JP2020138630A - 検出システム - Google Patents
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Abstract
【課題】駅等において監視し、簡易かつ確実に安全対策を施すことを可能にする検出システムを提供すること。【解決手段】駅ST等の監視対象すなわち検出範囲を撮像した画像GGについて領域を分割してできる複数の分割領域DD1,DD2に関し、分割領域間での移動ベクトルMV1,MV2を比較することで、画像GG中の移動体である列車TRや乗客HUの移動状態の変化、すなわち列車TRに対する乗客HUの相対的な関係を検出する。【選択図】図4
Description
本発明は、例えば駅のホーム等にいる人や人に付随する物等について検出をする検出システムに関する。
例えば、電車のドア等において使用される安全システムとして、カメラで撮像した画像と基準画像とを比較して安全か否かを判断するもの(特許文献1参照)が知られている。
また、列車におけるドアによる挟み込みを監視するために、監視カメラにおいてドアの開閉状態を知らせる点灯が撮像された場合に、当該監視カメラをズームアップさせるもの(特許文献2参照)が知られている。
しかしながら、例えば、上記特許文献1での検知では、基準画像を予め用意してこれとの比較を要する。また、上記特許文献2での検知では、状況把握のために監視カメラによるズームアップをする必要がある。
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、駅等において監視し、簡易かつ確実に安全対策を施すことを可能にする検出システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための検出システムは、検出範囲を撮像した画像における複数の分割領域の移動ベクトルを比較して移動体の移動状態の変化を検出する。
上記検出システムでは、駅等の監視対象すなわち検出範囲を撮像した画像について領域を分割してできる複数の分割領域に関し、分割領域間での移動ベクトルを比較することで、画像中の移動体の移動状態の変化(例えば二物体間の相対的な関係)を検出することができる。これにより、基準画像の準備や監視カメラのズームアップ等を要することなく、駅等の検出範囲すなわち監視範囲における安全対策を簡易かつ確実に行うことが可能となる。より具体的には、検出範囲として、例えば駅のホーム及びその周辺において撮像した画像を、ホーム側の領域と列車側の領域とで分割し、分割された複数の分割領域について、分割領域間での移動体である人や列車等の移動体の移動ベクトルを比較することで、発車する列車のドアによるホーム上にある人等の物体の挟み込みの有無や、ホームから線路内への人等の転落等が検出可能になる。
本発明の具体的な側面では、移動ベクトルは、オプティカルフローにより抽出される。この場合、迅速な検出が可能になる。
本発明の別の側面では、複数の分割領域は、駅において列車が存在し得る列車領域と、駅ホームの領域とを含む。この場合、駅のホーム及びその周辺を監視して、安全対策を施すことができる。
本発明のさらに別の側面では、複数の分割領域のうち、一の領域に存在する移動体としての第1検出対象と、他の領域に存在する移動体としての第2検出対象とについてそれぞれ検出し、第1及び第2検出対象に関する検出結果を比較して第1及び第2検出対象の一方が他方に挟まれたか否かを判定する。この場合、第1及び第2検出対象に関する挟み込みを検出できる。
本発明のさらに別の側面では、撮像される検出範囲に列車のドアが含まれる。この場合、列車のドアにおける挟み込みを検出できる。
本発明のさらに別の側面では、複数の分割領域は、駅において列車が存在し得る列車領域を一の領域として含み、駅ホームの領域を他の領域として含み、駅から列車が出発した際に、駅ホームの領域における第2検出対象の移動ベクトルについて、列車領域における第1検出対象の移動ベクトルと相関性を有するものが存在する場合に、第2検出対象が第1検出対象に挟まれたと判定する。この場合、移動ベクトルの相関性に基づき、確実な挟み込みの検出ができる。
本発明のさらに別の側面では、駅ホームの領域において、列車領域における第1検出対象の移動ベクトルと相関性を有する第2検出対象の移動ベクトルを検出した一塊の領域について、大きさを測定する。この場合、検出対象の大きさに基づく判定が可能になる。
