JP2017191116A - 機能性光源を用いた検査装置と検査方法及び機能性光源とその設計方法 - Google Patents

機能性光源を用いた検査装置と検査方法及び機能性光源とその設計方法 Download PDF

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Abstract

【課題】2つの弁別対象のサンプル間の計測値の差が略最大となるように、ピーク波長が互いに異なる3つ以上の狭帯域光源が発する光が混合されて光源色を白色とする機能性光源の設計方法を提供すること
【解決手段】ピーク波長が互いに異なる狭帯域光源を4つ以上用意して、前記狭帯域光源のスペクトルのうちの3つ以上を放射輝度に対する第1の重み付けを行って組み合わせることにより白色となるスペクトルを複数設定するステップと、前記複数の白色となるスペクトルを放射輝度に対して第2の重み付けを行って組み合わせて構成されるスペクトルをもつ設計光源で照明しつつ、2つの弁別対象のサンプルからの反射光の計測値の差が略最大となるように前記第2の重み付けを最適化するステップと、を有することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、異物検出、不良品検査、医療診断等における色弁別を補助するための機能性光源を用いた検査装置と検査方法及び機能性光源とその設計方法に関する。
従来の異物検出装置又は異物検出方法として、下記特許文献1〜3に記載されているように、近赤外線や赤外線を用いたものがある。また、色弁別を補助するための多層膜光学フィルタの製造方法として、出願人は下記特許文献4記載の方法を出願している。さらに、下記特許文献5記載の異物検出装置では、撮像カメラを用いて異物検出を行っている。
特開2001−99873号公報 特開2004−301690号公報 特開2005−83889号公報 国際公開2007/094338号パンフレット 特開2008−151613号公報
従来の近赤外線や赤外線を用いる異物検出装置又は異物検出方法は、コストが高く、導入が容易でないのみならず、目視検査には適用できないという問題があった。また、上記多層膜光学フィルタは、目視検査に応用可能であるが、安価ではなく、やはり導入が容易でないという問題があった。また、目視検査の場合、検査光源の光源色によっては、観察者が光源色に順応することが困難であったり疲労し易くなったりして、目視検査が容易でないという問題があった。また、撮像カメラ等の計測装置を用いて異物検出や不良品検査を行う場合においても、導入が容易な装置を用いるとともに検査精度を向上させたいという要望があった。
本発明は、上述した問題を解決するものであり、導入が容易で検査精度を向上させ得る機能性光源を用いた検査装置と検査方法及び機能性光源とその設計方法を提供することを目的とする。
本発明の機能性光源を用いた検査装置は、反射光を計測してその計測値を出力可能な計測装置と、ピーク波長が互いに異なる3つ以上の狭帯域光源を選択し、前記狭帯域光源が発する光の発光条件を制御して、それらの光が混合されることにより光源色を白色とする機能性光源であって、前記機能性光源で照明しつつ前記計測装置により2つの弁別対象からの反射光を計測したときの弁別対象間の計測値の差が、略最大となるように構成された前記機能性光源と、前記機能性光源で照明しつつ前記計測装置により検査対象からの反射光を計測したときの前記検査対象の複数の部分の計測値を取得して、当該計測値に基づいて検査結果を判定する判定部と、を備えることを特徴とする。
これによれば、白色を中心として色の変化を計測することとなるので、赤、緑及び青の3つの色の計測値を出力するRGBカメラ等の計測装置を用いたときに、それら3つの色の計測値の全てを有効に検査結果の判定に用いることができるとともに、検査対象に含まれる弁別対象間の計測値の差が略最大となるので、検査精度を向上可能である。また、近赤外線、赤外線や多層膜光学フィルタを用いる必要がないので、導入容易である。
他の本発明の機能性光源を用いた検査装置は、反射光を計測してその計測値を出力可能な計測装置と、ピーク波長が互いに異なる3つ以上の狭帯域光源を有して前記狭帯域光源が発する光が混合されることにより光源色を白色とする機能性光源であって、前記機能性光源で照明しつつ前記計測装置により2つの弁別対象からの反射光を計測したときの弁別対象間の計測値の差が、前記機能性光源と同等の輝度を有する等エネルギー白色光源で照明しつつ前記計測装置により計測したときよりも拡大するように構成された前記機能性光源と、前記機能性光源で照明しつつ前記計測装置により検査対象からの反射光を計測したときの前記検査対象の複数の部分の計測値を取得して、当該計測値に基づいて検査結果を判定する判定部と、を備えることを特徴とする。
これによれば、白色を中心として色の変化を計測することとなるので、赤、緑及び青の3つの色の計測値を出力するRGBカメラ等の計測装置を用いたときに、それら3つの色の計測値の全てを有効に検査結果の判定に用いることができるとともに、同等の輝度を有する等エネルギー白色光源で照明したときよりも弁別対象間の計測値の差が拡大するので、検査精度を向上可能である。また、近赤外線、赤外線や多層膜光学フィルタを用いる必要がないので、導入容易である。
ここで、前記計測装置が前記計測値としてRGB値を出力可能な撮像装置であることが好ましい。白色光源で照明しつつRGB値を出力可能な撮像装置で計測すれば、計測値の全てを有効に検査結果の判定に用いることができるからである。
本発明の機能性光源を用いた検査装置は、前記2つの弁別対象が前記検査対象における異物混入部分と異物無し部分であり、前記判定部が検査結果として異物混入の有無を判定することとすれば、前記検査対象に混入した異物を検出するための検査装置とすることができる。
また、本発明の機能性光源を用いた検査装置は、前記検査対象が皮膚であって、前記2つの弁別対象が皮膚における疾患部分と疾患無し部分であり、前記判定部が検査結果として皮膚疾患の診断結果を判定することとすれば、皮膚疾患を診断するための検査装置とすることができる。
また、本発明の機能性光源を用いた検査装置は、前記検査対象が塗装面であって、前記2つの弁別対象が塗装むら有り部分と塗装むら無し部分であり、前記判定部が検査結果として塗装むらの有無を判定することとすれば、塗装むらを評価するための検査装置とすることができる。
本発明の機能性光源は、ピーク波長が互いに異なる3つ以上の狭帯域光源を有して前記狭帯域光源が発する光が混合されることにより光源色を白色とする機能性光源であって、前記機能性光源で照明しつつ所定の計測装置により2つの弁別対象からの反射光を計測したときの弁別対象間の計測値の差が、前記機能性光源と同等の輝度を有する等エネルギー白色光源で照明しつつ前記計測装置により計測したときよりも拡大するように構成されたことを特徴とする。
これによれば、同等の輝度を有する等エネルギー白色光源で照明したときよりも弁別対象間の計測値の差が拡大するので、計測装置による弁別精度を向上可能である。
本発明の機能性光源の設計方法は、前記各弁別対象の複数のサンプルの反射率スペクトルを取得する反射率スペクトル取得ステップと、ピーク波長が互いに異なる狭帯域光源のスペクトル(以下、「狭帯域スペクトル」という。)を4つ以上用意して、前記狭帯域スペクトルのうちの3つ以上を放射輝度に対する第1の重み付けを行って組み合わせることにより白色となるスペクトル(以下、「白色スペクトル」という。)を、複数設定する光源色スペクトル設定ステップと、複数の前記白色スペクトルを放射輝度に対する第2の重み付けを行って組み合わせることにより構成される設計光源スペクトルと、前記各サンプルの反射率スペクトルとを用いて、前記設計光源スペクトルを有する設計光源で照明しつつ前記計測装置により前記各サンプルからの反射光を計測したと仮定したときの前記各サンプルの計測値を算出し、当該計測値を用いて前記2つの弁別対象のサンプル間の計測値の差を表す評価量を算出する評価量算出ステップと、を有し、前記評価量が表す前記計測値の差が略最大となるように前記第2の重み付けを最適化し、前記第1の重み付けと最適化した前記第2の重み付けとに基づいて、前記機能性光源を設計することを特徴とする。
