JP2020139792A - 検査装置および検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】細胞の状態の評価【解決手段】一実施形態に係る検査装置は、細胞に光を照射可能な発光部と、細胞を介して取得した光を分光可能な分光部と、分光部で分光された光を受容し、電気信号として送信可能な受光部と、受光部から送信された電気信号に基づいて光のスペクトルを取得し、スペクトルにおける可視光の帯域の波長特性に基づいて、細胞の状態を評価可能な制御部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、検査装置および検査方法に関する。
従来、生存細胞と非生存細胞を検出する装置が知られている(特許文献1)。
特表2015−521037号公報
このような装置では、単に細胞が生存しているか、または死滅しているかを評価することしかできない。すなわち、従来の技術では、細胞の若さおよび老化の程度などの細胞の状態が評価できない。
一実施形態に係る検査装置は、細胞に光を照射可能な発光部と、細胞を介して取得した光を分光可能な分光部と、分光部で分光された光を受容し、電気信号として送信可能な受光部と、受光部から送信された電気信号に基づいて光のスペクトルを取得し、スペクトルにおける可視光の帯域の波長特性に基づいて、細胞の状態を評価可能な制御部と、を備える。
一実施形態に係る検査方法は、細胞に光を照射する工程と、細胞を介して取得した光を分光する工程と、分光した光を受容する工程と、光のスペクトルを取得する工程と、スペクトルにおける可視光の帯域の波長特性に基づいて、細胞の状態を評価するステップと、を備える。
本開示に係る検査装置および検査方法によれば、細胞の状態を評価することができる。
一実施形態に係る検査装置が有する機能部を示す図である。 一実施形態に係る検査装置による検査を模式的に表す図である。 細胞の観察図およびスペクトルである。 細胞の観察図およびスペクトルである。 一実施形態係る検査装置が実行する検査のフロー図である。
(検査装置)
(一実施形態)
図1は、一実施形態に係る検査装置が有する機能部を示す図である。図2は、一実施形態に係る検査装置による検査を模式的に表した図である。
本開示の検査装置1は、細胞を介して取得した光に基づいて、細胞の状態を評価することができる。細胞の状態とは、例えば、細胞が生きているか否か、死んでいるか否か、どの程度生育が進んでいるか、およびどの程度老化あるいは分化が進んでいるかなどの細胞
の状態をいう。なお、「細胞を介して取得した光」とは、測定対象である細胞で反射した反射光、または細胞を透過した透過光などを意味する。一実施形態に係る検査装置1は、細胞で反射した反射光に基づいて、細胞の状態を評価する。
測定対象である細胞は、生物の細胞であれば特に限定されない。生物は、例えば、ラットおよびヒトなどの動物、イネおよびシロイヌナズナなどの植物、大腸菌およびメタン生成菌などの原核生物、酵母菌およびカビなどの菌類などであればよい。動物または植物の細胞は、例えば、幹細胞および生殖細胞などであればよい。動物の細胞は、例えば、上皮細胞、内皮細胞、および免疫細胞などであってもよい。植物の細胞は、例えば、柔組織細胞、孔辺細胞、および厚角組織細胞などであってもよい。本開示では、測定対象の細胞は、骨髄由来のラット間葉系幹細胞、および骨髄由来のヒト間葉系幹細胞である。なお、幹細胞は、神経幹細胞、上皮幹細胞、消化管上皮幹細胞、生殖幹細胞、造血幹細胞、間葉系幹細胞などの組織幹細胞であってもよい。また、動物の細胞は、哺乳類の細胞であれば、特に限定されるものでない。例えば、細胞は、マウス、ネコ、イヌ、およびサルなどに由来する細胞であってもよい。
一実施形態に係る検査装置1は、光を照射可能な発光部10、光を分光可能な分光部20、光を受容可能な受光部30、検査装置1の種々の制御を実行する制御部40、および制御部40が実行するプログラム、検査結果などの種々の情報を記憶可能な記憶部50を備えている。なお、検査装置1を構成する各機能部は、従来周知の技術で構成されればよい。