本発明のさらに別の側面では、複数の分割領域のうち、移動ベクトルを比較する領域は、隣接している。この場合、隣接する領域間における移動状態の変化を検出できる。
以下、図1等を参照して、一実施形態に係る検出システムについて一例を説明する。図1及び図2は、本実施形態に係る検出システム500の一構成例を示す概念図である。
ここでは、図1に概要の一例を示すように、検出システム500は、撮像部(カメラ)10と、制御装置200と、ディスプレイ表示部30とを備える。
撮像部10は、例えばCCDやCMOS等の個体撮像素子で構成される撮像カメラであり、例えば駅のホーム(駅ホーム)PFの上方側や側方側に固定的に設置され、ホームPFや列車TRを撮像する。すなわち、撮像部10により、ホームPFやその周辺を監視対象エリアとして定点観測のための撮像が行われる。なお、撮像部10は、画像データとして、例えば30fpsのフレームレートで2次元画像データ(連続画像データ)を取得している。
制御装置200は、各種画像処理や、通信等の制御一般を担う。このため、制御装置200は、画像処理装置100や、通信部TCを備える。これらのうち、例えば、画像処理装置100は、撮像部10で取得した画像データに各種処理を施してディスプレイ表示部30に表示を行う。また、通信部TCは、例えば緊急時における駅側と列車TR側との間での交信を可能にしている。なお、図示の例では、通信部TCは、列車TRに搭載された通信部TCrに対して緊急時の連絡がなされるものとなっている。
ディスプレイ表示部30は、撮像部10により撮像された画像について映し出すモニターであり、例えばホームPF上の所定位置に設置され、列車TRの乗務員(車掌や運転士)等によって確認可能になっている。特に、本実施形態では、ディスプレイ表示部30は、撮像部10で撮像したものをそのまま映し出す場合のほか、制御装置200における処理内容の結果に応じた表示が可能となっている。
検出システム500のより具体的な一態様としては、図2に例示するように、撮像部10やディスプレイ表示部30は、複数の撮像部10A,10B,10C…や、複数のディスプレイ表示部30A,30B,30C…がセットになって設けられている。一方、制御装置200は、内部において、複数の画像処理装置100A,100B,100C…が、撮像部10A,10B,10C…やディスプレイ表示部30A,30B,30C…に対応して設けられており、これらを統括制御している。
さらに、検出システム500では、撮像部10A,10B,10C…が、線路TK(図1参照)に沿うように配置されていることで、検出システム500は、駅STにて発着する列車TRにおける利用者の乗降の様子の全体について監視可能となっている。例えば、撮像部10A,10B,10C…は、一台につき列車の車両2つ分について監視可能となるように、設置することで、車両に設けられている出入り口であるドアとドアでの出入りの様子について撮像可能となっている。
以上のように、本実施形態では、特に、検出システム500によって、列車TRの乗降口であるドア及びその周辺を撮像範囲すなわち検出範囲としている。すなわち、駅において列車TRが存在し得る列車領域と、ホームPFの領域のうち列車領域に隣接する箇所とを、検出範囲とすることができる。
また、制御装置200の一構成例について、例えば画像処理装置100Aは、撮像部10で取得した画像データを取り扱うための映像制御部110Aとして、映像分配器111と、画像処理部112と、切替器113とを有している。
映像分配器111は、対応する撮像部10Aからの画像データを取得するとともに、これをそのまま映像として映し出すための通常表示用分配データDA1と、目的とする検出を行うための検出用分配データDA2とに分配する。つまり、通常表示用分配データDA1は、直接的に切替器113に出力され、検出用分配データDA2は、画像処理部112に出力される。
画像処理部112は、映像分配器111から分配された検出用分配データDA2に基づいて画像解析をする。ここでは特に、列車による人等の挟み込みの有無についての解析を行い、挟み込みが検出された場合には、その旨に関するデータである非常時データDAeを切替器113に出力する。なお、挟み込みの検出等に関する具体的な手法については、図3等を参照して後述する。