本発明の検査方法は、ピーク波長が互いに異なる3つ以上の狭帯域光源を有して前記狭帯域光源が発する光が混合されることにより光源色を白色とする機能性光源であって、前記機能性光源で照明しつつ2つの弁別対象を観察したときの弁別対象間の色差が、前記機能性光源と同等の輝度を有する等エネルギー白色光源で照明しつつ観察したときよりも拡大するように構成された前記機能性光源を用い、前記機能性光源で照明しつつ検査対象の複数の部分を観察して前記部分同士の色差に基づいて検査結果を判定することを特徴とする。
これによれば、機能性光源により色差が拡大されるとともに、機能性光源の光源色が、通常の環境における光源(例えば、蛍光灯)と同様の白色であるので、観察者が光源色に順応する必要がなくなり、観察者に与える違和感や疲労を軽減できるので、目視検査が容易となって、検査精度が向上し、また、近赤外線、赤外線や多層膜光学フィルタを用いる必要がないので、導入容易である。
他の本発明の機能性光源は、ピーク波長が互いに異なる3つ以上の狭帯域光源を有して前記狭帯域光源が発する光が混合されることにより光源色を白色とする機能性光源であって、前記機能性光源で照明しつつ2つの弁別対象を観察したときの弁別対象間の色差が、前記機能性光源と同等の輝度を有する等エネルギー白色光源で照明しつつ観察したときよりも拡大するように構成されたことを特徴とする。
これによれば、色差が拡大されるとともに、観察者が光源色に順応する必要がなくなり、観察者に与える違和感や疲労を軽減できるので、目視検査が容易となって、検査精度が向上し、また、近赤外線、赤外線や多層膜光学フィルタを用いる必要がないので、検査への導入が容易である。
他の本発明の機能性光源の設計方法は、前記各弁別対象の複数のサンプルの反射率スペクトルを取得する反射率スペクトル取得ステップと、ピーク波長が互いに異なる狭帯域光源のスペクトル(以下、「狭帯域スペクトル」という。)を4つ以上用意して、前記狭帯域スペクトルのうちの3つ以上を放射輝度に対する第1の重み付けを行って組み合わせることにより白色となるスペクトル(以下、「白色スペクトル」という。)を、複数設定する光源色スペクトル設定ステップと、複数の前記白色スペクトルを放射輝度に対する第2の重み付けを行って組み合わせることにより構成される設計光源スペクトルと、前記各サンプルの反射率スペクトルとを用いて、前記設計光源スペクトルを有する設計光源で照明しつつ前記各サンプルを観察したと仮定したときの前記各サンプルの色の見えを表すパラメータを算出し、当該パラメータを用いて前記2つの弁別対象間の色差を表す評価量を算出する評価量算出ステップと、を有し、前記評価量が表す色差が略最大となるように前記第2の重み付けを最適化し、前記第1の重み付けと最適化した前記第2の重み付けとに基づいて、前記機能性光源を設計することを特徴とする。
なお、前記評価量算出ステップにおいて、カラーアピアランスモデルに基づいて前記パラメータを算出することができる。
また、本発明の機能性光源では、前記狭帯域光源としてLED(発光ダイオード)を用いることが好ましい。製造コストを低減でき、導入容易となるからである。
更に他の本発明の機能性光源の設計方法は、所望の光源色を有する機能性光源の設計方法であって、弁別の対象となる2つの観察対象についてそれぞれ複数のサンプルの反射率スペクトルを取得する反射率スペクトル取得ステップと、ピーク波長が互いに異なる狭帯域光源のスペクトル(以下、「狭帯域スペクトル」という。)を4つ以上用意して、前記狭帯域スペクトルのうちの3つ以上を放射輝度に対する第1の重み付けを行って組み合わせることにより前記所望の光源色となるスペクトル(以下、「光源色スペクトル」という。)を、複数設定する光源色スペクトル設定ステップと、複数の前記光源色スペクトルを放射輝度に対する第2の重み付けを行って組み合わせることにより構成される設計光源スペクトルと、前記各サンプルの反射率スペクトルとを用いて、前記設計光源スペクトルを有する設計光源の下で前記各サンプルを観察したと仮定したときの前記各サンプルの色の見えを表すパラメータを算出し、当該パラメータを用いて前記設計光源下における前記2つの観察対象間の色差を表す評価量を算出する評価量算出ステップと、を有し、前記評価量が表す前記色差が略最大となるように前記第2の重み付けを最適化し、前記第1の重み付けと最適化した前記第2の重み付けとに基づいて、前記機能性光源を設計することを特徴とする。
これによれば、任意の光源色を有するとともに、その光源下で観察したときの観察対象間の色差が拡大される機能性光源を設計できる。
また更に他の本発明の機能性光源の設計方法は、所望の光源色を有する機能性光源の設計方法であって、2つの弁別対象についてそれぞれ複数のサンプルの反射率スペクトルを取得する反射率スペクトル取得ステップと、ピーク波長が互いに異なる狭帯域光源のスペクトル(以下、「狭帯域スペクトル」という。)を4つ以上用意して、前記狭帯域スペクトルのうちの3つ以上を放射輝度に対する第1の重み付けを行って組み合わせることにより前記所望の光源色となるスペクトル(以下、「光源色スペクトル」という。)を、複数設定する光源色スペクトル設定ステップと、複数の前記光源色スペクトルを放射輝度に対する第2の重み付けを行って組み合わせることにより構成される設計光源スペクトルと、前記各サンプルの反射率スペクトルとを用いて、前記設計光源スペクトルを有する設計光源で照明しつつ所定の計測装置により前記各サンプルからの反射光を計測したと仮定したときの前記各サンプルの計測値を算出し、当該計測値を用いて前記2つの弁別対象のサンプル間の計測値の差を表す評価量を算出する評価量算出ステップと、を有し、前記評価量が表す前記計測値の差が略最大となるように前記第2の重み付けを最適化し、前記第1の重み付けと最適化した前記第2の重み付けとに基づいて、前記機能性光源を設計することを特徴とする。
これによれば、任意の光源色を有するとともに、その光源下で計測装置により計測したときの弁別対象間の色差が拡大される機能性光源を設計できる。
本発明は、検査への導入が容易で検査精度を向上させ得る。
(a)は第1実施形態に係る照明装置の概略斜視図、(b)は同照明装置の主要部の一部破断斜視図である。 CIECAM02における観察者の視野の定義を示す図である。 第1実施形態に係る設計方法のフローチャートである。 (a)は実施例で用いたサンプルを入れたシャーレの斜視図、(b)は同シャーレの平面図である。 各サンプルの反射率スペクトルを示すグラフである。 モデル化されたLEDの放射輝度特性を示すグラフである。 実施例の設計光源の放射輝度スペクトルを示すグラフである。 実施例の設計光源及び等エネルギー白色光による平均色差を示すグラフである。 (a)は等エネルギー白色光源を用いた場合、(b)は設計光源を用いた場合のマルチスペクトルイメージによるシミュレーションの結果を示す画像である。 等エネルギー白色光を照射した場合の画像である。 多波長可変光源による設計光を照射した場合の画像である。 実施例の一対比較実験の結果を示すグラフである。 第2実施形態の検査装置の概略構成図である。 第2実施形態の画像処理の流れを示す図である。 第2実施形態のデータ処理の流れを示すフローチャートである。 第3実施形態の検査装置の概略構成図である。 第4実施形態の検査装置の概略構成図である。
〈第1実施形態〉
第1実施形態に係る照明装置1は、図1に示すように、機能性光源4と図示しない電源部とを備え、機能性光源4は、狭帯域光源2であるLEDが片面に多数配置された基板3と、拡散板5とから構成されている。基板3上に配置されるLEDの種類、配置個数、及び、各LEDに対する印加電流の決定方法については、後述する。拡散板5は、基板3の前方に配置されている。なお、基板3では、LEDが配置されている側を前とする。電源部は、基板3及び外部電源に接続されている。基板3上のLEDは、スイッチ6を入れることにより、電源部を介して外部電源から電気の供給を受けて発光し、全LEDから放射された光は、拡散板5で完全に混合されて、拡散板5の前方に放射される。
実施形態に係る機能性光源4の設計方法(すなわち、基板3に配置するLEDの種類、個数、及び、各LEDに対する印加電流の決定方法)について、次に説明する。