発光部10は、測定対象に光を照射することができる。発光部10は、検査装置1が細胞の状態を評価可能な光を照射可能なものであれば、特に限定されない。発光部10は、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、HID(High Intensity Discharge)ランプ、およびLED(Laser Emitted Diod)などの光源であればよい。具体的には、少なくとも350nm〜1050nmの波長の光を照射可能なものであればよい。
分光部20は、分光部20に入射した光(入射光)を波長毎の成分に分光することができる。本開示では、分光部20は、細胞を介して分光部20に到達した光を分光することができる。分光部20は、例えば、プリズム、回折格子、およびグリズムなどを用いて入射光を分光可能であればよい。
一実施形態において、分光部20は、回折格子を用いる。この場合、分光部20は、可視光から近赤外までの波長帯域に入射光を分光可能なように構成されればよい。具体的には、分光部20は、少なくとも350nm〜1050nmの波長に入射光を分光可能なように構成されればよい。また、分光部20の分光分解能は、検査装置1が細胞の状態を評価可能なように適宜調整されればよい。具体的には、分光部20に含まれる回折格子の刻線数またはスリット数、ブレーズ波長、およびブレーズ角度などの仕様は、必要な分光分解能に応じて適宜調整されればよい。また、分光部20は、分光分解能を調整可能であってもよい。具体的には、分光部20は、仕様の異なる複数の回折格子を有していてもよい。この場合、作業者は、評価結果の用途、検査環境、および検査条件などに応じて分光部20の分光分解能を調整して検査を行うことができるため、検査装置1は、有用性を向上させることができる。
一実施形態において、分光部20は、分光した光が受光部30に受容されるような位置に配されればよい。すなわち、検査装置1は、発光部10、分光部20、および受光部30の順に光が到達するように構成されればよい。なお、各部間のそれぞれの距離は、検査装置1が細胞の状態を評価可能な距離に調整されればよい。具体的には、各部間のそれぞれの距離は、受光部30に到達する光の強度が、検査装置1が細胞の状態を評価可能な強度となるように調整されればよい。
なお、分光部20の回折格子の切換え、分光部20と受光部30との距離の調節、分光部20の角度の調節などの各種の調整は、制御部40が制御することで実行してもよい。これらの各種調整は、作業者が手作業で実行してもよい。
受光部30は、受容した光を電気信号として制御部40に送信することができる。本開示では、受光部30は、細胞を介して分光部20に入射し、分光部20によって分光された光を受容することができる。受光部30は、近赤外から近紫外の波長の光を受容可能なものであれば特に限定されない。より具体的には、受光部30は、350nm〜1050nmの波長の光を受容可能なものであればよい。
受光部30は、例えば、フォトダイオード、フォトトランジスタ、およびフォトコンダクタなどの受容した光を電気的な信号に変換可能な受光素子で構成されればよい。また、受光部30は、複数の受光素子で構成されたイメージセンサなどの撮像素子で構成されてもよい。具体的には、受光部30は、CCD(Charged Coupled Devices)イメージセン
サ、およびCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなど
を有する撮像素子であってもよい。この場合、受光部30は、例えば、一次元の受光面を有するリニアイメージセンサ、および二次元の受光面を有するエリアイメージセンサであってもよい。一実施形態において、受光部30は、CMOSイメージセンサであり、分光部20が分光した光を電気信号として検出することができる。
制御部40は、検査装置1に関する種々の制御を実行することができる。具体的には、制御部40は、発光部10、分光部20、および受光部30などの各機能部を制御することができる。制御部40は、少なくとも1つのIC(Integrated Circuit)、およびLSI(Large Scale Integration)などの電子回路により各機能部を構成することができる
。なお、制御部40は、複数のICまたはLSIなどをさらに集積して形成された少なくとも1つのユニットであってもよい。
制御部40は、演算および各種制御処理を実行するプロセッサを有している。プロセッサは、例えば、1以上のプロセッサ、コントローラ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、デジタル信号処理装置、プログラマブルロジックデバイス、又はこれらのデバイスもしくは任意の構成の組み合わせ、または他の既知のデバイスもしくは構成の組合せを含んでよい。