切替器113は、画像処理部112での解析結果に応じて、ディスプレイ表示部30Aに表示させる画像データの切替えを行う。すなわち、通常時においては、通常表示用分配データDA1側に切り替えて撮像部10Aからの画像データをそのまま映像として映し出す一方、画像処理部112での解析結果、挟み込みが検出された場合には、これに応じた緊急表示を行わせるべく切り替えをして、画像処理部112からの非常時データDAeを出力させる。
なお、詳しい説明や図示を省略するが、制御装置200を構成する他の画像処理装置100B,100C…についても、同様の構成を有する映像制御部110B,110C…を備える。
そのほか、検出システム500は、例えば、外部への通知をする通知部として機能するスピーカ(サイレン)SKや非常灯EL等を有し、映像制御部110A,110B,110C…での画像解析の結果から、必要に応じて、緊急時等の適切なタイミングでの報知を可能にしている。
検出システム500は、上記のような構成を有することで、画像解析による各種監視を可能としており、ここでは特に、駅STからの列車TRの出発に際して、列車のドアにおける人等の挟み込みの有無を検出可能にしている。
本実施形態では、特に、検出範囲を撮像した画像について複数の部分領域に分割すなわち領域分けをし、作成された複数の分割領域において、オプティカルフローにより抽出される移動ベクトルを比較することで、各領域中における検出対象である列車や人等の移動体の動きを解析可能としている。より具体的には、駅STにおいて列車TRの出発に際して、列車TRが存在し得る列車領域における移動ベクトルと、ホームPFの領域における移動ベクトルとについての相関関係を比較することで、列車TRに引きずられている物体等が存在するか否かを検出することで、列車のドアにおける人等の挟み込みの有無を検出している。
以下、図3等を参照して、検出システム500において目的とする検出を可能とするための準備段階として、検出範囲を撮像した画像における領域の分割について一例を説明する。
なお、本実施形態では、撮像対象である実物とそれを撮像した画像とについて、同じ符号を付すことがあるものとする。例えば、図1に示す実物のホームPFや列車TR等を、図3(A)に示すディスプレイ表示部に映し出した画像GGにおいても、同じ符号のPFやTRで示している。
まず、図3(A)に例示するように、撮像部10(図1等参照)によって撮像した画像GGが、駅STに停車中の列車TRとそれに隣接するホームPFとを含むように、撮影位置や撮像範囲等を設定する。次に、図3(B)及び図3(C)に例示するように、図3(A)に示す画像GGのうち、列車TRが存在し得る列車領域を含む第1分割領域DD1と、ホームPFのうち列車領域に隣接している領域を含む第2分割領域DD2とを抽出する。
図示の例では、第1分割領域DD1は、例えば列車TRの建築限界等に基づいて定められ、列車TRが駅STを発着する際や通過する際に通る領域が含まれるようになっている。すなわち、図3(C)に示すように、第1分割領域DD1における移動ベクトルMV1は、主として列車TRあるいは列車TRとともに移動する物体(移動体)の動きを示すものとなる。一方、第2分割領域DD2における移動ベクトルMV2は、ホームPFのうち発着する列車TRの直近領域の物体(移動体)の動きを示すものとなる。より具体的には、ここでの一例では、第2分割領域DD2は、ホームPFのうちハッチングで示す列車発着時における安全な範囲の目安となるラインLLを超えた接触の危険性が高い外側の領域としている。なお、列車TR等の第1分割領域DD1における検出対象を第1検出対象とし、ホームPF上にいる乗客HU等の第2分割領域DD2における検出対象を第2検出対象とする。すなわち、本実施形態では、第1分割領域DD1と第2分割領域DD2とのうち、一の領域である第1分割領域DD1に存在する移動体としての第1検出対象(列車TR)と、他の領域である第2分割領域DD2に存在する移動体としての第2検出対象(乗客HU)とについて、それぞれ検出している。この上で、第1検出対象たる列車TRと第2検出対象たる(乗客HU)とに関する検出結果である移動ベクトルMV1,MV2を比較して、第1及び第2検出対象の一方が他方に挟まれたか否かを判定している。