機能性光源4の設計方法は、図2に示すように、弁別の対象となる2つの観察対象(弁別対象)についてそれぞれ複数のサンプルの反射率スペクトルを取得する反射率スペクトル取得ステップ(ステップS01)と、背景の反射率スペクトル及び順応領域の輝度を設定しておくステップ(ステップS02)と、ピーク波長の異なるLEDのスペクトルを4つ以上用意して、それらのスペクトルのうちの3つを放射輝度に対する重み付けを行って組み合わせることにより所望の光源色となる光源色スペクトルを、複数設定する光源色スペクトル設定ステップ(ステップS03)と、複数の光源色スペクトルを放射輝度に対する重み付けを行って組み合わせることにより構成される設計光源スペクトルと、各サンプルの反射率スペクトルとを用いて、設計光源スペクトルを有する設計光源の下で各サンプルを観察したと仮定したときの各サンプルの色の見えを表すパラメータを算出し、それらのパラメータを用いて、設計光源下における2つの観察対象間の色差を表す評価量を算出する評価量算出ステップ(ステップS04〜06)と、を有し、評価量が略最大となるように光源色スペクトルを組み合わせるときの重み付けを最適化する。すなわち、図2のステップS07において評価量が略最大となる重み付けが得られたと判断するまで、光源色スペクトルを組み合わせるときの重み付けを変えながら評価量算出ステップを繰り返す。なお、ステップS01〜03の順序は問わない。そして、最適化した重み付けで光源色スペクトルを組み合わせることにより構成される設計光源スペクトルに基づいて、機能性光源を設計する。具体的には、設計光源スペクトルと略同等のスペクトルを、機能性光源のスペクトルとする。なお、「略最大」とは最大である場合と最大に近い場合を含み、「略同等」とは同等である場合と近似している場合を含む。
また、所望の光源色は、任意の光源色を選択可能であるが、実施形態では白色とする。したがって、以下、「光源色スペクトル」という代わりに「白色スペクトル」という場合がある。なお、「白色」には、蛍光灯の色の分類に用いられる「電球色」「温白色」「白色」「昼白色」「昼光色」のいずれの色も含まれるものとする。
以下、実施形態に係る設計方法について詳細に説明する。なお、弁別の対象とする2つの観察対象を、第1観察対象及び第2観察対象と表記する。
〈反射率スペクトル取得ステップ〉
第1観察対象と第2観察対象について、それぞれN個(Nは1以上の整数)のサンプルを用意して、分光反射率を計測可能な計測装置で各サンプルを計測することにより、第1観察対象の各サンプルの反射率スペクトルR1j(λ)と、第2観察対象の各サンプルの反射率スペクトルR2j(λ)を取得する(但し、j=1,2,…,N)。λは波長であり、可視光域である420〜700nmの範囲とする(図2のステップS01)。
また、観察対象を観察するときの背景(Background)の反射率スペクトルRb(λ)、及び、観察対象を観察するときの順応領域(Adapting field)の輝度LAを、観察環境に応じて設定する(図2のステップS02)。
〈光源色スペクトル設定ステップ〉
ピーク波長が互いに異なるLEDをM個(Mは4以上の整数)用意する。ピーク波長は、380〜780nmの範囲内にあるものとする。用意したLEDの分光放射輝度スペクトルを、I1(λ),I2(λ),I3(λ),…,IM(λ)とする。そして、これらのスペクトルのうちの3つを放射輝度に対する重み付けを行って組み合わせることにより、所望の光源色である白色となるスペクトルを、すべて求める(図2のステップS03)。
この求め方について、以下、詳説する。スペクトルI1(λ),I2(λ),I3(λ),…,IM(λ)から任意に3つ選択したスペクトルを、ピーク波長が長い順にIl(λ)、Im(λ)、Is(λ)と置くと、これらのスペクトルを放射輝度に対する重み付けを行って組み合わせることによって得られる、所望の光源色(X,Y,Z)と輝度LWを持つ白色光スペクトルW(λ)は、次式[数1]で表せる。なお、al,am,asは、重みである。
Figure 2017191116
ここで、所望の白色光の光源色(X,Y,Z)ならびに組み合わせる各LEDの光源色(X,Y,Z),(X,Y,Z),(X,Y,Z)を、次式[数2]、[数3]で定義する。W(λ)は、等エネルギー白色光のスペクトルを用いる。関数fcは、光源のスペクトルI(λ)を入力として等色関数から光源色の三刺激値XYZを求める関数である。また、[数3]におけるL,LWの単位はcd/m2であり、V(λ)は既知の分光視感度特性を表す。
Figure 2017191116
Figure 2017191116
上記式[数2]の各光源色より、次式[数4]及び[数5]を用いて、所望の白色光を得るための各LEDのスペクトルの配合強度、すなわち、重みal,am,asを決定する。
Figure 2017191116
Figure 2017191116
上記配合強度T[alamas]が一意に定まり(すなわち、行列Aのランクが3であり)、更にal,am,asがすべて正の値をとるときのみ、選択した3つのLEDによる所望の白色光出力が可能である。ゆえに、LEDのスペクトルの総数Mに対して、3つを取り出して作る組み合わせMC3から、行列Aのランクが3であり、かつ、重みal,am,asがすべて正の値をとるものを、すべて抽出することにより、総数Lの白色スペクトルW1(λ),W2(λ),W3(λ),…,WL(λ)が求められる。
〈評価量算出ステップ〉
上記白色スペクトルW1(λ),W2(λ),W3(λ),…,WL(λ)を、放射輝度に対する重み付けを行って組み合わせることにより、設計光源スペクトルを構成する。W1(λ),W2(λ),W3(λ),…,WL(λ)の放射輝度に対する重みを、それぞれ、b1,b2,b3,…,bLとすると、設計光源スペクトルWF(λ)は、次式[数6]で表される。なお、b1,b2,b3,…,bLはそれぞれ0以上であり、b1+b2+b3+…+bL=1とする。
Figure 2017191116
設計光源スペクトルWF(λ)、第1観察対象及び第2観察対象の各サンプルの反射率スペクトルR1j(λ),R2j(λ)、背景の反射率スペクトルRb(λ)、及び、順応領域の輝度LAを用いて、カラーアピアランスモデル(Color Appearance Model)CIECAM02に基づいて、スペクトルWF(λ)を有する設計光源の下で第1観察対象及び第2観察対象の各サンプルを観察したと仮定したときの各サンプルの色の見えを表すパラメータを算出する(図2のステップS05)。
ここで、CIECAM02による各サンプルの色の見えを表すパラメータの算出方法について説明するが、この算出方法は下記参考文献2に詳しく記載されているので、詳説はしない。CIECAM02では、図3及び表1に示すように、注視点から2度視野内を刺激(Stimulus)20、刺激20の外側の10度視野内を背景(Background)21、背景21の外側の視野を周辺領域(Surround field)22、背景21と周辺領域22を合わせた領域を順応領域(Adapting field)と定義する。
設計光源下での各サンプルの色の見えをCIECAM02で計算する場合、各サンプルの三刺激値(Xij,Yij,Zij)、設計光源の三刺激値(X,Y,Z)、順応領域の輝度LA[cd/m2]、設計光源下で白色を観測したときの相対輝度Y、及び、背景の相対輝度Yが必要である。Yは上記式[数2]で求めたものを用いる。また、b1+b2+b3+…+bL=1であることから、上記式[数2]で求めたX,Y,Zを設計光源の三刺激値とすることができる。LAは、上記ステップS02で設定したものを用いる。Yは、設計光源スペクトルWF(λ)、及び、上記ステップS02で設定した背景の反射率スペクトルRb(λ)から、次式[数7]により算出する。
Figure 2017191116
また、各サンプルの三刺激値Xij,Yij,Zijを、次式[数8]により算出する。
Figure 2017191116
観察する周囲環境条件によるパラメータF,c,Ncを、表2から選択する。観察環境に応じて周辺視野を3段階(Average, Dim, Dark)から選択することで、より正確に見えを評価可能である。実施形態では、平均(Average)とする。また、次式[数9]に従って、パラメータk,FL,n,Nbb,zを計算する。
Figure 2017191116
そして、次式[数10]に従って、各サンプルの三刺激値Xij,Yij,ZijをR,G,Bに変換する。設計光源の三刺激値X,Y,Zについても同様にR,G,Bに変換する。
Figure 2017191116
