JP2020138775A - 蓋構造体及び蓋付タンク - Google Patents
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Abstract
Description
この種のタンクは、収容物を単に収容するだけでなく、複数の材料を混合するための攪拌装置や材料を熱や薬剤で反応させるための反応装置などにも用いられている。
このような開口が開放状態のままではタンク内への異物の混入を許す原因ともなりかねないため、上記のような場合には、前記開口の一部を塞いだり、或いは、前記開口を完全に塞いだりするための蓋構造体が装着され、該蓋構造体と前記タンクとで蓋付タンクを構成させるようなことが行われている。
このような蓋付タンクに関し、例えば、下記特許文献1には、複数のクランプで蓋をタンク開口部に固定するように構成された蓋付タンクが開示されている(段落0029など参照)。
そこで、本発明では、このような問題を解決すべく開閉容易な蓋構造体を提供し、ひいては蓋付タンクの開閉操作を容易にさせることを課題としている。
内部空間と外部空間とを連通する開口を備えたタンクに装着される蓋構造体であって、
前記開口の外部空間側に設けられる基体を有し、
前記基体が前記タンクの前記開口に通じる開口部を有し、
該基体に装着されて前記開口部を塞ぐ蓋体を備え、
該蓋体及び前記基体には、前記蓋体を前記基体に装着する際に互いに対向するように配される基体フランジ部と蓋フランジ部とがそれぞれ備えられ、
前記基体フランジ部と前記蓋フランジ部とのそれぞれがフェルール形状を有し、
前記基体フランジ部に前記蓋フランジ部を固定して前記蓋体を前記基体に装着するためのフェルールクランプがさらに備えられている蓋構造体、
を提供する。
内部空間と外部空間とを連通する開口を備えたタンクと、前記開口の外部空間側に装着される蓋構造体とを備えた蓋付タンクであって、
前記蓋構造体は、
前記開口の外部空間側に装着された基体を有し、
前記基体が前記開口に通じる開口部を有し、
該基体に装着されて前記開口部を塞ぐ蓋体をさらに有し、
該蓋体及び前記基体が、前記蓋体を前記基体に装着する際に互いに対向するように配される基体フランジ部と蓋フランジ部とをそれぞれ有し、
前記基体フランジ部と前記蓋フランジ部とのそれぞれがフェルール形状を有し、
前記基体フランジ部に前記蓋フランジ部を固定して前記蓋体を前記基体に装着するためのフェルールクランプをさらに備えている蓋付タンク、
を提供する。
図1は、本実施形態における蓋付タンクを示したもので、以下においては、本実施形態の蓋付タンク1がグラスライニングの施されたグラスライニング容器である場合を例にして本発明の実施の形態について説明する。
本実施形態の蓋付タンク1は、タンク10と、蓋構造体20とを備えている。
前記タンク10は、内部空間と外部空間とを連通する開口を有している。
即ち、前記タンク10は、収容物を混合したりする際に混合の程度を確認すべく収容物のサンプリングを行ったり、一部の材料をタンク内に後から添加したりできるように開口を有している
前記蓋構造体20は、前記タンク10の開口を塞ぐための蓋体と、該蓋体を前記タンク10に装着する際のベースとなる基体とを備えている。
該タンク本体11の下部には、タンク10の底となる底壁部11aと、該底壁部11aの外周縁より筒状になって立ち上がる周側壁部11bとが備えられている。
前記タンク本体11の上部は、前記周側壁部11bの上部開口を上方から閉塞するように設けられた天壁部11cを備えている。
本実施形態の前記タンク10は、該天壁部11cから上方に延びる管状部12をさらに有している。
前記周側壁部11bの内径は、通常、3m以下とされる。
なお、本実施形態のタンク10は、その形状や大きさが特に限定されるものではなく、前記周側壁部11bが45cm以上の内径を有する円筒状であっても、60m以上の内径を有する円筒状であってもよい。
前記周側壁部11bは、角筒状などであってもよい。
本実形態のタンク10は、縦型である必要はなく横型であってもよい。
本実施形態のタンク10は、通常、前記タンク本体の容量が100L以上100kL以下とされ得る。
前記タンク10は、前記周側壁部11bの中心部を通って垂直方向に延びる中心軸CLに対して並行するように上方に延びる第1管状部12aと、前記中心軸に対して傾斜して上方に延びる第2管状部12bとを備えている。
