に設置した温度センサによる検出温度から火災識別手段に入力する絶対温度と相対温度の組(データセットをリアルタイムで生成して入力することで、絶対温度と相対温度を同時に機械学習手段に入力して火災又は非火災を識別できる。
このように階層型機械学習部20が火災に伴う検出温度そのものである絶対温度Tと基準温度に対する温度変化である相対温度ΔTの両方について火災をラベリングした火災教師データと、非火災をラベリングした非火災教師データと、通常監視状態をラベリングした通常監視状態教師データにより予め学習していることで、学習済みの階層型機械学習部20に、温度センサ12による監視領域の検出温度に基づいて生成した絶対温度Tと相対温度ΔTを入力ベクトルとして同時に入力することで、火災による絶対温度Tと相対温度ΔTの両方を加味した特徴を捉えた判断により火災と非火災と通常監視状態を識別することが可能となり、火災の検出時間を短縮すると共に非火災報要因に対する耐力を向上させることができる。
より詳細に説明する。火災実験を開始する際、あらかじめ火災実験である旨を設定しておき、温度センサ12とは別に一般的な火災検知器を配置し、火災実験を行う。一般的な火災検知器センサ値を外部に出力しセンサ値がプリアラームレベルやそれよりも通常状態に近い所定の値を検出するまでは、それ以前の温度データは通常監視状態をラベリングして通常監視状態教師データとして記憶し、以降の温度データは火災実験である旨を設定してあるから非火災でなく火災をラベリングして火災教師データとして記憶する。
より詳細に説明する。非火災実験を開始する際、あらかじめ非火災実験である旨を設定しておき、温度センサ12とは別に一般的な火災検知器を配置し、非火災実験を行う。一般的な火災検知器センサ値を外部に出力しセンサ値がプリアラームレベルやそれよりも通常状態に近い所定の値を検出するまでは、それ以前の温度データは通常監視状態をラベリングして通常監視状態教師データとして記憶し、以降の温度データは非火災実験である旨を設定してあるから火災でなく非火災をラベリングして火災教師データとして記憶する。
また、絶対検出値相対検出値取得用センサとして、温度センサ以外に煙濃度センサやCO濃度センサを採用しても良い。絶対検出値相対検出値取得用センサは一つのみとしても良いが、複数のセンサ絶対検出値相対検出値取得用センサとしても良い。また、基準検出値を求める際の期間をそれぞれのセンサの特徴に応じた期間としても良い。例えば、温度センサは一日の中でも変動が大きいので基準検出値を求める際の期間を時間や分単位で設定し、煙センサやCOセンサは変動が小さいため基準検出値を求める際の期間を日単位で設定する。
(絶対検出値と相対検出値による学習
本発明は、所定の情報の検出値を検出する検出手段を備え、通常監視状態、当該通常監視状態とは異なる火災及び非火災の何れかに対応した信号を出力する火災検知器であって
所定期間の検出値に基づいて基準検出値を生成する基準検出値生成部と
所定時点の検出値である絶対検出値と、所定時点の検出値と所定時点での基準検出値の差分である相対検出値と、を生成する検出値入力手段と
を備え、
絶対検出値と相対検出値の組を含むデータを教師データとして学習する、
ことを特徴とする。
また、本発明は、所定の情報の検出値を検出する検出手段を備え、通常監視状態、当該通常監視状態とは異なる火災及び非火災の何れかに対応した信号を出力する火災検知器の学習方法であって、
所定期間の検出値に基づいて基準検出値を生成し、
所定時点の検出値である絶対検出値を生成し、
所定時点での検出値と所定時点での基準検出値との差分である相対検出値を生成し、
絶対検出値と相対検出値の組を含むデータを教師データとして学習する、
ことを特徴とする。
(温度に基づく火災検知)
検出値は、少なくとも温度を含む。
(火災予兆状態の前後でラベリングを切り替える学習)
また、本発明は、所定の情報の検出値を検出するセンサを備え、通常監視状態、当該通常監視状態とは異なる火災及び非火災の何れかに対応した信号を出力する火災検知器の学習方法であって、
火災感知器とは異なる判定用火災感知器を備え、
火災の教師データを作成する旨を火災感知の学習手段に設定したうえで火災を教育するための事象を発生させ、
判定用火災検知器が火災予兆状態を検出するまでのセンサで取得した検出値を、通常監視状態をラベリングする教師データとして学習手段に記憶し、
判定用火災検知器が火災予兆状態を検出してからのセンサで取得した検出値を、火災状態をラベリングする教師データとして学習手段に記憶する、
ことを特徴とする。
火災検知器の学習方法は、更に、非火災の教師データを作成する旨を火災感知の学習手段に設定したうえで非火災を教育するための事象を発生させ、
判定用火災検知器が火災予兆状態を検出するまでのセンサで取得した検出値を、通常監視状態をラベリングする教師データとして学習手段に記憶し、
判定用火災検知器が火災予兆状態を検出してからのセンサで取得した検出値を、非火災状態をラベリングする教師データとして学習手段に記憶する。