次式[数11]に従って順応の度合いDを計算する。Dは、0から1の範囲値で示され、選択された白色点(X,Y,Z)に対し、無順応の場合には0、完全順応の場合には1となる。
Figure 2017191116
計算したDから、各サンプルのR,G,Bを、次式[数12]に従って、R,G,Bに変換する。なお、[数12]はRについての式であるが、G,Bについても同様である。R,G,Bも同様にRcw,Gcw,Bcwに変換する。
Figure 2017191116
次式[数13]に従って、R,G,BをR',G',B'に変換する。
Figure 2017191116
次式[数14]に従って、R',G',B'をR',G',B'に変換する。
Figure 2017191116
そして、これらから、予備の座標a,b及びtを、次式[数15]に従って計算する。
Figure 2017191116
色相hを、次式[数16]により計算する。
Figure 2017191116
計算したhを、表3の各色(Red、Yellow、Green、Blue)のhと比較し、最も近い色の表3におけるe,h,Hを、e,h,Hとし、最も離れている色の表3におけるe,hを、e,hとして、次式[数17]に従って、e,Hを計算する。
Figure 2017191116
そして、次式[数18]に従って、相対的な明るさ(Lightness)J、及び、絶対的な明るさ(Brightness)Qを計算する。
Figure 2017191116
また、次式[数19]に従って、相対的な彩度(Chroma)C、及び、絶対的な彩度(Colorfulness)Mを計算する。
Figure 2017191116
このようにして、サンプルの三刺激値Xij,Yij,Zij、背景の三刺激値X,Y,Z、設計光源の三刺激値X,Y,Z、及び、順応領域の輝度LAから、そのサンプルの色の見えを表すパラメータJij,Cij,hij,Qij,Mijが得られる([数20]参照)。
Figure 2017191116
次に、各サンプルの色の見えを表すパラメータから、第1観察対象及び第2観察対象の対応するサンプル間の色差ΔE'を、CIECAM02に基づいて計算する。対応するサンプルとは、同時に計測したサンプルであり、番号jが同じである。以下、CIECAM02に基づく色差ΔE'の算出方法について説明するが、この算出方法については参考文献3に詳しく記載されているので、ここでは詳説しない。
CIECAM02に基づく色差ΔE'の算出方法では、パラメータJij,hij,Mijを用いる。また、求める色差の程度によって、表4からパラメータK,c,cを選択して用いる。CAM02-LCDは大きな色差を求める場合、CAM02-SCDは小さな色差を求める場合、CAM02-UCSは、それらの中間程度の色差を求める場合に用いるバージョンであり、実施形態では、バージョンCAM02-SCDを用いる。
そして、次式[数21]に従って、第1観察対象のサンプルのパラメータJ1j,h1j,M1jから第1観察対象のサンプルについてJ',a',b'を計算し、第2観察対象のサンプルのパラメータJ2j,h2j,M2jから第2観察対象のサンプルについてJ',a',b'を計算して、対応するサンプル間のJ',a',b'の差分ΔJ’,Δa',Δb'に基づいて、色差ΔE'を、計算する。
Figure 2017191116
色差ΔE'を全てのサンプル対について求め、その平均値を評価量とする。すなわち、第1観察対象及び第2観察対象のj番目のサンプル間の色差をΔE'とすると、色差ΔE'は次式[数22]で表せ、評価量は次式[数23]で計算できる(図2のステップS06)。なお、[数22]のsrdは、CAM02-LCD、CAM02-UCS、又は、CAM02-SCDから選択したパラメータK,c,cを示す。[数23]で計算される評価量は、第1観察対象と第2観察対象との間の色差を表している。
Figure 2017191116
Figure 2017191116
そして、重み付けb1,b2,b3,…,bLを変えながら上記評価量算出ステップを繰り返すことにより、上記評価量が最大となるように重みb1,b2,b3,…,bLを最適化する。重み0が付された白色スペクトルは使用されないこととなるため、LEDの組み合わせと配合強度を同時に最適化することとなる。実時間内で優良解に到達する最適化法としては、山登り法(Hill Climbing法)、焼きなまし法(Simulated Annealing法)、遺伝的アルゴリズム、進化的アルゴリズム等がある。
そして、最適化された重みb1,b2,b3,…,bLで白色スペクトルを組み合わせることにより構成される設計光源スペクトルと同等のスペクトルを、機能性光源4のスペクトルとする。そのために、機能性光源4では、3つのLEDを組み合わせて白色スペクトルを作るときの重みal,am,as、及び、白色スペクトルを組み合わせて設計光源スペクトルを作るときの最適化した重みb1,b2,b3,…,bLに基づいて、基板3上に配置されるLEDの種類(すなわち、どのピーク波長のLEDを用いるか)、個数、及び、各LEDに対する印加電流を決定する。
例えば、上述したように用意したM個(すなわち、M種類)のLEDのうち、ピーク波長λpのLEDが白色スペクトルW1,W2,W3を作るときにだけ採用されたとし、白色スペクトルW1,W2,W3を作るときにピーク波長λpのLEDに付された重みをそれぞれa1,a2,a3とする。そして、設計光源スペクトルを構成するときに白色スペクトルW1,W2,W3に付された重みをb1,b2,b3とすると、ピーク波長λのLEDに対して付された重みは、全体でa1b1+a2b2+a3b3となる。したがって、この重みになるように、ピーク波長λのLEDの基板3上への配置個数及び配置されたピーク波長λのLEDへの印加電流を決定する。なお、どの白色スペクトルを作るときにも採用されなかったLED、及び、重み0が付された白色スペクトルにのみ使用されているLEDは、基板3上に実装しない。
この機能性光源4は、観察対象間の色差を、設定したLEDを組み合わせて構成される同等の輝度を有する白色光源の中で、略最大とするものであり、観察対象間の色差を、同等の輝度を有する等エネルギー白色光源下よりも、拡大する。
実施形態の設計方法によれば、光源色が白色であって、その光源下で観察したときの観察対象間の色差が、同等の輝度を有する等エネルギー白色光源下で観察したときよりも拡大される機能性光源4を設計できる。光源色が通常の環境における光源(例えば、蛍光灯)と同様の白色であるので、観察者が光源色に順応する必要がなくなり、観察者に与える違和感や疲労を軽減でき、観察対象間の色差が拡大されることと相まって、目視検査を容易とし、検査精度を向上させ得る光源を設計可能である。また、フィルタを通さないので、出力された光の強度が落ちることがなく、高効率の光源を設計可能である。
機能性光源4は、目視検査に好適であり、機能性光源4で照明しつつ検査対象の複数の部分を目視で観察してその部分同士の色差に基づいて検査結果を判定する検査方法に用いることができる。この方法によれば、機能性光源4により色差が拡大されるとともに、機能性光源41の光源色が白色であるので、目視検査が容易となって、検査精度が向上し、また、近赤外線、赤外線や多層膜光学フィルタを用いる必要がないので、検査への導入が容易である。
また、狭帯域光源2としては、半値幅10〜20nm程度のものが機能性光源4の設計に適しており(このことは、後述する第2〜4実施形態でも同様である。)、また、必ずしもLEDを用いる必要はなく、例えば、有機EL(Electronic Luminescence)を用いてもよいが、LEDは安価であるため、狭帯域光源2としてLEDを用いることにより、設計光源スペクトルと同等のスペクトルを有する機能性光源4を、安価に作成できる。
また、カラーアピアランスモデルに基づいて色の見えを表すパラメータを算出すれば、カラーアピアランスは観察環境から色の見えを予測できるので、実際の光源使用環境において有効な光源を設計することができる。
なお、機能性光源4の光源色は白色としたが、上述した設計方法によれば、任意の色を光源色とする機能性光源を設計可能であり、光源色を周囲の環境に応じた色とすれば、観察対象間の色差が拡大されることと相まって、検査精度が向上させることができる。
本設計方法の実施例として、ブルーベリージャムに混入した異物の視認性を向上させる白色光源の設計を行った。表5に実施例の条件設定を示す。異物が混入している異物混入部が第1観察対象、異物が混入していない異物無し部が第2観察対象に相当する。以下、詳細に説明する。