前記第1管状部12a及び前記第2管状部12bは、水平方向における位置が前記中心軸CLと前記周側壁部11bとの間に位置するように配されている。
前記第2管状部12bは、前記第1管状部12aとは前記中心軸CLを介して反対側となる位置に設けられ、上方に向かうに従って前記中心軸CLから離れるように傾斜した状態で備えられている。
即ち、前記タンク10は、その内部空間と外部空間とを連通状態にさせる開口を前記第1管状部12aと前記第2管状部12bとの上端部に備えている。
本実施形態では、前記天壁部11c、前記第1管状部12a、及び、前記第2管状部12bが一体不可分となった一体成形品であり、該一体成形品は、前記タンク本体11の下部と同様にグラスライニングが施された鋼製品である。
本実施形態の前記第2管状部12bは、前記天壁部11cから管状に延びる管体(以下、「第2管本体12b1」ともいう)と、該第2管本体12b1の上端部より径方向外向きに延びるフランジ(以下、「第2管フランジ12b2」ともいう)とを備えている。
本実施形態の前記管体(12a1,12b1)は、いずれも円筒状で前記フランジ(12a2,12b2)はいずれも円環状である。
本実施形態における前記第1管フランジ12a2は、前記配管30のフランジ(以下「配管フランジ31」ともいう)とともに継手構造体を構成している。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る前記蓋構造体20は、前記第2管本体12b1の先端部における前記開口の外部空間側に装着されて当該蓋構造体20のベースとなる基体210を備えている。
前記蓋構造体20は、前記基体210とともに該基体210に装着される蓋体220を備えている。
本実施形態の前記基体210と前記蓋体220とのそれぞれには後段において詳述するようにフェルール形状を有するフランジ部が備えられており、前記基体210に対する前記蓋体220の固定をフェルールクランプによって実施し得るように構成されている。
本実施形態での前記基体210は、扁平な円筒状となった基体本体部211を有し、該基体本体部211の一端側に前記開口部210aを有しており、該開口部210aより径方向外向きに延びる基体フランジ部212をさらに有している。
即ち、本実施形態における前記基体フランジ部212は円環状である。
前記蓋体220は、前記基体210の前記開口部210aを開閉自在に閉塞するために前記蓋構造体20に備えられている。
前記蓋体220は、前記開口部210aの一部又は全体を塞ぐように設けられており、本実施形態においては前記開口部全体を塞ぐように設けられている。
本実施形態での前記蓋体220は、前記基体に当接されて前記開口部210aを閉塞する蓋本体部221と、前記開口部210aを閉塞状態にする際に前記基体フランジ部212に対向するように配される蓋フランジ部222とを有している。
前記蓋構造体20は、さらにフェルールクランプ230とガスケット240とを有している。
尚、以下の蓋構造体の説明においては、前記連通路を通じて内部空間から外部空間へと向かう方向を第1方向と称し、該第1方向とは逆向きとなる方向(タンク内に向かう方向)を第2方向と称することがある。
また、以下においては、前記第1方向のことを上方と称し、前記第2方向のことを下方と称することがある。
さらに、以下においては、前記第1方向や前記第2方向に直交する平面に沿って前記第2管状部12bの中心軸から離れる方向や前記中心軸に向かう方向のことを径方向と称することがある。
そして、以下においては、前記中心軸から離れる方向を外方や外向きなどと称し、前記中心軸に向かう方向を内方や内向きなどと称することがある。
また、以下においては、前記中心軸周りに周回する方向のことを周方向と称することがある。
即ち、本実施形態の前記蓋構造体20は、前記基体210に対して前記蓋体220が装着されることによって前記連通路を通じた内部空間と外部空間との連通を阻止し得るように構成されている。
即ち、本実施形態の前記蓋構造体20は、前記基体210に対する前記蓋体220の装着が解除されることによって前記連通路による内部空間と外部空間との連通が確保され得るように構成されている。
そして、本実施形態における前記基体210への前記蓋体220の装着には、フェルールフランジとフェルールクランプとによる締結手段が利用されている。
即ち、前記蓋構造体20は、前記蓋体220で前記開口部210aを閉塞した状態において前記基体フランジ部212と前記蓋フランジ部222とを合わせた形状が算盤玉形状となるように形成されている。