制御部40は、演算および各種制御処理ために、前処理を行なうことができる。例えば、制御部40は、受光部30から入力された電気信号を電流値または電圧値に変換する処理、電気信号のAC(Alternating Current)成分とDC(Direct Current)成分を分離する処理、およびAC信号を増幅する処理またはアナログ信号をデジタル信号に変換する処理などを行なってもよい。すなわち、制御部40は、IV変換部、AC−DCデカップリング部、AC増幅部、またはAD変換部を有していてもよい。
制御部40は、受光部30から入力された電気信号に基づいて、光のスペクトルを取得することができる。光のスペクトルは、受光部30が受容した光の波長成分と、波長ごとの強度との関係を表すものである。ここで、強度とは、光のエネルギーの大きさを示す値であり、光子の数に比例する。すなわち、光のスペクトルは、波長ごとに光子がどの程度存在するのかを表すものである。なお、強度は、エネルギーから換算可能であれば、任意の媒介変数で示されればよい。また、強度は、基準値に対する比として示されてもよい。この場合、単位は、任意単位(a.u. :arbitrary unit)で示されればよい。
記憶部50は、制御部40が実行するプログラム、および制御部40が取得した光のスペクトルなどの各種の情報を記憶することができる。記憶部50は、揮発性メモリ、および不揮発性メモリによって構成されればよい。記憶部50は、例えば、RAM(Random Access Memory)、またはROM(Read-Only Memory)などに分類される各種メモリによって構成されればよい。一実施形態において、記憶部50には、ファームウェアが記憶されている。したがって、制御部40は、記憶部50に記憶されたファームウェアに従って、プロセッサが計算手続き又は各種処理を実行することができるため、検査装置1の種々の制御を実行することができる。
培養した細胞を用いて試験研究などを行なう際、出来るだけ若い細胞を用いたい場合、またはある程度生育が進んだ細胞を用いたい場合など、条件に応じた状態の細胞が必要になる場合がある。すなわち、単に細胞が生きているか死んでいるかのみならず、細胞が条件に適合する良好な状態のものであるか否かの評価が必要となる場合がある。従来、細胞の培養工程において、細胞の状態の良、不良は、例えば、作業者が顕微鏡などで細胞の形態を目視観察することで評価していた。しかし、明確な評価基準がなく、作業者、培養ロット、および作業環境などの種々の要因に起因して、必ずしも正確な評価ができないという問題が生じていた。
これに対し、本開示の検査装置1によれば、細胞の状態を比較的正確に評価することができる。具体的には、本開示の検査装置1は、細胞を介して取得した光のスペクトルの波長特性に基づいて、細胞の状態を評価することができる。
ここで、細胞の生育に伴い、または細胞が生きているか死んでいるかによって、細胞の形態、細胞膜構造、細胞内外に分泌される分泌物、および細胞外成分などが変化する。したがって、細胞の若さ、老化あるいは分化の程度、および細胞の生死などの細胞の状態に応じて、細胞が吸収可能な光の波長帯域は変化する。よって、細胞を介して取得された光は、細胞の状態に応じた波長特性を有する。
また、老化が進んでおらず、比較的若い細胞は、活発に細胞分裂を繰返している。比較的若い細胞とは、例えば誘導期および対数増殖期にある細胞などである。この場合、細胞は、比較的小さく紡錘形なものとなる。一方で、生育が進んだ細胞は、細胞分裂の回数が減少していき、比較的大きく扁平なものとなる。生育が進んだ細胞とは、例えば定常期および死滅期にある細胞である。したがって、細胞の状態に応じて、吸収される光の量が変化する。よって、細胞の状態に応じて、取得した光の強度が変化する。
以下、実験結果を踏まえて説明する。
細胞の培養条件について説明する。ラット間葉系幹細胞、およびヒト間葉系幹細胞は、37℃、5%CO2雰囲気下で培養した。培養には市販の幹細胞用培地を用いた(ラット:コスモ・バイオ社製、ラット骨髄由来間葉系幹細胞増殖用メディウムセット、品番 MSB-GM/ヒト:CET社製、Mesenchymal Stem Cell Expansion Media、品番 HMSC.E.MEDIA-450)。