図4(A)は、検出範囲を撮像した画像GGにおいて隣接する分割領域の他の一例を示す概念的な画像図である。なお、図3の場合と同様、ここでも、第1分割領域DD1は列車領域を含み、第2分割領域DD2は、ホームPF上の外側の領域を含むものとしている。より具体的には、図示のように、第1分割領域DD1には、列車TRの少なくとも一部が含まれており、特に、停車時における列車TRのドアDRが含まれるようになっている。一方、第2分割領域DD2には、ホームPFのうち列車TRの直近すなわちホームの端側が含まれており、特に、ドアDRに隣接する乗降箇所が含まれるようになっている。図示の例では、第1分割領域DD1には列車TRが停車しており、第2分割領域DD2やこれ以外のホームPF上の領域には、複数の人(乗客)HUが存在している。この場合、列車TRは、ドアDRが閉じられた後、一定の方向に動き始めるが、複数の乗客HUについては、個々バラバラに種々の方向に動いていることになる。
したがって、以上の場合、第1分割領域DD1における移動ベクトルMV1は、列車TRの進行方向とその大きさすなわち速さを示すものとなるが、列車TRの出発時の動作の一様性から、移動ベクトルMV1は、毎回同様の定まったパターンの変化を示すと考えられる。つまり、図4(B)及び4(C)に破線で囲って例示するように、移動ベクトルMV1は、発車に際して、列車TRの進行方向及び速度に沿った一様なパターンが毎回表示される。
一方、第2分割領域DD2における移動ベクトルMV2は、図4(B)及び4(C)に示すように、ホームPF上における人や物の動きに応じて、その時々で様々な変化を示すと考えられる。ただし、図4(C)において破線で囲って例示するように、移動ベクトルMV2が、近隣の移動ベクトルMV1と同様の大きさや方向を示すものと一致するような場合には、列車TRのドアに挟まれて動き出した列車TRに引きずられている状態にある物体についての動きを捉えたものとなっている可能性が非常に高いと考えられる。すなわち、駅STから列車TRが出発した際に、ホームPFの領域である第2分割領域DD2における第2検出対象たる人(乗客)HUの移動ベクトルMV2について、列車領域を含む第1分割領域DD1における第1検出対象たる列車TRの移動ベクトルMV2と相関性を有するものが存在する場合に、第2検出対象たる乗客HUが第1検出対象たる列車TRに挟まれたと判定する。以上のように、本実施形態の検出システム500では、このような動きを捉えることで、いわゆる列車TRにおける挟み込みを迅速かつ的確に検出可能としている。
以下、オプティカルフロー法による移動ベクトルMV1,MV2の抽出方法について簡単に説明する。ここでは、画像GGの各分割領域DD1,DD2における注目画素あるいは注目領域について、連続画像の第1フレームと第kフレーム(k≧2)とにおける位置の差を算出することで、領域内の注目画素あるいは注目領域についての移動ベクトルMV1,MV2が抽出される。なお、注目画素あるいは注目領域については、種々の捉え方が可能であり、例えば列車TR側すなわち第1分割領域DD1内では、ドアや窓の枠部分、あるいは列車TRの模様や凹凸部分等を注目画素あるいは注目領域として捉え、これらの連続画像間での動きから移動ベクトルMV1が抽出される。一方、乗客HU側すなわち第2分割領域DD2内では、例えば乗客HUの顔や服の輪郭部分(画像のエッジ部分)等を注目画素あるいは注目領域として捉え、これらの連続画像間での動きから移動ベクトルMV2が抽出される。オプティカルフロー法を利用する場合、各分割領域DD1,DD2における注目画素あるいは注目領域さえ捉えることができれば、必要な移動ベクトルMV1,MV2の抽出が可能であり、例えば検出対象となるオブジェクト画像を全体画像から抽出する、といったことを要しない。このため、例えば抽出したオブジェクト画像から、さらに当該オブジェクト画像の動作を捉える、といった方法をとる場合に比べて、迅速な画像処理が可能となる。これにより、列車TRが出発してから発生が確認される挟み込みを素早く察知して列車TRに報知し挟み込まれた人等が引きずられてしまう前に緊急停止させる、といった一連の動作を達成させることが可能になる。
以下、図5及び図6のフローチャートを参照して、検出システム500の全体動作の一例について説明する。
まず、制御装置200あるいは検出システム500が起動し、撮像部10からの画素データについての入力(画像入力)がなされると(ステップS101)、制御装置200は、列車TRの検出を行う(ステップS102)。すなわち、列車TRの在線確認を行う。
なお、列車TRの在線確認の方法については、種々のものが考えられ、例えば画像処理装置100での画像解析処理から列車TRの有無を判断してもよいが、駅に備えられた在線確認のための各種装置での検出結果を制御装置200あるいは検出システム500において受け付けることで確認可能としてもよい。