言い換えると前記基体フランジ部212の傾斜面及び前記蓋フランジ部222の傾斜面は、それぞれ径方向外側に向かうに従って前記接合面に近づくように構成されている。
前記フェルールクランプ230は、周長を変更するための締付具231を備えている。
より詳しく説明すると、前記フェルールクランプ230は、前記蓋体220で前記開口部210aを閉塞した状態において前記基体フランジ部212及び前記蓋フランジ部222の外周に巻掛け得る長さを有し、前記接合面に対して垂直方向に見た際に前記基体フランジ部212や前記蓋フランジ部222の外周縁が描く円形よりも径大な円形状に配置可能であるとともに前記締付具231によって径を縮小し得るように構成されている。
そして、本実施形態における前記蓋構造体20は、前記基体フランジ部212の傾斜面と前記蓋フランジ部222の傾斜面とのそれぞれに対して外側から内側に向けて力が加えられることによって前記基体210と前記蓋体220とが接近する方向に前記力が作用し、これによって前記開口部210aを高い気密性で封止し得るように構成されている。
尚、蓋体の外周部に周方向に間隔を設けて配置した複数のボルトナットで当該蓋体をタンクに取り付ける場合、各ボルトナットの締め付け力を調整することで蓋体とタンクとの間に作用する圧力にバラツキが生じないようにすることができる。
一方で、フェルールクランプ230を用いる場合は、そのような部分的な圧力の調整を行うことが難しい。
しかしながら本実施形態においては、後述するように前記基体フランジ部212や前記蓋フランジ部222がリング状の別部材となっている。
より詳しくは、前記基体フランジ部212は、基体本体部211に外嵌されたリング状の別部材で構成され、前記蓋フランジ部222は、蓋板と別部材となったリング状の部材で構成されている。
そのために、フェルールクランプ230とこれらの傾斜面との接触圧力が場所によって異なる状況が生じたとしてもリング状の部材と蓋板や基体本体部211との間では縁が切れた状態となっているため、リング状の部材から蓋板や基体本体部211への圧力の伝播に際して圧力のバラツキが緩和され易い。
即ち、本実施形態においては、基体本体部211と蓋板との当接圧力が周方向において均等化され易い。
しかも、前記基体210においては、後述するようにリング状の部材に加えられた力が分割フランジを介して基体本体部211へと伝播されるように構成されているため、フェルールクランプ230と前記傾斜面との間に発生する圧力が周方向においてバラツキを生じたとしても基体本体部211と蓋板との当接圧力にはバラツキが生じ難い。
本実施形態における前記基体210は、内壁面によって前記連通路を画定する扁平筒状(リング状)の基体本体部211と、該基体本体部211に外嵌されて前記基体フランジ部212を構成する円環形状のテーパーリング212xとを備えている。
本実施形態における前記基体210では、前記フェルールフランジ構造となっている前記テーパーリング212xが、前記基体本体部211とは別部材となっている。
本実施形態における前記樹脂リング211xは、特にその材質が限定されるべきものではないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)などのフッ素樹脂が用いられてなる成形品とすることができる。
本実施形態における前記樹脂リング211xは、シリコン樹脂が用いられてなる成形品であってもよい。
前記樹脂リング211xは、耐摩耗性、硬度(弾性率)、破壊強度などの諸物性の調整を目的として、フッ素樹脂やシリコン樹脂などの樹脂とともにガラスファイバーやタルクなどの無機フィラーを含有してもよい。
前記樹脂リング211xは、顔料などのその他の添加剤を適宜含有してもよい。
前記樹脂リング211xの両端面の内の第1端面211aは、前記蓋体220に当接される面であり、その内周縁によって前記開口部210aを画定している。
本実施形態の前記樹脂リング211xは、前記第1端面211aとは逆の第2端面211bの側が平坦形状であるのに対して前記第1端面211aの側には、前記開口部210aを画定している内周縁と、外周縁との間を通って前記開口部210aの周りを周回する溝211dが設けられている。
該樹脂リング211xは、前記第2管フランジ12b2に対応した径を有し、前記第2端面211bを全周に亘って前記第2管フランジ12b2に面接触させ得る形状を有している