培養プロトコールは、以下の通りである。
(i)培養用プレートへコラーゲン溶液を分注し、静置(37℃、5分)
(ii)分注済み培養プレートを、リン酸緩衝生理食塩水で洗浄
(iii)凍結保存された幹細胞を解凍し、幹細胞用培地へ添加
(iv)添加済み幹細胞用培地を撹拌し、上清を破棄し、細胞懸濁液を調整
(v)洗浄済みプレートへ細胞懸濁液を滴下し、幹細胞を播種
ここで、培養初期は、比較的若い細胞が多く存在する。また、培養が進むにつれて細胞の生育が進み、比較的老化した細胞が多くなる。さらに、培養に伴い細胞密度が増加する。したがって、培養に伴い細胞が生育する環境が変化するため、スペクトルの波長特性にも培養に伴う何らかの影響が少なからず現れることが懸念されたた。したがって、検査装置1において、培養開始後1日目の細胞と、3日目の細胞を用いて検査を行なった。
図3は、ラット間葉系幹細胞の観察図とそのスペクトルである。図4は、ヒト間葉系幹細胞の観察図とそのスペクトルである。図3および図4のスペクトルにおいて、Aは培養開始後1日目の細胞であり、Bは培養開始後3日目の細胞である。図3および図4のスペクトルにおいて、左が比較的若い細胞のスペクトルであり、右が比較的老化した細胞のスペクトルである。なお、図3および図4に示したスペクトルは、細胞を介して取得した光のスペクトルから、バックグラウンドとして、細胞を介していない光のスペクトルを引いたスペクトルを示したものである。すなわち、図3および図4に示したスペクトルは、元のスペクトルから変化した差分を示すものである。
図3および図4で示した比較的若い細胞のスペクトルを参照する。
ラット間葉系幹細胞、およびヒト間葉系幹細胞のいずれにおいても、スペクトルの可視光の帯域において、400〜600nmの帯域に強度の山(ピーク)が見られる。したがって、比較的若い細胞は、可視光の帯域において、600〜800nmの帯域の光を吸収しやすいと示唆される結果が得られた。
次に、図3および図4で示した比較的老化した細胞のスペクトルを参照する。
ラット間葉系幹細胞、およびヒト間葉系幹細胞のいずれにおいても、スペクトルの可視光の帯域において、強度はほぼ一定であり、スペクトルの形状は、ピークがなくほぼ平坦なブロードの形状になっている。したがって、比較的老化した細胞は、特定の波長の光ではなく、可視光の帯域の光を全体的に吸収しやすいと示唆される結果が得られた。また、良好な状態の細胞のスペクトルと比較して、スペクトル全体の強度、すなわち光の強度がほぼ半分以下にまで減少している。したがって、細胞の生育が進むにつれて、反射光の強度も減少する傾向にあることを示唆する結果が得られた。
図3および図4において、AとBに示したスペクトルには、いずれも上記で説明したような特徴が現れており、AとBのスペクトルに顕著な有意差は現れていない。すなわち、培養に伴うスペクトルの波長特性に対する影響は少なく、無視できる範囲であることが示唆される結果が得られた。
以上の結果の通り、細胞を介して取得された光のスペクトルには、細胞の状態に応じた有意な特性が現れることが示唆された。具体的には、細胞が若いほど、光のスペクトルにおいて400〜600nmの帯域の波長の強度が大きくなることが示唆された。また、細胞の生育が進むにつれて、反射光の強度が低下することが示唆された。一方、培養に伴うこれらの波長特性に対する影響は少なく、無視できる範囲であることが示唆された。したがって、反射光のスペクトルに関するこれらの波長特性を利用することで、検査装置1は、細胞の状態を評価することができる。
なお、スペクトルにおける近赤外光および近紫外光の帯域、具体的には350〜400nm、および800〜1050nmの帯域においては、スペクトルが不連続的になり、散発的なピークが見られる。これは、受光部30が検出限界に近づくため、検査装置1が正確なスペクトルを取得しにくくなっていることに起因すると考えられる。したがって、上記実験結果における近赤外および近紫外の帯域のスペクトルのピークは、必ずしも正確な
細胞の状態を反映した有意な特徴を示すものではないと考えられる。よって、検査装置1は、少なくとも可視光の帯域の波長特性に基づいて、細胞の状態を評価可能であればよい。