1.設計方法
次の(1)〜(5)に示す手順で設計した。
(1)観察環境(観察対象及び背景)のスペクトルの設定
弁別対象である異物混入部ならびに異物無し部の反射率スペクトルは、以下に示す環境の下で実測し、取得した。
シャーレにブルーベリージャムを入れ、異物としてブルーベリーの枝10ならびに葉11、そして黒色の石12を、図4(a)に示すようにジャム中に混入しサンプルを作成し、サンプルの上方から反射率スペクトルの計測を行った。図4(b)のように、枝10、葉11、及び、石12は、平面視においてシャーレを4分割したうちの3つの領域P1、P2、P3に、それぞれ混入されている。そして、異物はシャーレ底からの厚さ5.25mmのブルーベリージャム上に配置されており、さらに異物を被覆するジャムを1.75mm、3.5mm、5.25mm、7mmの4段階に変化させた。使用したジャムは一般的市販ブルーベリージャム三種である。計測装置は、ケンブリッジ・リサーチ・アンド・インストゥルメンテーション(Cambridge Research & Instrumentation)社製マルチスペクトルイメージング装置Nuance(VIS)、光源にはキノフロ(Kino Flo)社製大型蛍光照明Diva-Lite、白色校正にラブスフェア(Labsphere)社製Spectralon反射板を使用した。計測された分光画像から、異物が混入している部分の反射率スペクトルをそれぞれ抽出し、異物混入部のスペクトル群(第1群)R1j(l):j={1,2,…,N}とし、対応する異物無し部のスペクトル群(第2群)R2j(l):j={1,2,…,N}には同じシャーレ中の異物が混入されていない領域Qの反射率スペクトルを割り当てた。つまり、異物無し部のスペクトル群には、同じ反射率スペクトルを葉11、枝10、石12に対応させて三度使用している。シャーレはジャムの各種類につき4個用意したので、N=3(異物の種類)×3(ジャムの種類)×4(ジャムの深さ)×4(シャーレの個数)=144である。計測された被覆ジャム層5.25mm時の反射率スペクトルを図5に示す。図5では、縦軸は反射率、横軸は波長であり、異物無し部をBlueberry Jam、葉11、枝10、石12が混入された異物混入部をそれぞれLeaf,Twig,Stoneと表記している。
図5に示される長波長帯域の急峻な反射特性は、レッドエッジと呼ばれる植物特有の反射特性である。そのため、葉11や枝10が混入した場合にはこの反射強度が高い。故に、この波長帯に強いエネルギーを持つ光源を用いれば異物の視認性が向上する可能性が高い。
この物体を観察する環境として、配置されるジャムの周囲(背景輝度)は波長特性が一様の20%グレーを仮定した。但し、背景輝度は順応作用や明度対比効果に影響するため、異物検査環境に合わせて修正されることが望ましい。
(2)LEDのスペクトル設定と組み合わせ構築
実施例では、狭帯域光源としてLEDを仮定しているが、ここでは実測したLEDの放射輝度ではなく、図6に示されるモデル化された分光特性を使用した。これは後に使用する多波長可変光源の特性を基にしている。図6の縦軸は放射輝度、横軸は波長である。
LEDの分光特性のモデリングは、次式[数24]に示すスプライン関数を用いた。詳しくは、中心波長λkを420〜700nmの範囲で5nm刻み、スプライン関数の幅を表すパラメータωを10nmとし、これを[数25]に示すように両隣合わせて3つ重ねたものを使用した。これを言い換えると,ピーク波長が420〜700nmの波長範囲で15nmずつ異なり、各々およそ17.5nmの半値幅の分光放射輝度を持つLEDが存在するという仮定である。なお、中心波長420nmと700nmをのぞくすべてのLEDのピーク波長強度は最大0.37W/sr/m2/nmとし、両端の二つはそれぞれ0.279W/sr/m2/nm,0.152W/sr/m2/nmとした。これは後に出力光をシミュレートするために使用する多波長可変光源の分光放射輝度を元にした設定である。
Figure 2017191116
Figure 2017191116
上記のように仮定したLEDの分光放射輝度を用い、白色光を構成する3つのLEDの組み合わせを、全て求めた。
(3)観察対象ならびに背景の色の見えの計算
上記(2)で求めた3つのLEDの組み合わせで構築される白色光の分光放射輝度、ならびに、観察対象の反射率スペクトルから、観察対象ならびに背景の色の見えを表すパラメータを求めた。算出方法は上記評価量算出ステップで示したとおりであり、設計光源の輝度が一定値となるように配合強度bkの正規化を行っている。設計光源の輝度が一定であるため、背景Rb(l)の相対輝度Ybもまた一定である。順応領域の輝度LAは全LEDフル発光時の輝度を基準にその20%に設定した。設計光源の輝度は、このフル発光した場合の輝度を基準としてその割合で設定した。LEDの最大出力に制限があるため、輝度が低い方が最適化の自由度は高く、また装置全体の消費エネルギーも抑えることができる。しかしながら、輝度が低い場合は順応が進まず色弁別能力が低下する。そこで本実施例では10%,20%,30%,50%,70%の5段階について設計を行い、それぞれの色差を評価した。
(4)色弁別性の計算
上記(3)で得られた色の見えを表すパラメータから、CIECAM02を用いて色差を求めた。算出方法は上記評価量算出ステップで示したとおりである。
(5)LEDの組み合わせ修正(最適化)
評価量すなわち異物混入部と異物無し部との平均色差が最大化されるように、配合強度bkを最適化した。最適化の方法として山登り法を採用した。この手法の特徴は、ある程度短い時間で局所解に到達することができ、到達する解は初期値から一意に定まるということである。そのため、初期値を変化させながら何度か繰り返すことで良好な解を得ることができる。
2.設計結果
以下に、実施例の結果を示す。
(1)設計結果
輝度を10%,20%,30%,50%,70%とした場合のそれぞれについて、得られた設計光源スペクトルWF(λ)を図7に示す。図7の縦軸は放射輝度、横軸は波長である。また、輝度を10%,20%,30%,50%,70%とした場合のそれぞれについて、等エネルギー白色光源下での平均色差と、設計光源下での平均色差とを、図8に示す。図8では、縦軸は平均色差、横軸は輝度であり、黒丸●は設計光源、黒四角■は等エネルギー白色光源を示し、いずれも左から10%,20%,30%,50%,70%の場合を示す。
図8より、設計光源を使用する場合には、同等の輝度をもつ等エネルギー白色光源を使用する場合と比較して、色差が向上していることが分かる。さらに、等エネルギー白色光源を使用する場合は輝度が小さいほど弁別能力が低下するが、対して設計光源は輝度が低い条件において、色差が向上していることが分かる。さらに輝度を低く設定すれば色差が低下すると考えられるが、今回設定した輝度条件に関して言えば低輝度条件において良好な光源が設計可能であったことが分かる。
(2)分光画像ならびに多波長可変光源によるシミュレーション
得られた設計光源スペクトルを用いて、光源照射時のブルーベリージャムの見えをシミュレートした。シミュレートの方法として、(i)マルチスペクトルイメージから計算的に求める方法と、(ii)多波長可変光源を用いて設計光源スペクトルと同等のスペクトルを有する光を生成し、実際のサンプルに照射する方法とを用いた。また、(i)では、マルチスペクトルイメージとして、1.(1)で計測したスペクトル収集用の画像を使用した。(ii)では、多波長可変光源として、株式会社ニコン製ELS-VISを使用し、この多波長可変光源で、設計光源スペクトルと同等のスペクトルを有する出力光を生成し、シャーレ中のジャムに石12を混入した評価用のサンプルに照射して、RGBカメラで撮影した。
図9は、(i)のマルチスペクトルイメージを用いてシミュレートした画像であり、(a)は等エネルギー白色光源下での見え、(b)は設計光源下での見えを示す。両光源の輝度は同じであるが、明らかに、設計光源下では等エネルギー白色光源下よりも、ジャム中の異物が視認しやすくなっていることが分かる。