ステップS102での確認の結果、列車TRが在線していないと判断された場合(ステップS103:No)、挟み込みに関する検出を行うタイミングではないと判断し、ステップS101からの動作に戻る。一方、ステップS102での確認の結果、列車TRが在線していると判断された場合(ステップS103:Yes)、制御装置200は、さらに、在線している列車TRのドアDRが開いているか否かを確認する(ステップS104)。
なお、列車TRのドアDRが開いているか否かの確認方法については、種々のものが考えられ、例えば画像処理装置100での画像解析処理から判断してもよいが、駅に備えられた各種センサー等での検出結果を制御装置200あるいは検出システム500において受け付けることで確認可能としてもよい。
ステップS104での確認の結果、列車TRのドアDRが開いていると判断された場合(ステップS105:Yes)、挟み込みに関する検出を行うタイミングではないと判断し、ステップS104からの動作に戻る。一方、ステップS104での確認の結果、列車TRのドアDRが開いていない(閉じている)と判断された場合(ステップS105:No)、ドアDRによる挟み込みとそれに伴う引きずり発生の可能性があるものとして、挟み込みに関する検出を開始する(ステップS106)。ここでは、ステップS106における挟み込みに関する検出を引きずり検出と呼ぶこととする。
なお、ステップS106での引きずり検出を終えると、制御装置200あるいは検出システム500は、再びステップS101からの動作に戻り、上述した一連の動作を繰り返す。
以下、図6のフローチャートを参照して、図5におけるステップS106の引きずり検出の処理について、具体的一例を説明する。
まず、制御装置200は、人(乗客)HU等の列車TRへの接触の有無等を判定する触車判定を行う(ステップS201)。触車判定については、種々の方法が考えられるが、例えば、車掌による目視のほか、各種センサーや画像判定手段等を設けることが考えられる。
ステップS201の結果、触車ありと判定された場合(ステップS202:Yes)、制御装置200は、駅員や運転士、車掌等に報知すべく警報出力の動作を行う(ステップS203)。
一方、ステップS201の結果、触車ありと判定されない場合(ステップS202:No)、制御装置200は、挟み込みの発生があるか否かを確認すべくオプティカルフローによる一例の処理(ステップS204〜ステップS206)を開始する。
ここで、上記のように、ステップS201での判定において、触車ありと判定されない場合、その他の安全が併せて確認されることで、列車TRは出発することになる。しかしながら、ステップS201の触車判定において触車ありと判定されない場合(ステップS202:No)であっても、例えば車掌による目視の際の見落としや、各種センサーや画像判定手段等において検知されないことあるいは検知されたがこれを車掌が見落とすこと等により、実際には、ドアDRにおいて挟み込み等が生じてしまっている可能性もある。
本実施形態では、このように、列車TRのドアDRが閉じて、かつ、触車ありと判定されず、列車TRが出発し始めた段階において、見落とされた挟み込みの発生を画像処理を利用して異なる観点から迅速に検出し、大きな引きずりによる事故が発生する前に列車に停止命令を発することを可能にしている。
以下、図6のフローチャートに戻って、上記した画像処理の具体的内容についての一例を説明する。ステップS202において、触車ありと判定されない場合に(ステップS202:No)、まず、制御装置200は、オプティカルフローによる算出をする(ステップS204)。すなわち、制御装置200の各画像処理装置100において、予め画像GGを区切った第1分割領域DD1及び第2分割領域DD2における移動ベクトルMV1及び移動ベクトルMV2をそれぞれ抽出し、これらの移動方向や移動量(大きさ)を算出する(ステップS204)。さらに、画像処理装置100は、抽出した両ベクトルMV1,MV2を比較する、すなわち列車領域を含む第1分割領域DD1でのオプティカルフローとホーム領域を含む第2分割領域DD2でのオプティカルフローとを比較することで(ステップS205)、両者における移動状態の変化から動きに関するこれらの間での相関関係の有無を確認する。より具体的には、制御装置200は、各画像処理装置100(100A,100B,100C…)での検出結果について、第1分割領域DD1で検出される列車の移動と同じ移動量かつ移動方向のものが、第2分割領域DD2において検出され、さらに、検出された場合に、該当するものが、一定以上の面積を有するか否かを確認する(ステップS206)。