前記蓋構造体20の大きさは、前記溝211dに収容されたシーリング材としてOリングSLをさらに備えている。
前記OリングSLは、蓋体220で開口部210aを閉塞させる際には、蓋板による押圧力で弾性変形して溝内に収容されるよう形成されている。
即ち、前記樹脂リング211xは、第1端面211aが前記蓋体220に当接される際により強く前記蓋体220に当接されて前記蓋体220との間に強固なシール面を構成し得るように備えられている。
前記凸部211cは、樹脂リング211xの第2端面211bの外周縁部を周回するように設けられ全周に亘って設けられている。
前記テーパーリング212xの第1面とは逆側の第2面は、前記フェルールクランプ230によって内向きに応力が加えられる前記傾斜面となっている。
前記テーパーリング212xは、特にその材質が限定されるべきものではないが、金属製であることが好ましく、ステンレススチール製であることが好ましい。
該テーパーリング212xが金属製であることで、該テーパーリング212xがセラミックス製やグラスライニング品であるような場合に比べて前記第1面や前記第2面を精密に加工し易くなるという効果を奏する。
該段差212x1は、前記樹脂リング211xの凸部211cと係合し、前記樹脂リング211xに外嵌した際に前記樹脂リング211xの第1端面211aが必要以上に前記第1面よりも突出しないように設けられている。
前記分割フランジは、複数の分割片によって構成されており、該分割片が合体して円環状となるように構成されている。
本実施形態における前記基体210は、該分割フランジ213xによって前記タンク10の前記天壁部11cから管状となって上方に延びる前記第2管状部12bに着脱自在に装着し得るように構成されている。
前記分割フランジ213xは、前記のように分割されていない状態において円環状となるように構成されており、その内径が前記第2管状部12bの前記第2管本体12b1よりも径大で、且つ、前記第2管状部12bの前記第2管フランジ12b2よりも径小となるように構成されている。
即ち、本実施形態における前記基体210は、分割フランジ213xのみによって前記第2管状部12bに固定され得るようにはなっておらず、該分割フランジ213xは前記第2管状部12bの外周面と当該分割フランジ213xの内周面との間に遊び(クリアランス)を設けて嵌まるように構成されている。
該連結ボルト214は、前記分割フランジ部213と前記基体フランジ部212との間に距離を設けてこれらを連結するとともにこれらの間の距離を調整し得るように設けられている。
従って、本実施形態の前記基体210は、前記分割フランジ部213と前記基体フランジ部212との間にタンク10の第2管フランジ12b2を挟み込んで前記第2管状部12bに固定されるべく構成されている。
そのため、本実施形態の前記基体210は、前記分割フランジ213xで前記第2管本体12b1に対して直接的に固定させるようにしても前記第2管本体12b1に頻繁に締め付け力を加えたり締め付け力を解除したりする必要性はない。
しかし、内外両面にグラスライニングが施されている前記第2管本体12b1に対して強い締め付け力を作用させることは好ましいことではなく、前記分割フランジ213xは、上記のようにして前記第2管状部12bに遊嵌させることが好ましい。
即ち、本実施形態における前記蓋構造体20は、前記タンク10の前記第2管状部12bに設けられた第2管フランジ12b2の上面と前記樹脂リング211xの第2端面212bとの間に介挿された状態で前記ガスケット240が備えられている。
本実施形態における前記連結ボルト214は、前記開口部210aの周りを周回する方向(周方向)に等間隔で配されている。
そして、本実施形態における前記蓋構造体20では、前記連結ボルト214を締め付けると前記分割フランジ213xが前記第2管フランジ12b2に係合して当該分割フランジ213xの側から前記テーパーリング212xに向けて接近することができなくなるとともに前記テーパーリング212xを前記第2管フランジ12b2に接近させるように前記連結ボルト214の締め付け力が作用することになる。
従って、本実施形態における前記蓋構造体20は、さらに前記連結ボルト214を締め付けると前記テーパーリング212xを前記第2管フランジ12b2に接近させるように発生させた力が前記段差212x1における係合を通じて前記樹脂リング211xに伝達され、前記樹脂リング211xと前記第2管フランジ12b2との間に介挿された前記ガスケット240への圧縮力として機能する。