また、図11に、(ii)の多波長可変光源を用いて生成した光を照射した結果を示し、図10に、等エネルギー白色光を照射した結果を示す。両光源の輝度は同じであるが、図11のほうが明るく映っている。これは、ジャムに吸収されずに反射してくる光が多いためである。結果として、ジャム中の石12の視認性が大きく向上していることが分かる。なお、図9,図10,図11は、いずれも元の画像はカラーであるが、白黒に変換して示している。
また、図10,図11においては、各サンプルの右横に、白色から濃い灰色までの5段階の無彩色を示す同じグレーチャートが配置され、さらに、グレーチャートの右横に、青、緑、赤、黄色、桃色の5色を示す同じカラーチャートが配置されている。グレーチャートの見えは図10,図11でほとんど差がないことから、図11の多波長可変光源からの光は、図10の等エネルギー白色光と略同じ白色であり、観察者に疲労感や違和感を与え難いことが分かる。
(3)心理物理実験による光源評価
多波長可変光源により設計光源スペクトルと同等のスペクトルの光を上記5種の輝度条件のそれぞれについて生成し、すなわち、多波長可変光源により5種の機能性光源を構成し、これら5種の機能性光源と、同等の輝度を持つ等エネルギー白色光源5種を用いて、異物の検出しやすさを問う主観評価実験を行った。実験にはサーストンの一対比較実験を採用した。具体的には、以下のパラダイムを全組み合わせについて行った。
(i)上記計10種の光源から2種の光源を選択
(ii)選択された光源を5秒ずつ(間に消灯1.5sec)照射
(iii)どちらが見分けやすかったかを二肢強制選択
なお、実験には、枝10、葉11、及び石12を同じシャーレのジャム中に混入した評価用のサンプルを使用した。結果は選択確率から求めたZスコアで評価するものとした。図12は、本評価実験の結果を示すものであり、縦軸は尺度値(Zスコア)、横軸は輝度であり、黒丸●は機能性光源、黒四角■は等エネルギー白色光源を示す。
図12より、低輝度の機能性光源が最も高性能であり、さらにいずれの機能性光源も等エネルギー白色光源の尺度値を上回ることが分かる。これは図8に示した平均色差とも一致する。このことから、CIECAM02を元に求まる色差は、主観的な色弁別性を良好に数値化できていることが確認できる。以上の結果より、本設計方法による機能性光源の設計は、観察者の熟練を要する目視検査のサポートに非常に有効であるといえる。
なお、実施例では、多波長可変光源により機能性光源を構成したが、例えば、株式会社東京インスツルメンツ製の波長プログラマブル光源も、任意のスペクトルの光を生成可能であり、機能性光源として使用可能である。このように、本発明の機能性光源は、LED等の狭帯域光源を用いなくても構成可能である。
なお、光源色スペクトルを設定するときは、少なくとも3つの狭帯域光源のスペクトルを組み合わせることとする。2つ以下の狭帯域光源のスペクトルの組み合わせでは、光源色スペクトルの光源色を任意に設定できないからである。
また、評価量を最適化するとき、評価量が最大となるように最適化することが望ましいが、最大に近くなるように最適化すればよい。すなわち、略最大とは、最大である場合と、最大に近い場合を含む意である。同様に、機能性光源のスペクトルは、設計上のスペクトルである設計光源スペクトルと同じとすることが望ましいが、少なくとも設計光源スペクトルに近似していればよい。すなわち、略同等とは、同じである場合と、近似している場合を含む意である。実用上問題にならない程度に色差が拡大すればよいからである。
なお、評価量は、第1観察対象と第2観察対象との間の色差を示す値であればよく、[数23]で計算される平均色差に限られない。
〈第2実施形態〉
次に、図13、14、15に基づいて、第2実施形態に係る検査装置30について説明する。検査装置30は、ブルーベリージャムの異物検出装置として構成されており、2つの機能性光源31と、計測装置に相当するRGBカメラ32と、RGBカメラ32に接続されパーソナル・コンピュータからなる判定部33と、判定部33に接続された排除機構制御ユニット34とを備えている。RGBカメラ32は、RGB値を出力可能な撮像装置である。判定部33は、画像処理部331とデータ処理部332とを備えている。
各機能性光源31は、ピーク波長の異なる3つ以上のLEDが配列された基板311と、LEDからの光を混合する拡散板(図示せず。)とを備え、外部電源から電気の供給を受けて白色光を発光する。
各機能性光源31は、弁別の対象をブルーベリージャムの異物混入部と異物無し部として、第1実施形態で説明した設計方法により設計されたものである。但し、第1実施形態では、評価量算出ステップにおいて、各サンプルの色の見えを表すパラメータをCIECAM02により算出したが、第2実施形態では、各サンプルに対しRGBカメラ32から出力されると予想されるRGB値を、RGBカメラ32の分光感度特性に基づいて算出する。後述する第3実施形態及び第4実施形態でも同様である。なお、RGBカメラ32の分光感度特性は、予め調べておくものとする。そして、異物混入部と異物無し部とのRGB値の差を表す評価量(例えば、両RGB値間のユークリッド距離)を算出する。
機能性光源31、31は、第1移動手段であるベルトコンベヤ35上の所定の撮影領域を照明するように、互いに向き合う方向に少し傾斜されて配置されている。RGBカメラ32は、真上から機能性光源31、31間を通して撮影領域を撮影するように配置されている。ベルトコンベヤ35は、第2移動手段であるベルトコンベヤ37とともに、検査対象であるブルーベリージャム36の移動手段を構成し、ジャム36は、ベルトコンベヤ35上に乗せられて、撮影領域を通ってベルトコンベヤ37上に落下する。撮影領域は、ジャム36とその両側のベルトコンベヤ35部分を含むように設定されている。ベルトコンベヤ35とベルトコンベヤ37との段差部分には、排除機構であるシュータ38が配置されており、シュータ38は排除機構制御ユニット34と接続されている。シュータ38は、上下方向に回動して開閉する扉部381を有し、扉部381が閉鎖されているときは、ジャム36はベルトコンベヤ35からベルトコンベヤ37に落下するが、扉部381が開放されているとき、ジャム36はベルトコンベヤ35から扉部381を伝って排除物ボックス39に排出され、ベルトコンベヤ37に落下しないように構成されている。
以上のように構成された検査装置30の動作について説明する。RGBカメラ32は、ベルトコンベヤ35上のジャム36の移動速度に合わせて、ジャム36に未撮影部分が残らないように、所定の時間間隔で繰り返し撮影領域を撮影し、RGB値を含む計測データである撮影画像を、画像処理部331に出力する。
図14(a)は、RGBカメラ32の撮影画像の模式図であり、この撮影画像には、ジャム36の画像部分36’と、ベルトコンベヤ35の画像部分35’と、ジャム36中の異物の画像部分10’とが含まれている。画像処理部331は、まず、撮影画像の各部分の濃度値(強度)をRGB値から計算し、予め定められた閾値にしたがって、背景領域である画像部分35’を、撮影画像から除外し、図14(b)に示すような画像とする。なお、図14では、除外された部分を黒色で表している。閾値は、ジャム36、ベルトコンベヤ35及び異物の各画像部分が含まれ、それらの各々が画像中のどこに含まれているかが分かっている教師画像を用いて、事前に学習を行うことにより、決定しておく。学習方法として線形判別分析を用いるが、これに限らずサポートベクターマシンなど様々な公知の機械分類手法を使用可能である。
次に、画像処理部331は、上記背景領域の除外方法と同様の手法を用いて、ジャム36の画像部分36’と異物の画像部分10’とを閾値に従って判別する。この閾値も予め学習により決定しておく。画像処理部331は、この判別結果に基づいて、画像部分10’に例えば白を、それ以外の部分である画像部分36’、37’に例えば黒をラベル付けする2値化処理を行い、図14(c)に示すような2値化処理画像を生成し、データ処理部332に出力する。
データ処理部332は、図15に示すように、2値化処理画像において異物の画像部分10’が存在するか否かを判定し(ステップS101)、画像部分10’が存在すれば、排除信号を排除機構制御ユニット34に出力する(ステップS102)。排除信号を受け取った排除機構制御ユニット34は、シュータ38に扉部381を開放する制御信号を出力し、シュータ38は扉部381を開放して、ジャム36を排除物ボックス39に排出する。なお、排除機構制御ユニット34は、ジャム36の異物混入と判定された部分が排出されるのに必要な所定の時間が経過すると、扉部381を閉鎖する制御信号を出力し、これにより扉部381は閉鎖する。