ステップS206において、一定以上の面積を有するものが列車の移動と同じ移動量かつ移動方向で動いていることが確認された場合(ステップS206:Yes)、制御装置200は、駅員や運転士、車掌等に報知すべく警報出力の動作を行う(ステップS203)。なお、この場合、特に緊急性を要する可能性が高く、通常の警報出力に加え、さらに、即時停止をさせるべく停止命令を運転士や車掌に通報する態様とすることも考えられる。
一方、ステップS206において、列車の移動と同じ移動量かつ移動方向で動いているものが無い場合や、あっても一定以上の面積を有するものでない場合(ステップS206:No)、列車の進行について、挟み込みに起因した支障は発生していないものと判断し、引きずり検出に関する一連の処理を終了し、図5のステップS101からの動作に戻る。
以上のうち、ステップS206における一定以上の面積すなわち当該面積に相当する大きさの物体が列車とともに移動しているか否かについても、オプティカルフローを利用することで、対応する箇所そのものを抽出する必要が無く、列車の移動に一致する移動ベクトルMV2を検出した一塊の領域を見ることで判断できる。つまり、移動ベクトルMV1と相関性を有する移動ベクトルMV2を検出した一塊の領域について大きさを測定することで、挟まれているか否かを検出する検出対象の存在をその大きさに基づいて判定している。
なお、上記における一定以上の面積については、建築限界との関係やノイズ等に基づく誤検知を抑制すること等の種々の観点から、列車の走行に支障を来たさない範囲で適宜設定される。
また、以上の場合、ホーム上での引きずり発生に関する危険性の判断に加え、列車内の乗客あるいは当該乗客が身に着けている物の一部がドアからはみ出した状態となった場合にも、これらを適切に検出し、対処することができる。
以上のように、本実施形態に係る検出システム500では、駅ST等の監視対象すなわち検出範囲を撮像した画像GGについて領域を分割してできる複数の分割領域DD1,DD2に関し、分割領域間での移動ベクトルMV1,MV2を比較することで、画像GG中の移動体である列車TRや乗客HUの移動状態の変化、すなわち列車TRに対する乗客HUの相対的な関係を検出することができる。これにより、基準画像の準備や監視カメラのズームアップ等を要することなく、駅等の検出範囲すなわち監視範囲における安全対策を簡易かつ確実に行うことが可能となる。より具体的には、駅のホームPF及びその周辺において撮像した画像GGを、ホーム側の領域である第2分割領域DD2と列車側の領域である第1分割領域DD1とで分割し、各分割領域DD1,DD2について、分割領域間での移動体である人(乗客HU)や列車TR等の移動体の移動ベクトルMV1,MV2を比較することで、発車する列車TRのドアDRによるホームPF上にある人(乗客HU)等の物体の挟み込みの有無が検出可能になる。
以下、一般に、列車のドアにおける物体の挟み込みの検出において、各種処理のために許容される時間について考察する。
まず、一般に、列車の起動時からすなわち速度0からの発進加速度(起動加速度)は、2.3〜3.5km/h(時)/s(秒)と言われている。そこで、起動加速度を3.5km/h/sとすると、起動時からの経過時間と、移動距離(起動加速度から累積して求められる累積移動距離)との関係は、以下の表1のようになる。
ここで、人の一歩分の大きさが0.5m程度であることから、例えば列車が0.5m移動するまでに停止させるものとし、さらに、上記発進加速度(起動加速度)と停止に向けた減速加速度とが等しいとする。こう考えると、列車が上記0.5mの半分すなわち0.25m移動するまでに挟み込みの検出がなされることが望ましいことになる。表1から発信から0.25mの位置までの移動する時間は、0.7秒程度と考えられる。
また、一方で、一般的な人の歩行速度が約2.0km/h〜4.0km/h(0.5m/s〜1.1m/s)とすると、これらの動きと区別できる速度(人の歩行よりも遅い速度)で列車が移動するのは、発車から0.5秒程度以内である。