本実施形態における前記蓋体220では、少なくとも前記フェルールフランジ構造となっている前記テーパーリング222xは、前記蓋本体部221と別部材となっている。
前記蓋本体部221は、前記フレーム221bとは反対側(内部空間側)より前記蓋板221aに当接され前記フレーム221bとともに前記蓋板221aを保持するための金属製リング221xをさらに備えている。
前記金属製リング221xは、平面視における大きさが前記フレーム221bと共通した円環状であり、前記フレーム221bとの間に前記蓋板221aの外周縁部を所定幅を設けて挟み込むように構成されている。
本実施形態の前記蓋体220は、前記フレーム221bと前記金属製リング221xとを連結する連結具を備えており、該連結具として複数の連結ボルト226を備えている。
前記連結ボルト226は、外周に螺子山の形成された軸部と、該軸部よりも太い頭部とを有し、前記頭部を前記軸部の一端側に備えている。
前記フレーム221bは、前記連結ボルト226の頭部を収容可能な大きさとなった複数の凹部221rを有している。
前記凹部221rは、前記フレーム221bの上方に開口するように形成されており、該凹部221rの底には前記連結ボルト226の軸部よりも太く頭部よりも細い貫通孔(図示せず)が形成されている。
前記フレーム221bと前記蓋本体部221との連結は、前記頭部を前記フレーム221bの貫通孔の周囲に係止させるとともに前記軸部の先端部を前記金属製リング221xに設けた螺子穴と螺合させることによって行われている。
本実施形態の前記金属製リング221xは、扁平な円筒形となっている。
前記金属製リング221xの両端面の内の第1端面221xaは、前記基体210の前記第1端面211aや前記OリングSLに当接されて環状のシール面を構成すべく設けられている。
本実施形態の前記金属製リング221xでの前記第1端面221xaとは逆側の第2端面221xbは、前記蓋体ガスケット224が当接される面となっている。
前記テーパーリング222xの第1面とは逆側の第2面は、前記フェルールクランプ230によって内向きに応力が加えられる前記傾斜面となっている。
前記テーパーリング222xは、基体210のテーパーリング212x(以下、「第1テーパーリング」ともいう)と同様に特にその材質が限定されるべきものではないが、金属製であることが好ましく、ステンレススチール製であることが好ましい。
第1テーパーリング212xと同様に蓋体側の前記テーパーリング222x(以下、「第2テーパーリング」ともいう)が金属製であることで、当該第2テーパーリング222xがセラミックス製であるような場合に比べて前記第1面や前記第2面を精密に加工し易くなるという効果を奏する。
前記第2テーパーリング222xは、第1面側の内周縁部に前記段差222cが形成されている。
前記段差222cは、他の部位よりも前記第1方向(上方)に向けて一段下がった状態となって形成され、金属製リング221xの前記凸部221x1と係合するよう形成されている。
そして、前記蓋体220は、基体210の樹脂リング211xに当接するよう配置された前記金属製リング221xが下向きに押圧されることで樹脂リング211xとの間に良好なシール性を発揮することとなる。
そのため、前記蓋板221aは、耐食性や耐熱性に優れた材質であることが好ましい。
前記蓋板221aは、外部空間側より内部空間を視認可能とすべくガラス板などで構成させることができる。
前記第1アームH1は、側面視における形状がL字状となっており、前記基体210での固定箇所より前記開口部210aの径方向外側に向けて延びる外向部と、該外向部の外方端部より上方に向けて延びる上向部とを備えている。
即ち、前記第1アームH1は、フック形状となっている。
本実施形態における前記第1アームH1は、前記フェルールクランプ230の取り付けられる基体フランジ部212よりもタンク側に固定されているため、前記フェルールクランプ230を緩めてフェルール継手構造を解除した際に前記フェルールクランプ230が不用意に落下してしまうことを抑制することができる。
より具体的には、本実施形態においては、前記タンク10が、収容物を収容するタンク本体11と、該タンク本体11より管状に延びる管状部12を有し、該管状部12の先端に前記開口が設けられ、且つ、少なくとも前記管状部12にはグラスライニングが施されており、前記基体210が該管状部12に装着されるよう構成されている蓋構造体20を例示している。