例えば赤色の光源下で計測を行った場合、赤色方向への色の変化は検出し難いため、R値は有効に使えない等、白色以外の光源下で計測を行った場合には、RGBカメラ32が出力するR値、G値及びB値を有効に使うことができないが、第2実施形態によれば、白色光源である機能性光源31の下で計測を行うので、すなわち、白色を中心として色の変化を計測することとなるので、RGBカメラ32が出力するR値、G値及びB値の全てを有効に検査結果の判定に用いることができ、検査精度を向上可能である。また、機能性光源31は、同等の輝度を有する等エネルギー白色光源で照明したときよりも弁別対象間の計測値の差が拡大することからも、検査精度を向上可能である。また、検査装置30は、近赤外線、赤外線や多層膜光学フィルタを用いる必要がないので、導入容易である。
〈第3実施形態〉
次に、図16に基づいて、第3実施形態に係る検査装置40について説明する。検査装置40は、検査対象が皮膚であって皮膚疾患を診断する皮膚疾患診断装置として構成されており、2つの機能性光源41と、接写計測用レンズ421が取り付けられたRGBカメラ42と、RGBカメラ42に接続されパーソナル・コンピュータからなる判定部43と、判定部43に接続された装置制御ユニット44とを備えている。RGBカメラ42は、RGB値を出力可能な撮像装置であり、計測装置に相当する。判定部43は、ノイズ・鏡面反射除去部431と、色素分布画像生成部432と、画像統計量計算部433と、症状推定部434と、表示部435とを備えている。
各機能性光源41は、ピーク波長の異なる3つ以上のLEDが配列された基板411と、LEDからの光を混合する拡散板(図示せず。)とを備え、外部電源から電気の供給を受けて白色光を発光する。
各機能性光源41は、弁別の対象を人の皮膚における疾患部分と疾患無し部分として、第2実施形態で説明した設計方法により設計されたものである。機能性光源41、41は、所定の撮影領域を照明するように、互いに向き合う方向に少し傾斜されて配置されている。RGBカメラ42は、機能性光源41、41間を通して撮影領域を撮影するように配置されている。なお、撮影領域には無色透明の透明板45が配置され、RGBカメラ42は、透明板45を通して皮膚46を撮影するように構成されている。
以上のように構成された検査装置40の動作について説明する。RGBカメラ42は、撮影領域内の皮膚46を撮影し、RGB値を含むデータである撮影画像を、ノイズ・鏡面反射除去部431に出力する。
ノイズ・鏡面反射除去部431は、例えばガウシアンフィルタや移動平均フィルタ,メディアンフィルタ等の一般的な画像処理用二次元フィルタを用いて、撮影画像からノイズを除去する。次に、ノイズ・鏡面反射除去部431は、撮影画像から、極端に肌色から逸脱し光源色を示す領域を、予め定めておいた閾値に従って除外する。判断には、撮影画像のRGB値を用いる。閾値は、鏡面反射有りの部分と鏡面反射無しの部分とが分かっている教師画像を用いて事前に学習を行うことにより、定めておく。学習手法として線形判別分析を用いるが、これに限らずサポートベクターマシンなど様々な公知の機械分類手法を使用可能である。ノイズ・鏡面反射除去部431は、ノイズ及び鏡面反射を除去した画像を、色素分布画像生成部432に出力する。
色素分布画像生成部432は、画像のRGB値をL値に変換し、aをヘモグロビン分布、Lをメラニン分布として、それぞれの色素分布画像を生成する(下記参考文献5参照)。なお、下記参考文献6に記載された色素分布算出手法を用いて、色素分布画像を生成することとしてもよい。この手法は、肌画像に対して独立成分分析を適用し、色素成分を取り出すというものである。色素分布画像生成部432は、生成した各色素分布画像を、画像統計量計算部433に出力する。
画像統計量計算部433は、各色素分布画像から、平均、分散、歪度、尖度、空間周波数等の画像統計量を算出し、症状推定部434に出力する。空間周波数にはガボール・ウェーブレット変換を採用し、あらかじめ設定した振動方向についてそれぞれ周波数成分を計算して、症状推定の指標とする。
症状推定部434は、予め、様々な症例について上記の画像統計量を計算し、機械学習を行っておくことで、症状の分類ができるように構成されている。学習手法には、公知の機械学習手法を用いればよく、例えば正準判別分析、サポートベクターマシン、ニューラルネットワークなどがある。症状推定部434は、画像統計量計算部433から受け取った画像統計量に基づいて、症状の分類を行い、その分類を診断結果(検査結果)として、表示部435に出力する。なお、症状推定部434は、画像統計量計算部433から色素分布画像を受け取って、表示部435に出力する。表示部435には、色素分布及び診断結果が表示される。
なお、判定部43は装置制御ユニット44に計測開始信号を出力し、それに応じて装置制御ユニット44はRGBカメラ42に画像取得命令信号を出力し、それに応じてRGBカメラ42は撮影を行い、画像取得完了信号を装置制御ユニット44に出力するとともに、計測画像データである撮影画像を判定部43に出力する。
また、装置制御ユニット44は、計測開始信号を受け取ったとき、LED制御信号を機能性光源41、41に出力し、これに応じて機能性光源41、41は各LEDを所定の輝度で発光する。なお、検出したい対象に応じて、LEDの選択及び輝度を切り替えられるように構成してもよく、その場合には、LEDの選択及び輝度を切り替えるためのLED制御信号に応じて、ピーク波長が互いに異なるLEDが3つ以上選択されるとともに、それらに対する印加電流が定められる。すなわち、LED制御信号を受信した機能性光源41は、ピーク波長が互いに異なる3つ以上のLEDを選択して、それらが発する光の発光条件を制御し、それらの光を混合することにより、白色光を発光する。
第3実施形態によれば、白色光源である機能性光源41の下で計測を行うので、すなわち、白色を中心として色の変化を計測することとなるので、RGBカメラ42が出力するR値、G値及びB値の全てを有効に検査結果の判定に用いることができ、検査精度を向上可能である。また、機能性光源41は、同等の輝度を有する等エネルギー白色光源で照明したときよりも弁別対象間の計測値の差が拡大することからも、検査精度を向上可能である。また、検査装置40は、近赤外線、赤外線や多層膜光学フィルタを用いる必要がないので、導入容易である。
なお、第3実施形態の参考文献として、先に挙げた参考文献5、6以外に、下記参考文献7、8、9がある。
〈第4実施形態〉
次に、図17に基づいて、第4実施形態に係る検査装置50について説明する。検査装置50は、検査対象が塗装面であって塗装むらを評価するための装置として構成されており、2つの機能性光源51と、計測装置に相当するRGBカメラ52と、RGBカメラ52に接続されパーソナル・コンピュータからなる判定部53とを備えている。判定部53は、ノイズ・鏡面反射除去部531と、不均一性指標計算部532と、均一性判定部533とを備えている。
各機能性光源51は、ピーク波長の異なる3つ以上のLEDが配列された基板(図示せず。)と、LEDからの光を混合する拡散板512とを備え、外部電源から電気の供給を受けて白色光を発光する。
各機能性光源51は、弁別の対象を塗装面における塗装むら有り部分と塗装むら無し部分として、第2実施形態で説明した設計方法により設計されたものである。機能性光源51、51は、所定の撮影領域を照明するように、互いに向き合う方向に少し傾斜されて配置されている。RGBカメラ52は、機能性光源51、51間を通して撮影領域を撮影するように配置されている。撮影領域には検査対象である塗装面56が配置される。
以上のように構成された検査装置50の動作について説明する。RGBカメラ52は、撮影領域に配置された塗装面56を撮影し、RGB値を含むデータである撮影画像を、ノイズ・鏡面反射除去部531に出力する。
ノイズ・鏡面反射除去部531は、第3実施形態のノイズ・鏡面反射除去部431と同様にして、撮影画像からノイズ及び鏡面反射を除去し、その結果の画像を不均一性指標計算部532に出力する。
不均一性指標計算部532は、ノイズ・鏡面反射除去部531から受け取った画像から、分散、歪度、尖度、空間周波数等の画像統計量を算出し、均一性判定部533に出力する。