したがって、人の歩行と区別可能な列車の移動を検知できる発車から0.5秒程度までの間において取得した連続画像を利用して、かつ、0.7秒程度までに検出結果を出そうとすると、当該連連続画像に基づいて判定を行うために利用できる時間は、0.7秒−0.5秒=0.2秒程度ということになる。これに対して、本実施形態では、判定のための画像処理として、オプティカルフローによる算出を利用していることで、0.2秒程度であっても判定結果の算出が可能であるようにしている。なお、例えば、水上嘉樹,多田村克己:"汎用グラフィックプロセッサを用いたオプティカルフロー計算",画像電子学会誌37巻4号p.428−435(2008)等を参照すれば、上記のような短い時間での算出について、求める精度等に応じて、適宜、ハードウェアや計算方法の選択を行うことで可能であることが分かる。
以下、図7等を参照して、検出システム500の別の使用態様について一例を説明する。
上記した一例では、駅に停車している列車のドアが閉まっている時点において人等の物体の挟み込みの有無を検出するものとしているが、これ以外の場合の安全確保のための検出として、例えば駅に列車が停車していない間において、ホームから線路内への人等の転落等を検出することが考えられる。ここでは、かかる検出を、検出システム500を利用して行うことについて考察する。
以下、図7及び図8を参照して、上記のような人等の転落に関する検出システム500の使用態様について、一例を説明する。なお、図7は、検出システム500の別の使用態様における一構成例を示す概念図であり、図1に対応する図である。また、図8は、隣接する分割領域間における移動ベクトルについて一例を示すための概念的な画像図であり、図4(B)あるいは図4(C)に対応する図である。
例えば図7に示すように、線路TK上に列車が存在しない場合において、ホーム上の乗客HUが、矢印A1に示すように、線路TKに向かって進んでいる場合、図8に例示するように、画像処理装置100での解析結果として得られる移動ベクトルについては、まず、第1分割領域DD1には列車が存在せず、列車の動きを示す移動ベクトルMV1(図4(B)等参照)のようなものは検出されない。一方、第2分割領域DD2の移動ベクトルMV2としては、第1分割領域DD1に向かう成分が検出されることになる。したがって、当該移動ベクトルMV2の算出結果に基づいて、人等が第1分割領域DD1すなわち線路TK内に落ちた、あるいは、このままだと線路TKに落ちる可能性がある、といったことを判定できる。この場合、例えば、制御装置200において、駅構内の駅員や、駅に向かいつつある列車の運転士や車掌に対して、人等の転落に関する判定結果を送信し、警告等を行うことができる。
〔その他〕
この発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
この発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
まず、上記実施形態では、図3の例では、第1分割領域DD1を列車TRの通過範囲の全体に対応させているが、これに限らず、例えば列車TRの通過範囲の一部のみを第1分割領域DD1としてもよい。特に、背景部分を除くようにすることで、列車以外の動きを捉えた移動ベクトルの発生を抑制することで意図しないベクトル(ノイズ)を除去してより精度の高い検出を行うことが期待できる。特に、列車TRの通過範囲の一部のみを抽出する場合、注目画素あるいは注目領域となりやすい箇所を含むようにしておくことで、必要に足る移動ベクトルの検出が確保されると考えられる。
また、上記では、画像処理において、オプティカルフローによる移動ベクトルの抽出を利用して、分割領域間の比較判定を行っているが、処理時間の条件等を満たせば、オプティカルフローに限らず、種々の画像処理方法を利用することが考えられる。例えば、背景画像との差異により検出した物体の移動量を算出する背景差分を利用する方法や、事前に用意したパターン画像との類似度により検出した物体の移動量を算出するパターンマッチングを利用する方法等が考えられる。ただし、背景差分の場合、フレーム間でのマッチングが必要となる。また、パターンマッチングの場合、検出対象ごとにパターン画像を事前に用意する必要がある。これに対して、オプティカルフローの場合、かかる準備を要しないため、簡易かつ迅速な算出が期待される。さらに、列車TR側の画像については、一部のみを対象としたり、背景部分等のノイズとなる要素を取り除くことで、さらなる処理の迅速化を図ることも考えられる。