しかしながら、本実施形態の蓋構造体20の装着されるタンク10は、必ずしもグラスライニング製でなくてもよい。
この点に関し、以下に他の実施の形態について説明する。
図3a、図3bは、第2実施形態に係る蓋構造体20を示した図である。
この第2実施形態の蓋構造体20は、蓋体220の部分が第1実施形態と異なっているだけで、それ以外は第1実施形態と共通している。
前記の第1実施形態では、前記開口部210aを閉塞状態にさせる際に基体本体部211の樹脂リング211xとともにシール面を構成する蓋本体部221の部材として金属製リング221xが採用されていたが、この第2実施形態に係る蓋構造体20は、図3a、図3bに示すように金属製リング221xが採用されていない。
この図4からもわかるように、第2実施形態に係る蓋構造体20は、第1実施形態に係る蓋構造体20に比べて構造がシンプルで軽量化が容易になっている。
しかも、第2実施形態に係る蓋構造体20は、テーパーリング222xの下面側の内側の角部に内側へと突出した凸部222x1を設け前記フレーム221bが当接される側(外部空間側)とは反対側(内部空間側)から前記凸部222x1を前記蓋板221aの外周縁部に当接させて当該蓋板221aを支持させるようにしている。
そして、第2実施形態に係る蓋構造体20は、フレーム221bとテーパーリング222xとを連結ボルト226で固定し、フレーム221bの内周縁部と前記テーパーリング222xの内周縁部と前記蓋板221aの外周縁部を挟み込んで当該蓋板221aをこれらで保持させるようにしている。
従って、第2実施形態に係る蓋構造体20は、フレーム221bの厚さを第1実施形態よりも薄くすることができるため、蓋構造体20の軽量化を図ることができる。
一方で、第2実施形態に係る蓋構造体20では、連結ボルトの軸部を挿通可能な貫通孔のみを設ければよいことから径方向におけるフレーム221bの形成幅を小さくすることができる。
そのことにより、フレーム221bの内側の開口面積を大きく確保することができ、蓋板221aをガラス板とする場合に、内部を視認させ易くすることができる。
この第2実施形態に係る蓋構造体20では、蓋板221aが開口部210aの全体を覆うように樹脂リング211xに当接されているため、蓋板221aをガラス板とすることで内部空間に対する良好な視認性が第1実施形態に比べて確保され易い。
そのため、前記蓋体220には、内部空間に対する良好な視認性が発揮され得る。
但し、フレーム221bによる蓋板221aの保持が、前記OリングSLを収容した溝211dよりも外側で行われると、前記OリングSLと前記ガラス板(蓋板221a)との間に圧力を作用しにくくなるため、フレーム221bによるガラス板の保持は前記溝211dの外周縁よりも内側に達する範囲までとされることが好ましく、前記溝211dを完全に多いながらも前記ガラス板を通して斜めに見れば前記溝211dが確認できる範囲とすることがより好ましい。
(第3実施形態)
前記フレーム221bの固定は、例えば、図5a、図5bに示すように前記フレーム221bの側ではなく、当該フレーム221bを固定する相手側に前記連結ボルト226’の頭部が来るようにしてもよい。
図5a、図5bは、第3実施形態に係る蓋構造体20を示したもので蓋体220の部分だけが第1実施形態と異なっている点については第2実施形態と同じである。
そのことにより、第3実施形態に係る蓋構造体20は、前記フレーム221bの上面が平坦面となるので、当該蓋構造体20を清掃容易なものとすることができる。
即ち、第1実施形態に係るフレーム221bのように凹部を形成したり、第2実施形態に係るフレーム221bのように連結ボルト226の頭部を突出させたりすると埃などがたまり易くなり、付着物が生じたときも拭き取り難いのに対し、第3実施形態に係るフレーム221bは、付着物や溜まった埃などを拭き取り易くなっている。
フレーム221bの上面が平坦面で清掃容易となっている点については、図6a、図6bに示した蓋構造体20にも共通している。
図6a、図6bは、第4実施形態に係る蓋構造体20を示したもので、該蓋構造体20での蓋体220は、これまでの実施形態におけるテーパーリング222xとフレーム221bとが一体化した形状となっている点でこれまでの実施形態に係る蓋構造体20と相違している。
即ち、第4実施形態に係る蓋構造体20では、フレーム221bがその外周縁部にフェルールフランジ構造を有している。