以上説明したスペクトルの特徴を利用して、検査装置1は、細胞の状態を評価することができる。すなわち、検査装置1は、受光部30が取得したスペクトルにおける可視光の帯域の波長特性に基づいて、細胞の状態を評価することができる。その結果、作業者は、良好な状態の細胞と不良な状態の細胞を主観によらず判別することができるため、検査装置1は、有用性を向上させることができる。
検査装置1は、制御部40で取得した光のスペクトルについて、可視光の波長のうち、短波長側の波長特性に基づいて、細胞の状態を評価することができる。より具体的には、検査装置1は、可視光の波長のうち、短波長側の強度が大きいほど、細胞が比較的若いと評価することができる。一実施形態に係る検査装置1は、400〜600nmの範囲の波長の強度が大きいほど、細胞が若いと評価することができる。
図5は、検査装置1による検査の工程を示すフロー図である。
まず、発光部10は、測定対象の細胞に対して光を照射する(工程1)。次に、分光部20は、細胞で反射した反射光を分光する(工程2)。次に、受光部30は、分光部20で分光した光を受容する(工程3)。次に、制御部40は、受光部30で受容した光に基づいて波長スペクトルを取得する(工程4)。そして、制御部40は、取得した波長スペクトルに基づいて測定対象の細胞の状態を評価する(工程5)。
制御部40は、例えば、スペクトルにおける400〜600nmの範囲の強度の平均値と、600〜800nmの範囲の強度の平均値の差の絶対値に基づいて、細胞の状態を評価してもよい。この場合、細胞が若いほど、400〜600nmの範囲の強度が大きくなるため、絶対値は大きくなる。したがって、制御部40は、絶対値が大きいほど、細胞が若いと評価することができる。また、細胞の老化あるいは分化が進むほど、または細胞が死滅すると400〜600nmの範囲の強度が低下していくため、絶対値は小さくなる。したがって、制御部40は、絶対値が0に近づくほど、細胞の老化あるいは分化が進んでいる、または細胞が死滅していると評価することができる。
ここで、制御部40は、例えば、絶対値が任意の閾値以上の細胞を良好な状態の細胞として、閾値未満の細胞を不良な状態の細胞として、それぞれ評価結果を出力してもよい。この場合、閾値は作業者が任意に定めればよい。具体的には、作業者は、試験研究などの条件に応じて、必要な状態の細胞が選別できるように、適宜閾値を設定すればよい。この場合、細胞の状態が良好であるほど、400〜600nmの範囲の強度が大きくなるため、作業者は、閾値を高く設定するほど、より若い細胞を選別しやすくなる。
制御部40は、例えば、スペクトルにおける400〜600nmの範囲の強度の平均値と、600〜800nmの範囲の強度の平均値の商に基づいて、細胞の状態を評価してもよい。この場合、細胞が若いほど、400〜600nmの範囲の強度が大きくなるため、商は大きくなる。したがって、制御部40は、平均値の商が大きいほど、細胞が若いと評価することができる。また、また、細胞の老化あるいは分化が進むほど、あるいは死滅すると、400〜600nmの範囲の強度が低下していくため、商は小さくなる。したがって、制御部40は、平均値の商が1に近づくほど、細胞の老化あるいは分化が進んでいる、または細胞が死滅していると評価することができる。
ここで、制御部40は、例えば、平均値の商が任意の閾値以上の細胞を良好な状態の細
胞として、閾値未満の細胞を不良な状態の細胞として、それぞれ評価結果を出力してもよい。この場合、閾値は作業者が任意に定めればよい。具体的には、作業者は、試験研究などの条件に応じて、必要な状態の細胞が選別できるように、適宜閾値を設定すればよい。この場合、細胞の状態が良好であるほど、400〜600nmの範囲の強度が大きくなるため、作業者は、閾値を高く設定するほど、より若い細胞を選別しやすくなる。
制御部40は、例えば、スペクトルにおける400〜600nmの範囲の強度の平均値が所定の閾値以上であり、600〜800nmの範囲の強度の平均値が所定の閾値以下である場合に、比較的細胞が若いと評価してもよい。また、制御部40は、400〜600nmの範囲の強度の平均値が所定の閾値以下であれば、比較的細胞の老化あるいは分化が進んでいる、または死滅していると評価結果を出力してもよい。なお、所定の閾値は、作業者の任意で定めればよい。この場合、細胞の状態が良好であるほど、400〜600nmの範囲の強度が大きくなるため、作業者は、400〜600nmの範囲の閾値を高く設定するほど、より若い細胞を選別しやすくなる。