また、上記では、人物やこれに付随する物を検出対象としているが、付随する物については、具体的には、例えば杖(白杖等)や盲導犬、ベビーカーや車いす等の一部を検出したりすることが考えられる。
また、上記では、一例として、監視対象エリアを駅STのホームPFとしているが、これに限らず的確な人検出をすることが望まれる種々の場所を監視対象とすることができる。例えばエスカレーター等における利用者の挟み込みの監視に適用すること等が考えられる。
また、撮像部10の配置についても、上記のように、ホームPFの上方側や側方側に設置されて撮像する場合に限らず、目的とする範囲を撮像できる種々の態様とすることができる。特に、撮像部10等について、上記のような駅のホームの例であれば、ITV(industrial television)装置のような既存のシステムを利用し、これらに画像処理装置100等を付加して検出システム500を構成することが考えられる。
10,10A,10B,10C…撮像部、30,30A,30B,30C…ディスプレイ表示部、100,100A,100B,100C…画像処理装置、110A,110B,110C…映像制御部、111…映像分配器、112…画像処理部、113…切替器、200…制御装置、500…検出システム、A1…矢印、DA1…通常表示用分配データ、DA2…検出用分配データ、DAe…非常時データ、DD1…第1分割領域、DD2…第2分割領域、DR…ドア、EL…非常灯、GG…画像、HU…人(乗客)、LL…ライン、MV1,MV2…移動ベクトル、PF…ホーム、SK…スピーカ、ST…駅、TC…通信部、TCr…通信部、TK…線路、TR…列車
Claims (8)
- 検出範囲を撮像した画像における複数の分割領域の移動ベクトルを比較して移動体の移動状態の変化を検出する検出システム。
- 前記移動ベクトルは、オプティカルフローにより抽出される、請求項1に記載の検出システム。
- 前記複数の分割領域は、駅において列車が存在し得る列車領域と、駅ホームの領域とを含む、請求項1及び2のいずれか一項に記載の検出システム。
- 前記複数の分割領域のうち、一の領域に存在する前記移動体としての第1検出対象と、他の領域に存在する前記移動体としての第2検出対象とについてそれぞれ検出し、
前記第1及び第2検出対象に関する検出結果を比較して前記第1及び第2検出対象の一方が他方に挟まれたか否かを判定する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の検出システム。 - 撮像される前記検出範囲に列車のドアが含まれる、請求項4に記載の検出システム。
- 前記複数の分割領域は、駅において列車が存在し得る列車領域を前記一の領域として含み、駅ホームの領域を前記他の領域として含み、
駅から列車が出発した際に、前記駅ホームの領域における前記第2検出対象の移動ベクトルについて、前記列車領域における前記第1検出対象の移動ベクトルと相関性を有するものが存在する場合に、前記第2検出対象が前記第1検出対象に挟まれたと判定する、請求項4及び5のいずれか一項に記載の検出システム。 - 前記駅ホームの領域において、前記列車領域における前記第1検出対象の移動ベクトルと相関性を有する前記第2検出対象の移動ベクトルを検出した一塊の領域について、大きさを測定する、請求項6に記載の検出システム。
- 前記複数の分割領域のうち、前記移動ベクトルを比較する領域は、隣接している、請求項1〜7のいずれか一項に記載の検出システム。
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JP2022074249A (ja) * | 2020-11-04 | 2022-05-18 | 株式会社エクシオテック | 白杖利用入構者駅員報知システム |
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2019
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JP2022074249A (ja) * | 2020-11-04 | 2022-05-18 | 株式会社エクシオテック | 白杖利用入構者駅員報知システム |
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