また、前記フレーム221b’は、内部空間側から前記ガラス板の外周縁部に係合させて前記ガラス板を前記蓋板収容凹部内に保持させるための係止具227を内部空間側に装着可能となっている。
しかも、これまでの実施形態では、テーパーリング222xとフレーム221bとの間に隙間などが形成されることがあり、該隙間に埃などが蓄積される可能性があるが、この実施形態に係る蓋構造体20では、そのような隙間の形成を回避できるため埃の付着を防ぐことができる。
第4実施形態に係る蓋構造体20の受け器は、フェルールクランプ230よりもタンク側に位置して、径方向外向きに突出するように設けられた複数の突片250で構成されている。
該突片250は、突出方向先端部が上方に折り曲げられているとともに突出方向基端部が軸に固定されて当該軸周りに回動可能となっている。
さらに、前記突片250は、前記回動によって、第2方向視においてフェルールクランプ230よりも外側に突出した第1の状態(250A)と、フェルールクランプ230よりも内側に格納された第2の状態(250B)とを採り得るように構成されている。
該第2の状態(250B)では、前記突片250の少なくとも一部が、好ましくは全部がフェルールクランプ230よりも内側に格納される。
そのため、前記突片250は、必要に応じて格納できるため、受け器として利用しない時に周辺で作業をしている作業者の衣服などに不用意に引っ掛かってしまうことを抑制することができる。
しかも、本発明の蓋付タンクには優れたメンテナンス性が発揮され得る。
Claims (7)
- 内部空間と外部空間とを連通する開口を備えたタンクに装着される蓋構造体であって、
前記開口の外部空間側に設けられる基体を有し、
前記基体が前記タンクの前記開口に通じる開口部を有し、
該基体に装着されて前記開口部を塞ぐ蓋体を備え、
該蓋体及び前記基体には、前記蓋体を前記基体に装着する際に互いに対向するように配される基体フランジ部と蓋フランジ部とがそれぞれ備えられ、
前記基体フランジ部と前記蓋フランジ部とのそれぞれがフェルール形状を有し、
前記基体フランジ部に前記蓋フランジ部を固定して前記蓋体を前記基体に装着するためのフェルールクランプがさらに備えられている蓋構造体。 - 前記基体は、
前記タンクの前記開口から該基体の前記開口部までの連通路を構成する扁平筒状の基体本体部と、
該基体本体部の前記開口部より径方向外向きに延びる前記基体フランジ部とを有し、
該基体フランジ部と前記基体本体部とがそれぞれ別の部材で構成されている請求項1記載の蓋構造体。 - 前記基体本体部は、少なくとも前記開口部を構成する部位がフッ素樹脂製又はシリコン樹脂製である請求項2記載の蓋構造体。
- 前記タンクが、収容物を収容するタンク本体と、該タンク本体より管状に延びる管状部とを有し、該管状部の先端に前記開口が設けられ、且つ、少なくとも前記管状部にはグラスライニングが施されており、
前記基体が該管状部に装着されるよう構成されている請求項1乃至3の何れか1項に記載の蓋構造体。 - 前記基体が前記管状部に装着される分割フランジをさらに有する請求項4記載の蓋構造体。
- 前記蓋体は、
前記開口部を塞ぐために前記開口部に対向するように配される蓋板と、
該蓋板に外部空間側から当接され、前記蓋板の外周縁部において前記蓋板を保持するフレームとを備えており、
前記蓋板で塞がれた前記開口部を外部空間側から視認し得るように前記蓋板がガラス板によって構成されており、且つ、
該開口部の全体を外部空間側から視認し得るように前記ガラス板が前記開口部よりも大きく、前記フレームが前記ガラス板を保持する箇所が前記開口部よりも径方向外側である請求項1乃至5の何れか1項に記載の蓋構造体。 - 内部空間と外部空間とを連通する開口を備えたタンクと、前記開口の外部空間側に装着される蓋構造体とを備えた蓋付タンクであって、
前記蓋構造体は、
前記開口の外部空間側に装着された基体を有し、
前記基体が前記開口に通じる開口部を有し、
該基体に装着されて前記開口部を塞ぐ蓋体をさらに有し、
該蓋体及び前記基体が、前記蓋体を前記基体に装着する際に互いに対向するように配される基体フランジ部と蓋フランジ部とをそれぞれ有し、
前記基体フランジ部と前記蓋フランジ部とのそれぞれがフェルール形状を有し、
前記基体フランジ部に前記蓋フランジ部を固定して前記蓋体を前記基体に装着するためのフェルールクランプをさらに備えている蓋付タンク。
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