均一性判定部533は、均一性の有無を判定する。均一性判定のプロセスは、画像統計量から均一性指標を計算する手順と、その指標と閾値とから均一性の有無を判定する手順とからなる。なお、予め、複数のサンプルについて、均一性を主観的に数値評価した主観評価値とそのサンプルの画像統計量とを取得して、画像統計量から主観評価値を推定する推定式を構築しておく。推定には重回帰分析を使用すればよい。そして、均一性判定部533は、その推定式を用いて、不均一性指標計算部532から受け取った画像統計量に対し、均一性指標である主観評価値を推定する。若しくは、主観評価値を「均一/不均一」の二値とし、画像統計量に対して線形判別分析を適用し、それによって得られる判別スコアを均一性指標としてもよい。そして、均一性判定部533は、均一性指標に基づいて、事前に設定した閾値に従って、均一性の有無、すなわち、塗装むらの有無の判断を行い、その結果を指標とともに表示部(図示せず。)に表示する。この閾値は、教師データとして使用する主観評価値を得たときに、求めておいたものである。
第4実施形態によれば、白色光源である機能性光源51の下で計測を行うので、すなわち、白色を中心として色の変化を計測することとなるので、RGBカメラ52が出力するR値、G値及びB値の全てを有効に検査結果の判定に用いることができ、検査精度を向上可能である。また、機能性光源51は、同等の輝度を有する等エネルギー白色光源で照明したときよりも弁別対象間の計測値の差が拡大することからも、検査精度を向上可能である。また、検査装置50は、近赤外線、赤外線や多層膜光学フィルタを用いる必要がないので、導入容易である。
なお、機能性光源31、41、51の光源色はいずれも白色としたが、上述した設計方法によれば、任意の色を有する機能性光源を設計可能であり、光源色を周囲の環境に応じた色とすれば、弁別対象間の計測値差が拡大されることと相まって、検査精度を向上させることができる。
参考文献を、以下に挙げる。これらの参考文献の内容は、参照によってここに援用される。
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1 照明装置
2 狭帯域光源
4,31,41,51 機能性光源
30,40,50 検査装置
32,42,52 RGBカメラ(計測装置)
33,43,53 判定部
Figure 2017191116
Figure 2017191116
Figure 2017191116
Figure 2017191116
Figure 2017191116


Claims (5)

  1. ピーク波長が互いに異なる3つ以上の狭帯域光源を有して前記狭帯域光源が発する光が混合されることにより光源色を白色とする機能性光源の設計方法であって、
    2つの弁別対象の複数のサンプルの反射率スペクトルを取得する反射率スペクトル取得ステップと、
    ピーク波長が互いに異なる狭帯域光源のスペクトル(以下、「狭帯域スペクトル」という。)を4つ以上用意して、前記狭帯域スペクトルのうちの3つ以上を放射輝度に対する第1の重み付けを行って組み合わせることにより白色となるスペクトル(以下、「白色スペクトル」という。)を、複数設定する光源色スペクトル設定ステップと、
    複数の前記白色スペクトルを放射輝度に対する第2の重み付けを行って組み合わせることにより構成される設計光源スペクトルと、前記各サンプルの反射率スペクトルとを用いて、前記設計光源スペクトルを有する設計光源で照明しつつ所定の計測装置により前記各サンプルからの反射光を計測したときの前記各サンプルの計測値を算出し、当該計測値を用いて前記2つの弁別対象のサンプル間の計測値の差を表す評価量を算出する評価量算出ステップと、
    を有し、
    前記評価量が表す前記計測値の差が略最大となるように前記第2の重み付けを最適化し、
    前記第1の重み付けと最適化した前記第2の重み付けとに基づいて、前記機能性光源を設計することを特徴とする設計方法。
  2. ピーク波長が互いに異なる3つ以上の狭帯域光源を有して前記狭帯域光源が発する光が混合されることにより光源色を白色とする機能性光源の設計方法であって、
    2つの弁別対象の複数のサンプルの反射率スペクトルを取得する反射率スペクトル取得ステップと、
    ピーク波長が互いに異なる狭帯域光源のスペクトル(以下、「狭帯域スペクトル」という。)を4つ以上用意して、前記狭帯域スペクトルのうちの3つ以上を放射輝度に対する第1の重み付けを行って組み合わせることにより白色となるスペクトル(以下、「白色スペクトル」という。)を、複数設定する光源色スペクトル設定ステップと、
    複数の前記白色スペクトルを放射輝度に対する第2の重み付けを行って組み合わせることにより構成される設計光源スペクトルと、前記各サンプルの反射率スペクトルとを用いて、前記設計光源スペクトルを有する設計光源で照明しつつ前記各サンプルを観察したと仮定したときの前記各サンプルの色の見えを表すパラメータを算出し、当該パラメータを用いて前記2つの弁別対象間の色差を表す評価量を算出する評価量算出ステップと、
    を有し、
    前記評価量が表す色差が略最大となるように前記第2の重み付けを最適化し、
    前記第1の重み付けと最適化した前記第2の重み付けとに基づいて、前記機能性光源を設計することを特徴とする設計方法。
  3. 請求項2記載の設計方法であって、
    前記評価量算出ステップにおいて、カラーアピアランスモデルに基づいて前記パラメータを算出することを特徴とする設計方法。
  4. 所望の光源色を有する機能性光源の設計方法であって、
    弁別の対象となる2つの観察対象についてそれぞれ複数のサンプルの反射率スペクトルを取得する反射率スペクトル取得ステップと、
    ピーク波長が互いに異なる狭帯域光源のスペクトル(以下、「狭帯域スペクトル」という。)を4つ以上用意して、前記狭帯域スペクトルのうちの3つ以上を放射輝度に対する第1の重み付けを行って組み合わせることにより前記所望の光源色となるスペクトル(以下、「光源色スペクトル」という。)を、複数設定する光源色スペクトル設定ステップと、
    複数の前記光源色スペクトルを放射輝度に対する第2の重み付けを行って組み合わせることにより構成される設計光源スペクトルと、前記各サンプルの反射率スペクトルとを用いて、前記設計光源スペクトルを有する設計光源の下で前記各サンプルを観察したと仮定したときの前記各サンプルの色の見えを表すパラメータを算出し、当該パラメータを用いて前記設計光源下における前記2つの観察対象間の色差を表す評価量を算出する評価量算出ステップと、
    を有し、
    前記評価量が表す前記色差が略最大となるように前記第2の重み付けを最適化し、
    前記第1の重み付けと最適化した前記第2の重み付けとに基づいて、前記機能性光源を設計することを特徴とする設計方法。
  5. 所望の光源色を有する機能性光源の設計方法であって、
    2つの弁別対象についてそれぞれ複数のサンプルの反射率スペクトルを取得する反射率スペクトル取得ステップと、
    ピーク波長が互いに異なる狭帯域光源のスペクトル(以下、「狭帯域スペクトル」という。)を4つ以上用意して、前記狭帯域スペクトルのうちの3つ以上を放射輝度に対する第1の重み付けを行って組み合わせることにより前記所望の光源色となるスペクトル(以下、「光源色スペクトル」という。)を、複数設定する光源色スペクトル設定ステップと、
    複数の前記光源色スペクトルを放射輝度に対する第2の重み付けを行って組み合わせることにより構成される設計光源スペクトルと、前記各サンプルの反射率スペクトルとを用いて、前記設計光源スペクトルを有する設計光源で照明しつつ所定の計測装置により前記各サンプルからの反射光を計測したと仮定したときの前記各サンプルの計測値を算出し、
    当該計測値を用いて前記2つの弁別対象のサンプル間の計測値の差を表す評価量を算出する評価量算出ステップと、
    を有し、
    前記評価量が表す前記計測値の差が略最大となるように前記第2の重み付けを最適化し、
    前記第1の重み付けと最適化した前記第2の重み付けとに基づいて、前記機能性光源を設計することを特徴とする設計方法。

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