上記の実験結果に基づいて、400〜600nmの範囲において、スペクトルに細胞の状態に応じた有意な特徴が現れることを説明した。しかし、細胞の状態に応じてスペクトルに特徴が現れるのであれば、必ずしも400〜600nmの範囲の波長特性に限定して細胞の状態を評価する必要はない。すなわち、検査装置1は、細胞の状態に応じたスペクトルの波長特性が現れる任意の波長範囲の波長特性に基づいて細胞の状態を評価してもよい。例えば、スペクトルにおいて、ある波長範囲でピークが生じていれば、検査装置1は、その範囲の強度の平均値と、その他の範囲の強度の平均値の差または商に基づいて、細胞の状態を評価してもよい。なお、この場合、波長範囲の大きさは同一にすればよい。また、制御部40は、波長範囲ごとに閾値を設定し、一方の範囲で強度の平均値が閾値以上であり、他方の範囲で強度の平均値が閾値以下であれば、細胞の状態が良好であると評価してもよい。また、制御部40は、いずれの範囲の強度の平均値も閾値以下であれば、細胞の状態が不良であると評価してもよい。
制御部40は、複数の細胞を選択し、スペクトルにおける任意の波長範囲同士の強度を比較することで、細胞の状態を評価してもよい。具体的には、制御部40は、任意の波長範囲の強度の平均値同士を比較し、平均値が大きいほど、細胞が若いと評価してもよい。これによれば、検査装置1は、細胞の状態を相対的に評価することができる。なお、比較対象の細胞は、作業者の任意で選択すればよい。
以上のように、検査装置1は詳細に説明された。しかし、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この開示がそれに限定されるものではない。
例えば、検査装置1は、検査装置1の操作の用に供する画像を表示する表示部60をさらに備えていてもよい。その結果、検査装置1は、操作性を向上させることができる。また、表示部60は制御部40が取得したスペクトルを表示可能であってもよい。その結果、作業者は、視覚的に比較的良好な状態の細胞を判別することができる。表示部60は、液晶ディスプレイ、および有機ELディスプレイなど任意の表示デバイスで構成されればよい。表示部60は、従来周知の技術により構成されればよい。
(検査方法)
上記の実施形態で説明した検査装置1が実行する工程は、方法の発明として解釈されてもよい。一実施形態に係る検査方法は、細胞に光を照射する工程と、細胞を介して取得した光を分光する工程と、分光した光を受容する工程と、光のスペクトルを取得する工程と、スペクトルにおける可視光の帯域の波長特性に基づいて、細胞の状態を評価するステップと、を備える。
上記の測定方法は、スペクトルにおいて、400〜600nmの範囲の強度が大きいほど、細胞が若いと評価してもよい。
上述した各種例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
1 検査装置
10 発光部
20 分光部
30 受光部
40 制御部
50 記憶部
60 表示部

Claims (4)

  1. 細胞に光を照射可能な発光部と、
    前記細胞を介して取得した光を分光可能な分光部と、
    前記分光部で分光された光を受容し、電気信号として送信可能な受光部と、
    前記受光部から送信された前記電気信号に基づいて前記光のスペクトルを取得し、前記スペクトルにおける可視光の帯域の波長特性に基づいて、前記細胞の状態を評価可能な制御部と、を備える、検査装置。
  2. 請求項1に記載の検査装置であって、
    前記制御部は、前記スペクトルにおいて、400〜600nmの範囲の強度が大きいほど、前記細胞が若いと評価する、検査装置。
  3. 細胞に光を照射する工程と、
    前記細胞を介して取得した前記光を分光する工程と、
    分光した前記光を受容する工程と、
    前記光のスペクトルを取得する工程と、
    前記スペクトルにおける可視光の帯域の波長特性に基づいて、前記細胞の状態を評価するステップと、を備える、検査方法。
  4. 請求項3に記載の測定方法であって、
    前記スペクトルにおいて、400〜600nmの範囲の強度が大きいほど、前記細胞が若いと評価する、検査方法。
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