Claims (7)

  1. 火災を検知する火災検知器であって、
    監視領域の所定の情報の検出値を検出するセンサを1又は複数有する検出部と、
    前記センサの内、少なくとも1つは絶対検出値相対検出値取得用センサであるとともに、
    前記絶対検出値相対検出値取得用センサで検出された監視領域の所定期間の検出値に基づいて基準検出値を生成する基準検出値生成部と、
    前記絶対検出値相対検出値取得用センサで検出された監視領域の所定時点の検出値である絶対検出値と、前記所定時点の検出値と前記基準検出値の差分である相対検出値と、
    を生成する検出値入力手段と、
    前記検出値入力手段で生成された前記絶対検出値と前記相対検出値が入力されて火災又は非火災又は通常監視状態を識別する火災識別手段と、
    が設けられたことを特徴とする火災検知器。
  2. 請求項1記載の火災検知器に於いて、
    前記火災検知器は更に、
    火災がラベリングされた前記絶対検出値と前記相対検出値を含む火災教師データと、非火災がラベリングされた前記絶対検出値と前記相対検出値を含む非火災教師データと、通常監視状態がラベリングされた前記絶対検出値と前記相対検出値を含む通常監視状態教師データと、を機械学習手段に入力して予め学習する学習制御手段を備え、
    前記火災識別手段は前記学習制御手段による学習結果に基づき識別を行うことを特徴とする火災検知器。
  3. 請求項2記載の火災検知器に於いて、
    前記絶対検出値相対検出値取得用センサは温度センサであり、
    前記基準検出値は前記温度センサの検出温度に基づいて生成されるものであり、
    前記基準検出値生成部は基準温度生成部であり、
    前記絶対検出値は絶対温度であり、
    前記相対検出値は相対温度であり、
    前記検出値入力手段は温度入力手段である
    ことを特徴とする火災検知器。
  4. 請求項3記載の火災検知器に於いて、
    前記温度入力手段は、
    前記絶対温度と前記相対温度を一つのデータセットとして前記火災識別手段に入力することを特徴とする火災検知器。
  5. 請求項3記載の火災検知器に於いて、前記基準温度生成部は、前記温度センサによる基準温度生成時点の所定時間前から基準温度生成時点までの検出温度の日単位又は所定の時間単位の平均温度を前記基準温度として生成することを特徴とする火災検知器。
  6. 請求項3記載の火災検知器に於いて、
    前記学習制御手段は、
    所定の火災実験により前記温度入力手段で生成された前記絶対温度と前記相対温度に火災がラベリングされた前記火災教師データと、
    所定の非火災実験により前記温度入力手段で生成された前記絶対温度と前記相対温度に非火災がラベリングされた前記非火災教師データと、
    前記所定の火災実験及び又は非火災実験により所定の状態に至るまでに前記温度入力手段で生成された前記絶対温度と前記相対温度に通常監視状態がラベリングされた前記通常監視状態教師データと、
    を記憶し、
    当該記憶した前記火災教師データと前記非火災教師データと前記通常監視状態教師データを用いて前記機械学習手段を学習することを特徴とする火災検知器。
  7. 温度入力手段により、温度センサで検出された監視領域の検出温度に基づいて絶対温度と相対温度を生成し、
    階層型機械学習手段により、前記温度入力手段で生成された前記絶対温度と前記相対温度を同時に入力して火災又は非火災を判断し、
    学習制御手段により、火災がラベリングされた前記絶対温度と前記相対温度を含む火災教師データと、非火災がラベリングされた前記絶対温度と前記相対温度を含む非火災教師データと、通常監視状態がラベリングされた前記絶対温度と前記相対温度を含む通常監視状態教師データと、
    を前記機械学習手段に入力して予め学習することを特徴とする火災検知方法。

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